特許第5835486号(P5835486)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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特許5835486情報処理システムのデバイス初期設定カスタマイズ方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5835486
(24)【登録日】2015年11月13日
(45)【発行日】2015年12月24日
(54)【発明の名称】情報処理システムのデバイス初期設定カスタマイズ方法
(51)【国際特許分類】
   G06F 9/445 20060101AFI20151203BHJP
【FI】
   G06F9/06 610B
【請求項の数】3
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2014-525776(P2014-525776)
(86)(22)【出願日】2013年7月3日
(86)【国際出願番号】JP2013068253
(87)【国際公開番号】WO2014013875
(87)【国際公開日】20140123
【審査請求日】2015年1月9日
(31)【優先権主張番号】特願2012-160354(P2012-160354)
(32)【優先日】2012年7月19日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109313
【弁理士】
【氏名又は名称】机 昌彦
(74)【代理人】
【識別番号】100124154
【弁理士】
【氏名又は名称】下坂 直樹
(72)【発明者】
【氏名】飯島 昇
【審査官】 石川 亮
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−040059(JP,A)
【文献】 特開2010−061469(JP,A)
【文献】 特開2003−084986(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 9/445
G06F 3/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シェルフに実装される複数のデバイスに関連して登録される複数のオブジェクトの初期設定を保持するオブジェクト初期設定テーブルと、
複数のオブジェクトに基づいて生成された複数のインスタンスデータを保持するデータベースと、
新たに実装するデバイスに対応してオブジェクト初期設定テーブルを参照して新たにインスタンスデータを生成して、データベースに登録する監視制御部とを具備し、
新たなインスタンスデータをオブジェクト毎に補正する必要がある場合には、オブジェクト初期設定補正データを用いて新たなインスタンスデータを補正し、新たなインスタンスデータをインスタンス毎に補正する必要がある場合には、インスタンス初期設定補正データを用いて新たなインスタンスデータを補正するようにした情報処理システム。
【請求項2】
オブジェクト初期設定テーブル及びインスタンスデータのデータベースを具備する情報処理システムに適用されるデバイス初期設定カスタマイズ方法であって、
シェルフに新たに実装するデバイスに対応してオブジェクト初期設定テーブルを参照して新たにインスタンスデータを生成してデータベースに登録し、
新たなインスタンスデータをオブジェクト毎に補正する必要がある場合には、オブジェクト初期設定補正データを用いて新たなインスタンスデータを補正し、新たなインスタンスデータをインスタンス毎に補正する必要がある場合には、インスタンス初期設定補正データを用いて新たなインスタンスデータを補正するようにしたデバイス初期設定カスタマイズ方法。
【請求項3】
オブジェクト初期設定テーブル及びインスタンスデータのデータベースと接続されたコンピュータによりデバイス初期設定をカスタマイズさせるプログラムであって、
シェルフに新たに実装するデバイスに対応してオブジェクト初期設定テーブルを参照して新たにインスタンスデータを生成してデータベースに登録し、
新たなインスタンスデータをオブジェクト毎に補正する必要がある場合には、オブジェクト初期設定補正データを用いて新たなインスタンスデータを補正し、新たなインスタンスデータをインスタンス毎に補正する必要がある場合には、インスタンス初期設定補正データを用いて新たなインスタンスデータを補正するようにしたプログラム
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システムにデバイスをインストールする場合、デバイス初期設定を自動的にカスタマイズする方法に関する。
本願は、2012年7月19日に日本国に出願された特願2012−160354号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
【背景技術】
【0002】
近年、オンラインを使用した企業対企業(BtoB)の電子商取引において製造業者(メーカ)側は少人数の顧客の要望に応じてデバイス機能を十分に把握する必要が生じている。また、少数顧客から聴取した要望をデバイス機能に含めるとともに、当該デバイス機能を取り込んだ情報処理装置や情報処理システムを設計することが企業間の取引の主流となりつつある。この傾向を踏まえて開発費の抑制までも考慮して、例えば、最初に基本装置を開発しておき、以後は、顧客のニーズに合わせて基本装置の初期設定変更を行うとともに、機能拡張やデバイスの追加を行なっている。
【0003】
このように、機能拡張やデバイスの追加に対応するためにデバイス初期設定をカスタマイズ(或いは、機器再構成)する必要がある。顧客の運用条件次第により必要とされるデバイス初期設定が顧客毎に異なるため、顧客毎に初期設定データベースを新規に開発する必要があり、開発規模の増大を招くこととなる。そこで、顧客毎に初期設定データベースを新規開発するのではなく、顧客が必要とする特定機能に対応する初期設定のみを補正できるシステムの開発が望まれていた。
【0004】
デバイスドライバのインストール及びカスタマイズに関して種々の公知文献が存在する。例えば、特許文献1は情報処理装置においてプリンタドライバの設定をプリンタ管理者の望む初期設定に容易にカスタマイズするプリンタドライバのインストール方法を開示している。具体的には、サーバ装置が所定の環境下で複数の設定変更用データ(カスタマイズデータ)を含めたインストーラを作成してクライアント装置に送信する。ユーザはクライアント装置で受信したインストーラを使って所望の初期設定を選択肢から選ぶことでプリンタドライバの初期設定をカスタマイズする。
【0005】
特許文献2は、情報処理装置のデバイスドライバのカスタマイズ操作性を向上する技術を開示している。具体的には、印刷装置を制御するデバイスドライバをプロパティ設定によりカスタマイズする情報処理装置において、複数のデバイスドライバを特定し、カスタマイズ指示に応じて個別のプロパティ情報を複数のデバイスドライバに設定する。特許文献3は、印刷設定のデフォルト値をドライバインストール環境に応じて編集する技術を開示している。具体的には、情報処理装置においてカスタマイズツールを用いてプリンタドライバインストール時に適用されるデフォルト印刷設定を編集する。例えば、情報処理装置においてカスタマイズツールのスタンプ設定ボタンがクリックされるとユーザインタフェース画面が表示され、ユーザの詳細設定に応じてスタンプの文字、サイズ、色、位置、傾き、書体を変更して得たパラメータを保存する。編集指示がコントロール変更であれば、そのためのユーザインタフェース画面を表示し、ユーザはパラメータを変更することができる。当該パラメータはカスタマイズされたデフォルト印刷設定として記憶装置に保存され、プリンタドライバのインストール時にCPUにロードする。特許文献4は、包括的デバイスドライバを利用することで開発負担を軽減するとともに、インストールする機種に適したカスタマイズを自動的に行なって利用者の負担を軽減するデバイスドライバインストーラを開示している。具体的には、クライアント側の端末装置は画像形成装置のタイプID(シリーズID+グループID)を獲得し、そこからインタフェースによって決まるシリーズIDを抽出して利用に供する包括的デバイスドライバを決定する。また、機能グループを表すグループIDに応じて画像形成装置の機能に応じて包括的デバイスドライバを再構成してクライアント側の端末装置にインストールする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第4181973号
【特許文献2】特許第4812093号
【特許文献3】特許第4863450号
【特許文献4】特開2010−086313号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1の技術は、プリンタドライバをプリンタ管理者の望む初期設定に容易にカスタマイズするのに有効であるが、顧客の運用条件の違いで生じる光レベルの警報閾値や特定機能のON/OFF設定など、デバイス追加時に必要となる詳細な初期設定まで含めてカスタマイズしなければならないので、ユーザにとっては不便である。特許文献2の技術は、デバイスドライバのカスタマイズの操作性を向上させるのに有効であるが、特許文献1の技術と同様の問題がある。特許文献3の技術は、印刷設定のデフォルト値をドライバがインストールされる環境に応じて編集するものであり、デバイスドライバをカスタマイズするのに有効であるが、特許文献1の技術と同様の問題がある。特許文献4の技術は、包括デバイスドライバを利用するものであり、デバイス開発の負担を軽減するととともに、インストールする機種に適したカスタマイズを自動的に行なうため利用者の負担を軽減するのに有効である。しかし、特許文献4の技術は包括デバイスドライバを複数存在させており、デバイス初期設定の更新はオブジェクトの登録の際に行なわれるものではなく、デバイス初期設定の更新に際してシェルフに実装される追加デバイスの実装位置(スロット番号)を認識していないという問題がある。
【0008】
従来のデバイスドライバのカスタマイズ方法では、デバイス初期設定を更新する場合、追加されたデバイス毎にインスタンスデータの初期設定をコマンドを用いて手動で逐一入力することで行なわなければならなかった。また、従来のデバイスドライバのカスタマイズ方法では、初期設定データベースとは別に、顧客のニーズに合わせたユーザ初期設定データベース(例えば、UDF:UserDatabaseFormat)を設計する必要があり、デバイス初期設定の補正時にはユーザ初期設定データベースを用いている。しかし、UDFは全ての初期設定を記載しているので、軽微な初期設定の補正を行う場合であっても、全ての初期設定を再登録する必要があり、ソフトウェア処理工程の増大やソフトウェア設計におけるケアレスミスが発生する虞がある。また、UDFはバックアップデータであり、実運用の場合にバックアップデータを有効にするには別途監視制御ソフトウェアの再立ち上げが必要であった。
【0009】
本発明は、デバイス初期設定の補正に当ってユーザ初期設定データベースを補正することなくデバイスの特定機能に係る初期設定の補正を可能とする情報処理システムのデバイス初期設定カスタマイズ方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、シェルフに実装される複数のデバイスに関連して登録される複数のオブジェクトの初期設定を保持するオブジェクト初期設定テーブルと、複数のオブジェクトに基づいて生成された複数のインスタンスデータを保持するデータベースと、新たに実装するデバイスに対応してオブジェクト初期設定テーブルを参照して新たにインスタンスデータを生成して、データベースに登録する監視制御部とを具備する情報処理システムに関する。新たなインスタンスデータをオブジェクト毎に補正する必要がある場合には、監視制御部はオブジェクト初期設定補正データを用いて新たなインスタンスデータを補正する。新たなインスタンスデータをインスタンス毎に補正する必要がある場合には、監視制御部はインスタンス初期設定補正データを用いて新たなインスタンスデータを補正する。
【0011】
本発明は、オブジェクト初期設定テーブル及びインスタンスデータのデータベースを具備する情報処理システムに適用されるデバイス初期設定カスタマイズ方法に関する。当該方法により、シェルフに新たに実装するデバイスに対応してオブジェクト初期設定テーブルを参照して新たにインスタンスデータを生成してデータベースに登録し、新たなインスタンスデータをオブジェクト毎に補正する必要がある場合には、オブジェクト初期設定補正データを用いて新たなインスタンスデータを補正し、新たなインスタンスデータをインスタンス毎に補正する必要がある場合には、インスタンス初期設定補正データを用いて新たなインスタンスデータを補正する。
【0012】
本発明は、オブジェクト初期設定テーブル及びインスタンスデータのデータベースと接続されたコンピュータによりデバイス初期設定をカスタマイズさせるプログラムを記憶したコンピュータ読取可能記憶媒体に関する。
【発明の効果】
【0013】
本発明は、ユーザがオブジェクトデータを監視制御部に登録するだけで、オブジェクトの包括的なデバイス初期設定を自動的に行うとともに、特定のデバイスに対応して詳細な初期設定の補正を行うことができる。即ち、本発明は有利な効果(1)、(2)を奏する。
(1)顧客ニーズに適合してデバイス初期設定を補正するにあたって、ユーザ初期設定データベース(UDF)を補正する必要が無く、特定の機能及びデバイスについて初期設定を任意に補正することができる。
(2)シェルフにデバイスを追加するとき、デバイス初期設定を監視制御ソフトウェアが自動的に補正するため、ユーザが手動で作業を行なう必要がない。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の実施例に係るデバイス初期設定カスタマイズ方法を適用した情報処理システムを示すブロック図である。
図2】従前のデバイス初期設定カスタマイズ方法を示すフローチャートである。
図3】本発明の実施例に係るデバイス初期設定カスタマイズ方法を示すフローチャートである。
図4】本発明の実施例の説明に用いる用語の定義を説明する一覧表である。
図5】情報処理システムにおいてデバイス拡張時のオブジェクト登録から初期設定補正までの一連の処理を示す説明図である
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明について実施例とともに添付図面を参照して詳細に説明する。図1は、デバイス初期設定カスタマイズ方法を適用した情報処理システムを示す。情報処理システムはCPU1、通信部2、及び入出力制御部3を具備する。CPU1は監視制御部11を含む。入出力制御部3は、入力部31、表示部32、オブジェクト初期設定テーブルDB1(データベース)、及びインスタンスデータDB2(データベース)に接続される。本発明の実施例に係る構成はCPU1、監視制御部11、入出力制御部3、表示部32、オブジェクト初期設定テーブルDB1、及びインスタンスデータDB2に相当し、通信部2及び入力部31はオプショナルな構成要素である。
【0016】
CPU1は情報処理システムの全体を制御するとともに、監視制御部11の処理を実行する。情報処理システムは通信部2を介してインターネットや携帯電話回線網と接続される。入出力制御部3は、入力部31、表示部32、オブジェクト初期設定テーブルDB1、及びインスタンスデータDB2を制御する。入力部31は、ユーザ操作を入力してデバイスオブジェクトの登録やインスタンスデータの初期設定を更新する。表示部32は、入力データを画面上に表示してユーザに確認させるとともに、デバイス初期設定のカスタマイズ処理(機器再構成処理)の進行状況を表示する。
【0017】
オブジェクト初期設定テーブルDB1は、オブジェクト初期設定テーブルを保持するデータベースである。インスタンスデータDB2は、インスタンスデータを保持するデータベースである。
【0018】
本実施例に係るデバイス初期設定カスタマイズ方法を説明する前に、従前のデバイス初期設定カスタマイズ方法及び問題点について図1の情報処理システムを参酌して説明する。図2は、従前のデバイス初期設定カスタマイズ方法を示すフローチャートである。ユーザがデバイスオブジェクトを情報処理システムに登録すると、監視制御部11はオブジェクト初期設定テーブルDB1に基づいてインスタンスデータを生成してインスタンスデータDB2に記録し、デバイス機能を有効にする(ステップS1)。ここで、ユーザが入力部31を操作して監視制御部11にデバイスオブジェクトを登録するようにしてもよい。或いは、デバイスオブジェクトを他の端末装置から通信部2を介して監視制御部11に登録するようにしてもよい。
【0019】
インスタンスデータDB2に記録するインスタンスデータはオブジェクト初期設定テーブルDB1に基づいてデフォルト値に設定される。但し、顧客の運用条件の違いにより光レベルの警報閾値や特定機能のON/OFFなどデバイス追加時の初期設定が異なるため、従前のデバイス初期設定カスタマイズ方法では顧客のニーズに合わせて初期設定を補正する必要がある。このため、ユーザは追加デバイス毎に、インスタンスデータを初期設定するコマンドを手動で情報処理システムに入力する必要があった。監視制御部11はコマンドに従ってインスタンスデータDB2に記録されているインスタンスデータの初期設定を補正する(ステップS2、S3)。
【0020】
従前のデバイス初期設定カスタマイズ方法では、オブジェクト初期設定テーブルDB1とは別に顧客のニーズに合わせたユーザ初期設定データベース(UDF)を設計する場合があり、デバイス初期設定の補正時にUDFを参照することもある。しかし、UDFには全てのデバイスオブジェクト初期設定を記載する必要があり、ソフトウェア処理工数の増大やソフトウェア設計時におけるケアレスミスも発生する。また、UDFはバックアップデータであり、実運用においてバックアップデータを有効にするには監視制御部11を再立ち上げする必要があった。
【0021】
本実施例に係るデバイス初期設定カスタマイズ方法では、ユーザが自己の希望する装置仕様を構築するために、フルスペックでないデバイスを追加することができる。また、フルスペックのデバイスの一部の仕様を取り替えることができる。尚、ユーザは任意仕様のデバイスを追加したり取り替えたりするものではなく、開発者側(メーカ側)で規定する所定のデバイスを装置構成に係る所定のシェルフ内の所定の番号のスロットに追加できる。
【0022】
図3は、本発明の実施例に係るデバイス初期設定カスタマイズ方法を示すフローチャートである。このフローチャートは、デバイスのインスタンスデータを補正する処理を示している。図1及び図3を参照してデバイス初期設定カスタマイズ方法について詳細に説明する。ユーザがデバイスを含むオブジェクトを監視制御部11に登録すると、監視制御部11はオブジェクト初期設定テーブルDB1に基づいてインスタンスデータDB2用のインスタンスデータを生成し、デバイス機能を有効にする(ステップS21)。
【0023】
次に、監視制御部11はオブジェクトが補正対象であるか否かを検証する(ステップS22)。インスタンスデータのオブジェクトが補正対象である場合、監視制御部11はオブジェクト初期設定補正データD1を用いてインスタンスデータDB2のインスタンスデータをオブジェクト毎に補正する(ステップS24、S25)。
【0024】
次に、監視制御部11はインスタンスデータDB2に記録されたインスタンスデータが補正対象であるか否かを検証する(ステップS23)。インスタンスデータが補正対象である場合、監視制御部11はインスタンス初期設定補正データD2を用いてインスタンスデータDB2のインスタンスデータを個別に補正する(ステップS26、S27)。これにより、顧客の運用ニーズに適合したインスタンスデータの生成が完了し、インスタンスデータDB2に記録される。その後、CPU1はインスタンスデータに基づいてデバイス初期設定を行う。
【0025】
尚、顧客の運用ニーズに適合したオブジェクト初期設定補正データD1及びインスタンス初期設定補正データD2は監視制御部11に予め記憶されている。監視制御部11の制御ソフトウェアのインストール時にオブジェクト初期設定補正データD1及びインスタンス初期設定補正データD2を監視制御部11に記憶するようにしてもよい。或いは、監視制御部11に制御ソフトウェアをインストールした後、監視制御部11がオブジェクト初期設定補正データD1及びインスタンス初期設定補正データD2をダウンロードして記憶するようにしてもよい。
【0026】
図4は、本実施例で使用する用語の定義を説明した一覧表である。「オブジェクト」とは、監視制御部11で定義される監視対象デバイスが提供する機能(手続き)とデータ(属性)とをカプセル化したものである。監視対象デバイスの種類又は提供される機能によって各装置について複数のオブジェクトが存在する。「インスタンスデータ」はオブジェクトから生成したメモリに展開される実データである。実データはデバイスと1対1に対応する。「オブジェクト初期設定テーブル」は、インスタンスデータ生成時の初期設定を記録したテーブルである。オブジェクト初期設定テーブルはデータベースDB1に登録されており、ユーザが所望のデバイスのオブジェクトを登録した時に監視制御部11によって参照される。「オブジェクト初期設定補正データ」は、特定オブジェクトに基づいてインスタンスデータを生成する際、当該インスタンスデータの初期設定を補正するものである。オブジェクト初期設定補正データは、特定オブジェクトを有する全てのデバイスに対して有効である。「インスタンス初期設定補正データ」は、特定オブジェクトを有する特定デバイスについてインスタンスデータの初期設定を更に補正するものである。インスタンス初期設定補正データは、特定のスロット位置に実装されるデバイスの初期設定のみを変更する場合に監視制御部11により使用される。
【0027】
図5は、情報処理システムにおいてデバイス拡張時のオブジェクト登録から初期設定補正までの一連の処理を示す説明図である。図5(a)乃至図5(d)に示すシェルフ403には番号1乃至9のスロットが組み込まれている。図5(a)に示すシェルフ403には、デバイスを実装したスロット(ハッチング部)とデバイスが未実装のスロット(空白部)とが混在している。シェルフ403の実装デバイスの機能を有効にするために監視制御部11にオブジェクト409が登録される。ここで、図5(a)に示すシェルフ403のスロット(番号9)に対して追加デバイス405を実装するものとする。図5(b)に示すように、ユーザがシェルフ403のスロット(番号9)に追加デバイス405を実装する。その後、ユーザは追加デバイス405の機能を有効にするため、オブジェクトを登録する。
【0028】
図5(c)に示すように、監視制御部11がオブジェクト初期設定テーブルDB1を参照して、追加デバイス405に対応するインスタンスデータを生成する(ステップS41)。図5(d)に示すように、インスタンスデータに係るオブジェクトが初期設定の補正対象である場合、監視制御部11はオブジェクト初期設定補正データD1を用いて当該オブジェクトの初期設定の補正を行う(ステップS42)。シェルフ403のスロット(番号9)に実装した追加デバイス405のインスタンスデータの詳細な初期設定の補正を行う場合、監視制御部11は予め保持しているスロット(番号9)に対応するインスタンス初期設定補正データD2を用いて追加デバイス405の詳細な初期設定の補正を行う。
【0029】
本実施例に係るデバイス初期設定カスタマイズ方法によれば、ユーザはオブジェクトデータを情報処理システムに登録するだけで、オブジェクトの包括的なデバイス初期設定を補正するとともに、特定デバイスについて詳細な初期設定の補正を行うことができる。このように、顧客ニーズに応じて的確に、きめ細かな仕様と合致した装置構成を構築することができる。また、デバイスの開発者側(メーカ側)では必要最低限の初期設定補正データを作成するだけでユーザ要求に合致した装置構成を提供することができるので、デバイスの開発コストを軽減することができる。また、デバイス初期設定補正データをオブジェクトデータとインスタンスデータとに分割しており使用目的に応じて使い分けている。即ち、オブジェクトデータは特定機能で共通した初期設定を補正するときに使用し、インスタンスデータはユーザ毎の仕様環境や条件で微細に変化する特定デバイスの初期設定を補正するときに使用する。
【0030】
本発明は本実施例に限定されるものではなく、添付した請求の範囲に定義される発明範囲内において種々のバリエーションを創作することができる。例えば、本実施例ではユーザがデバイス追加時にオブジェクトを登録してデバイス初期設定を補正するものとしたが、本発明はデバイスの追加時に限らずデバイス運用途中で既設デバイスの初期設定を補正する場合にも適用できる。例えば、デバイス運用途中で、オブジェクト初期設定補正データD1及びインスタンス初期設定補正データD2を監視制御部11にダウンロードし、特定のオブジェクトデータと特定のインスタンスデータについて初期設定を補正するようにしてもよい。
【0031】
本実施例に係るデバイス初期設定カスタマイズ方法を適用した監視制御部11の処理の少なくとも一部をコンピュータにより実行するようにしてもよい。また、図3のフローチャートで示した手順をコンピュータに実行させるプログラムを半導体メモリ、CD−ROMや磁気テープなどのコンピュータ読取り可能な記録媒体に格納してもよい。マイクロコンピュータ、パーソナルコンピュータ、汎用コンピュータなどにより記録媒体からプログラムを読み出して、デバイス初期設定カスタマイズ方法を実現するようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0032】
本発明は、情報処理システムのデバイス初期設定カスタマイズ方法を提供するものであり、各種のコンピュータ、サーバ、クライアントに好適に適用されるものである。
【符号の説明】
【0033】
1 CPU
2 通信部
3 入出力制御部
11 監視制御部
31 入力部
32 表示部
DB1 オブジェクト初期設定テーブル(データベース)
DB2 インスタンスデータ(データベース)
403 シェルフ
405 追加デバイス
409 オブジェクト
図1
図2
図3
図4
図5