(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
クレジットカードの会員によるクレジットカード支払額の一部を割り勘支払いすることを依頼するための依頼情報を、当該会員とは異なる会員に対して通知する通知手段と、
前記通知手段による前記依頼情報の通知を受けた会員が前記クレジットカード支払額の一部についてクレジットカード支払いを行った場合に、割り勘元と割り勘先との対応関係及びそれぞれのクレジットカード支払額を含む割り勘情報を生成する割り勘情報生成手段と
を備え、
前記通知手段が、先行する割り勘支払いにおいて割り勘先となった会員によるクレジットカード支払額の一部を割り勘支払いすることを依頼するための依頼情報を、当該会員とは異なる他の会員に対して通知するように構成され、
前記割り勘情報生成手段が、前記通知手段による前記依頼情報の通知を受けた前記他の会員が前記割り勘先となった会員によるクレジットカード支払額の一部についてクレジットカード支払いを行った場合に、割り勘元と割り勘先との対応関係及びそれぞれのクレジットカード支払額を含む割り勘情報を生成するように構成されている、
クレジットカードシステム。
前記割り勘支払い状況情報通知手段が、前記割り勘情報生成手段により生成された割り勘情報に含まれる割り勘元と割り勘先との対応関係に基づいて開示対象の会員を特定し、その特定した会員の割り勘支払いの状況を示す割り勘支払い状況情報を通知対象の会員に対して通知するように構成されている、
請求項2に記載のクレジットカードシステム。
前記割り勘支払い状況情報通知手段が、前記対応関係に基づいて通知対象の会員との間で割り勘元及び/又は割り勘先の関係にある会員を特定し、その特定した会員の割り勘支払いの状況を示す割り勘支払い状況情報を当該通知対象の会員に対して通知するように構成されている、
請求項3に記載のクレジットカードシステム。
前記割り勘支払い状況情報通知手段が、前記対応関係に基づいて通知対象の会員との間で割り勘元及び/又は割り勘先の関係にある会員を特定し、その特定した会員以外の会員の割り勘支払いの状況を匿名で示す割り勘支払い状況情報を当該通知対象の会員に対して通知するように構成されている、
請求項3又は4に記載のクレジットカードシステム。
前記割り勘支払いの取消要求を受けた場合、前記割り勘情報生成手段により生成された割り勘情報に含まれる割り勘元と割り勘先との対応関係に基づいて、当該割り勘支払いの取消承認者となる会員を特定し、その特定した会員に対して当該割り勘支払いの取消の承認要求を通知する取消承認要求通知手段をさらに備え、
前記取消実行手段が、前記取消承認要求通知手段による通知を受けた会員から前記割り勘支払いの取消の承認を得た場合に、当該割り勘支払いの取消処理を実行するように構成されている、
請求項6に記載のクレジットカードシステム。
前記取消承認要求通知手段が、前記対応関係に基づいて前記取消要求を行った会員との間で割り勘元及び/又は割り勘先の関係にある会員を特定し、その特定した会員に対して当該割り勘支払いの取消の承認要求を通知するように構成されている、
請求項7に記載のクレジットカードシステム。
前記取消実行手段が、前記割り勘支払いの取消処理と、当該割り勘支払いを行った会員が割り勘元となっている割り勘支払いの取消処理とを実行するように構成されている、
請求項6乃至8の何れかに記載のクレジットカードシステム。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の好ましい実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下に示す各実施の形態は、本発明の技術的思想を具体化するための方法及び装置を例示するものであって、本発明の技術的思想は下記のものに限定されるわけではない。本発明の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された技術的範囲内において種々の変更を加えることができる。
【0022】
(実施の形態1)
[クレジットカードシステムの構成]
図1は、本発明の実施の形態1に係るクレジットカードシステムの構成を示すブロック図である。
図1に示すとおり、本実施の形態のクレジットカードシステム100は、クレジットカードの会員(以下、「カード会員」という)間で行われる割り勘支払いに関する処理を実行する割り勘処理装置1と、カード会員によるクレジットカードの利用の際に行われる信用照会に関する処理を実行する信用照会処理装置2とを備えている。これらの割り勘処理装置1及び信用照会処理装置2は通信可能に接続されている。
【0023】
信用照会処理装置2は、クレジットカードシステム100を運営するクレジットカード会社の各加盟店に設置される複数の加盟店端末装置3,3,…と専用回線を介して接続されている。なお、以下では、当該クレジットカード会社が発行するクレジットカードを自社カードと称し、当該クレジットカード会社とは異なる他のクレジットカード会社が発行するクレジットカードを他社カードと称する。
【0024】
割り勘処理装置1は、インターネット等の通信ネットワークNTWを介して、各カード会員側で用いられる会員端末装置4,4,…と接続されている。会員端末装置4,4,…としては、例えばパーソナルコンピュータ、携帯電話機及びPDA(Personal Digital Assistant)等の通信機能を有する装置が用いられる。ここで、割り勘処理装置1と会員端末装置4,4,…との間の通信はHTTP(HyperTextTransferProtocol)等の通信プロトコルを用いて行われる。
【0025】
なお、クレジットカードシステム100は、他社カードを発行するクレジットカード会社が運営するクレジットカードシステム(図示せず、以下「他社システム」という)と通信可能に接続されている。後述するように、割り勘支払いのうちの一部が他社カードを用いて行われる場合、クレジットカードシステム100は、他社システムに対して当該一部の決済に関する情報を送信する。
【0026】
[割り勘処理装置の構成]
以下、上述した割り勘処理装置1の詳細な構成について説明する。
図2は、本発明の実施の形態1に係る割り勘処理装置1の構成を示すブロック図である。
図2に示すとおり、コンピュータ(割り勘処理装置)1は、CPU10、ROM11、RAM12、ハードディスク13、及び通信インタフェース(I/F)14を備えており、これらのCPU10、ROM11、RAM12、及び通信I/F14は、バス15によって接続されている。
【0027】
CPU10は、RAM12にロードされた各種のコンピュータプログラムを実行する。これにより、コンピュータ1が本実施の形態の割り勘処理装置1として機能することになる。
【0028】
ROM11は、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、又はEEPROM(Electrically Erasable PROM)等によって構成されており、CPU10にて実行されるコンピュータプログラム及びその実行の際に用いられるデータ等が記憶されている。
【0029】
RAM12は、SRAM又はDRAMなどによって構成されている。このRAM12は、ハードディスク13に記憶されている各種のコンピュータプログラムの読み出し等に用いられる。また、CPU10が各種のコンピュータプログラムを実行するときに、CPU10の作業領域としても利用される。
【0030】
ハードディスク13には、オペレーティングシステム及びアプリケーションプログラムなど、CPU10に実行させるための各種のコンピュータプログラム及び当該コンピュータプログラムの実行に用いられるデータ等が予めインストールされている。また、このハードディスク13には、カード会員がクレジットカードを利用することにより発生する売上に関する売上情報が格納される売上情報データベース(DB)13Aと、割り勘支払いに関する割り勘情報が格納される割り勘情報データベース(DB)13Bと、他社カードの売上に関する他社カード売上情報が格納される他社カード売上情報データベース(DB)13Cと、各クレジットカードの締め日を示す締め日情報が格納される締め日情報データベース(DB)13Dとが設けられている。これらの各データベースの詳細については後述する。
【0031】
さらに、ハードディスク13には、例えば米マイクロソフト社が製造販売するWindows(登録商標)などのマルチタスクオペレーティングシステムがインストールされている。以下の説明においては、各種のコンピュータプログラムが当該オペレーティングシステム上で動作するものとしている。
【0032】
通信I/F14は、通信ネットワークNTWを介して割り勘処理装置1が外部の装置と通信するためのインタフェース装置である。割り勘処理装置1は、この通信I/F14を介して、信用照会処理装置2及び会員端末装置4,4,…との間で各種のデータの送受信を行う。
【0033】
以下、ハードディスク13に設けられている各データベースの詳細について説明する。
(A)売上情報DB13A
図3は、本発明の実施の形態1に係る割り勘処理装置1に設けられている売上情報DB13Aのレイアウトの一例を示す図である。
図3に示すように、売上情報DB13Aは、代金支払いに利用されたクレジットカードのカード番号が格納されるカード番号フィールド101、売上を識別するための売上IDが格納される売上IDフィールド102、クレジットカードの利用日が格納される利用日フィールド103、利用金額が格納される金額フィールド104、利用された加盟店を識別するための加盟店IDが格納される加盟店IDフィールド105、割り勘支払いに関係する売上であるか否かを示す情報が格納される割り勘フィールド106、通常の売上として扱うか否かを示す情報が格納される異動フィールド107、及び割り勘支払いがされた場合にその元になる売上を識別するための売上IDが格納される元売上IDフィールド108を有している。なお、異動フィールド107には、通常の売上として扱う場合は“通常”が、割り勘支払いにより売上が分割されたり、売上が取り消されたりした場合は“異動”がそれぞれ格納される。この売上情報DB13Aの更新は、後述するように信用照会処理装置2及び会員端末装置4,4,…との間で行われる処理においてなされる。
【0034】
(B)割り勘情報DB13B
図4は、本発明の実施の形態1に係る割り勘処理装置1に設けられている割り勘情報DB13Bのレイアウトの一例を示す図である。
図4に示すように、割り勘情報DB13Bは、割り勘支払いにおける割り勘元のクレジットカード(割り勘支払いの対象額の立替支払いに利用されたクレジットカード)のカード番号が格納される割り勘元カード番号フィールド201、割り勘支払いにおける割り勘先のクレジットカード(立替支払いされた額の一部の支払いに利用されるクレジットカード)の有効期限が格納される有効期限フィールド202、立替支払いに係る売上を識別するための売上IDが格納される売上IDフィールド203、割り勘先のクレジットカードのカード番号が格納される割り勘先カード番号フィールド204、その割り勘支払いの金額が格納される金額フィールド205、割り勘先のカード会員の氏名が格納される氏名フィールド206、及びそのカード会員によって設定されたパスワードが格納されるパスワードフィールド207を有している。この割り勘情報DB13の更新は、後述するように会員端末装置4,4,…との間で行われる処理においてなされる。
【0035】
(C)他社カード売上情報DB13C
図5は、本発明の実施の形態1に係る割り勘処理装置1に設けられている他社カード売上情報DB13Cのレイアウトの一例を示す図である。
図5に示すように、他社カード売上情報DB13Cは、他社カードを発行するクレジットカード会社を識別するためのカード会社IDが格納されるカード会社IDフィールド301、その他社カードのカード番号が格納されるカード番号フィールド302、その他社カードの利用による売上を識別するための売上連番が格納される売上連番フィールド303、他社カードの利用日が格納される利用日フィールド304、他社カードによる支払い額が格納される金額フィールド305、及び利用された加盟店を識別するための加盟店IDが格納される加盟店IDフィールド306を有している。
【0036】
(D)締め日情報DB13D
図6は、本発明の実施の形態1に係る割り勘処理装置1に設けられている締め日情報DB13Dのレイアウトの一例を示す図である。
図6に示すように、締め日情報DB13Dは、クレジットカード発行会社を識別するためのカード会社IDが格納されるカード会社IDフィールド401、及びその会社が発行するクレジットカードの締め日が格納される締め日フィールド402を有している。この締め日情報DB13Dに格納される締め日情報は、後述する各処理が実行される前に予め登録される。
【0037】
[信用照会処理装置の構成]
以下、信用照会処理装置2の詳細な構成について説明する。
図7は、本発明の実施の形態1に係る信用照会処理装置2の構成を示すブロック図である。
図7に示すとおり、コンピュータ(信用照会処理装置)2は、CPU20、ROM21、RAM22、ハードディスク23、及び通信インタフェース(I/F)24を備えており、これらのCPU20、ROM21、RAM22、及び通信I/F24は、バス25によって接続されている。ハードディスク23には、各自社カードの有効期限・利用額・限度額等の各種の情報を格納するカード情報DB23Aが設けられている。信用照会処理装置2は、このカード情報DB23Aに格納されている情報を用いて、自社カードの信用照会処理(オーソリゼーション処理)を実行する。
【0038】
[クレジットカードシステムの動作]
次に、上述したように構成された本実施の形態のクレジットカードシステム100の動作について、フローチャート等を参照しながら説明する。なお、本実施の形態のクレジットカードシステム100にて実行される処理には、主に信用照会処理装置2によって実行される信用照会処理、並びに、主に割り勘処理装置1によって実行される割り勘支払い処理、割り勘取消処理及び会員計算書生成処理等がある。以下では、これらの各処理の詳細について説明する。
【0039】
(1)信用照会処理
自社カードの加盟店である飲食店において複数人が飲食を共にした場合等に、その複数人のうちの1人(以下、「代表者」という)がその利用料金の全額を立て替えて自社カードにより支払うときの信用照会処理について、以下に説明する。
【0040】
図8は、本発明の実施の形態1に係る信用照会処理装置2及び割り勘処理装置1と加盟店端末装置3とによって実行される信用照会処理の手順を示すフローチャートである。
加盟店においてクレジットカードを用いて支払いが行われる場合、加盟店の店員は、割り勘支払いを希望するか否かを代表者に確認し、割り勘支払いの要否を示す情報を加盟店端末装置3に入力する。加盟店端末装置3は、この割り勘支払いの要否を示す情報と、信用照会に必要なカード番号・利用額等の各種の情報とを含むオーソリ要求情報を、信用照会処理装置2に対して送信する(S101)。
【0041】
信用照会処理装置2は、加盟店端末装置3から送信されたオーソリ要求情報を受信した場合(S201)、そのオーソリ要求情報に含まれる各種の情報に基づいて取引承認処理を実行する(S202)。その結果承認されなかった場合(S203でNO)、信用照会処理装置2は、承認されなかった旨を示す不承認情報を加盟店端末装置3に対して送信する(S204)。この場合、加盟店端末装置3がその不承認情報を受信し(S102)、処理が終了する。
【0042】
他方、ステップS202の取引承認処理によって承認された場合(S203でYES)、信用照会処理装置2は、オーソリ要求情報に含まれている割り勘支払いの要否を示す情報に基づいて、割り勘支払いに係る取引であるか否かを判定する(S205)。ここで割り勘支払いに係る取引ではないと判定した場合(S205でNO)、信用照会処理装置2は、後述するステップS207に進む。他方、割り勘支払いに係る取引であると判定した場合(S205でYES)、信用照会処理装置2は、割り勘支払いに係る取引であることを示す割り勘要求情報を割り勘処理装置1に対して送信する(S206)。なお、この割り勘要求情報には、売上情報DB13Aに格納されるカード番号、利用日、金額及び加盟店ID等の各種の情報が含まれている。
【0043】
次に、信用照会処理装置2は、取引の承認がなされた旨を示す承認情報を加盟店端末装置3に対して送信する(S207)、この場合、加盟店端末装置3がその承認情報を受信することにより(S103)、代表者のクレジットカード支払いが受け付けられたことになる。
【0044】
一方、割り勘処理装置1は、信用照会処理装置2から送信された割り勘要求情報を受信した場合(S301)、その割り勘要求情報に含まれている各種の情報を用いて売上情報を生成し、その売上情報を売上情報DB13Aに登録する(S302)。次に、割り勘処理装置1は、割り勘支払いの受付をするためのウェブサイトである割り勘サイトのURL(Uniform Resource Locator)を含む電子メールを代表者の電子メールアドレス宛に送信する(S303)。なお、代表者の電子メールアドレスは予め割り勘処理装置1に登録されているものとする。また、割り勘処理装置1は割り勘サイトを運用するWWW(World Wide Web)サーバとして機能するものとする。
【0045】
以上のように信用照会処理が実行された後、代表者は、自身が所有する会員端末装置4を用いて、割り勘処理装置1から送信された電子メールを受信する。その後、代表者が、割り勘支払いを行う他のカード会員に対して、その電子メールに示されている割り勘サイトのURLを同じく電子メールを用いて伝えることにより、次の割り勘支払い処理が行われることになる。
【0046】
(2)割り勘支払い処理
本実施の形態における割り勘支払いは、複数のカード会員が加盟店の利用料金を分担して負担する場合に行われる。以下では、6人のカード会員で割り勘支払いが行われる場合について例示する。
【0047】
図9は、割り勘支払いを行う6人のカード会員の関係を示す図である。
図9において、AAAA乃至FFFFは各カード会員の氏名を表している。
図9には、各カード会員の氏名の他、各カード会員が所有するクレジットカードが自社カード・他社カードの何れであるか、及びそのクレジットカードのカード番号が示されている。ここで、AAAAは代表者であり、BBBB,CCCC及びDDDDはX会社に、EEEE及びFFFFはY会社にそれぞれ属しているものとする。
図9に示す例では、まずAAAAが、X会社の代表者であるBBBB及びY会社の代表者であるEEEEに対して割り勘支払いを依頼する。次に、BBBBは同じX会社のCCCCに割り勘支払いを依頼し、そのCCCCはさらにDDDDに割り勘支払いを依頼する。他方、EEEEは同じY会社のFFFFに割り勘支払いを依頼する。本明細書では、
図9に示すような割り勘支払いにおける割り勘元及び割り勘先の対応関係を割り勘支払いの系統と称する。以下、
図9に示す割り勘支払いの系統を例として、本実施の形態の割り勘支払い処理の詳細を説明する。なお、この
図9に示す例の他にも、より多くの階層・分岐が設けられる等、様々な割り勘支払いの系統が想定可能であることは言うまでもない。
【0048】
代表者であるAAAAは、上述した信用照会処理の結果受け取った電子メールに示されている割り勘サイトのURLを、割り勘支払いの依頼先(割り勘先)であるBBBB及びEEEEに対して通知する。この通知は、例えばBBBB及びEEEEに対して当該URLを含む電子メールを送信すること等によってなされる。このようにしてAAAAからの通知を受け取ったBBBB及びEEEEは、自らが所有する会員端末装置4を用いて、その通知に示されている割り勘サイトのURLにアクセスする。以下、そのアクセスが行われた後の処理についてフローチャートを参照しながら説明する。
【0049】
図10は、本発明の実施の形態1に係る会員端末装置4及び割り勘処理装置1によって実行される割り勘支払い処理の手順を示すフローチャートである。
会員端末装置4からのアクセスを受け付けた割り勘処理装置1は、会員端末装置4を用いてアクセスしてきたカード会員に対して、先行する信用照会処理により承認されたクレジットカード支払い額の一部を負担する割り勘支払いを依頼するために、その旨を示す割り勘依頼情報を会員端末装置4に対して送信する(S501)。
【0050】
会員端末装置4は、割り勘処理装置1から送信された割り勘依頼情報を受信した場合(S401)、その割り勘依頼情報により生成される、割り勘支払いの申請を行うための割り勘申請画面を表示部に表示する(S402)。本実施の形態では、この割り勘申請画面が第1割り勘申請画面及び第2割り勘申請画面の2つから構成されている。
図11Aは、その第1割り勘申請画面の一例を示す図である。
図11Aに示すとおり、第1割り勘申請画面111には、割り勘支払いの対象となっているクレジットカード決済に関する情報(
図11Aの例では、「2012年1月27日に居酒屋○○で100,000円をクレジットカード決済した」ことを示す情報)が表示されている。また、第1割り勘申請画面111には、そのクレジットカード決済を行った代表者の氏名(同じく「AAAA」)及び割り勘支払いを行うことができる金額である割り勘可能額(同じく「100,000円」)、並びに現段階で誰がいくら支払っているのかを意味する割り勘状況を示す情報(同じく「AAAAが100,000円を支払っている」ことを示す情報)が示されている。さらに、第1割り勘申請画面111には、割り勘支払いの申請を指示するためのボタン111Aが設けられている。カード会員は、第1割り勘申請画面111に表示されている内容を参照した結果、自らが割り勘先となって割り勘支払いを行うことを決めた場合、割り勘状況として示されている各支払いの中から特定の支払いを割り勘元の支払いとして指定するために、その特定の支払いに対して設けられているチェックボックスにチェックを入れた上で、ボタン111Aを押下する。その結果、会員端末装置4の表示部に第2割り勘申請画面が表示される。
【0051】
図11Bは、第2割り勘申請画面の一例を示す図である。
図11Bに示すとおり、第2割り勘申請画面112には、クレジットカードのカード番号を入力するための入力欄112A、そのクレジットカードの有効期限を入力するための入力欄112B、割り勘支払いの金額を入力するための入力欄112C、氏名を入力するための入力欄112D、パスワードを入力するための入力欄112E、及び各入力欄112A乃至112Eに入力された情報を割り勘処理装置1に対して送信するためのボタン112Fが設けられている。割り勘先となるカード会員は、所有するクレジットカードのカード番号及び有効期限、割り勘支払いの金額、氏名、並びにパスワードを入力欄112A乃至112Eにそれぞれ入力し、ボタン112Fを押下する。この押下を受け付けた会員端末装置4は、入力欄112A乃至112Eに入力された各情報を含む割り勘申請情報を、割り勘処理装置1に対して送信する(S403)。
【0052】
割り勘処理装置1は、会員端末装置4から送信された割り勘申請情報を受信した場合(S502)、その割り勘申請情報に含まれている割り勘支払いの金額を参照し、その金額が割り勘可能額を超えているか否かを判定する(S503)。例えば、割り勘可能額が50,000円であるのに対して割り勘支払いの金額が60,000円である場合等、割り勘支払いの金額が割り勘可能額を超えていると判定した場合(S503でYES)、割り勘処理装置1は、割り勘支払いが不可能であることを示す割り勘不可情報を会員端末装置4に対して送信する(S504)。
【0053】
会員端末装置4は、割り勘処理装置1から送信された割り勘不可情報を受信した場合(S404)、割り勘支払いが受け付けられなかったことを示すメッセージを含む割り勘不可画面を表示部に表示し(S405)、処理が終了する。この場合、カード会員が割り勘支払いの金額を修正した後、割り勘処理装置1に再度ステップS503を実行させるようにしてもよい。
【0054】
他方、ステップS503において割り勘支払いの金額が割り勘可能額を超えていないと判定した場合(S503でNO)、割り勘処理装置1は、割り勘申請情報に含まれている各情報を用いて割り勘情報を生成し(S505)、その割り勘情報を割り勘情報DB13Bに登録する(S506)。ここで登録される割り勘情報の売上IDフィールド203には、割り勘元の売上情報の売上IDフィールド102に格納されている売上IDが格納されることになる。
【0055】
次に、割り勘処理装置1は、今回の割り勘支払いを売上として計上し、且つその割り勘支払いによって割り勘元が支払う額が減少したことを反映させるために、売上情報DB13Aの更新を行う(S507)。より具体的に説明すると、割り勘処理装置1は、今回の割り勘支払い、すなわち割り勘先による支払いに係る売上情報を生成し、その売上情報を売上情報DB13Aに登録する。この割り勘先の売上情報の異動フィールド107には“通常”が、元売上IDフィールド108には代表者のクレジットカード決済に係る売上情報の売上IDがそれぞれ格納される。また、割り勘処理装置1は、割り勘元の売上情報を検索し、その売上情報の異動フィールド107に“異動”を格納するとともに、割り勘先の支払いにより減少した割り勘元の負担額を金額フィールド104に格納する売上情報を新規に生成し、売上情報DB13Aに登録する。この売上情報の異動フィールド107には“通常”が、元売上IDフィールド108には代表者のクレジットカード決済に係る売上情報の売上IDがそれぞれ格納される。
【0056】
次に、割り勘処理装置1は、アクセスしているカード会員のクレジットカード、すなわち割り勘先のクレジットカードが他社カードであるか否かをカード番号に基づいて判定する(S508)。ここで他社カードではないと判定した場合(S508でNO)、割り勘処理装置1は後述するステップS511へ進む。他方、他社カードであると判定した場合(S508でYES)、割り勘処理装置1は、割り勘申請情報に含まれている情報を用いて他社カード売上情報を生成し(S509)、その他社カード売上情報を他社カード売上情報DB13Cに登録する(S510)。
【0057】
上述したようにして割り勘支払いに関する各種処理を実行した割り勘処理装置1は、割り勘先の割り勘支払いの受付が完了したことを示す割り勘完了情報を会員端末装置4に対して送信する(S511)。会員端末装置4は、割り勘処理装置1から送信された割り勘完了情報を受信すると(S406)、割り勘支払いの受付が完了したことを示すメッセージを含む割り勘完了画面を表示部に表示し(S407)、処理が終了する。
【0058】
なお、上述した割り勘完了画面には、割り勘処理装置1にアクセスして上記割り勘支払い処理を実行させたカード会員用の割り勘サイトのURLが表示されている。当該カード会員は、自らの支払い分の一部の負担を他のカード会員に対して依頼するために、その割り勘サイトのURLを電子メールなどの手段を用いて当該他のカード会員に対して伝える。これを受けた当該他のカード会員がその割り勘サイトにアクセスすることにより、上述した割り勘支払い処理が実行される。このようにして割り勘支払い処理が繰り返し実行されることにより、多段階の割り勘支払いを実現することが可能になる。
【0059】
以下、上述した割り勘支払い処理について、
図9及び各画面の例等を参照しながら、具体例を説明する。
[割り勘元:AAAA,割り勘先:BBBB]
まず、割り勘元が代表者AAAAであり、割り勘先がBBBBである場合について説明する。この場合、ステップS402にて表示される第1割り勘申請画面111及び第2割り勘申請画面112はそれぞれ、
図11A及び
図11Bに示すような画面となる。すなわち、第1割り勘申請画面111には、AAAAが100,000円を支払っている旨が表示される。BBBBは、このAAAAの支払い分を割り勘元に指定して割り勘申請を行う。この場合、第2割り勘申請画面112の各入力欄112A乃至112Eには、BBBBが所有するクレジットカードに関する情報及びBBBBが割り勘支払いを行う金額40,000円等の各情報がそれぞれ入力されることになる。
【0060】
また、この場合、ステップS505にて生成される割り勘情報は、
図4における1行目のレコードに相当する。すなわち、このレコードの割り勘元カード番号フィールド201にはAAAAのクレジットカードのカード番号が、割り勘先カード番号フィールド204にはBBBBのクレジットカードのカード番号が、金額フィールド205には“40,000円”がそれぞれ格納されている。この割り勘情報により、割り勘元のAAAAの負担額の一部である40,000円を割り勘先のBBBBが負担することが確認できる。
【0061】
[割り勘元:AAAA,割り勘先:EEEE]
次に、割り勘元が代表者AAAAであり、割り勘先がEEEEである場合について説明する。この場合、ステップS402にて表示される第1割り勘申請画面111及び第2割り勘申請画面112はそれぞれ、
図12A及び
図12Bに示すような画面となる。すなわち、第1割り勘申請画面111には、AAAAが60,000円を、BBBBが40,000円をそれぞれ支払っている旨、及び割り勘元であるAAAAの支払額である60,000円が割り勘可能額である旨が表示される。EEEEは、AAAAの支払い分を割り勘元に指定して割り勘申請を行う。この場合、第2割り勘申請画面112の各入力欄112A乃至112Eには、EEEEが所有するクレジットカードに関する情報及びEEEEが割り勘支払いを行う金額30,000円等の各情報がそれぞれ入力される。
【0062】
また、この場合、ステップS505にて生成される割り勘情報は、
図4における2行目のレコードに相当する。すなわち、このレコードの割り勘元カード番号フィールド201にはAAAAのクレジットカードのカード番号が、割り勘先カード番号フィールド204にはEEEEのクレジットカードのカード番号が、金額フィールド205には“30,000円”がそれぞれ格納されている。この割り勘情報により、割り勘元のAAAAの負担額の一部である30,000円を割り勘先のEEEEが負担することが確認できる。
【0063】
[割り勘元:BBBB,割り勘先:CCCC]
次に、割り勘元がBBBBであり、割り勘先がCCCCである場合について説明する。この場合、ステップS402にて表示される第1割り勘申請画面111及び第2割り勘申請画面112はそれぞれ、
図13A及び
図13Bに示すような画面となる。すなわち、第1割り勘申請画面111には、AAAAが30,000円を、BBBBが40,000円を、EEEEが30,000円をそれぞれ支払っている旨が表示される。また、今回の割り勘元の氏名“BBBB”が割り勘依頼者として明示されており、そのBBBBの割り勘支払額である40,000円が割り勘可能額として示されている。CCCCは、このBBBBの支払い分を割り勘元に指定して割り勘申請を行う。この場合、第2割り勘申請画面112の各入力欄112A乃至112Eには、CCCCが所有するクレジットカードに関する情報及びCCCCが割り勘支払いを行う金額10,000円等の各情報がそれぞれ入力される。
【0064】
また、この場合、ステップS505にて生成される割り勘情報は、
図4における3行目のレコードに相当する。すなわち、この割り勘情報の割り勘元カード番号フィールド201にはBBBBのクレジットカードのカード番号が、割り勘先カード番号フィールド204にはCCCCのクレジットカードのカード番号が、金額フィールド205には“10,000円”がそれぞれ格納されている。この割り勘情報により、割り勘元のBBBBの負担額の一部である10,000円を割り勘先のCCCCが負担することが確認できる。
【0065】
[割り勘元:EEEE,割り勘先:FFFF]
次に、割り勘元がEEEEであり、割り勘先がFFFFである場合について説明する。この場合、ステップS402にて表示される第1割り勘申請画面111及び第2割り勘申請画面112はそれぞれ、
図14A及び
図14Bに示すような画面となる。すなわち、第1割り勘申請画面111には、AAAAが30,000円を、BBBBが40,000円を、EEEEが30,000円をそれぞれ支払っている旨が表示される。また、今回の割り勘元の氏名“EEEE”が割り勘依頼者として明示されており、そのEEEEの割り勘支払額である30,000円が割り勘可能額として示されている。FFFFは、このEEEEの支払い分を割り勘元に指定して割り勘申請を行う。この場合、第2割り勘申請画面112の各入力欄112A乃至112Eには、FFFFが所有するクレジットカードに関する情報及びFFFFが割り勘支払いを行う金額10,000円等の各情報がそれぞれ入力される。
【0066】
また、この場合、ステップS505にて生成される割り勘情報は、
図4における4行目のレコードに相当する。すなわち、このレコードの割り勘元カード番号フィールド201にはEEEEのクレジットカードのカード番号が、割り勘先カード番号フィールド204にはFFFFのクレジットカードのカード番号が、金額フィールド205には“10,000円”がそれぞれ格納されている。この割り勘情報により、割り勘元のEEEEの負担額の一部である10,000円を割り勘先のFFFFが負担することが確認できる。
【0067】
なお、この時点において、BBBBの支払い分の内の10,000円については上述したとおりCCCCが既に割り勘支払いを行っている。そのため、
図14Aに示す第1割り勘申請画面111にはBBBBが支払った40,000円の内の10,000円については他者が割り勘支払いを行っている旨が表示されている。ここで、その割り勘支払いを行った者を“CCCC”ではなく“他者”と表示しているのは、Y会社に属するFFFFがこの画面を参照するためである。BBBB以降の割り勘支払いはX会社内の事情によりなされることであるため、別会社であるY会社の者にはその詳細が分からないように表示することが望ましい。そのため、本実施の形態では、匿名で割り勘支払いの状況が表示される。
【0068】
[割り勘元:CCCC,割り勘先:DDDD]
次に、割り勘元がCCCCであり、割り勘先がDDDDである場合について説明する。この場合、ステップS402にて表示される第1割り勘申請画面111及び第2割り勘申請画面112はそれぞれ、
図15A及び
図15Bに示すような画面となる。すなわち、第1割り勘申請画面111には、CCCCが10,000円を支払っている旨及びその10,000円が割り勘可能額である旨が表示される。DDDDは、このCCCCの支払い分を割り勘元に指定して割り勘申請を行う。この場合、第2割り勘申請画面112の各入力欄112A乃至112Eには、DDDDが所有するクレジットカードに関する情報及びDDDDが割り勘支払いを行う金額5,000円等の各情報がそれぞれ入力される。
【0069】
また、この場合、ステップS505にて生成される割り勘情報は、
図4における5行目のレコードに相当する。すなわち、このレコードの割り勘元カード番号フィールド201にはCCCCのクレジットカードのカード番号が、割り勘先カード番号フィールド204にはDDDDのクレジットカードのカード番号が、金額フィールド205には“5,000円”がそれぞれ格納されている。この割り勘情報により、割り勘元のCCCCの負担額の一部である5,000円を割り勘先のDDDDが負担することが確認できる。
【0070】
上述したとおり、
図15Aに示す第1割り勘申請画面111では、CCCCの支払い分のみしか割り勘支払いの状況が示されていない。このように、本実施の形態では、割り勘の階層が3段階以上となった場合には直前の割り勘支払いの状況のみ表示するようにする。これにより、必要以上に多くの情報を提供することにより割り勘状況が理解困難になってしまう等の不都合を回避することができる。
【0071】
なお、
図14Aに示すような匿名表示を行ったり、
図15Aに示すような直前の割り勘支払いの状況のみを表示したり等、特定の割り勘支払いの状況を隠すために、割り勘処理装置1は、割り勘情報DB13Bに格納されている割り勘情報を用いる。
図4に示すとおり、割り勘情報には、割り勘元及び割り勘先のクレジットカードのカード番号が含まれている。割り勘処理装置1は、この割り勘元及び割り勘先の対応関係を辿ることにより割り勘支払いの系統を確認することができ、その確認した結果にしたがって特定の割り勘支払いの状況を隠す等の処理を行うことができる。これにより、本人が割り勘元になっている割り勘支払いのみを表示したり、本人が割り勘先になっている割り勘支払いのみを表示したり、その両者の割り勘支払いのみを表示したり等、様々な態様の表示が可能となる。
【0072】
上述したようにして各カード会員による割り勘支払い処理が行われた後、クレジットカードシステム100は、月に1回等の所定のタイミングで、売上情報DB13Aの売上情報に基づき、各カード会員の金融口座からの引き落とし処理等を実行する。その結果、各カード会員による分担負担が完了することになる。また、クレジットカードシステム100は、適宜のタイミングで、他社カード売上情報を他社カードシステムに対して送信する。これを受信した他社カードシステムは、その他社カード売上情報に基づいて引き落とし処理等を行う。これにより、自社カードのみではなく他社カードを含むクレジットカードを用いた割り勘支払いを実現することができる。
【0073】
(3)割り勘取消処理
本実施の形態において、割り勘支払いを行ったカード会員は、支払い額を変更する等、その割り勘支払いの内容を変更する必要が生じた場合、まず当該割り勘支払いの取消を行い、その後新たに変更した内容で割り勘支払いを行う。以下、この割り勘支払いを取り消すための第1割り勘取消処理及び第2割り勘取消処理について、フローチャート等を参照しながら説明する。
【0074】
図16Aは、本発明の実施の形態1に係る会員端末装置4及び割り勘処理装置1によって実行される第1割り勘取消処理の手順を示すフローチャートである。
割り勘支払いの取消を希望するカード会員は、会員端末装置4を用いて、割り勘サイトのURLにアクセスし、割り勘支払いの取消希望を割り勘処理装置1に対して通知する。この通知には、当該カード会員が所有するクレジットカードのカード番号及び割り勘支払いの際に登録したパスワードが含まれている。会員端末装置4から当該通知を受けた割り勘処理装置1は、その通知に含まれているカード番号が割り勘先カード番号フィールド204に格納されている割り勘情報を割り勘情報DB13Bから抽出し、その抽出した割り勘情報を用いて割り勘支払いの取消の申請を受け付けるための取消申請受付情報を生成し、その生成した取消申請受付情報を会員端末装置に対して送信する(S701)。なお、ここでその抽出された割り勘情報に含まれるパスワードと会員端末装置4からの通知に含まれるパスワードとが一致しない場合、割り勘処理装置1は、その旨を示す情報を会員端末装置4へ送信し、これを受信した会員端末装置4がパスワード不一致を示すメッセージを表示して処理が終了する。
【0075】
会員端末装置4は、割り勘処理装置1から送信された取消申請受付情報を受信した場合(S601)、その取消申請受付情報により生成される、割り勘支払いの取消の申請を行うための取消申請画面を表示部に表示する(S602)。本実施の形態では、取消申請画面が第1取消申請画面及び第2取消申請画面の2つから構成されている。
図17Aは、その第1取消申請画面の一例を示す図である。
図17Aに示すとおり、第1取消申請画面211には、割り勘支払いの対象となっているクレジットカード決済に関する情報(
図17Aの例では、「2012年1月27日に居酒屋○○で100,000円をクレジットカード決済した」ことを示す情報)が表示されている。また、この第1取消申請画面211には、割り勘支払いの取消を希望したカード会員である支払者の氏名(同じく「EEEE」)、及びその支払者の割り勘支払いの状況を示す情報(同じく「EEEEが30,000円を支払っている」ことを示す情報)が表示されている。第1取消申請画面211に表示されているこれらの情報は、上述したようにして割り勘情報DB13Bから抽出された割り勘情報に含まれている情報に基づいて生成される。
【0076】
第1取消申請画面211にはさらに、割り勘支払いの取消を申請するためのボタン211Aが設けられている。カード会員は、第1取消申請画面211に表示されている内容を参照した結果、割り勘状況として示されている各支払いの中から特定の支払いを取消対象に設定するために、その特定の支払いに対して設けられているチェックボックスにチェックを入れた上で、ボタン211Aを押下する。その結果、会員端末装置4の表示部に第2取消申請画面が表示される。
【0077】
図17Bは、第2取消申請画面の一例を示す図である。
図17Bに示すとおり、第2取消申請画面212には、クレジットカードのカード番号を入力するための入力欄212A、そのクレジットカードの有効期限を入力するための入力欄212B、及び各入力欄212A及び212Bに入力された情報を割り勘処理装置1に対して送信するためのボタン212Cが設けられている。また、この第2取消申請画面212には、先の第1取消申請画面211にて取消対象に設定された割り勘支払いの金額及びその支払者の氏名が表示されている。取消申請を行うカード会員は、取消対象の割り勘支払いの金額及び自身の氏名を確認した上で、所有するクレジットカードのカード番号及び有効期限を入力欄212A及び212Bに入力し、ボタン212Cを押下する。この押下を受け付けた会員端末装置4は、入力欄212A及び212Bに入力された各情報を含む取消申請情報を、割り勘処理装置1に対して送信する(S603)。
【0078】
割り勘処理装置1は、会員端末装置4から送信された取消申請情報を受信した場合(S702)、その取消対象の割り勘支払いを取り消すことについての承認を割り勘支払い関連者から得るために、その依頼を示す取消承認依頼情報を含む電子メールを、その割り勘支払い関連者の電子メールアドレス宛に送信する(S703)。この取消承認依頼情報には、当該取消対象の割り勘支払いの内容及び送信先の割り勘支払い関連者が行っている割り勘支払いの内容を示す情報が含まれている。ここで、割り勘支払い関連者とは、割り勘支払いを行った支払者の一つ上の階層の者及びその支払者の下の全階層の者をいう。
図9に示す例を用いて説明すると、EEEEを支払者とした場合、その一つ上の階層のAAAA及びその下の全階層のFFFFが割り勘支払い関連者となる。また、BBBBを支払者とした場合では、その一つ上の階層のAAAA及びその下の全階層のCCCC及びDDDDが割り勘支払い関連者となる。本実施の形態においては、これらの割り勘支払い関連者の全員から取消の承認を得られなければ、支払者の取消を行うことができない。
【0079】
次に、割り勘処理装置1は、割り勘支払い関連者に対する取消承認依頼が完了したことを示す取消承認依頼完了情報を会員端末装置4に対して送信する(S704)。会員端末装置4は、この取消承認依頼完了情報を受信した場合(S604)、割り勘支払い関連者に対する取消承認依頼が完了したことを示すメッセージを含む取消承認依頼完了画面を表示部に表示し(S605)、処理が終了する。
【0080】
このようにして第1割り勘取消処理が終了してから一定期間(例えば、1週間)経過した後、又は取消希望のカード会員からの要求があったときに、下記の第2割り勘取消処理が実行される。なお、上記の第1割り勘取消処理によって取消承認依頼情報を受け取った各割り勘支払い関連者は、その取消承認依頼情報に示されている割り勘支払いの取消を承認するか否かを示す取消承認可否情報を、会員端末装置4等を利用して割り勘処理装置1に対して送信する。割り勘処理装置1は、各割り勘支払い関連者によって送信された取消承認可否情報を受信し、ハードディスク13に記憶しておく。
【0081】
図16Bは、本発明の実施の形態1に係る会員端末装置4及び割り勘処理装置1によって実行される第2割り勘取消処理の手順を示すフローチャートである。まず、割り勘処理装置1は、ハードディスク13に記憶している取消承認可否情報を参照し、処理対象となっている割り勘支払いの取消について、全ての割り勘支払い関連者が承認をしているか否かを判定する(S705)。承認していない割り勘支払い関連者が1人でもいると判定した場合(S705でNO)、割り勘処理装置1は、割り勘支払いの取消が不可能であることを示す取消不可情報を会員端末装置4へ送信する(S708)。会員端末装置4は、この取消不可情報を受信した場合(S606)、割り勘支払いの取消が承認されなかったことを示すメッセージを含む取消不可画面を表示部に表示する(S607)し、処理が終了する。なお、この取消不可画面には、割り勘支払い関連者のうちの誰が取消を承認しなかったのかを示す情報が表示されていてもよい。
【0082】
他方、ステップS705において全ての割り勘支払い関連者が取消を承認したと判定した場合(S705でYES)、割り勘処理装置1は、締め日情報DB13Dを参照し(S706)、取消対象となっている割り勘支払いに使用されたクレジットカードの直近の締め日を過ぎていないかを判定することにより取消可能か否かを判定する(S707)。この処理の具体例について説明すると、例えば、取消対象となっている割り勘支払いに使用されたクレジットカードの発行会社がABC社の場合、
図6に示すように締め日が毎月15日となっているため、当該支払いの支払日が2月16日のときはその直近の締め日である3月15日まで取消可能となる。そのため、割り勘処理装置1は、第2割り勘取消処理の実行日が、3月15日を過ぎている場合は取消を不可とし、3月15日以内であれば取消を可とする。このように、クレジットカードの締め日との関連で取消可能時期を設定することにより、一旦実行されたクレジットカード決済を戻す処理が発生する等、作業の煩雑化を防止することができる。
【0083】
ステップS707において取消が不可であると判定した場合(S707でNO)、割り勘処理装置1は、上述した場合と同様にして取消不可情報を送信する(S708)。これに対し、取消は可能であると判定した場合(S707でYES)、割り勘処理装置1は、取消対象となっている割り勘支払い及びその割り勘支払いの支払者である取消希望者の下の全階層の者の割り勘支払いに係る割り勘情報を割り勘情報DB13Bから削除する(S709)。これにより、取消希望者及びその下の全階層の者の割り勘支払いが取り消されたことになる。
【0084】
次に、割り勘処理装置1は、上述したようにして割り勘支払いが取り消されたことによって取消希望者の一つ上の階層の者(取り消された割り勘支払いにおける割り勘元)が支払う額が増大したことを反映させるために、売上情報DB13Aの更新を行う(S710)。この処理の詳細を説明すると、割り勘処理装置1は、割り勘情報に含まれている割り勘元カード番号及び売上IDに基づいて当該割り勘元を特定し、その特定した割り勘元の売上情報のうち異動フィールド107に“通常”が格納されているものを抽出して“異動”に更新し、さらにその売上情報の金額に取消希望者の割り勘支払いの金額を加えた金額の売上情報を新たに生成して売上情報DB13Aに登録する。この処理について、
図3及び
図4に示す例を用いて説明すると、例えば
図4に示す割り勘情報DB13Bにおける2行目のEEEEの割り勘支払いが取り消された場合、
図3に示す売上情報DB13Aにおけるその割り勘支払いの割り勘元であるAAAAの売上情報のうち異動フィールド107に“通常”が格納されている4行目の売上情報の当該フィールド107を“異動”とした上で、その売上情報の金額“30,000円”に取り消された割り勘支払いの金額“30,000円”を加えた“60,000円”を含む売上情報を新たに生成する。具体的には、カード番号フィールド101、金額フィールド104、及び異動フィールド107のそれぞれに“1234・・・0001”、“60,000円”及び“通常”が格納された売上情報が新たに生成され、売上情報DB13Aに登録される。
【0085】
次に、割り勘処理装置1は、ステップS709において取り消された割り勘情報に係る割り勘支払いが他社カードによりなされたか否かを判定する(S711)。ここで、他社カードによりなされていると判定した場合(S711でYES)、割り勘処理装置1は、当該割り勘支払いに係る他社カード売上情報を他社カード売上情報DB13Cから削除する(S712)。なお、取消希望者の下の全階層の者の割り勘支払いのうち他社カードによりなされたものがある場合、割り勘処理装置1は、その割り勘支払いに係る他社カード売上情報も同様に削除する。
【0086】
その後、割り勘処理装置1は、割り勘支払いの取消処理が完了したことを示す取消完了情報を会員端末装置4に対して送信する(S713)。会員端末装置4は、割り勘処理装置1から送信された取消完了情報を受信した場合(S608)、取消処理が完了したことを示すメッセージを含む取消完了画面を表示部に表示する(S609)。
【0087】
上述した割り勘支払い取消処理を実行することにより、割り勘支払いの取消、及びその取消に伴い変更が必要となる売上情報及び他社カード情報の更新を行うことができる。取消を行ったカード会員は、その後必要に応じて、異なる金額の割り勘支払いを行ったり、他の者に対して割り勘支払いの依頼を行ったり等、新たな割り勘支払いの手続を進めることになる。
【0088】
(4)会員計算書生成処理
割り勘処理装置1は、毎月等の所定のタイミングで各カード会員の支払い状況等をまとめた会員計算書を生成する。以下、この会員計算書を生成する会員計算書生成処理について説明する。
【0089】
図18は、本発明の実施の形態1に係る割り勘処理装置1によって実行される会員計算書生成処理の手順を示すフローチャートである。
図18に示すように、割り勘処理装置1は、カード番号の小さい順に処理対象とする等の所定のルールに基づいて、処理対象となるクレジットカードを特定する(S801)。次に、割り勘処理装置1は、その特定したクレジットカードのカード番号がカード番号フィールド201に格納されている売上情報を売上情報DB13Aから抽出し(S802)、その抽出した売上情報の元売上IDフィールド108に格納されている売上IDが売上IDフィールド203に格納されている割り勘情報を割り勘情報DB13Bから抽出する(S803)。このステップS803について具体例を用いて説明すると、ステップS802において抽出された売上情報の元売上IDフィールド108に例えば“A101”が格納されていた場合、その“A101”が売上IDフィールド203に格納されている全レコードが割り勘情報DB13Bから抽出されることになる。
【0090】
次に、割り勘処理装置1は、ステップS803において抽出された割り勘情報を用いて、当該売上IDに係る割り勘支払いの系統を特定する(S804)。この割り勘支払いの系統の特定は、割り勘元カード番号及び割り勘先カード番号の対応を辿ることにより行うことができる。例えば
図4に示されている5行のレコードが抽出された場合、1行目のレコードにより割り勘元が「1234・・・0001」で割り勘先が「1234・・・0002」である割り勘支払いが行われたことが分かり、3行目のレコードによりその「1234・・・0002」が割り勘元で、割り勘先が「5678・・・0001」である割り勘支払いが行われたことが分かり、さらに、5行目のレコードによりその「5678・・・0001」が割り勘元で、割り勘先が「0123・・・0001」である割り勘支払いが行われたことが分かる。
図9に示す内容にしたがってこれらのカード番号とその所有者を対応付ければ、これらの1,3及び5行目のレコードによって、AAAA→BBBB→CCCC→DDDDの割り勘支払いが行われたことが分かる。また、2行目のレコードにより割り勘元が「1234・・・0001」で割り勘先が「3456・・・0001」である割り勘支払いが行われたことが分かり、4行目のレコードによりその「3456・・・0001」が割り勘元で、割り勘先が「7801・・・0001」である割り勘支払いが行われたことが分かる。同様にしてこれらのカード番号とその所有者を対応付ければ、これらの2及び4行目のレコードによって、AAAA→EEEE→FFFFの割り勘支払いが行われたことが分かる。このようにして、
図4に示す5行のレコードを用いることによって、
図9に示す割り勘支払いの系統を特定することができる。
【0091】
割り勘処理装置1は、上述したようにして特定した割り勘支払いの系統を用いて、割り勘支払いを含むカード支払い状況を示す会員計算書情報を生成する(S805)。次に、割り勘処理装置1は、その生成した会員計算書情報にアクセスするためのURLを含む電子メールを、処理対象のクレジットカードを所有するカード会員の電子メールアドレスに対して送信し(S806)、処理を終了する。
【0092】
会員端末装置4等を用いてこの電子メールを受け取ったカード会員は、その電子メールに記載されているURLに対してアクセスする。この場合に会員端末装置4に表示される会員計算書画面の例について
図19A乃至
図19Cを参照しながら説明する。なお、
図19Aは上述した例におけるAAAA宛に生成される会員計算書情報を示す会員計算書画面の一例を示す図であり、
図19B及び
図19Cは同じくBBBB宛及びEEEE宛にそれぞれ生成される会員計算書情報を示す会員計算書画面の一例を示す図である。
図19A乃至
図19Cに示すように、会員計算書画面311には、クレジットカードの利用明細を表示する利用明細欄311Aと、割り勘支払いの利用明細を表示する割り勘明細欄311Bとが設けられている。以下、
図19A乃至
図19Cのそれぞれに示された例を順に説明する。
【0093】
[AAAAの会員計算書情報]
図19Aに示すとおり、AAAA宛の会員計算書画面311では、利用明細欄311Aの3行目に、AAAAが割り勘支払いにより30,000円を支払っている旨が示されている。そして、その割り勘支払いの詳細が割り勘明細欄311Bに示されている。具体的には、最初にAAAAが100,000円を支払い、その後BBBB及びEEEEに割り勘支払いを依頼し、これらのBBBB及びEEEEがそれぞれ40,000円及び30,000円を支払ったことが割り勘明細欄311Bに示されている。
【0094】
[BBBBの会員計算書情報]
図19Bに示すとおり、BBBB宛の会員計算書画面311では、利用明細欄311Aの1行目に、BBBBが割り勘支払いにより30,000円を支払っている旨が示されている。そして、その割り勘支払いの詳細が割り勘明細欄311Bに示されている。具体的には、BBBBが40,000円を支払った後、CCCCに割り勘支払いを依頼し、その結果CCCCが10,000円を支払ったことが割り勘明細欄311Bに示されている。また、この割り勘明細欄311Bには、BBBB及びCCCC以外の者によって60,000円が支払われていることも示されている。このように、自身が割り勘依頼した者以外の支払いについては匿名とすることにより、他の割り勘支払い参加者のプライバシーを保つことができる。
【0095】
[EEEEの会員計算書情報]
図19Cに示すとおり、EEEE宛の会員計算書画面311では、利用明細欄311Aの2行目から4行目までに、EEEEが関わる割り勘支払いの明細が示されている。ここでは、EEEEが、当初30,000円の割り勘支払いを行った後に支払い額を20,000円に変更したために、30,000円の支払い、その30,000円の支払いの取消、及び新たな20,000円の支払いをそれぞれ示す内容が利用明細欄311Aに示されている。また、そのEEEEによる割り勘支払いの詳細が割り勘明細欄311Bに示されている。具体的には、EEEEが20,000円を支払った後、FFFFに割り勘支払いを依頼し、その結果FFFFが10,000円を支払ったことが割り勘明細欄311Bに示されている。また、この割り勘明細欄311Bには、EEEE及びFFFF以外の者によって80,000円が支払われていることも示されている。上述したBBBBの会員計算書情報の場合と同様に、自身が割り勘依頼した者以外の支払いについては匿名とすることにより、他の割り勘支払い参加者のプライバシーを保つことができる。
【0096】
(実施の形態2)
実施の形態1では、信用照会処理において、割り勘処理装置1が割り勘サイトのURLを電子メールにより代表者に通知しており、その後、代表者によって当該URLが電子メールにより他のカード会員に通知されている。これに対し、実施の形態2では、後述するように二次元コードが印刷された紙媒体を用いて割り勘サイトのURLが各カード会員に伝えられる。なお、実施の形態2のクレジットカードシステムの構成は実施の形態1の場合と同様であるので説明を省略する。
【0097】
以下、本実施の形態における信用照会処理について説明する。
図20は、本発明の実施の形態2に係る信用照会処理装置2及び割り勘処理装置1と加盟店端末装置3とによって実行される信用照会処理の手順を示すフローチャートである。なお、本実施の形態における信用照会処理では、実施の形態1において割り勘処理装置1が実行するステップS303は行われず、その代わりにステップS901が実行される。それ以外の処理については実施の形態1の場合と同様であるため、説明を省略する。
【0098】
図20に示すとおり、加盟店端末装置3は、信用照会処理装置2から送信された承認情報を受信する(S103)。この承認情報には、割り勘サイトのURLが含まれている。加盟店端末装置3は、その承認情報に含まれている割り勘サイトのURLを表すQRコード(登録商標)等の二次元コード付きのレシートを印刷する(S104)。このようにして印刷されたレシートを、代表者が割り勘先として定めたカード会員に配布し、これを受け取った当該カード会員が会員端末装置4を用いてそのレシートに印刷されている二次元コードを読み取って割り勘サイトにアクセスすることにより、割り勘支払い処理を開始させることができる。割り勘支払い処理、割り勘取消処理及び会員計算書生成処理については実施の形態1と同様であるため説明を省略する。なお、ここでは二次元コードを利用しているが、それ以外の態様で割り勘サイトのURLをレシート上に表すようにしてもよい。
【0099】
以上のように、加盟店端末装置3で発行されるレシートを用いて割り勘サイトのURLを伝えることができるので、代表者が他のカード会員の電子メールアドレス等を知らなくても、当該カード会員に当該URLを知らせることができる。なお、代表者がクレジットカードを利用する時点において2階層目以降の割り勘支払いが行われることが決まっている場合は、その割り勘支払いを行うカード会員に対しても同様のレシートを配布することにより、割り勘支払いに参加するすべてのカード会員に割り勘サイトにURLを知らせることが可能になる。
【0100】
(その他の実施の形態)
上述した実施の形態においては、割り勘支払い関連者の全員から取消の承認を得なければ割り勘支払いの取消を行うことができないが、そのうちの一部の者、例えば支払者の一つ上の階層の者のみから承認を得れば取消可能としてもよい。
【0101】
また、上述した実施の形態では、割り勘処理装置1及び信用照会処理装置2は単一のコンピュータによってそれぞれ構成されているが、本発明はこれに限定されるものではなく、それぞれを複数のコンピュータにより分散して実行する分散システムとすることも可能である。その他、これらの割り勘処理装置1及び信用照会処理装置2が同一のコンピュータによって実現されていてもよい。