特許第5835575号(P5835575)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5835575
(24)【登録日】2015年11月13日
(45)【発行日】2015年12月24日
(54)【発明の名称】電池
(51)【国際特許分類】
   H01M 2/26 20060101AFI20151203BHJP
   H01M 2/02 20060101ALI20151203BHJP
   H01M 10/04 20060101ALI20151203BHJP
【FI】
   H01M2/26 A
   H01M2/02 A
   H01M10/04 W
【請求項の数】4
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2011-284531(P2011-284531)
(22)【出願日】2011年12月26日
(65)【公開番号】特開2013-134899(P2013-134899A)
(43)【公開日】2013年7月8日
【審査請求日】2014年5月23日
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000006286
【氏名又は名称】三菱自動車工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100101236
【弁理士】
【氏名又は名称】栗原 浩之
(74)【代理人】
【識別番号】100166914
【弁理士】
【氏名又は名称】山▲崎▼ 雄一郎
(72)【発明者】
【氏名】両國 義幸
(72)【発明者】
【氏名】細川 隆志
(72)【発明者】
【氏名】馬場 貴彦
【審査官】 井原 純
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−171286(JP,A)
【文献】 特開2011−165437(JP,A)
【文献】 特開2011−146379(JP,A)
【文献】 特開2011−192517(JP,A)
【文献】 特開2012−059492(JP,A)
【文献】 特開2012−209238(JP,A)
【文献】 特開2012−169064(JP,A)
【文献】 国際公開第2012/023392(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 2/26
H01M 2/02
H01M 10/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
正極板と負極板とがセパレータを介してオフセット積層されて積層体を形成すると共に、積層体を筒状に巻いて形成する捲回体の一方の端面を正極面とし他方の端面を負極面とする電極束と、
前記電極束の前記正極面又は前記負極面のいずれかに対応して配置され、前記正極板又は前記負極板のいずれかに接続されるリード部と、を有し、
前記リード部は、前記正極面又は前記負極面が露出された挿通部を確保しつつ前記正極面又は前記負極面の一部を覆うように当該リード部の先端部から前記電極束の厚さ方向中央側に向かって延設された羽根部を備え、
さらに、前記電極束と前記リード部を収容する外装部材、を有し、
前記外装部材には、前記電極束の表面に対向する内壁面から前記リード部と前記電極束との間に凸設されて前記外装部材の側方から前記電極束に向かう前記リード部の変形を規制する変形規制部が備えられていることを特徴とする電池。
【請求項2】
請求項1に記載の電池において、
前記羽根部は前記リード部の外側端部から延設されるように形成されていることを特徴とする電池。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の電池において、
前記正極面に接続される複数のリード部を有し、且つ、前記負極面に接続される複数のリード部を有し、
前記羽根部が、前記正極面に接続される複数のリード部間に亘って連続して設けられており、且つ、前記負極面に接続される複数のリード部間に亘って連続して設けられていることを特徴とする電池。
【請求項4】
請求項1から3の何れか一項に記載の電池において、
前記変形規制部は、前記リード部に対向する面の前記外装部材の内壁面に対する角度が鋭角となるように形成されていることを特徴とする電池。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、自動車等の車両に搭載される電池の構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば、携帯電話やパーソナルコンピュータ等の比較的小型の電子機器用の二次電池として、ニッケル水素二次電池やリチウムイオン二次電池に代表される非水電解質二次電池等が知られている。また近年は、電気自動車等の各種車両に搭載される大型の電池の開発も進んでいる。
【0003】
このような電池の構造としては、例えば、正極板と負極板とがセパレータを介して捲回されることで積層された電極群(電極束)が非水電解液と共に角形の外装部材(ケース)内に収納され、外装部材が蓋部材によって密閉されたものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
正極板及び負極板は、電極群の軸方向端部でそれぞれ集電体の一端側に接続され、集電体の他端側は蓋部材に設けられる端子部に接続されている。例えば、特許文献1に記載の構成では、正極板及び負極板は、上記集電体に相当する正極リード及び負極リードによって上記端子部に相当する正極端子及び負極端子に接続されている。これら正極リード及び負極リードは、端子部に接続される接続プレートと、接続プレートから下方に延出された短冊状の集電部とを有し、この集電部が正極板又は負極板に接続されている。そして、この集電部は、電極群の表面と略平行となるように接続プレートから下方に向かって延設されている。
【0005】
特許文献1に記載されているように、上記短冊状の集電部(リード部)は、電極群(電極束)の表面と略平行となるように接続プレートから延設されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2011−71109号公報
【特許文献2】特開2002−298906号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、このような電池が車両に搭載されている場合、電池には、例えば、車両の衝突時等に外部から大きな衝撃が加わる虞がある。上記のようにリード部が電極束の表面と略平行に延設されている構成では、リード部の外側から電池に衝撃が加わると、リード部が内側に変形して電極束に進入してしまい正極板又は負極板に接触して内部短絡が生じる虞がある。
【0008】
なお電極束から突出した正極の端部に正極集電板を溶接するようにした構造の二次電池において、電極束から突出した正極の端部(リード溶接端部)のうちの少なくとも最外周部分が内周側に傾くようにするようにしたものがある(特許文献2参照)。
【0009】
この構成では、正極の端部が負極端子を兼ねる容器の内壁に接触することによる内部短絡の発生を抑制することができる。ただしこの特許文献2に記載の構成は、集電体の変形に伴う内部短絡を抑制するものではない。
【0010】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、外部からの衝撃によってリード部が変形した場合でも、リード部の電極束への進入を抑制することができる電池を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決する本発明の第1の態様は、正極板と負極板とがセパレータを介してオフセット積層されて積層体を形成すると共に、積層体を筒状に巻いて形成する捲回体の一方の端面を正極面とし他方の端面を負極面とする電極束と、前記電極束の前記正極面又は前記負極面のいずれかに対応して配置され、前記正極板又は前記負極板のいずれかに接続されるリード部と、を有し、前記リード部は、前記正極面又は前記負極面が露出された挿通部を確保しつつ前記正極面又は前記負極面の一部を覆うように当該リード部の先端部から前記電極束の厚さ方向中央側に向かって延設された羽根部を備え、さらに、前記電極束と前記リード部を収容する外装部材、を有し、前記外装部材には、前記電極束の表面に対向する内壁面から前記リード部と前記電極束との間に凸設されて前記外装部材の側方から前記電極束に向かう前記リード部の変形を規制する変形規制部が備えられていることを特徴とする電池にある。
【0012】
かかる第1の態様では、外装部材の側方から衝撃(外力)が加わり、リード部が電極束側に変形しても、羽根部が電極束の正極面又は負極面に実質的に面接触することで、リード部の電極束側への移動が規制される。したがって、リード部の電極束の内部への進入を抑制することができる。またリード部が変形規制部に当接することで、リード部の電極束の内部への進入をより確実に抑制することができる。
【0013】
本発明の第2の態様は、第1の態様の電池において、前記羽根部は前記リード部の外側端部から延設されるように形成されていることを特徴とする電池にある。
また本発明の第の態様は、第1又は2の態様の電池において、前記正極面に接続される複数のリード部を有し、且つ、前記負極面に接続される複数のリード部を有し、前記羽根部が、前記正極面に接続される複数のリード部間に亘って連続して設けられており、且つ、前記負極面に接続される複数のリード部間に亘って連続して設けられていることを特徴とする電池にある。
【0014】
かかる第2又は第3の態様では、リード部の変形がより確実に抑制される。
【0017】
本発明の第の態様は、第1から3の何れか一つの態様の電池において、前記変形規制部は、前記リード部に対向する面の前記外装部材の内壁面に対する角度が鋭角となるように形成されていることを特徴とする電池にある。
【0018】
かかる第の態様では、リード部が変形する際、リード部が変形規制部に沿って変形することで、リード部の電極束の内部への進入がより確実に抑制される。
【発明の効果】
【0019】
かかる本発明では、外部からの衝撃によって集電体のリード部が変形した場合でも、羽根部が電極束に当接することで、リード部の電極束内への進入を抑制することができる。したがって集電体が正極板又は負極板に接触することによる内部短絡の発生を抑制することができる。また挿通部が確保されているため、正極板及び負極板とリード部とを良好に接続することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の実施形態1に係る密閉形電池の概略構成を示す分解斜視図である。
図2】本発明の実施形態1に係る密閉形電池の概略構成を示す縦断面図である。
図3】電極束の積層構造を示す概略図である。
図4】本発明の実施形態1に係る密閉形電池の概略構成を示す横断面図である。
図5】集電体のリード部の変形時の状態を説明する密閉形電池の縦断面図である。
図6】本発明に係る電池の使用態様の一例を示す概略図である。
図7】本発明に係る電池の使用態様の一例を示す概略図である。
図8】本発明に係る羽根部の変形例を示す密閉形電池の横断面図である。
図9】本発明の実施形態1に係る密閉形電池の変形例を示す横断面図である。
図10】本発明に係る変形規制部の変形例を示す密閉形電池の横断面図である。
図11】本発明の実施形態2に係る密閉形電池の概略構成を示す分解斜視図である。
図12】本発明の実施形態2に係る密閉形電池の変形例を示す横断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0022】
(実施形態1)
図1及び図2に示す本実施形態に係る電池10は、例えば、リチウムイオン電池である密閉形電池であり、正極板21及び負極板22を備える電極束(エレメント)20と、集電体30,40とが非水電解液(図示なし)と共に外装部材である電池ケース50内に収容されている。この電池ケース50の上部は、蓋部材60で密閉されている。なお電池ケース50内には、電池ケース50の内面を覆う絶縁部材55が設けられている。これにより、電池ケース50と内部に収容される電極束20及び集電体30,40との絶縁が図られている。
【0023】
詳しくは後述するが、電極束20の正極板21には集電体30の一端側が接続され、この集電体30の他端側には、蓋部材60に設けられた貫通孔61から外部に突出する正極端子部材70が接続されている。負極板22には集電体40の一端側が接続されている。この集電体40の他端側には、蓋部材60に設けられた貫通孔61から外部に突出する負極端子部材80が接続されている。
【0024】
なお蓋部材60の上下面側には、各貫通孔61の開口部に対応して絶縁シート部材90がそれぞれ配されている。正極端子部材70及び負極端子部材80は、絶縁シート部材90によって蓋部材60との絶縁が図られている。
【0025】
図3に示すように、電極束20は、例えば、金属箔からなる正極板21と負極板22とが、セパレータ23を介してオフセット積層されて積層体を形成する。そして、この積層体を筒状に巻いて形成する捲回体の一方の端面を正極面20aとし他方の端面を負極面20bとする(図1参照)。本実施形態に係る電極束20は、セパレータ23を介して帯状の正極板21及び負極板22を扁平形状に捲回することによって形成されている。
【0026】
また帯状の正極板21には、その幅方向一端部に設けられる非塗布部24を除いて、活物質が塗布された活物質塗布部25が形成されている。同様に、負極板22にも非塗布部26を除いて活物質塗布部27が形成されている。すなわち、正極板21の負極板22と重なっている部分に活物質塗布部25が形成され、負極板22の正極板21と重なっている部分に活物質塗布部27が形成されている。
【0027】
図4に示すように、電極束20の幅方向(図中左右方向)一端側、すなわち正極面20a側には、複数の正極板21の非塗布部24同士が束ねられた正極結束部28が形成されている。電極束20の幅方向他端側、すなわち負極面20b側には、複数の負極板22の非塗布部26同士が束ねられた負極結束部29が形成されている。これら正極結束部28及び負極結束部29は、例えば、略コ字状の結束部材(図示なし)等によって結束されている。本実施形態に係る電極束20には、正極結束部28及び負極結束部29がそれぞれ二つずつ設けられている。なお正極結束部28及び負極結束部29の数は、特に限定されず、それぞれ一つであってもよいし、三つ以上であってもよい。
【0028】
そしてこのような電極束20の各正極結束部28には集電体30が接続され、各負極結束部29には集電体40側が接続されている。集電体30,40は、蓋部材60に対向して設けられる板状の端子接続部31,41と、端子接続部31,41から電極束20の表面に対向して延設されるリード部32,42と、を備えている。
【0029】
集電体30の端子接続部31は、蓋部材60の外側に突出して設けられる正極端子部材70に接続されている。集電体40の端子接続部41は、蓋部材60の外側に突出して設けられる負極端子部材80に接続されている。これら端子接続部31と正極端子部材70との接続構造、及び端子接続部41と負極端子部材80との接続構造は、既存の構造を採用すればよいため、この点についての詳細な説明は省略する。
【0030】
集電体30のリード部32は、電極束20の表面、具体的には、正極結束部28の表面に対向して延設されており、正極結束部28の外側の面に接続されている。集電体40のリード部42は、負極結束部29の表面に対向して延設されており、負極結束部29の外側の面に接続されている。
【0031】
本実施形態では、電極束20は正極結束部28及び負極結束部29を二つずつ備えている。このため、集電体30は、これら二つの正極結束部28に対応する二つのリード部32を備えている。同様に、集電体40は、二つの負極結束部29に対応する二つのリード部42を備えている。具体的には、集電体30のリード部32は、端子接続部31から所定幅で二股に分岐されて各正極結束部28の外側の表面に対向して延設されている。集電体40のリード部42は、端子接続部41から所定幅で二股に分岐されて各負極結束部29の外側の表面に対向して延設されている。
【0032】
なお、各リード部32,42と正極結束部28又は負極結束部29とは、例えば、超音波溶着によって接続されている。勿論、各リード部32,42と正極結束部28又は負極結束部29との接合方法は、特に限定されるものではない。
【0033】
ここで、集電体30のリード部32は、正極面20aが露出された挿通部100を確保しつつ正極面20aの一部を覆うように延設された羽根部33を備えている。本実施形態では、図1及び図4(b)に示すように、羽根部33はリード部32の先端部に電極束20の正極面20aに対向して設けられ、挿通部100はリード部32の羽根部33よりも基端部側に確保されている。同様に、集電体40のリード部42の先端部にも羽根部43が負極面20bに対向して設けられ、挿通部100がリード部42の羽根部43よりも基端部側に確保されている。また、これらの羽根部33,43は、リード部32,42の外側(電池ケース50側)の端部から、電極束20の厚さ方向中央側に向かって延設されている。
【0034】
なお挿通部100とは、正極板21又は負極板22とリード部32,42との接続作業、本実施形態では、正極結束部28又は負極結束部29とリード部32,42とを超音波溶着によって接続する作業を行うために正極面20a又は負極面20bを露出させた部分をいう。
【0035】
このように集電体30,40の各リード部32,42に羽根部33,43が設けられていることで、電池ケース50の側方から衝撃(外力)が加わった際に、内部短絡の発生を抑制することができる。例えば、図5に示すように、電池ケース50の側方から外力が加わりリード部32が電極束20側に押圧されると、リード部32の羽根部33が電極束20の端面に実質的に面接触する。これによりリード部32の電極束20側への移動が規制される。
【0036】
本実施形態の場合、まずは羽根部33,43が正極結束部28及び負極結束部29に面接触することで、リード部32,42の変形が抑制される。羽根部33,43がさらに変形する場合に、正極結束部28及び負極結束部29と共に羽根部33,43が変形してセパレータ23を含む電極束20の端面に面接触する。これにより、リード部32の電極束20側への移動が効果的に規制される。つまり本実施形態の構成では、リード部32,42の変形を二段階で効果的に抑制することができる。したがって、リード部32の電極束20内への進入を抑えることができる。結果として、電池10における内部短絡の発生を抑制することができる。
【0037】
さらに、挿通部100が確保されていることで、各リード部32,42と正極結束部28又は負極結束部29との接続を容易に行うことができ、電池10の生産性が向上する。さらに本実施形態では電池10が角形であるため、スペース効率が高い。
【0038】
例えば、図6(a)に示すように、角形の密閉型電池である電池10は、複数個(例えば、5個〜8個程度)ずつまとめて小ケース110内に収納されてモジュール化される。さらに、複数の小ケース110が、バッテリートレイ121及びバッテリーカバー122で構成され小ケース110よりも容積の大きい大ケース(ケーシング)120内に並んで収納されて電池パック130を形成する。つまり電池パック130においては、電池10が小ケース110と大ケース120との二重ケース構造で収納されている。そして図6(b)に示すように、この電池パック130が、電気自動車等の車両200に搭載される。したがって、電池10が角形であればデットスペースを極力少なく抑えてスペース効率を高めることができる。
【0039】
なお電池パック130の配置は特に限定されるものではない。電池パック130は、例えば、車両200の重心を下げ車両200の運動性能を高めること、車室内空間を確保すること等を考慮し、車両200中央部付近の床下に取り付けられる(図6(b)参照)。或いは、車両200の車高全体を低くすることや、車両200の車室内の利便性等を考慮して、電池パック130が車両200の後部のトランクルームに取り付けられることもある。
【0040】
さらに、車両200に対する電池10の向きも、特に限定されるものではない。例えば、電池10は、その長手方向が車両200の前後方向と一致するように設けられていてもよいし、その長手方向が車両200の上下方向と一致するようになるように設けられていてもよい。何れの場合でも、車両200の車室空間を確保するためや車両200の重心を低くすること等の各種条件を考慮して、デットスペースが少なくなるよう効率良く配置することが好ましい。
【0041】
上述のように各種条件を考慮して電池10の配置を適宜決定すると、集電体30,40が車両200の中心に対し外方向に配置されることもある。すなわち電極束20の正極面20a及び負極面20b側が、図7(a)に示すように、車両の左右方向外側を向くように各電池10が配置される場合もあるし、或いは図7(b)に示すように、電極束20の正極面20a及び負極面20bが車両の前後方向外側を向くように電池10が配置されることもある。このような向きで電池10が配置されると、例えば車両200が衝突して電池10に外力が加わった際に、リード部32,42の変形による短絡が発生し易い。しかしながら、本発明の構成によれば、車両200に対する電池10の向きに拘わらず、リード部32,42の変形による短絡を効果的に抑制することができる。
【0042】
また電池ケース50の側方から外力が加わった際、リード部32,42はその基端部、つまり端子接続部31,41との境界付近を起点として変形することが多い。このためリード部32,42の電極束20側への変形量(移動量)は、リード部32,42の先端部において最も大きくなり易い。すなわちリード部32,42の先端部が、最も電極束20の内部に進入し易い。本実施形態では、リード部32,42の先端部に羽根部33,43が設けられている。したがって、リード部32,42の電極束20内部への進入をより確実に抑制することができる。
【0043】
なお本実施形態では、羽根部33,43が、リード部32,42から電極束20の厚さ方向中央側に向かって延設されているが、例えば、図8に示すように、リード部32,42から電極の厚さ方向外側にも羽根部33,43が設けられていてもよい。これにより、リード部32,42が変形した際に、羽根部33,43がより確実に電極束20の端面に面接触する。したがってリード部32,42の電極束20内部への進入をより確実に抑制することができる。
【0044】
さらに図9に示すように、電池ケース50の電極束20の表面20cに対向する内壁面51に、リード部32,42の電極束20に向かう変形を規制する変形規制部52が、集電体30,40の各リード部32,42に対応して凸設されていてもよい。例えば、本実施形態では、集電体30,40がそれぞれ二つのリード部32,42を備えているため、電池ケース50には、各リード部32,42に対応して四つの変形規制部52が設けられていることが好ましい。変形規制部52は、電極束20の表面に対向する電池ケース50の内壁面からリード部32,42と電極束20との間に凸設される。すなわち変形規制部52は、電極束20の幅方向端部近傍に、リード部32,42の内側の端面が対向する位置まで突出して設けられる。
【0045】
このような変形規制部52が設けられていることで、電池ケース50の側方から衝撃(外力)が加わった場合でも、内部短絡の発生をさらに確実に抑制することができる。例えば、電池ケース50の側方から外力が加わりリード部32が電極束20側に押圧されると、リード部32が変形規制部52に当接することで、リード部32の電極束20側への移動が規制される。つまりリード部32が変形規制部52に当接することで、リード部32,42の電極束20に向かう変形が規制される。したがって、リード部32,42の電極束20内部への進入をさらに確実に抑制することができる。
【0046】
また本実施形態では、羽根部33,43がリード部32,42の外側端部から延設されるようにしているため、各リード部32,42と、正極結束部28及び負極結束部29とを超音波溶着等によって接続する際に、羽根部33,43と正極結束部28又は負極結束部29とが干渉することがない。さらにリード部32,42の羽根部33,43よりも基端部側に挿通部100が確保されていることで、正極結束部28又は負極結束部29とリード部32,42との接続作業を容易に行うことができる。したがって、リード部32,42と正極結束部28又は負極結束部29とを良好に接続することができる。
【0047】
さらに上述の例では、変形規制部52は、リード部32,42の内側の端面に対向する対向面52aが電池ケース50の内壁面に対して略直交するように設けられているが、例えば、図10に示すように、対向面52aの電池ケース50の内壁面に対する角度θが鋭角となるように設けられていてもよい。
【0048】
変形規制部52をこのような構成としても、リード部32,42の電極束20に向かう変形を規制することができる。例えば、リード部32が電極束20側に押圧されると、リード部32が変形規制部52の対向面52aに当接した後、対向面52aに沿って変形する。すなわちリード部32,42は、変形規制部52によってガイドされて、電極束20に向かうことなく電極束20の外側に向かって変形する。このようにリード部32,42の移動方向が変形規制部52によってガイドされることで、リード部32,42の電極束20に向かう変形が規制される。したがって、リード部32,42の電極束20内部への進入をさらに確実に抑制することができる。
【0049】
(実施形態2)
図11に示す本実施形態に係る電池10Aは、各集電体30,40のリード部32,42に設けられる羽根部33,43の構成が異なる以外は、実施形態1と同様の構成であり、同一部材には同一符号を付して重複する説明は省略する。
【0050】
本実施形態に係る羽根部33Aは、集電体30の二つのリード部32間に亘って連続して設けられている。すなわち、集電体30の二つのリード部32は、その先端部同士が羽根部33Aによって連結されて一体化されている。同様に集電体40の二つのリード部42の先端部同士が羽根部43Aによって連結されて一体化されている。
【0051】
このような構成とすることで、リード部32,42が電極束20側に変形した際、羽根部33A,43Aが電極束20の端面により確実に面接触し、リード部32の電極束20内部への進入が抑制される。また本実施形態の構成においてもリード部32,42の羽根部33,43よりも基端部側には挿通部100が確保されているため、リード部32,42と正極結束部28又は負極結束部29とを良好に接続することができる。
【0052】
また、リード部32,42の先端部同士が羽根部33A,43Aによって連結されて一体化されていることで、図12に示すように、変形規制部52は、各集電体30,40のそれぞれに対して一つずつ設けられていればよい。つまり各集電体30,40の一方のリード部32,42に対応して変形規制部52が設けられていればよい。このような構成としても、リード部32,42が変形規制部52に当接することで、各リード部32,42の電極束20側への変形を抑制することができる。さらに変形規制部52の数が少なくて済むことにより、電池ケース50の容積が広がるため、電池10Aの容積効率の低下を抑制することもできる。
【0053】
以上、本発明の実施形態について説明したが、勿論、本発明は上述の実施形態に限定されるものではない。本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能なものである。
【0054】
例えば、上述の実施形態では、電池の一例として角形の密閉形電池を例示したが、本願発明は、他の構造の電池、例えば、円筒形の電池等にも適用可能なものである。
【符号の説明】
【0055】
10 電池
20 電極束
20a 正極面
20b 負極面
20c 表面
21 正極板
22 負極板
23 セパレータ
24,26 非塗布部
25,27 活物質塗布部
28 正極結束部
29 負極結束部
30,40 集電体
31,41 端子接続部
32,42 リード部
33,43 羽根部
50 電池ケース
51 内壁面
52 変形規制部
52a 対向面
55 絶縁部材
60 蓋部材
61 貫通孔
70 正極端子部材
80 負極端子部材
90 絶縁シート部材
100 挿通部
110 小ケース
120 大ケース
121 バッテリートレイ
122 バッテリーカバー
130 電池パック
200 車両
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12