特許第5834415号(P5834415)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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特許5834415積層フィルムの製造方法および成型体の製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5834415
(24)【登録日】2015年11月13日
(45)【発行日】2015年12月24日
(54)【発明の名称】積層フィルムの製造方法および成型体の製造方法
(51)【国際特許分類】
   B32B 27/36 20060101AFI20151203BHJP
【FI】
   B32B27/36
【請求項の数】3
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2011-11732(P2011-11732)
(22)【出願日】2011年1月24日
(65)【公開番号】特開2012-152932(P2012-152932A)
(43)【公開日】2012年8月16日
【審査請求日】2014年1月15日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003159
【氏名又は名称】東レ株式会社
(72)【発明者】
【氏名】園田 和衛
(72)【発明者】
【氏名】長田 俊一
【審査官】 平井 裕彰
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−184493(JP,A)
【文献】 再公表特許第2007/020861(JP,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B32B1/00〜43/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
結晶性のポリエステル樹脂Aからなる層(A層)と、非晶性のポリエステル樹脂B中に結晶性樹脂が分散された平均層厚みが30〜180nmの層(B層)が交互にそれぞれ200層以上積層された二軸配向フィルムであって、該A層とB層の積層比は3.0〜0.8の範囲にあり、前記B層中に分散する結晶性樹脂は、フィルムの垂直断面を透過型顕微鏡(TEM)で観察した際、直径1〜20nmで分散され、かつ、B層断面の面積に占める前記結晶性樹脂部分の面積分率が0.1〜0.3であり、かつ、前記200層以上に積層されたA層とB層は厚み1〜7μmの結晶性のポリエステル樹脂の層により挟まれており、前記B層は、前記ポリエステル樹脂Bと、組成の異なる結晶性ポリエステルを少なくとも二種類以上混合して得られた樹脂組成物によって構成されており、当該少なくとも2種以上の結晶性ポリエステルとして、結晶融解温度が235℃以上270℃以下である結晶性ポリエステルと、結晶融解温度が180℃以上235℃未満である結晶性ポリエステルが用いられており、B層に含まれる何れかの結晶性ポリエステルの(結晶化温度−20)℃以上、(融点−60)℃以下の温度で加熱エージングされていることを特徴とする二軸配向積層フィルムの製造方法
【請求項2】
前記ポリエステル樹脂Bが、全ジカルボン酸残基に占めるテレフタル酸残基の比率が10〜90モル%、シクロヘキサンジカルボン酸残基の比率が10〜90モル%であり、全ジオール残基に占めるエチレングリコール残基の比率が70〜90mol%、スピログリコール残基の比率が10〜30mol%である共重合ポリエステルを含んでいることを特徴とする請求項1に記載の積層フィルムの製造方法
【請求項3】
前記積層フィルムを使用した成形体であり、積層フィルム端部が成形樹脂に被覆されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の積層フィルムの製造方法により得られた積層フィルムを用いた成形体の製造方法
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、成形が可能な金属光沢調フィルムに関し、家庭用電気機器や携帯電話などの加飾外装用に好適に使用できるフィルムおよび成形体に関する。
【背景技術】
【0002】

従来、金属調外観を有する樹脂フィルム(以下、金属調フィルムと称す)としては、例えば、樹脂フィルムの一面に蒸着、もしくはスパッタリングなどの方法で薄い金属層を被着成形したものが知られており、主に装飾用途等に用いられている。しかしながら、この金属調フィルムは、成形時に金属層の剥離、クラックなどの問題が発生しやすいという問題があった。この問題に対する対策としては、樹脂フィルムと金属層との間に密着性を向上するための接着層を介在させる提案(例えば、特許文献1参照)が知られているが、成形条件などが厳しい場合には満足すべき改善に至っていない。
【0003】
また、光輝性粉末(アルミニウム粉末など)と熱可塑性樹脂を混合したインク成分を、熱可塑性樹脂フィルムの片面にベタ印刷または塗布することにより、金属発色が付与され真空成形に適した金属調フィルム(例えば、特許文献2参照)が提案されているが、この場合にもまた、金属粉を高濃度に添加しなければ金属調外観が得られないばかりか、金属を高濃度に含有した樹脂フィルムであるために、リサイクルが困難であるという問題を有していた。
【0004】
一方、金属を用いずに金属調を呈する積層フィルムが種々提案されており、例えば、屈折率の異なる樹脂層を交互に多層に積層することより、選択的に特定の波長を反射するフィルム(例えば、特許文献3〜6参照)が知られている。これらの中で選択的に特定の波長を反射するフィルムは、特定の光を透過あるいは反射するフィルタとして作用し、液晶ディスプレイなどのバックライト用金属調リフレクターおよび反射型偏光子などに利用されている。
【0005】
しかしながら、干渉反射を利用した積層フィルムは、金属光沢感を高めようと屈折率差をつけようとすれば一方の層の樹脂に非晶状態の樹脂を用いることが往々にある。この場合、非晶状態の樹脂は使用条件によっては熱水により白化と収縮を生じる可能性があった。近年、成形加飾フィルムの用途は近年拡がりを見せており、様々な用途に使用できるよう信頼性試験にも煮沸試験や高温耐湿試験が課されるようになってきており、耐熱水性・耐湿熱性に優れるものが求められている。
【0006】
一方、積層フィルムを用いるラミネート鋼板用フィルム用途では、熱水に接したときもしくは高温高湿下に保持したときに生じる白化(以降、熱水白化ともいう)を抑制させる方法として積極的に層を結晶化させることは公知であり、非晶性樹脂に結晶成分を加えたり、結晶化速度を上げたり、ラミネート工程などにおいて結晶化せしめる工程を設けたりすることにより、熱水白化しない(以降、この特性を耐熱水白化性ともいう)方法が開示されている(例えば特許文献8〜15)。しかしながら、本法を適用するとA層とB層の面内屈折率差がつきにくくなり光沢感が劣ったものとなるため、光沢感と耐熱水白化性を両立することが困難である。
【0007】
また、積層フィルムの熱水白化を抑制する別の方法として、層への吸水を阻害することが提案されている。例えば両表層に水蒸気透過率の低い樹脂もしくは粒子を多量に添加した樹脂などの水蒸気透過率の低い樹脂を積層することにより白化の進行を軽減することが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平8−216334号公報(第2頁)
【特許文献2】特開平8−183057号公報(第2頁)
【特許文献3】特開平3−41401号公報(第2頁)
【特許文献4】特開平4−295804号公報(第2頁)
【特許文献5】特表平9−506837号公報(第2頁)
【特許文献6】特開2007−203688号公報(第2頁)
【特許文献7】特開2005−254629号公報(第4頁)
【特許文献8】特開平6−126916号公報(第2頁)
【特許文献9】特開平9−012743号公報(第2頁)
【特許文献10】特開2004−217683号公報(第2頁)
【特許文献11】特開2004−074450号公報(第2頁)
【特許文献12】特開2004−114476号公報(第2頁)
【特許文献13】特開2004−175820号公報(第2頁)
【特許文献14】特開2005−153320号公報(第2頁)
【特許文献15】特開2007−277365号公報(第2頁)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目的は、金属光沢感に優れ、かつ耐熱水白化性を有するフィルムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために本発明は、次のような構成を有する。すなわち、結晶性のポリエステル樹脂Aからなる層(A層)と、非晶性のポリエステル樹脂B中に結晶性樹脂が分散された平均層厚みが30〜180nmの層(B層)が交互にそれぞれ200層以上積層された二軸配向フィルムであって、該A層とB層の積層比は3.0〜0.8の範囲にあり、前記B層中に分散する結晶性樹脂は、フィルムの垂直断面を透過型顕微鏡(TEM)で観察した際、直径1〜20nmで分散され、かつ、B層断面の面積に占める前記結晶性樹脂部分の面積分率が0.1〜0.3であり、かつ、前記200層以上に積層されたA層とB層は厚み1〜7μmの結晶性のポリエステル樹脂の層により挟まれており、前記B層は、前記ポリエステル樹脂Bと、組成の異なる結晶性ポリエステルを少なくとも二種類以上混合して得られた樹脂組成物によって構成されており、当該少なくとも2種以上の結晶性ポリエステルとして、結晶融解温度が235℃以上270℃以下である結晶性ポリエステルと、結晶融解温度が180℃以上235℃未満である結晶性ポリエステルが用いられており、B層に含まれる何れかの結晶性ポリエステルの(結晶化温度−20)℃以上、(融点−60)℃以下の温度で加熱エージングされていることを特徴とする二軸配向積層フィルムの製造方法である。
【発明の効果】
【0011】
本発明のフィルムは、優れた耐熱水白化性を有し、熱水に接しても白化を生じ難く、金属光沢感に優れるため自動車用外装部材、携帯電話・家庭用電気機器の光沢調装飾材などに好適に使用できる。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明者らは、前記した従来技術の課題の解決について検討を行い、前記課題を解決するための手段の項に記述した構成とすることによって劇的に改善できることを見出した。
【0013】
本発明者等が探究した前記従来技術の項において述べた非晶状態の樹脂が用いられた積層フィルムにおける白化の現象は、異なる2種の樹脂を多層に積層して光学的フィルムとして用いる場合、その光学厚みは対象とする光の波長の約1/4(層のペアとして対象とする光の波長の半分)で設計されるところ、高い湿熱雰囲気下では層間に水分が浸入することがあり、また、非晶性樹脂が用いられると該非晶部を通ってフィルム内部に水分が浸入しやすくそれが気泡となり白化の原因となっており、該非晶性樹脂のa)非晶性が高い、b)樹脂が柔らかい、c)吸水性が高い場合に気泡はより発生しやすい傾向にある。係る気泡の形成はフィルムの光学的な性質を損ねることとなる。
【0014】
本発明は、非晶性のポリエステル樹脂B中に結晶性樹脂が分散された層(B層)を有しており、該結晶性樹脂はフィルムの垂直断面を透過型電子顕微鏡(TEM)で観察した際、直径1〜20nmで該非晶性のポリエステル樹脂中に分散されていて、このようにすることにより非晶性のポリエステルが拘束されて熱水白化を抑制することができる。ここで、該結晶性樹脂において結晶性とはDSCにおいて、昇温速度が20℃/minの時の結晶融解熱量が、10〜100mJ/mgであることをいう。該結晶性樹脂は2種以上の樹脂が混合されたものであっても良い。結晶性樹脂の大きさが1nm未満では耐熱水白化の効果は低く、また、20nmより大きければ、光の散乱によりフィルムが白化してしまい好ましくない。より好ましい結晶性樹脂の直径は2〜15nmである。結晶性樹脂の直径は、樹脂の相溶性、溶融混練時の温度やスクリューの回転数・溶融時間により調整する。個々の樹脂には、良好な分散を実現できる最適な溶融状態がありこの状態となるように混練装置による加熱温度を調整する。これらの手段によっても、結晶性樹脂の直径が目的の範囲よりも大きくなる場合は、相溶化剤を添加する方法が好ましい。また、好ましくは、二軸混練機にて非晶性のポリエステル樹脂と結晶性樹脂をあらかじめコンパウンド化しておき、そのチップを使用することにより、目的の微細な分散径を得ることができる。
【0015】
本発明において、ポリエステル樹脂B中に分散されるこの結晶性樹脂の少なくとも1種類は、非晶性のポリエステル樹脂と比較的相溶する樹脂であることが好ましく、ポリエステル樹脂が好ましい。また、この結晶性樹脂の少なくとも1種類は結晶融解温度が225℃以上270℃以下であることが好ましい結晶融解温度が225℃未満であると、テンターでの熱処理によって、結晶が完全に融解してしまい耐熱水白化性が発現しにくくなる。また、結晶融解温度が270℃よりも大きいと、押出時に未溶融物がフィルムに混入されてしまい好ましくない。特に好ましい結晶融解温度は240℃以上260℃以下である。特に好ましい結晶性樹脂の例としては、後述するポリエステル樹脂Aと同組成の樹脂であり、ポリエステル樹脂B内に分散することで、A層との密着性も向上し、また溶融押出時にフローマークなどの積層乱れも生じにくい。
【0016】
また、本発明の二軸配向積層フィルムにおいて、B層中に分散する結晶性樹脂は、フィルムの垂直断面をTEMで観察した際の断面画像において、B層断面の単位面積あたりに占める結晶性樹脂の面積分率が0.1〜0.3であると気泡の発生が抑制され熱水白化を抑えることができる。前記面積分率が0.1未満であると耐熱水白化性が十分に発現しない。また、面積分率が0.3より大きいと耐熱水白化性は問題ないものの、散乱によるヘイズが大きくなり金属光沢感が損なわれる。より好ましい範囲は0.15〜0.25である。
【0017】
本発明の二軸配向積層フィルムは、結晶性のポリエステル樹脂Aからなる層(A層)と前記のB層が交互にそれぞれ200層以上積層された構造を有している。交互に積層された構造とは、前記A層とB層とが厚み方向に交互に出現する構造を有していることと定義される。A層とB層はそれぞれ200層以上含まなければならないが、より好ましくは、A層とB層の総積層数が600層以上である。さらに、好ましくはA層とB層の総積層数が800層以上である。A層とB層がそれぞれ200層以上積層された構造を含まないと、十分な反射率が得られなくなり、輝度の高い金属調の外観とはならない。また、層数が多いほどB層への水分の侵入が阻害されるため、耐熱水白化性に有利である。また、A層B層が交互にそれぞれ200層以上含まれていると、各層が適切な光学厚みを持つフィルムとしたときには波長帯域400nm〜1000nmの反射率を30%以上とすることが容易である。また、A層とB層の総積層数が600層以上であると、波長帯域400nm〜1000nmの反射率を60%以上とすることが容易となり、非常に輝度の高い金属調の外観を有することが容易となる。また、積層数の上限値としては特に限定するものではないが、装置の大型化や層数が多くなりすぎることによる積層精度の低下に伴う波長選択性の低下を考慮すると、3000層以下であることが通常の使用では一般的である。
【0018】
二軸配向フィルムとは、フィルム長手方向および幅方向の屈折率が厚み方向の屈折率よりも高い状態のフィルムをいい、通常はフィルムの長手方向および幅方向に延伸することで得ることができる。
【0019】
また、本発明のB層の平均層厚みが30〜180nmの範囲にあると、熱結晶化による白化と熱水白化が抑えられる。B層の平均層厚みが30μmより薄くても効果を奏するが、金属調の外観が得られなくなってくることから好ましくない。また、該A層とB層の積層比が3.0〜0.8の範囲にあることにより金属調の外観が得られる。さらに好ましくは1.5〜1.0の範囲である。
【0020】
本発明に用いる結晶性のポリエステル樹脂Aは、合成が簡便であることから望ましくジカルボン酸成分とジオール成分とが重縮合して得られる構造を有する。ここでポリエステル樹脂Aが結晶性であるとは、示差熱量分析(DSC)において昇温速度20℃/分の結晶融解熱量が4mJ/mg以上であり、融点が230℃以上であることをいう。ポリエステル樹脂Aとして用いうるものとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレート、ポリ−1,4−シクロヘキサンジメチレンテレフタレート、ポリエチレンジフェニルレートなどが代表的なものである。特にポリエチレンテレフタレートは、安価であるため、非常に多岐にわたる用途に用いることができ好ましい。本発明の積層フィルムでは、結晶性のポリエステル樹脂Aはポリエチレンテレフタレートまたはポリエチレンナフタレートであることが好ましい。A層を構成する結晶性のポリエステル樹脂Aは結晶性である限り2種以上のポリエステル樹脂が混合されたものであってもよい。
【0021】
本発明に用いる非晶性のポリエステル樹脂Bは、合成が簡便であることから望ましくポリエステル樹脂A同様にジカルボン酸成分とジオール成分とが重縮合して得られる構造を有するものであることが望ましい。ここで、ポリエステル樹脂Bが非晶性であるとは、150℃の雰囲気下に24時間曝した後の示差熱量分析(DSC)において、昇温速度20℃/分の結晶融解熱量が5mJ/mg以下であるものをいう。また、光沢感を高めるために、できるだけ屈折率が低いものを用いることが好ましい。好ましい非晶性ポリエステルは、例えば、ジカルボン酸成分とジオール成分が合わせて少なくとも3種以上用いて重縮合して得られる構造を有するものである。ジカルボン酸成分としては、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸、4,4’−ジフェニルスルホンジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、ダイマー酸、シクロヘキサンジカルボン酸とそれらのエステル形成性誘導体などが挙げられる。グリコール成分としては、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタジオール、ジエチレングリコール、ポリアルキレングリコール、2,2−ビス(4’−β−ヒドロキシエトキシフェニル)プロパン、イソソルベート、1,4−シクロヘキサンジメタノール、スピログリコール、およびこれらのエステル形成性誘導体などが挙げられる。特に好ましい非晶性のポリエステル樹脂Bとしては、全ジカルボン酸残基に占めるテレフタル酸残基の比率が10〜90モル%、シクロヘキサンジカルボン酸残基の比率が10〜90モル%であり、全ジオール残基に占めるエチレングリコール残基の比率が70〜90mol%、スピログリコール残基の比率が10〜30mol%であるスピログリコールからなる共重合ポリエステルである。B層に用いられる非晶性のポリエステル樹脂Bは非晶性である限り2種以上のポリエステル樹脂が混合されたものであってもよい。
【0022】
また、別の好ましい非晶性のポリエステル樹脂Bの例としては、エチレングリコール、スピログリコールおよびブチレングリコールを用いて共重合して得られる構造を有した共重合ポリエステルや該3種のジオールを用いて重合して得られる構造を有したポリエステルをブレンドして得られるポリエステルがある。シクロヘキサンジカルボン酸とスピログリコールを含んだポリエステルは、A層の面内平均屈折率とB層の面内平均屈折率の差が大きくなり、高い反射率のフィルムが得られる。また、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレートとのガラス転移温度差が小さいため、成形時に過延伸になることがなりにくく、かつ層間剥離もしにくいために好ましい。しかしながらその一方で、シクロヘキサンジカルボン酸とスピログリコールを含んだポリエステルは、耐熱水白化性が低くなる可能性があることから、屈折率の低い他の非晶性ポリエステルと混練して使用することも好ましい様態である。
【0023】
本発明の二軸配向積層フィルムにおいて、B層は、前記ポリエステル樹脂Bと、組成の異なる結晶性ポリエステルを少なくとも2種類以上混合して得られた樹脂組成物によって構成されたものであり、当該少なくとも2種以上の結晶性ポリエステルとして、結晶融解温度が235℃以上270℃以下である結晶性ポリエステルと、結晶融解温度が180℃以上235℃未満である結晶性ポリエステルが用いられたものであ。結晶融解温度が235℃以上270℃以下である結晶性ポリエステルを含んでいると、テンターの熱処理でも配向結晶が融解せずに残るため、耐熱水白化性を発現するようになる。特に好ましい結晶性ポリエステルの例としては、ポリエステル樹脂Aであり、ポリエステル樹脂Bに微分散することで、A層との密着性も向上し、また溶融押出時にフローマークなどの積層乱れも生じにくい。
【0024】
また、結晶融解温度が180℃以上235℃未満である結晶性ポリエステルが用いられていると、テンターの熱処理により結晶が融解して反射率が向上するため好ましい。特に、結晶融解温度がテンター熱処理温度より2〜7℃低い値であると、配向は緩和しつつもわずかな微結晶が残るため、耐熱水白化性を維持したまま高い反射性を両立することができるため好ましい。また、B層の層厚みが30〜180nmの範囲にあると、配向緩和した微結晶が熱水試験による加熱でも成長しにくいため、より効果的である。また、この2種類の樹脂は0.5〜2の比率で含まれていることが好ましい。結晶融解温度が235℃以上270℃以下である結晶性ポリエステルに対し、結晶融解温度が180℃以上235℃未満である結晶性ポリエステルが0.5よりも低いと、反射率はあまり上がらない。また、2よりも大きいと、拘束結晶が少なすぎるため、耐熱水白化性も低いものとなる。
【0025】
結晶融解温度が180℃以上235℃以下である結晶性ポリエステルとしては、ポリブチレンテレフタレート、イソフタル酸共重合ポリエチレンテレフタレート、1,4−シクロヘキサンジメタノール共重合ポリエチレンテレフタレートなどが好ましい。一方で、ポリブチレンテレフタレートは結晶化速度が速く熱白化しやすいため、イソフタル酸共重合ポリエチレンテレフタレート、1,4−シクロヘキサンジメタノール共重合ポリエチレンテレフタレートが特に好ましい。
【0026】
本発明の二軸配向積層ポリエステルフィルムのA層およびB層中には、発明の特性を損なわない程度に各種添加剤、例えば、酸化防止剤、帯電防止剤、結晶核剤、無機粒子、有機粒子、減粘剤、熱安定剤、滑剤、赤外線吸収剤、紫外線吸収剤、および屈折率調整のためのドープ剤などが添加されていてもよい。
【0027】
本発明の二軸配向積層ポリエステルフィルムにおいて、A層とB層は、金属光沢調を発するためにはその面内平均屈折率は等しくない。A層の面内平均屈折率はB層の面内平均屈折率より相対的に高いことが好ましい。また、A層の面内平均屈折率とB層の面内平均屈折率の差が、0.03以上であることが好ましい。より好ましくは0.05以上であり、さらに好ましくは0.1以上である。面内平均屈折率差が0.03より小さい場合には、十分な反射率が得られないことがある。また、A層の面内平均屈折率と厚み方向屈折率の差が0.03以上であり、B層の面内平均屈折率と厚み方向屈折率差が0.03以下であると、入射角が大きくなっても、反射ピークの反射率低下が起きないため、より好ましい。
【0028】
結晶性のポリエステル樹脂Aと非晶性のポリエステル樹脂Bの好ましい組み合わせとしては、ポリエステル樹脂Aとポリエステル樹脂Bのガラス転移温度差が20℃以下である組合せが好ましい。ガラス転移温度差が20℃より大きい場合には積層フィルムを製膜する際の厚み均一性が不良となり、金属光沢の外観不良となり易くなる。また、積層フィルムを成形する際にも、過延伸が発生するなどの問題が生じやすい。
【0029】
本発明の二軸配向積層フィルムは、前記200層以上に積層されたA層とB層が、厚み1〜7μmの結晶性ポリエステル樹脂の層(便宜的にC層という)により挟まれている。ここで、200層以上に積層されたA層とB層の最外層のA層若しくはB層とC層との間に他の樹脂による層が存在することは差し支えないが、直接に積層されていることが望ましい。係るC層が設けられることで、水蒸気が侵入しにくく耐熱水白化性に優れる。さらに、多界面による水蒸気バリア効果によりB層に水蒸気が含浸しにくくなり、かつB層の層厚みを30〜180nmの範囲とすることにより、B層の熱結晶の成長と熱水処理時の気泡成長が抑制される
本発明の二軸配向積層フィルムは、波長帯域400nm〜700nmの絶対反射率が20%以上であることが好ましい。これにより光沢感のあるフィルムを得ることができる。そのためには、層厚みを20nm以上500nm以下の範囲で徐々に厚くもしくは薄くすることにより、反射する帯域を希望の値に近づけることができる。より理想的な層厚みの範囲としては、30nm以上370nm以下である。より好ましくは、フィルム両表面における波長帯域400nm〜1000nmの絶対反射率が30%以上である。この場合、成形後も光沢感を維持し、視野角によっても色の変化がほとんど起きないものとなる。これは、可視光より高波長側(700nm以上)も絶対反射率が30%以上であるためで、例え延伸によってフィルム厚みが薄くなったり、視野角によって反射帯域が低波長側にシフトしても、可視光領域の絶対反射率は30%以上を維持できるためである。より好ましくは、波長帯域400nm〜1000nmの絶対反射率が60%以上である。絶対反射率があがるほど光沢感が高くなり、金属調の外観とすることが可能となる。反射帯域は各層の層厚みを、下記式1に基づいて反射が起こるように設計される。また、反射率についてはA層とB層の屈折率差と、A層とB層の層数にて制御する。
2×(na・da+nb・db)=λ 式1
na:A層の面内平均屈折率
nb:B層の面内平均屈折率
da:A層の層厚み(nm)
db:B層の層厚み(nm)
λ:主反射波長(1次反射波長)
このような構成をとることにより、本発明の二軸配向積層フィルムは金属調としての質感に優れ、また、耐熱水白化性に優れたフィルムが得られる。ここでいう耐熱水白化性とは、少なくとも60℃以上120℃以下の温水または高温蒸気に接触させた時に、フィルム外観がほとんど白化していないことを示すものであり、本発明の二軸配向積層フィルムは、95℃・1時間の熱水処理を行った後のヘイズが8%未満であることが好ましい。8%未満であれば、本発明の積層フィルムは装飾材として好適に使用できる。より好ましくは6%未満であり、さらに好ましくは4%未満である。
【0030】
また、本発明の二軸配向積層フィルムは、B層を構成する何れかの結晶性ポリエステルの(結晶化温度−20)℃以上、(融点−60)℃以下の温度で加熱エージングす。加熱エージング行うことにより、B層中の微結晶核が多く生成し耐熱水白化性が向上する。特に、B層の平均層厚みが30〜180nmの範囲にあると、結晶成長が抑制されて結晶核が生成されるため、熱結晶による白化は比較的抑制させつつ熱水白化を抑えることができるため好ましい。エージング時間は温度によって異なるが、(結晶化温度−20〜結晶化温度−10)℃の温度範囲であれば1時間〜12時間未満、(結晶化温度−10)℃より高い温度であれば5分〜1時間未満である事が好ましい。
【0031】
本発明の二軸配向積層フィルムを成形体に用いる場合、該成形体は樹脂製の基材とその基材の表面に一体的に積層された本発明の二軸配向積層フィルムと、必要に応じて着色層を具備することが好ましい。基材の材質は、各種成形法で成形できるものであれば特に制限されないが、例示としてアクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、アクリロニトリル・ブタジエンスチレン共重合体(ABS樹脂)、アクリロニトリル・スチレン共重合体(AS樹脂)、FPR樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエーテルメチレン樹脂、ポリプロピレン発泡樹脂などがあげられる。またその色調、形状は、目的に応じて種々選択できる。好ましい樹脂としては、アクリル樹脂などの硬度の高い樹脂基材を使うことにより表面硬度も向上することから好ましい。樹脂成形と積層フィルムとの一体成形の方法としては、図柄等を印刷した加飾成形用のシートもしくはフィルムを用いて、インモールド加飾成形により該シートを成形体の基材表面に一体化する方法が広く行われているが、特に限定されず、他にも、射出成形、プレス成形、インモールド転写成形法、サーモジェクト法、CFI法などで行ってもよい。
【0032】
本発明の二軸配向積層フィルムの表面には、ハードコート層、着色層、易滑層、帯電防止層、耐摩耗性層、反射防止層、紫外線吸収層、印刷層、透明導電層、ガスバリア層、ホログラム層、剥離層、粘着層、エンボス層、接着層などの機能性層を形成してもよい。
【0033】
本発明の二軸配向積層フィルムは、ポリマーで構成され、金属や重金属などを基本的には含まないため、環境負荷が小さく、リサイクル性にも優れ、電磁波障害を起こさないものである。また、真空成形、真空圧空成形、プラグアシスト真空圧空成形、インモールド成形、インサート成形、冷間成形、プレス成形などの各種成形法が適用できるため、低コストで立体形状を形成するものとすることが可能である。成形方法は、特に限定されるものではなく、一般に公知の成形方法、例えば、真空成形法、真空・圧空成形法、ブロー(吹き込み)成形法、プレス成形法、インサートインジェクション成形法、インモールド(金型内)成形法、押し出し成形法等で成形することができる。真空成形法および真空・圧空成形法とは、まず熱可塑性樹脂基材の全面または一部に成形加工用粘着シートを貼付しておき、この積層体を成形機の所定の位置に設置し、加熱軟化させ、木型または金型を下から送り込み、真空に引いて型に密着させ(真空成形法)、または真空に引くと共に反対側から圧縮空気で押して型に密着させ(真空・圧空成形法)、成形体を冷却後に型からはずして成形体を得る成形法である。
【0034】
このように成形された成型体において本発明の二軸配向積層フィルムは、その端部が内側に折り曲げられているか、成形樹脂に被覆されて端面が露出していない構造をとっていることが好ましい。このような構造を採ることにより、端面からの水分の侵入が防止できるため、熱水白化を抑制する事ができる。
【0035】
次に、本発明の二軸配向積層フィルムの製造方法を、具体的に例を挙げて以下に説明する。
【0036】
結晶性のポリエステル樹脂Aとしては、市販のポリエステル樹脂を用いたり、公知の方法で重縮合して得ることができるが、たとえば、ポリエチレンテレフタレート(以下、PET)樹脂の場合、以下のようにして得ることができる。
【0037】
テレフタル酸ジメチル、およびエチレングリコールの混合物に、酢酸マグネシウムと三酸化アンチモンとを添加して、徐々に昇温し、最終的には220℃でメタノールを留出させながらエステル交換反応を行なう。ついで、該エステル交換反応生成物に、リン酸85%水溶液を添加した後、重縮合反応釜に移行する。重合釜内で加熱昇温しながら反応系を徐々に減圧して1hPaの減圧下、290℃で重縮合反応を行い、所望の極限粘度のポリエチレンテレフタレート樹脂を得ることができる。粒子を添加する場合は、エチレングリコールに粒子を分散させたスラリーを所定の粒子濃度となるように重合反応釜に添加して、重合を行なうことが好ましい。
【0038】
非晶性のポリエステル樹脂Bとしては、市販のポリエステル樹脂を用いたり、公知の方法で重縮合して得ることができるが、たとえば、シクロヘキサンジカルボン酸とスピログリコールを共重合したPET樹脂の場合、以下のようにして得ることができる。
【0039】
テレフタル酸ジメチル、シクロヘキサンジカルボン酸ジメチル、スピログリコールおよびエチレングリコールの混合物に、酢酸マンガンと水酸化カリウムを添加して溶解し、徐々に昇温し、最終的には235℃でメタノールを留出させながらエステル交換反応を行なう。ついで、該エステル交換反応生成物に、トリメチルリン酸/エチレングリコール溶液とリン系の酸化防止剤を添加した後、重縮合反応釜に移行する。重合釜内で加熱昇温しながら反応系を徐々に減圧して1hPaの減圧下、285℃で重縮合反応を行い、所望の極限粘度の共重合PET樹脂を得ることができる。粒子を添加する場合は、エチレングリコールに粒子を分散させたスラリーを所定の粒子濃度となるように重合反応釜に添加して、重合を行なうことが好ましい。
【0040】
以上のようにして得られたポリエステル樹脂を用いて本発明のフィルムを製造する方法について、具体的に例を挙げて説明する。まず、使用するポリエステル樹脂を混合する場合は特定の割合となるように計量し混合する。ついで、窒素雰囲気、または真空雰囲気などで、たとえば150℃で5時間の乾燥を行い、ポリエステル樹脂中の水分率を好ましくは50ppm以下とする。その後、押出機に供給し溶融押出する。なお、ベント式二軸押出機を用いて溶融押出を行なう場合は樹脂の乾燥工程を省略してもよい。ついで、フィルタやギヤポンプを通じて、異物の除去、押出量の均整化を行い、Tダイより冷却ドラム上にシート状に吐出する。その際、たとえば、ワイヤー状電極もしくはテープ状電極を使用して静電印加する方法、キャスティングドラムと押出したポリマーシート間に水膜を設けるキャスト法、キャスティングドラム温度をA層のポリエステル樹脂のガラス転移点温度〜(ガラス転移点温度−20)(℃)にして押出したポリマーを粘着させる方法、もしくは、これらの方法を複数組み合わせた方法により、シート状ポリマーをキャスティングドラムに密着させ、冷却固化し、未延伸フィルムを得る。これらのキャスト法の中でも、ポリエステルを使用する場合は、生産性や平面性の観点から、静電印加する方法が好ましく使用される。
【0041】
ついで、かかる未延伸フィルムを長手方向に延伸した後、幅方向に延伸する、あるいは、幅方向に延伸した後、長手方向に延伸する逐次二軸延伸方法により、または、フィルムの長手方向、幅方向をほぼ同時に延伸していく同時二軸延伸方法などにより延伸を行ない、二軸配向フィルムとする。
【0042】
かかる延伸操作における延伸倍率としては、長手方向、幅方向のそれぞれの方向に、好ましくは、2.5〜3.5倍、さらに好ましくは2.8〜3.5倍、特に好ましくは3〜3.4倍が採用される。また、延伸速度は1,000〜200,000%/分であることが望ましい。また延伸温度は、A層のポリエステル樹脂のガラス転移点温度〜(ガラス転移点温度+50)(℃)の温度が採用されるが、さらに好ましくは90〜130℃、特に好ましくは長手方向の延伸温度を100〜120℃、幅方向の延伸温度を90〜110℃とするのがよい。また、延伸は各方向に対して複数回行なってもよい。
【0043】
さらに二軸延伸の後にフィルムの熱処理を行なう。熱処理はオーブン中、加熱したロール上など従来公知の任意の方法により行なうことができる。この熱処理は120℃以上、A層のポリエステルの融点以下の温度で行われるが、200〜240℃の熱処理温度とするのが好ましい。フィルムの透明性、寸法安定性の点からは210〜235℃であればより好ましい。また、熱処理時間は特性を悪化させない範囲において任意とすることができ、好ましくは1〜60秒間、より好ましくは1〜30秒間行なうのがよい。さらに、熱処理はフィルムを長手方向および/または幅方向に弛緩させて行ってもよい。さらに、横延伸工程の前で、インク印刷層や接着剤、蒸着層との接着力を向上させるため、少なくとも片面にコロナ処理を行ったり、コーティング層を設けることもできる。このときの塗工液はロールコーター、グラビアコーター、マイクログラビアコーター、バーコーター、ダイコーター、ディップコーター等の公知の塗工手段を用いて、前記透明基材に塗布する。
【0044】
同時二軸延伸の場合について次に説明する。同時二軸延伸の場合には、得られたキャストフィルムに、必要に応じてコロナ処理やフレーム処理、プラズマ処理などの表面処理を施した後、易滑性、易接着性、帯電防止性などの機能をインラインコーティングにより付与してもよい。
【0045】
次に、キャストフィルムを、同時二軸テンターへ導き、フィルムの両端をクリップで把持しながら搬送して、長手方向と幅方向に同時および/または段階的に延伸する。同時二軸延伸機としては、パンタグラフ方式、スクリュー方式、駆動モーター方式、リニアモーター方式があるが、任意に延伸倍率を変更可能であり、任意の場所で弛緩処理を行なうことができる駆動モーター方式もしくはリニアモーター方式が好ましい。延伸の倍率としては樹脂の種類により異なるが、通常、面積倍率として6〜50倍が好ましく、積層フィルムを構成する樹脂のいずれかにポリエチレンテレフタレートを用いた場合には、面積倍率として8〜30倍が特に好ましく用いられる。特に同時二軸延伸の場合には、面内の配向差を抑制するために、長手方向と幅方向の延伸倍率を同一とするとともに、延伸速度もほぼ等しくなるようにすることが好ましい。また、延伸温度としては積層フィルムを構成する樹脂のガラス転移温度〜ガラス転移温度+120℃が好ましい。
【0046】
こうして二軸延伸されたフィルムは、平面性、寸法安定性を付与するために、引き続きテンター内で延伸温度以上融点以下の熱処理を行なうのが好ましい。この熱処理の際に、幅方向での主配向軸の分布を抑制するため、熱処理ゾーンに入る直前および/あるいは直後に瞬時に長手方向に弛緩処理することが好ましい。このようにして熱処理された後、均一に徐冷後、室温まで冷やして巻き取られる。また、必要に応じて、熱処理から徐冷の際に長手方向および/あるいは幅方向に弛緩処理を行っても良い。熱処理ゾーンに入る直前および/あるいは直後に瞬時に長手方向に弛緩処理する。
【0047】
次に、多層積層押出法によるポリエステルフィルムの製造方法について説明する。結晶性のポリエステル樹脂Aおよび結晶性樹脂が分散された非晶性のポリエステル樹脂Bをペレットなどの形態で用意する。また、C層をA層とは異なる樹脂で形成する場合はC層に用いる樹脂を用意する。ペレットは、必要に応じて、熱風中あるいは真空下で乾燥された後、別々の押出機に供給される。押出機内において、融点以上に加熱溶融された樹脂は、ギヤポンプ等で樹脂の押出量を均一化され、フィルタ等を介して異物や変性した樹脂などを取り除かれる。
【0048】
これらの2台以上の押出機を用いて異なる流路から送り出された結晶性のポリエステル樹脂Aおよび結晶性樹脂が分散された非晶性のポリエステル樹脂Bは、次に多層積層装置に送り込まれる。多層積層装置としては、マルチマニホールドダイやフィールドブロックを用いることができる。また、これらを任意に組み合わせても良い。そのフィードブロックの構造は、多数の微細スリットを有する櫛形のスリット板に部材を少なくとも1個有しており、2つの押出機から押し出された結晶性のポリエステル樹脂Aと結晶性樹脂が分散された非晶性のポリエステル樹脂Bが、各マニホールドを経由して、スリット板に導入される。ここでは導入板を介して、結晶性のポリエステル樹脂Aと結晶性樹脂が分散された非晶性のポリエステル樹脂Bが選択的に交互にスリットに流入するようにすれば、最終的にはA/B/A/B/A・・・(AはA層、BはB層を示す。以下同様)といった多層膜を形成することができる。また、スリット板をさらに重ね合わせることにより、層数を増やすことも可能である。また、両表層部に樹脂Cを設ける場合は、3つ目の押出機から樹脂Cを3層複合装置(フィードブロック)の表層側に導入し、中央層に多層膜を導入することによって、C/A/B/A・・・A/B/A/Cといった多層膜を形成することができる。
【0049】
このようにして多層積層された溶融体を、上述のポリエステルフィルムの製造方法と同様に行い、二軸配向積層フィルムを得ることができる。
【実施例】
【0050】
本発明に使用した物性値の評価法を記載する。
(物性値の評価法)
(1)固有粘度
ポリエステル樹脂およびフィルムの固有粘度は、ポリエステル若しくはフィルムをオルソクロロフェノールに溶解し、オストワルド粘度計を用いて25℃にて測定した。
(2)ポリエステルの組成
ポリエステル樹脂またはフィルムをヘキサフルオロイソプロパノール(HFIP)もしくはHFIPとクロロホルムの混合溶媒に溶解し、H−NMRおよび13 C−NMRを用いて各モノマー残基や副生ジエチレングリコールについて含有量を定量した。
(3)積層厚み、積層数
フィルムの層構成は、ミクロトームを用いてフィルム面に対しての垂直断面を切り出したサンプルについて、電子顕微鏡観察により求めた。すなわち、透過型電子顕微鏡H−7100FA型((株)日立製作所製)を用い、加速電圧75kVでフィルムの断面を4000倍に拡大観察し、断面写真を撮影、層構成および各層厚みを測定した。尚、場合によっては、コントラストを高く得るために、公知のRuOやOsOなどを使用した染色技術を用いても良い。
(4)結晶融解熱量、結晶融解温度
示差熱量分析計(DSC)“DSC−RDC220”(セイコー電子工業製)を用い、JIS−K−7122(1987年)に従って測定・算出した。溶融して吐出後、すぐに10℃以下の冷水で冷却した試料を、25℃から290℃まで20℃/minで昇温した。このとき、結晶融解時のピークトップを結晶融解温度とし、ベースラインからの積分値を結晶融解熱量とした(1st)。これを10℃まで冷却し、再度290℃まで20℃/minで昇温して結晶融解温度と結晶融解熱量を2ndとした。また、ピークトップが二つある場合は、それぞれのピークトップのベースラインからの積分値を算出し、その合計を結晶融解熱量とした。
(5)ヘイズ
JIS−K7136に準拠し、ヘイズメータ(スガ試験機社製HGM−2DP)を用いて測定した。なお、測定は2回行い、その平均値を求めた。
(6)B層中の結晶性樹脂のサイズ・結晶性樹脂の面積分率
非晶性ポリエステル樹脂B中の結晶性樹脂のサイズとB層の垂直断面における単位面積あたりの結晶性樹脂の面積分率は、ミクロトームを用いて断面を切り出したサンプルについて、透過型電子顕微鏡(TEM)観察により求めた。すなわち、透過型電子顕微鏡H−7100FA型((株)日立製作所社製)を用い、加速電圧75kVの条件でフィルムの断面を10000〜40000倍に拡大観察し、断面写真を撮影した。尚、場合によっては、コントラストを高く得るために、公知のRuOやOsOなどを使用した染色技術を用いた。
(7)耐熱水白化性
95℃の熱水に60分間フィルムを沈めておき、24時間風乾した後、ヘイズを測定した。また、処理前と処理後のヘイズの差をΔヘイズとした。また、成形体の場合、熱水処理をした後に、フィルムを成形樹脂から剥がして同様に測定した。
(8)反射率・反射帯域
島津製作所社製の分光光度計UV−3150に入射角5°の絶対反射率測定装置 ASR−3105を取り付け、付属の取扱説明書に従い、以下の条件にて400〜1500nmまでの絶対反射率を測定した。
スキャンスピード:高速
サンプリングピッチ:1nm
測定モード:シングル
スリット幅:30nm
光源切り替え波長:360nm
検出器切替波長:805nm
S/R切り替え:標準
検出器ロック:自動
スリットプログラム:標準。
【0051】
なお、本発明における反射帯域は、300〜1500nmの波長範囲の間で、連続して30%以上の絶対反射率を示す波長範囲として定義される。
(9)加熱後の反射率
枠張りしたフィルムを、150℃のオーブンで1分間熱処理を行い、室温に冷却した後に前記(8)の方法にて絶対反射率を測定した。
【0052】
以下、実施例1〜9を比較例10〜18と、実施例11〜20を比較例19〜28と読み替える。
(実施例1)
ポリエステル樹脂Aとして、固有粘度0.65、結晶融解温度255℃、結晶融解熱量41mJ/mg、結晶化温度155℃のポリエチレンテレフタレート(以下、PETとも表す)[東レ製F20S]を用い、ポリエステル樹脂BとしてGN001[イーストマンケミカル製](以下、PETGとも表す)を用い、ポリエステル樹脂Bに結晶性樹脂としてPET[東レ製F20S]を82/18の重量比率で混合し、ベント付きの同軸二軸押出機にて溶融混練して吐出物を冷水にて固化したチップを用いた。これらポリエステル樹脂Aおよび結晶性樹脂が分散されたポリエステル樹脂Bは、それぞれ乾燥した後、別々の押出機に供給した。
【0053】
ポリエステル樹脂Aおよび結晶性樹脂が分散されたポリエステル樹脂Bは、それぞれ、押出機にて270℃の溶融状態とし、FSSタイプのリーフディスクフィルタを5枚介した後、ギアポンプにて吐出比がポリエステル樹脂A/ポリエステル樹脂B=1.2/1になるように計量しながら、スリット数267個のスリット板1とスリット数269個のスリット板2とスリット数267個のスリット板3によってポリエステル樹脂Aおよび結晶性樹脂が分散されたポリエステル樹脂Bを交互に積層し、フィードブロックにて合流させて、801層に積層された積層体とした。合流したポリエステル樹脂Aおよび結晶性樹脂が分散されたポリエステル樹脂Bは、フィードブロック内にて各層の厚みが表面側から反対表面側に向かうにつれ徐々に厚くなるように変化させ、ポリエステル樹脂Aが401層、結晶性樹脂が分散されたポリエステル樹脂Bが400層からなる厚み方向に交互に積層された構造とした。また、隣接するA層とB層の層厚みはほぼ同じになるようにスリット形状を設計した。また、フィードブロックに合流する前に流路を分岐させておき、ギアポンプにて積層されたA層とB層の最外層の外側にC層として前記PETを厚みが1μmとなるように積層した。この設計では、350nm〜1200nmに反射帯域が存在するものとなる。このようにして得られた計801層からなる積層体を、マルチマニホールドダイに供給、さらにその表層に別の押出機から供給したポリエステル樹脂Aからなる層を形成し、シート状に成形した後、静電印加にて表面温度25℃に保たれたキャスティングドラム上で急冷固化した。なお、ポリエステル樹脂Aと結晶性樹脂が分散されたポリエステル樹脂Bが合流してからキャスティングドラム上で急冷固化されるまでの時間が約8分となるように流路形状および総吐出量を設定した。
【0054】
得られたキャストフィルムを、75℃に設定したロール群で加熱した後、ラジエーションヒーターにより急速加熱しながら、縦方向に3.3倍延伸し、その後一旦冷却した。次に、この一軸延伸フィルムをテンターに導き、100℃の熱風で予熱後、110℃の温度で横方向に3.5倍延伸した。延伸したフィルムは、そのまま、テンター内で230℃の熱風にて熱処理を行い、続いて同温度にて幅方向に5%の弛緩処理を施し、その後、室温まで徐冷後、巻き取った。
【0055】
得られた二軸配向積層フィルムの厚みは100μmであった。A層の平均厚みは136μm、B層の平均厚みは113μmで、最表層の厚みは1μmであった。得られた結果を表1に示す。
【0056】
(実施例2)
ポリエステル樹脂Bとして、固有粘度0.72のポリエチレンテレフタレートの共重合体(シクロヘキサンジカルボン酸成分30mol%、スピログリコール成分20mol%共重合したPET)を用い、ポリエステル樹脂Bに結晶性樹脂としてPET[東レ製F20S]と、酸化防止剤である“アデカスタブ”AS36[ADEKA製]を、75/25/0.05の重量比率で混合し、ベント付きの二軸押出機にて溶融混練して吐出物を冷水にて固化したチップを用いた。その他の条件・装置については実施例1と同様とした。ただし、フィードブロックはスリット数の少ない物を使用し、ポリエステル樹脂Aが201層、結晶性樹脂が分散されたポリエステル樹脂Bが200層からなる層数401層の構造とし、得られたフィルムの厚みは、50μmであった。得られた結果を表1に示す。
【0057】
(実施例3)
ポリエステル樹脂Bとして、固有粘度0.72のポリエチレンテレフタレートの共重合体(シクロヘキサンジカルボン酸成分30mol%、スピログリコール成分20mol%共重合したPET)を用い、ポリエステル樹脂Bに結晶性樹脂としてPET[東レ製F20S]と、酸化防止剤である“アデカスタブ”AS36[ADEKA製]を、75/25/0.05の重量比率で混合し、ベント付きの二軸押出機にて溶融混練して吐出物を冷水にて固化したチップを用いた。その他の条件・装置については実施例1と同様とした。得られたフィルムの厚みは、100μmであった。得られた結果を表1に示す。
【0058】
(実施例4)
ポリエステル樹脂Bとして、固有粘度0.72のポリエチレンテレフタレートの共重合体(シクロヘキサンジカルボン酸成分30mol%、スピログリコール成分20mol%共重合したPET)を用い、ポリエステル樹脂Bに結晶性樹脂としてPET[東レ製F20S]と、酸化防止剤である“アデカスタブ”AS36[ADEKA製]を、70/30/0.05の重量比率で混合し、ベント付きの二軸押出機にて溶融混練して吐出物を冷水にて固化したチップを用いた。その他の条件・装置については実施例1と同様とした。得られたフィルムの厚みは、100μmであった。得られた結果を表1に示す。
【0059】
(実施例5)
ポリエステル樹脂Bとして、固有粘度0.72のポリエチレンテレフタレートの共重合体(シクロヘキサンジカルボン酸成分30mol%、スピログリコール成分20mol%共重合したPET)を用い、ポリエステル樹脂Bに結晶性樹脂として固有粘度1.12、結晶融解温度223℃、結晶融解熱量55mJ/mg、結晶化温度120℃のポリブチレンテレフタレート(以下、PBTとも表す)である“トレコン”(登録商標)[東レ製1200S]と、PET[東レ製F20S]と、酸化防止剤である“アデカスタブ”AS36[ADEKA製]を、70/20/10/0.05の重量比率で混合し、ベント付きの二軸押出機にて溶融混練して吐出物を冷水にて固化したチップを用いた。その他の条件・装置については実施例1と同様とした。得られたフィルムの厚みは、100μmであった。さらにこの積層フィルムを、40℃の雰囲気下に一日間保持した。得られた結果を表1に示す。
【0060】
(実施例6)
実施例5と同様とした。ただし、テンターの熱処理温度を235℃とし、また、加熱エージングは行わなかった。得られた結果を表1に示す。
【0061】
(実施例7)
ポリエステル樹脂Bとして、固有粘度0.72のポリエチレンテレフタレートの共重合体(シクロヘキサンジカルボン酸成分30mol%、スピログリコール成分20mol%共重合したPET)を用い、ポリエステル樹脂Bに結晶性樹脂としてPBT“トレコン”(登録商標)[東レ製1200S]と、PET[東レ製F20S]と、酸化防止剤である“アデカスタブ”AS36[ADEKA製]を、70/10/20/0.05の重量比率で混合し、ベント付きの二軸押出機にて溶融混練して吐出物を冷水にて固化したチップを用いた。その他の条件・装置については実施例1と同様とした。得られたフィルムの厚みは、100μmであった。さらにこの積層フィルムを、40℃の雰囲気下に一日間保持した。得られた結果を表1に示す。
【0062】
(実施例8)
実施例7と同様にして積層フィルムを得た。ただし、ギアポンプにて吐出比がポリエステル樹脂A/ポリエステル樹脂B=0.8/1になるように調整している。得られた結果を表1に示す。
【0063】
(実施例9)
実施例7と同様にして積層フィルムを得た。ただし、ギアポンプにて吐出比がポリエステル樹脂A/ポリエステル樹脂B=3/1になるように調整している。得られた結果を表1に示す。
【0064】
(実施例10)
実施例7と同様にして得た積層フィルムを、100℃の雰囲気下に10分間保持した。得られた結果を表1に示す。得られた結果を表1に示す。
【0065】
(実施例11)
ポリエステル樹脂Bとして、固有粘度0.72のポリエチレンテレフタレートの共重合体(シクロヘキサンジカルボン酸成分30mol%、スピログリコール成分20mol%共重合したPET)を用い、ポリエステル樹脂Bに結晶性樹脂として、結晶融解温度223℃、結晶融解熱量17mJ/mg、結晶化温度159℃のイソフタル酸を12mol%共重合したポリエチレンテレフタレート(以下、PETIとも表す)[東レ製]と、PET[東レ製F20S]と、酸化防止剤である“アデカスタブ”AS36[ADEKA製]を、70/10/20/0.05の重量比率で混合し、ベント付きの二軸押出機にて溶融混練して吐出物を冷水にて固化したチップを用いた。その他の条件・装置については実施例1と同様とした。得られたフィルムの厚みは、100μmであった。得られた結果を表1に示す。
【0066】
(実施例12)
実施例11と同様にして得た積層フィルムを、40℃の雰囲気下に一日間保持した。得られた結果を表1に示す。
【0067】
(実施例13)
実施例11と同様にして得た積層フィルムを、120℃の雰囲気下に10分間保持した。得られた結果を表1に示す。
【0068】
(実施例14)
ポリエステル樹脂Bとして、固有粘度0.72のポリエチレンテレフタレートの共重合体(シクロヘキサンジカルボン酸成分30mol%、スピログリコール成分20mol%共重合したPET)を用い、GN001[イーストマンケミカル製]と、ポリエステル樹脂Bに結晶性樹脂としてPET[東レ製F20S]と、酸化防止剤である“アデカスタブ”AS36[ADEKA製]を、50/30/20/0.05の重量比率で混合し、ベント付きの二軸押出機にて溶融混練して吐出物を冷水にて固化したチップを用いた。その他の条件・装置については実施例1と同様とした。得られたフィルムの厚みは、100μmであった。得られた結果を表1に示す。
【0069】
(実施例15)
ポリエステル樹脂Bとして、固有粘度0.72のポリエチレンテレフタレートの共重合体(シクロヘキサンジカルボン酸成分30mol%、スピログリコール成分20mol%共重合したPET)を用い、GN001(以下、PETGとも表す)[イーストマンケミカル製]と、ポリエステル樹脂Bに結晶性樹脂としてPET[東レ製F20S]と、酸化防止剤である“アデカスタブ”AS36[ADEKA製]を、70/10/20/0.05の重量比率で混合し、ベント付きの二軸押出機にて溶融混練して吐出物を冷水にて固化したチップを用いた。その他の条件・装置については実施例1と同様とした。得られたフィルムの厚みは、100μmであった。得られた結果を表1に示す。
【0070】
(実施例16)
実施例15と同様にして得た積層フィルムを、120℃の雰囲気下に10分間保持した。得られた結果を表1に示す。
【0071】
(実施例17)
ポリエステル樹脂Bとして、固有粘度0.72のアジピン酸を25mol%、イソフタル酸を10mol%共重合したポリエチレンテレフタレート(以下、PETAとも表す)[東レ製]と、ポリエステル樹脂Bに結晶性樹脂としてPET[東レ製]を、85/15の重量比率で混合し、ベント付きの二軸押出機にて溶融混練して吐出物を冷水にて固化したチップを用いた。その他の条件・装置については実施例1と同様とした。得られたフィルムの厚みは、100μmであった。得られた結果を表1に示す。
【0072】
(実施例18)
実施例3と同様にして得た積層フィルムの表面に、帝国インキ製造株式会社製のバインダーIMB−003を3μmの厚みで形成した。その後、プレス成形でプレ成形を行い、トリミングで携帯電話の形にした後、以下の成形条件にてインサート成形を行った。このときフィルム端面が樹脂の段差部分と接合するようにした。
【0073】
金型温度:80℃ 成形樹脂温度:260℃ 成形樹脂:SDポリカ(IM6011)
型締め圧力:60ton 成形筐体:携帯電話
このようにして得た成形体を、100℃の雰囲気下に1日間保持した。得られた結果を表1に示す。
【0074】
(実施例19)
実施例5と同様にして得た積層フィルムの表面に、帝国インキ製造株式会社製のバインダーIMB−003を3μmの厚みで形成した。その後、プレス成形でプレ成形を行い、トリミングで携帯電話の形にした後、以下の成形条件にてインサート成形を行った。このときフィルム端面が樹脂の段差部分と接合するようにした
金型温度:80℃ 成形樹脂温度:260℃ 成形樹脂:SDポリカ(IM6011)
型締め圧力:60ton 成形筐体:携帯電話
(実施例20)
実施例19と同様にしてインサート成形を行った。ただし、フィルム端面は樹脂と接合せず、そのまま露出している。結果を表1に示す。
【0075】
(比較例1)
実施例2と同様とした。ただし、積層装置にフィードブロックは使用せず、A/B/A積層となるピノールを通して3層積層とした。各層の厚みはA層の平均厚みは35μm、B層の平均厚みは30μmであった。得られた結果を表1に示す。
【0076】
(比較例2)
実施例2と同様とした。ただし、スリット数51個のスリット板によってポリエステル樹脂Aおよびポリエステル樹脂Bを交互に積層し、フィードブロックにて合流させて、51層に積層された積層体とした。得られた結果を表1に示す。
【0077】
(比較例3)
実施例3と同様とした。ただし、スリット数68個のスリット板1とスリット数67個のスリット板2とスリット数68個のスリット板3によってポリエステル樹脂Aおよびポリエステル樹脂Bを交互に積層し、フィードブロックにて合流させて、201層に積層された積層体とした。得られた結果を表1に示す。
【0078】
(比較例4)
ポリエステル樹脂Bに代えて、固有粘度0.72のポリエチレンテレフタレートの共重合体(シクロヘキサンジカルボン酸成分30mol%、スピログリコール成分20mol%共重合したPET)と、PBT[東レ製]と、“アデカスタブ”AS36[ADEKA製]を、70/30/0.05の重量比率で混合し、ベント付きの二軸押出機にて溶融混練して吐出物を冷水にて固化したチップを用いた。その他の条件・装置については実施例1と同様とした。得られたフィルムの厚みは、100μmであった。得られた結果を表1に示す。
【0079】
(比較例5)
実施例5と同様にして得た積層フィルムを、190℃の雰囲気下に10分間保持した。得られた結果を表1に示す。得られた結果を表1に示す。
【0080】
(比較例6)
ポリエステル樹脂Bとして、固有粘度0.72のポリエチレンテレフタレートの共重合体(シクロヘキサンジカルボン酸成分30mol%、スピログリコール成分20mol%共重合したPET)を用いた以外は、実施例1と同じ装置・条件にて積層フィルムを得た。得られた結果を表1に示す。
【0081】
(比較例7)
比較例6と同様にして得た積層フィルムを、40℃の雰囲気下に一日間保持した。得られた結果を表1に示す。得られた結果を表1に示す。
【0082】
(比較例8)
比較例6と同様にして得た積層フィルムを、120℃の雰囲気下に10分間保持した。得られた結果を表1に示す。得られた結果を表1に示す。
(比較例9)
ポリエステル樹脂Bとして、固有粘度0.72のアジピン酸を25mol%、イソフタル酸を10%共重合したポリエチレンテレフタレート(以下、PETAとも表す)[東レ製]を用いた以外は、実施例1と同じ装置・条件にて積層フィルムを得た。得られた結果を表1に示す。
【0083】
【表1】