特許第5835502号(P5835502)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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特許5835502PBBネットワーク、PBBエッジスイッチ、フレーム転送方法および記憶媒体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5835502
(24)【登録日】2015年11月13日
(45)【発行日】2015年12月24日
(54)【発明の名称】PBBネットワーク、PBBエッジスイッチ、フレーム転送方法および記憶媒体
(51)【国際特許分類】
   H04L 12/713 20130101AFI20151203BHJP
   H04L 12/70 20130101ALI20151203BHJP
   H04L 12/46 20060101ALI20151203BHJP
【FI】
   H04L12/713
   H04L12/70 D
   H04L12/46 V
【請求項の数】10
【全頁数】23
(21)【出願番号】特願2014-548458(P2014-548458)
(86)(22)【出願日】2013年11月19日
(86)【国際出願番号】JP2013006791
(87)【国際公開番号】WO2014080618
(87)【国際公開日】20140530
【審査請求日】2015年5月12日
(31)【優先権主張番号】特願2012-256792(P2012-256792)
(32)【優先日】2012年11月22日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109313
【弁理士】
【氏名又は名称】机 昌彦
(74)【代理人】
【識別番号】100124154
【弁理士】
【氏名又は名称】下坂 直樹
(72)【発明者】
【氏名】小畠 吉晴
【審査官】 上田 翔太
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−161027(JP,A)
【文献】 特開2012−191534(JP,A)
【文献】 特開2011−120056(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 12/713
H04L 12/46
H04L 12/70
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
仮想ルータを構成する複数のルータのうちの1台が代表ルータとして設定されているVRRP(Virtual Router Redundancy Protocol)ネットワークに接続され、前記VRRPネットワークに含まれる前記ルータに接続された複数のエッジスイッチと、クライアント装置に接続された複数のL2スイッチとを含み、
前記複数のエッジスイッチの各々は仮想スイッチを構成し、
前記複数のエッジスイッチのうちの前記代表ルータに接続しているエッジスイッチが、代表スイッチとして設定されていること
を特徴とするPBB(Provider Backbone Bridge)ネットワーク。
【請求項2】
前記複数のエッジスイッチの各々が、
前記仮想スイッチのMACアドレスを予め記憶する自装置MAC記憶部と、
前記代表ルータからイーサネットフレームを受信した場合に、0または1の2値データを記憶する代表スイッチフラグの値を1にするVRRPフレーム検出部と、
前記代表スイッチフラグの値が0である場合に、前記L2スイッチとの間又は前記ルータとの間のみで前記イーサネットフレームを転送するフレーム転送部と、
前記代表スイッチフラグの値が1である場合に、前記イーサネットフレームに前記仮想スイッチのMACアドレスを付加するフレーム変換部と、
前記仮想スイッチのMACアドレスを付加されたイーサネットフレームを、前記L2スイッチと前記ルータとの間で転送するPBBフレーム転送部と
を備えることを特徴とする請求項1に記載のPBBネットワーク。
【請求項3】
前記VRRPフレーム検出部が、
前記ルータから前記イーサネットフレームを受信した場合に、当該イーサネットフレームに含まれるプロトコル番号がVRRPフレームであるか否かを検出し、
前記VRRPフレームである場合に、前記代表ルータから当該イーサネットフレームを受信したか否かを判定する
ことを特徴とする請求項2に記載のPBBネットワーク。
【請求項4】
クライアント装置に接続された複数のL2スイッチと共にPBB(Provider Backbone Bridge)ネットワークを構成し、複数のルータのうちの1台が代表ルータとして設定されているVRRP(Virtual Router Redundancy Protocol)ネットワークに含まれる前記ルータに接続され、
自装置を含む複数のPBBエッジスイッチによって構成される仮想スイッチのMACアドレスを予め記憶する自装置MAC記憶部と、
前記代表ルータからイーサネットフレームを受信した場合に、0または1の2値データを記憶する代表スイッチフラグの値を1にするVRRPフレーム検出部と、
前記代表スイッチフラグの値が0である場合に、前記L2スイッチとの間又は前記ルータとの間のみで前記イーサネットフレームを転送するフレーム転送部と、
前記代表スイッチフラグの値が1である場合に、前記仮想スイッチのMACアドレスを用いて、前記イーサネットフレームを前記L2スイッチと前記ルータとの間で転送するPBBフレーム転送部と
を備えることを特徴とするPBBエッジスイッチ。
【請求項5】
前記PBBフレーム転送部が、
前記イーサネットフレームに前記仮想スイッチのMACアドレスを付加して前記PBBネットワーク内で転送するフレーム変換部を含む
ことを特徴とする請求項4に記載のPBBエッジスイッチ。
【請求項6】
前記ルータから前記イーサネットフレームを受信した場合に、当該イーサネットフレームに含まれるプロトコル番号がVRRPフレームであるか否かを検出し、
前記VRRPフレームである場合に、前記代表ルータから当該イーサネットフレームを受信したか否かを判定する
ことを特徴とする請求項4又は5に記載のPBBエッジスイッチ。
【請求項7】
仮想ルータを構成する複数のルータのうちの1台が代表ルータとして設定されているVRRP(Virtual Router Redundancy Protocol)ネットワークに接続され、前記VRRPネットワークに含まれる前記ルータに接続された複数のエッジスイッチと、クライアント装置に接続された複数のL2スイッチとを備えるPBB(Provider Backbone Bridge)ネットワークにおけるフレーム転送方法であって、
前記PBBネットワークは、前記複数のエッジスイッチによって仮想スイッチが構成され、前記複数のエッジスイッチのうちの前記代表ルータに接続されているエッジスイッチが代表スイッチとして設定されており、
前記複数のエッジスイッチの各々が前記代表ルータからイーサネットフレームを受信した場合に、0または1の2値データを記憶する代表スイッチフラグの値を1にし、
前記代表スイッチフラグの値が0である場合に、前記L2スイッチとの間又は前記ルータとの間のみで前記イーサネットフレームを転送し、
前記代表スイッチフラグの値が1である場合に、予め記憶された前記仮想スイッチのMACアドレスを用いて、前記イーサネットフレームを前記L2スイッチと前記ルータとの間で転送する
ことを特徴とするフレーム転送方法。
【請求項8】
前記L2スイッチと前記ルータとの間で前記イーサネットフレームを転送する工程が、
前記イーサネットフレームに前記仮想スイッチのMACアドレスを付加する工程を含む
ことを特徴とする請求項7に記載のフレーム転送方法。
【請求項9】
前記各エッジスイッチが前記ルータから前記イーサネットフレームを受信した場合に、当該イーサネットフレームに含まれるプロトコル番号がVRRPフレームであるか否かを検出し、
VRRPフレームである場合に、前記代表ルータから当該イーサネットフレームを受信したか否かを判定する
ことを特徴とする請求項7又は8に記載のフレーム転送方法。
【請求項10】
仮想ルータを構成する複数のルータのうちの1台が代表ルータとして設定されているVRRP(Virtual Router Redundancy Protocol)ネットワークに接続され、前記VRRPネットワークに含まれる前記ルータに接続された複数のエッジスイッチと、クライアント装置に接続された複数のL2スイッチとを備えるPBB(Provider Backbone Bridge)ネットワークにおける前記エッジスイッチのプログラムであって、
前記PBBネットワークは、前記複数のエッジスイッチによって仮想スイッチが構成され、前記複数のエッジスイッチのうちの前記代表ルータに接続されているエッジスイッチが代表スイッチとして設定されており、
前記複数のエッジスイッチの各々が前記代表ルータからイーサネットフレームを受信した場合に、0または1の2値データを記憶する代表スイッチフラグの値を1にする処理と、
前記代表スイッチフラグの値が0である場合に、前記L2スイッチとの間又は前記ルータとの間のみで前記イーサネットフレームを転送する処理と、
前記代表スイッチフラグの値が1である場合に、予め記憶された前記仮想スイッチのMACアドレスを用いて前記イーサネットフレームを前記L2スイッチと前記ルータとの間で転送する処理と
をコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、PBBネットワーク、PBBエッジスイッチ、フレーム転送方法および記憶媒体に関し、特にルータに不具合が生じてもそれによるネットワーク全体への悪影響を抑制することを可能とするPBBネットワーク等に関する。
【背景技術】
【0002】
コンピュータネットワークは拡大を続けていて、たとえば企業の本社と各支社、工場、研究所、物流拠点などといった複数の拠点を結ぶ仮想LAN(VLAN: Virtual Local Area Network)が業務の根幹をなすネットワークとして機能していることは、既に珍しいことではない。そのようなネットワークに接続される端末装置(クライアントコンピュータ)の台数や転送されるデータの量は、増加を続けている。また、業務の内容などに応じて通信可能な範囲をきめ細かく設定したいなどのような要望が当然ある。
【0003】
このため、PBB(Provider Backbone Bridge、IEEE802.1ah)、EoE(Ethernet(登録商標) Over Ethernet、別名MAC(Media Access Control) in MAC)などといった技術を利用した、イーサネット(登録商標)フレームをさらにイーサネットフレームでカプセル化するプロトコルがある。当該プロトコルによって、上述したような端末装置の台数の増加やきめ細かい設定などのような要望に対応した広域イーサネットサービスが実現されている。以後、このようなネットワークを総称してPBBネットワークという。
【0004】
もちろん、このPBBネットワークは、業務の根幹をなすネットワークである以上、停止や遅延は許されない。特に、L3ネットワークとL2ネットワークの間を相互に接続して当該ネットワーク間でのデータの転送を司るエッジルータやエッジスイッチは、その動作に不具合が生じるとネットワーク全体に対して致命的な悪影響を及ぼすこととなる。なお、L3ネットワークはOSI(Open Systems Interconnection)参照モデルでいうネットワーク層、主にルータ相互間であり、L2ネットワークはOSI参照モデルでいうデータリンク層、主にスイッチ相互間である。
【0005】
このため、エッジルータを冗長化して当該ネットワークの信頼性を向上させるためのプロトコルとしてVRRP(Virtual Router Redundancy Protocol)が開発され、RFC(Request for Comments)3768として標準化されている。また、PBBネットワークと通常のL2ネットワークをエッジスイッチによって分離することにより、コアネットワーク(PBB)内でのスイッチ機器の負荷が軽減できる。このような、通常のL2ネットワークとPBBネットワークとを相互に接続するスイッチは、特にPBBエッジスイッチと呼ばれる。
【0006】
これに関連する技術文献として、次の各々がある。特許文献1は、冗長経路上の通信機器への電力供給を切断して消費電力を抑制するというネットワークシステムを開示する。特許文献2は、L2ネットワーク上でSTP(Spanning Tree Protocol)とVRRPとが共存するという冗長プロトコル共存システムについて開示する。
【0007】
特許文献3は、VRRPルータを新規登録する際の設定方法について開示する。特許文献4は、設定された優先度に応じて主ルータから副ルータへの切り替えを行うということを開示する。非特許文献1は、前述したPBBの概要について開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2011−142389号公報
【特許文献2】特開2009−253874号公報
【特許文献3】特開2004−266819号公報
【特許文献4】特開2004−146989号公報
【非特許文献】
【0009】
【非特許文献1】PBBとは(Networkキーワード)」、[平成24年11月12日検索]、(株)日経BP、インターネット<URL:http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/Keyword/20080212/293587/
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
図11は、既存のPBBネットワーク901の構成について示す図である。PBBネットワーク901は、VRRPネットワーク903を経由してインターネット904に接続している。そして、PBBネットワーク901は、複数のクライアント装置905a、905bと接続している。
【0011】
PBBネットワーク901は、エッジスイッチ920a〜bおよびL2スイッチ910a〜bという4台、VRRPネットワーク903はエッジルータ930a〜bという2台によって各々構成されるものとする。そして、VRRPネットワーク903においてエッジルータ930aが代表(マスター)ルータとして通常時の動作を担い、エッジルータ930bは予備(バックアップ)ルータとしてエッジルータ930aの動作に不具合が発生した時の動作をバックアップする。
【0012】
ただし、PBBネットワーク901において、エッジルータ930aに直接接続されているのはエッジスイッチ920aのみであり、エッジルータ930bに直接接続されているのはエッジスイッチ920bのみである。
【0013】
図12は、図11に示したPBBネットワーク901の通常動作時に、クライアント装置905aからVRRPネットワーク903(インターネット904)宛に送信されるイーサネットフレームについて示す図である。図12は、通常動作時、即ちエッジルータ930aが代表ルータとして正常に動作している状態を示している。
【0014】
図12で、クライアント装置905aからPBBネットワーク901(L2スイッチ910a)に向けて送信されるイーサネットフレーム951は、データ本体であるペイロード951aを含む。また、イーサネットフレーム951は、宛先および送信元のIPアドレスを含むIPヘッダ951b、送信元であるクライアント装置905aのMACアドレス951c、および、宛先であるVRRPネットワーク903のMACアドレス951dを含む。
【0015】
このイーサネットフレーム951が、L2スイッチ910aによってデータを付加されてPBBフレーム952となり、エッジスイッチ920aに向かう。付加されるデータは、PBBフレーム952の送信元であるL2スイッチ910aのMACアドレス952eと、PBBフレーム952の宛先であるエッジスイッチ920aのMACアドレス952fである。
【0016】
そして、エッジスイッチ920aは、L2スイッチ910aのMACアドレス952eとエッジスイッチ920aのMACアドレス952fとを取り除いたイーサネットフレーム951を、VRRPネットワーク903(エッジルータ930a)に向けて送信する。このイーサネットフレーム951は、VRRPネットワーク903を経由して、インターネット904のIPヘッダ951bに含まれるIPアドレスのサーバに送られる。
【0017】
図13は、図11に示したPBBネットワーク901の不具合発生時に、クライアント装置905aからVRRPネットワーク903(インターネット904)宛に送信されるイーサネットフレームについて示す図である。図13は、不具合発生時、即ちエッジルータ930aの動作に不具合が生じて、代表ルータがエッジルータ930bに入れ替わった状態を示している。
【0018】
図13で、クライアント装置905aからPBBネットワーク901(L2スイッチ910a)に向けて送信されるイーサネットフレーム961は、データ本体であるペイロード961aと、宛先および送信元のIPアドレスを含むIPヘッダ961bとを含む。また、イーサネットフレーム961は、送信元であるクライアント装置905aのMACアドレス961cと、宛先であるVRRPネットワーク903のMACアドレス961dとを含む。即ち、図12に示した正常動作時と全く同一である。
【0019】
しかしながら、VRRPネットワーク903の代表ルータであるエッジルータ930bにデータを送信するには、エッジスイッチ920bを経由する必要がある。そこで、L2スイッチ910aは、このイーサネットフレーム951にデータを付加したPBBフレーム962を、エッジスイッチ920bに送信する。ここで付加されるデータは、PBBフレーム962の送信元であるL2スイッチ910aのMACアドレス962eと、PBBフレーム962の宛先であるエッジスイッチ920bのMACアドレス962fである。
【0020】
そして、エッジスイッチ920bは、L2スイッチ910aのMACアドレス962eとエッジスイッチ920bのMACアドレス962fとを取り除いたイーサネットフレーム961を、VRRPネットワーク903(エッジルータ930b)に向けて送信する。すなわち、エッジスイッチ920bが送信するイーサネットフレーム961は、図12に示した正常動作時と同じである。
【0021】
以上に示したケースで問題となるのは、VRRPネットワーク903において不具合発生によって代表ルータが入れ替わった場合に、PBBネットワーク901内部でのイーサネットフレームの宛先や送信元として付加されるべきMACアドレスが変わることである。このような場合、PBBネットワーク901内部の全てのエッジスイッチが、学習して保持している宛先情報を一度クリアして、再学習する必要がある。そのため、学習情報のクリアから再学習完了までの間が障害発生時間となり、具体的には60秒前後の障害発生時間となりうる。
【0022】
VRRPネットワークを利用すれば、クライアント装置から送信されるイーサネットフレームのIPアドレスとMACアドレスに仮想的な値を用いることによって、不具合発生時の悪影響を最小限に抑えることができる。しかしながら、VRRPネットワークとPBBネットワークとが相互に接続された図11のような構成では、VRRPの仮想MACアドレスが隠蔽されてしまい、結果として仮想MACアドレスによる利点を生かしきれていない状態となっている。
【0023】
前述の特許文献1〜4および非特許文献1のいずれも、上述の問題点を解決することを目的とはしておらず、当然ながらこの問題点を解決しうる技術はこれらの文献のうちのいずれにも記載されていない。
【0024】
本発明の目的は、PBBネットワークでルータに障害が発生した場合に短時間で代表ルータを切り替えて、当該ネットワーク全体への悪影響を抑制することを可能とするPBBネットワーク、PBBエッジスイッチ、フレーム転送方法および記憶媒体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0025】
本発明に係るPBBネットワークは、仮想ルータを構成する複数のルータのうちの1台が代表ルータとして設定されているVRRP(Virtual Router Redundancy Protocol)ネットワークに接続され、前記VRRPネットワークに含まれる前記ルータに接続された複数のエッジスイッチと、クライアント装置に接続された複数のL2スイッチとを含み、前記複数のエッジスイッチの各々は仮想スイッチを構成し、前記複数のエッジスイッチのうちの前記代表ルータに接続しているエッジスイッチが、代表スイッチとして設定されていることを特徴とする。
【0026】
本発明に係るPBBエッジスイッチは、クライアント装置に接続された複数のL2スイッチと共にPBB(Provider Backbone Bridge)ネットワークを構成し、複数のルータのうちの1台が代表ルータとして設定されているVRRP(Virtual Router Redundancy Protocol)ネットワークに含まれる前記ルータに接続され、自装置を含む複数のPBBエッジスイッチによって構成される仮想スイッチのMACアドレスを予め記憶する自装置MAC記憶部と、前記代表ルータからイーサネットフレームを受信した場合に、0または1の2値データを記憶する代表スイッチフラグの値を1にするVRRPフレーム検出部と、前記代表スイッチフラグの値が0である場合に、前記L2スイッチとの間又は前記ルータとの間のみで前記イーサネットフレームを転送するフレーム転送部と、前記代表スイッチフラグの値が1である場合に、前記仮想スイッチのMACアドレスを用いて、前記イーサネットフレームを前記L2スイッチと前記ルータとの間で転送するPBBフレーム転送部とを備えることを特徴とする。
【0027】
本発明に係るフレーム転送方法は、仮想ルータを構成する複数のルータのうちの1台が代表ルータとして設定されているVRRP(Virtual Router Redundancy Protocol)ネットワークに接続され、前記VRRPネットワークに含まれる前記ルータに接続された複数のエッジスイッチと、クライアント装置に接続された複数のL2スイッチとを備えるPBB(Provider Backbone Bridge)ネットワークにおけるフレーム転送方法であって、前記PBBネットワークは、前記複数のエッジスイッチによって仮想スイッチが構成され、前記複数のエッジスイッチのうちの前記代表ルータに接続されているエッジスイッチが代表スイッチとして設定されており、前記複数のエッジスイッチの各々が前記代表ルータからイーサネットフレームを受信した場合に、0または1の2値データを記憶する代表スイッチフラグの値を1にし、前記代表スイッチフラグの値が0である場合に、前記L2スイッチとの間又は前記ルータとの間のみで前記イーサネットフレームを転送し、前記代表スイッチフラグの値が1である場合に、予め記憶された前記仮想スイッチのMACアドレスを用いて、前記イーサネットフレームを前記L2スイッチと前記ルータとの間で転送することを特徴とする。
【0028】
本発明に係る記憶媒体は、仮想ルータを構成する複数のルータのうちの1台が代表ルータとして設定されているVRRP(Virtual Router Redundancy Protocol)ネットワークに接続され、前記VRRPネットワークに含まれる前記ルータに接続された複数のエッジスイッチと、クライアント装置に接続された複数のL2スイッチとを備えるPBB(Provider Backbone Bridge)ネットワークにおける前記エッジスイッチのプログラムを記憶した記憶媒体であって、前記PBBネットワークは、前記複数のエッジスイッチによって仮想スイッチが構成され、前記複数のエッジスイッチのうちの前記代表ルータに接続されているエッジスイッチが代表スイッチとして設定されており、前記複数のエッジスイッチの各々が前記代表ルータからイーサネットフレームを受信した場合に、0または1の2値データを記憶する代表スイッチフラグの値を1にする処理と、前記代表スイッチフラグの値が0である場合に、前記L2スイッチとの間又は前記ルータとの間のみで前記イーサネットフレームを転送する処理と、前記代表スイッチフラグの値が1である場合に、予め記憶された前記仮想スイッチのMACアドレスを用いて前記イーサネットフレームを前記L2スイッチと前記ルータとの間で転送する処理とをコンピュータに実行させるプログラムを記憶することを特徴とする。
【発明の効果】
【0029】
本発明は、PBBネットワークでルータに障害が発生した場合に短時間で代表ルータを切り替えて、当該ネットワーク全体への悪影響を抑制することが可能であるPBBネットワーク、PBBエッジスイッチ、フレーム転送方法および記憶媒体を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】本発明の第1の実施形態に係るPBBネットワークの構成を示す図である。
図2】本発明の第2の実施形態に係るエッジスイッチの構成を示す図である。
図3図2に示したエッジスイッチを含むPBBネットワークの構成を示す図である。
図4図2に示した代表ルータポート記憶部の記憶内容を示す図である。
図5図2に示したエッジスイッチが上位側接続ポートからフレームを受信した場合の動作を示す図である。
図6図2に示したエッジスイッチが下位側接続ポートからフレームを受信した場合の動作を示す図である。
図7図2及び図3に示したPBBネットワークの通常動作時に、クライアント装置からVRRPネットワーク(インターネット)宛に送信されるイーサネットフレームを示す図である。
図8図7で示したイーサネットフレームの返信として、VRRPネットワーク(インターネット)からクライアント装置宛に送信されるイーサネットフレームを示す図である。
図9図2及び図3に示したPBBネットワークの不具合発生時に、クライアント装置からVRRPネットワーク(インターネット)宛に送信されるイーサネットフレームを示す図である。
図10図9で示したイーサネットフレームの返信として、VRRPネットワーク(インターネット)からクライアント装置宛に送信されるイーサネットフレームを示す図である。
図11】既存のPBBネットワークの構成を示す図である。
図12図11に示したPBBネットワークの通常動作時に、クライアント装置からVRRPネットワーク(インターネット)宛に送信されるイーサネットフレームを示す図である。
図13図11に示したPBBネットワークの不具合発生時に、クライアント装置からVRRPネットワーク(インターネット)宛に送信されるイーサネットフレームを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
(第1の実施形態)
以下、本発明の第1の実施形態の構成について図面を参照して説明する。
【0032】
最初に、第1の実施形態の基本的な内容について説明し、その後でより具体的な内容について説明する。
【0033】
第1の実施形態に係るPBBネットワーク1は、複数のルータ30a〜bによって仮想ルータを構成し、そのうちの1台が代表ルータとして設定されているVRRPネットワークに接続している。そして、PBBネットワーク1は、当該VRRPネットワーク中のルータに直接接続された複数のエッジスイッチ20a〜b、および、クライアント装置に接続された複数のL2スイッチ10a〜bを備える。そして、各エッジスイッチ20a〜bは仮想スイッチを構成すると共に、各エッジスイッチ20a〜bのうち代表ルータに直接接続されているエッジスイッチが代表スイッチとして設定されている。
【0034】
以上の構成を備える事により、PBBネットワーク1は、ルータに障害が発生した場合に短時間で代表ルータを切り替えることが可能となる。
【0035】
以下、これをより詳細に説明する。
【0036】
図1は、本発明の第1の実施形態に係るPBBネットワーク1の構成について示す図である。PBBネットワーク1は、VRRPネットワーク3を経由してインターネット4に接続している。PBBネットワーク1は、複数のクライアント装置5a、5bと接続している。
【0037】
PBBネットワーク1は複数のエッジスイッチを含み、VRRPネットワーク3は複数のエッジルータを含み、相互に接続されている。本発明の第1の実施形態において、PBBネットワーク1はL2スイッチ10a〜bおよびエッジスイッチ20a〜bという4台によって、VRRPネットワーク3はエッジルータ30a〜bという2台によって、各々構成されるものとする。
【0038】
そして、VRRPネットワーク3において、エッジルータ30aが代表(マスター)ルータとして通常時の動作を担い、エッジルータ30bは予備(バックアップ)ルータとしてエッジルータ30aの動作に不具合が発生した時の動作をバックアップする。
【0039】
PBBネットワーク1において、エッジルータ30aに直接接続されているのはエッジスイッチ20aのみであり、エッジルータ30bに直接接続されているのはエッジスイッチ20bのみである。ここで、エッジスイッチ20a〜bが、仮想スイッチ2を構成している。仮想スイッチ2において、エッジスイッチ20aが代表(マスター)スイッチとして通常時の動作を担い、エッジスイッチ20bは予備(バックアップ)スイッチとしてエッジスイッチ20aの動作に不具合が発生した時の動作をバックアップする。
【0040】
PBBネットワーク1において、仮想スイッチ2を構成するエッジスイッチ20a〜bは、各々エッジルータ30a〜bに接続している。そしてL2スイッチ10a〜bは、各々のクライアント装置5a、5bに接続している。
【0041】
このように構成することにより、各クライアント装置とVRRPネットワーク3(を経由してインターネット4)との通信で使用されるMACアドレスは、VRRPネットワーク3(仮想ルータ)のMACアドレスと、仮想スイッチ2のMACアドレスのみでよくなる。即ち、代表ルータがエッジルータ30aから30bに、代表スイッチがエッジスイッチ20aから20bに各々入れ替わっても、同一のMACアドレスを使用すればよく、新たなMACアドレスを学習する必要はない。
(第2の実施形態)
本発明の第2の実施形態の構成について図2及び図3に基づいて説明する。
【0042】
最初に、本第2の実施形態の基本的な内容について説明し、その後でより具体的な内容について説明する。
【0043】
第2の実施形態に係るPBBネットワーク1は、複数のルータ30a〜bによって仮想ルータを構成し、そのうちの1台が代表ルータとして設定されているVRRPネットワークに接続される。当該複数のルータ30a〜bは、クライアント装置と接続された複数のL2スイッチ10a〜b、および、VRRPネットワーク中のルータに直接接続されたエッジスイッチ20a〜bを備える。そして、各エッジスイッチ20a〜bは仮想スイッチを構成すると共に、各エッジスイッチ20a〜bのうち代表ルータに直接接続されているエッジスイッチが代表スイッチとして設定されている。
【0044】
各エッジスイッチ20a〜bは、仮想スイッチのMACアドレスを予め記憶する自装置MAC記憶部29と、代表ルータからイーサネットフレームを受信した場合に、予め備えられた代表スイッチフラグ29bの値を1にするVRRPフレーム検出部23とを備える。また、各エッジスイッチ20a〜bは、代表スイッチフラグの値が0である場合に、L2スイッチとの間もしくはルータとの間のみでイーサネットフレームを転送するフレーム転送部24を備える。また、各エッジスイッチ20a〜bは、代表スイッチフラグの値が1である場合に、イーサネットフレームに仮想スイッチのMACアドレスを付加するフレーム変換部26を備える。さらに、各エッジスイッチ20a〜bは、仮想スイッチのMACアドレスを付加されたイーサネットフレームを、L2スイッチとルータとの間で転送するPBBフレーム転送部25とを備える。
【0045】
また、VRRPフレーム検出部23は、ルータからイーサネットフレームを受信した場合に、当該イーサネットフレームに含まれるプロトコル番号がVRRPフレームであるか否かを検出する。そして、VRRPフレーム検出部23は、VRRPフレームである場合に代表ルータから当該イーサネットフレームを受信したか否かを判定する。
【0046】
以上の構成を備えることにより、PBBネットワーク1は、当該PBBネットワーク1においてルータに障害が発生した場合に、短時間で代表ルータを切り替えて、ネットワーク全体への悪影響を抑制することが可能となる。
【0047】
以下、これをより詳細に説明する。
【0048】
図2は、本発明の第2の実施形態に係るエッジスイッチ20の構成例について示す図である。図3は、図2に示したエッジスイッチ20を含むPBBネットワーク1の構成について示す図である。
【0049】
エッジスイッチ20は、複数の上位側接続ポート21a、21bと、複数の下位側接続ポート22a、22bと、VRRPフレーム検出部23、フレーム転送部24、PBBフレーム転送部25、フレーム変換部26といった各動作部を有する。また、エッジスイッチ20は、代表ルータポート記憶部27、MAC学習情報記憶部28、自装置MAC記憶部29、代表スイッチフラグ29bといった各記憶部を有する。
【0050】
VRRPフレーム検出部23、フレーム転送部24、PBBフレーム転送部25およびフレーム変換部26は、プロセッサで動作するコンピュータプログラムによって実現されてもよい。また、VRRPフレーム検出部23、フレーム転送部24、PBBフレーム転送部25およびフレーム変換部26は、電子回路あるいはFPGA(Field Programmable Gate Array)によってハードウェア的に実現されてもよい。
【0051】
VRRPフレーム検出部23は、上位側接続ポート21a、21b(VRRPネットワーク3)から受信したイーサネットフレーム(以後、単に「フレーム」という)に含まれるプロトコル番号が「112」であるか否か(即ち、VRRPフレームであるか否か)を判定する。さらに、VRRPフレーム検出部23は、当該イーサネットフレームが代表ルータから受信したものであるか否かを判定して、代表ルータから受信したVRRPフレームである場合に代表スイッチフラグ29bの値を「1」とする。
【0052】
フレーム変換部26は、上位側接続ポート21a、21b(VRRPネットワーク3)から受信したフレームにPBBネットワーク1内部の送信元および宛先のMACアドレスを付加する。また、フレーム変換部26は、下位側接続ポート22a、22b(L2スイッチ10a〜b)から受信したフレームからPBBネットワーク1内部の送信元および宛先のMACアドレスを除去する。言い換えると、フレーム変換部26は、フレームの「カプセル化」を行う。
【0053】
フレーム転送部24は、代表スイッチフラグ29bの値が「0」である場合に、MAC学習情報記憶部28に記憶された情報を利用して、当該フレームを、上位側接続ポート21a、21b同士の間、または、下位側接続ポート22a、22b同士の間のみで転送する。
【0054】
PBBフレーム転送部25は、代表スイッチフラグ29bの値が「1」である場合に、当該フレームを、上位側接続ポート21a、21bおよび下位側接続ポート22a、22b同士の間で転送する。この場合に、PBBフレーム転送部25は、MAC学習情報記憶部28および自装置MAC記憶部29に記憶された情報を利用する。
【0055】
代表ルータポート記憶部27は、上位側接続ポート21a、21bのいずれが代表ルータに接続されているかについて、あらかじめ与えられた情報を記憶している。MAC学習情報記憶部28は、L2スイッチの一般的な動作として、フレームの宛先のIPアドレスに対応するMACアドレスについて学習した情報を記憶する。
【0056】
自装置MAC記憶部29は、エッジスイッチ20a〜bによって構成されている仮想スイッチ2の仮想MACアドレスを、あらかじめ記憶している。代表スイッチフラグ29bは、VRRPフレーム検出部23の動作によって決定される「0」または「1」の2値データを記憶する。
【0057】
PBBネットワーク1は、VRRPネットワーク3を経由して、インターネット4に接続している。そして、PBBネットワーク1は、複数のクライアント装置5a、5bと接続している。
【0058】
PBBネットワーク1は複数のエッジスイッチを含み、VRRPネットワーク3は複数のエッジルータを含み、相互に接続されている。本発明の第2の実施形態において、PBBネットワーク1はL2スイッチ10a〜bおよびエッジスイッチ20a〜bという4台によって、VRRPネットワーク3はエッジルータ30a〜bという2台によって、各々構成されるものとする。
【0059】
そして、VRRPネットワーク3において、エッジルータ30aが代表(マスター)ルータとして通常時の動作を担い、エッジルータ30bは予備(バックアップ)ルータとしてエッジルータ30aの動作に不具合が発生した時の動作をバックアップする。
【0060】
PBBネットワーク1において、エッジルータ30aに直接接続されているのはエッジスイッチ20aのみであり、エッジルータ30bに直接接続されているのはエッジスイッチ20bのみである。ここで、エッジスイッチ20a〜bは、仮想スイッチ2を構成している。仮想スイッチ2において、エッジスイッチ20aが代表(マスター)スイッチとして通常時の動作を担い、エッジスイッチ20bは予備(バックアップ)スイッチとしてエッジスイッチ20aの動作に不具合が発生した時の動作をバックアップする。
【0061】
仮想スイッチ2を構成するエッジスイッチ20a〜bは、図2に示すエッジスイッチ20の内部構成を備えている。L2スイッチ10a〜bは、エッジスイッチ20a〜bから送信されたフレームを受信することによって、自装置MAC記憶部29に記憶された仮想スイッチ2の仮想MACアドレスを学習する。したがって、L2スイッチ10a〜bは、VRRPネットワーク3(インターネット4)宛のフレームに当該仮想MACアドレスを付加して、PBBネットワーク1内部に送信することができる。
【0062】
PBBネットワーク1において、エッジスイッチ20a〜bは、図2に示す構成を備える。また、エッジスイッチ20a〜bは、仮想スイッチ2を構成している。さらに、エッジスイッチ20a〜bは、各々エッジルータ30a〜bに接続している。L2スイッチ10a〜bは、各々のクライアント装置5a、5bに接続している。
【0063】
図2は、図3のエッジスイッチ20の構成例を示したものである。上位側接続ポート21a、21bには、エッジルータ30a(30b)が接続される。そして、下位側接続ポート22a、22bには、L2スイッチ10a〜bなどが接続される。
【0064】
図4は、図2に示した代表ルータポート記憶部27の記憶内容について示す図である。この代表ルータポート記憶部27は、いずれの上位側接続ポート21a、21bに代表ルータが接続されているかについて、予め与えられた設定内容が記憶されている。図4に示した例では、上位側接続ポート21aに接続されたエッジルータ30aが代表ルータとなっている。上位側接続ポート21bには、代表ルータは接続されていない。
【0065】
図5は、図2に示したエッジスイッチ20(20a)が上位側接続ポート21a、21bからフレームを受信した場合の動作について示す図である。VRRPフレーム検出部23が、まず、上位側接続ポート21a、21bで受信されたフレームに対して、フレーム解析を行う(ステップS101)。そして、VRRPフレーム検出部23は、当該フレームのプロトコル番号=「112」であるか否か、即ちVRRPフレームであるか否かを判定する(ステップS102)。VRRPフレームでなければ(ステップS102のノー)、後述のステップS107の処理に進む。
【0066】
VRRPフレームであれば(ステップS102のイエス)、VRRPフレーム検出部23は、代表ルータポート記憶部27から代表ルータが接続されたポート名を読み出す(ステップS103)。そして、VRRPフレーム検出部23は、読み出したポート名に対応するポートから受信したフレームであるか否か、即ち代表ルータから受信したフレームであるか否かを判定する(ステップS104)。VRRPフレーム検出部23は、代表ルータから受信したフレームであれば(ステップS104のイエス)、代表スイッチフラグ29b=「1」(ステップS105)とする。一方、VRRPフレーム検出部23は、代表ルータから受信したフレームでなければ(ステップS104のノー)、代表スイッチフラグ29b=「0」(ステップS106)とする。
【0067】
続いて、PBBフレーム転送部25が、代表スイッチフラグ29bの値を判定する(ステップS107)。PBBフレーム転送部25は、代表スイッチフラグ29b=「1」であれば(ステップS107のイエス)、MAC学習情報記憶部28および自装置MAC記憶部29の情報を読み出す(ステップS108)。その後、フレーム変換部26が、MAC学習情報記憶部28に記憶された通常のMACアドレス、および、自装置MAC記憶部29に記憶された仮想MACアドレスを付加してフレームの変換(カプセル化)を行う。そして、PBBフレーム転送部25が当該フレームを転送する(ステップS109)。この場合、下位側接続ポート22a、22b、上位側接続ポート21a、21bの各々間で通信ができる。
【0068】
代表スイッチフラグ29b=「0」であれば(ステップS107のノー)、フレーム転送部24がこのフレームを転送する(ステップS110)。この場合、上位接続ポート21aと21bとの間でのみ通信することができる。下位側接続ポート22a及び22bとは、通信ができない。
【0069】
図6は、図2に示したエッジスイッチ20(20a)が下位側接続ポート22a、22bからフレームを受信した場合の動作について示す図である。フレームを受信したことに応じて、まず、フレーム転送部24が、代表スイッチフラグ29bの値を読み出し(ステップS201)、代表スイッチフラグ29b=「1」か否かを判定する(ステップS202)。
【0070】
代表スイッチフラグ29b=「1」であれば(ステップS202のイエス)、PBBフレーム転送部25が、MAC学習情報記憶部28および自装置MAC記憶部29の情報を読み出す(ステップS203)。そして、フレーム変換部26が、図5のステップS109と逆のフレームの変換(デカプセル化)を行い、フレーム転送部24が当該フレームを転送する(ステップS204)。この場合、下位側接続ポート22a、22b、上位側接続ポート21a、21bの各々の間で通信ができる。代表スイッチフラグ29b=「0」であれば(ステップ202のノー)、PBBフレーム転送部25がこのフレームを転送する(ステップS205)。この場合、上位接続ポート21aと21bとの間でのみ通信ができる。下位側接続ポート22a及び22bとは通信ができない。
【0071】
代表スイッチフラグ29bを利用することによって、エッジスイッチ20が、PBBエッジのフレーム処理を行って、下位接続ポートと上位接続ポート間の通信を行うか否かを判断することが可能となる。また、他のL2スイッチ10a〜bは、自装置MAC記憶部29に記憶された仮想スイッチ2の仮想MACアドレスを学習し、VRRPネットワーク3(インターネット4)宛のフレームに、学習した当該仮想MACアドレスを付加してPBBネットワーク1内部に送信する。このMACアドレスの学習は、L2スイッチの通常の動作の範囲である。従って、本発明の第2の実施形態のエッジスイッチ20は、不具合発生時にもMACアドレスを再学習する必要はなく、通常と変わらない動作を行うことが可能となる。
(正常時の動作)
図7は、図2及び図3に示したPBBネットワーク1の通常動作時に、クライアント装置5aからVRRPネットワーク3(インターネット4)宛に送信されるイーサネットフレームについて示す図である。図8は、図7で示したイーサネットフレームの返信として、VRRPネットワーク3(インターネット4)からクライアント装置5a宛に送信されるイーサネットフレームについて示す図である。
【0072】
なお、図7〜10においては、図3に示したネットワーク構成において直接通信に関与するものだけを図示することにする。
【0073】
図7及び8は、通常動作時、即ちエッジルータ30aが代表ルータとして、エッジスイッチ20aが代表スイッチとして、各々正常に動作している状態を示している。図7において、クライアント装置5aからPBBネットワーク1(L2スイッチ10a)に向けて送信されるイーサネットフレーム51は、データ本体であるペイロード51aを含む。また、イーサネットフレーム51は、宛先および送信元のIPアドレスを含むIPヘッダ51b、送信元であるクライアント装置5aのMACアドレス51c、および、宛先であるVRRPネットワーク3のMACアドレス51dを含む。
【0074】
イーサネットフレーム51は、L2スイッチ10aのフレーム変換部26によってデータを付加されてPBBフレーム52となり、エッジスイッチ20aに向かう。付加されるデータは、PBBフレーム52の送信元であるL2スイッチ10aのMACアドレス52eと、PBBフレーム52の宛先である仮想スイッチ2のMACアドレス52fである。
【0075】
そして、仮想スイッチ2の代表スイッチであるエッジスイッチ20aは、L2スイッチ10aのMACアドレス52eと仮想スイッチ2のMACアドレス52fとを取り除いたイーサネットフレーム51を、VRRPネットワーク3(エッジルータ30a)に向けて送信する。当該イーサネットフレーム51は、VRRPネットワーク3を経由してインターネット4のIPヘッダ51bに含まれるIPアドレスに対応するサーバに送られる。
【0076】
図8は、エッジルータ30aが、図7で送られたイーサネットフレーム51に対する返信を受信した場合の動作である。エッジルータ30aから仮想スイッチ2に対して送られるイーサネットフレーム61は、データ本体であるペイロード61a、宛先および送信元のIPアドレスを含むIPヘッダ61b、送信元であるVRRPネットワーク3のMACアドレス61c、および、宛先であるクライアント装置5aのMACアドレス61dからなる。
【0077】
イーサネットフレーム61が、エッジスイッチ20aのフレーム変換部26によってデータを付加され、PBBフレーム62となってL2スイッチ10aに向かう。ここで付加されるデータは、PBBフレーム62の送信元である仮想スイッチ2のMACアドレス62eと、PBBフレーム52の宛先であるL2スイッチ10aのMACアドレス62fである。
【0078】
そして、L2スイッチ10aは、仮想スイッチ2のMACアドレス62eとL2スイッチ10aのMACアドレス62fとを取り除いたイーサネットフレーム61を、クライアント装置5aに返す。以上の動作によって、たとえばクライアント装置5aからインターネット4上の特定のウェブサーバに閲覧要求などをした場合の動作が成立する。
(不具合発生時の動作)
ここで、VRRPネットワーク3でエッジルータ30aの動作に不具合が生じて、代表ルータがエッジルータ30bに入れ替わったとする。同時に、仮想スイッチ2の代表スイッチもエッジスイッチ20bに入れ替わったとする。
【0079】
図9は、図2及び3に示したPBBネットワーク1の不具合発生時に、クライアント装置5aからVRRPネットワーク3(インターネット4)宛に送信されるイーサネットフレームについて示す図である。図10は、図9で示したイーサネットフレームの返信として、VRRPネットワーク3(インターネット4)からクライアント装置5a宛に送信される、イーサネットフレームについて示す図である。
【0080】
図9において、クライアント装置5aからPBBネットワーク1(L2スイッチ10a)に向けて送信されるイーサネットフレーム51は、データ本体であるペイロード51aを含む。また、イーサネットフレーム51は、宛先および送信元のIPアドレスを含むIPヘッダ51b、送信元であるクライアント装置5aのMACアドレス51c、および、宛先であるVRRPネットワーク3のMACアドレス51dを含む。即ち、当該イーサネットフレーム51は、図7に示した正常動作時のイーサネットフレーム51と全く同一である。
【0081】
このイーサネットフレーム51が、L2スイッチ10aのフレーム変換部26によってデータを付加され、PBBフレーム52となってエッジスイッチ20aに向かう。ここで付加されるデータは、PBBフレーム52の送信元であるL2スイッチ10aのMACアドレス52eと、PBBフレーム52の宛先である仮想スイッチ2のMACアドレス52fである。付加されるデータについても、図7に示した正常動作時に付加されるデータと全く同一である。
【0082】
そして、仮想スイッチ2の代表スイッチであるエッジスイッチ20bは、L2スイッチ10aのMACアドレス52eと仮想スイッチ2のMACアドレス52fとを取り除いたイーサネットフレーム51を、VRRPネットワーク3(エッジルータ30b)に向けて送信する。このイーサネットフレーム51は、VRRPネットワーク3を経由して、インターネット4のIPヘッダ51bに含まれるIPアドレスのサーバに送られる。以上の動作において、イーサネットフレーム51およびPBBフレーム52は、図7に示した正常動作時のイーサネットフレーム51およびPBBフレーム52と全く同一である。
【0083】
図10は、エッジルータ30bが、図9で送られたイーサネットフレーム51に対する返信を受信した場合の動作である。エッジルータ30bから仮想スイッチ2に対して送られるイーサネットフレーム61は、データ本体であるペイロード61aを含む。また、イーサネットフレーム61は、宛先および送信元のIPアドレスを含むIPヘッダ61b、送信元であるVRRPネットワーク3のMACアドレス61c、および、宛先であるクライアント装置5aのMACアドレス61dを含む。即ち、イーサネットフレーム61は、図8に示した正常動作時のイーサネットフレーム61と全く同一である。
【0084】
このイーサネットフレーム61が、エッジスイッチ20bのフレーム変換部26によってデータを付加され、PBBフレーム62となってL2スイッチ10aに向かう。ここで付加されるデータは、PBBフレーム62の送信元である仮想スイッチ2のMACアドレス62eと、PBBフレーム52の宛先であるL2スイッチ10aのMACアドレス62fである。付加されるデータについても、図8に示した正常動作時に付加されるデータと全く同一である。
【0085】
そして、L2スイッチ10aは、仮想スイッチ2のMACアドレス62eとL2スイッチ10aのMACアドレス62fとを取り除いたイーサネットフレーム61を、クライアント装置5aに返す。以上の動作において、イーサネットフレーム61およびPBBフレーム62は、図8に示した正常動作時のイーサネットフレーム61およびPBBフレーム62と全く同一である。
【0086】
以上、図9及び図10に示したように、不具合発生によって、データの疎通経路はエッジルータ30aから30bへ、エッジスイッチ20aから20bへと入れ替わっているが、イーサネットフレーム自体は図7及び8に示した正常動作時と全く同一である。従って、L2スイッチ10aの動作は全く同一でよく、当該L2スイッチ10aがMACアドレスを新たに学習する必要などは特にない。即ち、前述した既存技術にあったような、学習情報クリアから再学習完了という動作に伴う障害発生時間もない。
(第2の実施形態の全体的な動作)
次に、上記の第2の実施形態の全体的な動作について説明する。
【0087】
第2の実施形態に係るフレーム転送方法は、ルータに接続された複数のエッジスイッチと、クライアント装置に接続された複数のL2スイッチとを備えるPBB(Provider Backbone Bridge)ネットワークにおけるフレーム転送方法である。当該PBBネットワークは、仮想ルータを構成する複数のルータのうちの1台が代表ルータとして設定されているVRRP(Virtual Router Redundancy Protocol)ネットワークに接続している。また、当該ルータは、当該VRRPネットワークに含まれる。また、当該PBBネットワークは、当該複数のエッジスイッチによって仮想スイッチが構成され、当該複数のエッジスイッチのうちの当該代表ルータに接続されているエッジスイッチが代表スイッチとして設定されている。
【0088】
当該フレーム転送方法は、当該複数のエッジスイッチの各々が当該代表ルータからイーサネットフレームを受信した場合に、0または1の2値データを記憶する代表スイッチフラグの値を1にする(図5・ステップS104〜105)。そして、当該フレーム転送方法は、当該代表スイッチフラグの値が0である場合に、当該L2スイッチとの間又は当該ルータとの間のみで当該イーサネットフレームを転送する(図5・ステップS107〜109、図6・ステップS203〜204)。一方、当該フレーム転送方法は、当該代表スイッチフラグの値が1である場合に、予め記憶された当該仮想スイッチのMACアドレスを用いて、当該イーサネットフレームを当該L2スイッチと当該ルータとの間で転送する(図5・ステップS110、図6・ステップS205)。ここで、当該L2スイッチと当該ルータとの間で当該イーサネットフレームを転送する工程(図5・ステップS107〜109、図6・ステップS203〜204)が、当該イーサネットフレームに当該仮想スイッチのMACアドレスを付加する工程を含むものである。
【0089】
ここで、上記各動作ステップをコンピュータで実行可能にプログラム化し、当該プログラムを、前記各ステップを直接実行するエッジスイッチ20が備えるプロセッサに実行させるようにしてもよい。本プログラムは、非一時的な記録媒体、例えば、DVD、CD、フラッシュメモリ等に記録されてもよい。その場合、本プログラムは、記録媒体からコンピュータによって読み出され、実行される。
【0090】
上記の動作により、第2の実施形態は以下のような効果を奏する。
【0091】
第2の実施形態によれば、エッジルータの発生した不具合に伴って代表ルータが移行しても、それに伴って代表スイッチを移行させるだけでよく、新たにMACアドレスを再学習する必要はなくなる。従って、当該再学習に伴う通信障害が発生することも特にない。
【0092】
これまで本発明について図面に示した特定の第2の実施形態をもって説明してきたが、本発明は図面に示した第2の実施形態に限定されるものではなく、本発明の効果を奏する限り、これまで知られたいかなる構成であっても採用することができる。
【0093】
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
【0094】
[付記1]
仮想ルータを構成する複数のルータのうちの1台が代表ルータとして設定されているVRRP(Virtual Router Redundancy Protocol)ネットワークに接続され、前記VRRPネットワークに含まれる前記ルータに接続された複数のエッジスイッチと、クライアント装置に接続された複数のL2スイッチとを含み、
前記複数のエッジスイッチの各々は仮想スイッチを構成し、
前記複数のエッジスイッチのうちの前記代表ルータに接続しているエッジスイッチが、代表スイッチとして設定されていること
を特徴とするPBB(Provider Backbone Bridge)ネットワーク。
【0095】
[付記2]
前記複数のエッジスイッチの各々が、
前記仮想スイッチのMACアドレスを予め記憶する自装置MAC記憶部と、
前記代表ルータからイーサネットフレームを受信した場合に、0または1の2値データを記憶する代表スイッチフラグの値を1にするVRRPフレーム検出部と、
前記代表スイッチフラグの値が0である場合に、前記L2スイッチとの間又は前記ルータとの間のみで前記イーサネットフレームを転送するフレーム転送部と、
前記代表スイッチフラグの値が1である場合に、前記イーサネットフレームに前記仮想スイッチのMACアドレスを付加するフレーム変換部と、
前記仮想スイッチのMACアドレスを付加されたイーサネットフレームを、前記L2スイッチと前記ルータとの間で転送するPBBフレーム転送部と
を備えることを特徴とする付記1に記載のPBBネットワーク。
【0096】
[付記3]
前記VRRPフレーム検出部が、
前記ルータから前記イーサネットフレームを受信した場合に、当該イーサネットフレームに含まれるプロトコル番号がVRRPフレームであるか否かを検出し、
前記VRRPフレームである場合に、前記代表ルータから当該イーサネットフレームを受信したか否かを判定する
ことを特徴とする付記2に記載のPBBネットワーク。
【0097】
[付記4]
クライアント装置に接続された複数のL2スイッチと共にPBB(Provider Backbone Bridge)ネットワークを構成し、複数のルータのうちの1台が代表ルータとして設定されているVRRP(Virtual Router Redundancy Protocol)ネットワークに含まれる前記ルータに接続され、
自装置を含む複数のPBBエッジスイッチによって構成される仮想スイッチのMACアドレスを予め記憶する自装置MAC記憶部と、
前記代表ルータからイーサネットフレームを受信した場合に、0または1の2値データを記憶する代表スイッチフラグの値を1にするVRRPフレーム検出部と、
前記代表スイッチフラグの値が0である場合に、前記L2スイッチとの間又は前記ルータとの間のみで前記イーサネットフレームを転送するフレーム転送部と、
前記代表スイッチフラグの値が1である場合に、前記仮想スイッチのMACアドレスを用いて、前記イーサネットフレームを前記L2スイッチと前記ルータとの間で転送するPBBフレーム転送部と
を備えることを特徴とするPBBエッジスイッチ。
【0098】
[付記5]
前記PBBフレーム転送部が、
前記イーサネットフレームに前記仮想スイッチのMACアドレスを付加して前記PBBネットワーク内で転送するフレーム変換部を含む
ことを特徴とする付記4に記載のPBBエッジスイッチ。
【0099】
[付記6]
前記ルータから前記イーサネットフレームを受信した場合に、当該イーサネットフレームに含まれるプロトコル番号がVRRPフレームであるか否かを検出し、
前記VRRPフレームである場合に、前記代表ルータから当該イーサネットフレームを受信したか否かを判定する
ことを特徴とする付記4又は5に記載のPBBエッジスイッチ。
【0100】
[付記7]
仮想ルータを構成する複数のルータのうちの1台が代表ルータとして設定されているVRRP(Virtual Router Redundancy Protocol)ネットワークに接続され、前記VRRPネットワークに含まれる前記ルータに接続された複数のエッジスイッチと、クライアント装置に接続された複数のL2スイッチとを備えるPBB(Provider Backbone Bridge)ネットワークにおけるフレーム転送方法であって、
前記PBBネットワークは、前記複数のエッジスイッチによって仮想スイッチが構成され、前記複数のエッジスイッチのうちの前記代表ルータに接続されているエッジスイッチが代表スイッチとして設定されており、
前記複数のエッジスイッチの各々が前記代表ルータからイーサネットフレームを受信した場合に、0または1の2値データを記憶する代表スイッチフラグの値を1にし、
前記代表スイッチフラグの値が0である場合に、前記L2スイッチとの間又は前記ルータとの間のみで前記イーサネットフレームを転送し、
前記代表スイッチフラグの値が1である場合に、予め記憶された前記仮想スイッチのMACアドレスを用いて、前記イーサネットフレームを前記L2スイッチと前記ルータとの間で転送する
ことを特徴とするフレーム転送方法。
【0101】
[付記8]
前記L2スイッチと前記ルータとの間で前記イーサネットフレームを転送する工程が、
前記イーサネットフレームに前記仮想スイッチのMACアドレスを付加する工程を含む
ことを特徴とする付記7に記載のフレーム転送方法。
【0102】
[付記9]
前記各エッジスイッチが前記ルータから前記イーサネットフレームを受信した場合に、当該イーサネットフレームに含まれるプロトコル番号がVRRPフレームであるか否かを検出し、
VRRPフレームである場合に、前記代表ルータから当該イーサネットフレームを受信したか否かを判定する
ことを特徴とする付記7又は8に記載のフレーム転送方法。
【0103】
[付記10]
仮想ルータを構成する複数のルータのうちの1台が代表ルータとして設定されているVRRP(Virtual Router Redundancy Protocol)ネットワークに接続され、前記VRRPネットワークに含まれる前記ルータに接続された複数のエッジスイッチと、クライアント装置に接続された複数のL2スイッチとを備えるPBB(Provider Backbone Bridge)ネットワークにおける前記エッジスイッチのプログラムを記憶した記憶媒体であって、
前記PBBネットワークは、前記複数のエッジスイッチによって仮想スイッチが構成され、前記複数のエッジスイッチのうちの前記代表ルータに接続されているエッジスイッチが代表スイッチとして設定されており、
前記複数のエッジスイッチの各々が前記代表ルータからイーサネットフレームを受信した場合に、0または1の2値データを記憶する代表スイッチフラグの値を1にする処理と、
前記代表スイッチフラグの値が0である場合に、前記L2スイッチとの間又は前記ルータとの間のみで前記イーサネットフレームを転送する処理と、
前記代表スイッチフラグの値が1である場合に、予め記憶された前記仮想スイッチのMACアドレスを用いて前記イーサネットフレームを前記L2スイッチと前記ルータとの間で転送する処理と
をコンピュータに実行させることを特徴とするプログラムを記憶した記憶媒体。
【0104】
[付記11]
前記エッジスイッチと前記ルータとの間で前記イーサネットフレームを転送する処理が、前記イーサネットフレームに前記仮想スイッチのMACアドレスを付加する処理を含むことを特徴とする付記10に記載のプログラムを記憶した記憶媒体。
【0105】
[付記12]
前記各エッジスイッチが前記ルータから前記イーサネットフレームを受信した場合に、当該イーサネットフレームに含まれるプロトコル番号がVRRPフレームであるか否かを検出する処理と、
VRRPフレームである場合に、前記代表ルータから当該イーサネットフレームを受信したか否かを判定する処理と
を含むことを特徴とする付記10又は11に記載のフレーム転送方法。
【0106】
以上、好ましい実施の形態をあげて本発明を説明したが、本発明は必ずしも上記実施の形態に限定されるものではなく、その技術的思想の範囲内において様々に変形し実施することが出来る。
【0107】
この出願は、2012年11月22日に出願された日本出願特願2012−256792を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。
【産業上の利用可能性】
【0108】
本発明は仮想LAN、その中でも特にVRRPネットワークとPBBネットワークとが接続された構成のネットワークで仮想LANを実現する際に適用可能である。
【符号の説明】
【0109】
1 PBBネットワーク
2 仮想スイッチ
3 VRRPネットワーク
4 インターネット
5a、5b、… クライアント装置
10a、10b L2スイッチ
20、20a、20b エッジスイッチ
21a、21b、… 上位側接続ポート
22a、22b、… 下位側接続ポート
23 VRRPフレーム検出部
24 フレーム転送部
25 PBBフレーム転送部
26 フレーム変換部
27 代表ルータポート記憶部
28 MAC学習情報記憶部
29 自装置MAC記憶部
29b 代表スイッチフラグ
30a、30b エッジルータ
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