特許第5834510号(P5834510)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5834510
(24)【登録日】2015年11月13日
(45)【発行日】2015年12月24日
(54)【発明の名称】スラストころ軸受
(51)【国際特許分類】
   F16C 33/54 20060101AFI20151203BHJP
   F16C 19/30 20060101ALI20151203BHJP
   F16C 19/46 20060101ALI20151203BHJP
【FI】
   F16C33/54
   F16C19/30
   F16C19/46
【請求項の数】3
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2011-129756(P2011-129756)
(22)【出願日】2011年6月10日
(65)【公開番号】特開2012-255507(P2012-255507A)
(43)【公開日】2012年12月27日
【審査請求日】2014年6月2日
(73)【特許権者】
【識別番号】000004204
【氏名又は名称】日本精工株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100089381
【弁理士】
【氏名又は名称】岩木 謙二
(72)【発明者】
【氏名】野田 浩史
【審査官】 久島 弘太郎
(56)【参考文献】
【文献】 実開平03−000117(JP,U)
【文献】 実開平02−019929(JP,U)
【文献】 米国特許第04042285(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16C 33/54
F16C 19/30
F16C 19/46
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
相対回転可能に対向配置された中空円環状のレースと、
これらの前記レース相互間に構成された軸受内部空間に沿って配列された複数の転動体と、
前記複数の転動体を回転可能に保持しながら、当該各転動体と共に前記軸受内部空間に沿って公転する保持器とから成る軸受構成を備え
前記各レースには、それぞれ、当該レースの一部を前記軸受内部空間に向けて屈曲させて突出させた係合片が成形され、当該係合片を前記保持器に係合することで、前記軸受構成を互いに分離することなく一体化させることを可能にすると共に、
前記各レースには、それぞれ、当該レースの一部を前記軸受内部空間とは反対側に向けて屈曲させて突出させた引掛片が成形され、当該引掛片を部材相互に引掛けることで、前記軸受構成と前記部材相互とを互いに分離することなく一体化させることを可能にし、
相対回転可能に対向配置された中空円環状の前記レースは、内側レースと、この内側レースの外周側に対向配置された外側レースと、を備え、
前記内側レースは、相対回転する一方の部材に装着可能な内側レース本体部と、当該内側レース本体部の内周縁から連続し、前記軸受内部空間を覆うように前記外側レースに向けて延出した内側リップ部とを有していると共に、
前記外側レースは、相対回転する他方の部材に装着可能な外側レース本体部と、当該外側レース本体部の外周縁から連続し、前記軸受内部空間を覆うように前記内側レースに向けて延出した外側リップ部とを有している、
相対回転する前記部材相互間に組み込まれるスラストころ軸受であって、
前記内側リップ部には、前記内側レース本体部には至らない長溝状に切り欠いたスリットに周方向両側を挟まれた、前記内側リップ部と一体の領域Wが少なくとも一個設けられ、
前記外側リップ部には、前記外側レース本体部には至らない長溝状に切欠いたスリットに周方向両側を挟まれた、前記外側リップ部と一体の領域Wが少なくとも一個設けられ、
前記一個の領域W内に前記係合片及び前記引掛片の両方が設けられており、
前記各レースにおいて、前記係合片及び前記引掛片は、前記領域Wの一部を、前記軸受内部空間に向けて屈曲させて突出させると同時に、前記軸受内部空間とは反対側に向けて屈曲させて突出させることで、一括して同時に成形されていることを特徴とするスラストころ軸受。
【請求項2】
前記領域Wは、前記内側リップ部、前記外側リップ部と連なる部位から軸方向端部に向かい、前記内側リップ部、前記外側リップ部と同一面を成形し、前記スリットに挟まれた全幅が前記軸受内部空間とは反対側に屈曲することにより突出して前記引掛片を成形し、前記突出端部から前記軸受内部空間に向けて折り返され、前記スリットに挟まれた全幅が前記軸受内部空間に突出して前記係合片を成形していること特徴とする請求項1に記載のスラストころ軸受。
【請求項3】
前記領域Wは、前記内側リップ部、前記外側リップ部と同一面を成形し、軸方向端部の一部が軸方向に押圧されることにより径方向両側に屈曲することにより突出して前記引掛片、前記係合片を成形していること特徴とする請求項1に記載のスラストころ軸受。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主にアキシアル荷重(或いは、アキシアル荷重及びラジアル荷重の双方の荷重)を支えて回転するスラストころ軸受に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば自動車のオートマチックトランスミッション(AT)をはじめ、部材相互が相対回転する部分には、各種のスラストころ軸受が適用されている(例えば、特許文献1,2参照)。なお、オートマチックトランスミッション(AT)とは、自動車の速度やエンジンの回転数に応じて、変速比を自動的に切り替える(即ち、シフトチェンジを自動的に行う)自動変速機のことを指す。
【0003】
図5には、相対回転する部材M1,M2相互間に組み込まれるスラストころ軸受2の一例が示されている。スラストころ軸受2は、相対回転可能に対向配置された中空円環状の一対のレース4,6(軌道盤ともいう)と、これら一対のレース4,6相互間に構成された中空円環状の軸受内部空間に沿って配列された複数の転動体8と、複数の転動体8を1つずつ回転可能に保持しながら、当該各転動体8と共に軸受内部空間に沿って公転する保持器10とを備えている。なお、ここでは、一対のレース4,6において、図5中向って下側に配された一方のレースを内側レース(内側軌道盤)4と、また、図5中向って上側に配された他方のレースを外側レース(外側軌道盤)6と称する。
【0004】
複数の転動体8としては、「玉」や「ころ」を適用することができるが、ここでは一例として、その直径が小さく、長さが直径の3〜10倍という細長いころ(以下、ニードルという)を適用する。また、保持器10としては、複数のニードル8を軸受内部空間に沿って1つずつ回転可能に保持できるものであれば、その種類(形状、形式など)は問わないが、ここでは一例として、径寸法の異なる中空円環部材10a,10bを2つ用意し、これら中空円環部材10a,10bを互いに重ね合わせて一体化させた保持器10を適用する。なお、保持器10には、周方向に沿って等間隔で複数のポケット10pが構成されており、複数のニードル8は、各ポケット10pに1つずつ回転可能に保持される。
【0005】
内側レース4は、相対回転する一方の部材M1に装着(例えば、嵌合、圧入)可能な中空円板状の内側レース本体部4aと、内側レース本体部4aの内周縁から連続し、軸受内部空間(保持器10)を覆うように外側レース6に向けて延出した中空円筒状の内側リップ部4bとを有している。中空円板状の内側レース本体部4aは、スラストころ軸受2の回転軸(図示しない)に直交する方向に沿って平行に配置されており、一方、中空円筒状の内側リップ部4bは、スラストころ軸受2の回転軸の方向に沿って平行に配置されている。これにより、内側レース本体部4aと内側リップ部4bとは、互いに直交する位置関係(別の捉え方をすると、内側リップ部4bは、内側レース本体部4aに対して直角となる位置関係)を成して構成配置されている。
【0006】
ここで、内側レース本体部4aは、スラストころ軸受2を相対回転する部材M1,M2相互間に組み込んだ際に、その外周面4sが一方の部材M1に装着されるようになっており、その内周面(外側レース6に対向する対向面)には、周方向に沿って連続した内側軌道面4r(複数のニードル8が転動する転動面)が形成されている。
【0007】
また、内側リップ部4b(具体的には、内側リップ部4bの延出端)には、その一部を軸受内部空間(保持器10)に向けて屈曲させることで、当該内側リップ部4bから軸受内部空間に向けて突出した内側係合片4t(タブともいう)が一体成形されており、当該内側係合片4tは、内側リップ部4b(具体的には、内側リップ部4bの延出端)に沿って周方向に所定間隔で構成されている。
【0008】
外側レース6は、相対回転する他方の部材M2に装着(例えば、嵌合、圧入)可能な中空円板状の外側レース本体部6aと、外側レース本体部6aの外周縁から連続し、軸受内部空間(保持器10)を覆うように内側レース4に向けて延出した中空円筒状の外側リップ部6bとを有している。中空円板状の外側レース本体部6aは、スラストころ軸受2の回転軸(図示しない)に直交する方向に沿って平行に配置されており、一方、中空円筒状の外側リップ部6bは、スラストころ軸受2の回転軸の方向に沿って平行に配置されている。これにより、外側レース本体部6aと外側リップ部6bとは、互いに直交する位置関係(別の捉え方をすると、外側リップ部6bは、外側レース本体部6aに対して直角となる位置関係)を成して構成配置されている。
【0009】
ここで、外側レース本体部6aは、スラストころ軸受2を相対回転する部材M1,M2相互間に組み込んだ際に、その外周面6sが他方の部材M2に装着されるようになっており、その内周面(内側レース4に対向する対向面)には、周方向に沿って連続した外側軌道面6r(複数のニードル8が転動する転動面)が形成されている。
【0010】
また、外側リップ部6b(具体的には、外側リップ部6bの延出端)には、その一部を軸受内部空間(保持器10)に向けて屈曲させることで、当該外側リップ部6bから軸受内部空間に向けて突出した外側係合片6t(タブともいう)が一体成形されており、当該外側係合片6tは、外側リップ部6b(具体的には、外側リップ部6bの延出端)に沿って周方向に所定間隔で構成されている。
【0011】
このようなスラストころ軸受2(スラストニードル軸受ともいう)では、内側レース4(内側軌道面4r)と外側レース6(外側軌道面6r)との間に、複数のニードル8を保持器10で保持しつつ組み立てた状態において、上記した内側係合片4t及び外側係合片6tが、保持器10に一部係合する(具体的には、保持器10を両側から抱きかかえるように係合する)ことにより、その軸受構成(内側レース4、外側レース6、複数のニードル8、保持器10)は、互いに分離することなく一体化し、かつ、組み立てた状態(非分離状態、バレ止めされた状態)に維持(保持)される。
【0012】
ここで、スラストころ軸受2を相対回転する部材M1,M2相互間に組み込んだ状態において、保持器10で保持された複数のニードル8は、それぞれ、円筒形状を成す転動面8sが内側軌道面4rと外側軌道面6rとの間に沿って接触しつつ回転可能となる。この状態で、双方の部材M1,M2が相対回転し、これに伴って内側レース4と外側レース6とが相対回転すると、複数のニードル8が、内側軌道面4rと外側軌道面6rとの間に沿って転動することで、双方の部材M1,M2は、円滑に相対回転し続けることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】実公平7−16101号公報
【特許文献2】特開平8−109925公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
ところで、上記したスラストころ軸受2は、それ自体が非分離なものとして取り扱うことができるものの、当該スラストころ軸受2を相対回転する部材M1,M2相互間に組み込む際に、或いは、組み込んだ後に、当該スラストころ軸受2が部材M1,M2相互間から脱落すると、当該部材M1,M2相互との組立作業効率を向上させることができない。そうなると、その後の組立作業において、スラストころ軸受2を包含した装置全体の組立作業効率が低下してしまうことになる。
【0015】
そこで、当該スラストころ軸受2を部材M1,M2相互間に組み込んだ状態において、これらを一時的(或いは、恒常的)に一体化させたもの(即ち、スラストころ軸受2と部材M1,M2相互とをサブユニット)として取り扱うことを可能にする技術思想が要望されている。当該スラストころ軸受2を部材M1,M2相互間に組み込んだ状態のものをサブユニットとして一体的に取り扱うことができれば、近年のAT構造の複雑化及び小型軽量化にも対応でき極めて効率的であり、これを用いた装置全体の組立作業効率を向上させることもできる。
【0016】
ここで、スラストころ軸受2と部材M1,M2相互とをサブユニット化させる技術思想としては、例えば、内側レース4において、内側リップ部4bの内側係合片4tとは別個に、当該内側レース4を一方の部材M1に引掛けるための引掛片(図示しない)を設けると共に、外側レース6において、外側リップ部6bの外側係合片6tとは別個に、当該外側レース6を他方の部材M2に引掛けるための引掛片(図示しない)を設ける構成が挙げられる。
【0017】
具体的には、内側レース4では、その内側リップ部4bの一部を、軸受内部空間(保持器10)とは反対側に向けて屈曲させることで、当該内側リップ部4bから一方の部材M1に向けて突出した内側引掛片(タブともいう)を一体成形することができる。また、外側レース6では、その外側リップ部6bの一部を、軸受内部空間(保持器10)とは反対側に向けて屈曲させることで、当該外側リップ部6bから他方の部材M2に向けて突出した外側引掛片(タブともいう)を一体成形することができる。そして、内側引掛片を一方の部材M1に予め形成された凹部P1に引っ掛けると共に、外側引掛片を他方の部材M2に予め形成された凹部P2に引っ掛けることで、スラストころ軸受2と部材M1,M2相互とをサブユニット化させることができる。
【0018】
この場合、内側レース4や外側レース6に、上記した引掛片を新たに一体成形する技術思想では、内側係合片4tや外側係合片6tの成形処理プロセスとは別個に、上記した引掛片を新たに一体成形するための成形処理プロセスが必要となる。しかしながら、成形処理プロセスを新たに増やす場合、これに要する手間や時間がかかるため、その分だけ、当該スラストころ軸受2の製造コストが上昇してしまうといった問題がある。
【0019】
更に、内側レース4や外側レース6を、上記した引掛片によって一方の部材M1や他方の部材M2に引掛けることで、スラストころ軸受2を部材M1,M2相互間に組み込むプロセスにおいては、上記した引掛片を、一方の部材M1や他方の部材M2に対して短時間で簡単かつ確実に引掛けることができるように構成する必要がある。しかしながら、かかる要求に応えるためには、当該引掛片を新たに一体成形する際の加工精度を向上させる必要があるため、それに要する手間や時間がかかり、その結果、当該スラストころ軸受2の製造コストが上昇してしまうといった問題がある。
【0020】
また、上記した引掛片を内側係合片4tや外側係合片6tとは別個に成形する場合、その成形処理に際して内側レース4や外側レース6に作用する力の程度によっては、内側レース4や外側レース6が許容範囲を超えて変形してしまう虞がある。かかる変形を防止するためには、上記した引掛片を内側係合片4tや外側係合片6tと同時に成形することができればよいが、現在、そのような成形技術は知られていない。
【0021】
本発明は、このような問題を解決するためになされており、その目的は、スラストころ軸受自体を非分離なものとして取り扱うことを可能にする係合片、及び、スラストころ軸受と部材相互とをサブユニットとして取り扱うことを可能にする引掛片を、当該係合片及び引掛片が構成される各レースを変形させることなく、同時に、かつ、短時間で簡単に成形することを可能にした低コストのスラストころ軸受を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0022】
このような目的を達成するために、本発明は、相対回転可能に対向配置された中空円環状のレースと、これらの前記レース相互間に構成された軸受内部空間に沿って配列された複数の転動体と、前記複数の転動体を回転可能に保持しながら、当該各転動体と共に前記軸受内部空間に沿って公転する保持器とから成る軸受構成を備え、前記各レースには、それぞれ、当該レースの一部を前記軸受内部空間に向けて屈曲させて突出させた係合片が成形され、当該係合片を前記保持器に係合することで、前記軸受構成を互いに分離することなく一体化させることを可能にすると共に、前記各レースには、それぞれ、当該レースの一部を前記軸受内部空間とは反対側に向けて屈曲させて突出させた引掛片が成形され、当該引掛片を部材相互に引掛けることで、前記軸受構成と前記部材相互とを互いに分離することなく一体化させることを可能にし、相対回転可能に対向配置された中空円環状の前記レースは、内側レースと、この内側レースの外周側に対向配置された外側レースと、を備え、前記内側レースは、相対回転する一方の部材に装着可能な内側レース本体部と、当該内側レース本体部の内周縁から連続し、前記軸受内部空間を覆うように前記外側レースに向けて延出した内側リップ部とを有していると共に、前記外側レースは、相対回転する他方の部材に装着可能な外側レース本体部と、当該外側レース本体部の外周縁から連続し、前記軸受内部空間を覆うように前記内側レースに向けて延出した外側リップ部とを有している、相対回転する前記部材相互間に組み込まれるスラストころ軸受であって、前記内側リップ部には、前記内側レース本体部には至らない長溝状に切り欠いたスリットに周方向両側を挟まれた、前記内側リップ部と一体の領域Wが少なくとも一個設けられ、前記外側リップ部には、前記外側レース本体部には至らない長溝状に切欠いたスリットに周方向両側を挟まれた、前記外側リップ部と一体の領域Wが少なくとも一個設けられ、前記一個の領域W内に前記係合片及び前記引掛片の両方が設けられており、前記各レースにおいて、前記係合片及び前記引掛片は、前記領域Wの一部を、前記軸受内部空間に向けて屈曲させて突出させると同時に、前記軸受内部空間とは反対側に向けて屈曲させて突出させることで、一括して同時に成形されている。
本発明において、前記領域Wは、前記内側リップ部、前記外側リップ部と連なる部位から軸方向端部に向かい、前記内側リップ部、前記外側リップ部と同一面を成形し、前記スリットに挟まれた全幅が前記軸受内部空間とは反対側に屈曲することにより突出して前記引掛片を成形し、前記突出端部から前記軸受内部空間に向けて折り返され、前記スリットに挟まれた全幅が前記軸受内部空間に突出して前記係合片を成形している。
本発明では、前記領域Wは、前記内側リップ部、前記外側リップ部と同一面を成形し、軸方向端部の一部が軸方向に押圧されることにより径方向両側に屈曲することにより突出して前記引掛片、前記係合片を成形している
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、スラストころ軸受自体を非分離なものとして取り扱うことを可能にする係合片、及び、スラストころ軸受と部材相互とをサブユニットとして取り扱うことを可能にする引掛片を、当該係合片及び引掛片が構成される各レースを変形させることなく、同時に、かつ、短時間で簡単に成形することを可能にした低コストのスラストころ軸受を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本発明の一実施形態に係るスラストころ軸受の構成を示す図であって、(a)は、成形処理前のレースの構成を一部拡大して示す斜視図、(b)は、係合片及び引掛片を同時に成形する方法例を一部拡大して示す斜視図、(c)は、係合片及び引掛片が成形された本実施形態に係るスラストころ軸受の構成を一部拡大して示す斜視図。
図2】本発明の第1変形例に係るスラストころ軸受の構成を示す図であって、(a)は、成形処理前のレースの構成を一部拡大して示す斜視図、(b)は、係合片及び引掛片を同時に成形する方法例を一部拡大して示す斜視図、(c)は、係合片及び引掛片が成形された本変形例に係るスラストころ軸受の構成を一部拡大して示す斜視図。
図3】本発明の第2変形例に係るスラストころ軸受の構成を示す図であって、(a)は、成形処理前のレースの構成を一部拡大して示す斜視図、(b)は、係合片及び引掛片を同時に成形する方法例を一部拡大して示す斜視図、(c)は、係合片及び引掛片が成形された本変形例に係るスラストころ軸受の構成を一部拡大して示す斜視図。
図4】(a),(b)は、スリット間隔を変更するバリエーションを説明するための斜視図、(c),(d)は、係合片及び引掛片を成形する領域のレース高さを変更するバリエーションを説明するための斜視図、(e),(f)は、スリットの角度を変更するバリエーションを説明するための斜視図。
図5】従来のスラストころ軸受の構成を示す断面図。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の一実施形態に係るスラストころ軸受について、添付図面を参照して説明する。
なお、本実施形態は、図5に示されたスラストころ軸受2の改良であるため、以下、改良部分の説明にとどめる。この場合、当該スラストころ軸受2(図5)と同一の構成については、その構成に付された参照符号と同一の符号を、本実施形態に用いた図面上に付すことで、その説明を省略(簡略)する。
【0026】
図1(c)に示すように、本実施形態のスラストころ軸受2(図5参照)において、上記した相対回転可能に対向配置された中空円環状の各レース4,6は、内側レース4と、この内側レース4の外周側に対向配置された外側レース6とを備えており、これら一対のレース4,6は、それぞれ、当該レース4,6の一部を軸受内部空間に向けて屈曲させて突出させた係合片(内側係合片4t、外側係合片6t)が成形されていると共に、当該レース4,6の一部を軸受内部空間とは反対側に向けて屈曲させて突出させた引掛片(内側引掛片4e、外側引掛片6e)が成形されている。
【0027】
具体的に説明すると、内側レース4は、相対回転する一方の部材に装着可能な内側レース本体部4aと、内側レース本体部4aの内周縁から連続し、軸受内部空間を覆うように外側レース6に向けて延出した内側リップ部4bとを有している。この場合、内側係合片4tは、内側リップ部4bの一部を軸受内部空間に向けて屈曲させて突出させることで、当該内側リップ部4bと一体的に成形されており、内側引掛片4eは、内側リップ部4bの一部を軸受内部空間とは反対側に向けて屈曲させて突出させることで、当該内側リップ部4bと一体的に成形されている。
【0028】
同様に、外側レース6は、相対回転する他方の部材に装着可能な外側レース本体部6aと、外側レース本体部6aの外周縁から連続し、軸受内部空間を覆うように内側レース4に向けて延出した外側リップ部6bとを有している。この場合、外側係合片6tは、外側リップ部6bの一部を軸受内部空間に向けて屈曲させて突出させることで、当該外側リップ部6bと一体的に成形されており、外側引掛片6eは、外側リップ部6bの一部を軸受内部空間とは反対側に向けて屈曲させて突出させることで、当該外側リップ部6bと一体的に成形されている。
【0029】
この場合、内側レース4と外側レース6との間に、複数のニードル8を保持器10で保持しつつ組み立てた状態において(図5参照)、上記した内側係合片4t及び外側係合片6tを、保持器10に一部係合させる(具体的には、保持器10を両側から抱きかかえるように係合させる)ことで、上記した軸受構成(内側レース4、外側レース6、複数のニードル8、保持器10)を、互いに分離することなく一体化させることを可能にし、これにより、スラストころ軸受2を、組み立てた状態(非分離状態、バレ止めされた状態)に維持(保持)させることができる。
【0030】
また、このとき、上記した内側引掛片4eを、一方の部材M1に予め形成された凹部P1(図5参照)に引っ掛けると共に、外側引掛片6eを、他方の部材M2に予め形成された凹部P2(図5参照)に引っ掛けることで、スラストころ軸受2と部材M1,M2相互とを互いに分離することなく一体化させることを可能にし、これにより、スラストころ軸受2と部材M1,M2相互とを、サブユニット化させて一括して取り扱うことができる。
【0031】
このようなスラストころ軸受2の各レース4,6において、上記した係合片4t,6t及び引掛片4e,6eは、当該レース4,6の一部を、軸受内部空間に向けて屈曲させて突出させると同時に、軸受内部空間とは反対側に向けて屈曲させて突出させることで、一括して同時に成形されている。
【0032】
具体的には、スラストころ軸受2において、内側リップ部4b及び外側リップ部6bには、それぞれ、その一部を、軸受内部空間に向けて屈曲させて突出させると同時に、軸受内部空間とは反対側に向けて屈曲させて突出させることで、上記した係合片4t,6t及び引掛片4e,6eが一括して同時に成形されている。
【0033】
ここで、上記した係合片4t,6t及び引掛片4e,6eを、内側リップ部4b及び外側リップ部6bに一括して同時に成形する方法例について、図1(a),(b)を参照して説明する。なお、この方法は、あくまで一例であって、かかる成形方法に係る技術思想によって本発明の技術的範囲が限定されるものではない。また、当該成形方法は、内側リップ部4b及び外側リップ部6bに対して、同様の成形処理プロセスを適用することができるため、図1(a),(b)では、これらをまとめて表記することとする。
【0034】
まず、図1(a)に示すように、成形処理前のレース4,6を用意する。この場合、各レース4,6において、上記した係合片4t,6t及び引掛片4e,6eが一括して同時に成形される領域Wの周方向両側の部位には、それぞれ、当該部位を一部長溝状に連続して切り欠いて形成されたスリットStが設けられている。
【0035】
なお、上記した領域Wの大きさ(範囲)については、例えば係合片4t,6t及び引掛片4e,6eの形状や大きさ、或いは、周方向幅(長さ)などに応じて設定されるため、ここでは特に限定しない。更に、図1(a),(b)では、上記した領域Wが1個示されているが、当該領域Wの個数については、例えば各レース4,6の大きさ(具体的には、内側リップ部4b及び外側リップ部6bの周方向長さ(全長))、並びに、係合片4t,6t及び引掛片4e,6eの予定個数などに応じて設定されるため、ここでは特に個数限定しない。
【0036】
また、上記した各スリットStの深さ(溝深さ)、幅(溝幅)については、例えば上記した領域Wにおいて、その内側リップ部4b及び外側リップ部6bの一部を屈曲させて突出させる程度(具体的には、屈曲量や屈曲角度など)に応じて設定されるため、ここでは特に限定しない。要するに、各スリットStの深さ(溝深さ)、幅(溝幅)は、後述する成形処理プロセスに際し、内側レース4及び外側レース6(具体的には、内側リップ部4b及び外側リップ部6b)に作用する力によって、内側レース4及び外側レース6が許容範囲を超えて変形しないように設定される。
【0037】
これにより、後述する成形処理プロセスに際し、内側レース4及び外側レース6(具体的には、内側リップ部4b及び外側リップ部6b)に作用した力は、上記した領域Wの両側に設けられた各スリットStによって吸収除去されるため、各レース4,6の形状に影響を及ぼすことはない。即ち、後述する成形処理プロセスに際し、各レース4,6は、常に一定の形状に維持される。
【0038】
続いて、成形処理プロセスでは、図1(b)に示すように、上記した領域Wに対して、矢印P1方向への押圧力を付与することで、当該領域Wを軸受内部空間に向けて屈曲させて突出させると同時に、矢印P2方向への押圧力を付与することで、当該領域Wを軸受内部空間とは反対側に向けて屈曲させて突出させる。
【0039】
この場合、押圧力の付与位置は、当該領域Wの上部側に矢印P1方向への押圧力を付与すると同時に、当該領域Wの下部側に矢印P2方向への押圧力を付与してもよいし、或いは、これとは逆に、当該領域Wの下部側に矢印P1方向への押圧力を付与すると同時に、当該領域Wの上部側に矢印P2方向への押圧力を付与してもよい。なお、図1(b)では、一例として、当該領域Wの上部側に矢印P1方向への押圧力を付与すると同時に、当該領域Wの下部側に矢印P2方向への押圧力を付与している。
【0040】
かかる成形処理プロセスによれば、上記した領域Wを、軸受内部空間に向けて屈曲させて突出させると同時に、軸受内部空間とは反対側に向けて屈曲させて突出させることで、上記した係合片4t,6t及び引掛片4e,6eが一括して同時に成形された内側リップ部4b及び外側リップ部6bを有する内側レース4及び外側レース6を実現することができる(図1(c)参照)。
【0041】
以上、本実施形態によれば、一連の成形処理プロセスに際し、上記した係合片4t,6t及び引掛片4e,6eを一括して同時に成形することができるため、従来のように成形処理プロセスを新たに増やすことが不要となる。これにより、当該成形処理プロセスに要する手間や時間を大幅に削減することができるため、その結果、当該スラストころ軸受2の製造コストを大幅に低減させることができる。
【0042】
更に、本実施形態によれば、上記した領域Wを軸受内部空間に向けて屈曲させると同時に、軸受内部空間とは反対側に向けて屈曲させることで、一括して同時に成形された係合片4t,6t及び引掛片4e,6eは、必然的に、その突出方向に沿った外形輪郭が丸みを帯びた形状に構成されることとなる。これにより、内側レース4や外側レース6を、当該引掛片4e,6eによって一方の部材M1や他方の部材M2に引掛けることで、スラストころ軸受2を部材M1,M2相互間に組み込むプロセスに際し、当該引掛片4e,6eを、一方の部材M1(例えば、図5に示された凹部P1)や他方の部材M2(例えば、図5に示された凹部P2)に対して短時間で簡単かつ確実に引掛けることができる。
【0043】
即ち、双方の部材M1,M2(凹部P1,P2)に対する引掛片4e,6eの引掛性(挿入性)を飛躍的に向上させることができる。これにより、スラストころ軸受2を部材M1,M2相互間に組み込むプロセスの効率化(円滑化)を図ることができるため、その後の組立作業において、スラストころ軸受2を包含した装置全体の組立作業効率を飛躍的に向上させることができる。
【0044】
この場合、係合片4t,6tについても、その突出方向に沿った外形輪郭が丸みを帯びた形状に構成されることにより、これら係合片4t,6tを保持器10に一部係合させる(具体的には、保持器10を両側から抱きかかえるように係合させる)ことで、その軸受構成(内側レース4、外側レース6、複数のニードル8、保持器10)を、互いに分離することなく一体化させる際において、当該係合片4t,6tによって保持器10が損傷したり損壊するようなことはない。
【0045】
また、本実施形態によれば、上記した領域Wの両側部位に、スリットStを設けたことで、上記した成形処理プロセスに際し、内側レース4及び外側レース6(具体的には、内側リップ部4b及び外側リップ部6b)に作用した力は、各スリットStによって吸収除去されるため、各レース4,6の形状に影響を及ぼすことはない。即ち、上記した成形処理プロセスに際し、各レース4,6を、常に一定の形状に維持させることができる。これにより、内側レース4及び外側レース6の歩留まりを飛躍的に向上させることができるため、これらレース4,6が組み込まれたスラストころ軸受2の生産性を飛躍的に向上させることができる。
【0046】
なお、本発明は、上記した実施形態に限定されることはなく、以下のような各変形例に係る技術思想も本発明の技術的範囲に含まれ、上記した実施形態と同様の効果を得ることができる。従って、以下の説明では、各変形例に係る効果についての説明は省略する。
【0047】
図2(a)〜(c)には、本発明の第1変形例に係るスラストころ軸受2(図5参照)において、その各レース4,6の構成及び成形処理プロセスが示されている。
まず、図2(a)に示すように、成形処理前のレース4,6を用意する。この場合、各レース4,6において、上記した係合片4t,6t及び引掛片4e,6eが一括して同時に成形される領域Wの周方向両側の部位には、それぞれ、当該部位を一部長溝状に連続して切り欠いて形成されたスリットStが設けられている。なお、領域W及び各スリットStについては、上記した実施形態と同様であるため、その説明は省略する。
【0048】
続いて、成形処理プロセスでは、図2(b)に示すように、上記した領域Wにおいて、その周方向一端側に矢印P1方向への押圧力を付与することで、当該周方向一端側の領域Wを軸受内部空間に向けて屈曲させて突出させると同時に、その周方向他端側に矢印P2方向への押圧力を付与することで、当該周方向他端側の領域Wを軸受内部空間とは反対側に向けて屈曲させて突出させる。このとき、当該領域Wの周方向両側に設けられたスリットStを挟んで隣り合う領域についても同様に、矢印P1方向への押圧力を付与し、その部位を軸受内部空間に向けて屈曲させて突出させると同時に、矢印P2方向への押圧力を付与し、その部位を軸受内部空間とは反対側に向けて屈曲させて突出させる。
【0049】
この場合、矢印P1方向への屈曲成形処理と同時に矢印P2方向への屈曲成形処理を行うタイミングとしては、上記したプロセスに限定されることはない。例えば、上記した領域Wの両側に設けられた各スリットStのうち、一方のスリットStの両側の部位に対して、矢印P1方向への屈曲成形処理と同時に矢印P2方向への屈曲成形処理を行った後、他方のスリットStの両側の部位に対して、矢印P1方向への屈曲成形処理と同時に矢印P2方向への屈曲成形処理を行うといった成形処理プロセスを周方向に沿って順に実行してもよい。
【0050】
かかる成形処理プロセスによれば、上記した領域Wを、軸受内部空間に向けて屈曲させて突出させると同時に、軸受内部空間とは反対側に向けて屈曲させて突出させることで、上記した係合片4t,6t及び引掛片4e,6eが一括して同時に成形された内側リップ部4b及び外側リップ部6bを有する内側レース4及び外側レース6を実現することができる(図2(c)参照)。
【0051】
図3(a)〜(c)には、本発明の第2変形例に係るスラストころ軸受2(図5参照)において、その各レース4,6の構成及び成形処理プロセスが示されている。
まず、図3(a)に示すように、成形処理前のレース4,6を用意する。この場合、各レース4,6において、上記した係合片4t,6t及び引掛片4e,6eが一括して同時に成形される領域Wの周方向両側の部位には、それぞれ、当該部位を一部長溝状に連続して切り欠いて形成されたスリットStが設けられている。なお、領域W及び各スリットStについては、上記した実施形態と同様であるため、その説明は省略する。
【0052】
続いて、成形処理プロセスでは、図3(b)に示すように、上記した領域Wに対して、その上方側から押圧部材12を所定の圧力Fで押し付けて、当該領域Wを屈曲させる。このとき、当該領域Wには、押圧部材12からの押圧力Fが付与されることで、当該領域Wの一部が、軸受内部空間に向けて屈曲して突出すると同時に、軸受内部空間とは反対側に向けて屈曲して突出する。
【0053】
かかる成形処理プロセスによれば、上記した領域Wに対して、押圧部材12を押し付けるだけで、当該領域Wの一部を、軸受内部空間に向けて屈曲させて突出させると同時に、軸受内部空間とは反対側に向けて屈曲させて突出させることができる。要するに、上記した領域Wに対して、押圧部材12をワンプッシュするだけで、その押圧力が作用した当該領域Wの部位を、軸受内部空間に向けて屈曲させて突出させると同時に、軸受内部空間とは反対側に向けて屈曲させて突出させることができる。
【0054】
これにより、上記した実施形態(図1(b)参照)及び変形例(図2(b)参照)の場合に比べて、簡単かつ短時間に効率よく、上記した係合片4t,6t及び引掛片4e,6eが一括して同時に成形された内側リップ部4b及び外側リップ部6bを有する内側レース4及び外側レース6を実現することができる(図3(c)参照)。
【0055】
この場合、上記した実施形態(図1参照)及び各変形例(図2,3参照)において、成形処理前のレース4,6の構成のバリエーションとして、例えば図4(a),(b)に示すように、上記した領域Wの両側におけるスリットStの相互間隔を変更してもよい。また、例えば図4(c),(d)に示すように、上記した係合片4t,6t及び引掛片4e,6eを成形する領域Wのレース高さ(具体的には、当該領域Wにおける内側リップ部4b及び外側リップ部6bの高さ(延出長))を変更してもよい。
【0056】
更に、例えば図4(e),(f)に示すように、各スリットStの角度θ(具体的には、各レース4,6の回転軸(スラストころ軸受2の回転軸)Axに対する傾斜角)を任意の角度に変更してもよい。
【0057】
このようなバリエーション構成によれば、上記した係合片4t,6t及び引掛片4e,6eを一括して同時に成形する際における成形処理プロセスのさらなる効率化を実現することができると共に、当該スラストころ軸受2(図5参照)の使用目的や使用環境に応じた係合片4t,6t及び引掛片4e,6eを一括して同時に成形することができる。これにより、成形された係合片4t,6tの保持器10への係合性を飛躍的に向上させることができると共に、成形された引掛片4e,6eの部材M1,M2相互への引掛性(挿入性)を飛躍的に向上させることができる。
【0058】
また、上記した実施形態(図1参照)及び各変形例(図2,3参照)並びにバリエーション構成(図4参照)において、成形処理前のレース4,6の領域Wに対して局所的な焼鈍を施すことで、当該部位を硬化(高剛性化)させることが好ましい。これにより、係合片4t,6tの保持器10への係合性、及び、引掛片4e,6eの部材M1,M2相互への引掛性(挿入性)をさらに向上させることができる。
【0059】
更に、上記した実施形態(図1参照)及び各変形例(図2,3参照)並びにバリエーション構成(図4参照)において、係合片4t,6t及び引掛片4e,6eを一括して同時に成形する技術思想は、既存の各種スラストころ軸受の各レース(図示しない)に対して、そのまま適用することができることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0060】
4,6 レース
4t,6t 係合片
4e,6e 引掛片
W 係合片及び引掛片が成形される領域
St スリット
図1
図2
図3
図4
図5