特許第5834494号(P5834494)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5834494
(24)【登録日】2015年11月13日
(45)【発行日】2015年12月24日
(54)【発明の名称】光受信装置
(51)【国際特許分類】
   H04B 10/69 20130101AFI20151203BHJP
   H01L 31/10 20060101ALI20151203BHJP
【FI】
   H04B9/00 690
   H01L31/10 G
【請求項の数】2
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2011-118767(P2011-118767)
(22)【出願日】2011年5月27日
(65)【公開番号】特開2012-249047(P2012-249047A)
(43)【公開日】2012年12月13日
【審査請求日】2014年3月13日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100082175
【弁理士】
【氏名又は名称】高田 守
(74)【代理人】
【識別番号】100106150
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 英樹
(74)【代理人】
【識別番号】100148057
【弁理士】
【氏名又は名称】久野 淑己
(72)【発明者】
【氏名】板本 裕光
(72)【発明者】
【氏名】岡田 規男
【審査官】 後澤 瑞征
(56)【参考文献】
【文献】 特開2002−289907(JP,A)
【文献】 特開2003−133881(JP,A)
【文献】 特表平05−503820(JP,A)
【文献】 特開2002−76424(JP,A)
【文献】 特開2008−60830(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B10/00−10/90
H04J14/00−14/08
H01L 31/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
受光素子と、
前記受光素子が出力した電気信号を増幅する前置増幅器と、
出力基板と、
前記出力基板上に設けられ、互いに直列に接続された第1及び第2信号線路と、
前記出力基板上に設けられ、前記第1及び第2の信号線路の接続点とGNDとの間に直列に接続された抵抗及びキャパシタとを備え
前記第1の信号線路は前記前置増幅器の出力に接続され、
前記第1及び第2の信号線路はインピーダンス整合が取れていることを特徴とする光受信装置。
【請求項2】
前記出力基板上に設けられ、前記信号線路とGNDとの間に、前記抵抗及び前記キャパシタと直列に接続されたインダクタを更に備えることを特徴とする請求項1に記載の光受信装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光通信に用いられる光受信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
光受信装置では、光信号を受信した受光素子が電気信号を出力し、それを前置増幅器が増幅する(例えば、特許文献1参照)。一般的に受光感度及び利得と通過帯域は二律背反の関係があるため、前置増幅器でピーキングをかけて通過帯域を延ばす手法が取られる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平7−283711号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の光受信装置では、受光素子と前置増幅器の実装条件や回路設計、前置増幅器の製造ばらつき、前置増幅器と受光素子を接続するワイヤのインダクタなどによって、ピーキングがかかり過ぎた場合、周波数応答特性が劣化し、受信感度特性が劣化するという問題があった。
【0005】
本発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、その目的は受信感度特性を改善することができる光受信装置を得るものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、受光素子と、前記受光素子が出力した電気信号を増幅する前置増幅器と、出力基板と、前記出力基板上に設けられ、互いに直列に接続された第1及び第2信号線路と、前記出力基板上に設けられ、前記第1及び第2の信号線路の接続点とGNDとの間に直列に接続された抵抗及びキャパシタとを備え、前記第1の信号線路は前記前置増幅器の出力に接続され、前記第1及び第2の信号線路はインピーダンス整合が取れている
【発明の効果】
【0007】
本発明により、受信感度特性を改善することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の実施の形態1に係る光受信装置を示す図である。
図2】本発明の実施の形態1に係る出力基板の周波数応答特性を示す図である。
図3】受光素子と前置増幅器だけの周波数応答特性を示す図である。
図4】本発明の実施の形態1に係る光受信装置の周波数応答特性を示す図である。
図5】本発明の実施の形態2に係る光受信装置を示す図である。
図6】本発明の実施の形態2に係る出力基板の周波数応答特性を示す図である。
図7】本発明の実施の形態2に係る光受信装置の周波数応答特性を示す図である。
図8】本発明の実施の形態3に係る光受信装置を示す上面図である。
図9図8のI−IIに沿った断面図である。
図10】比較例に係る光受信装置を示す上面図である。
図11】本発明の実施の形態4に係る光受信装置を示す上面図である。
図12】本発明の実施の形態4に係る出力基板の周波数応答特性を示す図である。
図13】本発明の実施の形態4に係る光受信装置の周波数応答特性を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の実施の形態に係る光受信装置について図面を参照して説明する。同じ又は対応する構成要素には同じ符号を付し、説明の繰り返しを省略する場合がある。
【0010】
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1に係る光受信装置を示す図である。光信号を受信した受光素子1が電気信号を出力し、それを前置増幅器2が増幅する。出力基板3上に信号線路4,5、抵抗6及びキャパシタ7が設けられている。信号線路4,5は、インピーダンス整合が取れており、前置増幅器2の出力に接続されている。抵抗6及びキャパシタ7は、信号線路4,5とGNDとの間に直列に接続されている。
【0011】
図2は、本発明の実施の形態1に係る出力基板の周波数応答特性を示す図である。抵抗6及びキャパシタ7の直列回路は、周波数が低いとインピーダンスが高く、周波数が高くなるにつれてキャパシタ7のインピーダンスが下がり、高周波になるとキャパシタ7のインピーダンスは無視できて、抵抗6の抵抗値で飽和する。
【0012】
図3は、受光素子1と前置増幅器2だけの周波数応答特性を示す図である。図4は、本発明の実施の形態1に係る光受信装置の周波数応答特性を示す図である。図3の周波数特性を示す受光素子1及び前置増幅器2に図2の周波数応答特性を示す出力基板3を組み合わせることで、ピーキングが抑えられた周波数応答特性を得ることができる。この結果、受信感度特性を改善することができる。
【0013】
なお、抵抗6及びキャパシタ7は、チップ部品でもよいし、セラミック基板上の配線パターンにより構成してもよい。
【0014】
実施の形態2.
図5は、本発明の実施の形態2に係る光受信装置を示す図である。実施の形態1の構成に、信号線路4,5とGNDとの間に抵抗6及びキャパシタ7と直列に接続されたインダクタ8が追加されている。
【0015】
受光素子1と前置増幅器2だけの周波数応答特性が図3の場合、低周波から20GHz程度まではピーキングを落としたいが、20GHz以上の周波数帯も同様に利得が落ちると帯域が劣化してしまう。そこで、本実施の形態ではインダクタ8を追加している。
【0016】
図6は、本発明の実施の形態2に係る出力基板3の周波数応答特性を示す図である。高周波になるとインダクタ8によって合成インピーダンスが高くなるため、利得が持ち上がる。
【0017】
図7は、本発明の実施の形態2に係る光受信装置の周波数応答特性を示す図である。図3の周波数特性を示す受光素子1及び前置増幅器2に図6の周波数応答特性を示す出力基板3を組み合わせることで、ピーキングを抑えることができ、かつ帯域劣化も抑えることができる。また、前置増幅器2のピーキング量は個体バラツキが大きいが、その個体バラツキも出力基板3により補償できる。
【0018】
なお、インダクタ8は、チップ部品でもよいし、セラミック基板上の配線パターンにより構成してもよい。
【0019】
実施の形態3.
図8は、本発明の実施の形態3に係る光受信装置を示す上面図である。図9図8のI−IIに沿った断面図である。導電性のキャリア9上に受光素子1、前置増幅器2、及び絶縁基板10が実装されている。絶縁基板10は受光素子1と前置増幅器2の間に配置されている。
【0020】
受光素子1の上面に、コプレナ線路を構成するGND電極11と信号電極12が設けられている。前置増幅器2の上面に、互いに電界結合された信号入力パッド13とGNDパッド14が設けられている。絶縁基板10の上面に電極15,16が設けられている。電極15、キャリア9及び絶縁基板10は第1のキャパシタを構成する。同様に、電極16、キャリア9及び絶縁基板10は第2のキャパシタを構成する。
【0021】
信号電極12は信号入力パッド13にワイヤ17により接続されている。GNDパッド14は電極15にワイヤ18により接続されている。即ち、GNDパッド14はワイヤ18と第1のキャパシタを介してキャリア9に接続されている。GND電極11は電極16にワイヤ19により接続されている。即ち、GND電極11はワイヤ19と第2のキャパシタを介してキャリア9に接続されている。
【0022】
続いて、本実施の形態の効果を比較例と比較して説明する。図10は、比較例に係る光受信装置を示す上面図である。比較例では、前置増幅器2のGNDパッド14は、受光素子1と前置増幅器2の間においてキャリア9にワイヤ18により接続されている。この場合、ワイヤ実装装置と受光素子1や前置増幅器2との干渉を避けるために、受光素子1と前置増幅器2の間隔を例えば700μm程度まで大きくする必要がある。従って、信号電極12と信号入力パッド13を接続するワイヤ17が長くなるため、受光素子1と前置増幅器2でピーキングが生じて特性が劣化する。
【0023】
また、受光素子1のGND電極11には例えば3.0Vの電圧を印加する必要がある。一方、前置増幅器2のGNDパッド14の電圧は0Vである。従って、両者には電位差があるため、両者を直接接続することはできない。
【0024】
これに対して、本実施の形態では、前置増幅器2のGNDパッド14は、絶縁基板10上の電極15にワイヤ接続されている。GNDパッド14と電極15の高さは同程度であるため、ワイヤ実装装置が受光素子1や前置増幅器2と干渉することはない。従って、受光素子1と前置増幅器2の間隔を小さくすることができるため、受信感度特性を改善することができる。また、受光素子1のGND電極11と前置増幅器2のGNDパッド14は電位差があるが、第1のキャパシタを介してなら両者を接続することができる。
【0025】
なお、電極15,16は絶縁基板10及びキャリア9と共にそれぞれキャパシタを構成しているが、これに限らず、電極15と電極16の間でキャパシタを構成してもよい。また、第2のキャパシタはバイパスコンデンサとして用いられる。第2のキャパシタを比較例のように個別で受光素子1の脇に設けても良いが、第1のキャパシタと第2のキャパシタを1つの絶縁基板10に設けることにより部品点数を減らすことができる。
【0026】
実施の形態4.
図11は、本発明の実施の形態4に係る光受信装置を示す上面図である。前置増幅器2の出力に、インピーダンス整合の取れた信号線路20が接続されている。信号線路20と前置増幅器2の出力との間に信号線路21が接続されている。この信号線路21は、信号線路20よりも高いインピーダンスを持つ。
【0027】
図12は、本発明の実施の形態4に係る出力基板3の周波数応答特性を示す図である。整合インピーダンスより高いインピーダンスを持つ信号線路21を追加することにより、意図的に電気的多重反射を発生させる。これにより、20GHzで半周期、振幅で1dB落ちる。なお、多重反射の周期と振幅は、信号線路21の長さとインピーダンスの外れ量により決まる。
【0028】
図13は、本発明の実施の形態4に係る光受信装置の周波数応答特性を示す図である。図3の周波数特性を示す受光素子1及び前置増幅器2に図12の周波数応答特性を示す出力基板3を組み合わせることで、周波数応答特性を改善することができる。この結果、受信感度特性を改善することができる。
【符号の説明】
【0029】
1 受光素子
2 前置増幅器
4,5 信号線路
6 抵抗
7 キャパシタ
8 インダクタ
9 キャリア
10 絶縁基板
11 GND電極
12 信号電極
13 信号入力パッド
14 GNDパッド
15 電極
17 ワイヤ(第1のワイヤ)
18 ワイヤ(第2のワイヤ)
20 信号線路(第1の信号線路)
21 信号線路(第2の信号線路)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13