特許第5835175号(P5835175)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5835175筐体と蓋体の溶着方法、及び格納ケースの製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5835175
(24)【登録日】2015年11月13日
(45)【発行日】2015年12月24日
(54)【発明の名称】筐体と蓋体の溶着方法、及び格納ケースの製造方法
(51)【国際特許分類】
   B29C 65/02 20060101AFI20151203BHJP
   B29C 65/16 20060101ALI20151203BHJP
   H01L 23/02 20060101ALI20151203BHJP
   B23K 26/00 20140101ALI20151203BHJP
   B23K 26/21 20140101ALI20151203BHJP
【FI】
   B29C65/02
   B29C65/16
   H01L23/02 B
   B23K26/00 H
   B23K26/21 P
【請求項の数】4
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2012-212595(P2012-212595)
(22)【出願日】2012年9月26日
(65)【公開番号】特開2014-65230(P2014-65230A)
(43)【公開日】2014年4月17日
【審査請求日】2014年10月17日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】長井 悠宰
【審査官】 山本 雄一
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−111036(JP,A)
【文献】 特開2010−005913(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 65/00−65/46
H01L 23/02−23/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体と蓋体の溶着方法であって、
前記筐体は、開口を有するキャビティを備えるとともに、外部から前記キャビティまで通じた通気孔が設けられており、
前記溶着方法は、
前記開口を前記蓋体で蓋をして組み立てる工程と、
前記通気孔から前記キャビティ内に気体を供給して前記キャビティ内の気圧を外部の気圧より高める工程と、
前記キャビティ内の気圧を外部の気圧より高めた状態で、前記筐体と前記蓋体を溶着する工程と、
を備え
前記筐体と前記蓋体を組み立てた組立体は、前記筐体と前記蓋体との境目に前記キャビティまで通じる換気孔を有し、
前記溶着する工程は、溶着工程中に前記筐体と前記蓋体を溶着することで前記換気孔を塞ぐ工程を含む、
溶着方法。
【請求項2】
前記筐体は、前記筐体の壁部又は底部に前記キャビティ内に収容される電子部品に電気的に接続される端子を有するコネクタを備え、
前記通気孔の開口は、前記コネクタに設けられている、
請求項1に記載の溶着方法。
【請求項3】
前記筐体及び前記蓋体の互いに溶着される溶着部は、樹脂製又は金属製である、請求項1又は2に記載の溶着方法。
【請求項4】
筐体と蓋体を溶着して格納ケースを製造する製造方法であって、
前記筐体は、開口を有するキャビティを備えるとともに、外部から前記キャビティまで通じた通気孔が設けられており、
前記製造方法は、
前記開口を前記蓋体で蓋をして組み立てる工程と、
前記通気孔から前記キャビティ内に気体を供給して前記キャビティ内の気圧を外部の気圧より高める工程と、
前記キャビティ内の気圧を外部の気圧より高めた状態で、前記筐体と前記蓋体を溶着する工程と、
を備え、
前記筐体と前記蓋体を組み立てた組立体は、前記筐体と前記蓋体との境目に前記キャビティまで通じる換気孔を有し、
前記溶着する工程は、溶着工程中に前記筐体と前記蓋体を溶着することで前記換気孔を塞ぐ工程を含む、
製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、開口したキャビティを有する筐体に蓋体を溶着するための筐体と蓋体の溶着方法、及び筐体と蓋体の組立体に関する。
【背景技術】
【0002】
電子基板等を格納するキャビティを有する筐体と蓋体との組立体を溶着する方法として、筐体と蓋体を組み立てた組立体を溶着する際に、ポンプを用いてキャビティ内の空気を排出し、キャビティ内を負圧にすることで蓋体が外れないようにする方法が用いられている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−5913号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、筐体と蓋体を溶着する際にキャビティ内を負圧にして蓋体を抑えた状態で溶着すると、キャビティ内の圧力が外部の圧力より低いため、筐体と蓋体との境目の近辺では空気をキャビティ内へ吸い込む力が働く。そのため、溶着時に生じたフューム等の異物をキャビティ内に吸い込む場合がある。従って、筐体と蓋体を溶着した格納ケースのキャビティ内に格納された基板等に悪影響を与えるおそれがある。
【0005】
本発明は、このような問題を解決するためになされたものであり、開口したキャビティを有する筐体と蓋体を溶着する際に、キャビティ内にフューム等の異物が入り込むことを抑制可能な筐体と蓋体の溶着方法、及び筐体と蓋体の組立体を提供することが目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の態様では、筐体と蓋体の溶着方法が提供される。前記筐体は、開口を有するキャビティを備えるとともに、外部から前記キャビティまで通じた通気孔が設けられている。そして、前記筐体と蓋体の溶着方法は、前記筐体を前記蓋体で蓋をして組み立てる工程と、前記通気孔から前記キャビティ内に気体を供給することで前記キャビティ内の気圧を外部の気圧より高める工程と、キャビティ内の気圧を外部の気圧より高めた状態で、前記筐体と前記蓋体を溶着する工程とを含む。
【0007】
さらに、前記筐体と前記蓋体を組み立てた組立体は、外部から前記キャビティまで通じる換気孔を形成してもよい。そして、前記溶着する工程は、溶着工程中に前記筐体と前記蓋体を溶着することで前記換気孔を塞ぐ工程を含んでもよい。
【0008】
さらに、前記筐体は、前記筐体の壁部、又は底部に前記キャビティ内に収容される電子部品に電気的に接続される端子を有するコネクタを有してもよく、前記通気孔の開口は、前記コネクタに設けられることを含んでもよい。
【0009】
さらに、前記筐体及び前記蓋体の互いに溶着される溶着部は、樹脂製又は金属製であってもよい。
【0010】
第2の態様では、組立体が提供される。前記組立体は、筐体及び蓋体を含む。前記筐体は、開口を有するキャビティを備えるとともに、外部から前記キャビティまで通じた通気孔が設けられている。前記蓋体は、前記開口を塞ぐように前記筐体と溶着可能である。そして、前記筐体と前記蓋体を組み立てた際に、外部から前記キャビティまで通じる換気孔を形成するものである。
【0011】
さらに、前記通気孔は、前記筐体と前記蓋体が溶着される際に塞がれてもよい。
【発明の効果】
【0012】
上述した態様によれば、開口したキャビティを有する筐体に蓋体を溶着する際にキャビティ内に異物が入り込むことを抑制可能な筐体と蓋体の溶着方法、及び筐体と蓋体の組立体を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】組立体を溶着する際の縦断面概略図
図2】組立体の側面概略図
図3】組立体を組み立てる縦断面概略図
図4】組立体を載置台に固定する縦断面概略図
図5】蓋体を筐体に押さえつけ、キャビティ内に気体を供給する縦断面概略図
図6】筐体と蓋体を溶着する斜視概略図
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下では、本発明を適用した具体的な実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。各図面において、同一又は対応する要素には同一の符号が付されており、説明の明確化のため、必要に応じて重複説明は省略される。
【0015】
添付した図面は一実施の形態に係る筐体と蓋体の溶着方法、及び筐体と蓋体の組立体の具体例を説明するものであり、図1は、第1の実施の形態に係る組立体を溶着する際の縦断面概略図、図2は、第2の実施の形態に係る溶着前の組立体の具体例を示す側面概略図である。
【0016】
<第1の実施の形態>
以下、樹脂製の筐体10と蓋体20とをレーザ溶着する例を、図面を用いて説明する。図1に示すように筐体10は、開口を有するキャビティ11を備えるとともに、筐体の底部に外部からキャビティ11まで通じた通気孔12が設けられている。そして、筐体10は、キャビティ11内にセンサや電子回路等の電子部品が格納されており、治具110を用いて載置台100の上に固定され、筐体10の開口部が蓋体20で蓋をされ、組立体を構成している。
【0017】
そして、筐体10の開口側とは反対側、即ち、キャビティ11の底部となる側には、筐体10と一体にされているコネクタ13が外側に向かって突出成形されている。コネクタ13は、キャビティ11内に収容される電子部品に電気的に接続される端子を有する。コネクタ13は、筐体10から筒状に突出しており、キャビティ11内に繋がる通気孔12と、筒状内部にはコネクタ13用の端子(図示しない)とを有している。コネクタ13用の端子については規格化がされているので、コネクタ13は、規模が同等の組立体であれば、殆ど同じ形状・構造に形成されている。
【0018】
図1に示された溶着機構50は、開口に合わせて配置された蓋体20と筐体10を溶着する。図1の例では、溶着機構50は、レーザ溶着のためのレーザ光を照射するレーザヘッドを含む。気体供給機構60は、溶着機構50によって筐体10と蓋体20が溶着される際に、通気孔12からキャビティ11内に気体を供給する。
【0019】
筐体10の少なくとも蓋体20との溶着部分は、レーザヘッドから照射される所定波長のレーザ光Lに対して吸収特性を有する熱可塑性樹脂によって形成されており、蓋体20はレーザ光Lに対して透過特性を有する樹脂によって形成されている。熱可塑性樹脂は、例えば、PP(ポリプロピレン)、PC(ポリカーボネイト)、ABS(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレンポリマ)、PBT(ポリブチレンテレフタレート)、又はPPS(ポリフェニレンサルファイド)等である。またこれらの熱可塑性樹脂は、レーザ光吸収特性を付加するために、顔料(例えばカーボンブラック)又は染料が添加されてもよい。
【0020】
コネクタ13の先端には、シール材が設けられている。図1の例では、シール材としてのシリコンラバー30がコネクタ13の先端に装着されている。シリコンラバー30は、コネクタ13に取り付けられた状態では、コネクタ13の先端部分にシリコンラバー30の面が密着状態で当接する形状に形成されている。また、シリコンラバー30の中央には、通気孔12に連通する気体供給路31が形成されている。
【0021】
上記の気体供給路31は、配管61を有する気体供給機構60(例えば、ポンプ)が接続されている。気体供給機構60は、配管61、気体供給路31、及び通気孔12を通じてキャビティ11の内部に気体を供給することができる。また、配管61には、配管61内の圧力を検出するための圧力センサ(プレッシャゲージ)と配管61を閉鎖可能なバルブとが設けられてもよい。圧力センサはバルブよりキャビティ11内側に設けられており、バルブを閉じた後で、キャビティ11内側の圧力低下の有無をチェックすることができる。
【0022】
ここで、この筐体と蓋体の溶着方法について説明する。まず、キャビティ11内に電子部品を格納し、図3に示すように、筐体10の開口部と蓋体20の周縁部とが有する互いに嵌まり合う凹凸嵌合構造に合わせて筐体10と蓋体20とを組み立てる。
【0023】
次に、筐体10と一体となって筐体10の下部に設けられているコネクタ13にシリコンラバー30を密着させ、かつ、通気孔12と気体供給路31を連通させるように取り付ける。そして、治具110を用いて載置台100の上に筐体10を固定し、気体供給機構60を有する配管61を、通気孔12とは反対側の気体供給路31の端に取り付ける。
【0024】
その後、図4に示すように、クランプ機構40を用いて蓋体20を筐体10に押さえつけて固定する。次に、図5に示すように、気体供給機構60からキャビティ11内に気体を供給してキャビティ11内の圧力を高めた状態する。そして、図6に示すように、レーザ光Lを照射して筐体10と蓋体20とを溶着する。蓋体20の周縁部を透過したレーザ光Lは側壁端部側の接触面を加熱して当該側壁端部を溶融し、固化する際に開口部の側壁端部と蓋体20の周縁部とが溶着される。レーザヘッドが、レーザ光Lを照射しつつ蓋体20の周縁部に沿って蓋体20の上方を一巡することで、筐体10と蓋体20とを開口部の全周に渡って溶着し、格納ケースを得ることが出来る。
【0025】
以上に説明したように、本実施の形態では、キャビティ11内の気圧を高めた状態で筐体10と蓋体20とを溶着する。これにより、気圧の低い外部から気圧の高いキャビティ11内への気体の流入を制限できる。したがって本実施形態は、溶着時に生じたフューム等の異物がキャビティ11内へ入り込むことを防ぐことができる。これにより、溶着時にキャビティ11内に生じたフューム等の異物をキャビティ11外に効果的に排出することができ、溶着に伴う異物がキャビティ11内に残留することを抑制できる。なお、溶着前の筐体10と蓋体20の隙間を通してキャビティ11内から外部へ排気するための効果的な変形例については後に説明する第2の実施の形態において詳細に説明される。
【0026】
<第2の実施の形態>
本実施形態では、第1の実施の形態の変形例について説明する。本実施の形態における組立体(筐体10および蓋体20)の材料、並びに筐体と蓋体の溶着方法は、発明の第1の実施の形態と同様であるが、組立体は、以下のように構成される。すなわち、図2に示すように、筐体10は、蓋体20と当接する部位に開口に合わせて蓋体20に蓋をされた際に外部からキャビティ11まで通じる換気孔を形成する通気孔14が設けられている。なお、この換気孔(通気孔14)は、レーザ溶着等によって筐体10と蓋体20と溶着することによって塞がれ、筐体10と蓋体20は隙間なく溶着される。言い換えると、本実施の形態にかかる筐体と蓋体の溶着方法は、筐体10と蓋体20を溶着することで換気孔(通気孔14)を塞ぐことを含む。
【0027】
本実施形態で説明した組立体の構造および筐体と蓋体の溶着方法によれば、筐体10と蓋体20を溶着している途中は筐体10と蓋体20との間に換気孔(通気孔14)が存在する。そのため、キャビティ11内から外部へ向かう気体の流れが生じやすく、フューム等の侵入をより確実に防ぐことができ、かつ、キャビティ11内で発生したヒュームを筐体10外部へより確実に排出することができる。また、筐体10と蓋体20を溶着して得た格納ケースでは換気孔(通気孔14)が塞がれ、隙間なく筐体10と蓋体20とが溶着されている。従って、本実施形態は、キャビティ11内に異物が残留することを一層効果的に抑制することができる筐体と蓋体の溶着方法、及び筐体と蓋体の組立体を提供できる。
【0028】
また、第2の実施の形態において、筐体10が溝を有している例を示しているが、蓋体20の溶着される部位、または筐体10と蓋体20の両方の溶着される部位に、外部からキャビティまで通じる溝が設けられていても良い。
【0029】
<他の実施の形態>
第1の実施の形態、及び第2の実施の形態は、樹脂製の蓋体20を同じく樹脂製の筐体10にクランプ機構40で抑えてレーザ溶着する筐体と蓋体の溶着方法、及び筐体と蓋体の組立体についての例を示す図であるが、本発明はこれに限定されるものではない。すなわち、本発明は、溶着時にフュームが発生する筐体と蓋体の溶着方法、及び筐体と蓋体の組立体に好適に適用できる。本発明の他の実施の形態は、例えば金属製の筐体と蓋体とを筐体と蓋体の溶着方法、及び筐体と蓋体の組立体に適用されてもよい。また、筐体と蓋体は異種材料、例えば一方が金属製であり他方が樹脂製であってもよい。また、筐体は、異種材料を結合して構成されてもよい。例えば、蓋体と溶着される部位は樹脂製であり、その他は金属製であってもよい。同様に、蓋体も、異種材料を結合して構成されてもよい。また、本本実施の形態は、レーザ溶着とは異なる溶着技術、例えば筐体と蓋体とを溶着する際にフュームが発生するおそれがある熱溶着などの筐体と蓋体の溶着方法、及び筐体と蓋体の組立体に適用されてもよい。
【0030】
また、蓋体を固定する機構は、第1の実施の形態に示されたクランプ機構40に限られない。蓋体20を固定する機構は、例えば、筐体10に対する蓋体20の配置を固定することができればよい。また、レーザ溶着の場合には、蓋体20を固定する機構は、レーザ光Lによって影響を受けづらいものであればよい。例としては、蓋体20を固定する機構は、レーザ光Lの波長域において大きな透過率を有するガラス板を用いて蓋体20全体を筐体に対して押圧するものであってもよい。また、蓋体20を固定する機構は、筐体10及び蓋体20の少なくとも一方に設けられたツメ(係止片)であってもよい。例えば、筐体10及び蓋体20は、互いに係合するツメを有しており、クランプ機構を用いずに蓋体を筐体に固定できるようにされてもよい。
【0031】
また、筐体10の開口部と蓋体20の周縁部の構造は、第1の実施の形態に示された構造、すなわち、筐体10の開口部と蓋体20の周縁部が互いに嵌まり合う凹凸嵌合構造、に限られない。例えば、筐体10の開口部と蓋体20の周縁部の構造は、クランプ機構40を用いて筐体10に蓋体20を押圧することができる構造であればよい。例としては、筐体10の周縁部と蓋体20の周縁部とが凹凸を有さない構造や、筐体10の周縁部と蓋体20の周縁部とが対応するテーパ形状であるテーパ構造などが挙げられる。
【0032】
また、レーザ溶着に関する第1の実施の形態の例では、筐体10はレーザ光Lに対して吸収特性を有する熱可塑性樹脂によって形成されており、蓋体20はレーザ光Lに対して透過特性を有する樹脂によって形成されている。しかしながら、本実施の形態はこれに限られるものではない。すなわち、筐体と蓋体との境目で熱が発生し、筐体と蓋体とが溶着されればよい。例としては、レーザ光Lが蓋体の下側に当たるように照射された場合には筐体が光透過特性を有する樹脂で形成され、蓋体が光吸収特性を有する熱可塑性樹脂で形成されたものが挙げられる。また、筐体及び蓋体の両方が光透過特性を有する樹脂であり、筐体と蓋体との間に光吸収特性を有する部材(例えば熱硬化性の樹脂接着剤)が配置されたもの、または、筐体及び蓋体の光吸収特性光と透過特性のバランスが調整されたものも挙げられる。
【0033】
さらに、本発明は上述した実施の形態のみに限定されるものではなく、既に述べた本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能であることは勿論である。
【符号の説明】
【0034】
10・・・筐体
11・・・キャビティ
12・・・通気孔
13・・・コネクタ
14・・・換気孔
20・・・蓋体
31・・・気体供給路
40・・・クランプ機構
50・・・溶着機構
60・・・気体供給機構
図1
図2
図3
図4
図5
図6