特許第5836176号(P5836176)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5836176
(24)【登録日】2015年11月13日
(45)【発行日】2015年12月24日
(54)【発明の名称】加熱調理器
(51)【国際特許分類】
   A47J 27/00 20060101AFI20151203BHJP
【FI】
   A47J27/00 109Z
   A47J27/00 103C
   A47J27/00 109E
   A47J27/00 109G
【請求項の数】2
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2012-73494(P2012-73494)
(22)【出願日】2012年3月28日
(65)【公開番号】特開2013-202173(P2013-202173A)
(43)【公開日】2013年10月7日
【審査請求日】2014年9月18日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100084146
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 宏
(74)【代理人】
【識別番号】100081422
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 光雄
(74)【代理人】
【識別番号】100122286
【弁理士】
【氏名又は名称】仲倉 幸典
(74)【代理人】
【識別番号】100176463
【弁理士】
【氏名又は名称】磯江 悦子
(72)【発明者】
【氏名】田中 源基
【審査官】 土屋 正志
(56)【参考文献】
【文献】 特開平07−289424(JP,A)
【文献】 特開平09−108116(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47J 27/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被加熱物を収容する収容部と、
上記被加熱物を加熱するための加熱部と、
上記被加熱物を攪拌する攪拌体と、
上記被加熱物を攪拌するために上記攪拌体を駆動する駆動部と、
上記駆動部を制御する制御部と
を備え、
上記制御部は、
上記駆動部の負荷を検出する負荷検出手段と、
上記負荷検出手段が検出した上記駆動部の負荷に基づいて、上記攪拌体が上記被加熱物を攪拌しているか否かを判定する状態判定手段と
を有し、
上記攪拌体は、上記駆動部を正回転させたときに上記被加熱物から受ける抵抗と、上記駆動部を逆回転させたときに上記被加熱物から受ける抵抗とが異なるような形状を有し、
上記状態判定手段は、上記駆動部を正回転させたときに上記負荷検出手段が検出する上記駆動部の負荷と、上記駆動部を逆回転させたときに上記負荷検出手段が検出する上記駆動部の負荷との差に基づいて、上記攪拌体が上記被加熱物を攪拌しているか否かを判定することを特徴とする加熱調理器。
【請求項2】
請求項1に記載の加熱調理器において、
上記攪拌体は、上記収容部内の被加熱物に接触した接触状態と、上記収容部内の被加熱物から乖離した非接触状態とを切替可能であり、
上記状態判定手段は、上記負荷検出手段が検出した上記駆動部の負荷に基づいて、上記攪拌体が上記接触状態および上記非接触状態のどちらの状態であるのかを判定することを特徴とする加熱調理器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば炊飯器や電子レンジなどの加熱調理器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、加熱調理器の一例である炊飯器としては、内鍋を収納する炊飯器本体と、炊飯器本体の上部に取り付けられた開閉可能な蓋体と、この蓋体の内鍋に対向する部分に設けられ、内鍋内の米を攪拌する攪拌体とを備えたものがある(特開平7−289424号公報(特許文献1)参照)。この攪拌体は、蓋体内に折り畳んだ状態で収納されており、内鍋内の米を攪拌するときに開き、内鍋内の米の攪拌が終了すると、折り畳まれて蓋体内に収納される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平7−289424号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、上記従来の炊飯器では、攪拌体が蓋体内に折り畳まれている状態つまり非攪拌状態であるか否かを判定できない。つまり、上記攪拌体が米を攪拌しているか否かを判定できないという問題がある。
【0005】
上記問題を解決する方法としては、攪拌体に磁石を埋め込むと共に、蓋体にホール素子を取り付け、攪拌体が蓋体内に折り畳まれている状態をホール素子で検出する方法が考えられる。より詳しくは、上記攪拌体が蓋体内に折り畳まれている状態をホール素子で検出できれば、攪拌体が米を攪拌していないと判定する。一方、上記攪拌体が蓋体内に折り畳まれている状態をホール素子で検出できなければ、攪拌体が米を攪拌していると判定する。
【0006】
しかしながら、上記方法を取ると、攪拌体に磁石を埋め込むために、攪拌体の製造工程が特殊となって、製造コストが上昇してしまうという新たな問題が生じる。
【0007】
また、上記攪拌体に磁石を埋め込んでいるので、攪拌体に金属がくっついてしまうという問題も生じる。
【0008】
そこで、本発明の課題は、製造コストの上昇と攪拌への金属の付着とを防ぐことができる加熱調理器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するため、本発明の加熱調理器は、
被加熱物を収容する収容部と、
上記被加熱物を加熱するための加熱部と、
上記被加熱物を攪拌する攪拌体と、
上記被加熱物を攪拌するために上記攪拌体を駆動する駆動部と、
上記駆動部を制御する制御部と
を備え、
上記制御部は、
上記駆動部の負荷を検出する負荷検出手段と、
上記負荷検出手段が検出した上記駆動部の負荷に基づいて、上記攪拌体が上記被加熱物を攪拌しているか否かを判定する状態判定手段と
を有し、
上記攪拌体は、上記駆動部を正回転させたときに上記被加熱物から受ける抵抗と、上記駆動部を逆回転させたときに上記被加熱物から受ける抵抗とが異なるような形状を有し、
上記状態判定手段は、上記駆動部を正回転させたときに上記負荷検出手段が検出する上記駆動部の負荷と、上記駆動部を逆回転させたときに上記負荷検出手段が検出する上記駆動部の負荷との差に基づいて、上記攪拌体が上記被加熱物を攪拌しているか否かを判定することを特徴としている。
【0010】
上記構成によれば、上記状態判定手段は、負荷検出手段が検出した駆動部の負荷に基づいて、攪拌体が被加熱物を攪拌しているか否かを判定するので、攪拌体に磁石を埋め込まなくてもよい。したがって、上記攪拌体の製造コストの上昇を防ぐことができると共に、攪拌体に金属がくっつくのを防ぐことができる。
【0011】
【0012】
また、上記状態判定手段は、駆動部を正回転させたときに負荷検出手段が検出する駆動部の負荷と、駆動部を逆回転させたときに負荷検出手段が検出する駆動部の負荷との差に基づいて、攪拌体が被加熱物を攪拌しているか否かを判定するので、攪拌体が被加熱物を攪拌しているか否かを正確に判定することができる。
【0013】
一実施形態の加熱調理器では、
上記攪拌体は、上記収容部内の被加熱物に接触した接触状態と、上記収容部内の被加熱物から乖離した非接触状態とを切替可能であり、
上記状態判定手段は、上記負荷検出手段が検出した上記駆動部の負荷に基づいて、上記攪拌体が上記接触状態および上記非接触状態のどちらの状態であるのかを判定する。
【0014】
上記実施形態によれば、上記状態判定手段は、負荷検出手段が検出した駆動部の負荷に基づいて、攪拌体が接触状態および非接触状態のどちらの状態であるのかを判定するので、攪拌体が攪拌体を接触状態から非接触状態に切り替わってないのに、攪拌体を接触状態から非接触状態に切り替えた後ですべき処理が行われるのを防ぐことができる。
【0015】
一実施形態の加熱調理器では、
上記制御部は、上記駆動部が、複数回正回転すると共に、複数回逆回転するように、上記駆動部をオンオフ制御し、
上記差は、上記駆動部を複数回正回転させたときに上記負荷検出手段が検出する上記駆動部の負荷の積算と、上記駆動部を複数回逆回転させたときに上記負荷検出手段が検出する上記駆動部の負荷の積算との差である。
【0016】
上記実施形態によれば、上記制御部のオンオフ制御により、駆動部を、複数回正回転させると共に、複数回逆回転させる。そして、上記状態判定手段は、駆動部を複数回正回転させたときに負荷検出手段が検出する駆動部の負荷の積算と、駆動部を複数回逆回転させたときに負荷検出手段が検出する駆動部の負荷の積算との差に基づいて、攪拌体が非攪拌状態であるか否かを判定する。その結果、上記状態判定手段による判定が、駆動部の性能のばらつきや、駆動部の経時劣化によって不正確になるのを防ぐことができる。
【0017】
一実施形態の加熱調理器では、
上記制御部は、上記駆動部が複数回正回転した後、上記駆動部が複数回逆回転するように、上記駆動部をオンオフ制御する。
【0018】
上記実施形態によれば、上記制御部のオンオフ制御により、駆動部を、複数回正回転させた後、複数回逆回転させる。そして、上記状態判定手段は、駆動部を複数回正回転させたときに負荷検出手段が検出する駆動部の負荷の積算と、駆動部を複数回逆回転させたときに負荷検出手段が検出する駆動部の負荷の積算との差に基づいて、攪拌体が非攪拌状態であるか否かを判定する。その結果、上記状態判定手段による判定が、駆動部の性能のばらつきや、駆動部の経時劣化によって不正確になるのを防ぐ効果を高めることができる。
【0019】
一実施形態の加熱調理器では、
上記複数回正回転または複数回逆回転しているときに、上記駆動部をオフ制御している時間は、上記駆動部がオフ制御されてから上記回転体が慣性で回っている時間よりも短い。
【0020】
上記実施形態によれば、上記複数回正回転または複数回逆回転しているときに、上記駆動部をオフ制御している時間を、駆動部がオフ制御されてから回転体が慣性で回り続ける時間よりも短くすることにより、状態判定手段の判定の精度を高めることができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明の炊飯器によれば、状態判定手段は、負荷検出手段が検出した駆動部の負荷に基づいて、攪拌体が被加熱物を攪拌しているか否かを判定することによって、攪拌体に磁石を埋め込まなくてもよいので、攪拌体の製造コストの上昇を防ぐことができると共に、攪拌体に金属がくっつくのを防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1図1は本発明の一実施の形態の炊飯器の蓋体閉鎖時の概略斜視図である。
図2図2は上記炊飯器の蓋体開放時の概略斜視図である。
図3図3は上記炊飯器の回転体の概略下面図である。
図4図4は第1,第2攪拌体の攪拌状態を説明するための概略斜視図である。
図5図5は上記炊飯器の制御ブロック図である。
図6図6は上記第1,第2攪拌アームの状態判定の処理を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の加熱調理器を図示の実施形態により詳細に説明する。
【0024】
図1は、本発明の一実施形態の炊飯器を斜め上方から見た概略斜視図である。
【0025】
上記炊飯器は、炊飯器本体1と、この炊飯器本体1に開閉可能に取り付けられた蓋体2とを備え、炊飯のみならず、煮物や蒸し物などといった調理に使用できるものである。
【0026】
上記炊飯器本体1の前面には、蓋体2を開けるための開ボタン3を設けている。一方、炊飯器本体1の後面からは電源コード4の先端部が突き出ている。この電源コード4の大部分は、炊飯器本体1内のコードリール(図示せず)に引き出し可能に巻き付けられている。
【0027】
上記蓋体2の上面の前部には、炊き方や調理名などを表示する液晶表示部5と、複数の操作ボタン6,6,…とを設けている。また、内鍋7(図2参照)の蒸気は、蓋体2の上面の後部の蒸気排出口2aから排出されるようになっている。なお、内鍋7は収容部の一例である。
【0028】
図2は、上記蓋体2を開いた状態の炊飯器の概略斜視図である。
【0029】
上記炊飯器本体1には内鍋7が収納されており、被加熱物の一例としての米や水などが内鍋7内に入る。また、炊飯器本体1の上面の前部には被係止部8を設けている。この被係止部8には、蓋体2の下面の前部に設けられた係止部23が解除可能に係止する。また、炊飯器本体1内には、蓋体2をロックするロック機構9を設けている。このロック機構9が蓋体2をロックしていないときには、開ボタン3を押すと、被係止部8が後方に移動して、被係止部8に対する係止部23の係止は解除される。一方、ロック機構9が蓋体2をロックしているときは、開ボタン3を押しても、被係止部8が後方に移動せず、被係止部8に対する係止部23の係止は解除されない。また、炊飯器本体1内には、内鍋7を誘導加熱するための誘導加熱コイル10を設置している。なお、誘導加熱コイル10は加熱部の一例である。
【0030】
上記内鍋7は、例えばアルミニウムなどの高熱伝導部材で形成され、その外面に加熱効率を向上させる例えばステンレスなどの磁性体を貼り付ける一方、内面に被加熱物の付着を防ぐためのフッ素樹脂をコーティングしている。
【0031】
上記蓋体2は、蓋体2を閉じたときに内鍋7側とは反対側に位置する外蓋21と、蓋体2を閉じたときに内鍋7側に位置する内蓋22とを有している。この外蓋21の後部の右側角部内には、後述する回転体11を回転させるための駆動モータ24を設置している。また、外蓋21の中央部内には回転可能に連結軸(図示せず)を設置している。この連結軸は、駆動モータ24が発生した回転駆動力を、外蓋21内のプーリ(図示せず)やベルト(図示せず)を介して受けて回転する。なお、駆動モータ24は駆動部の一例である。
【0032】
また、上記炊飯器本体1と蓋体2との間には回転体11を回転可能に配置している。この回転体11は蓋体2に着脱可能に取り付けられている。より詳しくは、回転体11の蓋体2側の部分からは回転軸15の一方の端部が突出している(図4参照)。この回転軸15は、一方の端部が外蓋21の上記連結軸に着脱可能に連結されて、上記連結軸と一体に回転する。また、回転軸15は回転体11に対して回転可能となっている。
【0033】
上記回転体11に第1,第2攪拌アーム12A,12Bを取り付けている。この第1,第2攪拌アーム12A,12Bは、それぞれ、径方向において回転体11と隣り合って、内鍋7内の米などに接触した攪拌状態と、内鍋7内の米などから乖離した非攪拌状態と取ることが可能になっている。すなわち、第1,第2攪拌アーム12A,12Bのそれぞれは、一方の端部が回転体11に回動可能に取り付けられて、他方の端部が、回転体11から離れたり、回転体11に近づいたりすることが可能になっている。なお、第1,第2攪拌アーム12A,12Bは攪拌体の一例である。
【0034】
図3は、上記回転体11を内鍋7側から見た概略図である。
【0035】
上記回転体11は、蓋体側部材13と、この蓋体側部材13の内鍋7側の表面に着脱可能に取り付けられた内鍋側部材14とを有している。蓋体側部材13と内鍋側部材14の間には、第1,第2攪拌アーム兼用傘ギア30と、第1攪拌アーム用傘ギア31A,32A,33Aと、第2攪拌アーム用傘ギア31B,32B,33Bとを配置している。回転軸15の回転力は、第1,第2攪拌アーム兼用傘ギア30および第1攪拌アーム用傘ギア31A,32A,33Aを介して第1攪拌アーム用回動軸34Aに伝わると共に、第1,第2攪拌アーム兼用傘ギア30および第2攪拌アーム用傘ギア31B,32B,33Bを介して第2攪拌アーム用回動軸34Bに伝わる。これにより、回転軸15が回転すれば、第1,第2攪拌アーム12A,12Bを第1,第2攪拌アーム用回動軸34A,34Bを中心に回動させて、図2図3に示す非攪拌状態から図4に示す攪拌状態に切り替えたり、上記攪拌状態から上記非攪拌状態に切り替えたりすることが可能になっている。
【0036】
上記第1,第2攪拌アーム12A,12Bは、図3図4に示すように、攪拌状態において駆動モータ24を正回転させたときに内鍋7内の米や水などから受ける抵抗と、攪拌状態において駆動モータ24を逆回転させたときに内鍋7内の米や水などから受ける抵抗とが異なるような形状を有している。具体的には、第1,第2攪拌アーム12A,12Bは、攪拌状態になったとき、一方の端部から中央部まで鉛直方向に延びるように、かつ、他方の端部が斜め下方に向かって湾曲するように形成されている。
【0037】
なお、図4では、第1,第2攪拌アーム12A,12Bを視認できるように、炊飯器本体1および蓋体2の図示を省略している。
【0038】
図5は上記炊飯器の制御ブロック図である。この図5では、主要な構成部のみ図示し、他の構成部の図示は省略している。
【0039】
上記炊飯器は、CPU(中央演算処理装置)41、記憶部42、負荷検出手段の一例としてのモータ負荷検出部43、状態判定手段の一例としての状態判定部44、および、タイマ45などを有する制御部40を備えている。この制御部40は、操作ボタン6,6,…,ロック機構9,温度センサ52からの信号に基づいて、液晶表示部5,駆動モータ24,誘導加熱コイル用インバータ回路51などを制御する。
【0040】
上記CPU41は、記憶部42に記憶されているプログラムを取り出して実行したり、記憶部42や温度センサ52などから入力されるデータに対し、二進加算、論理演算、増減、比較などの演算を行ったりする。
【0041】
上記記憶部42は、内鍋7内に入れる被加熱物の種類(例えば白米や玄米)、その被加熱物の仕上げ方(例えばかためややわらかめ)、および、調理方法(例えばシチューやお菓子)のそれぞれに対応するプログラムが予め記憶されている。また、記憶部42は、駆動モータ24を複数回正回転させたときにモータ負荷検出部43が検出する駆動モータ24の負荷の積算と、駆動モータ24を複数回逆回転させたときにモータ負荷検出部43が検出する駆動モータ24の負荷の積算とを記憶する。また、記憶部42は、駆動モータ24を正回転,逆回転させた回数も記憶する。なお、第1,第2攪拌アーム12A,12Bが非攪拌状態であるか否かの判定が終了すると、駆動モータ24を正回転,逆回転させた回数は、クリアされるようになっている。
【0042】
上記モータ負荷検出部43は、駆動モータ24に供給される電流に基づいて、駆動モータ24の負荷を検出する。この検出された負荷は、記憶部42に記憶され、第1,第2攪拌アーム12A,12Bの状態の判定に使用する。
【0043】
上記状態判定部44は、駆動モータ24を正回転させたときにモータ負荷検出部43が検出する駆動モータ24の負荷と、駆動モータ24を逆回転させたときにモータ負荷検出部43が検出する駆動モータ24の負荷との差に基づいて、第1,第2攪拌アーム12A,12Bが非攪拌状態であるか否かを判定する。ここで、駆動モータ24を逆回転させたときにモータ負荷検出部43が検出する駆動モータ24の負荷は、駆動モータ24を正回転させたときにモータ負荷検出部43が検出する駆動モータ24の負荷に対して20%変わる。
【0044】
上記誘導加熱コイル用インバータ回路51は、炊飯器本体1内に設置されて、誘導加熱コイル10に交番磁界を発生させるものである。
【0045】
上記温度センサ52は、内鍋7の底部の外面に接触するように、炊飯器本体1に取り付けられており、内鍋7の温度を示す信号を制御部40に送出する。
【0046】
上記構成の炊飯器によれば、第1,第2攪拌アーム12A,12Bが図3の非攪拌状態になっている場合、駆動部20によって回転軸15を右回転(蓋体2側から見て時計回り)させることによって、第1,第2攪拌アーム12A,12Bを回動させて、図4の攪拌状態にすることができる。さらに、回転軸15を右回転させ続けることによって、攪拌状態の第1,第2攪拌アーム12A,12Bを回転体11と一体に回転させることができる。その結果、第1,第2攪拌アーム12A,12Bで内鍋10内の例えば米および水を攪拌できる。
【0047】
一方、上記第1,第2攪拌アーム12A,12Bが図4の攪拌状態になっている場合、駆動部20によって回転軸15を左回転(蓋体2側から見て反時計回り)させることによって、第1,第2攪拌アーム12A,12Bを回動させて、図2図3の非攪拌状態にする。これにより、第1,第2攪拌アーム12A,12Bが蓋体2の開閉を阻害するのを防げる。
【0048】
このように、1つの駆動モータ24によって第1,第2攪拌アーム12A,12Bの回動と回転体11の回転とを行うことができる。
【0049】
以下、図6を用いて、上記第1,第2攪拌アーム12A,12Bが非攪拌状態になっているか否かを判定するための処理について説明する。この処理は、制御部40が行う処理であって、第1,第2攪拌アーム12A,12Bの状態を攪拌状態から非攪拌状態に切り替えるための制御が終了すると、スタートする。
【0050】
まず、ステップS101で、予め設定された時間T1(例えば0.4秒)、駆動モータ24をONにして、駆動モータ24を正回転させる。これと共に、記憶部42に、駆動モータ24を正回転をさせた回数を記憶させる。なお、上記正回転は、駆動モータ24を上方から見て、時計回りであっても、反時計回りであってもよい。
【0051】
次に、ステップS102で、モータ負荷検出部43に、駆動モータ24の正回転時の負荷を検出させる。そして、記憶部42に、駆動モータ24の正回転時の負荷を積算して記憶させる。例えば、駆動モータ24のONが1回目であって、駆動モータ24の負荷がR1であれば、記憶部42にR1を記憶させる。この後、駆動モータ24がONしたとき、駆動モータ24の負荷がR2であれば、記憶部42にR1+R2を記憶させる。
【0052】
次に、ステップS103で、予め設定された時間T2(例えば0.3秒)、駆動モータ24をOFFにする。
【0053】
次に、ステップS104で、駆動モータ24を正回転させた回数が、予め設定された回数(例えば10回)に到達したか否かを判定する。このステップS104で、駆動モータ24を正回転させた回数が、予め設定された回数に到達していないと判定するステップS101に戻る一方、駆動モータ24を正回転させた回数が、予め設定された回数に到達したと判定すると、次のステップ105に進む。
【0054】
次に、ステップS105で、予め設定された時間T3(例えば0.4秒)、駆動モータ24をONにして、駆動モータ24を逆回転させる。これと共に、これと共に、記憶部42に、駆動モータ24を逆回転をさせた回数を記憶させる。なお、上記逆回転とは、ステップS101における駆動モータ24の回転とは反対の回転である。また、時間T3は、時間T1と同じ時間となるように、予め設定されている。
【0055】
次に、ステップS106で、モータ負荷検出部43に、駆動モータ24の逆回転時の負荷を検出させる。そして、ステップS102と同様に、記憶部42に、駆動モータ24の逆回転時の負荷を積算して記憶させる。
【0056】
次に、ステップS107で、予め設定された時間T4(例えば0.3秒)、駆動モータ24をOFFにする。なお、時間T4は、時間T2と同じ時間となるように、予め設定されている。
【0057】
次に、ステップS108で、駆動モータ24を逆回転させた回数が、予め設定された回数(例えば10回)に到達したか否かを判定する。このステップS104で、駆動モータ24を逆回転させた回数が、予め設定された回数に到達していないと判定するステップS101に戻る一方、駆動モータ24を逆回転させた回数が、予め設定された回数に到達したと判定すると、次のステップ106に進む。また、ステップS108の判定の基準とする回数は、ステップS104の判定の基準とする回数と同じとなるように、予め設定されている。すなわち、本処理では、駆動モータ24を逆回転させる回数は、駆動モータ24を正回転させる回数と同じになる。
【0058】
最後に、ステップS108で、状態判定部44に、第1,第2攪拌アーム12A,12Bが非攪拌状態であるか否かを判定させる。このとき、状態判定部44は、駆動モータ24の正回転時の負荷の積算と、駆動モータ24の逆回転時の負荷の積算との差が、予め設定された範囲内であれば、第1,第2攪拌アーム12A,12Bは非攪拌状態であると判定する一方、駆動モータ24の正回転時の負荷の積算と、駆動モータ24の逆回転時の負荷の積算との差が、上記範囲を越えていれば、第1,第2攪拌アーム12A,12Bは非攪拌状態でないと判定する。
【0059】
このように、上記状態判定部44は、駆動モータ24の正回転時の負荷と、駆動モータ24の逆回転時の負荷との差に基づいて、第1,第2攪拌アーム12A,12Bが非攪拌状態であるか否かを判定するので、第1,第2攪拌アーム12A,12Bが非攪拌状態であるか否かを正確に判定することができる。
【0060】
また、上記第1,第2攪拌アーム12A,12Bに磁石を埋め込まなくても、第1,第2攪拌アーム12A,12Bが非攪拌状態であるか否かの判定はできる。したがって、第1,第2攪拌アーム12A,12Bに磁石を埋め込まないようにして、第1,第2攪拌アーム12A,12Bの製造コストの上昇を防ぐことができると共に、第1,第2攪拌アーム12A,12Bに金属がくっつくのを防ぐことができる。
【0061】
また、上記差は、駆動モータ24を複数回正回転させたときにモータ負荷検出部43が検出する駆動モータ24の負荷の積算と、駆動モータ24を複数回逆回転させたときにモータ負荷検出部43が検出する駆動モータ24の負荷の積算との差であるので、状態判定部44の判定の正確性が、駆動モータ24の性能のばらつきや、駆動モータ24の経時劣化で低下するのを防ぐことができる。
【0062】
また、上記駆動モータ24の正回転,逆回転を交互に行うことにより、駆動モータ24の正回転,逆回転のそれぞれを予め設定された回数行うよりも、駆動モータ24の正回転を、予め設定された回数行った後、駆動モータ24の逆回転を、予め設定された回数行う方が、駆動モータ24の性能のばらつきなどによる悪影響を低減できる。
【0063】
上記実施形態において、駆動モータ24が複数回正回転または複数回逆回転しているときに、駆動モータ24をONからOFFに切り替えた後、回転体11が慣性で回っている時間よりも、駆動モータ24をOFFにする時間T2,T4を短くしてもよい。このようにした場合、状態判定部44の判定の精度を高めることができる。
【0064】
上記実施形態において、液晶表示部5が状態判定部44の判定結果を文字または図で表示するようにしてもよい。このようにした場合、上記文字または図は高信頼性のものとなる。
【0065】
上記実施形態において、駆動モータ24の正回転,逆回転を交互に行って、駆動モータ24の正回転,逆回転のそれぞれを予め設定された回数行ってもよい。
【0066】
上記実施形態では、制御部40は、駆動モータ24が、複数回正回転すると共に、複数回逆回転するように、駆動モータ24をオンオフ制御していたが、駆動モータ24が、1回正回転すると共に、1回逆回転するように、駆動モータ24をオンオフ制御するようにしてもよい。
【0067】
上記実施形態では、誘導加熱コイル10を加熱部の一例として用いていたが、抵抗加熱ヒータを加熱部の一例として用いてもよい。
【0068】
上記実施形態では、回転体11に第1,第2攪拌アーム12A,12Bの一方の端部を回動可能に取り付けていたが、回転体11に第1,第2攪拌アーム12A,12Bのうちの一つだけの一方の端部を回動可能に取り付けてもよい。すなわち、本発明では、攪拌体の本数は2本でなくても、例えば1本にしてもよい。
【0069】
上記実施形態では、駆動モータ24に供給される電流に基づいて、駆動モータ24の負荷を検出するモータ負荷検出部43を負荷検出手段の一例として用いていたが、回転体11の回転数に基づいて、駆動モータ24の負荷を検出するモータ負荷検出部を負荷検出手段の一例として用いてもよい。
【0070】
上記実施形態では、第1,第2攪拌アーム12A,12Bを、攪拌状態になったとき、一方の端部から中央部まで鉛直方向に延びるように、かつ、他方の端部が斜め下方に向かって湾曲するように形成されていたが、攪拌状態になったとき、一方の端部から他方の端部まで鉛直方向に延びるように形成してもよい。このように形成する場合、第1,第2攪拌アーム12A,12Bが延びる方向に垂直な面で切った断面の形状が、例えば三角形や台形になるようにしてもよい。
【0071】
上記実施形態では、攪拌状態において駆動モータ24を正回転させたときに内鍋7内の米や水などから受ける抵抗と、攪拌状態において駆動モータ24を逆回転させたときに内鍋7内の米や水などから受ける抵抗とが異なるような形状を有する第1,第2攪拌アーム12A,12Bを用いていたが、攪拌状態において駆動モータ24を正回転させたときに内鍋7内の米や水などから受ける抵抗と、攪拌状態において駆動モータ24を逆回転させたときに内鍋7内の米や水などから受ける抵抗とが同じになるような形状を有する第1,第2攪拌アームを攪拌体の一例として用いてもよい。
【0072】
上記実施形態では、駆動モータ24を正回転させたときにモータ負荷検出部43が検出する駆動モータ24の負荷と、駆動モータ24を逆回転させたときにモータ負荷検出部43が検出する駆動モータ24の負荷との差に基づいて、第1,第2攪拌アーム12A,12Bが非攪拌状態であるか否かを判定する状態判定部44を用いていたが、モータ負荷検出部43が検出する駆動モータ24の負荷に基づいて、第1,第2攪拌アーム12A,12Bが米などを攪拌しているか否かを判定する状態判定部を状態判定手段の一例として用いてもよい。この状態判定部は、モータ負荷検出部43が検出する駆動モータ24の負荷が、予め設定されていた値以上になれば、第1,第2攪拌アーム12A,12Bが米などを撹拌していると判定してもよい。
【0073】
また、上記状態判定部は、モータ負荷検出部43が検出する駆動モータ24の負荷が、予め設定されていた値未満であれば、第1,第2攪拌アーム12A,12Bが米などを撹拌していないと判定してもよい。このように判定した場合、第1,第2攪拌アーム12A,12Bの他方の端部が回転体11近傍にあるときか、第1,第2攪拌アーム12A,12Bの他方の端部が回転体11近傍になくて離れているが、内鍋7内に米などが入っていないときがある。
【0074】
上記実施形態では、炊飯器に本発明を適用した一例について説明したが、電子レンジ、電子オーブンレンジなどの加熱調理器にも本発明を適用してもよい。
【符号の説明】
【0075】
1…炊飯器本体
2…蓋体
10…誘導加熱コイル
11…回転体
12A…第1攪拌アーム
12B…第2攪拌アーム
40…制御部
41…CPU
42…記憶部
43…モータ負荷検出部
44…状態判定部
45…タイマ
図1
図2
図3
図4
図5
図6