特許第5836319号(P5836319)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5836319
(24)【登録日】2015年11月13日
(45)【発行日】2015年12月24日
(54)【発明の名称】画像形成システム
(51)【国際特許分類】
   G06F 17/30 20060101AFI20151203BHJP
【FI】
   G06F17/30 170B
   G06F17/30 220B
【請求項の数】3
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2013-114872(P2013-114872)
(22)【出願日】2013年5月31日
(65)【公開番号】特開2014-235467(P2014-235467A)
(43)【公開日】2014年12月15日
【審査請求日】2015年3月18日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラドキュメントソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100064908
【弁理士】
【氏名又は名称】志賀 正武
(74)【代理人】
【識別番号】100134544
【弁理士】
【氏名又は名称】森 隆一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100167553
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 久典
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 正興
【審査官】 早川 学
(56)【参考文献】
【文献】 特開2004−220420(JP,A)
【文献】 特開2006−107289(JP,A)
【文献】 特開2007−047962(JP,A)
【文献】 特開2001−268490(JP,A)
【文献】 特開2006−142505(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 17/30
G06T 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像データに基づいて印刷用紙に画像を形成する画像形成手段と、
前記画像データを生成する画像データ生成手段と、
前記画像データを生成する場所に関連する位置情報を取得する位置情報取得手段と、
前記生成した前記画像データに、前記取得した前記位置情報を付加する位置情報付加手段と、を有する、画像形成システムであって、
前記位置情報取得手段に対し、前記画像データを生成した場所とは別に、前記位置情報を取得する場所を指示する第1の指示手段と、
前記位置情報を付加した前記画像データ、及び、前記第1の指示手段により前記位置情報取得手段が取得した位置情報のみの位置データを記憶する記憶手段と、
前記記憶した前記画像データに付加された位置情報及び前記位置データの位置情報をリスト表示するリスト表示手段と、
前記位置情報付加手段に対し、前記位置情報取得手段が取得した現在の位置情報、及び、前記リスト表示された前記位置データの位置情報のうちから、前記生成した前記画像データに付加する一の前記位置情報を指示する第2の指示手段と、を有する、ことを特徴とする画像形成システム。
【請求項2】
前記画像データ生成手段は、携帯端末である、ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成システム。
【請求項3】
前記画像データは、文書画像データである、ことを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年の情報技術の発展により、携帯電話やタッチパネル式のタブレット装置、その他の携帯端末が、一般ユーザーに普及してきている。これら携帯端末は、画像を表示する液晶画面等の表示部を備えており、ユーザーは、表示部に表示された画像から所望の情報を入手したり、また、付属のボタンを操作して、所定のテキストファイルやプログラム等を編集したりすることができるようになっている。
【0003】
このような携帯端末の一つとして、下記特許文献1には、建物や地点の構造物に貼り付けるラベルを印刷することができる携帯プリンターが開示されている。この携帯プリンターは、GPSユニットを搭載しており、GPSユニットから取得した位置情報を、印刷出力すべき必要な文字列情報に変換し、それをレイアウト情報に基づいて合成して印刷情報を生成し、その生成した印刷情報をラベル表面に印刷できるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−296833号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、携帯端末で入手または編集した情報を、後で自宅や事務所等に置かれたプリンターから印刷物として出力させようとする場合に、クラウドプリント(モバイルプリント)を利用することがある。クラウドプリントは、携帯端末で生成した画像データを一旦サーバーに送信し、その後、自宅等に置かれたプリンターからそのサーバーにアクセスして、蓄積された画像データの中から印刷したい画像データを選択して印刷させるようにするものである。
しかしながら、サーバー上に多数の画像データが蓄積されている場合には、この多数の画像データの中から印刷したい画像データを探すのは手間がかかるという問題がある。
【0006】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、多数の画像データの中からユーザーが印刷したい画像データを探す手間を軽減することのできる画像形成システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するために、本発明は、画像データに基づいて印刷用紙に画像を形成する画像形成手段と、前記画像データを生成する画像データ生成手段と、前記画像データを生成する場所に関連する位置情報を取得する位置情報取得手段と、前記生成した前記画像データに、前記取得した前記位置情報を付加する位置情報付加手段と、前記位置情報を付加した前記画像データを記憶する記憶手段と、前記位置情報に基づいて、前記記憶した前記画像データを検索する画像データ検索手段と、前記検索した前記画像データを、前記画像形成手段が印刷する前記画像データの候補としてリスト表示するリスト表示手段と、を有する、画像形成システムを採用する。
【0008】
また、本発明では、前記位置情報取得手段に対し、前記位置情報を取得する場所を指示する第1の指示手段を有する、という構成を採用する。
【0009】
また、本発明では、前記位置情報取得手段は、前記位置情報として、前記指示がなされたときに前記画像データ生成手段が存在していた場所の情報を取得する、という構成を採用する。
【0010】
また、本発明では、前記第1の指示手段による指示が複数回なされ、前記位置情報取得手段が複数の前記位置情報を取得した場合に、前記位置情報付加手段に対し、複数の前記位置情報のうちから、前記生成した前記画像データに付加する一の前記位置情報を指示する第2の指示手段を有する、という構成を採用する。
【0011】
また、本発明では、前記画像データ生成手段は、携帯端末である、という構成を採用する。
【発明の効果】
【0012】
本発明では、画像形成手段から所望の画像データに基づく印刷物を出力する際に、記憶手段に記憶した多数の画像データの中から印刷したい所望の画像データを探す手段として、当該画像データを生成する場所に関連する位置情報を使用する。ユーザーは、過去に記憶手段に記憶した画像データ自体の詳細は忘れてしまっても、その画像データをどの場所で生成したかは覚えていることがある。したがって、ユーザーが、「過去にOOに行ったときに生成した画像データを探したい」といった場合に、その過去に行った位置情報を入力することで、その位置情報に紐付けられた画像データを簡単に印刷候補としてリスト表示することができる。
したがって、本発明によれば、多数の画像データの中からユーザーが印刷したい画像データを探す手間を軽減することのできる画像形成システムが得られる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の第1実施形態における画像形成システムの機能ブロック図である。
図2】本発明の第1実施形態における複合機の要部構成を示す正面透視図である。
図3】本発明の第1実施形態における画像形成システムの動作(クラウドプリントに関し、携帯端末において生成した画像データをサーバーに送信するまでの各種処理のシーケンス)を示すフローチャートである。
図4】本発明の第1実施形態における画像形成システムの動作(クラウドプリントに関し、複合機からサーバーにアクセスし、所望の画像データを印刷するまでの各種処理のシーケンス)を示すフローチャートである。
図5】本発明の第1実施形態におけるサーバーに記憶した画像データのリストの表示例を示す図である。
図6】本発明の第1実施形態における位置情報に基づいて絞り込んだ画像データのリストの表示例を示す図である。
図7】本発明の第2実施形態における画像形成システム100の動作(クラウドプリントに関し、携帯端末2において生成した画像データをサーバー3に送信するまでの各種処理のシーケンス(特に、外出先の位置情報のみを取得する処理のシーケンス))を示すフローチャートである。
図8】本発明の第2実施形態における画像形成システム100の動作(クラウドプリントに関し、携帯端末2において生成した画像データをサーバー3に送信するまでの各種処理のシーケンス)を示すフローチャートである。
図9】本発明の第2実施形態における画像データに付加する位置情報のリストの表示例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照しながら、本発明の一実施形態について説明する。なお、以下では、複合機と、携帯端末と、サーバーとが通信回線を介して相互接続された画像形成システムを例示する。
【0015】
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態における画像形成システム100の機能ブロック図である。また、図2は、本発明の第1実施形態における複合機1の要部構成を示す正面透視図である。
図1に示すように、本実施形態の画像形成システム100は、複合機1(画像形成手段、画像データ検索手段、リスト表示手段)と、携帯端末2(画像データ生成手段、位置情報取得手段、位置情報付加手段)と、サーバー3(記憶手段)と、複合機1と携帯端末2とサーバー3とを相互接続する通信回線4と、から構成されている。なお、通信回線4は、グローバルネットワークであってもローカルネットワークであってもよい。
【0016】
複合機1は、コピー、プリンター及びファクシミリ等の機能を併せ持つ画像形成装置であり、MFP(Multi-Function Peripherals)と称されるものである。この複合機1は、印刷部10と、原稿読取部20と、GUI(Graphical User Interface)30と、通信部40と、制御部50と、を備えている。
【0017】
印刷部10は、制御部50による制御の下、印刷用紙に画像を印刷して印刷物として出力するものであり、給紙部11、トナー画像形成部12、定着部13及び排紙トレイ14等を備えている。給紙部11は、定型の印刷用紙を複数枚(例えば、数百枚程度)収容可能であると共に、複合機1の正面から引出し可能な給紙カセット11aを複数備えている。給紙カセット11aの各々に収容された印刷用紙のうちの最上位の印刷用紙は、ピックアップローラー11bの駆動によって繰り出されてトナー画像形成部12へ搬送される。
【0018】
トナー画像形成部12は、印刷すべき画像に応じたトナー画像を印刷用紙に形成するものであり、感光体ドラム12a、露光部12b、現像部12c、転写部12d、帯電部12e等を備えている。感光体ドラム12aは、印刷すべき画像に応じた静電潜像が形成されると共に、現像されたトナー画像を担持する円筒形の感光体である。露光部12bは、感光体ドラム12aの表面に静電潜像を形成するためのレーザー光を感光体ドラム12aに照射する。
【0019】
現像部12cは、静電潜像が形成された感光体ドラム12aにトナーを供給することにより、静電潜像を現像してトナー画像にする。転写部12dは、感光体ドラム12aに担持されているトナー画像を、給紙部11から搬送されてきた印刷用紙に転写する。帯電部12eは、帯電ローラー等の接触帯電部材への電圧印加により、転写後の感光体ドラム12aの周面を再び帯電状態とさせ、露光部12bによる次の静電潜像の形成に備えさせる。
【0020】
定着部13は、トナー画像形成部12によって印刷用紙に転写(形成)されたトナー画像を加熱及び加圧して印刷用紙に定着させた後、当該定着処理後の印刷用紙を所望の画像が印刷された印刷物として排紙トレイ14へ排出(出力)する。排紙トレイ14は、定着部13から出力される印刷物を溜め置きするための部位であり、印刷部10の上部に設けられている。
【0021】
原稿読取部20は、制御部50による制御の下、ユーザーにセットされた原稿を読み取り、その原稿の画像(原稿画像)を示す原稿画像データを生成して制御部50に出力するものであり、ADF(自動原稿送り装置)21、キャリッジ22、原稿台23及び原稿読取スリット24等を備えている。ADF21は、読み取りを行うべき原稿を順次自動給紙する装置である。キャリッジ22は、露光ランプ及びCCD(Charge Coupled Device)センサー等を搭載しており、ADF21によって順次給紙される原稿、或いは原稿台23にセットされた原稿を読み取る。
【0022】
具体的に、原稿台23にセットされた原稿を読み取る場合には、キャリッジ22は、原稿台23の長手方向に移動しながらCCDセンサーにより原稿を読み取る。これに対し、ADF21から給紙される原稿を読み取る場合には、キャリッジ22は、原稿読取スリット24に対向する位置(原稿読取スリット24の下方の位置)において、ADF21から順次給紙される原稿を、原稿読取スリット24を介してCCDセンサーにより読み取る。
【0023】
GUI30は、ユーザーによる操作に応じた信号(操作信号)を制御部50に出力すると共に、制御部50による制御に応じて複合機1の状態を示す情報等の各種情報を表示するものであり、操作キー31及び操作表示部32を備えている。操作キー31は、コピースタートキー、コピーストップ/クリアキー、テンキー(数値入力キー)及び機能切替キー等のハードキーである。なお、機能切替キーとは、複合機1で実現されるコピー機能、プリント機能、スキャン機能及びファクシミリ機能の各々をユーザーが使用する場合に、各機能の動作モードへ複合機1を切り替える為のキーである。
【0024】
操作表示部32は、制御部50による制御の下、所定の画像を表示する表示部32aと、この表示部32aの表示画面上で為された操作に応じた操作信号を制御部50に出力する操作部32bとを備えている。なお、表示部32aは、例えば液晶パネル或いは有機ELパネルである。また、操作部32bは、例えば表示部32aの表示画面に対向配置されたタッチパネルであり、上記操作信号としてユーザーに押下された部位の座標を示す信号を出力する。
【0025】
通信部40は、外部機器と通信を行うものであり、ファクシミリ通信部41及びネットワークI/F部42を備える。ファクシミリ通信部41は、公衆電話回線に接続されて相手先ファクシミリとの間で通信を行う。ネットワークI/F部42は、通信回線4に接続されて、同じく通信回線4に接続された携帯端末2やサーバー3等の外部機器との間で通信を行う。
【0026】
制御部50は、GUI30から入力された操作信号、及び通信部40を介して外部機器から受信した信号に基づいて、複合機1の全体動作を統括制御する。この制御部50は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)並びに上記各構成機器と信号の入出力を行うインタフェース回路などから構成されている。
【0027】
携帯端末2は、GUI61と、通信部62と、カメラ部63と、記憶部64と、GPS(Global Positioning System)受信部65と、制御部66と、を備えている。本実施形態の携帯端末は、タッチパネル式のタブレット装置から構成されている。
GUI30は、ユーザーによる操作に応じた信号(操作信号)を制御部66に出力すると共に、制御部66による制御に応じて各種情報を表示するものであり、表示部61a及び操作部61bを備えている。
【0028】
表示部61aは、制御部66による制御の下、所定の画像を表示するものであり、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイ等から構成される。また、操作部61bは、表示部61aの表示画面上で為された操作に応じた操作信号を制御部66に出力するものであり、表示部61aの表示画面に対向配置されたタッチパネルである。この操作部61bは、操作信号としてユーザーに押下された部位の座標を示す信号を出力する。
【0029】
通信部62は、制御部66による制御の下に、通信回線4を介して外部装置と各種情報の送受信を行うものである。本実施形態の通信部62は、電波を用いて無線通信を行うようになっている。
カメラ部63は、GUI30の操作信号に基づいた制御部66による制御の下に、撮影対象を撮影するものであり、CCDイメージセンサーやCMOSイメージセンサーを用いるデジタルカメラからなる。
【0030】
記憶部64は、各種アプリケーションソフトウェアやシステムソフトウェア等を記憶している。また、この記憶部64は、複合機1において印刷するべき画像の画像データ(カメラ部63で撮影した写真データや、アプリケーションソフトウェアにより編集したテキストデータ等)を記憶している。
【0031】
GPS受信部65は、衛星からの信号を受け取り、携帯端末2の現在位置の位置情報を取得するものである。GPS受信部65は、制御部66による制御の下に、各種アプリケーションソフトウェア(例えばマップソフトウェア)と連係し、緯度や経度、具体的な住所や郵便番号等の位置情報を取得するようになっている。
【0032】
制御部66は、GUI61から入力された操作信号、及び通信部62を介して外部機器から受信した信号に基づいて、携帯端末2の全体動作を統括制御する。この制御部66は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)並びに上記各構成機器と信号の入出力を行うインタフェース回路などから構成されている。
【0033】
サーバー3は、所定のデータを記憶する記憶部71を有する。サーバー3は、本実施形態の画像形成システム100におけるクラウドプリントのストレージ機能を有する。すなわち、サーバー3は、携帯端末2からの要求に応じて、複合機1において印刷するべき画像データを記憶するようになっている。
【0034】
上記構成の画像形成システム100は、画像データに基づいて印刷用紙に画像を形成する複合機1を備え、携帯端末2において所定の画像データを生成し、その画像データを生成する場所に関連する位置情報をGPS受信部65によって取得し、その生成した画像データに、その取得した位置情報を付加してサーバー3に記憶させ、後日、複合機1を操作し、その位置情報に基づいて、記憶した画像データを検索し、その検索した画像データを、印刷候補としてGUI30にリスト表示するようになっている。
【0035】
このような画像形成システム100の動作について、以下具体的に説明する。
図3は、本発明の第1実施形態における画像形成システム100の動作(クラウドプリントに関し、携帯端末2において生成した画像データをサーバー3に送信するまでの各種処理のシーケンス)を示すフローチャートである。また、図4は、本発明の第1実施形態における画像形成システム100の動作(クラウドプリントに関し、複合機1からサーバー3にアクセスし、所望の画像データを印刷するまでの各種処理のシーケンス)を示すフローチャートである。
【0036】
なお、図3のフローチャートは、ユーザーが、外出先で携帯端末2を操作して所定の画像データを生成し、その画像データをサーバー3に送信するまでの処理のシーケンスを示している。また、図4のフローチャートは、ユーザーが、帰宅(帰社)してサーバー3上に記憶した多数の画像データの中から所望の画像データを選んで印刷するまでの処理のシーケンスを示している。
【0037】
図3に示すように、先ず、ステップS1では、携帯端末2による画像データの生成が行われる(画像データ生成手段)。
制御部66は、GUI61から入力される操作信号に基づいて、所定の画像データを生成する。例えば、制御部66は、GUI61から入力される操作信号に基づいてカメラ部63を起動させ、外出先の風景写真等の画像データを生成する。また、例えば、制御部66は、GUI61から入力される操作信号に基づいてテキスト編集アプリケーションソフトウェアを起動させ、外出先での会議の報告書等の画像データを生成する。
【0038】
次のステップS2では、携帯端末2による位置情報の取得が行われる(位置情報取得手段)。
制御部66は、GPS受信部65によって、画像データを生成する場所に関連する位置情報を取得する。具体的に、制御部66は、当該位置情報として、生成した画像データを記憶部64に保存するタイミングでGPS受信部65が受信した位置情報を取得する。
【0039】
次のステップS3では、携帯端末2による取得した位置情報の、生成した画像データへの付加が行われる(位置情報付加手段)。
制御部66は、生成した画像データに、ステップS2で取得した位置情報を付加し、記憶部64に記憶する。ここで画像データに付加する位置情報は、具体的な住所や郵便番号に落とし込んだ情報でも、緯度・経度といった位置情報であっても良い。例えば、データの容量が大きくなるのであれば、当該位置情報は、緯度・経度のような比較的容量の小さい座標データを付加することが好ましい。
【0040】
次のステップS4では、携帯端末2による位置情報が付加された画像データのサーバー3への送信が行われる(記憶手段)。
制御部66は、GUI61から入力される操作信号に基づいて、位置情報を付加した画像データをサーバー3に送信する。サーバー3は、携帯端末2からの要求に応じて、位置情報を付加した画像データを記憶部71に蓄積する。
以上が、外出先でのシーケンスとなる。以下では、帰宅(帰社)した後のシーケンスについて説明する。
【0041】
図4に示すように、先ず、ステップS11では、複合機1によるログイン(個人認証)が行われる。
制御部50は、GUI30から入力される操作信号に基づいて、ユーザーの個人認証を行う。個人認証は、予め個々のユーザー毎に登録しておいたIDと、GUI30を介して入力されるIDが一致しているか否かで判定する。
【0042】
次のステップS12では、複合機1によるサーバー3上のデータの確認が行われる。
制御部50は、ログイン情報に基づき、そのユーザーが過去にサーバー3上にデータを送信したかを確認する。サーバー3は、複合機1からの要求に応じて、記憶部71に記憶した画像データの蓄積情報を開示する。
【0043】
次のステップS13では、複合機1による画像データのリスト表示が行われる。
制御部50は、そのユーザーが過去にサーバー3に記憶した画像データを、図5に示すように、GUI30の表示部32aにリスト表示する。表示部32aには、検索欄81(後述)と、画像データのリスト82と、が表示される。リスト82には、チェック欄と、表示ナンバーの欄と、画像データの文書名の欄と、位置情報の欄とが設けられている。
【0044】
次のステップS14では、複合機1による画像データの選択が行われたか否かの判定が行われる。
制御部50は、GUI30から入力される操作信号に基づいて、印刷すべき画像データが選択されたか否かを検知する。具体的に、リスト82のチェック欄を押下すると、操作部32bによってその座標信号が制御部50に送信され、その欄にチェックが入り、印刷すべき画像データが選択される。
【0045】
ステップS14において、「YES」の場合、すなわち、サーバー3に蓄積された画像データの数が少なく、リスト82から所望の画像データを選択できた場合、ステップS17に移行し、複合機1において選択した画像データに基づく印刷用紙への画像形成が行われる(画像形成手段)。
一方、ステップS14において、「NO」の場合、すなわち、サーバー3に蓄積された画像データのデータ数が多く、リスト82から所望の画像データを選択できない場合、ステップS15に移行する。
【0046】
次のステップS15では、複合機1による位置情報に基づく画像データの検索が行われる(画像データ検索手段)。
制御部50は、GUI30から入力される位置情報に基づいて、サーバー3に記憶した画像データを検索する。具体的に、制御部50は、図5に示す検索欄81に入力された文字(本実施形態では「XX市」)を含む位置情報を有する画像データを検索する。なお、この位置情報を具体的な住所(「XX市」等)に落とし込む処理は、外出先で画像データをサーバー3に送信する際に行っても良いし、また、帰宅(帰社)してサーバー3からデータを取得する際に行っても良い。
【0047】
ステップS15では、検索欄81に位置情報が入力されたか否かを判定し、「YES」の場合に、ステップ16に移行する。ステップS16では、複合機1による当該検索した画像データのリストの再表示が行われる(リスト表示手段)。
制御部50は、検索欄81に入力された位置情報に基づいて印刷する画像データの候補の絞り込みを行い、図6に示すように、GUI30の表示部32aにリスト表示する。表示部32aには、位置情報に「XX市」を含む画像データのリスト83が表示される。なお、リスト83では、「XX市」の下位の位置情報(「YY区」、「ZZ区」)に基づき、画像データの並びを変更し、下位の位置情報が共通するものをグループ化している。
【0048】
次に、ステップS14に戻り、制御部50は、GUI30から入力される操作信号に基づいて、印刷すべき画像データが選択されたか否かを検知する。具体的に、リスト83のチェック欄を押下すると、操作部32bによってその座標信号が制御部50に送信され、その欄にチェックが入り、印刷すべき画像データが選択される。そして、リスト83から所望の画像データを選択できた場合、ステップS17に移行し、複合機1において選択した画像データに基づく印刷用紙への画像形成が行われる(画像形成手段)。
【0049】
以上のシーケンスに示すように、本実施形態では、複合機1から所望の画像データに基づく印刷物を出力する際に、サーバー3に記憶した多数の画像データの中から印刷したい所望の画像データを探す手段として、当該画像データを生成する場所に関連する位置情報を使用する。ユーザーは、過去に記憶手段に記憶した画像データ自体の詳細は忘れてしまっても、その画像データをどの場所で生成したかは覚えていることがある。したがって、ユーザーが、「過去にOOに行ったときに生成した画像データを探したい」といった場合に、その過去に行った位置情報を入力することで、その位置情報に紐付けられた画像データを簡単にリスト表示することができる。
【0050】
したがって、上述した本実施形態によれば、画像データに基づいて印刷用紙に画像を形成する複合機1と、画像データを生成し、画像データを生成する場所に関連する位置情報を取得し、その生成した画像データに、その取得した位置情報を付加する携帯端末2と、その位置情報を付加した画像データを記憶するサーバー3とを有し、複合機1において、その位置情報に基づいて、記憶した画像データを検索し、検索した画像データを、印刷する画像データの候補としてリスト表示させるように構成された画像形成システム100を採用することによって、サーバー3上の画像データを印刷する際に、多数の画像データの中から所望の画像データを選ぶ手間を軽減することができる。
【0051】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成部分については同一の符号を付し、その説明を簡略若しくは省略する。
【0052】
上記第1実施形態では、画像データの生成と同時に取得した位置情報を、その画像データに付加する形態について説明したが、第2実施形態では、画像データの生成とは別のタイミングで取得した位置情報を、その画像データに付加する形態について説明する。
この第2実施形態では、例えば、外出先は「OO市」であったが、その外出先の会議の報告書を作成したのは移動中で、その移動先の「△△市」にて生成した画像データをサーバー3に送信する場合を想定している。
【0053】
図7及び図8は、本発明の第2実施形態における画像形成システム100の動作(クラウドプリントに関し、携帯端末2において生成した画像データをサーバー3に送信するまでの各種処理のシーケンス)を示すフローチャートである。特に、図7のフローチャートは、ユーザーが、外出先において、その外出先の位置情報のみを取得する処理のシーケンスを示している。
【0054】
図7に示すように、先ず、ステップS21では、携帯端末2による位置情報の取得が行われる。
制御部66は、GUI61から入力される操作信号に基づいて、位置情報を取得する場所の指示を受け付け、GPS受信部65によって、当該指示がなされたときに携帯端末2が存在していた場所の情報を取得する(第1の指示手段)。すなわち、ユーザーは、外出先に居る時点で携帯端末2を操作して自身の位置情報を取得する。
【0055】
次のステップS22では、携帯端末2による取得した位置情報のサーバー3への送信が行われる。
制御部66は、GUI61から入力される操作信号に基づいて、外出先で取得した位置情報をサーバー3に送信する。すなわち、ユーザーは、外出先で取得した自身の位置情報のみを、画像データに付加することなくサーバー3に予め送っておく。
以上が、外出先において位置情報を取得するシーケンスとなる。以下では、画像データの生成及びその画像データへの位置情報の付加のシーケンスについて説明する。
【0056】
図8に示すように、先ず、ステップS31では、携帯端末2による画像データの生成が行われる(画像データ生成手段)。
制御部66は、GUI61から入力される操作信号に基づいて、所定の画像データを生成する。例えば、制御部66は、GUI61から入力される操作信号に基づいてテキスト編集アプリケーションソフトウェアを起動させ、外出先での会議の報告書等の画像データを生成する。
【0057】
次のステップS32では、携帯端末2による位置情報の取得が行われる(位置情報取得手段)。
制御部66は、GUI61から入力される操作信号に基づいて、位置情報を取得する場所の指示を受け付け、GPS受信部65によって、当該指示がなされたときに携帯端末2が存在していた場所の情報を取得する(第1の指示手段による2回目の指示)。例えば、会議の報告書の画像データの生成には時間がかかるため、報告書が完成したのが、外出先「OO市」から帰る途中のタクシーの中であった場合、その画像データをサーバー3に送信する際(印刷指示するタイミング)の位置情報として、現在地の「△△市」の位置情報を取得する。
【0058】
次のステップS33では、携帯端末2によるサーバー3上に記憶した過去の位置情報の取得が行われる。
制御部66は、携帯端末2に割り振られたIDに基づき、サーバー3にアクセスし、記憶部71に記憶したデータを開示させ、そのユーザーが過去にサーバー3に記憶したデータを、図9に示すように、GUI61の表示部61aにリスト表示する。表示部61aには、「現在位置」のボタン91と、「過去に訪問した位置」のボタン92と、データのリスト93と、が表示される。リスト93には、チェック欄と、時刻の欄と、位置情報の欄と、関連文書数の欄とが設けられている。
【0059】
次のステップS34では、携帯端末2による生成した画像データに付加する位置情報の選択が行われる(第2の指示手段)。
制御部66は、位置情報の取得が複数回なされ、複数の位置情報を取得した場合に、GUI61から入力される操作信号に基づいて、その複数の位置情報のうちから、生成した画像データに付加する一の位置情報を指示する。
【0060】
ステップS35において、「YES」の場合、すなわち、図9に示す「現在位置」のボタン91が押下された場合には、ステップS36に移行する。
次のステップS36では、生成した画像データに、ステップS32で取得した位置情報(印刷指示するタイミングの現在位置)を付加し、記憶部64に記憶する(位置情報付加手段)。
【0061】
一方、ステップS35において、「NO」の場合、すなわち、図9に示す「過去に訪問した位置」のボタン92が押下された場合には、ステップS37に移行する。
次のステップS37では、生成した画像データに、ステップS21で取得した位置情報(過去に取得した位置情報)を付加し、記憶部64に記憶する(位置情報付加手段)。具体的に、リスト93のチェック欄を押下すると、操作部61bによってその座標信号が制御部66に送信され、その欄にチェックが入り、付加すべき過去に取得した位置情報が選択される。なお、過去に取得した位置情報は、関連文書数の欄に「0」の表示がされているものである。
【0062】
次の、ステップS38では、携帯端末2による位置情報が付加された画像データのサーバー3への送信が行われる(記憶手段)。
制御部66は、GUI61から入力される操作信号に基づいて、位置情報を付加した画像データをサーバー3に送信する。サーバー3は、携帯端末2からの要求に応じて、位置情報を付加した画像データを記憶部71に蓄積する。
その後のシーケンスは、第1実施形態と同様であり、図4に示すシーケンスに従い、所望の画像データを印刷する。
【0063】
以上のシーケンスに示すように、第2実施形態では、過去の位置情報(外出先の位置情報)を取得しておくことで、その後、別の場所で生成した画像データをサーバー3に送信する際に、その画像データに過去の位置情報を付加することができる。すなわち、外出先では画像データの生成がされなかったが、その画像データがその外出先と関連するものである場合に、ユーザーの記憶には、その画像データとその外出先とを関連付けて覚えていることがある。したがって、ユーザーが、「過去にOOに行ったときに生成した画像データを探したい」といった場合に、その過去に行った位置情報を入力することで、その位置情報に紐付けられた画像データを簡単にリスト表示することができる。
したがって、上述した第2実施形態によれば、外出先と印刷指示をした位置(現在位置)が異なる場合でも、サーバー3上の画像データを印刷する際に、多数の画像データの中から所望の画像データを選ぶ手間を軽減することができる。
【0064】
以上、図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。上述した実施形態において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
【0065】
例えば、上記第2実施形態では、図9に示すリストにおいて、画像データに付加する位置情報が、必ずしも関連文書数が「0」となっている位置情報に関連付けられるとは限らないため、過去の位置情報を時系列にさかのぼって表示しているが、本発明はこの構成に限定されるものではなく、例えば、関連文書数が「0」となっている位置情報のみを表示してもよい。
【0066】
また、例えば、上記実施形態では、携帯端末として、タッチパネル式のタブレット装置を例示したが、本発明はこの構成に限定されるものではなく、例えば、携帯電話、PDA(Personal Digital Assistant)、ノートPC(Personal Computer)等であっても良い。
【0067】
また、例えば、上記実施形態では、画像データとして、カメラ部で撮影した写真データや、テキスト編集アプリケーションソフトウェアで編集したテキストデータを例示したが、本発明はこの構成に限定されるものではなく、例えば、外出先で気になった商品等を検索した際に携帯端末のウェブブラウザに表示した画面データ等であっても良い。
【0068】
また、例えば、上記実施形態では、複合機を例示したが、本発明はこの構成に限定されるものではなく、例えば、複写機、プリンター、ファクシミリ装置等の他の画像形成装置にも適用可能である。
【0069】
また、例えば、上記実施形態では、画像形成システムの動作を、クラウドプリントを例示して説明したが、本発明はこの構成に限定されるものではない。クラウドプリントは、位置情報を効果的に活用するものとして例示したものであり、本発明の画像形成システムを他の用途にも適用することができることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0070】
1…複合機(画像形成手段、画像データ検索手段、リスト表示手段)、2…携帯端末(画像データ生成手段、位置情報取得手段、位置情報付加手段、第1の指示手段、第2の指示手段)、3…サーバー(記憶手段)、100…画像形成システム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9