特許第5834802号(P5834802)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5834802
(24)【登録日】2015年11月13日
(45)【発行日】2015年12月24日
(54)【発明の名称】球検査用転がし装置
(51)【国際特許分類】
   G01N 21/84 20060101AFI20151203BHJP
【FI】
   G01N21/84 D
【請求項の数】2
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2011-250559(P2011-250559)
(22)【出願日】2011年11月16日
(65)【公開番号】特開2013-104837(P2013-104837A)
(43)【公開日】2013年5月30日
【審査請求日】2014年10月22日
(73)【特許権者】
【識別番号】000001247
【氏名又は名称】株式会社ジェイテクト
(72)【発明者】
【氏名】野々山 透
(72)【発明者】
【氏名】稲▲崎▼ 奈雄
【審査官】 小野寺 麻美子
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−002242(JP,A)
【文献】 特開2002−181713(JP,A)
【文献】 特開2011−007540(JP,A)
【文献】 特開平04−070554(JP,A)
【文献】 特開平06−034326(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 21/00 − G01N 21/01
G01N 21/17 − G01N 21/61
G01N 21/84 − G01N 21/958
G01B 11/00 − G01B 11/30
G01M 13/00 − G01M 13/04
G01M 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の球を載置する載置用台と、前記複数の球を縦横複数列に内側に配置する四角形状の枠と、前記枠を水平面内の直交する2方向へ移動可能に案内する案内装置とからなる球検査用転がし装置であって、前記案内装置は、前記球を縦横の2方向にそれぞれ1回転プラス0.5n回転分を移動可能に案内する第1案内部と、前記球を縦横の一方の方向に0.25プラス0.5n回転分、前記球を縦横の他方の方向に0.125プラス0.5n回転分、前記球を縦横の一方の方向に0.25プラス0.5n回転分を移動可能に案内する第2案内部と、前記球を縦横の2方向にそれぞれ1回転プラス0.5n回転分を移動可能に案内する第案内部とを有し、前記nは整数であることを特徴とする球検査用転がし装置。
【請求項2】
複数の球を載置する載置用台と、前記複数の球を縦横複数列に内側に配置する四角形状の枠と、前記載置用台および前記枠を水平面内の直交する2方向へ相対移動させる移動装置とからなる球検査用転がし装置であって、前記移動装置は、前記球を縦横の2方向にそれぞれ1回転プラス0.5n回転分の動作を前記載置用台および前記枠間に与える第1動作手段と、前記球を縦横の一方の方向に0.25プラス0.5n回転分、前記球を縦横の他方の方向に0.125プラス0.5n回転分、前記球を縦横の一方の方向に0.25プラス0.5n回転分の動作を前記載置用台および前記枠間に与える第2動作手段と、前記球を縦横の2方向にそれぞれ1回転プラス0.5n回転分の動作を前記載置用台および前記枠間に与える第3動作手段とを有し、前記nは整数であることを特徴とする球検査用転がし装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、球を転がして目視検査するのに最適な球検査用転がし装置に関する。
【背景技術】
【0002】
玉軸受に使用される球は、材質の面で鋼製およびセラミックス製の2種類があり、鋼製のものはカメラで捉えた画像を処理することにより、球の色、傷等の不具合を発見している。光の反射の関係上、鋼製はカメラで白っぽく捕えられるのに対し、セラミックス製はカメラで黒っぽく捕えられるので、セラミックス製の球は、球の色、傷等の不具合を発見しにくい。
【0003】
セラミックス製の球は、1個1個転がすと球の色、傷等の不具合を発見しにくいので、複数の球を転がして目視で一際異なるものを見つける方法を採用している。この方法を採用した球検査用転がし装置として、図17(特許文献1)に示すようなものがある。図17の(1)は、球検査用転がし装置の平面図であり、図17の(2)は、(1)のF−F線断面図である。このものは、ガイド板120の各ガイド穴123に球130を入れてこれらの球130をパッド110上に載せ、ガイド板120をガイド溝121、122およびピン111、112、113に倣って動かすことにより、各球130を一斉に図17の(1)の左下がりの方向に転がし、続いて左上がりの方向に転がし、左下がりの方向に転がし、左上がりの方向に転がし、最後に左下がりの方向に転がすことができる。これを使用すれば、誰が行っても同じ転がしを球に与えることができ、熟練度によるバラツキを無くすことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第4654269号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
図17に示す球検査用転がし装置は、左下がりの方向に球130を270度回転させ、左上がりの方向に球130を270度回転させ、左下がりの方向に球130を270度回転させ、左上がりの方向に球130を270度回転させ、左下がりの方向に球130を270度回転させるものである。1回目の左下がりの方向に球130を270度回転させる動作と、2回目の左下がりの方向に球130を270度回転させる動作と、3回目の左下がりの方向に球130を270度回転させる動作は、結局同じ範囲を目視している。また1回目の左上がりの方向に球130を270度回転させる動作と、2回目の左上がりの方向に球130を270度回転させる動作は、これも同様に同じ範囲を目視している。
【0006】
このものは、1回目の左下がりの方向に球130を270度回転させる動作と、1回目の左上がりの方向に球130を270度回転させる動作とで全範囲目視できるようにする必要がある。ルーペを使用して焦点深度により1回目の回転で見れる範囲が狭い場合は、上述した動作では見れない範囲が生ずる。本発明は、上述した問題点を解決するためになされたもので、その目的とするところは、球の少ない回転で全範囲を確実に目視できる球検査用転がし装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に記載の発明は、複数の球を載置する載置用台と、前記複数の球を縦横複数列に内側に配置する四角形状の枠と、前記枠を水平面内の直交する2方向へ移動可能に案内する案内装置とからなる球検査用転がし装置であって、前記案内装置は、前記球を縦横の2方向にそれぞれ1回転プラス0.5n回転転がす第1案内部と、前記球を縦横の一方の方向に0.25プラス0.5n回転転がし、前記球を縦横の他方の方向に0.125プラス0.5n回転転がし、前記球を縦横の一方の方向に0.25プラス0.5n回転転がす第2案内部と、前記球を縦横の2方向にそれぞれ1回転プラス0.5n回転転がす第案内部とを有し、前記nは整数であるものである。
【0008】
前記枠を第1案内部に沿って移動させることにより、前記球が縦横の2方向にそれぞれ1回転プラス0.5n回転する。続いて前記枠を第2案内部に沿って移動させることにより、前記球が縦横の一方の方向に0.25プラス0.5n回転し、前記球が縦横の他方の方向に0.125プラス0.5n回転し、前記球が縦横の一方の方向に0.25プラス0.5n回転する。さらに続いて前記枠を第3案内部に沿って移動させることにより、前記球が縦横の2方向にそれぞれ1回転プラス0.5n回転する。第2案内部によって、球の見た範囲の重なった部分を軸に球は45度回転させた状態となり、第3案内部で見る範囲を第1案内部で見た範囲と異なるものにすることができ、球の少ない回転で全範囲を確実に目視できる。
【0009】
請求項2に記載の発明は、複数の球を載置する載置用台と、前記複数の球を縦横複数列に内側に配置する四角形状の枠と、前記載置用台および前記枠を水平面内の直交する2方向へ相対移動させる移動装置とからなる球検査用転がし装置であって、前記移動装置は、前記球を縦横の2方向にそれぞれ1回転プラス0.5n回転分の動作を前記載置用台および前記枠間に与える第1動作手段と、前記球を縦横の一方の方向に0.25プラス0.5n回転分、前記球を縦横の他方の方向に0.125プラス0.5n回転分、前記球を縦横の一方の方向に0.25プラス0.5n回転分の動作を前記載置用台および前記枠間に与える第2動作手段と、前記球を縦横の2方向にそれぞれ1回転プラス0.5n回転分の動作を前記載置用台および前記枠間に与える第3動作手段とを有し、前記nは整数であるものである。
【0010】
第1動作手段によって前記載置用台および前記枠を水平面内の直交する2方向へ相対移動させることにより、前記球が縦横の2方向にそれぞれ1回転プラス0.5n回転する。続いて第2動作手段によって前記載置用台および前記枠を水平面内の直交する2方向へ相対移動させることにより、前記球が縦横の一方の方向に0.25プラス0.5n回転し、前記球が縦横の他方の方向に0.125プラス0.5n回転し、前記球が縦横の一方の方向に0.25プラス0.5n回転する。さらに続いて第3動作手段によって前記載置用台および前記枠を水平面内の直交する2方向へ相対移動させることにより、前記球が縦横の2方向にそれぞれ1回転プラス0.5n回転する。第2動作手段によって、球の見た範囲の重なった部分を軸に球は45度回転させた状態となり、第3動作手段で見る範囲を第1動作手段で見た範囲と異なるものにすることができ、球の少ない回転で全範囲を確実に目視できる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、球を縦横の一方の方向に0.25プラス0.5n回転転がし、球を縦横の他方の方向に0.125プラス0.5n回転転がし、球を縦横の一方の方向に0.25プラス0.5n回転転がすことによって、先回の縦横転がしで見た範囲と異なる範囲を次回の縦横転がしで見ることができるので、球の少ない回転で全範囲を確実に目視できる球検査用転がし装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の第1の実施形態における球検査用転がし装置の動作図である。
図2】本発明の第1の実施形態において球検査用転がし装置の図1と異なる動作図である。
図3】本発明の第2の実施形態における球検査用転がし装置の動作図である。
図4】本発明の第2の実施形態において球検査用転がし装置の図3と異なる動作図である。
図5】本発明の第3の実施形態における球検査用転がし装置の全体平面図である。
図6】本発明の第3の実施形態において球検査用転がし装置の図5のD矢視図である。
図7】本発明の第3の実施形態において球検査用転がし装置の枠の拡大平面図である。
図8】本発明の第3の実施形態において球検査用転がし装置の図7のA−A線断面図である。
図9】本発明の第3の実施形態において球検査用転がし装置の図7のB−B線断面図である。
図10】本発明の第3の実施形態において球検査用転がし装置の図7のC−C線断面図である。
図11】本発明の第3の実施形態における入出力装置の画面の状態図である。
図12】本発明の第3の実施形態において球径入力のフロー図である。
図13】本発明の第3の実施形態において検査用球転がし動作のフロー図である。
図14】本発明の第3の実施形態において第2移動台移動のフロー図である。
図15】本発明の第3の実施形態において第1移動台移動のフロー図である。
図16】本発明の第3の実施形態における球の転がり状態を示す状態図である。
図17】従来における球検査用転がし装置の全体図であり、(1)は平面図であり、(2)は(1)のF−F線断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の第1の実施形態について、図1および図2を参酌しつつ説明する。図1は球検査用転がし装置の平面図でもあり動作図でもある。図2は球検査用転がし装置の図1と異なる動作図である。
【0014】
図1に示すように、球検査用転がし装置は、複数の球55を載置する載置用台14と、複数の球55を縦横複数列に内側に配置する四角形状の枠30と、枠30の外側の周囲面に接触して枠30を縦横の2方向に案内するガイド70とからなっている。
【0015】
載置用台14は、金属製で凹凸の非常に少ない上面を有する。載置用台14には、ガイド70が直接載置されて固定され、ガイド70の内側にある図略のゴム製のパッドを介して球55および枠30が載置されている。
【0016】
枠30は、金属製で四角形状の枠状のもので、この内側に球55が縦4列、横5列配置される。枠30は、左右方向に延びる左右板31、34と、前後方向に延びる前後板32、33とからなる。枠30は、左右板31、34の両端にボルト等で前後板32、33を連結した簡単なものである。
【0017】
ガイド70は、枠30の外側の周囲面に接触して、枠30を縦横に移動可能に案内する機能を有する。ガイド70は、金属製で枠状のものである。ガイド70は、左右方向に延びる第1左右板71と、これに続いて前後方向に延びる第1前後板72a、72bと、左右方向に延びる第2左右板73a、73bと、前後方向に延びる第2前後板74a、74bと、左右方向に延びる第3左右板75a、75bと、前後方向に延びる第3前後板76a、76bと、左右方向に延びる第4左右板77とからなる。ガイド70は、これらの板を互いにボルト等で連結した簡単なものである。第1前後板72a、72bによって枠30は前後方向に移動可能に案内され、第2左右板73a、73bによって枠30は左右方向に移動可能に案内され、第2前後板74a、74bによって枠30は前後方向に移動可能に案内され、第3左右板75a、75bによって枠30は左右方向に移動可能に案内され、第3前後板76a、76bによって枠30は前後方向に移動可能に案内されるようになっている。
【0018】
載置用台14上のパッドには、球55の重力が作用し、パッド自体の摩擦係数が高いので、パッドに対して球55は転がる。これに対して、球55はセラミックス製で摩擦係数が小さく、枠30は金属製で摩擦係数が小さいので、枠30に対し球55は滑る。球55間でも滑りが発生する。すなわち、ガイド70に沿って枠30を縦横に移動させると、球55は枠30によって縦横方向に押され、球55はパッド上を転がりながら、球55は枠30に対して滑り、球55同士で滑りが発生する。
【0019】
第1前後板72a、72bは、枠30を前後方向に移動させたときに、球55が縦方向に1回転する程度の長さを有し、第2左右板73a、73bは、枠30を左右方向に移動させたときに、球55が横方向に1回転プラス90度(0.25)回転する程度の長さを有し、第2前後板74a、74bは、枠30を前後方向に移動させたときに、球55が縦方向に45度(0.125)回転する程度の長さを有し、第3左右板75a、75bは、枠30を左右方向に移動させたときに、球55が横方向に1回転プラス90度(0.25)回転する程度の長さを有し、第3前後板76a、76bは、枠30を前後方向に移動させたときに、球55が縦方向に1回転する程度の長さを有する。
【0020】
球55を縦方向に1回転させ、続いて球55を横方向に1回転させると、見た範囲の重なるところが上下の2箇所に出来る。このまま縦方向に1回転、横方向に1回転させると、同じところを見ることなり、好ましくない。上下の重なった2箇所を軸に45度回転させてから縦方向に1回転、横方向に1回転させると、先ほどと異なるところを見ることができ、球55の全面を見ることが可能となる。前述した横方向に90度回転、縦方向に45度回転、90度回転は、上下の重なった2箇所を軸に直接45度回転させる動作と同じことが得られる動作である。45度回転させる動作を、縦横方向に球をそれぞれ1回転させる1回目の動作と、横縦方向に球をそれぞれ1回転させる2回目の動作間に入れた。
【0021】
次に第1の実施形態の動作について説明する。ガイド70に対し枠30を図1の(1)の左下に置き、枠30の外側の周囲面をガイド70の第1左右板71および第1前後板72a、72bに接触させる。枠30へ一斉に複数の球55を投入し、枠30の内側に球55を縦4列、横5列配置し、図1の(1)に示す状態となる。
【0022】
作業者は枠30を前方向に押し、枠30を第1前後板72a、72bに沿って前方向へ移動させ、球55を縦方向に1回転させ、図1の(2)に示す状態となる。枠30を右方向に押し、枠30を第2左右板73a、73bに沿って右方向へ移動させ、球55を横方向に1回転させた図1の(3)に示す状態となる。
【0023】
さらに枠30を右方向に押し、枠30を第2左右板73a、73bに沿って右方向へ移動させ、球55を横方向に90度回転させ、図1の(4)に示す状態となる。枠30を前方向に押し、枠30を第2前後板74a、74bに沿って前方向へ移動させ、球55を縦方向に45度回転させ、図1の(5)に示す状態となる。枠30を右方向に押し、枠30を第3左右板75a、75bに沿って右方向へ移動させ、球55を横方向に90度回転させ、図1の(6)に示す状態となる。
【0024】
さらに枠30を右方向に押し、枠30を第3左右板75a、75bに沿って右方向へ移動させ、球55を横方向に1回転させ、図1の(7)に示す状態となる。枠30を前方向に押し、枠30を第3前後板76a、76bに沿って前方向へ移動させ、球55を縦方向に1回転させ、図1の(8)に示す状態となる。
【0025】
作業者は、枠30を動かしながら、複数の球55を目視し、複数の球55の中から一際異なるものを探す。色、傷等の一際異なるものを発見すると、その場でペン等で球55にマークが入れられる。枠30の移動が完了した時点で、マークの入った球55を異常ボックスへ回収し、マークの入っていない球55を一斉に良品ボックスへ回収する。
【0026】
ガイド70の図1の左側にある球55qは、枠30内の球55を図1の左から見た状態を示し、ガイド70の図1の下側にある球55pは、枠30内の球55を図1の下から見た状態を示す。球55、55p、55q上の2本線間は、作業者が見た範囲を示す。
【0027】
図1の(2)で、球55、55pに縦方向の2本線が入り、図1の(3)で球55に横方向の2本線が入り、球55qに縦方向の2本線が入る。球55に縦方向の2本線間および横方向の2本線間の重なった範囲ができる。これから見る範囲が重ならないようにするために、球55の上下の重なった範囲を軸に球55を45度回す必要がある。
【0028】
45度回すためには、まず球55を右方向に90度回転させて図1の(4)の球55pの状態にし、続いて球55を前方向に45度回転させて図2の(5)の球55qの状態にし、さらに球55を右方向に90度回転させて図2の(6)の球55の状態にする。図1の(3)の状態では、球55に縦横の十字に2本線が入っていたのが、図2の(6)の状態では、球55に直交する2つの斜め方向の十字に2本線が入っている。図1の(3)の状態から球55が45度回転して図2の(6)の状態になったことが分かる。
【0029】
球55に直交する2つの斜め方向の十字に2本線が入った状態から、図2の(7)で、球55に横方向の2本線が入り、球55qに縦方向の2本線が入り、図2の(8)で、球55、55pに縦方向の2本線が入る。これで、重なりを最低限にしながら見落としなく球55の全面を効率良く見ることができる。
【0030】
本発明の第2の実施形態について、図3および図4を参酌しつつ説明する。図3は球検査用転がし装置の平面図であり動作図でもある。図4は球検査用転がし装置の図3と異なる動作図である。
【0031】
図3に示すように、球検査用転がし装置は、複数の球55を載置する載置用台15と、複数の球55を縦横複数列に内側に配置する四角形状の枠30と、枠30の外側の周囲面に接触して枠30を縦横の2方向の案内する外枠70cと、外枠70cの外側の周囲面に接触して外枠70cを縦横の2方向に案内する大外枠80とからなっている。
【0032】
載置用台15は、金属製で凹凸の非常に少ない上面を有する。載置用台15には、大外枠80が直接載置されて固定され、大外枠80の内側にある図略のゴム製のパッドを介して球55、外枠70cおよび枠30が載置されている。
【0033】
枠30は、第1の実施形態と同様のものを使用するので、説明は割愛する。外枠70cは、枠30の外側の周囲面に接触して、枠30を縦横に移動可能に案内する機能を有する。外枠70cは、金属製で四角形状の枠状のものである。外枠70cは、左右方向に延びる左右板71c、74cと、前後方向に延びる前後板72c、73cとからなる。外枠70cは、左右板71c、74cの両端にボルト等で前後板72c、73cを連結した簡単なものである。外枠70cの前後板72cに枠30の前後板32が接することによって枠30は、前後方向に移動可能に案内され、外枠70cの左右板74cに枠30の左右板34が接することによって枠30は、左右方向に移動可能に案内され、外枠70cの前後板73cに枠30の前後板33が接することによって枠30は、前後方向に移動可能に案内され、外枠70cの左右板71cに枠30の左右板31が接することによって枠30は、左右方向に移動可能に案内されるようになっている。
【0034】
前後板72c、73cは、枠30を前後方向に移動させたときに、球55が縦方向に1回転する程度の長さを有し、左右板71c、74cは、枠30を左右方向に移動させたときに、球55が横方向に1回転する程度の長さを有する。
【0035】
外枠70cの外側に大外枠80を配置した理由について説明する。球55を縦方向に1回転させ、続いて球55を横方向に1回転させると、見た範囲の重なるところが上下の2箇所に出来る。このまま縦方向に1回転、横方向に1回転させると、同じところを見ることなり、好ましくない。上下の重なった2箇所を軸に45度回転させてから縦方向に1回転、横方向に1回転させると、先ほどと異なるところを見ることができ、球55全面を見ることが可能となる。後述する横方向に90度回転、縦方向に45度回転、90度回転は、上下の重なった2箇所を軸に直接45度回転させる動作と同じことが得られる動作である。
【0036】
大外枠80は、外枠70cの外側の周囲面に接触して、外枠70cを縦横に移動可能に案内する機能を有する。大外枠80は、金属製で四角形状の枠状のものである。大外枠80は、左右方向に延びる左右板81、84と、前後方向に延びる前後板82、83とからなる。大外枠80は、左右板81、84の両端にボルト等で前後板82、83を連結した簡単なものである。大外枠80の前後板82に外枠70cの前後板72cが接することによって外枠70cは、前後方向に移動可能に案内され、大外枠80の左右板84に外枠70cの左右板74cが接することによって外枠70cは、左右方向に移動可能に案内され、大外枠80の前後板83に外枠70cの前後板73cが接することによって外枠70cは、前後方向に移動可能に案内され、大外枠80の左右板81に外枠70cの左右板71cが接することによって枠30は、左右方向に移動可能に案内されるようになっている。
【0037】
前後板82、83は、外枠70cを前後方向に移動させたときに、球55が縦方向に90度回転する程度の長さを有し、左右板81、84は、外枠70cを左右方向に移動させたときに、球55が横方向に45度回転する程度の長さを有する。
【0038】
外枠70cは、大外枠80に対して図3の(1)の左下の位置に固定、あるいは図4の(7)の右下の位置に固定できるようになっている。このために外枠70cは四隅に上下方向に貫通した図略の貫通穴を有し、載置用台15およびパッドには、外枠70cが大外枠80に対し図3の(1)の左下にあるとき、外枠70cの左側の貫通穴に対応する位置で、ネジ穴91が形成されている。また、載置用台15およびパッドには、外枠70cが大外枠80に対し図4の(7)の右下にあるとき、外枠70cの右側の貫通穴に対応する位置で、ネジ穴91が形成されている。外枠70cが大外枠80に対し図3の(1)の左下にあるとき、固定ボルト90を貫通穴に挿通し、ネジ穴91にねじ込むことにより外枠70cはこの位置に固定されるようになっている。また外枠70cが大外枠80に対し図4の(7)の右下にあるとき、固定ボルト90を貫通穴に挿通し、ネジ穴91にねじ込むことにより、外枠70cはこの位置に固定されるようになっている。
【0039】
次に第2の実施形態の動作について説明する。大外枠80に対して外枠70cを図3の(1)の左下に置いて固定ボルト90でこの位置に固定する。外枠70cに対し枠30を図1の左下に置き、枠30の外側の周囲面を外枠70cの左右板71cおよび前後板72cに接触させる。枠30へ一斉に複数の球55を投入し、枠30の内側に球55を縦4列、横5列配置した図3の(1)に示す状態となる。
【0040】
作業者は枠30を前方向に押し、枠30を前後板72cに沿って前方向へ移動させ、球55を縦方向に1回転させ、図3の(2)に示す状態となる。枠30を右方向に押し、枠30を左右板74cに沿って右方向へ移動させ、球55を横方向に1回転させ、図3の(3)に示す状態となる。
【0041】
固定ボルト90を外枠70cから外し、外枠70cを枠30とともに前方向に押し、外枠70cを前後板82に沿って前後方向へ移動させ、球55を縦方向に90度回転させ、図3の(4)に示す状態となる。外枠70cを枠30とともに右方向に押し、外枠70cを左右板84に沿って右方向へ移動させ、球55を横方向に45度回転させ、図4の(5)に示す状態となる。外枠70cを枠30とともに後ろ方向に押し、外枠70cを前後板83に沿って後ろ方向へ移動させ、球55を縦方向に90度回転させ、図4の(6)に示す状態となる。
【0042】
外枠70cが大外枠80に対し右下にある状態で、固定ボルト90を外枠70cの貫通穴に挿通し、載置用台15のネジ穴91にねじ込んで外枠70cをその位置に固定する。枠30を後ろ方向に押し、枠30を前後板73cに沿って後ろ方向へ移動させ、球55を縦方向に1回転させ、図4の(7)に示す状態となる。枠30を左方向に押し、枠30を左右板71cに沿って左方向へ移動させ、球55を横方向に1回転させ、図4の(8)に示す状態となる。
【0043】
作業者は、枠30を動かしながら、複数の球55を目視し、複数の球55の中から一際異なるものを探す。色、傷等の一際異なるものを発見すると、その場でペン等で球55にマークが入れられる。枠30の移動が完了した時点で、マークの入った球55を異常ボックスへ回収し、マークの入っていない球55を一斉に良品ボックスへ回収する。
【0044】
大外枠80の図3および図4の左側にある球55sは、枠30内の球55を図3および図4の左から見た状態を示し、大外枠80の図3および図4の下側にある球55rは、枠30内の球55を図3および図4の下から見た状態を示す。球55、55r、55s上の2本線間は、作業者が見た範囲を示す。
【0045】
図3の(2)で、球55、55rに縦方向の2本線が入り、図3の(3)で球55に横方向の2本線が入り、球55sに縦方向の2本線が入る。球55に縦方向の2本線間および横方向の2本線間の重なった範囲ができる。これから見る範囲が重ならないようにするために、球55の上下の重なった範囲を軸に球55を45度回す必要がある。
【0046】
45度回すためには、まず球55を前方向に90度回転させて図3の(4)の球55sの状態にし、続いて球55を右方向に45度回転させて図3の(5)の球55rの状態にし、さらに球55を後ろ方向に90度回転させて図4の(6)の球55の状態にする。図1の(3)の状態では、球55に縦横の十字に2本線が入っていたのが、図4の(6)の状態では、球55に直交する2つの斜め方向の十字に2本線が入っている。図4の(3)の状態から球55が上下の重なった範囲を軸に45度回転して図4の(6)の状態になったことが分かる。
【0047】
球55に直交する2つの斜め方向の十字に2本線が入った状態から、図4の(7)で、球55、55rに縦方向の2本線が入り、図4の(8)で、球55に横方向の2本線が入り、球55sに縦方向の2本線が入る。これで、重なりを最低限にしながら見落としなく球55の全面を効率良く見ることができる。
【0048】
本発明の第3の実施形態について、図5ないし図16を参酌しつつ説明する。図5は球検査用転がし装置の平面図であり、図6図5のD矢視図であり、図7は枠の拡大平面図であり、図8図7のA−A線断面図であり、図9図7のB−B線断面図であり、図10図7のC−C線断面図であり、図11は入出力装置の画面の状態図であり、図12は球径入力のフロー図であり、図13は検査用球転がし動作のフロー図であり、図14は第2移動台移動のフロー図であり、図15は第1移動台移動のフロー図であり、図16は球の転がり状態を示す状態図である。
【0049】
図5および図6に示すように、球検査用転がし装置10は、床面に設置された図略の下部支持台と、この下部支持台上に載置された上部支持台11と、上部支持台11に前後方向に移動可能に設けられた第1移動台12と、第1移動台12を前後方向に駆動する第2駆動装置40と、第1移動台12に左右方向に移動可能に設けられた第2移動台13と、第2移動台13を左右方向に駆動する第1駆動装置20と、第1駆動装置20および第2駆動装置40を制御する制御装置51と、動作プログラムおよび球径等のデータを入力する入出力装置52とからなっている。
【0050】
上部支持台11は、水平な面を有する板状で金属製のテーブルであり、上部支持台11は、金属製で凹凸の非常に少ない上面を有し、この上面に前後方向が長手方向となるように一対の案内レール41が設置されている。各案内レール41に一対のボール保持器42が前後方向に移動可能に案内され、これらのボール保持器42上に第2移動台12が設置されている。第2移動台12は、水平な面を有する板状で金属製のテーブルであり、第2移動台12は、金属製で凹凸の非常に少ない上面を有し、この上面に左右方向が長手方向となるように一対の案内レール21が設置されている。各案内レール21に一対のボール保持器22が左右方向に移動可能に案内され、これらのボール保持器22上に第1移動台13が設置されている。第1移動台13は、水平な面を有する板状で金属製のテーブルであり、第1移動台13は、金属製で凹凸の非常に少ない上面を有する。第1移動台13上には四角形状の枠30が設けられ、この枠30は固定ブラケット14を介して上部支持台11に固定されている。
【0051】
第1の実施形態および第2の実施形態において、内枠30と称したものを、第3の実施形態では、枠30と称する。枠30は、後述する第1縦方向調整板36および第1横方向調整板35を備えた本格的なものであり、内枠30は、第1縦方向調整板36および第1横方向調整板35を持たない簡易なものである。
【0052】
図7および図8に示すように、枠30は、金属製で四角形状の枠状のもので、この内側に球55が縦4列、横5列配置される。枠30は、左右方向に延びる左右板31、34と、前後方向に延びる前後板32、33とからなる。枠30は、左右板31、34の両端に連結ボルト37で前後板32、33を連結した簡単なものである。
【0053】
左右板31、34の両端には、上下方向に等間隔に嵌合溝31dが形成され、嵌合溝31d間で嵌合突起31eが形成されている。同じ様に、前後板32、33の両端には、上下方向に等間隔に嵌合溝32d、33dが形成され、嵌合溝32d、33d間で嵌合突起32e、33eが形成されている。嵌合溝31dは嵌合突起32e、33eに対応する位置に形成され、嵌合溝32d、33dは嵌合突起31eに対応する位置に形成されている。この結果、嵌合溝31dに嵌合突起32e、33eが嵌り、嵌合溝32d、33dに嵌合突起31eが嵌る。上部の嵌合突起32e、33eには、上下方向に貫通した挿通穴32f、33fが形成され、上部の嵌合突起31eには挿通穴32f、33fに対応する位置でネジ穴31gが形成されている。連結ボルト37を、挿通穴32f、33fに挿通し、さらにネジ穴31gにねじ込むことによって、左右板31、34および前後板32、33を一体化できるようになっている。
【0054】
図7図9および図10に示すように、前後板32、33の前側には、第1縦方向調整板36が前後方向に移動可能に案内され、左右板31、34の右側には、第1横方向調整板35が左右方向に移動可能に案内されている。前後板32、33の前側には、前後方向に案内溝32b、33bが形成され、第1縦方向調整板36の前後板32側の一端には、案内溝32b側へ突出してこれに係合する案内部36bが形成されている。左右板31、34の右側には、左右方向に案内溝31b、34bが形成され、第1横方向調整板35の左右板31側の一端には、案内溝31b側へ突出してこれに係合する案内部35bが形成されている。可動用左右板36および可動用前後板35が互いに干渉しないように、第1縦方向調整板36の右側に櫛の歯36aが形成され、第1横方向調整板35の前側に櫛の歯35aが形成され、歯36aおよび歯35aは互いに上下方向にずれて設けられている。歯35aは案内溝34bに係合し、歯36aは案内溝33bに係合している。案内溝34bの延長線上に嵌合溝34dが形成され、案内溝33bの延長線上に嵌合溝33dが形成されている。
【0055】
前後板32、33の前側上部には、上下方向に貫通し前後方向に縦長の長穴32a、33aが形成されている。案内部36bおよび歯36aには、ネジ穴36cが形成されている。調整ボルト38を長穴32a、33aに挿通し、ネジ穴36cにねじ込むことにより、第1縦方向調整板36が前後板32、33に固定されるようになっている。
【0056】
左右板31、34の右側上部には、上下方向に貫通し左右方向に横長の長穴31a、34aが形成されている。案内部35bおよび歯35aには、ネジ穴36cが形成されている。調整ボルト38を長穴31a、34aに挿通し、ネジ穴36cにねじ込むことにより、第1横方向調整板35が左右板31、34に固定されるようになっている。
【0057】
図5および図6に示すように、第1駆動装置20は、枠30に連結されたネジ軸23と、ネジ軸23に螺合する第2プーリ24と、第2プーリ24と平行に設けられた第1プーリ25と、第1プーリおよび第2プーリ24に掛け渡された駆動ベルト26と、第1プーリ25を回転駆動する第1モータ27と、第1モータ27に印加する電流を制御する第1駆動回路53とからなっている。
【0058】
第1移動台13の右側面には第1案内部材28が固定され、第1案内部材28には前後方向に案内溝29が形成されている。ネジ軸23の一端には、案内溝29へ突出しこれに係合する係合部23aが形成されている。案内溝29に係合部23aが係合することにより、ネジ軸23の左右方向の移動を第1移動台13に伝えることができ、ネジ軸23に対する第1移動台13の前後方向の移動を許容することができる。第1プーリ25および第2プーリ24は、上部支持台11に取り付けられた図略の第1ブラケットを介して回転可能に軸承されている。第1ブラケットには第1モータ27が取付けられ、第1モータ27はこれの回転量を第1駆動回路53へ出力できるサーボモータタイプのものが使用される。第1駆動回路53は制御装置51からの移動指令量を受け取り、この移動指令量に応じた電流を発生させるものである。
【0059】
第2駆動装置40は、枠30に連結されたネジ軸43と、ネジ軸43に螺合する第2プーリ44と、第2プーリ44と平行に設けられた第1プーリ45と、第1プーリ45および第2プーリ44に掛け渡された駆動ベルト46と、第1プーリ45を回転駆動する第2モータ47と、第2モータ47に印加する電流を制御する第2駆動回路54とからなっている。
【0060】
第1移動台13の後ろ側面には第2案内部材48が固定され、第2案内部材48には左右方向に案内溝49が形成されている。ネジ軸43の一端には、案内溝49へ突出しこれに係合する係合部43aが形成されている。案内溝49に係合部43aが係合することにより、ネジ軸43の前後方向の移動を第1移動台13に伝えることができ、ネジ軸43に対する第1移動台13の左右方向の移動を許容することができる。第1プーリ45および第2プーリ44は、上部支持台11に取り付けられた図略の第2ブラケットを介して回転可能に軸承されている。第2ブラケットには第2モータ47が取付けられ、第2モータ47はこれの回転量を第2駆動回路54へ出力できるサーボモータタイプのものが使用される。第2駆動回路54は制御装置51からの移動指令量を受け取り、この移動指令量に応じた電流を発生させるものである。
【0061】
制御装置51は、例えばパソコン本体のマザーボードにコントロールボードを差し込んだものが使用される。コントロールボードには、第1駆動回路53および第2駆動回路54が接続される。パソコン本体には、後述するメイン画面および設定画面を表示する表示プログラムと、コントロールボードを作動させる動作プログラムと、球55の外径等のデータを格納する格納プログラムと、球55の外径等のデータとが格納されている。
【0062】
入出力装置52は、例えばパソコンのマウス、キーボードおよび液晶画面が使用される。液晶画面には、図11の(1)に示すようなメイン画面、または図11の(2)に示すような設定画面が表示されるようになっている。メイン画面には、移動台原点移動ボタン56a、検査用球転がしボタン56b、設定ボタン56c、第2移動台各個動作の+ボタン、−ボタン、第1移動台各個動作の+ボタン、−ボタンが設定されている。設定ボタン56cを押すと設定画面へ移るようになっている。設定画面には、球径D入力項目57a、第2移動台の減速比m入力項目57b、第1移動台の減速比n入力項目57c、第2移動台の速度入力項目、第1移動台の速度入力項目、前画面ボタン56dが設定されている。前画面ボタン56dを押すとメイン画面に戻るようになっている。
【0063】
制御装置51には、図12のフローに示すような格納プログラムが入っており、設定画面で球径D入力項目57aに球径Dを入力し、エンターを押すと球径Dが格納されるようになっている。
【0064】
制御装置51には、図13のフローに示すような球検査用球転がし動作プログラムが入っており、メイン画面で検査用球転がしボタン56bを押すと、この動作プログラムが実行されるようになっている。
【0065】
制御装置51には、図14のフローに示すような第2移動台動作プログラムが入っており、図13のステップ60a、60d、60fを実行するときに、図14のフローに従って実行されるようになっている。
【0066】
制御装置51には、図15のフローに示すような第1移動台動作プログラムが入っており、図13のステップ60b、60c、60e、60gを実行するときに、図15のフローに従って実行されるようになっている。
【0067】
制御装置51には、第1移動台原点移動動作プログラムおよび第2移動台原点移動動作プログラムが入っており、メイン画面で第2移動台原点移動ボタン56aを押すと、これらの動作プログラムがほぼ同時に実行されるようになっている。
【0068】
第1移動台12には図略のゴム製のパッドが載置され、パッドには、球55の重力が作用し、パッド自体の摩擦係数が高いので、パッドに対して球55は転がる。これに対して、球55はセラミックス製で摩擦係数が小さく、枠30は金属製で摩擦係数が小さいので、枠30に対し球55は滑る。球55間でも滑りが発生する。すなわち、パッドを前後方向に移動させると、球55は枠30によって前後方向の移動が止められているので、球55はパッド上を転がりながら、球55は枠30に対して滑り、球55同士で滑りが発生する。また、パッドを左右方向に移動させると、球55は枠30によって左右方向の移動が止められているので、球55はパッド上を転がりながら、球55は枠30に対して滑り、球55同士で滑りが発生する。
【0069】
次に第3の実施形態の動作について説明する。第1移動台13が図5の右にあり、第2移動台12が図5の上にある状態で、枠30へ一斉に複数の球55を投入し、可動用左右板36を後ろ側へ移動させ、可動用前後板35を左側へ移動させ、可動用左右板36および可動用前後板35をこの位置で固定ボルト38により固定する。こうして枠30の内側に球55が縦4列、横5列配置され、図5に示す状態となる。
【0070】
作業者は、図11の(1)のメイン画面で設定ボタン56cを押す。図11の(2)の設定画面となり(図12のステップ63a)、球径D入力項目57aへ球径Dをキーボートを使用して入力する(ステップ63b)。キーボードのエンターキーを押すと、ステップ63cでYesとなり、球径Dが制御装置51のメモリに格納される(ステップ63d)。
【0071】
続いて作業者は、設定画面の前画面ボタン56dを押し、図11の(1)のメイン画面に切り替える。メイン画面の検査用球転がしボタン56bを押し、図13のフローに示す球検査用球転がし動作プログラムが実行される。ステップ60a、60d、60fの実行時に図14の第2移動台動作プログラムが実行され、ステップ60b、60c、60e、60gの実行時に図15の第1移動台動作プログラムが実行される。
【0072】
第2移動台動作プログラムで球55を1回転させる場合は、k=1であり、球55を45度回転させる場合は、k=0.125である。
【0073】
図14を使用して例えば第2移動台12の移動により球55を1回転させる場合を説明する。球径Dが呼び出され(ステップ61a)、球径Dおよびk=1により枠の移動量Sが算出される(ステップ61b)。第2移動台の減速比mが呼び出され(ステップ61c)、移動量Sおよび減速比mにより第2移動台12の移動指令量Pが算出される(ステップ61d)。制御装置51から第2駆動回路54へ移動指令量Pが送信され(ステップ61e)、この移動指令量Pに応じた電流が第2駆動回路54から第2モータ47に印加される。図5において、第2モータ47は第1プーリ45および駆動ベルト46を介して第2プーリ44を回転駆動し、第2プーリ44に螺合するネジ軸43が第1移動台13および第2移動台12とともに後ろ方向へ移動する。これによって、球55が前方向へ1回転する。第2モータ47の回転量信号は、常に第2モータ47より第2駆動回路54へ送信され、移動指令量P分だけ第2モータ47が作動すると、第2駆動回路54から制御装置51へ移動完了指令が送信され、ステップ61fがYesとなると、第2移動台12の現在位置Yが第2移動台12の移動量Sを加算した値に書き換えられる(ステップ61g)。
【0074】
第1移動台動作プログラムで球55を1回転させる場合は、j=1であり、球55を90度回転させる場合は、j=0.25である。
【0075】
図15を使用して例えば第1移動台12の移動により球55を90度回転させる場合を説明する。球径Dが呼び出され(ステップ62a)、球径Dおよびj=0.25により枠の移動量Tが算出される(ステップ62b)。第1移動台の減速比nが呼び出され(ステップ62c)、移動量Tおよび減速比nによりパッドの移動指令量Qが算出される(ステップ62d)。制御装置51から第1駆動回路53へ移動指令量Qが送信され(ステップ62e)、この移動指令量Qに応じた電流が第1駆動回路53から第1モータ27に印加される。図5において、第1モータ27は第1プーリ25および駆動ベルト26を介して第2プーリ24を回転駆動し、第2プーリ24に螺合するネジ軸23が第1移動台13とともに左方向へ移動する。これによって、球55が右方向へ1回転する。第1モータ27の回転量信号は、常に第1モータ27より第1駆動回路53へ送信され、移動指令量Q分だけ第1モータ27が作動すると、第1駆動回路53から制御装置51へ移動完了指令が送信され、ステップ61fがYesとなると、第1移動台13の現在位置Xが第1移動台13の移動量Tを加算した値に書き換えられる(ステップ62g)
【0076】
球検査用球転がし動作プログラムに戻り、図13を使用してこの動作プログラムによる動作を説明する。第2移動台12を後ろ方向へ球1回転分移動させ(ステップ60a)、続いて第1移動台13を左方向へ球1回転分移動させる(ステップ60b)。第1移動台13を左方向へ球90度回転分移動させ(ステップ60c)、第2移動台12を後ろ方向へ球45度回転分移動させ(ステップ60d)、第1移動台13を右方向へ球90度回転分移動させ(ステップ60e)、第2移動台12を前方向へ球1回転分移動させ(ステップ60f)、第1移動台13を右方向へ球1回転分移動させる(ステップ60g)。
【0077】
図16を使用して球55の目視検査状態を説明する。ステップ60aの開始前は、球55は球55aに示す位置にある。ステップ60aによって球55は前方向へ1回転し、ステップ60a後は球55は球55bに示す位置にあり、縦の2本線間が目視検査済となる。ステップ60bによって球55は右方向へ1回転し、ステップ60b後は球55は球55cに示す位置にあり、横の2本線間が新たな目視完了済となる。球55cには縦横の十字の目視完了の2本線が入っている。
【0078】
ステップ60cによって球55は右方向へ90度回転し、ステップ60c後は球55は球55dに示す位置にある。ステップ60dによって球55は前方向へ45度回転し、ステップ60d後は球55は球55eに示す位置にある。ステップ60eによって球55は左方向へ90度回転し、ステップ60e後は球55は球55fに示す位置にある。球55fには直交する2つの斜め方向の十字に2本線が入っている。球55cの状態から球55が45度回転して球55fの状態になったことが分かる。
【0079】
ステップ60fによって球55は後ろ方向へ1回転し、ステップ60f後は球55は球55gに示す位置にあり、縦の2本線間が新たな目視完了済となる。ステップ60gによって球55は左方向へ1回転し、ステップ60g後は球55は球55hに示す位置にあり、横の2本線間が新たな目視完了済となる。球55hには、直交する2つの斜め方向の十字にさらに縦横の十字が入る。このようにすれば、目視範囲の重なりを最低限にしながら見落としなく球55の全面を効率良く見ることができる。また、枠30を移動させないので、作業者の顔を固定して球55を検査することができ、球55の不具合の見落としが少ない。
【0080】
上下の重なった2箇所を軸に45度回転させる理由について詳細に説明する。球55を前方向に1回転させ、続いて球55を右方向に1回転させると、見た範囲の重なるところが上下の2箇所に出来る。このまま前方向に1回転、右方向に1回転させると、同じところを見ることなり、好ましくない。上下の重なった2箇所を軸に45度回転させてから前方向に1回転、右方向に1回転させると、先ほどと異なるところを見ることができ、球55の全面を見ることが可能となる。前述した右方向に90度回転、前方向に45度回転、左方向に90度回転は、上下の重なった2箇所を軸に直接45度回転させる動作と同じことが得られる動作である。45度回転させる動作を、縦横方向に球55をそれぞれ1回転させる1回目の動作と、横縦方向に球をそれぞれ1回転させる2回目の動作間に入れた。
【0081】
球検査用球転がし動作が完了すると、作業者は図11の(1)のメイン画面の移動台原点移動ボタン56aを押す。第1移動台原点移動動作プログラムおよび第2移動台原点移動動作プログラムが順次実行される。これらの動作プログラムが高速処理されるので、実際は第1移動台13および第2移動台12の移動開始が同時に行われたように見える。第1移動第3および第2移動台12は、図5に示す位置へ復帰する。
【0082】
作業者は、転がる複数の球55を目視し、複数の球55の中から一際異なるものを探す。色、傷等の一際異なるものを発見すると、その場でペン等で球55にマークが入れられる。球55の検査用転がりが完了した時点で、マークの入った球55を異常ボックスへ回収し、マークの入っていない球55を一斉に良品ボックスへ回収する。
【0083】
本発明はこうした実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施し得ることは勿論である。
【0084】
上述した第1の実施形態から第3の実施形態において、縦横の回転を、1回転と設定したが、1回転プラス0.5n回転に設定しても良い。90度と設定したが、90度プラス0.5に設定しても良い。45度と設定したが、45度プラス0.5n回転に設定しても良い。nは整数であり、nは0であったり、1であったり、2であったりしても良い。つまり、見た範囲を示す2本線が入った球55を、360度回転させようが、720度回転させようが、前記見た範囲を示す2本線が同じ位置に来る。これと同じように、見た範囲を示す2本線が入った球55を、360度回転させようが、540度回転させようが、見た範囲を示す2本線が同じ位置に来る。この場合は、先に転がした方向と直交する方向に転がすと言う前提条件が必要である。前述したnは、見落としが少ない場合は、n=0でも良く、見落としが多い場合は、n=2にする。
【符号の説明】
【0085】
13:第2移動台(載置用台)、14:載置用台、27:第1モータ(移動装置)、30:枠、47:第2モータ(移動装置)、51:制御装置(移動装置)、53:第1駆動回路(移動装置)、54:第2駆動回路(移動装置)、55:球、60a:ステップ(第1動作手段)、60b:ステップ(第1動作手段)、60c:ステップ(第2動作手段)、60d:ステップ(第2動作手段)、60e:ステップ(第2動作手段)、60f:ステップ(第3動作手段)、60g:ステップ(第3動作手段)、70:ガイド(案内装置)、72a:第1前後板(第1案内部)、72b:第1前後板(第1案内部)、73a:第2左右板(第1案内部、第2案内部)、73b:第2左右板(第1案内部、第2案内部)、74a:第2前後板(第2案内部)、74b:第2前後板(第2案内部)、75a:第3左右板(第2案内部、第3案内部)、75b:第3左右板(第2案内部、第3案内部)、76a:第3前後板(第3案内部)、76b:第3前後板(第3案内部)
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