特許第5834434号(P5834434)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5834434
(24)【登録日】2015年11月13日
(45)【発行日】2015年12月24日
(54)【発明の名称】印刷物および印刷物の製造方法
(51)【国際特許分類】
   B32B 7/02 20060101AFI20151203BHJP
   G09F 7/16 20060101ALN20151203BHJP
【FI】
   B32B7/02 103
   !G09F7/16 F
【請求項の数】10
【全頁数】24
(21)【出願番号】特願2011-60428(P2011-60428)
(22)【出願日】2011年3月18日
(65)【公開番号】特開2012-192721(P2012-192721A)
(43)【公開日】2012年10月11日
【審査請求日】2014年3月6日
(73)【特許権者】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100091292
【弁理士】
【氏名又は名称】増田 達哉
(74)【代理人】
【識別番号】100091627
【弁理士】
【氏名又は名称】朝比 一夫
(72)【発明者】
【氏名】須貝 圭吾
【審査官】 岸 進
(56)【参考文献】
【文献】 特開2001−009980(JP,A)
【文献】 特開2000−343649(JP,A)
【文献】 特開2005−091594(JP,A)
【文献】 特開2008−087268(JP,A)
【文献】 特開2007−093869(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B32B 1/00−43/00
B29C45/00−45/84
G09F 7/00− 7/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材と、該基材の片面側に設けられた遮光層とを備える印刷物であって、
当該印刷物は、変形加工されて延伸する変形部を有しており、
当該印刷物を視認する方向から見て、前記基材の裏面側の前記変形部を含む領域に設けられ、遮光性を有し、前記遮光層よりも弾性率の高い遮光補正層を備えることを特徴とする印刷物。
【請求項2】
当該印刷物を視認する方向から見て、前記基材の表面側に前記遮光層が設けられ、前記基材の裏面側に前記遮光補正層が設けられている請求項1に記載の印刷物。
【請求項3】
当該印刷物を視認する方向から見て、前記基材の裏面側に前記遮光層が設けられ、該遮光層の裏面側に前記遮光補正層が設けられている請求項1に記載の印刷物。
【請求項4】
当該印刷物を視認する方向から見て、前記基材の裏面側に前記遮光補正層が設けられ、
当該印刷物を視認する方向と反対方向から見て、前記遮光補正層を覆うように、前記遮光層が設けられている請求項1に記載の印刷物。
【請求項5】
前記遮光層と前記遮光補正層とが、前記基材に対して同じ側に位置している請求項1に記載の印刷物。
【請求項6】
当該印刷物に対して前記変形加工がなされたものである請求項1ないし5のいずれかに記載の印刷物。
【請求項7】
前記遮光層は、遮光層形成用のインクをインクジェット方式でノズルから液滴として吐出して供給し、形成したものであり、
前記遮光補正層は、遮光補正層形成用のインクをインクジェット方式でノズルから液滴として吐出して供給し、形成したものである請求項1ないし6のいずれかに記載の印刷物。
【請求項8】
前記遮光層形成用のインクおよび前記遮光補正層形成用のインクは、それぞれ、放射線硬化型インクであり、
前記遮光層は、前記遮光層形成用のインクをインクジェット方式でノズルから液滴として吐出して供給し、放射線を照射して硬化させたものであり、
前記遮光補正層は、前記遮光補正層形成用のインクをインクジェット方式でノズルから液滴として吐出して供給し、放射線を照射して硬化させたものである請求項に記載の印刷物。
【請求項9】
基材と、該基材の片面側に設けられた遮光層とを備え、変形加工されて延伸する変形部を有する印刷物の製造方法であって、
前記印刷物を視認する方向から見て、前記基材の裏面側の前記変形部を含む領域に、遮光性を有する遮光補正層を、前記基材の片面側に前記遮光層を、それぞれ形成する工程を有し、
前記遮光補正層の弾性率は、前記遮光層の弾性率よりも高いことを特徴とする印刷物の製造方法。
【請求項10】
前記印刷物に対して前記変形加工を行う請求項9に記載の印刷物の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷物および印刷物の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、自動車の内装部品や、電気製品の外装部品等の加飾プレート(印刷物)は、基材と、基材上にインクを用いて印刷してなる印刷層とを有しており、印刷層として、遮光層が設けられたものがある。この加飾プレートには、例えば、絞り加工や曲げ加工等のように一部が延伸する変形加工が施されている(例えば、特許文献1参照)。
ところで、加飾プレートに対して変形加工を行うと、その延伸した部位において、遮光層の厚さが薄くなり、遮光性が不十分となるという問題がある。
【0003】
このような問題を解決するには、例えば、変形加工がなされた際に遮光層の厚さが減少する分を考慮して、遮光層の厚さを厚くすればよいが、延伸しない部位においては、遮光層を無駄に形成することとなり、不経済である。
この場合、延伸する部位の近傍のみ、遮光層の厚さを厚くすれば、経済的であるが、その方法では、遮光層の厚さを厚くした部位において、表面に凹凸が形成され、加飾プレートの品位が著しく低下する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−224302号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、遮光層全体の厚さを厚くすることなく、かつ、印刷物を視認する方向から見て、表面に凹凸が形成されることなく、十分な遮光性を有する印刷物および印刷物の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
このような目的は、下記の本発明により達成される。
本発明の印刷物は、基材と、該基材の片面側に設けられた遮光層とを備える印刷物であって、
当該印刷物は、変形加工されて延伸する変形部を有しており、
当該印刷物を視認する方向から見て、前記基材の裏面側の前記変形部を含む領域に設けられ、遮光性を有する遮光補正層を備えることを特徴とする。
これにより、遮光層全体の厚さを厚くすることなく、かつ、印刷物を視認する方向から見て、表面に凹凸が形成されることなく、十分な遮光性を有す印刷物を提供することができる。
【0007】
本発明の印刷物では、当該印刷物を視認する方向から見て、前記基材の表面側に前記遮光層が設けられ、前記基材の裏面側に前記遮光補正層が設けられていることが好ましい。
これにより、印刷物を視認する方向から見て、遮光補正層が遮光層の裏面側に位置しているので、遮光補正層の色を遮光層と同一にする必要がなく、設計の自由度を広くすることができる。
【0008】
本発明の印刷物では、当該印刷物を視認する方向から見て、前記基材の裏面側に前記遮光層が設けられ、該遮光層の裏面側に前記遮光補正層が設けられていることが好ましい。
これにより、印刷物を視認する方向から見て、遮光補正層が遮光層の裏面側に位置しているので、遮光補正層の色を遮光層と同一にする必要がなく、設計の自由度を広くすることができる。また、遮光層と遮光補正層とが、基材に対して同じ側に位置しているので、基材を引っ繰り返すことなく、遮光層と遮光補正層とを形成することができる。
【0009】
本発明の印刷物では、当該印刷物を視認する方向から見て、前記基材の裏面側に前記遮光補正層が設けられ、
当該印刷物を視認する方向と反対方向から見て、前記遮光補正層を覆うように、前記遮光層が設けられていることが好ましい。
これにより、遮光層と遮光補正層とが、基材に対して同じ側に位置しているので、基材を引っ繰り返すことなく、遮光層と遮光補正層とを形成することができる。
【0010】
本発明の印刷物では、前記遮光層と前記遮光補正層とが、前記基材に対して同じ側に位置していることが好ましい。
これにより、基材を引っ繰り返すことなく、遮光層と遮光補正層とを形成することができる。
本発明の印刷物では、当該印刷物に対して前記変形加工がなされたものであることが好ましい。
これにより、変形加工がなされた印刷物を提供することができる。
【0011】
本発明の印刷物では、前記遮光層は、遮光層形成用のインクをインクジェット方式でノズルから液滴として吐出して供給し、形成したものであり、
前記遮光補正層は、遮光補正層形成用のインクをインクジェット方式でノズルから液滴として吐出して供給し、形成したものであることが好ましい。
これにより、精度良く形成された遮光層と遮光補正層とを有する印刷物を提供することができる。
【0012】
本発明の印刷物では、前記遮光層形成用のインクおよび前記遮光補正層形成用のインクは、それぞれ、放射線硬化型インクであり、
前記遮光層は、前記遮光層形成用のインクをインクジェット方式でノズルから液滴として吐出して供給し、放射線を照射して硬化させたものであり、
前記遮光補正層は、前記遮光補正層形成用のインクをインクジェット方式でノズルから液滴として吐出して供給し、放射線を照射して硬化させたものであることが好ましい。
これにより、精度良く形成された遮光層と遮光補正層とを有する印刷物を提供することができる。
【0013】
本発明の印刷物の製造方法は、基材と、該基材の片面側に設けられた遮光層とを備え、変形加工されて延伸する変形部を有する印刷物の製造方法であって、
前記印刷物を視認する方向から見て、前記基材の裏面側の前記変形部を含む領域に、遮光性を有する遮光補正層を、前記基材の片面側に前記遮光層を、それぞれ形成することを特徴とする。
これにより、本発明の印刷物を容易かつ確実に製造することができる。
本発明の印刷物の製造方法では、前記印刷物に対して前記変形加工を行うことが好ましい。
これにより、本発明の印刷物を容易かつ確実に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の印刷物の第1実施形態を示す断面図である。
図2】本発明の印刷物の製造に用いる印刷装置の概略構成を示す斜視図である。
図3図2に示す印刷装置のキャリッジの概略構成を示す側断面図である。
図4図2に示す印刷装置のキャリッジの概略構成を示す底面図である。
図5】液滴吐出ヘッドの概略構成図である。
図6】本発明の印刷物の第2実施形態を示す断面図である。
図7】本発明の印刷物の第3実施形態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の印刷物および印刷物の製造方法を添付図面に示す好適な実施形態に基づいて詳細に説明する。
<第1実施形態>
図1は、本発明の印刷物の第1実施形態を示す断面図、図2は、本発明の印刷物の製造に用いる印刷装置の概略構成を示す斜視図、図3は、図2に示す印刷装置のキャリッジの概略構成を示す側断面図、図4は、図2に示す印刷装置のキャリッジの概略構成を示す底面図、図5は、液滴吐出ヘッドの概略構成図である。
なお、以下では、図1中の左側を「左」、右側を「右」、上側を「上」、下側を「下」として説明を行う。
【0016】
図1に示すように、印刷物1は、基材(基板)30と、基材30の片面側に設けられた遮光層31と、その印刷物1を視認する方向から見て、基材30の裏面側に設けられた遮光性を有する遮光補正層32とを備えている。印刷物1は、変形加工されて延伸する変形部41を有しており、遮光補正層32は、その変形部41を含む領域に設けられている。
まずは、遮光層形成用のインクおよび遮光補正層形成用のインクとして用いる第1のインクと、第2のインク、すなわちインクセットについて説明する。
【0017】
[インクセット]
印刷物1の製造、すなわち印刷に用いることができるインクセットは、特に限定されないが、(a−1)重合開始剤、及び、(b−1)重合性化合物を含有する放射線硬化型インクである第1のインクと、(a−2)重合開始剤、及び、(b−2)重合性化合物を含有する放射線硬化型インクである第2のインクとを備えている。第1のインクは、遮光層31の形成(印刷)に用いる遮光層形成用のインクおよび遮光補正層32の形成に用いる遮光補正層形成用のインクであり、(b−1)重合性化合物の総質量のうち、単官能重合性化合物が65質量%以上であることが好ましい。また、第2のインクは、(b−2)重合性化合物の総質量のうち、多官能重合性化合物が50質量%以上であることが好ましい。遮光層形成用のインクと、遮光補正層形成用のインクとは、同一であってもよく、また、異なっていてもよい。なお、以下では、第1のインクと第2のインクとを区別しない場合は、単に、「インク」または「放射線硬化型インク」と言う。
【0018】
また、前記インクセットは、インクジェット記録用インクセットとして好適に使用することができる。
放射線硬化型インクは、高画質の画像を形成するために高感度で硬化するものが求められている。
インクの高感度化を達成することにより、活性放射線の照射により高い硬化性が付与されるため、消費電力の低減や活性放射線発生装置への負荷軽減による高寿命化などの他、未硬化の低分子物質の揮発、形成された画像強度の低下などを抑制することができるなど、種々の利点をも有することになる。また、得られた画像(印刷物)がひび割れや剥離等を起こしにくく、硬化膜の耐傷性、柔軟性に富むインクが求められている。硬化膜が高い柔軟性、耐傷性を有することで、様々な環境下で長期間印刷物を高画質に保ったまま表示、保管でき、また、印刷物の取り扱いが容易になるなどのメリットがある。
【0019】
前記第1のインクは、(a−1)重合開始剤、及び、(b−1)重合性化合物を含有し、(b−1)重合性化合物の総質量のうち、単官能重合性化合物(以下、「単官能モノマー」ともいう。)が65質量%以上であることが好ましい。
前記第2のインクは、(a−2)重合開始剤、及び、(b−2)重合性化合物を含有し、(b−2)重合性化合物の総質量のうち、多官能重合性化合物(以下、「多官能モノマー」ともいう。)が50質量%以上であることが好ましい。
【0020】
なお、インクにおいて、インク中の重合性化合物の総質量に対する単官能重合性化合物の質量比率を「単官能モノマー比率」ともいい、インク中の重合性化合物の総質量に対する多官能重合性化合物の質量比率を「多官能モノマー比率」ともいう。なお、単官能モノマー比率(%)及び多官能モノマー比率(%)は、小数点以下を四捨五入するものとする。
【0021】
また、インクは、活性放射線の照射により硬化可能な放射線硬化型インクである。
前記「活性放射線」とは、その照射によりインク中において開始種を発生させ得るエネルギーを付与することができる活性放射線であれば、特に制限はなく、広く、α線、γ線、X線、紫外線(UV)、可視光線、電子線などを包含するものであるが、中でも、硬化感度及び装置の入手容易性の観点から紫外線及び電子線が好ましく、特に紫外線が好ましい。したがって、インクは、放射線として、紫外線を照射することにより硬化可能なインクであることが好ましい。
【0022】
なお、本実施形態では、第1のインク、すなわち遮光層形成用のインクで形成された遮光層31および遮光補正層形成用のインクで形成された遮光補正層32と、第2のインクで形成された図示しない印刷層とを比較したとき、遮光層31および遮光補正層32は、それぞれ、前記印刷層よりも加熱下で延伸するものであり、また、前記印刷層は、遮光層31および遮光補正層32よりも弾性率が高いものである。したがって、第1のインクは、変形加工される部位に用いられることが好ましく、また、第2のインクは、せん断加工されるかまたは取り付け等のために圧力が加わる部位に用いられることが好ましい。
【0023】
以下、インクの各成分について説明する。
(a)重合開始剤
重合開始剤としては、公知のラジカル重合開始剤や公知のカチオン重合開始剤を使用することができる。重合開始剤は、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。また、ラジカル重合開始剤とカチオン重合開始剤とを併用してもよい。
【0024】
また、重合開始剤は、外部エネルギーを吸収して重合開始種を生成する化合物である。重合を開始するために使用される外部エネルギーは、熱及び活性放射線に大別され、それぞれ、熱重合開始剤及び光重合開始剤が使用される。活性放射線としては、γ線、β線、電子線、紫外線、可視光線、赤外線が例示できる。
また、インクは、重合性化合物としてラジカル重合性化合物を使用する場合には、ラジカル重合開始剤を含有することが好ましく、重合性化合物としてカチオン重合性化合物を使用する場合には、カチオン重合開始剤を含有することが好ましい。
【0025】
<ラジカル重合開始剤>
ラジカル重合開始剤としては、芳香族ケトン類、アシルホスフィン化合物、芳香族オニウム塩化合物、有機過酸化物、チオ化合物、ヘキサアリールビイミダゾール化合物、ケトオキシムエステル化合物、ボレート化合物、アジニウム化合物、メタロセン化合物、活性エステル化合物、炭素ハロゲン結合を有する化合物、及び、アルキルアミン化合物等が挙げられる。これらのラジカル重合開始剤は、上記の化合物を単独若しくは組み合わせて使用してもよい。ラジカル重合開始剤は、単独もしくは2種以上の併用によって好適に用いられる。
【0026】
<カチオン重合開始剤>
カチオン重合開始剤(光酸発生剤)としては、例えば、化学増幅型フォトレジストや光カチオン重合に利用される化合物が用いられる(有機エレクトロニクス材料研究会編、「イメージング用有機材料」、ぶんしん出版(1993年)、187〜192ページ参照)。
【0027】
第1に、ジアゾニウム、アンモニウム、ヨードニウム、スルホニウム、ホスホニウムなどの芳香族オニウム化合物のB(C、PF6、AsF、SbF、CFSO塩を挙げることができる。第2に、スルホン酸を発生するスルホン化物を挙げることができる。第3に、ハロゲン化水素を光発生するハロゲン化物も用いることができる。第4に、鉄アレーン錯体を挙げることができる。
【0028】
また、インクにおいて、重合開始剤の総使用量は、それぞれ、重合性化合物の総使用量に対して、0.01〜35質量%であることが好ましく、0.5〜20質量%であることがより好ましく、1.0〜20質量%であることがさらに好ましい。0.01質量%以上であると、インクを十分硬化させることができ、35質量%以下であると、硬化度が均一な硬化膜を得ることができる。
また、インクに後述する増感剤を用いる場合、重合開始剤の総使用量は、重合開始剤:増感剤の質量比で、重合開始剤:増感剤=200:1〜1:200であることが好ましく、50:1〜1:50であることがより好ましく、20:1〜1:5であることがさらに好ましい。
【0029】
(b)重合性化合物
インクは、重合性化合物を含有する。
重合性化合物は、分子量が1,000以下であることが好ましく、50〜800であることがより好ましく、60〜500であることがさらに好ましい。
また、重合性化合物は、何らかのエネルギー付与により、ラジカル重合反応やカチオン重合反応、アニオン重合反応等の重合反応を生起し、硬化する化合物であれば特に制限はなく、モノマー、オリゴマー、ポリマーの種を問わず使用することができるが、特に、前記重合開始剤から発生する開始種により重合反応を生起する、光重合性化合物として知られる各種公知の重合性化合物を使用することができる。
また、重合性化合物としては、ラジカル重合性化合物及びカチオン重合性化合物を好ましく例示できる。
【0030】
<ラジカル重合性化合物>
ラジカル重合性化合物は、特に制限はなく、公知のラジカル重合性化合物を用いることができるが、エチレン性不飽和化合物であることが好ましく、(メタ)アクリレート化合物、(メタ)アクリルアミド化合物、N−ビニル化合物、及び/又は、ビニルエーテル化合物であることがより好ましく、(メタ)アクリレート化合物、及び/又は、N−ビニル化合物であることがさらに好ましい。なお、「(メタ)アクリル」とは、アクリル及びメタクリルの両方を意味する。
【0031】
前記第1のインクにラジカル重合性化合物を使用する場合、前記第1のインクは、(b−1)重合性化合物の総質量のうち、単官能ラジカル重合性化合物が67〜100質量%であることが好ましく、70〜100質量%であることがより好ましく、85〜95質量%であることがさらに好ましい。上記範囲であると、得られる画像の柔軟性に優れる。
前記第2のインクにラジカル重合性化合物を使用する場合、前記第2のインクは、(b−2)重合性化合物の総質量のうち、多官能ラジカル重合性化合物が55〜100質量%であることが好ましく、60〜100質量%であることがより好ましく、80〜100質量%であることがさらに好ましく、100質量%、すなわち、(b−2)重合性化合物が全て多官能ラジカル重合性化合物であることが特に好ましい。上記範囲であると、得られる画像の耐傷性及び耐溶剤性に優れる。
【0032】
また、ラジカル重合性化合物は、単官能であっても、多官能であってもよい。
単官能ラジカル重合性化合物としては、後述するN−ビニル化合物であることが好ましく、N−ビニルラクタム類であることがより好ましい。
また、前記第1のインクにおける(b−1)重合性化合物としてラジカル重合性化合物を使用する場合、前記第1のインクは、後述するN−ビニル化合物を含むことがさらに好ましく、N−ビニルラクタム類を含むことが特に好ましい。
【0033】
多官能ラジカル重合性化合物としては、後述する多官能(メタ)アクリレート化合物であることが好ましい。なお、「(メタ)アクリレート」とは、アクリレート及びメタクリレートの両方を意味する。
また、多官能ラジカル重合性化合物としては、2官能ラジカル重合性化合物と、3官能以上のラジカル重合性化合物とを組み合わせて使用することが好ましく、2官能ラジカル重合性化合物と、3官能ラジカル重合性化合物とを組み合わせて使用することがより好ましい。
【0034】
前記第2のインクにおける(b−2)重合性化合物としてラジカル重合性化合物を使用する場合、前記第2のインクは、(b−2)重合性化合物の総質量のうち、2官能ラジカル重合性化合物が30〜100質量%であることが好ましく、50〜95質量%であることがより好ましく、70〜90質量%であることがさらに好ましい。また、前記第2のインクは、(b−2)重合性化合物の総質量のうち、3官能以上のラジカル重合性化合物を5〜50質量%含むことが好ましく、10〜30質量%含むことがより好ましい。さらに前記第2のインクは、(b−2)重合性化合物の総質量のうち、3官能ラジカル重合性化合物を5〜50質量%含むことが好ましく、10〜30質量%含むことがより好ましい。
【0035】
前記第1のインクにラジカル重合性化合物を使用する場合、前記第1のインクは、第1のインクの総質量のうち、単官能ラジカル重合性化合物が50〜95質量%であることが好ましく、55〜90質量%であることがより好ましく、60〜85質量%であることがさらに好ましい。上記範囲であると、得られる画像の柔軟性に優れる。
前記第2のインクにラジカル重合性化合物を使用する場合、前記第2のインクは、第2のインクの総質量のうち、多官能ラジカル重合性化合物が50〜98質量%であることが好ましく、55〜95質量%であることがより好ましく、60〜90質量%であることがさらに好ましい。上記範囲であると、得られる画像の耐傷性及び耐溶剤性に優れる。
【0036】
以下に、単官能ラジカル重合性化合物、及び、多官能ラジカル重合性化合物について説明する。
〔単官能ラジカル重合性モノマー〕
ラジカル重合性化合物としては、単官能ラジカル重合性モノマーを使用することができる。
【0037】
単官能ラジカル重合性モノマーとしては、単官能アクリレート化合物、単官能メタクリレート類、単官能N−ビニル化合物、単官能アクリルアミド化合物、及び、単官能メタクリルアミド化合物が好ましく例示でき、単官能アクリレート化合物、単官能メタクリレート化合物、及び、単官能N−ビニル化合物がより好ましく例示できる。
第1のインクが単官能ラジカル重合性モノマーを含有する場合、単官能ラジカル重合性モノマーは、単官能アクリレート化合物と単官能N−ビニル化合物とを、又は、単官能メタクリレート化合物と単官能N−ビニル化合物とを併用することが好ましく、単官能アクリレート化合物と単官能N−ビニル化合物とを併用することが特に好ましい。
【0038】
単官能ラジカル重合性モノマーとしては、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、アクリルアミド基、メタクリルアミド基及びN−ビニル基よりなる群から選択されるエチレン性不飽和二重結合基を1つのみ有し、かつ環状構造を有するモノマーを使用することがより好ましい。
また、好適に用いることができるラジカル重合性モノマーとしてエチレン性不飽和化合物が挙げられる。
【0039】
単官能アクリレート類、単官能メタクリレート類、単官能ビニルオキシ化合物、単官能アクリルアミド類及び単官能メタクリルアミド類としては、フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基、ピリジニル基、テトラヒドロフルフリル基、ピペリジニル基、シクロヘキシル基、シクロペンチル基、シクロヘプチル基、イソボロニル基、トリシクロデカニル基等の環状構造を有する基を有する単官能ラジカル重合性モノマーが好ましく挙げられる。
【0040】
単官能ラジカル重合性モノマーとして、好ましくは、ノルボルニル(メタ)アクリレート、イソボロニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、シクロペンチル(メタ)アクリレート、シクロヘプチル(メタ)アクリレート、シクロオクチル(メタ)アクリレート、シクロデシル(メタ)アクリレート、ジシクロデシル(メタ)アクリレート、トリメチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、4−t−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、アクリロイルモルフォリン、2−ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、EO変成クレゾール(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、カプロラクトン変成テトラヒドロフルフリルアクリレート、ノニルフェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールベンゾエート(メタ)アクリレート、パラクミルフェノキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、N−フタルイミドエチル(メタ)アクリレート、ペンタメチルピペリジル(メタ)アクリレート、テトラメチルピペリジル(メタ)アクリレート、N−シクロヘキシルアクリルアミド、N−(1,1−ジメチル−2−フェニル)エチルアクリルアミド、N−ジフェニルメチルアクリルアミド、N−フタルイミドメチルアクリルアミド、N−(1,1’−ジメチル−3−(1,2,4−トリアゾール−1−イル))プロピルアクリルアミド、5−(メタ)アクリロイルオキシメチル−5−エチル−1,3−ジオキサシクロヘキサン等を例示できる。
また、単官能ラジカル重合性モノマーとして、N−ビニル基を有し、環状構造を有する基を有するラジカル重合性モノマーを使用することが好ましい。中でもN−ビニルカルバゾール、1−ビニルイミダゾール、N−ビニルラクタム類を使用することが好ましく、N−ビニルラクタム類を使用することがさらに好ましい。
【0041】
第1のインクにおいて、N−ビニル基を有する単官能環状重合性モノマーを、第1のインク全体の1〜40質量%含有することが好ましく、10〜35質量%含有することがより好ましく、12〜30質量%含有することがさらに好ましい。上記範囲において他の重合性化合物との良好な共重合性を示し、硬化性、耐ブロッキング性に優れるインクが得られる。
また、第1のインクにおいて、単官能N−ビニルラクタム類を、第1のインク全体の1〜40質量%含有することが好ましく、10〜35質量%含有することがより好ましく、12〜30質量%含有することがさらに好ましい。
【0042】
単官能N−ビニルラクタム類の使用量が上記の数値の範囲内であると、硬化性、硬化膜柔軟性、硬化膜の支持体への密着性に優れる。また、N−ビニルラクタム類は比較的融点が高い化合物である。N−ビニルラクタム類が40質量%以下の含有率であると、0℃以下の低温下でも良好な溶解性を示し、インクの取り扱い可能温度範囲が広くなり好ましい。
【0043】
単官能ラジカル重合性モノマーとして、下記非環状単官能モノマーを使用することもできる。非環状単官能モノマーは比較的低粘度であり、例えば、インクを低粘度化する目的においても好ましく使用できる。ただし、硬化膜のべとつきを抑えることや、成形加工時にキズ等を発生させない高い膜強度を与えるという観点で、下記非環状単官能モノマーがインク全体に占める割合は、20質量%以下であることが好ましい。より好ましくは15質量%以下である。
【0044】
具体的には、オクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、テトラデシル(メタ)アクリレート、ヘキサデシル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、カルビトール(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシルジグリコール(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレートモノメチルエーテル、ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレートモノメチルエーテル、ポリテトラエチレングリコール(メタ)アクリレートモノメチルエーテル等が挙げられる。
【0045】
また、これらの他にも、(ポリ)エチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、(ポリ)エチレングリコール(メタ)アクリレートメチルエステル、(ポリ)エチレングリコール(メタ)アクリレートエチルエステル、(ポリ)エチレングリコール(メタ)アクリレートフェニルエステル、(ポリ)プロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、(ポリ)プロピレングリコールモノ(メタ)アクリレートフェニルエステル、(ポリ)プロピレングリコール(メタ)アクリレートメチルエステル、(ポリ)プロピレングリコール(メタ)アクリレートエチルエステル、2−エチルヘキシルアクリレート、n−オクチルアクリレート、n−ノニルアクリレート、n−デシルアクリレート、イソオクチルアクリレート、n−ラウリルアクリレート、n−トリデシルアクリレート、n−セチルアクリレート、n−ステアリルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、ブトキシエチルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、ベンジルアクリレート、オリゴエステルアクリレート、N−メチロールアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、エポキシアクリレート、メチルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、n−オクチルメタクリレート、n−ノニルメタクリレート、n−デシルメタクリレート、イソオクチルメタクリレート、n−ラウリルメタクリレート、n−トリデシルメタクリレート、n−セチルメタクリレート、n−ステアリルメタクリレート、アリルメタクリレート、グリシジルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、ジメチルアミノメチルメタクリレート、及び、アリルグリシジルエーテル等が例示できる。
【0046】
さらに、2−エチルヘキシル−ジグリコールアクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシブチルアクリレート、2−アクリロイロキシエチルフタル酸、2−アクリロイロキシエチル−2−ヒドロキシエチルフタル酸、エトキシ化フェニルアクリレート、2−アクリロイロキシエチルコハク酸、2−アクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタル酸、ラクトン変性可撓性アクリレート、ブトキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、メトキシジプロピレングリコールアクリレート等が例示できる。
【0047】
〔多官能ラジカル重合性モノマー〕
ラジカル重合性化合物として、多官能ラジカル重合性モノマーを使用することができる。
多官能ラジカル重合性モノマーとしては、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、アクリルアミド基、メタクリルアミド基、ビニルオキシ基、及び、N−ビニル基よりなる群から選択されるエチレン性不飽和二重結合を2つ以上有する多官能重合性モノマーを好ましく例示できる。多官能重合性モノマーを含有することで、高い硬化膜強度を有するインクが得られる。
【0048】
ラジカル重合可能なエチレン性不飽和結合を有する多官能ラジカル重合性モノマーの例としては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸等の不飽和カルボン酸及びそれらの塩、エチレン性不飽和基を有する無水物、アクリロニトリル、スチレン、さらに種々の不飽和ポリエステル、不飽和ポリエーテル、不飽和ポリアミド、不飽和ウレタン(メタ)アクリル系モノマーあるいはプレポリマー、エポキシ系モノマーあるいはプレポリマー、ウレタン系モノマーあるいはプレポリマー等の(メタ)アクリル酸エステルであって、エチレン性不飽和二重結合基を2つ以上有する化合物が好ましく用いられる。
【0049】
具体例としては、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、(トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)テトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド(PO)付加物ジ(メタ)アクリレート、エトキシ化ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、プロポキシ化ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのエチレンオキサイド(EO)付加物ジ(メタ)アクリレート、EO変性ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、PO変性ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、EO変性ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、PO変性ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、EO変性ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、PO変性ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、EO変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、PO変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、EO変性テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、PO変性テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ビス(4−(メタ)アクリロキシポリエトキシフェニル)プロパン、ジアリルフタレート、トリアリルトリメリテート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、ジメチロールトリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、変性グリセリントリ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジグリシジルエーテル(メタ)アクリル酸付加物、変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートトリレンジイソシアネートウレタンプレポリマー、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートヘキサメチレンジイソシアネートウレタンプレポリマー、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートヘキサメチレンジイソシアネートウレタンプレポリマーが挙げられる。さらに具体的には、山下晋三編「架橋剤ハンドブック」(1981年、大成社);加藤清視編「UV・EB硬化ハンドブック(原料編)」(1985年、高分子刊行会);ラドテック研究会編「UV・EB硬化技術の応用と市場」79頁(1989年、シーエムシー社);滝山栄一郎著「ポリエステル樹脂ハンドブック」(1988年、(株)日刊工業新聞社)等に記載の市販品若しくは業界で公知のラジカル重合性乃至架橋性のモノマー、オリゴマー及びポリマーを用いることができる。
これらの中でも、多官能ラジカル重合性モノマーとしては、以下のものを好ましく例示できる。
【0050】
2官能ラジカル重合性モノマーとしては、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、エトキシ化ネオペンチルグリコールジアクリレート、プロポキシ化ネオペンチルグリコールジアクリレートが好ましく例示できる。
さらに、ラジカル重合性化合物として、ビニルエーテル化合物を用いることも好ましい。
上述したラジカル重合性化合物として列挙されているモノマーは、反応性が高く、粘度が低く、また、支持体への密着性に優れる。
【0051】
<カチオン重合性化合物>
カチオン重合性化合物としては、硬化性及び耐擦過性の観点から、オキセタン環含有化合物及びオキシラン環含有化合物が好適であり、オキセタン環含有化合物及びオキシラン環含有化合物の両方を含有する態様がより好ましい。
ここで、オキシラン環含有化合物(以下、「オキシラン化合物」ともいう。)とは、分子内に、少なくとも1つのオキシラン環(オキシラニル基、エポキシ基)を含む化合物であり、具体的にはエポキシ樹脂として通常用いられているものの中から適宜選択することができ、例えば、従来公知の芳香族エポキシ樹脂、脂環族エポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂が挙げられる。モノマー、オリゴマー及びポリマーのいずれであってもよい。
【0052】
また、オキセタン環含有化合物(以下、「オキセタン化合物」ともいう。)とは、分子内に少なくとも1つのオキセタン環(オキセタニル基)を含む化合物である。
前記第1のインクにカチオン重合性化合物を使用する場合、前記第1のインクは、(b−1)重合性化合物の総質量のうち、単官能カチオン重合性化合物が65〜95質量%であることが好ましく、65〜85質量%であることがより好ましく、65〜75質量%であることがさらに好ましい。上記範囲であると、得られる画像の柔軟性に優れる。
【0053】
前記第2のインクにカチオン重合性化合物を使用する場合、前記第2のインクは、(b−2)重合性化合物の総質量のうち、多官能カチオン重合性化合物が50〜90質量%であることが好ましく、52〜75質量%であることがより好ましく、55〜65質量%であることがさらに好ましい。上記範囲であると、得られる画像の耐傷性及び耐溶剤性に優れる。
【0054】
また、カチオン重合性化合物は、単官能であっても、多官能であってもよい。
単官能カチオン重合性化合物としては、単官能オキシラン化合物、及び/又は、単官能オキセタン化合物であることが好ましい。
多官能カチオン重合性化合物としては、2官能カチオン重合性化合物であることが好ましい。また、多官能ラジカル重合性化合物としては、多官能オキシラン化合物、及び/又は、多官能オキセタン化合物であることが好ましく、多官能オキシラン化合物と多官能オキセタン化合物とを併用することがより好ましい。
【0055】
前記第1のインクにカチオン重合性化合物を使用する場合、前記第1のインクは、第1のインクの総質量のうち、単官能カチオン重合性化合物が40〜95質量%であることが好ましく、45〜80質量%であることがより好ましく、45〜65質量%であることがさらに好ましい。上記範囲であると、得られる画像の柔軟性に優れる。
前記第2のインクにカチオン重合性化合物を使用する場合、前記第2のインクは、第2のインクの総質量のうち、多官能カチオン重合性化合物が35〜90質量%であることが好ましく、38〜75質量%であることがより好ましく、40〜60質量%であることがさらに好ましい。上記範囲であると、得られる画像の耐傷性及び耐溶剤性に優れる。
【0056】
以下、単官能カチオン重合性化合物、及び、多官能カチオン重合性化合物について詳細に説明する。
カチオン重合性化合物としては、例えば、特開平6−9714号、特開2001−31892号、同2001−40068号、同2001−55507号、同2001−310938号、同2001−310937号、同2001−220526号などの各公報に記載されているエポキシ化合物、ビニルエーテル化合物、オキセタン化合物などが挙げられる。
【0057】
単官能エポキシ化合物の例としては、例えば、フェニルグリシジルエーテル、p−tert−ブチルフェニルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、1,2−ブチレンオキサイド、1,3−ブタジエンモノオキサイド、1,2−エポキシドデカン、エピクロロヒドリン、1,2−エポキシデカン、スチレンオキサイド、シクロヘキセンオキサイド、3−メタクリロイルオキシメチルシクロヘキセンオキサイド、3−アクリロイルオキシメチルシクロヘキセンオキサイド、3−ビニルシクロヘキセンオキサイド等が挙げられる。
【0058】
また、多官能エポキシ化合物の例としては、例えば、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ビスフェノールFジグリシジルエーテル、ビスフェノールSジグリシジルエーテル、臭素化ビスフェノールAジグリシジルエーテル、臭素化ビスフェノールFジグリシジルエーテル、臭素化ビスフェノールSジグリシジルエーテル、エポキシノボラック樹脂、水添ビスフェノールAジグリシジルエーテル、水添ビスフェノールFジグリシジルエーテル、水添ビスフェノールSジグリシジルエーテル、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)−7,8−エポキシ−1,3−ジオキサスピロ[5.5]ウンデカン、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート、ビニルシクロヘキセンオキサイド、4−ビニルエポキシシクロヘキサン、ビス(3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル)アジペート、3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシル−3’,4’−エポキシ−6’−メチルシクロヘキサンカルボキシレート、メチレンビス(3,4−エポキシシクロヘキサン)、ジシクロペンタジエンジエポキサイド、エチレングリコールのジ(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)エーテル、エチレンビス(3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート)、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジオクチル、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジ−2−エチルヘキシル、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル類、1,13−テトラデカジエンジオキサイド、リモネンジオキサイド、1,2,7,8−ジエポキシオクタン、1,2,5,6−ジエポキシシクロオクタン等が挙げられる。
【0059】
これらのエポキシ化合物のなかでも、芳香族エポキシド及び脂環式エポキシドが、硬化速度に優れるという観点から好ましく、特に脂環式エポキシドが好ましい。
ビニルエーテル化合物としては、ジ又はトリビニルエーテル化合物が、硬化性、支持体との密着性、形成された画像の表面硬度などの観点から好ましく、特にジビニルエーテル化合物が好ましい。
【0060】
オキセタン化合物としては、特開2001−220526号、同2001−310937号、同2003−341217号の各公報に記載されているような、公知のオキセタン化合物を任意に選択して使用できる。
オキセタン化合物としては、その構造内にオキセタン環を1〜4個有する化合物が好ましい。このような化合物を使用することで、インクジェット記録用液体の粘度をハンドリング性の良好な範囲に維持することが容易となり、また、硬化後のインクの支持体との高い密着性を得ることができる。
【0061】
単官能オキセタン化合物の例としては、例えば、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン、3−(メタ)アリルオキシメチル−3−エチルオキセタン、(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチルベンゼン、4−フルオロ−[1−(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]ベンゼン、4−メトキシ−[1−(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]ベンゼン、[1−(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)エチル]フェニルエーテル、イソブトキシメチル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、イソボルニルオキシエチル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、イソボルニル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、2−エチルヘキシル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、エチルジエチレングリコール(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジシクロペンタジエン(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジシクロペンテニルオキシエチル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジシクロペンテニル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、テトラヒドロフルフリル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、テトラブロモフェニル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、2−テトラブロモフェノキシエチル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、トリブロモフェニル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、2−トリブロモフェノキシエチル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、2−ヒドロキシエチル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、2−ヒドロキシプロピル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ブトキシエチル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ペンタクロロフェニル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ペンタブロモフェニル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ボルニル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル等が挙げられる。
【0062】
多官能オキセタン化合物の例としては、例えば、3,7−ビス(3−オキセタニル)−5−オキサノナン、3,3’−(1,3−(2−メチレニル)プロパンジイルビス(オキシメチレン))ビス(3−エチルオキセタン)、1,4−ビス[(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]ベンゼン、1,2−ビス[(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]エタン、1,3−ビス[(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]プロパン、エチレングリコールビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジシクロペンテニルビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、トリエチレングリコールビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、テトラエチレングリコールビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、トリシクロデカンジイルジメチレン(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、トリメチロールプロパントリス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、1,4−ビス(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)ブタン、1,6−ビス(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)ヘキサン、ペンタエリスリトールトリス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ペンタエリスリトールテトラキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ポリエチレングリコールビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジペンタエリスリトールヘキサキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジペンタエリスリトールペンタキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジペンタエリスリトールテトラキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールペンタキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジトリメチロールプロパンテトラキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、EO変性ビスフェノールAビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、PO変性ビスフェノールAビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、EO変性水添ビスフェノールAビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、PO変性水添ビスフェノールAビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、EO変性ビスフェノールF(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル等の多官能オキセタンが挙げられる。
【0063】
なお、これらのカチオン重合性化合物は、1種のみを用いても、2種以上を併用してもよい。
また、インク中の重合性化合物の総質量は、インクの総質量に対し、55〜95質量%であることが好ましく、60〜90質量%であることがより好ましい。上記範囲内であると、硬化性に優れ、また、粘度が適度である。
また、重合性化合物の製造方法としては、特に制限はなく、公知の方法により合成することができる。また、入手可能な場合は、市販品を使用してもよい。
【0064】
(c)着色剤
インクには、形成された画像部の視認性を向上させるため着色剤を含有させることができる。
着色剤としては、特に制限はないが、耐候性に優れ、色再現性に富んだ顔料及び油溶性染料が好ましく、溶解性染料等の公知の着色剤から任意に選択して使用することができる。インクに好適に使用し得る着色剤は、活性放射線による硬化反応の感度を低下させないという観点からは、硬化反応である重合反応において重合禁止剤として機能しない化合物を選択することが好ましい。
顔料としては、特に限定されるわけではないが、例えばカラーインデックスに記載される下記の番号の有機又は無機顔料が使用できる。
【0065】
赤又はマゼンタ顔料としては、Pigment Red 3,5,19,22,31,38,42,43,48:1,48:2,48:3,48:4,48:5,49:1,53:1,57:1,57:2,58:4,63:1,81,81:1,81:2,81:3,81:4,88,104,108,112,122,123,144,146,149,166,168,169,170,177,178,179,184,185,208,216,226,257、Pigment Violet 3,19,23,29,30,37,50,88、Pigment Orange 13,16,20,36、
青又はシアン顔料としては、Pigment Blue 1,15,15:1,15:2,15:3,15:4,15:6,16,17−1,22,27,28,29,36,60、
緑顔料としては、Pigment Green 7,26,36,50、
黄顔料としては、Pigment Yellow 1,3,12,13,14,17,34,35,37,55,74,81,83,93,94,95,97,108,109,110,120,137,138,139,153,154,155,157,166,167,168,180,185,193、
黒顔料としては、Pigment Black 7,28,26、
白色顔料としては、Pigment White 6,18,21
などが目的に応じて使用できる。
【0066】
また、着色剤は、インク又はインクジェット記録用インクに添加された後、適度に当該インク内で分散することが好ましい。着色剤の分散には、例えば、ボールミル、サンドミル、アトライター、ロールミル、アジテータ、ヘンシェルミキサ、コロイドミル、超音波ホモジナイザー、パールミル、湿式ジェットミル、ペイントシェーカー等の各分散装置を用いることができる。
着色剤は、インクの調製に際して、各成分とともに直接添加により配合してもよいが、分散性向上のため、あらかじめ溶剤又はラジカル重合性化合物のような分散媒体に添加し、均一分散或いは溶解させた後、配合することもできる。
【0067】
(d)分散剤
インクは、顔料をインク中に安定に分散させるため、分散剤を含有することが好ましい。
分散剤としては、高分子分散剤が好ましい。なお、「高分子分散剤」とは、質量平均分子量が1,000以上の分散剤を意味する。
【0068】
高分子分散剤としては、DisperBYK−101、DisperBYK−102、DisperBYK−103、DisperBYK−106、DisperBYK−111、DisperBYK−161、DisperBYK−162、DisperBYK−163、DisperBYK−164、DisperBYK−166、DisperBYK−167、DisperBYK−168、DisperBYK−170、DisperBYK−171、DisperBYK−174、DisperBYK−182(以上BYK Chemie社製)、EFKA4010、EFKA4046、EFKA4080、EFKA5010、EFKA5207、EFKA5244、EFKA6745、EFKA6750、EFKA7414、EFKA745、EFKA7462、EFKA7500、EFKA7570、EFKA7575、EFKA7580(以上エフカアディティブ社製)、ディスパースエイド6、ディスパースエイド8、ディスパースエイド15、ディスパースエイド9100(サンノプコ(株)製)等の高分子分散剤;ソルスパース(Solsperse)3000,5000,9000,12000,13240,13940,17000,22000,24000,26000,28000,32000,36000,39000,41000,71000などの各種ソルスパース分散剤(アビシア社製);アデカプルロニックL31,F38,L42,L44,L61,L64,F68,L72,P95,F77,P84,F87、P94,L101,P103,F108,L121,P−123((株)ADEKA製)及びイソネットS−20(三洋化成工業(株)製)、楠本化成(株)製「ディスパロン KS−860,873SN,874(高分子分散剤)、#2150(脂肪族多価カルボン酸)、#7004(ポリエーテルエステル型)」が挙げられる。
インク中における分散剤の含有量は使用目的により適宜選択されるが、インク全体の質量に対し、それぞれ0.05〜15質量%であることが好ましい。
【0069】
(e)その他の成分
インクには、必要に応じて、前記成分以外の他の成分を添加することができる。
その他の成分としては、例えば、増感剤、共増感剤、界面活性剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、褪色防止剤、導電性塩類、溶剤、高分子化合物、塩基性化合物等が挙げられる。
この他にも、必要に応じて、例えば、レベリング添加剤、マット剤、膜物性を調整するためのワックス類、ポリオレフィンやPET等の支持体への密着性を改善するために、重合を阻害しないタッキファイヤーなどを含有させることができる。
【0070】
タッキファイヤーとしては、具体的には、特開2001−49200号公報の5〜6pに記載されている高分子量の粘着性ポリマー(例えば、(メタ)アクリル酸と炭素数1〜20のアルキル基を有するアルコールとのエステル、(メタ)アクリル酸と炭素数3〜14の脂環族アルコールとのエステル、(メタ)アクリル酸と炭素数6〜14の芳香族アルコールとのエステルからなる共重合物)や、重合性不飽和結合を有する低分子量粘着付与性樹脂などが例示できる。
【0071】
次に、印刷物1の製造に用いる印刷装置について説明する。
[印刷装置]
図2に示すように、印刷装置(印刷物製造装置)1は、基材30上に放射線硬化型インクを吐出した上で、吐出した放射線硬化型インクに放射線照射を行って該放射線硬化型インクを硬化させ、基材30上に文字・数字や各種の絵柄などを描画するものである。
【0072】
この印刷装置1aは、基材30を載置する基台2と、基台2上の基材30を図2中のX方向に搬送する搬送装置3と、放射線硬化型インクを吐出する液滴吐出ヘッド(図示せず)と、該液滴吐出ヘッドを複数備えてなるキャリッジ4と、このキャリッジ4を、X方向と直交するY方向に移動させる送り装置5と、を具備して構成されている。なお、本実施形態では、搬送装置3及び送り装置5により、基材30とキャリッジ4とを、X方向及びY方向にそれぞれ相対移動させる移動装置が構成されている。
【0073】
搬送装置3は、基台2上に設けられたワークステージ6及びステージ移動装置7を備えて構成されたものである。ワークステージ6は、ステージ移動装置7によって基台2上をX方向に移動可能に設けられたもので、製造工程において印刷装置1aの上流側に配置された搬送装置(図示せず)から搬送される基材30を、例えば真空吸着機構によってXY平面上に保持するものである。ステージ移動装置7は、ボールネジまたはリニアガイド等の軸受け機構を備えたもので、制御装置8から入力される、ワークステージ6のX座標を示すステージ位置制御信号に基づいて、ワークステージ6をX方向に移動させるよう構成されたものである。
図3及び図4に示すように、キャリッジ4は、送り装置5に移動可能に取り付けられた矩形板状のもので、底面4a側に複数(本実施形態では10個)の液滴吐出ヘッド(成膜装置)9を、Y方向に沿って配列させた状態で保持したものである。
【0074】
これら複数の液滴吐出ヘッド9(9Y、9C、9M、9K、9W)は、後述するように多数(複数)のノズルを備えたもので、制御装置8から入力される描画データや駆動制御信号に基づいて、放射線硬化型インクの液滴を吐出するものである。また、これら液滴吐出ヘッド9(9Y、9C、9M、9K、9W)は、Y(イエロー)、C(シアン)、M(マゼンタ)、K(黒)に対応した放射線硬化型インク、および透明色または白色(W)の放射線硬化型インクをそれぞれ吐出するものであり、それぞれの液滴吐出ヘッド9には、図2に示すようにキャリッジ4を介してチューブ(配管)10が連結されている。これら10個の液滴吐出ヘッド9のうち、図3中左側の5個の液滴吐出ヘッド9を第1のインクの液滴の吐出用とし、図3中右側の5個の液滴吐出ヘッド9を第2のインクの液滴の吐出用とする。なお、印刷物1の製造においては、第1のインクを使用し、第2のインクは使用しないので、図3中左側の5個の液滴吐出ヘッド9を用いるが、さらに、図3中右側の5個の液滴吐出ヘッド9を用いて、第2のインクの液滴を吐出して印刷層を形成することもできる。
Y(イエロー)に対応する液滴吐出ヘッド9Yには、チューブ10を介してY(イエロー)用の放射線硬化型インクを充填・貯蔵した第1タンク11Yが接続されており、これによって液滴吐出ヘッド9Yには、この第1タンク11YからY(イエロー)用の放射線硬化型インクが供給されるようになっている。
【0075】
同様に、C(シアン)に対応する液滴吐出ヘッド9CにはC(シアン)用の放射線硬化型インクを充填した第2タンク11C、M(マゼンタ)に対応する液滴吐出ヘッド9MにはM(マゼンタ)用の放射線硬化型インクを充填した第3タンク11M、K(黒)に対応する液滴吐出ヘッド9KにはK(黒)用の放射線硬化型インクを充填した第4タンク11K、W(透明または白、ここでは透明とする)に対応する液滴吐出ヘッド9WにはW(透明)用の放射線硬化型インクを充填した第5タンク11W、がそれぞれ接続されている。このような構成によって各液滴吐出ヘッド9には、対応する放射線硬化型インクが供給されるようになっている。
【0076】
これら液滴吐出ヘッド9Y、9C、9M、9K、9W、チューブ(配管)10、タンク11Y、11C、11M、11K、11Wには、各色(Y、C、M、K、W)の系それぞれに、ヒーター等の加熱手段(図示せず)が設けられている。すなわち、それぞれの色の系では、液滴吐出ヘッド9、チューブ10、タンク11のうちの少なくとも一つに、放射線硬化型インクの粘度を低下させてその流動性を高める加熱手段が設けられており、これによって放射線硬化型インクは、液滴吐出ヘッド9からの吐出性が良好になるように調整されている。
ここで、放射線硬化型インクは、前述したように、例えば紫外線硬化型インクなど、所定波長の放射線を受けて硬化するタイプのものである。なお、放射線硬化型インクは、通常はその成分(配合)等によって吸収する放射線(紫外線)の波長域等が異なることから、硬化する波長の最適値、すなわち最適硬化波長も、インク毎に異なっている。
【0077】
図5は、液滴吐出ヘッド9の概略構成図である。図5(a)は液滴吐出ヘッド9をワークステージ6側から見た平面図、図5(b)は液滴吐出ヘッド9の部分斜視図、図5(c)は液滴吐出ヘッド9の1ノズル分の部分断面図である。
図5(a)に示すように、液滴吐出ヘッド9は、複数(例えば180個)のノズルNをY方向と交差する方向、本実施形態ではX方向に配列しており、これら複数のノズルNによってノズル列NAを形成している。なお、図では1列分のノズルを示したが、液滴吐出ヘッド9に設けるノズル数及びノズル列数は任意に変更可能であり、例えばX方向に配列したノズル列NAをY方向に複数列設けてもよい。
【0078】
また、図5(b)に示すように、チューブ10と連結される材料供給孔20aが設けられた振動板20と、ノズルNが設けられたノズルプレート21と、振動板20とノズルプレート21との間に設けられたリザーバー(液溜まり)22と、複数の隔壁23と、複数のキャビティー(液室)24とを備えて構成されている。ノズルプレート21の表面(底面)は、複数のノズルNを形成したノズル面21aとなっている。振動板20上には、各ノズルNに対応して圧電素子(駆動素子)PZが配置されている。圧電素子PZは、例えばピエゾ素子からなっている。
【0079】
リザーバー22には、材料供給孔20aを介して供給される放射線硬化型インクが充填されるようになっている。キャビティー24は、振動板20と、ノズルプレート21と、1対の隔壁23とによって囲まれるようにして形成されおり、各ノズルNに対して1対1に対応して設けられている。また、各キャビティー24には、一対の隔壁23の間に設けられた供給口24aを介して、リザーバー22から放射線硬化型インクが導入されるようになっている。
【0080】
また、図5(c)に示すように、圧電素子PZは、圧電材料25を一対の電極26で挟持したもので、一対の電極26に駆動信号が印加されることにより、圧電材料25が収縮するように構成されたものである。したがって、このような圧電素子PZが配置されている振動板20は、圧電素子PZと一体になって同時に外側(キャビティー24の反対側)へ撓曲するようになっており、これによってキャビティー24の容積が増大するようになっている。
【0081】
よって、キャビティー24内に増大した容積分に相当する放射線硬化型インクが、液溜まり22から供給口24aを介して流入する。また、このような状態から圧電素子PZへの駆動信号の印加が停止すると、圧電素子PZと振動板20とは共に元の形状に戻り、キャビティー24も元の容積に戻る。これにより、キャビティー24内の放射線硬化型インクの圧力が上昇し、ノズルNから基材30に向けて放射線硬化型インクの液滴Lが吐出されるようになっている。
【0082】
なお、このような構成からなる液滴吐出ヘッド9は、そのノズルプレート21の底面、すなわちノズルNの形成面(ノズル面)NSが、図3に示すようにキャリッジ4の底面4aより下側となるように、該底面4aから突出して配置されている。
また、キャリッジ4には、図3及び図4に示すように、配列する複数(図では10個)の液滴吐出ヘッド9を挟んで両側に放射線照射手段12が隣り合って配置されている。すなわち、放射線照射手段12は、Y方向に配列された液滴吐出ヘッド9の配列方向に沿って、その両側にそれぞれ配置されている。
【0083】
これら放射線照射手段12は、放射線硬化型インクを硬化させるためのもので、本実施形態では多数のLED(発光ダイオード)からなっている。ただし、本発明では、放射線照射手段12は、放射線硬化型インクの重合を促進する波長の放射線を射出可能であればLEDに限定されることなく、これ以外にも例えばレーザーダイオード(LD)や、さらには水銀灯ランプ、メタルハライドランプ、キセノンランプ、エキシマランプ等を放射線照射手段12として用いることができる。例えば、放射線硬化型インクとして紫外線硬化型のインクを用いる場合には、紫外線を射出する各種光源を用いることができる。
【0084】
本実施形態のLEDからなる放射線照射手段12は、照射する放射線が、液滴吐出ヘッド9が吐出する放射線硬化型インクの、最適硬化波長を含む波長帯域を有する放射線となっている。つまり、前述したように各放射線硬化型インクは、その成分(配合)等によって最適硬化波長が異なることが想定されるが、上述のような放射線を照射することにより、各放射線硬化型インクの最適硬化波長を有した放射線を照射するようになっている。
【0085】
図2に示すように、キャリッジ4を移動させる送り装置5は、例えば基台2を跨ぐ橋梁構造をしたもので、Y方向及びXY平面に直交するZ方向に対して、ボールネジまたはリニアガイド等の軸受け機構を備えたものである。このような構成のもとに送り装置5は、制御装置8から入力される、キャリッジ4のY座標及びZ座標を示すキャリッジ位置制御信号に基づいて、キャリッジ4をY方向に移動させるとともに、Z方向にも移動させるようになっている。
【0086】
制御装置8は、ステージ移動装置7にステージ位置制御信号を出力し、送り装置5にキャリッジ位置制御信号を出力し、さらには液滴吐出ヘッド9の駆動回路基板(図示せず)に描画データ及び駆動制御信号を出力するものである。これによって制御装置8は、基材30とキャリッジ4とを相対移動させるべく、ワークステージ6の移動による基材30の位置決め動作、及びキャリッジ4の移動による液滴吐出ヘッド9の位置決め動作の同期制御を行い、さらに液滴吐出ヘッド9に液滴吐出動作を行わせることにより、基材30上の所定の位置に放射線硬化型インクの液滴を配するようになっている。また、この制御装置8は、液滴吐出ヘッド9に液滴吐出動作を行わせるのとは別に、放射線照射手段12に放射線照射動作を行わせるようにもなっている。
印刷装置1aは、以上のような構成となっている。
【0087】
次に、印刷物1について説明する。
図1および図2に示すように、印刷物1は、基材30と、基材30上に直接または間接的に設けられた遮光層31および遮光補正層32とを有している。
本実施形態では、印刷物1は、基材30と反対側、すなわち遮光層31側から視認されるよう構成されており、印刷物1は、基材30と、基材30の片面側に設けられた遮光層31と、その印刷物1を視認する方向から見て、基材30の裏面側に設けられた遮光性を有する遮光補正層32とを備えている。すなわち、印刷物1を視認する方向から見て、基材30の表面側に遮光層30が設けられ、基材30の裏面側に遮光補正層32が設けられている。
【0088】
また、印刷物1は、変形加工されて延伸する変形部41を有しており、遮光補正層32は、その変形部41を含む領域に設けられている。
前記遮光補正層32を設けることにより、遮光層31全体の厚さを厚くすることなく、かつ、印刷物1を視認する方向から見て、表面に凹凸が形成されることなく、十分な遮光性を確保することができる。
【0089】
すなわち、図1(a)に示す印刷物1に対し、変形加工を行い、図1(b)に示す印刷物1を製造した場合、変形部41が、例えば、2倍に延伸したとすると、遮光層31および遮光補正層32の厚さは、1/2となる。したがって、遮光補正層32が設けられていない場合は、遮光性が不十分となるが、この印刷物1では、遮光補正層32により、遮光層31の遮光性の低下分を補うことができ、十分な遮光性を確保することができる。また、遮光補正層32は、印刷物1を視認する方向から見て、基材30の裏面側に設けられているので、表面に凹凸のない印刷物1を実現することができる。
【0090】
また、遮光層31の色は、特に限定されないが、黒色が好ましい。また、印刷物1を視認する方向から見て、遮光補正層32が遮光層31の裏面側に位置しているので、その遮光補正層32の色は、特に限定されない。これにより、遮光補正層32の色を遮光層31と同一にする必要がなく、設計の自由度を広くすることができる。但し、遮光補正層32の色は、黒色が好ましい。
また、前述したように、遮光層31の形成に用いる遮光層形成用のインクと、遮光補正層32の形成に用いる遮光補正層形成用のインクとしては、それぞれ、第1のインクを用い、その遮光層形成用のインクと、遮光補正層形成用のインクとは、同一であってもよく、また、異なっていてもよい。
【0091】
遮光補正層形成用のインクを遮光層形成用のインクと異なるものを用いる場合は、形成された遮光補正層32が補強機能を有することが好ましい。例えば、遮光補正層32図1(b)に示すように、印刷物1を曲げたときでも、遮光性を十分に保持できるものが好ましい。すなわち、遮光補正層32は、遮光層31よりも弾性率、粘弾性率が高いことが好ましい。
基材30の構成材料としては、変形加工を行うことができるものであれば、特に限定されず、例えば、各種樹脂等を用いることができる。
【0092】
また、樹脂材料としては、特に限定されず、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)等のポリオレフィン、環状ポリオレフィン、変性ポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリカーボネート、ポリ−(4−メチルペンテン−1)、アイオノマー、アクリル系樹脂、ポリメチルメタクリレート、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)、アクリロニトリル−スチレン共重合体(AS樹脂)、ブタジエン−スチレン共重合体、ポリオキシメチレン、ポリビニルアルコール(PVA)、エチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリシクロヘキサンテレフタレート(PCT)等のポリエステル、ポリエーテル、ポリエーテルケトン(PEK)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルイミド、ポリアセタール(POM)、ポリフェニレンオキシド、変性ポリフェニレンオキシド、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、ポリフェニレンサルファイド、ポリアリレート、芳香族ポリエステル(液晶ポリマー)等、またはこれらを主とする共重合体、ブレンド体、ポリマーアロイ等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて(例えば2層以上の積層体として)用いることができる。
【0093】
本実施形態では、例えば、遮光層31に、その遮光層31を非形成としてなる所定パターン設け、印刷物1を視認する方向と反対側にバックライト等を設け、前記所定パターンを視認するような構成とする。このため、前記基材30の構成材料として、透明なものを用いる。
また、図1(a)に示す加工前の印刷物1は、変形加工されて延伸する変形部41を有している。すなわち、図1(b)に示す加工後の印刷物1は、変形加工がなされて延伸した変形部41を有している。この、図1(a)に示す加工前の印刷物1と、図1(b)に示す加工後の印刷物1とのいずれも、本発明の印刷物に含まれる。
【0094】
前記変形加工としては、例えば、絞り加工、曲げ加工等のように一部を延伸する加工等が挙げられる。図示の構成では、印刷物1は、絞り加工により、曲げられ、延伸している。
前記遮光層31および遮光補正層32は、それぞれ、印刷により形成されたものである。本実施形態では、遮光層31および遮光補正層32は、それぞれ、印刷装置1aを用いて、インクジェット法によりインクを付与(塗布)して形成されたものである。すなわち、遮光層31は、第1のインクである遮光層形成用のインクをインクジェット方式でノズルNから液滴として吐出して供給し、放射線を照射して硬化させたものである。また、遮光補正層32は、第1のインクであるである遮光補正層形成用のインクをインクジェット方式でノズルNから液滴として吐出して付与し、放射線を照射して硬化させたものである。
なお、印刷物1としては、特に限定されず、例えば、スピードメーター等の自動車の内装部品、電気製品の外装部品、お面、看板等が挙げられる。
【0095】
次に、印刷物1の製造方法について説明する。
印刷物1の製造には、前記印刷装置1aを用いる。
まず、図2に示すように、基材30をワークステージ6上に載置する。
次いで、印刷装置1aを作動させ、基材30上の遮光層31の形成領域に遮光層形成用のインクを吐出して付与し、放射線照射手段12により、付与された遮光層形成用のインクに対し、放射線を照射し、硬化させ、遮光層31を形成する。
【0096】
次いで、基材を裏返し、その後、印刷装置1aを作動させ、基材30上の遮光補正層32の形成領域に遮光補正層形成用のインクを吐出して付与し、放射線照射手段12により、付与された遮光補正層形成用のインクに対し、放射線を照射し、硬化させ、遮光補正層32を形成する。なお、遮光補正層32を先に形成してもよいことは、言うまでもない。
次いで、印刷物1に対し、絞り加工を行ない、変形部41を形成する。なお、この絞り加工は、加熱しつつ行う。
以上説明したように、この印刷物1によれば、遮光補正層32を設けることにより、遮光層31全体の厚さを厚くすることなく、かつ、印刷物1を視認する方向から見て、表面に凹凸が形成されることなく、十分な遮光性を確保することができる。
【0097】
<第2実施形態>
図6は、本発明の印刷物の第2実施形態を示す断面図である。なお、以下では、図6中の左側を「左」、右側を「右」、上側を「上」、下側を「下」として説明を行う。
以下、第2実施形態について、前述した第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
【0098】
図6に示すように、第2実施形態の印刷物1では、印刷物1を視認する方向から見て、基材30の裏面側に遮光層31が設けられ、遮光層31の裏面側に遮光補正層32が設けられている。これにより、印刷物1を視認する方向から見て、遮光補正層32が遮光層31の裏面側に位置しているので、遮光補正層32の色を遮光層31と同一にする必要がなく、設計の自由度を広くすることができる。
また、遮光層31と遮光補正層32とが、基材30に対して同じ側に位置している。これにより基材30を引っ繰り返すことなく、遮光層31と遮光補正層32とを形成することができる。
【0099】
<第3実施形態>
図7は、本発明の印刷物の第3実施形態を示す断面図である。なお、以下では、図7中の左側を「左」、右側を「右」、上側を「上」、下側を「下」として説明を行う。
以下、第3実施形態について、前述した第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
【0100】
図7に示すように、第3実施形態の印刷物1では、印刷物1を視認する方向から見て、基材30の裏面側に遮光補正層32が設けられ、印刷物1を視認する方向と反対方向から見て、遮光補正層32を覆うように、遮光層31が設けられている。また、遮光層31と遮光補正層32とが、基材30に対して同じ側に位置している。これにより基材30を引っ繰り返すことなく、遮光層31と遮光補正層32とを形成することができる。
【0101】
以上、本発明の印刷物および印刷物の製造方法を、図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各部の構成は、同様の機能を有する任意の構成のものに置換することができる。また、本発明に、他の任意の構成物や、工程が付加されていてもよい。
また、本発明は、前記各実施形態のうちの、任意の2以上の構成(特徴)を組み合わせたものであってもよい。
【符号の説明】
【0102】
1…印刷物 1a…印刷装置(印刷物製造装置) 2…基台 3…搬送装置 4…キャリッジ 4a…底面 5…送り装置 6…ワークステージ 7…ステージ移動装置 8…制御装置 9、9Y、9C、9M、9K、9W…液滴吐出ヘッド(成膜装置) 10…チューブ 11Y…第1タンク 11C…第2タンク 11M…第3タンク 11K…第4タンク 11W…第5タンク 12…放射線照射手段 20…振動板 20a…材料供給孔 21…ノズルプレート 21a…ノズル面 22…リザーバー 23…隔壁 24…キャビティー 24a…供給口 25…圧電材料 26…電極 30…基材 31…遮光層 32…遮光補正層 41…変形部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7