特許第5834695号(P5834695)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5834695
(24)【登録日】2015年11月13日
(45)【発行日】2015年12月24日
(54)【発明の名称】スタッドレスタイヤ
(51)【国際特許分類】
   B60C 11/12 20060101AFI20151203BHJP
   B60C 11/03 20060101ALI20151203BHJP
【FI】
   B60C11/12 B
   B60C11/12 C
   B60C11/03 300A
   B60C11/12 A
【請求項の数】7
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2011-209094(P2011-209094)
(22)【出願日】2011年9月26日
(65)【公開番号】特開2013-67345(P2013-67345A)
(43)【公開日】2013年4月18日
【審査請求日】2014年9月5日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006714
【氏名又は名称】横浜ゴム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001368
【氏名又は名称】清流国際特許業務法人
(74)【代理人】
【識別番号】100129252
【弁理士】
【氏名又は名称】昼間 孝良
(74)【代理人】
【識別番号】100066865
【弁理士】
【氏名又は名称】小川 信一
(74)【代理人】
【識別番号】100066854
【弁理士】
【氏名又は名称】野口 賢照
(74)【代理人】
【識別番号】100117938
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 謙二
(74)【代理人】
【識別番号】100138287
【弁理士】
【氏名又は名称】平井 功
(74)【代理人】
【識別番号】100155033
【弁理士】
【氏名又は名称】境澤 正夫
(74)【代理人】
【識別番号】100068685
【弁理士】
【氏名又は名称】斎下 和彦
(72)【発明者】
【氏名】甲田 啓
【審査官】 高島 壮基
(56)【参考文献】
【文献】 特開平07−195914(JP,A)
【文献】 特開2003−094910(JP,A)
【文献】 特開2006−123647(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60C 11/03
11/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
トレッド部の表面にタイヤ周方向に延びる複数の縦溝と該縦溝に交差する複数の横溝とにより多数のブロックを形成すると共に、該ブロックの表面にタイヤ周方向に間隔をおいて複数のジグザグ状のサイプを形成したスタッドレスタイヤにおいて、
前記サイプのうち、前記ブロックの前後端側に位置する外側サイプは、その両端末が前記ブロック内で終端したクローズドサイプであり、前記外側サイプを、該外側サイプの仮想中心線と前記横溝との該横溝と直交する方向における間隔が、該ブロックの幅方向中央部において大きく、該ブロックの幅方向両端部において小さくなるように形成し
前記ブロックの前後端側に位置する外側サイプの仮想中心線と前記横溝との該横溝と直交する方向における間隔を、前記ブロックの幅方向中央部においてbとし、該ブロックの幅方向両端部においてaとしたとき、これらの間隔の差b−aが1.0〜5.0mmであるスタッドレスタイヤ。
【請求項2】
前記ブロックの前後端側に位置する外側サイプの仮想中心線の両端を結ぶ線と前記ブロックを区画する横溝の中心線とのなす角度が10°以内である請求項1に記載のスタッドレスタイヤ。
【請求項3】
前記間隔aが2.0〜8.0mmである請求項1又は2に記載のスタッドレスタイヤ。
【請求項4】
前記ブロックの前後端側に位置する外側サイプの仮想中心線を、該仮想中心線と前記横溝との該横溝と直交する方向における間隔が、前記ブロックの幅方向中央部において最も大きくなり、該ブロックの幅方向両端部側に向けて徐々に又は段階的に小さくなる湾曲線状又は屈曲線状に形成した請求項1〜のいずれか1項に記載のスタッドレスタイヤ。
【請求項5】
前記ブロックの前後端側に位置する外側サイプの仮想中心線と前記外側サイプに隣接する内側サイプの仮想中心線との前記横溝と直交する方向における間隔cが、該ブロックのタイヤ幅方向中央部において3.0〜15.0mmである請求項1〜のいずれか1項に記載のスタッドレスタイヤ。
【請求項6】
前記外側サイプを深さ方向に屈曲部を有する3次元構造に形成した請求項1〜のいずれか1項に記載のスタッドレスタイヤ。
【請求項7】
請求項1〜のいずれか1項に記載のブロックを少なくとも前記トレッド部の接地面をタイヤ幅方向に3等分したときの両ショルダー側の領域に配置したスタッドレスタイヤ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スタッドレスタイヤに関し、さらに詳しくは、ブロックの前後端側に位置するサイプへの雪詰まりを抑制して、雪上路面における制動性能を向上させるようにしたスタッドレスタイヤに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、氷雪路面上を走行するスタッドレスタイヤでは、トレッドゴムとして低硬度のゴムを使用したうえで、トレッド面に多数のブロックを形成し、これらブロックの表面に、図6(a)に例示するように、タイヤ幅方向に延びる複数のジグザグ状のサイプを形成して、これらサイプのエッジ効果により良好な運動性能を確保するようにしている。
【0003】
ところが、この種のタイヤでは、雪上路面を走行する際にサイプに雪が詰まり易く、特にブロックの踏み込み側や蹴り出し側となるタイヤ周方向の前後端(図の上下方向)では、サイプの形成に伴いブロック剛性が低下するため、図6(b)に示すように、矢印方向に押し込まれた雪が、ブロック9の前後端側に位置するサイプ10a、10bの開口部を押し広げて、図6(c)に示すように、ブロック9の前後端部を横溝8側に押し倒して、所望の運動性能、特に制駆動時における運動性能を低下させるという問題があった。
【0004】
従来、雪氷路面における運動性能を向上させるために、ブロックにタイヤ幅方向に延びる波状サイプを形成し、この波状サイプの振幅の中心線を結ぶ線をタイヤ周方向に対して変化させて、タイヤ周方向のサイプ成分を増加させることにより、横方向の力に対する抵抗力を増加させてコーナリング性能を向上させたり(例えば、特許文献1参照)、サイプを深さ方向及びタイヤ周方向に対して湾曲状に形成することにより、ブロック剛性を適正化させて運動性能を向上させるようにした(例えば、特許文献2参照)提案がある。
【0005】
しかし、いずれの提案にあっても、雪上路面を走行する際の運動性能を改善させるには限界があり、特に雪の深い雪上路面における制駆動性能を向上させるための対策が強く求められてきた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第2973026号公報
【特許文献2】特開2006−96283号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、上述する問題点を解消するもので、ブロックの前後端側に位置するサイプへの雪詰まりを抑制して、雪上路面における制駆動性能を向上させるようにしたスタッドレスタイヤを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するための本発明のスタッドレスタイヤは、トレッド部の表面にタイヤ周方向に延びる複数の縦溝と該縦溝に交差する複数の横溝とにより多数のブロックを形成すると共に、該ブロックの表面にタイヤ周方向に間隔をおいて複数のジグザグ状のサイプを形成したスタッドレスタイヤにおいて、前記サイプのうち、前記ブロックの前後端側に位置する外側サイプは、その両端末が前記ブロック内で終端したクローズドサイプであり、前記外側サイプを、該外側サイプの仮想中心線と前記横溝との該横溝と直交する方向における間隔が、該ブロックの幅方向中央部において大きく、該ブロックの幅方向両端部において小さくなるように形成し、前記ブロックの前後端側に位置する外側サイプの仮想中心線と前記横溝との該横溝と直交する方向における間隔を、前記ブロックの幅方向中央部においてbとし、該ブロックの幅方向両端部においてaとしたとき、これらの間隔の差b−aが1.0〜5.0mmであることを特徴とする。
【0009】
さらに、上述する構成において、以下(1)〜(6)に記載するように構成することが好ましい。
(1)前記ブロックの前後端側に位置する外側サイプの仮想中心線の両端を結ぶ線と前記ブロックを区画する横溝の中心線とのなす角度が10°以内となるようにする。
(2)前記間隔a2.0〜8.0mmとなるようにする
(3)前記ブロックの前後端側に位置する外側サイプの仮想中心線を、該仮想中心線と前記横溝との該横溝と直交する方向における間隔が前記ブロックの幅方向中央部において最も大きくなり、該ブロックの幅方向両端部側に向けて徐々に又は段階的に小さくなる湾曲線状又は屈曲線状となるように形成する。
(4)前記ブロックの前後端側に位置する外側サイプの仮想中心線と前記外側サイプに隣接する内側サイプの仮想中心線との前記横溝と直交する方向における間隔cが、該ブロックのタイヤ幅方向中央部において3.0〜15.0mmとなるようにする。
(5)前記外側サイプを深さ方向に屈曲部を有する3次元構造に形成する。
(6)上記ブロックを少なくとも前記トレッド部の接地面をタイヤ幅方向に3等分したときの両ショルダー側の領域に配置する。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、ブロックの表面に形成した複数のジグザグ状のサイプのうち、ブロックの前後端側に位置する外側サイプを、横溝に直交する方向における外側サイプの仮想中心線と横溝との間隔が、ブロックの幅方向中央部において大きく、ブロックの幅方向両端部において小さくなるように形成したので、最も雪が詰まり易いブロックの前後端における横溝側の幅方向中央部のブロック剛性が向上するため、外側サイプへの雪詰まりに伴うブロック端部の横溝側への倒れ込みが抑制されて、横溝の押し潰しがなくなり、雪上路面での制駆動性能を効率的に向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の実施形態によるスタッドレスタイヤの構造を示す断面図である。
図2図1のタイヤのトレッド部の表面に形成したブロックパターンの一例を示す一部平面図である。
図3】(a)及び(b)は、それぞれ本発明の実施形態によるブロックの表面に形成したサイプの形態を示す平面図である。
図4】ブロックの前後端側に位置するサイプの仮想中心線の配置形態を示す説明図である。
図5】(a)及び(b)は、それぞれ本発明の他の実施形態によるブロックの前後端側に位置するサイプの仮想中心線の配置形態を示す図3(a)に相当する平面図である。
図6】従来のスタッドレスタイヤにおけるブロックの表面に形成したサイプの形態及びその動きを示す説明図で、(a)はブロック配置を示す一部平面図、(b)は(a)のA−A矢視断面図、(c)は雪路面走行時におけるサイプの動きを説明する(b)に相当する断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の構成につき添付の図面を参照しながら詳細に説明する。
【0013】
図1は、本発明の実施形態によるスタッドレスタイヤの構造を示す断面図、図2は、図1のタイヤのトレッド部の表面に形成したブロックバターンの一例を示す一部平面図である。
【0014】
図1において、本発明のスタッドレスタイヤ1は、左右一対のビード部2、2に埋設したビードコア3、3の周囲を、ビードコア3、3の外周に配置したビードフィラー4、4を挟み込んでタイヤ内側から外側に向けて折り返したカーカス層5を備えると共に、ビード部2、2に連なるトレッド部6の表面に、図2に例示するように、タイヤ周方向に延びる複数の縦溝7とこれら縦溝7に交差する複数の横溝8とにより多数のブロック9を形成すると共に、これらブロック9の表面にタイヤ周方向に間隔をおいて複数のジグザグ状のサイプを形成している。
【0015】
そして、本発明のスタッドレスタイヤ1では、図3(a)及び(b)に示すように、ブロック9の前後端側に位置する外側サイプ10a、10bを、外側サイプ10a、10bの振幅の中点をなだらかに結ぶ仮想中心線P1と横溝8との横溝8に直交する方向における間隔が、ブロック9の幅方向中央部において大きく、ブロック9の幅方向両端部において小さくなるように形成している。
【0016】
このようにブロックの前後端側に位置する外側サイプ10a、10bの仮想中心線P1と横溝8との間隔を、ブロック9の幅方向中央部において大きく、ブロック9の幅方向両端部において小さくなるように形成したので、最も雪が詰まり易いブロック9の前後端における幅方向中央部の横溝8側のブロック剛性が向上するため、外側サイプ10a、10bへの雪詰まりに伴うブロック端部の横溝8側への倒れ込みが抑制されて、横溝8の押し潰しがなくなり、雪上路面での制駆動性能を効率的に向上させることができる。
【0017】
なお、本発明において、ジグザグ状のサイプの仮想中心線とは、上述するように、サイプの振幅の中点をなだらかに結ぶ中心線をいい、さらに具体的には、サイプの開口部が形成するジグザグ形状における振幅の中点をなだらかに結んだサイプ中心線をいう。
【0018】
本発明において、ブロック9の前後端側に位置する外側サイプ10a、10bは、図4に外側サイプ10a、10bの仮想中心線P1及び内側サイプ10の仮想中心線P2のみを取り出して示すように、仮想中心線P1の両端Pz、Pzを結ぶ直線Qと、ブロック9を区画する横溝8の中心線Lとのなす角度が10°以下となるように形成することが好ましい。
【0019】
ここで、直線Qと中心線Lとのなす角度とは、直線Qと中心線Lとをそれぞれ延長させた場合のショルダー側又はタイヤ赤道側における交差角度をいい、直線Qと中心線Lが平行である場合にはこの交差角度が0°であることを意味している。
【0020】
このように、仮想中心線P1の両端Pz、Pzを結ぶ直線Qを横溝8の中心線Lと実質的に略平行になるように形成することにより、外側サイプ10a、10bのエッジ効果の低減を極力抑えながら、外側サイプ10a、10bの端末からのブロック欠けを効率よく抑制して、氷上路面における運動性能を効率よく確保することができる。
【0021】
本発明において、さらに好ましくは、上述する仮想中心線P1と横溝8との横溝8と直交する方向における間隔を、図3(a)及び(b)に示すように、ブロック9の幅方向中央部においてbとし、ブロック9の幅方向両端部においてaとしたとき、これらの間隔の差b−aが1.0〜5.0mmとなるように調整するとよい。これにより、雪上路面での制駆動性能を一層効率的に向上させることができる。
【0022】
上述する間隔の差b−aが1.0mm未満では、外側サイプ10a、10bが横溝8側に倒れ込み易くなって、雪上路面での制駆動性能の向上効果が不足することになり、5.0mm超では、ブロック9の表面に形成するサイプ10の本数が制限を受けるため、雪上路面での良好な運動性能を確保することが難しくなると同時に、サイプ10a、10bの仮想中心線Pの湾曲度が大きくなるため、加硫されたタイヤを金型から取り外す際の離型性が悪化する原因になる。
【0023】
ここで、さらに好ましくは、上記間隔aを2.0〜8.0mm、最も好ましくは3.0〜5.0mmに設定するとよい。上記間隔aが2.0mm未満になると、ブロック9の端部における剛性が低下するため、外側サイプ10a、10bの端末からブロック欠けが生ずる原因になり、8.0mm超になると、ブロック9の表面に形成するサイプ10の本数が制限を受けるために、雪上路面での良好な運動性能を確保することが難しくなる。
【0024】
本発明において、さらに好ましくは、上述する仮想中心線P1を、仮想中心線P1と横溝8との横溝8と直交する方向における間隔が、ブロック9の幅方向中央部において最も大きくなり、ブロック9の幅方向両端部側に向けて徐々に又は段階的に小さくなる湾曲線状又は屈曲線状となるように形成するとよい。これにより、氷上路面における良好な運動性能を効率よく確保することができる。
【0025】
なお、図3(a)及び(b)は、それぞれ上述する仮想中心線P1を湾曲線状に形成した場合を示し、図5(a)は、外側サイプ10a、10bの仮想中心線P1をブロック9の幅方向中央部においてV字状に屈曲する屈曲線状に形成した場合を示し、図5(b)は、この仮想中心線P1をブロック9の幅方向の両側において椀状に屈曲する屈曲線状に形成した場合を示している。
【0026】
ここで、図5(a)のように仮想中心線P1をブロック9の幅方向中央部においてV字状に屈曲する屈曲線状に形成する場合には、加硫後のタイヤの金型からの離型性を良好に確保すると同時に、ブロック9の表面に形成するサイプ10の本数を制限させることのないように、屈曲部における横溝8側の中心角度αが120°以上となるように設定するとよい。
【0027】
本発明において、さらに好ましくは,ブロック9の前後端に位置する外側サイプ10a、10bの仮想中心線P1と、これに隣接する内側サイプ10、10の仮想中心線P2との横溝8と直交する方向におけるブロック9のタイヤ幅方向中央部での間隔c(図4参照)を、3.0〜15.0mmとなるように設定するとよい。これにより、ブロック9のタイヤ幅方向中央部における剛性が確保されて、氷雪路面上での一層良好な運動性能を確保することができる。
【0028】
ここで、上述する間隔cが3.0mm未満になると、ブロック9のタイヤ幅方向中央部におけるブロック剛性が低下するため、氷雪路面上での運動性能が低下することになり、15.0mm超になると、ブロック9の表面に形成するサイプ10の本数が制限を受けるため、氷雪路面上での良好な運動性能を確保することが難しくなる。
【0029】
本発明において、さらに好ましくは、ブロック9の前後端に位置する外側サイプ10a、10bを深さ方向に屈曲部を有する3次元構造に形成するとよい。これにより、ブロック9の前後端におけるブロック剛性を効率的に高めることができるので、氷雪路面上での運動性能をさらに向上させることができる。なお、本発明では、氷雪路面上での運動性能をさらに向上させる観点から、内側サイプ10についても3次元構造に形成することが好ましい。
【0030】
なお、上述する3次元構造とは、サイプの深さ方向を2方向以上の異なる傾斜角度を有する曲面に形成し、サイプの両側面が互いに噛み合う凹部と凸部とを深さ方向に点在させるようにした構造をいう。
【0031】
上述する本発明のブロック9は、トレッド部6の表面における接地領域の全域に配置することが最も好ましいが、雪上路面での良好な運動性能を確保する観点からは、少なくともトレッド部の接地面をタイヤ幅方向に3等分したときの両ショルダー側の領域に配置することが好ましい。
【0032】
上述するトレッド部の接地面とは、タイヤを適用リムに装着し、JATMA規定の最大負荷能力に対応する空気圧を充填し、静止した状態で平板に対して垂直に置き、最大負荷能力の80%に相当する荷重を負荷させたときの平板との接触面をいう。
【0033】
なお、上述するそれぞれの実施形態を示す各図では、外側サイプ10a、10bの両端末を、それぞれブロック9の内側で終端させた場合を示したが、本発明のスタッドレスタイヤ1では、外側サイプ10a、10bの両端末を、それぞれ縦溝7に開口させて形成する場合がある。
【0034】
上述するように、本発明のスタッドレスタイヤは、ブロックの前後端側に位置するサイプを、サイプの開口部が形成する仮想中心線と横溝とのタイヤ周方向の間隔がブロックの幅方向中央部において大きく、ブロックの幅方向両端部において小さくなるように形成することにより、氷上路面における運動性能を低下させることなしに、雪上路面における制駆動性能を向上させるようにしたもので、特に雪の深い地域を走行する車両に対して幅広く適用することができる。
【実施例】
【0035】
タイヤサイズを195/65R15、タイヤの構造を図1、トレッドパターンを図2として、ブロックの形態及びその配置、外側サイプの仮想中心線における直線Qと横溝の中心線Lとのなす角度、仮想中心線の間隔、3次元サイプの採用、をそれぞれ表1のように異ならせて、従来タイヤ(従来例)及び本発明タイヤ(実施例1〜10)をそれぞれ作製した。
【0036】
なお、ブロックの配置については、本発明の実施形態からなるブロックをタイヤ赤道線を挟む5本のブロック列の全てに配置した場合を「全域」、タイヤ赤道線上の1本のブロック列のみに配置した場合を「中央領域」、タイヤ赤道線上のブロック列を除く両側の4本のブロック列に配置した場合を「ショルダー域」と表示した。
【0037】
これら11種類のタイヤについて、以下の試験方法により、雪上制動性能の評価を行い、その結果を従来例を100とする指数により表1に併記した。数値が大きいほど優れていることを示す。
【0038】
〔雪上制動性能の評価〕
各タイヤをリム(サイズ:15×6JJ)に組み込み、空気圧230kPaを充填して、国産のFF車両(排気量1500cc)の前後車輪に装着したうえで、平均の雪深さが50mmであるテストコースにて初速度40km/hrからの制動試験を行い、これによって得られた制動距離を以って雪上制動性能の評価とした。
【0039】
【表1】
【0040】
表1の結果より、本発明タイヤは、従来タイヤに比して、雪上制動性能が向上していることが判る。
【符号の説明】
【0041】
1 スタッドレスタイヤ
2 ビード部
3 ビードコア
4 ビードフィラー
5 カーカス層
6 トレッド部
7 縦溝
8 横溝
9 ブロック
10 内側サイプ
10a、10b 外側サイプ
P1 外側サイプの仮想中心線
P2 内側サイプの仮想中心線
Q 外側サイプの仮想中心線の両端を結ぶ直線
L 横溝の中心線
a ブロックの幅方向中央部における外側サイプの仮想中心線と横溝との間隔
b ブロックの幅方向両端部における外側サイプの仮想中心線と横溝との間隔
図1
図2
図3
図4
図5
図6