特許第5834527号(P5834527)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5834527
(24)【登録日】2015年11月13日
(45)【発行日】2015年12月24日
(54)【発明の名称】燃料電池システム
(51)【国際特許分類】
   H01M 8/06 20060101AFI20151203BHJP
   H01M 8/04 20060101ALI20151203BHJP
   C01B 3/38 20060101ALI20151203BHJP
【FI】
   H01M8/06 B
   H01M8/06 G
   H01M8/04 J
   C01B3/38
【請求項の数】6
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2011-137460(P2011-137460)
(22)【出願日】2011年6月21日
(65)【公開番号】特開2013-4467(P2013-4467A)
(43)【公開日】2013年1月7日
【審査請求日】2014年4月23日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003997
【氏名又は名称】日産自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100100712
【弁理士】
【氏名又は名称】岩▲崎▼ 幸邦
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100101247
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100098327
【弁理士】
【氏名又は名称】高松 俊雄
(72)【発明者】
【氏名】矢口 竜也
(72)【発明者】
【氏名】三輪 博通
(72)【発明者】
【氏名】上條 元久
【審査官】 相羽 昌孝
(56)【参考文献】
【文献】 特開2003−272677(JP,A)
【文献】 特開2001−023656(JP,A)
【文献】 特開2007−022861(JP,A)
【文献】 特開2007−042610(JP,A)
【文献】 特開2010−198915(JP,A)
【文献】 特開2005−200246(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 8/00− 8/24
C01B 3/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
カソード、及びアノードを有する燃料電池と、
燃料を改質し、改質ガスを前記アノードに供給する改質手段と、
前記アノードより排出される排出燃料のうち、少なくとも一部の排出燃料を前記カソードの出口側に供給し、他の排出燃料を下流側に供給する第1分岐手段と、
前記第1分岐手段の下流側に設けられ、該第1分岐手段より下流側に送出された排出燃料のうち、一部の排出燃料を第1循環排出燃料として前記改質手段に循環させ、他の排出燃料を第2循環排出燃料として前記改質手段の出口流路に供給する第2分岐手段と、
前記カソードより排出されるガス、及び前記第1分岐手段で分岐された排出燃料が供給されて燃焼し、燃焼により発生した熱を前記改質手段に伝える燃焼手段と、
を有し、
前記第2循環排出燃料と、前記改質手段より送出される改質ガスを混合させて、前記アノードに供給し、更に、
前記第1分岐手段の開度、前記第2分岐手段の開度、及び、前記改質手段に供給する空気量を制御する制御手段を備え、
前記制御手段は、前記燃料電池の出力要求に応じて、前記改質手段に導入する燃料流量を決定し、更に、この燃料流量に基づいて、前記燃料電池の運転効率が高くなるように、前記第1分岐手段による分岐比率、及び前記第2分岐手段による分岐比率を設定し、これらの分岐比率となるように、前記第1分岐手段、及び前記第2分岐手段を制御し、且つ、前記改質手段に供給する空気量を制御すること
を特徴とする燃料電池システム。
【請求項2】
前記第2循環排出燃料と、前記改質手段より送出される改質ガスを混合する混合手段を更に備えたことを特徴とする請求項1に記載の燃料電池システム。
【請求項3】
前記第1分岐手段による分岐比率、及び前記第2分岐手段による分岐比率、及び前記改質手段に導入する空気量は、予め設定したマップを参照して決定することを特徴とする請求項1に記載の燃料電池システム。
【請求項4】
前記第1分岐手段による分岐比率、及び前記第2分岐手段による分岐比率、及び前記改質手段に導入する空気量は、演算により決定することを特徴とする請求項1に記載の燃料電池システム。
【請求項5】
前記カソードから前記燃焼手段に供給されるガスの一部を外部に排出する排出手段を更に備え、前記制御手段は、前記排出手段により排出するガス流量を調整することにより、前記燃焼手段の温度を制御することを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の燃料電池システム。
【請求項6】
前記改質手段に導入する燃料の組成を検出する組成検出手段を更に有し、
前記制御手段は、前記組成検出手段にて検出された組成に基づいて、前記改質手段に導入する空気流量、第1循環排出燃料流量、及び前記燃焼手段に新規に導入する燃料流量を制御することを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の燃料電池システム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、炭化水素燃料を改質した改質ガスと空気等の酸化ガスを反応させて発電する燃料電池システムに係り、特に、エネルギー効率を向上させる技術に関する。
【背景技術】
【0002】
燃料電池システムにおいて、燃料極に導入する炭化水素燃料を炭素析出することなく改質するためには、炭化水素燃料の種類によっては、例えば700℃以上の高温で改質する必要がある。このため、改質器に導入する酸素流量を増大させるか、或いは、改質器を加熱するためのバーナ用の燃料を増大させる必要があり、燃料電池システム全体の発電効率が低下するという問題が発生する。
【0003】
また、従来における燃料電池システムとして、例えば特許文献1に開示されているように、燃料電池のアノード排気ガスに含まれる水蒸気及び未利用の燃料を改質器に循環させることにより、エネルギー効率を向上させるものが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平9−115541号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述したように、従来における燃料電池システムでは、炭化水素燃料の種類によっては炭化水素燃料を高温で改質する必要があるので、エネルギー効率が低下するという問題があった。
【0006】
本発明は、このような従来の課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、エネルギー効率が低下することなく炭化水素燃料を高温で改質することが可能な燃料電池システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明は、カソード、及びアノードを有する燃料電池と、燃料を改質し、改質ガスを前記アノードに供給する改質手段と、前記アノードより排出される排出燃料のうち、少なくとも一部の排出燃料を第1循環排出燃料として前記改質手段に循環させ、他の排出燃料を第2循環排出燃料として前記改質手段の出口流路に供給する分岐手段と、を有し、前記第2循環排出燃料と、前記改質手段より送出される改質ガスを混合させて、前記アノードに供給することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係る燃料電池システムでは、燃料電池のアノード出口側の流路に分岐手段を設け、分岐手段にてアノードより排出される排出燃料の一部を第1循環排出燃料として改質手段に循環させ、それ以外を第2循環排出燃料として改質手段の出口側流路に供給する。即ち、第2循環排出燃料の分だけ、改質手段に循環する排出燃料流量が削減される。従って、改質に必要な熱量を低減できるので、効率の良い運転が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の実施形態に係る燃料電池システムの構成を示すブロック図である。
図2】本発明の第1実施形態に係る燃料電池システムの処理動作を示すフローチャートである。
図3】本発明の第1実施形態に係る燃料電池システムで参照する、要求出力と新規燃料の供給量との関係を示すマップ図である。
図4】本発明の第1実施形態に係る燃料電池システムで参照する、S/CとO2/C、及び発電効率との関係を示すマップ図である。
図5】本発明の第1実施形態に係る燃料電池システムで参照する、「1−Ry」とTabとの関係を示すマップ図である。
図6】本発明の第1実施形態に係る燃料電池システムで参照する、RdとO2/C、及び発電効率との関係を示すマップ図である。
図7】本発明の第2実施形態に係る燃料電池システムの処理動作を示すフローチャートである。
図8】本発明の第2実施形態に係る燃料電池システムの処理動作を示すフローチャートである。
図9】本発明の実施形態に係る燃料電池システムの、第2の構成例を示すブロック図である。
図10】本発明の実施形態に係る燃料電池システムの、第3の構成例を示すブロック図である。
図11】本発明の実施形態に係る燃料電池システムの、第4の構成例を示すブロック図である。
図12】本発明の変形例に係る燃料電池システムの処理動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0011】
[第1実施形態の説明]
図1は、本発明の第1実施形態に係る燃料電池システム100の構成を示すブロック図である。図1に示すように、該燃料電池システム100は、カソード11a及びアノード11bを備えた燃料電池11と、燃料改質器15aと該燃料改質器15aを加熱する燃焼バーナ15b、及び熱交換器15cを備えた改質装置15と、を備えている。そして、燃料改質器15aより送出される改質ガスは、燃料電池11のアノード11bに供給される。また、カソード11aの排出ガスは燃焼バーナ15bに供給される。
【0012】
更に、燃料電池11のカソード11aに空気を供給する第1空気ブロワ12と、該第1空気ブロワ12より送出される空気を加熱する空気加熱熱交換器13と、第1空気ブロワ12と空気加熱熱交換器13との間に設けられる空気分岐弁23と、アノード11bの出口側に設置され、アノード排出ガスを燃料改質器15aに循環させる循環ブロワ16と、該循環ブロワ16の出口側に設置される第1分岐弁25、及び第2分岐弁26を備えている。
【0013】
第1分岐弁25は、後述する制御部31の制御により作動し、循環ブロワ16より送出されるアノード排出ガスのうちの一部を燃焼バーナ15bに供給すると共に、残りのアノード排気ガスを第2分岐弁26側に送出する。このとき、第2分岐弁26側に送出する比率を排出燃料循環率Ryとする。従って、アノード排気ガス全体流量のうち、排出燃料循環率Ryが第2分岐弁26側に送出され、(1−Ry)が燃焼バーナ15b側に送出されることになる。
【0014】
第2分岐弁26は、やはり制御部31の制御により作動し、第1分岐弁25より送出されるアノード排気ガスのうちの一部(これを、「第2循環排出燃料[m3/sec]」とする)を燃料電池11のアノード11b(燃料改質器15aの出口)に供給し、残りのアノード排気ガス(これを、「第1循環排出燃料[m3/sec]」とする)を燃料改質器15aに循環させる。このとき、第1循環排出燃料の比率を排出燃料循環分率Rdとする。即ち、Rdは次の(1)式で示される。
【0015】
Rd=(第1循環排出燃料)
/{(第1循環排出燃料)+(第2循環排出燃料)} …(1)
更に、この燃料電池システム100は、改質装置15の燃料改質器15aに空気を供給する第2空気ブロワ17と、燃料改質器15aに燃料を供給する第1燃料ポンプ18と、該第1燃料ポンプ18より送出される液体燃料を蒸発させる燃料蒸発器14と、燃焼バーナ15bに空気を供給する第3空気ブロワ20と、該燃焼バーナ15bに燃料を供給する第2燃料ポンプ27と、を備えている。従って、第2空気ブロワ17より送出される空気、燃料蒸発器14で気化された燃料ガス、及び第2分岐弁26を介して送出されるアノード排気ガス(第1循環排出燃料)は、混合ガスとして燃料改質器15aに供給される。
【0016】
また、第1分岐弁25から分岐したアノード排気ガス、及び第2燃料ポンプ27より供給される燃料、及び第3空気ブロワ20より送出される空気が混合されて燃焼バーナ15bに供給される。更に、燃焼バーナ15bより排出される排気ガスは、空気加熱熱交換器13で熱交換され、その後、燃料蒸発器14に供給されて、燃料蒸発用の熱源として用いられる。
【0017】
また、カソード11aの入口側には、燃料電池11を始動させる際に該燃料電池11を所定の温度まで上昇させるための、起動燃焼バーナ24が設けられている。該起動燃焼バーナ24の入口側には、第3燃料ポンプ21、及び燃料蒸発器22が設けられ、且つ空気分岐弁23の出口に接続されている。そして、起動燃焼バーナ24は、第3燃料ポンプ21より供給され、且つ燃料蒸発器22で気化された燃料を、空気分岐弁23より供給される空気と混合して燃焼させ、この燃焼ガスをカソード11aに供給する。これにより、カソード11aを加熱することができる。
【0018】
燃料電池11は、例えば、固体酸化物型燃料電池(SOFC;Solid Oxide Fuel Cell)であり、アノード11bに供給される改質ガスと、カソード11aに供給される空気を反応させて電力を発生させ、モータ等の電力需要設備に供給する。また、アノード11bには、燃料改質器15aより送出される改質ガスと、第2循環排出燃料(第2分岐弁26から分岐した循環排出燃料)とが供給される。
【0019】
改質装置15は、例えば熱交換器型改質器であり、燃焼バーナ15bより供給される熱により加熱される。即ち、燃料改質器15aでの改質反応は、基本的に吸熱反応となるように運転するので、アノード排出ガスを燃焼させ、この燃焼により発生した熱を燃料改質器15aに伝熱させる機構を有している。そして、燃料改質器15aの動作温度に対して燃焼バーナ15bにて生成されるガス温度は高くなるように運転する。また、第1燃料ポンプ18より供給される燃料と第2空気ブロワ17より送出される空気とアノード排気ガスとの混合ガスとを、触媒反応を用いて改質し、改質後の燃料(水素ガスを含む改質ガス)を燃料電池11のアノード11bに供給する。
【0020】
更に、この燃料電池システム100は、制御部(制御手段)31と、各種のデータを記憶する記憶部32と、アノード排気ガスの流路に設けられてアノード排気ガス中に含まれる水蒸気量を検出する水蒸気流量センサN1と、燃焼バーナ15bの燃焼温度を検出する燃焼バーナ温度センサT1と、燃料改質器15aの改質温度Trfを検出する改質温度センサT2と、第2燃料ポンプ27より送出される燃料の温度を検出する燃料温度センサT3と、第2空気ブロワ17より送出される空気の温度を検出する空気温度センサT4と、を備えている。そして、各センサN1,T1,T2,T3,T4の検出信号は、制御部31に出力される。
【0021】
制御部31は、例えば、CPU、RAM、ROM、及び各種の操作子等からなるマイコンにより構成することが可能であり、第1空気ブロワ12、第2空気ブロワ17、第3空気ブロワ20、第1燃料ポンプ18、第3燃料ポンプ21の各機器に接続され(接続用の配線は図示を省略している)、これらの各機器に制御信号を出力して、燃料電池システム100を総括的に制御する。特に、本実施形態において該制御部31は、水蒸気流量センサN1、燃焼バーナ温度センサT1、改質温度センサT2により検出される各検出信号に基づき、後述する処理手順により、第1分岐弁25、及び第2分岐弁26の開度を調整し、更に、第2空気ブロワ17より送出する空気量を制御する。
【0022】
記憶部32は、制御部31の演算処理に使用する各マップを記憶する。例えば、図3図6に示すマップを記憶する。図3は、燃料電池11の要求出力と新規燃料の流量との関係を示すマップ(第1マップ)であり、図4は、S/C及びO2/Cと燃料電池11の効率との関係を示すマップ(第2マップ)である。ここで、「S/C」は水蒸気(スチーム)と炭素(カーボン)との比率であり、具体的には、(第1循環排出燃料中の水蒸気流量[mol/sec])/(燃料改質器に導入する炭素流量[mol/sec])で示される。また、「O2/C」は酸素と炭素との比率であり、(燃料改質器に導入する酸素流量[mol/sec])/(燃料改質器に導入する炭素流量[mol/sec])で示される。
【0023】
また、図5は、「1−Ry」と燃焼バーナガス温度Tabとの関係を示すマップ(第3マップ)であり、燃焼バーナ15bに新規に導入する燃料、即ち、第2燃料ポンプ27より供給される燃料Bfが増えると燃焼バーナガス温度Tabが増大し、新規に導入する空気、即ち、第3空気ブロワ20より供給される空気Baが増えると燃焼バーナガス温度Tabが減少するように変化する。
【0024】
図6は、排出燃料循環分率Rd及びO2/Cと燃料電池11の効率との関係を示すマップ(第4マップ)である。なお、Rdは前述した(1)式で示される。
【0025】
次に、上述のように構成された本実施形態に係る燃料電池システム100の作用について説明する。本実施形態では、後述する手法により、S/C、O2/C、Rdを設定することにより、改質装置15が炭素析出することなく、改質要求熱流が不足することなく、且つ、燃料電池11を高い効率で運転させるようにする。以下、図2に示すフローチャートを参照して、S/C、O2/C、Rdを設定する手順について説明する。
【0026】
ステップS11において、要求出力が与えられると、ステップS12において、制御部31は、図3に示す第1マップに基づき、要求出力に対応する新規燃料の流量を決定する。即ち、第1燃料ポンプ18より燃料改質器15aに供給する燃料流量を決定する。
【0027】
ステップS13において、制御部31は、水蒸気流量センサN1により、排出燃料循環中の水蒸気流量を検出する。
【0028】
ステップS14において、制御部31は、燃焼バーナ温度センサT1で検出される燃焼バーナガス温度Tab、及び改質温度センサT2で検出される改質温度Trfを取得し、更に、燃料温度センサT3で検出される新規燃料の温度(第2燃料ポンプ27より出力される燃料の温度)、及び空気温度センサT4で検出される空気温度(第2空気ブロワ17より出力される空気の温度)を取得する。
【0029】
ステップS15において、制御部31は、下記の手順で、Ry、O2/C、Rdを決定する。まず、燃焼バーナ15bに供給する新規燃料、即ち、第2燃料ポンプ27より供給する燃料流量Bf、または、新規空気、即ち、第3空気ブロワ20より供給する空気流量Baを調整することにより、燃焼バーナガス温度Tabが所望する温度となるように制御する。この制御は、図5に示す第3マップを参照して制御することができる。
【0030】
次に、上記の処理で決定した燃焼バーナガス温度Tabと、ステップS14の処理で検出した改質温度Trfを一定としたときの、S/CとO2/Cとの関係を示すマップ、即ち、図4に示した第2マップを参照して、炭素析出せず、改質要求熱流が不足せず、且つ効率が高くなるS/Cを設定する。図4に示す第2マップは、予め燃焼バーナガス温度Tabと改質温度Trfとの組み合わせに対して複数設定されており、前述したように、図1に示す記憶部32に記憶されている。そして、制御部31は、TabとTrfとの組み合わせが決定した場合には、これに対応する第2マップを記憶部32より読み出して、上記のS/Cを設定する処理を実行する。
【0031】
その後、S/Cを一定とした場合の排出燃料循環分率RdとO2/Cとの関係を示すマップ、即ち、図6に示した第4マップを参照して、炭素析出せず、改質要求熱流が不足せず、且つ効率が高くなるRd、及びO2/Cを設定する。図6に示すマップは、予め燃焼バーナガス温度Tabと改質温度Trfとの組み合わせ、及びS/Cの数値に対して複数設定されており、前述した記憶部32に記憶されている。制御部31は、燃焼バーナガス温度Tabと改質温度Trfとの組み合わせに加えて、S/Cが決定した場合には、これに対応する第4マップを記憶部32より読み出して、上記のRd及びO2/Cを設定する処理を実行する。
【0032】
そして、ステップS16において、制御部31は、燃料電池11の運転を実行する。
【0033】
こうして、炭素析出せず、改質要求熱流が不足せず、且つ効率が高くなるO2/C、S/C、及び排出燃料循環分率Rdを設定することができる。また、排出燃料循環中の水蒸気量(アノード排気ガスに含まれる水蒸気量)は、ステップS12の処理で取得されているので、燃料改質器15aに供給される燃料流量に基づいて、排出燃料循環率Ryを調整することにより、所望するS/Cを得ることができる。即ち、排出燃料循環率Ryが決定する。
【0034】
そして、制御部31は、この排出燃料循環率Ryとなるように、第1分岐弁25の開度を調整し、上記の排出燃料循環分率Rdとなるように、第2分岐弁26の開度を調整し、更に、上記のO2/Cとなるように、第2空気ブロワ17による空気の供給量を設定することにより、燃料電池11を高い効率で運転することが可能となる。具体的には、図6に示す第4マップで示される最も高い効率である55%の効率で燃料電池11を運転することが可能となる。
【0035】
このようにして、本実施形態に係る燃料電池システム100では、第2分岐弁26を設けることにより、循環するアノード排気ガスの一部(第2循環排出燃料)を燃料改質器15aの出口側に供給するようにしている。そして、燃料電池11の要求出力が決定すると、この要求出力に応じて新規燃料流量(第1燃料ポンプ18より送出される燃料流量)が決定され、更に、図3図6に示したマップに基づいて、炭素析出せず、改質要求熱量が不足することがなく、且つ、最も効率が高くなる運転条件を設定することができる。具体的には、S/C、Rd、及びO2/Cの数値を決定することができる。従って、効率の高い状態でシステム全体を運転することができ、少ない燃料でより多くの発電出力を得ることができる。
【0036】
また、第2分岐弁26を備えることにより、第1循環排出燃料と第2循環排出燃料の分流比を変化させることができるので、車両に搭載する燃料電池のように、要求出力が変化する場合においても、この変化に対応して最適な効率に設定することが可能となる。
【0037】
なお、図3図6に示した各マップは一例を示したものであり、本実施形態はこれらのマップに限定されるものではない。
【0038】
[第2実施形態の説明]
次に、本発明の第2実施形態について説明する。第2実施形態に係る燃料電池システムは、前述した第1実施形態と装置構成は同一であり、運転条件を算出する手法が相違する。即ち、第1実施形態では図3図6に示した各マップを参照して運転条件を設定したが、第2実施形態では、以下に示すように、演算式により運転条件を設定する。以下、図7図8に示すフローチャートを参照して、第2実施形態に係る燃料電池システムの作用について詳細に説明する。
【0039】
図7は、第2実施形態に係る燃料電池システムの、概略的な動作を示すフローチャートであり、図8は、図7に示すステップS35の詳細な動作を示すフローチャートである。
【0040】
初めに、図7のステップS31において、要求出力が与えられると、ステップS32において、制御部31は、図2に示す第1マップに基づき、要求出力に対応する新規燃料の流量を決定する。即ち、第1燃料ポンプ18より燃料改質器15aに供給する燃料流量を決定する。
【0041】
ステップS33において、制御部31は、水蒸気流量センサN1により、燃料循環中の水蒸気流量を検出する。
【0042】
ステップS34において、制御部31は、燃焼バーナ温度センサT1で検出される燃焼バーナガス温度Tab、及び改質温度センサT2で検出される改質温度Trfを取得し、更に、燃料温度センサT3で検出される新規燃料の温度(第2燃料ポンプ27より出力される燃料の温度)、及び空気温度センサT4で検出される空気温度(第2空気ブロワ17より出力される空気の温度)を取得する。
【0043】
ステップS35において、制御部31は、図8に示す処理により、排出燃料循環流量、第1循環排出燃料、燃料改質器15aに供給する新規空気量、燃焼バーナ15bのカソードからの排気空気量、燃焼バーナ15bに供給する新規燃料量、及び空気量を決定する。その後、ステップS36において、制御部31は、燃料電池11の運転を実行する。
【0044】
次に、図8に示すフローチャートを参照して、各運転条件を決定する手順について説明する。
【0045】
初めに、ステップS51において、改質温度Trf=xに設定する。次いで、ステップS52において、排出燃料循環率Ry=yに設定する。ステップS53において、排出燃料循環分率Rd=zに設定する。ステップS54において、炭素流量に対する酸素流量の比率であるO2/C=fに設定する。
【0046】
その後、ステップS55において、燃料改質に必要な要求熱量に対して、燃焼バーナ15bからの熱流の供給は可能であるか否かを判断する。この処理では、検出した改質温度Trfの条件において、排出燃料循環率Ry、排出燃料循環分率Rd、O2/Cを所定の数値に仮決めし、改質に必要な要求熱流に対して、燃焼バーナからの熱流の供給は可能であるか否かを判断する。
【0047】
そして、熱流の供給が可能でない場合には(ステップS55でNO)、ステップS65において、燃焼バーナ15bに導入される燃料による燃焼熱は、十分な熱量であるか否かを判断する。即ち、第2燃料ポンプ27より供給される燃料、及び第1分岐弁25より分岐して燃焼バーナ15bに供給される排出燃料による燃焼熱が十分な熱量であるか否かを判断する。
【0048】
その結果、十分であると判断された場合には(ステップS65でYES)、ステップS66において、燃焼バーナ15bに供給する新規空気流量Ba、及びカソード11aから燃焼バーナ15bに導入される空気流量Eaを減少させて、燃焼バーナ15bのガス温度を高温化することにより、改質要求熱流を満足できるか否かを判定する。
【0049】
そして、満足できる場合には(ステップS65でYES)、ステップS68において、改質要求熱流を満足できるようにBa、Eaを決定する。
【0050】
一方、燃焼熱が十分でない場合(ステップS65でNO)、及びEa、Baを減少させることにより改質要求熱流を満足させられない場合には(ステップS66でNO)、ステップS67において、改質要求熱量を満足するBf、Ba、Eaを決定する。つまり、改質要求熱量を満足させられない場合には、第2燃料ポンプ27より新規の燃料を燃焼バーナ15bに供給することにより、改質要求熱量を満足するように発熱量を増大させる。
【0051】
ステップS67,S68の処理が終了した場合、及びステップS55の処理でYESと判定された場合には、ステップS56に処理を進める。
【0052】
ステップS56において、燃料改質器15aで燃料を改質する上で炭素析出する可能性が無いか否かを判断する。この処理では、改質温度、排出燃料循環率、排出燃料循環分率、O2/Cに基づいて、周知の演算式を用いて燃料改質器15aにて炭素析出するか否かを判断する。そして、炭素析出する可能性が無いと判断された場合には(ステップS56でYES)、ステップS57において、燃料電池システム全体の発電効率を算出する。発電効率は、周知の演算式を用いて算出することができる。
【0053】
ステップS58において、算出された発電効率は、最大値であるか否かを判定する。そして、最大値である場合には(ステップS58でYES)、ステップS59において、各データをメモリ(図示省略)に記憶する。具体的には、改質温度TrfをMTrfとして記憶し、排出燃料循環率RyをMRyとして記憶し、排出燃料循環分率RdをMRdとして記憶し、O2/CをMO2/Cとして記憶し、新規燃料流量BfをMBfとして記憶し、新規空気流量BaをMBaとして記憶し、空気流量EaをMEaとして記憶する。なお、上記の「M」はメモリされている数値を示している。
【0054】
ステップS60において、O2/Cが1以下であるか否かを判断し、1以下である場合には(ステップS60でYES)、ステップS69において、f=f+Δfとし、ステップS54に処理を戻す。即ち、O2/Cの数値fを微小な数値Δfだけ増加させて、ステップS54からの処理を繰り返す。
【0055】
ステップS61において、排出燃料循環分率Rdが1以下であるか否かを判断し、1以下である場合には(ステップS61でYES)、ステップS70において、z=z+Δzとし、ステップS53に処理を戻す。即ち、Rdの数値zを微小な数値Δzだけ増加させて、ステップS53からの処理を繰り返す。
【0056】
ステップS62において、排出燃料循環率Ryが1以下であるか否かを判断し、1以下である場合には(ステップS62でYES)、ステップS71において、y=y+Δyとし、ステップS52に処理を戻す。即ち、Ryの数値yを微小な数値Δyだけ増加させて、ステップS52からの処理を繰り返す。
【0057】
ステップS63において、改質温度Trfが最大値Trfmax以下であるか否かを判断し、最大値Trfmax以下である場合には(ステップS63でYES)、ステップS72において、x=x+Δxとし、ステップS51に処理を戻す。即ち、Trfの数値xを微小な数値Δxだけ増加させて、ステップS51からの処理を繰り返す。
【0058】
そして、ステップS60〜63の処理でNOと判定された場合には、ステップS64において、運転条件を、MTrf、MRy、MRd、MO2/C、MBf、MBa、MEaに決定する。即ち、メモリに記憶されるデータは、最終的には最も発電効率の高い場合の条件となる数値が記憶されることになるので、この条件を運転条件として設定することにより、最も発電効率の高い条件で燃料電池システム100を運転することが可能となる。
【0059】
また、要求負荷の低負荷から高負荷への変動等により、直前の改質温度より高い温度で燃料を改質した方が効率が高くなる場合には、改質に必要な熱に加えて、改質器自体の温度上昇をさせる必要があるので、この温度上昇分についても改質要求熱流として考慮に入れることとする。
【0060】
詳細には、改質温度をより高い温度まで変化させる場合には、一定同温度で改質させる場合に比べて、改質に必要な要求熱流は改質器の熱容量と直前の改質温度と目標改質温度の差分の積を要求熱流に加える。このことにより、車載用燃料電池システムの負荷追従性を高めることができる。
【0061】
このようにして、第2実施形態に係る燃料電池システム100では、前述した第1実施形態と同様に、第2分岐弁26を設けることにより、循環するアノード排気ガスの一部(第2循環排出燃料)を燃料改質器15aの出口側に供給するようにしている。そして、燃料電池11の要求出力が決定すると、この要求出力に応じて新規燃料流量(第1燃料ポンプ18より送出される燃料流量)が決定され、更に、演算により、炭素析出せず、改質要求熱量が不足することがなく、且つ、最も効率が高くなる運転条件を設定することができる。
【0062】
即ち、改質温度Trf、排出燃料循環率Ry、排出燃料循環分率Rd、及びO2/Cを適宜変更しながら、発電効率が最も高くなる条件を演算により求め、この条件となるように、燃料電池システム100を運転するので、炭素析出することなく、且つ高い効率で燃料電池システム100を運転することができる。
【0063】
また、第2分岐弁26を備えることにより、第1循環排出燃料と第2循環排出燃料の分流比を変化させることができるので、車両に搭載する燃料電池のように、要求出力が変化する場合においても、この変化に対応して最適な効率に設定することが可能となる。
【0064】
また、導入する燃料が高級炭素含有燃料(Cの比率が大きい燃料)の場合であっても、700℃程度の温度で炭素析出せずに改質できる場合には、第1循環排出燃料流量を適切に制御することで、燃焼バーナ15bに追加の燃料を導入することなく、高効率な運転を行うことができるが、炭素析出を抑制し且つ改質に必要な要求熱流を満足させるようにすると、制御範囲が狭いので制御が難しい。更には、より高級な炭素含有燃料の場合には、炭素析出を抑制するためにより高温で改質させる必要がある。
【0065】
このため、本実施形態では、燃料電池11から排出される空気流量Ba、或いは燃焼バーナ15bに導入する新規空流流量Bfの流量を低減させて、循環せずに排出される燃料(第1分岐弁25で分岐した排出燃料)と共に、燃焼バーナ15bにて、より高温の燃焼ガスを生成させる。従って、改質に必要な熱流が十分に満足される場合には、排出燃料の循環量(即ち、排出燃料循環率Ry)を増加させて、アノード11aより排出される排出燃料を燃料改質器15aに循環させることにより、燃料改質器15aにて炭素析出させずに制御可能な範囲を広くすることが可能となり、制御が容易となる。
【0066】
また、カソード11aより排出される空気流量、及び燃焼バーナ15bに導入する新規空気流量の流量制御によっても、改質に必要な熱流を得られない場合には、第2燃料ポンプ27より新規燃料を供給することにより、燃焼バーナ15bにて改質温度よりも高い燃焼ガスをより多量に生成して、改質に必要な熱流を確保する。
【0067】
その結果、導入する燃料がたとえ高級炭素含有燃料の場合であっても、炭素析出させることなく高効率な運転をさせることが可能となる。
【0068】
[変形例の説明]
次に、上述した第1,第2実施形態の変形例について説明する。図9は、第1変形例に係る燃料電池システム101の構成を示すブロック図であり、図1に示した燃料電池システム100に対して第2分岐弁26を備えていない点で相違する。この変形例では、第1分岐弁25の出口側の配管の長さ、及び径を所望のサイズに設定することにより、第1分岐弁25より送出されるアノード排気ガスを、所望の排出燃料循環分率Rdに設定する。即ち、排出燃料循環分率Rdを変更する必要がない場合には、配管の長さ、径を初期的に設定することにより、第1循環排出燃料の流量、及び第2循環排出燃料の流量を決めることができるので、第2分岐弁26を割愛することができる。
【0069】
即ち、第1分岐弁25の下流側に設けられる配管が、第2分岐手段としての機能を備えることができ、所望の比率でアノード排気ガスを分流させることができる。
【0070】
図10は、第2変形例に係る燃料電池システム102の構成を示すブロック図であり、図1に示した燃料電池システム100に対して、カソード11aの出口配管経路に、排出弁(排出手段)41が設けられている点で相違し、且つ、該排出弁41より排出される排気ガスを熱源として燃料蒸発器14に供給する点で相違している。そして、この燃料電池システム102では、カソード11aより排出される空気のうち一部を排出して燃焼バーナ15bに供給するので、燃焼バーナ15bで生成される燃焼ガスの温度調整を容易に行うことが可能となる。
【0071】
図11は、第3変形例に係る燃料電池システム103の構成を示すブロック図であり、図1に示した燃料電池システム100に対して、アノード11bの入口側に混合器42が設けられている点で相違している。即ち、燃料改質器15aで改質された改質ガスと、第2分岐弁26で分岐された第2循環排出燃料とを混合する機能を有する混合器42を備えている。そして、混合器42を用いることにより、改質ガスと第2循環排出燃料とを均一に混合さてアノード11bに供給することができ、短時間で安定した発電とすることが可能となる。
【0072】
混合器42としては、混合を誘導させるガス拡散板や多孔体などが容器内に詰められていても良いし、エゼクタとして、新規燃料、及び空気を加圧して昇圧された改質ガスを用いて、第2循環排出燃料を引き込みながら混合することで、アノード11bへ燃料を導入するための圧力を発生させても良い。
【0073】
また、混合器42として、改質器を用いることも可能である。改質器を用いる場合には、高温となった改質ガス(燃料改質器15aの送出ガス)と水蒸気を含む第2循環ガスとを混合、且つ断熱改質させて、水蒸気と燃料改質器15aにて未改質であった炭化水素と吸熱反応で、水素と一酸化炭素に分解させることができ、燃料電池11中での炭素析出をさせ難くすることができる。
【0074】
更に、この混合器42を他の冷却媒体との熱交換をさせることにより、燃料電池11に導入する燃料の持つ顕熱を低減させることができ、燃料改質器15aと、燃料電池11との間の熱連動を分断させることで、発電時に発熱する燃料電池11を温度調節することも可能となる。
【0075】
次に、第4変形例について説明する。第4変形例は、前述した図1と同様の装置構成を備えており、更に、第1燃料ポンプ18より供給される燃料の組成を検知する燃料組成検知手段(図示省略)を備えている。図12は、第4変形例に係る燃料電池システムの処理動作を示すフローチャートであり、以下、第4変形例に係る燃料電池システムの処理動作について説明する。
【0076】
初めに、図12のステップS90において、要求出力が与えられると、ステップS91において、制御部31は、燃料組成検知手段で検知される燃料中の組成(CH比)を取得し、更に、この組成に基づいて燃焼熱を求める。詳細には、ステップS911において、外部より給油のタイミングを検知し、ステップS912において燃料中のCH比を検知し、ステップS913において、燃焼熱(エンタルピー)を予想する。
【0077】
ステップS92において、制御部31は、燃料の燃焼熱に基づいて、新規燃料の流量を決定する。即ち、第1実施形態で説明した図2のステップS12の処理と同様の処理を、燃料の燃焼熱を考慮した上で実行する。
【0078】
ステップS93において、制御部31は、燃料中のCH比と燃料電池11の発電状況に基づき、循環ガス(アノード排出ガス)中の水蒸気流量を検知する。即ち、図2のステップS13の処理と同様の処理を、燃料のCH比、及び燃料電池11の発電状況を考慮した上で実行する。
【0079】
ステップS94において、制御部31は、図2のステップS14と同様の処理を実行して、燃焼バーナ温度センサT1で検出される燃焼バーナガス温度Tab、改質温度Trf、新規燃料の温度、空気温度を取得する。
【0080】
ステップS95において、制御部31は、燃料中のCH比から燃料改質器15aが炭素析出せず、最も高効率な運転条件を探索して、排出燃料循環流量、第1排出燃料循環流量、燃料改質器15aに供給する新規空気量、燃焼バーナ15bに供給する新規燃料量を決定する。そして、ステップS96において、制御部31は、燃料電池11の運転を実行する。
【0081】
このように、第4変形例に係る燃料電池システムでは、逐次新規燃料の組成を検知して高効率な運転条件に設定するので、燃料の組成が変化する場合であっても(例えば、ガソリンの組成は地域毎に異なる場合がある)、高効率での運転が可能となる。
【0082】
なお、燃料組成検知手段は、外部から給油するタイミングを検知して、導入する燃料のCH比を燃料組成分析により検知する。燃料組成分析の手法としては、燃料と空気を燃焼させたときの燃焼前後のガス温度や、酸素濃度検知に基づいて測定する方法等を用いることができる。
【0083】
以上、本発明の燃料電池システムを図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各部の構成は、同様の機能を有する任意の構成のものに置き換えることができる。
【産業上の利用可能性】
【0084】
本発明は、燃料電池システムを高効率で運転することに利用することができる。
【符号の説明】
【0085】
11 燃料電池
11a カソード
11b アノード
12 第1空気ブロワ
13 空気加熱熱交換器
14 燃料蒸発器
15 改質装置
15a 燃料改質器
15b 燃焼バーナ
15c 熱交換器
16 循環ブロワ
17 第2空気ブロワ
18 第1燃料ポンプ
20 第3空気ブロワ
21 第3燃料ポンプ
22 燃料蒸発器
23 空気分岐弁
24 起動燃焼バーナ
25 第1分岐弁(第1分岐手段)
26 第2分岐弁(第2分岐手段)
27 第2燃料ポンプ
31 制御部
32 記憶部
41 排出弁(排出手段)
42 混合器
100,101,102,103 燃料電池システム
N1 水蒸気流量センサ
T1 燃焼バーナ温度センサ
T2 改質温度センサT2
T3 燃料温度センサ
T4 空気温度センサ
Rd 排出燃料循環分率
Ry 排出燃料循環率
Tab 燃焼バーナガス温度
Trf 改質温度
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12