特許第5835688号(P5835688)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5835688
(24)【登録日】2015年11月13日
(45)【発行日】2015年12月24日
(54)【発明の名称】自動二輪車におけるエンジン冷却構造
(51)【国際特許分類】
   B62J 99/00 20090101AFI20151203BHJP
   B62M 7/02 20060101ALI20151203BHJP
   F01P 5/06 20060101ALI20151203BHJP
【FI】
   B62J99/00 L
   B62M7/02 X
   F01P5/06 502C
【請求項の数】4
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2011-185391(P2011-185391)
(22)【出願日】2011年8月28日
(65)【公開番号】特開2013-47023(P2013-47023A)
(43)【公開日】2013年3月7日
【審査請求日】2013年11月27日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100071870
【弁理士】
【氏名又は名称】落合 健
(74)【代理人】
【識別番号】100097618
【弁理士】
【氏名又は名称】仁木 一明
(74)【代理人】
【識別番号】100152227
【弁理士】
【氏名又は名称】▲ぬで▼島 愼二
(72)【発明者】
【氏名】石田 慎一郎
(72)【発明者】
【氏名】菊池 健彦
【審査官】 菅 和幸
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−162990(JP,A)
【文献】 特開2010−247814(JP,A)
【文献】 特開2002−145155(JP,A)
【文献】 特開平04−133887(JP,A)
【文献】 特開平10−203458(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62J 99/00
B62M 7/02
F01P 5/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体フレーム(F)に、空冷式のエンジン(E)と、該エンジン(E)の上方に配置される燃料タンク(15)とが搭載され、前記燃料タンク(15)の一部を側方から覆うシュラウド(20L,20R)に、前記エンジン(E)のシリンダヘッド(46)側に走行風を導く導風部(41L,41R)が形成される自動二輪車において、
前記シュラウド(20L,20R)が、合成樹脂から成るインナーシュラウド(21L,21R)と、該インナーシュラウド(21L,21R)とは別部材であって前記インナーシュラウド(21L,21R)を外側から覆う合成樹脂製のアウターシュラウド(22L,22R)とで構成され、
前記インナーシュラウド(21L,21R)および前記アウターシュラウド(22L,22R)間に走行風を導くようにして前方に向けて開口する走行風通路(40L,40R)が、前記アウターシュラウド(22L,22R)と、このアウターシュラウド(22L,22R)の内面から車幅方向内方に隔離した位置に配置されて前記アウターシュラウド(22L,22R)内面に内方から対向する前記インナーシュラウド(21L,21R)の対向板部(25)と、該対向板部(25)の上部および前記アウターシュラウド(22L,22R)間を連結する前記インナーシュラウド(21L,21R)の上部連結板部(26)と、前記対向板部(25)の下部および前記アウターシュラウド(22L,22R)間を連結する前記インナーシュラウド(21L,21R)の下部連結板部(27)とで外周を規定されるようにして、これら両シュラウド(21L,21R;22L,22R)間に形成され、
前記走行風通路(40L,40R)の後方で前記インナーシュラウド(21L,21R)には、前記アウターシュラウド(22L,22R)の内面形状に対応して形成されて該アウターシュラウド(22L,22R)の内面に当接する当接板部(24)と、該当接板部(24)および前記対向板部(25)の後部間に開口して前記走行風通路(40L,40R)からの走行風の流れを前記インナーシュラウド(21L,21R)の内面に案内する開口部(28)とが形成され、
前記走行風通路(40L,40R)の後方、且つ側面視で前記アウターシュラウド(22L,22R)と重なる部分で前記インナーシュラウド(21L,21R)に車幅方向外方側から内方側に凹む凹部(42)形成されることにより、前記インナーシュラウド(21L,21R)の前記部分に車幅方向内方に向けて突出する前記導風部(41L,41R)が前記インナーシュラウド(21L,21R)の内面に沿う走行風の流れを車体中心側に曲げるようにして形成されることを特徴とする自動二輪車におけるエンジン冷却構造。
【請求項2】
記燃料タンク(15)および前記インナーシュラウド(21L,21R)間に走行風を導くように、前記走行風通路(40L,40R)が、正面視で前記エンジン(E)のシリンダヘッド(46)の側方に配置されるようにして形成されることを特徴とする請求項1記載の自動二輪車におけるエンジン冷却構造。
【請求項3】
記アウターシュラウド(22L,22R)が、その前端および後端から前記インナーシュラウド(21L,21R)の一部が外部に臨むようにして前記インナーシュラウド(21L,21R)を覆うように形成されることを特徴とする請求項1または2に記載の自動二輪車におけるエンジン冷却構造。
【請求項4】
前記エンジン(E)のシリンダヘッド(46)に、車幅方向一側に開放したプラグホール(50)が形成され、該プラグホール(50)に外側から対向する前記インナーシュラウド(21L)の下部に、前記プラグホール(50)の外側方に位置するプラグホール導風部(43)が前記プラグホール(50)側に向かって突出するようにして一体に設けられ、そのプラグホール導風部(43)が、前記プラグホール(50)側に向かって走行風を絞るように先細り形状に形成されることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の自動二輪車におけるエンジン冷却構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車体フレームに、空冷式のエンジンと、該エンジンの上方に配置される燃料タンクとが搭載され、前記燃料タンクの一部を側方から覆うシュラウドに、前記エンジンのシリンダヘッド側に走行風を導く導風部が形成される自動二輪車に関し、特に、シュラウドによるエンジン冷却構造の改良に関する。
【背景技術】
【0002】
燃料タンクの一部を側方から覆うシュラウドの下部に設けられたボスに、導風板がタッピングスクリューで固定され、エンジンのシリンダヘッドにプラグホールに向かって導風板で走行風を導くようにした自動二輪車が、特許文献1で知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第4256079号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、上記特許文献1で開示されたものでは、導風板を取付けるためにシュラウドの内面にボスが一体成形されており、そのボスの形成によるヒケがシュラウドの外面側から目立ってしまう可能性がある。
【0005】
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、シュラウドの外面側にヒケが生じることがないようにしてエンジン側に効果的に走行風を導いて冷却し得るようにした自動二輪車におけるエンジンの冷却構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明は、車体フレームに、空冷式のエンジンと、該エンジンの上方に配置される燃料タンクとが搭載され、前記燃料タンクの一部を側方から覆うシュラウドに、前記エンジンのシリンダヘッド側に走行風を導く導風部が形成される自動二輪車において、前記シュラウドが、合成樹脂から成るインナーシュラウドと、該インナーシュラウドとは別部材であって前記インナーシュラウドを外側から覆う合成樹脂製のアウターシュラウドとで構成され、前記インナーシュラウドおよび前記アウターシュラウド間に走行風を導くようにして前方に向けて開口する走行風通路が、前記アウターシュラウドと、このアウターシュラウドの内面から車幅方向内方に隔離した位置に配置されて前記アウターシュラウド内面に内方から対向する前記インナーシュラウドの対向板部と、該対向板部の上部および前記アウターシュラウド間を連結する前記インナーシュラウドの上部連結板部と、前記対向板部の下部および前記アウターシュラウド間を連結する前記インナーシュラウドの下部連結板部とで外周を規定されるようにして、これら両シュラウド間に形成され、前記走行風通路の後方で前記インナーシュラウドには、前記アウターシュラウドの内面形状に対応して形成されて該アウターシュラウドの内面に当接する当接板部と、該当接板部および前記対向板部の後部間に開口して前記走行風通路からの走行風の流れを前記インナーシュラウドの内面に案内する開口部とが形成され、前記走行風通路の後方、且つ側面視で前記アウターシュラウドと重なる部分で前記インナーシュラウドに車幅方向外方側から内方側に凹む凹部形成されることにより、前記インナーシュラウドの前記部分に車幅方向内方に向けて突出する前記導風部が前記インナーシュラウドの内面に沿う走行風の流れを車体中心側に曲げるようにして形成されることを第1の特徴とする。
【0007】
また本発明は、第1の特徴の構成に加えて、前記燃料タンクおよび前記インナーシュラウド間に走行風を導くように、前記走行風通路が、正面視で前記エンジンのシリンダヘッドの側方に配置されるようにして形成されることを第2の特徴とする
【0008】
発明は、第1または第2の特徴の構成に加えて、前記アウターシュラウドが、その前端および後端から前記インナーシュラウドの一部が外部に臨むようにして前記インナーシュラウドを覆うように形成されることを第の特徴とする。
【0009】
さらに本発明は、第1〜第の特徴の構成のいずれかに加えて、前記エンジンのシリンダヘッドに、車幅方向一側に開放したプラグホールが形成され、該プラグホールに外側から対向する前記インナーシュラウドの下部に、前記プラグホールの外側方に位置するプラグホール導風部が前記プラグホール側に向かって突出するようにして一体に設けられ、そのプラグホール導風部が、前記プラグホール側に向かって走行風を絞るように先細り形状に形成されることを第の特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明の第1の特徴によれば、燃料タンクの一部を側方から覆うシュラウドをアウターシュラウドと協働して構成するとともにアウターシュラウドで外側から覆われるインナーシュラウドに、車幅方向外方側から内方側に凹む凹部が形成されることで、エンジンのシリンダヘッド側に走行風を導く導風部が車幅方向内方に向けて突出するように形成され、その導風部が側面視でアウターシュラウドと重なる位置にあるので、導風部が形成される部分でインナーシュラウドにヒケが生じていたとしてもそのヒケをアウターシュラウドで覆うことになり、外部にヒケが見えることがないようにして外観性を高めつつ、導風部でエンジン側に効果的に走行風を導いて冷却することができる。
【0011】
また、インナーシュラウドおよびアウターシュラウド間に走行風を導くようにして前方に向けて開口する走行風通路が、アウターシュラウドと、このアウターシュラウドの内面から車幅方向内方に隔離した位置に配置されてアウターシュラウド内面に内方から対向するインナーシュラウドの対向板部と、該対向板部の上部およびアウターシュラウド間を連結するインナーシュラウドの上部連結板部と、前記対向板部の下部およびアウターシュラウド間を連結するインナーシュラウドの下部連結板部とで外周を規定されるようにして、これら両シュラウド間に形成され、前記走行風通路の後方でインナーシュラウドには、アウターシュラウドの内面形状に対応して形成されて該アウターシュラウドの内面に当接する当接板部と、該当接板部および前記対向板部の後部間に開口して前記走行風通路からの走行風の流れをインナーシュラウドの内面に案内する開口部とが形成され、導風部が、走行風通路の後方に配置されて、インナーシュラウドの内面に沿う走行風の流れを車体中心側に曲げるようにしてインナーシュラウドから車幅方向内方に向けて突出されるので、インナーシュラウドおよびアウターシュラウドの前面からエンジンのシリンダヘッド側に走行風を効果的に導いて、シリンダヘッドをより効果的に冷却することができる。
【0012】
また本発明の第2の特徴によれば、正面視でエンジンのシリンダヘッドの側方に配置されて前方に向けて開口した走行風通路が、インナーシュラウドおよびアウターシュラウド間に形成され、その走行風通路によって燃料タンクおよびインナーシュラウド間に走行風を導くようにしたので、より多くの走行風を取り入れてエンジンをより効果的に冷却することができる
【0013】
発明の第の特徴によれば、アウターシュラウドの前端および後端からインナーシュラウドの一部が外部に臨むようにして、インナーシュラウドをアウターシュラウドよりも前後方向に長くしたことにより、インナーシュラウドを分割構造とするのに比べて部品点数を少なくしつつ、インナーシュラウド側に設けられる機能部の配置上の自由度が向上する。
【0014】
さらに本発明の第の特徴によれば、車幅方向一側に開放してシリンダヘッドに形成されたプラグホールの外側方に位置するプラグホール導風部が、プラグホール側に向かって突出するようにしてインナーシュラウドの下部に一体に設けられるので、プラグホールに向けて走行風を導くことができ、しかもプラグホール導風部が、プラグホール側に向かって走行風を絞るように先細り形状に形成されるので、流速を上げた走行風をプラグホールに向けて導いてプラグホールをより効果的に冷却することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】自動二輪車の左側面図である。
図2】エンジンの一部および左側シュラウドの相対配置を示す側面図である。
図3図2の3矢視正面図である。
図4図3の4矢視平面図である。
図5】インナーシュラウドおよびアウターシュラウドの分解平面図である。
図6】インナーシュラウドおよびアウターシュラウドの分解斜視図である。
図7図5の7矢視図である。
図8図3の8−8線断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の実施の形態について図1図8を参照しながら説明する。なお以下の説明で前後、上下および左右の各方向は自動二輪車に搭乗した乗員から見た方向を言うものとする。
【0017】
先ず図1において、この自動二輪車の車体フレームFが前端に有するヘッドパイプ11には、前輪WFを軸支するフロントフォーク12およびバー状の操向ハンドル13が操向可能に支承され、前記車体フレームFの前後方向中間部で上下に揺動可能に支承されるスイングアーム14の後部には後輪WRが軸支される。
【0018】
前記後輪WRを駆動する動力を発揮する空冷式のエンジンEが、前記前輪WFおよび前記後輪WR間に配置されるようにして前記車体フレームFに搭載されており、前記エンジンEの上方に配置される燃料タンク15が車体フレームFの前部に支持され、該燃料タンク15の後方に配置される乗車用シート16が車体フレームFの後部に支持され、車体フレームFの後部は左右一対のサイドカバー17…で両側方から覆われる。
【0019】
図2図4を併せて参照して、前記エンジンEは、シリンダブロック45と、該シリンダブロック45に結合されるシリンダヘッド46と、シリンダヘッド46に結合されるヘッドカバー47とを有しており、前記シリンダブロック45の外面、ならびに前記シリンダヘッド46の下部外面には、複数ずつの冷却フィン47…,48…が設けられる。
【0020】
前記シリンダヘッド46および前記ヘッドカバー47には、車幅方向一側(この実施の形態では左側)および上方に開放したプラグホール50が上下に延びるように形成される。すなわち前記シリンダヘッド46および前記ヘッドカバー47の左側部には、排気側カムシャフト(図示せず)を収容する前方側の壁部51と、吸気側カムシャフト(図示せず)を収容する後方側の壁部52とが形成されており、前記プラグホール50は、それらの壁部51,52で前後から挟まれてシリンダヘッド46およびヘッドカバー47の中心側に深く入り込む溝として形成されており、シリンダヘッド46に取付けられる点火プラグ53がプラグホール50内に配置される。
【0021】
前記燃料タンク15の一部、この実施の形態では燃料タンク15の前側下部は、左側のシュラウド20Lおよび右側のシュラウド20Rで側方から覆われており、それらのシュラウド20L,20Rは前記燃料タンク15で支持される。
【0022】
前記シュラウド20L,20Rは、合成樹脂によって形成されて前後方向に延びるインナーシュラウド21L,21Rと、該インナーシュラウド21L,21Rとは別部材であって前記インナーシュラウド21L,21Rの前半部を外側から覆う合成樹脂製のアウターシュラウド22L,22Rとで構成される。
【0023】
図5および図6を併せて参照して、左側のシュラウド20Lにおいて、アウターシュラウド22Lは、そのアウターシュラウド22Lの前端および後端からインナーシュラウド21Lの一部が外部に臨むようにしてインナーシュラウド21Lを覆うように形成されるものであり、前方に向かって略V字状に開いた凹部23を前端部に有するアウターシュラウド22Lは、前記凹部23に前記インナーシュラウド21Lの前端の一部を臨ませるようにしてインナーシュラウド21lの前半部を覆う。
【0024】
図7を併せて参照して、前記インナーシュラウド21Lの前半部には、前記アウターシュラウド22Lの内面に当接するようにして該アウターシュラウド22Lの内面形状に対応して形成される当接板部24と、該当接板24の前部から車幅方向内方に離隔した位置に配置されて前記アウターシュラウド22Lの前端部内面に内方から対向する対向板部25と、該対向板部25の上部および前記当接板部24間を連結する上部連結板部26と、前記対向板部25の下部および前記当接板部24間を連結する下部連結板部27とが形成され、前記対向板部25の後部および前記当接板部24間には上下に長い矩形の開口部28が形成される。
【0025】
前記アウターシュラウド22Lの前部内面には、前記凹部23の上方に配置される第1ボス30と、前記凹部23の下方に配置される第2ボス31とが突設され、前記アウターシュラウド22Lの後部内面には第3ボス32が突設される。一方、前記インナーシュラウド21Lの前記上部連結板部26には、第1ボス30に車幅方向内方から当接する第1取付板部34が突設され、前記インナーシュラウド21Lの前記下部連結板部27には、第2ボス31に車幅方向内方から当接する第2取付板部35が突設され、前記インナーシュラウド21Lにおける当接板部24の後部には第3ボス32に車幅方向内方から当接する取付部36が形成される。
【0026】
而して第1取付板部34に挿通されるねじ部材37が第1ボス30に螺合され、第2取付板部35に挿通されるねじ部材38が第2ボス31に螺合され、前記取付部36に挿通されるねじ部材39が第3ボス32に螺合され、それらのねじ部材37〜39を締めつけることで、前記インナーシュラウド21Lと、そのインナーシュラウド21Lと協働して左側のシュラウド20lを構成すべくインナーシュラウド21Lの前半部を外側から覆うアウターシュラウド22Lとが相互に締結されることになる。
【0027】
前記インナーシュラウド21Lおよび前記アウターシュラウド22L間には、前記インナーシュラウド21Lの前部の対向板部25、上部連結板部26および下部連結板部27と、前記アウターシュラウド22Lの前端部とで外周が規定される横断面矩形の走行風通路40Lが、前記インナーシュラウド21Lが有する前記開口部28を後端とするようにして形成される。
【0028】
前記走行風通路40Lは、前記燃料タンク15および前記インナーシュラウド21L間に走行風を導くようにして前方に向けて開口しており、正面視では前記エンジンEのシリンダヘッド46の側方に配置される。
【0029】
図8を併せて参照して、左側の前記シュラウド20Lには、エンジンEのシリンダヘッド46側に走行風を導く導風部41Lが形成されるものであり、この導風部41Lは、前記走行風通路40Lの後方に配置されており、側面視でアウターシュラウド22Lと重なる部分でインナーシュラウド21Lに形成される。
【0030】
しかも前記導風部41Lは、シュラウド20Lの内面に沿う走行風の流れを車体中心側に曲げるようにしてインナーシュラウド21Lから車幅方向内方に向けて突出されており、この導風部41Lを型成形するためインナーシュラウド21Lには車幅方向内方側に凹む凹部42が形成されることになるが、その凹部42はアウターシュラウド22Lで覆われる。
【0031】
ところでエンジンEのシリンダヘッド46およびヘッドカバー47には、車幅方向で左側に開放したプラグホール50が形成され、そのプラグホール50は、前記シリンダヘッド46および前記ヘッドカバー47に形成される壁部51,52で前後から挟まれるのであるが、そのプラグホール50に外側から対向するインナーシュラウド21Lの下部に、プラグホール50の外側方に位置するプラグホール導風部43がプラグホール50側に向かって突出するようにして一体に設けられ、このプラグホール導風部43は、プラグホール50側に向かって走行風を絞るように先細り形状に形成される。
【0032】
右側のシュラウド20Rは、前記プラグホール導風部43が設けられないことを除けば、左側のシュラウド20Lと同様に構成されるものであり、アウターシュラウド22Rは、そのアウターシュラウド22Rの前端および後端からインナーシュラウド21Rの一部が外部に臨むようにしてインナーシュラウド21Rを覆うように形成され、インナーシュラウド21Rおよびアウターシュラウド22R間に、前記燃料タンク15および前記インナーシュラウド21R間に走行風を導くようにして前方に向けて開口した走行風通路40Rが、正面視でエンジンEのシリンダヘッド46の側方に配置されるようにして形成され、走行風通路40Rの後方に配置される導風部41Rが、シュラウド20Rの内面に沿う走行風の流れを車体中心側に曲げるようにしてインナーシュラウド21Rから車幅方向内方に向けて突出され、側面視でアウターシュラウド22Rと重なる部分でインナーシュラウド21Rに導風部41Rが形成される。
【0033】
次にこの実施の形態の作用について説明すると、燃料タンク15の一部を側方から覆うシュラウド20L,20Rに、エンジンEのシリンダヘッド46側に走行風を導く導風部41L,41Rが形成されるのであるが、シュラウド20L,20Rが、合成樹脂から成るインナーシュラウド21L,21Rと、該インナーシュラウド21L,21Rとは別部材であって前記インナーシュラウド21L,21Rを外側から覆う合成樹脂製のアウターシュラウド22L,22Rとで構成され、側面視で前記アウターシュラウド22L,22Rと重なる部分で前記インナーシュラウド21L,21Rに車幅方向外方側から内方側に凹む凹部42を形成することにより、前記インナーシュラウド21L,21Rの前記部分に車幅方向内方に向けて突出する前記導風部41L,41Rが形成されるので、インナーシュラウド21L,21Rのうち前記導風部41L,41Rの形成によって生じた前記凹部42の周囲の図6の点描で示す領域Aにヒケが生じ易くなるが、インナーシュラウド21L,21Rにヒケや形状変化が生じていたとしてもそのヒケや形状変化をアウターシュラウド22L,22Rで覆うことになり、外部にヒケや形状変化が見えることがないようにして外観性を高めつつ、導風部41L,41RでエンジンE側に効果的に走行風を導いて冷却することができる。
【0034】
またインナーシュラウド21L,21Rおよびアウターシュラウド22L,22R間に、燃料タンク15およびインナーシュラウド21L,21R間に走行風を導くようにして前方に向けて開口した走行風通路40L,40Rが、正面視でエンジンEのシリンダヘッド46の側方に配置されるようにして形成されるので、より多くの走行風を取り入れてエンジンEをより効果的に冷却することができる。
【0035】
また走行風通路40L,40Rの後方に配置される前記導風部41L,41Rが、前記シュラウド20L,20Rの内面に沿う走行風の流れを車体中心側に曲げるようにして前記インナーシュラウド21L,21Rから車幅方向内方に向けて突出されるので、エンジンEのシリンダヘッド46側に走行風を効果的に導いてシリンダヘッド46をより効果的に冷却することができる。
【0036】
またアウターシュラウド22L,22Rが、その前端および後端から前記インナーシュラウド21L,21Rの一部が外部に臨むようにしてインナーシュラウド21L,21Rを覆うように形成されるので、インナーシュラウド21L,21Rをアウターシュラウド22L,22Rよりも前後方向に長くすることで、インナーシュラウドを分割構造とするのに比べて部品点数を少なくしつつ、インナーシュラウド21L,21R側に設けられる機能部の配置上の自由度が向上する。
【0037】
さらにエンジンEのシリンダヘッド46およびヘッドカバー47に形成されて車幅方向一側(この実施の形態では左側)に開放したプラグホール50に外側から対向するインナーシュラウド21Lの下部に、プラグホール50の外側方に位置するプラグホール導風部43がプラグホール50側に向かって突出するようにして一体に設けられるので、プラグホール50が壁部51,52で前後から挟まれていてもプラグホール50に向けて走行風を導くことができる。
【0038】
しかもプラグホール導風部43が、プラグホール50側に向かって走行風を絞るように先細り形状に形成されるので、流速を上げた走行風をプラグホール50に向けて導いてプラグホール50をより効果的に冷却することができる。
【0039】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明を逸脱することなく種々の設計変更を行うことが可能である。
【符号の説明】
【0040】
15・・・燃料タンク
20L,20R・・・シュラウド
21L,21R・・・インナーシュラウド
22L,22R・・・アウターシュラウド
24・・・当接板部
25・・・対向板部
26・・・上部連結板部
27・・・下部連結板部
28・・・開口部
40L,40R・・・走行風通路
41L,41R・・・導風部
43・・・プラグホール導風部
46・・・シリンダヘッド
50・・・プラグホール
E・・・エンジン
F・・・車体フレーム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8