(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
装置内で用紙を搬送する搬送部と、トナー像を形成する画像形成部と、形成されたトナー像を用紙に転写する転写部と、ヒーターにより熱せられる加熱回転体と前記加熱回転体に圧接する加圧回転体を備え、前記加熱回転体と前記加圧回転体のニップである定着ニップ部に用紙を通過させてトナー像の用紙への定着を行う定着部と、を含み、印刷を行う印刷エンジン部と、
前記搬送部に複数設けられる用紙検知体と、
前記印刷エンジン部を制御し、前記用紙検知体の出力に基づきジャムの発生を検知し、ジャム発生を検知すると用紙搬送を停止させるジャム停止を前記印刷エンジン部に行わせる制御部と、を含み、
前記制御部は、前記用紙検知体の出力に基づき、前記ジャム停止時に前記定着ニップ部にニップされている用紙である定着停止用紙について、前記定着停止用紙での前記定着ニップ部の位置である定着ニップ位置を定め、前記定着ニップ位置が前記定着停止用紙の用紙搬送方向の先端側半分の位置にあるとき、前記定着モーターを逆回転させて前記定着ニップ部から離れるように用紙搬送方向上流側に前記定着停止用紙を搬送させ、前記定着ニップ位置が前記定着停止用紙の用紙搬送方向の後端側半分の位置にあるとき、前記定着モーターを正回転させて前記定着ニップ部から離れるように前記定着停止用紙を用紙搬送方向下流側に搬送させ、
さらに、前記制御部は、前記用紙検知体の出力に基づき、前記定着停止用紙と前記定着停止用紙よりも用紙搬送方向上流側の用紙との紙間である上流側紙間を求め、前記上流側紙間が前記ジャム停止時での前記定着ニップ位置から前記定着停止用紙の先端までの距離以上であるとき、前記定着ニップ位置が前記定着停止用紙の用紙搬送方向の後端側半分の位置にあっても、前記定着モーターを逆回転させて前記定着ニップ部から離れるように前記定着停止用紙を用紙搬送方向上流側に搬送させることを特徴とする画像形成装置。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の第1の実施形態と第2の実施形態を
図1〜
図10を用いて説明する。まず、
図1〜
図8を用いて第1の実施形態を説明する。次に、
図9、
図10を用いて、第2の実施形態を説明する。そして、以下の説明では、プリンター100(画像形成装置に相当)を例に挙げて説明する。但し、各実施の形態に記載されている構成、配置等の各要素は、発明の範囲を限定するものではなく単なる説明例にすぎない。
【0016】
(画像形成装置の概要)
まず、
図1、
図2を用いて、実施形態に係るプリンター100の概要を説明する。
図1は、本発明の実施形態に係るプリンター100の構造を示す図である。
図2は、本発明の実施形態に係る画像形成ユニット40Bkを示す図である。
【0017】
図1に示すように、本実施形態のプリンター100は、側方に取り付けられた操作パネル1(報知部に相当)を有する。又、プリンター100は、内部に給紙部2、第1搬送部3a(搬送部に相当)、画像形成部4、中間転写部5、定着部6、第2搬送部3b(搬送部に相当)を含む。
【0018】
図1に示すように、操作パネル1は、プリンター100の上部右側に設けられたアーム11の先に設けられる。そして、操作パネル1は、プリンター100の状態や各種メッセージや設定用画面を表示する表示部12を備える。表示部12は、タッチパネルと液晶表示パネルを含む。表示部12は、エラーメッセージのようなプリンター100の状態を表示により報知する。また、表示部12は使用者による印刷条件などの設定を受け付ける。
【0019】
図1に示すように、給紙部2は、プリンター100の内部下方に配される。給紙部2はカセット21を含む。カセット21は、用紙Pを収容する。給紙部2には、給紙モーター2m(
図4参照)の駆動により回転し、カセット21から搬送する給紙ローラー22が設けられる。給紙ローラー22は、第1搬送部3aに用紙Pを送り出す。
【0020】
そして、第1搬送部3aは、給紙部2から供給された用紙Pを中間転写部5まで導く。第1搬送部3aには、搬送ローラー対31や、レジストローラー対32等が設けられる。レジストローラー対32は、搬送されてくる用紙Pを2次転写ローラー57(中間転写ベルト52)の手前で待機させ、トナー像の用紙Pへの2次転写のタイミングにあわせて用紙Pを送り出す。
【0021】
画像形成部4は、形成すべき画像の画像データに基づきトナー像を形成する。画像形成部4は、4色分の画像形成ユニット40(40Bk、40Y、40C、40M)と露光装置41を含む。具体的に、画像形成部4は、ブラックの画像を形成する画像形成ユニット40Bkと、イエローの画像を形成する画像形成ユニット40Yと、シアンの画像を形成する画像形成ユニット40Cと、マゼンタの画像を形成する画像形成ユニット40M、を含む。
【0022】
そこで、
図2に基づき、各画像形成ユニット40Bk〜40Mを詳述する。尚、各画像形成ユニット40Bk〜40Mは、形成するトナー像の色が異なるが、いずれも基本的に同様の構成である。そこで、以下では、画像形成ユニット40Bkを例に挙げて説明するが、以下の説明では、色を示すBk、Y、C、Mの符号は特に説明する場合を除き省略する。
【0023】
まず、画像形成ユニット40は、感光体ドラム42、帯電装置43、現像装置44、ドラムクリーニング装置45を含む。感光体ドラム42は、回転可能に支持される。感光体ドラム42はメインモーター4m(
図4参照)の駆動力を受け、所定の周速度で回転駆動される。そして、感光体ドラム42は、帯電、露光、現像のプロセスを経て周面にトナー像を担持する(像担持体)。
【0024】
帯電装置43は、感光体ドラム42の表面を一定の電位で帯電させる。露光装置41は、内部に、半導体レーザー装置(レーザーダイオード)、ポリゴンミラー、ポリゴンモーター、fθレンズ、ミラー(不図示)などの光学系部材を含む。露光装置41は、これらの光学系部材を用い、画像データをカラー色分解した画像信号に基づいた光信号(レーザー光、破線で図示)を帯電した感光体ドラム42に照射し、感光体ドラム42の周面に静電潜像を形成する。
【0025】
現像装置44は、トナーと磁性体からなるキャリアを含む現像剤(いわゆる2成分現像剤)を収納する。現像装置44は、感光体ドラム42に向けてトナーを飛翔させ、トナーで静電潜像を現像する。
【0026】
ドラムクリーニング装置45は、感光体ドラム42の清掃を行う。又、ドラムクリーニング装置45の上方には、感光体ドラム42に対し光を照射して除電を行う除電装置46が設けられる。
【0027】
図1に戻り説明を続ける。感光体ドラム42で形成されたトナー像を用紙Pに転写するため、中間転写部5が設けられる。中間転写部5は、感光体ドラム42からトナー像の1次転写を受け、用紙Pにトナー像を2次転写する。
【0028】
中間転写部5は、複数の1次転写ローラー51(51Bk、51Y、51C、51M)、中間転写ベルト52、駆動ローラー53、従動ローラー54、55、ベルトクリーニング装置56、2次転写ローラー57を含む。
【0029】
無端状の中間転写ベルト52は、1次転写ローラー51Bk〜51M、駆動ローラー53、従動ローラー54、55に張架される。そして、中間転写モーター5m(
図4参照)から駆動力を受ける駆動ローラー53の回転により、中間転写ベルト52は、
図1において紙面反時計方向に周回する。又、各1次転写ローラー51Bk〜51Mと対応する感光体ドラム42は無端状の中間転写ベルト52を挟み込む。各1次転写ローラー51Bk〜51Mには、1次転写を行うための電圧が印加される。画像形成ユニット40で形成されたトナー像(ブラック、イエロー、シアン、マゼンタの各色)は、ずれなく順次重畳されつつ中間転写ベルト52に1次転写される。
【0030】
又、駆動ローラー53と2次転写ローラー57は、中間転写ベルト52を挟み、中間転写ベルト52と2次転写ローラー57は用紙Pが通過するニップを形成する。2次転写ローラー57には、所定の電圧が印加される。これにより、中間転写ベルト52上のトナー像は用紙Pに2次転写される。中間転写ベルト52上の残トナー等は、ベルトクリーニング装置56で除去されて回収される。
【0031】
定着部6は、画像形成部4よりも用紙搬送方向の下流側に配される。定着部6は、用紙Pに転写されたトナー像を加熱・加圧して定着させる。そして、定着部6は、主として、ヒーター61により熱せられる加熱ローラー62(加熱回転体に相当)と、これに圧接される加圧ローラー63(加圧回転体に相当)を含む。そして、トナー像の転写された用紙Pは、加熱ローラー62と加圧ローラー63との間の定着ニップ部N1を通過する際に加熱・加圧される。その結果、トナー像が用紙Pに定着する。定着後の用紙Pは、定着部6の上方に設けられた第2搬送部3bに向かう。
【0032】
定着部6を通過した用紙Pは、分岐部33からプリンター100の左側面に向かって延びる第2搬送部3bを通して搬送される。そして、用紙Pは、排出ローラー対34によってプリンター100の左側面上部外側に設けられた排出トレイ35に排出される。これにより、1ページの印刷が完了する。
【0033】
尚、両面印刷のとき、定着部6から排出された片面印刷済みの用紙Pは、分岐部33から排出トレイ35方向に一旦送り出された後、プリンター100の右側面方向に向かって用紙搬送方向がスイッチバックされる。そして、用紙Pは分岐部33を通過し、両面印刷用搬送部3cを通して下方に送られ、第1搬送部3aを経てレジストローラー対32に再度送られる。
【0034】
(プリンター100のハードウェア構成)
次に、
図3に基づき実施形態に係るプリンター100のハードウェア構成を説明する。
図3は、本発明の実施形態に係るプリンター100のハードウェア構成を示す図である。
【0035】
図2に示すように、プリンター100は、内部に主制御部7(制御部に相当)を有する。主制御部7は、各種の演算処理や信号処理を行うCPU71や、画像データに対し画像処理を行う画像処理部72などを含む。主制御部7は、CPU71や画像処理部72に各種処理を行わせ、プリンター100の各部を制御する。
【0036】
CPU71は、中央演算処理装置であり、記憶部73に記憶される制御プログラム、制御データ、設定データのような各種データに基づきプリンター100の各部の制御や演算を行う。記憶部73は、ROM、フラッシュROM、HDDのような不揮発性とRAMのような揮発性の記憶装置の組み合わせで構成される。記憶部73はプリンター100の制御プログラム、制御データ等を記憶する。
【0037】
又、主制御部7は、操作パネル1と接続され操作パネル1になされた設定を認識する。又、主制御部7は、エラー、異常の発生等、プリンター100の状態を示す情報を表示部12に表示させる。
【0038】
又、主制御部7は、通信部74と接続される。通信部74は、印刷する内容を示す画像データや、印刷における設定データを含む印刷データの送信元となるコンピューター200とネットワークやケーブルや公衆回線を介して通信を行うための通信インターフェイスである。通信部74は、コンピューター200から印刷用データを受信する。
【0039】
画像処理部72は、コンピューター200から受信した画像データに対し、設定に合わせて、拡大、縮小、回転、濃度変換、データ形式変換のような各種画像処理を施す。そして、印刷ジョブ実行時、画像処理部72は、露光装置41に画像処理後の画像データを送る。露光装置41は、この画像データを受けて 感光体ドラム42の走査、露光を行う。
【0040】
プリンター100内には、給紙部2、第1搬送部3a、画像形成部4、中間転写部5、定着部6、第2搬送部3b、両面印刷用搬送部3cを含み、用紙Pを搬送し、トナー像を形成して印刷を行う部分である印刷エンジン部9が設けられる。そして、印刷エンジン部9の動作を制御するエンジン制御部8(制御部に相当)が設けられる。主制御部7とエンジン制御部8は、通信可能に接続される。印刷をおこなうとき、主制御部7は、印刷の実行指示や、ページ数や用いる機能などのような印刷内容を示すデータをエンジン制御部8に与え、印刷を行わせる。尚、主制御部7が印刷エンジン部9を制御するようにしてもよい。
【0041】
エンジン制御部8は、印刷に関する演算や処理を行うエンジンCPU81を含む。又、エンジン制御部8は、印刷エンジン部9の動作に関するデータやプログラムを記憶するエンジンメモリー82を含む。エンジン制御部8は、主制御部7の指示に基づき、印刷エンジン部9の動作を実際に制御し、印刷エンジン部9に印刷を行わせる。
【0042】
(用紙搬送とジャム発生の検知)
次に、
図1、
図4を用いて、用紙Pの搬送を説明する。
図4は、本発明の実施形態に係る用紙搬送を説明するための図である。
【0043】
実施形態に係るプリンター100は、用紙Pの搬送やトナー像形成に関する回転体を回転させるモーターとして、給紙モーター2m、第1搬送モーター3am、メインモーター4m、中間転写モーター5m、定着モーター6m、第2搬送モーター3bm、両面搬送モーター3cmを含む。
【0044】
エンジン制御部8は、給紙モーター2mを回転させ、給紙ローラー22を回転させて、給紙部2に給紙と用紙Pの搬送を行わせることができる。又、エンジン制御部8は、第1搬送モーター3amを回転させて搬送ローラー対31やレジストローラー対32を回転させ、第1搬送部3aに用紙Pの搬送を行わせることができる。尚、レジストローラー対32への駆動伝達経路には電磁クラッチ(不図示)が設けられ、エンジン制御部8は、電磁クラッチを制御して、レジストローラー対32の回転、停止を制御できる。
【0045】
又、エンジン制御部8は、中間転写モーター5mを回転させ、駆動ローラー53を回転させて中間転写ベルト52を周回させ、中間転写部5や2次転写ローラー57にトナー像の移動や用紙Pの搬送を行わせることができる。また、エンジン制御部8は、感光体ドラム42を回転させるメインモーター4mを回転させ、中間転写ベルト52の周回にあわせて感光体ドラム42を回転させることができる。
【0046】
又、エンジン制御部8は、定着モーター6mを回転させ、加熱ローラー62や加圧ローラー63を回転させて、定着部6に用紙Pの搬送を行わせることができる。定着モーター6mは正方向(用紙Pを下流に搬送する方向)にも、逆方向にも回転させることができるモーターである。
【0047】
又、エンジン制御部8は、第2搬送モーター3bmを回転させ、排出ローラー対34のような第2搬送部3b内の搬送用のローラーを回転させて、第2搬送部3bに用紙Pの搬送を行わせることができる。又、エンジン制御部8は、両面搬送モーター3cmを回転させ、両面印刷用搬送部3c内の搬送用のローラーを回転させて、第2搬送部3bに用紙Pの搬送を行わせることができる。
【0048】
このように、エンジン制御部8は、各モーターの回転を制御し、プリンター100内の各部に用紙Pの搬送を行わせる。具体的には、エンジン制御部8は、各モーターを制御し、印刷エンジン部9のうち、給紙部2、第1搬送部3a、中間転写部5、2次転写ローラー57、定着部6、第2搬送部3b、両面印刷用搬送部3cに用紙Pの搬送を行わせる。
【0049】
(用紙位置の認識とジャム発生の検知)
次に、
図1、
図4を用いて、用紙位置の認識とジャムの検知を説明する。
【0050】
まず、用紙位置の認識し、ジャムの検知を行うための用紙センサーSについて説明する。以下では、第1搬送部3a、第2搬送部3b、両面印刷用搬送部3cを併せて「用紙搬送部3」と総称することがある。
【0051】
図1、
図4に示すように、本実施形態のプリンター100には、用紙Pの搬送経路に沿って、複数の用紙センサーS(用紙検知体に相当)が設けられる。各用紙センサーSは、用紙Pの存在を検知しているときと、用紙Pの存在を検知していないときで出力が変化するセンサーである。用紙センサーSには、光センサーを用いることができる。
【0052】
図1、
図4に示すように、用紙搬送方向上流側から順に、用紙センサーSとして、第1用紙センサーS1、第2用紙センサーS2、第3用紙センサーS3、第4用紙センサーS4、第5用紙センサーS5、第6用紙センサーS6が設けられる。又、両面印刷用搬送部3cに設置するなど、更に1又は複数の用紙センサーSを設けてもよい。
【0053】
第1用紙センサーS1は、給紙部2の給紙ローラー22と、給紙部2からの給紙経路と第1搬送部3aへの合流部分の間に設けられる。第1用紙センサーS1は、給紙部2から適切に用紙Pが給紙されたか否かを検知するためのセンサーである。
【0054】
第2用紙センサーS2は、第1搬送部3aにおいて搬送ローラー対31とレジストローラー対32との間に設けられる。第2用紙センサーS2は、レジストローラー対32に用紙Pが到達し、レジストローラー対32を用紙Pが通過したか否かを検知するためのセンサーである。
【0055】
第3用紙センサーS3は、2次転写ローラー57と駆動ローラー53が中間転写ベルト52を挟む部分から定着部6との間に設けられる。第3用紙センサーS3は、2次転写ローラー57を超えて用紙Pが搬送され、2次転写ローラー57を用紙Pが通過したかを検知するためのセンサーである。
【0056】
第4用紙センサーS4は、定着部6と第1搬送部3aから第2搬送部3b及び両面印刷用搬送部3cが分岐する位置の間に設けられる。第4用紙センサーS4は、定着部6に用紙Pが到達し、用紙Pが定着部6を通過したかを検知するためのセンサーである。
【0057】
第5用紙センサーS5は、定着部6と排出ローラー対34の間の第2搬送部3bに設けられる。第5用紙センサーS5は、排出ローラー対34に向けて用紙Pが正確に搬送されているかを検知するためのセンサーである。
【0058】
第6用紙センサーS6は、排出ローラー対34からみて用紙搬送方向の下流側の第2搬送部3bに設けられる。第6用紙センサーS6は、排出ローラー対34に用紙Pが到達し、排出トレイ35に用紙Pが正確に排出されたかを検知するためのセンサーである。
【0059】
図4に示すように、各用紙センサーS(第1用紙センサーS1〜第6用紙センサーS6)の出力は、エンジン制御部8に入力される。エンジン制御部8は、各用紙センサーSの出力を確認することで、各用紙センサーSの設置位置に用紙Pが存在しているか否か、到達したか、通過したかを認識することができる。
【0060】
次に、用紙位置の認識を説明する。まず、本実施形態のプリンター100では、エンジン制御部8は、レジストローラー対32に用紙Pが到達した時点では、レジストローラー対32を停止させておく。そして、エンジン制御部8は、レジストローラー対32に用紙Pを突き当てた状態で搬送ローラー対31を回転させ続け、用紙Pを撓ませて用紙Pの斜行を矯正した後、レジストローラー対32を回転させる。言い換えると、給紙ローラー22が1次的な給紙を行い、レジストローラー対32が2次的な給紙を行う。そこで、以下では、給紙部2からレジストローラー対32までの用紙位置の認識と、レジストローラー対32から下流側での用紙位置の認識を分けて説明する。
【0061】
(1)給紙部2からレジストローラー対32までの用紙位置の認識
まず、本実施形態のプリンター100では用紙搬送速度は決まっている。そこで、エンジン制御部8は、給紙ローラー22の回転を回転させてからの時間に用紙搬送速度を乗じて、用紙先端の位置を認識(算出)することができる。
【0062】
また、エンジン制御部8は、第1用紙センサーS1と第2用紙センサーS2を用いた用紙Pが到達したことの検知により、用紙Pの先端位置を認識することができる。そこで、第1用紙センサーS1や第2用紙センサーS2の設置位置での用紙Pの先端の到達を検知した時点から経過した時間に、用紙搬送速度を乗じて、第1用紙センサーS1や第2用紙センサーS2の設置位置からの用紙先端までの距離を求めることにより、用紙Pの先端の位置を認識できる。
【0063】
又、エンジン制御部8は、認識した用紙Pの先端の位置から用紙サイズ分だけ上流側に遡った位置を用紙Pの後端の位置と認識できる。また、エンジン制御部8は、第1用紙センサーS1や第2用紙センサーS2の設置位置での後端の通過を検知した時点からの経過時間に用紙搬送速度を乗じて、第1用紙センサーS1や第2用紙センサーS2の設置位置からの用紙Pの後端までの距離を求めることにより、用紙Pの後端の位置を認識できる。
【0064】
尚、給紙部2には、カセット21内の用紙Pのサイズを検知するための用紙サイズセンサーS7(
図4参照)が設けられる。本実施形態では、カセット21内の用紙後端を規制する用紙規制板21a(
図1参照)は、用紙サイズにあわせてスライド可能である。そして、用紙サイズセンサーS7は、用紙規制板21aの位置に応じて抵抗値が変化する可変抵抗を含み、用紙規制板21aの位置に応じて出力値が変化する。そして、エンジンメモリー82は、用紙サイズセンサーS7の出力値に対する用紙サイズを定義したデータを記憶する。エンジン制御部8は、用紙サイズセンサーS7の出力の大小とエンジンメモリー82のデータに基づき、用紙Pの搬送方向での用紙Pのサイズを検知する。尚、操作パネル1での用紙サイズの設定など、他の方法により給紙部2内の用紙サイズが定められてもよい。
【0065】
(2)レジストローラー対32から下流側での用紙位置の認識
レジストローラー対32の下流側では、エンジン制御部8は、レジストローラー対32の回転を回転させてからの時間に予め定められた用紙搬送速度を乗じて、用紙先端の位置を認識することができる。
【0066】
また、エンジン制御部8は、第3用紙センサーS3〜第6用紙センサーS6を用いた用紙Pの到達したことの検知により、各用紙センサーSの設置点での用紙Pの先端位置を認識することができる。そこで、レジストローラー対32よりも下流側の各用紙センサーS(第3用紙センサーS3〜第6用紙センサーS6)の設置位置に用紙Pの先端が到達したことを検知した時点から経過した時間に、用紙搬送速度を乗じて、用紙Pの先端の到達を検知した用紙センサーSの設置位置からの用紙Pの先端までの距離を求めることにより、用紙Pの先端の位置を認識できる。
【0067】
又、エンジン制御部8は、認識した用紙Pの先端の位置から用紙サイズ分だけ上流側に遡った位置を用紙Pの後端の位置と認識できる。また、エンジン制御部8は、各用紙センサーS(第3用紙センサーS3〜第6用紙センサーS6)の設置位置を用紙Pの後端が通過したことを検知した時点からの経過時間に用紙搬送速度を乗じて、各用紙センサーSの設置位置からの用紙Pの後端までの距離を求めることにより、用紙Pの後端の位置を認識できる。
【0068】
尚、給紙ローラー22の回転開始からの経過時間や、レジストローラー対32の回転開始からの経過時間や、各用紙センサーSの設置位置における用紙Pの到達したことの検知や用紙Pの通過したことの検知からの時間を計時するための計時部83がエンジン制御部8に設けられる。
【0069】
ここで、上記の例では、用紙Pの先端位置や後端位置は、長さとして求める例を示している。これらの位置は、給紙開始やセンサーを用いて検知してからの時間に、予め定められた用紙搬送速度を乗ずることで得られている。そのため、用紙Pの先端位置や後端位置は、給紙ローラー22やレジストローラー対32の回転開始からの時間や、各用紙センサーSの設置位置での用紙Pの到達や用紙Pの通過からの時間として求められても良い。
【0070】
続いて、用紙搬送中でのジャムの検知について説明する。
【0071】
エンジン制御部8は、印刷中、各用紙センサーSの出力を確認することで、用紙Pのジャム(詰まり)が発生したことを認識できる。具体的に、用紙搬送速度は予め決まっている。又、各用紙センサーSの設置位置は固定であり、給紙部2から各用紙センサーSまでの距離や、各用紙センサーSの間の距離は決まっている。そのため、エンジン制御部8は、用紙搬送速度や、用紙サイズや、給紙部2に載置された用紙Pの先端から第1用紙センサーS1と第2用紙センサーS2までの距離や、レジストローラー対32から各用紙センサーS(第3用紙センサーS3〜第6用紙センサーS6)までの距離や、各センサー間の距離に基づき、用紙Pの到達を検知すべき時間帯なのに用紙Pの到達(存在)を検知できないときや、用紙Pの通過を検知すべき時間帯なのに用紙Pの通過を検知できず、用紙Pの存在を検知し続けているときジャムが発生したと認識する。尚、時間帯は、用紙Pの理想的な到達時点や通過時点にマージンを持たせたもので、用紙Pの搬送の進みと遅れの許容範囲を示す。
【0072】
エンジン制御部8がジャムの発生を検知するためのジャム検知用データD1は、エンジンメモリー82に記憶されている。エンジン制御部8は、エンジンメモリー82に記憶されたデータに基づき、ジャムの発生を認識、検知する。
【0073】
ジャム検知用データD1では、用紙サイズに応じ、エンジン制御部8が、給紙開始やレジストローラー対32の回転開始から各用紙センサーS(第1用紙センサーS1〜第6用紙センサーS6)の設置位置に用紙Pが到達したことを検知すべき時間帯や、用紙Pが通過したことを検知すべき時間帯を定義したデータが格納されている。例えば、ジャム検知用データD1では、用紙サイズに応じて、用紙Pの給紙開始から第1用紙センサーS1の設置位置に用紙Pが到達したことや、通過したことを検知すべき時間帯や、レジストローラー対32の回転開始から第3用紙センサーS3の設置位置に用紙Pが到達したことや、通過したことを検知すべき時間帯が定められている。
【0074】
又、ある用紙センサーSの設置位置に用紙Pの到達したことの検知や通過したことの検知を起算点として、ジャムの発生を検知することもできる。この場合、ジャム検知用データD1では、ある用紙センサーSの設置位置に用紙Pが到達したことの検知や通過したことの検知のような予め定められた時点を起点とし、ある用紙センサーSの設置位置や、ある用紙センサーSの設置位置よりも下流側の用紙センサーSの設置位置における用紙Pの到達や通過を検知すべき時間帯を定義してもよい。例えば、ジャム検知用データD1には、第3用紙センサーS3の設置位置に用紙Pが到達したことの検知から、第3用紙センサーS3の設置位置を用紙Pが通過したことを検知すべき時間帯や、第4用紙センサーS4の設置位置に用紙Pの到達したことや、第4用紙センサーS4の設置位置を用紙Pが通過したことを検知すべき時間帯が定められる。
【0075】
そして、エンジン制御部8は、各用紙センサーS(第1用紙センサーS1から第6用紙センサーS6)の出力を監視する。用紙Pの到達を検知すべき時間帯に用紙Pの到達を検知できなかった用紙センサーSの設置位置や、用紙Pの通過を検知すべき時間帯に用紙Pの通過を検知できなかった用紙センサーSの設置位置があるとき、エンジン制御部8は、ジャムが発生したと判断する。言い換えると、エンジン制御部8は、ジャム発生を検知する。
【0076】
また、エンジン制御部8は、用紙Pの到達を検知すべき時間帯に用紙Pの到達を検知できなかった用紙センサーSの設置位置や、用紙Pの通過を検知すべき時間帯に用紙Pの通過を検知できなかった用紙センサーSの設置位置に基づき、用紙搬送部3のうち、どの位置でジャムが発生したかも判断できる。ある用紙センサーSを用いて用紙Pの通過を検知すべき時間帯を経過しても用紙Pの通過を検知できなかったとき、エンジン制御部8は、その用紙センサーSの設置箇所でジャムが発生したと判断する。また、エンジン制御部8は、用紙Pの到達を検知すべき時間帯を経過しても用紙Pの到達を検知できなかった用紙センサーSの設置位置の上流でジャムが発生したと判断する。
【0077】
(ジャム発生の検知の流れ)
次に、
図4、
図5を用いて、ジャム発生の検知の流れを説明する。
図5は、本発明の実施形態に係るジャム発生の検知の流れを示すフローチャートである。
【0078】
図5のスタートは、コンピューター200から印刷用データを受信し、主制御部7がエンジン制御部8に印刷指示を与え、エンジン制御部8が印刷制御を開始する時点である。
【0079】
尚、複数ページの印刷を行う印刷ジョブや、複数の印刷ジョブを連続して実行するとき、プリンター100の機内で複数枚の用紙Pが搬送される場合がある。言い換えると、給紙部2が一定の紙間を設けつつ、連続的に用紙Pの給紙を行い、プリンター100内の搬送部分が複数枚の用紙Pを搬送する場合がある。このような連続印刷のとき、それぞれの用紙Pについて、
図5のフローチャートに示すジャム発生の検知が実行される。言い換えると、連続印刷のとき、
図5のフローチャートの処理が各用紙Pに対し、並行して実行される。
【0080】
まず、エンジン制御部8は、給紙部2に給紙を開始させる(ステップ♯1)。そして、エンジン制御部8は、用紙Pの搬送を行う部分(印刷エンジン部9)に用紙Pを搬送させる(ステップ♯2)。言い換える、エンジン制御部8は、印刷エンジン部9に含まれる各モーター(給紙モーター2m、第1搬送モーター3am、メインモーター4m、中間転写モーター5m、定着モーター6m、第2搬送モーター3bm、両面搬送モーター3cm)のうち、用紙Pの搬送に必要なモーターを回転させる。
【0081】
そして、エンジン制御部8は、各用紙センサーSの出力を確認し、給紙され、搬送中の用紙Pにジャムが発生したか否かを確認する(ステップ♯3)。このジャムが発生したか否かの確認、検知は、数十ミリ秒ごとのように、予め定められた周期で実行される。
【0082】
もし、ジャム発生を検知しないとき(ステップ♯3のNo)、エンジン制御部8は、第6用紙センサーS6の出力に基づき、用紙Pが排出トレイ35に排出されたか否かを確認する(ステップ♯4)。言い換えると、エンジン制御部8は、目的とする用紙Pについてジャムの発生を検知する必要が無くなった否かを確認する。
【0083】
用紙Pが排出トレイ35に排出されたとき(ステップ♯4のYes)、本フローは終了する。一方、用紙Pが排出トレイ35に排出されていないとき(ステップ♯4のNo)、フローは、ステップ♯2に戻る。
【0084】
又、ジャム発生を検知したとき(ステップ♯3のNo)、エンジン制御部8は、用紙Pの搬送のような印刷動作を停止させる(ステップ♯5)。具体的には、エンジン制御部8は、各モーターを停止させて用紙Pの搬送を停止させ、画像形成部4を制御してトナー像形成を停止させる。又、エンジン制御部8は、画像形成部4や中間転写部5や2次転写ローラー57での電圧印加を停止させ、ヒーター61への通電を停止させる。
【0085】
更に、エンジン制御部8は、ジャム発生により搬送を停止させた用紙Pの先端と後端の位置を求める(ステップ♯6)。複数枚の用紙Pが搬送中であれば、エンジン制御部8は、それぞれの用紙Pの位置を認識する。
【0086】
そして、エンジン制御部8は、定着部6の位置と、用紙Pの先端と後端の位置と、用紙サイズに基づき、定着部6に用紙Pが挟まっているかを確認する(ステップ♯7)。言い換えると、エンジン制御部8は、ジャム停止により用紙Pの搬送を停止したとき、定着ニップ部N1にニップされている用紙P(定着停止用紙P0)があるか否かを判断する。
【0087】
エンジン制御部8は、用紙Pの先端位置と後端位置を認識している。また、定着ニップ部N1の位置は決まっている。具体的に、定着ニップ部N1は、レジストローラー対32からの距離や、第3用紙センサーS3からの距離が決まっている。そのため、エンジン制御部8は、ジャムを検知して用紙Pの搬送を停止させたとき、用紙Pの先端位置と後端位置の間に定着ニップ部N1があるか否かにより、定着部6に用紙Pが挟まっているか否かを判断することができる。
【0088】
もし、定着停止用紙P0が無ければ(ステップ♯7のNo)、ジャムが発生した旨を操作パネル1の表示部12に表示させる(ステップ♯8)。このとき、エンジン制御部8は、ジャムが発生したと判断した箇所を表示部12に表示させてもよい。言い換えると、エンジン制御部8は、ジャムが発生した可能性がある箇所を表示部12に表示させてもよい。また、エンジン制御部8は、用紙Pの搬送が停止した状態での各用紙センサーSの出力を確認することにより、用紙Pが残留している箇所(用紙Pが存在している箇所)もあわせて表示部12に表示させてもよい。そして、使用者によるジャム処理作業に移行することになる。
【0089】
次に、使用者によるジャム処理作業について、説明しておく。
【0090】
ジャムが生じたとき、用紙搬送部3の用紙搬送経路に残る用紙Pを除去する必要がある。用紙Pを除去できるように、本実施形態のプリンター100では、正面カバーC1(
図1に破線で図示)や、プリンター100の右側面に設けられた側面カバーC2を開けることができる。正面カバーC1や側面カバーC2を開け、プリンター100内の用紙搬送経路を露出させることができる。また、給紙部2のカセット21は、取り外し可能である。そのため、給紙部2近傍で用紙Pが詰まったとき、カセット21を取り外し、詰まった用紙Pを除去することができる。
【0091】
図4に示すように、正面カバーC1の開閉を検知するため、正面カバーセンサーS8が設けられる(
図4参照)。エンジン制御部8は、正面カバーセンサーS8の出力に基づき、正面カバーC1の開閉を検知できる。また、側面カバーC2の開閉を検知するため、側面カバーセンサーS9(
図4参照)が設けられる。エンジン制御部8は、側面カバーセンサーS9の出力に基づき、側面カバーC2の開閉を検知できる。又、カセット21が取り付けられているか否かを検知するため、カセットセンサーS10(
図4参照)が設けられる。エンジン制御部8は、カセットセンサーS10の出力に基づき、カセット21の取り外し、取り付けを検知できる。
【0092】
そこで、エンジン制御部8は、これらのセンサーの出力に基づき、ジャムを検知した後に、各カバーが開けられたことやカセット21が取り外されたことを検知する。そして、エンジン制御部8は、各カバーが閉じられ、カセット21が取り付けられ、各用紙センサーSのいずれもが「用紙無し」を検知し、ジャム発生による停止によって用紙搬送経路に残る用紙Pの全てが除去されたと認められた後、印刷エンジン部9にジャムにより排出トレイ35に排出されなかったページからの印刷を行わせて、印刷エンジン部9に印刷を再開させる。
【0093】
(ジャム発生時での定着部6での搬送)
次に、
図6〜
図8を用いて、第1の実施形態に係るプリンター100でのジャム発生時での定着部6での用紙Pの搬送について説明する。
図6は、第1の実施形態でのジャム発生時での定着部6での用紙Pの搬送処理を示す図である。
図7は、第1の実施形態に係るジャム発生時での定着部6での用紙Pの搬送処理を説明するための図である。
図8は、第1の実施形態に係るジャム発生時での定着部6での用紙Pの搬送処理を説明するためのフローチャートである。
【0094】
上述のように、本実施形態のプリンター100では、エンジン制御部8は、ジャムの発生を検知する。そして、ジャムが発生したとき、エンジン制御部8は、用紙Pの搬送やトナー像形成を印刷エンジン部9に停止させる。
【0095】
しかし、定着ニップ部N1(加熱ローラー62と加圧ローラー63のニップ)に用紙Pが接している(挟まれている)状態で停止すると、定着ニップ部N1に挟まった用紙Pは除去しづらい、無理に定着ニップ部N1に挟まった用紙Pを取り出そうとすると、定着部6の部材が破損する、定着ニップ部N1に挟まった用紙Pを取り出すとき、用紙Pが破れて用紙Pの一部が取り出せなくなる、画質の低下が生ずる、といった様々な問題が生じ得る。
【0096】
そこで、本実施形態のプリンター100では、ジャム発生により用紙Pの搬送を停止するジャム停止時、定着ニップ部N1に用紙Pが挟まれていると、エンジン制御部8は、定着モーター6mを回転させ、加熱ローラー62と加圧ローラー63を回転させて、定着ニップ部N1から用紙Pを離すように用紙Pの搬送を行わせる。
【0097】
このとき、本実施形態のプリンター100では、できるだけ、ジャム停止時に定着ニップ部N1に挟まれる用紙P(定着停止用紙P0)を、他の停止中の用紙Pとぶつからないように搬送する。又、ぶつかるとしても、その程度をできるだけ少なくするようにする。
【0098】
図8を用いて、ジャム発生時での定着部6での搬送を説明する。
図8のスタートは、ジャム発生により、エンジン制御部8が用紙Pの搬送を停止させ、定着ニップ部N1に用紙Pが挟まった状態となった時点である。ジャム停止時に、定着ニップ部N1が紙間であれば、
図8に係る処理は不要であり、エンジン制御部8は、ジャム発生時での定着部6での用紙Pの搬送は行わせない。
【0099】
まず、エンジン制御部8は、定着ニップ位置N0が、定着停止用紙P0の用紙搬送方向の長さの1/2よりも先端側にあるか否かを確認する(ステップ♯11)。
【0100】
まず、定着ニップ位置N0は予め定められる。定着ニップ位置N0は、加熱ローラー62と加圧ローラー63が圧接してニップしている範囲内で定められる。本実施形態のプリンター100では、定着ニップ位置N0は、加熱ローラー62と回転軸の中心と加圧ローラー63の回転軸の中心を結んだラインと、加熱ローラー62と加圧ローラー63が接している部分が交わる位置とされる。あるいは、定着ニップ位置N0は、加熱ローラー62と加圧ローラー63がニップしている用紙搬送方向の幅の中央の位置としてもよい。
【0101】
加熱ローラー62と加圧ローラー63の位置は一定なので、定着ニップ位置N0も一定である。定着ニップ位置N0を示すデータは、エンジンメモリー82に記憶される。
【0102】
エンジン制御部8は、ジャム停止時の各用紙Pの先端や後端の位置を認識している。又、定着ニップ位置N0も予め定められている。そこで、エンジン制御部8は、定着停止用紙P0の先端位置と定着ニップ位置N0の距離が、定着停止用紙P0の用紙搬送方向のサイズの1/2の長さよりも短ければ、定着ニップ位置N0が、定着停止用紙P0の搬送方向の長さの1/2よりも先端側にあると判断する。一方、エンジン制御部8は、定着停止用紙P0の先端位置と定着ニップ位置N0の距離が、定着停止用紙P0の用紙搬送方向のサイズの1/2よりも長ければ、定着ニップ位置N0が、定着停止用紙P0の搬送方向の長さの1/2よりも後端側にあると判断する。
【0103】
そして、
図6、
図7は、ジャム発生により、用紙Pの搬送が停止したときの定着停止用紙P0の状態を示している。具体的に、
図6、
図7では、定着停止用紙P0を実線で、定着ニップ位置N0を破線で、定着停止用紙P0の搬送方向での中央を2点鎖線で示している。
【0104】
具体的に、
図6は、定着ニップ位置N0が定着停止用紙P0の用紙搬送方向の先端側半分にある場合を示す。この場合、定着ニップ位置N0と定着停止用紙P0の先端との距離L1は、定着ニップ位置N0と定着停止用紙P0の後端との距離L2よりも短い。そのため、定着停止用紙P0を定着ニップ部N1から離すために必要な搬送距離は、用紙搬送方向の上流側に定着停止用紙P0を搬送した方が、下流側に定着停止用紙P0を搬送するよりも短くて済む。
【0105】
そこで、定着ニップ位置N0が、定着停止用紙P0の用紙搬送方向の長さの1/2よりも先端側にあるとき(ステップ♯11のYes)、エンジン制御部8は、定着モーター6mを逆回転させ、定着停止用紙P0が定着ニップ部N1から外れるような搬送量だけ定着停止用紙P0を用紙搬送方向上流側に搬送させる(ステップ♯12)。
【0106】
一方、
図7は、定着ニップ位置N0が定着停止用紙P0の用紙搬送方向の後端側半分にある場合を示す。この場合、定着ニップ位置N0と用紙先端との距離L1は、定着ニップ位置N0と用紙後端との距離L2よりも長い。そのため、定着停止用紙P0を定着ニップ部N1から離すために必要な搬送距離は、用紙搬送方向の下流側に定着停止用紙P0を搬送した方が、上流側に定着停止用紙P0を搬送するよりも短くて済む。
【0107】
そこで、定着ニップ位置N0が、定着停止用紙P0の用紙搬送方向の長さの1/2よりも先端側にないとき(ステップ♯11のNo)、エンジン制御部8は、定着モーター6mを正回転させ、定着停止用紙P0が定着ニップ部N1から外れるような搬送量だけ定着停止用紙P0を用紙搬送方向の下流側に搬送させる(ステップ♯13)。
【0108】
ステップ♯12とステップ♯13の結果、定着ニップ部N1から定着停止用紙P0が離れる(ステップ♯14)。その後、エンジン制御部8は、定着モーター6mの回転を停止させる(ステップ♯15)。また、エンジン制御部8は、ジャムが発生した旨を操作パネル1の表示部12に表示させる(ステップ♯16)。そして、ジャム発生時での定着部6での搬送処理が完了する。
【0109】
このようにして、本実施形態の画像形成装置(プリンター100)は、装置内で用紙Pを搬送する搬送部(第1搬送部3a、第2搬送部3b、両面印刷用搬送部3c)と、トナー像を形成する画像形成部4と、形成されたトナー像を用紙Pに転写する転写部(中間転写部5)と、ヒーター61により熱せられる加熱回転体(加熱ローラー62)と加熱回転体に圧接する加圧回転体(加圧ローラー63)を備え、加熱回転体と加圧回転体のニップである定着ニップ部N1に用紙Pを通過させてトナー像の用紙Pへの定着を行う定着部6と、を含み、印刷を行う印刷エンジン部9と、用紙Pの搬送経路に複数設けられる用紙検知体(第1用紙センサーS1〜第6用紙センサーS6)と、印刷エンジン部9を制御し、用紙検知体の出力に基づきジャムの発生を検知し、ジャム発生を検知すると用紙Pの搬送を停止させるジャム停止を印刷エンジン部9に行わせる制御部(エンジン制御部8)と、を含み、制御部は、用紙検知体の出力に基づき、ジャム停止時に定着ニップ部N1にニップされている用紙Pである定着停止用紙P0について、定着停止用紙P0での定着ニップ部N1の位置である定着ニップ位置N0を定め、定着ニップ位置N0が定着停止用紙P0の用紙搬送方向の先端側半分の位置にあるとき、定着モーター6mを逆回転させて定着ニップ部N1から離れるように用紙搬送方向上流側に定着停止用紙P0を搬送させ、定着ニップ位置N0が定着停止用紙P0の用紙搬送方向の後端側半分の位置にあるとき、定着モーター6mを正回転させて定着ニップ部N1から離れるように定着停止用紙P0を用紙搬送方向下流側に搬送させる。
【0110】
これにより、定着ニップ部N1から離す(外す)までの用紙Pの搬送距離が短い方向に定着部6の各回転体を回転させることができる。そして、定着ニップ部N1から用紙Pが離れるまでの搬送距離をできるだけ短くするので、定着ニップ部N1から離すために用紙Pを搬送しても、定着停止用紙P0の上流側(後続)、又は、下流側(先行)の用紙Pにぶつかることを避けることができる。あるいは、ぶつかるとしても、下流側の用紙Pの後端を超えて搬送する量、又は、上流側の用紙Pの先端を超えて搬送する量を極力抑えることができる。従って、ジャム発生による停止時に、用紙Pを定着ニップ部N1から離すように搬送しても、用紙搬送経路から用紙Pを除去しづらくさせるような弊害は生じない。
【0111】
また、ジャム発生により用紙Pの搬送を停止させるとき、自動的に定着部6の回転体に用紙Pが挟まっていない状態となるので、ジャム処理のとき、使用者は容易に用紙搬送経路に残る用紙Pを除去できる。また、用紙P除去のため、定着部6の回転体に挟まる用紙Pを強引に引き出すことによる定着部6の部材の破損が生ずることもない。また、オフセットのような画質の低下も生じない。
【0112】
又、本実施形態の画像形成装置(プリンター100)は、使用者にメッセージを報知する報知部(操作パネル1)を含み、制御部(エンジン制御部8)は、定着ニップ部N1から離れるように定着停止用紙P0の搬送を行ったのちにジャムが生じた旨を報知部に報知させる。これにより、ジャムにより用紙Pの搬送が停止したとき、定着ニップ部N1に用紙Pが無い状態となった状態でジャム処理を開始することができる。
【0113】
(第2の実施形態)
次に、
図9、
図10を用いて第2の実施形態を説明する。
図9は、第2の実施形態に係るジャム発生時での定着部6での搬送処理を説明するための図である。
図10は、第2の実施形態に係るジャム発生時での定着部6での搬送処理を示すフローチャートである。
【0114】
第2の実施形態は、第1の実施形態と、ジャム発生時の定着停止用紙P0の搬送の手法が異なる。しかし、第2の実施形態は、プリンター100の構成や、用紙Pの先端や後端の認識や、ジャム発生の検知など、ジャム発生時の定着停止用紙P0の搬送の手法以外の点は第1の実施形態と同じでよく、第1の実施形態の説明を援用できる。そこで、第2の実施形態については、第1の実施形態と異なる点のみを説明し、特に説明する場合を除き、共通する部分については説明、図示を省略する。
【0115】
第1の実施形態では、用紙Pの先端や用紙Pの後端からの定着ニップ位置N0までの距離に応じて、用紙搬送方向の上流側、又は、下流側に定着停止用紙P0を搬送して、定着停止用紙P0を定着ニップ部N1から離していた。
【0116】
第2の実施形態では、定着停止用紙P0と定着停止用紙P0に先行する用紙Pとの紙間や、定着停止用紙P0と定着停止用紙P0に後続する用紙Pとの紙間を考慮し、定着停止用紙P0の搬送方向を定める点で第1の実施形態と異なる。
【0117】
まず、
図9を用いて、用紙P間の紙間について説明する。
【0118】
複数枚の用紙Pに連続して印刷を行う連続印刷のとき、エンジン制御部8は、一定の紙間(予め定められた紙間)を設けつつ、用紙Pの給紙、搬送を行わせる。そのため、連続印刷の時、エンジン制御部8は、先行する用紙Pとの紙間が予め定められた紙間分開くと(予め定められた時間が経過すると)、給紙ローラー22やレジストローラー対32に給紙を開始させる。
【0119】
図9(a)は、連続印刷で、通常の紙間で用紙Pが搬送されている状態を示している。
図9(a)は、各用紙P間の紙間が予め定められた仕様上の紙間B1であり、理想的に用紙Pが搬送されている状態を示している。
【0120】
しかし、実際の印刷では、紙間は、予め定められた紙間B1よりもずれる場合がある。例えば、給紙ローラー22やレジストローラー対32などでスリップが生ずると、給紙、搬送が遅れ、スリップが生じた用紙Pと、これに先行する用紙Pの紙間は開く。
【0121】
また、本実施形態のプリンター100では、画質を維持するため、エンジン制御部8は、連続印刷中でも画質を維持するための処理を画像形成部4や中間転写部5に実行させる場合がある。
【0122】
本実施形態のプリンター100では、エンジン制御部8は、印刷ジョブ実行中(連続印刷中)でも、トナー像の形成を停止して、現像装置で用いられるトナーをリフレッシュする場合がある。リフレッシュ処理は、現像装置内のトナーを担持する現像ローラー44a(
図2参照)から全てのトナーを一旦回収し、再度、現像ローラー44aにトナーの薄層を形成する処理である。リフレッシュ処理は、一定枚数印刷されるごとに、あるいは、連続印刷枚数が所定値を超えると行われる。
【0123】
あるいは、一定枚数印刷されるごとに、あるいは、連続印刷枚数が所定値を超えると、印刷ジョブ実行中でも、中間転写ベルト52でのトナー像の1次転写位置や濃度のずれを調整する処理が行われてもよい。この場合、エンジン制御部8は、画像形成部4にテスト用画像を形成させ、中間転写ベルト52上にテスト用の画像を転写させ、濃度センサー(不図示)でテスト用画像を読み取り、1次転写位置や濃度のずれを調整する処理を行う。
【0124】
これらのような連続印刷中での画質維持処理では、用紙Pに転写するトナー像形成は停止される。そのため、エンジン制御部8は、給紙ローラー22やレジストローラー対32からの用紙Pの搬送を待たせる。このように、本実施形態のプリンター100では、あえて、紙間を予め定められた紙間B1よりも広げる場合もある。
【0125】
そして、
図9(b)は、定着停止用紙P0と定着停止用紙P0に後続する用紙P(上流側用紙Pb)との上流側紙間B2が広くなっている状態を示している。尚、
図9(a)〜(c)では、3つの用紙Pのうち、中央の用紙Pが定着停止用紙P0を示している。又、
図9(b)、(c)では、破線で定着ニップ位置N0を示している。
【0126】
図9(b)に示すように、上流側紙間B2が、定着停止用紙P0の先端から定着ニップ位置N0までの距離L1以上であれば(B2≧L1)、定着ニップ部N1から外れるまで定着停止用紙P0を用紙搬送方向の上流側に搬送しても、用紙同士がぶつからない。また、定着ニップ位置N0が、定着停止用紙P0の用紙搬送方向の先端側半分の位置であろうが、用紙搬送方向の後端側半分の位置であろうが、用紙同士はぶつからない。
【0127】
図9(c)は、定着停止用紙P0と、定着停止用紙P0に先行する用紙P(下流側用紙Pf)との下流側紙間B3が広くなっている状態を示している。
図9(c)に示すように、下流側紙間B3が、定着ニップ位置N0と定着停止用紙P0の後端との距離L2以上であれば(B3≧L2)、定着ニップ部N1から外れるまで定着停止用紙P0を用紙搬送方向の下流側に搬送しても、用紙同士がぶつからない。また、定着ニップ位置N0が、定着停止用紙P0の用紙搬送方向の先端側半分の位置であろうが、用紙搬送方向の後端側半分の位置であろうが、用紙同士はぶつからない。
【0128】
そこで、本実施形態のプリンター100は、定着停止用紙P0と、定着停止用紙P0に前後する用紙Pとの紙間を考慮して、ジャム停止時の定着停止用紙P0の搬送方向を定める。
【0129】
次に、
図10を用いて、第2の実施形態でのジャム発生時での定着部6での搬送を説明する。
図10のスタートは、ジャム発生により、エンジン制御部8が用紙Pの搬送を停止させ、定着ニップ部N1に用紙Pが挟まった状態となった時点である。
【0130】
まず、エンジン制御部8は、上流側紙間B2と下流側紙間B3を求める(ステップ♯21)。具体的には、エンジン制御部8は、定着停止用紙P0の後端位置から上流側用紙Pbの先端位置までの紙間(距離)である上流側紙間B2を求める。又、エンジン制御部8は、定着停止用紙P0の先端位置から下流側用紙Pfの後端位置までの紙間(距離)である下流側紙間B3を求める。
【0131】
次に、エンジン制御部8は、上流側紙間B2が定着停止用紙P0の先端から定着ニップ位置N0までの距離L1以上であるか否かを確認する(ステップ♯22)。もし、上流側紙間B2が定着停止用紙P0の先端から定着ニップ位置N0までの距離L1以上であるとき(ステップ♯22のYes)、エンジン制御部8は、定着モーター6mを逆回転させ、定着停止用紙P0が定着ニップ部N1から外れるような量だけ、用紙搬送方向の上流側に搬送する(ステップ♯23)。
【0132】
反対に、上流側紙間B2が定着停止用紙P0の先端から定着ニップ位置N0までの距離L1未満であるとき(ステップ♯22のNo)、エンジン制御部8は、下流側紙間B3が定着停止用紙P0の後端から定着ニップ位置N0までの距離L2以上であるか否かを確認する(ステップ♯24)。もし、下流側紙間B3が定着停止用紙P0の後端から定着ニップ位置N0までの距離L2以上であるとき(ステップ♯24のYes)、エンジン制御部8は、定着モーター6mを正回転させ、定着停止用紙P0が定着ニップ部N1から外れるような量だけ定着停止用紙P0を用紙搬送方向の下流側に搬送する(ステップ♯25)。
【0133】
下流側紙間B3が定着停止用紙P0の後端から定着ニップ位置N0までの距離L2未満であるとき(ステップ♯24のNo)、第1の実施形態で説明したジャム発生時での定着部6での搬送を行う。本実施形態でのステップ♯26〜ステップ♯28は、第1の実施形態(
図8)でのステップ♯11〜ステップ♯13と同様であるので、説明を援用するものとして、説明を省略する。
【0134】
ステップ♯23と、ステップ♯25と、ステップ♯27と、ステップ♯28の結果、定着ニップ部N1から定着停止用紙P0が離れる(ステップ♯29)。その後、エンジン制御部8は、定着モーター6mの回転を停止させる(ステップ♯210)。また、エンジン制御部8は、ジャムが発生した旨を操作パネル1の表示部12に表示させる(ステップ♯211)。そして、ジャム発生時での定着部6での搬送処理が完了する。
【0135】
このようにして、本実施形態の画像形成装置(プリンター100)では、制御部(エンジン制御部8)は、用紙検知体(第1用紙センサーS1〜第6用紙センサーS6)の出力に基づき、定着停止用紙P0と定着停止用紙P0よりも用紙搬送方向上流側の用紙Pとの紙間である上流側紙間B2を求め、上流側紙間B2がジャム停止時での定着ニップ位置N0から定着停止用紙P0の先端までの距離以上であるとき、定着ニップ位置N0が定着停止用紙P0の用紙搬送方向の後端側半分の位置にあっても、定着モーター6mを逆回転させて定着ニップ部N1から離れるように定着停止用紙P0を用紙搬送方向上流側に搬送させる。これにより、第1の実施形態で得られる効果とともに、定着停止用紙P0を他の用紙Pと確実にぶつからない方向に搬送することができる。従って、用紙Pと用紙Pがぶつかって、用紙Pが取り出し難くなるような弊害は生じない。
【0136】
又、制御部(エンジン制御部8)は、用紙検知体(第1用紙センサーS1〜第6用紙センサーS6)の出力に基づき、定着停止用紙P0と定着停止用紙P0よりも用紙搬送方向下流側の用紙Pとの紙間である下流側紙間B3を求め、下流側紙間B3がジャム停止時での定着ニップ位置N0から定着停止用紙P0の後端までの距離以上であるとき、定着ニップ位置N0が定着停止用紙P0の用紙搬送方向の先端側半分の位置にあっても、定着モーター6mを正回転させて定着ニップ部N1から離れるように定着停止用紙P0を用紙搬送方向下流側に搬送させる。この場合にも、第1の実施形態で得られる効果とともに、定着停止用紙P0を他の用紙Pと確実にぶつからない方向に搬送することができる。従って、用紙Pと用紙Pがぶつかって、用紙Pが取り出し難くなるような弊害は生じない。
【0137】
次に、他の実施形態を説明する。上記の実施形態では、定着ニップ位置N0が用紙Pの用紙搬送方向の先端側半分にあるか否か、及び、定着停止用紙P0と他の用紙Pの紙間に基づき、定着停止用紙P0の搬送方向を定めていた。しかし、定着部6よりも上流側でジャムが発生したとき、定着部6よりも下流側で用紙Pの搬送を阻害する要因がない、若しくは少なく、定着停止用紙P0の定着も行えるため、定着停止用紙P0を下流側に搬送してもよい。
【0138】
この場合、エンジン制御部8は、各用紙センサーSの出力に基づき、ジャムが発生した箇所を判断する。判断した結果、ジャムの発生箇所が定着部6よりも上流側であるとき、エンジン制御部8は、常に、定着モーター6mを正回転させて定着停止用紙P0を用紙搬送方向下流側に搬送させる。この場合、ジャムが定着部6よりも下流側で生じた場合に限り、定着停止用紙P0のうち定着ニップ位置N0が用紙搬送方向の先端側半分にあるか否かや、上流側用紙Pbや下流側用紙Pfとの紙間に応じて、定着停止用紙P0の搬送方向が定める。
【0139】
即ち、制御部(エンジン制御部8)は、用紙検知体(第1用紙センサーS1〜第6用紙センサーS6)の出力に基づき、ジャムが発生した箇所を認識し、ジャムの発生箇所が定着部6よりも上流側であるとき、定着ニップ位置N0が定着停止用紙P0の用紙搬送方向の先端側半分の位置にある場合と、上流側紙間B2がジャム停止時での定着ニップ位置N0から定着停止用紙P0の先端までの距離以上である場合の何れか、又は、両方の場合でも、定着モーター6mを正回転させて定着ニップ部N1から離れるように定着停止用紙P0を用紙搬送方向下流側に搬送させる。
【0140】
ジャムが定着部6よりも用紙搬送方向上流側で発生したのであれば、定着停止用紙P0を用紙搬送方向下流側に搬送しても、ジャム発生箇所に、更に用紙Pが突っ込むことはない。そして、この構成によれば、ジャムがひどくならず、ジャム処理のとき用紙搬送経路から用紙Pを取り出しにくくならないように、定着停止用紙P0を搬送して、定着ニップ部N1から離すことができる。
【0141】
以上、本発明の実施形態につき説明したが、本発明の範囲はこれに限定されるものではなく、発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えて実施することができる。