特許第5835123号(P5835123)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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特許5835123パターン形成用自己組織化組成物及びパターン形成方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5835123
(24)【登録日】2015年11月13日
(45)【発行日】2015年12月24日
(54)【発明の名称】パターン形成用自己組織化組成物及びパターン形成方法
(51)【国際特許分類】
   C08L 25/04 20060101AFI20151203BHJP
   C08L 33/08 20060101ALI20151203BHJP
   G03F 7/40 20060101ALI20151203BHJP
   H01L 21/027 20060101ALI20151203BHJP
【FI】
   C08L25/04
   C08L33/08
   G03F7/40 511
   H01L21/30 570
【請求項の数】6
【全頁数】26
(21)【出願番号】特願2012-140124(P2012-140124)
(22)【出願日】2012年6月21日
(65)【公開番号】特開2014-5325(P2014-5325A)
(43)【公開日】2014年1月16日
【審査請求日】2015年1月9日
(73)【特許権者】
【識別番号】000004178
【氏名又は名称】JSR株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100120329
【弁理士】
【氏名又は名称】天野 一規
(74)【代理人】
【識別番号】100159581
【弁理士】
【氏名又は名称】藤本 勝誠
(74)【代理人】
【識別番号】100159499
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 義典
(74)【代理人】
【識別番号】100158540
【弁理士】
【氏名又は名称】小川 博生
(74)【代理人】
【識別番号】100150027
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 早苗
(74)【代理人】
【識別番号】100106264
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 耕治
(74)【代理人】
【識別番号】100176876
【弁理士】
【氏名又は名称】各務 幸樹
(74)【代理人】
【識別番号】100177976
【弁理士】
【氏名又は名称】根木 義明
(74)【代理人】
【識別番号】100154472
【弁理士】
【氏名又は名称】新庄 孝
(72)【発明者】
【氏名】峯岸 信也
(72)【発明者】
【氏名】浪江 祐司
(72)【発明者】
【氏名】永井 智樹
【審査官】 杉江 渉
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−051958(JP,A)
【文献】 特開2008−266469(JP,A)
【文献】 国際公開第2010/131680(WO,A1)
【文献】 特開2003−076036(JP,A)
【文献】 特許第3488926(JP,B2)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0124629(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
IPC C08L 1/00 − 101/14
C08K 3/00 − 13/08
C03F 7/00
C03F 7/06
C03F 7/07
C03F 7/12 − 7/14
C03F 7/26 − 7/42
H01L 21/30
H01L 21/46
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
主鎖にケイ素原子を含まない2種以上の重合体を含有し、
上記2種以上の重合体のうちの少なくとも1種が、上記主鎖の末端に結合しかつヘテロ原子を含む基を有し、
上記基が、下記式(1)で表され、
上記式(1)で表される基が、エポキシ化合物に由来し、
上記重合体として、スチレン系重合体及び(メタ)アクリル酸エステル系重合体を含有するパターン形成用自己組織化組成物。
【化1】
(式(1)中、Rは、炭素数1〜30の2価の有機基である。)
【請求項2】
上記ヘテロ原子が、酸素原子、窒素原子、硫黄原子、リン原子、ケイ素原子及びスズ原子からなる群より選ばれる少なくとも1種である請求項1に記載のパターン形成用自己組織化組成物。
【請求項3】
上記スチレン系重合体が、上記基を有する請求項に記載のパターン形成用自己組織化組成物。
【請求項4】
(1)請求項1、請求項2又は請求項3に記載のパターン形成用自己組織化組成物を用い、相分離構造を有する自己組織化膜を形成する工程、及び
(2)上記自己組織化膜の一部の相を除去する工程
を有するパターン形成方法。
【請求項5】
上記(1)工程前に、
(0−1)基板上に下層膜を形成する工程、及び
(0−2)上記下層膜上にプレパターンを形成する工程
をさらに有し、
上記(1)工程において、自己組織化膜を上記プレパターンによって区切られた上記下層膜上の領域に形成し、
上記(1)工程後に、
(2’)プレパターンを除去する工程
をさらに有する請求項に記載のパターン形成方法。
【請求項6】
得られるパターンがラインアンドスペースパターン又はホールパターンである請求項又は請求項に記載のパターン形成方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パターン形成用自己組織化組成物及びパターン形成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体デバイス、液晶デバイス等の各種電子デバイス構造の微細化に伴って、リソグラフィー工程におけるパターンの微細化が要求されている。現在、ArFエキシマレーザー光等を用いて線幅40nm程度の微細なパターンを形成することができるが、さらに微細なパターン形成が要求されるようになってきている。
【0003】
この要求に対し、秩序パターンを自発的に形成するいわゆる自己組織化による相分離構造を利用したパターン形成方法がいくつか提案されている。例えば、一の性質を有する単量体化合物と、それと性質の異なる単量体化合物とが共重合してなるブロック共重合体を用いた自己組織化による超微細パターンの形成方法が知られている(特開2008−149447号公報、特表2002−519728号公報、特開2003−218383号公報参照)。この方法によると、上記ブロック共重合体を含む組成物をアニーリングすることにより、同じ性質を持つポリマー構造同士が集まり、自己整合的にパターンを形成することができる。また、互いに性質の異なる複数のポリマーを含む組成物を自己組織化させることにより微細パターンを形成する方法も知られている(米国特許出願公開2009/0214823号明細書、特開2010−58403号公報参照)。
【0004】
しかしながら、上記従来の自己組織化によるパターン形成方法によって得られるパターンは、未だ十分に要求を満たすほどに微細であるとは言えない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−149447号公報
【特許文献2】特表2002−519728号公報
【特許文献3】特開2003−218383号公報
【特許文献4】米国特許出願公開2009/0214823号明細書
【特許文献5】特開2010−58403号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、以上のような事情に基づいてなされたものであり、その目的は、十分に微細なパターンサイズやピッチサイズを形成することが可能なパターン形成用自己組織化組成物、及びこのパターン形成用自己組織化組成物を用いたパターン形成方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するためになされた発明は、
主鎖にケイ素原子を含まない2種以上の重合体を含有し、上記2種以上の重合体のうちの少なくとも1種が、上記主鎖の末端に結合しかつヘテロ原子を含む基を有するパターン形成用自己組織化組成物である。
【0008】
また、本発明のパターン形成方法は、
(1)当該パターン形成用自己組織化組成物を用い、相分離構造を有する自己組織化膜を形成する工程、及び
(2)上記自己組織化膜の一部の相を除去する工程
を有する。
【0009】
なお、「有機基」とは、少なくとも1個の炭素原子を含む基をいう。また、「ヘテロ原子」とは、炭素原子及び水素原子以外の原子をいう。
【発明の効果】
【0010】
本発明は、十分に微細なパターンサイズやピッチサイズを形成することができるパターン形成用自己組織化組成物、及びこれを用いたパターン形成方法を提供することができる。従って、当該パターン形成方法は、さらなる微細化が要求されている半導体デバイス、液晶デバイス、光デバイス等の各種電子デバイス製造におけるリソグラフィー工程等に好適に使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明のパターン形成方法において、基板上に下層膜を形成した後の状態の一例を示す模式図である。
図2】本発明のパターン形成方法において、下層膜上にプレパターンを形成した後の状態の一例を示す模式図である。
図3】本発明のパターン形成方法において、プレパターンによって挟まれた下層膜上の領域にパターン形成用自己組織化組成物を塗布した後の状態の一例を示す模式図である。
図4】本発明のパターン形成方法において、プレパターンによって挟まれた下層膜上の領域に自己組織化膜を形成した後の状態の一例を示す模式図である。
図5】本発明のパターン形成方法において、自己組織化膜の一部の相及びプレパターンを除去した後の状態の一例を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
<パターン形成用自己組織化組成物>
本発明のパターン形成用自己組織化組成物は、主鎖にケイ素原子を含まない2種以上の重合体を含有している(以下、上記ケイ素原子を含まない2種以上の重合体からなる成分を「[A]重合体成分」ともいう)。また、当該パターン形成用自己組織化組成物は、[B]溶媒を含有していてもよい。また、当該パターン形成用自己組織化組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、界面活性剤等の任意成分を含有していてもよい。なお、当該パターン形成用自己組織化組成物は、[A]重合体成分以外の重合体を含有していないことが好ましい。
【0013】
ここで、「自己組織化(Directed Self−Assembly)」とは、外的要因からの制御のみに起因せず、自発的に組織や構造を構築する現象を指す。本発明においては、当該パターン形成用自己組織化組成物を基板上に塗布し、アニーリング等を行うことにより、自己組織化による相分離構造を有する膜(自己組織化膜)を形成し、この自己組織化膜における一部の相を除去することにより、パターンを形成する。以下、各成分について詳述する。
【0014】
<[A]重合体成分>
[A]重合体成分は、主鎖にケイ素原子を含まない2種以上の重合体からなる成分である。上記2種以上の重合体のうちの少なくとも1種は、上記主鎖の末端に結合しかつヘテロ原子を含む基(以下、「基(a)」ともいう)を有する(以下、上記基(a)を有する重合体を「(A1)重合体」ともいう)。また、[A]重合体成分は、主鎖にケイ素原子を含まない重合体であって(A1)重合体以外の重合体(以下、「(A2)重合体」ともいう)を含んでいてもよい。当該パターン形成用自己組織化組成物が上記(A1)重合体を含有することで、主鎖の末端に結合した基(a)の構造に起因し、互いに性質が異なる重合体間での相分離が促進されるため、微細なパターンを形成することができる。
【0015】
[A]重合体成分を構成する重合体は2種以上であればよく、2種でも3種以上でもよい。このうち、(A1)重合体が少なくとも1種あればよく、1種でも2種以上でもよい。(A2)重合体を含む場合、この(A2)重合体は、1種でも2種以上でもよい。
【0016】
[A]重合体成分を構成する重合体の組み合わせとしては、例えば、2種以上の(A1)重合体からなる組み合わせ、1種の(A1)重合体と1種の(A2)重合体とからなる組み合わせ、2種以上の(A1)重合体と1種の(A2)重合体とからなる組み合わせ、1種の(A1)重合体と2種以上の(A2)重合体とからなる組み合わせ、2種以上の(A1)重合体と2種以上の(A2)重合体とからなる組み合わせ等が挙げられる。
【0017】
上記主鎖にケイ素原子を含まない重合体としては、上記主鎖に炭素原子を含む重合体が好ましく、上記主鎖に炭素−炭素結合を含む重合体がより好ましい。
【0018】
上記炭素−炭素結合に供する炭素原子の割合としては、上記主鎖を構成する全原子数に対して、50%以上が好ましく、70%以上がより好ましく、80%以上がさらに好ましく、90%以上が特に好ましい。
【0019】
このような重合体としては、例えば、スチレン系重合体、(メタ)アクリル酸エステル系重合体、ビニル系重合体、ジエン系重合体等の付加重合系重合体、ウレア系重合体、イミド系重合体、アミド系重合体等の重縮合系重合体、ウレタン系重合体、エポキシ系重合体等の重付加系重合体等が挙げられる。これらの中で、付加重合系重合体が好ましい。
【0020】
上記スチレン系重合体は、スチレン化合物を含む単量体化合物を重合して得られる重合体である。
上記スチレン化合物としては、例えば、スチレン、o−メチルスチレン、p−メチルスチレン、エチルスチレン、p−メトキシスチレン、p−フェニルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン等が挙げられる。これらの中で、スチレン、o−メチルスチレン及びp−メチルスチレンが好ましく、スチレンがより好ましい。
【0021】
上記(メタ)アクリル酸エステル系重合体は、(メタ)アクリル酸エステル化合物を含む単量体化合物を重合して得られる重合体である。
上記(メタ)アクリル酸エステル化合物としては、例えば、
メタクリル酸エステルとして、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸−n−プロピル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸−n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸−tert−ブチル、メタクリル酸−n−ペンチル、メタクリル酸−n−ヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸−n−ヘプチル、メタクリル酸−n−オクチル、メタクリル酸−2−エチルヘキシル、メタクリル酸ノニル、メタクリル酸デシル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸トルイル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸イソボルニル、メタクリル酸−2−メトキシエチル、メタクリル酸−3−メトキシブチル、メタクリル酸−2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸−2−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸グリシジル、メタクリル酸2−アミノエチル、メタクリル酸トリフルオロメチル、メタクリル酸2,2,2−トリフルオロエチル等;
アクリル酸エステルとして、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸−n−プロピル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸−n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸−tert−ブチル、アクリル酸−n−ペンチル、アクリル酸−n−ヘキシル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸−n−ヘプチル、アクリル酸−n−オクチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸ノニル、アクリル酸デシル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸フェニル、アクリル酸トルイル、アクリル酸ベンジル、アクリル酸イソボルニル、アクリル酸−2−メトキシエチル、アクリル酸−3−メトキシブチル、アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、アクリル酸−2−ヒドロキシプロピル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸グリシジル、アクリル酸2−アミノエチル等が挙げられる。
【0022】
上記ビニル系重合体は、ビニル化合物を含む単量体化合物を重合して得られる重合体である。
上記ビニル化合物としては、例えば、ビニルアセタール、塩化ビニル、塩化ビニリデン等が挙げられる。
【0023】
上記ジエン系重合体は、ジエン化合物を含む単量体化合物を重合して得られる重合体である。
上記ジエン系化合物としては、例えば、1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン等が挙げられる。
【0024】
なお、上記各重合体は、1種の単量体化合物を重合した単独重合体であってもよいし、2種以上の単量体化合物を重合した共重合体であってもよいが、単独重合体が好ましい。以下、(A1)重合体及び(A2)重合体について説明する。
【0025】
<(A1)重合体>
(A1)重合体としては、例えば、上述の主鎖にケイ素原子を含まない重合体として例示した重合体において、主鎖の末端に上記基(a)が結合している重合体等が挙げられる。これらの中で、(A1)重合体としては、スチレン系重合体が好ましく、ポリスチレンがより好ましい。スチレン系重合体が上記基(a)を有することで、より相分離し易くなる。
【0026】
上記基(a)の(A1)重合体主鎖への結合部位としては、上記主鎖の両末端のうちの一方の末端であっても、両方の末端であってもよいが、(A1)重合体の合成容易性の観点からは、一方の末端が好ましい。なお、(A1)重合体における上記基(a)は、1種であっても2種以上であってもよい。
【0027】
上記基(a)が含むヘテロ原子としては、酸素原子、窒素原子、硫黄原子、リン原子、ケイ素原子及びスズ原子からなる群より選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。上記基(a)が上記ヘテロ原子を含むことで相分離がより促進されるため、より精度良く微細なパターンを形成することができる。これらヘテロ原子の中で、酸素原子及び窒素原子がより好ましく、酸素原子がさらに好ましい。
【0028】
上記基(a)としては、例えば、下記式(1−1)〜(1−51)で表される基等が挙げられる。
【0029】
【化1】
【0030】
【化2】
【0031】
【化3】
【0032】
【化4】
【0033】
【化5】
【0034】
上記式(1−1)〜(1−51)中、Rは、水素原子、ハロゲン原子又は炭素数1〜30の1価の有機基である。*は、重合体の主鎖の末端との結合部位を示す。
【0035】
上記Rで表される炭素数1〜30の1価の有機基としては、例えば、炭素数1〜30の1価の脂肪族鎖状炭化水素基、炭素数3〜30の1価の脂環式炭化水素基、炭素数6〜30の1価の芳香族炭化水素基、炭素数1〜30のアルコキシ基等が挙げられる。
【0036】
上記ハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられる。
【0037】
上記炭素数1〜30の1価の脂肪族鎖状炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、n−ペンチル基、i−ペンチル基、n−ヘキシル基、i−ヘキシル基等が挙げられる。
【0038】
上記炭素数3〜30の1価の脂環式炭化水素基としては、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロオクチル基、ノルボルニル基、アダマンチル基等が挙げられる。
【0039】
上記炭素数6〜30の1価の芳香族炭化水素基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基、アントリル基等が挙げられる。
【0040】
上記炭素数1〜30のアルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基等が挙げられる。
【0041】
上記基(a)を主鎖の末端に結合させる方法(以下、「末端処理」又は「末端処理方法」ともいう)としては、例えば、単量体化合物の重合等により得られる主鎖の活性末端を、エポキシ化合物等の末端処理剤を添加して反応させた後、酸による脱メタル処理を行うことにより、基(a)を主鎖の末端に結合させる方法等が挙げられる。
【0042】
上記末端処理剤は、基(a)の構造に応じて適宜選択することができる。
【0043】
上記末端処理剤としては、例えば、
エポキシ化合物として、1,2−ブチレンオキシド、ブチルグリシジルエーテル、プロピレンオキシド、エチレンオキシド、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル、エポキシアミン等;
含窒素化合物として、
イソシアネート化合物、チオイソシアネート化合物、イミダゾリジノン、イミダゾール、アミノケトン、ピロリドン、ジエチルアミノベンゾフェノン、ニトリル化合物、アジリジン、ホルムアミド、エポキシアミン、ベンジルアミン、オキシム化合物、アジン、ピドラゾン、イミン、アゾカルボン酸エステル、アミノスチレン、ビニルピリジン、アミノアクリレート、アミノジフェニルエチレン、イミド化合物等;
シラン化合物として、アルコキシシラン、アミノシラン、ケトイミノシラン、イソシアネートシラン、シロキサン、グリシジルシラン、メルカプトシラン、ビニルシラン、エポキシシラン、ピリジルシラン、ピペラジルシラン、ピロリドンシラン、シアノシラン、イソシアン酸シラン等;
ハロゲン化スズ、ハロゲン化ケイ素、二酸化炭素等が挙げられる。
【0044】
これらの中で、エポキシ化合物が好ましく、1,2−ブチレンオキシド、ブチルグリシジルエーテル及びプロピレンオキシドがより好ましい。
【0045】
上記末端処理方法としては、例えば、スチレン系重合体にエポキシ化合物(1,2−ブチレンオキシド)を結合する方法を例にとると、下記スキームに示すような方法等が挙げられる。即ち、単量体化合物としてのスチレンに重合開始剤としてのn−ブチルリチウムを加えてアニオン重合させ、その主鎖の活性末端にエポキシ化合物を反応させることでエポキシ基が開裂して結合し、さらに酸を加えることで上記主鎖の末端に結合した基(a)を形成することができる。
【0046】
【化6】
【0047】
上記スキーム中、mは、10〜5,000の整数である。
【0048】
上記基(a)としては、下記式(1)で表されることが好ましい。これにより、相分離がさらに促進されるため、さらに精度良く微細なパターンを形成することができる。
【0049】
【化7】
【0050】
上記式(1)中、Rは、炭素数1〜30の2価の有機基である。
【0051】
上記Rで表される炭素数1〜30の2価の有機基としては、例えば、炭素数1〜30の2価の鎖状炭化水素基、炭素数3〜30の2価の脂環式炭化水素基、炭素数6〜30の2価の芳香族炭化水素基、上記2価の炭化水素基が有する構造中にヘテロ原子を含む基等が挙げられる。
【0052】
上記炭素数1〜30の2価の鎖状炭化水素基としては、例えば、メチレン基、エタンジイル基、n−プロパンジイル基、i−プロパンジイル基、n−ブタンジイル基、i−ブタンジイル基、n−ペンタンジイル基、i−ペンタンジイル基、n−ヘキサンジイル基、i−ヘキサンジイル基等が挙げられる。
【0053】
上記炭素数3〜30の2価の脂環式炭化水素基としては、例えば、シクロプロパンジイル基、シクロブタンジイル基、シクロペンタンジイル基、シクロヘキサンジイル基、シクロオクタンジイル基、ノルボルナンジイル基、アダマンタンジイル基等が挙げられる。
【0054】
上記炭素数6〜30の2価の芳香族炭化水素基としては、例えば、フェニレン基、ナフチレン基、アントリレン基、トルエンジイル基、フェニルエタンジイル基、キシレンジイル基等が挙げられる。
【0055】
上記2価の炭化水素基が有する構造中にヘテロ原子を含む基としては、例えば、3−ブトキシプロパン−1,2−ジイル基等が挙げられる。
【0056】
上記式(1)で表される基(a)としては、例えば、上記式(1−1)〜(1−7)、(1−12)、(1−14)、(1−18)、(1−20)、(1−21)、(1−27)、(1−33)、(1−34)、(1−39)、(1−41)及び(1−47)〜(1−49)で表される基等が挙げられる。これらの中では、自己組織化膜の相分離を効率良く行うことができる観点から、式(1−2)〜(1−4)で表される基が好ましい。
【0057】
上記式(1)で表される基(a)としては、エポキシ化合物に由来する基であることが好ましい。即ち、主鎖の活性末端にエポキシ化合物を反応させて、−OHを含む基(a)を結合することが好ましい。これにより、簡便かつ確実に、上記式(1)で表される基(a)が主鎖の末端に結合した重合体を形成することができる。なお、上記エポキシ化合物及びエポキシ化合物を反応させる方法としては、それぞれ、基(a)の説明中で上述したものを適用することができる。
【0058】
[A]重合体成分における(A1)重合体の含有率としては、通常1質量%〜100質量%であり、5質量%〜100質量%が好ましく、10質量%〜90質量%がより好ましく、20質量%〜80質量%がさらに好ましく、30質量%〜70質量%が特に好ましい。(A1)重合体の含有率を上記範囲とすることで、より複雑で微細なパターンを形成することが可能となる。
【0059】
<(A1)重合体の合成方法>
(A1)重合体は、リビングアニオン重合、リビングラジカル重合等により合成することができる。これらの中で、重合体の主鎖の末端に任意の基を結合できるリビングアニオン重合が好ましい。
【0060】
(A1)重合体の合成方法としては、例えば、スチレン等の単量体化合物を含有する溶液を、重合開始剤を含有する溶媒中に滴下して重合させた後、その主鎖の活性末端を適宜選択した末端処理剤で末端処理することにより合成する方法等が挙げられる。
【0061】
上記溶媒としては、例えば、
アルカン類として、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、n−ノナン、n−デカン等;
シクロアルカン類として、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン、デカリン、ノルボルナン等;
芳香族炭化水素類として、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン等;
ハロゲン化炭化水素類として、クロロブタン類、ブロモヘキサン類、ジクロロエタン類、ヘキサメチレンジブロミド、クロロベンゼン等;
飽和カルボン酸エステル類として、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸i−ブチル、プロピオン酸メチル等;
ケトン類として、アセトン、2−ブタノン、4−メチル−2−ペンタノン、2−ヘプタノン等;
エーテル類として、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン、ジエトキシエタン等;
アルコール類として、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、4−メチル−2−ペンタノール等が挙げられる。これらの溶媒は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0062】
上記重合における反応温度は、通常−150℃〜50℃であり、−80℃〜40℃が好ましい。反応時間としては、通常5分〜24時間であり、20分〜12時間が好ましい。
【0063】
上記重合開始剤としては、例えば、アルキルリチウム、アルキルマグネシウムハライド、ナフタレンナトリウム、アルキル化ランタノイド系化合物等が挙げられる。これらの中で、アルキルリチウムが好ましく、sec−ブチルリチウム、n−ブチルリチウムがより好ましく、sec−ブチルリチウムがさらに好ましい。
【0064】
上記末端処理としては、上述した基(a)の末端処理方法と同様の方法を適用することができる。
【0065】
上記末端処理を施した重合体は、再沈殿法により回収することが好ましい。即ち、末端処理反応終了後、反応液を再沈溶媒に投入することにより、目的の重合体を粉体として回収する。再沈溶媒としては、アルコール類やアルカン類等を単独で又は2種以上を混合して用いてもよい。再沈殿法の他に、分液操作やカラム操作、限外ろ過操作等により、単量体化合物、オリゴマー等の低分子成分を除去して、重合体を回収することもできる。
【0066】
(A1)重合体のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)による重量平均分子量(Mw)としては、それぞれ、1,000〜200,000が好ましく、2,000〜150,000がより好ましく、3,000〜100,000がさらに好ましい。(A1)重合体のMwを上記範囲とすることで、当該パターン形成用自己組織化組成物は、より微細なミクロドメイン構造を有するパターンを形成することができる。
【0067】
(A1)重合体のMwと数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)としては、それぞれ、通常1〜5であり、1〜3が好ましく、1〜2がより好ましく、1〜1.5がさらに好ましく、1〜1.2が特に好ましい。Mw/Mnを上記範囲とすることで、当該パターン形成用自己組織化組成物は、より精度の高い微細で良好なミクロドメイン構造を有するパターンを形成することができる。
【0068】
<(A2)重合体>
(A2)重合体としては、例えば、上述の主鎖にケイ素原子を含まない重合体として例示した重合体において、主鎖の末端に上記基(a)以外の基又は水素原子が結合している重合体等が挙げられる。これらの中で、水素原子が好ましい。
【0069】
(A2)重合体としては、(メタ)アクリル酸エステル系重合体が好ましく、メタクリル酸エステルとして、メタクリル酸メチル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸−2−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸2,2,2−トリフルオロエチルがより好ましく、アクリル酸エステルとして、アクリル酸メチルがより好ましい。
【0070】
[A]重合体成分における(A2)重合体の含有率としては、通常0質量%〜90質量%以上であり、0質量%〜80質量%以上が好ましく、0質量%〜70質量%以上がより好ましく、30質量%〜60質量%以上がさらに好ましい。
【0071】
<(A2)重合体の合成>
(A2)重合体の合成方法としては、例えば、上述した(A1)重合体の合成方法において、上記末端処理剤以外の末端処理剤(例えば、メタノール等)を用いる方法、ラジカル重合を用いる方法等が挙げられる。
【0072】
上記ラジカル重合を用いる方法としては、例えば、単量体化合物及びラジカル開始剤を含有する溶液を、溶媒又は単量体化合物を含有する溶液に滴下して重合反応させる方法;単量体化合物を含有する溶液と、ラジカル開始剤を含有する溶液とを各別に、溶媒又は単量体化合物を含有する溶液に滴下して重合反応させる方法;各々の単量体化合物を含有する複数種の溶液と、ラジカル開始剤を含有する溶液とを各別に、溶媒又は単量体化合物を含有する溶液に滴下して重合反応させる方法等が挙げられる。なお、単量体溶液に対して、単量体溶液を滴下して反応させる場合、滴下される単量体溶液中の単量体化合物の量は、重合に用いられる単量体化合物の総量に対して、30モル%以上が好ましく、50モル%以上がより好ましく、70モル%以上がさらに好ましい。
【0073】
これらの方法における反応温度は、ラジカル開始剤の種類により適宜決定すればよい。通常30℃〜180℃であり、40℃〜160℃が好ましく、50℃〜140℃がさらに好ましい。滴下時間は、反応温度、開始剤の種類、反応させる単量体化合物等の条件によって異なるが、通常30分〜12時間であり、45分〜10時間が好ましく、1時間〜8時間がより好ましい。
【0074】
上記ラジカル開始剤としては、例えば、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−シクロプロピルプロピオニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(イソ酪酸メチル)等が挙げられる。これらのラジカル開始剤は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0075】
上記溶媒としては、重合を阻害する溶媒(重合禁止効果を有するニトロベンゼン、連鎖移動効果を有するメルカプト化合物等)以外の溶媒であって、各単量体化合物を溶解可能な溶媒であれば特に限定されない。上記溶媒としては、例えば、アルコール系溶媒、ケトン系溶媒、アミド系溶媒、エステル・ラクトン系溶媒、ニトリル系溶媒等が挙げられる。これらの溶媒は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0076】
(A2)重合体の回収方法としては、例えば、(A1)重合体の合成方法の説明中において例示した回収方法と同様の方法等が挙げられる。
【0077】
(A2)重合体のMwとしては、それぞれ、500〜1,000,000が好ましく、1,000〜500,000がより好ましく、1,500〜100,000がさらに好ましく、1,500〜20,000が特に好ましい。(A2)重合体のMwを上記範囲とすることで、当該パターン形成用自己組織化組成物は、より微細なミクロドメイン構造を有するパターンを形成することができる。
【0078】
(A2)重合体のMw/Mnとしては、それぞれ、通常1〜5であり、1〜3が好ましく、1〜2がより好ましく、1〜1.5がさらに好ましく、1〜1.2が特に好ましい。Mw/Mnを上記範囲とすることで、当該パターン形成用自己組織化組成物は、より精度の高い微細で良好なミクロドメイン構造を有するパターンを形成することができる。
【0079】
[A]重合体成分における2種以上の重合体の組み合わせとしては、スチレン系重合体と(メタ)アクリル酸エステル系重合体との組み合わせが好ましく、(A1)重合体としてのスチレン系重合体と(A2)重合体としての(メタ)アクリル酸エステル系重合体との組み合わせがより好ましく、上記(A1)重合体としてのスチレン系重合体がポリスチレンである組み合わせがさらに好ましい。[A]重合体成分が上記重合体の組み合わせであることで、相分離構造を容易かつ確実に形成することができる。
【0080】
[A]重合体成分の含有量としては、当該パターン形成用自己組織化組成物における全固形分に対して、50質量%以上が好ましく、70質量%以上がより好ましい。
【0081】
<[B]溶媒>
当該パターン形成用自己組織化組成物は、通常、[B]溶媒を含有する。この[B]溶媒としては、例えば、アルコール系溶媒、エーテル系溶媒、ケトン系溶媒、アミド系溶媒、エステル系溶媒、炭化水素系溶媒等が挙げられる。これらの溶媒は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0082】
アルコール系溶媒としては、例えば、
モノアルコール系溶媒として、メタノール、エタノール、n−プロパノール、i−プロパノール、n−ブタノール、i−ブタノール、sec−ブタノール、tert−ブタノール、n−ペンタノール、i−ペンタノール、2−メチルブタノール、sec−ペンタノール、tert−ペンタノール、3−メトキシブタノール、n−ヘキサノール、2−メチルペンタノール、sec−ヘキサノール、2−エチルブタノール、sec−ヘプタノール、3−ヘプタノール、n−オクタノール、2−エチルヘキサノール、sec−オクタノール、n−ノニルアルコール、2,6−ジメチル−4−ヘプタノール、n−デカノール、sec−ウンデシルアルコール、トリメチルノニルアルコール、sec−テトラデシルアルコール、sec−ヘプタデシルアルコール、フルフリルアルコール、フェノール、シクロヘキサノール、メチルシクロヘキサノール、3,3,5−トリメチルシクロヘキサノール、ベンジルアルコール、ジアセトンアルコール等;
多価アルコール系溶媒として、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、2,4−ペンタンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、2,5−ヘキサンジオール、2,4−ヘプタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、トリプロピレングリコール等;
多価アルコール部分エーテル系溶媒として、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノ−2−エチルブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル等が挙げられる。
【0083】
エーテル系溶媒としては、例えば、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジブチルエーテル、ジフェニルエーテル等が挙げられる。
【0084】
ケトン系溶媒としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチル−n−プロピルケトン、メチル−n−ブチルケトン、ジエチルケトン、メチル−i−ブチルケトン、メチル−n−ペンチルケトン、エチル−n−ブチルケトン、メチル−n−ヘキシルケトン、ジ−i−ブチルケトン、トリメチルノナノン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、シクロヘプタノン、シクロオクタノン、メチルシクロヘキサノン、2,4−ペンタンジオン、アセトニルアセトン、アセトフェノン等が挙げられる。
【0085】
アミド系溶媒としては、例えば、N,N’−ジメチルイミダゾリジノン、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、アセトアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルプロピオンアミド、N−メチルピロリドン等が挙げられる。
【0086】
エステル系溶媒としては、例えば、ジエチルカーボネート、プロピレンカーボネート、酢酸メチル、酢酸エチル、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、酢酸n−プロピル、酢酸i−プロピル、酢酸n−ブチル、酢酸i−ブチル、酢酸sec−ブチル、酢酸n−ペンチル、酢酸sec−ペンチル、酢酸3−メトキシブチル、酢酸メチルペンチル、酢酸2−エチルブチル、酢酸2−エチルヘキシル、酢酸ベンジル、酢酸シクロヘキシル、酢酸メチルシクロヘキシル、酢酸n−ノニル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、酢酸エチレングリコールモノメチルエーテル、酢酸エチレングリコールモノエチルエーテル、酢酸ジエチレングリコールモノメチルエーテル、酢酸ジエチレングリコールモノエチルエーテル、酢酸ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、酢酸プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGMEA)、酢酸プロピレングリコールモノエチルエーテル、酢酸プロピレングリコールモノプロピルエーテル、酢酸プロピレングリコールモノブチルエーテル、酢酸ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、酢酸ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジ酢酸グリコール、酢酸メトキシトリグリコール、プロピオン酸エチル、プロピオン酸n−ブチル、プロピオン酸i−アミル、3−メトキシプロピオン酸メチル、シュウ酸ジエチル、シュウ酸ジ−n−ブチル、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸n−ブチル、乳酸n−アミル、マロン酸ジエチル、フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル等が挙げられる。
【0087】
炭化水素系溶媒としては、例えば、
脂肪族炭化水素系溶媒として、n−ペンタン、i−ペンタン、n−ヘキサン、i−ヘキサン、n−ヘプタン、i−ヘプタン、2,2,4−トリメチルペンタン、n−オクタン、i−オクタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等;
芳香族炭化水素系溶媒として、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、エチルベンゼン、トリメチルベンゼン、メチルエチルベンゼン、n−プロピルベンゼン、i−プロピルベンゼン、ジエチルベンゼン、i−ブチルベンゼン、トリエチルベンゼン、ジ−i−プロピルベンセン、n−アミルナフタレン等が挙げられる。
【0088】
これらの中で、エステル系溶媒及びケトン系溶媒が好ましく、PGMEA、シクロヘキサノン、γ−ブチロラクトンがより好ましく、PGMEAがさらに好ましい。これらの溶媒は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0089】
<任意成分>
当該パターン形成用自己組織化組成物が含有していてもよい任意成分としては、例えば、界面活性剤等が挙げられる。当該パターン形成用自己組織化組成物は、界面活性剤を含有することで、基板等への塗布性を向上させることができる。好ましい界面活性剤としては、ノニオン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤及びシリコーン系界面活性剤が挙げられる。これらは、単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0090】
<パターン形成用自己組織化組成物の調製方法>
当該パターン形成用自己組織化組成物は、例えば、[B]溶媒中で、(A1)重合体等からなる[A]重合体成分、及び界面活性剤等のその他の任意成分を所定の割合で混合することにより調製できる。上記パターン形成用自己組織化組成物の固形分濃度としては、0.01質量%〜50質量%が好ましく、0.05質量%〜30質量%がより好ましく、0.1質量%〜10質量%がさらに好ましい。なお、上記パターン形成用自己組織化組成物は、各成分の混合後に、孔径200nm程度のフィルタでろ過して調製するようにしてもよい。
【0091】
<パターン形成方法>
本発明のパターン形成方法は、
(1)当該パターン形成用自己組織化組成物を用い、相分離構造を有する自己組織化膜を形成する工程(以下、「(1)工程」ともいう)、及び
(2)上記自己組織化膜の一部の相を除去する工程(以下、「(2)工程」ともいう)
を有する。
【0092】
また、上記(1)工程前に、(0−1)基板上に下層膜を形成する工程(以下、「(0−1)工程」ともいう)、及び(0−2)上記下層膜上にプレパターンを形成する工程(以下、「(0−2)工程」ともいう)をさらに有し、上記(1)工程において、自己組織化膜を上記プレパターンによって区切られた上記下層膜上の領域に形成し、上記(1)工程後に、(2’)プレパターンを除去する工程(以下、「(2’)工程」ともいう)をさらに有することが好ましい。以下、各工程について、図1図5を参照しながら詳述する。
【0093】
[(0−1)工程]
本工程は、下層膜形成用組成物を用いて、基板上に下層膜を形成する工程である。これにより、図1に示すように、基板101上に下層膜102が形成された下層膜付き基板を得ることができ、自己組織化膜はこの下層膜102上に形成される。上記自己組織化膜が有する相分離構造(ミクロドメイン構造)は、パターン形成用自己組織化組成物が含有する[A]重合体成分中の重合体間の相互作用に加え、下層膜102との相互作用によっても変化するため、下層膜102を有することで構造制御が可能となり、所望のパターンを得ることができる。さらに、自己組織化膜が薄膜である場合には、下層膜102を有することでその転写プロセスを改善することができる。
【0094】
上記基板101としては、例えば、シリコンウエハ、アルミニウムで被覆されたウエハ等の従来公知の基板を使用できる。
【0095】
また、上記下層膜形成用組成物としては、市販の下層膜形成用組成物を用いることができる。
【0096】
上記下層膜102の形成方法は、特に限定されないが、例えば、上記下層膜形成用組成物を基板101上にスピンコート法等の公知の方法により塗布して形成された塗膜を、露光及び/又は加熱することにより硬化して形成することができる。この露光に用いられる放射線としては、例えば、可視光線、紫外線、遠紫外線、X線、電子線、γ線、分子線、イオンビーム等が挙げられる。また、塗膜を加熱する際の温度は、特に限定されないが、90℃〜550℃が好ましく、90℃〜450℃がより好ましく、90℃〜300℃がさらに好ましい。なお、上記下層膜102の膜厚は、特に限定されないが、10nm〜20,000nmが好ましく、20nm〜1,000nmがより好ましい。また、上記下層膜102は、SOC(Spin on carbon)膜を含むことが好ましい。
【0097】
[(0−2)工程]
本工程は、図2に示すように、上記下層膜102上に、プレパターン形成用の組成物を用いてプレパターン103を形成する工程である。上記プレパターン103によってパターン形成用自己組織化組成物の相分離が制御され、所望の微細パターンを形成することができる。即ち、パターン形成用自己組織化組成物が含有する重合体のうち、プレパターンの側面と親和性が高い重合体(以下、「第1重合体」ともいう)は、プレパターンに沿って相を形成し、プレパターンの側面と親和性が低い重合体(以下、「第2重合体」ともいう)は、プレパターンから離れた位置に相を形成する。これにより所望のパターンを形成することができる。また、プレパターンの材質、長さ、厚さ、形状等により、パターン形成用自己組織化組成物が形成する相分離構造を細かく制御することができる。なお、プレパターンとしては、最終的に形成したいパターンに合わせて適宜選択することができる。
【0098】
上記プレパターン103の形成方法としては、公知のレジストパターン形成方法と同様の方法を用いることができる。また、上記プレパターン形成用の組成物としては、従来のレジスト膜形成用組成物を用いることができる。具体的なプレパターン103の形成方法としては、例えば、市販の化学増幅型レジスト組成物を用い、上記下層膜102上に塗布してレジスト膜を形成する。次に、上記レジスト膜の所望の領域に特定パターンのマスクを介して放射線を照射し、液浸露光等を行う。上記放射線としては、例えば、紫外線、遠紫外線、X線、荷電粒子線等が挙げられる。これらの中で、遠紫外線が好ましく、ArFエキシマレーザー光、KrFエキシマレーザー光がより好ましく、ArFエキシマレーザー光がさらに好ましい。次いで、ポストエクスポージャーベーク(PEB)を行った後、アルカリ現像液等の現像液を用いて現像を行い、所望のプレパターン103を形成することができる。
【0099】
なお、上記プレパターン103の表面に疎水化処理又は親水化処理を施してもよい。具体的な処理方法としては、水素プラズマに一定時間さらす水素化処理等が挙げられる。上記プレパターン103の表面の疎水性又は親水性を増長させることにより、パターン形成用自己組織化組成物の自己組織化を促進することができる。
【0100】
当該パターン形成方法が上記下層膜及びプレパターンを有することで、パターン形成用自己組織化組成物の相分離が精密に制御され、得られるパターンをより微細化することができる。
【0101】
[(1)工程]
本工程は、当該パターン形成用自己組織化組成物を用い、相分離構造を有する自己組織化膜を形成する工程である。上記下層膜及びプレパターンを用いない場合には、基板上に直接当該パターン形成用自己組織化組成物を塗布して塗膜を形成し、相分離構造を備える自己組織化膜を形成する。また、上記下層膜及びプレパターンを用いる場合には、図3及び図4に示すように、パターン形成用自己組織化組成物を用いてプレパターン103によって挟まれた下層膜102上の領域に塗膜104を形成し、基板101上に形成された下層膜102上に、基板101に対して略垂直な界面を有する相分離構造を備える自己組織化膜105を形成する。その際、基板上に塗布したパターン形成用自己組織化組成物に対してアニーリング等を行うことで、同じ性質を有する重合体どうしが集積して秩序パターンを自発的に形成し、海島構造、シリンダ構造、共連続構造、ラメラ構造等の相分離構造を有する自己組織化膜を形成できる。
【0102】
上記相分離構造としては、基板101に対して略垂直な界面を有する構造が好ましい。プレパターン103を有する場合、この相分離構造は、プレパターン103に沿って形成されることが好ましく、相分離により形成される界面は、プレパターン103の側面と略平行であることがより好ましい。当該パターン形成方法においては、図4に示したように、第1重合体の相105bがプレパターン103の側面に沿って形成され、この相105bに隣接するように第2重合体の相105aが形成される。なお、本工程において形成される相分離構造は、複数の相からなるものであり、これらの相から形成される界面は、通常基板101に対して略垂直であるが、界面自体は必ずしも明確でなくてよい。当該パターン形成方法においては、当該パターン形成用自己組織化組成物を用いているので、相分離が起こり易くなり、より微細な相分離構造(ミクロドメイン構造)を形成することができる。
【0103】
当該パターン形成用自己組織化組成物を基板101上に塗布して塗膜104を形成する方法としては、特に制限されないが、例えば、使用される当該パターン形成用自己組織化組成物をスピンコート法等によって塗布する方法等が挙げられる。これにより、当該パターン形成用自己組織化組成物は、上記基板101上、又は上記下層膜102上の上記プレパターン103間に塗布され、塗膜が形成される。
【0104】
上記アニーリングの方法としては、例えば、オーブン、ホットプレート等により80℃〜400℃の温度で加熱する方法等が挙げられる。アニーリング時間としては、通常10秒〜30分であり、30秒〜10分が好ましい。これにより得られる自己組織化膜105の膜厚としては、0.1nm〜500nmが好ましく、0.5nm〜100nmがより好ましい。
【0105】
[(2)工程]
本工程は、上記自己組織化膜105の一部の相を除去する工程である。この除去は、自己組織化により相分離した各相105a、105bのエッチングレートの差を利用することで、エッチング処理により行われる。図5は、相分離構造のうちの相105a及びプレパターン103を除去した後の状態を示している。
【0106】
上記エッチング処理による上記自己組織化膜105の一部の相を除去する方法としては、例えば、ケミカルドライエッチング、ケミカルウェットエッチング(湿式現像)等の反応性イオンエッチング(RIE);スパッタエッチング、イオンビームエッチング等の物理的エッチング等の公知の方法が挙げられる。これらの中で、例えば、スチレン系重合体からなる相を除去する方法としては、反応性イオンエッチング(RIE)が好ましく、CF、Oガス等を用いたケミカルドライエッチング、有機溶剤(メチルイソブチルケトン(MIBK)、2−プロパノール(IPA)等)やフッ酸等のエッチング溶液を用いたケミカルウェットエッチングがより好ましい。
【0107】
上記ケミカルウェットエッチングとしては、スチレン系重合体からなる相を除去する場合、例えば、シクロヘキサン、シクロヘプタン等の炭化水素類、メチルイソブチルケトン等のケトン類、2−プロパノール等のアルコール類、テトラヒドロフラン等のエーテル類等を用いることができる。これらの中で、炭化水素類及びエーテル類が好ましく、炭化水素類がより好ましく、シクロヘキサンがさらに好ましい。
【0108】
[(2’)工程]
本工程は、プレパターンを除去する工程である。プレパターンの除去方法としては特に限定されないが、例えば、形成された自己組織化膜105とのエッチングレートの差を利用し、エッチング処理により除去する方法等が挙げられる。この(2’)工程は、上記(1)工程の後に行うことができ、上記(2)工程の前、上記(2)工程と同時又は上記(2)工程の後のいずれの段階で行ってもよい。
【0109】
以上のようにしてパターンを形成することができるが、形成されるパターンとしては、ラインアンドスペースパターン又はホールパターンであることが好ましい。当該パターン形成方法によれば、上述した当該パターン形成用自己組織化組成物を用いるので、より微細な所望のラインアンドスペースパターン又はホールパターンを形成することができる。
【0110】
通常、自己組織化膜105の一部の相を除去した後、残存した相からなるパターンをマスクとし、基板101、又は下層膜102と基板101をエッチングすることにより基板101をパターニングする。基板101へのパターニングが完了した後、マスクとして使用された相は溶解処理等により基板101上から除去され、最終的にパターニングされた基板を得ることができる。上記エッチングの方法としては、(2)工程と同様の方法を用いることができ、エッチングガス及びエッチング溶液は、下層膜102及び基板101の材質により適宜選択することができる。例えば、基板101がシリコン素材である場合、フロン系ガスとSFの混合ガス等を用いることができる。また、基板101が金属膜である場合、BClとClの混合ガス等を用いることができる。
【実施例】
【0111】
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例に限定されるものではない。各物性値の測定方法を下記に示す。
【0112】
[重量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)]
重合体のMw及びMnは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により東ソー製のGPCカラム(G2000HXL 2本、G3000HXL 1本、G4000HXL 1本)を使用し、以下の条件により測定した。また、分散度(Mw/Mn)は、Mw及びMnの測定結果より算出した。
溶離液:テトラヒドロフラン(和光純薬工業製)
流量:1.0mL/分
試料濃度:1.0質量%
試料注入量:100μL
カラム温度:40℃
標準物質:単分散ポリスチレン
検出器:示差屈折計
【0113】
13C−NMR分析]
13C−NMR分析は、日本電子製JNM−EX400を使用し、測定溶媒としてDMSO−dを使用して行った。各重合体における各構造単位の含有割合は、13C−NMR分析で得られたスペクトルにおける各構造単位に対応するピーク面積比から算出した。
【0114】
<(A1)重合体の合成>
[合成例1](重合体(A1−1)の合成)
1Lのフラスコ反応容器を減圧乾燥した後、窒素雰囲気下、蒸留脱水処理を行ったシクロヘキサン500gを注入し、0℃まで冷却した。その後、n−ブチルリチウム(シクロヘキサン溶液:1.8モル/L)4.40mLを注入した後、この容器に、蒸留脱水処理を行ったスチレン40gを30分かけて滴下した。滴下終了後60分間熟成した後、末端処理剤としての1,2−ブチレンオキシド1gを加えて反応させた。反応溶液を室温まで昇温し、濃縮して、酢酸プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGMEA)で置換した。その後、シュウ酸2質量%水溶液1,000gを注入して撹拌し、静置後、下層の水層を取り除いた。この操作を3回繰り返し、リチウム塩を除去した後、超純水1,000gを注入して撹拌し、下層の水層を取り除いた。この操作を3回繰り返し、シュウ酸を除去した後、溶液を濃縮してn−ヘキサン500g中に滴下して、重合体を析出させた。減圧濾過した重合体をn−ヘキサンで2回洗浄した後、60℃で減圧乾燥して白色の重合体(A1−1)10.5gを得た。重合体(A1−1)のMwは5,000であり、Mw/Mnは1.13であった。
【0115】
[合成例2〜6](重合体(A1−2)〜(A1−5)及び重合体(a1−1)の合成)
n−ブチルリチウムの使用量及び末端処理剤の種類を表1に記載した通りとした以外は、合成例1と同様に操作し、重合体(A1−2)〜(A1−5)及び重合体(a1−1)を合成した。得られた各重合体のMw、Mw/Mnを表1に合わせて示す。
【0116】
【表1】
【0117】
<(A2)重合体の合成>
(A2)重合体の合成に用いた単量体化合物(M−1)〜(M−5)を以下に示す。
【0118】
【化8】
【0119】
[合成例7](重合体(A2−1)の合成)
80℃に加熱した2−ブタノン10g中に、メタクリル酸メチル(単量体化合物(M−1))10gと2,2’−アゾビス(イソ酪酸メチル)2gとを含んだ2−ブタノン20gを3時間かけて滴下した。その後、80℃で3時間加熱した後濃縮してから、n−ヘキサン200g中に滴下して重合体を析出させた。析出した重合体を減圧濾過し、重合体をn−ヘキサンで2回洗浄した後、60℃で減圧乾燥して白色の重合体(A2−1)8gを得た。重合体(A2−1)のMwは5,400であり、Mw/Mnは1.1であった。
【0120】
[合成例8〜12](重合体(A2−2)〜(A2−6)の合成)
単量体化合物の種類及び使用量を表2の通りとした以外は、合成例7と同様に操作し、重合体(A2−2)〜(A2−6)を合成した。なお、使用する単量体化合物の質量の合計を10gとした。得られた各重合体のMw、Mw/Mnを表2に合わせて示す。
【0121】
【表2】
【0122】
<パターン形成用自己組織化組成物の調製>
パターン形成用自己組織化組成物の調製に用いた[B]溶媒を以下に示す。
【0123】
[[B]溶媒]
B−1:酢酸プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGMEA)
【0124】
[実施例1]
[A]重合体成分としての重合体(A1−1)及び(A2−1)を質量比7:3で混合し、各重合体の濃度がそれぞれ1質量%となるように[B]溶媒としての(B−1)に投入して溶液を作製した。この溶液を孔径200nmのメンブレンフィルタでろ過して実施例1のパターン形成用自己組織化組成物を調製した。
【0125】
[実施例2〜10及び比較例1]
使用した各成分の種類及び配合量を下記表3に示す通りとした以外は、実施例1と同様に操作して、各パターン形成用自己組織化組成物を調製した。
【0126】
<パターンの形成>
基板となる12インチシリコンウエハ上に、下層膜形成用組成物(ARC66、ブルワー・サイエンス製)を、塗布/現像装置(CLEAN TRACK ACT12、東京エレクトロン製)を使用してスピンコートした後、205℃ベークして膜厚77nmの下層膜を形成した。次いで、この下層膜上に、JSR製ArFレジストをスピンコートした後、120℃で60秒間プレベーク(PB)して膜厚60nmのレジスト膜を形成した。次いで、ArF液浸露光装置(NSR S610C、ニコン製)を使用し、NA;1.30、CrossPole、σ=0.977/0.78の光学条件にて、マスクパターンを介して露光した。その後、115℃で60秒間PEBを行った後、2.38質量%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液により23℃で30秒間現像し、水洗し、乾燥してプレパターン(直径60nmホール/120nmピッチ)を得た。次いで、このプレパターンに254nmの紫外光を150mJ/cmで照射後、170℃で5分間ベークすることにより評価基板を得た。
次に、各パターン形成用自己組織化組成物を上記評価基板上に厚さ15nmになるように塗布し、120℃で1分間アニーリングして相分離させ、ミクロドメイン構造を形成した。その後、シクロヘキサンに1分間浸漬させてポリスチレン部分を除去し、ホールパターンを形成した。
【0127】
<評価>
上述のように形成した各ホールパターンについて、下記評価を行った。その結果を表3に合わせて示す。
【0128】
[シュリンク量]
各ホールパターンについて、測長SEM(S9380、日立ハイテクノロジーズ製)を用いて観察し、プレパターンのホールの直径(nm)から、得られたホールパターンの直径(nm)を引いた値を求め、この値をシュリンク量(nm)とした。シュリンク量は、10nm以上である場合を「良好」と、10nm未満の場合を「不良」と評価できる。
【0129】
【表3】
【0130】
表3の結果から分かるように、実施例のパターン形成用自己組織化組成物を用いた場合には、シュリンク量はいずれも良好であったのに対し、比較例では不良であった。このことから、実施例では、比較例に比べ、ホールパターン径をより小さくすることができ、十分に微細なミクロドメイン構造が得られることが分かった。
【産業上の利用可能性】
【0131】
本発明は、十分に微細なパターンサイズやピッチサイズを形成することができるパターン形成用自己組織化組成物、及びこれを用いたパターン形成方法を提供することができる。従って、当該パターン形成方法は、さらなる微細化が要求されている半導体デバイス、液晶デバイス、光デバイス等の各種電子デバイス製造におけるリソグラフィー工程等に好適に使用することができる。
【符号の説明】
【0132】
101 基板
102 下層膜
103 プレパターン
104 塗膜
105 自己組織化膜
105a 第2重合体の相
105b 第1重合体の相
図1
図2
図3
図4
図5