特許第5834919号(P5834919)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5834919
(24)【登録日】2015年11月13日
(45)【発行日】2015年12月24日
(54)【発明の名称】蓄電装置及び車両
(51)【国際特許分類】
   H01M 2/34 20060101AFI20151203BHJP
   H01M 2/02 20060101ALI20151203BHJP
【FI】
   H01M2/34 A
   H01M2/02 A
【請求項の数】6
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2012-254(P2012-254)
(22)【出願日】2012年1月4日
(65)【公開番号】特開2013-140711(P2013-140711A)
(43)【公開日】2013年7月18日
【審査請求日】2014年6月5日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003218
【氏名又は名称】株式会社豊田自動織機
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(72)【発明者】
【氏名】高橋 英樹
【審査官】 山下 裕久
(56)【参考文献】
【文献】 特開2003−288946(JP,A)
【文献】 特開昭61−224263(JP,A)
【文献】 特開平10−233233(JP,A)
【文献】 特開2002−260631(JP,A)
【文献】 特開平10−326610(JP,A)
【文献】 特開平11−191436(JP,A)
【文献】 特開平10−100079(JP,A)
【文献】 特開平11−054005(JP,A)
【文献】 特開2007−173005(JP,A)
【文献】 特開平10−125305(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 2/34
H01M 2/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電極体をケースの内部に収容した状態で当該ケースが密閉された蓄電装置であって、
前記蓄電装置の正極用外部端子と前記電極体を電気的に接続する経路と前記蓄電装置の負極用外部端子と前記電極体を電気的に接続する経路とを接続する接続経路に電流経路開閉手段が設けられ、
前記電流経路開閉手段は、電流遮断状態と電流非遮断状態とに切り換え可能であり、かつ、前記正極用外部端子と前記負極用外部端子との間に予め設定された電圧以上の過電圧が印加された場合に電流遮断状態から電流非遮断状態に切り換えられ、外部からの操作により電流非遮断状態から電流遮断状態に復帰可能に構成されており、
前記電流経路開閉手段は前記ケース内に収容されていることを特徴とする蓄電装置。
【請求項2】
前記電流経路開閉手段は電流経路上に設けられた互いに接離可能な複数の接点と、前記接点が互いに離間した電流遮断状態と前記接点が互いに当接した電流非遮断状態とに切り換え可能な操作部と、前記正極用外部端子と前記負極用外部端子との間に予め設定された電圧以上の過電圧が印加された場合に前記電流非遮断状態から前記電流遮断状態に切り換える接点引き外し装置とを備えるものである請求項1に記載の蓄電装置。
【請求項3】
前記電流経路開閉手段は接触式のブレーカである請求項2に記載の蓄電装置。
【請求項4】
前記電流経路開閉手段は非接触式のブレーカである請求項2に記載の蓄電装置。
【請求項5】
前記電流経路開閉手段は、過電圧が印加された場合に接点間に配置された金属が溶融することで接点間の導通と非導通を切り換えるヒューズであり、前記ヒューズは前記ケースの外部から交換可能である請求項1に記載の蓄電装置。
【請求項6】
請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載の蓄電装置を搭載した車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、蓄電装置及び車両に係り、詳しくは保護装置を備えた蓄電装置及びその蓄電装置が搭載された車両に関する。
【背景技術】
【0002】
二次電池では外部回路の故障による過充電等で過電圧が印加された場合、電解液が分解して耐久性が悪くなる。二次電池の電極体に外部から印加される電圧を検出して、閾値電圧以上の電圧が印加されると、電池を保護するために電流を遮断したり、電流を迂回させたりする安全回路があるが、これらは一般に電池の外部に設置されている。ところが、電池の外部に安全回路を設置した場合、外部からの衝撃により破壊されて、安全回路の機能が働かなくなる可能性がある。また、二次電池に限らず、キャパシタ等の蓄電装置においても過電圧が印可されると耐久性が悪くなるため、過電圧が印可されるのを防止することが要求される。
【0003】
従来、電池のケース内に過電圧を検出する手段と、電流の遮断を行う手段あるいは電流を迂回させる手段を設けた保護器が提案されている(特許文献1参照。)。特許文献1には、電流遮断を行う手段として、正極端子及び負極端子の一方の端子に、直列に開放手段が挿入された保護器が開示されている。電流を迂回させる手段としては、正極端子と負極端子との間に短絡手段が接続された保護器が開示されている。短絡手段としてリレーなどのスイッチング部品やMOSトランジスタなどの半導体素子が挙げられている。また、NTC(温度の上昇に対して抵抗が減少するサーミスタ)やバイメタルなどのように、電流や温度に感応する感応素子により、異常検出手段と短絡手段を一体化させることも開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平11−191436号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の保護器では、電池外部の要因に限らず電池自身の要因で異常が生じた場合にも対処し、異常検出状態が解除されると電流遮断状態や電流迂回状態が自動的に解除される。ところが、特に外部要因で異常が生じた場合に、外部要因を検査、検討せずに電流遮断状態や電流迂回状態を解除すると、同じ要因で異常が繰り返される場合があり好ましくない。また、異常検出と異常非検出の状態が短時間で繰り返されるハンチングにより、電池の耐久性が低下する場合も生じる。
【0006】
本発明は、前記従来の問題に鑑みてなされたものであって、その目的は、保護回路の構成要素が密閉された蓄電装置内に格納された構成の蓄電装置において、蓄電装置外部の故障要因に対して、蓄電装置の機能を一時停止し、かつ停止状態からの復帰を外部からの操作で可能とする蓄電装置及びその蓄電装置を搭載した車両を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記の目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、電極体をケースの内部に収容した状態で当該ケースが密閉された蓄電装置であって、前記蓄電装置の正極用外部端子と前記電極体を電気的に接続する経路と前記蓄電装置の負極用外部端子と前記電極体を電気的に接続する経路とを接続する接続経路に電流経路開閉手段が設けられている。前記電流経路開閉手段は、電流遮断状態と電流非遮断状態とに切り換え可能であり、かつ、前記正極用外部端子と前記負極用外部端子との間に予め設定された電圧以上の過電圧が印加された場合に電流遮断状態から電流非遮断状態に切り換えられ、外部からの操作により電流非遮断状態から電流遮断状態に復帰可能に構成されており、前記電流経路開閉手段は前記ケース内に収容されている。ここで、「蓄電装置」とは、二次電池や、電気二重層キャパシタ及びリチウムイオンキャパシタ等のキャパシタのように再充電可能な電源となる装置を意味する。
【0010】
この発明では、蓄電装置の両外部端子間に過電圧が印加されない状態、即ち正常時の状態では電流経路開閉手段は電流遮断状態に保持されており、過電圧が印加されると電流非遮断状態に切り換えられる。そして、過電圧時の状態に切り換えられた電流経路開閉手段は、外部から操作されない限り、電流非遮断状態から元の状態である電流遮断状態に復帰しない。そのため、外部の故障要因を検査、検討して適切な状態、即ち故障要因を除去した後、元の状態に復帰させることができる。
【0011】
また、ケースが無くフィルムで外部と離隔されている構成の場合に比べて、ケースに外力が加わっても、その外力が電流経路開閉手段に対して大きな力を加えることが抑制される。
【0012】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記電流経路開閉手段は電流経路上に設けられた互いに接離可能な複数の接点と、前記接点が互いに離間した電流遮
断状態と前記接点が互いに当接した電流非遮断状態とに切り換え可能な操作部と、前記正極用外部端子と前記負極用外部端子との間に予め設定された電圧以上の過電圧が印加された場合に前記電流非遮断状態から前記電流遮断状態に切り換える接点引き外し装置とを備えるものである。この発明では、外部の異常原因により電流非遮断状態から前記電流遮断状態に切り換えられた複数の接点は、外部からの操作による機械的な力で異常発生前の状態に復帰される。
【0013】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の発明において、前記電流経路開閉手段は接触式のブレーカである。ここで、「接触式のブレーカ」とは、外部の異常原因により保護状態である電流遮断状態に切り換えられた接点を、外部からの操作による機械的な力で異常発生前の状態である電流非遮断状態に復帰させる際、機械的な力を作用させる部材が接点に接触した状態で、切り換える構成のものを意味する。したがって、この発明では、外部の異常原因により電流遮断状態に切り換えられた接点に、機械的な力を直接作用して切り換えるため、磁力などの非接触の力で移動させる場合に比べて、目的の位置に移動させ易い。
【0014】
請求項4に記載の発明は、請求項2に記載の発明において、前記電流経路開閉手段は非接触式のブレーカである。ここで、「非接触式のブレーカ」とは、外部の異常原因により保護状態である電流遮断状態に切り換えられた接点に、機械的な力を直接作用させずに、例えば、磁力によりで異常発生前の状態に復帰させる(切り換える)構成のものを意味する。したがって、この発明では、接点に接触せずに、元の位置に復帰させることができる。
【0015】
請求項5に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記電流経路開閉手段は、過電圧が印加された場合に接点間に配置された金属が溶融することで接点間の導通と非導通を切り換えるヒューズであり、前記ヒューズは前記ケースの外部から交換可能である。この発明では、蓄電装置の正極用外部端子と負極用外部端子との間に予め設定された電圧以上の過電圧が印加された場合に、蓄電装置の電極体へ電流が供給されるのを遮断する電流経路開閉手段としてヒューズが機能する構成では、ヒューズとして通常のヒューズが使用される。一方、蓄電装置の正極用外部端子と負極用外部端子との間に予め設定された電圧以上の過電圧が印加された場合に、蓄電装置の電極体へ電流が供給されるのを迂回させる電流経路開閉手段としてヒューズが機能する構成では、ヒューズとして通常のヒューズではなく逆ヒューズが使用される。ここで、「逆ヒューズ」とは、電圧上昇により発熱抵抗が熱を発し、この熱が低融点金属等を溶融することにより接点間を電気的に導通状態にする、いわゆるヒューズとは逆の挙動を示すよう構成された電気部品を意味する。ヒューズ及び逆ヒューズのいずれも、ブレーカとは異なり、一度、電流遮断状態から電流非遮断状態あるいは電流非遮断状態からに電流遮断状態に変化したものは、交換する必要があり、ヒューズは外部から交換可能に設けられる。
【0016】
請求項6に記載の発明は、請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載の蓄電装置を搭載した車両である。したがって、この発明の車両は請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載の蓄電装置の効果が得られる。
【発明の効果】
【0017】
請求項1〜請求項5に記載の発明によれば、保護回路の構成要素が密閉された蓄電装置内に格納された構成の蓄電装置において、蓄電装置外部の故障要因に対して、蓄電装置の機能を一時停止し、かつ停止状態からの復帰を外部からの操作で可能とする蓄電装置を提供することができる。また、請求項6に記載の発明によれば、前記蓄電装置を搭載した車両を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】第1の実施形態の二次電池の模式図。
図2】(a),(b)は電流経路開閉手段の構成及び作用を説明するための模式図。
図3】第2の実施形態の二次電池の模式図。
図4】(a),(b)は電流経路開閉手段の構成及び作用を説明するための模式図、(c)は電圧検出発熱手段の構成を示す模式図。
【発明を実施するための形態】
【0019】
(第1の実施形態)
以下、本発明を具体化した第1の実施形態を図1及び図2にしたがって説明する。
図1に示すように、蓄電装置としての二次電池10は密閉されたケース11内に電極体12が収容されている。ケース11は、例えば、四角箱状に形成されている。電極体12は積層型であっても巻回型であってもよい。電極体12は、正極用集電端子13及び負極用集電端子14を備えている。正極用集電端子13は二次電池10の正極用外部端子15に、正極用外部端子15と正極用集電端子13とを電気的に接続する経路としての正極用経路16を介して接続されている。負極用集電端子14は二次電池10の負極用外部端子17に、負極用外部端子17と負極用集電端子14とを電気的に接続する経路としての負極用経路18を介して接続されている。
【0020】
ケース11の内部、即ち二次電池10の内部に、正極用外部端子15と負極用外部端子17との間に予め設定された電圧以上の過電圧が印加された場合に、二次電池10の電極体12へ電流が供給されるのを遮断させる電流経路開閉手段20が設けられている。電流経路開閉手段20は、電流遮断状態と電流非遮断状態とに切り換え可能で、かつ過電圧が印加された場合に正常時の状態から過電圧時の状態に切り換えられた後は、外部からの操作により元の状態に復帰可能に構成されている。
【0021】
電流経路開閉手段20は、電流遮断手段21及び電圧検出手段22を備えている。電流遮断手段21は正極用経路16に設けられており、正常時の状態は電流非遮断状態である。電圧検出手段22は正極用経路16と負極用経路18との間に設けられている。即ち、二次電池10の正極用外部端子15と電極体12とを電気的に接続する正極用経路16に電流経路開閉手段20が設けられている。電流経路開閉手段20は、電流遮断状態と電流非遮断状態とに切り換え可能であり、かつ、正極用外部端子15と負極用外部端子17との間に予め設定された電圧以上の過電圧が印加された場合に電流非遮断状態から電流遮断状態に切り換えられ、外部からの操作により電流遮断状態から電流非遮断状態に復帰可能に構成されている。
【0022】
この実施形態では電流経路開閉手段20として接触式のブレーカ30が使用されている。ブレーカ30として防爆型(密閉型)のブレーカが使用されている。図2に示すように、ブレーカ30は、二次電池10のケース11の一つの側壁11aの近くに設けられている。ブレーカ30は、ハウジング32から突出している操作部としてのハンドル31が、側壁11aと対向する側に位置するようにケース11内に設けられている。
【0023】
ブレーカ30は、内部にバイメタルを備え、電流非遮断状態においてはバイメタルを介して電流が流れるとともに、ハンドル31は接点が電流非遮断位置に配置される位置に保持されている。そして、予め設定された電圧以上の過電圧が印加されると、バイメタルの発熱量が大きくなってその湾曲量も大きくなり、ブレーカ内部の接点引き外し装置を動かして回路を遮断する。即ち、バイメタルが電圧検出手段22として機能する。そして、正極用外部端子15及び負極用外部端子17間に過電圧が印加されると、ハンドル31の位置が電流遮断位置に切り換えられるようになっている。また、ハンドル31が電流遮断位置に切り換えられた状態では、バイメタルの湾曲状態が元の状態に戻っても、バイメタルの状態に関係なく接点は遮断位置に保持され、ハンドル31を非遮断位置状態の位置に操作するまで、電流遮断位置に保持されるようになっている。
【0024】
側壁11aにはブレーカ30と対向する位置に孔19が形成され、孔19は開閉可能に蓋体23で覆われている。孔19は、人の手先が挿入可能な大きさに形成されている。側壁11aには孔19の周縁の内側に、ケース11の外部とケース11の内部とを離隔する離隔部材24が設けられている。離隔部材24は、一端が側壁11aの内面に固定された蛇腹部24aと、蛇腹部24aの他端に連続して形成された柔軟性を有する袋部24bとを有している。
【0025】
前記の構成の二次電池10は種々の用途に使用されるが、例えば車両に搭載した状態でも使用される。
次に前記のように構成された二次電池10の作用を説明する。
【0026】
二次電池10は正極用外部端子15及び負極用外部端子17が図示しない外部機器に接続された状態で使用される。外部機器の使用中、二次電池10から外部機器に対して電力が供給される。外部機器の異常により、二次電池10の正極用外部端子15及び負極用外部端子17間に予め設定された電圧以上の過電圧が印加された場合には、ブレーカ30に内蔵されたバイメタルの作用により、ブレーカ内部の接点引き外し装置が駆動され、正極用経路16の一部を構成する接点が電流非遮断状態(導通状態)の位置から遮断状態の位置に移動される。そして、ハンドル31は図2(b)に二点鎖線で示す電流非遮断状態の位置から、実線で示す電流遮断状態の位置に切り換えられる。即ち、電流経路開閉手段20は二次電池10の外部から電極体12に対して電流が供給されない保護状態に切り換えられる。
【0027】
そして、電流遮断位置に切り換えられたハンドル31は、外部から操作されない限り、元の状態に復帰しない。そのため、使用者は外部の故障要因を検査、検討して適切な状態、即ち故障要因を除去した後、図2(b)に示すように、ケース11から蓋体23を取り外した状態で、ハンドル31の復帰操作(切り換え操作)を行う。復帰操作は、孔19から手先を離隔部材24内に挿入し、袋部24bを介してハンドル31を操作する。袋部24bは、通常は図2(a)に示すように、ハンドル31が袋部24bの外部に位置する状態にある。しかし、手先を蛇腹部24a内に挿入してハンドル31側へ移動させると、図2(b)に示すように蛇腹部24aが伸びて、ハンドル31が袋部24b内に入る状態になり、ハンドル31を操作することが可能になる。その状態でハンドル31を電流遮断状態の位置から、電流非遮断状態の位置に操作すると、ハンドル31が元の状態、即ち電流非遮断状態に復帰する。
【0028】
この実施形態によれば、以下に示す効果を得ることができる。
(1)二次電池10は電極体12を内部に収容した状態で密閉された二次電池であって、二次電池10の正極用外部端子15と電極体12とを電気的に接続する正極用経路16に電流経路開閉手段20が設けられている。電流経路開閉手段20は、電流遮断状態と電流非遮断状態とに切り換え可能であり、かつ、正極用外部端子15と負極用外部端子17との間に予め設定された電圧以上の過電圧が印加された場合に電流非遮断状態から電流遮断状態に切り換えられ、外部からの操作により電流遮断状態から電流非遮断状態に復帰可能に構成されている。したがって、外部要因で異常が生じた場合に、外部要因を検査、検討せずに電流遮断状態を解除することを抑制でき、また、異常検出と異常非検出の状態が短時間で繰り返されるハンチングにより、電池の耐久性が低下することも抑制することができる。
【0029】
(2)二次電池10はケース11を備え、電流経路開閉手段20はケース11内に収容されている。したがって、ケースが無くフィルムで外部と離隔されている構成の場合に比べて、ケースに外力が加わっても、その外力が電流経路開閉手段20に対して大きな力を加えることが抑制される。
【0030】
(3)電流経路開閉手段20としてブレーカ30が使用されている。したがって、外部の異常原因により保護状態に切り換えられたハンドル31(切り換え部材)は、外部からの操作による機械的な力で異常発生前の状態に復帰される。即ち、電流経路開閉手段20は、操作者の意志によって異常発生前の状態に復帰される。なお、電流経路開閉手段20としてブレーカ30を使った構成では過電圧に加え、過電流にも効果がある。
【0031】
(4)ブレーカ30は接触式のブレーカである。したがって、外部の異常原因により保護状態に切り換えられたハンドル31(切り換え部材)に、機械的な力を直接作用して切り換えるため、磁力などの非接触の力で移動させる場合に比べて、目的の位置に移動させ易い。
【0032】
(5)電流経路開閉手段20は、正極用外部端子15と正極用集電端子13とを電気的に接続する経路(正極用経路16)に設けられた電流遮断手段21と、正極用経路16と負極用経路18との間に設けられた電圧検出手段22とを備えており、正常時の状態は電流非遮断状態であり、電圧検出手段22が過電圧を検出すると電力遮断状態に切り換えられる。したがって、異常状態においては、電極体12に対して外部から電流を供給する経路が遮断されるため、電極体12に電流が供給されない。そのため、電流を迂回させる構成と異なり、異常状態において、電極体12に供給される電流の影響を考慮する必要がない。
【0033】
(6)前記の二次電池10を車両に搭載して使用すると、その車両はその二次電池10が有する効果を得ることができる。
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態を図3及び図4にしたがって説明する。この実施形態では、正極用外部端子15と負極用外部端子17との間に予め設定された電圧以上の過電圧が印加された場合に、二次電池10の電極体12へ電流が供給されるのを迂回させる構成の電流経路開閉手段40が設けられている点が第1の実施形態と大きく異なっている。第1の実施形態と同一部分は同一符号を付して詳しい説明を省略する。
【0034】
図3に示すように、電流経路開閉手段40は、正極用経路16と負極用経路18との間に、即ち正極用外部端子15と電極体12を電気的に接続する経路と、負極用外部端子17と電極体12を電気的に接続する経路とを接続する接続経路に設けられており、電流遮断状態と電流非遮断状態とに切り換え可能に構成されている。正極用外部端子15と負極用外部端子17との間に予め設定された電圧以上の過電圧が印加されない状態、即ち正常時の状態では電流経路開閉手段40は電流遮断状態に保持されており、過電圧が印加されると電流非遮断状態に切り換えられる。また、正極用経路16と負極用経路18との間に、過電圧が印可されると後記する逆ヒューズの低融点金属を溶融可能な状態まで発熱する電圧検出発熱手段41が設けられている。
【0035】
この実施形態では電流経路開閉手段40として逆ヒューズ42が使用されている。逆ヒューズ42は、通常のヒューズと異なり、回路に異常電流が流れるまでは接点間が電気的に非導通状態に保持され、回路に異常電流が流れるとそれまで接点間を導通しない位置に保持されていた低融点金属が溶融されて、接点間を電気的に導通状態にするものである。即ち、逆ヒューズ42は、所謂ヒューズとは逆の挙動を示すよう構成された電気部品を意味する。逆ヒューズ42は、ブレーカ30とは異なり、一度、電流遮断状態から電流非遮断状態に変化したものは、交換する必要があり、逆ヒューズ42は外部から交換可能に設けられる。
【0036】
図4(a)に示すように、ケース11の側壁11aには逆ヒューズ42を外部から交換可能に装着する収容部25がケース11内に突出するように形成されている。収容部25の開口部は蓋体23により覆われている。収容部25は開口部側が逆ヒューズ42の外径より大きく形成され、逆ヒューズ42の挿入、取り外しが容易になっている。
【0037】
図4(b)に示すように、逆ヒューズ42は電気的絶縁材、例えば、ガラスや磁器で形成された筒状本体42aの内部に二つの接点43a,43bが設けられ、接点43a,43bは一部が筒状本体42aの外部に露出している。そして、逆ヒューズ42が収容部25に装着された状態で、その露出した部分が収容部25の内面に形成されたケース側接点26a,26bと接続(接触)可能になっている。ケース側接点26a,26bはそれぞれ正極用経路16及び負極用経路18と電気的に接続されており、逆ヒューズ42の接点43a,43b間が導通状態になると、逆ヒューズ42を介して正極用経路16から負極用経路18に電流が流れることが可能になる。
【0038】
図4(b)に示すように、筒状本体42aの内面には、接点43a,43bの間と対向する位置に低融点金属44が固着されている。収容部25には、収容部25に装着された逆ヒューズ42の低融点金属44と対応する箇所に発熱機能を有する電圧検出発熱手段41が設けられている。電圧検出発熱手段41は、図4(c)に示すように、正極用経路16と負極用経路18との間に、発熱抵抗45とツェナーダイオード46とが直列に接続された回路を備え、ツェナーダイオード46はカソードが発熱抵抗45を介して正極用経路16に接続され、アノードが負極用経路18に接続されている。発熱抵抗45は、低融点金属44の近傍に配置されている。正極用外部端子15及び負極用外部端子17間に過電圧が印加されない状態では、ツェナーダイオード46を有する回路には電流が流れず、過電圧が印加されると電流が流れる状態になる。そして、発熱抵抗45が発する熱で低融点金属44が溶融し、溶融した低融点金属44が接点43a,43bを導通させる位置に移動し、逆ヒューズ42が電流遮断状態から電流非遮断状態に切り換えられるようになっている。
【0039】
この実施形態では、外部機器の使用中、外部機器の異常により、二次電池10の正極用外部端子15及び負極用外部端子17間に予め設定された電圧以上の過電圧が印加されると、電圧検出発熱手段41のツェナーダイオード46を有する回路に電流が流れる状態になる。そして、発熱抵抗45が発する熱で低融点金属44が溶融し、溶融した低融点金属44が接点43a,43bを導通させる位置に移動し、逆ヒューズ42が電流遮断状態から電流非遮断状態に切り換えられる。その結果、外部から二次電池10に供給される電流の一部は、電極体12へ供給されずに、逆ヒューズ42を通って電極体12を迂回して負極用経路18に流れる。逆ヒューズ42は電流非遮断状態に切り換えられた後は、正極用外部端子15及び負極用外部端子17間に過電圧が印加されない状態になっても、電流非遮断状態に保持される。そのため、逆ヒューズ42を交換しない限り、元の状態に復帰させることはできない。
【0040】
したがって、この実施形態においても、保護回路の構成要素が密閉された電池内に格納された構成の二次電池10において、電池外部の故障要因に対して、電池の機能を一時停止し、かつ停止状態からの復帰を外部からの操作(逆ヒューズ42の交換)で可能となる。そのため、使用者は外部の故障要因を検査、検討して適切な状態、即ち故障要因を除去した後、元の状態に復帰させることができる。また、ヒューズを使った構成でも、過電圧に加え、過電流にも効果がある。
【0041】
実施形態は前記に限定されるものではなく、例えば、次のように具体化してもよい。
○ 接触式のブレーカ30として、操作部としてハンドル31ではなく、電流非遮断状態(導通状態)の位置と、電流遮断状態の位置とに直線移動される切り換え部材を備え、電流非遮断状態から電流遮断状態に切り換えられた状態では、切り換え部材の一端の押圧操作部がブレーカ30のハウジング32から突出する構成のものを採用してもよい。この場合、ブレーカ30は、押圧操作部が離隔部材24と対向する位置に配置される。
【0042】
○ ブレーカ30として非接触式のブレーカを使用してもよい。非接触式のブレーカとは、外部の異常原因により保護状態に切り換えられた切り換え部材に、機械的な力を直接作用させずに、例えば、磁力により異常発生前の状態に復帰させる(切り換える)構成のものを意味する。したがって、このブレーカを使用した場合は、切り換え部材に接触せずに、元の位置に復帰させることができる。また、この構成を採用する場合は、ブレーカをケース11の側壁11aの近傍に配置することにより、側壁11aに孔19を設けずに、磁石をブレーカに近づけて操作することにより、切り換え部材の操作が可能になる。もちろん、側壁11aに凹部を設けて、磁石を切り換え部材によりちかづけて操作可能に構成してもよい。
【0043】
○ 二次電池10の正極用外部端子15と負極用外部端子17との間に予め設定された電圧以上の過電圧が印加された場合に、二次電池10の電極体12へ電流が供給されるのを遮断させる電流経路開閉手段として使用されるブレーカ30は、正極用経路16ではなく、負極用経路18に設けてもよい。
【0044】
○ ブレーカ30は、二次電池10の正極用外部端子15と負極用外部端子17との間に予め設定された電圧以上の過電圧が印加された場合に、二次電池10の電極体12へ電流が供給されるのを遮断させる電流経路開閉手段としてではなく、迂回させる電流経路開閉手段として設けてもよい。この場合、ブレーカ30は、正極用外部端子15と負極用外部端子17との間に過電圧が印可されていない正常状態では、電流遮断状態に保持され、過電圧が印加された場合に電流非遮断状態に切り換え可能に構成される。
【0045】
○ 二次電池10の正極用外部端子15と負極用外部端子17との間に予め設定された電圧以上の過電圧が印加された場合に、二次電池10の電極体12へ電流が供給されるのを遮断させる電流経路開閉手段として、ブレーカに代えてヒューズを使用してもよい。ヒューズを使用する場合、ヒューズは、正極用経路16又は負極用経路18の途中に介装される。その構成として、第2の実施形態のように、ケース11の側壁11aに収容部25を設ける。そして、ヒューズを正極用経路16の途中に介装する場合は、その収容部25にヒューズの一対の接点のうち、一方の接点を正極用外部端子15に接続する接点を設け、他方の接点を正極用集電端子13に接続する接点を設ける。また、ヒューズを負極用経路18の途中に介装する場合は、その収容部25にヒューズの一対の接点のうち、一方の接点を負極用外部端子17に接続する接点を設け、他方の接点を負極用集電端子14に接続する接点を設ける。この構成により、正常なヒューズが収容部25に装着されている状態では、正極用経路16あるいは負極用経路18はヒューズを介して電流非遮断状態(導通状態)に保持され、ヒューズが溶断した後は、正極用経路16あるいは負極用経路18は電流遮断状態(非導通状態)になる。
【0046】
○ 二次電池10は、複数の電極体12がケース11あるいはフィルムで密閉された構成であってもよい。
○ 二次電池10は、単電池に限らず、複数の単電池が密閉されたケース内に収容された構成の組電池あるいは電池モジュールであってもよい。
【0047】
○ 密閉された二次電池10の構成として、二次電池10がケース11を備えずに、電極体12がフィルムで密閉された構成であってもよい。
○ 二次電池10は、電解質として電解液を使用する構成であっても、電解液を使用せずに固体電解質や高分子電解質を使用する構成であってもよい。
【0048】
○ 二次電池10に限らず、電気二重層キャパシタやリチウムイオンキャパシタ等のキャパシタに適用してもよい。
以下の技術的思想(発明)は前記実施形態から把握できる。
【0049】
(1)前記非接触式のブレーカは、前記ブレーカの接点の状態を二次電池の外部から磁石の磁力によって正常状態に復帰させることが可能な構成である。
【符号の説明】
【0050】
10…蓄電装置としての二次電池、11…ケース、12…電極体、13…正極用集電端子、14…負極用集電端子、15…正極用外部端子、17…負極用外部端子、20,40…電流経路開閉手段、30…ブレーカ、43a,43b…接点。
図1
図2
図3
図4