(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0017】
図1は、本発明の実施例1に係る顕微鏡用リレー光学系を備えた顕微鏡の構成を例示した図である。
図2は、本発明の実施例1に係る顕微鏡用リレー光学系を備えた顕微鏡の光学系の断面図である。
まず、
図1及び
図2に例示される実施例1に係る顕微鏡及びその光学系を参照しながら、各実施例に共通する顕微鏡及びその光学系の構成及び作用について概説する。
【0018】
図1に例示されるように、顕微鏡100は、透過照明で標本を照明し観察する倒立顕微鏡である。顕微鏡100は、照明光路上に、発光面EP側から標本面SP側に向かって順に、光源ユニット10と、透過支柱20と、コンデンサ30を含んでいる。顕微鏡100は、さらに、観察光路上に、標本面SP側から像面側に向かって順に、対物レンズ40と、結像レンズ50と、プリズム群60と、顕微鏡用リレー光学系1と、プリズム群70と、結像レンズ80と、プリズム群90を含んでいる。
【0019】
図2には、
図1に例示される顕微鏡100の光学系のうち、対物レンズ40よりも像側に配置された光学系の詳細な構成が示されている。
結像レンズ50は、両凸レンズ51と物体側に凹面を向けたメニスカスレンズ52との接合レンズであり、物体側(対物レンズ40側)から入射する平行光を1次像面IP1に集光して標本の1次像を形成するように構成されている。
【0020】
顕微鏡用リレー光学系1は、結像レンズ50により形成された標本の1次像を無限遠にリレーする顕微鏡用リレー光学系であって、1次像側から順に、正のパワーを有する第1レンズ群G1と、負のパワーを有する第2レンズ群G2と、負のパワーを有する第3レンズ群G3と、正のパワーを有する第4レンズ群G4と、含んでいる。
【0021】
第1レンズ群G1は、1次像側から順に、両凸レンズL1と1次像側に凹面を向けた負メニスカスレンズL2からなる接合レンズCL1(第1接合レンズ)から構成されている。第2レンズ群G2は、1次像側に凸面を向けた負メニスカスレンズL3から構成されている。第3レンズ群G3は、1次像側に平面を向けた平凹レンズL4から構成されている。第4レンズ群G4は、1次像側から順に、両凹レンズL5と両凸レンズL6からなる接合レンズCL2(第2接合レンズ)から構成されている。
【0022】
結像レンズ80は、像側に凹面を向けたメニスカスレンズ81と、両凸レンズ82と両凹レンズ83からなる接合レンズとを含み、顕微鏡用リレー光学系1により形成された物体側から入射する平行光を2次像面IP2に集光して標本の2次像を形成する。
【0023】
なお、結像レンズ50と1次像面IP1の間に配置されたプリズム群60、顕微鏡用リレー光学系1と結像レンズ80の間に配置されたプリズム群70、結像レンズ80と2次像面IP2の間に配置されたプリズム群90は、それぞれ同一の素材の2つのプリズム(プリズム61とプリズム62、プリズム71とプリズム72、プリズム91とプリズム92)から構成されている。
【0024】
以上のように構成された顕微鏡100では、光源ユニット10内の発光面EPから射出された照明光は、透過支柱20及びコンデンサ30を介して、標本面SPに照射される。照明光が照射された標本面SPからの光は、対物レンズ40により平行光に変換されて、結像レンズ50に入射する。結像レンズ50は、入射した平行光を、プリズム群60を介して1次像面IP1に集光して、標本の1次像を形成する。1次像面IP1上の標本の1次像からの光は、顕微鏡用リレー光学系1により再び平行光に変換されて、結像レンズ80に入射する。そして、結像レンズ80が、プリズム群70を介して入射した平行光を、プリズム群90を介して2次像面IP2に集光して、標本の2次像を形成する。これにより、顕微鏡利用者は、図示しない接眼レンズを介して、この2次像を観察することができる。
【0025】
次に、顕微鏡用リレー光学系1を構成する各レンズ群の主な作用について説明する。
顕微鏡用リレー光学系1では、接合レンズCL1で構成された第1レンズ群G1が、主に倍率色収差を制御し、負メニスカスレンズで構成された第2レンズ群G2が、主にペッツバール和を抑えることで像面湾曲を制御し、平凹レンズから構成される第3レンズ群G3と接合レンズCL2で構成される第4レンズ群G4が、主に像位置と倍率を制御している。第4レンズ群G4は、球面収差を制御する役割も担っている。
【0026】
また、第1レンズ群G1と第2レンズ群G2を前群、第3レンズ群G3と第4レンズ群G3を後群と定義すると、顕微鏡用リレー光学系1では、前群が主に瞳を制御する役割を、後群が像を制御する役割を担っている。
【0027】
そして、顕微鏡用リレー光学系1は、第2レンズ群の凹面に加えて、第3レンズ群と第4レンズ群に空気と接触する凹面をそれぞれ有することにより、いわゆる凹パワーを分散している。これにより、ペッツバール和を小さく抑えて像面湾曲を良好に補正しながら、第3レンズ群G3と第4レンズ群G4のいずれのパワーも比較的小さく抑えている。
【0028】
従って、顕微鏡用リレー光学系1は、各レンズ群のパワーを抑えながら良好に収差を補正することができるため、レンズの偏心に対する光学性能の劣化を抑制し、且つ、良好な光学性能を実現することができる。
【0029】
なお、顕微鏡用リレー光学系1は、上述した構成に加えて、以下の条件式を満たすことが望ましい。ただし、Fは顕微鏡用リレー光学系1の焦点距離、f3Gは第3レンズ群G3の焦点距離、f4Gは第4レンズ群G4の焦点距離である。
−0.77 < f3G/F < −0.46 ・・・(1)
0.43 < f4G/F < 0.76 ・・・(2)
【0030】
条件式(1)は、顕微鏡用リレー光学系1の焦点距離に対する第3レンズ群G3の焦点距離の比で定義され、第3レンズ群における光束の発散度合いを表している。
条件式(1)の下限値を下回る場合には、第3レンズ群G3のパワーが相対的に弱いため、レンズの偏心に対して光学性能の劣化を抑えることができる。しかしながら、収差補正を良好に行うためには、第3レンズ群G3と第4レンズ群G4の間の間隔を長くとる必要があるため、顕微鏡用リレー光学系1に許容される限られた全長内で良好に収差を補正することが困難となる。一方、条件式(1)の上限値を上回ると、第3レンズ群G3のパワーが相対的に強くなり、光線が急角度で屈折することになる。このため、レンズの偏心に対して光学性能の劣化が大きくなってしまう。
【0031】
条件式(2)は、顕微鏡用リレー光学系1の焦点距離に対する第4レンズ群G4の焦点距離の比で定義され、第4レンズ群における光束の発散度合いを表している。
条件式(2)の下限値を下回る場合には、第4レンズ群G4のパワーが相対的に強くなり、光線が急角度で屈折することになる。このため、レンズの偏心に対して光学性能の劣化が大きくなってしまう。一方、条件式(2)の上限値を上回ると、第4レンズ群G4のパワーが相対的に弱いため、レンズの偏心に対して光学性能の劣化を抑えることができる。しかしながら、パワーが不足するために、収差を良好に補正することが困難となる。
【0032】
なお、条件式(1)と条件式(2)で示されるように、顕微鏡用リレー光学系1は、第3レンズ群G3の負のパワーと第4レンズ群G4の正のパワーとを略同程度にすることが望ましい。これにより、第3レンズ群G3と第4レンズ群G4の一方のパワーが過度に強くなることが防止されるため、顕微鏡用リレー光学系1全体としての偏心に対する性能の劣化度合いを低く抑えることができる。
また、条件式(1)と条件式(2)のどちらか一方を満たすことが本発明には有効である。
【0033】
また、顕微鏡用リレー光学系1は、対物レンズ40の瞳共役面が顕微鏡用リレー光学系1の光学面上に位置するように設計されることが望ましい。例えば、顕微鏡100のステージが基準状態にあるときには第3レンズ群G3のいずれかの光学面上に、ステージアップ状態にあるときには第4レンズ群G4のいずれかの光学面上に、瞳共役面が位置するように設計してもよい。これにより、顕微鏡用リレー光学系1の光学面に位相膜を形成することにより、顕微鏡用リレー光学系1のレンズを瞳変調素子として機能させることができる。
【0034】
以下、各実施例に係る顕微鏡用リレー光学系と顕微鏡について説明する。
なお、実施例1に係る顕微鏡は、
図1に例示される顕微鏡100であり、上述したとおりである。また、実施例2に係る顕微鏡200、実施例3に係る顕微鏡300は、顕微鏡用リレー光学系が実施例毎に異なる点とプリズム群90の最終面から2次像面IP2の間隔が実施例毎に異なる点とを除き、実施例1に係る顕微鏡100と同一である。従って、各実施例では、顕微鏡についての詳細な説明は省略する。
【実施例1】
【0035】
図1は、本実施例に係る顕微鏡用リレー光学系を備えた顕微鏡の構成を例示した図である。
図2は、本実施例に係る顕微鏡用リレー光学系を備えた顕微鏡の光学系の断面図である。
図2に例示される顕微鏡用リレー光学系1は、結像レンズ50により形成された標本の1次像を無限遠にリレーする顕微鏡用リレー光学系であって、そのレンズ構成は、上述したとおりである。
【0036】
以下、本実施例に係る各種データについて記載する。
顕微鏡用リレー光学系1の焦点距離Fと、第3レンズ群G3の焦点距離f3Gと、第4レンズ群G4の焦点距離f4Gと、顕微鏡用リレー光学系1の像側開口数NAIと、像高FIYは、それぞれ以下のとおりである。
F=180.23mm、f3G=−127.33mm、f4G=123.14mm、
NAI=0.04、FIY=11mm
【0037】
図2に例示される本実施例に係る顕微鏡100の光学系のレンズデータは、以下のとおりである。
s r d nd vd
1 INF 177.5
2 178.4248 6.1 1.48749 70.23
3 -63.4109 4 1.7185 33.52
4 -111.259 2.0047
5 INF 18 1.51633 64.14
6 INF 18 1.51633 64.14
7 INF 153.3395
8 INF 87.201
9 109.6828 5.2 1.6516 58.55
10 -60.1401 3.8 1.6727 32.1
11 -250.569 6.2577
12 27.0219 13.7 1.56883 56.36
13 19.4164 52.0723
14 INF 2.5 1.48749 70.23
15 62.0738 43
16 -292.5594 3 1.51742 52.43
17 72.321 3.5 1.497 81.54
18 -49.2626 2.93
19 INF 25 1.51633 64.14
20 INF 25 1.51633 64.14
21 INF 37.367
22 54.9349 3 1.48749 70.2
23 278.88 0.3359
24 32.9209 6 1.72342 37.9
25 -90.9349 2.6 1.7185 33.5
26 25.9272 62.726
27 INF 26 1.56883 56.36
28 INF 4
29 INF 65 1.56883 56.36
30 INF 25.94
【0038】
ここで、sは面番号を、rは曲率半径(mm)を、dは面間隔(mm)を、ndはd線に対する屈折率を、vdはd線に対するアッベ数を示している。面番号s1は、
図1に例示される対物レンズ40の瞳位置を示している。面番号s2からs4は結像レンズ50の光学面を示している。面番号s5からs7はプリズム群60の光学面を示している。面番号s8は1次像面IP1を示している。面番号s9からs18は顕微鏡用リレー光学系1の光学面を示している。面番号s19からs21はプリズム群70の光学面を示している。面番号s22からs26は結像レンズ80の光学面を示している。面番号s27からs30はプリズム群90の光学面を示している。また、面間隔d30は、プリズム群70の最終面(面番号s30)と2次像面IP2の間の間隔を示している。
【0039】
本実施例に係る顕微鏡用リレー光学系1は、以下の式(A1)、(A2)で示されるように、条件式(1)、(2)を満たしている。なお、式(A1)、(A2)はそれぞれ条件式(1)、(2)に対応している。
f3G/F = −0.706 ・・・(A1)
f4G/F = 0.683 ・・・(A2)
【0040】
図3は、
図2に例示される顕微鏡の光学系の収差図であり、軸上光線が結像レンズ50に光軸と平行な平行光として入射した場合の2次像面IP2における収差を示している。
図3(a)は球面収差図であり、
図3(b)は非点収差図であり、
図3(c)、
図3(d)はそれぞれ像高比0.5、像高比0.8の位置でのコマ収差図であり、
図3(e)は倍率色収差であり、
図3(f)は歪曲収差である。いずれの状態でも各収差が良好に補正されていることが示されている。なお、図中の “M”はメリディオナル成分、“S”はサジタル成分を示している。
【0041】
図4は、
図2に例示される顕微鏡の光学系のスポットダイアグラムであり、2次像面IP2上の像高比0.8の位置におけるスポットダイアグラムである。
図4(a)は無偏心状態におけるスポットダイアグラムであり、
図4(b)、
図4(c)、
図4(d)、
図4(e)はそれぞれ第1レンズ群G1、第2レンズ群G2、第3レンズ群G3、第4レンズ群G4を光軸と直交する方向に0.1mmシフトすることにより偏心させた状態でのスポットダイアグラムである。
【実施例2】
【0042】
図5は、本実施例に係る顕微鏡用リレー光学系を備えた顕微鏡の光学系の断面図である。
図5に例示される顕微鏡用リレー光学系2は、結像レンズ50により形成された標本の1次像を無限遠にリレーする顕微鏡用リレー光学系であって、そのレンズ構成は、
図2に例示される実施例1に係る顕微鏡用リレー光学系1と同様である。
以下、本実施例に係る各種データについて記載する。
【0043】
顕微鏡用リレー光学系2の焦点距離Fと、第3レンズ群G3の焦点距離f3Gと、第4レンズ群G4の焦点距離f4Gと、顕微鏡用リレー光学系2の像側開口数NAIと、像高FIYは、それぞれ以下のとおりである。
F=180.4mm、f3G=−85.5mm、f4G=80mm、
NAI=0.04、FIY=11mm
【0044】
図5に例示される本実施例に係る顕微鏡200の光学系のレンズデータは、以下のとおりである。
s r d nd vd
1 INF 177.5
2 178.4248 6.1 1.48749 70.23
3 -63.4109 4 1.7185 33.52
4 -111.259 2.0047
5 INF 18 1.51633 64.14
6 INF 18 1.51633 64.14
7 INF 153.3395
8 INF 87.201
9 743.6761 5.2 1.6516 58.55
10 -41.432 3.8 1.6727 32.1
11 -80.2437 50.8917
12 26.0066 13.7 1.56883 56.36
13 15.9765 25.1856
14 INF 2.5 1.48749 70.23
15 41.6584 25.2527
16 -117.96 3 1.51742 52.43
17 62.4083 3.5 1.497 81.54
18 -29.437 2.93
19 INF 25 1.51633 64.14
20 INF 25 1.51633 64.14
21 INF 37.367
22 54.9349 3 1.48749 70.2
23 278.88 0.3359
24 32.9209 6 1.72342 37.9
25 -90.9349 2.6 1.7185 33.5
26 25.9272 62.726
27 INF 26 1.56883 56.36
28 INF 4
29 INF 65 1.56883 56.36
30 INF 26.2672
【0045】
ここで、sは面番号を、rは曲率半径(mm)を、dは面間隔(mm)を、ndはd線に対する屈折率を、vdはd線に対するアッベ数を示している。面番号s1は、
図1に例示される対物レンズ40の瞳位置を示している。面番号s2からs4は結像レンズ50の光学面を示している。面番号s5からs7はプリズム群60の光学面を示している。面番号s8は1次像面IP1を示している。面番号s9からs18は顕微鏡用リレー光学系2の光学面を示している。面番号s19からs21はプリズム群70の光学面を示している。面番号s22からs26は結像レンズ80の光学面を示している。面番号s27からs30はプリズム群90の光学面を示している。また、面間隔d30は、プリズム群70の最終面(面番号s30)と2次像面IP2の間の間隔を示している。
【0046】
本実施例に係る顕微鏡用リレー光学系2は、以下の式(B1)、(B2)で示されるように、条件式(1)、(2)を満たしている。なお、式(B1)、(B2)はそれぞれ条件式(1)、(2)に対応している。
f3G/F = −0.47 ・・・(B1)
f4G/F = 0.44 ・・・(B2)
【0047】
図6は、
図5に例示される顕微鏡の光学系の収差図であり、軸上光線が結像レンズ50に光軸と平行な平行光として入射した場合の2次像面IP2における収差を示している。
図6(a)は球面収差図であり、
図6(b)は非点収差図であり、
図6(c)、
図6(d)はそれぞれ像高比0.5、像高比0.8の位置でのコマ収差図であり、
図6(e)は倍率色収差であり、
図6(f)は歪曲収差である。いずれの状態でも各収差が良好に補正されていることが示されている。なお、図中の “M”はメリディオナル成分、“S”はサジタル成分を示している。
【0048】
図7は、
図5に例示される顕微鏡の光学系のスポットダイアグラムであり、2次像面IP2上の像高比0.8の位置におけるスポットダイアグラムである。
図7(a)は無偏心状態におけるスポットダイアグラムであり、
図7(b)、
図7(c)、
図7(d)、
図7(e)はそれぞれ第1レンズ群G1、第2レンズ群G2、第3レンズ群G3、第4レンズ群G4を光軸と直交する方向に0.1mmシフトすることにより偏心させた状態でのスポットダイアグラムである。
【実施例3】
【0049】
図8は、本実施例に係る顕微鏡用リレー光学系を備えた顕微鏡の光学系の断面図である。
図8に例示される顕微鏡用リレー光学系3は、結像レンズ50により形成された標本の1次像を無限遠にリレーする顕微鏡用リレー光学系であって、そのレンズ構成は、
図2に例示される実施例1に係る顕微鏡用リレー光学系1と同様である。
以下、本実施例に係る各種データについて記載する。
【0050】
顕微鏡用リレー光学系3の焦点距離Fと、第3レンズ群G3の焦点距離f3Gと、第4レンズ群G4の焦点距離f4Gと、顕微鏡用リレー光学系3の像側開口数NAIと、像高FIYは、それぞれ以下のとおりである。
F=180.17mm、f3G=−137.13mm、f4G=135mm、
NAI=0.04、FIY=11mm
【0051】
図8に例示される本実施例に係る顕微鏡300の光学系のレンズデータは、以下のとおりである。
s r d nd vd
1 INF 177.5
2 178.4248 6.1 1.48749 70.23
3 -63.4109 4 1.7185 33.52
4 -111.259 2.0047
5 INF 18 1.51633 64.14
6 INF 18 1.51633 64.14
7 INF 153.3395
8 INF 87.201
9 76.2816 5.2 1.6516 58.55
10 -80.8252 3.8 1.6727 32.1
11 -509.78 6.2577
12 33.4447 13.7 1.56883 56.36
13 22.8655 45.7834
14 INF 2.5 1.48749 70.23
15 66.85 51.2189
16 -345.554 3 1.51742 52.43
17 68.8332 3.5 1.497 81.54
18 -54.3927 1
19 INF 25 1.51633 64.14
20 INF 25 1.51633 64.14
21 INF 37.367
22 54.9349 3 1.48749 70.2
23 278.88 0.3359
24 32.9209 6 1.72342 37.9
25 -90.9349 2.6 1.7185 33.5
26 25.9272 62.726
27 INF 26 1.56883 56.36
28 INF 4
29 INF 65 1.56883 56.36
30 INF 25.9404
【0052】
ここで、sは面番号を、rは曲率半径(mm)を、dは面間隔(mm)を、ndはd線に対する屈折率を、vdはd線に対するアッベ数を示している。面番号s1は、
図1に例示される対物レンズ40の瞳位置を示している。面番号s2からs4は結像レンズ50の光学面を示している。面番号s5からs7はプリズム群60の光学面を示している。面番号s8は1次像面IP1を示している。面番号s9からs18は顕微鏡用リレー光学系3の光学面を示している。面番号s19からs21はプリズム群70の光学面を示している。面番号s22からs26は結像レンズ80の光学面を示している。面番号s27からs30はプリズム群90の光学面を示している。また、面間隔d30は、プリズム群70の最終面(面番号s30)と2次像面IP2の間の間隔を示している。
【0053】
本実施例に係る顕微鏡用リレー光学系3は、以下の式(C1)、(C2)で示されるように、条件式(1)、(2)を満たしている。なお、式(C1)、(C2)はそれぞれ条件式(1)、(2)に対応している。
f3G/F = −0.76 ・・・(C1)
f4G/F = 0.75 ・・・(C2)
【0054】
図9は、
図8に例示される顕微鏡の光学系の収差図であり、軸上光線が結像レンズ50に光軸と平行な平行光として入射した場合の2次像面IP2における収差を示している。
図9(a)は球面収差図であり、
図9(b)は非点収差図であり、
図9(c)、
図9(d)はそれぞれ像高比0.5、像高比0.8の位置でのコマ収差図であり、
図9(e)は倍率色収差であり、
図9(f)は歪曲収差である。いずれの状態でも各収差が良好に補正されていることが示されている。なお、図中の “M”はメリディオナル成分、“S”はサジタル成分を示している。
【0055】
図10は、
図8に例示される顕微鏡の光学系のスポットダイアグラムであり、2次像面IP2上の像高比0.8の位置におけるスポットダイアグラムである。
図10(a)は無偏心状態におけるスポットダイアグラムであり、
図10(b)、
図10(c)、
図10(d)、
図10(e)はそれぞれ第1レンズ群G1、第2レンズ群G2、第3レンズ群G3、第4レンズ群G4を光軸と直交する方向に0.1mmシフトすることにより偏心させた状態でのスポットダイアグラムである。