特許第5835404号(P5835404)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5835404
(24)【登録日】2015年11月13日
(45)【発行日】2015年12月24日
(54)【発明の名称】画像表示装置、画像表示装置の制御方法
(51)【国際特許分類】
   G09G 5/00 20060101AFI20151203BHJP
【FI】
   G09G5/00 510H
   G09G5/00 510X
   G09G5/00 530H
   G09G5/00 550A
   G09G5/00 510V
【請求項の数】3
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2014-107665(P2014-107665)
(22)【出願日】2014年5月26日
(62)【分割の表示】特願2008-240786(P2008-240786)の分割
【原出願日】2008年9月19日
(65)【公開番号】特開2014-199454(P2014-199454A)
(43)【公開日】2014年10月23日
【審査請求日】2014年6月24日
(73)【特許権者】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000028
【氏名又は名称】特許業務法人明成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】酒巻 功
(72)【発明者】
【氏名】西村 直也
(72)【発明者】
【氏名】井上 佐枝子
(72)【発明者】
【氏名】川部 源太
【審査官】 小川 浩史
(56)【参考文献】
【文献】 特開2001−174915(JP,A)
【文献】 特開2004−258242(JP,A)
【文献】 特許第5604780(JP,B2)
【文献】 “常設用、モバイル用のワイドモデルなどビジネスプロジェクター9機種新登場”,セイコーエプソン株式会社,2008年 5月20日,URL,https://web.archive.org/web/20131011194631/http://www.epson.jp/osirase/2008/080520_2.htm
【文献】 “エプソン、ワイドパネル採用など液晶プロジェクタ9種”,2008年 5月20日,URL,https://web.archive.org/web/20080523080947/http://www.watch.impress.co.jp/av/docs/20080520/epson.htm
【文献】 “プロジェクター [EB-G5350/ EB-G5200W/ EB-G5100] | 受賞対象一覧 | Good Design Award:”,公益財団法人日本デザイン振興会,2015年 3月26日,URL,http://www.g-mark.org/award/describe/34857
【文献】 “EPSON 取扱説明書 Offirio EB-G5350 EB-G5200W EB-G5100”,2015年 3月26日,pp. 6,9-11,URL,http://dl.epson.jp/support/manual/data/elp/ebg5350/USERSGUIDE.PDF
【文献】 “EPSON EasyMP 活用ガイド Offirio EB-G5350”,2015年 3月26日,pp. 46-60,URL,http://dl.epson.jp/support/manual/data/elp/ebg5350/EASYMP.PDF
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09G 5/00−5/42
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の表示部に画像を表示する画像表示装置であって、
画像データが記憶された可搬型記憶媒体を接続するための第1の接続手段と、
映像信号を出力する画像供給装置を接続して、前記画像供給装置から出力された映像信号を入力する第2の接続手段と、
前記可搬型記憶媒体に記憶されている画像データもしくは前記画像供給装置から入力された映像信号に基づいて、前記第1の表示部に画像を表示する画像表示手段と、
前記画像表示装置を操作するための操作部と、
前記第1の接続手段に前記可搬型記憶媒体が接続されている場合と、前記第2の接続手段に前記画像供給装置が接続されている場合とにおいて、前記操作部にわりつけられる機能が異なるように制御する制御手段と、
前記画像データを編集可能な編集手段と、を備え、
前記制御手段は、前記第1の接続手段に前記可搬型記憶媒体が接続されている場合、前記操作部にわりつけられる機能として、前記画像データに含まれる図形または文字列の編集を前記編集手段により実行する機能を前記操作部にわりつけるように制御する、画像表示装置。
【請求項2】
請求項1記載の画像表示装置であって、更に、
第2の表示部と、
前記操作部を構成する操作画面を前記第2の表示部に表示する操作画面表示手段と、を備え、
前記制御手段は、前記第1の接続手段に前記可搬型記憶媒体が接続されている場合、前記可搬型記憶媒体に記憶されている画像データを用いて前記第1の表示部に画像を表示する所定の画像処理に依存した操作画面を前記第2の表示部に表示するよう前記操作画面表示手段を制御する、画像表示装置。
【請求項3】
請求項記載の画像表示装置であって、
前記操作部は、前記画像表示装置を操作するための機能が割り付けられた物理的なキーによって構成されており、
前記制御手段は、前記第1の接続手段に前記可搬型記憶媒体が接続されている場合と、前記第2の接続手段に前記画像供給装置が接続されている場合とにおいて、前記キーに割り付ける機能を変更する、画像表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像表示装置に関し、特に画像表示装置を操作するための操作部の構成を制御する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
プロジェクタが広く利用されている。プロジェクタに画像データを供給する媒体として、近年、プロジェクタに直接接続して利用するユニバーサルシリアルバス(Universal Serial Bus:USB)メモリやメモリカード等の可搬型外部機器が利用されている。このようなプロジェクタには、USB端子やカードスロットを備えており、USB端子やカードスロットへの外部機器の接続を検出して、利用者にドライブ(接続中の外部機器)の選択を行わせるための選択画面を表示するものがある(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−96878号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の技術では、外部機器から直接データを取得し表示する場合と、コンピュータを介して画像データを取得し表示する場合とにおいて、利用者が必要と考える機能が異なるにもかかわらず、操作部やメニューなどのユーザインタフェースが同じ設定内容であり、十分に工夫されていなかった。
【0005】
本発明は上述の課題に鑑みてなされたものであり、外部機器から直接データを取得し表示する画像表示装置における、利用者の操作性の向上を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。本発明の一形態は、第1の表示部に画像を表示する画像表示装置であって、画像データが記憶された可搬型記憶媒体を接続するための第1の接続手段と;映像信号を出力する画像供給装置を接続して、前記画像供給装置から出力された映像信号を入力する第2の接続手段と;前記可搬型記憶媒体に記憶されている画像データもしくは前記画像供給装置から入力された映像信号に基づいて、前記第1の表示部に画像を表示する画像表示手段と;前記画像表示装置を操作するための操作部と;前記第1の接続手段に前記可搬型記憶媒体が接続されている場合と、前記第2の接続手段に前記画像供給装置が接続されている場合とにおいて、前記操作部にわりつけられる機能が異なるように制御する制御手段と;前記画像データを編集可能な編集手段と、を備え;前記制御手段は、前記第1の接続手段に前記可搬型記憶媒体が接続されている場合、前記操作部にわりつけられる機能として、前記画像データに含まれる図形または文字列の編集を前記編集手段により実行する機能を前記操作部にわりつけるように制御する。このような形態であれば、接続手段に可搬型記憶媒体が接続されている場合には、操作項目に画像データの編集が含まれるので、利用者は容易に画像データの編集を行うことができる。その他、本発明は、以下のような形態として実現することも可能である。
【0007】
[適用例1]
表示部に画像を表示する画像表示装置であって、画像データが記憶された可搬型記憶媒体を接続するための接続手段と、前記可搬型記憶媒体に記憶されている画像データに基づいて、前記表示部に画像を表示する画像表示手段と、前記画像表示装置を操作するための操作部と、前記画像表示装置を操作するための操作画面を表示する操作画面表示手段であって、前記接続手段に前記可搬型記憶媒体が接続されている場合、前記可搬型記録媒体に記憶されている画像データを用いて前記表示部に画像を表示する所定の画像処理に依存した操作画面を表示する操作画面表示手段と、を備える画像表示装置。
【0008】
適用例1の画像表示装置によれば、可搬型記憶媒体接続時には、可搬型記録媒体に記憶されている画像データを用いて画像を表示する所定の画像処理に依存した操作画面が表示部に表示される。従って、可搬型記憶媒体接続時、利用者は、可搬型記憶媒体に記憶されている画像データを用いて画像を表示する所定の画像処理に依存した操作画面を利用してプロジェクタを操作できる。よって、利用者は簡易に可搬型記憶媒体に記憶されている画像データを用いた所定の画像処理を行うことができ、利用者の操作性を向上できる。
【0009】
[適用例2]
適用例1の画像表示装置であって、前記操作画面表示手段は、前記接続手段に前記可搬型記憶媒体が接続されている場合、前記接続手段に前記可搬型記憶媒体が接続されていることを利用者が視認可能となる所定の情報を含む操作画面を表示する。適用例2の画像表示装置によれば、可搬型記憶媒体が接続されていることを表す所定の情報が操作画面に表示される。従って、利用者は、可搬型記憶媒体に記憶されている画像データを用いて画像処理が実行されていることを容易に確認できる。
【0010】
[適用例3]
適用例1または適用例2の画像表示装置であって、更に、前記可搬型記憶媒体に記憶されている画像データを編集可能な編集手段を備え、前記所定の画像処理には前記画像データの編集実行が含まれ、前記操作画面表示手段は、前記接続手段に前記可搬型記憶媒体が接続されている場合、前記画像データの編集の実行を指示するための操作項目を含む操作画面を表示する。一般的に、コンピュータから画像データを取得して画像処理を行う場合には、画像データの編集はコンピュータにおいて行われるため、画像表示装置側で編集を行うことはないが、可搬型記憶媒体から直接データを取得して画像処理を行う場合、コンピュータを用いることなく画像データの編集を行うためには画像表示装置が編集機能を備えている必要がある。すなわち、画像表示装置において、編集処理は、可搬型記憶媒体から直接画像データを取得して画像処理を行う場合に依存した所定の画像処理に含まれる処理である。従って、適用例3の画像表示装置によれば、接続手段に可搬型記憶媒体が接続されている場合には、操作項目に画像データの編集が含まれるので、利用者は容易に画像データの編集を行うことができる。
【0011】
[適用例4]
適用例1の画像表示装置であって、前記所定の画像処理には、前記表示部に表示すべき画像を表す画像データの選択が含まれ、前記操作画面表示手段は、前記接続手段に前記可搬型記憶媒体が接続されている場合、前記画像データの選択を行うための操作画面を前記表示部に表示する。適用例4の画像表示装置によれば、可搬型記録媒体接続時には、画像データの選択を行うための操作画面が表示される。よって、画像データの選択を行うための操作画面を呼び出すための利用者操作を省略できるので、利用者の利便性の向上を図ることができる。
【0012】
[適用例5]
第1の表示部に画像を表示する画像表示装置であって、画像データが記憶された可搬型記憶媒体を接続するための第1の接続手段と、映像信号を出力する画像供給装置を接続して、前記画像供給装置から出力された映像信号を入力する第2の接続手段と、前記可搬型記憶媒体に記憶されている画像データもしくは前記画像供給装置から入力された映像信号に基づいて、前記第1の表示部に画像を表示する画像表示手段と、前記第1の接続手段に前記可搬型記憶媒体が接続されている場合と、前記第2の接続手段に前記画像供給装置が接続されている場合とにおいて、前記操作部に割り付けられる機能が異なるように制御する制御手段と、を備える。適用例5の画像表示装置によれば、可搬型記憶媒体が接続されている場合には、画像供給装置接続時とは異なる機能が割り付けられるように操作部の構成が制御される。従って、利用者の操作性を向上できる。
【0013】
[適用例6]
適用例5の画像表示装置であって、更に、第2の表示部と、操作部を構成する操作画面を前記第2の表示部に表示する操作画面表示手段を備え、前記制御手段は、前記第1の接続手段に前記可搬型記憶媒体が接続されている場合、前記可搬型記憶媒体に記憶されている画像データを用いて前記第1の表示部に画像を表示する所定の画像処理に依存した操作画面を前記第2の表示部に表示するよう前記操作画面表示手段を制御する。適用例6の画像表示装置によれば、可搬型記憶媒体接続時には、所定の画像処理に依存した操作画面が第2の表示部に表示される。よって、所定の画像処理に依存した機能を利用者に容易に実行可能とする操作画面を提供できるので、利用者の操作性の向上を図ることができる。
【0014】
[適用例7]
用例6の画像表示装置であって、更に、前記画像データを編集可能な編集手段を備え、前記所定の画像処理には前記画像データの編集実行が含まれ、前記制御手段は、前記第1の接続手段に前記可搬型記憶媒体が接続されている場合、前記編集手段に前記画像データの編集の実行を指示するための編集指示部を含む操作画面を前記第2の表示部に表示するよう前記操作画面表示手段を制御する。適用例7の画像表示装置によれば、可搬型記憶媒体に記憶されている画像データの編集実行を指示するための編集指示部が操作画面に含まれる。従って、可搬型記憶媒体接続時に、容易に画像データの編集を行うことができる。
【0015】
[適用例8]
適用例の画像表示装置であって、前記操作部は、前記画像表示装置を操作するための機能が割り付けられる物理的なキーによって構成されており、前記制御手段は、前記第1の接続手段に前記可搬型記憶媒体が接続されている場合と、前記第2の接続手段に前記画像供給装置が接続されている場合とにおいて、前記キーに割り付ける機能を変更する。適用例8の画像表示装置によれば、可搬型記憶媒体が接続されている場合と、コンピュータが接続されている場合とにおいて、操作部に設けられているキーに割り付ける機能が変更される。従って、可搬型記憶媒体を用いた画像処理用の操作キーを新たに準備することなく、利用者に、可搬型記憶媒体を用いた画像処理に依存した操作部を提供できる。
【0016】
[適用例9]
適用例8の画像表示装置であって、更に、前記画像データを編集可能な編集手段を備え、前記所定の画像処理には前記画像データの編集実行が含まれ、前記制御手段は、前記第1の接続手段に前記可搬型記憶媒体が接続されている場合、前記編集手段に対する前記画像データの編集実行を指示する機能を前記キーに割り付ける。適用例8の画像表示装置によれば、操作部のキーに、可搬型記憶媒体に記憶されている画像データの編集実行を指示するため機能が割り付けられる。従って、画像データ編集用の操作部を準備することなく、可搬型記憶媒体接続時に、容易に画像データの編集を行うことができる。
【0017】
本発明において、上述した種々の態様は、適宜、組み合わせたり、一部を省略したりして適用することができる。例えば、画像表示装置の操作部の構成を制御する制御方法、画像表示装置の操作部の構成を制御するためのコンピュータプログラム、かかるコンピュータプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録対象物等としても構成できる。いずれの構成においても、上述した各態様を適宜、適用可能である。コンピュータが読み取り可能な記録対象物としては、例えば、フレキシブルディスクやCD−ROM、DVD−ROM、光磁気ディスク、ICカード、ハードディスク等種々の対象物を利用することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】第1実施例における画像表示装置としてのプロジェクタのシステム構成を例示する説明図。
図2】第1実施例におけるプロジェクタ10の機能ブロックを例示するブロック図。
図3】第1実施例におけるUSBメモリ接続時と、コンピュータ接続時とのそれぞれにおいて表示される画面を示す画面例。
図4】第1実施例におけるサムネイル画面310を示す画面例。
図5】第1実施例におけるスライド選択画面320、編集項目選択画面330を示す画面例。
図6】第1実施例における編集実行画面340示す画面例。
図7】第2実施例におけるプロジェクタ10aの概略構成を例示する説明図。
図8】第3実施例における操作部を例示する説明図。
図9】第3実施例における機能割り付けテーブルを例示する説明図。
図10】変形例におけるプロジェクションシステムを例示する説明図。
【発明を実施するための形態】
【0019】
A.第1実施例:
A1.システム構成:
図1は、第1実施例における画像表示装置としてのプロジェクタの概略構成を例示する説明図である。図1(a)は、プロジェクタ10のシステム構成を示しており、図1(b)は、プロジェクタ10の操作部510を示している。プロジェクタ10は、USBメモリ50を接続するためのUSBインタフェース30と、コンピュータ(図示省略)を接続するためのPCインタフェース31と、操作部510と、を備えている。USBメモリ50には、スクリーンSCに表示すべき画像データが記憶されている。プロジェクタ10は、USBインタフェース30を介してUSBメモリ50から画像データを直接取得し、もしくは、PCインタフェース31を介してコンピュータから映像信号を取得し、取得した画像データもしくは映像信号に応じて光学像を形成して、投写レンズを介して光学像をスクリーンSCに投写する。なお、第1実施例では、プロジェクタ10は、USBメモリ50が接続されたことを検知すると、USBメモリ50に記憶されている画像データを用いて画像を表示する所定の画像処理に依存した操作画面を表示する。「所定の画像処理に依存した操作画面」については、後に詳述する。第1実施例において、プロジェクタ10は、特許請求の範囲の「画像表示装置」に当たり、USBインタフェース30は特許請求の範囲の「第1の接続手段」に当たり、PCインタフェース31は特許請求の範囲の「第2の接続手段」に当たり、USBメモリ50は特許請求の範囲の「可搬型記録媒体」に当たり、スクリーンSCは、特許請求の範囲の「表示部」および「第1の表示部」に当たり、コンピュータは特許請求の範囲の「画像供給装置」に当たる。
【0020】
図1(b)に示すように、操作部510は、プロジェクタ10を操作するための機能が割り付けられた複数のボタンにより構成されている。「ボタンに機能が割り付けられた」とは、ボタン選択により機能が実行されることを示す。操作部510には、カラーモードの設定を行うためのボタン511,アスペクト比の設定を行うためのボタン512,プロジェクタ10の傾きによりスクリーンSC上の画像に生じる台形歪みの補正処理を行うためのボタン513、種々の選択を行うためのボタン514a〜514dから構成される選択ボタン514および操作を決定するための決定ボタン515が表示されている。
【0021】
A2.機能ブロック:
図2は、実施例におけるプロジェクタ10の構成を例示するブロック図である。プロジェクタ10は、図1(a)において説明したUSBインタフェース30、PCインタフェース31,操作部510に加えて、照明光学系100と、光源ランプ駆動部110と、液晶ライトバルブ120と、液晶ライトバルブ駆動部130と、投写光学系140と、投写光学系調整部150と、CPU160と、画像取得部162と、画像処理部164と、編集部166と、制御部168とを備える。図2において、各光学系は簡略に記載されている。CPU160は、プロジェクタ10全体の動作を制御する。操作パネル530は、後述する第2実施例において説明する。操作パネル530は、第1実施例のプロジェクタ10には備えられていない。
【0022】
光源ランプ駆動部110は、照明光学系100に含まれる光源ランプを駆動する。液晶ライトバルブ駆動部130は、画像処理部164から与えられる画像データに従って、液晶ライトバルブ120を駆動する。投写光学系調整部150は、ユーザからの入力に応じて投写光学系140の位置を調整する。具体的には、投写光学系調整部150は、光源光軸LAに垂直な方向に向けて、投写光学系140に含まれるレンズを移動させたり、シフト位置を調整したりする。なお、光源光軸LAは照明光学系100から射出される光の中心軸を意味しており、液晶ライトバルブ120がスクリーンSCに投写する画像の中心を通る。
【0023】
画像取得部162は、USBインタフェース30を介してUSBメモリ50から画像データを取得し、または、PCインタフェース31を介してコンピュータから映像信号を取得し、取得した画像データもしくは映像信号を画像処理部164に受け渡す。画像処理部164は、画像取得部162から受け渡された画像データに種々の画像処理を施して補正画像データを生成し、補正画像データを液晶ライトバルブ駆動部130へ受け渡す。種々の画像処理とは、例えば、輝度やコントラスト、色合いなど画質の調整の他、台形歪みの補正やアスペクト比の補正などの種々の処理を含む。
【0024】
液晶ライトバルブ駆動部130は、受け渡された画像データ(操作画面を表す操作画面データ、補正画像データ)に基づいて、液晶ライトバルブ120を駆動し、画像データによって表される画像データを表示する。液晶ライトバルブ駆動部130と、液晶ライトバルブ120と、投写光学系調整部150と、投写光学系140は、特許請求の範囲の「画像表示手段」に当たる。第1実施例において、操作画面データは、プロジェクタ10の図示しないメモリやハードディスクなどの記憶媒体に予め記憶されていてもよいし、制御部168が適宜生成してもよい。
【0025】
編集部166は、画像データを編集可能なアプリケーションソフトの機能や、ソフトウェアキーボードを表示する機能を備えており、USBメモリ50から取得した画像データを、利用者の指示に従って編集する。編集部166は、特許請求の範囲の「編集手段」に当たる。
【0026】
制御部168は、USBインタフェース30にUSBメモリ50が接続されている場合と、PCインタフェース31にコンピュータが接続されている場合とで、異なるユーザインタフェースを提供する。具体的には、USBインタフェース30に可搬型記憶媒体であるUSBメモリ50が接続されている場合には、USBメモリ50内の画像データを取得してスクリーンSCに画像を表示する所定の画像処理に依存した機能を実行するための操作項目を含む操作画面を、スクリーンSCに表示する。すなわち、「USBメモリ50内の画像データを取得してスクリーンSCに画像を表示する所定の画像処理に依存した操作画面」とは、言い換えれば、「USBメモリ50内の画像データを取得してスクリーンSCに画像を表示する所定の画像処理専用の操作画面」とも言える。第1実施例では、「所定の画像処理」には、例えば、画像データにより表される画像を取得する取得処理や画像データを利用者に選択させるための画面を表示する表示処理、画像をスクリーンSCに表示する表示処理、画像データを編集する編集処理が含まれる。制御部168は、特許請求の範囲の「操作画面表示手段」の機能を含む。
【0027】
A3.操作画面例:
図3図7を参照して、第1実施例における操作画面の表示例について説明する。図3図7は、第1実施例における操作画面を示す画面例である。図3(a)は、コンピュータがPCインタフェース31に接続されている場合にスクリーンSCに表示される画像を表しており、図3(b)は、USBメモリ50がUSBインタフェース30に接続されている場合にスクリーンSCに表示される操作画面301を表している。
【0028】
図3(a)に示すように、コンピュータがPCインタフェース31に接続されている場合、言い換えれば、コンピュータから映像信号を取得してスクリーンSCに表示する画像処理では、コンピュータのディスプレイに表示される画面がスクリーンSCに画像(映像)300として表示される。このように、コンピュータがPCインタフェースに接続されても、スクリーンSCに専用の操作画面は表示されない。
【0029】
一方、図3(b)に示すように、可搬型記憶媒体であるUSBメモリ50がUSBインタフェース30に接続されている場合、言い換えれば、USBメモリ50から画像データを取得してスクリーンSCに表示する画像処理では、操作画面301には、接続されている可搬型記憶媒体であるUSBメモリ50を表すアイコン302と、USBメモリ50に記憶されている画像データを用いた画像処理に依存した機能を含む操作メニュー304が表示される。「USBメモリ50に記憶されている画像データを用いた画像処理に依存した機能」とは、コンピュータではなく、可搬型記憶媒体に記憶されている画像データを取得して画像を表示する際に行われる種々の画像処理に関連する機能を表している。以降、本明細書では、以降、「USBメモリ50に記憶されている画像データを用いた画像処理に依存した機能」を「媒体依存機能」と呼ぶ。第1実施例では、媒体依存機能には、USBメモリ50に記憶されている画像データの縮小画像を表示するサムネイル機能、USBメモリ50に記憶されている画像データを編集する編集機能、および、USBメモリ50をプロジェクタ10から取り外すための取り外し機能が含まれる。なお、媒体依存機能はこれらの機能に限定されず、適宜、種々の機能を含んでもよい。以降、実施例において、「操作画面」は、プロジェクタ10の制御部168により表示されるものを示している。
【0030】
第1実施例では、操作メニュー304には、媒体依存機能である「サムネイル」、「編集」および「USBメモリの取り外し」という機能を実行するための操作項目が含まれている。「サムネイル」が選択されるとUSBメモリ50に記憶されている画像データの縮小画像を一覧表示するサムネイル画面がスクリーンSCに表示され、「編集」が選択されるとUSBメモリ50に格納されている画像データを編集するための編集画面がスクリーンSCに表示される。「USBメモリの取り外し」が選択されると、プロジェクタ10の電源が投入された状態でUSBメモリを取り外しできるようにプロジェクタ10が制御される。なお、操作項目の選択は、操作部510や図示しないリモートコントローラにより可能である。第1実施例において、操作メニュー304の各操作項目は、特許請求の範囲の「操作項目」に当たり、アイコン302は、特許請求の範囲における「接続手段に可搬型記憶媒体が接続されていることを利用者が視認可能となる所定の情報」に当たる。
【0031】
ここで、操作メニュー304に含まれる機能が媒体依存機能である理由について以下に説明する。プロジェクタ10とコンピュータとが接続されている場合、コンピュータを操作して表示すべき画像データの選択や編集を行うことができるが、USBメモリ50から画像データを取得してスクリーンSCに表示する場合、画像データの選択や、必要な場合には画像データの編集をプロジェクタ10において行えることが好ましい。よって、プロジェクタ10によるサムネイル表示や画像データの編集は、コンピュータから画像データを取得して画像を表示する画像処理においては不要な機能である一方、USBメモリ50から画像データを取得して画像を表示する画像処理においては必要な機能である。このような理由からサムネイル表示機能や編集機能などの機能を媒体依存機能に含まれる。
【0032】
なお、図3(a)および図3(b)では、USBインタフェース30もしくはPCインタフェース31のいずれか一方に機器が接続されている場合の画面例について説明したが、例えば、他の外部機器、例えば、メモリカードやDVD等の記憶媒体の接続手段が設けられており、複数の記憶媒体がプロジェクタ10に接続されている場合には、どの外部機器を選択するかを選択する媒体選択画面を表示してもよい。利用者によってメモリカードやDVD等の可搬型記憶媒体が選択された後に操作画面301を表示すればよい。このとき、アイコン302に代えて、選択された可搬型記憶媒体を表すアイコンが表示されてもよい。
【0033】
図4は、第1実施例における操作画面(サムネイル画面)を示す画面例である。図4は、図3(b)の操作画面301において、「サムネイル」が選択された場合における操作画面310を表している。操作画面310を、以降、サムネイル画面310と呼ぶ。サムネイル画面310は、USBメモリ50に記憶されている画像ファイル311〜316(ファイル名「file01」〜「file06」)と、アイコン302と、操作画面301に戻るためのボタン戻る318と、操作を決定するための決定ボタン319とを含む。利用者はスクリーンSCに表示されたサムネイル画面310を視認しつつ、操作部510を操作して所望の画像ファイルを選択する。CPU160は、選択された画像ファイルを表示するための画像処理を行い、スクリーンSCに画像を表示する。プロジェクタ10が表示可能な画像ファイルは、例えば、パワーポイント(登録商標)、ワード(Word(登録商標))、エクセル(Exele(登録商標))、PDF(登録商標)等や、動画など種々の形式のファイルが含まれる。
【0034】
図5および図6は、第1実施例における操作画面(編集画面)を示す画面例である。図3(b)において「編集」が選択されると、編集する画像ファイルを選択するための選択画面(図4と同様の操作画面)が表示され、選択画面において画像ファイルが選択されると、図5(a)に示す操作画面320が表示される。第1実施例では、スライド形式のファイル(例えば、)編集時の操作画面を例に説明する。操作画面320を、以降、スライド選択画面320と呼ぶ。スライド選択画面320には、アイコン302と、選択された画像ファイルを構成するスライドデータ322a〜322jおよび編集する画像ファイルを選択するための選択画面(図示省略)へ戻るためのボタン323が含まれる。スライドデータ322a〜322jは各スライドを縮小表示した画像である。利用者は、操作部510を操作して編集対象のスライドを選択する。例えば、スライド選択画面320では、6番目のスライドデータ322fが選択されている状態を太線で表している。
【0035】
編集対象のスライドが選択されると、図5(b)に示す操作画面330が表示される。操作画面330を、以降、編集項目選択画面330と呼ぶ。編集項目選択画面330において、操作部510を操作して図形331や文字列332〜334のうち編集すべき対象項目を選択する。選択されている図形・文字列は、選択されていることを利用者によって視認可能に表示される。第1実施例では、編集項目選択画面330に示すように、選択されている文字列334をカーソル枠による囲み表示し、選択されていることを利用者が容易に確認できるようにしている。この他にも、例えば、選択されている図形・文字列の反転表示、拡大表示、強調表示などしてもよい。
【0036】
編集対象の図形・文字列が選択されると、図6に示す操作画面340が表示される。操作画面340は、編集を実行するための画面である。操作画面340を、以降、編集実行画面340と呼ぶ。編集実行画面340は、編集対象341とソフトウェアキーボート342と、アイコン302と、編集を反映する決定ボタン343と、編集をキャンセルするキャンセルボタン344とが含まれる。編集対象341には、図5(b)において編集対象として選択された図形・文字列が表示される。第1実施例では、編集対象341には文字列334が表示される。利用者は、操作部510を操作してソフトウェアキーボート342を利用し、編集対象341を編集する。決定ボタン343が押下されると編集後の編集対象341の内容が、編集対象として選択されたスライドデータ322fの文字列334に反映される。プロジェクタ10は、USBメモリ50から画像ファイルを直接読み込んで表示しているので、USBメモリ50に記憶されている画像ファイルが更新されることになる。キャンセルボタン344が押下されると、編集対象341の編集内容は破棄されて、編集前のスライドデータ322fが表示された編集項目選択画面330が表示される。
【0037】
以上説明した第1実施例のプロジェクタ10によれば、USBメモリ50接続時には、USBメモリ50に記憶されている画像データを用いて画像を表示する所定の画像処理に依存した媒体依存機能を実行するための操作項目を含む操作画面301がスクリーンに表示される。従って、USBメモリ50接続時、利用者は、USBメモリ50に記憶されている画像データを用いた画像処理において利用する操作項目が含まれる操作画面(専用の操作画面)を利用してプロジェクタを操作できる。よって、利用者はUSBメモリ50に記憶されている画像データを用いて簡易に画像処理を行うことができ、利用者の操作性を向上できる。
【0038】
また、第1実施例のプロジェクタ10によれば、USBメモリ50が接続されている場合の画像処理においてのみ用いられる機能であるサムネイル表示、編集等の操作項目が操作画面301に含まれる。従って、利用者はUSBメモリ50を用いた画像処理にのみ利用される機能の中から機能を選択できるので、不要な機能を含む多数の操作項目の中から所望の操作項目を選択するという操作を省略できる。
【0039】
また、第1実施例のプロジェクタ10によれば、USBメモリ50が接続されていることを表すアイコン302が操作画面に表示される。従って、利用者は、USBメモリ50に記憶されている画像データを用いて画像処理が実行されていることを容易に確認できる。
【0040】
また、第1実施例のプロジェクタ10によれば、USBメモリ50が接続されている場合には、媒体依存機能である画像データの編集が操作メニューに含まれる。従って、利用者は容易に画像データの編集を行うことができる。従来、記憶媒体に画像データを記憶し、当該画像データをプロジェクタのみで再生できる従来技術は、コンピュータは不要である点が特徴であった。すなわち、コンピュータ不要でプレゼンテーションができる点が特徴であった。しかしながら、客先で原稿修正や資料追加、表現の変更などできず、結果としてコンピュータが必要となるため、その特徴を生かしきれていなかった。第1実施例によれば今回は、コンピュータ無しでプロジェクタ10があればUSBメモリ50等の記憶媒体内の画像データの修正・追加・再編集が行なえるので、ユーザの利便性(使い勝手、携帯すべき機器の数の低減(労力)等)を大幅に向上することができる。
【0041】
B.第2実施例:
第2実施例では、操作部を構成するタッチパネル式の液晶の液晶パネルを有するプロジェクタ10aについて説明する。第2実施例のプロジェクタ10aは、操作部510が液晶の操作パネル530により構成されていること、および、制御部168が操作パネル530に表示する操作画面を制御すること以外は、第1実施例のプロジェクタ10と同様の構成を備える。
【0042】
B1.概略構成:
図7は、第2実施例におけるプロジェクタ10aの概略構成を例示する説明図である。プロジェクタ10aは、操作部としての操作パネル530を備える。操作パネル530は、タッチパネル式の液晶パネルにより構成されている。図7(a)は、コンピュータPCがプロジェクタ10aに接続されている場合の操作パネル530を例示している。図7(b)は、USBメモリ50がプロジェクタ10aに接続されている場合の操作パネル530を例示している。操作パネル530は、プロジェクタ10aを操作するための種々のボタンが表示される。
【0043】
プロジェクタ10aは、可搬型記憶媒体としてのUSBメモリ50が接続されている場合とコンピュータPCが接続されている場合とにおいて、異なる機能を備える操作部となるように、操作パネル530の機能割り付け(表示される操作画面)を変更する。プロジェクタ10aの機能ブロックは、第1実施例のプロジェクタ10の機能ブロック(図2)において操作部510の代わりに操作パネル530が設けられていること以外はほぼ同じである。プロジェクタ10aの制御部168が操作パネル530の機能割り付け(表示される操作画面)を制御する。
【0044】
コンピュータPCがプロジェクタ10aに接続されている場合には、操作パネル530には、図7(a)に示すように、カラーモードの設定を行うためのボタン531,アスペクト比の設定を行うためのボタン532,台形歪みの補正処理を行うためのボタン533、選択ボタン534a〜534dおよび決定ボタン535が表示されている。
【0045】
USBメモリ50がプロジェクタ10aに接続されている場合には、図7(b)に示すように、操作パネル530には、カラーモードやアスペクト比の設定、台形歪み補正処理等の初期設定を行うための初期設定ボタン541、選択ボタン542a〜542d,画像ファイルの再生(例えば、パワーポイントのスライドショーの実行)を行うための実行ボタン543,画像ファイルの再生を停止するための停止ボタン544、USBメモリ50に記憶されている画像データの編集の実行を指示するための編集指示ボタン545等が含まれる。操作パネル530に表示される操作画面の内容は、図7(b)に示すものに限られず、使用態様に応じて予め種々の態様に設定することができる。例えば、プロジェクタ10aは、USBメモリ50に記憶されている画像データの選択に用いられるサムネイル画面310と画像データを選択するための選択ボタン542a〜542dを操作パネル530に表示してもよい。また、操作パネル530にアイコン302を表示しても良い。なお、第2実施例において、編集指示ボタン545は特許請求の範囲の「編集指示部」に当たる。
【0046】
このように、第2実施例では、USBメモリ50接続時には、媒体依存機能が割り付けられた操作ボタンを含む操作画面を操作パネル530に表示する。なお、第2実施例において、サムネイルの表示機能や編集機能は、媒体依存機能の一例であり、これに限られない。例えば、USBメモリ50の取り外しといった機能が含まれても良い。
【0047】
以上説明した第2実施例のプロジェクタ10aによれば、USBメモリ50が接続されている場合と、コンピュータPCが接続されている場合とにおいて、操作パネル530に表示される操作部の機能が異なるように制御される。具体的には、USBメモリ50が接続されている場合には、媒体依存機能が割り付けられた操作ボタンを含む操作画面が操作パネル530に表示される。よって、USBメモリ50に記憶されている画像データを用いた画像処理実行時に、サムネイル表示機能や編集機能等が割り付けられた操作ボタンを含む操作画面を操作開始時に利用者に提供できる。よって、利用者の操作性の向上を図ることができる。
【0048】
また、第2実施例のプロジェクタ10aによれば、USBメモリ50に記憶されている画像データの編集実行を指示するための編集指示ボタン545が操作パネル530に表示される。従って、USBメモリ50が接続されている場合においても、利用する機能に応じた操作画面が操作パネル530に表示されるため、利用者は迷うことなく簡単に操作ができる。従って、利用者の利便性は大幅に向上する。
【0049】
C.第3実施例:
第3実施例では、可搬型記憶媒体であるUSBメモリ50が接続されている場合と、コンピュータが接続されている場合とにおいて、物理的なボタンによって構成されている操作部510の各ボタンにそれぞれ異なる機能を割り付けるプロジェクタについて説明する。
【0050】
C1.操作部:
図8は、第3実施例における操作部510aを例示する説明図である。操作部510aには、各種ボタン400〜407、通知部408aおよび408bが設けられている。プロジェクタのCPU160は、コンピュータがプロジェクタに接続されている場合と、可搬型記憶媒体としてのUSBメモリ50がプロジェクタに接続されている場合とにおいて、操作部510の各ボタンに割り付けられている機能を変更する。第3実施例において、操作部510aの各種ボタンは、特許請求の範囲の「物理的なキー」に当たる。なお、第3実施例では、操作部510aには「物理的なキー」としてボタンを設けているが、ボタンに限られず公知の種々の構成を「物理的なキー」として適用可能である。
【0051】
例えば、第3実施例では、次の通りである。コンピュータがプロジェクタに接続されている場合、ボタン400はカラーモードを設定する機能が割り付けられ、ボタン402はアスペクト比を設定する機能が割り付けられ、ボタン404は、台形歪みの補正処理を実行する機能が割り付けられる。また、ボタン406a〜406dから構成される選択ボタン406は、各種項目の選択を行う機能が割り付けられ、決定ボタン407は選択ボタン406による項目の選択を決定する機能が割り付けられる。一方、USBメモリ50がプロジェクタに接続されている場合、ボタン400にはサムネイル画面を表示する機能が割り付けられ、ボタン402には編集機能が割り付けられ、ボタン404にはカラーモード・アスペクト比・台形歪みの補正など初期設定を行う機能が割り付けられる。選択ボタン406および決定ボタン407は、コンピュータがプロジェクタに接続されている場合と同様に選択および決定を行うための機能が割り付けられている。通知部408a、408bは、LED等の光源を備えている。
【0052】
第3実施例では、コンピュータが接続されている場合には、各ボタン400,402,404は、それぞれ、カラーモードの設定、アスペクト比の設定、台形歪みの補正処理を行う機能が割り付けられ、USBメモリ50が接続されている場合には、各ボタン400,402,404が、それぞれサムネイル画面の表示、編集画面の表示、初期設定画面の表示を行うための機能が割り付けられる。
【0053】
操作部510には、図8に「通常メニュー」/「USBメニュー」と示すように、コンピュータが接続されているかUSBメモリ50が接続されているかによって、割り付けられる機能が異なる。「通常メニュー」はコンピュータが接続されている場合の操作部であり、「USBメニュー」はUSBメモリ50が接続されている場合の操作部である。「通常メニュー」として、各ボタン400,402,404の上方に「カラーモード」、「アスペクト比」および「台形補正」と記載されている。こうすることにより、利用者は、コンピュータが接続されている場合、USBメモリ50が接続されている場合において、同一のボタンに異なる機能が割り付けられていることを容易に知ることができる。更に、コンピュータがプロジェクタに接続されている場合には、プロジェクタは、通知部408aを点灯し、USBメモリ50がプロジェクタに接続されている場合には、通知部408bを点灯するように制御を行う。こうすれば、利用者は、現在、コンピュータとUSBメモリ50のいずれから画像データを取得し表示しているかを即座に認識できる。
【0054】
図9は、第3実施例における機能割り付けテーブルを例示する説明図である。テーブル500は、操作部510の各ボタンと、各ボタンに割り付けられる機能との対応を表している。テーブル500は、プロジェクタの図示しないメモリに予め格納されている。テーブル500において、「ボタン番号」は、操作部510の各ボタンを表しており、「機能」は、プロジェクタに接続される外部機器(コンピュータ、USBメモリ50)に応じて各ボタンに割り付ける機能を表している。また、「PC」とは、コンピュータを表しており、「USBメモリ」は、USBメモリ50を表している。プロジェクタの制御部168は、機能割り付けテーブル500に基づいて、USBメモリ50が接続されている場合と、コンピュータが接続されている場合とにおいて、操作部510の各種ボタン400、402、404に異なる機能を割り付ける。例えば、ボタン402には、プロジェクタ10にコンピュータが接続されている場合、アスペクト比の設定機能が割り付けられ、USBメモリ50が接続されている場合、編集機能が割り付けられる。
【0055】
以上説明した第3実施例のプロジェクタによれば、USBメモリ50が接続されている場合と、コンピュータが接続されている場合とにおいて、操作部510に設けられているボタンに割り付けられている機能を変更できる。従って、USBメモリ50を用いた画像処理用の操作ボタンを新たに準備することなく、利用者に、媒体依存機能を簡易に実行可能とする操作部を提供できる。また、高価な部品を利用する必要が無いため、製品のコストを大幅に低減することができる。また、利用者も一目でボタンの機能を理解することができるため、使い勝手が向上する。
【0056】
D.変形例:
(1)第1実施例では、画像ファイルの編集において、ソフトウェアキーボードを用いて文字列の編集を行っているが、例えば、携帯電話やコンピュータのテンキー、キーボードを用いて編集してもよい。
【0057】
図10は、変形例におけるプロジェクションシステムを例示する説明図である。変形例のプロジェクションシステムは、プロジェクタ10bと携帯電話12とから構成される。プロジェクタ10bと携帯電話12は、無線通信部35を備え、例えば、赤外線通信などの無線通信により通信可能に接続される。携帯電話12には、予め、プロジェクタ10bと通信を行うためのアプリケーションが組み込まれている。プロジェクタ10bにおいて、編集対象の文字列の選択までは、第1実施例と同様に行われる。利用者は、携帯電話12で文字列を入力し、プロジェクタ10bに送信する。プロジェクタ10bは、携帯電話12から取得した文字列を、選択中の文字列334と置き換える。携帯電話12に代えて、携帯情報端末(Personal Digital Assistant:PDA)やラップトップコンピュータなどを用いても良い。
【0058】
こうすれば、ソフトウェアキーボードの機能をプロジェクタに組み込むことなく、画像ファイルの編集を行うことができる。よって、プロジェクタ10bの負荷を軽減できる。また、利用者は、USBメモリ50から画像データを直接取得して表示するプロジェクタの利用時に、コンピュータを用いることなく、携帯電話12などの携帯端末を用いて簡易に画像ファイルを編集できる。よって、利用者の利便性を向上できる。特に、利用者は、愛用している携帯端末の使い方は熟知しているため、操作に迷うことなくファイル編集が可能となる。よって、利用者にとって、プロジェクタ10bの使い勝手が大幅に向上する。
【0059】
(2)第3実施例では、通知部408a、408bを設け、コンピュータとUSBメモリ50のいずれから画像データを取得し表示しているかを容易に認識可能にする構成としているが、例えば、操作ボタンを設け、USBメモリ50使用時に利用者がボタンを押下すると操作部に割り付けられている機能が切り替わるように構成してもよい。こうすれば、利用者は、任意に操作ボタンに割り付けられている機能を切り替えることができる。
【0060】
(3)表示部に画像を表示する画像表示装置であって、画像データが記憶された可搬型記憶媒体を接続するための第1の接続手段と、映像信号を出力する画像供給装置を接続して、前記画像供給装置から出力された映像信号を入力する第2の接続手段と、前記可搬型記憶媒体に記憶されている画像データもしくは前記画像供給装置から入力された映像信号に基づいて、前記表示部に画像を表示する画像表示手段と、前記画像表示装置を操作するための操作画面を表示する操作画面表示手段であって、前記第1の接続手段に前記可搬型記憶媒体が接続されている場合と、前記第2の接続手段に前記画像供給装置が接続されている場合とにおいて、異なる操作画面を表示する操作画面表示手段と、を備える画像表示装置としてもよい。
【0061】
変形例(3)の画像表示装置によれば、可搬型記憶媒体接続時と、画像供給装置接続時とにおいて、第1の表示部に異なる操作画面が表示される。従って、可搬型記憶媒体接続時には、可搬型記憶媒体に記憶されている画像データを用いた画像処理を行うための操作画面を呼び出す手間を省略できるので、利用者の操作性を向上できる。
【0062】
以上、本発明の種々の実施例について説明したが、本発明はこれらの実施例に限定されず、その趣旨を逸脱しない範囲で種々の構成をとることができる。
【符号の説明】
【0063】
10…プロジェクタ、10a…プロジェクタ、10b…プロジェクタ、12…携帯電話、30…USBインタフェース、31…PCインタフェース、100…照明光学系、110…光源ランプ駆動部、120…液晶ライトバルブ、130…液晶ライトバルブ駆動部、140…投写光学系、150…投写光学系調整部、160…CPU、162…画像取得部、164…画像処理部、166…編集部、168…制御部、300、301…操作画面、302…アイコン、304…操作メニュー、306…アイコン、310…操作画面、311…画像ファイル、318…ボタン、319…ボタン、320…編集画面、322a〜322f…スライドデータ、323…ボタン、330…編集実行画面、330…編集項目選択画面、331…図形、332、334…文字列、340…編集実行画面、341…編集対象、342…ソフトウェアキーボート、343…決定ボタン、344…キャンセルボタン、400、402、404…ボタン、406…選択ボタン、408…決定ボタン、420…画像処理部、500…テーブル、510…操作部、530…操作パネル、531、532、533…ボタン、534a…選択ボタン、535…決定ボタン、541…初期設定ボタン、542…選択ボタン、543…実行ボタン、544…停止ボタン
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10