(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述のリレーにおいて、接点の極数を増やすためには、可動接触片の数を増やす必要がある。可動接触片の数が増えると、可動接触片を支持するための構造が増大する。このため、リレーが大型化するという問題がある。
また、複数のリレーを組み合わせてリレーモジュールを構成することによって、極数を増やすことが考えられる。例えば、4極のリレーであれば、
図32に示すように、8個のリレー200を基板300上に配置して組み合わせることにより、全体として32極のリレーモジュール100を構成することができる。しかし、この場合も、リレーモジュール全体としては大型化するという問題がある。また、複数のリレーを基板に、はんだ付けする必要があるため、製造工数が増えるという問題もある。
【0006】
さらに、可動接触片と固定接点との接触圧力は、コイルの電磁力によって可動接触片が固定接点に押し付けられることによって得られる。この場合、接触圧力は、構成部品の寸法のバラツキによる影響を受け易い。例えば、可動接触片と固定接点との間の距離、或いは、リンク部材の長さなどのバラツキによって、接触圧力にバラツキが生じることが懸念される。従って、接点の接触信頼性を高めることは容易ではない。
【0007】
本発明の課題は、大型化を抑えながら接点の極数を増やすことができると共に、接点の接触信頼性の高いリレーを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様に係るリレーは、可動ブロックと、ベース基板と、コイルブロックと、複数の接触子と、を備える。可動ブロックは、所定の回転軸線を中心に回転可能に設けられる。可動ブロックは、複数の摺動子を有する。ベース基板は、可動ブロックの回転軸線方向に可動ブロックと対向して配置され、摺動子と接触する。ベース基板は、複数の摺動子と接触可能に配置される複数の接触子を有する。コイルブロックは、コイルを有する。コイルは、通電によって生じる電磁力によって、可動ブロックをベース基板に対して回転させる。可動ブロックの回転に伴って、複数の摺動子と複数の接触子との導通状態が切り換わる。
【0009】
本態様に係るリレーでは、コイルブロックの電磁力によって可動ブロックが回転すると、複数の摺動子がベース基板上を摺動する。これにより、摺動子が接触子と接触する位置に移動することで、摺動子と接触子とが導通する。また、摺動子が、ベース基板上を摺動して、接触子が無い位置に移動することで、摺動子と接触子とが非導通になる。このように、複数の摺動子がベース基板に接触した状態のまま移動することで、複数の摺動子と複数の接触子との導通状態が切り換えられる。すなわち、接触子の接触圧力を一定に保ちながら導通状態を切り換えることができるので、摺動子と接触子との接触信頼性を容易に向上させることができる。また、本態様に係るリレーでは、小さなスペースに多数の摺動子と接極子とを容易に配置することができる。このため、可動ブロックにおける摺動子の数と、ベース基板上における接触子の数とを増やすことで、大型化を抑えながら導通状態の切り換えに寄与する摺動子と接触子との組数を増やすことができる。
【0010】
好ましくは、複数の摺動子は、可動ブロックの回転の周方向と径方向とに互いに間隔をおいて配置される。この場合、小さなスペースに数多くの摺動子を配置することができる。
好ましくは、複数の接触子は、ベース基板上において、可動ブロックの回転の周方向と径方向とに互いに間隔をおいて配置される。この場合、小さなスペースに数多くの接触子を配置することができる。
【0011】
好ましくは、複数の摺動子は、第1摺動子を有する。好ましくは、複数の接触子は、第1接触子を有する。第1摺動子は、第1接触子と接触する接触位置と、第1接触子と接触しない非接触位置とに移動可能に設けられる。コイルブロックが可動ブロックを所定方向に回転させることにより、第1摺動子は、非接触位置から接触位置に移動する。コイルブロックが可動ブロックを所定方向と逆方向に回転させることにより、第1摺動子は、接触位置から非接触位置に移動する。この場合、可動ブロックの回転方向を切り換えることで、第1摺動子による第1接触子との導通状態を切り換えることができる。
【0012】
好ましくは、複数の摺動子は、第2摺動子を有する。好ましくは、複数の接触子は、第2接触子を有する。第2摺動子は、第2接触子と接触する接触位置と、第2接触子と接触しない非接触位置とに移動可能に設けられる。コイルブロックが可動ブロックを所定方向に回転させることにより、第1摺動子が、非接触位置から接触位置に移動すると共に、第2摺動子は、接触位置から非接触位置に移動する。コイルブロックが可動ブロックを所定方向と逆方向に回転させることにより、第1摺動子が、接触位置から非接触位置に移動すると共に、第2摺動子は、非接触位置から接触位置に移動する。この場合、第1摺動子と第2摺動子とによって、a接点とb接点と同等に機能する摺動子と接触子との導通状態を構成することができる。また、可動ブロックの回転方向を切り換えることにより、a接点と同等に機能する摺動子と接触子との導通状態とb接点と同等に機能する摺動子と接触子との導通状態とを交互に切り換えることができる。なお、a接点とは通常は非導通であり動作時(可動ブロック回転時)に導通となる接点構成をいう。b接点とは通常は導通しており動作時(可動ブロック回転時)に非導通となる接点構成をいう。
【0013】
好ましくは、可動ブロックは、第3摺動子をさらに有する。好ましくは、ベース基板は、第3接触子をさらに有する。第3摺動子は、第1摺動子が接触位置と非接触位置とに移動する間に第3接触子と常時接触するように設けられる。この場合、第3摺動子と第1摺動子、もしくは第2摺動子を適宜組み合わせることによって、a接点、b接点、及びc接点と同等に機能する摺動子と接触子との導通状態を構成することができる。なお、c接点とは、a接点とb接点とを組み合わせた接点構成を言う。
【0014】
好ましくは、第3摺動子は、第1摺動子よりも回転軸線の近くに配置される。この場合、可動ブロックの回転による第3摺動子の移動距離は、第1摺動子の移動距離よりも小さい、。このため、第3摺動子と接触する第3接触子の長さを短くすることができる。また、第1摺動子の移動距離を大きくすることができるので、第1摺動子と第1接触子との間の絶縁距離を大きくすることができる。
【0015】
好ましくは、可動ブロックは、回転基板をさらに備える。回転基板は、回転軸線方向においてベース基板に対向して配置される。複数の摺動子は、回転基板に取り付けられている。回転基板は、複数の摺動子を電気的に接続している。この場合、摺動子の配置と、回転基板の配線パターンを変更することで、導通状態の切り換えに寄与する摺動子と接触子との組数や接点構成を容易に変更することができる。
【0016】
好ましくは、複数の摺動子は、可動ブロックの回転方向に向かって屈曲した形状を有する。この場合、回転時の摺動子の摺動抵抗を低減することができる。また、摺動子に良好なバネ性を持たせることができるので、接触信頼性をさらに向上させることができる。
好ましくは、複数の摺動子は、所定の回転方向に向かって屈曲した形状を有する摺動子と、所定の回転方向と逆方向に向かって屈曲した形状を有する摺動子と、を有する。この場合、回転方向の違いによる摺動抵抗の違いを小さくすることができる。
【0017】
好ましくは、リレーは、ベース基板に接続される複数の端子をさらに備える。好ましくは、ベース基板上において、複数の端子のそれぞれは、複数の接触子のいずれかと電気的に接続されている。この場合、接触子の配置と、ベース基板の配線パターンとを変更することで、導通状態の切り換えに寄与する摺動子と接触子との組数や接点構成を容易に変更することができる。
【0018】
好ましくは、少なくとも2つ以上の接触子は、ベース基板におけるパターンによってコモン端子に接続されている。この場合、端子の数を減らして、端子間の距離を広げることができる。また、端子の数が減ることにより、リレーが取り付けられるパターンの設計を簡略化することができる。
好ましくは、コイルブロックは、第1コイルと、第1コイルと別体の第2コイルと、を有する。この場合、コイルブロックを第1コイルと第2コイルとに分割して構成することで、リレーを小型化することができる。
【0019】
好ましくは、第1コイルの磁気回路と第2コイルの磁気回路とは、互いに独立である。この場合、第1コイルの磁束と第2コイルの磁束とが互いに干渉することが抑えられる。これにより、磁気ロスを少なくして、可動ブロックに大きな電磁力を作用させることができる。
好ましくは、第1コイルと第2コイルとは、互いに間隔をおいて配置されており。可動ブロックは、第1コイルと第2コイルとの間に配置される接極子を有する。この場合、接極子が第1コイルと第2コイルとの電磁力によって吸引されることで、可動ブロックを回転させることができる。
【0020】
好ましくは、接極子は、第1接触部と第2接触部とを有する。可動ブロックが所定方向へ回転する場合、第1接触部がコイルブロックに接触することで、可動ブロックの所定方向への回転量が規制される。可動ブロックが所定方向と逆方向へ回転する場合、第2接触部がコイルブロックに接触することで、可動ブロックの逆方向への回転量が規制される。この場合、摺動子と接触子との導通状態を切り換えるときの摺動子の移動量を、第1接触部或いは第2接触部をコイルブロックに接触させることで規定することができる。
【0021】
好ましくは、コイルブロックは、第1ヨークと第2ヨークとを有する。第1ヨークは、第1コイルと第2コイルとの間において接極子に向かって突出する。第2ヨークは、第1コイルと第2コイルとの間において第1ヨークと反対側から接極子に向かって突出する。好ましくは、接極子は、第1凹部と第2凹部とを有する。第1凹部には、第1ヨークの先端が配置される。第2凹部には、第2ヨークの先端が配置される。この場合、第1凹部と第1ヨークとの接触、及び/又は、第2凹部と第2ヨークとの接触によって、可動ブロックの回転量を規制することができる。
【0022】
好ましくは、第1コイルと第2コイルとは、それぞれ、第1層と、第1層と巻線方向が異なる第2層とを有する。この場合、他の部品を変更することなく、2巻線ラッチング型のリレーを実現することができる。
好ましくは、可動ブロックは、ベース基板とコイルブロックとの間に挟まれている。好ましくは、コイルブロックは、可動ブロックをベース基板に向かって押圧するように、ベース基板に取り付けられる。この場合、コイルブロックが可動ブロックを押圧することにより、摺動子と接触子との接触圧力が維持される。これにより、接触子の接触圧力を一定に保ちながら導通状態を切り換えることができるので、接触信頼性をさらに向上させることができる。
【0023】
好ましくは、可動ブロックは、コイルブロックと接触する複数の突起を有する。この場合、コイルブロックは、複数の突起を介して可動ブロックを押圧する。このため、可動ブロックを偏り少なく安定的に押圧することができる。また、可動ブロックが回転することにより、複数の突起とコイルブロックとが摩擦する。従って、可動ブロックにおいてコイルブロックとの摩擦により磨耗する部分を突起に限定することができる。
【0024】
好ましくは、複数の突起は、回転軸線に対して対称に配置される。この場合、コイルブロックによって可動ブロックをさらに偏り少なく安定的に押圧することができる。
好ましくは、可動ブロックは、複数の凹部を有する。複数の凹部は、複数の突起の周囲にそれぞれ配置される。この場合、突起とコイルブロックとの摩擦によって生じた磨耗粉が凹部内に収容される。これにより、磨耗粉が周囲に飛散することを抑えることができる。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、大型化を抑えながら接点の極数を増やすことができると共に、接点の接触信頼性の高いリレーを提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、図面を参照して実施形態にかかるリレー1について説明する。
図1は、リレー1の分解斜視図である。
図1に示すように、リレー1は、カバー2と本体部3とを有する。カバー2は、本体部3を覆うように本体部3に取り付けられる。なお、本実施形態における上下の各方向は、それぞれ
図1における上下の各方向を意味するものとする。ただし、本実施形態での方向の名称は、説明の便宜上用いるものであって、リレー1の取付方向等を限定するものではない。
【0028】
図2は、本体部3を斜め上方から見た分解斜視図である。
図3は、本体部3を斜め下方から見た分解斜視図である。
図2及び
図3に示すように、本体部3は、ベースブロック4と、可動ブロック5と、コイルブロック6とを有する。
ベースブロック4は、可動ブロック5を回転可能に支持している。
図4は、ベースブロック4の分解斜視図である。
図4に示すように、ベースブロック4は、ベース基板11と、ベース部材12とを有する。
【0029】
図5は、ベース基板11の上面図である。
図6は、ベース基板11の底面図である。ベース基板11は、可動ブロック5の回転軸線Ra(
図2参照)方向に可動ブロック5と対向して配置される。ベース基板11は、正方形或いは長方形などの四角形状を有する。ベース基板11は、ベース部材12上に配置され、ベース部材12に取り付けられる。ベース基板11は、貫通孔111を有する。貫通孔111は、ベース基板11の略中央部に位置している。
【0030】
ベース部材12には、支持部121が設けられている。支持部121は、筒状の形状を有している。支持部121は、ベース部材12から突出している。
図2に示すように、支持部121は、ベース基板11の貫通孔111を通って突出している。支持部121は、可動ブロック5を回動可能に支持する。
ベース基板11は、複数の接触子13を有する。複数の接触子13は、導電性を有する材料で形成される。本実施形態では、ベース基板11は、96個の接触子13を有する。ただし、接触子13の数は、96に限らず、96より少ない、或いは96より多くてもよい。なお、図面においては、複数の接触子13の一部のみに符号を付して、他の接触子13の符号を省略している。
【0031】
複数の接触子13は、貫通孔111の周囲に配置されている。複数の接触子13は、ベース基板11上において、可動ブロック5の回転軸線Raを中心に放射線上に配置されている。複数の接触子13は、ベース基板11上において、可動ブロック5の回転の周方向と径方向とに互いに間隔をおいて配置される。複数の接触子13は、平坦な形状を有する。
【0032】
ベース基板11は、複数の端子接続部14を有する。複数の端子接続部14は、ベース基板11の表面と裏面との両方に設けられている。ベース基板11の表面とは、複数の接触子13が設けられている面を意味する。ベース基板11の裏面とは、複数の接触子13が設けられている面の反対の面を意味する。なお、図面においては、複数の端子接続部14の一部のみに符号を付して、他の端子接続部14の符号を省略している。
【0033】
ベース基板11の表面は、回転軸線Raに対して垂直に配置される。ベース基板11の裏面は、回転軸線Raに対して垂直に配置される。複数の端子接続部14は、ベース基板11の縁部に配置されている。複数の端子接続部14は、平坦な形状を有する。
複数の端子接続部14には、それぞれ複数の端子18,19が取り付けられる。なお、本実施形態では、端子18,19は、屈曲された先端部を有する表面実装用の端子であるが、スルーホール用の端子であってもよい。
【0034】
ベース基板11の表面の端子接続部14に取り付けられた端子18は、ベース基板11の縁部から側方に突出している。
図4に示すように、ベース部材12の縁部には複数のスリット20が設けられている。
図3に示すように、ベース基板11の裏面の端子接続部15に取り付けられた端子19は、スリット20を通ってベース部材12から突出している。なお、
図4においては複数のスリット20の一部のみに符号を付して他のスリット20の符号を省略している。
【0035】
図5及び
図6に示すように、複数の接触子13は、複数の第1接触子13_1a,13_2aと、複数の第2接触子13_1b,13_2bと、複数の第3接触子13_1c,13_2cとを有する。複数の端子接続部14は、複数の第1端子接続部14_1a,14_2aと、複数の第2端子接続部14_1b,14_2bと、複数の第3端子接続部14_1c,14_2cとを有する。なお、接触子13、端子接続部14、及び後述する摺動子23の符号において“_”(アンダーバー)の後の符号は、接点構成を示している。後述するように、複数の第1接触子は、a接点を構成する接触子である。複数の第2接触子は、b接点を構成する接触子である。複数の第3接触子は、c接点を構成する接触子である。
【0036】
なお、
図5及び
図6においては、複数の第1接触子の一部(13_1a,13_2a)、複数の第2接触子の一部(13_1b,13_2b)、及び複数の第3接触子の一部(13_1c,13_2c)、のみに符号を付しており、他の第1接触子、第2接触子、及び第3接触子の符号を省略している。
第1接触子13_1aと第2接触子13_1bと第3接触子13_1cとは、可動ブロック5の回転における径方向に間隔をおいて配置されている。第3接触子13_1cは、第1接触子13_1a及び第2接触子13_1bよりも回転軸線Raの近くに配置される。
【0037】
第1接触子13_2aと第3接触子13_2cと第2接触子13_2bとは、可動ブロック5の回転における径方向に間隔をおいて配置されている。第3接触子13_2cは、第1接触子13_2a及び第2接触子13_2bよりも回転軸線Raの近くに配置される。
ベース基板11は、複数の接触子13と複数の端子接続部14とを電気的に接続している。例えば、第1接触子13_1aと第1端子接続部14_1aとが接続される。第2接触子13_1bと第2端子接続部14_1bとが接続される。第3接触子13_1cと第3端子接続部14_1cとが接続される。第1接触子13_2aと第1端子接続部14_2aとが接続される。第2接触子13_2bと第2端子接続部14_2bとが接続される。第3接触子13_2cと第3端子接続部14_2cとが接続される。詳細な説明は省略するが、他の接触子13及び他の端子接続部14についても同様に、それぞれベース基板11において互いに電気的に接続されている。
【0038】
ベース基板11は、いわゆるプリント基板である。複数の接触子13と、複数の端子接続部14とは、プリント基板に形成されるパターンであり、銅箔などの導電体で形成される。複数の接触子13と複数の端子接続部14とは、絶縁体で被覆されておらず、露出している。
図1及び
図2に示すように、可動ブロック5は、ベースブロック4上に配置されている。可動ブロック5は、ベース基板11とコイルブロック6との間に挟まれている。可動ブロック5は、回転基板21と、接極子22と、複数の摺動子23とを有する。
【0039】
図7は、可動ブロック5の上面図である。
図7に示すように、回転基板21は、円板状の形状を有する。回転基板21は、回転軸線Ra方向においてベース基板11に対向して配置される。
図3及び
図7に示すように、可動ブロック5は、回転軸24を有する。上述した回転軸線Raは、回転軸24の中心線である。
図3に示すように、回転軸24は、回転基板21の裏面から突出している。なお、回転基板21の裏面は、ベース基板11の表面と対向する面である。回転軸24は、上述したベースブロック4の支持部121に支持される。回転軸24は、支持部121内に配置される。従って、回転軸24が支持部121によって覆われる。これにより、回転軸24の回転による磨耗粉が周囲に飛散することを抑えることができる。
【0040】
複数の摺動子23は、回転基板21に取り付けられる。本実施形態では、可動ブロック5は、96個の摺動子23を有する。ただし、摺動子23の数は、96に限らず、96より少ない、或いは、96より多くてもよい。複数の摺動子23は、導電性を有する材料で形成される。複数の摺動子23は、回転基板21の裏面に取り付けられている。
図8は、可動ブロック5の底面図である。
図8に示すように、複数の摺動子23は、可動ブロック5の回転の周方向と径方向とに互いに間隔をおいて配置される。複数の摺動子23は、可動ブロック5の回転軸線Raを中心に放射線上に配置されている。
【0041】
図9は、接極子22が取り除かれた状態の可動ブロック5の上面図である。
図9に示すように、回転基板21には、複数の貫通孔211が設けられている。なお、
図9では、複数の貫通孔211の一部のみに符号を付して他の貫通孔211の符号を省略している。複数の貫通孔211は、回転基板21の径方向に細長い形状を有する。複数の貫通孔211には、複数の摺動子23が取り付けられる。
【0042】
回転基板21は、複数の摺動子23を電気的に接続している。回転基板21は、いわゆるプリント基板である。複数の貫通孔211は、スルーホールとなっており、プリント基板に形成されるパターン配線25によって、複数の貫通孔211が電気的に接続されている。従って、摺動子23が貫通孔211に取り付けられることにより、複数の摺動子23が互いに電気的に接続される。
【0043】
詳細には、複数の摺動子23は、複数の第1摺動子23_1a,23_2aと、複数の第2摺動子23_1b,23_2bと、複数の第3摺動子23_1c,23_2cと、を有する。第1摺動子23_1aと第2摺動子23_1bと第3摺動子23_1cとは、可動ブロック5の回転における径方向に間隔をおいて配置されている。第3摺動子23_1cは、第1摺動子23_1a及び第2摺動子23_1bよりも回転軸線Raの近くに配置される。
【0044】
第1摺動子23_2aと第3摺動子23_2cと第2摺動子23_2bとは、可動ブロック5の回転における径方向に間隔をおいて配置されている。第3摺動子23_2cは、第1摺動子23_2a及び第2摺動子23_2bよりも回転軸線Raの近くに配置される。
第1摺動子23_1aと、第2摺動子23_1bと、第3摺動子23_1cとは、互いに電気的に接続されている。図示を省略するが、第1摺動子23_2aと、第2摺動子23_2bと、第3摺動子23_2cも同様に、互いに電気的に接続されている。
【0045】
なお、
図9においては、複数の第1摺動子の一部(23_1a,23_2a)、複数の第2摺動子の一部(23_1b,23_2b)、及び複数の第3摺動子の一部(23_1c,23_2c)のみに符号を付して、他の第1摺動子、第2摺動子、及び第3摺動子の符号を省略している。詳細な説明は省略するが、他の第1摺動子、第2摺動子、及び第3摺動子についても同様に、それぞれ配線によって互いに接続されている。
【0046】
図10は、第1摺動子23_1a及びその周囲の構造の拡大図である。第1摺動子23_1aの先端部は、ベース基板11に接触しており、円弧状に湾曲した形状を有する第1摺動子23_1aの先端部は、ベース基板11に押し付けられる。第1摺動子23_1aはバネ性を有しているため、第1摺動子23_1aは弾性力によってベース基板11に押し付けられている。第1接触子13_1aは、ベース基板11上において、可動ブロック5の回転方向に第1摺動子23_1aと並んで配置される。
【0047】
第1接触子13_2aも、第1接触子13_1aと同様に配置されている。第1接触子13_2aは、可動ブロック5の回転方向に第1接触子13_1aと並んで配置される。第1接触子13_2aは、ベース基板11上において、可動ブロック5の回転方向に第1摺動子23_2aと並んで配置される。
可動ブロック5が回転することにより、第1摺動子23_1aの先端部及び第1摺動子23_2aの先端部は、ベース基板11に押し付けられた状態でベース基板11上を摺動する。他の摺動子23も、第1摺動子23_1a及び第1摺動子23_2aと同様の構成である。
【0048】
図11は、可動ブロック5の斜視底面図である。
図11に示すように、複数の摺動子23は、回転基板21の周方向に向かって屈曲した形状を有する。言い換えれば、複数の摺動子23は、可動ブロック5の回転方向に向かって屈曲した形状を有する。
詳細には、複数の摺動子23は、所定の回転方向に向かって屈曲した形状を有する摺動子23(例えば23_1a,23_2a)と、所定の回転方向と逆方向に向かって屈曲した形状を有する摺動子23(例えば23_1b,23_2b)と、を有する。所定の回転方向に向かって屈曲した形状を有する摺動子23と、所定の回転方向と逆方向に向かって屈曲した形状を有する摺動子23とは、径方向に向かって交互に配置されている。また、同一の円周上に配置されている摺動子23は、同じ方向に向かって屈曲している。
【0049】
図2及び
図7に示すように、接極子22は、回転基板21の表面に取り付けられる。詳細には、可動ブロック5は、接極子22を支持する支持部材26を有する。支持部材26は、樹脂などの絶縁性を有する材料で形成される。接極子22は、支持部材26を介して回転基板21に取り付けられる。
図7に示すように、接極子22は、第1接極子27と第2接極子28と永久磁石29とを有する。第1接極子27と第2接極子28とは互いに間隔をおいて配置されている。第1接極子27と第2接極子28とは、互いに平行に配置されている。
【0050】
第1接極子27と第2接極子28とは、例えば、半硬質磁性材料で形成されている。ただし、第1接極子27と第2接極子28と半硬質磁性材料と異なる材料で形成されてもよい。
永久磁石29は、第1接極子27と第2接極子28との間に配置される。回転軸線Ra方向から見て、永久磁石29は、回転軸線Raと重なるように配置されている。回転軸線Ra方向から見て、回転軸線Raは、第1接極子27と第2接極子28との間に配置される。第1接極子27と第2接極子28とは、細長い形状を有している。
【0051】
接極子22は、第1凹部221と第2凹部222とを有する。回転軸線Ra方向から見て、第1凹部221と第2凹部222とは、回転軸線Raを基準として対称に配置される。第1凹部221は、第1接極子27の一端と第2接極子28の一端と永久磁石29とによって構成される。第2凹部222は、第1接極子27の他端と第2接極子28の他端と永久磁石29とによって構成される。第1凹部221と第2凹部222とは、それぞれ第1接極子27と第2接極子28との長手方向に延びている。
【0052】
図12は、支持部材26を斜め上方から見た斜視図である。
図13は、支持部材26と接極子22を斜め下方から見た斜視図である。支持部材26は、接極子22が配置される凹部31を有する。支持部材26は、第1支持部32と第2支持部33とを有する。第1支持部32と第2支持部33との間に第1接極子27が配置される。支持部材26は、第3支持部34と第4支持部35とを有する。第3支持部34と第4支持部35との間に第2接極子28が配置される。
【0053】
図13に示すように、上述した回転軸24は、支持部材26の底面に一体化されている。回転軸24の両側方には一対の突起36,37が配置されている。
図9に示すように、回転基板21は、貫通孔212を有している。貫通孔212は、円部213と一対の突出部214,215とを有している。
図8に示すように、円部213には、回転軸24が通される。また、一対の突出部214,215には、それぞれ一対の突起36,37が通される。これにより、回転基板21が支持部材26に対して回り止めされる。これにより、接極子22と共に回転基板21が回転する。
【0054】
図13に示すように、支持部材26の底面には、複数の台部38−41が配置されている。複数の台部38−41は、支持部材26の底面から突出している。複数の台部38−41は、平坦な底面を有する。複数の台部38−41は、回転軸24の周囲に配置されている。
図14は、可動ブロック5の側面図である。
図14に示すように、複数の台部38−41によって支持部材26の底面と回転基板21の表面との間に隙間G1が設けられる。これにより、回転基板21の表面から突出する複数の摺動子23の端部と支持部材26との干渉が回避される。
【0055】
図15は、
図7における支持部材26のXV−XV断面図である。
図15に示すように、第1支持部32は、第1上面部321と第1突起322と第1凹部323とを有する。第1上面部321は平坦な形状を有する。第1突起322は、第1上面部321から突出している。第1凹部323は、突起の周囲に設けられる。
同様に、
図12に示すように、第2支持部33は、第2上面部331と第2突起332と第2凹部333とを有する。第3支持部34は、第3上面部341と第3突起342と第3凹部343とを有する。第4支持部35は、第4上面部351と第4突起352と第4凹部353とを有する。第2〜第4上面部331,341,351と第2〜第4突起332,342,352と第2〜第4凹部333,343,353とは、それぞれ第1上面部321と第1突起322と第1凹部323と同様であるため、詳細な説明を省略する。
【0056】
ただし、第1、第2上面部321,331の回転基板21からの高さは、第3、第4上面部341,351の回転基板21からの高さよりも低い。また、第1、第2突起322,332の回転基板21からの高さは、第3、第4突起342,352の回転基板21からの高さよりも低い。
図7に示すように、突起322,332,342,352は、回転軸線Ra方向から見て、回転軸線Raを基準に互いに対称に配置されている。これらの突起322,332,342,352がコイルブロック6に押圧されることにより、支持部材26がコイルブロック6とベース基板11とに挟持される。
【0057】
コイルブロック6は、可動ブロック5をベース基板11に対して回転させる。
図16及び
図17は、コイルブロック6及び接極子22の上面図である。コイルブロック6は、接極子22を
図16に示す位置(以下、「第1位置」と呼ぶ)から所定方向(
図16及び
図17における反時計回り)に回転させることにより、
図17に示す位置(以下、「第2位置」と呼ぶ)に移動させる。また、コイルブロック6は、接極子22を
図17に示す第2位置から所定方向と逆方向(
図16及び
図17における時計回り)に回転させることにより、
図16に示す第1位置に移動させる。
【0058】
コイルブロック6は、第1コイルユニット51と第2コイルユニット52とを有する。
図18は、第1コイルユニット51と第2コイルユニット52とを示す図である。
図18では、第1コイルユニット51と第2コイルユニット52とが分離して表示されている。第1コイルユニット51と第2コイルユニット52とは互いに別体である。すなわち、第1コイルユニット51の磁気回路と第2コイルユニット52の磁気回路とは、互いに独立である。
【0059】
第1コイルユニット51と第2コイルユニット52とは、回転軸線Raに垂直な方向に並んで配置されている。以下、第1コイルユニット51と第2コイルユニット52とが並ぶ方向を幅方向と呼ぶ。
図19は、コイルブロック6の分解斜視図である。
図19に示すように、第1コイルユニット51は、第1コイルボビン53と、第1コイル54と、第1鉄芯55と、第1連結ヨーク56と、第1ヨーク57と、第2連結ヨーク58と、第2ヨーク59と、を有する。
【0060】
第1コイル54は第1コイルボビン53に巻回される。第1コイルボビン53には、第1コイル端子61と第2コイル端子62が取り付けられている。第1コイル端子61と第2コイル端子62とは、第1コイル54に接続されている。第1コイル端子61は、
図5及び
図6に示す第1コイル端子孔42に挿入される。第2コイル端子62は、第2コイル端子孔43に挿入される。
【0061】
第1鉄芯55は、第1コイルボビン53の孔531内に配置されている。第1鉄芯55は、第1端部551と第2端部552とを有する。第1鉄芯55の第1端部551と第2端部552とは、第1コイルボビン53から突出している。
第1連結ヨーク56は、第1鉄芯55の第1端部551に接続される。回転軸線Ra方向から見て、第1連結ヨーク56は、第2コイルユニット52に向かって延びている。第1連結ヨーク56は、第1開口561と第2開口562とを有する。第1開口561には、第1鉄芯55の第1端部551が挿入される。第2開口562は、第1開口561よりも下方に位置する。第1連結ヨーク56は、第1切欠部563を有する。第1切欠部563は、第2開口562の上方に位置する。
【0062】
第1ヨーク57は、支持部571と先端部572とを有する。支持部571は、第2開口562に挿入される。先端部572は、支持部571から接極子22に向かって突出している。
第2連結ヨーク58は、第1鉄芯55の第2端部552に接続される。回転軸線Ra方向から見て、第2連結ヨーク58は、第2コイルユニット52に向かって延びている。第2連結ヨーク58と第2ヨーク59とは、それぞれ第1連結ヨーク56と第1ヨーク57と同じ形状であるため、詳細な説明を省略する。
【0063】
第2コイルユニット52は、第2コイルボビン63と、第2コイル64と、第2鉄芯65と、第3連結ヨーク66と、第3ヨーク67と、第4連結ヨーク68と、第4ヨーク69と、を有する。第2コイル64は、第1コイル54から幅方向に離れて配置される。
回転軸線Ra方向から見て、第3連結ヨーク66と第4連結ヨーク68とは、第1コイルユニット51に向かって延びている。第3ヨーク67は第1ヨーク57の上方に配置される。第4ヨーク69は第2ヨーク59の上方に配置される。
【0064】
第2コイルボビン63は、第1コイルボビン53と同じ形状である。第2コイルボビン63には、第3コイル端子71と第4コイル端子72(
図3参照)が取り付けられている。第3コイル端子71と第4コイル端子72とは、第2コイル64に接続されている。第3コイル端子71は、
図5及び
図6に示す第3コイル端子孔44に挿入される。第4コイル端子72は、
図5及び
図6に示す第4コイル端子孔45に挿入される。上述した第1コイル端子孔42と第4コイル端子孔45とは、スルーホールであり、第1外部コイル端子46に電気的に接続される。上述した第2コイル端子孔43と第3コイル端子孔44とは、スルーホールであり、第2外部コイル端子47に電気的に接続されている。
【0065】
第2鉄芯65は、第1鉄芯55と同じ形状である。第1〜第4連結ヨーク56,58,66,68は互いに同じ形状である。第1〜第4ヨーク57,59,67,69は、互いに同じ形状である。従って、これらの部品については、配置の向きを変更することによって形状の同じ部品を共通に使用することができる。
特に、第1連結ヨーク56と第3連結ヨーク66とは、互いに上下に逆に配置される。
図20は、第1コイル54及び第2コイル64の軸線方向から見たコイルブロック6を示す図である。
図20に示すように、第3連結ヨーク66が第1連結ヨーク56と上下逆に配置されることで、第3連結ヨーク66の第2開口662の位置が、第1連結ヨーク56の第2開口562の位置と上下方向にずれる。すなわち、第3連結ヨーク66の第2開口662が、第1連結ヨーク56の第2開口562よりも上方に配置される。このため、第1ヨーク57と第3ヨーク67の位置とが上下にずれる。これにより、第1コイルユニット51と第2コイルユニット52とを組み合わせた状態では、第1ヨーク57と第3ヨーク67とが上下に重なる。詳細には、第1ヨーク57の先端部572と第3ヨーク67の先端部672とが上下方向に積み重なって配置される。
【0066】
同様に、第2連結ヨーク58と第4連結ヨーク68も、互いに上下に逆に配置される。これにより、第1コイルユニット51と第2コイルユニット52とを組み合わせた状態では、第2ヨーク59と第4ヨーク69とが上下に重なる。詳細には、第2ヨーク59の先端部592と第4ヨーク69の先端部692とが上下方向に積み重なって配置される。
なお、上述した第1支持部材26の第1突起322は、第1ヨーク57の支持部571に接触して支持する。第2突起332は、第2ヨーク59の支持部591に接触して支持する。第3突起342は、第3ヨーク67の支持部671に接触して支持する。第4突起352は、第4ヨーク69の支持部691に接触して支持する。第1ヨーク57は、第3ヨーク67の下方に位置する。このため、上述したように、回転基板21からの高さに関して、第1突起322は第3突起342よりも低い。また、第2ヨーク59は、第4ヨーク69の下方に位置する。このため、上述したように、第2突起332は第4突起352よりも低い。
【0067】
なお、第1鉄芯55と、第1連結ヨーク56と、第1ヨーク57と、第2連結ヨーク58と、第2ヨーク59とは、例えば、半硬質磁性材料で形成されている。また、第2鉄芯65と、第3連結ヨーク66と、第3ヨーク67と、第4連結ヨーク68と、第4ヨーク69とは、半硬質磁性材料で形成されている。ただし、これらの部品が半硬質磁性材料と異なる材料で形成されてもよい。
【0068】
図16及び
図17に示すように、第1コイル54と第2コイル64とは、互いに間隔をおいて配置されている。接極子22は、第1コイル54と第2コイル64との間に配置される。第1ヨーク57と第3ヨーク67とは、第1コイル54と第2コイル64との間において接極子22に向かって突出する。第2ヨーク59と第4ヨーク69とは、第1コイル54と第2コイル64との間において第1ヨーク57及び第3ヨーク67と反対側から接極子22に向かって突出する。
【0069】
第1ヨーク57の先端と第3ヨーク67の先端とは、接極子22の第1凹部221内に配置される。第2ヨーク59の先端と第4ヨーク69の先端とは、接極子22の第2凹部222内に配置される。回転軸線Ra方向から見て、永久磁石29と回転軸24とは、第1ヨーク57と第2ヨーク59との間に配置される。また、永久磁石29と回転軸24とは、第3ヨーク67と第4ヨーク69との間に配置される。
【0070】
図21Aは、第1コイルユニット51における磁束の流れを示している。
図21Bは、第2コイルユニット52における磁束の流れを示している。
図21Aに示すように、第1コイルユニット51の第1コイル54が通電されると、第1連結ヨーク56、第1ヨーク57、第2接極子28、永久磁石29、第1接極子27、第2ヨーク59、第2連結ヨーク58を順に流れる磁束の流れが生成される。
【0071】
また、
図21Bに示すように、第2コイルユニット52の第2コイル64が通電されると、第3連結ヨーク66、第3ヨーク67、第2接極子28、永久磁石29、第1接極子27、第4ヨーク69、第4連結ヨーク68を順に流れる磁束の流れが生成される。従って、
図22に示すように、第1コイルユニット51の磁束と第2コイルユニット52の磁束とが接極子22において同方向に重なり合うことで、大きな電磁力が接極子22に作用する。これにより、第1接極子27と第2ヨーク59との間、第1接極子27と第4ヨーク69との間、第2接極子28と第1ヨーク57との間、及び第2接極子28と第3ヨーク67との間に大きな吸引力が作用する。その結果、接極子22が所定方向(
図22における反時計回り)に回転し、それと共に可動ブロック5も所定方向に回転する。
【0072】
また、第1コイル54及び第2コイル64への通電方向を上記と逆にすると、
図23に示すように、第1コイルユニット51、第2コイルユニット52、及び接極子22における磁束の流れが、上記と逆になる。これにより、第1接極子27と第1ヨーク57との間、第1接極子27と第3ヨーク67との間、第2接極子28と第2ヨーク59との間、及び第2接極子28と第4ヨーク69との間に大きな吸引力が作用する。その結果、接極子22が所定方向と逆方向(
図23における時計回り)に回転し、それと共に可動ブロック5も所定方向と逆方向に回転する。
【0073】
図16及び
図17に示すように、接極子22は、第1接触部223と第2接触部224と第3接触部225と第4接触部226とを有する。詳細には、第1接触部223は、第1接極子27の一方の端部の内側面である。第2接触部224は、第1接極子27の他方の端部の内側面である。第3接触部225は、第2接極子28の一方の端部の内側面である。第4接触部226は、第2接極子28の他方の端部の内側面である。
【0074】
図17に示すように、接極子22が所定方向(
図17における反時計回り)に回転すると、第1接触部223が、第1ヨーク57及び第3ヨーク67に接触する。また、第4接触部226が第2ヨーク59及び第4ヨーク69に接触する。これにより、接極子22の回転が規制される。従って、可動ブロック5が所定方向へ回転する場合、第1接触部223と第4接触部226とがコイルブロック6に接触することで、可動ブロック5の所定方向への回転量が規制される。
【0075】
図16に示すように、接極子22が所定方向と逆方向(
図16における時計回り)に回転すると、第2接触部224が、第2ヨーク59及び第4ヨーク69に接触する。また、第3接触部225が第1ヨーク57及び第3ヨーク67に接触する。これにより、接極子22の回転が規制される。従って、可動ブロック5が所定方向と逆方向へ回転する場合、第2接触部224と第3接触部225とがコイルブロック6に接触することで、可動ブロック5の所定方向への回転量が規制される。
【0076】
コイルブロック6は、ベース基板11に取り付けられる。
図24は、コイルブロック6を下方から見た斜視図である。
図24に示すように、コイルブロック6は、複数の固定突起73−76を有している。詳細には、第1コイルボビン53は、第1固定突起73と第2固定突起74とを有している。第1固定突起73と第2固定突起74とは、第1コイルボビン53の両端部の底面に設けられる。第2コイルボビン63は、第3固定突起75と第4固定突起76とを有している。第3固定突起75と第4固定突起76とは、第2コイルボビン63の両端部の底面に設けられる。
【0077】
図3に示すように、ベースブロック4には、複数の固定孔81−84が設けられている。複数の固定孔81−84は、コイルブロック6の複数の固定突起73−76に対応して配置されている。固定突起73−76は、これらの固定孔81−84に挿入され、接着剤あるいは冷間圧接などの固定手段によって固定される。コイルブロック6がベース基板11に取り付けられることにより、可動ブロック5がベース基板11に向かって押圧される。
【0078】
次に、本実施形態に係るリレー1における摺動子23と接触子13との導通状態の切換動作について説明する。本実施形態に係るリレー1では、可動ブロック5がベース基板11に対して回転することで、摺動子23と接触子13との接触と切断とが切り換えられる。本実施形態に係るリレー1では、摺動子23の先端部が可動接点に相当し、接触子13が固定接点に相当する。摺動子23の先端部が接触子13に接触することで、摺動子23が接触子13と導通する。すなわち、可動接点と固定接点とがON状態となる。摺動子23の先端部が接触子13から離れることで、摺動子23が接触子13と非導通となる。すなわち、可動接点と固定接点とがOFF状態となる。
【0079】
図25は、摺動子23の一部と接触子13の一部との配置を示す模式図である。詳細には、
図25は、上述した第1〜第3摺動子23_1a,23_1b,23_1c(
図9参照)と第1〜第3接触子13_1a,13_1b,13_1c(
図5参照)との配置を示している。
図25Aでは、可動ブロック5が
図16に示す第1位置に位置している。
図25Bでは、可動ブロック5が
図17に示す第2位置に位置している。
【0080】
図25に示すように、第1接触子13_1aは、可動ブロック5の回転方向に第1摺動子23_1aと並んで配置される。第3接触子13_1cは、可動ブロック5の回転方向に第3摺動子23_1cと並んで配置される。第2接触子13_1bは、可動ブロック5の回転方向に第2摺動子23_1bと並んで配置される。
図25Aに示すように、可動ブロック5が第1位置に位置しているときには、第1摺動子23_1aは、第1接触子13_1aと接触しておらず、ベース基板11の絶縁層に接触している。また、第3摺動子23_1cは、第3接触子13_1cと接触しており、第2摺動子23_1bは、第2接触子13_1bと接触している。従って、第2摺動子23_1bと第2接触子13_1bとが導通しており、第1摺動子23_1a,と第1接触子13_1aとが非導通になっている。これにより、
図6に示す第2端子接続部14_1bが、第2接触子13_1b、第2摺動子23_1b、第3摺動子23_1c、第3接触子13_1cを介して、第3端子接続部14_1cと電気的に接続される。また、第1端子接続部14_1aは、第3端子接続部14_1cと電気的に切断される。
【0081】
可動ブロック5が所定方向(
図25における半時計周り)に回転すると、可動ブロック5は第1位置から第2位置に移動する。
図25Bに示すように、可動ブロック5が第2位置に位置しているときには、第1摺動子23_1aは、第1接触子13_1aと接触し、第3摺動子23_1cは、第3接触子13_1cと接触している。第2摺動子23_1bは、第2接触子13_1bと接触しておらず、ベース基板11の絶縁層に接触している。従って、第1摺動子23_1aと第1接触子13_1aとが導通しており、第2摺動子23_1bと第2接触子13_1bとが非導通になっている。これにより、第1端子接続部14_1aが、第1接触子13_1a、第1摺動子23_1a、第3摺動子23_1c、第3接触子13_1cを介して、第3端子接続部14_1cと電気的に接続される。また、第2端子接続部14_1bは、第3端子接続部14_1cと電気的に切断される。
【0082】
以上のように、コイルブロック6が可動ブロック5を第1位置から第2位置に所定方向に回転させると、第1摺動子23_1aは、第1接触子に対する非接触位置から接触位置に移動し、第2摺動子23_1bは、第2接触子13_1bに対する接触位置から非接触位置に移動する。第3摺動子23_1cは、第3接触子13_1cと常時接触している。
また、上述した第1〜第3摺動子23_1a,23_1b,23_1cの移動と共に、第1〜第3摺動子23_2a,23_2b,23_2cを含む他の摺動子も移動する。従って、
図10に示すように、第1摺動子23_2aが第1接触子13_2aに接触しない非接触位置(
図10A参照)から第1接触子13_2aに接触する位置(
図10B参照)に移動する。図示を省略するが、第3摺動子23_2c及び第2摺動子23_2bも、上述した第3摺動子23_1c及び第2摺動子23_1bと同様に移動する。これにより、第1摺動子23_1a,23_2aを含む複数の第1摺動子とそれに対応する複数の第1接触子とが導通する。また、第2摺動子23_1b,23_2bを含む複数の第2摺動子とそれに対応する複数の第2接触子が非導通となる。
【0083】
なお、可動ブロック5が第2位置に位置している状態で、コイルブロック6への通電が解除されても、永久磁石29の磁力および各摺動子23とベース基板11との摩擦力により、可動ブロック5が第2位置に保持される。
可動ブロック5を所定方向と逆方向に回転させて第2位置から第1位置に移動させると、接点状態は、
図25Bに示す状態から
図25Aに示す状態に戻る。すなわち、第1摺動子23_1aは、第1接触子13_1aに対する接触位置から非接触位置に移動し、第2摺動子23_1bは、第2接触子13_1bに対する非接触位置から接触位置に移動する。第3摺動子23_1cは、第3接触子13_1cと常時接触している。
【0084】
また、上述した第1〜第3摺動子23_1a,23_1b,23_1cの移動と共に、第1〜第3摺動子23_2a,23_2b,23_2cを含む他の摺動子も移動する。これにより、第1摺動子23_1a,23_2aを含む複数の第1摺動子とそれに対応する複数の第1接触子が非導通になる。第2摺動子23_1b,23_2bを含む複数の第2摺動子とそれに対応する複数の第2接触子が導通する。
【0085】
なお、可動ブロック5が第1位置に位置している状態で、コイルブロック6への通電が解除されても、永久磁石29の磁力および各摺動子とベース基板11との摩擦力により、可動ブロック5が第1位置に保持される。
以上のように、可動ブロック5の回転方向を切り換えることにより、複数のa接点と同等に機能する摺動子と接触子との導通状態と複数のb接点と同等に機能する摺動子と接触子との導通状態とを交互に切り換えることができる。
【0086】
以上説明したように、本実施形態に係るリレー1では、コイルブロック6の電磁力によって可動ブロック5が回転すると、複数の摺動子23がベース基板11上を摺動する。これにより、複数の摺動子23が複数の接触子13との接触位置に移動することで、複数の摺動子23と複数の接触子13とが導通する。また、複数の摺動子23が、ベース基板11上を摺動して、接触子13が無い位置に移動することで、複数の摺動子23と複数の接触子13とが非導通になる。
【0087】
このように、複数の摺動子23がベース基板11に接触した状態のまま移動することで、複数の摺動子23と複数の接触子13との導通状態が切り換えられる。このため、摺動子23の接触圧力を一定に保ちながら導通状態を切り換えることができるので、摺動子23と接触子13との接触信頼性を容易に向上させることができる。特に、可動ブロック5がコイルブロック6とベースブロック4とに挟み込まれていることによって、複数の摺動子23が、弾性力によってベース基板11に押し付けられる。これにより、摺動子23と接触子13との接触圧力が維持されるので、摺動子23と接触子13とのの接触信頼性をさらに向上させることができる。
【0088】
回転基板21上の小さなスペースに多数の摺動子23を配置することができる共に、ベース基板11上の小さなスペースに多数の接触子13を配置することができる。このため、回転基板21における摺動子23の数と、ベース基板11における接触子13の数とを増やすことで、大型化を抑えながら導通状態の切り換えに寄与する摺動子と接触子との組数(接点の極数)を容易に増やすことができる。また、摺動子23の配置と、回転基板21の配線パターンと、ベース基板11の配線パターンとを変更することで、導通状態の切り換えに寄与する摺動子と接触子との組数と接点構成とを変更することができる。
【0089】
例えば、リレー1の接点構成の一例を
図26に示す。
図26は、リレー1のベース基板11における結線図の一部を示す図である。
図26において1a−8a,1b−8b,1c−8cは、上述した複数の端子接続部14による接点構成を表している。
図26に示すベース基板11のパターンでは、1a−8aと1b−8bと1c−8cとは、それぞれ一対一で対応して設けられている。
【0090】
リレー1の接点構成の他の例を
図27に示す。
図27に示すベース基板11のパターンでは、1a−8aに対して1bがコモン端子となっている。すなわち、
図26の1b−8bに対応する第2接触子13が、ベース基板11におけるパターンによってコモン端子としての端子接続部14(1b)に接続されている。
この場合、端子の数を減らすことができる。それにより、端子間の距離を広げて、実装の信頼性を向上させることができる。また、端子間の距離が広がることで、耐電圧を増大させることができる。また、リレー1が実装される基板に合わせて、最適な位置にコモン端子を配置することができる。さらに、端子の数が減ることにより、リレー1が取り付けられるパターンの設計を簡略化することができる。
【0091】
以上のように、複数の端子接続部14の構成は変えずに、ベース基板11のパターンを変更するだけで、接点構成を容易に変更することができる。なお、全てのb接点をコモンとするのではなく、ベース基板11のパターンによって任意の極数を設定することができる。また、ベース基板11のパターンを変更することにより、b接点に限らず、a接点、或いはc接点をコモンとすることができる。
【0092】
複数の摺動子23は、可動ブロック5の回転方向に向かって屈曲した形状を有する。このため、回転時の摺動子23の摺動抵抗を低減することができる。また、複数の摺動子23は、所定の回転方向に向かって屈曲した形状を有する摺動子23と、所定の回転方向と逆方向に向かって屈曲した形状を有する摺動子23と、を有する。このため、回転方向の違いによる摺動抵抗の違いを小さくすることができる。
【0093】
コイルブロック6は、第1コイルユニット51と第2コイルユニット52とに分割されている。このため、コイルブロック6を小型化することができる。また、第1コイルユニット51の磁気回路と第2コイルユニット52の磁気回路とは、互いに独立である。このため、第1コイル54の磁束と第2コイル64の磁束とが互いに干渉することが抑えられる。これにより、磁気ロスを少なくして、可動ブロック5に大きな電磁力を作用させることができる。
【0094】
可動ブロック5が所定方向へ回転する場合、第1接触部223がコイルブロック6に接触することで、可動ブロック5の所定方向への回転量が規制される。可動ブロック5が所定方向と逆方向へ回転する場合、第2接触部224がコイルブロック6に接触することで、可動ブロック5の逆方向への回転量が規制される。これにより、摺動子23と接触子13との導通状態を切り換えるときの摺動子23の移動量を規定することができる。
【0095】
コイルブロック6は、支持部材26の複数の突起322,332,342,352と接触する。このため、複数の突起322,332,342,352を介して可動ブロック5を偏り少なく安定的に押圧することができる。また、可動ブロック5が回転することにより、支持部材26の複数の突起322,332,342,352とコイルブロック6とが摩擦する。従って、可動ブロック5においてコイルブロック6との摩擦により磨耗する部分を突起322,332,342,352に限定することができる。さらに、突起322,332,342,352の周囲には、凹部323,333,343,353が配置される。このため、突起322,332,342,352とコイルブロック6との摩擦によって生じた磨耗粉が凹部323,333,343,353内に収容される。これにより、磨耗粉が周囲に飛散することを抑えることができる。
【0096】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
上記の実施形態の接点構成はa接点とb接点とc接点とを有しているが、a接点のみ、b接点のみ、c接点のみであってもよく、或いは、それらの接点の任意の組み合わせであってもよい。
【0097】
a接点、b接点、c接点を構成する3つの摺動子23は、必ずしも径方向に並んで配置されなくてもよい。a接点、b接点、c接点を構成する3つの摺動子23の全て又は一部が、他の摺動子23から周方向にずれた位置に配置されてもよい。或いは、a接点、b接点、c接点を構成する3つの摺動子23の全て又は一部が、回転軸線Raを中心とする同一円周上に配置されてもよい。摺動子23に対応して配置される接触子13についても同様である。
【0098】
ベースブロック4の構造は、上記の実施形態の構造に限らず、変更されてもよい。例えば、ベース基板11は、四角形に限らず、他の形状であってもよい。ベース基板11の端子接続部14に取り付けられる端子18,19は、ベース基板11の各片に均等に配置する必要はなく、任意の位置に配置されてもよい。この場合、ベース基板11の配線パターンを変更することで、端子18,19の位置を容易に変更することができる。
【0099】
可動ブロック5の構造は、上記の実施形態の構造に限らず、変更されてもよい。例えば、接触子の第1接触部223と第2接触部224とは、第1ヨーク57と第2ヨーク59に限らず、コイルブロック6の他の部分に接触してもよい。支持部材26の突起に限らず他の構造によってコイルブロック6が支持されてもよい。回転基板21は、円板状に限らず、他の形状であってもよい。
【0100】
コイルブロック6の構造は、上記の実施形態の構造に限らず、変更されてもよい。例えば、第1コイル54と第2コイル64とに分割されていない一体のコイルが用いられてもよい。
図28に示すように、第1コイル54は、第1層541と第2層542とを有してもよい。第2コイル64は、第1層641と第2層642とを有してもよい。第2層542,642の巻線方向は、第1層541,641の巻線方向と逆向きである。第1層541,641の巻線と第2層542,642の巻線とはそれぞれ独立したコイル端子に接続される。
【0101】
例えば、
図28Aに示すように、第1コイル54の第2層542と第2コイル64の第2層642とに通電することにより、可動ブロック5が所定方向と逆方向に回転する。また、
図28Bに示すように、第1コイル54の第1層541と第2コイル64の第1層641とに通電することにより、可動コイルが所定方向に回転する。
第1コイル54と第2コイル64とは、一方づつ通電する必要はなく、両方同時に通電してもよい。この場合、コイルの巻き線方向と通電方向を適宜工夫することで、より大きな電磁力を接極子22に作用させることができる。
【0102】
第2コイル64と第2コイルボビン63とからなる部品は、第1コイル54と第1コイルボビン53とからなる部品と共通の部品であってもよい。この場合、各部品の向きを互いに変えて配置されるとよい。或いは、第2コイル64と第2コイルボビン63とからなる部品は、第1コイル54と第1コイルボビン53とからなる部品に対して、コイルボビンに対するコイルの巻回方向が異なる別部品であってもよい。
【0103】
複数の端子接続部14に接続される端子は、上記の実施形態の端子18,19のようにベース基板11から突出する線状の端子に限らず、変更されてもよい。
図29は第1変形例に係るリレー1の底面図である。
図30は、第1変形例に係るリレー1の底面の拡大図である。
図29及び
図30に示すように、第1変形例に係るリレー1では、端子がBGA(Ball Grid Array)で構成されている。すなわち、端子接続部14には球状の半田90が取り付けられてもよい。リレー1の実装時には、半田90を溶かすことで、端子接続部14が基板に電気的に接続される。
【0104】
この場合、球状の半田90が端子接続部14に配置されるため、半田90の高さ、及び位置のバラツキを低減することができる。また、端子接続部14の間隔を小さくすることができるので、多数の端子接続部14を設けることができる。従って、第1変形例に係る端子の構成は、上述した
図26に示すような端子数が多くなるベース基板のパターンにおいて特に有効である。さらに、上記の実施形態の端子18,19を省略できるため、コストを削減することができる。
【0105】
或いは、
図31に示す第2変形例のように、端子がLGA(Land Grid Array)で構成されてもよい。すなわち、端子接続部14のメッキを厚くすることで、端子接続部14を直接、端子として機能させてもよい。この場合も、上述のBGAによる端子と同様の効果を得ることができる。また、BGAによる端子よりも、端子の高さ、及び位置のバラツキをさらに低減することができる。また、端子の接触信頼性を向上させることができる。
【解決手段】リレーは、可動ブロックと、ベース基板と、コイルブロックと、複数の接触子と、を備える。可動ブロックは、所定の回転軸線を中心に回転可能に設けられる。可動ブロックは、複数の摺動子を有する。ベース基板は、可動ブロックの回転軸線方向に可動ブロックと対向して配置され、摺動子と接触する。ベース基板は、複数の摺動子と接触可能に配置される複数の接触子を有する。コイルブロックは、通電によって生じる電磁力によって、可動ブロックをベース基板に対して回転させるためのコイルを有する。可動ブロックの回転に伴って、複数の摺動子と複数の接触子との導通状態が切り換わる。