特許第5835199号(P5835199)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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  • 特許5835199-玉軸受 図000002
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5835199
(24)【登録日】2015年11月13日
(45)【発行日】2015年12月24日
(54)【発明の名称】玉軸受
(51)【国際特許分類】
   F16C 33/66 20060101AFI20151203BHJP
   F16C 33/58 20060101ALI20151203BHJP
   F16C 33/78 20060101ALI20151203BHJP
【FI】
   F16C33/66 Z
   F16C33/58
   F16C33/78 Z
【請求項の数】2
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2012-265531(P2012-265531)
(22)【出願日】2012年12月4日
(65)【公開番号】特開2014-109369(P2014-109369A)
(43)【公開日】2014年6月12日
【審査請求日】2014年11月19日
(73)【特許権者】
【識別番号】000001247
【氏名又は名称】株式会社ジェイテクト
(74)【代理人】
【識別番号】100084146
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 宏
(74)【代理人】
【識別番号】100081422
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 光雄
(74)【代理人】
【識別番号】100122286
【弁理士】
【氏名又は名称】仲倉 幸典
(74)【代理人】
【識別番号】100176463
【弁理士】
【氏名又は名称】磯江 悦子
(72)【発明者】
【氏名】吉崎 浩二
(72)【発明者】
【氏名】村田 順司
【審査官】 久島 弘太郎
(56)【参考文献】
【文献】 特開2004−084813(JP,A)
【文献】 実開平01−073521(JP,U)
【文献】 独国特許出願公開第102005018616(DE,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16C 33/66
F16C 33/58
F16C 33/78
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内周軌道溝を有する外輪と、
外周軌道溝を有すると共に、上記外輪の径方向に略延在する段部と、外周面部とを有する輪状部材取付部を有する内輪と、
上記外輪の内周軌道溝と、上記内輪の外周軌道溝との間に配置された玉と、
上記段部に当接している状態で上記輪状部材取付部に固定された輪状の潤滑剤供給部材と
上記玉を保持する保持器と
を備え、
上記輪状部材取付部は、上記内輪の外周面に位置する環状溝であり、
上記潤滑剤供給部材は、上記環状溝に嵌入されて固定されており、
上記外輪に固定される一方、上記内輪の外周面に間隔をおいて位置し、かつ、上記潤滑剤供給部材に上記内輪の径方向に重なるシールド板を備え、
かつ、上記内輪の外周面において上記環状溝の軸方向の上記外周軌道溝側とは反対側に位置する部分の最大の外径をDi[mm]とし、上記潤滑剤供給部材の内径をdL[mm]とし、上記シールド板の内径をdZ[mm]とし、上記潤滑剤供給部材の径方向の弾性限界変形量をδL[mm]とし、上記潤滑剤供給部材の外径をDL[mm]とするとき、
Di<dL+δLであると共に、DL<dZであり、
上記内輪の線膨張係数をk1[K−1]とし、上記潤滑剤供給部材の線膨張係数をk2[K−1]とし、使用上限温度から室温を引いた温度をΔT[K]とするとき、
Di+k1.ΔT.Di>dL+k2.ΔT.dLであり、
上記潤滑剤供給部材は、上記シールド板の一部に上記径方向に重なる位置から上記保持器に上記径方向に重なる位置まで上記軸方向に延在していることを特徴とする玉軸受。
【請求項2】
請求項1に記載の玉軸受において、
上記潤滑剤供給部材は、環状部材であることを特徴とする玉軸受。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外輪と、内輪と、玉と、潤滑剤供給部材とを備える玉軸受に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、玉軸受としては、特開2002−357227号公報(特許文献1)に記載されているものがある。この玉軸受は、外輪と、内輪と、複数の玉と、二つのシールド板とを備え、上記複数の玉は、外輪の軌道溝と、内輪の軌道溝との間に配置されている。一方の上記シールド板は、外輪の内周面と、内輪の外周面とで画定される玉配置室の軸方向の一方側の端部を密封する一方、他方のシールド板は、上記玉配置室の軸方向の他方側の端部を密封している。また、上記玉配置室にはグリースが封入されている。
【0003】
上記各シールド板の径方向の外方側の端部は、外輪の内周面に固定される一方、各シールド板の径方向の内方側の端部は、内輪に対して僅かな間隔をおいて位置している。この玉軸受は、このようにして、上記各シールド板の径方向の内方側の端部と、内輪の外周面とでラビリンスシールを構成し、グリースが玉配置室から外部に漏れ出ることを抑制すると共に、異物が外部から玉配置室に浸入することを抑制している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−357227号公報(第1図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記従来の玉軸受において、低トルクを実現して欲しいとの要請がある。ここで、玉配置室内に封入するグリース量を減らして、攪拌抵抗を低減して低トルク化を実現しようとすると、軌道溝等の焼付きが発生することがある。
【0006】
そこで、本発明の課題は、玉配置室内に封入する流動性の潤滑剤の量を低減できて、低トルクを実現できるにも拘わらず、軌道溝等の摺動部が焼付きにくい玉軸受を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、この発明の玉軸受は、
内周軌道溝を有する外輪と、
外周軌道溝を有すると共に、上記外輪の径方向に略延在する段部と、外周面部とを有する輪状部材取付部を有する内輪と、
上記外輪の内周軌道溝と、上記内輪の外周軌道溝との間に配置された玉と、
上記段部に当接している状態で上記輪状部材取付部に固定された輪状の潤滑剤供給部材と
上記玉を保持する保持器と
を備え、
上記輪状部材取付部は、上記内輪の外周面に位置する環状溝であり、
上記潤滑剤供給部材は、上記環状溝に嵌入されて固定されており、
上記外輪に固定される一方、上記内輪の外周面に間隔をおいて位置し、かつ、上記潤滑剤供給部材に上記内輪の径方向に重なるシールド板を備え、
かつ、上記内輪の外周面において上記環状溝の軸方向の上記外周軌道溝側とは反対側に位置する部分の最大の外径をDi[mm]とし、上記潤滑剤供給部材の内径をdL[mm]とし、上記シールド板の内径をdZ[mm]とし、上記潤滑剤供給部材の径方向の弾性限界変形量をδL[mm]とし、上記潤滑剤供給部材の外径をDL[mm]とするとき、
Di<dL+δLであると共に、DL<dZであり、
上記内輪の線膨張係数をk1[K−1]とし、上記潤滑剤供給部材の線膨張係数をk2[K−1]とし、使用上限温度から室温を引いた温度をΔT[K]とするとき、
Di+k1.ΔT.Di>dL+k2.ΔT.dLであり、
上記潤滑剤供給部材は、上記シールド板の一部に上記径方向に重なる位置から上記保持器に上記径方向に重なる位置まで上記軸方向に延在していることを特徴としている。
【0008】
本発明によれば、輪状の潤滑剤供給部材が、外周面部を有して内輪の外周側に位置する輪状部材取付部に固定されているから、その潤滑剤供給部材から軸方向に隣接する外周軌道溝に潤滑油分を円滑に供給でき、さらに、玉の転動によって、外周軌道溝から、玉の転動面および内周軌道溝に潤滑油分を供給することができる。したがって、軌道溝等の摺動部が焼付きにくいようにできると共に、玉配置室内に封入する流動性の潤滑剤の量も低減できて、低トルクを実現できる。
【0009】
【0010】
また、本発明によれば、輪状部材取付部が、内輪の外周面に位置する環状溝であるから、環状溝の二つの側面で、潤滑剤供給部材の軸方向の一方側の移動および他方側の移動を規制でき、潤滑剤供給部材の所望の位置から移動を確実に防止できる。
【0011】
【0012】
また、本発明によれば、Di<dL+δLであるから、潤滑剤供給部材を、弾性変形させて、内輪の軸方向の外端から環状溝まで内輪の外周面上を通過させることができ、潤滑剤供給部材を、環状溝に嵌入させることができる。
【0013】
また、本発明によれば、DL<dZであるから、潤滑剤供給部材が、シールド板に接触することがなくて、シールド板が潤滑剤供給部材からの力によって変形したり、所定の位置から離脱することがない。
【0014】
【0015】
また、本発明によれば、Di+k1.ΔT.Di>dL+k2.ΔT.dLであるから、内輪と、潤滑剤供給部材とが、温度変化により伸び縮みしても、潤滑剤供給部材の内径が、内輪の外周面において輪状部材取付用の環状溝の軸方向の外周軌道溝側とは反対側に位置する部分の最大の外径を超えることがない。したがって、潤滑剤供給部材の軸方向の移動を規制できて、潤滑剤供給部材が、内輪から離脱することがない。
また、一実施形態では、
上記潤滑剤供給部材は、環状部材である。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、玉配置室内に封入する流動性の潤滑剤の量を低減できて、低トルクを実現できるにも拘わらず、軌道溝等の摺動部が焼付きにくい玉軸受を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の一実施形態の玉軸受の軸方向の半断面図である。
図2】環状部材取付部の変形例を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明を図示の形態により詳細に説明する。
【0019】
図1は、本発明の一実施形態の玉軸受の軸方向の半断面図である。
【0020】
図1に示すように、この玉軸受は、外輪1と、内輪2と、複数の玉3と、第1潤滑剤供給部材4と、第2潤滑剤供給部材5と、第1シールド板7と、第2シールド板8とを備える。
【0021】
上記外輪1は、その外輪1の内周面に、内周軌道溝11と、第1シールド板取付溝12と、第2シールド板取付溝13とを有している。上記第1シールド板取付溝12は、環状溝であって、外輪1の内周面の一端部に形成されている。また、上記第2シールド板取付溝13は、環状溝であって、外輪1の内周面の他端部に形成されている。上記内周軌道溝11は、第1シールド板取付溝12と、第2シールド板取付溝13の間に配置されている。
【0022】
一方、上記内輪2は、その内輪2の外周面に、外周軌道溝21と、第1環状溝22と、第2環状溝23とを有している。上記第1環状溝22は、内輪2の外周面の一端部に形成されている。また、上記第2環状溝23は内輪2の外周面の他端部に形成されている。上記外周軌道溝21は、第1環状溝22と、第2環状溝23の間に配置されている。
【0023】
上記複数の玉3は、外輪1の内周軌道溝11と、内輪2の外周軌道溝21との間に、保持器6によって保持された状態で、周方向に所定の間隔を隔てられて配置されている。また、上記内周軌道溝11と、外周軌道溝21とは、深溝タイプの軌道溝となっている。上記第1および第2環状溝22,23の夫々は、軌道肩部の外周面に形成されている。この実施形態では、深溝玉軸受型の軌道溝11,21を採用して軌道肩部をより大きく形成し、その大きな軌道肩部を有効に利用している。上記第1および第2環状溝22,23の夫々は、輪状部材取付部を構成し、第1および第2環状溝22,23の夫々の二つの側面51,52(第2環状溝23の側面部には参照番号を付していない)は、輪状部材取付部の段部を構成している。
【0024】
上記第1潤滑剤供給部材4は、環状であって、第1環状溝22に嵌入されて固定されている。上記第1潤滑剤供給部材4は、熱可塑性または熱硬化性樹脂(例えば、エラストマー、潤滑油、添加剤とを含む樹脂)や、二硫化モリブデン(MoS2)固体潤滑剤や、グラファイト(黒鉛)固体潤滑剤や、PTFE(商品名テフロン(登録商標))固体潤滑剤や、油溶性有機モリブデン化合物等の油分がしみ出る性質がある固体潤滑剤からなっている。上記第1潤滑剤供給部材4の軸方向の寸法は、第1環状溝22の軸方向の寸法と同一かまたは第1環状溝22の軸方向の寸法よりも若干小さい寸法になっている。上記第1潤滑剤供給部材4の軸方向の少なくとも一方の端面は、第1環状溝22の少なくとも一方の端面に当接している。上記第2潤滑剤供給部材5は、第2環状溝23に嵌入されている。
【0025】
また、上記第1シールド板7は、金属材料または樹脂材料からなっている。上記第1シールド板7は、外輪1と内輪2との間の軸方向の一方側の開口の大部分を塞いでいる。上記第1シールド板7の径方向外方の一端部は、第1シールド板取付溝12に嵌入固定されている。また、図1に示すように、上記第1潤滑剤供給部材4は、第1シールド板7の一部に径方向に重なる位置から保持器6に径方向に重なる位置まで軸方向に延在している。上記第1シールド板7の径方向の内方の他端部は、内輪2の外周面かまたは第1潤滑剤供給部材4に径方向に隙間を介して非接触に対向している。
【0026】
上記第1シールド板7の上記他端部と、内輪2の外周面と、第1潤滑剤供給部材4の外周面とは、ラビリンスシールを構成している。すなわち、上記第1シールド板7の上記他端部の径方向の内方の端面と、内輪2の外周面との間には、玉軸受内の異物が通過することを妨げることが出来る位小さい径方向の寸法を有する一方、玉軸受内の異物が通過することを妨げることが出来る位大きな軸方向の寸法を有する隙間が形成されている。
【0027】
詳しくは、図1に示すように、上記第1シールド板7は、その径方向の内方側の端部に、軸方向に延在する円筒部31を有している。このようにして、ラビリンスシールの軸方向の寸法を長くして、グリース35の流出の防止等のラビリンスシールの性能を向上するようにしている。この玉軸受は、非接触シールを採用することによりトルクを大きく低減している。
【0028】
図1に示すように、上記第1シールド板7の軸方向の内方側の端面は、軸方向の内方側に開口する凹部30を有している。この凹部30には、玉軸受の始動時に、流動性を有する潤滑剤の一例としてのグリース35が封入されている。この玉軸受では、内輪2の外周面において第1環状溝22の軸方向の外周軌道溝21側とは反対側に位置する部分の最大の外径をDi[mm]とし、第1潤滑剤供給部材4の内径をdL[mm]とし、第1シールド板7の内径をdZ[mm]とし、第1潤滑剤供給部材4の径方向の弾性限界変形量をδL[mm]とし、第1潤滑剤供給部材4の外径をDL[mm]とするとき、Di<dL+δLになっていると共に、DL<dZになっている。
【0029】
このようにして、上記第1潤滑剤供給部材4が、弾性変形によって、内輪2の軸方向の外端から第1環状溝22まで内輪2の外周面上を通過することができるようにし、第1潤滑剤供給部材4を、第1環状溝22に嵌入できるようにしている。
【0030】
また、この玉軸受では、上記内輪2の線膨張係数をk1[K−1]とし、第1潤滑剤供給部材4の線膨張係数をk2[K−1]とし、使用上限温度から室温を引いた温度をΔT[K]とするとき、Di+k1.ΔT.Di>dL+k2.ΔT.dLとなっている。このようにして、玉軸受の使用温度においては、内輪2と、第1潤滑剤供給部材4とが、温度変化により伸び縮みしても、第1潤滑剤供給部材4の内径が、内輪2の外周面において第1環状溝22の軸方向の外周軌道溝21側とは反対側に位置する部分の最大の外径を超えることがないようにしている。このようにして、第1潤滑剤供給部材4の軸方向の移動を規制して、第1潤滑剤供給部材4が、内輪2から離脱しないようにしている。
【0031】
尚、今までは、玉軸受の図1における左側の構造について主に説明したが、この玉軸受は、この玉軸受の軸方向を垂直に二等分する平面に対して面対称になっている。玉軸受の図1における右側の構造については、上述の左側の構造の説明をもって説明を省略する。
【0032】
上記実施形態によれば、環状の潤滑剤供給部材4,5が、外周面部55を有して内輪2の外周側に位置する輪状部材取付部に固定されているから、その潤滑剤供給部材4,5から軸方向に隣接する外周軌道溝21に潤滑油分を供給できて、さらに、外周軌道溝21から、玉3の転動面に潤滑油分を円滑に供給できる共に、その転動面を介して内周軌道溝11にも潤滑油分を円滑に供給できる。したがって、軌道溝11,21や上記転動面等からなる摺動部が焼付きにくいようにできると共に、玉配置室58内に封入するグリースの量も低減できて、攪拌抵抗を低減でき、低トルクを実現できる。
【0033】
また、上記実施形態によれば、輪状部材取付部が、内輪2の外周面に位置する環状溝22,23であるから、環状溝22,23の二つの側面51,52で、潤滑剤供給部材4,5の軸方向の一方側の移動および他方側の移動を規制でき、潤滑剤供給部材4,5の所望の位置から移動を防止できる。
【0034】
また、上記実施形態によれば、潤滑剤供給部材4,5が、保持器6に径方向に重なる部分を有しているから、潤滑剤供給部材4,5と、外周軌道溝21との距離が小さくなる。したがって、潤滑剤供給部材4,5から外周軌道溝21に円滑に潤滑油分を供給できる。
【0035】
また、上記実施形態によれば、潤滑剤供給部材4,5が、シールド板7,8に径方向に重なる部分を有しているから、潤滑剤供給部材4,5と、シールド板7,8の径方向の内方側の端部との間に油膜ができやすくなる。したがって、ラビリンスシールの密封性能を優れたものにできる。
【0036】
尚、上記実施形態では、潤滑剤供給部材4,5が、保持器6に径方向に重なる部分を有していたが、この発明では、潤滑剤供給部材は、保持器に径方向に重なる部分を有さなくても良い。
【0037】
また、上記実施形態では、潤滑剤供給部材4,5が、シールド板7,8に径方向に重なる部分を有していたが、この発明では、潤滑剤供給部材は、シールド板に径方向に重なる部分を有さなくても良い。
【0038】
また、上記実施形態では、潤滑剤供給部材4,5は、環状部材であったが、この発明では、潤滑剤供給部材は、C字形状等、周方向の一箇所に切欠き部を有する形状であっても良い。潤滑剤供給部材は、輪状であれば良い。
【0039】
また、上記実施形態では、Di+k1.ΔT.Di>dL+k2.ΔT.dLを満たしていたが、この発明では、Di+k1.ΔT.Di>dL+k2.ΔT.dLが、成立しなくても良い。
【0040】
また、上記実施形態では、玉配置室58にグリース35が封入されていたが、この発明では、玉配置室にグリース以外の流動性を有する潤滑剤が封入されても良く、例えば、玉配置室にグリースよりも粘度が低い潤滑油が封入されても良い。
【0041】
また、上記実施形態では、図1に示すように、潤滑剤供給部材4,5の外周面と、内輪2の軌道肩部の外周面とが、面一となっていて、潤滑剤供給部材4,5の外周面と、内輪2の軌道肩部の外周面との夫々が、略同じ外径を有する円筒外周面の一部になっている。しかしながら、この発明では、潤滑剤供給部材の外周面と、内輪の軌道肩部の外周面とは、面一になっていなくても良く、潤滑剤供給部材の外周面の外径は、内輪の軌道肩部の外周面の外径よりも大きくても、同一でも、小さくてもいずれでも良い。尚、潤滑油分の円滑な軌道溝への供給という観点からは、潤滑剤供給部材の外周面の外径が、内輪の軌道肩部の外周面の外径よりも大きいか、または、同一である方が好ましい。
【0042】
また、上記実施形態では、シールド板7,8が、軸方向の内方側に開口する凹部30を有して、その凹部30に始状態でグリース35が封入されていたが、この発明では、シールド板は、軸方向に開口する凹部を有さなくても良い。
【0043】
また、上記実施形態では、輪状部材取付部が、環状溝22,23であったが、この発明では、輪状部材取付部は、図2、すなわち、環状部材取付部の変形例を示す模式図に示すように、内輪102の外周軌道溝121の軌道肩部に形成されると共に、内輪102(外輪)の径方向に略延在する一つのみの段部151と、外周面部155とを有する構造であっても良い。そして、この輪状部材取付部に、輪状の潤滑剤供給部材105を、段部151に当接した状態で、外周面部155に締め代をもった状態で締まり嵌めするようにしても良い。
【符号の説明】
【0044】
1 外輪
2,102 内輪
3 玉
4 第1潤滑剤供給部材
5 第2潤滑剤供給部材
6 保持器
7 第1シールド板
8 第2シールド板
11 内周軌道溝
21,121 外周軌道溝
22 第1環状溝
23 第2環状溝
55,155 輪状部材取付部の外周面部
58 玉配置室
105 潤滑剤供給部材
151 輪状部材取付部の段部
図1
図2