特許第5835037号(P5835037)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5835037
(24)【登録日】2015年11月13日
(45)【発行日】2015年12月24日
(54)【発明の名称】スイッチ
(51)【国際特許分類】
   H01H 21/00 20060101AFI20151203BHJP
【FI】
   H01H21/00 320D
   H01H21/00 330B
【請求項の数】5
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2012-57553(P2012-57553)
(22)【出願日】2012年3月14日
(65)【公開番号】特開2013-191443(P2013-191443A)
(43)【公開日】2013年9月26日
【審査請求日】2015年2月6日
(73)【特許権者】
【識別番号】000002945
【氏名又は名称】オムロン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100084146
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 宏
(74)【代理人】
【識別番号】100081422
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 光雄
(74)【代理人】
【識別番号】100100170
【弁理士】
【氏名又は名称】前田 厚司
(74)【代理人】
【識別番号】100103012
【弁理士】
【氏名又は名称】中嶋 隆宣
(72)【発明者】
【氏名】有原 武
(72)【発明者】
【氏名】鷲頭 智行
(72)【発明者】
【氏名】小森 威和
(72)【発明者】
【氏名】森本 勝
【審査官】 岡崎 克彦
(56)【参考文献】
【文献】 特開2006−310229(JP,A)
【文献】 特開2005−100918(JP,A)
【文献】 特開2005−26035(JP,A)
【文献】 特開2007−305458(JP,A)
【文献】 特開2011−171164(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01H 19/00−21/88
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上面外周縁部に一体成形した枠部の内側面に固定接点を設けるとともに、上面に共通固定接点を露出するように一体成形した支持突部を突設したベースと、
渦巻き状バネ部の中心に設けた接続部を前記支持突部に回動不能に支持する一方、前記渦巻き状バネ部の自由端部から駆動片を延在した導電性バネ部材と、
前記ベースの上面に一端部を回動可能に支持されるとともに、前記導電性バネ部材の駆動片を押圧する操作片を一体成形した操作レバーとからなり、
前記操作レバーを回動して前記操作片で前記導電性バネ部材の駆動片を押圧し、前記渦巻き状バネ部を弾性変形させて前記導電性バネ部材に設けた可動接点を前記固定接点に接離させることにより、前記固定接点と前記共通固定接点とを前記導電性バネ部材を介して電気的に開閉することを特徴とするスイッチ。
【請求項2】
前記可動接点を前記駆動片の先端に設け、
前記操作レバーを回動し、前記操作片で前記導電性バネ部材の駆動片を押圧して渦巻き状バネ部を弾性変形させ、前記可動接点を前記固定接点に接離させることにより、前記固定接点と前記共通固定接点とを前記導電性バネ部材を介して電気的に開閉することを特徴とする請求項1に記載のスイッチ。
【請求項3】
前記渦巻き状バネ部の自由端部に、前記駆動片および前記可動接点を分岐させて設け、
前記操作レバーを回動して前記操作片で前記導電性バネ部材の駆動片を押圧し、前記渦巻き状バネ部を弾性変形させて前記可動接点を前記固定接点に接離させることにより、前記固定接点と前記共通固定接点とを前記導電性バネ部材を介して電気的に開閉することを特徴とする請求項1に記載のスイッチ。
【請求項4】
可動接点を、導電性バネ部材の自由端部から延在した復帰用バネ部の先端部に配置したことを特徴とする請求項3に記載のスイッチ。
【請求項5】
導電性バネ部材と操作レバーの操作片とが同一厚さ寸法であることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載のスイッチ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はスイッチ、特に、携帯電話、スマートフォン、デジタルカメラ等の電子機器に使用される超小型の薄型スイッチに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、スイッチとしては、例えば、ベースと、コイルバネからなり、かつ、一端部を前記ベースに回動可能に支持される可動接触片と、一端部を前記ベースに回動可能に支持されるとともに、前記一端部から延在した駆動部で前記可動接触片のコイル部を押圧する操作レバーと、前記ベースを被覆可能な平面形状を有し、かつ、前記コイル部を圧縮するように前記ベースに固定されるカバーと、からなり、前記操作レバーで前記可動接触片のコイル部を押圧して捩りモーメントを付与することにより、前記可動接触片がその一端部を支点として回動し、前記可動接触片のコイル部が前記ベースの底面に突設した突条の表面から露出する少なくとも1つの固定接点上を摺動するとともに、前記可動接触片の他端部が前記ベースの内側面から露出する共通固定接点上を摺動するものが知られている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第4062319号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前述のスイッチでは、螺旋状コイルバネのバネ力を利用して接点圧を確保しているので、高さ寸法の低減に限界があった。また、プレス加工によって複雑な形状を有する螺旋状コイルバネを高い寸法精度で大量生産することは容易でなく、所望のストローク,接点圧を備えた超小型のスイッチが得にくかった。
本発明は、所望のストローク,接点圧を確保しつつ、高さ寸法の低い超薄型スイッチを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係るスイッチは、前記課題を解決すべく、上面外周縁部に一体成形した枠部の内側面に固定接点を設けるとともに、上面に共通固定接点を露出するように一体成形した支持突部を突設したベースと、渦巻き状バネ部の中心に設けた接続部を前記支持突部に回動不能に支持する一方、前記渦巻き状バネ部の自由端部から駆動片を延在した導電性バネ部材と、前記ベースの上面に一端部を回動可能に支持されるとともに、前記導電性バネ部材の駆動片を押圧する操作片を一体成形した操作レバーとからなり、前記操作レバーを回動して前記操作片で前記導電性バネ部材の駆動片を押圧し、前記渦巻き状バネ部を弾性変形させて前記導電性バネ部材に設けた可動接点を前記固定接点に接離させることにより、前記固定接点と前記共通固定接点とを前記導電性バネ部材を介して電気的に開閉する構成としてある。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、従来例のようにコイルバネを使用する必要がないので、高さ寸法の低い薄型のスイッチが得られる。
また、導電性バネ部材が渦巻き状バネ部で構成されているので、所望の操作ストロークを得られるだけでなく、応力を均一に分散しやすく、疲労破壊しにくいスイッチが得られる。
【0007】
本発明の実施形態としては、前記可動接点を前記駆動片の先端に設け、前記操作レバーを回動し、前記操作片で前記導電性バネ部材の駆動片を押圧して渦巻き状バネ部を弾性変形させ、前記可動接点を前記固定接点に接離させることにより、前記固定接点と前記共通固定接点とを前記導電性バネ部材を介して電気的に開閉してもよい。
本実施形態によれば、操作レバーの操作力で駆動片に設けた可動接点を固定接点に直接押し付けることができ、高い接点圧力を確保できる。
【0008】
本発明の他の実施形態としては、前記渦巻き状バネ部の自由端部に、前記駆動片および前記可動接点を分岐させて設け、前記操作レバーを回動して前記操作片で前記導電性バネ部材の駆動片を押圧し、前記渦巻き状バネ部を弾性変形させて前記可動接点を前記固定接点に接離させることにより、前記固定接点と前記共通固定接点とを前記導電性バネ部材を介して電気的に開閉してもよい。
本実施形態によれば、駆動片を介して可動接点を固定接点に間接的に押し付けることができ、弾性変形しやく、操作感触の柔らかいスイッチが得られる。
【0009】
本発明の別の実施形態としては、可動接点を、導電性バネ部材の自由端部から延在した復帰用バネ部の先端部に配置してもよい。
本実施形態によれば、復帰用バネ部を介して可動接点を固定接点に接触させることができるので、振動が負荷されても、接触不良を生じにくく、接触信頼性の高いスイッチが得られる。
【0010】
本発明の異なる実施形態としては、導電性バネ部材と操作レバーの操作片とが同一厚さ寸法であってもよい。
【0011】
本実施形態によれば、導電性バネ部材と操作レバーとを同一高さのスペース内に収納できるので、従来例よりも極めて薄い小型のスイッチが得られるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明に係るスイッチの第1実施形態を示す分解斜視図である。
図2図1で示したスイッチの異なる角度から視た分解斜視図である。
図3図3A図3B図1で示したスイッチの動作前後を示す正面図である。
図4図4A図4Bは本発明に係るスイッチの第2実施形態の動作前後を示す正面図である。
図5図5A図5B図4で示したスイッチの成形工程を説明するための斜視図である。
図6図6A図6Bは本発明に係るスイッチの第3実施形態の動作前後を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明に係るスイッチの実施形態を図1ないし図6の添付図面に従って説明する。
第1実施形態に係るスイッチは、図1ないし図4に示すように、ベース10と、導電性バネ部材20と、操作レバー30と、カバー40とで構成されている。なお、説明の便宜上、図3において前記カバー40は図示されていない。
【0014】
前記ベース10は、図1に示すように、上面略方形の外周縁部に沿って略コ字形状の枠部11を一体成形するとともに、前記枠部11の内側面の一端部に常開固定接点12aをインサート成形してある。また、前記ベース10は、その上面の略中央に突設した四角柱状の支持突部13の一側面に共通固定接点14aをインサート成形してある。前記常開固定接点12aおよび前記共通固定接点14aの端子部12b,14bは前記ベース10の外側面からそれぞれ突出している。さらに、前記ベース10の上面片側縁部には位置規制用突起15を間にして軸部16およびストッパー17を突設してある。
【0015】
導電性バネ部材20は、電気鋳造法によって製造され、中心に位置し、かつ、四角形の嵌合孔21を有する接続部22から渦巻き状バネ部23を延在してある。そして、前記渦巻き状バネ部23の自由端部から駆動片24を延在するとともに、略U字形状の復帰用バネ部25を延在してある。
そして、前記ベース10の支持突部13に前記導電性バネ部材20の接続部22に設けた嵌合孔21を嵌合することにより、復帰用バネ部25の先端部25aが前記枠部11の内側面に圧接する(図3)。
なお、支持突部13および嵌合孔21の形状は四角形に限定されることなく、渦巻き状バネ部23が伸縮する際に渦巻き状バネ部23自体が回転または移動しないように固定可能な形状であればよい。
【0016】
操作レバー30は、図1に示すように、その一端側に軸孔31を有する操作片32を一体成形するとともに、前記操作片32の自由端部に略台形の操作部33を設けてある一方、その中間部からガイド片34を一体成形してある。
そして、図3に示すように、前記ベース10の軸部16に前記操作レバー30の軸孔31を嵌合すると、操作片32が前記導電性バネ部材20の駆動片24に圧接し、復帰方向に付勢される。このため、前記操作片32の操作部33が位置規制用突起15に係止し、位置規制される。
【0017】
カバー40は、図1,2に示すように、前記ベース10の表面を被覆可能な平面形状を有し、対向する2辺から前記ベース10に設けた切り欠き部18aに係合可能な位置に折り曲げ部41を設けてある。また、前記カバー40は、前記枠部11に設けた係合用凹部11aに嵌合可能な位置に係合部42を設けてある。さらに、前記係合部42の両端部には前記ベース10に設けた切り欠き部18bに係合可能な折り曲げ部43を設けてある。
そして、前記導電性バネ部材20および操作レバー30を組み付けたベース10に前記カバー40を位置決めして被覆する。ついで、前記ベース10の切り欠き部18aに前記カバー40の折り曲げ部41を折り曲げて係合する。さらに、前記枠部11の係合用凹部11aに前記カバー40の係合部42を係合するとともに、前記切り欠き部18bに折り曲げ部43を折り曲げて係合することにより、前記導電性バネ部材20および操作レバー30が抜け止めされる。
【0018】
次に、前述の構成部材からなるスイッチの操作方法について説明する。
図3Aに示すように、操作前では、略U字形状の復帰用バネ部25のバネ力で、導電性バネ部材20の駆動片24が操作レバー30の操作片32に圧接し、前記操作レバー30が復帰方向に付勢されている。しかし、前記操作レバー30の操作片32に設けた操作部33が位置規制用突起15に当接して位置規制されている。このとき、導電性バネ部材20の接続部22は共通固定接点14aに接触しているが、駆動片24の先端部に設けた可動接点24aは枠部11の内側面に設けた常開固定接点12aに当接していない。
【0019】
そして、操作レバー30の自由端部を押し下げると、軸部16を支点として操作片32の操作部33が駆動片24を押圧し、導電性バネ部材20の渦巻き状バネ部23が圧縮されるとともに、復帰用バネ部25が圧縮される。このため、駆動片24に設けた可動接点24aが常開固定接点12aに接触し、共通固定接点14aと常開固定接点12aとが導電性バネ部材20を介して電気接続される。
【0020】
ついで、前記操作レバー30に対する押圧力を解除すると、導電性バネ部材20の渦巻き状バネ部23および復帰用バネ部25のバネ力によって操作レバー30の操作片32が押し戻される。このため、操作レバー30は軸部16を支点として逆方向に回転し、元の位置に復帰するとともに、駆動片24の可動接点24aが常開固定接点12aから開離する。
【0021】
本発明の第2実施形態は、図4に示すように、前述の第1実施形態とほぼ同様であり、異なる点は略U字形状の復帰用バネ部25の先端部を可動接点25aとするとともに、前記ベース10の枠部11の内側面のうち、前記可動接点25aが接離可能な位置に常開固定接点12aを設けた点である。なお、本実施形態に係るベース10は、図5に示すように、リードフレーム50を利用したインサート成形で成形してもよい。他は前述の第1実施形態と同様であるので、同一部分に同一番号を附して説明を省略する。
【0022】
本実施形態によれば、可動接点25aを略U字形状の復帰用バネ部25の先端部に設けてあるので、前記復帰用バネ部25のバネ力で可動接点25aが常開固定接点12aに押圧される。このため、振動が加わっても、接点圧力が変化しにくく、接触信頼性の高いスイッチが得られるという利点がある。
【0023】
本発明の第3実施形態は、図6に示すように、前述の第1実施形態とほぼ同様であり、異なる点は略U字形状の復帰用バネ部25の先端部を可動接点25aとするとともに、前記ベース10の枠部11の内側面のうち、前記可動接点25aが常時、接離可能な位置に常閉固定接点12cを設けた点である。
【0024】
本実施形態によれば、可動接点25aを略U字形状の復帰用バネ部25の先端部に設けてあるので、前記復帰用バネ部25のバネ力で可動接点25aを常閉固定接点12cに押圧できる。このため、振動が加わっても、接点圧力が変化しにくく、接触信頼性の高いスイッチが得られるという利点がある。
【産業上の利用可能性】
【0025】
本発明に係るスイッチは、携帯電話等の電子機器に適用するだけでなく、他の小型の電子機器、例えば、デジタルカメラ、ビデオカメラ等に適用できることは勿論である。
【符号の説明】
【0026】
10:ベース
11:枠部
12a:常開固定接点
12c:常閉固定接点
13:支持突部
14a:共通固定接点
15:ガイド用突起
16:軸部
17:ストッパー
20:導電性バネ部材
21:嵌合孔
22:接続部
23:渦巻き状バネ部
24:駆動片
24a:可動接点
25:復帰用バネ部
25a:可動接点
30:操作レバー
31:軸孔
32:操作片
33:操作部
40:カバー
図1
図2
図3
図4
図5
図6