(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5835594
(24)【登録日】2015年11月13日
(45)【発行日】2015年12月24日
(54)【発明の名称】解決可能な超高スループットロングトレーニングフィールド(VHTLTF)を含む複数ユーザパケットにおける巡回シフト遅延
(51)【国際特許分類】
H04J 99/00 20090101AFI20151203BHJP
H04J 11/00 20060101ALI20151203BHJP
H04B 7/02 20060101ALI20151203BHJP
H04B 7/04 20060101ALI20151203BHJP
【FI】
H04J15/00
H04J11/00 Z
H04B7/02 Z
H04B7/04
【請求項の数】12
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2013-518818(P2013-518818)
(86)(22)【出願日】2011年7月7日
(65)【公表番号】特表2013-535876(P2013-535876A)
(43)【公表日】2013年9月12日
(86)【国際出願番号】US2011043134
(87)【国際公開番号】WO2012006393
(87)【国際公開日】20120112
【審査請求日】2014年6月5日
(31)【優先権主張番号】13/177,236
(32)【優先日】2011年7月6日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/362,246
(32)【優先日】2010年7月7日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】502188642
【氏名又は名称】マーベル ワールド トレード リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】龍華国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】チャン、ホンユアン
(72)【発明者】
【氏名】スリニバサ、スディル
【審査官】
速水 雄太
(56)【参考文献】
【文献】
米国特許出願公開第2010/0046656(US,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2010/0111220(US,A1)
【文献】
Robert Stacey, et al.,Specification Framework for TGac,IEEE 802.11-09/0992r11,2010年 5月18日
【文献】
Sameer Vermani,Allert van Zelst,Interference Cancellation for Downlink MU-MIMO,IEEE802.11-09/1234r1,2010年 3月15日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04J 99/00
H04B 7/02
H04B 7/04
H04J 11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
システムであり、
複数のクライアント局にパケットで送信される複数のトレーニングフィールドを生成するトレーニングフィールド生成モジュールと、
前記パケットで送信される複数のストリームを生成するストリーム生成モジュールと、
前記複数のストリームに対し複数の巡回シフト遅延値を適用する巡回シフト遅延モジュールと
を備え、
前記複数のストリームの第1の複数のストリームは、(i)指定先が前記複数のクライアント局の第1のクライアント局であり、(ii)前記複数のトレーニングフィールドを含み、
前記複数のストリームの第2の複数のストリームは、(i)指定先が前記複数のクライアント局の第2のクライアント局であり、(ii)前記複数のトレーニングフィールドを含み、
前記複数の巡回シフト遅延値の第1の複数の値は、それぞれ、前記第1の複数のストリームに対して適用され、
前記複数の巡回シフト遅延値の第2の複数の値は、それぞれ、前記第2の複数のストリームに対して適用され、
前記第2の複数の値の少なくとも1つは、前記第1の複数の値の1つと等しく、
前記複数のクライアント局のそれぞれに送信される前記複数のトレーニングフィールドの合計数は、前記複数のストリームの合計数と等しく、
前記巡回シフト遅延モジュールは、前記複数の巡回シフト遅延値の実際の値に関わらず、前記複数のトレーニングフィールドに対し、前記複数の巡回シフト遅延値を適用する、システム。
【請求項2】
前記第1のクライアント局をさらに備え、
前記第1のクライアント局は、
前記複数のトレーニングフィールドに基づいて、(i)前記第1の複数のストリームに関する第1チャネル予測値と、(ii)前記第2の複数のストリームに関する第2チャネル予測値とを生成し、
(i)前記第1チャネル予測値および(ii)前記第2チャネル予測値に基づいて、前記第2の複数のストリームによって引き起こされる干渉を抑制する、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記パケットは、(i)前記複数のトレーニングフィールドを含むプリアンブル部分と、(ii)前記複数のクライアント局に用いられるデータを含むデータ部分とを含み、
前記巡回シフト遅延モジュールは、前記プリアンブル部分に対して適用される前記複数の巡回シフト遅延値と同じように前記データ部分に対して前記複数の巡回シフト遅延値を適用する、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記巡回シフト遅延モジュールが前記複数のストリームに対し前記複数の巡回シフト遅延値を適用した後に、前記複数のストリームを空間的にマッピングするマッピングモジュールをさらに備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
システムであり、
複数のクライアント局にパケットで送信される複数のトレーニングフィールドを生成するトレーニングフィールド生成モジュールと、
前記パケットで送信される複数のストリームを生成するストリーム生成モジュールと、
前記複数のストリームに対し複数の巡回シフト遅延値を適用する巡回シフト遅延モジュールとを備え、
前記複数のストリームの第1の複数のストリームは、(i)指定先が前記複数のクライアント局の第1のクライアント局であり、(ii)前記複数のトレーニングフィールドを含み、
前記複数のストリームの第2の複数のストリームは、(i)指定先が前記複数のクライアント局の第2のクライアント局であり、(ii)前記複数のトレーニングフィールドを含み、
前記複数の巡回シフト遅延値の第1の複数の値は、それぞれ、前記第1の複数のストリームに対して適用され、
前記複数の巡回シフト遅延値の第2の複数の値は、それぞれ、前記第2の複数のストリームに対して適用され、
前記第2の複数の値は、前記第1の複数の値と異なり、
前記複数のクライアント局のそれぞれに送信される前記複数のトレーニングフィールドの合計数は、前記複数のストリームの合計数と等しく、
前記巡回シフト遅延モジュールは、前記複数の巡回シフト遅延値の実際の値に関わらず、前記複数のトレーニングフィールドに対し、前記複数の巡回シフト遅延値を適用する、システム。
【請求項6】
前記第1のクライアント局をさらに備え、
前記第1のクライアント局は、
前記複数のトレーニングフィールドに基づいて、(i)前記第1の複数のストリームに関する第1チャネル予測値と、(ii)前記第2の複数のストリームに関する第2チャネル予測値とを生成し、
(i)前記第1チャネル予測値および(ii)前記第2チャネル予測値に基づいて、前記第2の複数のストリームによって引き起こされる干渉を抑制する、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記パケットは、(i)前記複数のトレーニングフィールドを含むプリアンブル部分と、(ii)前記複数のクライアント局に用いられるデータを含むデータ部分とを含み、
前記巡回シフト遅延モジュールは、前記プリアンブル部分に対して適用される前記複数の巡回シフト遅延値と同じように前記データ部分に対して前記複数の巡回シフト遅延値を適用する、請求項5に記載のシステム。
【請求項8】
前記巡回シフト遅延モジュールが前記複数のストリームに対し前記複数の巡回シフト遅延値を適用した後に、前記複数のストリームを空間的にマッピングするマッピングモジュールをさらに備える、請求項5に記載のシステム。
【請求項9】
方法であり、
複数のクライアント局にパケットで送信される複数のトレーニングフィールドを生成する段階と、
前記パケットで送信される複数のストリームを生成する段階と、
前記複数のストリームに対し複数の巡回シフト遅延値を適用する段階とを備え、
前記複数のストリームの第1の複数のストリームは、(i)指定先が前記複数のクライアント局の第1のクライアント局であり、(ii)前記複数のトレーニングフィールドを含み、
前記複数のストリームの第2の複数のストリームは、(i)指定先が前記複数のクライアント局の第2のクライアント局であり、(ii)前記複数のトレーニングフィールドを含み、
前記複数の巡回シフト遅延値の第1の複数の値は、それぞれ、前記第1の複数のストリームに対して適用され、
前記複数の巡回シフト遅延値の第2の複数の値は、それぞれ、前記第2の複数のストリームに対して適用され、
(i)前記第2の複数の値の少なくとも1つは、前記第1の複数の値の1つと等しいか、若しくは、前記第2の複数の値は、前記第1の複数の値と異なり、
前記複数のクライアント局のそれぞれに送信される前記複数のトレーニングフィールドの合計数は、前記複数のストリームの合計数と等しく、
前記方法は、前記複数の巡回シフト遅延値の実際の値に関わらず、前記複数のトレーニングフィールドに対し、前記複数の巡回シフト遅延値を適用する段階をさらに備える、方法。
【請求項10】
前記第1のクライアント局にて、
前記複数のトレーニングフィールドに基づいて、(i)前記第1の複数のストリームに関する第1チャネル予測値と、(ii)前記第2の複数のストリームに関する第2チャネル予測値とを生成する段階と、
(i)前記第1チャネル予測値および(ii)前記第2チャネル予測値に基づいて、前記第2の複数のストリームによって引き起こされる干渉を抑制する段階と
をさらに備える、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記パケットは、(i)前記複数のトレーニングフィールドを含むプリアンブル部分と、(ii)前記複数のクライアント局に用いられるデータを含むデータ部分とを含み、
前記プリアンブル部分に対して適用される前記複数の巡回シフト遅延値と同じように前記データ部分に対して前記複数の巡回シフト遅延値を適用する段階をさらに備える、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
前記複数のストリームに対し前記複数の巡回シフト遅延値を適用する段階の後に、前記複数のストリームを空間的にマッピングする段階をさらに備える、請求項9に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、一般的に、無線通信システムに関し、より詳細には、解決可能な超高スループットロングトレーニングフィールド(VHTLTF)を含む複数ユーザパケットにおける巡回シフト遅延(CSD)の適用に関する。
【0002】
[優先権情報]
本願は、2011年7月6日に提出された13/177,236の優先権を主張し、2010年7月7日に提出された米国仮出願第61/362,246号の利益を主張する。上記出願の開示内容は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0003】
本明細書にて提供される背景技術の説明は、本開示内容の一般的な文脈を示すことを目的とする。この背景技術で説明される本発明者による発明、および出願時に先行技術として認められないこの説明される内容の態様は、明示または黙示を問わず、本願発明の先行技術として認められない。
【0004】
図1は、複数ユーザ(MU)多入力多出力(MIMO)無線通信システム100を示す。システム100は、基地局(BS)102および複数のクライアント局STA1 104‐1、...、STAn 104‐n(まとめて、STA104と呼ぶ)。ここで、nは1より大きい整数である。BS102およびSTA104のそれぞれは、複数のアンテナを有し得る。例えばBS102は、4つのアンテナを有し得、STA104のそれぞれは、2つのアンテナを有し得る。BS102は、STA104にデータをストリーム送信する。例えばBS102は、米国電気電子技術者協会が定める1以上の規格に従い、直交周波数分割多重(OFDM)を用いて、データを変調させる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
システムは、トレーニングフィールド生成モジュールと、ストリーム生成モジュールと、巡回シフト遅延モジュールとを含む。トレーニングフィールド生成モジュールは、複数のクライアント局にパケットで送信される複数のトレーニングフィールドを生成する。ストリーム生成モジュールは、パケットで送信される複数のストリームを生成する。第1の複数のストリームは、(i)指定先が第1のクライアント局であり、(ii)複数のトレーニングフィールドを含む。第2の複数のストリームは、(i)指定先が第2のクライアント局であり、(ii)複数のトレーニングフィールドを含む。巡回シフト遅延モジュールは、複数のストリームに対し複数の巡回シフト遅延値を適用する。第1の複数の値は、それぞれ、第1の複数のストリームに対して適用される。第2の複数の値は、それぞれ、第2の複数のストリームに対して適用される。第2の複数の値の少なくとも1つは、第1の複数の値の1つと等しい。あるいは、第2の複数の値は、第1の複数の値と異なる。
【0006】
本願発明の適用可能分野は、発明を実施するための形態、特許請求の範囲および図面より明らかになるであろう。発明を実施するための形態および詳細な例は、例示のみを目的としており、本願発明の態様を限定することを意図されていない。
【図面の簡単な説明】
【0007】
本願発明は、発明を実施するための形態および添付図面によって、より完全に理解されるであろう。
【
図1】
図1は、複数ユーザ(MU)多入力多出力(MIMO)無線通信システムの機能ブロック図である。
【
図2】
図2は、本願発明に係る、MIMOダウンリンク送信において基地局(BS)から複数のクライアント局(STA)に送信される、超高スループット(VHT)複数ユーザ(MU)パケットのフォーマットを示す。
【
図3A】
図3Aは、本願発明に係る、基地局(BS)の送信機の機能ブロック図である。
【
図3B】
図3Bは、本願発明に係る、複数ユーザ(MU)パケットにおける時空間ストリームの数に応じて必要な超高スループットロングトレーニングフィールド(VHTLTF)の数を示す表である。
【
図3C】
図3Cは、本願発明に係る、複数ユーザ(MU)パケットの超高スループット(VHT)部分に用いられる巡回シフト遅延値を示す表である。
【
図4】
図4は、本願発明に係る、基地局(BS)の送信機の機能ブロック図である。
【
図5】
図5は、本願発明に係る、クライアント局(STA)の受信機の機能ブロック図である。
【
図6】
図6は、本願発明に係る、基地局(BS)から複数のクライアント局(STA)に送信される複数ユーザ(MU)パケットにおける時空間ストリームに対し、巡回シフト遅延値を適用する方法のフローチャートである。
【
図7】
図7は、本願発明に係る、クライアント局での干渉を抑制する方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図2は、本願発明の一実施形態に係る、超高スループット(VHT)複数ユーザ(MU)パケット200のフォーマットを示す。パケット200は、複数ユーザ(MU)多入力多出力(MIMO)ダウンリンク送信において、基地局(BS)から複数のクライアント局(STA)に送信される。パケット200は、VHT物理層コンバージェンスプロシージャ(PLCP)プロトコルデータユニット(PPDU)と呼ばれる。VHT PPDU200は、VHTプリアンブルおよびデータ(ペイロード)を含む。VHTプリアンブルは、以下に詳細に説明するように、STAによってチャネル予測に用いられる複数のプリアンブルフィールドを含む。
【0009】
プリアンブルフィールドは、非高スループット(non‐HT)ショートトレーニングフィールド(L‐STF)、非HTロングトレーニングフィールド(L‐LTF)、非HT信号フィールド(L‐SIG)、VHT信号フィールドA(VHT‐SIG‐A)、VHTショートトレーニングフィールド(VHT‐STF)、複数のVHTロングトレーニングフィールド(VHT‐LTF)およびVHT信号フィールドB(VHT‐SIG‐B)を含む。VHT‐SIG‐A、VHT‐STF、VHT‐LTFおよびVHT‐SIG‐Bは、VHTパケットにおいてのみ送信される。VHT‐LTFの数(
【数1】
)は1、2、4、6および8のいずれかであり得、1フレームで送信される全てのユーザに関する時空間ストリームの合計数によって決まる。
【0010】
複数ユーザ(MU)MIMOダウンリンク送信においては、基地局(BS)から複数のクライアント局(STA)に送信されるデータストリームは、STAでの複数のユーザ間の干渉を避けるべく、空間的に分離されていなければならない。例えばBSは、STAから受信したチャネル状態情報(CSI)フィードバックに基づいてストリームを空間的に分離することが出来る。しかし、CSIフィードバックは、STAでの非理想性、フィードバックチャネルの限られた容量、チャネルエイジングなどを含む要因によって、不完全である場合がある。この不完全なCSIフィードバックに基づいて送信されるストリームは、1以上のSTAにおいて干渉を引き起こす可能性がある。
【0011】
STAによっては、STAが受信するストリーム数よりも多い受信アンテナを有することもある。STAは、干渉を抑制すべく、追加の受信アンテナを用いることが出来る。しかし、干渉を抑制するには、STAは全てのユーザのストリームに関する全チャネルの情報を得る必要がある。STAが全チャネルの情報を得られるように、BSは、複数の超高スループットロングトレーニングフィールド(VHTLTF)を送信し、ダウンリンクで送信されるストリームの合計数をトレーニング出来る。STAが、指定先が当該STAである信号のチャネル、および当該STAでの干渉信号のチャネルを予測できるようにするVHTLTFは、解決可能なVHTLTFと呼ばれる。一方、STAが指定先であるストリームのみをトレーニングするLTFは、解決不可能なLTFと呼ばれる。複数ユーザ(MU)パケットは、解決可能なVHTLTFおよび解決不可能なVHTLTFのいずれかを含みうる。
【0012】
例えば、基地局(BS)が4つの送信アンテナを有しており、ダウンリンクパケットを、それぞれ2つの受信アンテナを有する4つのSTAに送信する場合を考える。それぞれのユーザは、1つのデータストリームを受信する。解決不可能なLTFを用いると、BSは、4ユーザのLTFを空間的に分離し、1ユーザあたり1つのVHTLTFを送信する。代わりに、解決可能なLTFを用いると、BSは、1ユーザあたり(つまり、STA1つあたり)4つのLTFを送信する。各STAが受信した4つのLTFによって、各STAは、4つのストリーム全てに関するチャネルを予測することが可能となり、第2受信アンテナを用いる、指定先が他のSTAであるストリームによって引き起こされる干渉を抑制することが可能となる。
【0013】
本願発明は、MIMOダウンリンク送信において、基地局(BS)から送信される異なる時空間ストリームに対し異なる巡回シフト遅延(CSD)を適用することによって、干渉を減らすことに関する。詳細には、BSにおいて時空間ストリームを空間的にマッピングする前に、異なる時空間ストリームに対し異なるCSDを適用する。このように時空間ストリームに対し適用されるCSDは、BSによって異なる時空間ストリームにおいて類似した信号が送信される際に、意図しないビーム形成を軽減することが出来る。フレームのVHTプリアンブルのVHT部分を送信する間に適用される巡回シフト遅延は、当該フレームのデータ部分(つまり、ペイロード)の送信の間にも適用される。したがって、当該フレームを受信するSTAは、当該フレームのVHTプリアンブルに基づいて生成されるチャネル予測値を用いて、当該フレームのデータ(つまり、ペイロード)を正しく復調および復号化出来る。本願発明は、解決可能なVHTLTFを対象としている。
【0014】
本願発明によれば、全ユーザに関する最大8つの時空間ストリームに対し、基地局(BS)が送信するシングルユーザ(SU)パケットは、最大8つの時空間ストリームに対応でき、複数ユーザ(MU)ダウンリンクパケットは、1ユーザあたり最大4つまたは8つの時空間ストリームに対応できる。8つという時空間ストリームの最大数は、米国電気電子技術者協会が定める802.11ac規格に従ったものである。MUダウンリンクパケットにおいて、時空間ストリームに対し、異なるCSD値を適用することが出来る。CSDの実際の値は、時空間ストリームの数に応じて変わり得る。しかし、本願発明では、CSDの実際の値に対しトランスペアレントである。つまり、本願発明では、CSDの実際の値とは関係なく、時空間ストリームに対しCSDを適用する。詳細には、本願発明は、解決可能なVHTLTFを含む複数ユーザ(MU)パケットの時空間ストリームに対しCSDを適用する、2つの異なるアプローチを提供する。
【0015】
第1のアプローチでは、CSD値は、ユーザごとにリセットされる。言い換えると、1ユーザのみが存在するかのように、それぞれのユーザのストリームに対し、同じCSD値が適用される。例えば、2ユーザ(STA1、STA2)が存在し、4つのストリーム(S1、S2、S3、S4)がある場合を考える。各ユーザはそれぞれ2つのストリームを有する。ユーザSTA1に関しては、ストリームS1に対しCSD値CSD1が適用され、ストリームS2に対しCSD値CSD2が適用される。次に、ユーザSTA2に関しては、CSD値がリセットされ、ストリームS1、S2に対し適用されたものと同じCSD値CSD1、CSD2が、それぞれ、ストリームS3、S4に対し適用される。
【0016】
一般的に、基地局(BS)がN
stsu1ストリームをSTA1に、N
stsu2ストリームをSTA2に送信する場合を考える。ここで、N
stsu1およびN
stsu2は、それぞれ、ユーザ1(STA1)およびユーザ2(STA2)のストリームの数を指し、N
stsu1およびN
stsu2は、1以上の整数である。STA1に関しては、N
stsu1に対し、CSD値(CSD(0)、CSD(1)、...、CSD(N
stsu1‐1))が適用される。次に、VHTLTFシーケンスの各ユーザごとに、CSD値がリセットされる。例えば、STA2に関しては、再びCSD(0)からCSD値が始まり、N
stsu2に対し、CSD値(CSD(0)、CSD(1)、...、CSD(N
stsu2‐1))が適用される。
【0017】
数学的に、2ユーザの複数ユーザ(MU)パケットを考えてみる。k番目のサブキャリアの解決可能なVHTLTFは、
【数2】
と表すことが出来る。ここでL
k,1は、ユーザ1(STA1)に用いられるk番目のサブキャリアのVHTLTFであり、L
k,2は、ユーザ2(STA2)に用いられるk番目のサブキャリアのVHTLTFであり、以降のユーザに関しても同様である。NLTFは、全ユーザのストリームをトレーニングするのに必要なLTFの数である。Q
k,1およびQ
k,2は、それぞれ、ユーザ1(STA1)およびユーザ2(STA2)に用いられるk番目のサブキャリアに対応する空間マッピング行列Qの要素である。D
k,1およびD
k,2は、それぞれ、ユーザ1およびユーザ2に用いられるk番目のサブキャリアにおけるCSDの効果に対応する対角位相シフト行列である。D
k,1は、(CSD(0),CSD(1)、...、CSD(N
stsu1)に応じて変わる対角要素を有するCSD行列である。D
k,2は、(CSD(0),CSD(1)、...、CSD(N
stsu2)に応じて変わる対角要素を有するCSD行列である。対角要素は、CSD(n)およびトーンインデックスkの関数である。P
1*およびP
2*は、それぞれ、VHTLTFマッピング行列(行列P)の第1行および第2行を指す。
【0018】
第2のアプローチでは、ユーザ(つまり、STA)は、基地局(BS)によって、予め決められた方法で順番付けられる。この順番はSTAに伝えられ、全てのストリームが1ユーザに属するかのように、全てのストリームに対しCSDが適用される。つまり、CSD値は、ユーザごとにリセットされない。例えば、2ユーザ(STA1、STA2)および4つのアンテナ(S1、S2、S3、S4)があったとする。ユーザSTA1に関しては、ストリームS1に対し、CSD値CSD1が適用され、ストリームS2に対し、CSD値CSD2が適用される。次に、ユーザSTA2に関しては、ストリームS3に対し、CSD値CSD3が適用され、ストリームS4に対し、CSD値CSD4が適用される。
【0019】
数学的に、第1のアプローチと同じ例を考えると、k番目のサブキャリアのVHTLTFは、
【数3】
と表すことが出来る。ここで、D
kは、(CSD(0)、CSD(1)、...、CSD(N
stsu1+N
stsu2))に応じて変わる対角要素を有するCSD行列である。対角要素は、CSD(n)およびトーンインデックスkの関数である。言い換えると、第2のアプローチでは、より多くのストリームを有する1ユーザを想定し、CSD値を適用する。
【0020】
図3A‐3Cは、本願発明に係る、VHTロングトレーニングフィールド(VHTLTF)の送信、および巡回シフト遅延(CSD)の適用をさらに詳細に示す。
図3Aにおいて、本願発明に係る基地局300は、VHTLTFを生成し、CSDを適用する送信機モジュール301を含む。送信機モジュール301は、CSDモジュール302、マッピングモジュール304、および複数の逆高速フーリエ変換(IFFT)モジュール306‐1、...、306‐nを含む(まとめて、IFFTモジュール306と呼ぶ)。ここでnは1より大きい整数である。
【0021】
CSDモジュール302は、上述した第1のアプローチか、または第2のアプローチに従い、時空間ストリームに対し、CSDを適用する。マッピングモジュール304は、CSDモジュール302の出力に対し、空間マッピング行列[Q
k]N
stsを適用する。IFFTモジュール306は、マッピングモジュール304の出力に対し、逆高速フーリエ変換を適用する。IFFTモジュール306の出力は、基地局300の送信アンテナを介して送信される。
【0022】
STAは、VHTLTFを用い、MIMOチャネルを予測する。基地局300は、パケット送信に用いられる時空間ストリーム(マッピングモジュール304の入力)に対し、トレーニングを提供する。全てのVHT送信は、1セクションのVHTLTFを含むプリアンブルを有する。各VHTLTFのデータトーンは、STAでのチャネル予測を可能とするよう、行列Pに属する要素を乗算される。各VHTLTFのパイロットトーンは、行列Rの要素を乗算される。例えば、
図3Aの乗算は、以下のように数学的に表すことが出来る。
【数4】
行列Pではなく行列Rを用いてVHTLTFシンボルのパイロットトーンを乗算することにより、STAが、VHTLTFを用いたMIMOチャネル予測の間に位相および周波数のオフセットをトラッキングすることが可能となる。
【0023】
解決可能なVHTLTFシンボルの数(
【数5】
)は、全ユーザ
【数6】
に関する時空間ストリームの合計数の関数である。例えば、
図3Bは、複数ユーザ(MU)パケットにおける時空間ストリームの数に応じて必要なVHTLTFの数を示す表である。したがって、1セクションのVHTLTFは、PPDUのVHTデータ部分の復調か、またはチャンネル予測に必要となる1つ、2つ、4つ、6つまたは8つのVHTLTFを含みうる。
【0024】
図3Cは、複数ユーザ(MU)パケットのVHT部分に用いられる巡回シフト遅延値を示す表である。類似の信号が異なる時空間ストリームで送信されるとき、VHTフォーマットのプリアンブルのVHT部分に亘って、巡回シフト遅延が適用され、ビーム形成を防ぐ。フレームのデータ部分(つまり、ペイロード)の送信の間に、これらのストリームに対し、同じ巡回シフト遅延が適用される。合計
【数7】
つの時空間ストリームのうち、時空間ストリームnに用いられるVHT‐SIG‐Aに続くMUパケットの部分に用いられる巡回シフト遅延値
【数8】
を
図3Cに示す。例えば、
図3Cに示すように、MUパケットにおいて第2のアプローチを用い、複数の時空間ストリームに関して、巡回シフト遅延値が連続的に(つまり、ユーザごとにリセットすることなく)適用される。
【0025】
図4は、本願発明に係る基地局300をさらに詳細に示す。詳細には、送信機モジュール301はさらに、VHTLTF生成モジュール307、VHTデータストリーム生成モジュール308および送信モジュール310を含む。VHTLTF生成モジュール307は、複数ユーザ(MU)パケットで複数のクライアント局に送信される複数の解決可能なVHTLTFを生成する。あくまで一例であるが、基地局300が第1のクライアント局および第2のクライアント局の2つのクライアント局にデータを送信するとする。各クライアント局は、指定先がそれぞれのクライアント局である時空間ストリームで、全ての解決可能なVHTLTFを受信する。全ての解決可能なVHTLTFを受信することにより各クライアント局は、全ての時空間ストリームに関するチャネルの情報を得ることが可能となり、また、その情報に基づいて干渉を抑制することが可能となる。解決可能なVHTLTFの合計数は、MUパケットで送信される時空間ストリームの合計数の関数である。あくまで一例であるが、各クライアント局に送信される解決可能なVHTLTFの合計数は、MUパケットで全てのクライアント局に送信される時空間ストリームの合計数と等しい。
【0026】
VHTデータストリーム生成モジュール308は、MUパケットでクライアント局に送信される複数の時空間ストリームを生成する。VHTデータストリーム生成モジュール308は、クライアント局に送信される解決可能なVHTLTFおよびデータ(つまり、ペイロード)に基づいて、時空間ストリームを生成する。あくまで一例だが、第1セットの時空間ストリームは、第1のクライアント局への送信に用いられるよう指定され、複数の解決可能なVHTLTFを含む。あくまで一例だが、第2セットの時空間ストリームは、第2のクライアント局の送信に用いられるよう指定され、複数の解決可能なVHTLTFを含む。
【0027】
CSDモジュール302は、複数の時空間ストリームに対し、複数の巡回シフト遅延値を適用する。あくまで一例だが、複数の巡回シフト遅延値の第1の複数の値は、それぞれ、指定先が第1のクライアント局である第1の複数の時空間ストリームに対して適用される。あくまで一例だが、複数の巡回シフト遅延値の第2の複数の値は、それぞれ、指定先が第2のクライアント局である第2の複数の時空間ストリームに対して適用される。巡回シフト遅延モジュールは、トランスペアレントに(つまり、巡回シフト遅延値の実際の値とは関係なく)時空間ストリームに対し巡回シフト遅延値を適用する。
【0028】
CSD値の適用に第1のアプローチを用いた場合、少なくとも第2の複数の値のうち1つは、第1の複数の値の1つと等しい。この理由は、上述したように、第2の複数の値は、第1の複数の値と等しい値へとCSD値をリセットすることによって得られるからである。CSD値の適用に第2のアプローチを用いた場合、第2の複数の値は、第1の複数の値とは異なる。この理由は、CSD値は、クライアント局ごとにリセットされないからである。
【0029】
マッピングモジュール304は、複数の時空間ストリームに対し行列Qを適用することにより、当該時空間ストリームを空間的にマッピングする。CSDモジュール302が複数の時空間ストリームに対し巡回シフト遅延値を適用した後に、マッピングモジュール304は、複数の時空間ストリームを空間的にマッピングする。送信モジュール310は、CSDによって空間的に分離された時空間ストリームを含むMUパケットを、複数の送信アンテナを介してクライアント局に送信する。
【0030】
MUパケットは、クライアント局に送信されるデータ(つまり、ペイロード)を含むデータ部分と、複数の解決可能なVHTLTFを含むプリアンブル部分とを含む。CSDモジュール302は、プリアンブル部分に対して適用される巡回シフト遅延値と同じようにデータ部分に対して巡回シフト遅延値を適用する。
【0031】
図5は、本願発明に係る、クライアント局350を示す。クライアント局350は、受信機モジュール352を含む。受信機モジュール352は、受信モジュール354、チャネル予測モジュール356、干渉キャンセラモジュール358および処理モジュール360を含む。受信モジュール354は、基地局300によって送信されたMUパケットを複数の受信アンテナを介して受信する。
【0032】
指定先がクライアント局350である第1の複数の時空間ストリームで受信された複数の解決可能なVHTLTFに基づいて、チャネル予測モジュール356は、指定先がクライアント局350である第1の複数の時空間ストリームの第1チャネル予測値を生成する。さらに、第1の複数の時空間ストリームで受信した複数の解決可能なVHTLTFに基づき、チャネル予測モジュール356は、指定先がクライアント局350ではない第2の複数の時空間ストリームの第2チャネル予測値を生成する。このように、クライアント局350は、全ての時空間ストリームに関するチャネルの情報を得る。
【0033】
全ての時空間ストリームに関するチャネルの情報に基づいて、干渉キャンセラモジュール358は、受信モジュール354が受信し、かつ、指定先がクライアント局350ではない時空間ストリームによって引き起こされる干渉を抑制する。処理モジュール360は、第1の複数の時空間ストリームのチャネル予測値に基づいて、指定先がクライアント局350である第1の複数の時空間ストリームの処理を行う。
【0034】
図6は、ダウンリンク送信される複数ユーザ(MU)パケットにおける時空間VHTデータストリームに対し、巡回シフト遅延値を適用する方法400を示す。制御は402から開始する。404において、複数のクライアント局(例えば、第1のクライアント局および第2のクライアント局の2つのクライアント局)に複数ユーザ(MU)パケットで送信される解決可能なVHTLTFを生成するよう制御する。406において、クライアント局に送信される解決可能なVHTLTFおよびデータ(つまり、ペイロード)に基づいて、クライアント局にMUパケットで送信される複数の時空間VHTデータストリームを生成するよう制御する。あくまで一例だが、第1セットの時空間VHTデータストリームは、第1のクライアント局に送信に用いられるよう指定され、複数の解決可能なVHTLTFを含む。あくまで一例だが、第2組の時空間VHTデータストリームは、第2のクライアント局に送信に用いられるよう指定され、複数の解決可能なVHTLTFを含む。
【0035】
408において、複数の時空間VHTデータストリームに対し、複数の巡回シフト遅延値を適用するよう制御する。あくまで一例だが、複数の巡回シフト遅延値の第1の複数の値は、それぞれ、指定先が第1のクライアント局である第1の複数の時空間VHTデータストリームに対して適用される。あくまで一例だが、複数の巡回シフト遅延値の第2の複数の値は、それぞれ、指定先が第2のクライアント局である第2の複数の時空間VHTデータストリームに対して適用される。トランスペアレントに(つまり、巡回シフト遅延値の実際の値とは関係なく)時空間VHTデータストリームに対し巡回シフト遅延値を適用するよう制御する。
【0036】
さらに、408において、CSD値の適用に第1のアプローチを用いた場合、第1の複数の値の少なくとも1つに等しい少なくとも1つの第2の複数の値を選択するよう制御する。この理由は、上述したように、第2の複数の値が、第1の複数の値と等しい値へとCSD値をリセットすることによって得られるよう制御するからである。CSD値の適用に第2のアプローチを用いた場合、第1の複数の値とは異なる第2の複数の値を選択するよう制御する。この理由は、上述したように、クライアント局ごとにCSDをリセットしないよう制御するからである。MUパケットは、クライアント局に送信されるデータ(つまり、ペイロード)を含むデータ部分と、複数の解決可能なVHTLTFを含むプリアンブル部分とを含む。いずれのアプローチを用いた場合であっても、VHTLTFに対して適用される巡回シフト遅延値と同じようにデータ部分に対して巡回シフト遅延値を適用するよう制御する。
【0037】
410において、複数の時空間VHTデータストリームに対し巡回シフト遅延値を適用した後に、複数の時空間VHTストリームに対し行列Qを適用することにより、当該時空間VHTストリームを空間的にマッピングするよう制御する。CSDによって空間的に分離された時空間VHTストリームを含むMUパケットを、複数の送信アンテナを介してクライアント局に送信するよう制御する。制御は412で終了する。
【0038】
図7は、本願発明に係る、クライアント局での干渉を抑制する方法500を示す。制御は502で開始する。504において、複数ユーザ(MU)パケットを受信するよう制御する。クライアント局は、指定先が当該クライアント局である第1の複数の時空間ストリームで全ての解決可能なVHTLTFを受信する。全ての解決可能なVHTLTFを受信することによりクライアント局は、全ての時空間ストリームに関するチャネルの情報を得ることが可能となり、また、その情報に基づいて干渉を抑制することが可能となる。
【0039】
506において、指定先がクライアント局である第1の複数の時空間ストリームで受信された複数の解決可能なVHTLTFに基づいて、指定先がクライアント局である第1の複数の時空間ストリームの第1チャネル予測値を生成するよう制御する。さらに、第1の複数の時空間ストリームで受信した複数の解決可能なVHTLTFに基づき、指定先がクライアント局ではない第2の複数の時空間ストリームの第2チャネル予測値を生成するよう制御する。このように、クライアント局は、全ての時空間ストリームに関するチャネルの情報を得る。
【0040】
508において、全ての時空間ストリームに関するチャネルの情報に基づいて、クライアント局が受信し、かつ、指定先がクライアント局ではない時空間ストリームによって引き起こされる干渉を抑制するよう制御する。510において、第1の複数の時空間ストリームのチャネル予測値に基づいて、指定先がクライアント局である第1の複数の時空間ストリームの処理を行うよう制御する。制御は512で終了する。
【0041】
本質的に本明細書の説明は、単に例示するものであって、その開示内容、適用例または利用例を限定することは全くもって意図されていない。説明を明確にすることを目的とし、図面においては、同様の要素を識別する際に同様の参照番号を用いた。本明細書で用いられるように、A、BおよびCの少なくとも1つとは、非排他的な論理であるORを用いた論理(AまたはBまたはC)を意味するものとして解釈されるべきである。方法における段階は、本願発明の趣旨を変更することなく、異なる順序で実行することも可能であるものとして理解されるべきである。
【0042】
本明細書で用いられるように、モジュールとは、特定用途向け集積回路(ASIC)、電子回路、組み合わせ論理回路、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、コードを実行するプロセッサ(共有、専用、グループ)、他の、説明された機能を提供する適したコンポーネント、またはシステムオンチップなどにおけるこれらのいくつか、または全ての組み合わせを意味するか、これらの一部であるか、またはこれらを含む。モジュールとは、プロセッサによって実行されるコードを格納するメモリ(共有、専用、グループ)を含んでよい。
【0043】
上記で言及されるコードとは、ソフトウェア、ファームウェアおよび/またはミクロコードを含んでよく、プログラム、ルーチン、機能、クラスおよび/またはオブジェクトを意味してもよい。上記で言及される共有とは、複数のモジュールから得られるいくつか、または全てのコードが、1つの(共有された)プロセッサを用いて実行されることを意味する。さらに、複数のモジュールから得られるいくつか、または全てのコードは、1つの(共有された)メモリに格納されてよい。上記で言及されるグループとは、1つのモジュールから得られるいくつか、または全てのコードが、複数のプロセッサからなるグループによって実行されることを意味する。さらに、1つのモジュールから得られるコードは、複数のメモリからなるグループに格納されてもよい。
【0044】
本明細書で説明する装置および方法は、1以上のプロセッサによって実行される1以上のコンピュータプログラムによって実装および実施されてよい。コンピュータプログラムは、非一時的な、有体のコンピュータ読み取り可能な媒体に格納される、プロセッサが実行可能な命令を含む。またコンピュータプログラムは、格納されたデータを含んでよい。非一時的な、有体のコンピュータ読み取り可能な媒体の非限定的な例としては、非揮発性メモリ、磁気メモリ、光学メモリなどが含まれる。
【0045】
本開示の広義な教示内容は、様々な形態で実施することが可能である。よって、本開示には特定的な例が含まれているが、図面、明細書および以下の特許請求の範囲によって他の変形例が明らかとなるので、本願発明の態様はそれら特定的な例に限定されるべきではない。