特許第5835023号(P5835023)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5835023充電ポイント到達判定システムおよび車両側装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5835023
(24)【登録日】2015年11月13日
(45)【発行日】2015年12月24日
(54)【発明の名称】充電ポイント到達判定システムおよび車両側装置
(51)【国際特許分類】
   G01C 21/34 20060101AFI20151203BHJP
   B60L 3/00 20060101ALI20151203BHJP
【FI】
   G01C21/34
   B60L3/00 S
【請求項の数】7
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2012-50835(P2012-50835)
(22)【出願日】2012年3月7日
(65)【公開番号】特開2013-185928(P2013-185928A)
(43)【公開日】2013年9月19日
【審査請求日】2014年5月27日
(73)【特許権者】
【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
(74)【代理人】
【識別番号】100106149
【弁理士】
【氏名又は名称】矢作 和行
(74)【代理人】
【識別番号】100121991
【弁理士】
【氏名又は名称】野々部 泰平
(74)【代理人】
【識別番号】100145595
【弁理士】
【氏名又は名称】久保 貴則
(72)【発明者】
【氏名】小野木 伸好
【審査官】 近藤 利充
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−026813(JP,A)
【文献】 特開2011−185785(JP,A)
【文献】 特開2009−171647(JP,A)
【文献】 特開2007−148590(JP,A)
【文献】 特開2010−025910(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01C 21/00 − 21/36
23/00 − 25/00
G09B 23/00 − 29/14
B60L 1/00 − 15/42
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
センター装置(10)と電気自動車に用いられる車両側装置(20)とを備え、前記電気自動車に対して充電を行なうことができる充電ポイントまでこの電気自動車が到達できるかどうかを判定する充電ポイント到達判定システム(1)であって、
前記センター装置は、
前記車両側装置と通信を行なう通信部(12)と、
ノードおよびリンクにより道路を記述した道路地図情報を記憶する記憶部(14)とを有し、
前記道路地図情報には、前記充電ポイントが周辺に存在する予め設定されたノードに対して、前記電気自動車がそのノードから周辺充電ポイントに到達するのに必要な到達必要エネルギーの決定に用いる情報であって、前記ノードから前記周辺充電ポイントまで経路に沿って走行する場合の前記ノードから前記周辺充電ポイントまでの距離および前記ノードと前記周辺充電ポイントとの高低差を含んでいるノード情報が記憶されており、
前記ノード情報の更新に必要な情報を取得してノード情報を逐次更新する更新手段(S20)を備え、
前記車両側装置は、
前記センター装置の通信部と無線通信を行なう通信部(22)と、
前記ノード情報とともに用いて、前記到達必要エネルギーを決定することができる車両情報を取得する車両情報取得手段(S14)と、
その車両情報を、前記通信部から前記センター装置へ送信する情報送信手段(S15)とを備え、
前記センター装置は、さらに、
前記電気自動車が前記ノード情報の記憶されているノード付近に位置している状況で、そのノード情報とその電気自動車の車両情報から前記到達必要エネルギーを決定するエネルギー決定手段(S33)と、
前記エネルギー決定手段が決定した到達必要エネルギーと、前記電気自動車が走行に用いることができるエネルギー残量を示す残エネルギーとを比較し、前記周辺充電ポイントまで前記電気自動車が到達できるか否かを判定する判定手段(S34)とを備えている
ことを特徴とする充電ポイント到達判定システム。
【請求項2】
センター装置(10)と電気自動車に用いられる車両側装置(20)とを備え、前記電気自動車に対して充電を行なうことができる充電ポイントまでこの電気自動車が到達できるかどうかを判定する充電ポイント到達判定システム(1)であって、
前記センター装置は、
前記車両側装置と通信を行なう通信部(12)と、
ノードおよびリンクにより道路を記述した道路地図情報を記憶する記憶部(14)とを有し、
前記道路地図情報には、前記充電ポイントが周辺に存在する予め設定されたノードに対して、前記電気自動車がそのノードから周辺充電ポイントに到達するのに必要な到達必要エネルギーの決定に用いる情報であって、前記ノードから前記周辺充電ポイントまで経路に沿って走行する場合の前記ノードから前記周辺充電ポイントまでの距離および前記ノードと前記周辺充電ポイントとの高低差を含んでいるノード情報が記憶されており、
前記ノード情報の更新に必要な情報を取得してノード情報を逐次更新する更新手段(S20)と、
そのノード情報を、前記通信部から前記車両側装置へ送信する情報送信手段(16)とを備え、
前記車両側装置は、
前記センター装置の通信部と無線通信を行なう通信部(22)と、
前記ノード情報とともに用いて、前記到達必要エネルギーを決定することができる車両情報を取得する車両情報取得手段(S14)と、
この車両側装置が用いられている電気自動車が前記ノード情報の記憶されているノード付近に位置している状況で、前記センター装置から受信したノード情報と前記車両情報から前記到達必要エネルギーを決定するエネルギー決定手段(26)と、
前記エネルギー決定手段が決定した到達必要エネルギーと、前記電気自動車が走行に用いることができるエネルギー残量を示す残エネルギーとを比較し、前記周辺充電ポイントまで前記電気自動車が到達できるか否かを判定する判定手段(26)とを備えている
ことを特徴とする充電ポイント到達判定システム。
【請求項3】
請求項1または2において、
前記車両情報には、車載温度調整装置による消費電力を決定するためのエアコン情報が含まれており、
前記エネルギー決定手段は、前記車載温度調整装置をオンにして走行した場合と、前記車載温度調整装置をオフにして走行した場合の2種類の到達必要エネルギーを決定し、
前記判定手段は、前記2種類の到達必要エネルギーを前記残エネルギーとそれぞれ比較して、前記周辺充電ポイントまで前記電気自動車が到達できるか否かを判定することを特徴とする充電ポイント到達判定システム。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項において、
前記ノード情報に、予め設定された車種については、演算済みの前記到達必要エネルギーが含まれており、
前記車両情報には車種が含まれており、
前記エネルギー決定手段は、前記車両情報に含まれている車種が、前記ノード情報に、演算済みの到達必要エネルギーが含まれている車種である場合、その演算済みの到達必要エネルギーを、そのまま到達必要エネルギーとして決定することを特徴とする充電ポイント到達判定システム。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1項において、
前記エネルギー決定手段は、前記ノード情報に含まれている周辺充電ポイントであっても、営業時間外である周辺充電ポイントについては、前記到達必要エネルギーを決定しないことを特徴とする充電ポイント到達判定システム。
【請求項6】
請求項1〜のいずれか1項において、
前記車両情報には、前記電気自動車の駆動用バッテリの劣化有無を示す劣化情報が含まれており、
前記エネルギー決定手段は、前記車両情報の劣化情報が駆動用バッテリの劣化有りを示している場合、駆動用バッテリのメンテナンス施設を持つ周辺充電ポイントに限定して、前記到達必要エネルギーを決定することを特徴とする充電ポイント到達判定システム。
【請求項7】
請求項1〜のいずれか1項の充電ポイント到達判定システムに用いる車両側装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気自動車が充電ポイントへ到達することができるかを判定する充電ポイント到達判定システム、および、このシステムに用いる車両側装置に関し、特に、充電ポイントへ到達可能かどうかを精度よく判定する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
電気自動車は、駆動用バッテリへの充電を充電スタンド等で行なう。特許文献1、2には、自車両の現在地周辺の充電スタンドの情報を提供する技術が開示されている。
【0003】
また、特許文献3には、残エネルギーで走行できる走行可能距離を算出し、この走行可能距離が、2つ先のエネルギー補給施設までの距離よりも短い場合、最も近いエネルギー補給施設でエネルギー補給の必要があることを報知する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−262525号公報
【特許文献2】特開2011−252816号公報
【特許文献3】特開2000−46571号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献3では、エネルギー残量から残走行距離を算出し、この残走行距離とエネルギー補給施設までの距離とを比較してエネルギー補給施設まで到達できるかどうか判断している。
【0006】
しかしながら、エネルギー補給施設へ到達できるかどうかを精度よく判定しようとすると、渋滞等の逐次変化する道路状況を考慮してエネルギー補給施設までの経路を探索した上で、その経路を走行するのに必要なエネルギーを演算しなければならない。
【0007】
しかも、エネルギー補給を行なう施設の候補は、通常、複数存在する。そのため、複数のエネルギー補給施設に対して、経路を探索と、経路を走行するのに必要なエネルギーの演算を行わなければならない。
【0008】
さらには、車両は走行によりその位置が変化する。そのため、車両からエネルギー補給施設までの経路は逐次変化し、経路が変化するたびに、経路を走行するのに必要なエネルギーを演算しなければならない。この演算を、前述のように渋滞等の道路状況も考慮して逐次行なう場合、車両に搭載された装置では演算負荷が高すぎる。
【0009】
そこで、演算処理能力の高いセンター装置で演算を行なうことが考えられる。しかし、センター装置で行なうにしても、多数の車両に対して、車両で行なうものと同じ演算を行わなければならないとすれば、センター装置の演算負荷が高くなりすぎる。
【0010】
本発明は、この事情に基づいて成されたものであり、その目的とするところは、充電ポイントへ到達できるかを精度よく、且つ、低い演算負荷で判定することができる充電ポイント到達判定システムおよびこのシステムに用いる車両側装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
その目的を達成するための第1発明は、センター装置(10)と電気自動車に用いられる車両側装置(20)とを備え、前記電気自動車に対して充電を行なうことができる充電ポイントまでこの電気自動車が到達できるかどうかを判定する充電ポイント到達判定システム(1)であって、
前記センター装置は、前記車両側装置と通信を行なう通信部(12)と、ノードおよびリンクにより道路を記述した道路地図情報を記憶する記憶部(14)とを有し、前記道路地図情報には、前記充電ポイントが周辺に存在する予め設定されたノードに対して、前記電気自動車がそのノードから周辺充電ポイントに到達するのに必要な到達必要エネルギーの決定に用いる情報であって、前記ノードから前記周辺充電ポイントまで経路に沿って走行する場合の前記ノードから前記周辺充電ポイントまでの距離および前記ノードと前記周辺充電ポイントとの高低差を含んでいるノード情報が記憶されており、前記ノード情報の更新に必要な情報を取得してノード情報を逐次更新する更新手段(S20)を備え、
前記車両側装置は、前記センター装置の通信部と無線通信を行なう通信部(22)と、
前記ノード情報とともに用いて、前記到達必要エネルギーを決定することができる車両情報を取得する車両情報取得手段(S14)と、その車両情報を、前記通信部から前記センター装置へ送信する情報送信手段(S15)とを備え、
前記センター装置は、さらに、前記電気自動車が前記ノード情報の記憶されているノード付近に位置している状況で、そのノード情報とその電気自動車の車両情報から前記到達必要エネルギーを決定するエネルギー決定手段(S33)と、前記エネルギー決定手段が決定した到達必要エネルギーと、前記電気自動車が走行に用いることができるエネルギー残量を示す残エネルギーとを比較し、前記周辺充電ポイントまで前記電気自動車が到達できるか否かを判定する判定手段(S34)とを備えていることを特徴とする。
【0012】
また、第2発明は、センター装置(10)と電気自動車に用いられる車両側装置(20)とを備え、前記電気自動車に対して充電を行なうことができる充電ポイントまでこの電気自動車が到達できるかどうかを判定する充電ポイント到達判定システム(1)であって、
前記センター装置は、前記車両側装置と通信を行なう通信部(12)と、ノードおよびリンクにより道路を記述した道路地図情報を記憶する記憶部(14)とを有し、前記道路地図情報には、前記充電ポイントが周辺に存在する予め設定されたノードに対して、前記電気自動車がそのノードから周辺充電ポイントに到達するのに必要な到達必要エネルギーの決定に用いる情報であって、前記ノードから前記周辺充電ポイントまで経路に沿って走行する場合の前記ノードから前記周辺充電ポイントまでの距離および前記ノードと前記周辺充電ポイントとの高低差を含んでいるノード情報が記憶されており、前記ノード情報の更新に必要な情報を取得してノード情報を逐次更新する更新手段(S20)と、そのノード情報を、前記通信部から前記車両側装置へ送信する情報送信手段(16)とを備え、
前記車両側装置は、前記センター装置の通信部と無線通信を行なう通信部(22)と、前記ノード情報とともに用いて、前記到達必要エネルギーを決定することができる車両情報を取得する車両情報取得手段(S14)と、この車両側装置が用いられている電気自動車が前記ノード情報の記憶されているノード付近に位置している状況で、前記センター装置から受信したノード情報と前記車両情報から前記到達必要エネルギーを決定するエネルギー決定手段(26)と、前記エネルギー決定手段が決定した到達必要エネルギーと、前記電気自動車が走行に用いることができるエネルギー残量を示す残エネルギーとを比較し、前記周辺充電ポイントまで前記電気自動車が到達できるか否かを判定する判定手段(26)とを備えていることを特徴とする。
【0013】
これら第1、第2発明では、道路地図情報の、周辺に充電ポイントが存在するノードに、そのノードの周辺の周辺充電ポイントまで電気自動車が走行するための到達必要エネルギーの決定に用いるノード情報が記憶されている。そして、電気自動車がノード情報の記憶されているノード付近に位置している状況で、そのノード情報と車両情報から到達必要エネルギーを決定する。
【0014】
ノードおよび周辺充電ポイントはともに固定点である。よって、電気自動車から周辺充電ポイントまで、電気自動車の位置が変化する毎に経路演算し、その演算した経路を走行して周辺充電ポイントまでの到達必要エネルギーを逐次演算する場合に比較して、演算負荷を低くすることができる。
【0015】
しかも、ノード情報は、走行中の電気自動車から逐次情報を取得して更新される。このノード情報を用いて到達必要エネルギーを決定することから、精度のよい到達必要エネルギーを決定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の実施形態となる充電ポイント到達判定・通知システム1の構成を示すブロック図である。
図2】ノード情報のうち、到達必要エネルギーを演算するのに必要な情報を示す図である。
図3】充電ポイント情報を例示する図である。
図4】車両情報を例示する図である。
図5】演算部26が行なう車両情報作成・送信処理S10を示すフローチャートである。
図6】ノード情報更新処理S20を示すフローチャートである。
図7】判定処理S30を示すフローチャートである。
図8】到達必要エネルギーの演算方法を説明する図である。
図9】ステップS35で行なう判断内容を示す図である。
図10】ステップS37で作成する通知情報を例示する図である。
図11】演算部26が実行する通知処理S40を示すフローチャートである。
図12】通知の優先順位を示す図である。
図13】第2実施形態におけるノード情報の一例である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図1に示す充電ポイント到達判定・通知システム1は、センター装置10と、車両側装置20とを含んでいる。
【0018】
センター装置10は、通信部12、記憶部14、演算部16を備えている。通信部12は、車両側装置20の通信部22との間で無線通信を行なう。記憶部14には、道路地図情報が記憶されている。道路地図情報は、道路をノードとリンクを用いて表している。ノードは、通常は、交差点、分岐点、合流点など複数の道路が交差する点である。ただし、これらの間にノードが設定されることもある。リンクは道路方向に隣接するノード間を結んだ線である。道路地図情報は、これらリンク、ノード毎のリンク情報、ノード情報を含んでいる。
【0019】
リンク情報は、リンクを特定する固有番号(リンクID)、リンクの長さを示すリンク長、リンクの形状情報、リンクの始端および終端ノード座標(緯度・経度)、道路名称、道路種別、道路幅員、車線数、制限速度等の各情報から構成される。
【0020】
ノード情報は、一般的に、各ノードに固有のノードID、ノード座標、ノード名称、ノードに接続するリンクのリンクIDが記述される接続リンクID、および交差点種類等の各情報から構成される。さらに、本実施形態では、ノード情報として、このノードから周辺充電ポイントまで到達するのに必要なエネルギー(到達必要エネルギー)を演算するのに必要な情報も記憶している。
【0021】
図2には、ノード情報のうち、到達必要エネルギーを演算するのに必要な情報を示している。なお、以下では、単にノード情報という場合には、ノード情報のうち、到達必要エネルギーを演算するのに必要な情報を意味する。
【0022】
図2に示すように、ノード情報には、周辺充電ポイント(周辺充電P)、周辺充電ポイントまでの経路、この経路に沿って走行する場合のノードから周辺充電ポイントまでの走行距離(km)、その周辺充電ポイントとこのノードとの高低差(m)、充電ポイントまでの速度変化、充電ポイントへ走行するまでの回生情報、周辺充電ポイントまでの総リンク旅行時間(min)、周辺充電ポイントの混雑状況を含んでいる。
【0023】
周辺充電ポイントとは、ノードの周辺に位置している充電ポイントであり、周辺に充電ポイントがない場合には、ノード情報に、到達必要エネルギーを演算するのに必要な情報は含まれない。地図上にある多数の充電ポイントのうち、どれを周辺充電ポイントとするかは予め設定されている。また、周辺充電ポイントは、図2のノードN2に示されるように、1つのノードに対して複数でもよい。
【0024】
周辺充電ポイントまでの経路は、リンクを走行する際のエネルギー使用量をコストとする等、リンクに付与されたコストを用いた公知の経路演算アルゴリズムにより探索される。なお、図2において、「周辺充電Pまでの経路」の欄等に示される「・・・」は、情報が存在していることを示している。
【0025】
充電ポイントの周辺のノードのみがこのノード情報を持ち、充電ポイントから遠いノードはこのノードは不要である。そこで、経路探索は、充電ポイントを開始地点として経路探索を行なう。たとえば、充電ポイントを開始地点としてダイクストラ法により充電ポイントの周囲へ、探索終了条件が成立するまで、たとえば、距離が一定距離となるまで、探索経路を行なう。このようにすることで、同じ充電ポイントを周辺充電ポイントとするノードに対して、重複する経路演算を行なう必要がなくなる。なお、ダイクストラ法におけるコストとしては、リンク毎のエネルギー使用量、リンク旅行時間、リンク距離などを用いる。本実施形態ではリンク旅行時間やリンク距離に対しては所定値を終了条件として用い、この所定値を越えた時に演算を止め、それ以上先のルートをダイクストラ法で演算しない。また、エネルギー使用量が同等のリンクの場合はリンク旅行時間の積算が短い方が選ばれる様に比較演算する。
【0026】
距離は、周辺充電ポイントまでの経路の総距離である。高低差は、ノードの標高と、周辺充電ポイントの標高との差である。
【0027】
周辺充電ポイントまでの速度変化は、ノードから周辺充電ポイントまで上記経路を走行する際の複数の位置における速度である。この速度は、経路を構成する各リンクを実際に走行している多数の車両から速度情報を取得し、この取得した速度情報から定める。たとえば、各位置における複数の車両の速度の平均値を、各位置における速度とする。また、速度を定める位置は、たとえば、一定距離毎とする。なお、速度情報は、各車両がセンター装置10へアップロードする車両情報に含まれている。
【0028】
回生情報は、ノードから周辺充電ポイントまで上記経路を走行する際の回生エネルギーを決定する情報である。具体的には、この回生情報には、上記経路において、ブレーキが踏まれている区間の情報が含まれる。また、ブレーキが踏まれている区間に加え、ブレーキ踏力の情報が含まれていることが好ましい。これらの情報も、経路を構成する各リンクを実際に走行している多数の車両から無線通信により取得する。
【0029】
周辺充電ポイントまでの総リンク旅行時間は、経路を構成する各リンクを走行するのに要する時間の総和である。各リンクを走行するのに要する時間は、各リンクを走行している多数の車両が実際にそのリンクを走行したときのリンク旅行時間から演算する。たとえば、多数の車両のリンク旅行時間の平均値を、この総リンク旅行時間の演算に用いる。
【0030】
周辺充電ポイントの混雑状況は、各充電ポイントに備えられている充電待ち車両検出装置から情報を取得して決定する。たとえば、充電待ち車両の数に応じて、混雑状況を、混雑、普通、空いているの3つに分類する。なお、過去の利用状況統計から、周辺充電ポイントに到達する時間帯の混雑状況を推定することで、このノード情報における周辺充電ポイントの混雑状況を決定してもよい。
【0031】
記憶部14は、全部が書き換え可能に構成されるか、あるいは、複数の記憶部から構成され、一部が書き換え可能となっている。そして、上述したノード情報は書き換え可能な部分に記憶されており、予め設定された更新周期毎(たとえば5分毎)に更新される。
【0032】
また、記憶部14には、図3に例示する充電ポイント情報も記憶している。充電ポイント情報には、充電ポイントの位置(座標)、メンテナンス施設の有無、定休日、営業時間、併設施設の各情報を含んでいる。メンテナンス施設とは、駆動用バッテリの保守・点検を行なうことができる施設である。また、充電ポイントの位置は、その充電ポイントが面している道路が互いに反対方向となる複数の車線を有している場合、どちらの方向の車線に面しているかも区別可能となっている。
【0033】
図1に説明を戻す。演算部16は、多数の車両から送信され、通信部12により受信された車両情報に基づいて、上述のノード情報の更新を行なう。
【0034】
また、演算部16は、ノード情報と車両情報とを用いて、その車両情報を送信した車両についての到達必要エネルギーを演算する。さらに、この到達必要エネルギーと、車両情報に含まれているその車両の残エネルギーとを比較することで、その車両が充電ポイントへ到達できるかを判定する。
【0035】
次に、車両側装置20の構成を説明する。車両側装置20は、多数の電気自動車(以下、車両)にそれぞれ搭載される。この車両側装置20は、通信部22、記憶部24、演算部26を備えている。これら各部は、車両に搭載されている位置検出部30や各種のセンサ類32と、車内LANにより相互に接続されている。
【0036】
通信部22は、センター装置10の通信部12と無線通信を行なうための装置である。記憶部24は、後述する車両情報を一時的に保存する。演算部26は、CPU、ROM、RAM等を備えたコンピュータであって、車両情報の作成処理・送信処理等を行なう。
【0037】
位置検出器30は、この位置検出器30の現在位置を逐次検出する。この検出位置は、車両の現在位置として利用する。センサ類32には、外気温を検出する外気温センサ、駆動用バッテリの温度を検出するバッテリ温度センサがある。
【0038】
演算部26は、これら位置検出器30、センサ類32から、現在位置、外気温、バッテリ温度を逐次取得する。また、この演算部26は、図示しない電池ECUが送信するバッテリ劣化状態を示す信号も取得できる。バッテリ劣化状態には、駆動用バッテリが低温を示す信号、電池保護が必要であることを示す信号などがある。
【0039】
次に、この車両側装置20から送信する車両情報について説明する。車両情報は、前述のノード情報の更新に必要な情報、到達必要エネルギーの演算に必要な情報、および残エネルギーを含んでいる。図4に車両情報の一例を示す。
【0040】
図4示す例では、車両ID、車種、残エネルギー(kWh)、エアコン情報、外気温(℃)、車両位置、進行方向、車速(km/h)、回生情報、電池劣化情報、経路、登録充電ポイントを含んでいる。
【0041】
車両IDは車両固有のものであり、記憶部24など所定の記憶媒体に記憶されている。車種も、所定の記憶媒体に記憶されている。
【0042】
残エネルギーは、駆動用バッテリから走行用モータに供給することができるエネルギーの残量である。この残エネルギーは公知の種々の手法により逐次決定する。たとえば、駆動用バッテリの充放電電力を積算し、定格容量から上記積算値を減算した値を残エネルギーとする。なお、残エネルギーは、車両側装置20の演算部26が演算してもよいが、通常、電池ECUが残エネルギーを算出し、演算部26は電池ECUから残エネルギーを取得する。
【0043】
エアコン情報は、具体的には、車載エアコンのオン/オフを示す情報、および、オンである場合の設定温度を含む情報である。内気/外気モードは、車室への外気導入を行わない内気モードおよび外気導入を行なう外気モードのいずれであるかを示す情報である。
【0044】
位置情報および車速情報は、この車両情報をアップロードしてから次にアップロードするまでの一定時間毎の車両位置および車速であり、位置情報は時刻とその時刻における車両位置を含む情報であり、車速情報は、時刻とその時刻における車速を含む情報である。なお、位置は緯度経度で示す。
【0045】
回生情報は、ブレーキが踏まれた区間を示す情報である。加えて、ブレーキ踏力の情報が含まれていることが好ましい。
【0046】
進行方向は、この車両情報を送信する車両が、その車両が位置している道路をいずれの方向に向かって進行しているかを示す。電池劣化情報は、前述のように、電池ECUから取得する。また、バッテリ温度が所定温度以下となったことにより、電池劣化有りとしてもよい。
【0047】
経路は、ナビゲーション装置から取得する。なお、ナビゲーション装置のECUをこの車両側装置20の演算部26として用いることも可能であり、その場合には、演算部26は自身が演算した経路をこの車両情報に含ませる。なお、図4も示すように、経路は設定されていない場合もある。
【0048】
登録充電ポイントは、よく充電を行なう充電ポイントとして登録された充電ポイントである。登録はユーザが行なう。ただし、充電頻度が一定頻度以上であることに基づいて自動的に登録されるようになっていてもよい。この登録充電ポイントとしては、たとえば自宅がある。また、社用車であれば会社が登録されることになる。その他、よく行く充電スタンドが登録されることもある。
【0049】
演算部26は、起動中に、図5示す車両情報作成・送信処理S10を一定周期で実行する。ステップS11では、情報取得時期となったかどうかを判断する。この判断は、前回、情報を取得してから情報取得周期を経過したかどうかにより行なう。情報取得周期は、後述するアップロード周期内に複数回の周期が含まれるように設定される。
【0050】
情報取得時期となったと判断した場合(S11:YES)にはステップS12へ進み、まだ、情報取得時期となっていない場合には、図5の処理を終了する。ステップS12では、現在位置と車速を取得し、記憶部24に、取得時刻とともに一時的に保存する。
【0051】
ステップS13では、アップロード時期かどうかを判断する。この判断は、前回、車両情報をアップロードしてからアップロード周期を経過したかどうかにより行なう。アップロード周期は、この周期が短すぎると通信負荷が多くなる一方、長すぎるとセンター装置10におけるノード情報と現実の状態との解離が大きくなることを考慮して適宜設定する。たとえば、アップロード周期は5分とする。
【0052】
ステップS13がNOであれば図5の処理を終了し、YESであればステップS14へ進む。ステップS14では、図4に例示した種々の情報を車両内の種々の機器から取得し、車両情報を作成する。そして、ステップS15では、ステップS14で作成した車両情報を、通信部22から、センター装置10へ送信する。
【0053】
次に、センター装置10の演算部16の処理を説明する。演算部16は、図6に示すノード情報更新処理S20を一定周期で繰り返し実行する。
【0054】
ステップS21では、通信部12が車両情報を受信したか否かを判断する。この判断がNOであれば図6の処理を終了し、YESであればステップS22へ進む。ステップS22では、受信した車両情報を記憶部12に記憶する。
【0055】
続くステップS23では、ノード情報の更新時期かどうかを判断する。ノード情報の更新時期は、あまり短すぎると演算負荷が高くなる一方、長すぎるとノード情報と現実の状態との解離が大きくなることを考慮して適宜設定する。たとえば、ノード情報更新周期は5分とする。
【0056】
ステップS23がNOの場合も図6の処理を終了する。一方、YESの場合には、ステップS24へ進み、各充電ポイントの混雑状況を取得する。そして、ステップS25に進み、ノード情報の更新処理を行なう。ノード情報のうち、更新するのは、周辺充電ポイントまでの速度変化、回生情報、周辺充電ポイントまでの総リンク旅行時間、周辺充電ポイントの混雑状況である。周辺充電ポイントまでの経路をリンク旅行時間に基づいて探索している場合には、経路自体を再探索してもよい。
【0057】
周辺充電ポイントまでの速度変化は、リンクを複数に分割し、分割した区間毎に、前回の更新時から今回の更新時までに複数の車両から受信した車両情報に含まれる車速情報を統計処理(たとえば平均)することで決定する。
【0058】
回生情報は、リンクを複数に分割した区間毎に、一定割合以上の車両がブレーキを踏んでいる区間を回生制動区間として更新する。ブレーキ踏力の情報が回生情報に含まれている場合には、回生制動区間のブレーキ踏力を統計処理(たとえば平均)してブレーキ踏力も更新する。
【0059】
周辺充電ポイントまでの総リンク旅行時間の更新においては、まず、前回の更新時から今回の更新時までに複数の車両から受信した車両情報に含まれる位置情報に基づいて、車両情報毎に、各リンクのリンク旅行時間を演算する。そして、車両情報毎に演算したリンク旅行時間を統計処理(たとえば平均)することで、各リンクのリンク旅行時間を更新する。次いで、経路に含まれるリンクのリンク旅行時間を合計することで、総リンク旅行時間を更新する。なお、前述したように、周辺充電ポイントまでの経路をリンク旅行時間に基づいて探索している場合には、経路自体を再探索してもよい。周辺充電ポイントの混雑状況は、ステップS24の取得結果に基づいて更新する。
【0060】
演算部16は、上述したノード情報更新処理の他に、車両情報を送信した車両が充電ポイントに到達できるか否かを判定する判定処理S30(図7)も行なう。この処理も一定周期で繰り返し実行する。
【0061】
ステップS31では、車両情報を受信したか否かを判断する。この判断がNOであれば図7の処理を終了し、YESであればステップS32へ進む。なお、車両情報は、図5で説明したようにアップロード周期で、車両側装置20からセンター装置10へ送信される。よって、ステップS32以下は、各車両について、アップロード周期で実行することになる。
【0062】
ステップS32では、ノード情報が存在するノードを車両が通過した直後かを判断する。この判断は、車両がノード情報の記憶されているノード付近に位置している状況であるかを判断するものであり、車両情報に含まれている最新の位置と、ノード情報が存在するノードの座標とを比較し、これらの間の距離が所定距離であればノート通過直後と判断する。この判断がYESであればステップS33へ進み、NOであれば図7の処理を終了する。
【0063】
ステップS33では、到達必要エネルギーを演算する。到達必要エネルギーの演算方法を図8を用いて説明する。本実施形態では、到達必要エネルギーを、水平方向移動エネルギー、高さ方向移動エネルギー、速度依存エネルギー、時間依存エネルギーの4項目の合計エネルギーとする。
【0064】
さらに、水平方向移動エネルギー(kWh)は、転がり抵抗損失(kWh)と速度変化損失(kWh)の合計値とする。転がり抵抗損失は下記式1から算出できる。式1の右辺のうち、距離には、ノード情報に含まれている周辺充電Pまでの距離を用いる。図2にも示したように、ノード情報は、多数のノードについてノード情報が存在するが、ここで用いるノード情報は、ステップS32で通過したと判断したノード(通過ノードという)のノード情報である。式1の右辺の係数は予め記憶されている。また、車重mは、車両情報に含まれている車種情報に基づいて定める。詳しくは、演算部16は、多数の車種の諸元表が参照可能となっており、車種情報に基づいて参照する諸元表を決定する。そして、決定した諸元表に含まれている車重を式1の演算に用いる。なお、これに代えて、車両情報に車重を含ませ、その車重を用いて式1を演算してもよい。
【0065】
(式1) 転がり抵抗損失 = 距離×係数×車重m
速度変化損失は、運動エネルギーの変化による損失である。運動エネルギーは式2から算出できる。
【0066】
(式2) 運動エネルギー = (1/2)×車重m×車速V×車速V
車両走行中、車両は加速と減速を繰り返す。速度が高くなると、運動エネルギーが増加する。このエネルギーの増加分を外部から与える必要がある。しかし、減速した場合には運動エネルギーは減少することから、加速のために与えたエネルギーは減速により失われる。よって、運動エネルギーの損失は下記式3から演算できる。なお、式3において、δVは位置変化に対する速度変化である。また、下記式3には示されていないが、加算の開始は通過ノードであり、加算の終了は充電ポイントである。
【0067】
(式3) 運動エネルギー損失 = Σ{(1/2)×車重m×δV×δV}
なお、減速により運動エネルギーには損失が生じるが、一部は、回生エネルギーとして回収できる。総回生エネルギーは、各回生区間の回生エネルギーの総和であり、回生区間とは、ブレーキが継続的に踏まれている区間である。各回生区間の回生エネルギーは下記式4から算出する。回生区間は、回生情報に含まれている「ブレーキが踏まれている区間」である。回生効率は車種毎に予め設定されており、車両情報に含まれる車種に基づいて決定する。一定値は踏力の平均値として設定された値であり、踏力が回生情報に含まれている場合には、その踏力を用いる。
【0068】
(式4) 回生区間の回生エネルギー = 回生効率×一定値(または踏力)
高さ方向移動エネルギーは下記式5から算出する。式5において、車重mは前述したように車種に基づいて決定する。また、重力加速度gは予め記憶されている。高低差は、通過ノードの標高と周辺充電ポイントの標高との差であり、地図情報から決定する。
【0069】
(式5) 高さ方向移動エネルギー = 車重m×重力加速度g×高低差h
速度依存エネルギーは、本実施形態では空気抵抗損失である。空気抵抗損失は、空気抵抗Fを、通過ノードから周辺充電ポイントまで積分した値である。空気抵抗Fは下記式6から演算する。式6において、ρは空気密度、Cは空気抵抗係数であり、これらは予め記憶されている。Sは車両の投影面積であり、投影面積は、車種に基づいて定まる諸元表に含まれている。Vは車速であり、車両情報に含まれている。
【0070】
(式6) 空気抵抗F = (ρ×C×S×V×V)/2
時間依存エネルギーは、具体的には消費電力量(Wh)である。車両には種々の電気機器が搭載されているが、全消費電力量に占めるエアコンの消費電力量の比率が高い。そこで、本実施形態では、エアコンの消費電力量を全消費電力量として代用する。ここで、消費電力量は、消費電力(W)と時間の積である。時間は、充電ポイントまでの総リンク旅行時間とする。エアコンの消費電力の演算においては、まず、エアコンがオンであるかオフであるかの情報が必要である。この情報は車両情報のエアコン情報から判断する。エアコンがオフであれば、消費電力は0とする。また、エアコンの消費電力は、設定温度と外気温の差および内気モードであるか外気モードであるかから決定する。この消費電力の決定においては、設定温度と外気温の差と、エアコン消費電力との関係を用いる。この関係は、車種毎、且つ、内気モード、外気モード別に用意されている。
【0071】
以上、説明した水平方向移動エネルギー、高さ方向移動エネルギー、速度依存エネルギー、時間依存エネルギーを加算して到達必要エネルギーとする。また、エアコンがオンである場合には、エアコンをオフした場合の到達必要エネルギーも合わせて演算する。なお、以下では、前者をエアコンオン時到達必要エネルギーとし、後者をエアコンオフ時到達必要エネルギーとする。これらを区別しないときは、単に到達必要エネルギーとする。エアコンオフ時到達必要エネルギーは、水平方向移動エネルギー、高さ方向移動エネルギー、速度依存エネルギーを加算したエネルギーである。
【0072】
また、到達必要エネルギーは、通過ノードのノード情報に複数の周辺充電ポイントが含まれている場合には、各周辺充電ポイントに対して演算する。ただし、充電ポイント情報(図3)を参照し、定休日である周辺充電ポイント、および、営業時間外の周辺充電ポイントは、到達必要エネルギーを演算する対象から除外する。また、電池劣化情報が電池劣化有りの場合、メンテナンス施設ありの周辺充電ポイントに限定して到達必要エネルギーを演算する。
【0073】
図7に説明を戻す。ステップS33で到達必要エネルギーを演算したら、ステップS34で、到達可否の判定および到達余裕度の決定を行なう。到達可否判定では、まず、エアコンオン時到達必要エネルギーと、車両情報に含まれている残エネルギーの比較を行なう。
【0074】
比較の結果、複数の周辺充電ポイントについてのエアコンオン時到達必要エネルギーのうちの最小値に対して、残エネルギーの方が第1基準値TH1以上多かった場合、到達可能であると判定するとともに、到達余裕度を大とする。また、エアコンオン時到達必要エネルギー(複数の周辺充電ポイントがある場合には最小値)に対して、残エネルギーの方が大きいものの、その差が第2基準値TH2(<TH1)以下である場合には、到達余裕度を小とする。なお、TH2は、残エネルギーと到達必要エネルギーとの差が小さいことを示す程度の値に設定される。
【0075】
また、エアコンオン時到達必要エネルギーよりも残エネルギーの方が大きい場合であって、前述の到達余裕度大および小のいずれにも該当しない場合には、到達可能であると判定するとともに、到達余裕度を中とする。なお、到達余裕度が中の場合、TH2<エネルギー差<TH1である。
【0076】
最小のエアコンオン時到達必要エネルギーよりも残エネルギーの方が小さい場合には、残エネルギーとエアコンオフ時到達必要エネルギーを比較する。なお、複数の周辺充電ポイントがある場合には、全ての周辺充電ポイントについてのエアコンオフ時到達必要エネルギーと比較する。比較の結果、残エネルギーが、いずれか少なくとも一つエアコンオフ時到達必要エネルギーよりも大きい場合には、エアコンをオフにすれば到達可能であると判定するとともに、到達余裕度を極小とする。
【0077】
残エネルギーが全てのエアコンオフ時到達必要エネルギーよりも小さい場合には、到達不可と判定する。以上がステップS34の処理である。ステップS34を終了したらステップS35へ進む。
【0078】
ステップS35では、残エネルギーが少ないことを通知する必要があるか否かを判断する。この判断は、上記ステップS34で決定した到達余裕度と、周辺充電ポイントまでの距離に基づいて行なう。
【0079】
図9に、ステップS35で行なう判断内容を示す。図9に示すように、到達余裕度が大である場合には、通知不要と判断する。到達余裕度が中の場合、登録充電ポイントに到達できるか否かで通知要否が異なる。
【0080】
登録充電ポイントは、通常は、ノード情報の周辺充電ポイントに含まれることになり、この場合には、登録充電ポイントに到達できるかどうかは、前述のステップS34で判定されている。ノード情報の周辺充電ポイントに含まれていない場合、別途、登録充電ポイントに到達できるかどうかを判定してもよいし、また、登録充電ポイントがノード情報の周辺充電ポイントに含まれていない場合には、車両の現在位置から登録充電ポイントが遠いことになるので、登録充電ポイントへは到達不可としてもよい。
【0081】
到達余裕度が中の場合、原則として通知要と判断するが、登録充電ポイントへ到達可であれば通知不要とする。到達余裕度が小または極小の場合は、登録充電ポイントへ到達できても通知要とする。
【0082】
以上は、通知要否の決定における到達余裕度の条件である。通知要否の判断には、到達余裕度の条件に加えて、周辺充電ポイントまでの距離条件もある。図9に示すように、到達余裕度が中の場合には、周辺充電ポイントまでの距離が、2km(第1距離に相当)以内という条件がある。なお、2kmは一例であるが、この距離(第2距離)は、車両から比較的近い(つまり車両近傍)であることを示す距離に設定する。
【0083】
また、到達余裕度が小の場合には、周辺充電ポイントまでの距離が10km(第2距離に相当)以内という条件がある。一方、到達余裕度が極小および到達不可の場合、周辺充電ポイントまでの距離の条件はなく、到達余裕度のみで通知必要と判断する。
【0084】
なお、図9にも示すように、車両情報に電池劣化情報が含まれている場合には、到達余裕度および周辺充電ポイントまでの距離を条件とせずに通知必要とする。
【0085】
ステップS35で通知不要(S35:NO)と判断したら図7の処理を終了する。一方、通知必要(S35:YES)と判断したらステップS36へ進む。ステップS36では、通知レベルを決定する。通知レベルは図9に示してある。図9に示すように、通知レベルは到達余裕度に応じて定まっており、到達余裕度が低下していくほど、高い通知レベルに決定する。また、電池劣化情報がある場合の通知は、特殊通知レベルとする。
【0086】
ステップS36を実行後はステップS37に進み、車両側装置20へ送信する通知情報を作成する。図10に示すように、通知情報には、ステップS36で決定した通知レベルと、到達可能な周辺充電ポイントに関する情報とを含んでいる。後者の情報には、充電ポイントを特定する情報(P1など)、充電ポイントの併設施設を示す情報が含まれる。また、混雑状況も含まれる。なお、図10に示した情報以外に、周辺充電ポイントまでの距離、経路、所要時間(総リンク旅行時間)などを含ませてもよい。
【0087】
ステップS38では、上記ステップS37で作成した通知情報を、通信部12から、この通知情報の対象となる車両に搭載された車両側装置20の通信部22へ送信する。
【0088】
車両側装置20の通信部22がこの通知情報を受信した場合、演算部26は図11に示す通知処理S40(判定結果通知手段)を実行する。
【0089】
まず、ステップS41で通知レベルを判定する。ステップS42では、ステップS41で決定した通知レベルに基づいて通知内容を決定する。図示しない所定の表示器から通知を行なう場合に決定する通知内容としては、たとえば、通知内容に応じてメッセージを決定するとともに、表示色を通知レベルに応じて決定する、などがある。また、到達可能充電ポイントの位置、混雑状況、併設施設も上記表示器に表示するようにしてもよい。さらに、周辺充電ポイントまでの距離、経路、所要時間を表示してもよい。
【0090】
ステップS43では、複数の到達可能充電ポイントを通知する場合の優先順位を決定する。図12に、本実施形態における優先順位を示す。図12に示すように、予想走行経路沿い、且つ、この車両の走行車線側を最も高い優先順位1とする。予想走行経路沿いではあるが、反対車線にある充電ポイントは、優先順位2とする。
【0091】
なお、予想走行経路は、車両において経路案内が行われており、案内経路が設定されている場合には、その案内経路を予想走行経路とする。ただし、車両の走行軌跡から、今後の予想走行経路を推定してもよい。さらに、センター装置10が多数の車両の走行軌跡から、この車両の予想走行軌跡を決定し、前述の通知情報にこの予想走行軌跡を含ませてもよい。
【0092】
上記優順位1、2に該当しないが、車両の進行方向に充電ポイントが位置している場合、優先順位3とする。進行方向は、上記予想走行経路あるいは走行中の道路を基準(0度)として、車両が向いている側の所定範囲(たとえば±45度)とする。上記優先順位1〜3のいずれにも該当しない場合には、優先順位4とする。
【0093】
ステップS44では、ステップS42で決定した内容を、ステップS43で決定した優先順位が高いほど優先した態様で通知する。この優先した態様とは、本実施形態では、優先順位が高いほどリストの上位に表示するという態様である。
【0094】
なお、これ以外に「優先した態様」としては、通知する周辺充電ポイントを優先順位が高い側から順に、予め設定された数(一つでもよい)に限定するという態様でもよい。
【0095】
以上、説明した本実施形態によれば、道路地図情報の、周辺充電ポイントが存在するノードに、周辺充電ポイントまで車両が走行するための到達必要エネルギーの決定に用いるノード情報が記憶されている(図2)。そして、車両がノード情報の記憶されているノード付近に位置している状況で(S32:YES)、そのノード情報と車両情報から到達必要エネルギーを決定する(S33)。そして、この到達必要エネルギーと車両の残エネルギーとを比較して、車両が周辺充電ポイントまで到達できるかを判定している(S34)。
【0096】
ノードおよび周辺充電ポイントはともに固定点である。よって、車両から周辺充電ポイントまで、車両位置が変化する毎に経路演算し、その演算した経路を走行して周辺充電ポイントまでの到達必要エネルギーを逐次演算する場合に比較して、演算負荷を低くすることができる。
【0097】
しかも、ノード情報は、走行中の車両から逐次情報を取得して更新される(S20)。このノード情報を用いて到達必要エネルギーを決定することから、精度のよい到達必要エネルギーを決定することができる。
【0098】
また、到達余裕度大の場合(残エネルギーが到達必要エネルギーよりも第1基準値TH1以上大きい場合)、充電を行なう運転者は少ないことから、本実施形態では、到達余裕度大の場合には通知は行わない。これによって運転者にとって不要な通知を行なってしまうことを抑制できる。
【0099】
また、到達余裕度中の場合(TH2<エネルギー差<TH1)、まだ、それほど緊急性は高くないものの、残エネルギーがある程度少なくなってきたことになる。早めに充電を行いたい運転者であれば、そろそろ充電を行なうこともある。しかし、まだ緊急性は高くないので、あまり遠いところまで行って充電を行なおうと考える運転者は少ない。そこで、本実施形態では、到達余裕度中の場合には、周辺充電ポイントが近傍に存在している場合(周辺充電ポイントまでの距離が2km以内の場合)に限り通知を行なう。これにより、必要な通知を行いつつ、運転者にとって不要な通知を行なってしまうことを抑制できる。
【0100】
そして、到達余裕度が小(エネルギー差が第2基準値TH2以下)となると、ある程度遠くまで走行しても充電を行なおうと考える運転者が増えてくるので、本実施形態では、到達余裕度が小の場合、周辺充電ポイントが10km以内にあれば、判定結果に基づく通知を行なっている。これにより、必要な通知を行うことができる。
【0101】
また、本実施形態では、到達可能な複数の周辺充電ポイントを、図12に示す優先順位が高いほど優先して通知している。従って、到達しやすい充電ポイントが優先して通知されることになるので、到達しやすい充電ポイントを認識しやすい。
【0102】
(第2実施形態)
次に、第2実施形態を説明する。なお、この第2実施形態以下の説明において、それまでに使用した符号と同一番号の符号を有する要素は、特に言及する場合を除き、それ以前の実施形態における同一符号の要素と同一の要素である。
【0103】
第2実施形態では、予め設定された車種については、ノード情報として、周辺充電ポイントまでの到達必要エネルギーそのものを記憶しておく。
【0104】
図8を用いて説明したように、到達必要エネルギーは、車両情報とノード情報とを用いて演算する。この図8において、車両情報は、時間依存エネルギーを演算するための情報を除き、車種が決まれば決定することができる。よって、エアコンオフ時到達必要エネルギーは、車種別に予め決定しておくことができる。
【0105】
また、外気温も、車両から取得しなくても、各地の気温は、このシステム以外の種々の装置から通信で取得可能である。そして、外気温が定まれば、ユーザがよく設定する設定温度として、複数の設定温度を決定できる。
【0106】
そこで、第2実施形態では、予め設定された車種については、複数の条件での到達必要エネルギーを予め演算しておき、これをノード情報として記憶しておく。図13は、第2実施形態におけるノード情報の一例である。この図13に示したノード情報は、図2に示したノード情報に加えて記憶する。
【0107】
第2実施形態では、ノード情報に、車両情報を送信した車両についての計算済みの到達必要エネルギーが含まれていれば、図7にステップS32で計算を行なうことなく、到達必要エネルギーを決定する。その後の処理は第1実施形態と同じである。
【0108】
第2実施形態のように、予め設定された車種について到達必要エネルギーを演算しておき、これをノード情報に含ませておけば、同じ車種について、到達必要エネルギーを演算するために同じ演算をする必要がなくなるので、一層、演算負荷が低くなる。
【0109】
(第3実施形態)
第1実施形態では、車両側装置20が車両情報をセンター装置10へアップロードしており、センター装置10が到達必要エネルギーを演算していた。しかし、センター装置10の演算部16が情報送信手段として機能して、通信部12からノード情報を車両側装置20へ送信する処理を行い、車両側装置20の演算部26がエネルギー決定手段として機能して、車両情報とノード情報から到達必要エネルギーを演算してもよい。この場合、図7の判定処理(判定手段)S30も車両側装置20の演算部26が実行する。よって、この判定処理S30に含まれている、到達余裕度に基づく通知要否の決定S34、S35(通知決定手段)も、車両側装置20の演算部26が実行することになる。ただし、もちろん、車両側装置20への通知情報の送信処理S38は、通知情報受信処理S40への情報送信となる。
【0110】
なお、ノード情報の送受信は、車両側装置20が、ノード情報を要求する信号を自車の車両位置情報とともに送信したことにより行う。センター装置10は、多数のノードに対して記憶しているノード情報から、車両側装置20に送信するノード情報を、上記車両位置情報に基づいて決定する。
【0111】
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
【符号の説明】
【0112】
1:充電地点到達判定・通知システム、 10:センター装置、 12:通信部、 14:記憶部、 16:演算部、 20:車両側装置、 22:通信部、 24:記憶部、 26:演算部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
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図8
図9
図10
図11
図12
図13