特許第5835288号(P5835288)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5835288
(24)【登録日】2015年11月13日
(45)【発行日】2015年12月24日
(54)【発明の名称】空気清浄機
(51)【国際特許分類】
   A61L 9/16 20060101AFI20151203BHJP
   A61L 9/01 20060101ALI20151203BHJP
   B01D 53/04 20060101ALI20151203BHJP
   B01D 53/02 20060101ALI20151203BHJP
   F24F 7/00 20060101ALI20151203BHJP
   F24F 13/06 20060101ALI20151203BHJP
【FI】
   A61L9/16 D
   A61L9/16 F
   A61L9/01 H
   B01D53/04 220
   B01D53/02
   F24F7/00 A
   F24F13/06 Z
【請求項の数】7
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2013-171345(P2013-171345)
(22)【出願日】2013年8月21日
(65)【公開番号】特開2015-39481(P2015-39481A)
(43)【公開日】2015年3月2日
【審査請求日】2014年5月19日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】505127721
【氏名又は名称】公立大学法人大阪府立大学
(73)【特許権者】
【識別番号】000176866
【氏名又は名称】三菱電機ホーム機器株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100082175
【弁理士】
【氏名又は名称】高田 守
(74)【代理人】
【識別番号】100106150
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 英樹
(74)【代理人】
【識別番号】100142642
【弁理士】
【氏名又は名称】小澤 次郎
(72)【発明者】
【氏名】星崎 潤一郎
(72)【発明者】
【氏名】久下 洋介
(72)【発明者】
【氏名】松岡 雅也
(72)【発明者】
【氏名】堀内 悠
【審査官】 中村 泰三
(56)【参考文献】
【文献】 特開2000−107544(JP,A)
【文献】 特開昭60−086194(JP,A)
【文献】 特開昭61−204018(JP,A)
【文献】 特開2008−222867(JP,A)
【文献】 国際公開第2012/144346(WO,A1)
【文献】 特開2000−000417(JP,A)
【文献】 特開2008−120633(JP,A)
【文献】 特開平11−300138(JP,A)
【文献】 特開平06−249480(JP,A)
【文献】 特開2008−055404(JP,A)
【文献】 特開2003−126229(JP,A)
【文献】 特開2004−000909(JP,A)
【文献】 特開2007−029796(JP,A)
【文献】 米国特許第07993589(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61L 9/16
A61L 9/01
B01D 53/02
B01D 53/04
F24F 7/00
F24F 13/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部に向けて開口する吸込口及び吹出口が形成され、前記吸込口から前記吹出口に至る通風路を有する本体ケースと、
前記通風路に設けられた脱臭部と、
前記通風路において前記脱臭部よりも前記吸込口側に設けられ、塵埃を捕捉するフィルタと、
前記通風路において前記フィルタよりも前記吸込口側に設けられプレフィルタと、
を備え
前記プレフィルタは、
前記吸込口側に設けられ、前記フィルタが捕捉する塵埃よりも大きな塵埃を捕捉する第1フィルタ基材と、
前記吹出口側に設けられた第2フィルタ基材と、
前記第1フィルタ基材と前記第2フィルタ基材とに挟まれ、前記脱臭部が吸着する臭気成分の分子量よりも大きい分子量の有機ガス成分を吸着する吸着材を担持した脱臭体と、
を備えた空気清浄機。
【請求項2】
前記脱臭部を加熱により再生する加熱再生部、
を備えた請求項1に記載の空気清浄機。
【請求項3】
前記プレフィルタに担持されている多孔質粒子は、前記脱臭部に担持されている多孔質粒子よりも大きい細孔径を有するように構成されて成る請求項1又は請求項2に記載の空気清浄機。
【請求項4】
前記脱臭部は、0.3nm〜1.3nmの範囲の細孔径を有した多孔質粒子を担持し、
前記プレフィルタは、2nm〜50nmの範囲の細孔径を有した多孔質粒子を担持した請求項3に記載の空気清浄機。
【請求項5】
前記脱臭部は、0.3nm〜1.3nmの範囲の細孔径を有した多孔質粒子を担持し、
前記プレフィルタは、50nm以上の細孔径を有した多孔質粒子を担持した請求項3に記載の空気清浄機。
【請求項6】
前記吸着材は、疎水性の外表面と疎水性の孔内面とを有した結晶性多孔質粒子を備えた請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の空気清浄機。
【請求項7】
前記吸着材は、ジメチルシロキサン基とトリメチル基とオクチル基とジメチル基とメチル基とフェニル基とうちの少なくとも1つを有した表面を備えた請求項に記載の空気清浄機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、空気清浄機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1においては、脱臭部を備えた空気清浄機が提案されている。当該脱臭部には、吸着材が設けられる。当該吸着材は、ナノサイズの細孔を有する。このため、吸着面の表面積は広い。当該吸着材の表面には、白金系触媒が設けられる。当該触媒は、より多くの臭気成分を吸着する。当該臭気成分は、脱臭部を加熱部により加熱することで除去される。その結果、脱臭部の脱臭性能が回復する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−38126号公報
【特許文献2】特開2002−28430号公報
【特許文献3】特開2007−50792号公報
【特許文献4】特開2003−126229号公報
【特許文献5】特開2004−236721号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、分子量の大きい有機ガス成分が使用環境中に混在した場合、当該有機ガス成分により、触媒の細孔が遮蔽される。当該遮蔽により、空気清浄機の脱臭性能が経時的に低下する。また、有機ガス成分の多くは高い沸点を有する。例えば、沸点は150℃以上である。このため、脱臭部を加熱部により加熱しても、有機ガス成分の多くは分解しない。その結果、脱臭部の脱臭性能の低下分を回復することができない。
【0005】
この発明は、上述の課題を解決するためになされたものである。すなわち、この発明の目的は、分子量の大きい有機ガス成分が使用環境中に混在した場合でも、脱臭性能の低下を抑制することができる空気清浄機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に係る空気清浄機は、外部に向けて開口する吸込口及び吹出口が形成され、前記吸込口から前記吹出口に至る通風路を有する本体ケースと、前記通風路に設けられた脱臭部と、前記通風路において前記脱臭部よりも前記吸込口側に設けられ、塵埃を捕捉するフィルタと、前記通風路において前記フィルタよりも前記吸込口側に設けられプレフィルタと、を備え、前記プレフィルタは、前記吸込口側に設けられ、前記フィルタが捕捉する塵埃よりも大きな塵埃を捕捉する第1フィルタ基材と、前記吹出口側に設けられた第2フィルタ基材と、前記第1フィルタ基材と前記第2フィルタ基材とに挟まれ、前記脱臭部が吸着する臭気成分の分子量よりも大きい分子量の有機ガス成分を吸着する吸着材を担持した脱臭体と、を備えたものである。
【発明の効果】
【0007】
この発明によれば、分子量の大きい有機ガス成分が使用環境中に混在した場合でも、脱臭性能の低下を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】この発明の実施の形態1における空気清浄機を前方から見た斜視図である。
図2】この発明の実施の形態1における空気清浄機を後方から見た斜視図である。
図3】この発明の実施の形態1における空気清浄機の正面図である。
図4】この発明の実施の形態1における空気清浄機の平面図である。
図5】この発明の実施の形態1における空気清浄機の側面図である。
図6】この発明の実施の形態1における空気清浄機から前パネルとプレフィルタとHEPAフィルタとを取り外した状態を前方から見た斜視図である。
図7】この発明の実施の形態1における空気清浄機から前パネルとプレフィルタとHEPAフィルタとを取り外した状態の正面図である。
図8】この発明の実施の形態1における空気清浄機から前パネルとプレフィルタとHEPAフィルタとを取り外した状態の平面図である。
図9】この発明の実施の形態1における空気清浄機から前パネルとプレフィルタとHEPAフィルタとを取り外した状態の側面図である。
図10】この発明の実施の形態1における空気清浄機の分解斜視図である。
図11】この発明の実施の形態1における空気清浄機の脱臭部を前方から見た斜視図である。
図12】この発明の実施の形態1における空気清浄機の脱臭部を後方から見た斜視図である。
図13】この発明の実施の形態1における空気清浄機の脱臭部を後方から見た分解斜視図である。
図14】この発明の実施の形態1における空気清浄機のプレフィルタの縦断面図である。
図15図3のY−Y線における断面図である。
図16】この発明の実施の形態2における空気清浄機のプレフィルタの縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
この発明を実施するための形態について添付の図面に従って説明する。各図中、同一又は相当する部分には同一の符号が付される。当該部分の重複説明は適宜に簡略化ないし省略される。
【0010】
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1における空気清浄機を前方から見た斜視図である。図2はこの発明の実施の形態1における空気清浄機を後方から見た斜視図である。図3はこの発明の実施の形態1における空気清浄機の正面図である。図4はこの発明の実施の形態1における空気清浄機の平面図である。図5はこの発明の実施の形態1における空気清浄機の側面図である。
【0011】
図6はこの発明の実施の形態1における空気清浄機から前パネルとプレフィルタとHEPAフィルタとを取り外した状態を前方から見た斜視図である。図7はこの発明の実施の形態1における空気清浄機から前パネルとプレフィルタとHEPAフィルタとを取り外した状態の正面図である。図8はこの発明の実施の形態1における空気清浄機から前パネルとプレフィルタとHEPAフィルタとを取り外した状態の平面図である。図9はこの発明の実施の形態1における空気清浄機から前パネルとプレフィルタとHEPAフィルタとを取り外した状態の側面図である。
【0012】
図1図9に示すように、空気清浄機の外郭は、本体ケース1で形成される。本体ケース1は、直方体状に形成される。本体ケース1は、前パネル2、前ケース3、後ケース4等からなる。
【0013】
次に、図10を用いて、空気清浄機の詳細を説明する。
図10はこの発明の実施の形態1における空気清浄機の分解斜視図である。
【0014】
図10に示すように、前パネル2は、正面から見た際に長方形状に形成される。前パネル2の前面には、吸込口2aが形成される。吸込口2aは、左右方向に延びるようにスリット状に形成される。吸込口2aは、前パネル2を前後方向に貫通する。
【0015】
前ケース3は、フレーム3aを備える。フレーム3aは、予め設定された奥行きを有する。フレーム3aの上辺の上面の前側には、操作部3bが設けられる。フレーム3aの下辺には、下突出部3cが形成される。下突出部3cは、フレーム3aの左右の2辺より前方に全体的に突き出す。フレーム3aの上辺には、上突出部3dが形成される。上突出部3dは、フレーム3aの左右の2辺より前方に全体的に突き出す。
【0016】
フレーム3aの前部には、前開口3eが設けられる。前開口3eは、正面から前パネル2で覆われるように形成される。具体的には、前開口3eは、長方形状に形成される。フレーム3aの後部には、仕切板3fが設けられる。仕切板3fは、フレーム3aの後部を覆う。仕切板3fには、後開口3gが設けられる。後開口3gは、円状に形成される。後開口3gは、仕切板3fを前後方向に貫通する。後開口3gは、フレーム3a内を介して前開口3eとつながる。
【0017】
フレーム3aには、脱臭部5が取り付けられる。脱臭部5は、枠体5aを備える。枠体5aは、予め設定された奥行きを有する。枠体5aの外形は、前開口3e内に嵌め込められるように形成される。枠体5aの内側は、HEPAフィルタ6が取り付けられる。HEPAフィルタ6は、枠体5aの開口と同程度の大きさで形成される。HEPAフィルタ6の前方には、プレフィルタ7が設けられる。プレフィルタ7は、HEPAフィルタ6の前面を覆う。プレフィルタ7は、目の粗いフィルタで形成される。
【0018】
後ケース4は、箱状に形成される。後ケース4の前面には、前開口4aが形成される。前開口4aは、長方形状に形成される。後ケース4の上面には、吹出口4bが形成される。吹出口4bの下方には、ルーバ8が設けられる。後ケース4には、後面4cが設けられる。後面4cは、後ケース4の後部を閉鎖する。後面4cには、送風ファン9が設けられる。送風ファン9は、シロッコファンからなる。送風ファン9の外周側には、仕切10が設けられる。仕切10は、スクロール形状からなる。送風ファン9と仕切10との間には、図示しない通風路が形成される。後ケース4と仕切10との間には、図示しない空間が形成される。当該空間には、制御部11が設けられる。制御部11は、フレーム3aの上辺を介して操作部3bと電気的に接続される。
【0019】
次に、図11図13を用いて、脱臭部5を説明する。
図11はこの発明の実施の形態1における空気清浄機の脱臭部を前方から見た斜視図である。図12はこの発明の実施の形態1における空気清浄機の脱臭部を後方から見た斜視図である。図13はこの発明の実施の形態1における空気清浄機の脱臭部を後方から見た分解斜視図である。
【0020】
図11に示すように、枠体5a内には、中仕切板12が設けられる。中仕切板12は、枠体5aの開口を前後に仕切る。
【0021】
図12に示すように、中仕切板12には、脱臭エレメント13が設けられる。脱臭エレメント13は、中仕切板12に対して回転自在に設けられる。脱臭エレメント13の中心には、図示しない回転軸が設けられる。回転軸は、図示しない回転モーターに連結される。
【0022】
脱臭エレメント13は、ハニカムコアを備える。ハニカムコアは、円板状に形成される。ハニカムコアは、セラミック又はアルミニウム又はペーパーで形成される。ハニカムコアのセル数は、搭載する製品の仕様に応じて数10〜900個/平方インチの間で選定される。ハニカムコアには、添着材が添着される。添着材は、吸着材と酸化分解触媒とのうちの少なくとも一方からなる。添着材の粒子径の分布は、2μm〜50μmの範囲となる。添着材は、数10μmの厚みを有する。
【0023】
例えば、添着材は、多孔質粒子からなる。添着材は、0.3nm〜1.3nmの範囲の直径を有した多数の細孔を持つ。すなわち、添着材の表面上において凹凸部分の凹み部分を円形と仮定した場合、当該円の直径は0.3nm〜1.3nmの範囲にある。このため、添着材の表面積は広い。例えば、添着材は、ゼオライト、シリカゲル等からなる。ゼオライトは、ミクロ細孔を有する。ゼオライトは、疎水性の表面を有する。
【0024】
例えば、酸化分解触媒は、臭気成分を吸着する触媒からなる。例えば、酸化分解触媒は、アンモニア臭を吸着する触媒からなる。例えば、酸化分解触媒は、加熱により臭気成分を酸化分解する触媒からなる。例えば、酸化分解触媒は、加熱によりアンモニアを酸化分解する触媒からなる。具体的には、酸化分解触媒は、白金が担持された吸着材、二酸化マンガン等からなる。吸着する臭気成分に特化した場合は、添加物が触媒に加えられる。その結果、脱臭性能がより向上する。
【0025】
図13に示すように、脱臭エレメント13の下部の後方には、加熱ユニット14が設けられる。加熱ユニット14は、脱臭エレメント13の裏面に近接して枠体5aに固定される。加熱ユニット14において、脱臭エレメント13の直径方向の寸法は、脱臭エレメント13の回転半径以下に設定される。
【0026】
脱臭エレメント13の下部の前方には、蓋体15が設けられる。蓋体15は、脱臭エレメント13を介して加熱ユニット14と対向する。その結果、脱臭エレメント13の加熱空間が形成される。
【0027】
脱臭エレメント13の上部の一側には、駆動手段16が設けられる。
【0028】
次に、図14を用いて、プレフィルタ7を説明する。
図14はこの発明の実施の形態1における空気清浄機のプレフィルタの縦断面図である。
【0029】
図14において、プレフィルタ7は、HEPAフィルタ6の効果を長期間保つように形成される。具体的には、プレフィルタ7は、枠体7a、メッシュ7bを備える。メッシュ7bは、枠体7aに固定される。メッシュ7bは、第1フィルタ基材7c、第2フィルタ基材7d、脱臭体7eを備える。
【0030】
第1フィルタ基材7cは、メッシュ7bの前部側に設けられる。第1フィルタ基材7cは、塵埃を捕捉し得るように形成される。第2フィルタ基材7dは、メッシュ7bの後部側に設けられる。第2フィルタ基材7dは、塵埃を捕捉し得るように形成される。脱臭体7eは、第1フィルタ基材7cと第2フィルタ基材7dとに挟まれる。
【0031】
例えば、脱臭体7eは、吸着材粒子7fを担持する。吸着材粒子7fは、結晶性多孔質粒子からなる。吸着材粒子7fは、2nm以上の直径を有した多数の細孔を持つ。すなわち、吸着材粒子7fの表面上において凹凸部分の凹み部分を円形と仮定した場合、当該円の直径は2nm以上である。吸着材粒子7fは、疎水性の外表面と細孔内の表面とを有する。
【0032】
次に、図15を用いて、空気清浄機の運転を説明する。
図15図3のY−Y線における断面図である。
【0033】
図15に示すように、吸込口2aと吹出口4bとの間には、通風路が形成される。使用者が操作部3bを操作すると、空気清浄機が運転を開始する。この際、制御部11は、送風ファン9を駆動する。当該駆動により、室内の空気が吸込口2aから取り込まれる。当該空気は、プレフィルタ7を通過する。この際、プレフィルタ7は、空気中の大きな塵埃を取り除く。脱臭体7eは、分子量の大きい有機ガス成分を吸着する。例えば、脱臭体7eは、直鎖系炭化水素のノナン、デカン、ウンデカン等を吸着する。
【0034】
その後、当該空気は、HEPAフィルタ6を通過する。この際、HEPAフィルタ6は、空気中の微細な塵埃を取り除く。例えば、HEPAフィルタ6は、花粉、ダニの糞、カビの胞子、ハウスダスト等を取り除く。
【0035】
その後、空気は、脱臭部5へ流入する。当該空気は、脱臭エレメント13に至る。この際、脱臭エレメント13は、空気中の臭気成分を取り除く。その後、清浄された空気は、後開口3gを通過する。当該空気は、送風ファン9を通過する。その後、当該空気は、ルーバ8で整流される。その後、当該空気は、吹出口4bから上方向に吹き出す。
【0036】
制御部11は、予め設定されたタイミングで脱臭性能回復運転を行う。例えば、運転開始からの累積運転時間が予め設定された時間を超えた場合に、制御部11は脱臭性能回復運転を行う。例えば、前回の再生運転終了からの累積運転時間が予め設定された時間を超えた場合に、制御部11は脱臭性能回復運転を行う。
【0037】
この際、制御部11は、加熱ユニット14に通電する。当該通電により、加熱ユニット14は、熱を発する。当該熱により、脱臭エレメント13の下部は、予め設定された温度まで上昇する。この状態は、予め設定された時間だけ継続する。その後、制御部11は、駆動手段16を駆動する。当該駆動により、脱臭エレメント13が回転する。当該回転により、脱臭エレメント13において、加熱ユニット14との対向面が変化する。当該変化により、脱臭エレメント13の多くの領域が加熱される。
【0038】
以上で説明した実施の形態1によれば、分子量の大きい有機ガス成分は、プレフィルタ7に吸着される。このため、病院、老健施設等、一般家庭以外の特殊な施設内において、脱臭エレメント13の細孔が分子量の大きい有機ガス成分で遮蔽されることを抑制できる。その結果、空気清浄機の脱臭性能の低下を抑制することができる。
【0039】
また、分子量の大きい有機ガス成分は、脱臭エレメント13に蓄積されない。このため、濃縮された有機ガス成分が再放出することもない。その結果、空気清浄機の吹出風が異臭を発することもない。
【0040】
なお、脱臭エレメント13は加熱ユニット14にて性能再生動作を行えることが望ましい。これにより、少なくとも、高沸点で分子量の大きい有機ガス成分以外のガスについては脱着することができる。このため、脱臭エレメント13の性能再生動作を定期的に行うことで脱臭エレメント13の脱臭性能の低下を抑制することができる。その結果、脱臭エレメント13の脱臭性能を容易に維持することができる。この際、高沸点で分子量の大きい有機ガス成分は前段のプレフィルタ7にて除去できている。このため、脱臭エレメント13の交換をする必要が無くなる、または交換回数を抑制することが出来る。即ち、メンテナンスの手間が省ける。
【0041】
また、脱臭体7eは、第1フィルタ基材7cと第2フィルタ基材7dとに挟まれる。このため、第1フィルタ基材7cと第2フィルタ基材7dを水洗すれば、蓄積した塵埃を除去することができる。この際、疎水性の吸着材粒子7fにおいて、吸着性能の低下はほとんどない。
【0042】
また、プレフィルタ7に担持されている多孔質粒子は脱臭エレメント13に担持される多孔質粒子よりも大きい細孔径を有するように構成するとよい。これにより、分子量の小さい臭気成分がプレフィルタ7に吸着するのを抑制しつつ、分子量の大きい有機ガス成分のみを選択的にプレフィルタ7にて除去できる。即ち、プレフィルタ7の吸着性能が臭気成分に汚染されることを防止できる。特に、本実施の形態の構成では、プレフィルタ7には加熱ユニット14がない。この場合、プレフィルタ7の吸着性能は回復しない。このため、プレフィルタ7において対象のガス以外は吸着除去できないのが望ましい。
【0043】
具体的には、脱臭エレメント13は分子量の小さい臭気成分を主な対象として考えるのがよい。この際、比表面積を広くするため、脱臭エレメント13は、ミクロ孔、特に0.3nm〜1.3nmの範囲の細孔径を有することが望ましい。これよりも小さい孔は臭気成分を捕捉できない。これよりも大きい孔は臭気成分を捕捉しても再度放出し得る。このため、0.3nm〜1.3nmの範囲の細孔径が最も適している。
【0044】
また、プレフィルタ7の吸着材粒子7fはメソ孔(2nm〜50nm)、マクロ孔(50nm以上)等、細孔径の大きい疎水性吸着材粒子であることが望ましい。メソ孔は、臭気成分を多少除去するものの、薬剤等と併用しやすい。このため、除去物質の選択性を高めることができる。マクロ孔においては、そもそも細孔径が大きい。このため、分子量の小さい臭気成分を長期間保持しない。
【0045】
なお、製造コストと化学的安定性と考慮した場合、シリカ粒子を吸着材粒子7fとするとよい。また、シリカとアルミナとを主原料とするゼオライト粒子を吸着材粒子7fとしてもよい。また、吸着と酸化分解の双方の機能を有する触媒材料として、二酸化マンガン又は酸化亜鉛を吸着材粒子7fとしてもよい。
【0046】
シリカ粒子を吸着材粒子7fとした場合、吸着材粒子7fの表面にシランカップリング剤を反応させるとよい。当該反応により、吸着材粒子7fの表面は、ジメチルシロキサン基、トリメチル基、オクチル基、ジメチル基、メチル基、フェニル基等に置換される。この場合、吸着材粒子7fの表面は高い疎水性を有する。その結果、疎水性の有機ガス成分を選択的に吸着することができる。
【0047】
実施の形態2.
図16はこの発明の実施の形態2における空気清浄機のプレフィルタの縦断面図である。なお、実施の形態1と同一又は相当部分には同一符号を付して説明を省略する。
【0048】
実施の形態1のプレフィルタ7は、第1フィルタ基材7c、第2フィルタ基材7d、脱臭体7eを備えていた。一方、実施の形態2のプレフィルタ7は、フィルタ基材7gを備える。フィルタ基材7gは、第1フィルタ基材7c、第2フィルタ基材7dと同様のものである。フィルタ基材7gには、吸着材粒子7hが担持される。吸着材粒子7hは、吸着材粒子7fと同様のものである。
【0049】
以上で説明した実施の形態2によれば、吸着材粒子7hは、フィルタ基材7gに担持される。このため、プレフィルタ7を容易に製作することができる。
【0050】
なお、実施の形態1及び実施の形態2においては、プレフィルタ7が多孔質粒子である吸着材粒子7fを担持している。しかしながら、プレフィルタ7の基材そのものを多孔質材料としてもよい。この場合、必ずしも吸着材粒子7fを必要としない。多孔質材料の細孔径が明細書内に記載の条件を満たしていれば、吸着材粒子7fを担持することなく、期待する性能、効果を確保することが出来る場合がある。例えば、薬剤等で表面処理したり、熱処理を行ったりすることで、表面を荒らし、材料に細孔を形成し、多孔質化させることが出来る。
【符号の説明】
【0051】
1 本体ケース、 2 前パネル、 2a 吸込口、 3 前ケース、 3a フレーム、 3b 操作部、 3c 下突出部、 3d 上突出部、 3e 前開口、 3f 仕切板、 3g 後開口、 4 後ケース、 4a 前開口、 4b 吹出口、 4c 後面、 5 脱臭部、 5a 枠体、 6 HEPAフィルタ、 7 プレフィルタ、 7a 枠体、 7b メッシュ、 7c 第1フィルタ基材、 7d 第2フィルタ基材、 7e 脱臭体、 7f 吸着材粒子、 7g フィルタ基材、 7h 吸着材粒子、 8 ルーバ、 9 送風ファン、 10 仕切、 11 制御部、 12 中仕切板、 13 脱臭エレメント、 14 加熱ユニット、 15 蓋体、 16 駆動手段
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