特許第5835014号(P5835014)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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特許5835014画素パターンの形成方法及びカラーフィルタの製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5835014
(24)【登録日】2015年11月13日
(45)【発行日】2015年12月24日
(54)【発明の名称】画素パターンの形成方法及びカラーフィルタの製造方法
(51)【国際特許分類】
   G02B 5/20 20060101AFI20151203BHJP
   G03F 7/004 20060101ALI20151203BHJP
   H05B 33/12 20060101ALI20151203BHJP
   H01L 51/50 20060101ALI20151203BHJP
   G02F 1/1335 20060101ALI20151203BHJP
   G03F 7/20 20060101ALI20151203BHJP
   G03F 7/027 20060101ALI20151203BHJP
【FI】
   G02B5/20 101
   G03F7/004 505
   H05B33/12 E
   H05B33/14 A
   G02F1/1335 500
   G03F7/20 501
   G03F7/027
【請求項の数】6
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2012-44315(P2012-44315)
(22)【出願日】2012年2月29日
(65)【公開番号】特開2012-215843(P2012-215843A)
(43)【公開日】2012年11月8日
【審査請求日】2014年7月3日
(31)【優先権主張番号】特願2011-79777(P2011-79777)
(32)【優先日】2011年3月31日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000004178
【氏名又は名称】JSR株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000084
【氏名又は名称】特許業務法人アルガ特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100077562
【弁理士】
【氏名又は名称】高野 登志雄
(74)【代理人】
【識別番号】100096736
【弁理士】
【氏名又は名称】中嶋 俊夫
(74)【代理人】
【識別番号】100117156
【弁理士】
【氏名又は名称】村田 正樹
(74)【代理人】
【識別番号】100111028
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 博人
(72)【発明者】
【氏名】竹村 彰浩
(72)【発明者】
【氏名】大喜多 健三
【審査官】 中村 博之
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−097210(JP,A)
【文献】 特開2010−152336(JP,A)
【文献】 特表2014−500852(JP,A)
【文献】 特開2009−265630(JP,A)
【文献】 特開平11−189733(JP,A)
【文献】 特開2012−108499(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 5/20
G03F 7/004−7/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(1)基板上に、緑色、青色、黄色又はシアン色の染料及びレーキ顔料よりなる群から選ばれる少なくとも1種を含む着色剤を含有する着色感放射線性組成物の塗膜を形成する工程、並びに
(2)前記塗膜の少なくとも一部に放射線を照射する工程
を含み、
前記着色剤の含有割合が前記着色感放射線性組成物の固形分中に5〜70質量%であり、
前記放射線の分光分布が350nm〜450nmの範囲に複数のピークを有し、且つ前記放射線の350nm未満における最大強度が350nm〜450nmにおける最大ピーク強度の50%以下であることを特徴とする、緑色、青色、黄色又はシアン色の画素パターンの形成方法。
【請求項2】
前記着色感放射線性組成物が更にバインダー樹脂、架橋剤及び光重合開始剤を含有する、請求項1に記載の画素パターンの形成方法。
【請求項3】
前記バインダー樹脂がカルボキシル基、イミド酸基、スルホ基、スルフィノ基及びスルフェノ基よりなる群から選ばれる酸性官能基を有する重合体である、請求項1又は2に記載の画素パターンの形成方法。
【請求項4】
前記染料がアゾ系染料、アントラキノン系染料、キサンテン系染料、トリアリールメタン系染料、フタロシアニン系染料、キノンイミン系染料、キノリン系染料、ニトロ系染料及びメチン系染料よりなる群から選ばれる1種又は2種以上である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の画素パターンの形成方法。
【請求項5】
前記着色剤として更に有機顔料又は無機顔料を含有する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の画素パターンの形成方法。
【請求項6】
基板上に、緑色、青色、黄色又はシアン色の染料及びレーキ顔料よりなる群から選ばれる少なくとも1種を含む着色剤を含有する着色感放射線性組成物であって、前記着色剤の含有割合が固形分中に5〜70質量%である着色感放射線性組成物の塗膜を形成する工程、並びに
前記塗膜の少なくとも一部に、分光分布が350nm〜450nmの範囲に複数のピークを有し、且つ350nm未満における最大強度が350nm〜450nmにおける最大ピーク強度の50%以下である放射線を照射する工程
を含む工程により、緑色、青色、黄色又はシアン色の画素パターンを形成する工程を含む、カラーフィルタの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画素パターンの形成方法、この方法により製造されたカラーフィルタ、及び該カラーフィルタを具備する表示素子に関する。
【背景技術】
【0002】
カラーフィルタは、可視光の内の特定の波長域の光を透過させて、着色した透過光を生成する。液晶を用いた液晶表示素子は、それ自身で発色することはできないが、カラーフィルタを使用することで、カラー液晶表示素子として機能することができる。また、カラーフィルタは、白色発光層を用いた有機EL(Electro Luminescence)素子や、電子ペーパーなどのカラー表示にも利用される。さらに、カラーフィルタを利用すれば、CCDイメージセンサ、CMOSイメージセンサなどの固体撮像素子のカラー撮影が可能となる。
【0003】
カラーフィルタの製造方法としては、次のようなものが知られている。例えば、透明基板上又は所望のパターンの遮光層が形成された透明基板上に、適当な照射線に感応する着色組成物として、着色感放射線性組成物を塗布する。次いで、塗膜を乾燥した後、マスクを介して乾燥塗膜に放射線を照射(以下、「露光」と称す。)し、現像処理を施す。これによって、各色の画素を得る方法である(例えば、特許文献1及び2参照。)。また、着色硬化性樹脂組成物を用いて、インクジェット方式により、各色の画素を得る方法なども知られている(例えば、特許文献3参照。)。
【0004】
ところで、表示素子の高輝度化と高色純度化、或いは固体撮像素子の高精細化を実現するには、着色剤として染料やレーキ顔料を用いることが有効であることが知られている(例えば、特許文献4及び5参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平2−144502号公報
【特許文献2】特開平3−53201号公報
【特許文献3】特開2000−310706号公報
【特許文献4】特開2008−304766号公報
【特許文献5】特開2001−081348号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、染料やレーキ顔料を含む着色感放射線性組成物は、顔料のみを含む着色感放射線性組成物に比べて、色度特性のプロセス安定性が著しく劣る。そのため、着色剤として染料やレーキ顔料を用いても、結局のところ、顔料に対して色度特性に優位性のあるカラーフィルタが得られ難いという問題がある。
【0007】
本発明は、以上のような問題に鑑みてなされたものである。すなわち、本発明の目的は、着色剤として染料やレーキ顔料を用いた場合に、染料やレーキ顔料の優れた色度特性を存分に発現させるための、画素パターンの形成方法、該方法により形成されたカラーフィルタ、及び該カラーフィルタを具備する、色度特性に優れた表示素子を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、鋭意検討の結果、画素パターンを形成する際、露光放射線として特定の紫外線を利用することにより、上記課題を解決することができることを見出した。
【0009】
即ち、本発明は、(1)基板上に、染料及びレーキ顔料よりなる群から選ばれる少なくとも1種を含有する着色感放射線性組成物の塗膜を形成する工程、及び(2)前記塗膜の少なくとも一部に放射線を照射する工程を含み、前記放射線の分光分布が350nm〜450nmの範囲に複数のピークを有し、且つ前記放射線の350nm未満における最大強度が350nm〜450nmにおける最大ピーク強度の50%以下であることを特徴とする画素パターンの形成方法を提供するものである。なお、以下においては、「分光分布が350nm〜450nmの範囲に複数のピークを有し、且つ350nm未満における最大強度が350nm〜450nmにおける最大ピーク強度の50%以下である放射線」を「特定放射線」ともいう。
【0010】
また、本発明は、上記方法により形成された画素パターンを備えてなるカラーフィルタ、及び該カラーフィルタを具備する表示素子を提供するものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、着色剤として染料やレーキ顔料を用いた場合に、染料やレーキ顔料の優れた色度特性が存分に発揮されるカラーフィルタを製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】超高圧水銀灯から放射される放射線の代表的な分光分布を示す図。
図2】超高圧水銀灯から放射される放射線に紫外線カットフィルタ1を介して得られた放射線の分光分布を示す図。
図3】超高圧水銀灯から放射される放射線に紫外線カットフィルタ2を介して得られた放射線の分光分布を示す図。
図4】超高圧水銀灯から放射される放射線に紫外線カットフィルタ3を介して得られた放射線の分光分布を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本実施の形態について詳細に説明する。
【0014】
<画素パターンの形成方法及びカラーフィルタ>
本発明の画素パターンの形成方法は、少なくとも下記(1)及び(2)の工程を含むことを特徴とする。
(1)基板上に、染料及びレーキ顔料よりなる群から選ばれる少なくとも1種を含有する着色感放射線性組成物の塗膜を形成する工程(以下、「塗膜形成工程」ともいう。)
(2)前記塗膜の少なくとも一部に特定放射線を露光する工程(以下、「露光工程」ともいう。)
【0015】
以下では、(1)及び(2)の各工程について、具体例を挙げて詳細に説明する。
【0016】
(1)塗膜形成工程
まず、基板を準備する。基板としては、例えば、ホウ珪酸ガラス、アルミノホウ珪酸ガラス、無アルカリガラス、石英ガラス、合成石英ガラス、ソーダライムガラス、ホワイトサファイアなどの透明なガラス基板を用いることができる。また、ポリメチルメタクリレート等のアクリル、ポリアミド、ポリアセタール、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、トリアセチルセルロース、シンジオタクティック・ポリスチレン、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、フッ素樹脂、ポリエーテルニトリル、ポリカーボネート、変性ポリフェニレンエーテル、ポリシクロヘキセン、ポリノルボルネン系樹脂、ポリサルホン、ポリエーテルサルホン、ポリアリレート、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド又は熱可塑性ポリイミドなどの透明樹脂フィルムを用いることもできる。特に、無アルカリガラスは、熱膨脹率の小さい素材であり、寸法安定性及び高温加熱処理における特性に優れている点から好ましく用いられる。
【0017】
また、これらの基板には、所望により、シランカップリング剤などによる薬品処理やプラズマ処理の他、イオンプレーティング法、スパッタリング法、気相反応法又は真空蒸着法などによる二酸化ケイ素膜の成膜などの適当な前処理を施しておくこともできる。
【0018】
次に、基板上に、画素を形成する部分を区画するように遮光層(ブラックマトリックス)を形成する。例えば、スパッタや蒸着により成膜したクロムなどの金属薄膜を、フォトリソグラフィ法を利用して所望のパターンに加工する。あるいは、黒色の着色剤を含有する感放射線性組成物を基板上に塗布し、フォトリソグラフィ法によって所望のパターンを形成してもよい。金属薄膜からなる遮光層の膜厚は、通常0.1μm〜0.2μmとすることが好ましい。一方、黒色の感放射線性組成物を用いて形成された遮光膜の膜厚は、1μm前後とすることが好ましい。
【0019】
尚、遮光層は不要とされる場合もあり、その場合は遮光層形成の工程は省略できる。
【0020】
次に、上記の基板上に、例えば、青色の染料又はレーキ顔料を含有する、ネガ型の青色感放射線性組成物を塗布する。次いで、プレベークを行って溶剤を蒸発させて、塗膜を形成する。
【0021】
着色感放射線性組成物を基板に塗布する際には、スプレー法、ロールコート法、回転塗布法(スピンコート法)、スリットダイ塗布法又はバーコート法などを適宜選択することができる。均一な膜厚の塗膜が得られる点からは、スピンコート法又はスリットダイ塗布法を採用することが好ましい。
【0022】
プレベークは、通常、減圧乾燥と加熱乾燥とを組み合わせて行われる。減圧乾燥は、通常、50Pa〜200Paに到達するまで行う。また、加熱乾燥の条件は、通常、ホットプレートを用いて、70℃〜110℃の温度の下で1分間〜10分間程度である。また、塗布される塗膜の厚さは、乾燥後の膜厚として、通常、0.6μm〜8μm、好ましくは1.2μm〜5μmである。
【0023】
また、基板上に着色感放射線性組成物の塗膜を形成する他の例として、特開平7−318723号公報、特開2000−310706号公報などに開示されている、インクジェット方式による方法も挙げられる。この方法においては、まず、基板の表面上に、遮光機能も兼ねた隔壁を形成する。次いで、この隔壁内に、例えば、青色の染料又はレーキ顔料を含有する着色感放射線性組成物を、インクジェット装置により吐出する。その後、プレベークを行って溶媒を蒸発させる。プレベークの方法や条件は、上記した第一の例と同様である。
【0024】
尚、上述の隔壁は、遮光機能のみならず、区画内に吐出された各色の着色感放射線性組成物が混色しないための機能も果たしている。そのため、上記した第一の例で使用される遮光層(ブラックマトリックス)に比べて膜厚が厚い。隔壁は、通常、黒色の感放射線性組成物を用いて形成される。
【0025】
また、基板上に着色感放射線性組成物の塗膜を形成する更なる例として、特開平9−5991号公報などに開示されている、ドライフィルム法も挙げられる。この方法においては、フィルム状の支持体上に、例えば、青色の染料又はレーキ顔料を含有する着色感放射線性組成物を塗布し、プレベークを行って有機溶剤を蒸発させることにより、支持体上に着色感放射線性組成物層が形成されたドライフィルムを製造する。そして、この着色感放射線性組成物層が形成された支持体を、ラミネーターを用いてカラーフィルタ形成用の基板にラミネートする。その後、着色感放射線性組成物層を支持体から剥離させることにより、着色感放射線性組成物層を基板に転写する。支持体上に着色感放射線性組成物を塗布する方法や、プレベークの方法及び条件は、上記した第一の例と同様である。
【0026】
(2)露光工程
塗膜形成工程の後、形成された塗膜の少なくとも一部に、通常、所定のパターンを有するフォトマスクを介して露光する。本発明は、この際利用する露光放射線が特定の分光特性を示すことを特徴とする。通常、カラー液晶表示用カラーフィルタを製造する際に利用される超高圧水銀灯から照射される放射線は、図1のような分光特性を示す。図1において、436nmのピークがg線、405nmのピークがh線、365nmのピークがi線であるが、超高圧水銀灯から放射される放射線は、通常、これらの他、350nm未満にも幾つかのピークを有する深紫外線を含んでいる。本発明者らは、このような分光特性を示す露光放射線に対して、350nm未満の光強度を低減させることにより、染料及びレーキ顔料の安定性が増すことを見出し本発明に至った。
【0027】
特定放射線において、350nm未満における最大強度は、350nm〜450nmにおける最大ピーク強度の50%以下であるが、所望の効果を高めるには、45%以下であることが好ましく、30%以下であることがさらに好ましい。
【0028】
特定放射線は、光源として上記のような分光特性を示すランプを用いて得ることができるが、超高圧水銀灯から放射された放射線に紫外線カットフィルタを介して得ることもできる。紫外線カットフィルタとしては、350nm未満の光強度を上記条件まで低減できれば特に限定されないが、例えば、紫外線カットフィルターUV−35、UV−33、UV−31(以上、東芝硝子社製)等を挙げることができる。
【0029】
特定放射線の露光量は、通常、10〜10,000J/m2であるが、所望の効果を高めるには、50〜5,000J/m2であることが好ましく、100〜2,000J/m2であることがさらに好ましい。
【0030】
上記露光工程の後、必要に応じて(3)露光後の塗膜を現像する工程(以下、「現像工程」ともいう。)及び/又は(4)塗膜をポストベークする工程が行われる。
【0031】
(3)現像工程
露光工程の後、現像液で現像することにより、塗膜の未露光部を溶解除去する。現像液としては、アルカリ現像液が好ましく、例えば、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド、コリン、1,8−ジアザビシクロ−[5.4.0]−7−ウンデセン、1,5−ジアザビシクロ−[4.3.0]−5−ノネンなどの水溶液が用いられる。アルカリ現像液には、例えば、メタノール、エタノールなどの水溶性有機溶剤や、界面活性剤などを適量添加することもできる。尚、アルカリ現像処理の後は、通常、水洗を行う。
【0032】
現像処理法としては、例えば、シャワー現像法、スプレー現像法、ディップ(浸漬)現像法又はパドル(液盛り)現像法などを適用することができる。現像条件は、例えば、常温で5秒間〜300秒間とすることができる。
【0033】
尚、上記インクジェット方式により着色感放射線性組成物の塗膜を形成した場合、現像工程は不要であり省略される。
【0034】
(4)塗膜をポストベークする工程
現像工程の後、或いは上記インクジェット方式により塗膜を形成し露光工程を経た後、パターニングされた塗膜をポストベークすることが、硬化性を高める点から好ましい。ポストベークの条件は、温風加熱炉を用いた場合、例えば、150℃〜250℃で20分間〜40分間程度とすることができる。
【0035】
このようにして、青色の染料又はレーキ顔料を含有する、青色の画素パターンが所定の配列で配置された画素アレイを形成することができる。次に、ネガ型の緑色感放射線性組成物を用いて、上記工程を繰り返すことにより、緑色の画色パターンを同一基板上に形成し、更にネガ型の赤色感放射線性組成物を用いて、上記工程を繰り返すことにより、赤色の画素パターンを同一基板上に形成することによって、赤色、緑色及び青色の三原色の画素パターンが所定の配列で配置された画素アレイを基板上に形成することができる。但し、本実施の形態においては、各色の画素パターンを基板上に形成する順序は、上述の例に限定されない。各色の形成順序は適宜変更することが可能である。
【0036】
以上のようにして形成された画素パターンの膜厚は、通常0.5μm〜5μm、好ましくは1.0μm〜3μmである。
【0037】
尚、本発明において、カラーフィルタを構成する画素パターンは、赤色、緑色及び青色に限られるものではなく、黄色、マゼンダ色及びシアン色を三原色とする画素パターンであってもよい。また、三原色の画素に対応する着色パターンに加えて、第4や第5の着色パターンを形成することもできる。例えば、特表2005−523465号公報などに開示されているように、赤色、緑色及び青色の三原色の画素に対応する着色パターンに加え、表色範囲を広げるための第4の画素(黄色画素)や第5の画素(シアン画素)を配置することができる。
【0038】
このようにして形成された画素パターン上に、さらに保護膜を設けることで、表示素子の表示特性を高めることができる。保護膜としては、硬化性組成物から形成される有機膜若しくは有機無機ハイブリッド膜、又はSiNx膜及びSiOx膜などの無機膜を挙げることができる。本実施の形態においては、硬化性組成物を用いて保護膜を形成することが好ましい。
【0039】
硬化性樹脂組成物を用いて保護膜を形成する方法としては、例えば、特開平4−53879号公報又は特開平6−192389号公報などに開示されている方法を採用することができる。
【0040】
保護膜の形成に用いられる硬化性樹脂組成物としては、例えば、特開平3−188153号公報又は特開平4−53879号公報などに開示されている熱硬化性樹脂組成物、特開平6−192389号公報又は特開平8−183819号公報などに開示されている感放射線性樹脂組成物、特開2006−195420号公報又は特開2008−208342号公報などに開示されているポリオルガノシロキサンを含有する硬化性組成物などを挙げることができる。
【0041】
本発明の画素パターンの形成方法によれば、染料やレーキ顔料の優れた色度特性が失われることなく発揮される、即ち、露光前後での色差(ΔE*ab)の小さな画素パターンが得られる。したがって、本発明の画素パターンの形成方法を用いることにより、色度特性に優れたカラーフィルタを得ることが可能となる。本発明の画素パターンの形成方法は、例えば、カラー液晶表示素子用カラーフィルタ、固体撮像素子の色分解用カラーフィルタ、有機EL表示素子用カラーフィルタ、電子ペーパー用カラーフィルタを始めとする各種のカラーフィルタの製造に好適であり、特に、大型の基板を用いるカラー液晶表示素子用カラーフィルタの製造に好適である。
【0042】
次に、本発明の画素パターンの形成方法において用いられる着色感放射線性組成物について説明する。該着色感放射線性組成物は、染料及びレーキ顔料よりなる群から選ばれる少なくとも1種を含む着色剤、バインダー樹脂、架橋剤及び光重合開始剤を少なくとも含有する。着色感放射線性組成物は、通常、溶媒を配合して液状組成物として使用される。
以下、各成分について説明する。
【0043】
本発明の画素パターンの形成方法において用いられる着色感放射線性組成物は、着色剤として染料及びレーキ顔料よりなる群から選ばれる少なくとも1種を含有する。染料としては、特に限定されるものではないが、例えば、アゾ系染料、アントラキノン系染料、キサンテン系染料、トリアリールメタン系染料、フタロシアニン系染料、キノンイミン系染料、キノリン系染料、ニトロ系染料、メチン系染料等を挙げることができる。具体的には、下記のようなカラーインデックス(C.I.)名が付されているものを挙げることができる。
【0044】
C.I.アシッドイエロー11、C.I.アシッドオレンジ7、C.I.アシッドレッド37、C.I.アシッドレッド180、C.I.アシッドブルー29、C.I.ゾルベントレッド89、C.I.ダイレクトレッド28、C.I.ダイレクトレッド83、C.I.ダイレクトイエロー12、C.I.ダイレクトオレンジ26、C.I.ダイレクトグリーン28、C.I.ダイレクトグリーン59、C.I.リアクティブイエロー2、C.I.リアクティブレッド17、C.I.リアクティブレッド120、C.I.ディスパースオレンジ5、C.I.ディスパースレッド58、C.I.ディスパースブルー165、C.I.ベーシックブルー41、C.I.ベーシックレッド18、C.I.モルダントレッド7、C.I.モルダントイエロー5等のアゾ系染料;
【0045】
C.I.バットブルー4、C.I.アシッドブルー40、C.I.アシッドグリーン25、C.I.リアクティブブルー19、C.I.リアクティブブルー49、C.I.ディスパースレッド60、C.I.ディスパースブルー56、C.I.ディスパースブルー60等のアントラキノン系染料;
C.I.ベーシックレッド1、C.I.ベーシックレッド1:1、C.I.ベーシックバイオレット10、C.I.ソルベントレッド49等のキサンテン系染料;
C.I.ベーシックブルー7、C.I.ベーシックブルー11等のトリアリールメタン系染料;
C.I.パッドブルー5等のフタロシアニン系染料;
C.I.ベーシックブルー3、C.I.ベーシックブルー9等のキノンイミン系染料;
C.I.ソルベントイエロー33、C.I.アシッドイエロー3、C.I.ディスパースイエロー64等のキノリン系染料;
C.I.アシッドイエロー1、C.I.アシッドオレンジ3、C.I.ディスパースイエロー42等のニトロ系染料;
C.I.ソルベントイエロー179等のメチン系染料。
【0046】
その他、特開2010−168531号公報の請求項3若しくは請求項4、特開2010−170073号公報、特開2010−170074号公報、特開2010−275531号公報、特開2010−275533号公報等に記載のアゾ系染料、特表2007−503477号公報の請求項14、国際公開第10/123071号パンフレット等に記載のトリアリールメタン系染料、特表2007−503477号公報の請求項3、特開2010−244027号公報、特開2010−254964号公報等に記載のキサンテン系染料等を挙げることができる。
【0047】
これらの染料のうち、アゾ系染料、トリアリールメタン系染料、キサンテン系染料、メチン系染料が、本発明の画素パターンの形成方法において特に優れた効果が得られる点で好ましい。
本発明において、染料は、単独又は2種以上を混合して使用することができる。
【0048】
また、レーキ顔料とは、可溶性である染料を沈殿剤により不溶性の顔料としたものである。沈殿剤としては、例えば、塩化バリウム、塩化カルシウム、硫酸アンモニウム、塩化アルミニウム、酢酸アルミニウム、酢酸鉛、タンニン酸、カタノール、タモール、イソポリ酸、ヘテロポリ酸(例えば、フォスフォタングステン酸、フォスフォモリブデン酸、フォスフォタングステン・モリブデン酸、シリコタングステンモリブデン酸、シリコタングステン酸、シリコモリブデン酸)等を挙げることができる。これらのうち、沈殿剤としては、イソポリ酸、ヘテロポリ酸が好ましい。
このようなレーキ顔料としては、下記のようなカラーインデックス(C.I.)名が付されているものを挙げることができる。
C.I.ピグメントブルー1、C.I.ピグメントブルー2、C.I.ピグメントブルー3、C.I.ピグメントブルー9、C.I.ピグメントブルー10、C.I.ピグメントブルー14、C.I.ピグメントブルー17:1、C.I.ピグメントブルー24、C.I.ピグメントブルー24:1、C.I.ピグメントブルー56、C.I.ピグメントブルー61、C.I.ピグメントブルー62、
C.I.ピグメントバイオレット1、C.I.ピグメントバイオレット2、C.I.ピグメントバイオレット3、C.I.ピグメントバイオレット3:1、C.I.ピグメントバイオレット3:3、C.I.ピグメントバイオレット27、C.I.ピグメントバイオレット39、
C.I.ピグメントグリーン1、C.I.ピグメントグリーン4、
C.I.ピグメントレッド48:1、C.I.ピグメントレッド48:2、C.I.ピグメントレッド48:3、C.I.ピグメントレッド48:4、C.I.ピグメントレッド48:5、C.I.ピグメントレッド49、C.I.ピグメントレッド49:1、C.I.ピグメントレッド49:2、C.I.ピグメントレッド49:3、C.I.ピグメントレッド52:1、C.I.ピグメントレッド52:2、C.I.ピグメントレッド53:1、C.I.ピグメントレッド54、C.I.ピグメントレッド57:1、C.I.ピグメントレッド58、C.I.ピグメントレッド58:1、C.I.ピグメントレッド58:2、C.I.ピグメントレッド58:3、C.I.ピグメントレッド58:4、C.I.ピグメントレッド60:1、C.I.ピグメントレッド63、C.I.ピグメントレッド63:1、C.I.ピグメントレッド63:2、C.I.ピグメントレッド63:3、C.I.ピグメントレッド64:1、C.I.ピグメントレッド68、C.I.ピグメントレッド81、C.I.ピグメントレッド81:1、C.I.ピグメントレッド200、C.I.ピグメントレッド237、C.I.ピグメントレッド239、C.I.ピグメントレッド247、
C.I.ピグメントイエロー61、C.I.ピグメントイエロー61:1、C.I.ピグメントイエロー62、C.I.ピグメントイエロー100、C.I.ピグメントイエロー104、C.I.ピグメントイエロー133、C.I.ピグメントイエロー168、C.I.ピグメントイエロー169、C.I.ピグメントイエロー183、C.I.ピグメントイエロー191、C.I.ピグメントイエロー191:1、C.I.ピグメントイエロー206、C.I.ピグメントイエロー209、C.I.ピグメントイエロー209:1、及びC.I.ピグメントイエロー212。
【0049】
これらのレーキ顔料のうち、C.I.ピグメントブルー1、C.I.ピグメントブルー2、C.I.ピグメントブルー3、C.I.ピグメントブルー9、C.I.ピグメントブルー10、C.I.ピグメントブルー14、C.I.ピグメントブルー62、C.I.ピグメントバイオレット1、C.I.ピグメントバイオレット2、C.I.ピグメントバイオレット3、C.I.ピグメントバイオレット27、C.I.ピグメントバイオレット39等のトリアリールメタン系レーキ顔料が、本発明の画素パターンの形成方法において特に優れた効果が得られる点で好ましい。イソポリ酸又はヘテロポリ酸を沈殿剤とするトリアリールメタン系レーキ顔料は、例えば、特開2011−150195号公報、特開2011−186043号公報等にも開示されている。
本発明において、レーキ顔料は、単独又は2種以上を混合して使用することができる。
【0050】
本発明においては、着色剤として、上記染料及びレーキ顔料と共に、他の着色剤を使用することもできる。他の着色剤としては、特に限定されるものではなく、カラーフィルタの用途に応じて色彩や材質を適宜選択することができる。具体的には、有機顔料、無機顔料及び天然色素の何れをも着色剤として使用することができるが、高い色純度、輝度及びコントラストが求められることから、有機顔料が好ましく使用される。
【0051】
有機顔料の好ましい具体例としては、カラーインデックス(C.I.)名で、C.I.ピグメントレッド166、C.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメントレッド224、C.I.ピグメントレッド242、C.I.ピグメントレッド254、C.I.ピグメントグリーン7、C.I.ピグメントグリーン36、C.I.ピグメントグリーン58、C.I.ピグメントブルー1、C.I.ピグメントブルー15:6、C.I.ピグメントブルー80、C.I.ピグメントイエロー83、C.I.ピグメントイエロー138、C.I.ピグメントイエロー139、C.I.ピグメントイエロー150、C.I.ピグメントイエロー180、C.I.ピグメントイエロー211、C.I.ピグメントオレンジ38、C.I.ピグメントバイオレット23等を挙げることができる。
【0052】
着色剤の含有割合は、輝度が高く色純度に優れる画素を形成する点から、通常、着色感放射線性組成物の固形分中に5〜70質量%、好ましくは5〜60質量%である。ここでいう固形分とは、後述する溶媒以外の成分である。
【0053】
また、染料及びレーキ顔料よりなる群から選ばれる少なくとも1種の合計含有割合は、全着色剤中に好ましくは5質量%以上、特に好ましくは10質量%以上である。
【0054】
着色感放射線性組成物におけるバインダー樹脂としては、特に限定されるものではないが、酸性官能基を有する重合体を含有することが好ましい。酸性官能基としては、例えば、カルボキシル基、フェノール性水酸基、イミド酸基、スルホ基、スルフィノ基又はスルフェノ基などを挙げることができる。これらの内、カルボキシル基が好ましく用いられる。
【0055】
カルボキシル基を有する重合体としては、例えば、特開平5−19467号公報、特開平6−230212号公報、特開平7−140654号公報、特開平7−207211号公報、特開平8−259876号公報、特開平09−325494号公報、特開平10−31308号公報、特開平10−300922号公報、特開平11−140144号公報、特開平11−174224号公報、特開平11−231523号公報、特開平11−258415号公報、特開2000−56118号公報、特開2002−296778号公報、特開2004−101728号公報及び特開2008−181095号公報などに開示されている重合体を挙げることができる。
【0056】
バインダー樹脂の酸価は、好ましくは10〜200KOH/mg、より好ましくは30〜270KOH/mg、さらに好ましくは50〜250KOH/mgである。ここで、「酸価」とは、バインダー樹脂の固形分1gを中和するのに必要なKOHのmg数を表す。
本発明において、バインダー樹脂は、単独で又は2種以上を混合して使用することができる。
【0057】
着色感放射線性組成物における架橋剤は、2個以上の重合可能な基を有する化合物であれば、特に限定されるものではない。重合可能な基としては、例えば、エチレン性不飽和基、オキシラニル基、オキセタニル基又はN−アルコキシメチルアミノ基などを挙げることができる。
【0058】
本発明において、架橋剤としては、2個以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物、又は、2個以上のN−アルコキシメチルアミノ基を有する化合物が好ましく用いられる。
【0059】
特に好ましい架橋剤としては、例えば、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレートと無水こはく酸を反応させて得られる化合物、ジペンタエリスリトールペンタアクリレートと無水こはく酸を反応させて得られる化合物、特開平11−44955号公報の段落〔0015〕〜段落〔0018〕に記載されているカプロラクトン変性された多官能(メタ)アクリレート、N,N,N',N',N'',N''−ヘキサ(アルコキシメチル)メラミン又はN,N,N',N'−テトラ(アルコキシメチル)ベンゾグアナミンなどを挙げることができる。
【0060】
本発明において、架橋剤は、単独又は2種以上を混合して使用することができる。
【0061】
着色感放射線性組成物における光重合開始剤は、特定放射線の露光により、上述の架橋剤の硬化反応を開始し得る活性種を発生することのできる化合物である。
【0062】
好ましい光重合開始剤としては、例えば、チオキサントン系化合物、アセトフェノン系化合物、ビイミダゾール系化合物、トリアジン系化合物、O−アシルオキシム系化合物、オニウム塩系化合物、ベンゾイン系化合物、ベンゾフェノン系化合物、α−ジケトン系化合物、多核キノン系化合物、ジアゾ系化合物又はイミドスルホナート系化合物などを挙げることができる。
【0063】
本発明において、光重合開始剤は、公知の増感剤や水素供与体と併用することができる。また、光重合開始剤は、単独又は2種以上を混合して使用することができる。
【0064】
着色感放射線性組成物における溶媒は、着色感放射線性組成物を構成する各成分を分散又は溶解し、且つ、これらの成分と反応せず、適度の揮発性を有するものである限り、適宜に選択して使用することができる。
【0065】
本発明において、好ましい溶媒としては、例えば、プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、3−メトキシブチルアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、シクロヘキサノン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン、1,3−ブチレングリコールジアセテート、1,6−ヘキサンジオールジアセテート、乳酸エチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−メチル−3−メトキシブチルプロピオネート、酢酸n−ブチル、酢酸i−ブチル、ぎ酸n−アミル、酢酸i−アミル、プロピオン酸n−ブチル、酪酸エチル、酪酸i−プロピル、酪酸n−ブチル又はピルビン酸エチルなどを挙げることができる。
本発明において、溶媒は、単独又は2種以上を混合して使用することができる。
【0066】
着色感放射線性組成物は、その他の成分をさらに含有することもできる。その他の成分として、例えば、ウレタン系分散剤、ポリエチレンイミン系分散剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル系分散剤、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル系分散剤、ポリエチレングリコールジエステル系分散剤、ソルビタン脂肪酸エステル系分散剤、ポリエステル系分散剤、アクリル系分散剤などの分散剤;フッ素系界面活性剤、シリコン系界面活性剤などの界面活性剤;ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロイロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシランなどの密着促進剤等を挙げることができる。
【0067】
<表示素子>
本発明の表示素子は、上述した方法により製造されたカラーフィルタを具備するものである。表示素子の具体例としては、カラー液晶表示素子、有機EL表示素子又は電子ペーパーなどを挙げることができる。
【0068】
本発明の方法により製造されたカラーフィルタを具備するカラー液晶表示素子は、例えば、薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor:TFT)が配置された駆動用基板と、本実施の形態のカラーフィルタが設けられた別の基板とが、液晶層を介して対向する構造とすることができる。あるいは、カラー液晶表示素子は、薄膜トランジスタ(TFT)が配置された駆動用基板の表面上に本実施の形態のカラーフィルタを形成した基板と、ITO(Indium Tin Oxide:錫をドープした酸化インジュウム)電極を形成した基板とが、液晶層を介して対向した構造とすることもできる。後者の構造は、開口率を格段に向上させることができ、明るく高精細な液晶表示素子が得られるという利点を有する。
【0069】
カラー液晶表示素子は、バックライトユニットを具備する。バックライトユニットとしては、例えば、冷陰極蛍光管(CCFL:Cold Cathode Fluorescent Lamp)などの蛍光管と、散乱板とが組み合わされた構造のものを用いることができる。また、白色LEDを光源とするバックライトユニットを用いることもできる。白色LEDとしては、例えば、赤色LEDと、緑色LEDと、青色LEDとを組み合わせて混色により白色光を得る白色LED、青色LEDと、赤色LEDと、緑色蛍光体とを組み合わせて混色により白色光を得る白色LED、青色LEDと、赤色発光蛍光体と、緑色発光蛍光体とを組み合わせて混色により白色光を得る白色LED、青色LEDと、YAG系蛍光体との混色により白色光を得る白色LED、青色LEDと、橙色発光蛍光体と、緑色発光蛍光体とを組み合わせて混色により白色光を得る白色LED、紫外線LEDと、赤色発光蛍光体と、緑色発光蛍光体と、青色発光蛍光体とを組み合わせて混色により白色光を得る白色LEDなどを挙げることができる。
【0070】
本発明の方法により製造されたカラーフィルタを具備するカラー液晶表示素子には、TN(Twisted Nematic)型、STN(Super Twisted Nematic)型、IPS(In−Planes Switching)型、VA(Vertical Alignment)型、OCB(Optically Compensated Birefringence)型等の適宜の液晶モードが適用できる。
【0071】
本発明の方法により製造されたカラーフィルタを有する有機EL表示素子は、適宜の構造を採ることが可能であり、例えば、特開平11−307242号公報に開示されている構造を挙げることができる。
【0072】
本発明の方法により製造されたカラーフィルタを有する電子ペーパーは、適宜の構造を採ることが可能であり、例えば、特開2007−41169号公報に開示されている構造を挙げることができる。
【0073】
以上、本実施の形態について説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
【実施例】
【0074】
以下、実施例を挙げて、本発明をさらに具体的に説明する。但し、本発明は、下記実施例に限定されるものではない。
【0075】
〔顔料染料混合液等の調製〕
調製例1
着色剤としてC.I.ピグメントグリーン58/C.I.ソルベントイエロー179=60/40(質量比)混合物15質量部、分散剤としてBYK−LPN21116(ビックケミー(BYK)社製)10質量部(不揮発成分=40質量%)、溶媒としてプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート75質量部を、ビーズミルにより12時間混合・分散して、顔料染料混合液(A1)を調製した。
【0076】
調製例2
着色剤としてC.I.ピグメントブルー15:6/C.I.ベーシックブルー7=60/40(質量比)混合物15質量部、分散剤としてBYK−LPN21116(ビックケミー(BYK)社製)10質量部(不揮発成分=40質量%)、溶媒としてプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート75質量部を、ビーズミルにより12時間混合・分散して、顔料染料混合液(A2)を調製した。
【0077】
調製例3
着色剤としてC.I.ピグメントグリーン58/下記式で表される黄色染料(バルビツール酸アゾ系染料)=70/30(質量比)混合物15質量部、分散剤としてBYK−LPN21116(ビックケミー(BYK)社製)10質量部(不揮発成分=40質量%)、溶媒としてプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート75質量部を、ビーズミルにより12時間混合・分散して、顔料染料混合液(A3)を調製した。
【0078】
【化1】
【0079】
調製例4
着色剤としてC.I.ピグメントグリーン58/C.I.ピグメントイエロー150=60/40(質量比)混合物15質量部、分散剤としてBYK−LPN21116(ビックケミー(BYK)社製)10質量部(不揮発成分=40質量%)、溶媒としてプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート75質量部を、ビーズミルにより12時間混合・分散して、顔料分散液(A4)を調製した。
【0080】
調製例5
着色剤としてC.I.ピグメントブルー15:6/キサンテン系染料であるC.I.ローダミン6G=60/40(質量比)混合物15質量部、分散剤としてBYK−LPN21116(ビックケミー(BYK)社製)10質量部(不揮発成分=40質量%)、溶媒としてプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート75質量部を、ビーズミルにより12時間混合・分散して、顔料染料混合液(A5)を調製した。
【0081】
調製例6
着色剤としてC.I.ピグメントブルー15:6/下記式で表されるトリアリールメタン系レーキ顔料(式中、x=1〜2)=60/40(質量比)混合物15質量部、分散剤としてBYK−LPN21116(ビックケミー(BYK)社製)10質量部(不揮発成分=40質量%)、溶媒としてプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート75質量部を、ビーズミルにより12時間混合・分散して、顔料分散液(A6)を調製した。
【0082】
【化2】
【0083】
〔バインダー樹脂の合成〕
合成例1
冷却管、攪拌機を備えたフラスコに、2,2'−アゾビスイソブチロニトリル2質量部及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート200質量部を仕込み、引き続きメタクリル酸15質量部、N−フェニルマレイミド20質量部、ベンジルメタクリレート55質量部、スチレン10質量部及び分子量調節剤として2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテン(日本油脂(株)製、商品名:ノフマーMSD)3質量部を仕込んで、窒素置換した。その後ゆるやかに撹拌して、反応溶液の温度を80℃に上昇させ、この温度を5時間保持して重合することにより、樹脂溶液(固形分濃度=33質量%)を得た。得られた樹脂は、Mw=16,000、Mn=7,000であった。この樹脂溶液を「バインダー樹脂溶液(B1)」とする。
【0084】
合成例2
冷却管と攪拌機を備えたフラスコに、p−ビニルベンジルグリシジルエーテル44質量部、N−フェニルマレイミド40質量部、ベンジルメタクリレート16質量部をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート300質量部に溶解し、さらに2,2'−アゾビスイソブチロニトリル8質量部及び2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテン8質量部を仕込んで、窒素置換した。その後、ゆるやかに攪拌しつつ、窒素バブリングしながら反応溶液を80℃に昇温し、この温度を保持して5時間重合した。
次いで、この反応溶液にメタクリル酸17質量部、p−メトキシフェノール0.5質量部及びテトラブチルアンモニウムブロマイド4.4質量部を添加し、120℃の温度で9時間反応を行った。さらに、無水コハク酸18.5質量部を添加し、100℃の温度で6時間反応を行った後、反応溶液温度を85℃に保持したまま2回水洗し、減圧濃縮を行うことにより、バインダー樹脂溶液(固形分濃度=33質量%)を得た。得られたバインダー樹脂は、Mw=7,800、Mn=5,000であった。このバインダー樹脂溶液を「バインダー樹脂溶液(B2)」とする。
【0085】
実施例1
〔着色感放射線性組成物の調製〕
顔料染料混合液(A1)100質量部、バインダー樹脂としてバインダー樹脂溶液(B1)18質量部(固形分濃度=33質量%)、架橋剤として日本化薬株式会社製KAYARAD MAX−3510(ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートとジペンタエリスリトールペンタアクリレートの混合物)8質量部と日本化薬株式会社製KAYARAD DPCA−60(カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート)4質量部、光重合開始剤として2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタン−1−オン1質量部とエタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(O−アセチルオキシム)3質量部、フッ素系界面活性剤としてDIC株式会社製メガファックF−554を0.2質量部及び溶剤としてプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを混合して、固形分濃度15質量%の緑色感放射線性組成物を調製した。
【0086】
〔画素パターンの形成及び色安定性の評価〕
得られた緑色感放射線性組成物を、ガラス基板上にスリットダイコーターを用いて塗布したのち、90℃のホットプレートで4分間プレベークを行って、膜厚2μmの塗膜を形成した。
次いで、塗膜が形成された基板を室温に冷却したのち、超高圧水銀灯から放射された放射線に紫外線カットフィルタ1(UV−31(東芝硝子社製))を介して得られた、図2の分光特性を示す放射線を用い、ストライプ状フォトマスクを介して、2,000J/m2の露光量で塗膜を露光した。その後、得られた基板に対して23℃の0.04質量%水酸化カリウム水溶液からなる現像液を現像圧1kgf/cm2(ノズル径1mm)で吐出することにより、1分間シャワー現像を行った。その後、この基板を超純水で洗浄、風乾し、基板上に緑色のストライプ状画素パターンを形成した。
露光前の塗膜及び形成された画素パターンについて、カラーアナライザー(大塚電子(株)製MCPD2000)を用いて分光特性を測定し、色差(ΔE*ab)を求めた。評価結果を表1に示す。
【0087】
実施例2〜11、比較例1〜5及び参考例1〜2
実施例1において、各成分の種類と含有量を表1に示すように変更した以外は実施例1と同様にして、各着色感放射線性組成物を調製した。次いで、得られた着色感放射線性組成物を用いて、露光放射線を表1に示すように選択した以外は実施例1と同様にして、画素パターンを形成し、色安定性の評価を行った。評価結果を表1に示す。なお、図3の分光特性を示す放射線は超高圧水銀灯から放射された放射線に紫外線カットフィルタ2(UV−33(東芝硝子社製))を介して得られるものであり、また図4の分光特性を示す放射線は、超高圧水銀灯から放射された放射線に紫外線カットフィルタ3(UV−35(東芝硝子社製))を介して得られるものである。
【0088】
【表1】
【0089】
表1において、各成分は下記のとおりである。
C1:カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(日本化薬株式会社製、商品名KAYARAD DPCA−60)
C2:ジペンタエリスリトールペンタアクリレートとこはく酸とのモノエステル化物、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート並びにジペンタエリスリトールペンタアクリレートの混合物(東亞合成株式会社製、商品名TO−1382)
C3:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートとジペンタエリスリトールペンタアクリレートの混合物(日本化薬株式会社製、商品名KAYARAD MAX−3510)
C4:エチレンオキサイドオリゴマー変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート (日本化薬株式会社製、商品名KAYARAD DPEA−12)
D1:2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタン−1−オン(チバ・スペシャルティー・ケミカルズ社製、商品名イルガキュア369)
D2:エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(O−アセチルオキシム)(チバ・スペシャルティー・ケミカルズ社製、商品名イルガキュアOXE02)
D3:2−メルカプトベンゾチアゾール
D4:2,2'−ビス(2−クロロフェニル)−4,4',5,5'−テトラフェニル−1,2'−ビイミダゾール(保土ヶ谷化学工業株式会社製、商品名B−CIM)
D5:2,4−ジエチルチオキサントン(日本化薬株式会社製、商品名CAYACURE DETX−S)
D6:4,4'−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン
D7:アデカ製『商品名NCI930』
図1
図2
図3
図4