特許第5835232号(P5835232)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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特許5835232変性共役ジエン系ゴム、その製造方法、及びゴム組成物
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5835232
(24)【登録日】2015年11月13日
(45)【発行日】2015年12月24日
(54)【発明の名称】変性共役ジエン系ゴム、その製造方法、及びゴム組成物
(51)【国際特許分類】
   C08C 19/25 20060101AFI20151203BHJP
   C08F 8/42 20060101ALI20151203BHJP
   C08L 15/00 20060101ALI20151203BHJP
   C08K 3/04 20060101ALI20151203BHJP
   C08K 3/36 20060101ALI20151203BHJP
   B60C 1/00 20060101ALI20151203BHJP
【FI】
   C08C19/25
   C08F8/42
   C08L15/00
   C08K3/04
   C08K3/36
   B60C1/00 A
【請求項の数】13
【全頁数】43
(21)【出願番号】特願2012-552744(P2012-552744)
(86)(22)【出願日】2012年1月11日
(86)【国際出願番号】JP2012050364
(87)【国際公開番号】WO2012096300
(87)【国際公開日】20120719
【審査請求日】2014年7月3日
(31)【優先権主張番号】特願2011-4105(P2011-4105)
(32)【優先日】2011年1月12日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000004178
【氏名又は名称】JSR株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103539
【弁理士】
【氏名又は名称】衡田 直行
(74)【代理人】
【識別番号】100162145
【弁理士】
【氏名又は名称】村地 俊弥
(72)【発明者】
【氏名】田中 了司
【審査官】 上前 明梨
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2008/004686(WO,A1)
【文献】 特開2001−139633(JP,A)
【文献】 特開2002−037976(JP,A)
【文献】 特開2002−212227(JP,A)
【文献】 特開平11−166020(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08C 19/00−19/44
C08F 6/00−246/00
C08F 301/00
B60C 1/00
C08L 1/00−101/14
C08K 3/00−13/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)共役ジエン系化合物、又は共役ジエン系化合物と芳香族ビニル化合物を重合して得られるアルカリ金属もしくはアルカリ土類金属活性末端を有する共役ジエン系重合体と、下記官能基(a)及び(b)を有する第一のヒドロカルビルオキシシラン化合物を反応させて、変性共役ジエン系ゴムを得る工程を含む、変性共役ジエン系ゴムの製造方法。
官能基(a);アルキルポリエーテル基
官能基(b);オニウムになり得る基
【請求項2】
前記官能基(b)が、1級アミノ基の2つの水素原子が2つの保護基によって置換されてなる窒素含有基、2級アミノ基の1つの水素原子が1つの保護基によって置換されてなる窒素含有基、3級アミノ基、イミノ基、ピリジル基、1級ホスフィノ基の2つの水素原子が2つの保護基によって置換されてなるリン含有基、2級ホスフィノ基の1つの水素原子が1つの保護基によって置換されてなるリン含有基、3級ホスフィノ基、及び、チオールの1つの水素原子が1つの保護基によって置換されてなる硫黄含有基、からなる群より選ばれる1種以上の官能基である、請求項1に記載の変性共役ジエン系ゴムの製造方法。
【請求項3】
前記第一のヒドロカルビルオキシシラン化合物が、下記一般式(I)で表されるシラン化合物である、請求項1または2に記載の変性共役ジエン系ゴムの製造方法。
【化1】
(式中、Rは一般式−O−(R−O)−Rで表されるアルキルポリエーテル基である。ここでRは複数存在する場合に同じか又は異なり、かつ炭素数1〜30の炭化水素基である。mは平均で1〜30である。Rは炭素数1〜30の炭化水素基である。RはRと同じか、炭素数1〜12のアルキル基、又はRO−で表される基である。ここでRは炭素数1〜30の炭化水素基、又は(RSi−で表される基である。ここでRは炭素数1〜30のアルキル基、又はアルケニル基である。Rは炭素数1〜30の炭化水素基である。Rは炭素数1〜30の炭化水素基である。Xは活性水素を有さないか又は活性水素が保護基により置換された窒素含有基、リン含有基、又は硫黄含有基であって、窒素含有基、リン含有基、又は硫黄含有基中に各々含まれる、窒素、リン、又は硫黄原子の少なくとも1つがRと結合している。)
【請求項4】
工程(A)の後に、下記工程(B)〜(D)からなる群より選ばれる少なくとも1種の工程を含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の変性共役ジエン系ゴムの製造方法。
(B)前工程で得られた変性共役ジエン系ゴムと、オニウム生成剤を混合する工程
(C)前工程で得られた変性共役ジエン系ゴムと、ヒドロカルビルオキシシラン化合物を縮合させるための金属元素を含有する触媒を混合する工程
(D)前工程で得られた変性共役ジエン系ゴムと、オニウムになり得る基を有する第二のヒドロカルビルオキシシラン化合物を混合する工程
【請求項5】
前記オニウム生成剤が、ハロゲン化ケイ素化合物、ハロゲン化スズ化合物、ハロゲン化アルミニウム化合物、ハロゲン化チタン化合物、ハロゲン化ジルコニウム化合物、ハロゲン化ゲルマニウム化合物、ハロゲン化ガリウム化合物、ハロゲン化亜鉛化合物、硫酸エステル、リン酸エステル、カルボン酸、及び、スルホン酸、からなる群より選ばれる1種以上である請求項4に記載の変性共役ジエン系ゴムの製造方法。
【請求項6】
前記金属元素を含有する触媒が、周期律表の4族、12族、13族、14族、及び15族に含まれる金属元素のうち少なくとも一つの金属元素を含有する金属化合物である請求項4または5に記載の変性共役ジエン系ゴムの製造方法。
【請求項7】
前記金属元素を含有する触媒として、前記金属元素のアルコキシド、カルボン酸塩、又はアセチルアセトナート錯塩を用いる請求項6に記載の変性共役ジエン系ゴムの製造方法。
【請求項8】
少なくとも前記工程(D)を含み、かつ、前記第二のヒドロカルビルオキシシラン化合物のオニウムになり得る基が、1級アミノ基、2級アミノ基、3級アミノ基、イミノ基、ピリジル基、1級ホスフィノ基、2級ホスフィノ基、3級ホスフィノ基、及び、チオール基、からなる群より選ばれる1種以上である請求項4〜7のいずれか1項に記載の変性共役ジエン系ゴムの製造方法。
【請求項9】
さらに、水を接触させる工程を含む請求項1〜8のいずれか1項に記載の変性共役ジエン系ゴムの製造方法。
【請求項10】
末端に、アルキルポリエーテル基及びオニウムになり得る基を有する第一のヒドロカルビルオキシシラン化合物に由来する構造を有する変性共役ジエン系ゴム。
【請求項11】
請求項10に記載の変性共役ジエン系ゴムと、シリカ及び/又はカーボンブラックと、架橋剤を含む、ゴム組成物。
【請求項12】
請求項11に記載のゴム組成物を架橋させてなる架橋ゴム。
【請求項13】
請求項12に記載の架橋ゴムを有するタイヤ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、変性共役ジエン系ゴム、その製造方法、及び、変性共役ジエン系ゴムを含むゴム組成物に関する。更に詳しくは、引張強度、耐摩耗性、ウェットスキッド抵抗性及び、低ヒステリシスロス特性に優れた架橋ゴムを製造することが可能な変性共役ジエン系ゴムの製造方法、このような製造方法によって得られた形状保持性に優れた変性共役ジエン系ゴム、該変性共役ジエン系ゴムを含むゴム組成物、及び、該ゴム組成物を架橋(例えば、加硫)させてなる架橋ゴム(例えば、加硫ゴム)に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車タイヤ用ゴムとして、乳化重合法によって得られる共役ジエン系ゴム(例えば、スチレン−ブタジエン共重合体)が知られている。近年、自動車の低燃費性能の向上が期待される中で、優れた低燃費性能を実現しうる種々の共役ジエン系ゴムが提案されている。
一例として、(1)共役ジオレフィンあるいは共役ジオレフィンと芳香族ビニル化合物の(共)重合ゴムであって、(2)(共)重合体鎖に結合した第1級アミノ基とアルコキシシリル基とを有し、かつ(3)(共)重合体鎖中に2官能性以上のモノマーが共重合されているか、および/または、2官能性以上のカップリング剤で(共)重合体鎖の少なくとも一部がカップリングされている、ことを特徴とする共役ジオレフィン(共)重合ゴム、及び該共役ジオレフィン(共)重合体を含有するゴム組成物が提案されている(特許文献1)。
他の例として、アルカリ金属触媒の存在下、炭化水素溶媒中で、共役ジエンモノマー、又は、共役ジエンモノマーと芳香族ビニルモノマーとを重合させ、アルカリ金属末端を有する活性重合体を得る工程1と、該活性重合体と、特定の式で表される化合物とを反応させて、変性重合体ゴムを得る工程2から得られる、変性ジエン系重合体ゴム、及び該変性ジエン系重合体ゴムを含有するゴム組成物が提案されている(特許文献2)。
また、シリカ及びカーボンブラックとの相互作用を高め、破壊特性、耐摩耗性、低発熱性を向上させることができる変性重合体を製造する方法として、有機金属の活性部位を分子中に有する重合体の該活性部位にヒドロカルビルオキシシラン化合物を反応させる第一次変性反応を行い、その後さらにヒドロカルビルオキシシリル基同士の縮合反応を経由して、ヒドロカルビルオキシシラン化合物を反応させる第二次変性反応を行う方法、及び該方法により得られた変性重合体を含むゴム組成物が提案されている(特許文献3)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−18795号公報
【特許文献2】特開2005−290355号公報
【特許文献3】WO 03/048216 A1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前述のとおり、自動車の優れた低燃費性能を実現しうる種々の共役ジエン系ゴム、及び該共役ジエン系ゴムを用いたゴム組成物が提案されている。しかし、ガソリンの価格高騰等の経済事情、二酸化炭素の排出を初めとする環境事情下において、自動車のさらなる低燃費化が期待されている。
そこで、本発明は、自動車タイヤ等の用途に用いることができ、自動車等の低燃費性能を高めることができる架橋ゴムの原料として用いうる変性共役ジエン系ゴム、及び、その製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、アルカリ金属もしくはアルカリ土類金属活性末端を有する共役ジエン系重合体と、特定のヒドロカルビルオキシシラン化合物を反応させることによって、低ヒステリシスロス特性に優れるなどの物性が付与され、その結果、自動車タイヤ等に用いた場合に優れた低燃費性能及び操縦安定性を与えることが可能な変性共役ジエン系ゴムを製造しうることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、以下の[1]〜[13]を提供するものである。
[1] (A)共役ジエン系化合物、又は共役ジエン系化合物と芳香族ビニル化合物を重合して得られるアルカリ金属もしくはアルカリ土類金属活性末端を有する共役ジエン系重合体と、下記官能基(a)及び(b)を有する第一のヒドロカルビルオキシシラン化合物を反応させて、変性共役ジエン系ゴムを得る工程を含む、変性共役ジエン系ゴムの製造方法。
官能基(a);アルキルポリエーテル基
官能基(b);オニウムになり得る基
[2] 前記官能基(b)が、1級アミノ基の2つの水素原子が2つの保護基によって置換されてなる窒素含有基、2級アミノ基の1つの水素原子が1つの保護基によって置換されてなる窒素含有基、3級アミノ基、イミノ基、ピリジル基、1級ホスフィノ基の2つの水素原子が2つの保護基によって置換されてなるリン含有基、2級ホスフィノ基の1つの水素原子が1つの保護基によって置換されてなるリン含有基、3級ホスフィノ基、及び、チオールの1つの水素原子が1つの保護基によって置換されてなる硫黄含有基、からなる群より選ばれる1種以上の官能基である、前記[1]に記載の変性共役ジエン系ゴムの製造方法。
[3] 前記第一のヒドロカルビルオキシシラン化合物が、下記一般式(I)で表されるシラン化合物である、前記[1]または[2]に記載の変性共役ジエン系ゴムの製造方法。
【化1】
(式中、Rは一般式−O−(R−O)−Rで表されるアルキルポリエーテル基である。ここでRは複数存在する場合に同じか又は異なり、かつ炭素数1〜30の炭化水素基である。mは平均で1〜30である。Rは炭素数1〜30の炭化水素基である。RはRと同じか、炭素数1〜12のアルキル基、又はRO−で表される基である。ここでRは炭素数1〜30の炭化水素基、又は(RSi−で表される基である。ここでRは炭素数1〜30のアルキル基、又はアルケニル基である。Rは炭素数1〜30の炭化水素基である。Rは炭素数1〜30の炭化水素基である。Xは活性水素を有さないか又は活性水素が保護基により置換された窒素含有基、リン含有基、又は硫黄含有基であって、窒素含有基、リン含有基、又は硫黄含有基中に各々含まれる、窒素、リン、又は硫黄原子の少なくとも1つがRと結合している。)
[4] 工程(A)の後に、下記工程(B)〜(D)からなる群より選ばれる少なくとも1種の工程を含む、前記[1]〜[3]のいずれかに記載の変性共役ジエン系ゴムの製造方法。
(B)前工程で得られた変性共役ジエン系ゴムと、オニウム生成剤を混合する工程
(C)前工程で得られた変性共役ジエン系ゴムと、ヒドロカルビルオキシシラン化合物を縮合させるための金属元素を含有する触媒を混合する工程
(D)前工程で得られた変性共役ジエン系ゴムと、オニウムになり得る基を有する第二のヒドロカルビルオキシシラン化合物を混合する工程
[5] 前記オニウム生成剤が、ハロゲン化ケイ素化合物、ハロゲン化スズ化合物、ハロゲン化アルミニウム化合物、ハロゲン化チタン化合物、ハロゲン化ジルコニウム化合物、ハロゲン化ゲルマニウム化合物、ハロゲン化ガリウム化合物、ハロゲン化亜鉛化合物、硫酸エステル、リン酸エステル、カルボン酸、及び、スルホン酸、からなる群より選ばれる1種以上である前記[4]に記載の変性共役ジエン系ゴムの製造方法。
[6] 前記金属元素を含有する触媒が、周期律表の4族、12族、13族、14族、及び15族に含まれる金属元素のうち少なくとも一つの金属元素を含有する金属化合物である前記[4]または[5]に記載の変性共役ジエン系ゴムの製造方法。
[7] 前記金属元素を含有する触媒として、前記金属元素のアルコキシド、カルボン酸塩、又はアセチルアセトナート錯塩を用いる[6]に記載の変性共役ジエン系ゴムの製造方法。
[8] 少なくとも前記工程(D)を含み、かつ、前記第二のヒドロカルビルオキシシラン化合物のオニウムになり得る基が、1級アミノ基、2級アミノ基、3級アミノ基、イミノ基、ピリジル基、1級ホスフィノ基、2級ホスフィノ基、3級ホスフィノ基、及び、チオール基、からなる群より選ばれる1種以上である前記[4]〜[7]のいずれかに記載の変性共役ジエン系ゴムの製造方法。
[9] さらに、水を接触させる工程を含む前記[1]〜[8]のいずれかに記載の変性共役ジエン系ゴムの製造方法。
[10] 末端に、アルキルポリエーテル基及びオニウムになり得る基を有する第一のヒドロカルビルオキシシラン化合物に由来する構造を有する変性共役ジエン系ゴム。
[11] 前記[10]に記載の変性共役ジエン系ゴムと、シリカ及び/又はカーボンブラックと、架橋剤を含む、ゴム組成物。
[12] 前記[11]に記載のゴム組成物を架橋させてなる架橋ゴム。
[13] 前記[12]に記載の架橋ゴムを有するタイヤ。
【発明の効果】
【0006】
本発明の製造方法によれば、引張強度、耐摩耗性、ウェットスキッド抵抗性、及び低ヒステリシス特性に優れた架橋ゴムを製造することが可能な、形状保持性に優れた変性共役ジエン系ゴムを得ることできる。
前記変性共役ジエン系ゴムを用いて製造される架橋ゴムは、ウェットスキッド抵抗性に優れることから、自動車のタイヤ等の用途に用いることで、自動車等の操縦安定性を向上させることができる。
また、前記変性共役ジエン系ゴムを用いて製造される架橋ゴムは、耐摩耗性、及び低ヒステリシス特性に優れることから、自動車タイヤの等の用途に用いることで、自動車等の低燃費性能を向上させることができる。
【発明を実施するための形態】
【0007】
[工程(A)]
本発明の変性共役ジエン系ゴムの製造方法は、(A)共役ジエン系化合物、又は共役ジエン系化合物と芳香族ビニル化合物を重合して得られるアルカリ金属もしくはアルカリ土類金属活性末端を有する共役ジエン系重合体と、アルキルポリエーテル基(以下、「官能基(a)」ともいう。)、及びオニウムになり得る基(以下、「官能基(b)」ともいう。)、を有する第一のヒドロカルビルオキシシラン化合物を反応させる工程を含むものである。
工程(A)によって共役ジエン系重合体が変性した、変性共役ジエン系重合体を得ることができる。
なお、本明細書において、変性共役ジエン系ゴムとは、上記変性共役ジエン系重合体からなるゴム、または上記変性共役ジエン系重合体と、後述するオニウム生成剤、金属元素を含有する触媒、及び第二のヒドロカルビルオキシシラン化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種以上を混合して得られるゴムである。
【0008】
アルカリ金属もしくはアルカリ土類金属活性末端を有する共役ジエン系重合体としては、共役ジエン系化合物を単独で重合、または、共役ジエン系化合物と芳香族ビニル化合物を共重合させてなるアニオン重合体を挙げることができる。
【0009】
共役ジエン系重合体の製造方法については、上記したようにアルカリ金属もしくはアルカリ土類金属系の重合開始剤(以下、「重合開始剤」ともいう。)によってアニオン重合させること以外については特に制限はない。例えば、重合法については、溶液重合法、気相重合法、バルク重合法のいずれも用いることができるが、特に、溶液重合法を用いることが好ましい。また、重合形式は、回分式及び連続式のいずれであってもよい。また、共役ジエン系重合体の分子中に存在する活性部位の金属原子は、アルカリ金属もしくはアルカリ土類金属であり、好ましくはリチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、バリウムであり、特に好ましくはリチウムである。これらのアルカリ金属もしくはアルカリ土類金属は、第一のヒドロカルビルオキシシラン化合物と反応可能な金属活性末端を有する共役ジエン系重合体を得ることが可能であると言う観点から、いずれも同様の作用を有するものであり、後述の実施例に記載されていないものであっても、本発明において使用することが可能である。
更には、官能基含有モノマーを混在させ、ポリマー中の官能基をアルカリ金属系開始剤によって活性化することも有効である。例えば、イソブチレン単位、パラメチルスチレン単位又はパラハロゲン化メチルスチレン単位を含む共重合体の官能基部分をリチオ化して活性部位とすることも有効である。
【0010】
共役ジエン系化合物(以下、「共役ジエン系モノマー」ともいう。)としては、例えば、1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエン、1,3−ヘプタジエン、2,3−ジメチルブタジエン、2−フェニル−1,3−ブタジエン、3−メチル−1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエン、2−クロロ−1,3−ブタジエン等を好適に用いることができる。これらは単独で用いてもよく、二種以上組み合わせて用いてもよい。これらの化合物の中で、1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン等を特に好適に用いることができる。これらの共役ジエン系モノマーは、第一のヒドロカルビルオキシシラン化合物と反応可能な金属活性末端を有する共役ジエン系重合体を得ることが可能であると言う観点から、いずれも同様の作用を有するものであり、後述の実施例に記載されていないものであっても、本発明において使用することが可能である。
【0011】
芳香族ビニル化合物としては、例えば、スチレン、2−メチルスチレン、3−メチルスチレン、4−メチルスチレン、α−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、2,4−ジイソプロピルスチレン、4−tert−ブチルスチレン、5−t−ブチル−2−メチルスチレン、ビニルエチルベンゼン、ジビニルベンゼン、トリビニルベンゼン、ジビニルナフタレン、tert−ブトキシスチレン、ビニルベンジルジメチルアミン、(4−ビニルベンジル)ジメチルアミノエチルエーテル、N,N−ジメチルアミノメチルスチレン、N,N−ジメチルアミノエチルスチレン、2−エチルスチレン、3−エチルスチレン、4−エチルスチレン、2−t−ブチルスチレン、3−t−ブチルスチレン、4−t−ブチルスチレン、ビニルキシレン、ビニルナフタレン、ビニルトルエン、ビニルピリジン、ジフェニルエチレン、3級アミノ基含有ジフェニルエチレン等を好適に用いることができる。これらは単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。これらの化合物の中で、スチレンが特に好ましい。これらの芳香族ビニル化合物は、第一のヒドロカルビルオキシシラン化合物と反応可能な金属活性末端を有する共役ジエン系重合体を得ることが可能であると言う観点から、いずれも同様の作用を有するものであり、後述の実施例に記載されていないものであっても、本発明において使用することが可能である。
【0012】
更に、共役ジエン系モノマーと芳香族ビニル化合物とを用いて共重合を行う場合、それぞれ1,3−ブタジエンとスチレンとを使用することが好ましい。これらのモノマーは、入手が容易であるとともに、アニオン重合におけるリビング性が高いという点において優れている。また、溶液重合法を用いた場合には、溶媒中のモノマー濃度は、生産性と重合コントロールの容易性のバランスを維持する観点から、好ましくは5〜50質量%、より好ましくは10〜30質量%である。なお、共役ジエン系モノマーと芳香族ビニル化合物を用いて共重合を行う場合、仕込みモノマー混合物中の芳香族ビニル化合物の含量は、得られる架橋ゴムの低ヒステリシスロス特性とウェットスキッド抵抗性のバランスを維持する観点から、好ましくは3〜55質量%であり、より好ましくは5〜50質量%である。
【0013】
アルカリ金属もしくはアルカリ土類金属系の重合開始剤として用いられる化合物としては、アルキルリチウム、アルキレンジリチウム、リチウムアルキレンイミド、リチウムジアルキルアミド、フェニルリチウム、スチルベンリチウム、リチウムナフタレン、ナトリウムナフタレン、カリウムナフタレン、n−ブチルマグネシウム、n−ヘキシルマグネシウム、エトキシカルシウム、ステアリン酸カルシウム、t−ブトキシストロンチウム、エトキシバリウム、イソプロポキシバリウム、エチルメルカプトバリウム、t−ブトキシバリウム、フェノキシバリウム、ジエチルアミノバリウム、ステアリン酸バリウム、ケチルバリウム、ナトリウムビフェニル、カリウム−テトラヒドロフラン錯体、カリウムジエトキシエタン錯体、α−メチルスチレンテトラマーのナトリウム塩等を挙げることができる。中でも、アルキルリチウム等の有機リチウム化合物、及びリチウムアルキレンイミド等のリチウムアミド化合物を好適例として挙げることができる。前者の有機リチウム化合物を用いる場合には、重合開始末端に炭化水素基を有し、かつ他方の末端が重合活性部位である共役ジエン系重合体が得られる。また、後者のリチウムアミド化合物を用いる場合には、重合開始末端に窒素含有基を有し、他方の末端が重合活性部位である共役ジエン系重合体が得られる。これらのアルカリ金属もしくはアルカリ土類金属系の重合開始剤は、第一のヒドロカルビルオキシシラン化合物と反応可能な金属活性末端を有する共役ジエン系重合体を得ることが可能であると言う観点から、いずれも同様の作用を有するものであり、後述の実施例に記載されていないものであっても、本発明において使用することが可能である。
【0014】
上記有機リチウム化合物としては、炭素数1〜20の炭化水素基を有するものが好ましく、例えば、メチルリチウム、エチルリチウム、n−プロピルリチウム、iso−プロピルリチウム、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、tert−オクチルリチウム、n−デシルリチウム、フェニルリチウム、2−ナフチルリチウム、2−ブチル−フェニルリチウム、4−フェニル−ブチルリチウム、シクロヘキシルリチウム、ジイソプロペニルベンゼンとブチルリチウムとの反応生成物、t−ブチルリチウム、n−ヘキシルリチウム、ベンジルリチウム、フェニルリチウム、スチルベンリチウム、1,4−ジリチオブタン、1,3,5−トリリチオベンゼン、n−ブチルリチウムと1,3−ブタジエンおよびジビニルベンゼンの反応物、n−ブチルリチウムとポリアセチレン化合物の反応物、4
−シクロペンチルリチウム、1,2−ジリチオメタン、1,4−ジリチオブタン、1,4−ジリチオ−2−エチルシクロヘキサン、1,3,5−トリリチオベンゼン等を挙げることができる。これらの中で、n−ブチルリチウム及びsec−ブチルリチウムが好ましい。
【0015】
一方、リチウムアミド化合物としては、例えば、リチウムヘキサメチレンイミド、リチウムピロリジド、リチウムピぺリジド、リチウムヘプタメチレンイミド、リチウムドデカメチレンイミド、リチウムモルホリド、リチウムジメチルアミド、リチウムジエチルアミド、リチウムジブチルアミド、リチウムジプロピルアミド、リチウムジイソプロピルアミド、リチウムジヘプチルアミド、リチウムジヘキシルアミド、リチウムジオクチルアミド、リチウムジ−2−エチルヘキシルアミド、リチウムジデシルアミド、リチウム−N−メチルピペラジド、リチウムエチルプロピルアミド、リチウムエチルブチルアミド、リチウムエチルベンジルアミド、リチウムメチルフェネチルアミド、3−[N,N−ビス(トリメチルシリル)]−1−プロピルリチウム、3−[N,N−ビス(トリメチルシリル)]−2−メチル−1−プロピルリチウム、3−[N,N−ビス(トリメチルシリル)]−2,2−ジメチル−1−プロピルリチウム、4−[N,N−ビス(トリメチルシリル)]−1−ブチルリチウム、5−[N,N−ビス(トリメチルシリル)]−1−ペンチルリチウム、8−[N,N−ビス(トリメチルシリル)]−1−オクチルリチウム、3−(2,2,5,5−テトラメチル−2,5−ジシラ−1−アザシクロペンタン)−1−プロピルリチウム、2−メチル−3−(2,2,5,5−テトラメチル−2,5−ジシラ−1−アザシクロペンタン)−1−プロピルリチウム、2,2−ジメチル−3−(2,2,5,5−テトラメチル−2,5−ジシラ−1−アザシクロペンタン)−1−プロピルリチウム、4−(2,2,5,5−テトラメチル−2,5−ジシラ−1−アザシクロペンタン)−1−ブチルリチウム、6−(2,2,5,5−テトラメチル−2,5−ジシラ−1−アザシクロペンタン)−1−ヘキシルリチウム等を挙げることができる。これらの中で、カーボンブラックやシリカに対する相互作用効果及び重合開始能の観点から、リチウムヘキサメチレンイミド、リチウムピロリジド、リチウムピぺリジド、リチウムへプタメチレンイミド、リチウムドデカメチレンイミドなどの環状リチウムアミドが好ましい。中でも、リチウムヘキサメチレンイミド、リチウムピロリジド、及びリチウムピペリジドが特に好ましい。
【0016】
これらのリチウムアミド化合物は、一般に、二級アミンとリチウム化合物とから予め調製したものを重合開始剤として使用することが多いが、重合系中(in−situ)で調製することもできる。また、この重合開始剤の使用量は、好ましくはモノマー100gあたり、0.2〜20ミリモルの範囲で選定される。
【0017】
前記リチウム化合物を重合開始剤として用い、アニオン重合によって共役ジエン系重合体を製造する際の具体的な方法としては、例えば、反応に不活性な有機溶剤、例えば脂肪族、脂環族もしくは芳香族炭化水素化合物等の炭化水素溶媒中において、共役ジエン系モノマー又は共役ジエン系モノマーと芳香族ビニル化合物を、前記リチウム化合物を重合開始剤として、所望により用いられるランダマイザーの存在下に、アニオン重合させる方法を挙げることができる。このような方法によって、目的の共役ジエン系重合体を得ることができる。
【0018】
前記炭化水素溶媒としては、炭素数3〜8のものが好ましい。例えば、プロパン、n−ブタン、イソブタン、n−ペンタン、イソペンタン、n−へキサン、シクロへキサン、プロペン、1−ブテン、イソブテン、トランス−2−ブテン、シス−2−ブテン、1−ペンチン、2−ペンチン、1−ヘキセン、2−ヘキセン、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、ヘプタン、シクロペンタン、メチルシクロペンタン、メチルシクロヘキサン、1−ペンテン、2−ペンテン、シクロヘキセン等を挙げることができる。これらは単独で用いてもよく、二種以上を混合して用いてもよい。
【0019】
また、所望により用いられるランダマイザーとは、共役ジエン系重合体のミクロ構造の制御、例えばブタジエン−スチレン共重合体におけるブタジエン部分のビニル結合(1,2結合)、イソプレン重合体におけるビニル結合(1,2結合及び3,4結合)の増加など、あるいは共役ジエン系重合体におけるモノマー単位の組成分布の制御、例えばブタジエン−スチレン共重合体におけるブタジエン単位とスチレン単位とのランダム化などの作用を有する化合物のことである。このランダマイザーとしては、特に制限はなく、従来ランダマイザーとして一般に使用されている公知の化合物の中から任意のものを適宜選択して用いることができる。具体的には、ジメトキシベンゼン、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、2,2−ジ(テトラヒドロフリル)プロパン、2−(2−エトキシエトキシ)−2−メチルプロパン、トリエチルアミン、ピリジン、N−メチルモルホリン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、1,2−ジピペリジノエタン、エチレングリコールジブチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジオキサン、トリメチルアミン、キヌクリジン、カリウム−t−アミラート、カリウム−t−ブチラート、トリフェニルホスフィン、テトラヒドロピラン、ジブチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジフェニルエーテル、アニソール、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、N,N−ジエチルアニリン、キノリンなどのエーテル類及び三級アミン類などを挙げることができる。これらのランダマイザーは、一種を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0020】
上記した重合開始剤の反応性を向上させようとする場合、あるいは重合体中に導入される芳香族ビニル化合物をランダムに配列するか又は芳香族ビニル化合物の単連鎖もしくは長連鎖を付与しようとする場合に、重合開始剤とともにカリウム化合物を添加してもよい。重合開始剤とともに添加されるカリウム化合物としては、例えば、カリウムイソプロポキシド、カリウム−t−ブトキシド、カリウム−t−アミロキシド、カリウム−n−ヘプタオキシド、カリウムベンジルオキシド、カリウムフェノキシドに代表されるカリウムアルコキシドもしくはカリウムフェノキシド;イソバレリアン酸、カプリル酸、ラウリル酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノレイン酸、安息香酸、フタル酸、2−エチルヘキサン酸などのカリウム塩;ドデシルベンゼンスルホン酸、テトラデシルベンゼンスルホン酸、ヘキサデシルベンゼンスルホン酸、オクタデシルベンゼンスルホン酸などの有機スルホン酸のカリウム塩;亜リン酸ジエチル、亜リン酸ジイソプロピル、亜リン酸ジフェニル、亜リン酸ジブチル、亜リン酸ジラウリルなどの有機亜リン酸部分エステルのカリウム塩などが用いられる。
【0021】
これらのカリウム化合物の添加量は、好ましくは、重合開始剤のアルカリ金属もしくはアルカリ土類金属1グラム原子当量あたり、0.005〜0.5モルの量である。該量が0.005モル未満では、カリウム化合物の添加効果(重合開始剤の反応性向上、芳香族ビニル化合物のランダム化又は単連鎖もしくは長連鎖付与)が現れないことがある。該量が、0.5モルを超えると、重合活性が低下し、生産性を大幅に低下させることになるとともに、第一のヒドロカルビルオキシシラン化合物との変性反応における変性効率が低下することがある。
【0022】
この重合反応における温度は、好ましくは、−20〜150℃であり、より好ましくは0〜120℃である。重合反応は、発生圧力下で行うことができるが、通常はモノマーを実質的に液相に保つに十分な圧力で操作することが好ましい。すなわち、圧力は重合される個々の物質や、用いる重合媒体及び重合温度にもよるが、所望ならば発生圧力に比べてより高い圧力を用いることができる。このような圧力は重合反応に関して不活性なガスで反応器を加圧する等の適当な方法で得られる。
【0023】
この重合においては、重合開始剤、溶媒、モノマーなどの、重合に関与する全ての原材料は、水、酸素、二酸化炭素、プロトン性化合物等の反応阻害物質を除去したものを用いることが望ましい。なお、エラストマーとして重合体を得る場合は、得られる重合体又は共重合体の、示差熱分析法により求めたガラス転移温度(Tg)は、好ましくは−90℃〜0℃である。ガラス転移温度が−90℃未満の重合体を得るのは困難である。また、ガラス転移温度が0℃を超える場合には、室温領域で粘度が高くなりすぎ、取り扱いが困難となる場合がある。
【0024】
本発明においてヒドロカルビルオキシシラン化合物とは、ケイ素原子にヒドロカルビルオキシ基が一つ以上結合した化合物である。ヒドロカルビルオキシ基としては、例えばアルキルオキシ基、アリールオキシ基、アラルキルオキシ基、シクロアルキルオキシ基等が挙げられる。
第一のヒドロカルビルオキシシラン化合物における、ヒドロカルビルオキシシリル基が有するヒドロカルビルオキシ基の数は、1つ以上であり、アルカリ金属もしくはアルカリ土類金属活性末端を有する共役ジエン系重合体、後述する金属元素を含有する触媒、及び第二のヒドロカルビルオキシシラン化合物との反応性の観点から、好ましくは2つ以上である。好適なヒドロカルビルオキシ基としては、炭素数1〜20のアルキルオキシ基またはアリールオキシ基を挙げることができる。なお、ヒドロカルビルオキシ基が2つ存在する場合は、互いに同一であっても異なっていてもよい。
第一のヒドロカルビルオキシシラン化合物における、前記官能基(a)のアルキルポリエーテル基は、具体的には、後述する一般式−O−(R−O)−Rで表される基が挙げられる。
アルキルポリエーテル基を導入することで、シリカとの相互作用が高まり、得られる架橋ゴムの耐摩耗性が向上し、低ヒステリシスロス特性とウェットスキッド抵抗性のバランスも向上させることができる。
【0025】
第一のヒドロカルビルオキシシラン化合物における、前記官能基(b)のオニウムになり得る基とは、共役ジエン系重合体のアルカリ金属もしくはアルカリ土類金属活性末端と反応することを防ぐために、保護基によって置換された基であり、脱保護基の後にオニウム生成剤の作用によってオニウムになりうる基である。該オニウムになり得る基は分子中に少なくとも1つ以上あればよい。具体的には、1級アミノ基の2つの水素原子が2つの保護基によって置換されてなる窒素含有基、2級アミノ基の1つの水素原子が1つの保護基によって置換されてなる窒素含有基、3級アミノ基、イミノ基、ピリジル基、1級ホスフィノ基の2つの水素原子が2つの保護基によって置換されてなるリン含有基、2級ホスフィノ基の1つの水素原子が1つの保護基によって置換されてなるリン含有基、3級ホスフィノ基、及び、チオールの1つの水素原子が1つの保護基によって置換されてなる硫黄含有基等が挙げられる。この、第一のヒドロカルビルオキシシラン化合物は、一種を単独で用いてよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0026】
本発明の官能基(a)及び官能基(b)を有する第一のヒドロカルビルオキシシラン化合物とは、例えば、下記一般式(I)で示されるシラン化合物が挙げられる。
【化2】
(式中、Rは一般式−O−(R−O)−Rで表されるアルキルポリエーテル基である。ここでRは複数存在する場合に同じか又は異なり、かつ炭素数1〜30の炭化水素基である。mは平均で1〜30である。Rは炭素数1〜30の炭化水素基である。RはRと同じか、炭素数1〜12のアルキル基、又はRO−で表される基である。ここでRは炭素数1〜30の炭化水素基、又は(RSi−で表される基である。ここでRは炭素数1〜30のアルキル基、又はアルケニル基である。Rは炭素数1〜30の炭化水素基である。Rは炭素数1〜30の炭化水素基である。Xは活性水素を有さないか又は活性水素が保護基により置換された窒素含有基、リン含有基、又は硫黄含有基であって、窒素含有基、リン含有基、又は硫黄含有基中に各々含まれる、窒素、リン、又は硫黄原子の少なくとも1つがRと結合している。)
ここで、Rは二価の炭素数1〜30の炭化水素基であり、例えば分枝鎖又は非分枝鎖の飽和又は不飽和の二価の炭素数1〜30、好ましくは炭素数1〜20の炭化水素基である。Rは一価の炭素数1〜30の炭化水素基であり、例えば非置換か又は置換された炭素数1〜30、好ましくは炭素数1〜20の分枝鎖又は非分枝鎖のアルキル基、アルケニル基、アリール基、又はアラルキル基である。
は一価の炭素数1〜30の炭化水素基、又は(RSi−で表される基であり、例えばメチル基、エチル基、炭素数3〜30の分枝鎖又は非分枝鎖のアルキル基、アルケニル基、アリール基、アラルキル基である。Rは炭素数1〜30の分枝鎖又は非分枝鎖のアルキル又はアルケニル基である。
は一価の炭素数1〜30の炭化水素基であり、例えばメチル基、エチル基、炭素数3〜30の分枝鎖又は非分枝鎖のアルキル基、アルケニル基、アリール基、アラルキル基である。
は二価の炭素数1〜30の炭化水素基であり、分枝鎖又は非分枝鎖の飽和又は不飽和の脂肪族、芳香族又は脂肪族と芳香族が混合された二価の炭素数1〜30の炭化水素基である。
【0027】
1級アミノ基の2つの水素原子が2つの保護基によって置換されてなる窒素含有基、2級アミノ基の1つの水素原子が1つの保護基によって置換されてなる窒素含有基、3級アミノ基、イミノ基、ピリジル基、1級ホスフィノ基の2つの水素原子が2つの保護基によって置換されてなるリン含有基、2級ホスフィノ基の1つの水素原子が1つの保護基によって置換されてなるリン含有基、3級ホスフィノ基、及び、チオールの1つの水素原子が1つの保護基によって置換されてなる硫黄含有基と、官能基(a)を有する第一のヒドロカルビルオキシシラン化合物としては、例えば、上記一般式(I)のRが、−O−(C−O)−C17、−O−(C−O)−C1021、−O−(C−O)−C1123、−O−(C−O)−C1225、−O−(C−O)−C1327、−O−(C−O)−C1429、−O−(C−O)−C1531、−O−(C−O)−C1633、−O−(C−O)−C1837、−O−(C−O)−C1835、−O−(C−O)−C17、−O−(C−O)−C1021、−O−(C−O)−C1123、−O−(C−O)−C1225、−O−(C−O)−C1327、−O−(C−O)−C1429、−O−(C−O)−C1531、−O−(C−O)−C1633、−O−(C−O)−C1837、−O−(C−O)−C1835、−O−(C−O)−C17、−O−(C−O)−C1021、−O−(C−O)−C1123、−O−(C−O)−C1225、−O−(C−O)−C1327、−O−(C−O)−C1429、−O−(C−O)−C1531、−O−(C−O)−C1633、−O−(C−O)−C1837、−O−(C−O)−C1835からなる群より選ばれる1つであり、RがRと同じか、メチル基、エチル基、イソプロピル基、イソブチル基、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、イソブトキシ基からなる群より選ばれる1つであり、Rがメチル基、エチル基、イソプロピル基、イソブチル基からなる群より選ばれる1つであり、Rがメチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基からなる群より選ばれる1つであり、XがN,N−ビス(トリメチルシリル)アミノ基、N,N−ビス(トリエチルシリル)アミノ基、N,N’,N’−トリス(トリメチルシリル)−N−(2−アミノエチル)アミノ基、N,N’,N’−トリス(トリエチルシリル)−N−(2−アミノエチル)アミノ基、2,2,5,5−テトラメチル−1−アザ−2,5−ジシラシクロペンチル基、N,N’−ジエチル−N’−トリメチルシリル−エタン−1,2−ジアミノ基、N,N’−ジメチル−N’−トリメチルシリル−エタン−1,2−ジアミノ基、N,N’−ジエチル−N’−トリエチルシリル−エタン−1,2−ジアミノ基、N,N’−ジメチル−N’−トリエチルシリル−エタン−1,2−ジアミノ基、N,N’−ジエチル−N’−トリメチルシリル−p−フェニレンジアミノ基、N,N’−ジメチル−N’−トリメチルシリル−p−フェニレンジアミノ基、N,N’−ジエチル−N’−トリエチルシリル−p−フェニレンジアミノ基、N,N’−ジメチル−N’−トリエチルシリル−p−フェニレンジアミノ基、3−(トリメチルシリルエチルアミノ)−1−ピロリジニル基、3−(トリメチルシリルプロピルアミノ)−1−ピロリジニル基、N−エチル−N’−(2−エトキシエチル)−N’−トリメチルシリル−エタン−1,2−ジアミノ基、N−メチル−N’−(2−エトキシエチル)−N’−トリメチルシリル−エタン−1,2−ジアミノ基、N−エチル−N’−(2−メトキシエチル)−N’−トリメチルシリル−エタン−1,2−ジアミノ基、N−メチル−N’−(2−メトキシエチル)−N’−トリメチルシリル−エタン−1,2−ジアミノ基、N−エチル−N’−(2−エトキシエチル)−N’−トリエチルシリル−エタン−1,2−ジアミノ基、N−メチル−N’−(2−エトキシエチル)−N’−トリエチルシリル−エタン−1,2−ジアミノ基、N−エチル−N’−(2−メトキシエチル)−N’−トリエチルシリル−エタン−1,2−ジアミノ基、N−メチル−N’−(2−メトキシエチル)−N’−トリエチルシリル−エタン−1,2−ジアミノ基、4−メチル−1−ピペラジノ基、4−エチル−1−ピペラジノ基、4−トリメチルシリル−1−ピペラジノ基、4−トリエチルシリル−1−ピペラジノ基、3−トリメチルシリル−1−イミダゾリジニル基、3−トリエチルシリル−1−イミダゾリジニル基、3−トリメチルシリル−1−ヘキサヒドロピリミジニル基、3−トリエチルシリル−1−ヘキサヒドロピリミジニル基、N,N’,N’−トリメチルプロパン−1,3−ジアミノ基、N,N’,N’−トリエチルプロパン−1,3−ジアミノ基、N−エチル−N’,N’−ジメチルプロパン−1,3−ジアミノ基、N’,N’−ジエチル−N−メチルプロパン−1,3−ジアミノ基、N,N’−ジエチル−N’−メチルプロパン−1,3−ジアミノ基、3−ジエチルアミノ基、3−ジメチルアミノ基、3−エチルメチルアミノ基、3−モルホリノ基、3−ピペリジノ基、N−(1,3−ジメチルブチリデン)−1−プロパンアミノ基、N−(1,3−メチルエチリデン)−1−プロパンアミノ基、N−エチリデン−1−プロパンアミノ基、N−(1−メチルプロピリデン)−1−プロパンアミノ基、N−(4−N,N−ジメチルアミノベンジリデン)−1−プロパンアミノ基、N−(シクロヘキシリデン)−1−プロパンアミノ基、3−ヘキサメチレンイミノ基、P,P−ビス(トリメチルシリル)ホスフィノ基、P,P−ビス(トリエチルシリル)ホスフィノ基、3−ジメチルフォスフィノ基、3−ジエチルフォスフィノ基、3−エチルメチルフォスフィノ基、3−ジフェニルフォスフィノ基、S−トリメチルシリルメルカプト基、S−トリエチルシリルメルカプト基、S−メチルメルカプト基、S−エチルメルカプト基からなる群より選ばれる1つである化合物が挙げられる。
【0028】
アルカリ金属もしくはアルカリ土類金属活性末端を有する共役ジエン系重合体と、第一のヒドロカルビルオキシシラン化合物を反応させることによって、アルカリ金属もしくはアルカリ土類金属活性末端の部位と1つのヒドロカルビルオキシ基の部位が反応して、官能基(a)、及び官能基(b)を有する変性共役ジエン系重合体を得ることができる。また、上記した第一のヒドロカルビルオキシシラン化合物は、アルカリ金属もしくはアルカリ土類金属からなる金属活性末端を有する共役ジエン系重合体と反応可能であると共に、ゴム組成物とした際にいずれも補強剤となるカーボンブラック及び/又はシリカと反応又は相互作用し、架橋ゴムとした際に優れた低ヒステリシスロス特性を与える。この観点から、上記した第一のヒドロカルビルオキシシラン化合物は、後述の実施例に記載されていないものであっても、本発明において使用することが可能である。
【0029】
このような第一のヒドロカルビルオキシシラン化合物を、共役ジエン系重合体のアルカリ金属もしくはアルカリ土類金属活性末端に導入させる変性反応は、例えば、溶液反応(ここで用いる溶液は、重合時に使用した未反応モノマーを含んだ溶液でもよい。)で行うことができる。変性反応の形式については特に制限はなく、バッチ式反応器を用いて行ってもよく、多段連続式反応器やインラインミキサなどの装置を用いて連続式で行ってもよい。また、この変性反応は、重合反応終了後、脱溶媒処理、水処理、熱処理、重合体単離に必要な諸操作などを行う前に実施することが好ましい。
【0030】
この変性反応における第一のヒドロカルビルオキシシラン化合物の使用量は、アニオン重合により得られた共役ジエン系重合体の活性部位に対し、好ましくは0.1モル当量以上であり、より好ましくは0.3モル当量以上である。該量が0.1モル当量以上であると、変性反応の進行が十分となり、補強剤の分散性が充分に改良される。また、架橋ゴムとした際に引張強度、耐摩耗性、ウェットスキッド抵抗性及び、低ヒステリシスロス特性が優れる。
なお、変性剤である第一のヒドロカルビルオキシシラン化合物の添加方法は、特に制限されず、一括して添加する方法、分割して添加する方法、あるいは、連続的に添加する方法などが挙げられる。中でも、一括して添加する方法が好ましい。また、第一のヒドロカルビルオキシシラン化合物は、本明細書中に例示した共役ジエン系モノマー、芳香族ビニル化合物、炭化水素溶媒、ランダマイザー等を溶媒とする溶液で添加しても良い。
変性反応の温度は、共役ジエン系重合体の重合温度をそのまま用いることができる。該温度は、好ましくは0〜120℃、より好ましくは20〜100℃である。温度が低くなると重合体の粘度が上昇する傾向があり、温度が高くなると重合活性末端が失活し易くなるので、上記数値範囲内の温度が好ましい。また、一次変性反応における反応時間は、好ましくは1分〜5時間、更に好ましくは2分〜1時間である。
【0031】
共役ジエン系重合体を製造する際には、第一のヒドロカルビルオキシシラン化合物と併用してカップリング剤を添加することも可能である。カップリング剤の例は、以下のとおりである。なお、このカップリング剤は、上記した第一のヒドロカルビルオキシシラン化合物によって共役ジエン系重合体を変性する段階で添加される。
すなわち、第一のヒドロカルビルオキシシラン化合物と併用して、重合活性末端に反応させるカップリング剤としては、(a)イソシアナート化合物及び/又はイソチオシアナート化合物、(b)アミド化合物及び/又はイミド化合物、(c)ピリジル置換ケトン化合物及び/又はピリジル置換ビニル化合物、(d)ケイ素化合物、(e)エステル化合物、(f)ケトン化合物並びに(g)スズ化合物、(h)エポキシ化合物、(i)リン酸エステル化合物、(j)酸無水物基含有化合物、(k)アリールビニル基含有化合物、並びに(l)ハロゲン化炭素基含有化合物からなる群より選ばれる少なくとも一種の化合物が挙げられる。
【0032】
これらの化合物のうち、(a)成分であるイソシアナート化合物又はイソチオシアナート化合物としては、2,4−トリレンジイソシアナート、2,6−トリレンジイソシアナート、ジフェニルメタンジイソシアナート、ジフェニルエタンジイソシアネート、ポリメリックタイプのジフェニルメタンジイソシアナート(C−MDI)、イソホロンジイソシアナート、ヘキサメチレンジイソシアナート、1,3,5−ベンゼントリイソシアナート、フェニル−1,4−ジイソチオシアナート等を好適例として挙げることができる。
(b)成分であるアミド化合物又はイミド化合物としては、コハク酸アミド、フタル酸アミド、N,N,N’,N’−テトラメチルフタル酸アミド、オキサミド、N,N,N’,N’−テトラメチルオキサミド、アジピン酸ビスジメチルアミド、ポリメタクリル酸ジメチルアミドなどのアミド化合物、コハク酸イミド、N−メチルコハクイミド、マレイミド、N−メチルマレイミド、フタルイミド、N−メチルフタルイミドなどのイミド化合物等を好適例として挙げることができる。
(c)成分であるピリジル置換ケトン化合物又はピリジル置換ビニル化合物としては、ジベンゾイルピリジン、ジアセチルピリジン、ジビニルピリジン等を好適例として挙げることができる。
【0033】
(d)成分であるケイ素化合物としては、ジブチルジクロロケイ素、メチルトリクロロケイ素、メチルジクロロケイ素、テトラクロロケイ素、四臭化ケイ素、四ヨウ化ケイ素、モノクロロトリメトキシシラン、モノブロモトリメトキシシラン、ジクロロジメトキシシラン、ジブロモジメトキシシラン、トリクロロメトキシシラン、トリブロモメトキシシラン、ヘキサクロロジシラン、ビス(トリクロロシリル)メタン、1,2−ビス(トリクロロシリル)エタン、1,3−ビス(トリクロロシリル)プロパン、1,4−ビス(トリクロロシリル)ブタン、1,5−ビス(トリクロロシリル)ペンタン、1,6−ビス(トリクロロシリル)ヘキサン、トリエトキシメチルシラン、トリフェノキシメチルシラン、トリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラブトキシシラン、3−アセチルプロポキシトリメトキシシラン、N−(1,3−ジメチルブチリデン)−3−(トリエトキシシリル)−1−プロパンアミン、N−(1,3−ジメチルブチリデン)−3−(トリブトキシシリル)−1−プロパンアミン、N−(1−メチルプロピリデン)−3−(トリエトキシシリル)−1−プロパンアミン、N−エチリデン−3−(トリエトキシシリル)−1−プロパンアミン、N−(3−トリエトキシシリルプロピル)−4,5−ジヒドロイミダゾール、3−クロロプロポキシトリメトキシシラン、4,5−エポキシヘプチルメチルジメトキシシラン、ビス(トリエトキシシリルプロピル)テトラサルファイド等を好適例として挙げることができる。
【0034】
(e)成分であるエステル化合物としては、アジピン酸ジメチル、アジピン酸ジエチル、テレフタル酸ジメチル、テレフタル酸ジエチル、フタル酸ジメチル、イソフタル酸ジメチル、マロン酸ジエチル、フタル酸ジエチル、グルタル酸ジエチル、マレイン酸ジエチル等を好適例として挙げることができる。
(f)成分であるケトン化合物としては、N,N,N’,N’−テトラメチル−4,4’−ジアミノベンゾフェノン、N,N,N’,N’−テトラエチル(4,4’−ジアミノ)−ベンゾフェノン、N,N−ジメチル−1−アミノベンゾキノン、N,N,N’,N’−テトラメチル−1,3−ジアミノベンゾキノン、N,N−ジメチル−1−アミノアントラキノン、N,N,N’,N’−テトラメチル−1,4−ジアミノアントラキノン、4,4’−ジアセチルベンゾフェノン等を好適例として挙げることができる。
【0035】
(g)成分であるスズ化合物としては、テトラクロロスズ、テトラブロムスズ、トリクロロブチルスズ、トリクロロメチルスズ、トリクロロエチルスズ、トリクロロフェニルスズ、トリクロロオクチルスズ、ジブロムジメチルスズ、ジクロロジメチルスズ、ジクロロジブチルスズ、ジクロロジオクチルスズ、1,2−ビス(トリクロロスタニル)エタン、1,2−ビス(メチルジクロロスタニル)エタン、1,4−ビス(トリクロロスタニル)ブタン、1,4−ビス(メチルジクロロスタニル)ブタン、エチルスズトリステアレート、ブチルスズトリスオクタノエート、ブチルスズトリスステアレート、ブチルスズトリスラウレート、ジブチルスズビスオクタノエート、ジブチルスズビスステアレート、ジブチルスズビスラウレート等を好適例として挙げることができる。
(h)成分であるエポキシ化合物としては、エチレングリコールジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテルなどの多価アルコールのポリグリシジルエーテル、ジグリシジル化ビスフェノールA
などの2 個以上のフェニル基を有する芳香族化合物のポリグリシジルエーテル、1,4−ジグリシジルベンゼン、1,3,5−トリグリシジルベンゼン、ポリエポキシ化液状ポリブタジエンなどのポリエポキシ化合物、4,4’−ジグリシジル−ジフェニルメチルアミン、4,4’−ジグリシジル−ジベンジルメチルアミンなどのエポキシ基含有3級アミン、ジグリシジルアニリン、ジグリシジルオルソトルイジン、テトラグリシジルメタキシレンジアミン、テトラグリシジルアミノジフェニルメタン、テトラグリシジル−p−フェニレンジアミン、ジグリシジルアミノメチルシクロヘキサン、テトラグリシジル−1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン等のグリシジルアミノ化合物、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリブトキシシラン、エポキシ変性シリコーン、エポキシ化大豆油、エポキシ化亜麻仁油などのエポキシ基と他の官能基を有する化合物等を好適例として挙げることができる。
【0036】
(i)成分であるリン酸エステル化合物としては、トリクロルフォスフィン、トリブロモフォスフィンなどのポリハロゲン化リン化合物など、さらに、トリスノニルフェニルホスファイト、トリメチルホスファイト、トリエチルホスファイトなどの亜リン酸エステル化合物、トリメチルフォスフェイト、トリエチルフォスフェイト等を好適例として挙げることができる。
(j)成分である酸無水物基含有化合物としては、無水ピロメリット酸、スチレン−無水マレイン酸共重合体等を好適例として挙げることができる。
(k)成分であるアリールビニル基含有化合物としては、ジビニルベンゼン、ジイソプロペニルベンゼン、ジビニルベンゼンオリゴマー等を好適例として挙げることができる。
(l)成分であるハロゲン化炭素基含有化合物としては、トリクロロプロパン、トリブロモプロパン、テトラクロロブタン等を好適例として挙げることができる。
第一のヒドロカルビルオキシシラン化合物と併用して、重合活性末端に反応させるこれらの化合物は、一種単独で使用することも、あるいは二種以上を組み合わせて用いることもできる。
【0037】
上記カップリング剤の使用量は、重合開始剤を構成するアルカリ金属もしくはアルカリ土類金属1グラム原子当量あたり、カップリング剤中のカップリング可能な置換基の量として1モル以下、好ましくは、0.1〜0.5モルである。該量が1モルを超えると、第一のヒドロカルビルオキシシラン化合物の反応率が低下し、架橋ゴムとした際に優れた低ヒステリシスロス特性等が得られないことがある。
【0038】
[工程(B)]
本発明の製造方法はさらに、(B)前工程で得られた変性共役ジエン系ゴムと、オニウム生成剤を混合する工程を含むことができる。
工程(B)で用いられるオニウム生成剤としては、ハロゲン化ケイ素化合物、ハロゲン化スズ化合物、ハロゲン化アルミニウム化合物、ハロゲン化チタン化合物、ハロゲン化ジルコニウム化合物、ハロゲン化ゲルマニウム化合物、ハロゲン化ガリウム化合物、ハロゲン化亜鉛化合物等のハロゲン化金属、硫酸エステル、リン酸エステル、炭酸エステル、硝酸エステル、弗酸、塩酸、臭酸、沃酸、硫酸、硝酸、炭酸、燐酸等の無機酸、フッ化カリウム、フッ化テトラメチルアンモニウム、フッ化テトラ−n−ブチルアンモニウム等の無機酸塩、カルボン酸、スルホン酸等の有機酸等が挙げられる。これらの化合物は、一種単独で使用することも、あるいは2種以上を組み合わせて用いることもできる。
オニウム生成剤の化合物の例としては、テトラクロロシラン、テトラクロロスズ、トリメチルシリルクロライド、ジメチルジクロロシラン、メチルトリクロロシラン、メチルジクロロシラン、ジエチルアルミニウムクロライド、エチルアルミニウムセスキクロライド、エチルアルミニウムジクロライド、テトラクロロチタン、チタノセンジクロライド、テトラクロロジルコニウム、ジルコノセンジクロライド、テトラクロロゲルマニウム、トリクロロガリウム、塩化亜鉛、硫酸ジエチル、硫酸ジメチル、ラウレス硫酸マグネシウム、リン酸トリメチル、リン酸トリエチル、リン酸トリブチル、リン酸2−エチルヘキシル、リン酸トリフェニル、リン酸トリクレシル、炭酸ジメチル、炭酸ジエチル、炭酸エチレン、炭酸プロピレン、ニトロセルロース、ニトログリセリン、ニトログリコール、蟻酸、酢酸、シュウ酸、マレイン酸、クエン酸、リンゴ酸、フマル酸、マロン酸、アクリル酸、クロトン酸、コハク酸、グルタル酸、イタコン酸、酒石酸、セバチン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、β−メルカプトプロピオン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、弗酸、塩酸、臭酸、沃酸、硫酸、硝酸、炭酸、燐酸、フッ化カリウム、フッ化テトラメチルアンモニウム、フッ化テトラ−n−ブチルアンモニウム等が挙げられる。
【0039】
オニウム生成剤と前工程で得られた変性共役ジエン系ゴムの混合は、例えば、溶液で行うことができる。混合の形式については特に制限はなく、バッチ式混合器を用いて行ってもよく、多段連続式混合器やインラインミキサなどの装置を用いて連続式で行ってもよい。
オニウム生成剤の使用量は、反応系内に存在するオニウムになり得る基に対し、好ましくは1.0モル当量以上、より好ましくは、1.5モル当量以上である。該量が1.0モル当量以上であると、オニウム化が十分に進行し、ゴムの形状保持性が優れる。
オニウム生成剤の添加方法は、特に制限されず、一括して添加する方法、分割して添加する方法、あるいは、連続的に添加する方法などが挙げられる。中でも、一括して添加する方法が好ましい。また、オニウム生成剤は、本明細書中に例示した炭化水素溶媒、ランダマイザー等を溶媒とする溶液で添加しても良い。
【0040】
オニウム生成剤と前工程で得られた変性共役ジエン系ゴムを混合するときの温度は、共役ジエン系重合体の重合温度をそのまま用いることができる。該温度は、好ましくは0〜120℃、より好ましくは20〜100℃である。温度が低くなると重合体の粘度が上昇する傾向があり、温度が高くなると重合活性末端が変質し易くなるので、前記の数値範囲外の温度は好ましくない。また、混合時間は、好ましくは1分〜5時間、更に好ましくは2分〜1時間である。
なお、本発明の変性共役ジエン系ゴムの製造方法においては、オニウム生成剤を加えた後、共役ジエン系重合体の製造における公知の脱溶媒(例えば、スチームストリッピング等)及び乾燥の操作により、変性共役ジエン系ゴムを回収することができる。
【0041】
[工程(C)]
本発明の変性共役ジエン系ゴムの製造方法は、さらに、フィラーとの反応性を向上させる目的で、(C)前工程で得られた変性共役ジエン系ゴムと、ヒドロカルビルオキシシラン化合物を縮合させるための金属元素を含有する触媒(以下、単に「縮合触媒」ということがある)を混合する工程を含むこともできる。
【0042】
前記縮合触媒としては、周期律表の4族、12族、13族、14族及び15族に含まれる金属元素のうち少なくとも一つの金属元素を含有する金属化合物が好ましい。前記金属元素としては、チタン、ジルコニウム、アルミニウム、ビスマス、スズ等を好適例として挙げることができる。
【0043】
また、前記縮合触媒としては、上記した金属元素のアルコキシド、カルボン酸塩、又はアセチルアセトナート錯塩が好ましい。
縮合触媒は、共役ジエン系重合体に導入された第一のアルコキシシラン化合物由来のアルコキシシリル基やオニウムになり得る基、もしくは第二のアルコキシシラン化合物由来のアルコキシシリル基やオニウムになり得る基と、ゴム組成物とした際に補強剤となるカーボンブラック及び/又はシリカとの反応又は相互作用を促進し、架橋ゴムとした際に優れた低ヒステリシスロス特性を与える。
また、変性共役ジエン系重合体の縮合を促進すると共に、縮合触媒自体も変性共役ジエン系ゴム及び第二のヒドロカルビルオキシシラン化合物の少なくともいずれか一方のヒドロカルビルオキシ基と反応することで、フィラーとの反応性をさらに高めることができる。
上記観点から、後述の実施例に記載されていないものであっても、本発明において使用することが可能である。
【0044】
上記縮合触媒の例として、テトラメトキシチタニウム、テトラエトキシチタニウム、テトラn−プロポキシチタニウム、テトラi−プロポキシチタニウム、テトラn−ブトキシチタニウム、テトラn−ブトキシチタニウムオリゴマー、テトラsec−ブトキシチタニウム、テトラtert−ブトキシチタニウム、テトラ(2−エチルヘキシルオキシ)チタニウム、ビス(オクタンジオレート)ビス(2−エチルヘキシルオキシ)チタニウム、テトラ(オクタンジオレート)チタニウム、チタニウムラクテート、チタニウムジプロポキシビス(トリエタノールアミネート)、チタニウムジブトキシビス(トリエタノールアミネート)、チタニウムトリブトキシステアレート、チタニウムトリプロポキシステアレート、チタニウムトリプロポキシアセチルアセトネート、チタニウムジプロポキシビス(アセチルアセトネート)、チタニウムトリプロポキシエチルアセトアセテート、チタニウムプロポキシアセチルアセトネートビス(エチルアセトアセテート)、チタニウムトリブトキシアセチルアセトネート、チタニウムジブトキシビス(アセチルアセトネート)、チタニウムトリブトキシエチルアセトアセテート、チタニウムブトキシアセチルアセトネートビス(エチルアセトアセテート)、チタニウムテトラキス(アセチルアセトネート)、チタニウムジアセチルアセトネートビス(エチルアセトアセテート)を挙げることができる。
また、ビス(2−エチルヘキサノエート)チタニウムオキサイド、ビス(ラウレート)チタニウムオキサイド、ビス(ナフテート)チタニウムオキサイド、ビス(ステアレート)チタニウムオキサイド、ビス(オレエート)チタニウムオキサイド、ビス(リノレート)チタニウムオキサイド、テトラキス(2−エチルヘキサノエート)チタニウム、テトラキス(ラウレート)チタニウム、テトラキス(ナフテート)チタニウム、テトラキス(ステアレート)チタニウム、テトラキス(オレエート)チタニウム、テトラキス(リノレート)チタニウム、トリス(2−エチルヘキサノエート)ビスマス、トリス(ラウレート)ビスマス、トリス(ナフテート)ビスマス、トリス(ステアレート)ビスマス、トリス(オレエート)ビスマス、トリス(リノレート)ビスマスを挙げることができる。
【0045】
また、テトラエトキシジルコニウム、テトラn−プロポキシジルコニウム、テトラi−プロポキシジルコニウム、テトラn−ブトキシジルコニウム、テトラsec−ブトキシジルコニウム、テトラtert−ブトキシジルコニウム、テトラ(2−エチルヘキシル)ジルコニウム、ジルコニウムトリブトキシステアレート、ジルコニウムトリブトキシアセチルアセトネート、ジルコニウムジブトキシビス(アセチルアセトネート)、ジルコニウムトリブトキシエチルアセトアセテート、ジルコニウムブトキシアセチルアセトネートビス(エチルアセトアセテート)、ジルコニウムテトラキス(アセチルアセトネート)、ジルコニウムジアセチルアセトネートビス(エチルアセトアセテート)、ビス(2−エチルヘキサノエート)ジルコニウムオキサイド、ビス(ラウレート)ジルコニウムオキサイド、ビス(ナフテート)ジルコニウムオキサイド、ビス(ステアレート)ジルコニウムオキサイド、ビス(オレエート)ジルコニウムオキサイド、ビス(リノレート)ジルコニウムオキサイド、テトラキス(2−エチルヘキサノエート)ジルコニウム、テトラキス(ラウレート)ジルコニウム、テトラキス(ナフテート)ジルコニウム、テトラキス(ステアレート)ジルコニウム、テトラキス(オレエート)ジルコニウム、テトラキス(リノレート)ジルコニウム等を挙げることができる。
【0046】
更にトリエトキシアルミニウム、トリn−プロポキシアルミニウム、トリi−プロポキシアルミニウム、トリn一ブトキシアルミニウム、トリsec−ブトキシアルミニウム、トリtert−ブトキシアルミニウム、トリ(2−エチルヘキシル)アルミニウム、アルミニウムジブトキシステアレート、アルミニウムジブトキシアセチルアセトネート、アルミニウムブトキシビス(アセチルアセトネート)、アルミニウムジブトキシエチルアセトアセテート、アルミニウムトリス(アセチルアセトネート)、アルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)、トリス(2−エチルヘキサノエート)アルミニウム、トリス(ラウレート)アルミニウム、トリス(ナフテート)アルミニウム、トリス(ステアレート)アルミニウム、トリス(オレエート)アルミニウム、トリス(リノレート)アルミニウム、ビス(n−オクタノエート)スズ、ビス(2−エチルヘキサノエート)スズ、ジラウレートスズ、ジナフトエネートスズ、ジステアレートスズ、ジオレエートスズ、ジブチルスズジアセテート、ジブチルスズビス(n−オクタノエート)、ジブチルスズビス(2−エチルヘキサノエート)、ジブチルスズジラウレート、ジブチルスズマレート、ジブチルスズビス(ベンジルマレート)、ジブチルスズビス(2−エチルヘキシルマレート)、ジ−n−オクチルスズジアセテート、ジ−n−オクチルスズビス(n−オクタノエート)、ジ−n−オクチルスズビス(2−エチルヘキサノエート)、ジ−n−オクチルスズジラウレート、ジ−n−オクチルスズマレート、ジ−n−オクチルスズビス(ベンジルマレート)、ジ−n−オクチルスズビス(2−エチルヘキシルマレート)等を挙げることができる。
【0047】
これらの縮合触媒の中では、テトラキス(2−エチルヘキシルオキシ)チタン、テトラ(オクタンジオレート)チタニウム、トリス(2−エチルヘキサノエート)ビスマス、テトラn−プロポキシジルコニウム、テトラn−ブトキシジルコニウム、ビス(2−エチルヘキサノエート)ジルコニウムオキサイド、ビス(オレエート)ジルコニウムオキサイド、トリi−プロポキシアルミニウム、トリsec−ブトキシアルミニウム、トリス(2−エチルヘキサノエート)アルミニウム、トリス(ステアレート)アルミニウム、ジルコニウムテトラキス(アセチルアセトネート)、アルミニウムトリス(アセチルアセトネート)、ビス(2−エチルヘキサノエート)スズ、ジ−n−オクチルスズビス(2−エチルヘキシルマレート)を好適例として挙げることができる。
【0048】
この混合におけるヒドロカルビルオキシシラン化合物を縮合させるための金属元素を含有する触媒の使用量は、反応系内に存在するヒドロカルビルオキシ基に対し、好ましくは0.1〜10モル当量、より好ましくは、0.2〜5モル当量である。該量が0.1モル当量未満では、縮合反応の進行が十分でない場合がある。一方、該量が10モル当量を超えて使用しても、反応する縮合触媒の効果は飽和しており、経済上好ましくない。
なお、変性剤である縮合触媒の添加方法は、特に制限されず、一括して添加する方法、分割して添加する方法、あるいは、連続的に添加する方法などが挙げられる。中でも、一括して添加する方法が好ましい。また、縮合触媒は、本明細書中に例示した炭化水素溶媒、ランダマイザー等を溶媒とする溶液で添加しても良い。
【0049】
縮合触媒と前工程で得られた変性共役ジエン系ゴムを混合するときの温度は、好ましくは0〜120℃、より好ましくは20〜100℃である。温度が低くなると重合体の粘度が上昇する傾向があり、温度が高くなると重合活性末端が変質し易くなるので、前記の数値範囲内の温度が好ましい。
【0050】
また、混合時間は、好ましくは1分間〜5時間、より好ましくは2分間〜1時間である。混合時間が1分間未満では、混合が完結しない場合がある。一方、混合時間が5時間を超えると混合が飽和するため、混合時間が無駄となる。
【0051】
[工程(D)]
本発明の変性共役ジエン系ゴムの製造方法は、さらに、低ヒステリシスロス特性、引張強度、耐摩耗性及びウェットスキッド抵抗性をさらに向上させる目的で、(D)前工程で得られた変性共役ジエン系ゴムと、オニウムになり得る基を有する第二のヒドロカルビルオキシシラン化合物を混合する工程を含むこともできる。
【0052】
第二のヒドロカルビルオキシシラン化合物におけるヒドロカルビルオキシ基の数は、1つ以上であり、反応の効率性の観点から、好ましくは2つまたは3つ、より好ましくは3つである。また、ヒドロカルビルオキシ基が2つ以上ある場合、変性共役ジエン系重合体、及び前記縮合触媒の双方と反応することで、フィラーとの反応性をさらに高めることができる。
第二のヒドロカルビルオキシシラン化合物におけるオニウムになり得る基としては、1級アミノ基、2級アミノ基、3級アミノ基、イミノ基、ピリジル基、1級ホスフィノ基、2級ホスフィノ基、3級ホスフィノ基、チオール基等が挙げられる。この第二のヒドロカルビルオキシシラン化合物は、一種を単独で用いてよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0053】
1級アミノ基、2級アミノ基、または3級アミノ基と、ヒドロカルビルオキシ基とを有する化合物としては、例えば、N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノプロピルトリメトキシシラン、N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノプロピルトリエトキシシラン、N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノプロピルメチルジエトキシシラン、N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノエチルトリメトキシシラン、N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノエチルトリエトキシシラン、N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノエチルメチルジメトキシシラン、N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノエチルメチルジエトキシシラン、N,N−ビス(トリエチルシリル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N,N−ビス(トリエチルシリル)アミノプロピルトリメトキシシラン、N,N−ビス(トリエチルシリル)アミノプロピルトリエトキシシラン、N,N−ビス(トリエチルシリル)アミノプロピルメチルジエトキシシラン、N,N−ビス(トリエチルシリル)アミノエチルトリメトキシシラン、N,N−ビス(トリエチルシリル)アミノエチルトリエトキシシラン、N,N−ビス(トリエチルシリル)アミノエチルメチルジメトキシシラン、N,N−ビス(トリエチルシリル)アミノエチルメチルジエトキシシラン、N,N’,N’−トリス(トリメチルシリル)−N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N,N’,N’−トリス(トリメチルシリル)−N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、N,N’,N’−トリス(トリメチルシリル)−N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N,N’,N’−トリス(トリメチルシリル)−N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、1−(3−トリエトキシシリルプロピル)−2,2,5,5−テトラメチル−1−アザ−2,5−ジシラシクロペンタン、1−(3−トリメトキシシリルプロピル)−2,2,5,5−テトラメチル−1−アザ−2,5−ジシラシクロペンタン、1−(3−メチルジエトキシシリルプロピル)−2,2,5,5−テトラメチル−1−アザ−2,5−ジシラシクロペンタン、1−(3−メチルジメトキシシリルプロピル)−2,2,5,5−テトラメチル−1−アザ−2,5−ジシラシクロペンタン、1−トリメチルシリル−2,2−ジメトキシ−1−アザ−2−シラシクロペンタン、N−〔3−(トリメトキシシリル)−プロピル〕−N,N’−ジエチル−N’−トリメチルシリル−エタン−1,2−ジアミン、N−〔3−(トリエトキシシリル)−プロピル〕−N,N’−ジエチル−N’−トリメチルシリル−エタン−1,2−ジアミン、N−[3−(メチルジメトキシシリル)−プロピル]−N,N’−ジエチル−N’−トリメチルシリル−エタン−1,2−ジアミン、N−[3−(メチルジメトキシシリル)−プロピル]−N,N’−ジエチル−N’−トリメチルシリル−p−フェニレンジアミン、N−〔3−(トリエトキシシリル)−プロピル〕−N,N’−ジエチル−N’−トリメチルシリル−p−フェニレンジアミン、3−〔3−(トリメチルシリルエチルアミノ)−1−ピロリジニル〕−プロピル−メチルジエトキシシラン、3−〔3−(トリメチルシリルプロピルアミノ)−1−ピロリジニル〕−プロピル−トリエトキシシラン、N−〔3−(ジエトキシメチルシリル)−プロピル〕−N−エチル−N’−(2−エトキシエチル)−N’−トリメチルシリル−エタン−1,2−ジアミン、N−〔3−(トリプロポキシシリル)−プロピル〕−N−プロピル−N’−(2−エトキシエチル)−N’−トリエチルシリル−p−フェニレンジアミン、N−〔2−(ジエトキシメチルシリル)−1−メチルエチル〕−N−エチル−N’−(2−ジエチルアミノ−エチル)N’−トリエチルシリル−エタン−1,2−ジアミン、N−〔3−(トリエトキシシリル)−プロピル〕−N−エチル−N’−(2−ジエチルアミノエチル)−N’−トリエチルシリル−エタン−1,2−ジアミン、3−(4−トリメチルシリル−1−ピペラジノ)プロピルメチルジメトキシシラン、3−(4−トリメチルシリル−1−ピペラジノ)プロピルトリエトキシシラン、3−(4−トリメチルシリル−1−ピペラジノ)プロピルトリブトキシシラン、3−(3−トリメチルシリル−1−イミダゾリジニル)プロピルエチルジエトキシシラン、3−(3−トリメチルシリル−1−イミダゾリジニル)プロピルトリエトキシシラン、3−(3−トリメチルシリル−1−ヘキサヒドロピリミジニル)プロピルメチルジメトキシシラン、3−(3−トリメチルシリル−1−ヘキサヒドロピリミジニル)プロピルトリエトキシシラン、4−(4−トリメチルシリル−1−ピペラジニル)ブチルトリエトキシシラン、N−[2−(トリメトキシシリル)−エチル]−N,N’,N’−トリメチルエタン−1,2−ジアミン、N−[2−(ジメトキシメチルシリル)−エチル]−N−エチル−N’,N’−ジメチルエタン−1,2−ジアミン、N−[3−(トリメトキシシリル)−プロピル]−N,N’,N’−トリメチルプロパン−1,3−ジアミン、N−[3−(ジメトキシメチルシリル)−プロピル]−N−エチル−N’,N’−ジメチルプロパン−1,3−ジアミン、N−[3−(トリエトキシシリル)−プロピル]−N,N’,N’−トリエチル−2−メチルプロパン−1,3−ジアミン、N−[3−(ジメトキシメチルシリル)−プロピル]−2,N,N’,N’−テトラメチルプロパン−1,3−ジアミン、N−(2−ジメチルアミノエチル)−N’−[2−(トリメトキシシリル)−エチル]−N,N’−ジメチルエタン−1,2−ジアミン、N−[2−(ジエトキシプロピルシリル)−エチル]−N’−(3−エトキシプロピル)−N,N’−ジメチルエタン−1,2−ジアミン、N−[2−(トリメトキシシリル)−エチル]−N’−メトキシメチル−N,N’−ジメチルエタン−1,2−ジアミン、N−[2−(トリメトキシシリル)−エチル]−N,N’−ジメチル−N’−(2−トリメチルシリルエチル)−エタン−1,2−ジアミン、N−[2−(トリエトキシシリル)−エチル]−N,N’−ジエチル−N’−(2−ジブチルメトキシシリルエチル)−エタン−1,2−ジアミン、1−[3−(トリエトキシシリル)−プロピル]−4−メチルピペラジン、1−[3−(ジエトキシエチルシリル)−プロピル]−4−メチルピペラジン、1−[3−(トリメトキシシリル)−プロピル]−4−メチルピペラジン、1−[3−(ジエトキシメチルシリル)−プロピル]−4−メチルピペラジン、1−[3−(ジメトキシメチルシリル)−プロピル]−4−メチルピペラジン、1−[3−(トリメトキシシリル)−プロピル]−3−メチルイミダゾリジン、1−[3−(ジエトキシエチルシリル)−プロピル]−3−エチルイミダゾリジン、1−[3−(トリエトキシシリル)−プロピル]−3−メチルヘキサヒドロピリミジン、1−[3−(ジメトキシメチルシリル)−プロピル]−3−メチルヘキサヒドロピリミジン、3−[3−(トリブトキシシリル)−プロピル]−1−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロピリミジン、3−[3−(ジメトキシメチルシリル)−プロピル]−1−エチル−1,2,3,4−テトラヒドロピリミジン、1−(2−エトキシエチル)−3−[3−(トリメトキシシリル)−プロピル]−イミダゾリジン、2−{3−[3−(トリメトキシシリル)−プロピル]−テトラヒドロピリミジン−1−イル}−エチルジメチルアミン、2−(トリメトキシシリル)−1,3−ジメチルイミダゾリジン、2−(ジエトキシエチルシリル)−1,3−ジエチルイミダゾリジン、2−(トリエトキシシリル)―1,4−ジエチルピペラジン、2−(ジメトキシメチルシリル)―1,4−ジメチルピペラジン、5−(トリエトキシシリル)―1,3−ジプロピルヘキサヒドロピリミジン、5−(ジエトキシエチルシリル)―1,3−ジエチルヘキサヒドロピリミジン、2−[3−(2−ジメチルアミノエチル)−2−(エチルジメトキシシリル)―イミダゾリジン−1−イル]−エチル−ジメチルアミン、5−(トリメトキシシリル)−1,3−ビス−(2−メトキシエチル)−ヘキサヒドロピリミジン、5−(エチルジメトキシシリル)−1,3−ビス−(2−トリメチルシリルエチル)−ヘキサヒドロピリミジンル)−1,3−ジメチルイミダゾリジン、2−(3−ジエトキシエチルシリル−プロピル)−1,3−ジエチルイミダゾリジン、2−(3−トリエトキシシリル−プロピル)―1,4−ジエチルピペラジン、2−(3−ジメトキシメチルシリル−プロピル)―1,4−ジメチルピペラジン、5−(3−トリエトキシシリル−プロピル)―1,3−ジプロピルヘキサヒドロピリミジン、5−(3−ジエトキシエチルシリル−プロピル)―1,3−ジエチルヘキサヒドロピリミジン、2−[3−(2−ジメチルアミノエチル)−2−(3−エチルジメトキシシリル−プロピル)―イミダゾリジン−1−イル]−エチル−ジメチルアミン、5−(3−トリメトキシシリル−プロピル)−1,3−ビス−(2−メトキシエチル)−ヘキサヒドロピリミジン、5−(3−エチルジメトキシシリル−プロピル)−1,3−ビス−(2−トリメチルシリルエチル)−ヘキサヒドロピリミジン、3−ジメチルアミノプロピルトリメトキシシラン、3−ジエチルアミノプロピルトリメトキシシラン、3−ジメチルアミノプロピルトリエトキシシラン、3−ジエチルアミノプロピルトリエトキシシラン、3−エチルメチルアミノプロピルトリメトキシシラン、3−エチルメチルアミノプロピルトリエトキシシラン、3−ジメチルアミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−ジエチルアミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−ジメチルアミノプロピルエチルジメトキシシラン、3−ジエチルアミノプロピルエチルジメトキシシラン、3−ジメチルアミノプロピルジメチルメトキシシラン、3−ジメチルアミノプロピルジエチルメトキシシラン、3−ジエチルアミノプロピルジメチルメトキシシラン、3−ジエチルアミノプロピルジエチルメトキシシラン、3−エチルメチルアミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−メチル−3−エチルアミノプロピルエチルジメトキシシラン、3−ジメチルアミノプロピルメチルジエトキシシラン、3−ジエチルアミノプロピルメチルジエトキシシラン、3−ジメチルアミノプロピルエチルジエトキシシラン、3−ジエチルアミノプロピルエチルジエトキシシラン、3−ジメチルアミノプロピルジメチルエトキシシラン、3−ジメチルアミノプロピルジエチルエトキシシラン、3−ジエチルアミノプロピルジメチルエトキシシラン、3−ジエチルアミノプロピルジエチルエトキシシラン、3−エチルメチルアミノプロピルメチルジエトキシシラン、3−エチルメチルアミノプロピルエチルジエトキシシラン、3−ジ(メトキシメチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、3−ジ(メトキシエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、3−ジ(メトキシメチル)アミノプロピルトリエトキシシラン、3−ジ(メトキシエチル)アミノプロピルトリエトキシシラン、3−ジ(エトキシエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、3−ジ(エトキシメチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、3−ジ(エトキシエチル)アミノプロピルトリエトキシシラン、3−ジ(エトキシメチル)アミノプロピルトリエトキシシラン、3−ジ(トリメチルシリル)アミノプロピルトリメトキシシラン、3−ジ(トリメチルシリル)アミノプロピルトリエトキシシラン、3−ジ(t−ブチルジメチルシリル)アミノプロピルトリメトキシシラン、3−ジ(t−ブチルジメチルシリル)アミノプロピルトリエトキシシラン、3−ジ(トリメチルシリル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−ジ(トリメチルシリル)アミノプロピルメチルジエトキシシラン、3−ジ(t−ブチルジメチルシリル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−ジ(t−ブチルジメチルシリル)アミノプロピルメチルジエトキシシラン、3−ジ(
トリメチルシリル)アミノプロピルジメチルメトキシシラン、3−ジ(トリメチルシリル)アミノプロピルジメチルエトキシシラン、3−ジ(t−ブチルジメチルシリル)アミノプロピルジメチルメトキシシラン、3−ジ(t−ブチルジメチルシリル)アミノプロピルジメチルエトキシシラン、3−モルホリノプロピルトリメトキシシラン、3−モルホリノプロピルトリエトキシシラン、3−モルホリノプロピルメチルジメトキシシラン、3−モルホリノプロピルエチルジメトキシシラン、3−モルホリノプロピルメチルジエトキシシラン、3−モルホリノプロピルエチルジエトキシシラン、3−ピペリジノプロピルトリメトキシシラン、3−ピペリジノプロピルトリエトキシシラン、3−ピペリジノプロピルメチルジメトキシシラン、3−ピペリジノプロピルエチルジメトキシシラン、3−ピペリジノプロピルメチルジエトキシシラン、3−ピペリジノプロピルエチルジエトキシシラン、ビス[3−(トリエトキシシリル)プロピル]トリメチルシリルアミン、ビス[3−(トリメトキシシリル)プロピル]トリメチルシリルアミン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、アミノフェニルトリメトキシシラン、アミノフェニルトリエトキシシラン、3−(N−メチルアミノ)プロピルトリメトキシシラン、3−(N−メチルアミノ)プロピルトリエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、2−(6−アミノヘキシル)アミノプロピルトリメトキシシラン、及び、エタノールアミン構造等とアルコキシシリル基とを有する化合物等を挙げることができる。
好ましい例としては、N,N−ビス(トリエチルシリル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノプロピルメチルジエトキシシラン、N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノプロピルトリエトキシシラン、1−(3−トリエトキシシリルプロピル)−2,2,5,5−テトラメチル−1−アザ−2,5−ジシラシクロペンタン、N,N’,N’−トリス(トリメチルシリル)−N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、1−トリメチルシリル−2,2−ジメトキシ−1−アザ−2−シラシクロペンタン、N−〔3−(トリメトキシシリル)−プロピル〕−N,N’−ジエチル−N’−トリメチルシリル−エタン−1,2−ジアミン、N−〔3−(トリエトキシシリル)−プロピル〕−N,N’−ジエチル−N’−トリメチルシリル−エタン−1,2−ジアミン、3−(4−トリメチルシリル−1−ピペラジノ)プロピルトリエトキシシラン、N−[2−(トリメトキシシリル)−エチル]−N,N’,N’−トリメチルエタン−1,2−ジアミン、1−[3−(トリエトキシシリル)−プロピル]−4−メチルピペラジン、2−(トリメトキシシリル)−1,3−ジメチルイミダゾリジン、2−(3−トリメトキシシリル−プロピル)−1,3−ジメチルイミダゾリジン、3−ジメチルアミノプロピルトリメトキシシラン、3−ジエチルアミノプロピルトリメトキシシラン、3−ジメチルアミノプロピルトリエトキシシラン、3−ジエチルアミノプロピルトリエトキシシラン、ビス[3−(トリエトキシシリル)プロピル]トリメチルシリルアミン、ビス[3−(トリメトキシシリル)プロピル]トリメチルシリルアミン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。
【0054】
イミノ基またはピリジル基と、ヒドロカルビルオキシ基とを有する化合物の例としては、N−(1,3−ジメチルブチリデン)−3−(トリエトキシシリル)−1−プロパンアミン、N−(1,3−メチルエチリデン)−3−(トリエトキシシリル)−1−プロパンアミン、N−エチリデン−3−(トリエトキシシリル)−1−プロパンアミン、N−(1−メチルプロピリデン)−3−(トリエトキシシリル)−1−プロパンアミン、N−(4−N,N−ジメチルアミノベンジリデン)−3−(トリエトキシシリル)−1−プロパンアミン、N−(シクロヘキシリデン)−3−(トリエトキシシリル)−1−プロパンアミン及びこれらのトリエトキシシリル化合物に対応するトリメトキシシリル化合物、メチルジエトキシシリル化合物、エチルジメトキシシリル化合物、N−(3−トリメトキシシリルプロピル)−4,5−ジヒドロイミダゾール、N−(3−トリエトキシシリルプロピル)−4,5−ジヒドロイミダゾール、N−(3−トリメトキシシリルプロピル)−4,5−イミダゾール、N−(3−トリエトキシシリルプロピル)−4,5−イミダゾール、3−ヘキサメチレンイミノプロピルトリメトキシシラン、3−ヘキサメチレンイミノプロピルトリエトキシシラン、3−ヘキサメチレンイミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−ヘキサメチレンイミノプロピルエチルジメトキシシラン、3−ヘキサメチレンイミノプロピルメチルジエトキシシラン、3−ヘキサメチレンイミノプロピルエチルジエトキシシラン、及び、ベンゾイミダゾール、メラミンまたはアミジン構造等と、アルコキシシリル基とを有する化合物等を挙げることができる。
好ましい例としては、N−(1,3−ジメチルブチリデン)−3−(トリエトキシシリル)−1−プロパンアミン、N−(1−メチルプロピリデン)−3−(トリエトキシシリル)−1−プロパンアミン、N−(3−トリメトキシシリルプロピル)−4,5−ジヒドロイミダゾール、N−(3−トリエトキシシリルプロピル)−4,5−ジヒドロイミダゾール、N−(3−トリメトキシシリルプロピル)−4,5−イミダゾール、N−(3−トリエトキシシリルプロピル)−4,5−イミダゾール等が挙げられる。
【0055】
1級ホスフィノ基、2級ホスフィノ基、3級ホスフィノ基、またはチオール基と、ヒドロカルビルオキシ基とを有する化合物の例としては、P,P−ビス(トリメチルシリル)ホスフィノプロピルメチルジメトキシシラン、P,P−ビス(トリメチルシリル)ホスフィノプロピルトリメトキシシラン、P,P−ビス(トリメチルシリル)ホスフィノプロピルトリエトキシシラン、P,P−ビス(トリメチルシリル)ホスフィノプロピルメチルジエトキシシラン、P,P−ビス(トリメチルシリル)ホスフィノエチルトリメトキシシラン、P,P−ビス(トリメチルシリル)ホスフィノエチルトリエトキシシラン、P,P−ビス(トリメチルシリル)ホスフィノエチルメチルジメトキシシラン、P,P−ビス(トリメチルシリル)ホスフィノエチルメチルジエトキシシラン、3−ジメチルフォスフィノプロピルトリメトキシシラン、3−ジエチルフォスフィノプロピルトリメトキシシラン、3−ジメチルフォスフィノプロピルトリエトキシシラン、3−ジエチルフォスフィノプロピルトリエトキシシラン、3−エチルメチルフォスフィノプロピルトリメトキシシラン、3−エチルメチルフォスフィノプロピルトリエトキシシラン、3−ジメチルフォスフィノプロピルメチルジメトキシシラン、3−ジエチルフォスフィノプロピルメチルジメトキシシラン、3−ジメチルフォスフィノプロピルエチルジメトキシシラン、3−ジエチルフォスフィノプロピルエチルジメトキシシラン、3−ジメチルフォスフィノプロピルジメチルメトキシシラン、3−ジメチルフォスフィノプロピルジエチルメトキシシラン、3−ジエチルフォスフィノプロピルジメチルメトキシシラン、3−ジエチルフォスフィノプロピルジエチルメトキシシラン、3−エチルメチルフォスフィノプロピルメチルジメトキシシラン、3−エチルメチルフォスフィノプロピルエチルジメトキシシラン、3−ジメチルフォスフィノプロピルメチルジエトキシシラン、3−ジエチルフォスフィノプロピルメチルジエトキシシラン、3−ジメチルフォスフィノプロピルエチルジエトキシシラン、3−ジエチルフォスフィノプロピルエチルジエトキシシラン、3−ジメチルフォスフィノプロピルジメチルエトキシシラン、3−ジメチルフォスフィノプロピルジエチルエトキシシラン、3−ジエチルフォスフィノプロピルジメチルエトキシシラン、3−ジエチルフォスフィノプロピルジエチルエトキシシラン、3−エチルメチルフォスフィノプロピルメチルジエトキシシラン、3−エチルメチルフォスフィノプロピルエチルジエトキシシラン、3−ジフェニルフォスフィノプロピルトリメトキシシラン、3−ジフェニルフォスフィノプロピルトリエトキシシラン、3−ジフェニルフォスフィノプロピルメリルジメトキシシラン、3−ジフェニルフォスフィノプロピルメリルジエトキシシラン、S−トリメチルシリルメルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、S−トリメチルシリルメルカプトプロピルトリメトキシシラン、S−トリメチルシリルメルカプトプロピルトリエトキシシラン、S−トリメチルシリルメルカプトプロピルメチルジエトキシシラン、S−トリメチルシリルメルカプトエチルトリメトキシシラン、S−トリメチルシリルメルカプトエチルトリエトキシシラン、S−トリメチルシリルメルカプトエチルメチルジメトキシシラン、S−トリメチルシリルメルカプトエチルメチルジエトキシシラン、3−メルカプトメチルトリメトキシシラン、3−メルカプトメチルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、特開2006−249069号公報に例示されているメルカプトシラン化合物等を挙げることができる。
好ましい例としては、3−ジフェニルフォスフィノプロピルトリメトキシシラン、3−ジフェニルフォスフィノプロピルトリエトキシシラン、S−トリメチルシリルメルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、S−トリメチルシリルメルカプトプロピルトリメトキシシラン、S−トリメチルシリルメルカプトプロピルトリエトキシシラン、S−トリメチルシリルメルカプトプロピルメチルジエトキシシラン等が挙げられる。
【0056】
このような第二のヒドロカルビルオキシシラン化合物と前工程で得られた変性共役ジエン系ゴムの混合は、例えば、溶液の形態で行うことができる。混合の形式については特に制限はなく、バッチ式混合器を用いて行ってもよく、多段連続式混合器やインラインミキサなどの装置を用いて連続式で行ってもよい。また、この混合反応は、重合反応終了後、脱溶媒処理、水処理、熱処理、重合体単離に必要な諸操作などを行う前に実施することが好ましい。
【0057】
この混合における第二のヒドロカルビルオキシシラン化合物の使用量は、反応系内に存在するヒドロカルビルオキシ基に対し、好ましくは0.2モル当量以上、より好ましくは、0.3モル当量以上である。該量が0.2モル当量以上であると、オニウム化に伴う第二のヒドロカルビルオキシシラン化合物の取込が十分となり、補強剤の分散性が充分に改良される。また、架橋ゴムとした際に引張強度、耐摩耗性、ウェットスキッド抵抗性及び、低ヒステリシスロス特性が優れる。
また、第二のヒドロカルビルオキシシラン化合物は、第一のヒドロカルビルオキシシラン化合物と兼用することもできる。
なお、変性剤である第二のヒドロカルビルオキシシラン化合物の添加方法は、特に制限されず、一括して添加する方法、分割して添加する方法、あるいは、連続的に添加する方法などが挙げられるが、一括して添加する方法が好ましい。また、第二のヒドロカルビルオキシシラン化合物は、本明細書中に例示した炭化水素溶媒、本明細書中に例示したランダマイザー等を溶媒とする溶液として添加しても良い。
【0058】
第二のヒドロカルビルオキシシラン化合物と前工程で得られた変性共役ジエン系ゴムを混合するときの温度は、変性共役ジエン系ゴムの重合温度をそのまま用いることができる。該温度は、好ましくは0〜120℃、より好ましくは20〜100℃である。温度が低くなると重合体の粘度が上昇する傾向があり、温度が高くなると重合活性末端が変質し易くなるので、前記数値範囲外の温度は好ましくない。また、混合時間は、好ましくは1分間〜5時間、更に好ましくは2分間〜1時間である。
【0059】
工程(A)の後に、上記工程(B)〜工程(D)からなる群より選ばれる少なくとも1種の工程を行うことで、さらに良好な変性共役ジエン系ゴムを得ることができる。
これら工程(B)〜(D)はいかなる順番、及び組み合わせで行ってよい。
また、これらの工程の後に水を接触させる工程をさらに加えてもよい。オニウム生成剤と水を接触させることで、オニウム構造を形成し、オニウム構造を有する変性共役ジエン系ゴムを得ることができる。
具体的には、オニウム生成剤と水を接触させることで、(a)前記工程(A)で得られた変性共役ジエン系ゴム、又は、前記変性共役ジエン系ゴムと、(b)前記第二のヒドロカルビルオキシシラン化合物、(c)前記変性共役ジエン系ゴム体と前記第二のヒドロカルビルオキシシラン化合物との加水分解縮合物、(d)前記変性共役ジエン系ゴムと前記縮合触媒の加水分解縮合物、(e)前記第二のヒドロカルビルオキシシラン化合物と前記縮合触媒の加水分解縮合物、及び(f)前記変性共役ジエン系ゴムと前記第二のヒドロカルビルオキシシラン化合物と前記縮合触媒の加水分解縮合物からなる群より選ばれる少なくとも1種以上、がオニウム構造を形成し、オニウム構造を有する変性共役ジエン系ゴムを得ることができる。
【0060】
オニウム生成剤と水を接触させ、オニウム構造を形成させる方法としては、特に制限はなく、例えば、(i)工程の後に重合体溶液中に水を直接添加して混合する方法、(ii)工程の後に、アルコール等の水及び有機溶剤の両方に溶解可能な有機溶剤に水を溶解させてなるものを重合体溶液中に添加して混合する方法、(iii)工程の後のスチームストリッピングの工程で脱溶媒と同時に、重合体溶液及び/又は重合体と、水を混合する方法、が好ましい。中でも、(iii)工程の後のスチームストリッピングの工程で脱溶媒と同時に、重合体溶液及び/又は重合体と、水を混合する方法が、効率的なオニウム構造形成の観点から特に好ましい。
【0061】
また、反応時の温度は、好ましくは30〜150℃、より好ましくは80〜120℃である。
この工程で使用される変性共役ジエン系ゴムは、変性共役ジエン系ゴムを調製する際に得られた重合体溶液を、脱溶媒しないまま、重合体溶液の状態で用いてもよいし、上記重合体溶液を、スチームストリッピング等により脱溶媒を行い、更に乾燥して得られた変性共役ジエン系ゴムを、シクロヘキサン等の溶媒に再度溶解させて用いてもよい。
【0062】
[2]変性共役ジエン系ゴム:
本発明の変性共役ジエン系ゴムは、これまでに説明した本発明の変性共役ジエン系ゴムの製造方法によって得られた変性共役ジエン系ゴムである。このような変性共役ジエン系ゴムは、ムーニー粘度が高く、形状安定性に優れ、加工性が良好なものである。本発明の変性共役ジエン系ゴムのムーニー粘度(ML1+4,100℃)は、好ましくは30〜150、より好ましくは40〜120である。該ムーニー粘度が30未満であると、形状安定性が低下する傾向にある。該ムーニー粘度が150を超えると、作業性が悪くなり、配合剤とともに混練りすることが困難になることがある。なお、ムーニー粘度が高過ぎる場合は、通常、伸展油で油展して、この範囲内とする。伸展油としては、アロマ油、ナフテン油、パラフィン油、さらに、IP346の方法によるPCA3質量%以下のアロマ代替油が好ましく用いられる。伸展油の使用量は任意であるが、通常は、変性共役ジエン系ゴム100質量部に対し、10〜50質量部である。伸展油を使用する場合、一般的には20〜37.5質量部の配合量で用いられることが多い。また、オイルの製造工程による分類においては、T−DAE(Treated Distillate Aromatic Extract)油、T−RAE(Treated Residual Aromati Extract)油、MES(Mild Extract Solvate)油、RAE(Residual Aromatic Extract)油などが好適に使用できる。
【0063】
[3]ゴム組成物:
本発明のゴム組成物は、ゴム成分として前述の変性共役ジエン系ゴムを含むものである。以下、その詳細について説明する。
[3−1]ゴム成分:
本発明のゴム組成物中のゴム成分は、前述の変性共役ジエン系ゴムを含むものである。ゴム成分中の変性共役ジエン系ゴムの含有割合は、好ましくは20質量%以上、より好ましくは30質量%以上、特に好ましくは40質量%以上である。該含有割合を20質量%以上とすれば、架橋ゴムの引張強さ、引張伸び等の機械的特性、耐亀裂成長性、及び耐摩耗性をより良好なものとすることができる。
【0064】
また、変性共役ジエン系ゴムには、一種類の変性共役ジエン系ゴムが含有されていても、二種類以上の変性共役ジエン系ゴムが含有されていてもよい。また、変性共役ジエン系ゴム以外にも、他のゴム成分が含有されていてもよい。他のゴム成分としては、天然ゴム、合成イソプレンゴム、ブタジエンゴム、変性ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、変性スチレン−ブタジエンゴム、エチレン−α−オレフィン共重合ゴム、エチレン−α−オレフィン−ジエン共重合ゴム、アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴム、クロロプレンゴム、ハロゲン化ブチルゴム、スチレン−イソプレン共重合ゴム、ブタジエン−イソプレン共重合体ゴム、ランダムスチレン−ブタジエン−イソプレン共重合ゴム、スチレン−アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴム、アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴム、及び、ポリスチレン−ポリブタジエン−ポリスチレンブロック共重合体、並びにこれらの混合物等を挙げることができる。タイヤ用ゴム組成物として使用可能な他の公知のゴム成分が含有されていても、低ヒステリシスロス特性に優れた架橋ゴムを製造することが可能である。
【0065】
[3−2]その他の成分(カーボンブラック、シリカ):
本発明のゴム組成物は、カーボンブラック及び/又はシリカを更に含有するものであることが好ましい。カーボンブラックの例としては、SRF、GPF、FEF、HAF、ISAF、SAF、ISAF−HS、ISAF−LS、IISAF−HS、HAF−HS、HAF−LSに代表されるファーネスブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック、チャンネルブラック、グラファイト、グラファイト繊維、フラーレン等を挙げることができる。また、ヨウ素吸着量(IA)が60mg/g以上であり、かつジブチルフタレート吸油量(DBP)が80ml/100g以上のカーボンブラックが好ましい。カーボンブラックを用いることにより、架橋ゴムのグリップ性能、及び耐破壊特性の改良効果は大きくなる。なお、耐摩耗性に優れるHAF、ISAF、SAFが特に好ましい。カーボンブラックは、一種を単独で又は二種以上を組み合わせて用いることができる。
【0066】
シリカの例としては、湿式シリカ(含水ケイ酸)、乾式シリカ(無水ケイ酸)、コロイダルシリカ、沈降シリカ、ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム等を挙げることができる。これらのうち、湿式シリカが耐破壊特性の改良効果、ウェットグリップ性、及び低ヒステリシスロス特性の両立効果が最も顕著であることから好ましい。また、高分散型(High Dispersible Type)のシリカを使用することも、ゴムへの分散性を良好にし、物性、加工性の面で好ましい。シリカは、一種を単独で又は二種以上を組み合わせて用いることができる。
【0067】
本発明のゴム組成物中のカーボンブラック及び/又はシリカの量は、ゴム成分(変性共役ジエン系ゴム及び他のゴム成分の合計)100質量部に対して、好ましくは20〜130質量部であり、より好ましくは補強性とそれによる諸物性の改良効果の観点から、25〜110質量部である。なお、カーボンブラック及び/又はシリカの含有割合が少ないと、耐破壊特性等の向上効果が不十分となる傾向にあり、カーボンブラック及び/又はシリカの含有割合が多いと、ゴム組成物の加工性が低下する傾向にあるため、該含有割合は前記数値範囲内であることが好ましい。また、本発明のゴム組成物中にカーボン−シリカ デュアル・フェイズ・フィラー(Dual Phase Filler)を配合することにより、カーボンブラックとシリカを併用したときと同様な優れた利点を得ることができる。カーボン−シリカ デュアル・フェイズ・フィラーは、カーボンブラックの表面にシリカを化学結合させた、いわゆるシリカ・コーティング・カーボンブラックであり、キャボット社から商品名CRX2000、CRX2002、CRX2006として販売されている。カーボン−シリカ デュアル・フェイズ・フィラーの配合量は、ゴム成分の合計100質量部に対して、好ましくは1〜100質量部、より好ましくは5〜95質量部である。
【0068】
本発明のゴム組成物に、補強剤としてシリカを含有させる場合、補強効果を更に向上させるために、シランカップリッグ剤を配合することが好ましい。このシランカップリング剤としては、例えば、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)トリスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(2−トリエトキシシリルエチル)テトラスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2−トリメトキシシリルエチル)テトラスルフィド、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、2−メルカプトエチルトリメトキシシラン、2−メルカプトエチルトリエトキシシラン、3−トリメトキシシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、2−トリエトキシシリルエチル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピルベンゾチアゾリルテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピルベンゾリルテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピルメタクリレートモノスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピルメタクリレートモノスルフィド、ビス(3−ジエトキシメチルシリルプロピル)テトラスルフィド、3−メルカプトプロピルジメトキシメチルシラン、ジメトキシメチルシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、ジメトキシメチルシリルプロピルベンゾチアゾリルテトラスルフィド、ビニルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−オクタチオ−1−プロピル−トリエトキシシラン、γ−トリメトキシシリルプロピルジメチルチオカルバミルテトラスルフィド、γ−トリメトキシシリルプロピルベンゾチアジルテトラスルフィド、特開2006−249069号公報に例示されているメルカプトシラン化合物、市販では、例えば、モメンティブ パーフォーマンス マテリアルズ社製の商品名「NXT シラン」、「NXT−Low−V シラン」、「NXT Ultra Low−V シラン」、デグザ社製の商品名「VP Si363」、11−MERCAPTOUNDECYLTRIMETHOXYSILANE(gelest社製)などを挙げることができる。これらのうち、補強性の改善効果等の点から、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ポリスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピルベンゾチアジルテトラスルフィド、特開2006−249069号公報に例示されているメルカプトシラン化合物が好適である。なお、これらのシランカップリング剤は、一種を単独で又は二種以上を組み合わせて用いることができる。シランカップリング剤の配合量は、シランカップリング剤の種類等により異なるが、シリカ100質量部に対して、好ましくは1〜20質量部、より好ましくは3〜15質量部である。該量が1質量部未満であると、カップリング剤としての効果が十分に発揮され難くなる傾向にある。一方、該量が20質量部を超えると、ゴム成分がゲル化し易くなる傾向にある。
【0069】
本発明のゴム組成物の各種配合剤は、特に限定されない。例えば、混練り時の加工性改良、あるいはウェットスキッド抵抗性、低ヒステリシスロス特性、耐摩耗性のバランスをさらに向上させる目的で、相溶化剤を混練り時に添加することができる。相溶化剤の好ましい例としては、エポキシ基含有化合物、カルボン酸化合物、カルボン酸エステル化合物、ケトン化合物、エーテル化合物、アルデヒド化合物、水酸基含有化合物およびアミノ基含有化合物から選択される有機化合物、及び、ヒドロカルビルオキシシラン化合物、シロキサン化合物およびアミノシラン化合物から選択されるシリコーン化合物が挙げられる。
相溶化剤としての有機化合物の例として、エポキシ基含有化合物、カルボン酸化合物、カルボン酸エステル化合物、ケトン化合物、エーテル化合物、アルデヒド化合物、アミノ基含有化合物、水酸基含有化合物などが挙げられる。
これら各種の有機化合物の例としては、下記の化合物が挙げられる。
エポキシ基含有化合物としては、ブチルグリシジルエーテル、ジグリシジルエーテル、酸化プロピレン、ネオペンチルグリコールシグリシジルエーテル、エポキシ樹脂、エポキシ化大豆油、エポキシ化脂肪酸エステルなどが挙げられる。
カルボン酸化合物としては、アジピン酸、オクチル酸、メタクリル酸などが挙げられる。
カルボン酸エステル化合物としては、アクリル酸エステル、アクリル酸ジエチレン、メタクリル酸エチル、オルト酢酸エステル、アセト酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソプロピル、ジメチルカーボネート、p−ヒドロキシフェニル酢酸、ポリエステル系可塑剤、ステアリン酸系可塑剤などが挙げられる。
ケトン化合物としては、メチルシクロヘキサノン、アセチルアセトンなどが挙げられる。
エーテル化合物としては、イソプロピルエーテル、ジブチルエーテルなどが挙げられる。
アルデヒド化合物としては、ウンデシレンアルデヒド、デシルアルデヒド、バニリン、3,4−ジメトキシベンズアルデヒド、クミンアルデヒドなどが挙げられる。
アミノ基含有化合物としては、イソプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、トリエチルアミン、3−エトキシプロピルアミン、2−エチルヘキシルアミン、イソプロパノールアミン、N−エチルエチレンジアミン、エチレンイミン、ヘキサメチレンジアミン、3−ラウリルオキシプロピルアミン、アミノフェノール、アニリン、3−イソプロポキシアニリン、フェニレンジアミン、アミノピリジン、N−メチルジエタノールアミン、N−メチルエタノールアミン、3−アミノ−1−プロパノール、塩酸エチルアミン、塩酸−n−ブチルアミンなどが挙げられる。
水酸基含有化合物としては、イソプロピルアルコール、ブタノール、オクタノール、オクタンジオール、エチレングリコール、メチルシクロヘキサノール、2−メルカプトエタノール、3−メチル−3−メトキシ−1−ブタノール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1−オクタデカノール、ジエチレングリコール、ブチレングリコール、ジブチレングリコール、トリエチレングリコールなどが挙げられる。
なかでも、エポキシ基含有化合物、アミノ基含有化合物、水酸基含有化合物が好ましい。
相溶化剤としてのシリコーン化合物の例として、ヒドロカルビルオキシシラン化合物、シロキサン化合物、アミノシラン化合物などが挙げられる。
これら各種のシリコーン化合物の例としては、下記の化合物が挙げられる。
ヒドロカルビルオキシシラン化合物としては、トリメチルメトキシシラン、トリメチルエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリフェノキシシラン、テトラエトキシシラン、メチルジエトキシシラン、ビニルトリメトキシシランなどが挙げられる。
シロキサン化合物としては、ジメチルシロキサンオリゴマー、シリコーンオイル、アミノ変性シリコーンオイル、エポキシ変性シリコーンオイル、カルボキシル変性シリコーンオイル、ポリエーテル変性シリコーンオイル、アルキル変性シリコーンオイル、高級脂肪酸エステル変性シリコーンオイル、高級アルコキシ変性シリコーンオイル、高級脂肪酸含有シリコーンオイルなどが挙げられる。
アミノシラン化合物としては、ヘキサメチルジシラザン、ノナメチルトリシラザン、アニリトリメチルシラン、ビス(ジメチルアミノ)ジメチルシラン、ビス(ジエチルアミノ)ジメチルシラン、トリエチルアミノシランなどが挙げられる。
なかでも、シラザン化合物、ビス(ジメチルアミノ)ジメチルシランが好ましい。
【0070】
本発明のゴム組成物には、本発明の目的が損なわれない範囲内で、所望により、ゴム工業界で通常用いられている各種の薬品や添加剤等を配合することができる。本発明のゴム組成物に配合可能な各種薬品や添加剤等としては、例えば、架橋剤、加硫助剤、加工助剤、加硫促進剤、プロセス油、老化防止剤、スコーチ防止剤、亜鉛華、ステアリン酸等を挙げることができる。
【0071】
架橋剤としては、硫黄、有機酸化物架橋剤、キノイド架橋剤、及び樹脂架橋剤等が挙げられる。より具体的には、加硫剤(硫黄、ハロゲン化硫黄)、有機過酸化物、キノンジオキシム類、有機多価アミン化合物、メチロール基を有するアルキルフェノール樹脂などが挙げられる。中でも、通常、硫黄が使用される。架橋剤の使用量は、ゴム成分100質量部に対して、0.1〜5質量部であることが好ましく、0.5〜3質量部であることが更に好ましい。
加硫助剤及び加工助剤としては、一般的にステアリン酸が用いられる。加硫助剤及び加工助剤の使用量は、ゴム成分100質量部に対して、通常、0.5〜5質量部である。
加硫促進剤の例としては、特に限定されないが、スルフェンアミド系、グアニジン系、チウラム系、チオウレア系、チアゾール系、ジチオカルバミン酸系、キサントゲン酸系の化合物が挙げられ、好ましくは2−メルカプトベンゾチアゾール、ジベンゾチアジルジサルファイド、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド、N−t−ブチル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N−オキシエチレン−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N−オキシエチレン−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N,N’−ジイソプロピル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド、ジフェニルグアニジン、ジオルトトリルグアニジン、オルトトリルビグアニジンなどを挙げることができる。加硫促進剤の使用量は、ゴム成分100質量部に対して、通常、0.1〜5質量部であり、好ましくは0.4〜4質量部である。
【0072】
本発明のゴム組成物は、ロールをはじめとする開放式混練機、バンバリーミキサーをはじめとする密閉式混練機等の混練機を使用し、混練することによって製造することができる。また、成形加工後に架橋(加硫)することによって、各種ゴム製品に適用可能である。本発明の架橋ゴム(架橋後のゴム組成物)は、例えば、タイヤ(例えば、タイヤのトレッド、アンダートレッド、カーカス、サイドウォール、及びビード部等の部分)、防振ゴム、防舷材、ベルト、ホース、その他の工業品等の用途に好適である。本発明の架橋ゴムは、特に、タイヤトレッド用ゴムとして好適に使用される。
【0073】
本発明において、共役ジエン系重合体、変性共役ジエン系ゴム、ゴム組成物、架橋ゴムの各々の物性等は、以下のとおりである。
変性前の共役ジエン系重合体の、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によるポリスチレン換算の重量平均分子量は、変性共役ジエン系ゴムの形状安定性とゴム組成物を製造する際の作業性のバランスを維持する観点から、好ましくは1〜150万、より好ましくは5万〜100万、特に好ましくは10万〜80万である。
変性共役ジエン系ゴムのガラス転移温度は、得られる架橋ゴムの低ヒステリシスロス特性とウェットスキッド抵抗性のバランスを維持する観点から、好ましくは0℃以下、より好ましくは−5℃以下、特に好ましくは−10℃以下である。
変性共役ジエン系ゴムのムーニー粘度(ML1+4,100℃)は、変性共役ジエン系ゴムの形状安定性とゴム組成物を製造する際の作業性のバランスを維持する観点から、好ましくは30〜150、より好ましくは40〜120である。
変性共役ジエン系ゴムのコールドフロー値(mg/分)は、変性共役ジエン系ゴムの形状安定性の観点から、好ましくは1.5以下、より好ましくは1.0以下、特に好ましくは0.5以下である。
ゴム組成物のムーニー粘度(ML1+4,100℃)は、タイヤを作成する際の作業性の観点から、好ましくは20〜150、より好ましくは30〜130、特に好ましくは40〜110である。
【実施例】
【0074】
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、実施例、比較例中の「部」及び「%」は、特に断らない限り質量基準である。また、各種物性値の測定方法を以下に示す。
[スチレン単位量(%)]:500MHzのH−NMRによって求めた。
[ビニル含量(%)]:500MHzのH−NMRによって求めた。
[ガラス転移温度(℃)]:ASTM D3418に準拠して測定した。
[変性前の重量平均分子量]:ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)(HLC−8120GPC(商品名(東ソー社製)))を使用して得られたGPC曲線の最大ピークの頂点に相当する保持時間から、ポリスチレン換算で求めた。
(GPCの条件)
カラム;商品名「GMHHXL」(東ソー社製)2本
カラム温度;40℃
移動相;テトラヒドロフラン
流速;1.0ml/分
サンプル濃度;10mg/20ml
[ムーニー粘度(ML1+4,100℃)]:JIS K6300に準拠し、Lローターを使用して、予熱1分、ローター作動時間4分、温度100℃の条件で求めた。
【0075】
実施例1〔変性共役ジエン系ゴムAの合成、およびその評価〕
窒素置換された内容積5リットルのオートクレーブ反応器に、シクロヘキサン2,750g、テトラヒドロフラン50.0g、スチレン125g、1,3−ブタジエン365gを仕込んだ。反応器内容物の温度を10℃に調整した後、n−ブチルリチウム(5.80mmol)を含むシクロヘキサン溶液を添加して重合を開始した。重合は断熱条件で実施し、最高温度は85℃に達した。
【0076】
重合転化率が99%に達した時点で、ブタジエン10gを追加し、さらに5分間重合させた後、変性前分子量測定用に10gのポリマー溶液をサンプリングし、下記化学式(1)のヒドロカルビルオキシシラン化合物(4.96mmol)を含むシクロヘキサン溶液を加えて15分間反応を行った。
【化3】
次に、得られたポリマー溶液に2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール2.0gを添加した。次いで、水酸化ナトリウムでpH=9に調整した熱水を用いてスチームストリッピングを行うことにより脱溶媒を行い、110℃に調温された熱ロールによりゴムを乾燥し、変性共役ジエン系ゴムAを得た。
変性共役ジエン系ゴムAの重合処方を表1に、得られた変性共役ジエン系ゴムAの性質を表2に示す。また、変性共役ジエン系ゴムAを用いて、表3に示す配合処方により調製したゴム組成物を加硫して、物性評価を行った。その結果を表4に示す。
【0077】
実施例2〔変性共役ジエン系ゴムBの合成、およびその評価〕
実施例1で、上記化学式(1)のヒドロカルビルオキシシラン化合物の代わりに下記化学式(2)のヒドロカルビルオキシシラン化合物を使用した以外は実施例1と同様の方法で、変性共役ジエン系ゴムBを得た。
【化4】
変性共役ジエン系ゴムBの重合処方を表1に、得られた変性共役ジエン系ゴムBの性質を表2に示す。また、変性共役ジエン系ゴムBを用いて、表3に示す配合処方により調製したゴム組成物を加硫して、物性評価を行った。その結果を表4に示す。
【0078】
実施例3〔変性共役ジエン系ゴムCの合成、およびその評価〕
窒素置換された内容積5リットルのオートクレーブ反応器に、シクロヘキサン2,750g、テトラヒドロフラン10.3g、スチレン50g、1,3−ブタジエン440gを仕込んだ。反応器内容物の温度を10℃に調整した後、n−ブチルリチウム(5.80mmol)を含むシクロヘキサン溶液を添加して重合を開始した。重合は断熱条件で実施し、最高温度は85℃に達した。
【0079】
重合転化率が99%に達した時点で、ブタジエン10gを追加し、さらに5分間重合させた後、変性前分子量測定用に10gのポリマー溶液をサンプリングし、下記化学式(3)のヒドロカルビルオキシシラン化合物(4.96mmol)を含むシクロヘキサン溶液を加えて15分間反応を行った。
【化5】
次に、得られたポリマー溶液に2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール2.0gを添加した。次いで、水酸化ナトリウムでpH=6に調整した熱水を用いてスチームストリッピングを行うことにより脱溶媒を行い、110℃に調温された熱ロールによりゴムを乾燥し、変性共役ジエン系ゴムCを得た。
変性共役ジエン系ゴムCの重合処方を表1に、得られた変性共役ジエン系ゴムCの性質を表2に示す。また、変性共役ジエン系ゴムCを用いて、表3に示す配合処方により調製したゴム組成物を加硫して、物性評価を行った。その結果を表4に示す。
【0080】
実施例4〔変性共役ジエン系ゴムDの合成、およびその評価〕
実施例1で、上記化学式(1)のヒドロカルビルオキシシラン化合物の代わりに下記化学式(4)のヒドロカルビルオキシシラン化合物を使用した以外は実施例1と同様の方法で、変性共役ジエン系ゴムDを得た。
【化6】
変性共役ジエン系ゴムDの重合処方を表1に、得られた変性共役ジエン系ゴムDの性質を表2に示す。また、変性共役ジエン系ゴムDを用いて、表3に示す配合処方により調製したゴム組成物を加硫して、物性評価を行った。その結果を表4に示す。
【0081】
実施例5〔変性共役ジエン系ゴムEの合成、およびその評価〕
実施例1で、上記化学式(1)のヒドロカルビルオキシシラン化合物の代わりに下記化学式(5)のヒドロカルビルオキシシラン化合物を使用した以外は実施例1と同様の方法で、変性共役ジエン系ゴムEを得た。
【化7】
変性共役ジエン系ゴムEの重合処方を表1に、得られた変性共役ジエン系ゴムEの性質を表2に示す。また、変性共役ジエン系ゴムEを用いて、表3に示す配合処方により調製したゴム組成物を加硫して、物性評価を行った。その結果を表4に示す。
【0082】
実施例6〔変性共役ジエン系ゴムFの合成、およびその評価〕
実施例1で、上記化学式(1)のヒドロカルビルオキシシラン化合物の代わりに下記化学式(6)のヒドロカルビルオキシシラン化合物を使用した以外は実施例1と同様の方法で、変性共役ジエン系ゴムFを得た。
【化8】
変性共役ジエン系ゴムFの重合処方を表1に、得られた変性共役ジエン系ゴムFの性質を表2に示す。また、変性共役ジエン系ゴムFを用いて、表3に示す配合処方により調製したゴム組成物を加硫して、物性評価を行った。その結果を表4に示す。
【0083】
実施例7〔変性共役ジエン系ゴムGの合成、およびその評価〕
窒素置換された内容積5リットルのオートクレーブ反応器に、シクロヘキサン2,750g、テトラヒドロフラン50.0g、スチレン125g、1,3−ブタジエン365gを仕込んだ。反応器内容物の温度を10℃に調整した後、n−ブチルリチウム(5.80mmol)を含むシクロヘキサン溶液を添加して重合を開始した。重合は断熱条件で実施し、最高温度は85℃に達した。
【0084】
重合転化率が99%に達した時点で、ブタジエン10gを追加し、さらに5分間重合させた後、変性前分子量測定用に10gのポリマー溶液をサンプリングし、前記化学式(1)のヒドロカルビルオキシシラン化合物(4.96mmol)を含むシクロヘキサン溶液を加えて15分間反応を行った。反応後の重合体溶液に、3−アミノプロピルトリエトキシシラン(4.96mmol)を含むシクロヘキサン溶液を加えて5分間混合後、更にビス(2−エチルヘキサノエート)スズ(4.96mmol)を含むシクロヘキサン溶液を加えて5分間混合を行った。次に、得られたポリマー溶液に2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール2.0gを添加した。次いで、水酸化ナトリウムでpH=9に調整した熱水を用いてスチームストリッピングを行うことにより脱溶媒を行い、110℃に調温された熱ロールによりゴムを乾燥し、変性共役ジエン系ゴムGを得た。
変性共役ジエン系ゴムGの重合処方を表1に、得られた変性共役ジエン系ゴムGの性質を表2に示す。また、変性共役ジエン系ゴムGを用いて、表3に示す配合処方により調製したゴム組成物を加硫して、物性評価を行った。その結果を表4に示す。
【0085】
実施例8〔変性共役ジエン系ゴムHの合成、およびその評価〕
窒素置換された内容積5リットルのオートクレーブ反応器に、シクロヘキサン2,750g、テトラヒドロフラン50.0g、スチレン125g、1,3−ブタジエン365gを仕込んだ。反応器内容物の温度を10℃に調整した後、n−ブチルリチウム(5.80mmol)を含むシクロヘキサン溶液を添加して重合を開始した。重合は断熱条件で実施し、最高温度は85℃に達した。
【0086】
重合転化率が99%に達した時点で、ブタジエン10gを追加し、さらに5分間重合させた後、変性前分子量測定用に10gのポリマー溶液をサンプリングし、前記化学式(1)のヒドロカルビルオキシシラン化合物(4.96mmol)を含むシクロヘキサン溶液を加えて15分間反応を行った。反応後の重合体溶液に、ビス(2−エチルヘキサノエート)ジルコニウムオキサイド(4.96mmol)を含むシクロヘキサン溶液を加えて5分間混合を行った。次に、得られたポリマー溶液に2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール2.0gを添加した。次いで、水酸化ナトリウムでpH=9に調整した熱水を用いてスチームストリッピングを行うことにより脱溶媒を行い、110℃に調温された熱ロールによりゴムを乾燥し、変性共役ジエン系ゴムHを得た。
変性共役ジエン系ゴムHの重合処方を表1に、得られた変性共役ジエン系ゴムHの性質を表2に示す。また、変性共役ジエン系ゴムHを用いて、表3に示す配合処方により調製したゴム組成物を加硫して、物性評価を行った。その結果を表4に示す。
【0087】
実施例9〔変性共役ジエン系ゴムIの合成、およびその評価〕
実施例7で、ビス(2−エチルヘキサノエート)スズを添加しない以外は実施例7と同様の方法で、変性共役ジエン系ゴムIを得た。
変性共役ジエン系ゴムIの重合処方を表1に、得られた変性共役ジエン系ゴムIの性質を表2に示す。また、変性共役ジエン系ゴムIを用いて、表3に示す配合処方により調製したゴム組成物を加硫して、物性評価を行った。その結果を表4に示す。
【0088】
実施例10〔変性共役ジエン系ゴムJの合成、およびその評価〕
実施例9で、3−アミノプロピルトリエトキシシランの代わりにN−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシランを使用した以外は実施例9と同様の方法で、変性共役ジエン系ゴムJを得た。
変性共役ジエン系ゴムJの重合処方を表1に、得られた変性共役ジエン系ゴムJの性質を表2に示す。また、変性共役ジエン系ゴムJを用いて、表3に示す配合処方により調製したゴム組成物を加硫して、物性評価を行った。その結果を表4に示す。
【0089】
実施例11〔変性共役ジエン系ゴムKの合成、およびその評価〕
窒素置換された内容積5リットルのオートクレーブ反応器に、シクロヘキサン2,750g、2,2−ジ(テトラヒドロフリル)プロパン3.25mmol、スチレン125g、ピペリジン4.70mmol、1,3−ブタジエン365gを仕込んだ。反応器内容物の温度を10℃に調整した後、n−ブチルリチウム(5.80mmol)を含むシクロヘキサン溶液を添加して重合を開始した。重合は断熱条件で実施し、最高温度は85℃に達した。
【0090】
重合転化率が99%に達した時点で、ブタジエン10gを追加し、さらに5分間重合させた後、変性前分子量測定用に10gのポリマー溶液をサンプリングし、前記化学式(1)のヒドロカルビルオキシシラン化合物(4.96mmol)を含むシクロヘキサン溶液を加えて15分間反応を行った。反応後の重合体溶液に、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン(4.96mmol)を含むシクロヘキサン溶液を加えて5分間混合を行った。次に、得られたポリマー溶液に2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール2.0gを添加した。次いで、水酸化ナトリウムでpH=9に調整した熱水を用いてスチームストリッピングを行うことにより脱溶媒を行い、110℃に調温された熱ロールによりゴムを乾燥し、変性共役ジエン系ゴムKを得た。
変性共役ジエン系ゴムKの重合処方を表1に、得られた変性共役ジエン系ゴムKの性質を表2に示す。また、変性共役ジエン系ゴムKを用いて、表3に示す配合処方により調製したゴム組成物を加硫して、物性評価を行った。その結果を表4に示す。
【0091】
実施例12〔変性共役ジエン系ゴムLの合成、およびその評価〕
実施例11で、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン(4.96mmol)の代わりに四塩化ケイ素(3.86mmol)を使用した以外は実施例11と同様の方法で、変性共役ジエン系ゴムLを得た。
変性共役ジエン系ゴムLの重合処方を表1に、得られた変性共役ジエン系ゴムLの性質を表2に示す。また、変性共役ジエン系ゴムLを用いて、表3に示す配合処方により調製したゴム組成物を加硫して、物性評価を行った。その結果を表4に示す。
【0092】
実施例13〔変性共役ジエン系ゴムMの合成、およびその評価〕
窒素置換された内容積5リットルのオートクレーブ反応器に、シクロヘキサン2,750g、2,2−ジ(テトラヒドロフリル)プロパン3.25mmol、スチレン125g、ピペリジン4.70mmol、1,3−ブタジエン365gを仕込んだ。反応器内容物の温度を10℃に調整した後、n−ブチルリチウム(5.80mmol)を含むシクロヘキサン溶液を添加して重合を開始した。重合は断熱条件で実施し、最高温度は85℃に達した。
【0093】
重合転化率が99%に達した時点で、ブタジエン10gを追加し、さらに5分間重合させた後、変性前分子量測定用に10gのポリマー溶液をサンプリングし、前記化学式(1)のヒドロカルビルオキシシラン化合物(4.96mmol)を含むシクロヘキサン溶液を加えて15分間反応を行った。反応後の重合体溶液に、3−アミノプロピルトリエトキシシラン(4.96mmol)を含むシクロヘキサン溶液を加えて5分間混合後、更にアジピン酸(20.4mmol)を含むシクロヘキサン溶液を加えて5分間混合を行った。次に、得られたポリマー溶液に2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール2.0gを添加した。次いで、水酸化ナトリウムでpH=6に調整した熱水を用いてスチームストリッピングを行うことにより脱溶媒を行い、110℃に調温された熱ロールによりゴムを乾燥し、変性共役ジエン系ゴムMを得た。
変性共役ジエン系ゴムMの重合処方を表1に、得られた変性共役ジエン系ゴムMの性質を表2に示す。また、変性共役ジエン系ゴムMを用いて、表3に示す配合処方により調製したゴム組成物を加硫して、物性評価を行った。その結果を表4に示す。
【0094】
実施例14〔変性共役ジエン系ゴムNの合成、およびその評価〕
実施例13で、アジピン酸(20.4mmol)の代わりに四塩化チタン(5.10mmol)を使用した以外は実施例13と同様の方法で、変性共役ジエン系ゴムNを得た。
変性共役ジエン系ゴムNの重合処方を表1に、得られた変性共役ジエン系ゴムNの性質を表2に示す。また、変性共役ジエン系ゴムNを用いて、表3に示す配合処方により調製したゴム組成物を加硫して、物性評価を行った。その結果を表4に示す。
【0095】
実施例15〔変性共役ジエン系ゴムOの合成、およびその評価〕
実施例13で、アジピン酸(20.4mmol)の代わりにイソプロピルアシッドホスフェート(13.61mmol)を使用した以外は実施例13と同様の方法で、変性共役ジエン系ゴムOを得た。
変性共役ジエン系ゴムOの重合処方を表1に、得られた変性共役ジエン系ゴムOの性質を表2に示す。また、変性共役ジエン系ゴムOを用いて、表3に示す配合処方により調製したゴム組成物を加硫して、物性評価を行った。その結果を表4に示す。
【0096】
実施例16〔変性共役ジエン系ゴムPの合成、およびその評価〕
窒素置換された内容積5リットルのオートクレーブ反応器に、シクロヘキサン2,750g、テトラヒドロフラン100.0g、スチレン180g、1,3−ブタジエン310gを仕込んだ。反応器内容物の温度を20℃に調整した後、n−ブチルリチウム(4.60mmol)を含むシクロヘキサン溶液を添加して重合を開始した。重合は断熱条件で実施し、最高温度は85℃に達した。
【0097】
重合転化率が99%に達した時点で、ブタジエン10gを追加し、さらに5分間重合させた後、変性前分子量測定用に10gのポリマー溶液をサンプリングし、前記化学式(1)のヒドロカルビルオキシシラン化合物(3.93mmol)を含むシクロヘキサン溶液を加えて15分間反応を行った。反応後の重合体溶液に、3−アミノプロピルトリエトキシシラン(3.93mmol)を含むシクロヘキサン溶液を加えて5分間混合後、更に四塩化ケイ素(3.12mmol)を含むシクロヘキサン溶液を加えて5分間混合を行った。次に、得られたポリマー溶液に2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール2.0gを添加した後、ナフテン系オイル(三共油化工業(株)製、商標;SNH46)187.5gを加えて5分間混合を行った。次いで、水酸化ナトリウムでpH=9に調整した熱水を用いてスチームストリッピングを行うことにより脱溶媒を行い、110℃に調温された熱ロールによりゴムを乾燥し、変性共役ジエン系ゴムPを得た。
変性共役ジエン系ゴムPの重合処方を表1に、得られた変性共役ジエン系ゴムPの性質を表2に示す。また、変性共役ジエン系ゴムPを用いて、表3に示す配合処方により調製したゴム組成物を加硫して、物性評価を行った。その結果を表4に示す。
【0098】
比較例1〔変性共役ジエン系ゴムQの合成、およびその評価〕
実施例1で、前記化学式(1)のヒドロカルビルオキシシラン化合物の代わりにN,N−ビス(トリエチルシリル)アミノプロピルメチルジメトキシシランを使用した以外は実施例1と同様の方法で、変性共役ジエン系ゴムQを得た。
変性共役ジエン系ゴムQの重合処方を表1に、得られた変性共役ジエン系ゴムQの性質を表2に示す。また、変性共役ジエン系ゴムQを用いて、表3に示す配合処方により調製したゴム組成物を加硫して、物性評価を行った。その結果を表4に示す。
【0099】
比較例2〔変性共役ジエン系ゴムRの合成、およびその評価〕
実施例1で、上記化学式(1)のヒドロカルビルオキシシラン化合物の代わりに下記化学式(7)のヒドロカルビルオキシシラン化合物を使用した以外は実施例1と同様の方法で、変性共役ジエン系ゴムRを得た。
【化9】
変性共役ジエン系ゴムRの重合処方を表1に、得られた変性共役ジエン系ゴムRの性質を表2に示す。また、変性共役ジエン系ゴムRを用いて、表3に示す配合処方により調製したゴム組成物を加硫して、物性評価を行った。その結果を表4に示す。
【0100】
比較例3〔変性共役ジエン系ゴムSの合成、およびその評価〕
窒素置換された内容積5リットルのオートクレーブ反応器に、シクロヘキサン2,750g、テトラヒドロフラン50.0g、スチレン125g、1,3−ブタジエン365gを仕込んだ。反応器内容物の温度を10℃に調整した後、n−ブチルリチウム(5.80mmol)を含むシクロヘキサン溶液を添加して重合を開始した。重合は断熱条件で実施し、最高温度は85℃に達した。
【0101】
重合転化率が99%に達した時点で、ブタジエン10gを追加し、さらに5分間重合させた後、変性前分子量測定用に10gのポリマー溶液をサンプリングし、前記化学式(7)のヒドロカルビルオキシシラン化合物(4.96mmol)を含むシクロヘキサン溶液を加えて15分間反応を行った。反応後の重合体溶液に、3−アミノプロピルトリエトキシシラン(4.96mmol)を含むシクロヘキサン溶液を加えて5分間混合を行った。次に、得られたポリマー溶液に2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール2.0gを添加した。次いで、水酸化ナトリウムでpH=9に調整した熱水を用いてスチームストリッピングを行うことにより脱溶媒を行い、110℃に調温された熱ロールによりゴムを乾燥し、変性共役ジエン系ゴムSを得た。
変性共役ジエン系ゴムSの重合処方を表1に、得られた変性共役ジエン系ゴムSの性質を表2に示す。また、変性共役ジエン系ゴムSを用いて、表3に示す配合処方により調製したゴム組成物を加硫して、物性評価を行った。その結果を表4に示す。
【0102】
比較例4〔変性共役ジエン系ゴムTの合成、およびその評価〕
窒素置換された内容積5リットルのオートクレーブ反応器に、シクロヘキサン2,750g、テトラヒドロフラン100.0g、スチレン180g、1,3−ブタジエン310gを仕込んだ。反応器内容物の温度を20℃に調整した後、n−ブチルリチウム(4.60mmol)を含むシクロヘキサン溶液を添加して重合を開始した。重合は断熱条件で実施し、最高温度は85℃に達した。
【0103】
重合転化率が99%に達した時点で、ブタジエン10gを追加し、さらに5分間重合させた後、変性前分子量測定用に10gのポリマー溶液をサンプリングし、前記化学式(7)のヒドロカルビルオキシシラン化合物(3.93mmol)を含むシクロヘキサン溶液を加えて15分間反応を行った。反応後の重合体溶液に、3−アミノプロピルトリエトキシシラン(3.93mmol)を含むシクロヘキサン溶液を加えて5分間混合後、更に四塩化ケイ素(3.12mmol)を含むシクロヘキサン溶液を加えて5分間混合を行った。次に、得られたポリマー溶液に2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール2.0gを添加した後、ナフテン系オイル(三共油化工業(株)製、商標;SNH46)187.5gを加えて5分間混合を行った。次いで、水酸化ナトリウムでpH=9に調整した熱水を用いてスチームストリッピングを行うことにより脱溶媒を行い、110℃に調温された熱ロールによりゴムを乾燥し、変性共役ジエン系ゴムTを得た。
変性共役ジエン系ゴムTの重合処方を表1に、得られた変性共役ジエン系ゴムTの性質を表2に示す。また、変性共役ジエン系ゴムTを用いて、表3に示す配合処方により調製したゴム組成物を加硫して、物性評価を行った。その結果を表4に示す。
【0104】
[ゴム組成物の混練り方法、及び特性評価]:
温度制御装置を付属したプラストミル(内容量250cc)を使用し、一段目の混練として、充填率72%、回転数60rpmの条件で、各実施例及び比較例によって得られた変性共役ジエン系ゴムを表3、4に示す配合処方に従って、ブタジエンゴム、天然ゴム、伸展油、カーボンブラック、シリカ、シランカップリング剤、ステアリン酸、老化防止剤、亜鉛華を混練した。ついで、二段目の混練として、上記で得た配合物を室温まで冷却後、表3、4に示す配合処方に従って硫黄、加硫促進剤を混練した。これを成型し、160℃で所定時間、加硫プレスにて加硫し、以下のタイヤ性能を表す特性評価を実施した。
【0105】
(i)ムーニー粘度:加硫前のゴム組成物を測定用試料とし、JIS K6300に準拠し、Lローターを使用して、予熱1分、ローター作動時間4分、温度100℃の条件で測定した。
(ii)引張強度:JISK6301に従って300%モジュラスを測定した。指数で表示し、数値が大きいほど、引張強度が大きく、良好である。
(iii)0℃tanδ:加硫ゴムを測定用試料とし、動的スペクトロメーター(米国レオメトリックス社製)を使用し、引張動歪0.14%、角速度100ラジアン毎秒、0℃の条件で測定した。指数で表示し、数値が大きいほどウェットスキッド抵抗性が大きく良好である。
【0106】
(iv)70℃tanδ:加硫ゴムを測定用試料とし、動的スペクトロメーター(米国レオメトリックス社製)を使用し、引張動歪0.7%、角速度100ラジアン毎秒、70℃の条件で測定した。指数で表示し、数値が大きいほど低ヒステリシスロス特性が小さく良好である。
(v)耐摩耗性:加硫ゴムを測定用試料とし、DIN摩耗試験機(東洋精機社製)を使用し、JIS K 6264に準拠し、荷重10Nで25℃にて測定した。指数で表示し、数値が大きいほど耐摩耗性が良好である。
【0107】
【表1】
【0108】
【表2】
【0109】
【表3】
【0110】
【表4】
【0111】
表4から明らかなように、本発明の変性共役ジエン系ゴムを使用した本発明の組成物(実施例1〜16)は、引張強度や耐摩耗性を損なうことなく、ウェットスキッド抵抗性と低ヒステリシスロス特性のバランスが著しく改良されていることが分かる。
比較例1の変性共役ジエン系ゴムQ(官能基(b)のみを有するヒドロカルビルオキシシラン化合物で変性)の物性評価結果から、本発明の官能基(a)、(b)双方を有するヒドロカルビルオキシシラン化合物がウェットスキッド抵抗性と低ヒステリシスロス特性のバランス改良に重要であることが確認できる。
比較例2〜4の変性共役ジエン系ゴムR〜T(官能基(a)のみを有するヒドロカルビルオキシシラン化合物で変性)の物性評価結果から、本発明の官能基(a)、(b)双方を有するヒドロカルビルオキシシラン化合物がウェットスキッド抵抗性と低ヒステリシスロス特性のバランス改良に重要であることが確認できる。