特許第5834814号(P5834814)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5834814
(24)【登録日】2015年11月13日
(45)【発行日】2015年12月24日
(54)【発明の名称】異物除去装置
(51)【国際特許分類】
   B08B 5/00 20060101AFI20151203BHJP
   H01L 21/304 20060101ALI20151203BHJP
【FI】
   B08B5/00 A
   H01L21/304 645A
   H01L21/304 648L
【請求項の数】7
【全頁数】26
(21)【出願番号】特願2011-254005(P2011-254005)
(22)【出願日】2011年11月21日
(65)【公開番号】特開2013-107041(P2013-107041A)
(43)【公開日】2013年6月6日
【審査請求日】2014年9月25日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100112210
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100108431
【弁理士】
【氏名又は名称】村上 加奈子
(74)【代理人】
【識別番号】100153176
【弁理士】
【氏名又は名称】松井 重明
(74)【代理人】
【識別番号】100109612
【弁理士】
【氏名又は名称】倉谷 泰孝
(72)【発明者】
【氏名】坂田 勲
【審査官】 芝井 隆
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2007/007407(WO,A1)
【文献】 特開2010−058032(JP,A)
【文献】 特開2004−195399(JP,A)
【文献】 特開2002−166239(JP,A)
【文献】 特開2001−135610(JP,A)
【文献】 特開平09−150120(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B80B 3/00
B08B 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板表面に対し異物の除去処理を行う異物除去装置であって、前記処理を行う際に前記基板上部に該基板面と所定の距離の隙間を空けて対向して配置され、当該所定の距離を保ち対向したまま該基板に対して相対的に移動される異物飛散防止板と、前記異物飛散防止板の外周に前記基板面に向かって突出して設けられ前記基板面と異物飛散防止板間の前記隙間を囲む囲い板と、前記異物飛散防止板の前記基板面と対向する面側に開口して設けられ前記基板の表面にエアーを射出するエアー射出部と、前記異物飛散防止板における前記エアー射出部と前記囲い板の間に開口して設けられ前記隙間内のエアーを吸引するエアー吸引部とを備え
前記異物飛散防止板は、前記基板の相対的進行方向と垂直方向の長手方向を有した長方形を有し、前記エアー射出部の開口は、前記基板の幅に相当する長さの長手方向を前記基板の相対的進行方向と垂直方向に有したスリット状に設けられ、
前記エアー吸引部は、少なくとも前記エアー射出部に近接して配置されるメインエアー吸引部を備え、当該メインエアー吸引部の開口は、前記スリット状よりなるエアー射出部の開口を該開口の短手方向の両側より挟むとともに前記エアー射出部の開口の長手方向と平行する長手方向を有した一対のスリット状に設けられ、
前記エアー射出部および前記エアー吸引部における前記処理を行う基板が配置される側には、エアー射出角度あるいはエアー吸込み角度を規制する整流板が設けられ、
前記整流板は、前記異物飛散防止板の長手方向と平行の長手方向を有した複数の長方形の板が同じ傾斜方向に傾斜して配列して構成される
ことを特徴とする異物除去装置。
【請求項2】
整流板の複数の長方形の板が傾斜する方向は、下側に向かうにつれて囲い板に近づく方向に傾斜して配置されることを特徴とする請求項1に記載の異物除去装置。
【請求項3】
整流板の複数の長方形の板が傾斜する方向は、下側に向かうにつれて基板に対する相対的進行方向に傾斜して配置されることを特徴とする請求項1に記載の異物除去装置。
【請求項4】
整流板に対して近接して配置される囲い板が、当該近接して配置される前記整流板の傾斜方向と同じ方向に傾斜して配置されることを特徴とする請求項1から請求項3の何れかに記載の異物除去装置。
【請求項5】
エアー吸引部は、エアー射出部に近接して配置されるメインエアー吸引部に加えて、異物飛散防止板に複数取り付けられたサブエアー吸引部を備えることを特徴とする請求項1から請求項4の何れかに記載の異物除去装置。
【請求項6】
メインエアー吸引部からのエアー吸引量に比べ、サブエアー吸引部からのエアー吸引量が大きいことを特徴とする請求項5に記載の異物除去装置。
【請求項7】
基板の表面に射出するエアー射出部からのエアー射出量に比べ、エアー吸引部からのエアー吸引量が多いことを特徴とする請求項1から請求項6の何れかに記載の異物除去装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガラス基板やシリコン基板などの電子製品用の基板の表面に存在する異物を除去する異物除去装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、ガラスなどのワーク表面の異物(あるいは塵芥)を吸引除去する異物除去装置(あるいは除塵装置)として、特許文献1では、噴出ノズルと吸引ノズルが設けられた除塵ヘッドをワーク表面に対して近接して動作することにより、ワーク表面にクリーンエアー(異物や水分濃度の管理された乾燥空気を意味し、以下、エアーと省略)を吐出してワーク表面に存在する塵芥を除塵ヘッドとワークの間の空間に浮遊させた後、浮遊した塵芥を吸引ノズルにより吸引除去する除塵装置が開示されている。この特許文献1に記載の除塵装置では、より詳細には、噴出ノズルと吸引ノズルが設けられた除塵ヘッドの構造として、ワーク表面に対向する面を有したヘッド面と、そのヘッド面に取り付けられ、ワークの相対的な移動方向に沿って、エアーを吸引する第1の吸引ノズルと、エアーを吐出する吐出ノズルと、エアーを吸引する第2の吸引ノズルとが順次配置された構造を有している。このような吐出ノズルに対し、前後に配置される二つの吸引ノズルを有した構造とすることにより、吐出エアーおよびそれにより浮遊されたが塵芥が、除塵ヘッドの前後方向に漏れにくい構造であるため、ワーク表面や周囲環境を再汚染しにくくすること、あるいは、二つの吸引ノズルにより吸引力を強めることでワークとの間の間隔を広く設定でき、ワークの吸着や損傷のおそれをなくすとともに、ワーク保持機構を簡略化することを効果として狙うものである。また、異物除去の対象分野は異なるが、広い意味では異物除去装置(あるいは除塵装置)となる道路における塵埃を集塵する掃除機に関して、特許文献2では、走行輪により支持されワークとなる路面と対向し合い下方が開放された防塵スカートと、防塵スカートの側面部に取り付けられた吸引パイプと、防塵スカート内でワークとなる路面へ向けて空気を噴射する第1噴射ノズルとを備えた異物除去装置(あるいは除塵装置)が開示されている。この除塵装置においても、防塵スカート内でワークとなる路面へ向けて圧縮空気を噴射してワーク上の塵埃や小石などを吹き飛ばすとともに、防塵スカート内で舞い上げた粉塵などを吸引パイプにより集塵するものである。また、この除塵装置においては、ワークとなる路面上を走行する走行輪により支持される防塵スカートを備えることで粉塵などを周辺へ舞い上げることなく、確実に集塵できる旨が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11−104586号公報
【特許文献2】実用新案登録第3070300号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
然しながら、特許文献1の除塵装置では、ワークの吸着や損傷のおそれをなくすとともに、ワーク保持機構を簡略化することを効果として狙うことから、ワーク表面と除塵ヘッド(詳細にはヘッド面)との間隔に対し、吸引ノズルによる吸引力の相対的な強さを余り大きく設定することができない。その結果、除塵ヘッドのヘッド面とワーク表面の間において、吸引ノズルにより吸引されるまでの間、塵芥が浮遊することとなる空間が比較的広く存在することになる。特に異物の除去能力、即ち、除塵能力を上げるために、エアー射出を強くしすぎると、塵芥が浮遊することとなる空間がより広くなる。その結果、たとえ特許文献1の除塵装置のように吐出ノズルに対し、前後に配置される二つの吸引ノズルを有し、除塵ヘッドの前後方向に塵芥が漏れにくい構造であったとしても、基本的には、特許文献1の除塵ヘッドにおいては、ヘッド面の外側に対して特に障害がなく解放された構成であることから、浮遊する塵芥が除塵ヘッドのヘッド面とワーク表面の間よりも外側まで拡散してしまうことも発生しうる。即ち、ワーク表面や周囲環境を再汚染してしまうことが懸念される。また、逆に、塵芥の拡散による再汚染を懸念して、エアー射出を減らすと、ワーク表面に固着した異物に作用する力が弱くなり、異物の除去能力については低下してしまうことになる。特に特許文献1の構成の場合には、エアー射出を減らしてしまうと、エアーがワーク表面上を殆ど移動することなく、すぐに前後に配置される二つの吸引ノズルにより吸引されてしまうことになる。その結果、射出されるエアーによってワーク表面の異物に充分に力を作用することができない。つまり、特許文献1の除塵装置では、ワーク表面や周囲環境への再汚染発生の無い異物除去と、ワーク表面に固着した異物に対する効果的な除去について両立することができず、結果的には、充分な異物除去能力を発揮することはできなかった。
【0005】
また、特許文献2の除塵装置(掃除機)では、ワークとなる路面上を走行輪により走ることにより、ワークとの距離が保たれる防塵スカートにより、粉塵などを周辺へ舞い上げることを防止できることになっており、浮遊する塵芥が防塵スカートとワーク表面の間よりも外側まで拡散してしまうことを比較的防止できる構成となっている。然しながら、特許文献1の除塵装置とは逆に、ワークとなる路面へ向けて空気を噴射する第1噴射ノズルと、防塵スカートの側面部に取り付けられた吸引パイプとが防塵スカート内で比較的離れて配置されている。その結果、防塵スカート内における塵芥が浮遊することとなる空間がかなり広くなる。従って、たとえ特許文献2の除塵装置のように防塵スカート内に第1噴射ノズルと吸引パイプが配置され、塵芥が漏れにくい構造であったとしても、例えば防塵スカート内の吸引パイプが取り付けられる反対側近傍において、浮遊する塵芥が防塵スカートよりも外側まで拡散してしまうことも発生しうる。即ち、ワーク表面や周囲環境を再汚染してしまうことが懸念される。更に、特許文献2の除塵装置では、そもそも、異物の除去対象となるワークが路面であり、ガラスなどがワークの場合とは大きく異なっていることから、単純に転用することはできない。例えば、防塵スカートは、ワーク上を走行輪により走ることにより、ワークとの距離が保たれる構成を採用していることから、液晶表示装置の製造に用いられるガラス基板の異物除去に転用した場合には、ワークであるガラス基板上を走行輪により走りながら処理することとなる。然しながら、液晶表示装置の製造に用いられるガラス基板の場合、接触により傷などを発生し易く、更に接触による異物付着などでさえ歩留り低下に直結し問題となる。従って、このようにガラス基板上を走行輪により走りながら異物除去処理を実施した場合、走行輪表面を介してガラス表面に傷や異物付着を生じてしまい実用には耐えない。よって、結論としては、特許文献2の除塵装置を、ガラスなどの異物除去装置に転用すること自体に無理がある。なお、上記の問題点は、液晶表示装置用のガラス基板のみならず、シリコン基板なども含めた電子製品用の基板に共通する問題である。
【0006】
以上説明のとおり、特許文献1あるいは特許文献2の除塵装置(あるいは掃除機)では、ガラス基板やシリコン基板などの表面に存在する異物を除去対象とする充分な異物除去能力を備えておらず、従来においては、ガラス基板やシリコン基板などの表面に存在する異物を除去対象とする充分な異物除去能力を有した適当な異物除去装置(あるいは除塵装置)は存在しなかった。
【0007】
この発明は、上述のような問題を解決するために為されたもので、ガラス基板やシリコン基板などの電子製品用の基板の表面に存在する異物を除去する異物除去装置において、エアー射出による異物への除去作用を維持しながらも異物の拡散による再汚染を防止し、充分な異物除去能力を有した異物除去装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の異物除去装置においては、異物除去処理を行う際に基板上部に隙間を空けて対向して配置され、該基板に対して相対的に移動される異物飛散防止板と、異物飛散防止板の外周に設けられる囲い板と、異物飛散防止板に開口して設けられるエアー射出部と、エアー射出部と囲い板の間に開口して設けられるエアー吸引部とを備え、異物飛散防止板は、基板の相対的進行方向と垂直方向の長手方向を有した長方形を有し、エアー射出部の開口は、基板の幅に相当する長さの長手方向を基板の相対的進行方向と垂直方向に有したスリット状に設けられ、エアー吸引部は、エアー射出部に近接して配置されるメインエアー吸引部を備え、このメインエアー吸引部の開口は、スリット状よりなるエアー射出部の開口を該開口の短手方向の両側より挟むとともにエアー射出部の開口の長手方向と平行する長手方向を有した一対のスリット状に設けられ、エアー射出部およびエアー吸引部における基板が配置される側には、エアー射出角度あるいはエアー吸込み角度を規制する整流板が設けられ、この整流板は、異物飛散防止板の長手方向と平行の長手方向を有した複数の長方形の板が同じ傾斜方向に傾斜して配列して構成されるものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明は、異物除去装置において、エアー射出による異物への除去作用を維持しながらも異物の拡散を抑制し、基板より異物を除去する作用を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の実施の形態1の異物除去装置の説明図である。
図2】本発明の実施の形態1の異物除去装置の説明図である。
図3】本発明の実施の形態1の異物除去装置における異物除去ヘッド部の説明図である。
図4】本発明の実施の形態1の異物除去装置における異物除去ヘッド部の説明図である。
図5】本発明の実施の形態1の異物除去装置の動作について説明するための説明図である。
図6】本発明の実施の形態2の異物除去装置の説明図である。
図7】本発明の実施の形態2の異物除去装置の動作について説明するための説明図である。
図8】本発明の変形例の異物除去装置の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
実施の形態1.
本発明を適用した実施の形態1の異物除去装置の構成について図1図4を用いて説明する。ここで、図1は本実施の形態1の異物除去装置の要部断面図とその他の構成との接続関係を示した概略説明図、図2は当該異物除去装置の要部平面図とその他の構成との接続関係を示した概略説明図であり、図3および図4は本実施の形態1の異物除去装置の特に異物除去ヘッド部の詳細説明図および要部詳細説明図である。なお、図は模式的なものであり、示された構成要素の正確な大きさなどを反映するものではない。また、図中、既出の図において説明したものと同一の構成には同一の符号を付し、その説明を省略する。以下の図においても同様とする。
【0012】
図1および図2に示されるように、本実施の形態1の異物除去装置は、当該異物除去装置が異物除去処理を行う対象となる処理物である基板1を載せて保持するステージ2を備えている。なお、基板1としては、液晶表示装置などに用いられる基板であるガラス基板や半導体装置に用いられるシリコン基板などが異物除去処理を行う対象の基板として適用することができる。また、これら液晶表示装置や半導体装置の製造途中における微細パターンなどが表面に形成された状態の基板であっても良く、電子製品用の基板全般を異物除去処理の対象基板として用いることができる。本実施の形態1では、1例として0.7mm程度の基板厚を有したガラス基板を対象とした場合について説明する。また、図1および図2は、ステージ2上に保持された基板1に異物除去処理を行う際における、基板1の周辺部付近に対して異物除去処理が行われている最中の状態を示している。図示されるとおり、本実施の形態1の異物除去装置では、この基板1およびステージ2の上部には、異物除去処理の際において、この基板1面およびステージ2面と所定距離の隙間を空けて対向して配置される異物飛散防止板3と、この異物飛散防止板3の外周に基板1面およびステージ2面に向かって突出して設けられ基板1面およびステージ2面と異物飛散防止板3間の前記の所定距離の隙間を囲む囲い板4と、異物飛散防止板3の基板1面およびステージ2面と対向する面側に開口して設けられ基板1の表面にエアーを射出するエアー射出部5と、異物飛散防止板3におけるエアー射出部と囲い板4の間に開口して設けられ前記の隙間内のエアーを吸引するエアー吸引部とを備えている。
【0013】
なお、上記説明の其々の構成の役割を簡単に説明すると、エアー射出部5は、基板1表面に向かってエアー射出し、基板1表面に存在する異物に対し、特に基板1表面に固着される異物に対して、この射出されるエアーが作用し基板1の表面より引き剥がす役割をしている。更に、異物飛散防止板3と異物飛散防止板3の周囲にスカート状に設けられる囲い板4は、異物処理時において、その下端が基板1の表面あるいはステージ2面と接触しない程度に近接して設けられており、エアー射出部5からのエアー射出により基板1の表面より引き剥がされた異物について、基板1面およびステージ2面と異物飛散防止板3間の隙間の特に囲い板4より内側の空間内に閉じ込め、異物の飛散を防止する役割をしている。また、エアー吸引部は、この基板1の表面より除去されて囲い板4より内側の空間内に閉じ込められた異物をエアーとともに吸引し外部へ排出する役割をしている。以降の説明において、その他の構成との関係での詳細な動作などを含め説明を補足するが、基本的には、以上説明の其々の役割が行われることによって、基板1表面に存在する異物を除去する異物除去処理が行われる。
【0014】
本実施の形態1では、基板1面およびステージ2面と異物飛散防止板3間の隙間内のエアーを吸引するエアー吸引部は、図1に示すとおり、エアー射出部5に近接して配置されエアー射出口5aを挟むように一対設けられているメインエアー吸引部6と、異物飛散防止板3のエアー射出部5と囲い板4間の更にメインエアー吸引部6と囲い板4間に複数開口して取り付けられたサブエアー吸引部7とからなっている。
【0015】
また、エアー射出部およびエアー吸引部における下側、即ち、処理を行う基板1が配置される側には、エアー射出角度あるいはエアー吸込み角度を規制する整流板8が設けられる。更に、異物飛散防止板3、囲い板4、および整流板8上部には、エアー射出部5、メインエアー吸引部6、およびサブエアー吸引部7などを収納する筐体9などを適宜配置し、これら異物飛散防止板3、囲い板4、エアー射出部5、メインエアー吸引部6、サブエアー吸引部7、整流板8および筐体9により異物除去ヘッド部10を構成する。
【0016】
続いて、図3および図4も適宜用いて本実施の形態1の異物除去装置の詳細部分の具体的構成について説明する。先に述べたとおり、図3は異物除去ヘッド部10の詳細説明図であり、図3(a)は、異物除去ヘッド部10の平面図に対応し、図3(b)は、異物飛散防止板3の基板1面およびステージ2面と対向する面側から、即ち、異物除去ヘッド部10の下面側からの平面図に対応する。また、こちらも先に述べたとおり、図4は異物除去ヘッド部10の要部詳細説明図であり、図4(a)は、異物除去ヘッド部10の特に異物飛散防止板3、囲い板4、エアー射出部5、メインエアー吸引部6についての上面斜視図に対応し、図4(b)は、異物飛散防止板3の下部に配置される整流板8のみについての上面斜視図に対応する。なお、図3(b)では、異物飛散防止板3に設けられるエアー射出部5、メインエアー吸引部6、およびサブエアー吸引部7の開口の図示を優先して、整流板8の構成の図示を省略している。
【0017】
エアー射出部5の具体的な構成としては、図2および図3(b)に示すとおり、異物飛散防止板3のステージ2面と対向する面側にスリット状に設けられた開口であるエアー射出口5aが設けられている。エアー射出口5aは、基板1を載せたステージ2がエアー射出口5aに対して移動しながら基板1の全面にエアーが射出できるように、スリット状の開口の長手方向は、基板1およびステージ2の進行方向(図1および図2中の基板1およびステージ2に矢印で方向を示しているとおり、図中+X方向)に対して垂直方向(図中Y方向に平行な方向)に配置されており、基板1の幅に相当する長さに形成されている。更に、図1および図2に示すとおり、エアー供給源5bより電空レギュレータ5cを介してエアーがエアー射出部5に供給され、エアー射出口5aより基板1の表面にエアーが射出される。エアー供給源5bとしては、異物や水分濃度の管理された乾燥空気を充填した乾空ボンベや、水分、異物などを除去するフィルターとエアーを昇圧する昇圧ポンプとを組み合せた構成などを用いることができる。
【0018】
また、本実施の形態1におけるの基板1面およびステージ2面と異物飛散防止板3間の隙間内のエアーを吸引するエアー吸引部の具体的な構成としては、図1および図2に示すとおり、エアー射出部5に近接して配置されるメインエアー吸引部6と、異物飛散防止板3に複数取り付けられたサブエアー吸引部7とからなる。更に、メインエアー吸引部6は、図3(b)の異物除去ヘッド部10の下面側からの平面図に示すとおり、スリット状よりなるエアー射出口5aを短手方向の両側より挟むとともにエアー射出口5aの長手方向と平行する長手方向を有した一対のスリット状に設けられた開口であるメインエアー吸引口6aが設けられている。また、サブエアー吸引部7は、異物飛散防止板3におけるエアー射出部5と囲い板4の間において、エアー射出口5aと一対のメインエアー吸引口6aの周囲を囲むように多数配列して設けられた開口であるサブエアー吸引口7aが設けられている。そして、図1に示すとおり、其々、メインエアー吸引部6はレギュレータ6bを介して、サブエアー吸引部7はレギュレータ7bを介して、ポンプなどのエアー吸引機構6cに接続され、レギュレータ6bおよびレギュレータ7bで決定される排気圧あるいは排気流量に応じて、メインエアー吸引口6aおよびサブエアー吸引口7aより、基板1面およびステージ2面と異物飛散防止板3間の隙間内のエアーが吸引される。なお、異物除去ヘッド部10内のエアー射出部5、メインエアー吸引部6、サブエアー吸引部7への外部からの接続については、図1図2および図3(a)に図示される異物除去ヘッド部10の上部に設けられた3つの接続ポート10pより接続される。其々、3種の異なる圧力や流量に設定されるので、3つの接続ポート10pを設ける構成としたが、系統の数や接続の仕方などに応じて、適宜、加減すれば良い。
【0019】
本実施の形態1の異物除去装置では、メインエアー吸引部6とサブエアー吸引部7に其々レギュレータ6bおよびレギュレータ7bを備えて、其々の排気圧あるいは排気流量を独立して決定することができる。更に、メインエアー吸引部6とサブエアー吸引部7其々の排気圧あるいは排気流量の条件について、エアー射出部5からのエアー射出量と比較しての大小関係を異ならせて決定することで、様々な異物除去条件を設定することができる。除去対象となる基板1表面の異物の状況、例えば、異物の固着の程度、あるいは異物重さによる浮遊のし易さなどの状況に応じて適宜最適な条件を選択することも可能である。本実施の形態1では、メインエアー吸引部6における排気圧あるいは排気流量に比べてサブエアー吸引部7における排気圧あるいは排気流量が大きくなる条件にレギュレータ6bおよびレギュレータ7bを設定し、更にメインエアー吸引部6とサブエアー吸引部7からの排気流量の総量がエアー射出部5からのエアー射出量よりも大きくなるように設定した。
【0020】
この条件設定により、エアー射出口5aより射出されサブエアー吸引口7aより吸引されるエアーの流れが優先的となり、その結果、比較的、基板1表面を流れて異物に作用するエアーの量が多くなり基板1表面に固着する異物除去に優れた条件となる。一方、異物飛散防止板3の外周付近まで異物の飛散したエアーが流れることとなるが、囲い板4自体によって、エアーの流出および異物が外部へ飛散することは防がれる。更にサブエアー吸引部7は、エアー射出口5aより比較的離れた位置にありエアー射出による陽圧の影響を受けにくく、やや強い排気圧あるいは排気流量に設定されることもあって、囲い板4内側付近を確実に負圧(大気圧あるいは外部圧に対して)とすることができる。従って、この異物飛散防止板3の外周付近まで流れたエアーとエアー内に飛散した異物が、囲い板4よりも外部へ漏れることが防がれる。結果として、囲い板4外部への異物の拡散を防止しながらも、基板1表面の異物への比較的強い除去作用を得ることができる。
【0021】
また、図4(a)に示すとおり、エアー射出部5とエアー射出部5を挟む一対のメインエアー吸引部6は、一体に成型されたノズル50より構成されるのが部品点数の削減、構成の単純化の点で好ましく、装置製造の際の組立作業なども簡略化できる。なお、ノズル50内のエアー射出部5とメインエアー吸引部6の経路が複雑な立体形状となる場合もあることから、複数の成形部品を接合などすることによって一体に成形しても良い。
【0022】
続いて、異物飛散防止板3の下部に配置される整流板8の具体的構成について、図1および図4(b)を用いて説明する。整流板8は、エアー射出部5からのエアー射出角度あるいはメインエアー吸引部6あるいはサブエアー吸引部7などのエアー吸引部へのエアー吸込み角度を規制する機能を有しており、本実施の形態1の場合には、整流板8は、図4(b)に示すとおり、長方形の板が配列して構成されている。更に、其々の板は、概ね異物飛散防止板3の長手方向の長さ、あるいは、エアー射出部5のエアー射出口5aの長手方向の長さと同じくらいの長さよりなり、其々の板の長手方向も異物飛散防止板3の長手方向に平行に配置される。また、図1あるいは図4(b)より解かるとおり、整流板8を構成する長方形の板の配列は、エアー射出部5の中央部を境界として概ね対称となる二方向に揃って配列されている。更に、図1の断面図からも解かるとおり、エアー射出部5に対して両側に位置する其々の囲い板4に対して、下側(即ち、異物飛散防止板3の配置される側に対して基板1あるいはステージ2の配置される側)に向かうにつれて囲い板4に近づく方向に傾斜して設けられている。なお、整流板8を構成する板の傾斜角度は固定されていても良いし、角度の調整が可能なように角度変更可能に取り付けられていても良い。
【0023】
このような配列に整流板8が設けられることで、図1の断面図での整流板8の下部に矢印で図示したエアーの流れのとおり、エアー射出部5より整流板8を介して基板1の表面に向かって射出されたエアーが、基板1の表面に対して作用をした後に再び整流板8を介してメインエアー吸引部6あるいはサブエアー吸引部7などのエアー吸引部へ向かって移動することになる。特に整流板8の其々の板が下部に向かうにつれ囲い板4に近づく方向に傾斜していることで、基板1の表面に固着される異物などに対して、エアー射出部5より基板1の表面に射出されるエアーにより、真上からの力の作用のみでなく、斜め方向や、基板1面に対して水平方向からの力の作用を生じさせる。その結果、効果的に、基板1表面に固着される異物などを引き剥がし、基板1表面より除去することができる。更に、異物飛散防止板3におけるエアー射出部5の配置される中央部付近より囲い板4の配置される周辺部へ向かって、概ね一方向のエアーの流れを形成することができる。
【0024】
図1に示すとおり、ステージ2には、基板1を収納する凹部2bが形成され、凹部2bの深さは、基板1の厚みに概ね等しくされている。これにより、基板1をステージ2上に載置した場合にステージ2面と基板1の表面の高さが概ね同じとされる。また、図2に示すとおり、ステージ2には、基板1をステージ2における所定の位置に位置合わせするアライメント機構2eなどを備えると良い。本実施の形態の場合には、前記の所定の位置としては、凹部2b内に基板1が収納される位置に相当し、ステージ2上の適当な位置に載せられた基板1がアライメント機構2eにより凹部2b内に位置合わせされて収納される。
【0025】
また、本実施の形態の場合には、基板1を収納する凹部2bによりステージ2上での基板1の不要な動きが抑えられることから必須では無いが、適宜、ステージ2には基板1を吸着保持する吸着機構などを備えていても良い。吸着機構を備える場合にはステージ2上に基板1をより確実に保持することができることから、メインエアー吸引部6あるいはサブエアー吸引部7からのエアーの排気圧あるいは排気流量を比較的大きく設定し、例えば、エアー射出部5からのエアー射出量に比べ、エアー吸引部からのエアー吸引量(メインエアー吸引部6とサブエアー吸引部7からエアー吸引する総量)が多く設定されても基板1が浮き上がり異物除去ヘッド部10側へ吸着されることが無い。従って、異物を吸引作用する力を大きくして異物の外部への漏洩を防ぐとともに除去能力を高くすることも可能となる。また、逆に、エアー射出部5からのエアー射出量を大きく、基板1に作用するエアー射出を、より強力にしても基板1のばたつきなどを生じないことから、異物へ作用する力を大きくして除去能力を高くすることも可能となる。
【0026】
ステージ2には、基板1を収納する凹部2bを形成して、ステージ2面と基板1の表面の高さを概ね同じに設定するのが望ましい。これにより、ステージ2面に対して基板1が突出しないことから、異物除去ヘッド部10の異物飛散防止板3や特に囲い板4の下端とステージ2面を十分に近接することが可能になり、異物飛散防止板3と基板1面およびステージ2間の隙間内における囲い板4により囲まれる領域内を負圧に制御することが容易となる。その結果、異物飛散防止板3と基板1面およびステージ2間の隙間内より囲い板4の外部へエアーおよび異物の漏洩が殆ど生じないようにすることが容易となる。特に、本実施の形態1のように基板1が液晶用ガラス基板である場合には、基板厚が0.7〜1.0mm程度と比較的厚く、平坦なステージ2面に載せて処理を行った際にはステージ2面に対する基板1の突出が大きくなることから、上記説明の基板1を収納する凹部2bを形成し、ステージ2面と基板1の表面の高さを概ね同じとしたことによる効果が顕著となる。
【0027】
また、ステージ2には、水平移動可能なように移動機構を備えている。移動機構としては、例えば、モータ駆動を利用した移動機構を用いることができる。本実施の形態1の場合、モータ駆動を利用した移動機構の具体的構成として、図1に示すように、ステッピングモータ2cとボールネジ2dなどを備えることとした。また、ステッピングモータ2cにより回転するボールネジ2dによりステージ2を水平移動し、モータ駆動の回転速度を制御することによりステージ速度を任意に変更できるものとする。更にステッピングモータ2cの回転回数とステージ2の水平移動距離の対応を取ることで、ステッピングモータ2cは、ステージ2の水平方向の位置を任意に制御するとともに位置情報を把握できるように機能する。なお、ここで説明したステッピングモータ2cは、モータ単体を指すものではなく、ステッピングモータの回転を制御する制御系も含んだ構成全体を指すものとする。
【0028】
なお、異物除去処理を行う際には、基板1を載せたステージ2に対してエアー射出口5aあるいは異物除去ヘッド部10が相対的に移動しながら基板1の全面にエアー射出やエアー吸引の処理ができれば良いことから、本実施の形態1のように基板1を載せたステージ2に水平移動可能な移動機構を備えていても良いし、逆に基板1を載せたステージ2を静止して、エアー射出口5aあるいは異物除去ヘッド部10を水平移動して異物除去処理を行っても良い。この異物除去処理を行う際に基板1を載せたステージ2を静止状態とする場合には、動作する異物除去ヘッド部10の方に水平移動可能な移動機構を備えていれば良く、上記説明のステージ2の移動機構は省略可能となる。
【0029】
また、異物除去処理の際において、異物除去ヘッド部10の異物飛散防止板3や特に囲い板4の下端とステージ2面の距離を所定の距離に保ったまま処理することが重要となることから、この所定の距離の保持については、次に挙げる幾つかの手段より適宜選択すると良い。先ず、例えば、異物除去ヘッド部10を水平移動する場合、あるいはステージ2を水平移動する場合の何れの場合であっても精度の高い水平移動機構を用いて、異物除去ヘッド部10側を水平移動する場合には基準とするステージ2面に平行な面に沿って異物除去ヘッド部10を水平移動し、ステージ2側を水平移動する場合には基準とする異物除去ヘッド部10の異物飛散防止板3の面あるいは囲い板4の下端四辺により決定される面に平行な面に沿ってステージ2を水平移動する。更に、所定の距離の絶対値を調整する手段としては、例えば、装置設計時に予め設定する所定の距離となるように、基準とする面と水平移動する面との間の距離を予め設計すると良い。
【0030】
所定の距離の絶対値を調整する別の手段としては、異物除去ヘッド部10を当該基準面に対して垂直方向(図中Z方向に平行な方向)に移動可能な構成として、処理の開始前に、異物除去ヘッド部10をステージ2上に配置して、手動で高さ調整しても良い。また、更に別の手段としては、異物除去ヘッド部10の垂直方向(図中Z方向に平行な方向)への移動機構としてモータ駆動などを採用し自動で上下動作可能な構成とする。更に異物除去ヘッド部10に設けた測距センサなどで異物除去ヘッド部10とステージ2あるいは基板1面間の距離を測定可能とする。以上の構成としたうえで、手動の場合と同様に、処理の開始前に、異物除去ヘッド部10をステージ2上に配置して、異物除去ヘッド部10の上下動作と距離測定とを連動させて、適当な距離の位置に異物除去ヘッド部10の垂直方向(図中Z方向に平行な方向)の位置を自動調整させても良い。また、異物除去ヘッド部10の垂直方向の自動調整を、当該の所定距離を測定しながら異物除去処理中においても実施するのであれば、水平移動機構の精度については、それほど高くなくとも良い。
【0031】
また、本実施の形態1の異物除去装置は、異物飛散防止板3あるいはエアー射出部5とステージ2あるいは基板1の位置関係の状態を検知する検知手段と、エアー射出部5からのエアー射出量を調整する調整手段と、前記検知手段により得られた前記位置関係の状態の情報に応じて、前記調整手段を制御する制御手段を備えている。より具体的には、異物飛散防止板3あるいはエアー射出部5とステージ2あるいは基板1の位置関係の状態を検知する検知手段としては、先に説明したステッピングモータ2cによりステージ2の水平方向の位置情報を把握し、異物飛散防止板3あるいはエアー射出部5を備えた異物除去ヘッド部10と基板1を載せたステージ2の位置関係の状態を検知させ、検知手段として機能させている。更に、エアー射出部5からのエアー射出量を調整する調整手段としては、エアー供給源5bとエアー射出部5間に設けられた電空レギュレータ5cにより、任意にエアーの供給圧力を変えられることから、エアー射出部5からのエアー射出量を調整することができ、調整手段として機能させている。また、検知手段により得られた位置関係の状態の情報に応じて、調整手段を制御する制御手段としては、図1に示す制御機構11を備えており、この制御機構11は、検知手段であるステッピングモータ2cに接続され、ステッピングモータ2cよりステッピングモータ2cの把握するステージ2の水平方向の位置情報を入手し、その位置情報に応じて、電空レギュレータ5cを制御してエアー射出部5からのエアー射出を調整する機能を有している。これらエアー射出の制御システムの具体的動作については、以下において詳細に説明を行う。
【0032】
続いて、本実施の形態1における異物除去装置の動作について図5の平面図を用いて説明する。先ず、図5(a)で示される状態は、ステージ2上に基板1が載置される初期状態で、その後、異物除去ヘッド部10の下部へ向かって、図中の矢印の方向に基板1を載せたステージ2が平行移動する。図5(a)で示される状態となるまでのステージ2上への基板1の載置については、例えば、ロボットアームなどにより基板1をステージ2上のアライメント機構2eで位置合わせ可能な範囲内に搬送した後に、アライメント機構2eでの所定の位置への(基板1を収納する凹部2bを備える場合には、凹部2b内への)位置合わせ処理を行う。吸着機構を備える場合には、その後、吸着機構を作動して、基板1をステージ2上に吸着保持すると良い。
【0033】
その後、図中の矢印の方向に基板1を載せたステージ2が平行移動することにより、異物除去処理が順次進められるが、本実施の形態1における異物除去装置では、やや複雑な制御が行われるので、以下、その制御システムの動作について詳細に説明する。構成の説明の際に説明したとおり、本実施の形態1における異物除去装置では、制御機構11が、ステッピングモータ2cよりステージ2の水平方向の位置情報を入手し、その位置情報に応じて、電空レギュレータ5cを制御してエアー射出部5からのエアー射出量を調整する。
【0034】
ここで、制御機構11が制御の基準とするステージ2の水平方向の位置情報については、図5(a)におけるステージ2の位置を原点ゼロとして、図中X方向への変位をパラメータとしても構わないが、本実施の形態1では、エアー射出部5の位置と基板1中央部の距離が重要なパラメータとなることから、このエアー射出部5の位置と基板1中央部の距離を制御機構11による制御の基準とする。図5(a)で説明すると、例えば、基板1の大きさを短手方向がa、長手方向がbであるとすると、図5(a)で示されるとおり、基板1の中央位置は、ステージ2の移動方向と一致する図中X方向での基板端より、其々、b/2の等距離の位置となり、図中のDで示される距離が、エアー射出部5の下部と基板1中央部の距離に対応する。制御機構11は、ステッピングモータ2cにより伝達されるステージ2の水平方向の位置情報をもとにして、この距離Dを異物除去ヘッド部10と基板1を載せたステージ2の位置関係の状態のパラメータとして制御を行う。
【0035】
先ず、図5(a)で示される状態より、図中の矢印の方向に基板1を載せたステージ2が移動開始し処理が開始される。但し、図5(a)で示される状態では、異物除去ヘッド部10の下部には、基板1もステージ2も位置していなことから、エアー射出部5からのエアー射出については、この時点では射出不要である。逆に射出すると周辺の異物などを巻き上げる可能性があり、当然エアー自体の浪費にもなることから、停止されるのが望ましい。従って、エアー射出部5からのエアー射出について停止状態、即ち、エアー供給圧力がゼロとなるように電空レギュレータ5cは制御される。また、メインエアー吸引部6やサブエアー吸引部7からの吸引についても、異物除去ヘッド部10の下部に、基板1もステージ2も位置していない状態では、特に意味は無く、レギュレータ6bやレギュレータ7bを制御して停止しても良い。以後、図5(a)で示される状態より、矢印の方向に基板1を載せたステージ2が移動するが、少なくとも異物除去ヘッド部10の下部に基板1の前方の端面が掛かる状態(即ち、距離D=b/2となる時点)までは、電空レギュレータ5cあるいはレギュレータ6bやレギュレータ7bの状態は同じままで良い。
【0036】
その後、ステッピングモータ2cにより制御機構11に伝達されるステージ2の水平方向の位置情報をもとにして、異物除去ヘッド部10の下部に基板1が掛かったことを制御機構11が認識した時点で、制御機構11は、エアー射出部5からのエアー射出について開始するよう、具体的には、エアー供給圧力を上昇させてエアー供給を開始するように電空レギュレータ5cを制御する。また、メインエアー吸引部6やサブエアー吸引部7からの吸引についても、停止していた場合には、レギュレータ6bやレギュレータ7bをエアー吸引部からのエアー吸引量を調整する調整手段として制御して吸引動作を開始すれば良い。このようにして、異物除去処理が開始される。この異物除去処理の開始段階では、異物除去ヘッド部10の下部全体に少なくともステージ2の上面が配置されるよう、基板1よりもステージ2が大きく設定されるのが望ましい。例えば、本実施の形態1のようにエアー射出部5が異物除去ヘッド部10のほぼ中央に配置されているのであれば、基板1よりも食み出すステージ2の距離を異物除去ヘッド部10のX方向の幅の半分以上と設定すれば良い。以上の設定とすることで、異物除去処理中においては、異物除去ヘッド部10の下部全体に少なくともステージ2上面が位置し、異物飛散防止板3と基板1面およびステージ2間の隙間内における囲い板4により囲まれる領域内を負圧に制御することが容易となる。結果として、異物飛散防止板3とステージ2間の隙間内より囲い板4の外部へエアーおよび異物の漏洩が殆ど生じないようにすることが容易となる。
【0037】
図5(b)は、以上説明のように異物除去ヘッド部10の下部に基板1が掛かり始めた後、異物除去処理が開始されている状態を示している。制御機構11による電空レギュレータ5cの制御については、異物除去ヘッド部10の特にエアー射出部5の下部に対して、基板1のどの位置が位置しているかの情報をもとに行う。具体的には、エアー射出部5の下部に基板1の周辺部が配置される場合より、エアー射出部5からのエアー射出を開始(射出量を正とする)し、以降、エアー射出部5の下部と基板1中央部の距離に応じて、当該距離が小さくなるほどエアー射出量が多くなる調整を行う。
【0038】
より詳細には、例えば、図5(b)では、図中のD1で示される距離が、エアー射出部5の下部と基板1中央部の距離Dに対応する。制御機構11は、ステッピングモータ2cにより伝達されるステージ2の水平方向の位置情報をもとにして、このエアー射出部5の下部と基板1中央部の距離Dを異物除去ヘッド部10と基板1を載せたステージ2の位置関係の状態を表すパラメータとして活用する。そして、上記説明のとおり、このエアー射出部5の下部と基板1中央部の距離Dに応じて、当該距離Dが小さくなるほどエアー射出量が多くなる調整を行うよう電空レギュレータ5cを制御する。ここで電空レギュレータ5cは、この距離Dに応じて射出するエアーの供給圧力を調整することで、エアー射出量が無段階に調整される。
【0039】
つまり、図5(b)の状態より、基板1を載せたステージ2が移動し続けると、このエアー射出部5の下部と基板1中央部の距離Dは、徐々に小さくなっていき、エアー射出部5からのエアー射出量は逆に増加していくように制御される。その後、基板1の中央位置がエアー射出部5の下部に位置する場合に、このエアー射出部5の下部と基板1中央部の距離Dはゼロとなり、エアー射出部5からのエアー射出量が最大値となるように制御される。更に基板1の中央位置がエアー射出部5の下部を越えると、このエアー射出部5の下部と基板1中央部の距離Dはゼロより再び増加し始めるが、この距離Dの正の値に対応したエアー射出量を選択すれば良く、エアー射出部5からのエアー射出量は徐々に減少するように制御機構11は電空レギュレータ5cを制御する。更に、制御機構11が異物除去ヘッド部10の下部に基板1の後方の端面が掛かったことを認識した時点(即ち、再び距離D=b/2となった時点)で、制御機構11は、エアー射出部5からのエアー射出について停止する(射出量をゼロとする)よう、具体的には、エアー供給を停止するように電空レギュレータ5cを制御する。これによって、処理の開始前と同様に異物除去ヘッド部10の下部に基板1もステージ2も位置しない状態で無駄にエアー射出部5よりエアーが射出されることが無く、周辺の異物などを巻き上げる可能性が無い。このエアー射出部5からのエアー射出の停止後も基板1を載せたステージ2は移動を続け、異物除去ヘッド部10の下部より、少なくとも基板1が通り抜けた時点をもって、異物除去処理の動作の完了となる。
【0040】
本実施の形態1の異物除去装置では、基板1上部に配置され、異物飛散防止板3、異物飛散防止板3の外周に設けられた囲い板4、基板1の表面にエアーを射出するエアー射出部5、およびエアーを吸引するエアー吸引部を設けた異物除去ヘッド10を備えていることから、エアー射出による異物への除去作用を維持しながらも外部への異物の拡散を抑制することができる。また、異物の拡散による基板や装置の再汚染を防止することができる。以上の結果、基板1より異物を除去する作用を向上するという効果を得ることができる。
【0041】
なお、上記説明のとおり、異物除去ヘッド部10に対する基板1を載せたステージ2の移動については、図中+X方向への一方向のみで異物除去処理を完了とした。然しながら、+X方向への移動と−X方向への移動による往復動作によって異物除去処理を行っても構わない。その場合には、上記説明した+X方向への一方向への動作の後、再び逆方向である−X方向への移動を開始し、+X方向への移動と同様に距離Dに応じて電空レギュレータ5cを制御してエアー射出部5からのエアー射出をしながらメインエアー吸引部6やサブエアー吸引部7からの吸引についても継続することで、往復動作による異物除去処理を行うことができる。更に往復動作は一回に限られず複数回の往復動作によって異物除去処理を行っても構わない。特に本実施の形態1では異物除去ヘッド部10はX方向に対して概ね対称形状(図1中では左右対称の形状)の構成を備えていることから、往復動作による異物除去処理を行うことに特に支障は無い。また、この往復動作による異物除去処理は、+X方向と−X方向の異なる方向の動作によって、其々、異物除去ヘッド部10からのエアーによって異物へ作用される力のかかり具合が異なることとなり、基板1表面への異物の固着状態によっては、除去能力の向上が期待される。
【0042】
また、+X方向への移動による異物除去処理と−X方向への移動による異物除去処理の何れの場合においても、基板1を載せたステージ2に対する異物除去ヘッド部10の相対的な移動方向に対して異物除去ヘッド部10の前方側では、整流板8は、下側に向かうにつれて、この基板1を載せたステージ2に対する相対的進行方向(前方側)に傾斜して設けられることとなっている。例えば、図1のとおり、基板1を載せたステージ2が+X方向へ移動しながら処理が行われる際は、基板1を載せたステージ2に対する異物除去ヘッド部10の相対的な移動方向(図中−X方向側)に対して異物除去ヘッド部10の前方側は、図中−X方向側に対応する。この異物除去ヘッド部10の前方側の整流板8では、下側に向かうにつれて、図中−X方向側に傾斜している。従って、この異物除去ヘッド部10の前方側の整流板8を介して、基板1の表面に射出されるエアーは、基板1の表面に対して図中−X方向側へ射出されることとなる。更に基板1は逆方向となる図中+X方向へ移動されながら、このエアー射出を表面で受けることとなる。従って、基板1の表面を流れるエアーの相対的な移動速度はエアーの移動速度と基板1の移動速度の両者の和となることから、基板1表面の異物に作用するエアーの力も相対的に大きくなり、除去効果も向上することとなる。この作用は、本実施の形態1の異物除去ヘッド部10の特に整流板8はX方向に対して概ね対称形状の構成を備えていることから、−X方向への移動による異物除去処理の場合でも同様に得ることができる。
【0043】
以上のように本実施の形態1の異物除去装置の動作としては、異物除去処理の初めと終わりで、電空レギュレータ5cの圧力を低くし、異物除去ヘッド部10が基板1の中央に行くに従ってエアー供給圧力を高くするような制御を行うことにより、エアー射出部5から射出されるエアーの作用による基板1の端部での浮き上がりを防止することができる。更に処理の開始前と開始後にあたる異物除去ヘッド部10の下部に基板1もステージ2も位置しない状態では、電空レギュレータ5cのエアー供給圧力をゼロとすること、あるいはエアー供給源5bとの間に設けた電磁弁などによりエアー射出部5からのエアー射出を停止することによって、無駄なエアーの消費が防止できることは勿論、周辺の異物などを巻き上げる可能性も無い。
【0044】
また、本実施の形態1の異物除去装置では、電空レギュレータ5cを用いてエアー射出部5からのエアー射出を所定の状態となるよう調整しており、電空レギュレータは、電気信号に応じて無段階に圧力を調整できる。従って、例えば、本実施の形態1のように距離Dをパラメータとしてエアー射出を調整する場合においても、距離Dの値に応じて、制御機構11が無段階の制御信号を電空レギュレータ5cに送ることにより、エアー供給圧力および流量を所定値に無段階に調整することができる。また、距離Dに応じて調整する場合に限られず、他のパラメータも含めて、任意の状況に応じた任意の供給圧力および流量への調整が可能であり、状況に応じてキメ細かく最適化された条件で異物除去処理を実施することができる。なお、距離Dをパラメータとしてエアー射出部5からのエアー射出を所定の状態となるよう調整する場合において、本実施の形態1のように、無段階に距離Dの情報を取得して、更に電空レギュレータ5cを用いてエアー射出部5からのエアー射出を距離Dに応じた無段階に調整できる構成は必須ではない。エアー射出部5の下部と基板1の中央部の距離Dを段階的に検知する程度の検知手段、例えば、基板1を載せたステージ2の位置を把握するセンサを何点か配置することによって段階的な距離Dの情報を取得して、エアー射出部5からのエアー射出を所定の状態となるよう調整する手段についても電空レギュレータ5cを用いずに段階的な調整ができる程度の調整手段を用いて、距離Dが小さくなるほどエアー射出部5からのエアー射出が多くなる所定の調整を段階的に行っても良い。この場合にも、エアー射出部5から射出されるエアーの作用による基板1の端部での浮き上がりを防止する効果をある程度のレベルで得ることは可能である。
【0045】
また、本実施の形態1の異物除去装置では、基板1面およびステージ2面と異物飛散防止板3間の隙間内のエアーを吸引するエアー吸引部として、エアー射出部5に近接して配置されるメインエアー吸引部6と、異物飛散防止板3に複数取り付けられたサブエアー吸引部7の二系統に分け、更に、其々の系統にレギュレータ6bおよびレギュレータ7bを設けて、メインエアー吸引部6とサブエアー吸引部7の二系統における排気圧、排気流量を独立して制御可能な構成を採用した。然しながら、メインエアー吸引部6とサブエアー吸引部7の二系統における排気圧、排気流量を独立して制御する手段としては、レギュレータ6bおよびレギュレータ7bの二種類のレギュレータを設けることは必須ではなく、エアー吸引機構6cを二系統に分けて、異なる排気圧、排気流量としても良い。更に、メインエアー吸引部6とサブエアー吸引部7で、特に排気圧、排気流量を異なる設定とせず共通にする場合には、一つのレギュレータのみを配置しても良い。また、適当な排気圧、排気流量を有したエアー吸引機構を用いることで調整自体が不要な場合にはレギュレータの設置についても省略して良い。
【0046】
また、本実施の形態1の異物除去装置では、メインエアー吸引部6における排気圧あるいは排気流量に比べてサブエアー吸引部7における排気圧あるいは排気流量が大きくなる条件に設定し、更にメインエアー吸引部6とサブエアー吸引部7からの排気流量の総量がエアー射出部5からのエアー射出量よりも大きくなるように設定した。本発明はこのような設定条件のみに限られず、例えば、エアー射出部5とメインエアー吸引部6をバランスして、サブエアー吸引部7は、周辺部で確実に負圧となる程度に引いても良い。より具体的には、周辺部の囲い板4より内側に圧力センサを配置して、周辺部の囲い板4より内側が負圧になるようにサブエアー吸引部7の排気圧、排気流量を調整しても良い。
【0047】
この設定の場合には、実施の形態1で採用した条件よりも、エアー射出部5から射出されたエアーの大部分は、メインエアー吸引部6より吸引されて排出され、基板1表面を流れて異物に作用するエアーの量は少なくなるが、エアー射出部5とメインエアー吸引部6のバランスを保った状態で、エアー射出量を多くすることで、基板1表面の異物に作用する力を強くし異物除去能力を上げることができる。以上のとおり、たとえエアー射出量を多くしても、エアー射出部5とメインエアー吸引部6のバランスは保たれるので、異物飛散防止板3の周辺部まで到達するエアーおよび拡散する異物は少ない。また、仮に周辺部まで拡散する異物が発生しても、囲い板4自体によりエアーおよび異物が外部へ飛散することが防がれる。更にサブエアー吸引部7からの吸引により囲い板4内側付近は確実に負圧とされていることから、これら周辺部まで到達するエアーおよび拡散する異物が囲い板4よりも外部へ飛散することが防がれる。結果として、囲い板4外部へのエアーおよび外部への異物の拡散を防止しながらも、基板1表面の異物への比較的強い除去作用を得ることができるという実施の形態1の異物除去装置と同等の効果を得ることができる。
【0048】
上記説明のとおり、本実施の形態1の異物除去装置では、エアー吸引部は、エアー射出部5に近接して配置されるメインエアー吸引部6と、異物飛散防止板3に複数取り付けられたサブエアー吸引部7を備えた構成を有している。サブエアー吸引部7は、エアー射出部5より、メインエアー吸引部6を介した位置であって、更に比較的離れた位置に設けられていることから、エアー射出部5による陽圧の影響を受け難い。つまり、エアー射出部5による陽圧の影響を殆ど受けることなく、このサブエアー吸引部7によって、異物飛散防止板3の周辺部、特に囲い板4より内側のエアーについて吸引することができることから、より確実に、異物飛散防止板3の周辺部、特に囲い板4より内側を囲い板4より外側に比べて負圧に設定することが容易である。従って、囲い板4より外部へのエアーの流出および異物が飛散することをより確実に防止することが可能となる。なお、本実施の形態1では、エアー射出部5に近接して配置されるメインエアー吸引部6をエアー射出部の開口を両側より挟む一対の開口としたが、エアー射出部5に近接して配置されていれば、ほぼ同様の効果が得られる。従って、例えば、スリット状のエアー射出部5の開口に対して、平行に近接して設けられるスリット状の開口を一つだけ配置してメインエアー吸引部6とし、エアー射出部5のスリット状の一つの開口とメインエアー吸引部6のスリット状の一つの開口が一対設けられる構成としても良い。更に、この場合、サブエアー吸引部7は、これら一対のエアー射出部5とメインエアー吸引部6の開口に対して周囲を囲むように多数配列して設けられた開口とすれば良い。
【0049】
仮にエアー射出部5に近接して配置されるメインエアー吸引部6のみによりエアー射出部5より射出されたエアーを吸引する構成とした場合には、たとえ、エアー射出部5より射出されるエアー圧よりメインエアー吸引部6より吸引するエアー吸引圧を大きく設定したとしても、メインエアー吸引部6より離れた異物飛散防止板3の周辺部、即ち、囲い板4の近傍では、囲い板4よりも外側の常圧の影響を受けて常圧に近くなる。特に囲い板4が無い場合には、ほぼ常圧に等しくなってしまう。従って、囲い板4を備えた場合にも異物飛散防止板3と基板1面およびステージ2間の隙間で散乱される異物が外部へ飛散してしまうことが懸念され、更に、囲い板4が無い場合には、ほぼ確実に異物飛散防止板3より外部へのエアーの流出および異物が飛散することを防止することができない。
【0050】
また、本実施の形態1では、サブエアー吸引部7の開口を、エアー射出口5aとメインエアー吸引口6aの周囲を囲むように多数配列して設けられた開口であるサブエアー吸引口7aとしたことで、異物飛散防止板3の外周全体に渡って囲い板4の近傍をより確実に負圧にすることが可能となる。
【0051】
なお、本実施の形態1では、サブエアー吸引部7については、異物飛散防止板3に開口(サブエアー吸引口7a)を設けた例について説明したが、少なくとも囲い板4より内側に設けることで上記説明の効果が得られることから、囲い板4に開口を設けてサブエアー吸引部を接続しても良い。囲い板4にサブエアー吸引部を直接設けた場合には、より確実に、囲い板4付近を負圧にすることができ、囲い板4外部へのエアーの流出および異物の飛散を防止することができる。
【0052】
実施の形態2.
続いて、先に説明を行った実施の形態1の異物除去装置より、異物除去ヘッドの構成、処理基板に対する異物除去ヘッドの相対移動の方法、処理段階におけるエアー射出やエアー吸引の制御システムなどに関して一部変更を行った本発明適用の実施の形態2の異物除去装置について説明を行う。以下、実施の形態1との変更部を重点的に説明することとする。
【0053】
先ず、本実施の形態2の異物除去装置の構成について、図6を用いて説明する。ここで、図6は本実施の形態2の異物除去装置の要部断面図とその他の構成との接続関係を示した概略説明図である。実施の形態1と同じ構成については同じ番号を付し適宜説明を省略する。
【0054】
図6に示されるように、本実施の形態2の異物除去装置は、処理物である基板1aを載せて保持するステージ2aを備えている。なお、本実施の形態2の異物除去装置が処理する基板1aとしては、実施の形態1と同様に、電子製品用の基板全般を対象として用いることができ、ガラス基板を対象としても構わないが、ここでは、1例として0.525mm程度の基板厚を有した4インチ径のシリコン基板を対象とした場合について説明する。実施の形態1で用いたガラス基板に比べて、若干薄いシリコン基板よりなる基板1aを用いることから、基板1aを載せて保持するステージ2aには、基板を収納する凹部の形成を省略し、ステージ2aの構造を簡略化している。ここで用いた基板1aのように基板厚が比較的薄い場合には、ステージ2a面に対して基板1aが大きく突出しないことから、凹部の形成を省略しても比較的影響は少ない。当然、実施の形態2の異物除去装置でも基板を収納する凹部を有したステージとしても良く、その場合には、実施の形態1と同様に異物除去ヘッド部の下端とステージ2a面を十分に近接することが可能となり、実施の形態1と同様の効果を得ることが可能となる。特にシリコン基板でも径の大きいものでは、基板厚も液晶表示装置用のガラス基板と同程度から1mm程度の場合もある。従って、比較的厚い基板を処理する場合には、実施の形態1と同様の基板を収納する凹部を有したステージを用いた方が好ましく、凹部の形成の有無については、適宜、選択すると良い。なお、本実施の形態2の場合には、基板を収納する凹部の形成を省略したことから、ステージ2a上に基板1aをより確実に保持するために、ステージ2aは基板1aを吸着保持する吸着機構など備えた構成とすることが望ましい。
【0055】
また、図6では、異物除去処理を行っている際の状況を示しているが、本実施の形態2の異物除去装置についても、実施の形態1の異物除去装置と同様に、このステージ2a上部には、この基板1a面およびステージ2a面と所定距離の隙間を空けて対向して配置される異物飛散防止板3と、この異物飛散防止板3の外周に基板1a面およびステージ2a面に向かって突出して設けられ基板1a面およびステージ2a面と異物飛散防止板3間の前記の所定距離の隙間を囲む囲い板4と、異物飛散防止板3の基板1a面およびステージ2a面と対向する面側に開口して設けられ基板1aの表面にエアーを射出するエアー射出部5と、異物飛散防止板3におけるエアー射出部と囲い板4の間に開口して設けられ前記の隙間内のエアーを吸引するエアー吸引部とを備えている。本実施の形態2の異物飛散防止板3と囲い板4についても、実施の形態1と同様に異物処理時においてエアー射出部5より射出されたエアーにより基板1aの表面より除去された異物について、基板1a面およびステージ2a面と異物飛散防止板3間の隙間の特に囲い板4より内側の空間内に閉じ込め、異物の飛散を防止する役割をしている。
【0056】
本実施の形態2では、基板1a面およびステージ2a面と異物飛散防止板3間の隙間内のエアーを吸引するエアー吸引部は、図6に示すとおり、エアー射出部5に近接して配置されエアー射出口5a挟むように一対設けられているメインエアー吸引部6と、異物飛散防止板3のエアー射出部5と囲い板4間の更にメインエアー吸引部6と囲い板4間に複数開口して取り付けられたサブエアー吸引部7と、更に実施の形態1において変形を例示したように囲い板4に開口(サブエアー吸引口12a)を設けて接続されたサブエアー吸引部12とからなっている。従って、囲い板4にサブエアー吸引部を直接設けた実施の形態1の変形例と同じく、より確実に、囲い板4付近を負圧にすることができ、囲い板4外部へのエアーの流出および異物の飛散を防止することができるという効果を得ることができる。なお、本実施の形態2では、囲い板4にサブエアー吸引部12の開口(サブエアー吸引口12a)を直接設けた部分(図6中のエアー射出部5に対して左側)では、異物飛散防止板3へのサブエアー吸引部7の開口(サブエアー吸引口7a)の配置は省略している。
【0057】
なお、異物飛散防止板3に設けられるエアー射出部5、メインエアー吸引部6およびサブエアー吸引部7の開口の形状について平面図を用いた詳細説明は省略するが、エアー射出部5の開口(エアー射出口5a)、メインエアー吸引部6の開口(メインエアー吸引口6a)の形状は、実施の形態1と同様に、エアー射出口5aは、基板1aの幅(本実施の形態2のように円形の基板の場合には最大幅となる直径)に相当する長さのスリット状の開口に設けられ、メインエアー吸引口6aは、スリット状よりなるエアー射出口5aを短手方向の両側より挟むとともにエアー射出口5aの長手方向と平行する長手方向を有した一対のスリット状の開口に設けられる。また、サブエアー吸引口7aは、実施の形態1の配置に比べて一部省略されるが、囲い板4に直接設けられるサブエアー吸引部12の開口(サブエアー吸引口12a)とサブエアー吸引口7aの両者により、エアー射出口5aと一対のメインエアー吸引口6aの周囲を囲むように開口が配置されれば、実施の形態1と同様の効果が得られ、好ましい。従って、図6中のエアー射出部5に対して右側では、実施の形態1と同様に、サブエアー吸引口7aを多数配列して設け、図6中のエアー射出部5に対して左側では、囲い板4にサブエアー吸引口12aを多数配列して設けた構成とする。
【0058】
また、実施の形態1と同じく、本実施の形態2でも、メインエアー吸引部6とサブエアー吸引部7に其々レギュレータ6bおよびレギュレータ7bを備えて、其々の排気圧あるいは排気流量を独立して決定することができる構成としたこと、独立して決定した両者の設定条件とそれらにより生ずる作用と効果については、実施の形態1あるいは実施の形態1にて示唆した変形例と同様であることから、重複説明は省略する。
【0059】
また、エアー射出部およびエアー吸引部における下側、即ち、処理を行う基板が配置される側には、実施の形態1と同様にエアー射出角度あるいはエアー吸込み角度を規制する整流板8aが設けられる。本実施の形態2の整流板8aは、実施の形態1の整流板8と若干異ならせた構成としており、図6の断面図より解かるとおり、整流板8aを構成する板の配列は、異物飛散防止板3の下部全体において、全て一方向の傾斜方向に揃って配列されている。更に、異物飛散防止板3、囲い板4、および整流板8a上部には、エアー射出部5、メインエアー吸引部6、およびサブエアー吸引部7などを収納する筐体9などを適宜配置し、これら異物飛散防止板3、囲い板4、エアー射出部5、メインエアー吸引部6、サブエアー吸引部7、サブエアー吸引部12、整流板8aおよび筐体9により異物除去ヘッド部10aを構成する。
【0060】
また、本実施の形態2では、異物除去処理の際に、基板1aを載せたステージ2aを静止した状態で、異物除去ヘッド部10aを移動しながら処理を行う方法を用いることから、異物除去ヘッド部10aには、図示は省略するが、水平移動可能なように移動機構を備えた構成とする。なお、異物除去処理中については、ステージ2aは静止したままで良いことから、実施の形態1で設けたステージの移動機構については必須ではない。但し、基板1aの装置外からの搬入や搬出の際にステージ2aを移動して基板1aの受渡しさせる場合には、適宜、ステージ2aに移動機構を設けても構わない。
【0061】
また、実施の形態1では、異物除去ヘッド部10(異物飛散防止板あるいはエアー射出部)と基板1を載せたステージ2の位置関係の状態を検知する検知手段として、ステージ2の移動機構を構成するステッピングモータ2cにより位置情報を把握させる構成とした。本実施の形態2では、図6に示すとおり、異物除去ヘッド部10aの移動方向に対して、前後に(図6中での左右に対応)、センサ13a(前方側)、センサ13b(後方側)を設けた構成としている。このセンサ13a、センサ13bによって、下部にステージ2aが位置するかしないかを検出させることで、この異物除去ヘッド部10aと基板1aを載せたステージ2aの位置関係の状態を検知する検知手段としている。具体的には、このセンサ13a、センサ13bとしてはレーザー方式の測距センサなどを用いることができる。例えば、センサ13a、センサ13bは、下部に向かってレーザー光を照射し、センサ13a、センサ13bの下部に位置する物にあたり反射されて戻ってくる反射レーザー光を検知部で検出し、その強度を評価することでセンサ13a、センサ13b下部近傍に物があるかどうかの検知、あるいは、その反射時間を評価することで近接距離などを検知するものが用いることができる。また、図6では、異物除去ヘッド部10aより離れた位置に示されているが、実際には異物除去ヘッド部10aあるいは異物飛散防止板3とステージ2aの重なりの有無をできるだけ正確に検出できることが望ましいので、異物除去ヘッド部10aあるいは異物飛散防止板3の端部にできる限り近接して設置されるのが望ましい。
【0062】
また、エアー射出部5からのエアー射出量を調整する調整手段としては、実施の形態1では、エアー供給源5bとエアー射出部5間に設けられた電空レギュレータ5cを調整手段として機能させた。本実施の形態2では、図6に示すエアー供給源5bとエアー射出部5間に設けられた電磁弁5dによって、バルブの開閉動作をすることで、言い換えるとエアー射出部5からのエアー射出量を調整する(オンオフを切り替える)ことで、調整手段として機能させている。また、本実施の形態2では、図6に示すメインエアー吸引部6、サブエアー吸引部7およびサブエアー吸引部12に接続されるエアー吸引機構6cをエアー吸引部からのエアー吸引量を調整する調整手段として機能させている。また、検知手段により得られた位置関係の状態の情報に応じて調整手段を制御する制御手段としては、図6に示す制御機構11aを備えている。この制御機構11aは、検知手段であるセンサ13a、センサ13b、エアー射出部5からのエアー射出量を調整する調整手段である電磁弁5d、更にエアー吸引部からのエアー吸引量を調整する調整手段であるエアー吸引機構6cに接続されており、このセンサ13a、センサ13bよりステージ2aの水平方向の位置情報を入手し、その位置情報に応じて、この電磁弁5dを制御してエアー射出部5からのエアー射出量を調整する(オンオフを切り替える)機能を有している。更に、その位置情報に応じて、このエアー吸引機構6cを制御してエアー吸引部からのエアー吸引量を調整する機能を有している。また、これらエアー射出およびエアー吸引の制御システムの具体的動作については、以下において詳細に説明を行う。
【0063】
続いて、本実施の形態2における異物除去装置の動作について図7の平面図を用いて説明する。図7では、異物除去装置の動作時における異物除去ヘッド部10aと基板1aを載せたステージ2aの位置関係の状態を示している。図中実線で示される異物除去ヘッド部10aの状態(図中、位置Aで示される)は、ステージ2a上に基板1aが載置される初期状態での異物除去ヘッド部10aの位置を示している。一方、図中点線で示される異物除去ヘッド部10aの状態(図中、位置B〜位置Eで示される)は、丁度、動作の切り替え時となる異物除去ヘッド部10aの位置を示したものである。
【0064】
先ず、図7中、異物除去ヘッド部10aが位置Aにある状態で、ステージ2a上に基板1aが載置される。載置の方法は、実施の形態1で詳細に説明したので、ここでは説明を省略する。その後、図中の矢印の方向に基板1aを載せたステージ2aが平行移動することにより、異物除去処理が順次進められるが、本実施の形態2における異物除去装置においても、やや複雑な制御が行われるので、以下、その制御システムの動作について詳細に説明する。
【0065】
構成の説明の際に説明したとおり、本実施の形態2における異物除去装置では、制御機構11aが、センサ13a、センサ13bよりステージ2aの水平方向の位置情報を入手し、その位置情報に応じて、電磁弁5dあるいはエアー吸引機構6cを制御してエアー射出部5からのエアー射出量を調整する(オンオフを切り替える)あるいはエアー吸引部からのエアー吸引量を調整する。より具体的な動作としては、異物除去ヘッド部10aが位置Aにある場合には、異物除去ヘッド部10aの下部、即ち、異物飛散防止板3の下部には、基板1aもステージ2aも位置していなことから、エアー射出部5からのエアー射出については停止される。従って、制御機構11aによって、エアー射出部5からのエアー射出についてはオフとなるように電磁弁5dは閉状態に制御される。また、メインエアー吸引部6やサブエアー吸引部7およびサブエアー吸引部12からの吸引についても不要であることから、ここでは、エアー吸引機構6cを停止あるいは途中経路を閉として、エアー吸引部からのエアー吸引について停止状態、即ち、エアー吸引量がゼロとなるよう調整される。
【0066】
その後、異物除去ヘッド部10aは、位置Aより矢印の方向(図中の−X方向)へ移動を始め、位置Bに到達する。この異物除去ヘッド部10aが位置Aから位置Bの間に配置される間では、移動方向に対して異物除去ヘッド部10aの前後に設けられたセンサ13aおよびセンサ13bは、両者ともに下部にステージ2aの存在を検知しない。つまり、異物除去ヘッド部10aの下部、即ち異物飛散防止板3の下部にステージ2aが位置していないことを検知している。この異物飛散防止板3の下部にステージ2aが位置していない場合には、制御機構11aは、位置Aの場合と同じ状態、即ち、エアー射出部5からのエアー射出およびエアー吸引部からのエアー吸引を全て停止する調整を行うよう調整手段を制御し続ける。
【0067】
一方、位置Bに到達すると、移動方向に対して前方側に設けられたセンサ13aが当該センサ13a下部にステージ2aが掛かったこと、つまり、異物除去ヘッド部10aの下部、あるいは異物飛散防止板3の下部にステージ2aが位置し始めたことを検知する。ここで、制御機構11aは、センサ13aから、センサ13a下部にステージ2aが掛かったこと、即ち、異物除去ヘッド部10aの前方がステージ2aに重なり始め、異物除去ヘッド部10aの下部にステージ2aが位置していることを認識する。但し、この時点、つまり、位置Bから位置Cの間に配置される間では、移動方向に対して後方側に設けられたセンサ13bは、当該センサ13b下部にステージ2aが掛かったことを、未だ検知していない。つまり、異物除去ヘッド部10aの下部の全体、あるいは異物飛散防止板3の下部の全体にステージ2aが位置しているとは検知していない。この異物飛散防止板3の下部にステージ2aが位置しているが、下部の全体に位置していない場合には、制御機構11aは、調整手段に対してエアー射出部5からのエアー射出は停止状態としたまま、エアー吸引部からのエアー吸引量のみを正とする(具体的には、エアー吸引機構6cを作動あるいは途中経路を開として、エアー吸引部からのエアー吸引を開始する)調整を行うよう調整手段を制御する。
【0068】
続いて、位置Cに到達すると、移動方向に対して後方側に設けられたセンサ13bが当該センサ13b下部にステージ2aが掛かったこと、つまり、異物除去ヘッド部10aの下部の全体、あるいは異物飛散防止板3の下部の全体にステージ2aが位置し始めたことを検知する。この段階では、異物除去ヘッド部10aの下部の全体、あるいは異物飛散防止板3の下部の全体にステージ2aが位置している。従って、異物除去ヘッド部10aとステージ2a面の距離が既に異物除去処理に最適化された所定の距離となるように設計済み、あるいは、調整ずみであれば、異物除去処理、即ち、エアー射出部5からのエアー射出を開始しても、エアーは異物除去ヘッド部10aとステージ2a間に射出され、全てエアー吸引部より吸引される。よって、周辺の異物などを巻き上げる可能性もなく、当該異物除去処理を開始しても良い状態である。また、異物除去処理の前に異物除去ヘッド部10aとステージ2a面の距離を自動調整する機構とした場合には、この段階で調整処理を開始すると良い。具体的な調整処理方法については、実施の形態1で説明したので省略するが、垂直方向(図中Z方向に平行な方向)への移動機構と連動して自動調整を行う異物除去ヘッド部10に設けた測距センサについて、本実施の形態2では、移動方向に対して異物除去ヘッド部10aの前後に設けられたセンサ13aおよびセンサ13bを活用することができる。説明を補足すれば、両者が下部に位置すると認識済みのステージ2aとの距離を測定しながら異物除去ヘッド部10aを垂直方向下側(図中−Z方向)へ移動し、センサ13aおよびセンサ13bが測定した距離が所定の距離になるよう自動調整することができる。
【0069】
以上のとおり、異物除去ヘッド部10aとステージ2a面の距離が所定の距離となっていることを前提として、位置Cに到達し、この異物飛散防止板3の下部全体にステージ2aが位置している場合には、制御機構11aは、調整手段に対してエアー射出部5からのエアー射出量とエアー吸引部からのエアー吸引量が異物除去処理時における所定量(正の所定値)とする調整を行うよう調整手段を制御する。即ち、異物除去処理が開始される。その後、異物除去ヘッド部10aは、異物除去処理を行いながらステージ2a面上、更にステージ2a面上に載置される基板1a上を移動し、この異物除去ヘッド部10aが位置Cから位置Dの間に配置される間では、移動方向に対して異物除去ヘッド部10aの前後に設けられたセンサ13aおよびセンサ13bは、両者ともに下部にステージ2aの存在を検知し続ける。つまり、異物除去ヘッド部10aの下部、即ち異物飛散防止板3の下部にステージ2aが位置していることを検知している。
【0070】
一方、位置Dに到達すると、移動方向に対して前方側に設けられたセンサ13aが当該センサ13a下部にステージ2aが位置しなくなったこと、つまり、異物除去ヘッド部10aの下部あるいは異物飛散防止板3の下部よりステージ2aが外れ始めたことを検知する。ここで、制御機構11aは、センサ13aから、センサ13a下部にステージ2aが位置しなくなったこと、即ち、異物除去ヘッド部10aの前方がステージ2a上より外れ始め、異物除去ヘッド部10aの下部にステージ2aは位置するものの異物除去ヘッド部10aの下部全体にはステージ2aが位置しなくなったことを認識する。この異物飛散防止板3の下部にステージ2aが位置しているが下部の全体に位置していない場合には、位置Bから位置Cの間に配置される間と同様に、制御機構11aは、調整手段に対してエアー射出部5からのエアー射出は停止状態としエアー吸引部からのエアー吸引量のみ正とする(具体的には、エアー吸引機構6cを作動あるいは途中経路を開としたまま、エアー吸引部からのエアー吸引を継続する)調整を行うよう調整手段を制御する。
【0071】
続いて、位置Eに到達すると、移動方向に対して後方側に設けられたセンサ13bが当該センサ13b下部にステージ2aが位置しなくなったことを検知する。その結果、移動方向に対して異物除去ヘッド部10aの前後に設けられたセンサ13aおよびセンサ13bの両者ともに下部にステージ2aの存在を検知しなくなる。つまり、異物除去ヘッド部10aの下部あるいは異物飛散防止板3の下部にステージ2aが位置していないことを検知する。この異物飛散防止板3の下部にステージ2aが位置していない場合には、制御機構11aは、位置Aから位置Bの間に配置される場合と同じ状態、即ち、エアー射出部5からのエアー射出およびエアー吸引部からのエアー吸引を全て停止する調整を行うよう調整手段を制御する。この時点をもって、異物除去処理の動作の完了となる。
【0072】
本実施の形態2の異物除去装置では、実施の形態1の異物除去装置と同様に、基板1a上部に配置され、異物飛散防止板3、異物飛散防止板3の外周に設けられた囲い板4、基板の表面にエアーを射出するエアー射出部、およびエアーを吸引するエアー吸引部を設けた異物除去ヘッド10aを備えていることから、エアー射出による異物への除去作用を維持しながらも外部への異物の拡散を抑制することができる。また、異物の拡散による基板や装置の再汚染を防止することができる。以上の結果、基板1aより異物を除去する作用を向上するという実施の形態1およびその変形例の異物除去装置と同様の効果を得ることができる。
【0073】
また、本実施の形態2では、異物除去ヘッド部10aが−X方向への一方向のみへ移動することによる異物除去処理となるが、基板1aを載せたステージ2aに対する異物除去ヘッド部10aの相対的な移動方向に対して異物除去ヘッド部10aの前方側では、整流板8aは、下側に向かうにつれて、この基板1aを載せたステージ2aに対する相対的進行方向に傾斜して設けられることとなっている。具体的には、図6のとおり、基板1aを載せたステージ2aに対し、異物除去ヘッド部10aが−X方向へ移動しながら処理が行われるのに際し、基板1aを載せたステージ2aに対する異物除去ヘッド部10aの相対的な移動方向(図中−X方向側)に対して異物除去ヘッド部10aの前方側は、図中−X方向側に対応する。この異物除去ヘッド部10aの前方側の整流板8aでは、下側に向かうにつれて、図中−X方向側に傾斜している。従って、この異物除去ヘッド部10aの前方側の整流板8aを介して、基板1aの表面に射出されるエアーは、基板1aの表面に対して図中−X方向側へ射出されることとなる。更に基板1aは図中−X方向へ移動する異物除去ヘッド部10aより、この異物除去ヘッド部10aが移動しながら射出するこのエアーを表面で受けることとなる。従って、基板1aの表面を流れるエアーの相対的な移動速度はエアーの移動速度(異物除去ヘッド部10aに対してのエアーの移動速度)と異物除去ヘッド部10aの移動速度(言い換えると、異物除去ヘッド部10aに対する基板1aの移動速度)の両者の和となる。その結果として、基板1a表面の異物に作用するエアーの力も相対的に大きくなり、除去効果も向上することとなる。
【0074】
なお、本実施の形態2では、基板1aを載せたステージ2aを静止して、異物除去ヘッド部10aを水平移動して異物除去処理を行う場合を例として説明を行った。基板1aを載せたステージ2aに対してエアー射出口5aあるいは異物除去ヘッド部10aが相対的に移動しながら基板1aの全面にエアー射出やエアー吸引の処理ができれば良いことから、実施の形態1のように基板1aを載せたステージ2aに水平移動可能な移動機構を備え、静止した異物除去ヘッド部10aに対して、基板1aを載せたステージ2aを水平移動して異物除去処理を行う方法に変形しても良い。その場合には、上記説明の異物除去ヘッド部10aの水平方向への移動機構は省略可能となる。
【0075】
また、本実施の形態2の異物除去ヘッド部10aでは、囲い板4に開口(サブエアー吸引口12a)を設けて接続されたサブエアー吸引部12を備えた構成とした。実施の形態1と同様に、サブエアー吸引部12を省略しても良く、更にエアー射出口5aと一対のメインエアー吸引口6aの周囲を囲むように多数配列して設けられた開口であるサブエアー吸引口7aを供えた構成と変形しても良く、その場合には実施の形態1で説明した個々の効果を得ることができる。
【0076】
また、上記の実施の形態1および実施の形態2の異物除去装置に関する説明では、異物除去ヘッド部とステージの位置関係をもとにしたエアー射出およびエアー吸引の制御システムに関して、二種類の方法について説明を行った。適宜、これら二種類の方法を入れ変えて実施の形態1あるいは実施の形態2の異物除去装置に適用しても良く、一部を組み合せて適用しても良い。より具体的には、例えば、実施の形態2においても、異物除去ヘッド部10aと基板1aあるいはステージ2aとの位置関係の把握に関して、センサ13aおよびセンサ13bによってステージ2aとの位置関係を大まかに把握するのみではなく、異物除去ヘッド部10aの移動機構などによって、異物除去ヘッド部10aのX方向の正確な位置を常時把握して、この異物除去ヘッド部10aと基板1aあるいはステージ2aとの位置関係の情報を活用することもできる。この異物除去ヘッド部10aとステージ2aとの位置関係の情報により、実施の形態2の制御、即ち、異物除去ヘッド部10aの下部あるいは下部全体にステージ2aが位置するかどうかを検知しても良いし、更に、実施の形態2の制御に加えて、実施の形態2で説明した位置Cから位置Dの間の制御において、実施の形態1と同様に、基板1aの中央部と異物除去ヘッド部10aの距離に応じて、エアー射出口5aからのエアー射出量を調整する方法を一部導入しても構わない。その場合には実施の形態2の効果に加えて実施の形態1で説明した個々の効果を得ることができる。逆に実施の形態1でも、実施の形態2と同様に、異物除去ヘッド部10にセンサなどを設けて、異物除去ヘッド部10と基板1あるいはステージ2との位置関係を把握し、異物除去ヘッド部10aの下部の一部あるいは全部にステージ2が位置するかどうかによって、エアー射出口5aからのエアー射出やエアー吸引部からのエアー吸引を制御するなど実施の形態2と同様の制御を行っても良い。その場合には実施の形態2で説明した個々の効果を得ることができる。
【0077】
また、上記説明を行った本発明を適用した実施の形態1あるいは実施の形態2の異物除去装置では、ステージ上に基板を保持して、基板を異物除去ヘッド部に対して相対的に移動しながら異物除去処理を行う例について説明を行ったが、異物除去処理時において基板を保持する保持機構については、これに限定されない。一般的な基板を枚葉処理する基板処理装置で用いられる公知の搬送機構や保持機構を用いることができ、例えば、搬送ローラ、搬送コンベアなどでも良い。これらは搬送機構であるが、本発明の異物除去処理の際には、基板を静止した状態に保持して処理を行う場合と基板を一定面上に基板を保持した状態で水平移動しながら処理を行う場合の何れでも良いことから、広義では保持機構となり、これらは本発明の異物除去装置の保持機構として使用することができる。
【0078】
例えば、搬送ローラを本発明の異物除去装置の保持機構に適用した変形例について、図8(a)を用い実施の形態1あるいは実施の形態2からの変更部分を中心に簡単に説明する。図8(a)に示すとおり、一定面上に基板を保持しながら搬送する保持機構である搬送ローラ2f上に基板1は保持されながら異物除去ヘッド部10aの下部を搬送、即ち、水平移動される。この場合においても、搬送ローラ2f上に保持される基板1の上面に対して異物除去ヘッド部10aの異物飛散防止板3は所定の距離の隙間を空けて対向配置され、この状態を保ったまま基板1の上面に対して異物除去ヘッド部10aは相対的に水平移動されることとなる。従って、基本的には、実施の形態1のステージ2上に基板1が保持されながら搬送される場合と基板自体と異物除去ヘッド部の関係は変わらない。但し、搬送ローラ2fなどのように基板1の外周に平坦面が形成されない保持機構を用いる場合、基板1上より異物除去ヘッド部10aが外れた状態では、異物除去ヘッド10a部の下部は開放状態となる。よって、基板1上より異物除去ヘッド部10aが外れた状態でエアー射出部からのエアー射出を実施すると、異物除去ヘッド部10aの下部が開放した部分より異物の飛散が発生してしまう。従って、この変形例のように搬送ローラ2fを保持機構として利用する場合には、基板1の外周を基準とすることでは実施の形態1と同様であるが、好ましくは、実施の形態2でステージ2aの外周を基準として、異物除去ヘッド部10aの下部全体にステージ2aが配置されることを処理(エアー射出部からのエアー射出あるいはエアー吸引部からのエアー吸引)開始の基準としたのと同様に、異物除去ヘッド部10aの下部全体に基板1が配置されることを基準とすると良い。より具体的には、異物除去ヘッド部10aの下部全体に基板1が配置されることを確認した後に異物除去処理(エアー射出部からのエアー射出あるいはエアー吸引部からのエアー吸引)を開始すると良い。従って、異物除去ヘッド部10aの構成としては、実施の形態2と同様に前後にセンサ13aおよびセンサ13bを設けた構成が好適であり、このセンサ13aおよびセンサ13bによりセンサ13aあるいはセンサ13bの下部に基板1が配置されるかどうかを検知することで、上記説明の異物除去ヘッド部10aの下部全体に基板1が配置されることを基準とした制御を行うことができる。なお、搬送コンベアなどのように基板1の外周に平坦面が形成される場合には、基板より異物除去ヘッド部が外れた状態も含めて、異物除去ヘッド部の下部が開放状態とならない。従って、基板の外周に異物除去ヘッド部が部分的にかかった状態より異物除去処理(エアー射出部からのエアー射出あるいはエアー吸引部からのエアー吸引)を実施しても良い。
【0079】
また、上記説明を行った実施の形態1、実施の形態2あるいはこれらの変形例の異物除去装置では、基板に対して異物除去ヘッド部を相対的に移動しながら異物除去処理を行う例について説明を行った。これらの方法は基板面に対して、より効果的な異物除去効果、あるいは、基板サイズによらず、比較的均一な異物除去効果が得られることを狙ったものであり、基板に対して異物除去ヘッド部を静止した状態で異物除去処理を行っても構わない。例えば、図8(b)に示すとおり、異物除去ヘッド部10bを基板1全体よりも大きくするとともにステージ2より小さくし、異物除去ヘッド部10bの下部全体にステージ2が配置される状態とすることにより、両者を停止状態で異物除去処理を行っても良い。また、この場合には、ある程度基板全面にエアーを射出可能となるよう、異物飛散防止板3aの比較的広い領域にエアー射出口5aを配置するのが良く、例えば、図8(b)に示すように、基板1の幅に相当する長さのスリット状のエアー射出口5aを基板1の全面に渡って配列して設けた。更に図8(b)に示すように、メインエアー吸引口6aについても、配列して設けられるスリット状よりなるエアー射出口5aの間にスリット状に設けられた開口として、メインエアー吸引口6aとエアー射出口5aが交互に配列する構成とし、サブエアー吸引口7aについては、これら交互に配列するエアー射出口5aとメインエアー吸引口6aの周囲を囲むように多数配列して設けられた開口としている。また、この変形例においても、実施の形態1および実施の形態2の異物除去ヘッド部10および異物除去ヘッド部10aと同様に異物飛散防止板3の外周に囲い板4を設けている。更に図8(b)では図示を省略するが、エアー射出部およびエアー吸引部における下側、即ち、処理を行う基板が配置される側には、実施の形態1および実施の形態2と同様にエアー射出角度あるいはエアー吸込み角度を規制する整流板を設けると良い。この整流板は実施の形態1および実施の形態2と同様に長方形の板を配列して構成し、其々の板は、エアー射出口5aの長手方向の長さと同じくらいの長さよりなり、其々の板の長手方向もエアー射出口5aの長手方向に平行に配置すると良い。なお、特にこの変形例では、基板1に対して異物除去ヘッド部10bを静止して異物除去処理を行うことから、整流板の角度などを処理中に変更可能な構成として、エアー射出口5aから射出されるエアーが基板1表面全体に作用させることも可能であり、実施の形態1および実施の形態2のように基板に対して異物除去ヘッド部を相対的に移動しながら異物除去処理を行う例と同様の基板面に対して、より均一な異物除去効果を得ることができる。
【0080】
図8(b)を用い説明を行った変形例の異物除去装置においても、基板1上部に配置され、異物飛散防止板3a、異物飛散防止板3aの外周に設けられた囲い板4、基板の表面にエアーを射出するエアー射出部、およびエアーを吸引するエアー吸引部を設けた異物除去ヘッド10bを備えていることから、エアー射出による異物への除去作用を維持しながらも外部への異物の拡散を抑制することができる。また、異物の拡散による基板や装置の再汚染を防止することができる。以上の結果、基板より異物を除去する作用を向上するという実施の形態1および実施の形態2の異物除去装置と同様の効果を得ることができる。また、異物除去ヘッド部10bは、基板1全体よりも大きく形成されており、更にステージ2上面より小さく形成されていることから、基板1の外周にステージ2上面により平坦面が形成された状態であり、更に異物除去ヘッド部10bの下部全体にステージ2が配置される状態で、異物除去処理(エアー射出部からのエアー射出あるいはエアー吸引部からのエアー吸引)が実施される。従って、異物除去処理(エアー射出部からのエアー射出あるいはエアー吸引部からのエアー吸引)の際において、異物除去ヘッド部10bの下部が開放状態となっていないことから、異物除去処理時において、周辺の異物などを巻き上げる可能性が無い。
【0081】
また、上記説明を行った本発明を適用した実施の形態1、実施の形態2あるいはこれらの変形例の異物除去装置では、異物除去装置単独の構成のみについて説明を行ったが、他の基板処理装置における一部構成としても良く。例えば、ドライエッチング処理装置のチャンバー予備室内などに設けて、ドライエッチング処理の直前に、異物除去処理を行う構成としても良い。このような構成の場合、特に装置内などで異物の巻上げを防止できる点で、本発明の異物除去装置は好適に作用し、ドライエッチング処理時における基板上の異物によるエッチング残渣の発生を防止することができる。更に、液晶表示装置や半導体装置の製造工程におけるドライエッチング処理工程に本発明の異物除去装置を適用することで、上記説明のエッチング残渣の発生を防止して、液晶表示装置や半導体装置の製造時における歩留りや品質を向上することも可能となる。
【符号の説明】
【0082】
1,1a 基板、2,2a ステージ、2b 凹部、2c ステッピングモータ、
2d ボールネジ、2e アライメント機構、2f 搬送ローラ、
3,3a 異物飛散防止板、4 囲い板、
5 エアー射出部、5a エアー射出口、5b エアー供給源、
5c 電空レギュレータ、50 ノズル、
6 メインエアー吸引部、6a メインエアー吸引口、
7,12 サブエアー吸引部、7a,12a サブエアー吸引口、
8,8a 整流板、9 筐体、10,10a,10b 異物除去ヘッド部、
10p 接続ポート、11,11a 制御機構、13a,13b センサ。
図1
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図8