特許第5835801号(P5835801)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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特許583580118F標識化合物の製造方法及びその方法に用いる高分子化合物
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5835801
(24)【登録日】2015年11月13日
(45)【発行日】2015年12月24日
(54)【発明の名称】18F標識化合物の製造方法及びその方法に用いる高分子化合物
(51)【国際特許分類】
   C07H 5/02 20060101AFI20151203BHJP
   A61K 51/00 20060101ALI20151203BHJP
   C07B 61/00 20060101ALI20151203BHJP
   C08F 236/20 20060101ALI20151203BHJP
   C07B 59/00 20060101ALN20151203BHJP
【FI】
   C07H5/02
   A61K49/02
   C07B61/00 300
   C08F236/20
   !C07B59/00
【請求項の数】8
【全頁数】36
(21)【出願番号】特願2011-553844(P2011-553844)
(86)(22)【出願日】2011年2月8日
(86)【国際出願番号】JP2011052630
(87)【国際公開番号】WO2011099480
(87)【国際公開日】20110818
【審査請求日】2013年10月28日
(31)【優先権主張番号】特願2010-29295(P2010-29295)
(32)【優先日】2010年2月12日
(33)【優先権主張国】JP
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】304021417
【氏名又は名称】国立大学法人東京工業大学
(73)【特許権者】
【識別番号】304027279
【氏名又は名称】国立大学法人 新潟大学
(74)【代理人】
【識別番号】100107870
【弁理士】
【氏名又は名称】野村 健一
(74)【代理人】
【識別番号】100098121
【弁理士】
【氏名又は名称】間山 世津子
(72)【発明者】
【氏名】高橋 孝志
(72)【発明者】
【氏名】田中 浩士
(72)【発明者】
【氏名】中田 力
【審査官】 東 裕子
(56)【参考文献】
【文献】 特表2005−512952(JP,A)
【文献】 特表2007−500688(JP,A)
【文献】 特表2008−520636(JP,A)
【文献】 国際公開第2007/066089(WO,A1)
【文献】 国際公開第2009/083530(WO,A1)
【文献】 特開平09−263594(JP,A)
【文献】 特開2007−031647(JP,A)
【文献】 特表2005−520042(JP,A)
【文献】 特開平06−157572(JP,A)
【文献】 J.Org.Chem.,1981年,Vol.46,pp.2125-2130
【文献】 Masao Tomoi, et al.,Phase-Transfer Reactions Catalyzed by Polymer-Supported Crown Ethers,Journal of Polymer Science,1984年,Vol. 22,pp.911-926
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07H 5/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
標識前駆体化合物の残基と相間移動触媒の残基とを分子中に含む高分子化合物を、18Fと反応させ、18Fで標識された化合物を高分子化合物から切り出すことを特徴とする18F標識化合物の製造方法であって、高分子化合物が、下記の式(I)
CH=C=CH−L−SO−X (I)
〔式中、Lはリンカーを表し、Xは標識前駆体化合物の残基を表す。〕
で表される標識前駆体化合物の残基を含む単量体と、下記の式(II)
CH=C=CH−L−Y (II)
〔式中、Lはリンカーを表し、Yは相間移動触媒の残基を表す。〕
で表される相間移動触媒の残基を含む単量体の共重合によって得られる高分子化合物であることを特徴とする18F標識化合物の製造方法。
【請求項2】
高分子化合物が、下記の式(Ia)、(Ib)、(IIa)、及び(IIb)
【化1】
〔式中、L及びLリンカーを表し、Xは標識前駆体化合物の残基を表し、Yは相間移動触媒の残基を表す。〕
で表される構造単位を含む高分子化合物であることを特徴とする請求項1に記載の18F標識化合物の製造方法。
【請求項3】
相間移動触媒が、クリプトフィックス[2,2,2]、12−クラウン−4、15−クラウン−5、18−クラウン−6、ベンゾ−12−クラウン−4、ベンゾ−15−クラウン−5、又はベンゾ−18−クラウン−6であることを特徴とする請求項1又は2に記載の18F標識化合物の製造方法。
【請求項4】
標識前駆体化合物が、下記の式(A)又は(B)
【化2】
〔式中、R、R、及びRは任意の基を表す。〕
で表される化合物であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の18F標識化合物の製造方法。
【請求項5】
18F標識化合物が、2-18F-フルオロ-2-デオキシ-D-グルコース、2-18F-フルオロ-2-デオキシ-D-マンノース、3-18F-フルオロ-3-デオキシ-D-グルコース、O-(2-[18F]フルオロエチル)-L-タイロシン、3’-[18F]-フルオロ-3’-デオキシジミジン、16α-[18F]-フルオロ-17β-エストラジオール、又は[18F]-フルオロミソニダゾ-ルであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の18F標識化合物の製造方法。
【請求項6】
下記の式(Ia)、(Ib)、(IIa)、及び(IIb)
【化3】
〔式中、L及びLリンカーを表し、Xは標識前駆体化合物の残基を表し、Yは相間移動触媒の残基を表す。〕
で表される構造単位を含む高分子化合物。
【請求項7】
相間移動触媒が、クリプトフィックス[2,2,2]、12−クラウン−4、15−クラウン−5、18−クラウン−6、ベンゾ−12−クラウン−4、ベンゾ−15−クラウン−5、又はベンゾ−18−クラウン−6であることを特徴とする請求項6に記載の高分子化合物。
【請求項8】
標識前駆体化合物が、下記の式(A)又は(B)
【化4】
〔式中、R、R、及びRは任意の基を表す。〕
で表される化合物であることを特徴とする請求項6又は7に記載の高分子化合物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、18Fで標識された化合物の製造方法、及びその製造方法に用いる高分子化合物に関する。
【0002】
18F核種は半減期が約2時間であるため、迅速かつ簡便な製造方法が求められている。本発明の製造方法では、高分子化合物に固定化された標識前駆体化合物が18Fで標識されることによって高分子化合物から切り出されるため、目的物の精製を迅速かつ簡便に行うことができる。また、高分子化合物に標識前駆体化合物とクラウンエーテルの両方を含ませることにより反応性が向上しているため、より効率的な18F標識化合物の製造が可能である。
【背景技術】
【0003】
癌などの疾患の診断に利用されるPET検査では、18Fで標識された化合物がプローブとして用いられている。18Fで標識された化合物は、例えば、以下の液相合成法や固相合成法などによって製造される。
【0004】
液相合成法:標識前駆体化合物(標識しようとする化合物)に対して微量の18Fイオンを用いて反応させる。したがって、生成物には過剰の未反応の標識前駆体化合物が含まれるので、目的化合物の精製に非常に多くの労力を必要とする。また、フッ化物イオンの低い反応性を克服する為に、反応性の高い標識前駆体化合物、すなわち、安定性の低い標識前駆体化合物を用いる場合が多い。
【0005】
固相合成法:固相上に固定化された標識前駆体化合物を用い反応生成物のみ溶液中に切り出すことにより、未反応生成物と反応生成物との分離を容易にする(特許文献1、特許文献2、非特許文献1)。この方法は、化合物の精製を容易にする効果的な手法であると期待された。しかしながら、固相上に固定化された標識前駆体化合物は反応性が一般に低下する。また、固相上に固定化することにより、容積効率が低下し必要な溶媒量が増えるため、フッ化物イオンの濃度を高く保つことが難しい。そのため、得られる化合物の純度は高いものの、十分な量の生成物を得ることが困難である。このような固相合成法の問題点は、Romain Bejot et al., Angew. Chem. Int Ed. 2009, 48, 586-589においても指摘されている(586頁左欄下から2行〜右欄3行)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特表2006-510706号公報
【特許文献2】特表2007-500688号公報
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】Lynda J. Brown et al., Angew. Chem. Int Ed.2007, 46, 941-944
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、従来の18F標識化合物の製造方法の問題点、即ち、液相合成法における化合物の精製の問題点と固相合成法における反応性の低下による収量不足の問題点を解決する手段を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した固相合成法では、固定化された標識前駆体化合物とフッ化物イオンは、クラウンエーテル(相間移動触媒)の存在下で反応させている(例えば、特許文献1の実施例2(vi)及び特許文献2の実施例22)。本発明者は、このクラウンエーテルを標識前駆体化合物と共に高分子化合物上に固定することにより、標識前駆体化合物とフッ化物イオンの反応性が著しく向上することを見出した。高分子化合物上に固定されたクラウンエーテルは、遊離状態のクラウンエーテルよりも、一般的には、触媒としての反応性が低いと予測される。従って、クラウンエーテルを高分子化合物上に固定することにより、標識前駆体化合物とフッ化物イオンの反応性が向上するということは、本願出願時において全く予測できないことであった。
【0010】
本発明は、以上の知見に基づいて完成されたものである。
【0011】
即ち、本発明は、以下の(1)〜(10)を提供する。
(1)標識前駆体化合物の残基と相間移動触媒の残基とを分子中に含む高分子化合物を、18Fと反応させ、18Fで標識された化合物を高分子化合物から切り出すことを特徴とする18F標識化合物の製造方法。
(2)高分子化合物が、標識前駆体化合物の残基を含む単量体と相間移動触媒の残基を含む単量体の共重合によって得られる高分子化合物であることを特徴とする(1)に記載の18F標識化合物の製造方法。
(3)標識前駆体化合物の残基を含む単量体が、下記の式(I)
CH=C=CH−L−SO−X (I)
〔式中、Lはリンカーを表し、Xは標識前駆体化合物の残基を表す。〕
で表される単量体であり、相間移動触媒の残基を含む単量体が、下記の式(II)
CH=C=CH−L−Y (II)
〔式中、Lはリンカーを表し、Yは相間移動触媒の残基を表す。〕
で表される単量体であることを特徴とする(2)に記載の18F標識化合物の製造方法。
(4)高分子化合物が、下記の式(Ia)、(Ib)、(IIa)、及び(IIb)
【0012】
【化1】
〔式中、L及びLリンカーを表し、Xは標識前駆体化合物の残基を表し、Yは相間移動触媒の残基を表す。〕
で表される構造単位を含む高分子化合物であることを特徴とする(1)乃至(3)のいずれかに記載の18F標識化合物の製造方法。
(5)相間移動触媒が、クリプトフィックス[2,2,2]、12−クラウン−4、15−クラウン−5、18−クラウン−6、ベンゾ−12−クラウン−4、ベンゾ−15−クラウン−5、又はベンゾ−18−クラウン−6であることを特徴とする(1)乃至(4)のいずれかに記載の18F標識化合物の製造方法。
(6)標識前駆体化合物が、下記の式(A)又は(B)
【0013】
【化2】
〔式中、R、R、及びRは任意の基を表す。〕
で表される化合物であることを特徴とする(1)乃至(5)のいずれかに記載の18F標識化合物の製造方法。
(7)18F標識化合物が、2-18F-フルオロ-2-デオキシ-D-グルコース、2-18F-フルオロ-2-デオキシ-D-マンノース、3-18F-フルオロ-3-デオキシ-D-グルコース、O-(2-[18F]フルオロエチル)-L-タイロシン、3’-[18F]-フルオロ-3’-デオキシチミジン、16α-[18F]-フルオロ-17β-エストラジオール、又は[18F]-フルオロミソニダゾールであることを特徴とする(1)乃至(6)のいずれかに記載の18F標識化合物の製造方法。
(8)下記の式(Ia)、(Ib)、(IIa)、及び(IIb)
【0014】
【化3】
〔式中、L及びLリンカーを表し、Xは標識前駆体化合物の残基を表し、Yは相間移動触媒の残基を表す。〕
で表される構造単位を含む高分子化合物。
(9)相間移動触媒が、クリプトフィックス[2,2,2]、12−クラウン−4、15−クラウン−5、18−クラウン−6、ベンゾ−12−クラウン−4、ベンゾ−15−クラウン−5、又はベンゾ−18−クラウン−6であることを特徴とする(8)に記載の高分子化合物。
(10)標識前駆体化合物が、下記の式(A)又は(B)
【0015】
【化4】
〔式中、R、R、及びRは任意の基を表す。〕
で表される化合物であることを特徴とする(8)又は(9)に記載の高分子化合物。
【発明の効果】
【0016】
本発明は、例えば、以下のような効果を有する。
1)標識化された化合物のみ高分子化合物から切り出されるため、標識化された化合物と、標識前駆体化合物及び相間移動触媒の分離精製が容易である。
2)標識前駆体化合物と相間移動触媒から高分子化合物を構築するため、容積効率は従来の溶媒に可溶な標識前駆体化合物を使用した場合と同程度である。
3)通常の溶媒に可溶な標識前駆体化合物を用いて反応を行う場合よりも反応性が高い。そのため、従来のよりも安定な標識前駆体化合物を用いて効率的なフッ素化が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】[18F]3-FDG溶液を注入したマウスの頭部のPET画像。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0019】
本発明の18F標識化合物の製造方法は、標識前駆体化合物の残基と相間移動触媒の残基とを分子中に含む高分子化合物を、18Fと反応させ、18Fで標識された化合物を高分子化合物から切り出すことを特徴とするものである。
【0020】
製造対象とする18F標識化合物は特に限定されないが、18F標識化合物は主としてPETによる疾患の診断のためのプローブとして用いられるので、このPET用プローブとして使用されている糖やアミノ酸などを製造対象とすることができる。具体的には、2-18F-フルオロ-2-デオキシ-D-グルコース、2-18F-フルオロ-2-デオキシ-D-マンノース、3-18F-フルオロ-3-デオキシ-D-グルコース、O-(2-[18F]フルオロエチル)-L-タイロシン、3’-[18F]-フルオロ-3’-デオキシチミジン、16α-[18F]-フルオロ-17β-エストラジオール、[18F]-フルオロミソニダゾールなどを製造対象とすることができる。また、PETは疾患の診断だけでなく、薬剤の体内動態を知るためにも利用されているので、そのような薬剤も製造対象とすることができる。前述したように、本発明の18F標識化合物の製造方法は、標識された化合物の精製が容易であるという点に特徴があるが、この特徴は、18Fで標識された薬剤の製造に適したものである。なぜなら、18Fで標識される化合物が糖やアミノ酸のように、体内に多量に存在する化合物の場合は、標識化合物を未精製の状態で投与しても問題はほとんど生じないが、18Fで標識される化合物が薬剤の場合、未精製の状態で投与すると、非標識化合物が標識化合物の結合等を阻害するため、薬剤の正確な動態を把握できないという問題が生じるからである。
【0021】
標識前駆体化合物は、18Fとの反応により、18Fで標識された形で高分子化合物から切り出されてくるものであれば特に限定されない。以下の(A)又は(B)で表される化合物は、高分子化合物中で以下の(A−1)又は(B−1)で表される残基として存在し、18Fとの反応により、以下の(A−2)又は(B−2)で表される化合物として高分子化合物から切り出されてくる。従って、以下の(A)又は(B)で表される化合物を標識前駆体化合物として用いることができる。
【0022】
【化5】
〔式中、R、R、及びRは、任意の基を表す。〕
、R、及びRは、上記のように任意の基でよいが、これらの基の中に水酸基が含まれると、その水酸基に18Fが導入されてしまう可能性がある。従って、R、R、及びR中に水酸基が含まれる場合は、適当な保護基により保護しておくことが好ましい。
【0023】
好適な標識前駆体化合物としては、2-18F-フルオロ-2-デオキシ-D-グルコースの標識前駆体である1,3,4,6-テトラ-O-アセチル-β-D-マンノピラノース及び2-(トリメチルシリル)エチル4,6-イソプロピリデン-O-3-(エトキシエチル)-マンノシド、3-18F-フルオロ-3-デオキシ-D-グルコースの標識前駆体である1,2,5,6-ジ-O-イソプロピリデン-α-D-アロフラノース、2-18F-フルオロ-2-デオキシ-D-マンノースの前駆体である2-(トリメチルシリル)エチル4,6-エチリデン-3-O-(エトキシエチル)-グルコシド、O-(2-[18F]フルオロエチル)-L-タイロシンの前駆体であるO-(2-ヒドロキシエチル)-N-トリチル-L-タイロシン tert-ブチルエステル、3’-[18F]-フルオロ-3’-デオキシチミジンの前駆体である3-N-ボック-5’-O-ジメチルトリチル-チミジン、16α-[18F]-フルオロ-17β-エストラジオールの前駆体である3-O-メトキシメチル-16- O-(エトキシエチル)16-エピエストリオール、[18F]-フルオロミソニダゾールの前駆体である1-(2’-ニトロ-1’-イミダゾイル)-2-O-テトラヒドロピラニルオキシ-1-プロパンノールなどを例示できる。
【0024】
相間移動触媒は、対陽イオンを捕捉し、対陰イオン18F-を活性化できるものであればよく、例えば、クラウンエーテルなどを使用できる。クラウンエーテルの具体例としては、クリプトフィックス[2,2,2]、12−クラウン−4、15−クラウン−5、18−クラウン−6、ベンゾ−12−クラウン−4、ベンゾ−15−クラウン−5、ベンゾ−18−クラウン−6などを挙げることができる。使用する相間移動触媒は、反応に用いるフッ化物イオンのカウンターカチオンの種類に応じて決めればよい。例えば、カウンターカチオンがカリウムイオンであれば、クリプトフィックス[2,2,2]、18−クラウン−6、ベンゾ−18−クラウン−6などを用いるのが好ましく、ナトリウムイオンであれば、15−クラウン−5、ベンゾ−15−クラウン−5などを用いるのが好ましい。
【0025】
標識前駆体化合物の残基と相間移動触媒の残基とを分子中に含む高分子化合物は、例えば、標識前駆体化合物の残基を含む単量体と相間移動触媒の残基を含む単量体を共重合させることによって得られる。
【0026】
標識前駆体化合物の残基を含む単量体と相間移動触媒の残基を含む単量体は特に限定されないが、前者としては、例えば、下記の式(I)で表される単量体を例示でき、後者としては、例えば、下記の式(II)で表される単量体を例示できる。
【0027】
CH=C=CH−L−SO−X (I)
〔式中、Lはリンカーを表し、Xは標識前駆体化合物の残基を表す。〕
CH=C=CH−L−Y (II)
〔式中、Lはリンカーを表し、Yは相間移動触媒の残基を表す。〕
式(I)や(II)で表される単量体を共重合させ、高分子化合物を製造する方法は、公知文献(例えば、1) Macromolecules 1994, 27, 4413. 2)
Taguchi, M.; Tomita, I.; Endo, T. Angew. Chem. Int. Ed. 2000, 39, 3667.)に記載されており、当業者であればそれらの文献から容易に目的の高分子化合物を製造することができる。
【0028】
式(I)及び式(II)で表される単量体を共重合させることによって得られる高分子化合物は、下記の式(Ia)、(Ib)、(IIa)、及び(IIb)で表される構造単位を含む。
【0029】
【化6】
〔式中、L及びLリンカーを表し、Xは標識前駆体化合物の残基を表し、Yは相間移動触媒の残基を表す。〕
上記式におけるL及びLは、高分子化合物の主鎖と反応性部位との距離を保持できるリンカーであれば特に限定されない。具体的には、0〜4個のアリール基(好適にはフェニル)、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のフルオロアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、及び炭素数1〜6のフルオロアルコキシ基からなる群から選ばれる1以上の基からなり、適宜、スルホニル基、アミド基、又はスルホンアミド基のような1〜4個の官能基を含むリンカーを例示できる。また、このようなリンカーは、公知文献(例えば、特表2006-510706号公報、特表2007-500688号公報)に記載されており、当業者であればそれらの文献を基に適切なリンカーを選択できる。
【0030】
好適なL及びLとしては、それぞれ下記の式(III)及び(IV)
【0031】
【化7】
で表されるリンカーを例示できるが、これらに限定されるわけではない。
【0032】
式(I)及び(II)で表される単量体だけを共重合させると、直鎖状の高分子化合物が生成するが、これらの構造単位に別の構造単位を加え、架橋を生じさせることによって、網目状の高分子化合物にしてもよい。網目状にするための別の構造単位としては、例えば、下記の式(V)
【0033】
【化8】
で表される構造単位を示すことができる。高分子化合物を直鎖状から網目状にすることにより、溶媒への溶解性が低下すると予測されるので、切り出された18F標識化合物の単離が容易になると考えられる。
【0034】
高分子化合物には、溶媒からの分離などを容易にするため、官能基を付加してもよい。付加する官能基としては、例えば、長鎖アルキル基、パーフルオロアルキル基などを挙げることができる。
【0035】
また、高分子化合物は、溶媒に不要な固相に担持させてもよい。これにより、切り出された18F標識化合物の単離がより容易になると考えられる。
【0036】
高分子化合物の分子量は特に限定されないが、500〜50,000,000であることが好ましく、5,000〜5,000,000であることがより好ましく50,000〜500,000であることが更に好ましい。
【0037】
高分子化合物中に含まれる標識前駆体化合物の残基の数は特に限定されないが、50〜50,000であることが好ましく、50〜5,000であることがより好ましく、50〜500であることが更に好ましい。
【0038】
高分子化合物中に含まれる相間触媒残基の数は特に限定されないが、50〜50,000であることが好ましく、50〜5,000であることがより好ましく、50〜500であることが更に好ましい。
【0039】
高分子化合物中の標識前駆体化合物の残基の数と相間移動触媒の残基の数の比は特に限定されないが、前者と後者の比は、1000:1〜1:1000であることが好ましく、100:1〜1:100であることがより好ましく、10:1〜10:1であることが更に好ましい。
【0040】
高分子化合物と18Fとの反応は、高分子化合物とフッ化物イオンを含む塩を適当な溶媒中で共存させることにより、行うことができる。フッ化物イオンを含む塩としては、LiF, KF、NaF、CsFなどを例示できる。溶媒としては、アセトニトリル、プロピオニトリル、ジメチルフォルムアミド、ジメチルスルホキシド、エタノール、ブタノール、ジオキサン、水および、それら同士の混合溶媒などを例示できる。溶媒中の高分子化合物の濃度は特に限定されないが、0.1〜1000mg/mLであることが好ましく、1〜100mg/mLであることがより好ましく、10〜100mg/mLであることが更に好ましい。また、溶媒中のフッ化物イオンを含む塩の濃度も特に限定されないが、1pM〜1Mであることが好ましく、100pM〜1mMであることがより好ましく、1pM〜1μMであることが更に好ましい。
【0041】
高分子化合物と18Fとの反応の際の温度は、特に限定されないが、0〜200℃であることが好ましく、50〜150℃であることがより好ましく、80〜100℃であることが更に好ましい。
【0042】
高分子化合物と18Fとの反応時間は、特に限定されないが、0.1〜30分であることが好ましく、1〜15分であることがより好ましく、5〜10分であることが更に好ましい。
【0043】
反応生成物からの18F標識化合物の精製は、クロマトグラフィーや濾過などの常法に従って行うことができる。精製された18F標識化合物は、必要に応じて脱保護などを行い目的の化合物とすることができる。
【実施例】
【0044】
以下実施例により本発明を更に詳細に説明する。
【0045】
〔実施例1〕 3-FDGの製造
〔実施例1-1〕 1,2,5,6-ジ-O-イソプロピリデン-α-D-アロフラノースの合成
【0046】
【化9】
1,2,5,6-ジ-O-イソプロピリデン-α-D-グルコフラノース(5.02 g, 19.2 mmol, 1.00 eq.) の乾燥塩化メチレン(30.0 mL)と飽和重曹水(3.00 mL)の混合溶液に対して、触媒量のTEMPOとKBr とNaOCl水溶液 (30.0 mL) を0℃で加えた。同温下一時間反応させた後、反応溶液を氷冷下一規定塩酸に注いだ。水相を酢酸エチルで2度抽出した後、有機相を1N 塩酸、飽和重曹水、そして飽和食塩水で洗浄した。最後に、硫酸マグネシウムで乾燥させた。溶媒を減圧化除去することにより、粗精製物を得た。得られた粗精製物は、そのまま次の反応に用いた。
【0047】
粗精製物のエタノール溶液(30.0 mL)に対し、水素化ホウ素ナトリウム(1.09 g, 28.8 mmol, 1.50 eq.)を氷冷下ゆっくり加えた。室温下、30分撹拌した後、反応溶液を飽和塩化アンモニウム水溶液に注いだ。水相を酢酸エチルで2度抽出した後、有機相を飽和の塩化アンモニウム水溶液、飽和重曹水、そして飽和食塩水で洗浄した。最後に、硫酸マグネシウムで乾燥させた。溶媒を減圧化除去することにより、粗精製物を得た。得られた粗精製物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出液 ヘキサン:酢酸エチル 6:4)で精製したところ、下記に示す1,2,5,6-ジ-O-イソプロピリデン-α-D-アロフラノースを得た(3.05 g, 11.7 mmol, 61% in 2 steps)。
【0048】
【化10】
また、得られた化合物の分析結果は、以下の通りであった。
【0049】
[α]D 26 39.3゜(c = 1.05, CHCl3); 1H NMR (400 MHz, CDCl3)δ 5.83 (d, 1H, H-1, J1,2 = 3.9 Hz), 4.62 (dd, 1H, H-2, J1,2 =3.9 Hz, J2,3 = 5.3 Hz), 4.31 (ddd, 1H, H-3, J2,3 = 5.3 Hz, J3,4 = 8.7 Hz, J3,OH = 8.2 Hz), 4.00-4.11 (m, 3H, H-4, H-5, H-6a), 3.82 (dd, 1H, H-6b, J5,6b = 4.8 Hz, J6a,6b = 9.2 Hz), 2.58 (d, 1H, OH, J3,OH = 8.2 Hz), 1.58 (s, 3H, Me), 1.47 (s, 3H, Me), 1.39 (s, 3H, Me), 1.38 (s, 3H, Me); 13C NMR (100 MHz, CDCl3) δ(112.6, 109.7 isopropylidene), (103.7 anomeric), 79.5, 78.9, 75.4, 72.3, 65.6, 26.4, 26.1, 25.1; FT-IR (neat) 3483, 1375, 1216, 1061, 870 (cm-1); HRMS (ESI-TOF) Calcd for[M+Na]+ , found
【0050】
〔実施例1-2〕 1,2,5,6-ジ-O-イソプロピリデン-3-O-(5-ヨウ化オクタフルオロ-3-オキサペンタンスルホニル)-α-D-アロフラノースの合成
【0051】
【化11】
1,2,5,6-ジ-O-イソプロピリデン-α-D-アロフラノース(781 mg, 3.00 mmol, 1.00 eq.) の乾燥THF溶液(10.0 mL) に対して、アルゴン雰囲気下、KHMDS (0.5 M THF溶液, 6.80 mL, 3.60 mmol, 1.20 eq.)を氷冷下加え、そのままの温度で30分撹拌した。その溶液に対して、5-ヨウ化-オクタフルオロ-3-オキサペンタンスルホニルフルオリドを(1.40 g, 3.30 mmol, 1.10 eq.) 30分かけて滴下した。そのままの温度で、さらに15分撹拌した後、反応溶液を飽和重曹水に注いだ。水相を酢酸エチルで2度抽出した後、有機相を飽和の重曹水溶液、そして飽和食塩水で洗浄した。最後に、硫酸マグネシウムで乾燥させた。溶媒を減圧化除去することにより、粗精製物を得た。得られた粗精製物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出液 ヘキサン:酢酸エチル 92:8)で精製したところ、下記に示す1,2,5,6-ジ-O-イソプロピリデン-3-O-(5-ヨウ化オクタフルオロ-3-オキサペンタンスルホニル)-α-D-アロフラノースを得た(1.70 g, 2.55 mmol, 85 %)。
【0052】
【化12】
【0053】
〔実施例1-3〕 1,2,5,6-ジ-O-イソプロピリデン-3-O-(9-カルボニル-3-オキサ-1,1,2,2,4,4,5,5-オクタフルオロ-7-ヨウド-6-ノネンスルホニル)-α-D-アロフラノースの合成
【0054】
【化13】
1,2,5,6-ジ-O-イソプロピリデン-3-O-(5-ヨウ化オクタフルオロ-3-オキサペンタンスルホニル)-α-D-アロフラノース (1.58 g, 2.37 mmol, 1.00 eq.)と 4-ペンチン酸(349 mg, 3.56 mmol, 1.50 eq.) のアセトニトリル (12.0
mL) と水 (12.0 mL) の混合溶液の中にNa2S2O4(619 mg, 3.56 mmol, 1.50 eq.) とNaHCO3 (299 mg, 3.56 mmol, 1.50 eq.)を室温下加えた。室温下で2時間反応させた後、反応溶液を水に注いだ。水相を酢酸エチルで2度抽出した後、有機相を飽和の重曹水溶液、そして飽和食塩水で洗浄した。最後に、硫酸マグネシウムで乾燥させた。溶媒を減圧化除去することにより、粗精製物を得た。得られた粗精製物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出液 クロロホルム:メタノール 99:1)で精製したところ、下記に示す1,2,5,6-ジ-O-イソプロピリデン-3-O-(9-カルボニル-3-オキサ-1,1,2,2,4,4,5,5-オクタフルオロ-7-ヨウド-6-ノネンスルホニル)-α-D-アロフラノースを得た(1.55 g, 2.03 mmol, 87%)。
【0055】
【化14】
〔実施例1-4〕 1,2,5,6-ジ-O-イソプロピリデン-3-O-(9-カルボニル-3-オキサ-1,1,2,2,4,4,5,5-オクタフルオロノネナンスルホニル)-α-D-アロフラノースの合成
【0056】
【化15】
1,2,5,6-ジ-O-イソプロピリデン-3-O-(9-カルボニル-3-オキサ-1,1,2,2,4,4,5,5-オクタフルオロ-7-ヨウド-6-ノネンスルホニル)-α-D-アロフラノース(221 mg, 289 μmol, 1.00 eq.) のメタノール(1.40 mL)と水 (1.40 mL) の混合溶液に対し、飽和重曹水(72.8 mg, 867 μmol, 3.00 eq.) と Pd/ C (110 mg)を加えた。得られた溶液を水素雰囲気下、18時間撹拌した。その後、反応溶液をろ過し、ろ液を水に注いだ。水相を酢酸エチルで2度抽出した後、有機相を飽和の重曹水溶液、そして飽和食塩水で洗浄した。最後に、硫酸マグネシウムで乾燥させた。溶媒を減圧化除去することにより、粗精製物を得た。得られた粗精製物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出液 クロロホルム:メタノール 99:1)で精製したところ、下記に示す1,2,5,6-ジ-O-イソプロピリデン-3-O-(9-カルボニル-3-オキサ-1,1,2,2,4,4,5,5-オクタフルオロノネナンスルホニル)-α-D-アロフラノースを得た(175 mg, 273 μmol, 95%)。
【0057】
【化16】
【0058】
〔実施例1-5〕 N-(5,6-ヘプタジエン)フタルイミドの合成
【0059】
【化17】
N-(5-ヘキシン)ナフタレイミド (7.10 g, 31.2 mmol, 1.00 eq.) の1,4-ジオキサン溶液(62.0 mL) に対し、パラホルムアルデヒド(1.88 g, 62.5 mmol,
2.00 eq.),と臭化銅 (1.57 g, 10.9 mmol, 0.350 eq.) とジイソプロピルアミン(8.82 mL, 62.5 mmol, 2.00 eq.) を加え、120℃で5時間反応させた。その後、反応液をろ過し、ろ液を水に注いだ。水相を酢酸エチルで2度抽出した後、有機相を1N塩酸水溶液、飽和の重曹水溶液、そして飽和食塩水で洗浄した。最後に、硫酸マグネシウムで乾燥させた。溶媒を減圧化除去することにより、粗精製物を得た。得られた粗精製物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出液 ヘキサン:酢酸エチル 90:10)で精製したところ、下記に示すN-(5,6-ヘプタジエン)フタルイミドを得た(4.65 g, 19.3 mmol, 61%)。
【0060】
【化18】
〔実施例1-6〕 1-アミノ-5,6-ヘプタジエンの合成
【0061】
【化19】
N-(5,6-ヘプタジエン)フタルイミド(4.65 g, 19.3 mmol, 1.00 eq.) のメタノール溶液に(40.0 mL) にH2NNH2・H2O (1.93 mL, 38.5 mmol, 2.00 eq.).を加え、70℃で2時間反応させた。その後、濃水酸化ナトリウム水溶液を用いて反応系中をアルカリ性にした後に、塩化メチレンで抽出することにより、下記に示す目的物1-アミノ-5,6-ヘプタジエンを得た(1.81 g, 16.3 mmol, crude yield 85%)。
【0062】
【化20】
【0063】
〔実施例1-7〕 糖アレンモノマーの合成
【0064】
【化21】
1,2,5,6-ジ-O-イソプロピリデン-3-O-(9-カルボニル-3-オキサ-1,1,2,2,4,4,5,5-オクタフルオロノネナンスルホニル)-α-D-アロフラノース(674 mg, 1.05 mmol, 1.00 eq.) と 1-アミノ-5,6-ヘプタジエン(351 mg, 3.16 mmol, 3.00 eq.) を乾燥塩化メチレン溶媒(1.00 mL) に溶解し、HATU (600 mg, 1.58 mmol, 1.50 eq.)、ジイソプロピルエチルアミン (272 μL, 1.58 mmol, 1.50 eq.) と触媒量のN,N-ジメチルアミノピリジンを室温下加えた。室温下、40分撹拌し、反応液をろ過した。ろ液を濃縮し、得られた残さをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出液 ヘキサン:酢酸エチル 80:20)で精製することにより、下記に示す糖アレンモノマーを得た (685 mg, 0.934 mmol, 89%)。
【0065】
【化22】
【0066】
〔実施例1-8〕 クラウンエーテルアレンモノマーの合成
【0067】
【化23】
4-カルボキシベンゾ-18-クラウン-6 (32.3 mg, 90.6 μmol, 1.00 eq.)と 1-アミノ-5,6-ヘプタジエン(30.2 mg, 272 μmol, 3.00 eq.)を乾燥塩化メチレン溶媒(1.00 mL) に溶解し、HATU (51.7 mg, 136 μmol, 1.50 eq.)、ジイソプロピルエチルアミン(23.4 μL, 136 μmol, 1.50 eq.)と触媒量のN,N-ジメチルアミノピリジンを室温下加えた。室温下、40分撹拌し、反応液をろ過する。ろ液を濃縮し、得られた残さをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出液 クロロホルム:メタノール 95:5)で精製することにより、下記に示すクラウンエーテルアレンモノマーを得た (39.3 mg, 64.3 μmol, 71%)。
【0068】
【化24】
【0069】
〔実施例1-9〕 共重合体の合成
【0070】
【化25】
0.10 M ビス(1,5-シクロオクタジエン)ニッケルのトルエン溶液(73.5 μL, 0.735 μmol, 0.0500 eq.) と1.0 M アリルトリフルオロアセタートのトルエン溶液 (11.8 μL, 1.18 μmol, 0.0800 eq.) を混合した溶液に対して、窒素雰囲気下、メタノール溶液(0.500 mL)に溶解させておいた糖アレンモノマー(108 mg, 14.7 μmol, 1.00 eq.)とクラウンエーテルアレンモノマー(66.0 mg, 14.7 μmol, 1.00 eq.)を加えた。7日間反応させた後に、ヘキサンで反応溶液を希釈し、精製物を沈殿させた。得られた沈殿物をろ別することにより、目的とする共重合体を得た (154 mg, 13.0 μmol, 89%)。
【0071】
〔実施例1-10〕 フッ素付加反応(1)
【0072】
【化26】
共重合体に対してKFが5.0当量になるように添加し、フッ素付加反応を行った。
【0073】
実施例9で合成した共重合体(10.6 mg, 9.39 μmol, 1.00 eq.)をアセトニトリル(100 μL)中に溶解させた。その溶液の中に、KF (2.73 mg, 47.0 μmol, 5.00 eq.)を加えた。その溶液を95℃で30分反応させた。濃縮後反応溶液をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することにより、3-デオキシ-3-フルオロ-1,2,5,6-ジ-O-イロプロピリデン-α-D-グルコフラノースを得た(1.20 mg, 4.58 μmol)。収率は58%であった。
【0074】
〔実施例1-11〕 フッ素付加反応(2)
共重合体に対してKFが1.0当量になるように添加し、フッ素付加反応を行った。
【0075】
実施例9で合成した共重合体 (24.3 mg, 21.3 μmol, 1.00 eq.)をアセトニトリル(200 μL)中に溶解させた。その溶液の中に、KF (1.23 mg, 21.3
μmol, 1.00 eq.)を加えた。その溶液を95℃で30分反応させた。濃縮後反応溶液をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することにより、3-デオキシ-3-フルオロ-1,2,5,6-ジ-O-イロプロピリデン-α-D-グルコフラノースを得た(1.70 mg, 8.09 μmol)。収率は38%であった。
【0076】
〔実施例1-12〕 フッ素付加反応(3)
共重合体に対してKFが0.5当量になるように添加し、フッ素付加反応を行った。
【0077】
実施例9で合成した共重合体 (30.5 mg, 25.1 μmol, 2.00 eq.)をアセトニトリル(250 μL)中に溶解させた。その溶液の中に、KF (0.730 mg, 12.5
μmol, 1.00 eq.)を加えた。その溶液を95℃で30分反応させた。濃縮後反応溶液をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することにより、3-デオキシ-3-フルオロ-1,2,5,6-ジ-O-イロプロピリデン-α-D-グルコフラノースを得た(1.50 mg, 5.78 μmol)。収率は46%であった。
【0078】
〔実施例1-13〕 フッ素付加反応(4)
実施例9で合成した共重合体 (17.1 mg, 14.5 μmol, 1.00 eq.)をアセトニトリル(235 μL)中に溶解させた。その溶液の中に、KF (2.30 mg, 39.2
μmol, 2.70 eq.)を加えた。その溶液を室温下で6時間反応させた。濃縮後反応溶液をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することにより、3-デオキシ-3-フルオロ-1,2,5,6-ジ-O-イロプロピリデン-α-D-グルコフラノースを得た (1.60 mg, 6.10 μmol)。収率は44%であった。
【0079】
〔比較例〕 フッ素付加反応(5)
【0080】
【化27】
糖アレンモノマーとクラウンエーテルアレンモノマーに対するフッ素付加反応を行い、共重合体に対するフッ素付加反応の結果と比較した。
【0081】
実施例7で合成した糖アレンモノマー (40.3 mg, 55.0 μmol, 1.00 eq.)と実施例8で合成したクラウンエーテルアレンモノマー(24.7 mg, 55.0 μmol, 1.00 eq.)をアセトニトリル(600 μL)中に溶解させた。その溶液の中に、KF (2.30 mg, 39.2 μmol, 2.70 eq.)を加えた。その溶液を室温下で6時間反応させた。濃縮後反応溶液をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することにより、3-デオキシ-3-フルオロ-1,2,5,6-ジ-O-イロプロピリデン-α-D-グルコフラノースを得た(0.8 mg, 3.1 μmol)。収率は5%であった。
【0082】
〔実施例1-14〕 [18F]3-FDGの合成
GE社製のPETトレーサー合成装置を用いて、[18F]3-FDGを以下のように合成した。サイクロトロンを用いて18F-イオンを合成し、Chromafixカラムに固定化した。炭酸カリウム溶液(3.0mg/0.5ml)を流し、[18F]KF水溶液(5GBq)を反応容器内に得た。実施例9で合成した共重合体(40mg)のアセトニトリル溶液(1.0mL)を反応容器に入れ、55度で2.5分、85度で3分最終的に60度にし、濃縮乾固した。続いて、アセトニトリル(1.0mL)を加え 85度で5分間加熱した。一度、50度に冷却した後、55度で50秒、105度で50秒、最終的に90度にすることで溶媒を除去した。1Mの塩酸水溶液(2ml)を加え、125度で15分加熱した。50度に冷却し、7%の炭酸水素ナトリウム水溶液(4.5mL)を加えた。Chromabond Vカラムを通して精製し、最後に、メンブランフィルター(Milipore)を通すことにより、目的とする[18F]3-FDG(1.2
GBq)を得た。得られた[18F]3-FDG(1.2 GBq)の3分の1の溶液をマウスに注入し、その挙動を観察した。その結果、脳内への侵入が確認されたことより、目的の[18F]3-FDGが合成できたことを確認した(図1)。
【0083】
〔実施例2〕 2-FDGの製造
〔実施例2-1〕 2-FDGモノマーの合成
以下に2-FDGモノマーの合成工程を示す。
【0084】
【化28】
【0085】
【化29】
【0086】
【化30】
【0087】
〔実施例2-1-1〕 2-トリメチルシリルエチル
3-O-エトキシメチル-4,6-イソピリデン-β-D-グルコピラノシドの合成
2-トリメチルシリルエチル 4,6-イソピリデン-β-D-グルコピラノシド (1.51 g, 4.71 mmol, 1.00 eq.) の乾燥トルエン溶液(20.0 mL) にジブチルスズオキシド (1.41 g, 5.66 mmol, 1.20 eq.) を室温下加えた。140度3時間反応させた後、減圧下溶媒を除去した。得られた残渣を乾燥トルエンと共沸濃縮させた後に、エトキシメチルクロリド(630 μL, 6.13 mmol, 1.30 eq.)とフッ化セシウム(1.43 g, 9.42 mmol, 2.00 eq.) を加えた。50度3時間反応させた後、氷冷下、1M塩酸水溶液に注いだ。得られた水相を酢酸エチルで抽出した後、1M 塩酸水溶液、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で洗浄した。得られた有機相を硫酸マグネシウムで乾燥させた後、減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーを用いて精製することにより(溶出溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=90:10)、下記に示す2-トリメチルシリルエチル 3-O-エトキシメチル-4,6-イソピリデン-β-D-グルコピラノシドを得た(1.05 g, 2.78 mmol, 59%)。
【0088】
【化31】
また、得られた化合物の分析結果は、以下の通りであった。
【0089】
[α]D 23 -3.52 (c 0.885, CHCl3); 1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 4.88 (d, 1H, H-a, Jgem = 6.8 Hz), 4.79 (d, 1H, H-a, Jgem = 6.8 Hz), 4.39 (d, 1H, H-1, J1,2= 7.7 Hz), 3.97 (dt, 1H, OCH2, JOCH2,CH2Si = 5.3 Hz, Jgem= 9.7 Hz), 3.93 (dd, 1H, H-6a, J5,6a = 5.3 Hz, J6a,6b = 10.6 Hz), 3.79 (dd, 1H, H-6b, J5,6b = 10.2 Hz, J6a,6b = 10.6 Hz), 3.78 (t, 1H, H-3, J2,3 = J3,4 = 8.7 Hz), 3.69 (d, 1H, OH, J2,OH = 1.9 Hz), 3.59-3.67 (m, 3H, OCH2, H-b), 3.51 (t, 1H, H-4, J3,4 = J4,5 = 8.7 Hz), 3.43 (ddd, 1H, H-2, J1,2 = 7.7 Hz, J2,3 = 8.7 Hz, J2,OH = 1.9 Hz), 3.25 (ddd, 1H, H-5, J4,5 = 8.7 Hz, J5,6a = 5.3 Hz, J5,6b = 10.2 Hz), 1.49 (s, 3H, CH3), 1.41 (s, 3H, CH3), 1.24 (t, 3H, H-c, Jb,c = 7.3 Hz), 0.94-1.12 (m, 2H, CH2Si), 0.020 (s, 9H, SiCH3); 13C NMR (100 MHz, CDCl3): δ (102.9, 99.5 anomeric, isoprolylidene), 96.3, 82.0, 74.0, 72.4, 67.6, 67.3, 63.9, 62.1, 29.1, 19.0, 18.3, 14.9, -1.49; FT-IR (neat): 3460, 1372, 1173, 1104, 1032, 860, 838 (cm-1); HRMS (ESI-TOF) Calcd for C21H32O11F8S[M+NH4+ 658.1570, found 658.1568.
【0090】
〔実施例2-1-2〕 2-トリメチルシリルエチル
3-O-エトキシメチル-4,6-イソピリデン-β-D-マンノピラノシドの合成
2-トリメチルシリルエチル 3-O-エトキシメチル-4,6-イソピリデン-β-D-グルコピラノシド (1.04 g, 2.75 mmol, 1.00 eq.) の乾燥塩化メチレン溶液に(15.0 mL) に炭酸水素ナトリウム (461 mg, 5.49 mmol, 2.00 eq.) とデスマーチン酸化剤(1.75 g, 4.12 mmol, 1.50 eq.) を室温下加えた。室温下10時間反応させた後、反応溶液に10%チオ硫酸ナトリウム水溶液と飽和炭酸水素ナトリウムを氷冷下加えた。得られた水相を酢酸エチルで抽出した後、10%チオ硫酸ナトリウム水溶液と飽和炭酸水素ナトリウムと飽和食塩水で洗浄した。有機相を硫酸マグネシウムで乾燥させた後、減圧下濃縮した。得られた残渣は次の反応に用いた。
【0091】
残渣のエタノール(28 mL)溶液に水素化ホウ素ナトリウム(156 mg, 4.12 mmol, 1.50 eq.) を氷冷下加えた。氷冷下15分反応させた後に、氷冷下1Mの塩酸水溶液に注いだ。水相を酢酸エチル溶媒で抽出した後、1Mの塩酸、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で洗浄した。硫酸マグネシウムで乾燥させた後、減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーを用いて精製することにより(溶出溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=75:25)、下記に示す2-トリメチルシリルエチル 3-O-エトキシメチル-4,6-イソピリデン-β-D-マンノピラノシドを得た(760 mg, 2.09 mmol, 76%)。
【0092】
【化32】
また、得られた化合物の分析結果は、以下の通りであった。
【0093】
[α]D 24 -22.8 (c 0.775, CHCl3); 1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 4.87 (d, 1H, H-a, Jgem = 7.3 Hz), 4.81 (d, 1H, H-a, Jgem = 7.3 Hz), 4.53 (br-s, 1H, H-1), 4.09 (br-d, 1H, H-2, J2,3 = 3.4 Hz), 4.08 (dd, 1H, H-4, J3,4 = 10.2 Hz, J4,5 = 9.7 Hz), 4.01 (dt, 1H, OCH2, JOCH2,CH2Si= 7.7 Hz, Jgem = 9.2 Hz), 3.91 (dd, 1H, H-6a, J5,6a = 5.8 Hz, J6a,6b = 10.6 Hz), 3.86 (dd, 1H, H-6b, J5,6b = 10.2 Hz, J6a,6b = 10.6 Hz), 3.58-3.70 (m, 4H, H-3, OCH2, H-b), 3.20 (ddd, 1H, H-5, J4,5 = 9.7 Hz, J5,6a = 5.8 Hz, J5,6b = 10.2 Hz), 1.50 (s, 3H, CH3), 1.40 (s, 3H, CH3), 1.21 (t, 3H, H-c, Jb,c = 7.3 Hz), 1.00 (t, 2H, CH2Si, JOCH2,CH2Si = 7.7 Hz), 0.020 (s, 9H, SiCH3); 13C NMR (100 MHz, CDCl3): δ (99.6, 99.5 anomeric, isopropylidene), 94.5, 75.4, 70.5, 69.8, 67.8, 67.1, 63.2, 61.9, 29.0, 19.0, 18.0, 14.9, -1.62; FT-IR (neat): 3501, 1381, 1250, 1094, 1035, 862, 838 (cm-1); HRMS (ESI-TOF) Calcd for C21H32O11F8S[M+NH4+ 658.1570, found 658.1568.
【0094】
〔実施例2-1-3〕 2-トリメチルシリルエチル 3-O-エトキシメチル-4,6-イソピリデン-2-O-(5-ヨウ化オクタフルオロ-3-オキサ-ペンタスルホルニル-β-D-マンノピラノシドの合成
3-O-エトキシメチル-4,6-イソピリデン-β-D-マンノピラノシド(750 mg, 1.98 mmol, 1.00 eq.) の乾燥THF溶液にNaHMDS (2.60 mL, 2.58 mmol, 1.30 eq., 1.0 M in THF solution) を氷冷下加えた。さらに30分間撹拌した後、5-ヨウ化オクタフルオロ-3-オキサ-ペンタスルホルニルフロリド(1.00 g, 2.38 mmol, 1.20 eq.) を滴下した。30分撹拌した後、氷冷下1M塩酸に注いだ。水相を酢酸エチルで抽出した後、有機相を1M塩酸、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で洗浄した。硫酸マグネシウムで乾燥させた後、減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーを用いて精製することにより(溶出溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=90:10)、下記に示す2-トリメチルシリルエチル 3-O-エトキシメチル-4,6-イソピリデン-2-O-(5-ヨウ化オクタフルオロ-3-オキサ-ペンタスルホルニル-β-D-マンノピラノシドを得た(1.40 g, 1.78 mmol, 90%)。
【0095】
【化33】
また、得られた化合物の分析結果は、以下の通りであった。
【0096】
[α]D 24 -31.2 (c 1.06, CHCl3); 1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 5.07 (br-d, 1H, H-2, J2,3 = 2.9 Hz), 4.80 (d, 1H, H-a, Jgem = 6.8 Hz), 4.72 (d, 1H, H-a, Jgem= 6.8 Hz), 4.63 (br-s, 1H, H-1), 3.94 (dt, 1H, OCH2, JOCH2,CH2Si = 7.7 Hz, Jgem = 9.7 Hz), 3.94 (dd, 1H, H-6a, J5,6a = 5.8 Hz, J6a,6b = 9.7 Hz), 3.93 (dd, 1H, H-3, J2,3 = 2.9 Hz, J3,4 = 9.7 Hz), 3.92 (t, 1H, H-6b, J5,6b = J6a,6b = 9.7 Hz), 3.86 (dd, 1H, H-4, J3,4 = 9.7 Hz, J4,5 = 10.2 Hz), 3.56-3.73 (m, 3H, OCH2, H-b), 3.24 (ddd, 1H, H-5, J4,5 = 10.2 Hz, J5,6a = 5.8 Hz, J5,6b = 9.7 Hz), 1.50 (s, 3H, CH3), 1.39 (s, 3H, CH3), 1.24 (t, 3H, H-c, Jb,c = 6.8 Hz), 0.94-1.12 (m, 2H, CH2Si), 0.014 (s, 9H, SiCH3); 13C NMR (100 MHz, CDCl3): δ (99.9, 97.5 anomeric, isopropylidene), 93.8, 84.1, 71.5, 70.0, 68.5, 67.7, 63.6, 61.8, 29.0, 19.1, 17.9, 14.9, -1.55; 19F NMR (373 MHz, CDCl3): δ 10.7, -6.43, -10.0, -38.0; FT-IR (neat): 1731, 1415, 1296, 1199, 1150, 1120, 917, 863, 765 (cm-1); HRMS (ESI-TOF) Calcd for C21H37NO10 SiSF8[M+NH4+ 802.0820, found 802.0825.
【0097】
〔実施例2-1-4〕 2-トリメチルシリルエチル3-O-エトキシメチル-4,6-イソピリデン-2-O-(9-カルボキシル3-オキサ-1,1,2,2,4,4,5,5-オクタフルオロ-7-ヨウド-6-ノネンスルホルニル-β-D-マンノピラノシドの合成
2-トリメチルシリルエチル3-O-エトキシメチル-4,6-イソピリデン-2-O-(5-ヨウ化オクタフルオロ-3-オキサ-ペンタスルホルニル-β-D-マンノピラノシド(545 mg, 695 μmol, 1.00 eq.) 、4-ペンチン酸 (102 mg, 1.04 mmol, 1.50 eq.) のCH3CN (6.00 mL)とH2O (6.00 mL)の溶液中に、炭酸水素ナトリウム (87.4 mg, 1.04 mmol, 1.50 eq.)とチオ硫酸ナトリウム Na2S2O4(181 mg, 1.04 mmol, 1.50 eq.) を加え、室温下1.5時間反応させた。反応溶液を水に注ぎ、有機相を酢酸エチルにて抽出した。得られた有機相を飽和炭酸水素ナトリウムと飽和食塩水で洗浄した。硫酸マグネシウムで乾燥させた後、減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーを用いて精製することにより(溶出溶媒:クロロホルム/メタノール=99:1)、下記に示す2−トリメチルシリルエチル3−O-エトキシメチル-4,6-イソピリデン-2-O-(9-カルボキシル3-オキサ-1,1,2,2,4,4,5,5-オクタフルオロ-7-ヨウド-6-ノネンスルホルニル-β-D-マンノピラノシドを得た(530 mg, 601 μmol, 86%)。
【0098】
【化34】
また、得られた化合物の分析結果は、以下の通りであった。
【0099】
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 6.38 (t, 1H, H-d, Jd,F = 14.2 Hz), 5.07 (br-d, 1H, H-2, J2,3 = 2.9 Hz), 4.81 (d, 1H, H-a, Jgem = 7.3 Hz), 4.74 (d, 1H, H-a, Jgem= 7.3 Hz), 4.64 (br-s, 1H, H-1), 3.96 (dt, 1H, OCH2, JOCH2,CH2Si = 7.7 Hz, Jgem = 9.7 Hz), 3.95 (dd, 1H, H-3, J2,3 = 2.9 Hz, J3,4 = 9.7 Hz), 3.95 (dd, 1H, H-6a, J5,6a = 5.8 Hz, J6a,6b = 9.7 Hz), 3.92 (t, 1H, H-6b, J5,6b = J6a,6b = 9.7 Hz), 3.87 (dd, 1H, H-4, J3,4 = 9.7 Hz, J4,5= 9.2 Hz), 3.57-3.76 (m, 3H, OCH2, H-b), 3.25 (ddd, 1H, H-5, J4,5= 9.2 Hz, J5,6a = 5.8 Hz, J5,6b = 9.7 Hz), 3.00 (t, 2H, H-e, Je,f = 7.7 Hz), 2.63 (t, 2H, H-f, Je,f = 7.7 Hz), 1.50 (s, 3H, CH3), 1.39 (s, 3H, CH3), 1.21 (t, 3H, H-c, Jb,c= 7.3 Hz), 1.00 (dt, 2H, CH2Si, JOCH2,CH2Si = 7.7 Hz, Jgem= 9.7 Hz), 0.022 (s, 9H, SiCH3); 19F NMR (373 MHz, CDCl3): δ -6.43, -12.4, -34.3 (d, Jd,F = 14.2 Hz), -38.1; FT-IR (neat): 3411, 1719, 1641, 1411, 1305, 1117, 1080, 924, 838 (cm-1); HRMS (ESI-TOF) Calcd for C21H37NO10 SiSF8[M+NH4+ 802.0820, found 802.0825.
【0100】
〔実施例2-1-5〕 2-トリメチルシリルエチル3-O-エトキシメチル-4,6-イソピリデン-2-O-(9-カルボキシル3-オキサ-1,1,2,2,4,4,5,5-オクタフルオロ-ノナンスルホルニル-β-D-マンノピラノシドの合成
2-トリメチルシリルエチル3-O-エトキシメチル-4,6-イソピリデン-2-O-(9-カルボキシル3-オキサ-1,1,2,2,4,4,5,5-オクタフルオロ-7-ヨウド-6-ノネンスルホルニル-β-D-マンノピラノシド(920 mg, 1.04 mmol, 1.00 eq.) のMeOH (10.0 mL) と H2O (4.00 mL) 混合溶液に炭酸水素ナトリウム(262 mg, 3.13 mmol, 3.00 eq.) と Pd/ C (500 mg)を加えた。水素雰囲気下、18時間反応させた。パラジウム触媒をろ過により除去した後、反応溶液を水に注いだ。水相を酢酸エチルで抽出した後 有機相を、飽和炭酸水素ナトリウムと飽和食塩水にて洗浄した。得られた有機相を硫酸マグネシウムで乾燥させた後、減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーを用いて精製することにより(溶出溶媒:クロロホルム/メタノール=99:1)、下記に示す2-トリメチルシリルエチル3-O-エトキシメチル-4,6-イソピリデン-2-O-(9-カルボキシル3-オキサ-1,1,2,2,4,4,5,5-オクタフルオロ-ノナンスルホルニル-β-D-マンノピラノシドを得た(767 mg, 990 μmol, 95%)。
【0101】
【化35】
また、得られた化合物の分析結果は、以下の通りであった。
【0102】
[α]D 25 -32.3 (c 0.715, CHCl3); 1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 5.07 (br-d, 1H, H-2, J2,3 = 2.9 Hz), 4.81 (d, 1H, H-a, Jgem = 6.8 Hz), 4.75 (d, 1H, H-a, Jgem = 6.8 Hz), 4.63 (br-s, 1H, H-1), 3.96 (dt, 1H, OCH2, JOCH2,CH2Si = 9.4 Hz, Jgem = 9.7 Hz), 3.93 (dd, 1H, H-3, J2,3 = 2.9 Hz, J3,4 = 9.2 Hz), 3.93 (dd, 1H, H-6a, J5,6a = 5.8 Hz, J6a,6b = 10.2 Hz), 3.92 (t, 1H, H-6b, J5,6b = J6a,6b = 10.2 Hz), 3.87 (dd, 1H, H-4, J3,4 = 9.2 Hz, J4,5 = 9.7 Hz), 3.57-3.75 (m, 3H, OCH2, H-b), 3.25 (ddd, 1H, H-5, J4,5 = 9.7 Hz, J5,6a = 5.8 Hz, J5,6b = 10.2 Hz), 2.40 (t, 2H, H-g, Jf,g = 7.3 Hz), 2.09 (tt, 2H, H-d, Jd,e = 7.3 Hz, Jd,F= 18.3 Hz), 1.60-1.76 (m, 4H, H-e, H-f), 1.50 (s, 3H, CH3), 1.39 (s, 3H, CH3), 1.21 (t, 3H, H-c, Jb,c = 7.3 Hz), 0.99 (t, 2H, CH2Si, JOCH2,CH2Si = 9.4 Hz), 0.015 (s, 9H, SiCH3); 13C NMR (100 MHz, CDCl3): δ 178.5, (100.0, 97.5 anomeric, isopropylidene), 93.6, 84.0, 83.9, 71.5, 70.0, 68.4, 67.7, 63.6, 61.8, 33.4, 32.0, 30.1 (t, C-d, JC-d,F = 22.1 Hz), 28.9, 26.7, 24.0, 19.9, 19.0, 17.8, 14.8, -1.63; 19F NMR (373 MHz, CDCl3): δ -6.73, -12.8, -38.3, -42.8; FT-IR (neat): 1713, 1413, 1179, 1116, 1021, 920, 863 (cm-1); HRMS (ESI-TOF) Calcd for C21H37NO10 SiSF8[M+NH4+ 802.0820, found 802.0825.
【0103】
〔実施例2-1-6〕 2-FDGモノマーの合成
2-トリメチルシリルエチル3-O-エトキシメチル-4,6-イソピリデン-2-O-(9-カルボキシル3-オキサ-1,1,2,2,4,4,5,5-オクタフルオロ-ノナンスルホルニル-β-D-マンノピラノシド(657 mg, 0.866 mmol, 1.00 eq.) と1-アミノ-5,6-ヘプタジエン(144 mg, 1.30 mmol, 1.50 eq.) の乾燥塩化メチレン溶液にHATU (395 mg, 1.04 mmol, 1.20 eq.)とジイソプロピルエチルアミンDIEA (270 μL, 1.56 mmol, 1.80 eq.) と触媒量のDMAPを室温下加えた。室温下20分反応させた後、不溶物をろ過した。ろ液を減圧下濃縮した後、。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーを用いて精製することにより(溶出溶媒:クロロホルム/メタノール=99:1)、下記に示す2-FDGモノマーを得た (634 mg, 0.745 mmol, 86%)。
【0104】
【化36】
また、得られた化合物の分析結果は、以下の通りであった。
【0105】
[α]D 24 -31.0 (c 1.00, CHCl3); 1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 5.48 (br-s, 1H, NH), 5.08 (tt, 1H, H-l, Jk,l = Jl,m = 6.8 Hz), 5.06 (br-d, 1H, H-2, J2,3 = 2.4 Hz), 4.80 (d, 1H, H-a, Jgem= 6.8 Hz), 4.72 (d, 1H, H-a, Jgem = 6.8 Hz), 4.66 (dt, 2H, H-m, Jl,m = 6.8 Hz, Jk,m = 3.9 Hz), 4.63 (br-s, 1H, H-1), 3.95 (ddd, 1H, OCH2, JOCH2,CH2Si = 8.2 Hz, Jgem = 8.7 Hz), 3.94 (dd, 1H, H-3, J2,3 = 2.4 Hz, J3,4 = 9.7 Hz), 3.93 (dd, 1H, H-6a, J5,6a = 5.8 Hz, J6a,6b = 10.2 Hz), 3.90 (t, 1H, H-6b, J5,6b = 9.2 Hz, J6a,6b = 10.2 Hz), 3.85 (dd, 1H, H-4, J3,4 = 9.7 Hz, J4,5 = 10.2 Hz), 3.56-3.75 (m, 3H, OCH2, H-b), 3.26 (t, 2H, H-h, Jh,i = 7.3 Hz), 3.25 (ddd, 1H, H-5, J4,5 = 10.2 Hz, J5,6a = 5.8 Hz, J5,6b = 9.2 Hz), 2.18 (tt, 2H, H-g, Jf,g = 7.7 Hz), 2.07 (tt, 2H, H-d, Jd,e = 6.8 Hz, Jd,F = 17.9 Hz), 2.02 (dtt, 2H, H-k, Jj,k = Jk,l = 6.8 Hz, Jk,m = 3.9 Hz), 1.73 (tt, 2H, H-i, Jh,i = 7.3 Hz, Ji,j = 6.8 Hz), 1.42-1.64 (m, 9H, H-e, H-f, H-j, CH3), 1.39 (s, 3H, CH3), 1.20 (t, 3H, H-c, Jb,c = 7.3 Hz), 0.99 (t, 2H, CH2Si, JOCH2,CH2Si = 8.2 Hz), 0.015 (s, 9H, SiCH3); 13C NMR (100 MHz, CDCl3): δ 208.5, 172.0, (99.9, 97.5 anomeric, isopropylidene), 93.8, 89.4, 84.1, 74.8, 71.5, 70.0, 68.4, 67.7, 63.5, 61.8, 39.3, 35.9, 30.0 (t, C-d, JC-d,F = 22.1 Hz), 29.0, 27.7, 26.2, 24.9, 19.8, 19.0, 17.8, 14.8, -1.62; 19F NMR (373 MHz, CDCl3): δ -6.68, -12.9, -38.2, -43.0 (t, Jd,F= 17.9 Hz); FT-IR (neat): 1950, 1652, 1411, 1218, 1096, 1021, 920, 779 (cm-1); HRMS (ESI-TOF) Calcd for C33H54NO11 SiSF5[M+H]+852.3044, found 852.3059.
【0106】
〔実施例2-2〕 2-FDG共重合体の合成
以下に2-FDG共重合体の合成工程を示す。
【0107】
【化37】
0.10 M ビス(1,5-シクロオクタジエン)ニッケルのトルエン溶液 (120 μL, 12.0 μmol, 0.0500 eq.)と1.0 M アリルトリフルオロアセタートのトルエン溶液(19.3 μL, 19.3 μmol, 0.0800 eq.)を混合した溶液に対して、窒素雰囲気下、2-FDGモノマーと(205 mg, 241 μmol, 1.00 eq.)クラウンエーテルアレンモノマー(103 mg, 133 μmol, 1.00 eq.) のMeOH (0.700 mL) 溶液を加えた。TLCにて反応終点を確認した後に、ヘキサンで反応溶液を希釈し、精製物を沈殿させた。得られた沈殿物をろ別することにより、下記に示す2-FDG共重合体を得た。(283 mg, 222 μmol, 92%, 2-FDG: Crown Ether = 1: 1.04)
【0108】
【化38】
また、得られた化合物の分析結果は、以下の通りであった。
【0109】
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 7.47 (br-s, 2H, B-b, B-c), 6.75 (br-s, 1H, B-a), 5.19 (br-s, 2H, =C-CH-), 5.05 (br-s, 1H, A-2), 4.77 (br-d, 1H, A-a, Jgem = 7.3 Hz), 4.71 (br-d, 1H, A-a, Jgem = 7.3 Hz), 4.63 (br-s, 1H, A-1), 4.09 (br-s, 4H, B-d, B-d’), 3.55-3.96 (m, 24H, A-3, A-4, A-6a, A-6b, A-b, OCH2, B-e, B-e’, B-f, B-f’, B-g, B-g’, B-h, B-h’), 3.35 (br-s, 2H, B-i), 3.16-3.26 (m, 3H, A-5, A-h), 2.55 (br-s, 4H, =C-CH2-C=), 2.21 (br-s, 2H, A-g), 1.98 (br-s, 6H, A-d, A-k, B-l), 1.25-1.63 (m, 15H, A-e, A-f, A-i, A-j, B-j, B-k, CH3), 1.17 (br-t, 3H, A-c, Jb,c = 6.8 Hz), 0.99 (br-t, 2H, CH2Si, JOCH2,CH2Si = 8.7 Hz), -0.0093 (s, 9H, SiCH3); 19F NMR (373 MHz, CDCl3): δ -7.53, -13.4, -39.5, -43.4; FT-IR (neat): 3319, 2929, 1644, 1507, 1265, 1121, 758 (cm-1).
【0110】
〔実施例2-3〕 2-FDGの切り出し
以下に2-FDGの切り出し工程を示す。
【0111】
【化39】
合成した共重合体(43.6 mg, 33.5 μmol, 2.00 eq.) のアセトニトリルCH3CN (370 μL) 溶液にKF (10.0 μL, 16.7 μmol, 1.00 eq., 1.67 M in H2O solution) 水溶液を加え、95度15分加熱した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーを用いて精製することにより(溶出溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=80:20)、下記に示す2-トリメチルシリルエチル2-デオキシ-3-O-エトキシメチル-2-フルオロ4,6-O-イソプロピリデン-β-D-グルコピラノシド (4.80 mg, 12.4 μmol, 74% based on KF) と2-トリメチルシリルエチル2-デオキシ-3-O-エトキシメチル-4,6-O-イソプロピリデン-β-D-エリトロ-ヘキ-2-エンピラノシド (1.40 mg, 3.90 μmol, 22% based on KF)を得た。
【0112】
【化40】
【0113】
【化41】
2-トリメチルシリルエチル2-デオキシ-3-O-エトキシメチル-2-フルオロ4,6-O-イソプロピリデン-β-D-グルコピラノシドの分析結果は、以下の通りであった。
【0114】
[α]D 17 +50.1 (c 0.940, CHCl3); 1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 4.86 (d, 1H, H-a, Jgem = 6.8 Hz), 4.79 (d, 1H, H-a, Jgem = 6.8 Hz), 4.53 (dd, 1H, H-1, J1,2 = 7.7 Hz, J1,F = 4.4 Hz), 4.19 (ddd, 1H, H-2, J1,2 = 7.7 Hz, J2,3 = 8.7 Hz, J2,F = 49.8 Hz), 4.00 (dd, 1H, H-6a, J5,6a = 5.3 Hz, J6a,6b = 10.6 Hz), 3.96 (dt, 1H, OCH2, JOCH2,CH2Si = 5.8 Hz, Jgem = 9.7 Hz), 3.88 (ddd, 1H, H-3, J2,3 = 8.7 Hz, J3,4 = 9.2 Hz, J3,F = 15.0 Hz), 3.76 (dd, 1H, H-6b, J5,6b = 10.2 Hz, J6a,6b = 10.6 Hz), 3.63-3.69 (m, 3H, OCH2, H-b), 3.59 (dd, 1H, H-4, J3,4 = 9.2 Hz, J4,5 = 9.7 Hz), 3.26 (ddd, 1H, H-5, J4,5 = 9.7 Hz, J5,6a = 5.3 Hz, J5,6b = 10.2 Hz), 1.48 (s, 3H, CH3), 1.40 (s, 3H, CH3), 1.21 (t, 3H, H-c, Jb,c = 6.8 Hz), 0.93-1.09 (m, 2H, CH2Si), 0.022 (s, 9H, SiCH3); 13C NMR (100 MHz, CDCl3): δ 100.8 (d, anomeric, JC-1,F = 24.4 Hz), 99.4 (isopropylidene), 95.1, 92.5 (d, C-2, JC-2,F = 187 Hz), 75.6 (d, C-3, JC-3,F= 19.0 Hz), 72.7 (d, C-4, JC-4,F = 9.2 Hz), 67.9, 67.2, 63.2, 62.0, 29.0, 19.0, 18.1, 14.8, -1.45; 19F NMR (373 MHz, CDCl3): δ -123.1 (dd, J2,F = 49.8 Hz, J3,F = 15.0 Hz); FT-IR (neat): 1380, 1250, 1174, 1096, 858, 756 (cm-1); HRMS (ESI-TOF) Calcd for C17H37NO6 SiF[M+NH4+ 398.2376, found 398.2374.
2-トリメチルシリルエチル2-デオキシ-3-O-エトキシメチル- 4,6-O-イソプロピリデン-β-D-エリトロ-ヘキ-2-エンピラノシドの分析結果は、以下の通りであった。
【0115】
[α]D 17 +50.1 (c 0.940, CHCl3); 1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 5.38 (br-d, 1H, H-2, J2,4 = 1.9 Hz), 5.09 (br-s, 2H, H-a), 4.95 (br-s, 1H, H-1), 4.46 (br-dt, 1H, H-4, J2,4 = J4,6a = 1.9 Hz, J4,5 = 9.2 Hz), 3.92 (dd, 1H, H-6a, J5,6a = 6.3 Hz, J6a,6b = 10.6 Hz), 3.88 (dt, 1H, OCH2, JOCH2,CH2Si = 6.3 Hz, Jgem = 9.7 Hz), 3.86 (t, 1H, H-6b, J5,6b = J6a,6b = 10.6 Hz), 3.67 (q, 2H, H-b, Jb,c = 7.3 Hz), 3.60 (ddd, 1H, H-5, J4,5 = 9.2 Hz, J5,6a = 6.3 Hz, J5,6b = 10.6 Hz), 3.56 (dt, 1H, OCH2, JOCH2,CH2Si = 6.3 Hz, Jgem = 9.7 Hz), 1.54 (s, 3H, CH3), 1.47 (s, 3H, CH3), 1.21 (t, 3H, H-c, Jb,c = 7.3 Hz), 0.95-1.00 (m, 2H, CH2Si), 0.016 (s, 9H, SiCH3); FT-IR (neat): 1660, 1374, 1217, 1086, 859, 767 (cm-1); HRMS (ESI-TOF) Calcd for C24H39N2O7[M+Na]+467.2758, found 467.2757..
【0116】
〔実施例2-4〕 脱保護
以下に2-FDGの脱保護工程を示す。
【0117】
【化42】
2-トリメチルシリルエチル 2-デオキシ-3-O-エトキシメチル-2-フルオロ-4,6-ベンジリデン-β-D-グリコピラノシド(9.10 mg, 23.9 μmol, 1.00 eq.) をTFA (1.00 mL) 80度15分反応させた。反応溶液を減圧下濃縮することにより、下記に示す2-デオキシ-2-フルオロ-α/β-D-グルコピラノシドを得た(4.00 mg, 21.9 μmol, 91%, α:β = 46:54)。
【0118】
【化43】
また、得られた化合物の分析結果は、以下の通りであった。
【0119】
1H NMR (400 MHz, D2O): δ 5.41 (br-d, 1H, H-1α, J1,2 = 3.9 Hz), 4.87 (dd, 1H, H-1β, J1,2 = 7.7 Hz, J1,F = 2.4 Hz), 4.39 (ddd, 1H, H-2α, J1,2 = 3.9 Hz, J2,3 = 9.7 Hz, J2,F = 51.5 Hz), 4.07 (ddd, 1H, H-2β, J1,2 = 7.7 Hz, J2,3 = 9.2 Hz, J2,F = 52.5 Hz), 3.93 (ddd, 1H, H-3α, J2,3 = 9.7 Hz, J3,4 = 9.2 Hz, J3,F = 15.5 Hz), 3.90 (br-d, 1H, H-6aβ, J6a,6b = 12.1 Hz), 3.83 (dt, 1H, H-5α, J4,5 = 9.7 Hz, J5,6a = J5,6b = 5.3 Hz), 3.76 (ddd, 1H, H-3β, J2,3 = 9.2 Hz, J3,4 = 9.7 Hz, J3,F = 15.0 Hz), 3.73 (dd, 1H, H-6aα, J5,6a = 5.3 Hz, J6a,6b = 12.6 Hz), 3.68 (dd, 1H, H-6bβ, J5,6b = 5.3 Hz, J6a,6b = 12.1 Hz), 3.67 (dd, 1H, H-6bα, J5,6b = 5.3 Hz, J6a,6b = 12.6 Hz), 3.41-3.50 (m, 3H, H-4α, H-4β, H-5β); 19F NMR (373 MHz, CDCl3): δ -202.9 (dd, Fα, J2,F = 51.5 Hz, J3,F = 15.5 Hz), -203.1 (dd, Fβ, J2,F = 52.5 Hz, J3,F = 15.0 Hz); FT-IR (neat): 3428, 1670, 1469, 1077, 771, 623, 478 (cm-1); HRMS (ESI-TOF) Calcd for C24H39N2O7[M+Na]+
467.2758, found 467.2757.
【0120】
〔実施例3〕 3-FDGの脱保護
以下に3-FDGの脱保護工程を示す。
【0121】
【化44】
3-デオキシ-3-フルオロ-1,2,5,6-ジ-O-イロプロピリデン-α-D-グルコフラノース(36.0 mg, 137 μmol, 1.00 eq.) の1,4-dioxane (680 μL) と H2O (680 μL) の混合溶液中に、4M 塩酸水溶液(680 μL)を加えた。80度10分反応させた後、減圧下濃縮するこことにより、下記に示す3-デオキシ-3-フルオロ-α/β-D-グルコピラノースを得た(22.9 mg, 126 μmol, 92%, α:β = 45:55)。
【0122】
【化45】
また、得られた化合物の分析結果は、以下の通りであった。
【0123】
1H NMR (400 MHz, D2O): δ 5.24 (t, 1H, H-1α, J1,2= J1,F = 3.9 Hz), 4.65 (d, 1H, H-1β, J1,2 = 8.2 Hz), 4.58 (dt, 1H, H-3α, J2,3 = J3,4 = 9.2 Hz J3,F = 54.6 Hz), 4.35 (ddd, 1H, H-3β, J2,3 = 9.2 Hz, J3,4 = 8.7 Hz, J3,F = 53.2 Hz), 3.87 (br-d, 1H, H-6aβ, J6a,6b = 12.6 Hz), 3.85 (dd, 1H, H-6aα, J5,6a = 5.3 Hz, J6a,6b = 10.6 Hz), 3.79 (ddd, 1H, H-2α, J1,2 = 3.9 Hz, J2,3 = 9.2 Hz, J2,F = 15.5 Hz), 3.79 (dd, 1H, H-6bα, J5,6b = 5.3 Hz, J6a,6b = 10.6 Hz), 3.79 (dt, 1H, H-5α, J4,5 = 9.7 Hz, J5,6a = J5,6b= 5.3 Hz), 3.76 (dd, 1H, H-6bβ, J5,6b = 5.3 Hz, J6a,6b = 12.6 Hz), 3.70 (ddd, 1H, H-4α, J3,4 = 9.2 Hz, J4,5 = 9.7 Hz, J4,F = 14.2 Hz), 3.69 (ddd, 1H, H-4β, J3,4 = 8.7 Hz, J4,5 = 9.7 Hz J4,F = 14.2 Hz), 3.50 (ddd, 1H, H-2β, J1,2 = 8.2 Hz, J2,3 = 9.2 Hz J2,F = 14.2 Hz), 3.45 (dt, 1H, H-5β, J4,5 = 9.7 Hz, J5,6a = J5,6b = 5.3 Hz); 19F NMR (373 MHz, D2O): δ -119.7 (ddd, Fα, J2,F = 13.5 Hz, J3,F = 54.6 Hz, J4,F = 14.2 Hz), -124.6 (ddd, Fβ, J3,F = 53.2 Hz, J2,F = J4,F = 14.2 Hz); FT-IR (neat): 3261, 1585, 1382, 1041, 684, 516 (cm-1); HRMS (ESI-TOF) Calcd for C24H39N2O7[M+Na]+
467.2758, found 467.2757.
【0124】
〔実施例4〕 固相担持型共重合体を用いた3-FDGの製造
〔実施例4-1〕 リンカーの合成
以下にリンカーの合成工程を示す。
【0125】
【化46】
【0126】
〔実施例4-1-1〕 8-((4-メトキシベンジル)オキシ)オクタン-1-オールの合成
63 wt% 水素化ナトリウム(1.14 g, 30.1 mmol, 1.00 eq.) の付着オイルをヘキサンで三回洗って除去した。続いて、dry DMF (30.0 mL)と 1,8-オクタンジオール(4.40 g, 30.1 mmol, 1.00 eq.) を 0度にて加えた。氷冷下5分間反応させた後、 PMBCl (4.08 mL, 30.1 mmol, 1.00 eq.) の乾燥
DMF (20.0 mL) 溶液を一時間かけて滴下した。引き続き、1.5時間反応させた後に、反応溶液を氷冷下、塩化アンモニウム水溶液に注ぎ、有機相を酢酸エチルにて抽出した。得られた有機相を1M塩酸、飽和炭酸水素ナトリウムと飽和食塩水で洗浄した。硫酸マグネシウムで乾燥させた後、減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーを用いて精製することにより(溶出溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=75:25)、下記に示す8-((4-メトキシベンジル)オキシ)オクタ-1-ノールを得た(4.66 g, 17.5 mmol, 58%)。
【0127】
【化47】
【0128】
また、得られた化合物の分析結果は、以下の通りであった。
【0129】
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 7.26 (d, 2H, aromatic, J = 9.2 Hz), 6.88 (d, 2H, aromatic, J = 9.2 Hz), 4.43 (br-s, 2H, 4-MeOBn), 3.80 (s, 3H, Me), 3.63 (t, 2H, H-h, Jg,h = 6.8 Hz), 3.43 (t, 2H, H-a, Ja,b = 6.8 Hz), 1.52-1.63 (m, 4H, H-b, H-g), 1.27-1.39 (m, 8H, H-c, H-d, H-e, H-f); 13C NMR (100 MHz, CDCl3): δ 129.2, 113.7, 72.5, 70.1, 63.0, 55.3, 32.7, 29.7, 29.4, 29.3, 26.1, 25.6; FT-IR (neat): 2874, 1598, 1355, 1177, 1098, 923, 664, 555 (cm-1); HRMS (ESI-TOF) Calcd for C24H39N2O7[M+Na]+467.2758, found 467.2757.
【0130】
〔実施例4-1-2〕 8-((4-メトキシベンジル)オキシ)オクタ-1-ナールの合成
8-((4-メトキシベンジル)オキシ)オクタ-1-ノール(4.00 g,
15.0 mmol, 1.00 eq.) の塩化メチレンCH2Cl2(22.5 mL) と飽和炭酸水素ナトリウム(15.0 mL) 混合溶液の中に、触媒量のTEMPO, KBrと 次亜塩素酸ナトリウム (30.0 mL) を室温下加えた。室温下2時間反応させた後、10% aq. チオ硫酸ナトリウム水溶液と飽和食塩水を加えた。有機相を酢酸エチルにて抽出した後、得られた有機相を10% aq. チオ硫酸ナトリウム水溶液、飽和炭酸水素ナトリウムと飽和食塩水で洗浄した。硫酸マグネシウムで乾燥させた後、減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーを用いて精製することにより(溶出溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=97:3)、下記に示す8-((4-メトキシベンジル)オキシ)オクタ-1-ナールを得た(2.98 g, 11.3 mmol, 75%)。
【0131】
【化48】
また、得られた化合物の分析結果は、以下の通りであった。
【0132】
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 7.79 (d, 4H, H-c, Jb,c = 8.2 Hz), 7.34 (d, 4H, H-b, Jb,c = 8.2 Hz), 4.15 (t, 4H, H-d, Jd,e = 4.8 Hz), 3.68 (t, 4H, H-e, Jd,e = 4.8 Hz), 3.58-3.60 (m, 12H, H-f, H-g, H-h), 2.45 (s, 6H, H-a); 13C NMR (100 MHz, CDCl3): δ 144.6, 132.7, 129.6, 127.6, 70.4, 70.3, 70.2, 69.1, 68.3, 21.3; FT-IR (neat): 2874, 1598, 1355, 1177, 1098, 923, 664, 555 (cm-1); HRMS (ESI-TOF) Calcd for C24H39N2O7[M+Na]+467.2758, found 467.2757.
【0133】
〔実施例4-1-3〕 10-((4-メトキシベンジル)オキシ)-1-デセン-3-オールの合成
8-((4-メトキシベンジル)オキシ)オクタ-1-ナール(2.90 g, 11.0 mmol, 1.00 eq.) の乾燥テトラヒドロフラン (22.0 mL) 溶液に、ビニルマグネシウムクロライド (7.54 mL, 12.1 mmol, 1.10 eq., 1.6 M in THF solution)を氷冷下20分かけて滴下した。氷冷下10分反応させた後、反応溶液を飽和塩化アンモニウム水溶液に注いだ。有機相を酢酸エチルにて抽出した後、得られた有機相を飽和塩化アンモニウム水溶液と飽和食塩水で洗浄した。硫酸マグネシウムで乾燥させた後、減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーを用いて精製することにより(溶出溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=90:10)、下記に示す10-((4-メトキシベンジル)オキシ)-1-デセン-3-オール(2.29 g, 7.83 mmol, 71%)で得た
【0134】
【化49】
また、得られた化合物の分析結果は、以下の通りであった。
【0135】
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 7.25 (d, 2H, aromatic, J = 8.2 Hz), 6.87 (d, 2H, aromatic, J = 8.2 Hz), 5.86 (ddt, 1H, H-b, Ja,b = 18.4 Hz, Ja’,b = 11.6 Hz, Jb,c = 6.3 Hz), 5.21 (dd, 1H, H-a, Ja,b = 18.4 Hz, Ja,a’ = 1.5 Hz), 5.10 (dd, 1H, H-a’, Ja’,b = 11.6 Hz, Ja,a’ = 1.5 Hz), 4.43 (br-s, 2H, 4-MeOBn), 4.09 (q, 1H, H-c, Jb,c = Jc,d = 6.3 Hz), 3.80 (s, 3H, Me), 3.43 (t, 2H, H-j, Ji,j = 6.8 Hz), 1.31-1.61 (m, 12H, H-d, H-e, H-f, H-g, H-h, H-i); 13C NMR (100MHz, CDCl3):δ 158.9, 141.3, 130.6, 129.1, 114.2, 72.9, 72.3, 70.0, 55.1, 36.9, 29.5, 29.3, 29.2, 26.0, 25.1; FT-IR (neat): 2874, 1598, 1355, 1177, 1098, 923, 664, 555 (cm-1); HRMS (ESI-TOF) Calcd for C24H39N2O7[M+Na]+467.2758, found 467.2757.
【0136】
〔実施例4-1-4〕 1-デセン-3,10-ジオールの合成
10-((4-メトキシベンジル)オキシ)-1-デセン-3-オール(590
mg, 2.02 mmol, 1.00 eq.) の塩化メチレン (20.0 mL) と飽和炭酸水素ナトリウムの水溶液 (10.0 mL) にDDQ (687 mg, 3.03 mmol, 1.50 eq.) を室温下加えた。同温下、5時間反応させた後、反応溶液を10%チオ硫酸ナトリウム水溶液にに注いだ。有機相を酢酸エチルにて抽出した後、得られた有機相を10%チオ硫酸ナトリウム水溶液、飽和炭酸水素ナトリウムの水溶液と飽和食塩水で洗浄した。硫酸マグネシウムで乾燥させた後、減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーを用いて精製することにより(溶出溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=70:30)、下記に示す1-デセン-3,10-ジオールを得た(324 mg, 1.88 mmol, 93%)。
【0137】
【化50】
また、得られた化合物の分析結果は、以下の通りであった。
【0138】
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 5.86 (ddt, 1H, H-b, Ja,b = 17.4 Hz, Ja’,b = 10.6 Hz, Jb,c = 6.3 Hz), 5.21 (br-d, 1H, H-a, Ja,b = 17.4 Hz), 5.09 (dd, 1H, H-a’, Ja’,b = 10.6 Hz), 4.08 (q, 1H, H-c, Jb,c = Jc,d = 6.3 Hz), 3.63 (t, 2H, H-j, Ji,j = 6.8 Hz), 1.32-1.69 (m, 12H, H-d, H-e, H-f, H-g, H-h, H-i); 13C NMR (100MHz, CDCl3): δ 141.3, 114.5, 73.2, 63.0, 37.0, 32.7, 29.4, 29.3, 25.6, 25.2; FT-IR (neat): 2874, 1598, 1355, 1177, 1098, 923, 664, 555 (cm-1); HRMS (ESI-TOF) Calcd for C24H39N2O7[M+Na]+467.2758, found 467.2757.
【0139】
〔実施例4-1-5〕 8-オキソ-9-デセン酸の合成
1-デセン-3,10-ジオール(920 mg, 5.34 mmol, 1.00 eq.) の1,4-dioxane
(15.0 mL) と H2O (10.0 mL) の溶液中に触媒量のTEMPO, フェニルヨージンダイアセタート(2.06 g, 6.41 mmol, 1.20 eq.) を室温下加えた。同温下、20時間反応させた後、反応溶液を1M塩酸水溶液と飽和食塩水に注いだ。有機相をクロロホルムにて抽出した後、得られた有機相を硫酸マグネシウムで乾燥させた後、減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーを用いて精製することにより(溶出溶媒:クロロホルム/メタノール=97:3)、下記に示す8-オキソ-9-デセン酸を得た(915 mg, 4.97 mmol, 93%)。
【0140】
【化51】
また、得られた化合物の分析結果は、以下の通りであった。
【0141】
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 6.35 (dd, 1H, H-b, Ja,b = 17.4 Hz, Ja’,b = 10.6 Hz), 6.21 (dd, 1H, H-a, Ja,b = 17.4 Hz, Jgem = 1.5 Hz), 5.82 (dd, 1H, H-a’, Ja’,b = 10.2 Hz, Jgem = 1.5 Hz), 2.58 (t, 2H, H-c, Je,f = 7.3 Hz), 2.35 (t, 2H, H-h, Jg,h = 7.3 Hz), 1.59-1.68 (m, 4H, H-d, H-g), 1.32-1.38 (m, 4H, H-e, H-f); 13C NMR (100 MHz, CDCl3): δ 179.4, 141.1, 114.7, 73.2, 36.8, 34.0, 29.1, 28.9, 25.0, 24.6; FT-IR (neat): 2874, 1598, 1355, 1177, 1098, 923, 664, 555 (cm-1); HRMS (ESI-TOF) Calcd for C24H39N2O7[M+Na]+467.2758, found 467.2757.
【0142】
〔実施例4-1-6〕 8-ヒドロキシ-9-デセン酸の合成
8-オキソ-9-デセン酸 (910 mg, 4.94 mmol, 1.00 eq.) のMeOH (20.0 mL) 溶液にCeCl3・7H2O (2.76 g, 7.41 mmol, 1.50 eq.)を加えた。 氷冷下30分撹拌した後、水素化ホウ素ナトリウム (224 mg, 5.93 mmol, 1.20 eq.) をゆっくり加えた。一時間撹拌した後、反応溶液を1M塩酸水溶液に注いだ。有機相をクロロホルムにて抽出した後、得られた有機相を硫酸マグネシウムで乾燥させた後、減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーを用いて精製することにより(溶出溶媒:クロロホルム/メタノール=97:3)、下記に示す8-ヒドロキシ-9-デセン酸を得た(870 mg, 4.55 mmol, 92%)。
【0143】
【化52】
また、得られた化合物の分析結果は、以下の通りであった。
【0144】
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 5.83 (ddt, 1H, H-b, Ja,b = 17.4 Hz, Ja’,b = 10.2 Hz, Jb,c = 6.8 Hz), 5.20 (br-d, 1H, H-a, Ja,b = 17.4 Hz), 5.09 (br-d, 1H, H-a’, Ja’,b = 10.2 Hz), 4.09 (q, 1H, H-c, Jb,c = Jc,d = 6.8 Hz), 2.33 (t, 2H, H-i, Jh,i = 7.3 Hz), 1.33-1.64 (m, 12H, H-d, H-e, H-f, H-g, H-h); 13C NMR (100 MHz, CDCl3): δ 179.4, 141.1, 114.7, 73.2, 36.8, 34.0, 29.1, 28.9, 25.0, 24.6; FT-IR (neat): 2874, 1598, 1355, 1177, 1098, 923, 664, 555 (cm-1); HRMS (ESI-TOF) Calcd for C24H39N2O7[M+Na]+467.2758, found 467.2757.
【0145】
〔実施例4-2〕 固相担持型アリルTFAエステルの合成
以下に固相担持型アリルTFAエステルの合成工程を示す。
【0146】
【化53】
【0147】
〔実施例4-2-1〕 固相担持型アリルアルコールの合成
8-ヒドロキシ-9-デセン酸 (50.0 mg, 0.268 mmol, 1.30 eq.) の乾燥塩化メチレン
(2.10 mL) 溶液にTentaGel-NH2 resin (480 mg, 0.207 mmol, 1.00 eq., 0.43 mmol/g)、PyBop (215 mg, 0.413 mmol, 2.00 eq.) と DIEA (103 μL, 0.620 mmol, 3.00 eq.) を室温下加えた。室温下、24時間撹拌した後、ろ過し固相を取り出した。得られた固相をTHF/ H2O (1/ 1) (1.00 mL), MeOH (1.00 mL) and dry CH2Cl2(1.00 mL)で洗浄し、下記に示す固相担持型アリルアルコールを得た。
【0148】
【化54】
また、得られた化合物の分析結果は、以下の通りであった。
【0149】
FT-IR (neat): 2927, 1653, 1452, 1117, 700, 551 (cm-1).
【0150】
〔実施例4-2-2〕 固相担持型アリルTFAエステルの合成
続いて、固相担持型アリルアルコールを乾燥塩化メチレン(2.00 mL) に入れ、トリフルオロ酢酸無水物(287 μL, 2.07 mmol, 20.0 eq.) と ジイソプロピルエチルアミン(890 μL, 5.16 mmol, 50.0 eq.) を加えた。室温下12時間反応させた後、固相を取り出し、塩化メチレンで洗浄し、減圧下乾燥させることにより、下記に示す固相担持型アリルTFAエステルを得た。
【0151】
【化55】
また、得られた化合物の分析結果は、以下の通りであった。
【0152】
FT-IR (neat): 2928, 1782, 1671, 1452, 1140, 704, 531 (cm-1).
【0153】
〔実施例4-3〕 固相担持型共重合体の合成
以下に固相担持型共重合体の合成工程を示す。
【0154】
【化56】
固相担持型アリルTFAエステル (45.0 mg, 19.4 μmol, 0.0500 eq.)と0.1 M Ni(COD)2 トルエン 溶液 (310 μL, 31.0 μmol, 0.0800 eq.)を窒素雰囲気下で反応させた。20分間反応させた後に、過剰のNi(COD)2 solution を除いた。3-FDG モノマー(284 mg, 387 μmol, 1.00 eq.) とクラウンエーテルモノマー(174 mg, 387 μmol, 1.00 eq.) のMeOH (500 μL) 溶液を室温下加えて、5日間反応させることにより、下記に示す固相担持型共重合体を得た(319 mg, 62%)。
【0155】
【化57】
また、得られた化合物の分析結果は、以下の通りであった。
【0156】
FT-IR (neat): 3284, 2930, 1640, 1507, 1264, 1121, 959, 770 (cm-1).
【0157】
〔実施例4-4〕 3-FDGの切り出し
〔実施例4-4-1〕 TBAIによる切り出し
以下にTBAIによる切り出し工程を示す。
【0158】
【化58】
固相担持型共重合体(29.1 mg) のアセトニトリル CH3CN (1.00 mL) 溶液にテトラブチルアンモニウムヨーウジド(110 mg) を室温下加えた。95度24時間反応させたところ、下記に示す3-デオキシ-3-ヨード-1,2,5,6-ジ-O-イソプロピリデン-α-D-グルコフラノースを得た。この化合物の定量を行ったところ、固相担持型共重合体には0.371 mmol/gの3-FDG前駆体が固定化されていることが明らかになった。
【0159】
【化59】
また、得られた化合物の分析結果は、以下の通りであった。
【0160】
[α]D 26 -20.8 (c 0.900, CHCl3); 1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 5.98 (d, 1H, H-1, J1,2 = 3.4 Hz), 5.06 (d, 1H, H-3, J3,4 = 3.4 Hz), 4.56 (d, 1H, H-2, J1,2 = 3.4 Hz), 4.04-4.16 (m, 3H, H-5, H-6a, H-6b), 3.28 (dd, 1H, H-4, J3,4 = 3.4 Hz, J4,5 = 7.3 Hz), 4.10 (ddd, 1H, H-4, J3,4 = 4.8 Hz, J4,5 = 7.7 Hz, J4,F = 27.4 Hz), 4.02 (dd, 1H, H-6b, J5,6b = 6.3 Hz, J6a,6b = 8.7 Hz), 1.51 (s, 3H, CH3), 1.42 (s, 3H, CH3), 1.36 (s, 3H, CH3), 1.32 (s, 3H, CH3); 13C NMR (100 MHz, CDCl3): δ (112.7, 109.6, 104.9 anomeric, isopropylidene), 88.4, 79.7, 79.1, 67.4, 34.1, 27.0, 26.6, 26.4, 25.1; FT-IR (neat): 2987, 1373, 1212, 1065, 845 (cm-1); HRMS (ESI-TOF) Calcd for C12H20O5F[M+H]+263.1292, found 262.1295.
〔実施例4-4-2〕 KFによる切り出し
以下にKFによる切り出し工程を示す。
【0161】
【化60】
固相担持型共重合体(54.5 mg, 20.2 μmol, 2.00 eq.) のCH3CN (220 μL) 溶液にKF (10.0 μL, 10.1 μmol, 1.00 eq., 1.0 M in H2O solution) を室温下加えた。95 度 30分間反応させた。固相をろ過により除いた。さらに、固相をアセトニトリル(1.00 mL)で洗浄した。ろ液を減圧濃縮し、カラムクロマトグラフィーで精製することにより、3-デオキシ-3-フルオロ-1,2,5,6-ジ-O- イソプロピリデン-α-D-グルコフラノースを得た(1.30 mg, 5.00 μmol, 50%)。
【産業上の利用可能性】
【0162】
本発明により、18F標識化合物の効率的な製造が可能になる。18F標識化合物は、種々の疾患の診断に利用されるPET用プローブとして有用である。このため、本発明は、製薬などの産業分野において利用可能である。
【0163】
本明細書は、本願の優先権の基礎である日本国特許出願(特願2010-029295号)の明細書および/または図面に記載されている内容を包含する。また、本明細書で引用した全ての刊行物、特許および特許出願をそのまま参考として本明細書にとり入れるものとする。
図1