(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ポンプケースが2つの部材から構成されているポンプ装置では、2つの部材を積層してポンプ室を区画する際に、2つのケースの間に配置されるOリングを損傷させると、ポンプ室からの流体の漏れを防止する効果が低減するという問題がある。
【0005】
以上の問題点に鑑みて、本発明の課題は、ポンプケースを構成している2つの部材の間に配置されるOリングが損傷することを防止或いは低減できるポンプ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明のポンプ装置は、円環状突出部を備える第1ケースと、前記円環状突出部が同軸に挿入された円環状段部を備え、前記第1ケースとともに前記円環状段部の内周側にポンプ室を区画している第2ケースと、前記円環状突出部の円形外周面に装着され、当該円環状突出部の円形外周面と前記円環状段部の円形内周面の間で前記円環状突出部の軸線と直交する方向に押し潰されているOリングと、前記第1ケースの前記円環状突出部を前記第2ケースの前記円環状段部に挿入して前記ポンプ室を区画形成する際に、前記第1ケースと前記第2ケースが前記軸線回りに相対回転することを防止する回り止め機構とを有していることを特徴とする。
【0007】
本発明によれば、第1ケースの円環状突出部を第2ケースの円環状段部に挿入してポンプ室を区画形成する際に、回り止め機構によって第1ケースと第2ケースが軸線回りに相対回転することが防止される。従って、円環状突出部の円形外周面に装着されて、円環状突出部の円形外周面と円環状段部の円形内周面との間で径方向に加圧された状態となるOリングが、ポンプケースを組み立てる際に周方向に捻られることが防止される。ここで、Oリングは径方向に加圧された状態で周方向に捻られると損傷が発生する可能性が高くなるが、本発明によれば、Oリングに周方向の捻りが発生することを防止できるので、Oリングの損傷を防止或いは低減できる。
【0008】
本発明において、前記回り止め機構は、前記第1ケースおよび前記第2ケースのうちの一方のケースに設けられて他方に向かって延びている突起と、他方のケースに設けられて前記突起を前記軸線方向から受け入れ可能な凹部とを備えていることが望ましい。このようにすれば、回り止め機構を簡易に構成することができる。また、突起と凹部による係止によって2つのケースの相対回転を防止する回り止め機構であれば、例えば、ポンプ装置に不具合が発生して、ポンプケースを第1ケースと第2ケースに分解して不具合の原因を突き止めるような場合に、分解に際しても、第1ケースと第2ケースが相対回転することを防止できる。従って、ポンプ装置の分解時におけるOリングの損傷を防止或いは低減できる。
【0009】
この場合において、前記第1ケースと前記第2ケースとによって前記ポンプ室が区画された状態では、前記凹部に挿入された前記突起の先端部と前記凹部の底面との間に隙間が形成されており、前記凹部が形成されている他方のケースには、前記突起の先端部および前記隙間を外部から目視可能とする開口部が形成されていることが望ましい。このようにすれば、開口部を介して隙間にマイナスドライバーなどを挿入して突出部の先端部と凹部の底面を引き離す方向に力を加えることによって、ポンプケースを第1ケースと第2ケースに分解することができる。
【0010】
本発明において、前記第1ケースの前記円環状突出部には、前記円環状段部の円環状端面と軸線方向で離れた位置に前記円形外周面から半径方向外側に所定寸法だけ突出する円環状の径方向突出部が設けられており、前記円環状突出部の先端の円環状先端面は、前記円環状段部の円環状端面に当接しており、前記径方向突出部の円形外周面は、前記円環状段部の円形内周面に当接しており、前記Oリングは、軸線方向で対向する前記径方向突出部の円環状端面と前記円環状段部の円環状端面の間に配置されていることが望ましい。このようにすれば、円環状突出部の円環状先端面と円環状段部の円環状端面の当接によって第1ケースと第2ケースが軸線方向に位置決めされ、径方向突出部の円形外周面と円環状段部の円形内周面との当接によって第1ケースと第2ケースが半径方向に位置決めされる。また、径方向突出部の円形外周面と円環状段部の円形内周面との当接によってOリングが装着される円環状突部の円形外周面と円環状段部の円形内周面の間の間隔が周方向のいずれの位置においても所定寸法に規定されるので、Oリングが径方向に均一に潰される。よって、Oリングによるシール性能が向上する。また、円環状突出部を円環状段部に挿入する際に、円環状突出部に装着したOリングが軸線方向に移動したとしても、Oリングの移動は径方向突出部によって阻止される。従って、Oリングが軸線方向において第1ケースと第2ケースの間に挟みこまれることがなく、Oリングの損傷を抑制できる。
【0011】
この場合において、前記回り止め機構の突起は、前記第1ケースに設けられており、前記突起の先端は、前記軸線方向において前記円環状突出部の円環状先端面と同じ位置か、或いは、前記軸線方向において前記円環状突出部の円環状先端面よりも前記第2ケースの側に位置していることが望ましい。このようにすれば、第1ケースの円環状突出部を第2ケースの円環状段部に挿入するのと同時に、或いは、第1ケースの円環状突出部を第2ケースの円環状段部に挿入するよりも前に、回り止め機構の突出部の先端を凹部に挿入することができる。従って、第1ケースと第2ケースを積層してポンプ室を区画形成する際に、第1ケースと第2ケースが相対回転することを確実に防止できる。
【0012】
本発明において、前記第1ケースと前記第2ケースは、軸線方向に延びる複数本のネジによって固定されていることが望ましい。第1ケースと第2ケースをネジにより固定すれば、これらを分解することが容易となる。また、第1ケースと第2ケースは、円環状突出部の円環状先端面と円環状段部の円環状端面の当接によって軸線方向に位置決めされているので、軸線方向に延びるネジを締め付けても、このネジの締め付けによってOリングが加圧されて、損傷することがない。
【0013】
本発明において、前記第1ケースおよび前記第2ケースは、軸線方向から見た平面形状が矩形であり、前記回り止め機構は、前記第1ケースおよび前記第2ケースの角部分に構成されていることが望ましい。ここで、角部分は、矩形の第1ケースにおいて円環状突出部との間でデッドスペースとなる部分であり、矩形の第2ケースにおいて円環状段部との間でデッドスペースとなる部分なので、このようなデッドスペースを利用して回り止め機構を構成すれば、ポンプケースが径方向で大型化することを抑止できる。
【0014】
本発明において、円環状の羽根車と駆動マグネットとを備えるロータと、駆動コイルと当該駆動コイルを搭載するステータコアとを備えるステータとを有し、前記ロータは、前記羽根車が前記ポンプ室内に挿入された状態で前記第1ケースと前記第2ケースの間に配置されており、前記ステータは、前記第1ケースの前記ポンプ室とは反対側、或いは、前記第2ケースの前記ポンプ室とは反対側に固定されて、封止剤によってシールされていることが望ましい。このようにすれば、ポンプケースを分解する際に、ポンプ室に残っていた水などの流体が導電部を備えるステータに触れることを防止できる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、第1ケースの円環状突出部を第2ケースの円環状段部に挿入してポンプ室を区画形成する際に、回り止め機構によって、第1ケースと第2ケースが軸線回りに相対回転することが防止される。この結果、円環状突出部の円形外周面と円環状段部の円形内周面との間で径方向に加圧された状態となるOリングが、ポンプケースを組み立てる際に周方向に捻られることが防止されるので、Oリングの損傷を防止或いは低減できる。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態のポンプ装置を説明する。なお、以下の説明において、説明の便宜上、図の上下に従ってポンプ装置の上下を説明する。また、吸入管および吐出管が突出している側をポンプ装置の前側、その反対側を後側とし、吸入管および吐出管の配列方向を装置幅方向として説明する。
【0018】
(全体構成)
図1(a)は本発明を適用したポンプ装置を前方の斜め上から見た斜視図であり、
図1(b)はポンプ装置を後方の斜め上から見た斜視図であり、
図1(c)はポンプ装置の正面図である。本形態のポンプ装置1は冷媒等の液体を圧送する渦流ポンプである。ポンプ装置1は全体として偏平な四角柱形状のポンプケース2を備えている。ポンプケース2は樹脂製であり、PPS(ポリフェニレンサルファイド)等からなる。ポンプケース2の前面2aからは吸入管3および吐出管4が前方に向かって平行に突出している。ポンプケース2の前面2aと、前面2aに時計回りの方向で隣接する側面の間の前側左の角部分2bには、ポンプケース2の内側からリード線5を取出すための配線取出し部6が設けられている。リード線5は配線取出し部6を介してポンプ装置1の軸線L方向(高さ方向)の途中位置から斜め前方に向かって引き出されている。リード線5は屈曲可能であり、吸入管3および吐出管4よりも長く延びており、その先端にはコネクタ7が取り付けられている。
【0019】
配線取出し部6が設けられているポンプケース2の前側左の角部分2bには、当該角部分2bの先端を斜めに切り欠くことにより、前面2aおよび側面と交差して軸線L方向に延びる傾斜面2c(
図1(c)参照)が設けられている。また、この前側左の角部分2bには、リード線5を傾斜面2cに沿って引き回したときに、このリード線5を係止するためのフック8が設けられている。フック8は、傾斜面2cの軸線L方向の中央位置において、傾斜面2cに沿って軸線Lと直交する方向に延びている。また、フック8は、前面2aの側から側面の側に向かって一定幅で延びている。ポンプケース2の前側右の角部分2d、及び、この角部分2dの対角に位置する後側右の角部分2eには、ポンプ装置1を外部の機器にとりつけるための取り付け孔9が形成されている。
【0020】
ポンプケース2は、上下に積層された下ケース(第2ケース)11および上ケース(第1ケース)12から構成されている。吸入管3および吐出管4は下ケース11の前面から突出している。配線取出し部6は、上ケース12の前側左の角部分に設けられている。フック8は下ケース11に設けられている。
【0021】
ここで、ポンプケース2において配線取出し部6と対角に位置する後側右の角部分2fには、下ケース11と上ケース12を積層する際にこれらが相対回転することを防止するための回り止め機構13(
図1(b)参照)が設けられている。また、ポンプケース2の吸入管3および吐出管4の間には前面2aから突出するようにケース固定部14が設けられている。ケース固定部14はネジ15を用いて下ケース11と上ケース12を固定するための部位である。
【0022】
図2(a)は
図1(a)のX−X線におけるポンプ装置1の縦断面図であり、
図2(b)は
図1(a)のY−Y線におけるポンプ装置1の縦断面図である。
図3はポンプ装置1の分解斜視図である。
図4(a)はロータの斜視図であり、
図4(b)はステータの斜視図である。
【0023】
図2、
図3に示すように、下ケース11と上ケース12は軸線Lと直交する方向で部分的に重なる状態で積層されている。下ケース11と上ケース12の間には、区画室20が構成されている。区画室20には、円環状の羽根車21と駆動マグネット22を備えるロータ23と、このロータ23を回転可能に支持する支軸24が配置されている。また、区画室20の外周側部分は円環状のポンプ室25となっており、羽根車21はポンプ室25に挿入されている。下ケース11と上ケース12の間には、区画室20からの流体の漏れを防止するためのOリング26が配置されている。上ケース12の上側、すなわち、上ケース12の区画室20とは逆側(下ケース11とは反対側)には、駆動コイル27と、この駆動コイル27を搭載するステータコア28を備えるステータ29、基板30が配置されている。駆動マグネット22と駆動コイル27は羽根車21を回転駆動するための磁気駆動機構を構成している。
【0024】
ポンプ室25の底面および天井面には、軸線L回りの所定の角度範囲に渡って液体流路31が形成されている。より詳細には、下ケース11によって規定されているポンプ室25の底面には半円形の断面形状を備える円弧溝からなる下側流体流路31aが形成されており、上ケース12によって規定されているポンプ室25の天井面には半円形の断面形状を備える円弧溝からなる上側流体流路31bが形成されている。これら下側流体流路31aおよび上側流体流路31bは軸線L方向から見たときに重なっている。本例では、液体流路31は軸線L回りの270°を超える角度範囲に渡って形成されている。
【0025】
ポンプ室25において液体流路31の一方の端が位置する下ケース11の部位には吸入管3が連通する吸入口3a(
図3参照)が設けられており、液体流路31の他方の端が位置する下ケース11の部位は吐出管4が連通する吐出口4a(
図5参照)が設けられている。ポンプ室25の底面において、吸入口3aと吐出口4aの間に位置する部分は、下側流体流路31aが設けられていない下側封鎖部32aとなっている。同様に、ポンプ室25の天井面において、吸入口3aと吐出口4aの間に位置する部分は、上側流体流路31bが設けられていない上側封鎖部32bとなっている。
【0026】
支軸24は、ステンレス製であり、下端部分が下ケース11に設けられた支軸固定用凹部60に固定されている。上端部分が上ケース12の中央部分に設けられた有底筒状の中央突出部80の底部81の中央の支軸固定用凹部82に固定されている。
【0027】
ロータ23は、PPS等からなる樹脂製であり、
図4(a)に示すように、円盤部40と、円盤部40の上面の中心から上方に突出する円筒状の軸受部41と、円盤部40の上面から上方に突出しており、軸受部41と所定間隔を開けてこの軸受部41を同軸上で包囲している円筒部42を備えている。軸受部41と円筒部42の間の所定間隔は、上ケース12を介して、これらの間にステータ29を受け入れることが可能な間隔である。ロータ23は、軸受部41の中心孔41aに支軸24が挿入され、軸受部41が上ケース12中央突出部80の内側に配置された状態で、支軸24の軸線L回りに回転可能となっている。ここで、軸受部41と中央突出部80の底部81の間には1枚または複数枚のワッシャー43が挿入されており、このワッシャー43の挿入によって軸線L方向におけるロータ23の位置が調整されている(
図2参照)。本例では2枚のワッシャーが挿入されているが、例えば、厚みが0.2mmのワッシャー43と厚みが0.3mmのワッシャー43のうち、1枚または2枚を選択することで、ワッシャー43の合計厚みを0.2mm〜0.6mmまで0.1mm間隔で調整することができる。
【0028】
円筒部42の内周面には、円筒状のヨーク44が保持されており、ヨーク44の内周面には円筒状の駆動マグネット22が保持されている。ヨーク44はインサート成形によってロータ23と一体に形成され、駆動マグネット22はヨーク44に接着固定されている。円盤部40において円筒部42よりも外周側の外周部分は羽根車21となっている。
【0029】
羽根車21の外周部分には上下2段に形成された凹部45が周方向に等角度間隔で形成されている。凹部45は円盤部40の上面の周縁を円弧形状に切り欠いて形成された上側凹部46と、円盤部40の下面の周縁を円弧形状に切り欠いて形成された下側凹部47を備えており、周方向で隣接する凹部45の間はそれぞれ半径方向に延びる羽根48となっている。上下方向で隣接する上側凹部46と下側凹部47の間は、周方向に延びて各羽根48の間を上下に区画するリブ49となっている。羽根車21は、
図2に示すように、ポンプ室25内に挿入されている。
【0030】
ステータ29は、上ケース12の上面の側において、中央突出部80の外周側に設けられた円環状の凹部であるステータ収納室83内に配置されている。ステータコア28は、
図4(b)に示すように、環状部50および環状部50から径方向外側に突出する複数の突極51を備えており、駆動コイル27は複数の突極51のそれぞれに巻き回されている。
図2に示すように、各突極51は、軸線Lと直交する方向で、上ケース12を介して、区画室20内のロータ23の駆動マグネット22と対峙している。上ケース12は、ロータ23とステータ29の間に配置されて、ポンプ室25とステータ29を隔てる隔壁として機能している。
【0031】
ステータコア28は、薄板状の磁性鋼板を型抜きして形成した同一形状の板状コア片52を複数枚上下方向に積層して構成されており、板状コア片52の積層方向が軸線L方向となっている。ステータコア28の環状部50の内周面には、軸線Lと直交する断面形状が半円形の3つの内側凹部53が軸線L回りに等角度間隔で形成されている。3つの内側凹部53は同一形状であり、いずれも、軸線L方向に延びている。各内側凹部53は半径方向の深さが一定であり、断面形状は軸線L方向のいずれの位置においても同一である。
【0032】
ここで、
図3に示すように、上ケース12の中央突出部80の筒状部84の外周面には、周方向の一部分から径方向外側に突出する3つのステータ固定用突部85が設けられており、ステータコア28は、これらのステータ固定用突部85が環状部50の内側凹部53内に圧入されることにより、中央突出部80に固定されている。また、中央突出部80の筒状部84の外周面には、ステータ固定用突部85と周方向で異なる位置に、軸線L方向の下方からステータコア28の環状部50に当接してステータコア28を軸線L方向で位置決めする位置決め部88が設けられており(
図2、
図6参照)、ステータコア28は、ステータ固定用突部85が環状部50の内側凹部53内に圧入された後に、位置決め部88に当接して軸線L方向に位置決めされる。
【0033】
より詳細には、中央突出部80の外周面に設けられた3つのステータ固定用突部85は、軸線Lと直交する断面形状が半円形状であり、支軸24の軸線L回りに等角度間隔で形成されている。また、3つのステータ固定用突部85は、同一形状であり、それぞれ、中央突出部80の外周面に沿って軸線L方向に延びているとともに、底部81の側から開口端の側に向かって径方向外側および周方向への突出量が増加するテーパー面を備えている。ステータコア28は、中央突出部80のステータ固定用突部85が環状部50の内側凹部53に挿入される状態としてステータ収納室83内に落とし込まれ、しかる後に、各ステータ固定用突部85の下端部分が環状部50の内側凹部53に圧入されることによって、上ケース12に固定される。本例では、ステータコア28を構成している板状コア片52の1枚の環状部50の内側凹部53にステータ固定用突部85の下端部分が圧入された状態で、環状部50が位置決め部88に当接して、固定される。
【0034】
基板30は、上ケース12の上面において、周縁に沿って上方に向かって突出する枠状の外周壁86の内側に設けられた上部空間87に配置されている。基板30は、ステータ収納室83内に配置されたステータ29を上方から被っている。基板30におけるステータコア28の側の面にはリード線5が接続されており、このリード線5は、配線取出し部6を介して、ポンプケース2の外側に引き出されている。配線取出し部6は、
図3に示すように、外周壁86を切り欠いて設けられた配線取出し口33と、配線取出し口33を介してポンプケース2の内側から外側に取出したリード線5を一列に配列して載置するための配線載置部34と、基板30の上方から配線取出し口33を塞ぐように上ケース12に固定され、配線載置部34上に配列されたリード線5を配線載置部34との間に挟みこんでその被覆を押圧した状態で固定する固定部材35を備えている。
【0035】
ここで、上ケース12のステータ収納室83および上部空間87には、
図1に示すように、外周壁86の上端縁に達するまで上方からポッティング剤16が流し込まれており、ステータ29および基板30はポッティング剤16により被われて固定されている。ポッティング剤16は、エポキシ系やアクリル系、シリコン系等の絶縁性の樹脂である。
【0036】
コネクタ7からリード線5および基板30を介して駆動コイル27に励磁電流が供給されると、ロータ23は軸線L回りに回転する。これにより、液体は吸入管3からポンプ室25内に吸い込まれ、ポンプ室25内で加圧されて、吐出管4から吐出される。なお、本例のポンプ装置1を駆動するモータ(ロータ23、ステータ29、基板30)は3相ブラシレスモータであり、基板30にはロータ23の駆動マグネット22の位置を検出する図示しないホール素子が3つ配置される。駆動コイル27に供給される励磁電流の順序を逆にすると、ロータ23が逆方向に回転し、液体を吐出管4から吸入して、ポンプ室25内で加圧して、吸入管3から吐出する。
【0037】
(下ケース)
図5(a)は下ケース11を上方から見た斜視図であり、
図5(b)は下ケース11を下方から見た斜視図である。下ケース11は、底板部61と、底板部61の外周側部分から起立して上方に延びる環状の側壁部62と、これら底板部61および側壁部62によって形成された円形凹部63を備えている。側壁部62を軸線L方向から見た輪郭形状は略矩形であり、下ケース11は軸線L方向から見た平面形状が略矩形となっている。側壁部62は平坦な上端面62aを備えており、この上端面62aは下ケース11の上端面となっている。ポンプ室25は、円形凹部63の周縁に沿って環状に構成される。円形凹部63の円形底面の中央には支軸固定用凹部60が設けられている。
【0038】
支軸固定用凹部60の外周側には円環状凹部64が支軸固定用凹部60と同軸に形成されている。支軸固定用凹部60と円環状凹部64の間は内側円環状突出面65となっており、円環状凹部64の外周側は外側円環状突出面66となっている。外側円環状突出面66には、その周縁に沿ってポンプ室25の底面を構成する下側流体流路31aと下側封鎖部32aが設けられている。外側円環状突出面66においてポンプ室25の内側に隣接している円環状の端面部分67は、区画室20内に配置されたロータ23の円盤部40と微小なギャップG1を開けて対向する(
図2参照)。円環状の端面部分67には、円環状凹部64と下側流体流路31aとを連通させる一定幅の溝67aが、180°離れた位置に、2つ形成されている。
【0039】
円形凹部63の上側部分、すなわち、側壁部62の上側部分の内周面には、円環状段部68が設けられている。円環状段部68は、側壁部62の内周面の軸線L方向の途中位置から半径方向に延びる円環状端面68aと、円環状端面68aの外周縁から上方に延びる円形内周面68bを備えている。円環状段部68は、上ケース12の上端部分に円形凹部63よりも径の大きな円形の凹部を形成している。
【0040】
側壁部62の前面からは吸入管3と吐出管4が平行に突出している。側壁部62の吐出管4に隣接する下ケース11の前側左の角部分62bには、傾斜面2cおよびフック8が設けられている。側壁部62の後側右の角部分62eには、回り止め機構13を構成する回り止め用凹部69が設けられている。回り止め用凹部69は上端面62aから下方に窪む凹部である。また、回り止め用凹部69は外周側から切り欠かれており、その内周面が下ケース11の外側に露出している。
【0041】
側壁部62の前面の吸入管3と吐出管4からはケース固定部14を構成する下側ケース固定部14aが前方に突出している。下側ケース固定部14aには、軸線L方向に貫通する第1貫通孔70(1)が設けられている。また、側壁部62の後側左の角部分62eおよび後側右の角部分62fには、それぞれ軸線L方向に貫通する第2貫通孔70(2)と、軸線L方向に貫通する第3貫通孔70(3)が設けられている。第2貫通孔70(2)は取り付け孔9の前方に形成されており、第3貫通孔70(3)は回り止め用凹部69の前方に形成されている。側壁部62の後側左の角部分62eおよび後側見の角部分62fにおいて、第2貫通孔70(2)および第3貫通孔70(3)が形成されている下面部分(底板部61の下面部分)には、下ケース11と上ケース12を有頭ネジによって固定する際に、有頭ネジの頭部が挿入される凹部74が形成されている。側壁部62の後側左の角部分62eおよび後側右の角部分62fにおいて、第2貫通孔70(2)および第3貫通孔70(3)が形成されている下面部分(底板部61の下面部分)には、下ケース11と上ケース12を有頭ネジによって固定する際に、有頭ネジの頭部が挿入される凹部74が形成されている。側壁部62の前側右の角部分62dおよび後側左の角部分62eにおいて、取り付け孔9が形成されている下面部分(底板部61の下面部分)には、ポンプ装置を有頭ネジによって外部の機器に固定する際に、有頭ネジの頭部が挿入される凹部75が形成されている。
【0042】
(上ケース)
図6(a)は上ケース12を上方から見た斜視図であり、
図6(b)は上ケース12を下方から見た斜視図である。上ケース12は、
図6(a)に示すように、中央突出部80と、この中央突出部80と同軸に構成された円筒部89と、中央突出部80の開口端と円筒部89の下端部とを連続させている内側環状部90を備えている。また、上ケース12は、
図6(b)に示すように、円筒部89の外周側で中央突出部80および円筒部89と同軸に構成され、下方に向かって突出している円環状突出部91と、円筒部89の上端部と円環状突出部91の上端部の間を連続させている外側環状部92と、円環状突出部91の上端部から外周側に張り出す張り出し部93を備えている。
【0043】
ステータ29が配置されるステータ収納室83は、中央突出部80、円筒部89、および内側環状部90の下ケース11とは反対側の面によって構成されている。中央突出部80は底部81の側にステータ収納室83の開口から上方に突出する突出部分80aを備えている。円筒部89の半径方向における厚さは中央突出部80の半径方向における厚さと比較して薄く形成されている。基板30が配置される上部空間87を区画している外周壁86は、張り出し部93の上面に形成されている。張り出し部93は平坦な下端面93aを備えている。
【0044】
円環状突出部91の円環状下端面94(円環状先端面)には、径方向の途中位置にポンプ室25の天井面を構成する上側流体流路31bと上側封鎖部32bが形成されている。円環状下端面94においてポンプ室25の内側に隣接している円環状の端面部分94aは、区画室20内に配置されたロータ23の円盤部40と微小なギャップG2を開けて対向する(
図2参照)。
【0045】
円環状突出部91の円形外周面95の上端部分には、半径方向外側に所定寸法だけ突出する径方向突出部96が設けられている。径方向突出部96は、円環状突出部91の軸線L方向の途中位置から半径方向外側に延びて下ケース11の側を向いている円環状端面96aと、円環状端面96aの外周縁から上方に延びて半径方向外側を向いている円形外周面96bを備えている。
【0046】
張り出し部93の輪郭形状は略矩形であり、前側左の角部分93bが斜めに切り欠かれて傾斜面2cを構成している。外周壁86は、この切り欠きがある角部分93bを除き、張り出し部93の外周縁から上方に向かって突出している。切り欠きがある前側左の角部分93bでは、外周壁86は張り出し部93の外周縁からセットバックした位置に設けられている。また、前側左の角部分93bでは、外周壁86は一定幅で矩形に切り欠かれており、この切り欠き部が配線取出し口33となっている。配線取出し口33から張り出し部93の外周縁に至る間は配線載置部34となっている。配線載置部34の上面には半径方向外側に向かって延びる円弧状断面の配線保持溝36aがリード線5の数に対応する数だけ並列に設けられている。配線取出し口33の内側には、配線保持溝36aの延長上に延びる円弧溝37が設けられている。
【0047】
ここで、固定部材35は、
図3に示すように、配線取出し口33の開口幅よりも幅広な平面形状をしており、幅方向の一方の縁および他方の縁には一対の嵌合溝38を備えている。嵌合溝38は同一直線状に配置され、反対側を向いて開口している。また、固定部材35の下面には、配線載置部34の円弧溝と対向する位置に円弧状断面の配線保持溝36bが設けられている。リード線5を配線載置部34に配列し、外周壁86の配線取出し口33の縁部分(袖壁部)が一対の嵌合溝38に挿入されるようにして、固定部材35を上ケース12の上方から上ケース12に固定すると、一対の嵌合溝38の間のくびれ部分39が配線取出し口33に圧入され、リード線5は、配線載置部34の配線保持溝36aと固定部材35の配線保持溝36bとの間に挿入されて挟まれ、被覆が押圧された状態で固定される。また、固定部材35の内周側縁部分で基板30の外周縁部分を上から押えた状態となる。
【0048】
張り出し部93の前側左の角部分93bには、配線載置部34および傾斜面2cが設けられている。張り出し部93の後側右の角部分93fからは、回り止め用凹部69とともに回り止め機構13を構成する円柱形状の回り止め用突起97が下方に突出している。回り止め用突起97の先端面97a(下端面)の外周縁にはアールが施されている。ここで、回り止め用突起97の先端面97aの位置は、軸線L方向において円環状突出部91の円環状下端面94と同じ位置となっている。また、回り止め用突起97の突出寸法は、回り止め用凹部69の深さ寸法よりも短く設定されている。さらに、回り止め用突起97は、この回り止め用突起97が回り止め用凹部69内に挿入されたときに、軸線L回りの周方向では回り止め用凹部69の内周面との間に隙間が形成されず、軸線Lを中心とする半径方向においては、回り止め用凹部69の内周面との間に隙間が形成されるように形成されている。
【0049】
張り出し部93の前面の装置幅方向の中央にはケース固定部14を構成する上側ケース固定部14bが前方に突出している。上側ケース固定部14bには、軸線L方向に窪むネジ孔98(1)が設けられている。また、後側左の角部分93eおよび後側右の角部分93fには、それぞれ軸線L方向に窪む第2ネジ孔98(2)と、軸線L方向に窪む第3ネジ孔98(3)が設けられている。第2ネジ孔98(2)は取り付け孔9の前方に形成されており、第3ネジ孔98(3)は回り止め用突起97の前方に形成されている。
【0050】
(ポンプ室の区画形成)
図7は、
図1(a)のZ−Z線におけるポンプ装置1の部分断面図であり、上ケース12の円環状突出部91を下ケース11の円環状段部68の内側に挿入する時点の状態を示している。ポンプ室25(区画室20)を区画形成する際には、Oリング26を上ケース12の円環状突出部91の円形外周面95に装着した状態とする。この際に、Oリング26には、潤滑剤を塗布しておく。また、支軸24は予め上ケース12の支軸固定用凹部82に固定しておく。ロータ23は下ケース11の円形凹部63内に配置して、軸受部41に支軸24を挿入可能な状態としておく。
【0051】
次に、上ケース12の円環状突出部91を下ケース11の円環状段部68の内側に挿入する。ここで、回り止め機構13の回り止め用突起97の先端面97aは軸線L方向において円環状突出部91の円環状下端面94と同じ位置にあるので、円環状突出部91が円環状段部68の内側に挿入されるのと同時に、回り止め用突起97は下ケース11に設けられた回り止め用凹部69に挿入される。
【0052】
その後、上ケース12と下ケース11とを相対的に接近させて、円環状突出部91の円環状下端面94(上側流体流路31bおよび上側封鎖部32bの外周側に位置する円環状の端面部分)と、下ケース11の円環状段部68の円環状端面68aとを当接させる。この際に、上ケース12の径方向突出部96の円形外周面96bが、下ケース11の円環状段部68の円形内周面68bに当接した状態となり、上ケース12は下ケース11に対して径方向で位置決めされる。また、Oリング26は、径方向突出部96の円環状端面96aと円環状段部68の円環状端面68aの間において、上ケース12の円環状突出部91の円形外周面95と下ケース11の円形内周面68bの間で径方向に潰された状態となり、区画室20からの流体の漏れが防止された状態が形成される。
【0053】
下ケース11に上ケース12が積層されてポンプ室25(区画室20)が区画された状態になると、ロータ23の軸受部41を貫通した支軸24は、その下端が下ケース11の支軸固定用凹部60に挿入されて固定され、支軸24と中央突出部80が同軸状態となる。従って、ステータ29とロータ23が同軸上に配置され、ステータコア28において駆動コイル27が巻き回されている突極51と、区画室20に配置されたロータ23の駆動マグネット22が上ケース12の円筒部89を介して対峙する。なお、本例では、
図2に示すように、ロータ23の軸受部41の上端面と突出部の底部81の間に1枚または複数枚のワッシャー43を挿入することにより、ステータコア28の軸線L方向の磁気中心位置に対してロータ23に搭載された駆動マグネット22の軸線L方向の磁気中心位置を下方にずらしており、ステータコア28と駆動マグネット22の間に働く磁気吸引力によってロータ23を上方に付勢した状態としている。
【0054】
しかる後に、下ケース11に設けられた第1〜第3貫通孔70(1)〜(3)を貫通して上ケース12に設けられた第1〜第3ネジ孔98(1)〜(3)に螺合する3本の有頭ネジによって、上ケース12と下ケース11が固定される。ポンプ室25が区画された状態では、
図1(b)に示すように、回り止め用凹部69に挿入された回り止め用突起97の先端部と回り止め用凹部69の底面69aとの間に隙間G3が形成されている。
【0055】
(作用効果)
本例によれば、上ケース12の円環状突出部91を下ケース11の円環状段部68に挿入してポンプ室25を区画形成する際に、回り止め機構13によって上ケース12と下ケース11が軸線L回りに相対回転することが防止される。従って、円環状突出部91の円形外周面95に装着されて、円環状突出部91の円形外周面95と円環状段部68の円形内周面68bとの間で径方向に加圧された状態となるOリング26が、ポンプケース2を組み立てる際に周方向に捻られることが防止される。ここで、Oリング26は径方向に加圧された状態で周方向に捻られると損傷が発生する可能性が高くなるが、本発明によれば、Oリング26に周方向の捻りが発生することを防止できるので、Oリング26の損傷を防止或いは低減できる。
【0056】
また、本例によれば、回り止め機構13は回り止め用突起97と回り止め用凹部69からなり、その構成が簡易である。さらに、回り止め用突起97と回り止め用凹部69の係止によって相対回転を防止する回り止め機構13であれば、例えば、ポンプ装置1に不具合が発生して、ポンプケース2を2つの部材に分解して不具合の原因を突き止めるような場合に、分解に際しても、下ケース11と上ケース12が相対回転することを防止できる。従って、ポンプ装置1の分解時におけるOリング26の損傷を防止或いは低減できる。
【0057】
次に、本例では、回り止め用凹部69は外周側から切り欠かれているので、回り止め用凹部69に挿入された回り止め用突起97の先端部と回り止め用凹部69の底面との間の隙間G3にポンプケース2の外側からマイナスドライバーなどを挿入し、しかる後に、回り止め用突出部の先端部と回り止め用凹部69の底面を引き離す方向に力を加えることにより、ポンプケース2を上ケース12と下ケース11に分解することができる。
【0058】
また、本例では、円環状突出部91の円環状下端面94と円環状段部68の円環状端面68aの当接によって上ケース12と下ケース11が軸線L方向に位置決めされ、径方向突出部96の円形外周面96bと円環状段部68の円形内周面68bとの当接によって上ケース12と下ケース11が半径方向に位置決めされる。また、径方向突出部96の円形外周面96bと円環状段部68の円形内周面68bが当接する結果、Oリング26が装着されている円環状突出部91の円形外周面95と円環状段部68の円形内周面68bの間の間隔が周方向のいずれの位置においても所定寸法に規定されるので、Oリング26が径方向に均一に潰される。よって、Oリング26によるシール性能が向上する。また、円環状突出部91を円環状段部68に挿入する際に、円環状突出部91に装着したOリング26が軸線L方向に移動したとしても、Oリング26の移動は径方向突出部96によって阻止される。従って、Oリング26が軸線L方向において上ケース12と下ケース11の間に挟みこまれることがなく、Oリング26の損傷を抑制できる。
【0059】
さらに、本例では、上ケース12と下ケース11は、軸線L方向に延びる有頭ネジによって固定されるので、これらを分解することが容易である。また、上ケース12と下ケース11は、円環状突出部91の円環状下端面94と円環状段部68の円環状端面68aの当接によって軸線L方向に位置決めされているので、軸線L方向に延びる有頭ネジを締め付けても、この有頭ネジの締め付けによってOリング26が加圧されて、損傷することがない。
【0060】
また、本例では、上ケース12および下ケース11は、軸線L方向から見た平面形状が矩形であり、回り止め機構13は、上ケース12および下ケース11の角部分2fに構成されている。ここで、角部分2fは、矩形の上ケース12において円環状突出部91との間でデッドスペースとなる部分であり、矩形の下ケース11において円環状段部68との間でデッドスペースとなる部分である。すなわち、本例では、デッドスペースを利用して回り止め機構13を構成しているので、ポンプケース2が径方向で大型化することを抑止できる。
【0061】
また、本例では、駆動コイル27とステータコア28とを備えるステータ29が上ケース12のポンプ室25とは反対側に固定されて、ポッティング剤16によってシールされている。従って、ポンプケース2を分解する際に、ポンプ室25に残っていた水などの流体が駆動コイル27、基板30、リード線5と基板30の接合部などの導電部に触れることを防止できる。また、リード線5が吸入管3および吐出管4よりも長いので、ポンプケース2を分解する際に、ポンプ室25に残っていた水などの流体がリード線5の先端に取り付けたコネクタ7に触れることを防止できる。
【0062】
(その他の実施の形態)
上記の例では、回り止め用突起97の先端面97aは、軸線L方向において円環状突出部91の円環状下端面94と同じ位置となっているが、軸線L方向において円環状下端面94よりも下ケース11の側に位置するように形成してもよい。この場合には、上ケース12の円環状突出部91を下ケース11の円環状段部68に挿入するよりも前に、回り止め用突起97を回り止め用凹部69内に挿入できるので、上ケース12と下ケース11の相対回転を確実に防止できる。
【0063】
また、上記の例では、回り止め用凹部69は切り欠かれているが、このような切欠きを設ける替わりに、回り止め用凹部69が形成されている下ケース11に、回り止め用凹部69に挿入された回り止め用突起97の先端部と回り止め用凹部69の底面との間の隙間を外部から目視可能とする開口部を形成しておいてもよい。この場合にも、開口部を介して隙間にマイナスドライバーなどを挿入して回り止め用突起97の先端部と回り止め用凹部69の底面を引き離す方向に力を加えることによって、下ケース11と上ケース12を分解することができる。