(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
従来から、画像形成装置には、像担持体から記録材上に転写されたトナー像を定着させるための定着器が備えられている。この定着器としては、互いに当接して回転する定着ローラー(加熱部材)および加圧ローラー(加圧部材)を備えたローラー方式や、加熱部材として無端状の定着ベルトを使用するベルト方式等が知られている。例えば、ローラー方式の定着器は、圧接される定着ローラーと加圧ローラーとのニップ部で記録材上に担持されたトナー像を加熱及び加圧して記録材に定着させている。
【0003】
上記のような定着器においては、加熱部材の温度およびニップ部のニップ圧は記録材へのトナー定着性を考慮し設定される。しかし、普通紙等のシート状の記録材へのトナー定着性を考慮して設定した加熱・加圧の条件下で、それとは種類の異なる封筒などの記録材上のトナー像を定着させる場合、その記録材にシワが発生しやすい。そこで、トナー像を定着させる記録材の種類に応じて加熱部材と加圧部材とのニップ圧を可変にした定着器がある(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
上記特許文献1には
図9に示すように、定着ローラー1131および定着ローラー1131に圧接される加圧ローラー1132を有する定着部1030と、定着ローラー1131と加圧ローラー1132とが圧接するニップ部にニップ圧を付与する加圧機構1050と、ニップ部のニップ圧を変更するニップ圧切り替え部1060と、を備えた定着器1013が開示されている。
【0005】
加圧機構1050は
図9および
図10に示すように、支軸1054を中心に揺動自在に支持されるとともに第1当接部1051aを有する金属製の第1アーム部材1051と、第2当接部1052aを有する金属製の第2アーム部材1052と、第1アーム部材1051の回転軸1055に巻装される弾性部材1053と、を含む。第1アーム部材1051は加圧ローラー1132を保持する。弾性部材1053は、一端が第1当接部1051aに当接し、他端が第2当接部1052aに当接するように配置され、第1当接部1051aおよび第2当接部1052aを互いに離間する方向に付勢することで、ニップ部にニップ圧を付与する。第2アーム部材1052には、ニップ圧切り替え部1060の後述する回転連結軸1063が挿入されて摺動する貫通孔1052bが設けられる。
【0006】
ニップ圧切り替え部1060は、第2アーム部材1052に設けられるコロ1061と、コロ1061に当接するとともに回転中心から外周面までの距離が変化する偏芯カム1062と、偏芯カム1062が固定される金属製の回転連結軸1063と、回転連結軸1063および偏芯カム1062を回転駆動させるギア列等からなる駆動部1070と、を含む。
【0007】
この定着器1013では
図10および
図11に示すように、回転連結軸1063および偏芯カム1062が回転されると、コロ1061と回転連結軸1063との間の距離が変化し、弾性部材1053の圧縮量が変化する。これにより、第1アーム部材1051が支軸1054を中心として揺動するので、ニップ部のニップ圧が変更される。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
【0015】
図1〜
図8を参照して、本発明の一実施形態による画像形成装置1について説明する。なお、
図1では、右側を画像形成装置1の前方側として図示している。
図1に示すように、画像形成装置1(ここではモノクロプリンター)内には画像形成部Pが配設されている。この画像形成部Pは、帯電、露光、現像及び転写の各工程により所定の画像を形成する。
【0016】
画像形成部Pには、可視像(トナー像)を担持する感光体ドラム(像担持体)2が配設されており、感光体ドラム2上に形成されたトナー像が、用紙(記録材)6上に転写され、さらに、定着器13において用紙6上に定着された後、装置本体より排出される構成となっている。不図示のドラム駆動モーターにより感光体ドラム2を
図1において時計回りに回転させながら、感光体ドラム2に対する画像形成プロセスが実行される。
【0017】
次に、画像形成部Pについて詳細に説明する。回転自在に配設された感光体ドラム2の周囲及び前方(
図1では右側)には、感光体ドラム2に対して帯電を行う帯電ローラー3と、感光体ドラム2に画像情報を露光する露光ユニット4と、感光体ドラム2上にトナー像を形成する現像ユニット5と、感光体ドラム2上に残留した現像剤(トナー)を回収するクリーニング装置9と、静電潜像を除去する除電器10と、が設けられている。
【0018】
先ず、帯電ローラー3によって感光体ドラム2の表面を一様に帯電させ、次いで露光ユニット4によって光照射し、感光体ドラム2上に画像信号に応じた静電潜像を形成する。現像ユニット5は、感光体ドラム2と対向して配置された現像ローラー5aを有し、現像ユニット5には、磁性一成分の正帯電トナーがトナーコンテナ11によって所定量充填されている。このトナーは、不図示の現像バイアス印加装置により現像バイアスが印加された現像ローラー5aにより感光体ドラム2表面に供給され、静電的に付着することにより、露光ユニット4からの露光により形成された静電潜像に応じたトナー像が形成される。
【0019】
トナー像が転写される用紙6は、用紙6を収納する給紙カセット12に収容されており、給紙ローラー7、レジストローラー対14を介して、トナー像が形成された感光体ドラム2に向けて搬送される。このとき画像書き出し信号がONとなり、用紙6の所定位置にトナー像が転写されるように感光体ドラム2上に画像形成を行う。そして、感光体ドラム2の下部において、所定の転写バイアスが印加された転写ローラー17で電界付与することにより、感光体ドラム2上のトナー像が用紙6上に転写される。なお、転写ローラー17は、画像形成時(印字動作時)に、トナーとは逆極性である負極性の転写バイアスが印加されるようになっている。
【0020】
トナー像が転写された用紙6は、定着器13へと搬送される。また、トナー像が転写された後の感光体ドラム2は、引き続き行われる新たな静電潜像の形成に備え、その表面に残留したトナーがクリーニング装置9により回収される。定着器13に搬送された用紙6は、後述する定着ローラー131および加圧ローラー132により加熱及び加圧されてトナー像が用紙6の表面に定着され、所定の画像が形成される。画像が形成された用紙6は、その後排出ローラー対18によって排出トレイ19に排出される。なお、定着器13の詳細については後述する。
【0021】
感光体ドラム2の前方には、ドラム表面と回転自在に当接し、該ドラム表面に対して帯電を行う帯電ローラー3が配置されている。帯電ローラー3の前方には、帯電ローラー3表面に圧接され、該ローラー表面を清掃するクリーニングブラシ8が配置されている。
【0022】
感光体ドラム2は、不図示の駆動ギアを介して上述したドラム駆動モーターと連結されており、上記した通り、図中時計回りに回転するようになっている。
【0023】
帯電ローラー3は、装置本体に回転可能に支持されている。また、帯電ローラー3は、感光体ドラム2に所定のニップ圧で圧接されており、感光体ドラム2に従動して回転するようになっている。また、画像形成時(印字動作時)に、帯電ローラー3にはトナーと同極性(ここでは正極性)の帯電バイアスが印加されるようになっている。
【0024】
定着器13は
図2に示すように、加熱部材である定着ローラー131と、加圧部材である加圧ローラー132と、を含む定着部30を備える。なお、
図2は
図1の背面側から見た状態を示しており、各部材の配置は
図1と左右が逆になっている。
【0025】
定着ローラー131は、熱伝導性に優れたアルミニウムや鉄等の金属から成る円筒形状の芯金上に、フッ素樹脂のコーティングやチューブを被覆した、いわゆるハードローラーが用いられている。また、定着ローラー131の芯金内部に熱源であるハロゲンヒーター133が設けられており、定着ローラー131の表面が所定温度に保持される。加圧ローラー132は、合成樹脂、金属その他材料から構成される円筒形状の基材上にシリコンゴム等の弾性層が形成され、この弾性層の表面がフッ素樹脂等の離形性に優れた樹脂で覆われたものが用いられている。
【0026】
図3に示すように、定着ローラー131は装置本体に回転可能に保持されており、加圧ローラー132は後述する加圧機構50の第1アーム部材51に回転可能に保持されている。定着ローラー131の左側(A1方向側)にはギア134が設けられており、右側(A2方向側)にはギア135が設けられている。定着ローラー131にはモーター等の駆動源(図示せず)からギア134を介して回転駆動力が伝達される。この回転駆動力は、ギア135と、加圧ローラー132のA2方向側に設けられた図示しないギアとを介して加圧ローラー132にも伝達される。
【0027】
定着器13は、前述の定着ローラー131、加圧ローラー132等からなる定着部30の他に、加圧機構50と、ニップ圧切り替え部60とを備える。なお、
図3では説明の便宜上、定着部30、加圧機構50、ニップ圧切り替え部60のみを図示している。
【0028】
加圧機構50は、加圧ローラー132と定着ローラー131とを圧接させ、圧接するニップ部N(
図2参照)にニップ圧を付与するものであり、第1アーム部材51と、第2アーム部材52と、弾性部材53とを備え、加圧ローラー132の長手方向の両端側に一対配設される。
【0029】
ニップ圧切り替え部60は、弾性部材53の付勢力を可変にしてニップ部Nのニップ圧を変更するものであり、モーター、ギア列等からなる駆動部70と、偏芯カム62と、偏芯カム62に係合するコロ61と、回転連結軸(回転軸)63とを備える。駆動部70は加圧ローラー132の右側(A2方向側)に配設され、偏芯カム62とコロ61とは加圧ローラー132の両端側に一対配設される。回転連結軸63は両側の偏芯カム62と一体に設けられ、駆動部70の回転駆動力を右側の偏芯カム62と左側の偏芯カム62とに伝達する。これによって、ニップ圧切り替え部60は加圧ローラー132の両側の弾性部材53の付勢力を同時に変更することになる。
【0030】
図4に示すように、第1アーム部材51は鉄等の金属板で所定の形状に形成される。第1アーム部材51の略中央部には、加圧ローラー132が回転可能に軸支されている。第1アーム部材51の下部には、装置本体に固設された支軸54に嵌装する孔が形成され、第1アーム部材51は、支軸54を中心として前後方向(
図4では左右方向)に揺動自在に保持される。第1アーム部材51の上部には、前方向(
図4では左方向)に延びる固定軸55の一端が固設され、また、固定軸55の他端(
図4の左端)には平板状の第1当接部(第1係合部)51aが形成される。固定軸55には弾性部材53が巻装され、第1当接部51aには弾性部材53の一端が当接している。
【0031】
第2アーム部材52は鉄等の金属板で所定の形状に形成される。第2アーム部材52の後端(
図4の右端)には、平板状をなす第2当接部(第2係合部)52aが形成される。第2当接部52aは、第1アーム部材51の第1当接部51aに対向するとともに、固定軸55に対して前後方向(固定軸55の軸方向)に移動可能であるように、固定軸55が挿通される孔52d(
図5参照)を有する。また、第2当接部52aには弾性部材53の他端が当接している。
【0032】
また、第2アーム部材52には
図5〜
図7に示すように、偏芯カム62や弾性部材53等を回転連結軸63の軸方向の両側から挟み込む一対の側壁部52bが形成されている。そして、一対の側壁部52bの各々に、回転連結軸63が挿入される貫通孔52cが設けられている。
【0033】
弾性部材53は
図4に示すように、ニップ部Nにニップ圧を付与するためのものであり、圧縮コイルスプリングからなり、圧縮された状態でその両端部を第1当接部51aと第2当接部52aに当接している。このため、第1当接部51aには前方向(
図4の左方向)の付勢力が作用し、第2当接部52aには後方向(
図4の右方向)の付勢力が作用する。そして、弾性部材53によって第1当接部51aと第2当接部52aとは互いに離間する方向に付勢されることになり、加圧ローラー132が定着ローラー131に圧接する。
【0034】
また、第2アーム部材52は、第2当接部52aから前側に延びて形成され、その前端部には円筒状のコロ61が回転可能に取り付けられる。
【0035】
コロ61には偏芯カム62が係合する。偏芯カム62は回転連結軸63に固定されている。この回転連結軸63には
図5〜
図7に示すように、第2アーム部材52の貫通孔52cに対して摺動する軸受部材64aおよび64bが、偏芯カム62に対して回転連結軸63の軸方向の両側に設けられている。軸受部材64aおよび64bは、すべり軸受であり、例えばCu系の金属により形成されている。また、軸受部材64aには、第2アーム部材52の側壁部52bに対して回転連結軸63の軸方向に当接する鍔部64cが設けられている。
【0036】
また、偏芯カム62は、回転連結軸63の回転中心の周りに回転可能であり、その回転中心から外周面までの距離が変化するように形成されている。回転連結軸63が駆動部70によって回転させられると、
図4に示す状態と
図8に示す状態とに切り替えられる。
【0037】
図4に示した状態では、第2アーム部材52の第2当接部52aと第1アーム部材51の第1当接部51aとの間隔は、所定の距離にあり、弾性部材53は所定量だけ圧縮されている。
図8に示した状態では、
図4の状態に対して、第2アーム部材52は、後方向(
図5の右方向)に変位し、第2当接部52aと第1当接部51aとの間隔は大きくなり、弾性部材53は伸長している。
【0038】
従って、
図8の状態では、
図4の状態に比べると、弾性部材53による付勢力は小さくなり、これにともなって、ニップ部Nのニップ圧が小さくなり減圧状態となる。尚、ニップ部Nのニップ圧が小さくなるので、第1アーム部材51は支軸54を中心として後方向(
図8の右方向)に僅かに揺動する。
【0039】
尚、弾性部材53の付勢方向(固定軸55の軸方向)が定着ローラー131と加圧ローラー132との並び方向に略一致しているので、弾性部材53の付勢力がロスなくニップ部Nに伝えられる。
【0040】
図3に示すように、偏芯カム62を回転させるために、駆動部70が設けられる。駆動部70は、モーター72と、ウォームギアからなるモーターギア73と、ギア列74〜76等と、装置本体に固設される台板71とを備える。ギア76は、回転連結軸63のA2方向側の端部に固定されている。
【0041】
モーター72は例えばDCモーターからなる。モーター72がモーター駆動回路(図示せず)によって回転させられると、ギア列74〜76等を介して回転連結軸63および偏芯カム62が回転する。
【0042】
モーター72の制御は、図示しない制御部により行われる。この制御部は、マイクロコンピューター、及びRAM、ROMの記憶素子等で構成され、記憶素子に設定されたプログラムに従って、モーター駆動回路を制御する。具体的には、ユーザーが操作パネル(図示せず)を操作して用紙6の種類が設定されると、制御部はモーター72が所定回数だけ回転するようにモーター駆動回路を制御する。これにより、回転連結軸63および偏芯カム62が所定量回転し、ニップ部Nのニップ圧が変更される。
【0043】
本実施形態では、上記のように、第2アーム部材52には、回転連結軸63が挿入される貫通孔52cが設けられており、回転連結軸63には、貫通孔52cに対して摺動する軸受部材64aおよび64bが設けられている。これにより、回転連結軸63および偏芯カム62が回転されてコロ61と回転連結軸63との間の距離が変化する際(定着ローラー131と加圧ローラー132とのニップ圧を変更する際)に、回転連結軸63に設けられた軸受部材64aおよび64bが貫通孔52cに対して摺動することになる。軸受部材64aおよび64bは摺動性に優れているので、軸受部材64aおよび64bが貫通孔52cに対して摺動する際に摺動音が発生するのを抑制することができる。また、第2アーム部材52の貫通孔52cを軸受部材64aおよび64bに対してスムーズに摺動させることができるので、第1当接部51aおよび第2当接部52aをスムーズに互いに離間させることができる。これにより、ニップ部Nのニップ圧をスムーズに変更することができる。
【0044】
また、第2アーム部材52の貫通孔52cを軸受部材64aおよび64bに対してスムーズに摺動させることができるので、第1当接部51aおよび第2当接部52aが互いに離間または接近する際に、第2アーム部材52に対して回転連結軸63の軸方向に負荷がかかるのを抑制することができる。これにより、第2アーム部材52が回転連結軸63の軸方向に移動して第2アーム部材52の孔52dと固定軸55とが接触するのを抑制することができるので、第2アーム部材52の孔52dと固定軸55との間で摺動音が発生することも抑制することができる。なお、回転連結軸63に軸受部材64aおよび64bを設けていない場合、第2アーム部材52の貫通孔52cと回転連結軸63との間の摩擦力が大きいので、第2アーム部材52の貫通孔52cが回転連結軸63に対して摺動する際に、第2アーム部材52には回転連結軸63の軸方向の摩擦力が少なからず発生する。そして、第1当接部51aおよび第2当接部52aが互いに離間または接近する際に、第2アーム部材52に対して回転連結軸63の軸方向に負荷がかかる。このため、第2アーム部材52が回転連結軸63の軸方向に移動して第2アーム部材52の孔52dと固定軸55とが接触し、第2アーム部材52の孔52dと固定軸55との間で摺動音が発生する場合がある。
【0045】
また、上記のように、軸受部材64aには、第2アーム部材52の側壁部52bに対して回転連結軸63の軸方向に当接する鍔部64cが設けられている。これにより、第2アーム部材52が回転連結軸63の軸方向に移動するのをより抑制することができるので、第2アーム部材52の孔52dと固定軸55とが接触するのをより抑制することができる。このため、第2アーム部材52の孔52dと固定軸55との間で摺動音が発生するのをより抑制することができる。
【0046】
また、上記のように、軸受部材64aおよび64bは、偏芯カム62に対して回転連結軸63の軸方向の両側に設けられており、第2アーム部材52は、偏芯カム62を回転連結軸63の軸方向の両側から挟み込む一対の側壁部52bを有し、一対の側壁部52bの各々に貫通孔52cが設けられている。これにより、回転連結軸63に対して第2アーム部材52を安定して移動させることができるので、ニップ部Nのニップ圧をよりスムーズに変更することができる。
【0047】
また、上記のように、弾性部材53の付勢方向(固定軸55の軸方向)が定着ローラー131と加圧ローラー132との並び方向に略一致している。これにより、弾性部材53の付勢力をロスなくニップ部Nに伝えることができる。
【0048】
また、上記のように、軸受部材64aおよび64bは金属製である。これにより、加熱ローラーからの熱で軸受部材64aおよび64bが変形するのを容易に防止することができる。また、軸受部材64aおよび64bをCu系の金属により形成することによって、軸受部材64aおよび64bの摺動性を容易に向上させることができる。
【0049】
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【0050】
例えば、モノクロプリンターに本発明を適用した例について示したが、本発明はこれに限らない。言うまでもなく、カラープリンター、モノクロ複写機、デジタル複合機、ファクシミリ等の、加熱部材と加圧部材とのニップ圧を変更可能な種々の画像形成装置に本発明を適用できる。
【0051】
また、上記実施形態では、ローラー方式の定着器に適用した例を示したが、本発明はこれに限らず、加熱部材として無端状の定着ベルトを使用するベルト方式や、加熱部材は固定支持された加熱体と、この加熱体に密着して摺動する耐熱性フィルムとを有し、加熱体と加圧ローラーとを耐熱性フィルムを介して圧接させる方式の定着器に適用してもよい。また、熱源として、電磁誘導により加熱する加熱部を用いてもよく、さらに加熱部材側に加圧機構を設けるようにしてもよい。
【0052】
また、上記実施形態では、弾性部材として圧縮コイルスプリングを用いるとともに、第1当接部と第2当接部とを互いに離間する方向に付勢する構成を示したが、本発明はこれに限らない。弾性部材として引張コイルスプリングを用いるとともに第1係合部と第2係合部とを上記実施形態とは逆に配置し、第1係合部と第2係合部とを互いに接近する方向に付勢してもよい。また、スプリング以外の弾性部材を用いてもよい。
【0053】
また、上記実施形態では、金属製の軸受部材を用いた例について示したが、本発明はこれに限らず、定着時の熱に耐えるのであれば樹脂製の軸受部材を用いてもよい。