【実施例1】
【0013】
始めに、実施例1の車両用シート1の構成について、
図1〜
図5を用いて説明する。
図1に示すように、本実施例の車両用シート1は、いわゆるステーションワゴンタイプの車両の後列目に配設された3人掛け用の座席用シートのうち、幅方向に6:4分割された幅の狭い側(4側)の座席用シートとして構成されている。上記車両用シート1は、背凭れとなるシートバック2と、着座部となるシートクッション3と、頭部の凭れ部となるヘッドレスト4と、を備える。上記シートバック2とシートクッション3は、それぞれ、個別にフロアF上に連結されて支持された状態とされている。ヘッドレスト4は、シートバック2の上部に装着されて支持された状態とされている。
【0014】
上述したシートバック2は、詳しくは、
図2に示すように、その骨格を成す逆U字状に組まれたバックフレーム10の左右両サイドの下端部が、それぞれ、フロアF上に固定された各ベース板20に対して、回転止め可能な回転軸装置として機能する円盤状のリクライニング装置30を間に介して連結された状態とされている。これにより、シートバック2は、上記各リクライニング装置30を介して、フロアFに対して背凭れ角度の調節が行える状態に連結された状態とされている。上述した各リクライニング装置30は、常時は、シートバック2の背凭れ角度を固定したロック状態とされて保持されており、着座者がシートクッション3の車両外側(図示右側)の側部に設けられた解除レバー41Aを引き上げる操作により、それらのロック状態が解除されて、シートバック2の背凭れ角度を変えられる状態に切り替えられるようになっている。
【0015】
具体的には、各リクライニング装置30は、それらの中心部に挿通された各操作軸31が、上述した解除レバー41Aの操作によって軸回転操作されることより、それらのロック状態が解除操作されるようになっている。ここで、車両外側(図示右側)に配設されたリクライニング装置30の操作軸31には、アーム部材32Aが一体的に結合されており、同側に配設された解除レバー41Aが引き上げ操作されることにより、上記アーム部材32Aが押し回されて、同側の操作軸31がこれと一体的となって軸回転操作されて、リクライニング装置30のロック状態が解除されるようになっている。
【0016】
また、車両内側(図示左側)に配設されたリクライニング装置30の操作軸31にも、アーム部材32Bが一体的に結合されている(
図3参照)。このアーム部材32Bは、伝達ケーブル33を介して、上述した車両外側のアーム部材32Aと動力伝達可能な状態に連結された状態となっている。これにより、上述した解除レバー41Aが操作されて車両外側のアーム部材32Aが押し回されることにより、伝達ケーブル33を介して車両内側のアーム部材32Bも一緒に回転操作されて、車両内側の操作軸31が軸回転操作され、同側のリクライニング装置30のロック状態も一緒に解除されるようになっている。なお、各リクライニング装置30の基本構造は、特開2011−116303号公報等の文献に開示されたものと同じ構成となっているため、その具体的な構成についての説明は省略することとする。
【0017】
ここで、上記伝達ケーブル33の構成について詳しく説明する。伝達ケーブル33は、管状のアウターケーブルの内部に線状のインナーケーブルが挿通された二重のケーブル構造となっている。上記伝達ケーブル33は、
図2に示すように、その車両外側に位置する一端33A側において、アウターケーブルの端部が、車両外側のベース板20に結合された第1ケーブル掛板20Aに掛着されて固定され、インナーケーブルの端部が、上記アーム部材32Aに掛着されて固定された状態とされている。また、
図3に示すように、伝達ケーブル33は、その車両内側へ取り回された他端33B側において、アウターケーブルの端部が、車両内側のサイドフレーム11に結合された第2ケーブル掛板11Dに掛着されて固定され、インナーケーブルの端部が、車両内側のリクライニング装置30の操作軸31に一体的に連結されたアーム部材32Bに掛着されて固定された状態とされている。
【0018】
上記掛着により、
図2〜
図3に示すように、伝達ケーブル33は、その一端33A側において、車両外側のアーム部材32Aが回転操作される動きによって、インナーケーブルの端部がアウターケーブルの端部から引き出される態様で操作され、この操作移動量が
図3に示す他端33B側へと伝達されて、同他端33B側において、インナーケーブルが操作軸31に連結されたアーム部材32Bを牽引操作して、同側のリクライニング装置30のロック状態も解除するようになっている。
【0019】
このように、車両内側のリクライニング装置30のロック状態が、コネクティングロッドではなく、伝達ケーブル33を介して解除レバー41Aの操作力の伝達を受けて解除操作される構成となっていることにより、各リクライニング装置30の操作軸31同士がコネクティングロッドにより繋がれて動力伝達される構成と比べて、次のようなメリットがある。
【0020】
すなわち、
図2を参照して、両側のリクライニング装置30の操作軸31同士がコネクティングロッドにより連結された構成を考えた場合、例えば、車両の前部衝突が発生して、シートバック2の車両内側の側部(サイドフレーム11)に背後側からワインケースのような重量物が強い勢いで衝突すると、同側(車両内側)のリクライニング装置30(ロック状態)を介して同側のサイドフレーム11と一体的となっているベース板20が、強い曲げ方向の圧縮力を受けて、前下側に座屈する態様で押し潰されるように変形する。この変形により、上記ベース板20と一体的となっているロック状態のリクライニング装置30が、ベース板20の変形によって前方向に回転し、車両外側のリクライニング装置30の操作軸31により保持されているコネクティングロッドに対して前方向に回転移動する。
【0021】
このコネクティングロッドに対する前方向への回転移動は、車両内側のリクライニング装置30のロック状態が解除操作される回転方向となっており、同側(車両内側)のリクライニング装置30のロック状態が解除されてしまうおそれがある。しかしながら、本実施例の構成では、解除レバー41Aから各リクライニング装置30の操作軸31への操作力の伝達が、アーム部材32A,32Bと伝達ケーブル33とを介して行われるようになっており、上記のような予期しない動力伝達の発生に伴う解除操作が起こらないようになっている。
【0022】
ここで、上記バックフレーム10の車両内側(図示左側)の側部と前述したベース板20との間には、シートバック2に対して、常時、前回転させる方向の附勢力をかける渦巻きバネ15が掛着されている。この渦巻きバネ15の附勢力により、シートバック2は、その背凭れ角度の固定状態が解かれることにより、着座者の背部に当たる位置まで前側に起こし上げられて、着座者の背部の動きに追従する形でその背凭れ角度が前後に調節されるようになっている。
【0023】
また、上記バックフレーム10の車両外側(図示右側)の側部には、その内側の面部に、円筒状のダンパー16が設けられている。このダンパー16は、車両用シート1に人が座っていない状態で、シートバック2が前に倒し込まれる際に、その倒し込まれる動きに弾みが付き過ぎないように倒れ込み速度を抑制するものとして機能するようになっている。なお、このシートバック2の倒れ込み速度を抑制するダンパー16の具体的な構成については、特開2007−191120号公報等の文献に開示されたものと同じ構成となっているため、説明を省略することとする。
【0024】
上述したシートバック2の車両外側(図示右側)の側部とベース板20との連結構造は、これらの連結部に内外側からそれぞれ嵌め込まれて装着される樹脂製の外側内シールド40Bと外側外シールド40Aとによって、それぞれ外部から見えないように被覆された状態とされている。また、シートバック2の車両内側(図示左側)の側部とベース板20との連結構造も、これらの連結部に内外側からそれぞれ嵌め込まれて装着される樹脂製の内側内シールド40Cと内側外シールド40Dとによって、それぞれ外部から見えないように被覆された状態とされている。
【0025】
具体的には、上記外側内シールド40Bは、1本のクリップ41Bによって、バックフレーム10の車両外側(図示左側)のサイドフレーム11に留められて取り付けられた状態とされている。詳しくは、外側内シールド40Bは、その下端部に形成された凹状の掛部42Bを、サイドフレーム11の下端部に下方側に突出して形成された突起部11Cに下方側から引掛けた状態にして、外側内シールド40Bの上端部に形成された孔40Baを、サイドフレーム11に貫通して形成された貫通孔H1に合わせて、これら連通した孔部にクリップ41Bを差し込むことにより、サイドフレーム11に留められて取り付けられた状態とされている。この外側内シールド40Bは、シートバック2の車両外側のサイドフレーム11の内側の側部に設けられた前述した円筒型のダンパー16全体を覆い被せると共に、円盤状のリクライニング装置30を介して連結された車両外側のベース板20とシートバック2のサイドフレーム11との連結部を下前側から覆い被せることのできる円筒容器型の形に形成されている。
【0026】
外側外シールド40Aは、2本のボルト40Aaによって、車両外側のベース板20に締結されて取り付けられた状態とされている。この外側外シールド40Aは、円盤状のリクライニング装置30を介して連結された車両外側のベース板20とシートバック2のサイドフレーム11との連結部を上前側から覆い被せることのできる円筒容器型の形に形成されている。
【0027】
また、内側内シールド40Cは、1本のクリップ41Cによって、バックフレーム10の車両内側(図示右側)のサイドフレーム11に留められて取り付けられた状態とされている。詳しくは、内側内シールド40Cは、その下端部に形成された凹状の掛部42Cを、サイドフレーム11の下端部に下方側に突出して形成された突起部11Cに下方側から引掛けた状態にして、内側内シールド40Cの上端部に形成された孔40Caを、サイドフレーム11に貫通して形成された貫通孔H1に合わせて、これら連通した孔部にクリップ41Cを差し込むことにより、サイドフレーム11に留められて取り付けられた状態とされている。この内側内シールド40Cは、円盤状のリクライニング装置30を介して連結された車両内側のベース板20とシートバック2のサイドフレーム11との連結部を下前側から覆い被せることのできる円筒容器型の形に形成されている。
【0028】
内側外シールド40Dは、車両内側のベース板20に対し、外側から圧入されて嵌め込まれて装着されている。この内側外シールド40Dは、前述したシートバック2の車両内側のサイドフレーム11の外側の側部に設けられた渦巻きバネ15全体を覆い被せると共に、円盤状のリクライニング装置30を介して連結された車両内側のベース板20とシートバック2のサイドフレーム11との連結部を上前側から覆い被せることのできる円筒容器型の形に形成されている。
【0029】
次に、上述したバックフレーム10の具体的な構成について説明する。バックフレーム10は、概略四角枠状の形に組まれて構成されている。具体的には、バックフレーム10は、その左右両側部の骨格を成す縦長状の鋼板材より成る左右一対のサイドフレーム11と、これらサイドフレーム11の上端部間に架け渡されて一体的に剛結合された、シートバック2の上側部の骨格を成すアッパフレーム12と、によって、逆U字状の形に組まれて構成されている。そして、バックフレーム10は、上記アッパフレーム12の両脚部間に補強板13が架け渡されて一体的に剛結合されると共に、両サイドフレーム11間に補強パイプ14が貫通して挿通されて一体的に剛結合されることにより、全体が四角枠状の形に組まれた状態となって構成されている。上記アッパフレーム12は、逆U字状に曲げ加工された円鋼管により形成されており、その左右両側の各脚部分が、それぞれ、各サイドフレーム11の上端部に形成された、半パイプ状に絞り込まれた形状部分に嵌合されて一体的に溶着されて結合された状態とされている。
【0030】
上述した各サイドフレーム11の外側の側面部には、それぞれ、外側に向かって張り出す板形状を備えたL字板11Bが一体的に結合されている。これらL字板11Bは、それらの折り曲げられた一方側の板面が、それぞれ、上述した各サイドフレーム11の外側の側面部にあてがわれて溶接により一体的に結合された状態として設けられている。これらL字板11Bは、それらの外側に折り曲げられて張り出す各面部が、それぞれ、シートバック2を前後方向に傾倒させた際に、傾倒した各位置で、前述した各ベース板20に形成された角状に突出する前側係止部21と後側係止部22とにそれぞれ当接するようになっており、これらの当接により、シートバック2の前後方向の回転を所定位置にて係止させるようになっている。
【0031】
ところで、上述した各サイドフレーム11には、それらの各リクライニング装置30と連結される下側の領域部に、それぞれ、縦長状の鋼板材より成る補強フレーム11Aが板厚方向に重合されて一体的に結合された状態として設けられている。これら補強フレーム11Aの結合により、各サイドフレーム11は、それらの曲げに対する負荷作用を強く受けやすい下側の領域部の構造強度が部分的に高められた構成となっている。ここで、各サイドフレーム11が本発明の「シートフレーム」に相当し、各補強フレーム11Aが本発明の「付属部材」に相当する。
【0032】
上述した各サイドフレーム11と各補強フレーム11Aとの結合は、次のように行われている。先ず、各サイドフレーム11と各補強フレーム11Aとを、図示しない組み付け用の治具にそれぞれセットして、互いを所定の組み付け位置に位置合わせした状態にセットする。次に、この状態で、各補強フレーム11Aの所々の縁部を、各サイドフレーム11に対して溶接する。これにより、各補強フレーム11Aが、各サイドフレーム11に対して、所定の組み付け位置に位置合わせされた状態として一体的に結合された状態とされている。
【0033】
具体的に説明すると、上記図示しない組み付け用の治具には、位置決め用の2本の位置決めピンが立設されており、これら位置決めピンに対して、各サイドフレーム11に形成された高さ方向に並ぶ2個の正円状の各貫通孔H1,H2と、各補強フレーム11Aに形成された高さ方向に並ぶ2個の正円状の各貫通孔H1,H2と、をそれぞれ通すことにより、各サイドフレーム11と各補強フレーム11Aとが互いに所定の組み付け状態に位置合わせされた状態にセットされてホールドされた状態となる。そして、このホールドした状態で、各補強フレーム11Aの所々の縁部を各サイドフレーム11に溶接することにより、各補強フレーム11Aが各サイドフレーム11に対して所定の組み付け位置に位置合わせされた状態として一体的に結合されている。ここで、各貫通孔H1,H2が、それぞれ本発明の「位置決め用の孔」に相当する。
【0034】
ここで、上述した各サイドフレーム11と各補強フレーム11Aとの結合時には、更に、前述した各サイドフレーム11に一体的に結合される各L字板11Bの結合も一緒に行われている。具体的には、上述した各L字板11Bにも、上述した図示しない組み付け用の治具に立設された2本の位置決めピンに通される高さ方向に並ぶ2個の正円状の貫通孔H1,H2が形成されており、これら貫通孔H1,H2を上記各位置決めピンに通すことにより、各L字板11Bも各補強フレーム11A上に一緒に位置合わせされた状態にセットされてホールドされる。そして、このホールドした状態で、各L字板11Bの所々の縁部を各補強フレーム11Aに溶接することにより、各L字板11Bが各補強フレーム11Aに対して所定の組み付け位置に位置合わせされた状態として一体的に結合された状態とされている。ここで、各L字板11Bが本発明の「付属部材」に相当する。
【0035】
また、
図4〜
図5に示す車両内側のサイドフレーム11と補強フレーム11Aとの結合部には、更に、前述した第2ケーブル掛板11Dも一緒に結合されている。具体的には、この第2ケーブル掛板11Dにも、上述した図示しない組み付け用の治具に立設された2本の位置決めピンに通すことのできる、高さ方向に並ぶ2個の正円状の貫通孔H1,H2が形成されており、上記サイドフレーム11と補強フレーム11Aとを結合した後、結合したサイドフレーム11の板面を引っ繰り返して再び位置決めピンにセットし、これに重ねるように第2ケーブル掛板11Dの各貫通孔H1,H2を各位置決めピンに通すことにより、第2ケーブル掛板11Dがサイドフレーム11上の所定の組み付け位置に位置合わせされた状態にセットされてホールドされた状態となる。そして、このホールドした状態で、第2ケーブル掛板11Dの所々の縁部をサイドフレーム11に溶接することにより、第2ケーブル掛板11Dがサイドフレーム11に対して所定の組み付け位置に位置合わせされた状態として一体的に結合された状態とされている。ここで、第2ケーブル掛板11Dが本発明の「付属部材」に相当する。
【0036】
上述した手順によって補強フレーム11AやL字板11B等の各付属部材が一体的に組み付けられた各サイドフレーム11には、上述した位置決め時に位置決め用の孔として機能する各貫通孔H1,H2が、板厚方向に連通するように貫通した状態として残される。そこで、本実施例では、これら貫通孔H1,H2のうち、高い側に位置する各貫通孔H1を、それぞれ、外側内シールド40Bや内側内シールド40Cをクリップ41B,41Cによって掛け留めるための取付け孔として機能させるようにしている。ここで、外側内シールド40Bと内側内シールド40Cが、それぞれ、本発明の「シールド」に相当する。
【0037】
具体的には、
図2に示すように、車両外側の外側内シールド40Bは、その上端部に形成された孔40Baを、サイドフレーム11に貫通して形成された貫通孔H1に合わせて、これら連通した孔部にクリップ41Bを差し込むことにより、サイドフレーム11に留められて取り付けられた状態とされている。上記クリップ41Bは、その軸部が、貫通孔H1を構成する車両外側の補強フレーム11Aとサイドフレーム11とL字板11Bの3枚の各板に貫通して差し込まれており、差し込まれた軸部の突起の付いた外周面が貫通孔H1の内周面に係合して抜け止め力を及ぼす構成となっている。これにより、外側内シールド40Bが、サイドフレーム11に対して強固に一体的に結合された状態として取付けられた状態とされている。
【0038】
また、
図4〜
図5に示すように、車両内側の内側内シールド40Cは、その上端部に形成された孔40Caを、サイドフレーム11に貫通して形成された貫通孔H1に合わせて、これら連通した孔部にクリップ41Cを差し込むことにより、サイドフレーム11に留められて取り付けられた状態とされている。上記クリップ41Cは、その軸部が、貫通孔H1を構成する車両外側の第2ケーブル掛板11Dと補強フレーム11Aとサイドフレーム11とL字板11Bの4枚の各板に貫通して差し込まれており、差し込まれた軸部の突起の付いた外周面が貫通孔H1の内周面に係合して抜け止め力を及ぼす構成となっている。これにより、外側内シールド40Bが、サイドフレーム11に対して強固に一体的に結合された状態として取付けられた状態とされている。
【0039】
このように、サイドフレーム11と補強フレーム11A等の各付属部材とに貫通して形成される位置決め用の孔(貫通孔H1)を外側内シールド40Bや内側内シールド40Cの取付け孔として利用することにより、別途、組み付け用の孔を設ける必要がなくなるため、外側内シールド40Bや内側内シールド40Cのバックフレーム10への組み付け構造を合理化することができる。また、高さ方向に並んで形成される各貫通孔H1,H2のうち、外側内シールド40Bや内側内シールド40Cの形状に対してより外周側に位置する貫通孔を取付け孔として採用することにより、各孔40Ba,40Caを各貫通孔H1に合わせたり各クリップ41B,41Cをこれら孔部に差し込む作業を外部から視認しやすくなり、外側内シールド40Bや内側内シールド40Cの組み付け作業性を向上させることができる。
【0040】
また、上記各貫通孔H1,H2を高さ方向に並べて形成したことにより、これらを前後方向に並べて形成する構成と比べて、その設置幅を前後方向に小さく抑えることができ、シートバック2のフレーム構造を前後方向にコンパクトにすることができる。
【0041】
以上、本発明の実施形態を1つの実施例を用いて説明したが、本発明は上記実施例のほか各種の形態で実施することができるものである。例えば、上記実施例では、本発明の「シールド」が組み付けられる「シートフレーム」として、シートバック2のサイドフレーム11を例示したが、本発明の「シートフレーム」は、シートバックのサイドフレーム以外のフレームや、シートクッションのフレームや、フロア上に固定されるベース体のフレームなど、車両用シートを構成する各種のシートフレームを採用することができる。また、上記実施例では、「シートフレーム」に組み付けられる「付属部材」として、補強フレーム11AやL字板11Bや第2ケーブル掛板11Dを例示したが、付属部材は、シートフレームに組み付けられる種々の部材を採用することができるものである。また、本発明の「シールド」の形状や材質は、特に限定されず、種々のものを採用することができる。
【0042】
また、本発明の「シールド」を「シートフレーム」に取り付けるための手段として、上記実施例ではクリップ41B,41C(
図2参照)を例示したが、「シートフレーム」と「付属部材」とに貫通して形成される位置決め用の孔に差し込まれて装着される軸部を、「シールド」に一体的に設けてもよい。また、この軸部の構成として、位置決め用の孔に差し込まれることで位置決め用の孔に抜け止め可能に係合するものの他、位置決め用の孔に螺合されて抜け止め可能に係合するもの、または、位置決め用の孔に差し込まれた先の端部にCリング等の掛着具が別途装着されることで抜け止めされた状態となるものなどであってもよい。
【0043】
また、シートフレームと付属部材とに貫通して形成される位置決め用の孔の両方をシールドの取付け孔として用いるのではなく、どちらか一方の孔を、シールドの取付け孔として用いるようにしてもよい。こうすることにより、例えば、余った他方の孔を、別の用途に用いることができるようになる。