(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、空気の対流を生成し、滑り止め機能を果たすことが可能なインソールを提供することを主な目的とする。
【0005】
本発明は、ユーザーの足裏を柔軟に支持し、いつでもユーザーに立つ姿勢を注意させ、ユーザーの立つ姿勢を矯正することが可能なインソールを提供することをもう一つの目的とする。
【0006】
本発明は、跳躍力および防振機能を増進することが可能なインソールを提供することをもう一つの目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述の目的を達成するために、本発明による多機能インソールは、人体の足裏に密着するシートを備える。シートは人体の足裏構造に対応するアーチ部位と、アーチ部位の後側に位置する踵部位と、アーチ部位の前側の足の親指、第2指、第3指、第4指及び小指に対応するつま先部位と、アーチ部位とつま先部位との間に位置する中足骨部位とを有する。アーチ部位は内側アーチ部位および外側アーチ部位に区分される。つま先部位は足の親指に対応する内側つま先部位と、第2指、第3指、第4指および小指に対応する外側つま先部位とに区分される。中足骨部位は内側中足骨部位および外側中足骨部位に区分される。インソールの特徴は次の通りである。シートは中空突起部を有し、中空突起部はシートの頂面の突起によって一体に形成された突起状表面と、突起状表面に対応するようにシートの底面の陥没によって一体に形成された陥没状表面と、陥没状表面から形成された気室とを有する。中空突起部の気室は圧迫状態と解放状態との間で変形可能である。
【0008】
本発明の一実施形態による多機能インソールにおいて、中空突起部は、人体が歩行し、足裏で地面を踏む際に力を受ける区域に対応するように設計される。人体が歩行する際、中空突起部は人体の足裏で受けた力によって圧縮されるため、気室は圧迫状態を呈し、気室内の熱気を排出する。中空突起部が自らの弾力によって原状に復元すると気室が解放状態を呈する際、気室内の気圧が靴の内部の気圧より小さくなる。このとき靴の内部の冷たい空気は気室内に吸引され、空気の対流を生成し、循環させる。従って、本発明によるインソールは通気効果が良好で悪臭が発生しにくいだけでなく、長時間にわたって人体の足裏を乾燥状態に保持し、人体の足裏の快適性を高めることができる。また本発明は中空突起部によって人体の足と靴とを相互に密着させることによって滑り止め機能を果たす。
【0009】
本発明の一実施形態による多機能インソールにおいて、シートはさらに通気溝を有する。通気溝はつま先部位に近い前周縁部から内側つま先部位と外側つま先部位との間に対応する位置に沿って踵部位へ縦方向に延びて通気溝および気室に連絡することによって熱気排出および冷気吸引の効率を向上させる。
【0010】
上述した実施形態において、シートの通気溝は、通気溝より狭い狭窄部位を有し、狭窄部位は通気溝および気室に連絡する。気室が圧迫状態を呈する際、気室内の熱気は狭窄部位によって加圧され、通気溝内に追い詰められるため、熱気排出の効率を向上させることができる。
【0011】
通気溝はつま先部位に近い前周縁部に陥没状通気口を有するため、インソール上の通気口を有する周縁部と靴の内壁とを相互に密着させることが発生せず、熱気の排出量および冷気の吸引量を増加させることができる。
【0012】
シートは、さらに通気溝に連絡する別の一つの通気溝を有する。別の一つの通気溝は、外側つま先部位に近い外周辺縁部からつま先部位と中足骨部位との間に沿って内側つま先部位に近い内周辺縁部まで横方向に延びて形成されてもよい。かつ別の一つの通気溝はつま先部位と中足骨部位との間に近い外周辺縁部または内周辺縁部に陥没状通気口を配置されてもよい。または別の一つの通気溝は、シートの外周辺縁部から中足骨部位とアーチ部位との間に沿ってシートの内周辺縁部まで横方向に延びて形成されてもよい。かつ別の一つの通気溝は中足骨部位とアーチ部位の間に近い外周辺縁部または内周辺縁部に陥没状通気口を配置されてもよい。
【0013】
本発明の一実施形態による多機能インソールにおいて、シートの内側アーチ部位はシートの底面の突起によって一体に形成された弧状突起辺縁部を有する。弧状突起辺縁部は弧形頂面および弧形底面を有する。シートの中空突起部は、踵部位または内側アーチ部位の弧状突起辺縁部に位置することが比較的好ましい。中空突起部が弧状突起辺縁部に位置する際、中空突起部の突起状表面は弧形頂面の突起によって一体に形成され、中空突起部の陥没状表面は弧形底面の陥没によって一体に形成されるため、本発明によるインソールは、内側アーチ部位に位置する中空突起部によってユーザーの足裏を柔軟的に支持し、いつでもユーザーに立つ姿勢を注意させ、ユーザーの立つ姿勢を矯正する機能を果たすことができる。
【0014】
本発明の一実施形態による多機能インソールは、さらに別の一つの中空突起部を備える。別の一つの中空突起部は、シートの頂面の突起によって一体に形成された突起状表面と、突起状表面に対応するようにシートの底面の陥没によって一体に形成された陥没状表面と、陥没状表面から形成された気室とを有する。別の一つの中空突起部の気室は圧迫状態と解放状態との間で変形可能である。一つの中空突起部が踵部位に位置する際、上述した別の一つの中空突起部は内側アーチ部位、外側アーチ部位、中足骨部位およびつま先部位のうちの少なくとも一つの部位に位置してもよい。または上述した別の一つの中空突起部は内側アーチ部位、外側アーチ部位、内側中足骨部位、外側中足骨部位、内側つま先部位および外側つま先部位のうちの少なくとも一つの部位に位置してもよい。同様に一つの中空突起部が内側アーチ部位の弧状突起辺縁部に位置する際、上述した別の一つの中空突起部は、踵部位、外側アーチ部位、中足骨部位およびつま先部位のうちの少なくとも一つの部位に位置してもよい。または上述した別の一つの中空突起部は、踵部位、外側アーチ部位、内側中足骨部位、外側中足骨部位、内側つま先部位および外側つま先部位のうちの少なくとも一つの部位に位置してもよい。
【0015】
本発明の一実施形態による多機能インソールは、さらにシートの別の一つの中空突起部の気室内に配置される振動吸収材および/または反発材を備える。反発材は中足骨部位に位置する中空突起部の気室内に配置されるか、或いは内側中足骨部位または外側中足骨部位に位置する少なくとも一つの中空突起部の気室内に配置されることが最も好ましい。振動吸収材は踵部位に位置する中空突起部の気室内に配置される。
【0016】
本発明の一実施形態による多機能インソールは、さらに少なくとも一つの支持部を備える。支持部は中空突起部の下方に配置され、かつ突起壁および突起壁の内側に位置する空気収容空間を有するため、中空突起部の高さを確実に維持することができる。
【0017】
本発明の一実施形態による多機能インソールは、複数の支持部を備える。踵部位、内側アーチ部位または外側アーチ部位に位置する中空突起部の下方に配置された支持部はさらに空気収容空間に連絡する噴出口を有する。それぞれの支持部の突起壁は中空突起部の陥没状表面に付着する。支持部の噴出口は通気溝および空気収容空間に連絡する。続いて中足骨部位(内側中足骨部位または外側中足骨部位)またはつま先部位(内側つま先部位または外側つま先部位)に位置する中空突起部の下方に配置された支持部は、さらに突起壁と、突起壁と一体に接続した底面とを有するため、空気収容空間は密閉状態に形成される。それぞれの支持部の底面は靴の内側底面に接する。
【0018】
本発明の別の一実施形態による多機能インソールは、少なくとも二つの支持部と、支持部の間に一体に接続された接続片とを備える。
また、本発明の別の一実施形態による多機能インソールは、人体の足裏に密着するシートを備える。シートはアーチ部位、踵部位、つま先部位および中足骨部位を有する。アーチ部位は内側アーチ部位および外側アーチ部位に区分される。つま先部位は内側つま先部位および外側つま先部位に区分される。中足骨部位は内側中足骨部位および外側中足骨部位に区分される。インソールの特徴は次の通りである。シートは第一層体および第一層体の上に配置された第二層体を有する。第一層体は中空突起部を有し、中空突起部は第一層体の頂面の突起によって一体に形成された突起状表面と、突起状表面に対応するように第一層体の底面の陥没によって一体に形成された陥没状表面と、陥没状表面から形成された気室とを有する。中空突起部の気室は圧迫状態と解放状態との間で変形可能である。第二層体は中空突起部を有する。第二層体の中空突起部は第二層体の頂面の突起によって一体に形成された突起状表面と、突起状表面に対応するように第二層体の底面の陥没によって一体に形成された陥没状表面と、陥没状表面および第一層体の頂面から形成された密閉室とを有する。
【0019】
本発明の一実施形態による多機能インソールにおいて、シートの第二層体の中空突起部は、密閉された気室を有するため、跳躍力を増大させることができる。インソールの反発力および/または振動吸収力を増大させようとする場合、密閉された気室に反発材および/または振動吸収材を配置することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本発明の第1実施形態による多機能インソールを示す立体図である。
【
図2】
図1に示したインソールの中空突起部が人体の足裏の踵に対応する状態を示す底面図である。
【
図4】本発明の第1実施形態による多機能インソールの別の形を示す底面図である。
【
図5】本発明の第1実施形態による多機能インソールのまた別の形を示す立体図である。
【
図6】
図5に示したインソール上の中空突起部がそれぞれ人体の足裏の部位に対応する状態を示す底面図である。
【
図7】本発明の第2実施形態による多機能インソールを示す平面図である。
【
図8A】内側アーチ部位に位置する中空突起部の形を示す断面図である。
【
図8B】内側アーチ部位に位置する中空突起部の別の形を示す断面図である。
【
図9】本発明の第3実施形態による多機能インソールを示す立体図である。
【
図10】
図9に示したインソール上の中空突起部がそれぞれ人体の足裏の部位に対応する状態を示す底面図である。
【
図11】
図9の11−11線に沿った断面図である。
【
図12】本発明の第3実施形態による多機能インソールの別の形を示す立体図である。
【
図13】
図12に示したインソール上の中空突起部がそれぞれ人体の足裏の部位に対応する状態を示す底面図である。
【
図14】本発明の第4実施形態による多機能インソールを示す縦断面図である。
【
図15A】支持部を備える多機能インソールを示す縦断面図である。
【
図15B】支持部を備える別の一つの多機能インソールを示す縦断面図である。
【
図16】シートの踵部位に位置する中空突起部の下方に配置された支持部の形を示す断面図である。
【
図17】シートの踵部位に位置する中空突起部の下方に配置された支持部の別の形を示す断面図である。
【
図18】支持部を備える多機能インソールを示す縦断面図である。
【
図19】接続片と支持部とが一体に結合した状態を示す断面図である。
【
図20】中空突起部に陥没状補強部が配置された状態を示す立体図である。
【
図21】中空突起部に複数の陥没状補強部が配置された状態を示す立体図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明による多機能インソールについての詳細な構造および特徴を説明するため、以下の実施形態および図面を提示し、本発明領域において常識がある人ならば本発明の実施形態を簡単に実施できる範囲内に説明を進める。
以下、本発明による多機能インソールを図面に基づいて説明する。図面の中の同じ符号は同じ構造または部位または類似した構造または部位を表示する。
【0022】
(第1実施形態)
図1に示すように、本発明の第1実施形態による多機能インソール1は、シート10を備える。
シート10は、PU発泡材質から製作され、弾性復元力を有する。実際に製造する際、シート10の材質は上述した材質に限らず、インソールの製作に使用できる布、革、コルク、エマルションまたは熱可塑性ゴム(TPR)などの材質にしてもよい。
図1から
図2に示すように、シート10は人体の足裏4に密着する。足裏4は構造によってアーチ41と、アーチ41の後側に位置する踵43と、アーチ41の前側に位置するつま先45と、アーチ41とつま先45との間に位置する中足骨47とに区分される。つま先45は足の親指451、第2指452、第3指453、第4指454及び小指455から組成される。中足骨47は中足骨内側47aおよび中足骨外側47bに区分される。アーチ41は内側アーチ41aおよび外側アーチ41bに区分される。シート10は、アーチ41に対応するアーチ部位12、内側アーチ41aに対応する内側アーチ部位12aおよび外側アーチ41bに対応する外側アーチ部位12bと、踵43に対応する踵部位14と、つま先45に対応するつま先部位16と、足の親指451に対応する内側つま先部位16aと、第2指452、第3指453、第4指454および小指455に対応する外側つま先部位16bと、中足骨47に対応する中足骨部位18と、中足骨内側47aに対応する内側中足骨部位18aと、中足骨外側47bに対応する外側中足骨部位18bとを有する。
【0023】
図1および
図2に示すように、シート10は踵部位14に位置するように頂面11から形成された第一中空突起部111を有する。
図3に示すように第一中空突起部111はシート10の頂面11の突起によって一体に形成された突起状表面111aと、シート10の底面13の陥没によって一体に形成された陥没状表面111bと、陥没状表面111bから形成された第一気室15とを有する。第一気室15は圧迫状態と解放状態との間で変形可能である。
【0024】
実際に本実施形態によるインソール1を使用し、シート10の踵部位14によって力を受けると、第一中空突起部111は圧縮されるため、第一気室15は圧迫状態を呈する。このとき第一気室15内の熱気は排出される。第一中空突起部111が圧力を解除し原状に復元する場合において第一気室15が解放状態を呈する際、第一気室15内の気圧は靴の内部の気圧より低くなる。このとき靴の内部の冷たい空気は第一気室15内に吸引されることでシート10の底面13と靴の内部との間に空気循環を生成することができる。
【0025】
図4に示すのは本発明の第1実施形態による別の一つの多機能インソール1’である。シート10は踵部位14に位置するように頂面11から形成された第一中空突起部111を有する。第一中空突起部111は第一気室15を有する。シート10は底面13に形成された第一通気溝131を有する。第一通気溝131はつま先部位16に近い前周縁部101から内側つま先部位16aと外側つま先部位16bとの間に対応する位置に沿って踵部位14へ縦方向に延びて第一気室15に連絡する。第一通気溝131はつま先部位16に近い前周縁部101が弧状に陥没して形成された通気口102を有する。通気口102はインソール10の周縁部と靴の内壁とを相互に密着させることなく、熱気の排出量および冷気の吸引量を増加させることができる
【0026】
実際に本実施形態によるインソール1’を使用し、シート10の踵部位14によって力を受ける際、第一気室15は圧迫状態を呈する。このとき第一気室15内の熱気は第一通気溝131によって排出される。第一中空突起部111が圧力を解除し原状に復元すると第一気室15が解放状態を呈する際、靴の内部の冷たい空気は第一通気溝131によって第一気室15内に吸引されるため、本発明によるインソール1’は靴の内部との間に通気溝の配置によって空気循環効率を向上させることができる。
【0027】
図5および
図6に示すのは本発明の第1実施形態によるまた別の一つの多機能インソール1”である。シート10は踵部位14に位置するように頂面11から形成された第一中空突起部111を有する。第一中空突起部111は第一気室15を有する。シート10は底面13に形成された第一通気溝131’、第二通気溝132、第三通気溝133および第四通気溝134を有する。第一通気溝131’は第一延長部位131a、第二延長部位131bおよび狭窄部位131cを有する。第一延長部位131aはつま先部位16に近い前周縁部101から内側つま先部位16aと外側つま先部位16bとの間に対応する位置に沿って踵部位14へ縦方向に延びて第一気室15に連絡する。第二延長部位131bは第一延長部位131aに連絡し、かつ踵部位14に近い外周辺縁部103および内周辺縁部104まで横方向に延びる。狭窄部位131cは大きさが第一通気溝131’より小さく、かつ第一通気溝131’の第二延長部位131bおよび第一気室15に連絡する。第一通気溝131’はつま先部位16に近い前周縁部101が弧状に陥没して形成された通気口102を有する。第二通気溝132は第一通気溝131’に連絡し、かつ外側つま先部位16bに近い外周辺縁部103からつま先部位16と中足骨部位18との間に沿って内側つま先部位16aに近い内周辺縁部104まで横方向に延びる。かつ第二通気溝132はつま先部位16と中足骨部位18との間に近い外周辺縁部103および内周辺縁部104がそれぞれ弧状に陥没して形成された通気口105を有する。第三通気溝133は第一通気溝131’に連絡し、かつシート10の外周辺縁部103から中足骨部位18とアーチ部位12との間に沿ってシート10の内周辺縁部104まで横方向に延びる。かつ第三通気溝133は中足骨部位18とアーチ部位12との間に近い外周辺縁部103および内周辺縁部104がそれぞれ弧状に陥没して形成された通気口106を有する。第四通気溝134は第三通気溝133に連絡し、かつ第三通気溝133から内側アーチ部位12aの内側の形に沿って踵部位14の近くまで縦方向に延びる。
【0028】
実際に本実施形態によるインソール1”を使用し、踵部位14によって力を受ける際、第一気室15は圧迫状態を呈する。このとき狭窄部位131cは加圧作用を生じるため、第一気室15内の熱気は第一通気溝131’内に追い詰められ、かつ第一通気溝131’に直接または間接に連絡する第二通気溝132、第三通気溝133および第四通気溝134によって排出される。シート10の踵部位14の受けた圧力が解除される際、第一中空突起部111は原状に復元するため、第一気室15は解放状態を呈する。このとき靴の内部の冷たい空気は第一通気溝131’から第四通気溝134によって第一気室15内に吸引される。
【0029】
第一通気溝131’から第四通気溝134の配置位置は、人体が歩行し足裏4で地面を踏む際の動作に基づいて設計されるため、人体の足裏4が本発明によるインソール1’を踏む際、第一通気溝131‘から第四通気溝134は人体の体重によって圧縮されず、変形することがない。従って、本発明によるインソールは長時間にわたって使用されても空気の対流を良好に維持できる。
【0030】
(第2実施形態)
以下の実施形態において、シートの材質および区分されたそれぞれの部位は第一実施形態と同じであるため、それらについての説明を省略する。続いて第1実施形態と異なる部分について説明を進める。
図7および
図8に示すように、本発明の第2実施形態による多機能インソール2はシート20を備える。
シート20の内側アーチ部位12aは、シート20の底面23の突起によって一体に形成された弧状突起辺縁部25を有する。弧状突起辺縁部25は弧形頂面251および弧形底面253を有する。シート20の内側アーチ部位12aの弧状突起辺縁部25は中空突起部255を有する。
図8に示すように中空突起部255は、弧形頂面251の突起によって一体に形成された突起状表面255aと、弧形底面253の陥没によって一体に形成された陥没状表面255bと、陥没状表面255bから形成された気室27とを有する。気室27は圧迫状態と解放状態との間で変形可能である。
【0031】
本実施形態によるインソール2は実際に使用されると、上述したとおり、靴の内部に空気循環を生じさせることができるだけでなく、内側アーチ部位に配置された中空突起部によってユーザーの足裏を柔軟に支持し、いつでもユーザーに立つ姿勢を注意させ、かつ長期使用された後、ユーザーの立つ姿勢を矯正する目的を達成することができる。
【0032】
図8Aに示すように、弧状突出辺縁部25の中空突起部255の突起状表面255aはシート20の頂面21に直接に接続される。或いは、
図8Bに示すように、弧状突出辺縁部25は接続部位257を有する。接続部位257は中空突起部255の突起状表面255aとシート20の頂面21とを接続し、かつ長さが特別に制限されない。
【0033】
(第3実施形態)
図9から
図11に示すように、本発明の第3実施形態による多機能インソール3は、シート10を備える。
シート10は、頂面11から形成された第一中空突起部111、第二中空突起部112、第三中空突起部113、第四中空突起部114、第五中空突起部115および第六中空突起部116を有する。第一中空突起部111の配置位置は第1実施形態と同じである。第二中空突起部112はアーチ部位12に位置する。第三中空突起部113は内側中足骨部位18aに位置する。第四中空突起部114は外側中足骨部位18bに位置する。第五中空突起部115は内側つま先部位16aに位置する。第六中空突起部116は外側つま先部位16bに位置する。
図11に示すように、第五中空突起部115はシート10の頂面11の突起によって一体に形成された突起状表面115aと、シート10の底面13の陥没によって一体に形成された陥没状表面115bと、陥没状表面115bから形成された第五気室17とを有する。第六中空突起部116はシート10の頂面11の突起によって一体に形成された突起状表面116aと、シート10の底面13の陥没によって一体に形成された陥没状表面116bと、陥没状表面116bから形成された第六気室19とを有する。第二中空突起部112から第四中空突起部114はそれぞれ上述した突起状表面、陥没状表面および第三気室、第二気室および第四気室を有するが、図の中には表示されていない。また第一中空突起部111から第六中空突起部116の気室は圧迫状態と解放状態との間で変形可能である。
【0034】
実際に本実施形態によるインソール3を使用し、シート10の踵部位14によって力を受けると、第一中空突起部111は圧縮されるため、第一気室15は圧迫状態を呈する。このとき第一気室15内の熱気は排出される。シート10の踵部位14の受けた力がシート10のアーチ部位12に移る際、第二中空突起部112は圧縮されるため、第二気室(図中未表示)は圧迫状態を呈する。このとき第二気室内の熱気は排出される。第一中空突起部111が圧力を解除し原状に復元すると第一気室15が解放状態を呈する際、第一気室15内の気圧が靴の内部の気圧より小さくなる。このとき靴の内部の冷たい空気は第一気室15内に吸引される。同様にシート10のアーチ部位12の受けた力がシート10の内側中足骨部位18aおよび外側中足骨部位18bまたはシート10の内側つま先部位16aおよび外側つま先部位16bに移る際、力を受けた気室内の熱気は排出されるため、解放された気室は冷たい空気を吸入し、シート10の底面13と靴の内部との間に空気循環を生じさせることができる。
【0035】
図12および
図13に示すのは、本発明の第3実施形態による別の一つのインソール3’である。詳しく言えば、踵部位14、アーチ部位12、中足骨部位18およびつま先部位16にのみ中空突起部は配置されてもよい。つまり、
図12および
図13に示すように、第七中空突起部117はシート10の中足骨部位18に配置される。第八中空突起部118はシート10のつま先部位16に配置される。言い換えれば、第七中空突起部117は第三中空突起部113および第四中空突起部114を一つにまとめる。第八中空突起部118は第五中空突起部115および第六中空突起部116を一つにまとめる。前述と同じように気室内の熱気を排出し、かつシート10の力を受けた部位の転移に伴って靴の内部の冷たい空気を力が解除されたばかりの気室内に吸引し、シート10の底面13と靴の内部との間に空気循環を生じさせることができる。
【0036】
前述した実施形態によるインソールにおいて、シートが複数の中空突起部を有する場合、インソールはさらに少なくとも一つの振動吸収材および/または反発材を備えてもよい。振動吸収材および/または反発材は中空突起部のうちの少なくとも一つに配置されることでユーザーの跳躍する際に生じる跳躍力を増進し、振動を吸収することができる。特に、振動吸収材はシートの踵部位に位置する中空突起部の気室内に配置され、反発材はシートの中足骨部位またはつま先部位に位置する中空突起部の気室内に配置されることが最も好ましい。
【0037】
(第四実施形態)
図14に示すように、本発明の第四実施形態による多機能インソール5は、シート50および反発材60を備える。
シート50は、第一層体70および第二層体80を有する。第一層体70はシート50の踵部位14に対応するように頂面に形成された中空突起部711を有する。中空突起部711は第一層体70の頂面71の突起によって一体に形成された突起状表面711aと、第一層体70の底面73の陥没によって一体に形成された陥没状表面711bと、陥没状表面711bから形成された気室75とを有する。気室75は圧迫状態と解放状態との間で変形可能である。第二層体80は接着方式によって第一層体70の上に固定されるが、この方式に限らない。第二層体80は頂面81にシート50の踵部位14に対応する第一中空突起部811と、シート50の中足骨部位18に対応する第二中空突起部812と、シート50のつま先部位16に対応する第三中空突起部813とを有する。第一中空突起部811、第二中空突起部812および第三中空突起部813はそれぞれ第二層体80の頂面81の突起によって一体に形成された突起状表面811a、812a、813aと、第二層体80の底面83の陥没によって一体に形成された陥没状表面811b、812b、813bとを有する。第二層体80の第一中空突起部811は第一層体70の中空突起部711に重なり、第二層体80の第一中空突起部811の陥没状表面811bは第一層体70の中空突起部711の突起状表面711aに付着する。第二中空突起部812と第一層体70の頂面71は第一密閉室85を構成し、第三中空突起部813と第一層体70の頂面71は第二密閉室87を構成する。
【0038】
反発材60は、弾力を増大させることができる一般の材料である。本実施形態において、反発材60は第二層体80の第一密閉室85内に充満するように配置される。実際に製造する際、反発材60は必ずしも第一密閉室85内に充満するとは限らない。第二層体80の第二密閉室87内に反発材60を配置してもよい。
【0039】
実際に本実施形態によるインソール5を使用し、シート50の踵部位14によって力を受けると、第一層体70の中空突起部711および第二層体80の第一中空突起部811は圧縮されるため、気室75は圧迫状態を呈する。このとき気室75内の熱気は排出される。シート10の踵部位14の受けた力が解除される際、第一層体70の中空突起部711および第二層体80の第一中空突起部811は圧力が解除されたため原状に復元し、気室75は解放状態を呈する。このとき靴の内部の冷たい空気は気室75内に吸引される。またシート50の中足骨部位18に位置する第一密閉室85内の反発材60はユーザーの跳躍する際に生じる跳躍力を増大させることができる。
実際に製造する際、本実施形態によるインソール5に振動吸収材(図中未表示)を増設することができる。振動吸収材は第二層体80の第一中空突起部811の下方の密閉室内に配置される。
【0040】
図15から
図18に示すように、本発明による多機能インソールは、さらに少なくとも一つの支持部90を備える。
支持部90は、ゴムから製作されるが、これに限らず、一定の支持強度および良好な弾性復元力を有する材質を使用することができる。
図15から
図18に示すように、支持部90は四つの形を呈し、次の通りである。
図15Aに示した支持部90は突起壁901と、突起壁901の内側に位置する空気収容空間903とを有する。
図16に示した支持部90は突起壁901と、空気収容空間903と、空気収容空間903に連絡する噴出口905とを有する。
図17に示した支持部90は突起壁901と、空気収容空間903と、噴出口905と、突起壁901および噴出口905に一体に接続された底面907とを有する。
図18に示した支持部90は噴出口905を持たず、突起壁901、空気収容空間903および底面907を有する。
【0041】
詳しく言えば、
図15Aに示すように、踵部位14に配置された支持部90およびつま先部位16に配置された支持部90には底面907が配置されない。空気収容空間903は第一層体70および突起壁901によって密閉されるため、本発明によるインソールは排気機能を維持し、跳躍力を増進することができる。また
図15Bと
図15Aとの違いは次の通りである。第一層体70は平坦なシートにしてもよい。このとき踵部位14の位置には第三密閉室89が形成される。
図16および
図17に示すように、踵部位14に配置された支持部90は噴出口905を有し、噴出口905は第一通気溝131内に配置されるため、本発明によるインソールは排気性を向上させることができる。
図18に示すように、踵部位14に配置された支持部90には底面907が配置されない。つま先部位16および中足骨部位18に配置された支持部90は底面907を有するため、本発明によるインソールは排気機能を維持し、跳躍力を増進することができる。
【0042】
支持部90は様々な形(例えば底面があるか否か、或いは噴出口があるか否か)を呈する。本発明によるインソールは多様な形(中空突起部の配置位置が異なるか通気溝が配置されるか否か)を呈するため、本発明の精神に基づいて様々に組み合わせることは本発明の範疇に属するべきである。また支持部90はシートの底面に直接に固着してもよい。インソールを靴の内部に装着する際、支持部90の弧状面は靴の内側の底面に接触する。
【0043】
図19に示すように、本発明における複数の支持部90の間を接続片92によって一体に結合させることができる。また、つま先部位16、中足骨部位18および踵部位14に配置された支持部90に噴出口を配置することによって排気効率を向上させることができる。また、支持部に噴出口を配置せず、支持部に向かい合う通気溝の突起壁に孔を配置することによって空気収容空間と通気溝とを相互に連絡させ、排気効率を向上させることができる。
【0044】
接続片92によって結合した複数の支持部90は、中空突起部を有するシートに固定されるため、比較的大きいサイズに製作されてもよい。また、中空突起部111の構造強度を増大させるために、
図20に示すように、本発明におけるシート10の中空突起部111の突起状表面111aに陥没状補強部113を配置してもよい。或いは、
図21に示すように、シート10の中空突起部111の突起状表面111aに複数の突起部115を配置してもよい。このとき陥没状補強部113は突起状表面111aの中央に位置し、複数の突起部15は陥没状補強部113を囲む。以上は単一層シートを例に挙げて説明したものである。本発明は前述に限定されない。
【0045】
通常インソールを製造する際、インソールの快適性を高めるために、シート基材に一層の布生地を貼り、そののちモールド工程を行う。シート基材に貼った布生地の展延性が良くない場合、後続のシート成形工程は影響を受ける。それに対し、本発明によるインソールは実際な必要に応じ、シートが成形された後、布生地を貼る。
【0046】
以上の実施形態は本発明を詳細に説明するために挙げたものである。本発明によるインソールの形は前述に限定されない。例えばインソールの中空突起部の数は特に制限されず、一つから七つの間が比較的好ましい。中空突起部の数が一つ以上である場合、一つの中空突起部を踵部位に位置させれば、ほかの中空突起部は内側アーチ部位、外側アーチ部位、中足骨部位およびつま先部位から組成されるグループのうちの少なくとも一つの部位に位置してもよい。或いは、ほかの中空突起部は内側アーチ部位、外側アーチ部位、内側中足骨部位、外側中足骨部位、内側つま先部位および外側つま先部位から組成されるグループのうちの少なくとも一つの部位に位置してもよい。一つの中空突起部を内側アーチ部位の弧状突出辺縁部に位置させれば、ほかの中空突起部は踵部位、外側アーチ部位、中足骨部位およびつま先部位から組成されるグループのうちの少なくとも一つの部位に位置してもよい。或いは、ほかの中空突起部は踵部位、外側アーチ部位、内側中足骨部位、外側中足骨部位、内側つま先部位および外側つま先部位から組成されるグループのうちの少なくとも一つの部位に位置してもよい。通気溝は数が特に限定されない。通気溝はいずれか一つの中空突起部の下方の気室に連絡することができる。また通気溝は通気溝より細い狭窄部位を有する。狭窄部位は中空突起部の気室への連絡に用いられ、熱気を排出する際の圧力を増加させる。同様にシートが二層の構造である場合、第一層体および第二層体の中空突起部の数は特に限定されない。中空突起部の設置位置は必要に応じ変更できる。例えば、中空突起部の数が複数である場合、第一層体および第二層体の中空突起部はシートの踵部位、内側アーチ部位、外側アーチ部位、中足骨部位およびつま先部位から組成されるグループに対応する部位のうちの少なくとも一つの部位に位置してもよい。或いは、シートの踵部位、内側アーチ部位、外側アーチ部位、内側中足骨部位、外側中足骨部位、内側つま先部位および外側つま先部位から組成されるグループに対応する部位のうちの少なくとも一つの部位に位置してもよい。
【0047】
反発材および振動吸収材の配置位置は特に限定されないが、反発材はシートの中足骨部位に対応する気室内に配置され、振動吸収材はシートの踵部位に対応する気室内に配置されることが比較的好ましい。従って、本発明の精神に基づいて変更および取り替えを行うことは本発明の範疇に属するべきである。
【0048】
上述した通り、本発明による多機能インソールにおいて、中空突起部は人体が歩行し足裏で地面を踏む際の動作に基づいてシートの力を受ける部位に配置されるため、靴の内部に空気対流を生じさせることができる。従って、本発明によるインソールは、通気効果が良好でかびや悪臭が発生しにくいだけでなく、長時間にわたって人体の足裏を乾燥状態に保持することができる。また、一定の部位に配置された通気溝によって靴の内部の空気対流をより向上させることができる。また、本発明によるインソールは中空突起部によって人体の足と靴とを相互に密着させるため、滑り止め機能を果たすことができる。また、中空突起部はシートから一体成型されるため、突起部をインソール本体に増設する従来のインソールに比べて本発明は製造が簡単であるだけでなく耐久性を有する。また、中空突起部が内側アーチ部位の弧状突起辺縁部に配置される際、本発明によるインソールは、ユーザーの立つ姿勢を矯正する機能を果たすことができる。また、本発明によるインソールは、中空突起部の下方に配置された支持部を有する。支持部は一定の強度および良好な弾性復元力を有するため、中空突起部の高さを確実に維持できるだけでなく、中空突起部を持続的に使用して変形することが起こりにくい。