【実施例】
【0133】
以下、実施例により本発明を詳細に説明する。
実施例1〜30および比較例1〜5として、基材であるポリオレフィン系多孔フィルム上に、後述する塗料組成物1〜34を用いて多孔層を形成した多孔質積層フィルムを作製した。また、各多孔質積層フィルムを蓄電デバイス用セパレータとして用いた蓄電デバイスを作製した。各実施例および比較例における多孔質積層フィルムおよび蓄電デバイスの特性は、以下の方法により測定または評価した。
【0134】
(1)耐熱粒子の平均粒子径
レーザー回折・散乱式粒度分布測定器((株)セイシン企業製“LMS−300”)を用いて、耐熱粒子の粒子径を測定した。得られた粒子径に対する個数基準積分曲線において、50%個数基準積算値に対応する粒子径を平均粒子径とした。
【0135】
(2)耐熱粒子のアスペクト比、断面形状および異形度
走査型電子顕微鏡(SEM)を用い、無作為に抽出した耐熱粒子の観察倍率20,000倍の写真を撮影した。この写真に対する画像解析ソフトウェア((株)マウンテック製“MacView ver4.0”)を用いた画像解析により、耐熱粒子の断面投影像を作成した。
【0136】
断面投影像より、最小外接円の半径Rlおよび最大内接円の半径Rsを求め(
図1参照)、式(1)で定義される異形度Psを算出した。断面投影像は無作為に抽出した耐熱粒子100個について作製し、得られた断面投影像から求めた個々の耐熱粒子の異形度Psの平均値をその耐熱粒子の異形度Psとした。
Ps=Rl/Rs …(1)
【0137】
また、20,000倍で撮影した写真および断面投影像より、各耐熱粒子における最大長さ(長径)および最小長さ(短径)を求め、式(7)で定義されるアスペクト比を算出した。アスペクト比は耐熱粒子100個について求め、その平均を耐熱粒子のアスペクト比とした。
アスペクト比=耐熱粒子における最大長さ/耐熱粒子における最小長さ
…(7)
【0138】
(3)ポリオレフィン系多孔フィルムの厚みおよび多孔層の厚み
ポリオレフィン系多孔質フィルムを走査型電子顕微鏡の試料台に固定し、スパッタリング装置を用いて、フィルム長手方向の断面がみえるように、減圧度10
−3Torr、電圧0.25KV、電流12.5mAの条件にて10分間、イオンエッチング処理を施して断面を切削した後、同スパッタリング装置にて該フィルムの表面に金スパッタを施した。そして、当該フィルムを、走査型電子顕微鏡を用いて倍率3,000倍にて観察した。
【0139】
観察により得られた画像から、ポリオレフィン系多孔フィルムの厚み(la)と多孔層の厚み(lb)とを計測した。厚みの測定に用いるサンプルにおいては、フィルムの長手方向に少なくとも5cm間隔で任意の場所を合計10箇所選定し、該10箇所の計測値の平均を、そのサンプルのポリオレフィン系多孔フィルムの厚み(la)および多孔層の厚み(lb)とした。
【0140】
(4)透気抵抗
ポリオレフィン系多孔フィルムまたは多孔質積層フィルムから1辺の長さ100mmの正方形を切取りサンプルとし、JIS P 8117(2009)のB形のガーレー試験機を用いて、23℃、相対湿度65%にて、100mlの空気の透過時間の測定を3回行った。3回の測定による透過時間の平均値を、当該ポリオレフィン系多孔フィルムまたは多孔質積層フィルムの透気抵抗とした。
【0141】
なお、ポリオレフィン系多孔フィルムの透気抵抗の測定は、多孔質積層フィルムに幅65mmのPPテープ(住友3M(株)製、313D)を貼り付けた後で剥離して、多孔質積層フィルムから多孔層を除去した基材(ポリオレフィン系多孔フィルム)に対して実施した。
【0142】
(5)熱収縮率
多孔質積層フィルムを長手方向および幅方向に長さ150mm×幅10mmの矩形に切り出し、サンプルとした。サンプルに100mmの間隔で標線を描き、3gの錘を吊して、150℃に加熱した熱風オーブン内に40分間設置し加熱処理を行った。熱処理後、放冷し、標線間距離を測定し、加熱前後の標線間距離の変化から熱収縮率を算出し、寸法安定性の指標とした。測定は、各多孔質積層フィルムに対し、長手方向および幅方向の各方向について5サンプルずつ実施し、平均値で評価を行った。
【0143】
(6)平面性
図7に示すように、3mの間隔で平行に配置した2本のロール4に多孔質積層フィルムを渡し、一端を固定端5に固定し、他端に1.7kgの錘6を取り付け、フィルムの幅方向に均等となるように荷重をかけた。この状態で、2本のロール4の中央部分7における幅方向の断面形状(フィルム表面を中央部分7に沿ってなぞった際の変位)を記録した。フィルムの断面形状の最高位置と最低位置との差を垂れ量として測定し、下記の基準で評価し、評価がCであるものを不合格とした。垂れ量は0に近づく程フィルムの平面性が優れていることを示す。
AA:垂れ量3mm未満
A: 垂れ量3mm以上5mm未満
B: 垂れ量5mm以上15mm未満
C: 垂れ量15mm以上
【0144】
(7)電池評価
(安全性)
厚みが40μmのニッケル(Ni)板を直径15.9mmの円形に打ち抜いた。また、多孔質積層フィルムを直径24mmの円形に打ち抜いた。次に、Ni板、1mgの金属粒子(Aesar製のアルミニウム粒子“Alfa”、平均粒子径:11μm)、多孔質積層フィルム、およびNi板を、下からこの順に重ねて、蓋付ステンレス金属製小容器(宝泉(株)製のHSセル、ばね圧:5kgf)に収納した。なお、容器と蓋とは絶縁され、容器および蓋はNi板と接している。この容器内に、プロピレンカーボネート:ジエチルカーボネート=3:7(体積比)の混合溶媒に溶質としてLiPF
6を濃度1モル/リットルとなるように溶解させた電解液を注入して密閉し、擬似電池を作製した。
【0145】
この擬似電池を電気抵抗測定装置(日置電機(株)製のLCRメーター“LCRハイテスタ3522−50”)、および温度計に接続された熱電対に接続し、温度を25℃から200℃まで、2℃/minの速度にて昇温させた。そして、温度および電気抵抗を連続的に測定して、電気抵抗値が0Ωとなる(即ち、破膜する)時の温度を調べ、下記の基準で評価した。なお、試験個数は10個とし、10個の測定値のその平均値で評価を行い、評価がCのものを不合格とした。
A:電気抵抗値が0Ωとなる温度が200℃以上
B:電気抵抗値が0Ωとなる温度が150℃以上、200℃未満
C:電気抵抗値が0Ωとなる温度が150℃未満
【0146】
(出力特性およびサイクル特性)
厚みが40μmのリチウムコバルト酸化物(LiCoO
2)の正極(宝泉(株)製)を、直径15.9mmの円形に打ち抜いた。また、厚みが50μmの黒鉛負極(宝泉(株)製)を、直径16.2mmの円形に打ち抜いた。さらに、多孔質積層フィルムを直径24mmに打ち抜いた。そして、正極活物質と負極活物質面が対向するように、負極、多孔質積層フィルム、および正極を下からこの順に重ねて、蓋付ステンレス金属製小容器(宝泉(株)製のHSセル、ばね圧:1kgf)に収納した。なお、容器と蓋とは絶縁され、容器は負極の銅箔と接し、蓋は正極のアルミ箔と接している。この容器内に、プロピレンカーボネート:ジエチルカーボネート=3:7(体積比)の混合溶媒に溶質としてLiPF
6を濃度1モル/リットルとなるように溶解させた電解液を注入して密閉し、電池を作製した。
【0147】
作製した電池について、25℃の雰囲気下において、充電を3mAで4.2Vまで2時間で行い、放電を3mAで2.7Vまで行う作業を4回繰り返した後、充電を3mAで4.2Vまで2時間で行い、放電を3mAで2.5Vまで行う充放電操作を行い、3mAの放電容量を調べた。さらに、充電を3mAで4.2Vまで2時間で行い、放電を40mAで2.5Vまで行う充放電操作を行い、40mAの放電容量放電容量を測定した。そして、式(8)で与えられる出力特性を以下の基準で評価した。なお、試験個数は10個とし、10個の測定値の平均値で評価を行い、評価がCのものを不合格とした。
出力特性=[(40mAの放電容量)/(3mAの放電容量)]×100
…(8)
AA:85%以上
A:70%以上85%未満
B:60%以上70%未満
C:60%未満
【0148】
また、作製した電池について、25℃の雰囲気下において、充電を3mAで4.2Vまで2時間で行い、放電を3mAで2.7Vまで行う作業を4回繰り返した後、充電を3mAで4.2Vまで2時間で行い、放電を3mAで2.7Vまで行ったときの放電容量を測定した。その後、50℃の雰囲気下において、充電を10mAで4.2Vまで30分で行い、放電を10mAで2.7Vまで行う作業を300回繰り返し、300回目の充放電時の放電容量を測定した。そして、式(9)で与えられるサイクル特性を以下の基準で評価した。なお、試験個数は10個とし、10個の測定値の平均値で評価を行い、評価がCのものを不合格とした。
サイクル特性=[(300回目の放電容量/1回目の放電容量)×300]
…(9)
A:90%以上
B:70%以上90%未満
C:70%未満または1個以上が20%未満
【0149】
(8)面状欠陥(ハジキ状)
多孔性積層フィルムをA4サイズに成形して得た蓄電デバイス用セパレータ20枚について、多孔層を形成した面を、透過光源を用いて目視で欠陥を確認し、欠陥の形状が円形で、欠陥部の塗工層が周囲に比べて薄くなっており、欠陥部の外接円の直径が1mm以上の欠陥をハジキ状欠陥としてカウントした。上記サイズのセパレータ1枚あたりの欠陥の個数を求めて下記のクラス分けを行い、3点以上を合格とした。
5点:面状欠陥の数 1個未満
4点:面状欠陥の数 1個以上3個未満
3点:面状欠陥の数 3個以上5個未満
2点:面状欠陥の数 5個以上10個未満
1点:面状欠陥の数 10個以上
【0150】
(9)面状欠陥(スジ状)
多孔性積層フィルムをA4サイズに成形して得た蓄電デバイス用セパレータ20枚について、多孔質層を形成した面を透過光源にて目視で欠陥を確認し、欠陥が塗工方向と平行な方向のスジ状になっており、欠陥部の塗工層が周囲と比べて厚く、または薄くなっており、スジの幅が1mm以上、長さが4cm以上の欠陥をスジ状欠陥としてカウントした。上記サイズのセパレータ3枚あたりの欠陥の個数を求めて下記のクラス分けを行い、3点以上を合格とした。
5点:面状欠陥の数 1個未満
4点:面状欠陥の数 1個以上3個未満
3点:面状欠陥の数 3個以上5個未満
2点:面状欠陥の数 5個以上10個未満
1点:面状欠陥の数 10個以上
【0151】
(10)塗料組成物の貯蔵弾性率(G’)
塗料組成物の貯蔵弾性率(G’)は次のように測定した。
測定装置として、ティー・エイ・インスツルメント・ジャパン株式会社製のレオメーター“AR1000”を使用し、測定用ジオメトリーには、直径40mm、角度2°のコーンアンドプレートを使用した。装置への液のセット時の影響を除去するため、調製した塗料組成物に対して100s
−1のずり速度で100秒間、ずりを与え、3分間放置する前処理を行った。
【0152】
測定は、25℃にて、装置の応力掃引モードで測定周波数を0.1Hzに設定して、応力0.01Paから300Paまでの範囲で行った。この測定結果のデータから、応力の変化に対して貯蔵弾性率(G’)の変化が3%以内の領域を線形性のある領域として判断し、線形性があると判断された領域の応力0.1Paにおける値を貯蔵弾性率(G’)の代表値とした。
【0153】
(11)塗料組成物の表面張力γ
全自動接触角計(協和界面科学株式会社製“DM−700”)を使用し、25℃の環境下にてステンレス製のシリンジニードルにより塗料組成物を1μL〜5μL押し出し、シリンジの先端に形成された液滴の形状を、付属の多機能統合解析ソフトである「FAMAS」により、「FAMAS取扱い説明書」に記載の方法に従って表面張力を算出した。算出に必要なパラメーターとして、化合物の密度が必要であるが、化合物の密度は、25℃の環境下にて密度比重計(京都電子工業株式会社製“DA−130N”)を用いて測定した値を用いた。
【0154】
(12)溶媒成分の基材への接触角
全自動接触角計(協和界面科学株式会社製“DM−700”)を使用し、25℃の環境下にて、ステンレス製のシリンジニードルにより、塗料組成物の溶媒成分を1μL〜2μLを支持基材上に滴下し、接触角を測定した。
【0155】
(13)塗料組成物のせん断粘度
塗料組成物のせん断粘度は次のように測定した。
測定装置としては、上記貯蔵弾性率(G’)の測定で用いたものと同じ装置を使用した。測定は測定温度25℃で、ステップ状にせん断速度を変化させた定常流測定にて行った。具体的には、せん断速度100s
−1で10秒間予備せん断後、せん断速度1,000s
−1から0.1s
−1に向けて、一桁当たり対数間隔で3点のステップ測定を行った。このデータからせん断速度1,000s
−1における粘度を求めた。
【0156】
(14)ポリオレフィン系多孔フィルムおよび多孔質積層フィルムのβ晶形成能
ポリオレフィン系多孔フィルムを構成する樹脂または多孔質積層フィルムおよびポリオレフィン系多孔フィルムそのもの5mgをサンプルとしてアルミニウム製のパンに採取し、示差走査熱量計(セイコー電子工業製“RDC220”)を用いて測定した。まず、窒素雰囲気下で室温から280℃まで10℃/分で昇温(ファーストラン)させ、10分間保持した後、30℃まで10℃/分で冷却した。その状態で5分間保持した後、再度10℃/分で昇温(セカンドラン)させた際に観測される融解ピークを測定してグラフを作成した。そして、145〜157℃の温度領域にピークが存在する融解をβ晶の融解ピーク、158℃以上にピークが観察される融解をα晶の融解ピークとして、高温側の平坦部を基準に引いたベースラインとピークとに囲まれる領域の面積から、それぞれの融解熱量を求め、α晶の融解熱量をΔHα、β晶の融解熱量をΔHβとしたとき、式(3)で算出される値をβ晶形成能とした。なお、融解熱量の校正はインジウムを用いて行った。
β晶形成能(%)=[ΔHβ/(ΔHα+ΔHβ)]×100 …(3)
【0157】
(15)ポリオレフィン系多孔フィルムの表面孔径および表面孔径比
走査型電子顕微鏡の試料台に固定したポリオレフィン系多孔フィルムの表面に対し、スパッタリング装置を用いて金スパッタを施し、走査型電子顕微鏡を用いて倍率10,000倍にて観察した。得られた観察像に対して画像解析装置による解析を行い、表面の孔による空隙部分の形状における最大長さおよび最小長さを求め、その平均値をその孔の孔径とした。上記の操作で観察像中の100個の孔について孔径を求めた。
【0158】
求めた孔径のうち0.01μm以上0.5μm未満の孔径の孔の数を(A)、0.5μm以上10μm未満の孔径の孔の数を(B)とし、式(10)によって与えられる表面孔径比をサンプルごとに算出した。
表面孔径比=(A)/(B) …(10)
【0159】
(16)バインダーの融点
バインダーを、粉末状の場合には未処理のまま、分散体の場合には50℃のオーブンで溶媒を乾燥除去した状態で、5mgを計量しアルミニウム製のパンに採取した。そして、示差走査熱量計(セイコー電子工業製“RDC220”)を用いて、窒素雰囲気下で室温から280℃まで10℃/分で昇温(ファーストラン)させ、10分間保持した後、20℃まで10℃/分で冷却した。その状態で5分間保持した後、再度10℃/分で昇温(セカンドラン)させた際に観測される融解ピークをバインダーの融点とした。
【0160】
(17)多孔層中のバインダーの溶融の有無
多孔質積層フィルムを、多孔層側を上面にして走査型電子顕微鏡の試料台に固定し、スパッタリング装置を用いて金スパッタを施し、走査型電子顕微鏡を用いて観察倍率70,000倍にて観察画像を撮影した。得られた観察画像のうち、耐熱粒子ではない部分について粒状の物質の有無を評価した。
A:粒状物質なし
B:粒状物質あり
【0161】
(18)耐熱粒子の脱落
多孔質積層フィルムを幅1cmのテープ状に切断してサンプルを作製した。このサンプルを、テープ走行性試験機((株)横浜システム研究所製“TBT−300”)において23℃、50%RH雰囲気で走行させることにより、摩擦係数μkを求めた。サンプルは、多孔層側が試験機のガイドに接触するように設置した。なお、ガイド径は6mmφであり、ガイド材質はSUS27(表面粗度0.2S)、巻き付け角は90°走行速度は3.3cm/秒、繰り返し1〜50回である。この測定により、繰り返し回数1回目の摩擦係数(K1)と繰り返し回数50回目の摩擦係数(K50)とを求め、式(6)によって与えられる摩擦係数の変化率K(%)を算出した。そして、繰り返し試験によるフィルム走行性を下記の基準で評価し、評価がCのものを不合格とした。
K(%)=(K50)/(K1)×100 …(6)
A:変化率300%未満
B:変化率300%以上500%未満
C:変化率500%以上
【0162】
[塗料組成物1〜34の調製]
実施例1〜30および比較例1〜5において用いる塗料組成物1〜34を、以下のとおり調製した。
【0163】
[塗料組成物1]
実施例1に用いる塗料組成物1として、下記材料のうち耐熱粒子、バインダーの一部、および溶媒成分を、遊星型ボールミル(フリッチュ社製“P−4型”)を用いて4時間分散させた。次いで、この粒子分散物に残りの原材料を加え、攪拌しながら混合した。さらに、この混合物を目開き100μmのナイロン製メッシュで粗ろ過することにより粗粒子を除去した後、粒子径20μmの粒子が99.9%のろ過効率で捕集可能なカートリッジフィルターを用いて、フィルターカートリッジの出口側と入口側の差圧0.1MPa以内でろ過して、塗料組成物1を得た。
耐熱粒子:炭酸カルシウム 9.0質量%
(白石カルシウム(株)製“PC”)
バインダー:カルボキシメチルセルロース 0.6質量%
(ダイセル化学工業(株)製“CMCダイセル2200”)
溶媒成分:イオン交換水 40.8質量%
バインダー:変性ポリエチレン水分散体(変性ポリエチレンA)
49.0質量%
(三井化学(株)製“ケミパールS−100”、固形分濃度20%の水希釈品、樹脂の融点:85℃)
バインダー:オキシラン環含有化合物 0.6質量%
(ナガセ化成工業(株)製“デナコールEX−930”)
塗料組成物1の溶媒組成は、水100%である。
【0164】
[塗料組成物2]
実施例2に用いる塗料組成物2を、塗料組成物1と同様の方法で、下記の材料を使用して調合した。
耐熱粒子:炭酸カルシウム 10.0質量%
(白石カルシウム(株)製“PC”)
バインダー:カルボキシメチルセルロース 0.6質量%
(ダイセル化学工業(株)製“CMCダイセル2200”)
溶媒成分:イオン交換水 44.8質量%
バインダー:変性ポリエチレン水分散体(変性ポリエチレンA)
44.0質量%
(三井化学(株)製“ケミパールS−100”、固形分濃度20%の水希釈品、樹脂の融点:85℃)
バインダー:オキシラン環含有化合物 0.6質量%
(ナガセ化成工業(株)製“デナコールEX−930”)
塗料組成物2の溶媒組成は、水100%である。
【0165】
[塗料組成物3]
実施例3に用いる塗料組成物3を、塗料組成物1と同様の方法で、下記の材料を使用して調合した。
耐熱粒子:炭酸カルシウム 15.0質量%
(白石カルシウム(株)製“PC”)
バインダー:カルボキシメチルセルロース 0.9質量%
(ダイセル化学工業(株)製“CMCダイセル2200”)
溶媒成分:イオン交換水 17.2質量%
バインダー:変性ポリエチレン水分散体(変性ポリエチレンA)
66.0質量%
(三井化学(株)製“ケミパールS−100”、固形分濃度20%の水希釈品、樹脂の融点:85℃)
バインダー:オキシラン環含有化合物 0.9質量%
(ナガセ化成工業(株)製“デナコールEX−930”)
塗料組成物3の溶媒組成は、水100%である。
【0166】
[塗料組成物4]
実施例4および30に用いる塗料組成物4を、塗料組成物1と同様の方法で、下記の材料を使用して調合した。
耐熱粒子:炭酸カルシウム 14.0質量%
(白石カルシウム(株)製“PC”)
バインダー:カルボキシメチルセルロース 0.6質量%
(ダイセル化学工業(株)製“CMCダイセル2200”)
溶媒成分:イオン交換水 60.8質量%
バインダー:変性ポリエチレン水分散体(変性ポリエチレンA)
24.0質量%
(三井化学(株)製“ケミパールS−100”、固形分濃度20%の水希釈品、樹脂の融点:85℃)
バインダー:オキシラン環含有化合物 0.6質量%
(ナガセ化成工業(株)製デナコール“EX−930”)
塗料組成物4の溶媒組成は、水100%である。
【0167】
[塗料組成物5]
実施例5に用いる塗料組成物5を、塗料組成物1と同様の方法で、下記の材料を使用して調合した。
耐熱粒子:炭酸カルシウム 14.0質量%
(白石カルシウム(株)製“PC”)
バインダー:カルボキシメチルセルロース 0.6質量%
(ダイセル化学工業(株)製“CMCダイセル2200”)
溶媒成分:イオン交換水 50.8質量%
溶媒成分:イソプロピルアルコール 10.0質量%
バインダー:変性ポリエチレン水分散体(変性ポリエチレンA)
24.0質量%
(三井化学(株)製“ケミパールS−100”、固形分濃度20%の水希釈品、樹脂の融点:85℃)
バインダー:オキシラン環含有化合物 0.6質量%
(ナガセ化成工業(株)製“デナコールEX−930”)
塗料組成物5の溶媒組成は、イソプロピルアルコール12.5質量%、水87.5質量%である。
【0168】
[塗料組成物6]
実施例6に用いる塗料組成物6を、塗料組成物1と同様の方法で、下記の材料を使用して調合した。
耐熱粒子:炭酸カルシウム 14.0質量%
(白石カルシウム(株)製“PC”)
バインダー:カルボキシメチルセルロース 0.6質量%
(ダイセル化学工業(株)製“CMCダイセル2200”)
溶媒成分:イオン交換水 57.8質量%
溶媒成分:イソプロピルアルコール 3.0質量%
バインダー:変性ポリエチレン水分散体(変性ポリエチレンA)
24.0質量%
(三井化学(株)製“ケミパールS−100”、固形分濃度20%の水希釈品、樹脂の融点:85℃)
バインダー:オキシラン環含有化合物 0.6質量%
(ナガセ化成工業(株)製デナコール“EX−930”)
塗料組成物6の溶媒組成は、イソプロピルアルコール3.75質量%、水96.25質量%である。
【0169】
[塗料組成物7]
実施例7に用いる塗料組成物7を、塗料組成物1と同様の方法で、下記の材料を使用して調合した。
耐熱粒子:炭酸カルシウム 14.0質量%
(白石カルシウム(株)製“PC”)
バインダー:カルボキシメチルセルロース 0.6質量%
(ダイセル化学工業(株)製“CMCダイセル2200”)
溶媒成分:イオン交換水 57.8質量%
溶媒成分:酢酸エチル 3.0質量%
バインダー:変性ポリエチレン水分散体(変性ポリエチレンA)
24.0質量%
(三井化学(株)製“ケミパールS−100”、固形分濃度20%の水希釈品、樹脂の融点:85℃)
バインダー:オキシラン環含有化合物 0.6質量%
(ナガセ化成工業(株)製デナコール“EX−930”)
塗料組成物7の溶媒組成は、酢酸エチル3.75質量%、水96.25質量%である。
【0170】
[塗料組成物8]
実施例8に用いる塗料組成物8を、塗料組成物1と同様の方法で、下記の材料を使用して調合した。
耐熱粒子:炭酸カルシウム 14.0質量%
(白石カルシウム(株)製“PC”)
バインダー:カルボキシメチルセルロース 0.6質量%
(ダイセル化学工業(株)製“CMCダイセル2200”)
溶媒成分:イオン交換水 60.7質量%
界面活性剤:フッ素系界面活性剤 0.1質量%
(DIC株式会社製“メガファック F−533”)
バインダー:変性ポリエチレン水分散体(変性ポリエチレンA)
24.0質量%
(三井化学(株)製“ケミパールS−100”、固形分濃度20%の水希釈品、樹脂の融点:85℃)
バインダー:オキシラン環含有化合物 0.6質量%
(ナガセ化成工業(株)製“デナコールEX−930”)
塗料組成物8の溶媒組成は、水100%である。
【0171】
[塗料組成物9]
実施例9に用いる塗料組成物9を、塗料組成物1と同様の方法で、下記の材料を使用して調合した。
耐熱粒子:炭酸カルシウム 14.0質量%
(白石カルシウム(株)製“PC”)
バインダー:カルボキシメチルセルロース 0.6質量%
(ダイセル化学工業(株)製“CMCダイセル2200”)
溶媒成分:イオン交換水 60.7質量%
界面活性剤:ポリジメチルシロキサン系界面活性剤 0.1質量%
(ビックケミー・ジャパン株式会社製“BYK 378”)
バインダー:変性ポリエチレン水分散体(変性ポリエチレンA)
24.0質量%
(三井化学(株)製“ケミパールS−100”、固形分濃度20%の水希釈品、樹脂の融点:85℃)
バインダー:オキシラン環含有化合物 0.6質量%
(ナガセ化成工業(株)製“デナコール X−930”)
塗料組成物9の溶媒組成は、水100%である。
【0172】
[塗料組成物10]
実施例10に用いる塗料組成物10を、塗料組成物1と同様の方法で、下記の材料を使用して調合した。
耐熱粒子:炭酸カルシウム 14.0質量%
(白石カルシウム(株)製“PC”)
バインダー:カルボキシメチルセルロース 0.6質量%
(ダイセル化学工業(株)製“CMCダイセル2200”)
溶媒成分:イオン交換水 60.3質量%
界面活性剤:フッ素系界面活性剤 0.5質量%
(DIC株式会社製“メガファック F−533”)
バインダー:変性ポリエチレン水分散体(変性ポリエチレンA)
24.0質量%
(三井化学(株)製“ケミパールS−100”、固形分濃度20%の水希釈品、樹脂の融点:85℃)
バインダー:オキシラン環含有化合物 0.6質量%
(ナガセ化成工業(株)製“デナコールEX−930”)
塗料組成物10の溶媒組成は、水100%である。
【0173】
[塗料組成物11]
実施例11に用いる塗料組成物11を、塗料組成物1と同様の方法で、下記の材料を使用して調合した。
耐熱粒子:炭酸カルシウム 7.0質量%
(白石カルシウム(株)製“PC”)
バインダー:カルボキシメチルセルロース 0.3質量%
(ダイセル化学工業(株)製“CMCダイセル2200”)
溶媒成分:イオン交換水 80.3質量%
界面活性剤:フッ素系界面活性剤 0.1質量%
(DIC株式会社製“メガファック F−533”)
バインダー:変性ポリエチレン水分散体(変性ポリエチレンA)
12.0質量%
(三井化学(株)製“ケミパールS−100”、固形分濃度20%の水希釈品、樹脂の融点:85℃)
バインダー:オキシラン環含有化合物 0.3質量%
(ナガセ化成工業(株)製“デナコールEX−930”)
塗料組成物11の溶媒組成は、水100%である。
【0174】
[塗料組成物12]
実施例12に用いる塗料組成物12を、塗料組成物1と同様の方法で、下記の材料を使用して調合した。
耐熱粒子:炭酸カルシウム 10.5質量%
(白石カルシウム(株)製“PC”)
バインダー:カルボキシメチルセルロース 0.45質量%
(ダイセル化学工業(株)製“CMCダイセル2200”)
溶媒成分:イオン交換水 70.5質量%
界面活性剤:フッ素系界面活性剤 0.1質量%
(DIC株式会社製“メガファック F−533”)
バインダー:変性ポリエチレン水分散体(変性ポリエチレンA)
18.0質量%
(三井化学(株)製“ケミパールS−100”、固形分濃度20%の水希釈品、樹脂の融点:85℃)
バインダー:オキシラン環含有化合物 0.45質量%
(ナガセ化成工業(株)製“デナコールEX−930”)
塗料組成物12の溶媒組成は、水100%である。
【0175】
[塗料組成物13]
実施例13に用いる塗料組成物13を、塗料組成物1と同様の方法で、下記の材料を使用して調合した。
耐熱粒子:炭酸カルシウム 21.0質量%
(白石カルシウム(株)製“PC”)
バインダー:カルボキシメチルセルロース 0.9質量%
(ダイセル化学工業(株)製“CMCダイセル2200”)
溶媒成分:イオン交換水 41.1質量%
界面活性剤:フッ素系界面活性剤 0.1質量%
(DIC株式会社製“メガファック F−533”)
バインダー:変性ポリエチレン水分散体(変性ポリエチレンA)
36.0質量%
(三井化学(株)製“ケミパールS−100”、固形分濃度20%の水希釈品、樹脂の融点:85℃)
バインダー:オキシラン環含有化合物 0.9質量%
(ナガセ化成工業(株)製“デナコールEX−930”)
塗料組成物13の溶媒組成は、水100%である。
【0176】
[塗料組成物14]
実施例14に用いる塗料組成物14を、塗料組成物1と同様の方法で、下記の材料を使用して調合した。
耐熱粒子:炭酸カルシウム 28.0質量%
(白石カルシウム(株)製“PC”)
バインダー:カルボキシメチルセルロース 1.2質量%
(ダイセル化学工業(株)製“CMCダイセル2200”)
溶媒成分:イオン交換水 21.5質量%
界面活性剤:フッ素系界面活性剤 0.1質量%
(DIC株式会社製“メガファック F−533”)
バインダー:変性ポリエチレン水分散体(変性ポリエチレンA)
48.0質量%
(三井化学(株)製“ケミパールS−100”、固形分濃度20%の水希釈品、樹脂の融点:85℃)
バインダー:オキシラン環含有化合物 1.2質量%
(ナガセ化成工業(株)製“デナコールEX−930”)
塗料組成物14の溶媒組成は、水100%である。
【0177】
[塗料組成物16]
実施例16に用いる塗料組成物16を、塗料組成物1と同様の方法で、下記の材料を使用して調合した。
耐熱粒子:炭酸カルシウム 14.0質量%
(白石カルシウム(株)製“PC”)
バインダー:カルボキシメチルセルロース 0.6質量%
(ダイセル化学工業(株)製“CMCダイセル2200”)
溶媒成分:イオン交換水 72.8質量%
バインダー:PVDF分散体 12.0質量%
(アルケマ社製“カイナーアクアテック”、固形分濃度40質量%、樹脂の融点:160℃)
バインダー:オキシラン環含有化合物 0.6質量%
(ナガセ化成工業(株)製“デナコールEX−930”)
塗料組成物16の溶媒組成は、水100%である。
【0178】
[塗料組成物17]
実施例17に用いる塗料組成物17を、塗料組成物1と同様の方法で、下記の材料を使用して調合した。
耐熱粒子:炭酸カルシウム 14.0質量%
(白石カルシウム(株)製“PC”)
バインダー:カルボキシメチルセルロース 0.6質量%
(ダイセル化学工業(株)製“CMCダイセル2200”)
溶媒成分:イオン交換水 60.8質量%
バインダー:EVA水分散体 24.0質量%
(住友ケムテックス製“スミカフレックス900HL”、固形分濃度:20質量%、樹脂の融点:50℃)
バインダー:オキシラン環含有化合物 0.6質量%
(ナガセ化成工業(株)製“デナコールEX−930”)
塗料組成物17の溶媒組成は、水100%である。
【0179】
[塗料組成物18]
実施例18に用いる塗料組成物18を、塗料組成物1と同様の方法で、下記の材料を使用して調合した。
耐熱粒子:炭酸カルシウム 17.0質量%
(白石カルシウム(株)製“PC”)
バインダー:カルボキシメチルセルロース 0.6質量%
(ダイセル化学工業(株)製“CMCダイセル2200”)
溶媒成分:イオン交換水 72.8質量%
バインダー:変性ポリエチレン水分散体(変性ポリエチレンA)
9.0質量%
(三井化学(株)製“ケミパールS−100”、固形分濃度20%の水希釈品、樹脂の融点:85℃)
バインダー:オキシラン環含有化合物 0.6質量%
(ナガセ化成工業(株)製“デナコールEX−930”)
塗料組成物18の溶媒組成は、水100%である。
【0180】
[塗料組成物19]
実施例19に用いる塗料組成物19を、塗料組成物1と同様の方法で、下記の材料を使用して調合した。
耐熱粒子:炭酸カルシウム 8.5質量%
(白石カルシウム(株)製“PC”)
バインダー:カルボキシメチルセルロース 0.3質量%
(ダイセル化学工業(株)製“CMCダイセル2200”)
溶媒成分:イオン交換水 86.4質量%
バインダー:変性ポリエチレン水分散体(変性ポリエチレンA)
5.0質量%
(三井化学(株)製“ケミパールS−100”、固形分濃度20%の水希釈品、樹脂の融点:85℃)
バインダー:オキシラン環含有化合物 0.3質量%
(ナガセ化成工業(株)製“デナコールEX−930”)
塗料組成物19の溶媒組成は、水100%である。
【0181】
[塗料組成物20]
実施例20に用いる塗料組成物20を、塗料組成物1と同様の方法で、下記の材料を使用して調合した。
耐熱粒子:炭酸カルシウム 18.0質量%
(白石カルシウム(株)製“PC”)
バインダー:カルボキシメチルセルロース 0.6質量%
(ダイセル化学工業(株)製“CMCダイセル2200”)
溶媒成分:イオン交換水 76.8質量%
バインダー:変性ポリエチレン水分散体(変性ポリエチレンA)
4.0質量%
(三井化学(株)製“ケミパールS−100”、固形分濃度20%の水希釈品、樹脂の融点:85℃)
バインダー:オキシラン環含有化合物 0.6質量%
(ナガセ化成工業(株)製“デナコールEX−930”)
塗料組成物20の溶媒組成は、水100%である。
【0182】
[塗料組成物21]
実施例21に用いる塗料組成物21を、塗料組成物1と同様の方法で、下記の材料を使用して調合した。
耐熱粒子:炭酸カルシウム 9.0質量%
(白石カルシウム(株)製“PC”)
バインダー:カルボキシメチルセルロース 0.6質量%
(ダイセル化学工業(株)製“CMCダイセル2200”)
溶媒成分:イオン交換水 48.8質量%
バインダー:変性ポリエチレン水分散体(変性ポリエチレンA)
39.0質量%
(三井化学(株)製“ケミパールS−100”、固形分濃度20%の水希釈品、樹脂の融点:85℃)
バインダー:オキシラン環含有化合物 0.6質量%
(ナガセ化成工業(株)製“デナコールEX−930”)
熱可塑性樹脂微粒子:ポリエチレン粒子水分散体 2.0質量%
(三井化学(株)製“ケミパールW−100”)
塗料組成物21の溶媒組成は、水100%である。
【0183】
[塗料組成物22]
実施例22に用いる塗料組成物22を、塗料組成物1と同様の方法で、下記の材料を使用して調合した。
耐熱粒子:炭酸カルシウム 7.4質量%
(白石カルシウム(株)製“PC”)
バインダー:カルボキシメチルセルロース 0.6質量%
(ダイセル化学工業(株)製“CMCダイセル2200”)
溶媒成分:イオン交換水 54.4質量%
バインダー:変性ポリエチレン水分散体(変性ポリエチレンA)
32.0質量%
(三井化学(株)製“ケミパールS−100”、固形分濃度20%の水希釈品、樹脂の融点:85℃)
バインダー:オキシラン環含有化合物 0.6質量%
(ナガセ化成工業(株)製“デナコールEX−930”)
熱可塑性樹脂微粒子:ポリエチレン粒子水分散体 5.0質量%
(三井化学(株)製“ケミパールW−100”)
塗料組成物22の溶媒組成は、水100%である。
【0184】
[塗料組成物23]
実施例23に用いる塗料組成物23を、塗料組成物1と同様の方法で、下記の材料を使用して調合した。
耐熱粒子:炭酸カルシウム 14.0質量%
(奥多摩工業(株)製“タマパールTP−121”)
バインダー:カルボキシメチルセルロース 0.6質量%
(ダイセル化学工業(株)製“CMCダイセル2200”)
溶媒成分:イオン交換水 60.8質量%
バインダー:変性ポリエチレン水分散体(変性ポリエチレンA)
24.0質量%
(三井化学(株)製“ケミパールS−100”、固形分濃度20%の水希釈品、樹脂の融点:85℃)
バインダー:オキシラン環含有化合物 0.6質量%
(ナガセ化成工業(株)製“デナコールEX−930”)
塗料組成物23の溶媒組成は、水100%である。
【0185】
[塗料組成物24]
実施例24に用いる塗料組成物24を、塗料組成物1と同様の方法で、下記の材料を使用して調合した。
耐熱粒子:擬ベーマイト(日揮触媒化成(株)製) 14.0質量%
バインダー:カルボキシメチルセルロース 0.6質量%
(ダイセル化学工業(株)製“CMCダイセル2200”)
溶媒成分:イオン交換水 60.8質量%
バインダー:変性ポリエチレン水分散体 24.0質量%
(ユニチカ(株)製“アローベースSE−1010”、固形分濃度20質量%)
バインダー:オキシラン環含有化合物 0.6質量%
(ナガセ化成工業(株)製“デナコールEX−930”)
塗料組成物24の溶媒組成は、水100%である。
【0186】
[塗料組成物25]
比較例1に用いる塗料組成物25を、塗料組成物1と同様の方法で、下記の材料を使用して調合した。
耐熱粒子:ウォラスナイト(原田産業(株)製) 14.0質量%
バインダー:カルボキシメチルセルロース 0.6質量%
(ダイセル化学工業(株)製“CMCダイセル2200”)
溶媒成分:イオン交換水 60.8質量%
バインダー:変性ポリエチレン水分散体(変性ポリエチレンA)
24.0質量%
(三井化学(株)製“ケミパールS−100”、固形分濃度20%の水希釈品、樹脂の融点:85℃)
バインダー:オキシラン環含有化合物 0.6質量%
(ナガセ化成工業(株)製“デナコールEX−930”)
塗料組成物25の溶媒組成は、水100%である。
【0187】
[塗料組成物26]
比較例2に用いる塗料組成物26を、塗料組成物1と同様の方法で、下記の材料を使用して調合した。
耐熱粒子:チタン酸カリウム 14.0質量%
(大塚化学(株)製“ティスモD”)
バインダー:カルボキシメチルセルロース 0.6質量%
(ダイセル化学工業(株)製“CMCダイセル2200”)
溶媒成分:イオン交換水 60.8質量%
バインダー:変性ポリエチレン水分散体(変性ポリエチレンA)
24.0質量%
(三井化学(株)製“ケミパールS−100”、固形分濃度20%の水希釈品、樹脂の融点:85℃)
バインダー:オキシラン環含有化合物 0.6質量%
(ナガセ化成工業(株)製“デナコールEX−930”)
塗料組成物26の溶媒組成は、水100%である。
【0188】
[塗料組成物27]
比較例3に用いる塗料組成物27を、塗料組成物1と同様の方法で、下記の材料を使用して調合した。
耐熱粒子:炭酸カルシウム 14.0質量%
(東洋ファインケミカル(株)製“P−50”)
バインダー:カルボキシメチルセルロース 0.6質量%
(ダイセル化学工業(株)製“CMCダイセル2200”)
溶媒成分:イオン交換水 60.8質量%
バインダー:変性ポリエチレン水分散体(変性ポリエチレンA)
24.0質量%
(三井化学(株)製“ケミパールS−100”、固形分濃度20%の水希釈品、樹脂の融点:85℃)
バインダー:オキシラン環含有化合物 0.6質量%
(ナガセ化成工業(株)製“デナコールEX−930”)
塗料組成物27の溶媒組成は、水100%である。
【0189】
[塗料組成物28]
比較例4に用いる塗料組成物28を、塗料組成物1と同様の方法で、下記の材料を使用して調合した。
耐熱粒子:シリカ 14.0質量%
(富士シリシア(株)製“サイシリア350”)
バインダー:カルボキシメチルセルロース 0.6質量%
(ダイセル化学工業(株)製“CMCダイセル2200”)
溶媒成分:イオン交換水 60.8質量%
バインダー:変性ポリエチレン水分散体(変性ポリエチレンA)
24.0質量%
(三井化学(株)製“ケミパールS−100”、固形分濃度20%の水希釈品、樹脂の融点:85℃)
バインダー:オキシラン環含有化合物 0.6質量%
(ナガセ化成工業(株)製“デナコールEX−930”)
塗料組成物28の溶媒組成は、水100%である。
【0190】
[塗料組成物29]
比較例5に用いる塗料組成物29を、塗料組成物1と同様の方法で、下記の材料を使用して調合した。
耐熱粒子:アルミナシリケート 14.0質量%
(白石カルシウム(株)製“オプチホワイトMX”)
バインダー:カルボキシメチルセルロース 0.6質量%
(ダイセル化学工業(株)製“CMCダイセル2200”)
溶媒成分:イオン交換水 60.8質量%
バインダー:変性ポリエチレン水分散体(変性ポリエチレンA)
24.0質量%
(三井化学(株)製“ケミパールS−100”、固形分濃度20%の水希釈品、樹脂の融点:85℃)
バインダー:オキシラン環含有化合物 0.6質量%
(ナガセ化成工業(株)製“デナコールEX−930”)
塗料組成物29の溶媒組成は、水100%である。
【0191】
[塗料組成物30]
実施例25に用いる塗料組成物30を、塗料組成物1と同様の方法で、下記の材料を使用して調合した。
耐熱粒子:炭酸カルシウム 14.0質量%
(白石カルシウム(株)製“PC”)
バインダー:カルボキシメチルセルロース 0.6質量%
(ダイセル化学工業(株)製“CMCダイセル2200”)
溶媒成分:イオン交換水 60.8質量%
バインダー:変性ポリエチレン水分散体(変性ポリエチレンB)
24.0質量%
(三井化学(株)製“ケミパールM−200”、固形分濃度20%の水希釈品、樹脂の融点:90℃)
バインダー:オキシラン環含有化合物 0.6質量%
(ナガセ化成工業(株)製“デナコールEX−930”)
塗料組成物30の溶媒組成は、水100%である。
【0192】
[塗料組成物31]
実施例26に用いる塗料組成物31を、塗料組成物1と同様の方法で、下記の材料を使用して調合した。
耐熱粒子:炭酸カルシウム 14.0質量%
(白石カルシウム(株)製“PC”)
バインダー:カルボキシメチルセルロース 0.6質量%
(ダイセル化学工業(株)製“CMCダイセル2200”)
溶媒成分:イオン交換水 60.8質量%
バインダー:変性ポリエチレン水分散体(変性ポリエチレンC)
24.0質量%
(中京油脂(株)製、固形分濃度:20質量%、樹脂の融点:95℃)
バインダー:オキシラン環含有化合物 0.6質量%
(ナガセ化成工業(株)製“デナコールEX−930”)
塗料組成物31の溶媒組成は、水100%である。
【0193】
[塗料組成物32]
実施例27に用いる塗料組成物32を、塗料組成物1と同様の方法で、下記の材料を使用して調合した。
耐熱粒子:炭酸カルシウム 14.0質量%
(白石カルシウム(株)製“PC”)
バインダー:カルボキシメチルセルロース 0.6質量%
(ダイセル化学工業(株)製“CMCダイセル2200”)
溶媒成分:イオン交換水 60.8質量%
バインダー:変性ポリエチレン水分散体(変性ポリエチレンD)
24.0質量%
(三井化学(株)製“ケミパールW−310”、固形分濃度20%の水希釈品、樹脂の融点:147℃)
バインダー:オキシラン環含有化合物 0.6質量%
(ナガセ化成工業(株)製“デナコールEX−930”)
塗料組成物32の溶媒組成は、水100%である。
【0194】
[塗料組成物33]
実施例28に用いる塗料組成物33を、塗料組成物1と同様の方法で、下記の材料を使用して調合した。
耐熱粒子:炭酸カルシウム 14.0質量%
(白石カルシウム(株)製“PC”)
バインダー:カルボキシメチルセルロース 0.6質量%
(ダイセル化学工業(株)製“CMCダイセル2200”)
溶媒成分:イオン交換水 60.8質量%
バインダー:変性ポリプロピレン水分散体(変性ポリプロピレン)
24.0質量%
(三井化学(株)製“ケミパールWP−100”、固形分濃度20%の水希釈品、樹脂の融点:158℃)
バインダー:オキシラン環含有化合物 0.6質量%
(ナガセ化成工業(株)製“デナコールEX−930”)
塗料組成物33の溶媒組成は、水100%である。
【0195】
[塗料組成物34]
実施例29に用いる塗料組成物34を、塗料組成物1と同様の方法で、下記の材料を使用して調合した。
耐熱粒子:炭酸カルシウム 14.0質量%
(白石カルシウム(株)製“PC”の微細化粒子)
バインダー:カルボキシメチルセルロース 0.6質量%
(ダイセル化学工業(株)製“CMCダイセル2200”)
溶媒成分:イオン交換水 60.8質量%
バインダー:変性ポリエチレン水分散体(変性ポリエチレンA)
24.0質量%
(三井化学(株)製“ケミパールS−100”、固形分濃度20%の水希釈品、樹脂の融点:85℃)
バインダー:オキシラン環含有化合物 0.6質量%
(ナガセ化成工業(株)製“デナコールEX−930”)
塗料組成物34の溶媒組成は、水100%である。
【0196】
塗料組成物34で使用した微細化粒子の製造方法を以下に示す。
炭酸カルシウム(白石カルシウム(株)製“PC”、1次粒径:3.2μm)をジェットミル(アシザワファインテック(株)製“LMZ”)を用いて、分散処理を行い、平均粒径0.4μmの微細化粒子を得た。分散条件は、仕込み量:500ml、循環回数:10回/hr、ビーズ径:0.5mm(ビーズ材質:ジルコニア)にて実施した。
【0197】
[ポリオレフィン系多孔フィルムの製造方法]
実施例1〜29および比較例1〜5で使用したポリオレフィン系多孔フィルムAの製造方法を以下に示す。
【0198】
ポリオレフィン系多孔フィルムの原料樹脂として、ホモポリプロピレン(住友化学(株)製“FLX80E4”、以下、PP−1と表記)94.45質量%、エチレン−オクテン−1共重合体(ダウ・ケミカル製“Engage8411”、メルトインデックス:18g/10分、以下、PE−1と表記)5質量%、β晶核剤であるN,N’−ジシクロヘキシル−2,6−ナフタレンジカルボキシアミド(新日本理化(株)製“Nu−100”、以下、単にβ晶核剤と表記)0.3質量%、酸化防止剤であるチバ・スペシャリティ・ケミカルズ製“IRGANOX1010”を0.15質量%および“IRGAFOS168”を0.1質量%、をこの比率で混合されるように計量ホッパーから二軸押出機に原料供給し、300℃で溶融混練を行い、ストランド状にダイから吐出して、25℃の水槽にて冷却固化し、チップ状にカットしてチップ原料とした。
【0199】
このチップを単軸押出機に供給して220℃で溶融押出を行い、25μmカットの焼結フィルターで異物を除去した後、溶融材料をTダイから120℃に表面温度を制御したキャストドラムに吐出し、ドラムに15秒間接するようにキャストして未延伸シート(フィルム)を得た。次いで、120℃に加熱したセラミックロールを用いて予熱を行い、該フィルムを長手方向に4.5倍に延伸した。さらに、該フィルムを一旦冷却した後、テンター式延伸機にフィルムの端部をクリップで把持させて導入し、145℃で6倍に延伸した。そのまま、幅方向に10%のリラックスを該フィルムに掛けながら155℃で6秒間の熱処理を行い、厚み23μmの多孔フィルムを得た。得られた多孔フィルムの透気度は221s/100ml、表面の平均孔径比は1.0、β晶形成能は75%であった。
【0200】
実施例30で使用したポリオレフィン系多孔フィルムBの製造方法を以下に示す。
ポリプロピレン(住友化学(株)製“FLX80E4”)51.85質量%、プロピレンコポリマー(三井化学(株)製“タフマーXM”)47.8質量%、酸化防止剤であるチバ・スペシャリティ・ケミカルズ製“IRGANOX1010”を0.15質量%および“IRGAFOS168”を0.1質量%、ステアリン酸カルシウムを0.1質量%、を配合し、ヘンシェルミキサー(商品名)で混合した後、計量ホッパーから二軸押出機に原料供給し、300℃で溶融混練を行い、ストランド状にダイから吐出して、25℃の水槽にて冷却固化し、チップ状にカットしてチップ原料とした。
【0201】
このチップ原料を、リップ幅120mmのTダイを装備した20mm押出機に供給し、押出温度280℃、吐出量4kg/hで溶融し、Tダイのリップから膜状に押出し、溶融材料の厚みをTダイのリップのクリアランスで制御し、80℃のキャストドラムにおいて、ドラムとの非接触面をエアーナイフで空冷しながら固化し、幅100mm、厚さ200μmの未延伸シートを作成した。この未延伸シートを、フィルムストレッチャーを用いて縦方向(MD方向)を拘束しながら、延伸温度23℃、変形速度200%/秒、延伸倍率5.5倍の条件で横方向(TD方向)に延伸した後、さらに、延伸温度100℃、変形速度1,000%/秒、延伸倍率5倍の条件で縦方向(MD方向)に延伸して、厚み15μmのポリオレフィン系多孔フィルムを得た。得られた多孔フィルムの透気抵抗は230s/100ml、表面の平均孔径は8.5、β晶形成能は30%以下であった。
【0202】
[多孔層を有する蓄電デバイス用セパレータの形成方法]
実施例1〜29および比較例1〜5においては、基材として上記ポリオレフィン系多孔フィルムAを用いた。また実施例30においては、基材として上記ポリオレフィン系多孔フィルムBを用いた。これらの基材に対し、塗料組成物1〜34を自転−公転型脱泡装置(株式会社シンキー製“ARE−500”)を用いて脱泡した後、搬送速度10m/minの条件でダイコーターを有する連続塗工装置を用い、乾燥後の膜厚が5μmになる条件で上記基材上に塗工した。塗工後、下記条件の下で連続的に乾燥を行い、多孔層を有する蓄電デバイス用セパレータを得た。
送風温湿度: 温度 100℃、相対湿度 1%
風速: 塗工面側 5m/s、反塗工面側 5m/s
風向: 塗工面側 基材に対して垂直、反塗工面側:基材に対して垂直
乾燥時間: 1分間
なお、風速は熱線式風速計(日本カノマックス株式会社製、アネモマスター風速・風量計 MODEL6034)による測定値を使用した。
【0203】
以上の方法により作製した実施例1〜30および比較例1〜5の多孔質積層フィルムおよび蓄電デバイス用セパレータに関する測定および評価結果は、次のとおりである。
【表1】
【0204】
【表2】
【0205】
【表3】
【0206】
【表4】
【0207】
以上説明したように、本実施の形態に係る多孔質積層フィルムにおいては、ポリオレフィン系多孔フィルムに多孔層を設けることで耐熱性を付与することができると共に、平面性および透気抵抗の低化を抑制することができる。このような多孔性積層フィルムは、例えば非水電解質二次電池であるリチウムイオン電池等の種々の蓄電デバイスのセパレータとして好適に用いることが可能となる。本実施の形態に係る多孔性積層フィルムをセパレータとして用いた場合、蓄電デバイスにおいて、優れた電池性能と安全性を高いレベルで両立することが可能となる。