特許第5835695号(P5835695)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5835695
(24)【登録日】2015年11月13日
(45)【発行日】2015年12月24日
(54)【発明の名称】蓋体付きカップ容器および飲食品包装体
(51)【国際特許分類】
   B65D 47/36 20060101AFI20151203BHJP
   B65D 51/22 20060101ALI20151203BHJP
   B65D 77/20 20060101ALI20151203BHJP
   B65D 85/72 20060101ALI20151203BHJP
【FI】
   B65D47/36 M
   B65D51/22
   B65D77/20 U
   B65D85/72 F
【請求項の数】6
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2012-67476(P2012-67476)
(22)【出願日】2012年3月23日
(65)【公開番号】特開2013-199289(P2013-199289A)
(43)【公開日】2013年10月3日
【審査請求日】2014年10月6日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006127
【氏名又は名称】森永乳業株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000006909
【氏名又は名称】株式会社吉野工業所
(74)【代理人】
【識別番号】100076598
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 一豊
(72)【発明者】
【氏名】牧野 收孝
(72)【発明者】
【氏名】大津 圭吾
(72)【発明者】
【氏名】福本 康洋
(72)【発明者】
【氏名】小林 隆之
(72)【発明者】
【氏名】桑原 和仁
【審査官】 佐野 健治
(56)【参考文献】
【文献】 特開2006−069658(JP,A)
【文献】 実開昭56−049771(JP,U)
【文献】 特開2009−179383(JP,A)
【文献】 特開2007−039094(JP,A)
【文献】 特開2009−154953(JP,A)
【文献】 特開2009−298449(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 47/36
B65D 51/22
B65D 77/20
B65D 85/72
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
有底筒状の胴部(2)の上端開口部に、外鍔状の口鍔片(3)を周設したカップ状の合成樹脂製容器本体(1)と、前記口鍔片(3)の上面に密接着されて容器本体(1)を密封する密封シート(4)と、前記口鍔片(3)に外装組付きして密封シート(4)を覆う蓋体(8)とから成り、有頂筒状をした前記蓋体(8)の天板(14)に、ヒンジ(23)で連結した開封可動片(17)をスリット(24)により区画形成し、前記開封可動片(17)のヒンジ(23)とは反対側の前端部に、断面が尖塔状に垂下設された破断突片(18)と、該破断突片(18)の前端から、前記開封可動片(17)が開封回動変位した際に、前記口鍔片(3)の上面に対向する位置まで延出し、押圧により撓み変形可能な押し退け片(19)を設けたことを特徴とする蓋付きカップ容器。
【請求項2】
開封可動片(17)が形成される天板(14)部分を、前方に上昇傾斜する傾斜板部(15)とした請求項1に記載の蓋付きカップ容器。
【請求項3】
開封可動片(17)に、破断突片(18)の後側部分に押圧凸部(20)を上方に膨出させて設けた請求項1または2に記載の蓋付きカップ容器。
【請求項4】
破断突片(18)の後側壁部と押圧凸部(20)の前側壁部を、一枚板状に連設させた請求項3に記載の蓋付きカップ容器。
【請求項5】
開封可動片(17)の後側に支持腕片(21)を延出状に設け、該支持腕片(21)の後端部の側部に係止片(22)をスリット(24)により天板(14)から区画形成し、前記支持腕片(21)の側方に位置する天板(14)部分に、前記係止片(22)が乗り越え係止する係止凸部(26)を上方に膨出状に設けた請求項1〜4のいずれか1項に記載の蓋付きカップ容器。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1項に記載の蓋付きカップ容器における容器本体(1)に飲食品を充填密封してなる飲食品包装体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カップ状をした容器本体の上端開口部を、アルミラミネートシート等のバリヤー性に優れた密封シートで溶着等により接着密閉し、容器本体の上端部に外装組付きした蓋体で密封シートを覆うようにした蓋体付きカップ容器およびそのカップ容器を使用した飲食品包装体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
コーヒーや紅茶等の飲料では、近年、内容物の味や風味を良好に維持することができる無菌充填システムが採用されてきており、容器本体を上端に外鍔状の口鍔片を周設したカップ状とし、口鍔片にフィルム状の密封シートを貼り付けるとともに、さらにこの密封シートを保護するためにその外側に、蓋体を口鍔片を利用して外装組付けして装着した、蓋付きカップ容器が一般的に使用されている。
【0003】
また、蓋体に配設した先端に破断突片を有する開封可動片を利用して密封シートをワンタッチで切り開き、蓋体に形成された開口部から直接、内容液を飲むタイプの蓋付きカップ容器が使用されている(例えば、特許文献1参照)。このように開封可動片を配設した蓋付きカップ容器では、蓋体の天板に内容液の注出口あるいは飲み口としての機能を発揮する開口部を形成し、この開口部の上に水平状に配設した開封可動片の先端部を押し下げて密封シートを部分的に破断して開封口を形成し、この開封口を介し、開口部から内容液を注出したり、この開口部に直接口先を当てて飲む。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−359314号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記のように蓋体に開封可動片を配設した容器では、密封シートを破断して開封口を形成した際に、形成された開封口の容器本体に近い側、すなわち内容液を注出する側の開口端縁に、破断された密封シートの一部であるシート残片が張り出した姿勢で残存状に位置して、内容液の注出状態を不安定にするばかりでなく、容器内に残存する内容液の量を増やす、と云う問題があった。
【0006】
すなわち、開封可動片で密封シートを破断して開封口を形成する際、密封シートを破断する開封可動片の破断機能部が形成されている前端部が、容器本体の開口縁部にかじり状に接触して開封することができない。これを強引に押し込んで開封口を拡大しようとすると、容器本体の開口縁部を破損して、この破損部分がゴミとして内容液中に混入する不都合の発生する場合がある。この不都合を避けるべく、開封可動片の破断機能部を、容器本体の開口縁部をかじらない位置まで内側に位置させている。このため、形成された開封口の前端部にはシート残片が形成されることになるのである。
【0007】
そこで、本発明は、上記した従来技術における問題点を解消すべく創案されたもので、密封シートに開封口を破断形成した際に、シート残片を容器本体側に張り出し状に位置させないことを技術的課題とし、もって破断形成された開封口からの内容液の注出を良好にすると共に、容器内の残存内容液の量をできる限り少なくすることができるようにすることを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決する本発明の容器の主たる手段の構成は、
有底筒状の胴部の上端開口部に、外鍔状の口鍔片を周設したカップ状の合成樹脂製容器本体と、口鍔片の上面に密接着されて容器本体を密封する密封シートと、口鍔片に外装組付きして密封シートを覆う蓋体とから構成されること、
有頂筒状をした蓋体の天板に、ヒンジで連結した開封可動片をスリットにより区画形成すること、
開封可動片のヒンジとは反対側の前端部に、断面が尖塔状に垂下設された破断突片と、この破断突片の前端から、開封可動片が開封回動変位した際に、口鍔片の上面に対向する位置まで延出し、押圧により撓み変形可能な押し退け片を設けたこと、
にある。
【0009】
密封シートを破断して開封するまでは、密封シートは蓋体に覆われて、この蓋体により保護されている状態にある。この状態から蓋体の開封可動片を押し下げて、ヒンジを軸として回動させると、開封可動片の破断突片が直下の密封シートに押し付けられて、この密封シートを破断して開封口を開設する。この開封口形成の際に、開封口の前側端縁にシート残片が張り出し状に残存形成される。
【0010】
この状態から、さらに開封可動片の押し下げを押し進めると、押し退け片が口鍔片の上面である容器本体の開口縁部に押し付けられ、そのまま押し下げられるので、押し退け片は容器本体側に押し付けられた状態を維持しながら撓み変形して下降変位する。この押し付け片の下降変位により、シート残片は容器本体側に押し倒された状態となり、開封口に張り出さない状態となる。
【0011】
なお、上記構成においては、容器の前後、左右の方向は、便宜的に、開封可動片がヒンジから区画形成されている方向を前後方向とし、破断突片が位置する方向が前方、ヒンジが位置する方向が後方とし、この前後方向に直角な横方向を左右方向とした。
【0012】
本発明の別の構成は、上記した主たる構成において、開封可動片が形成される天板部分を、前方に上昇傾斜する傾斜板部としたこと、を加えたものである。
【0013】
天板部分に傾斜板部を形成したものにあっては、蓋体の開封可動片が押し下げられることにより天板に形成される開口部の前方端縁を、周壁の上端縁間近に位置させることができる。
【0014】
また、本発明の別の構成は、上記した主たる構成において、開封可動片に、破断突片の後側部分に押圧凸部を上方に膨出させて設けたこと、を加えたものである。
【0015】
開封可動片に押圧凸部を設けたものにあっては、開封可動片の押し下げ操作の際に、この押圧凸部に押し下げ力を作用させることにより、この押圧凸部の膨出高さ分だけ開封可動片の押し下げ量を大きくすることが簡単にできる。
【0016】
また、本発明の別の構成は、上記した主たる構成に押圧凸部を加えた構成において、破断突片の後側壁部と押圧凸部の前側壁部を、一枚板状に連設させたこと、を加えたものである。
【0017】
破断突片の後側壁部と押圧凸部の前側壁部を一枚板状に連設させたものにあっては、この破断突片の後側壁部と押圧凸部の前側壁部の組み合わせ部分の機械的強度が高められ、これにより破断突片が開封可動片本体部分に対して妄りに変位することなく、安定した姿勢で位置することになる。
【0018】
また、本発明の別の構成は、上記した主たる構成に、開封可動片の後側に支持腕片を延出状に設け、この支持腕片の後端部の側部に係止片をスリットにより天板から区画形成し、支持腕片の側方に位置する天板部分に、係止片が乗り越え係止する係止凸部を上方に膨出状に設けたこと、を加えたものである。
【0019】
支持腕片と係止片と係止凸部を加えたものにあっては、密封シートに開封口を形成すべく下降回動した開封可動片を、係止片の係止凸部に対する乗り越え係止により、ヒンジの弾力により回動復帰させることなく、下降回動した位置に保持することができる。また、係止片および係止凸部は、天板の上面に位置しているので、その係止状態を直接目視することができる。さらに、係止凸部に対して係止片が乗り越え係止した際の衝撃、およびこの衝撃による音により、係止片が係止凸部を乗り越え係止したことを感知することができる。
【0020】
また、本発明の飲食品包装体の構成は、以上に説明した本発明の蓋付きカップ容器における合成樹脂製容器本体に飲食品を充填密封した、ことにある。
【0021】
本発明の蓋付きカップ容器は、非常に利便性の高いものであるため、特に内容液を飲食品とした場合にもっとも本発明のカップ容器の効果を享受することができる。ここに飲食品の形態としては、いわゆる液状のものに限られるわけではなく、半液状、流動状、固液混合状のものもあり、これらを含めて内容液として合成樹脂製容器本体に収納する。
【発明の効果】
【0022】
本発明の蓋付きカップ容器および飲食品包装体は、上記した構成となっているので、以下に示す効果を奏する。
本発明における蓋付きカップ容器の主たる構成においては、開封可動片の前端に設けられた押し退け片の押圧撓み変形により、シート残片を容器本体側に押し倒して開封口に張り出さない状態とするので、シート残片が、開封口からの内容液の注出動作の邪魔となったり、注出され難い内容液の量を増やす等の不都合の発生がなくなり、内容液の良好で好ましい注出動作を得ることができる。
【0023】
天板部分に傾斜板部を形成したものにあっては、天板に形成される開口部の前方端縁を、周壁の上端縁間近に位置させることができるので、内容液の注出を、周壁に邪魔されることなく行うことができ、これにより良好な注出動作を得ることができる。
【0024】
開封可動片に押圧凸部を設けたものにあっては、開封可動片の押し下げ量を大きくすることが簡単にできるので、開封可動片による密封シートに対する開封口形成操作を、確実かつ簡単に行うことができる。
【0025】
破断突片の後側壁部と押圧凸部の前側壁部を一枚板状に連設させたものにあっては、破断突片が開封可動片の本体部分に対して妄りに変位することなく、安定した姿勢で位置することになるので、破断突片による密封シートに対する強力で確実な破断動作を得ることができる。
【0026】
支持腕片と係止片と係止凸部を加えたものにあっては、開封可動片を下降回動位置に保持することができるので、開封可動片が内容液の注出動作に邪魔となることがなく、また開封可動片が下降回動位置に位置したことを、視覚、触感さらには音感により感知することができるので、安全な使用状況を得ることができる。
【0027】
また、本発明の蓋付きカップ容器における合成樹脂製容器本体に飲食品を充填密封した飲食品包装体にあっては、本発明の蓋付きカップ容器が発揮する優れた利便性を、内容液である飲食品の飲食に好適に適用させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】本発明の蓋付きカップ容器の一実施例の、要部斜視図である。
図2図1に示した実施例の、全体縦断側面図である。
図3図1に示した実施例の、一部拡大した全体平面図である。
図4図2の要部を拡大すると共に、細部を拡大した要部断面図である。
図5】開封動作状態を示す、要部拡大説明図である。
図6】開封状態を示す、蓋体の全体斜視図である。
図7図1に示した実施例の、主要動作を説明する要部拡大断面図である。
図8】主要動作の密封シート破断初期の状態を示す、拡大断面図である。
図9】主要動作の押し退け片の動作を説明する、拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本発明の実施の形態を、実施例に沿って図面を参照しながら説明する。
なお、本実施例では開封可動片17のヒンジ23からの延設方向を前後方向とし、そしてこの開封可動片17の延設方向に直角な横方向を左右方向としている。
【0030】
この蓋付きカップ容器は、有底筒状の胴部2の上端の開口部に外鍔状の口鍔片3を連設したカップ状の合成樹脂製の容器本体1と、口鍔片3の上面に熱溶着され、容器本体1の開口部を密封する密封シート4と、口鍔片3に外装組付きして密封シート4を覆う蓋体8の3つの部材から構成されている。
なお、各図面においては、内容液の図示は省略している。
【0031】
容器本体1(図2参照)は、合成樹脂製射出成形品、合成樹脂製シートからの熱成形品、さらには合成樹脂製発泡成形品等であり、薄肉のカップ状に成形されており、やや上方に拡径した円筒状の胴部2の上端に、外鍔状の口鍔片3を連設している。
【0032】
密封シート4(図2参照)は、アルミラミネートシート、合成樹脂製積層シート、さらには紙と合成樹脂との積層シート等で構成される。また少なくとも容器本体1の口鍔片3の上面に対向する周縁部に、口鍔片3との間に熱溶着性を有する合成樹脂材料製の熱溶着層が積層形成されている。そしてこの密封シート4を口鍔片3の上面に周状に熱溶着することにより容器本体1の開口部を密閉する。
【0033】
蓋体8(図2参照)は、合成樹脂製シートからの熱成形品であり、全体として組付き部9と本体部12により有頂円筒状に構成され、この有頂円筒状をした蓋体8の筒部分を形成する組付き部9は、蓋体8の容器本体1への組付き部分を構成し、有頂円筒状をした蓋体8の頂壁部分を形成する本体部12は、使用時に密封シート4をワンタッチで部分的に切り開くための開封可動片17を一体に配設している。
【0034】
組付き部9は、容器本体1の口鍔片3に外嵌してアンダーカット組付きをする側壁10と、この側壁10の上端部を内鍔状に曲げて、密封シート4が溶着された口鍔片3上に位置するリング片11とから構成され、リング片11の内周端縁に本体部12を連結している。
【0035】
本体部12は、天板14の周端縁から周壁13を立ち上げて構成され、周壁13は、天板14よりも下位まで垂下させた下端縁を組付き部9のリング片11の内周端縁に連結している。天板14には、ヒンジ23で上下に揺動変位可能に連結された開封可動片17と、この開封可動片17から後方に延出して設けられた支持腕片21と係止片22の組み合わせ物(図3図4参照)が、スリット24により区画形成されている。
【0036】
開封可動片17をスリット24により区画形成した天板14部分は、ヒンジ23から前方に向かって、周壁13の上端まで上昇傾斜した傾斜板部15(図3参照)となっていて、開封可動片17をスリット24により区画形成して開口形成された開口部16(図3参照)の前端開口縁が、周壁13の上端に位置するようにしている。
【0037】
開封可動片17の前端部には、断面が尖塔状に垂下設された破断突片18と、この破断突片18から前方に延出設された押し退け片19との組み合わせ物が設けられており、破断突片18は、開封可動片17の押し下げによる回動変位により下降して、下方に位置する密封シート4を容易に破断することのできる鋭い下端縁(図4参照)を有しており、押し退け片19(図4拡大図示A参照)は、その前端縁を口鍔片3の上面に対向する位置(図4参照)まで延出させており、口鍔片3に押し付けられることにより、弾性的に撓み変形する。なお、この押し退け片19の撓み変形が容易となるように、例えば肉厚を減少させた構造(図4拡大図示B参照)に成形させてもよい。
【0038】
さらに詳述すると、破断突片18は、密封シート4を破断すべく下降揺動変位した際に、容器本体1の開口縁部にかじり状に押し付けられることがないように、その前端位置が設定(図8参照)されており、そして押し退け片19は、開封可動片17が開封回動変位した際に、前記したように、容器本体1の開口部を形成する口鍔片3の上面内周端縁に、その前端縁部を対向(図8参照)させる延出幅となっている。
【0039】
開封可動片17のヒンジ23から破断突片18にかけての上面部分には、上方に錐台状に膨出形成された押圧凸部20(図4参照)が設けられており、この押圧凸部20の傾斜した前端壁は、そのまま破断突片18の傾斜した後側壁に一枚板状に繋がって(図4参照)いて、破断突片18の開封可動片17本体部分に対して機械的に結合強度を高めている。なお、この押圧凸部20の上面には滑り止め用の複数の突片(図1図3図6参照)を付形するのがよい。
【0040】
開封可動片17から後方に延出して設けられた支持腕片21と係止片22との組み合わせ物(図1図3参照)は、押圧凸部20の上部部分から傾斜した角溝状に構成された支持腕片21を後方に延出して設け、この支持腕片21の後端部から、左右に板片状の係止片22を連設して構成されており、支持腕片21は角溝状に構成されることにより変形し難い構造となり、両係止片22を安定的に支持している。
【0041】
支持腕片21の左右側近に位置する天板14部分には、各係止片22に対向する姿勢で、上方に角錐台状に膨出形成された係止凸部26(図1図3参照)が設けられており、開封可動片17が密封シート4を破断する開封回動をした際に、予め設定された所望する回動位置で、係止片22がこの係止凸部26に乗り越え係止(図5図6参照)して、開封可動片17をこの所望する回動位置に保持する。
【0042】
開封可動片17および支持腕片21と係止片22の組み合わせ物は、ヒンジ23で天板14に連結されているだけであるので、使用前に回動変位し易い状態となっているが、開封可動片17および支持腕片21と係止片22の組み合わせ物と天板14との間に、スリット24を横断する構成で、破断し易い連結片25(図3の拡大丸印部分参照)を設けることにより、使用前の蓋体8の安定した状態を得ることができる。
【0043】
次に、上記実施例の容器の使用態様について説明する。
蓋付きカップ容器を開封する際には、開封可動片17の押圧凸部20(図7参照)の上面に指先を押し付けて、そのまま押し下げる。そうすると、開封可動片17がヒンジ23を軸(図5参照)にして、回動変位して破断突片18を下降変位(図8参照)させるので、破断突片18は直下の密封シート4部分を破断して開封口5を形成し始める。この際、密封シート4の破断された切断シート片6は、破断突片18により押し下げ(図8参照)られ、また形成し始めた開封口5の前端縁には、容器本体1に付着残存した状態でシート残片7(図8参照)形成されている。この際、支持腕片21と係止片22との組み合わせ物は、開封可動片17とは反対に、係止片22が上昇変位する方向に回動変位する。
【0044】
この状態から、開封可動片17に対する押し下げをさらに押し進めると、容器本体1の口鍔片3上の密封シート4に押し付けられた押し退け片19が弾性撓み変形して、容器本体1側に押圧力を作用させながら、この容器本体1の開口縁部の内表面に沿って下降移動するので、容器本体1の開口部に残存形成されたシート残片7は、押し退け片19により容器本体1の内表面に押し付けられた状態で押し倒され(図9参照)、形成された開封口5の前端縁に張り出し状に位置することがない。
【0045】
さらに開封可動片17の押し下げによる回動(図5における矢印X参照)を進めると、開封可動片17により開封口5が十分な大きさに開口されると共に、係止片22が係止凸部26に対して乗り越え係止(図5参照)し、開封可動片17が開封口5および開口部16を塞ぐ方向に回動復帰するのを防止して、開封口5および開口部16の安定した開放状態を維持する。これにより、内容液の安定した流動(流出)特性を確保することができ、安心して注出したり、飲んだりすることができる。
【0046】
この係止片22の係止凸部26に対する係止による、開封回動片17の所望回動位置での係止保持は、係止片22と係止凸部26の係止状態を目視することによる他に、係止片22が係止凸部片26を乗り越えた際における衝撃に伴う触感や衝撃音により知ることができるので、開封回動片17が所望する回動位置に保持されたことを確実に認識することができる。
【0047】
なお、押し退け片19の、シート残片7を押し倒すための弾性撓み変形に際して、蓋体8が合成樹脂製シートからの熱成形品であるので、押圧凸部20から破断突片18そして押し退け片19にかけての部分全体が、弾性的に撓み変形する傾向が生じる。この全体的な撓み変形により、シート残片7を押し倒す押し退け片19の良好な撓み変形が助長される傾向があり、この場合、シート残片7の押し倒しを無理なく行うことができることになる。特に、破断突片18が中空構造となっているので、この破断突片18が撓み変形(図示省略)し易い傾向が現れ易い。
【0048】
以上、本発明の実施の形態とその作用効果を実施例に沿って説明したが、本発明の実施の形態は上記実施例に限定されるものではない。例えば、蓋体8を射出成形により成形することが可能であり、係止片22および係止凸部26をそれぞれ一つにすることも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0049】
以上説明したように、本発明の蓋付きカップ容器は、密封シートに、内容液の良好な注出を得ることのできる開封口を形成して、内容液の安定して好ましい注出状態を得ることができるものであり、飲料用等の分野での幅広い利用展開が期待できる。
【符号の説明】
【0050】
1 ;容器本体
2 ;胴部
3 ;口鍔片
4 ;密封シート
5 ;開封口
6 ;切断シート片
7 ;シート残片
8 ;蓋体
9 ;組付き部
10;側壁
11;リング片
12;本体部
13;周壁
14;天板
15;傾斜板部
16;開口部
17;開封可動片
18;破断突片
19;押し退け片
20;押圧凸部
21;支持腕片
22;係止片
23;ヒンジ
24;スリット
25;連結片
26;係止凸部
X ;矢印
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9