特許第5836396号(P5836396)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5836396
(24)【登録日】2015年11月13日
(45)【発行日】2015年12月24日
(54)【発明の名称】位置検出システム
(51)【国際特許分類】
   G01S 11/06 20060101AFI20151203BHJP
   G01S 5/02 20100101ALI20151203BHJP
   H04B 5/00 20060101ALI20151203BHJP
   H04B 5/02 20060101ALI20151203BHJP
【FI】
   G01S11/06
   G01S5/02 Z
   H04B5/00 Z
   H04B5/02
【請求項の数】14
【全頁数】70
(21)【出願番号】特願2013-548032(P2013-548032)
(86)(22)【出願日】2011年12月9日
(86)【国際出願番号】JP2011078545
(87)【国際公開番号】WO2013084349
(87)【国際公開日】20130613
【審査請求日】2014年5月15日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005108
【氏名又は名称】株式会社日立製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100080001
【弁理士】
【氏名又は名称】筒井 大和
(72)【発明者】
【氏名】寺田 崇秀
(72)【発明者】
【氏名】篠田 博史
(72)【発明者】
【氏名】原 和規
【審査官】 目黒 大地
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭63−164636(JP,A)
【文献】 特開2001−060905(JP,A)
【文献】 特表2010−541396(JP,A)
【文献】 特開2005−109700(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01S11/00−11/16
5/00−5/14
7/00−7/42
13/00−13/95
19/00−19/55
G06K17/00
H01Q13/00−13/28
H04B1/76−3/44、3/50−3/60
5/00−5/06
7/005−7/105
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電磁波の伝搬方向に延在し、前記伝搬方向に直交する方向に導体により挟まれた電磁波伝搬空間を備える電磁波伝搬媒体と、
前記電磁波伝搬媒体の近傍に配置された複数の通信装置と、
を備え、
前記複数の通信装置は、位置が既知の第1通信装置を含み、
前記第1通信装置が前記電磁波伝搬媒体を介して前記第1通信装置以外の前記複数の通信装置に第1位置検出用信号を送信し、前記第1位置検出用信号の受信信号強度に基づいて前記第1通信装置以外の前記複数の通信装置の位置を検出し、
前記第1位置検出用信号は、前記複数の通信装置間で前記電磁波伝搬媒体を介して通信する際に用いる通信用信号とは周波数が異なり、
前記第1位置検出用信号は、前記通信用信号よりも、前記電磁波伝搬媒体内の伝搬による減衰が大きいことを特徴とする位置検出システム。
【請求項2】
請求項1記載の位置検出システムにおいて、
前記電磁波伝搬媒体は、
前記電磁波伝搬空間を介して前記伝搬方向に直交する第1方向に対向する第1導体および第2導体と、
前記電磁波伝搬空間を介して前記伝搬方向および前記第1方向に直交する第2方向に対向する第3導体および第4導体と、
を備え、
前記第1方向に沿った前記第1導体と前記第2導体との第1距離が、前記第2方向に沿った前記第3導体と前記第4導体との第2距離以下であり、
前記第1位置検出用信号の前記電磁波伝搬媒体内における波長は、前記第2距離の2倍よりも大きいことを特徴とする位置検出システム。
【請求項3】
請求項2記載の位置検出システムにおいて、
前記通信用信号の前記電磁波伝搬媒体内における波長は、前記第2距離の2倍以下であることを特徴とする位置検出システム。
【請求項4】
請求項3記載の位置検出システムにおいて、
前記第1位置検出用信号は前記通信用信号よりも低周波数であり、
前記第1通信装置が前記第1位置検出用信号と前記第1位置検出用信号よりも低い周波数の第2位置検出用信号とを前記電磁波伝搬媒体を介して前記第1通信装置以外の前記複数の通信装置に送信し、
前記第1位置検出用信号の受信信号強度と前記第2位置検出用信号の受信信号強度とに基づいて、前記第1通信装置以外の前記複数の通信装置の位置を検出することを特徴とする位置検出システム。
【請求項5】
請求項1記載の位置検出システムにおいて、
前記複数の通信装置は、前記第1通信装置および第2通信装置を含み、
前記第2通信装置が前記第1および第2通信装置以外の前記複数の通信装置に第2位置検出用信号を送信し、
前記第1位置検出用信号の受信信号強度と前記第2位置検出用信号の受信信号強度とに基づいて前記第1通信装置以外の前記複数の通信装置の位置を検出し、
前記第1位置検出用信号および前記第2位置検出用信号は、前記通信用信号よりも、前記電磁波伝搬媒体内の伝搬による減衰が大きいことを特徴とする位置検出システム。
【請求項6】
請求項1記載の位置検出システムにおいて、
前記第1位置検出用信号の受信信号強度の情報と、前記電磁波伝搬媒体における前記複数の通信装置の設置可能位置に関する情報とに基づいて、前記第1通信装置以外の前記複数の通信装置の位置を検出することを特徴とする位置検出システム。
【請求項7】
請求項2記載の位置検出システムにおいて、
前記電磁波伝搬媒体は、前記第2距離が互いに異なる第1領域と第2領域とを有し、
前記第1領域における前記第2距離は、前記第2領域における前記第2距離よりも大きく、
前記第1通信装置は、前記電磁波伝搬媒体の前記第1領域に配置され、
前記第1通信装置が前記第1位置検出用信号と前記第1位置検出用信号よりも高い周波数の第2位置検出用信号とを前記電磁波伝搬媒体を介して前記第1通信装置以外の前記複数の通信装置に送信し、前記第1位置検出用信号の受信信号強度と前記第2位置検出用信号の受信信号強度とに基づいて前記第1通信装置以外の前記複数の通信装置の位置を検出し、
前記通信用信号の前記電磁波伝搬媒体内における波長は、前記第2領域における前記第2距離の2倍以下であり、
前記第1位置検出用信号の前記電磁波伝搬媒体内における波長は、前記第1領域における前記第2距離の2倍よりも大きく、
前記第2位置検出用信号の前記電磁波伝搬媒体内における波長は、前記第1領域における前記第2距離の2倍以下で、かつ、前記第2領域における前記第2距離の2倍よりも大きいことを特徴とする位置検出システム。
【請求項8】
電磁波の伝搬方向に延在し、前記伝搬方向に直交する方向に導体により挟まれた電磁波伝搬空間を備える電磁波伝搬媒体と、
前記電磁波伝搬媒体の近傍に配置された複数の通信装置と、
を備え、
前記複数の通信装置は、位置が既知の第1通信装置を含み、
前記複数の通信装置のうちの第2通信装置の位置を検出する際に、
前記第1および第2通信装置以外の前記複数の通信装置の受信状態を切り替えながら、前記第1通信装置が前記電磁波伝搬媒体を介して前記第2通信装置に位置検出用信号を複数回送信し、
前記第1および第2通信装置以外の前記複数の通信装置は、受信状態の切り替えにより、前記電磁波伝搬媒体内を伝搬する前記位置検出用信号の電力を吸収する割合が変化し、
前記第2通信装置が受信した複数回の前記位置検出用信号の受信信号強度に基づいて、前記第2通信装置の位置を検出することを特徴とする位置検出システム。
【請求項9】
請求項8記載の位置検出システムにおいて、
前記第1通信装置以外の前記複数の通信装置は、前記電磁波伝搬媒体と結合するためのアンテナを有し、
前記受信状態の切り替えは、前記通信装置が備える受信器と前記アンテナとを導通または遮断することにより行われることを特徴とする位置検出システム。
【請求項10】
請求項8記載の位置検出システムにおいて、
前記第1通信装置以外の前記複数の通信装置は、前記電磁波伝搬媒体と結合するためのアンテナを有し、
前記受信状態の切り替えは、前記通信装置が備える受信器と前記アンテナとのインピーダンス整合を調整することにより行われることを特徴とする位置検出システム
【請求項11】
電磁波の伝搬方向に延在し、前記伝搬方向に直交する方向に導体により挟まれた電磁波伝搬空間を備える電磁波伝搬媒体と、
前記電磁波伝搬媒体の近傍に配置された複数の通信装置と、
を備え、
前記複数の通信装置の位置検出を行う際に、2つ以上の電磁波により前記電磁波伝搬媒体内に発生する干渉波を用い
前記複数の通信装置の間隔は、前記複数の通信装置間で前記電磁波伝搬媒体を介して通信する際に用いる通信用電磁波の波長の半分の整数倍であることを特徴とする位置検出システム。
【請求項12】
電磁波の伝搬方向に延在し、前記伝搬方向に直交する方向に導体により挟まれた電磁波伝搬空間を備える電磁波伝搬媒体と、
前記電磁波伝搬媒体の近傍に配置された複数の通信装置と、
を備え、
前記電磁波伝搬媒体は、前記伝搬方向の互いに反対側に位置する第1端面および第2端面を有し、
前記複数の通信装置の位置検出を行う際に、
前記電磁波伝搬媒体内に入力されて前記電磁波伝搬媒体内を前記第1端面側から前記第2端面側に伝搬する第1位置検出用信号と、前記電磁波伝搬媒体内を前記第2端面側から前記第1端面側に伝搬する第2位置検出用信号と、により前記電磁波伝搬媒体内に干渉波を発生させ、
前記第2位置検出用信号は、前記電磁波伝搬媒体の前記第2端面で前記第1位置検出用信号が反射したことにより形成された反射波であるか、あるいは、前記第2端面から前記電磁波伝搬媒体内に入力されかつ前記第1位置検出用信号と同じ周波数で位相が異なる位置検出用信号であり、
前記複数の通信装置のそれぞれが検知した前記干渉波の信号強度に基づいて、前記複数の通信装置のそれぞれから前記第2端面までの距離を検出し、
検出された前記複数の通信装置のそれぞれから前記第2端面までの前記距離に関する情報と、前記電磁波伝搬媒体の形状に関する情報とに基づいて、前記複数の通信装置の位置を検出することを特徴とする位置検出システム。
【請求項13】
請求項12記載の位置検出システムにおいて、
前記第2位置検出用信号は、前記電磁波伝搬媒体の前記第2端面で前記第1位置検出用信号が反射したことにより形成された前記反射波であり、
前記複数の通信装置の位置検出を行う際に、
前記第1位置検出用信号の周波数を変えることにより、前記電磁波伝搬媒体内における前記干渉波の振幅が最大の箇所と最小の箇所の位置を調整しながら、前記複数の通信装置で前記干渉波の信号強度を検知し、
前記複数の通信装置のそれぞれが検知した前記干渉波の信号強度に基づいて、前記複数の通信装置のそれぞれから前記第2端面までの前記距離を検出することを特徴とする位置検出システム。
【請求項14】
請求項12記載の位置検出システムにおいて、
前記第2位置検出用信号は、前記第2端面から前記電磁波伝搬媒体内に入力されかつ前記第1位置検出用信号と同じ周波数で位相が異なる前記位置検出用信号であり、
前記複数の通信装置の位置検出を行う際に、
前記第1位置検出用信号と前記第2位置検出用信号とが同じ周波数であることは維持して前記第1および第2位置検出用信号の周波数および位相差の一方または両方を変えることにより、前記電磁波伝搬媒体内における前記干渉波の振幅が最大の箇所と最小の箇所の位置を調整しながら、前記複数の通信装置で前記干渉波の信号強度を検知し、
前記複数の通信装置のそれぞれが検知した前記干渉波の信号強度に基づいて、前記複数の通信装置のそれぞれから前記第2端面までの前記距離を検出することを特徴とする位置検出システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、位置検出システムに関し、特に、電磁波を伝搬する導波管または電磁波伝達シートなどの電磁波伝搬媒体の近傍に設置した通信装置の位置検出に適用して有効な技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、特開2009―105600号公報(特許文献1)には、シート状信号伝達装置と、シート状信号伝達装置の近傍の所定の位置に設置される2つの通信装置とを備え、第1の通信装置が第2の通信装置へ存在確認要求信号を送信し、存在確認要求信号を受信した第2の通信装置が第1の通信装置へ存在確認応答信号を送信し、第1の通信装置が存在確認要求信号を送信してから存在確認応答信号を受信するまでの経過時間により、シート状信号伝達装置において第2の通信装置が設置された場所を推定する位置推定装置が開示されている。
【0003】
また、特開2007―127529号公報(特許文献2)には、電磁波の発信手段と、測定対象と、信号強度を検出する検出手段とを備え、発信手段から発信された電磁波とこの電磁波が測定対象で反射した反射波との合成波における信号強度を検出手段で検出し、検出した信号強度から測定対象の距離を算出する装置が開示されている。
【0004】
また、特開2001―60905号公報(特許文献3)には、2つのアンテナを有する送信機と受信機とを備え、送信機は2つのアンテナから送信した電磁波の干渉パターンを変更させて放射し、受信機は放射された干渉波を受信し、受信機は受信した電界強度の大きさを送信機に返送し、送信機は受信機から返送された情報に基づいて受信機の位置を検出する位置検出方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009―105600号公報
【特許文献2】特開2007―127529号公報
【特許文献3】特開2001―60905号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記特許文献1に記載された位置推定装置は、2つの通信装置の間の信号伝達時間により位置を推定している。しかし、位置推定の精度は通信装置の時間分解能の精度に依存するため、高精度の位置推定を実現する場合、通信装置のコストが増大する。また、第2の通信装置では、信号を受信してから送信するまでに信号処理を行うため、この信号処理に要する時間が位置推定の誤差となる。
【0007】
また、上記特許文献2に記載された距離測定装置は、2つの電磁波の合成波を用いて、電磁波の発信装置と電磁波を反射する測定対象との距離を測定している。しかし、測定対象が通信装置の場合については開示されていない。また、合成波を用いた測定原理の示唆はあるが、電磁波伝搬媒体を用いた電磁波伝送装置における具体的な手段、構成、方法等について何ら開示されていない。
【0008】
また、上記特許文献3に記載された位置検出方法は、電磁波の干渉パターンを用いて、受信機の位置を検出している。しかし、干渉パターンを用いた検出原理の示唆はあるが、電磁波伝搬媒体を用いた電磁波伝送装置における具体的な手段、構成、方法等について何ら開示されていない。
【0009】
本発明の目的は、電磁波伝搬媒体の近傍に設置した通信装置の位置を検出する装置、方法、システムを提供することである。
【0010】
また、本発明の他の目的は、複数の通信装置が電磁波伝搬媒体の近傍に所定の間隔で並べられた通信システムにおいて、各通信装置の位置を把握する装置、方法、システムを提供することである。
【0011】
本発明の前記ならびにその他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、次のとおりである。
【0013】
代表的な実施の形態による位置検出システムは、電磁波伝搬媒体と、前記電磁波伝搬媒体の近傍に配置された複数の通信装置とを備え、前記複数の通信装置は、位置が既知の第1通信装置を含んでいる。そして、前記第1通信装置が前記電磁波伝搬媒体を介して前記第1通信装置以外の前記複数の通信装置に第1位置検出用信号を送信し、前記第1位置検出用信号の受信信号強度に基づいて前記第1通信装置以外の前記複数の通信装置の位置を検出する。前記第1位置検出用信号は、前記複数の通信装置間で前記電磁波伝搬媒体を介して通信する際に用いる通信用信号とは周波数が異なり、前記第1位置検出用信号は、前記位置検出用信号よりも、前記電磁波伝搬媒体内の伝搬による減衰が大きい。
【0014】
また、他の代表的な実施の形態による位置検出システムは、電磁波伝搬媒体と前記電磁波伝搬媒体の近傍に配置された複数の通信装置を備え、前記複数の通信装置は位置が既知の第1通信装置を含んでいる。そして、前記複数の通信装置のうちの第2通信装置の位置を検出する際に、前記第1および第2通信装置以外の前記複数の通信装置の受信状態を切り替えながら、前記第1通信装置が前記電磁波伝搬媒体を介して前記第2通信装置に位置検出用信号を複数回送信し、前記第2通信装置が受信した複数回の前記位置検出用信号の受信信号強度に基づいて、前記第2通信装置の位置を検出する。
【0015】
また、他の代表的な実施の形態による位置検出システムは、電磁波伝搬媒体の近傍に配置された複数の通信装置の位置検出を行う際に、2つ以上の電磁波により電磁波伝搬媒体内に発生する干渉波を用いるものである。
【発明の効果】
【0016】
本願において開示される発明のうち、代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば以下のとおりである。
【0017】
電磁波伝搬媒体近傍の装置の位置を的確に検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の実施の形態1による位置検出システム(位置検出装置)の構成例を示す斜視図である。
図2図1で用いられる電磁波伝搬媒体の構成例を示す斜視図である。
図3図1で用いられる電磁波伝搬媒体の他の構成例を示す斜視図である。
図4図3または図4の電磁波伝搬媒体の断面図である。
図5】電磁波伝搬媒体の伝搬特性(周波数特性)の一例を示す説明図(グラフ)である。
図6図1の位置検出システムにおける位置検出法を説明するための説明図である。
図7】位置検出システムにおける位置検出法を説明するための説明図である。
図8】電磁波伝搬媒体で電磁波を伝送したときの伝搬特性(周波数特性)を示すグラフである。
図9】位置検出システムにおける位置検出法を説明するための説明図である。
図10】位置検出システムにおける位置検出法を説明するための説明図である。
図11】位置検出システムにおける位置検出法を説明するための説明図である。
図12図11に示される位置検出システムから端末を除いた図である。
図13図11の位置検出システムの変形例を示す説明図である。
図14】親機および端末を筐体に収容した通信システムの構成例を示す説明図(斜視図)である。
図15】親機および端末を筐体に収納し、筐体内に電磁波伝搬媒体を配置した位置検出システムの構成例を示す説明図(斜視図)である。
図16】親機および端末を筐体に収納し、筐体内に電磁波伝搬媒体を配置した位置検出システムの他の構成例を示す説明図(斜視図)である。
図17】親機および端末を筐体に収納し、筐体内に電磁波伝搬媒体を配置した位置検出システムの他の構成例を示す説明図(斜視図)である。
図18】端末の特定の仕方の説明図である。
図19】本発明の実施の形態2による位置検出システム(位置検出装置)の構成例を示す説明図である。
図20図19の位置検出システムの平面図(上面図)である。
図21】本発明の実施の形態2による位置検出システムの他の構成例を示す説明図である。
図22図21の位置検出システムの平面図(上面図)である。
図23】本発明の実施の形態3による位置検出システム(位置検出装置)の構成例を示す説明図である。
図24図23の位置検出システムにおいて、ある端末で受信される位置検出用信号の信号強度を示す表である。
図25】本発明の実施の形態3による位置検出システムで用いられる端末が備える通信器の構成例を示す説明図である。
図26】本発明の実施の形態3による位置検出システムで用いられる端末が備える通信器の他の構成例を示す説明図である。
図27】本発明の実施の形態4による位置検出システム(位置検出装置)の構成例を示す説明図である。
図28】電磁波伝搬媒体内に生じる定在波の説明図である。
図29】電磁波伝搬媒体内に生じる定在波の説明図である。
図30】本発明の実施の形態4による位置検出システムの他の構成例を示す説明図である。
図31】本発明の実施の形態4による位置検出システムの他の構成例を示す説明図である。
図32】親機および端末を筐体に収納し、筐体内に電磁波伝搬媒体を配置した位置検出システムの構成例を示す説明図(斜視図)である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下の実施の形態において、便宜上その必要があるときは、複数のセクションまたは実施の形態に分割して説明するが、特に明示した場合を除き、それらはお互いに無関係なものではなく、一方は他方の一部または全部の変形例、詳細、補足説明等の関係にある。また、以下の実施の形態において、要素の数等(個数、数値、量、範囲等を含む)に言及する場合、特に明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されるものではなく、特定の数以上でも以下でもよい。さらに、以下の実施の形態において、その構成要素(要素ステップ等も含む)は、特に明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。同様に、以下の実施の形態において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に明らかにそうでないと考えられる場合等を除き、実質的にその形状等に近似または類似するもの等を含むものとする。このことは、上記数値および範囲についても同様である。
【0020】
また、以下の実施の形態において、「導体」と言うときは、電磁波の伝搬に用いる電磁波周波数帯において導電体であるものを指し、「誘電体」と言うときは、電磁波の伝搬に用いる電磁波周波数帯において誘電体であるものを指す。従って、例えば直流電流に対して導体であるか半導体であるか絶縁体であるか等によって、直接的には何ら制約されるものではない。また、導体と誘電体とは、電磁波との関係においてその特性により定義されるものであって、固定であるか液体であるか気体であるか等の態様または構成材料を制限するものではない。
【0021】
また、以下の実施の形態で用いる図面においては、断面図であっても図面を見易くするためにハッチングを省略する場合もある。また、平面図または斜視図であっても図面を見易くするためにハッチングを付す場合もある。また、以下の実施の形態を説明するための全図において、同一機能を有するものは原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。また、以下の実施の形態では、特に必要なとき以外は同一または同様な部分の説明を原則として繰り返さない。以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0022】
(実施の形態1)
本実施の形態1では、電磁波伝搬媒体の近傍に設置(配置)された通信装置の位置検出システム(位置検出装置)または位置検出方法の例を、図面を参照しながら説明する。
【0023】
図1は、位置検出システムの構成例を示す斜視図である。
【0024】
電磁波伝搬媒体1の近傍に複数の通信装置(ここでは親機2および端末3)が配置(設置)されており、それら通信装置(親機2および複数の端末3)のそれぞれは、この電磁波伝搬媒体1を経由する電磁波(信号)の送信または受信が可能となっている。以下、具体的に説明する。
【0025】
図1に示されるように、電磁波伝搬媒体1の上に、通信装置(通信機、電磁波伝送装置)である親機2および端末3が配置されている。親機2と端末3とは、電磁波伝搬媒体1を介して電磁波(信号)を送受信(相互に伝送)することができ、それによって通信することができる。電磁波伝搬媒体1上には、端末3は少なくとも1つ配置されているが、好ましくは複数配置されている。これら親機2および複数の端末3は、電磁波伝搬媒体1の上に並んで配置(配列)されている。図1の例では、電磁波伝搬媒体1上に、端末3として、6つの端末3a,3b,3c,3d,3e,3fが配置されているが、電磁波伝搬媒体1上に配置する端末3の数は6つに限定されず、必要に応じて種々変更可能である。
【0026】
親機2および端末3のそれぞれは、電磁波伝搬媒体1に電磁波を入力(送信)することができ、また、電磁波伝搬媒体1から電磁波を取り出す(電磁波伝搬媒体1から出力した電磁波を受け取る、受信する)ことができる。親機2または端末3から電磁波伝搬媒体1内に入力された電磁波は、電磁波伝搬媒体1内を伝搬(進行)する。
【0027】
このため、親機2から電磁波伝搬媒体1に入力された電磁波が電磁波伝搬媒体1を伝搬(進行)し、その電磁波を端末3で受け取ることができ、また、端末3から電磁波伝搬媒体1に入力された電磁波が電磁波伝搬媒体1を伝搬(進行)し、その電磁波を親機2で受け取ることができる。これにより、親機2と端末3との間で、電磁波伝搬媒体1を介して電磁波を相互に伝送(送受信、通信)することができる。
【0028】
更に、端末3から電磁波伝搬媒体1に入力されて電磁波伝搬媒体1を伝搬(進行)した電磁波を、他の端末3で受け取る(取り出す、受信する)ように構成することもでき、この場合、端末3同士の間で、電磁波伝搬媒体1を介して電磁波を相互に伝送(送受信、通信)することができる。
【0029】
後述のように、親機2の位置が既知である場合に、親機2の位置を基準として各端末3の位置(位置情報)を検知することができるため、電磁波伝搬媒体1上に親機2および端末3が配置されたシステム(装置)は、位置検出システム(位置検出装置)とみなすことができる。また、親機2と端末3との間や端末3間で通信することができるため、電磁波伝搬媒体1上に親機2および端末3が配置されたシステム(装置)は、通信システム(通信装置)とみなすこともできる。また、電磁波伝搬媒体1上に親機2および端末3が配置されたシステム(装置)は、通信と位置検出との両方の機能を有しているため、位置検出機能を有する通信システム(通信装置)とみなすこともできる。
【0030】
図2は、電磁波伝搬媒体1の構成例を示す斜視図であり、図3は、電磁波伝搬媒体1の他の構成例を示す斜視図である。図4は、図3または図4の電磁波伝搬媒体1の断面図である。図5は、電磁波伝搬媒体1の伝搬特性(周波数特性)の一例を示す説明図(グラフ)である。
【0031】
図2には、電磁波伝搬媒体1の上面を構成する導体11にスロットSLが形成されている場合の構成例が示され、図3には、電磁波伝搬媒体1の上面を構成する導体11がメッシュ状になっている場合の構成例が示されている。図4には、電磁波伝搬媒体1における電磁波の伝搬(進行)方向に垂直な断面図が示されている。図5には、幅Wの電磁波伝搬媒体1内を電磁波が伝搬する際の伝搬特性(周波数特性)のグラフが示されている。
【0032】
電磁波伝搬媒体(ここでは電磁波伝搬媒体1)は、電磁波の伝搬方向に延在し、この電磁波伝搬方向に直交する方向に導体により挟まれた電磁波伝搬空間を備えるものである。以下、図2図4に示される電磁波伝搬媒体1の具体的な構成について説明する。
【0033】
図2図4に示されるように、電磁波伝搬媒体1は、導体(導体部、導体層、導体面)11,12,13,14と、導体11および導体12によりY方向に挟まれかつ導体13および導体14によりZ方向に挟まれた電磁波伝搬空間15とを備えている。ここで、電磁波伝搬媒体1における電磁波の伝搬方向(進行方向)をX方向とし、Y方向およびZ方向は、電磁波伝搬媒体1における電磁波の伝搬方向(すなわちX方向)と直交する方向である。Y方向とZ方向とは、互いに直交している。電磁波伝搬媒体1は、電磁波伝搬媒体1における電磁波の伝搬方向(すなわちX方向)に延在している。このため、導体11,12,13,14および電磁波伝搬空間15も、電磁波伝搬媒体1における電磁波の伝搬方向(すなわちX方向)に延在している。従って、電磁波伝搬媒体1における電磁波の伝搬方向(すなわちX方向)は、電磁波伝搬媒体1の延在方向(軸方向)でもある。
【0034】
電磁波は、電磁波伝搬媒体1の電磁波伝搬空間15内を伝搬(進行)する。このため、以下で、「電磁波が電磁波伝搬媒体(1)内を伝搬(伝送)する」などと言う場合、実際には、電磁波が電磁波伝搬媒体(1)の電磁波伝搬空間(15)内を伝搬(伝送)することを意味する。
【0035】
電磁波伝搬空間15は、導体11と導体12との間に配置されて、導体11と導体12とによりY方向に挟まれており、また、導体13と導体14との間に配置されて、導体13と導体14とによりZ方向に挟まれている。つまり、電磁波伝搬空間15は、導体11と導体12と導体13と導体14とで囲まれている。導体11と導体12とは、電磁波伝搬空間15を介してY方向に対向し、導体13と導体14とは、電磁波伝搬空間15を介してZ方向に対向していると言うこともできる。また、別の見方をすると、導体13,14は、電磁波伝搬媒体1の両側面(Z方向に対向する両側面)に形成されており、一方の側面(導体13が形成された側面)において、導体11と導体12とが導体13を介して接続されて(繋がって)短絡され、他方の側面(導体14が形成された側面)において、導体11と導体12とが導体14を介して接続されて(繋がって)短絡されていると言うこともできる。
【0036】
電磁波伝搬空間15内は、空気、ガラス、セラミックス、または水などの誘電体としての特性を持つ物質で満たされている。また、電磁波伝搬媒体1は、電磁波伝搬空間15を介してX方向(電磁波伝搬媒体1における電磁波の伝搬方向)に対向する2つの端面(側面)16a,16bも有しているが、この端面16a,16bには、導体が形成されていても、あるいは導体が形成されていなくてもよい。
【0037】
導体11,12は、X方向に長辺を有しかつZ方向に短辺を有する平板状(Y方向が厚み方向の平板状)の導体とすることができ、また、導体13,14は、X方向に長辺を有しかつY方向に短辺を有する平板状(Z方向が厚み方向の平板状)の導体とすることができる。ここで、導体11の長辺と導体13の長辺とが接続され、導体13の他の長辺と導体12の長辺とが接続され、導体12の他の長辺と導体14の長辺とが接続され、導体14の他の長辺と導体11の他の長辺とが接続されているが、導体11と導体12と導体13と導体14とは、一体的に形成することもできる。図4の場合は、導体11と導体12とにより、Y方向に所定の厚さを有する電磁波伝搬空間15の上側と下側とを挟み、導体13と導体14とにより、Z方向に所定の幅を有する電磁波伝搬空間15の左側と右側とを挟む構造をしている。
【0038】
上記図1に示されるように、電磁波伝搬媒体1上に親機2および端末3を配置する際に、電磁波伝搬媒体1の導体11側に親機2および端末3が配置されている。そして、親機2および端末3は、導体11側から、電磁波伝搬空間15内へ電磁波を入力し、また、電磁波伝搬空間15内から電磁波を出力する。このため、導体11は、電磁波伝搬空間15内への電磁波の入出力が可能な構成となっている。
【0039】
このため、図2の電磁波伝搬媒体1の場合は、電磁波を入出力(出し入れ)可能な開口部として、複数のスロット(開口部)SLが導体11に設けられている。各スロットSLは、導体11に設けられた開口部であり、その平面形状は、例えば、Z方向に長辺をX方向に短辺を有する長方形状とすることができる。導体11に複数のスロットSLを設けたことにより、各スロットSLから電磁波伝搬空間15内へ電磁波を入力して電磁波伝搬空間15内を伝搬させることができ、また、電磁波伝搬空間15内を伝搬する電磁波を各スロットSLから出力する(取り出す)ことができる。
【0040】
導体に、電磁波を入出力(出し入れ)可能な開口部(図2の場合はスロットSL、図3の場合は網目の開口部)を設けておけば、この開口部を介して、電磁波伝搬空間内に電磁波を入力し、また電磁波伝搬空間から電磁波を出力することができる。
【0041】
図2の電磁波伝搬媒体1を図1のシステムに適用した場合、電磁波伝搬媒体1の導体11に設けられた複数のスロットSLに対向する位置に親機2および端末3を配置している。親機2および端末3のそれぞれは、スロットSLを介して電磁波伝搬空間15内に電磁波を入出力することができる。例えば、親機2および端末3のそれぞれはアンテナ(図示せず)を有しており、そのアンテナから導体11のスロットSLを介して電磁波伝搬空間15内に電磁波を入出力することができる。これにより、電磁波を相互に伝送(送受信、通信)することができ、例えば、相互に通信のために信号を伝送したり、あるいは給電のために電力を伝送したりすることができる。なお、アンテナは、電磁波を入出力する入出力インタフェースの総称であり、カプラ、結合器、またはコイルなど、形状や役割によって様々な呼称がある。また、電磁波伝搬空間15内において電磁波の伝送を行うことで、外部からの妨害を受けにくく、外部への漏れ(電磁波の漏れ)が小さい、高信頼な伝送システム(通信システム)を実現することができる。
【0042】
図3の電磁波伝搬媒体1の場合は、導体11を、網目状(メッシュ状)の導体としている。ここで、「網目状の導体」とは、複数の導線により仕切られた複数の開口部が存在する一体の導体であり、その複数の開口部から電磁波伝搬空間15に電磁波を入出力することができる。網目状の導体11の各開口部は、導体11において規則的にまんべんなく配置(配列)されている。
【0043】
図3の電磁波伝搬媒体1の場合、導体11として網目状の導体を用いたことで、網目状の導体11のどの位置においても(その位置の網目の開口部から)電磁波を入出力することができる。図3の電磁波伝搬媒体1を図1のシステムに適用した場合、電磁波伝搬媒体1の導体11上に配置された親機2および端末3のそれぞれは、その親機2および端末3が配置された場所に存在する網目の開口部(導体11における網目の開口部)を介して電磁波伝搬空間15内に電磁波を入出力することができる。例えば、親機2および端末3のそれぞれはアンテナを有しており、そのアンテナから導体11の網目の開口部を介して電磁波伝搬空間15内に電磁波を入出力することができる。これにより、親機2および端末3は、電磁波を相互に伝送(送受信、通信)することができ、例えば、相互に通信のために信号を伝送したり、あるいは給電のために電力を伝送したりすることができる。また、電磁波伝搬空間15内において電磁波の伝送を行うことで、外部からの妨害を受けにくく、外部への漏れ(電磁波の漏れ)が小さい、高信頼な伝送システム(通信システム)を実現することができる。
【0044】
また、図3には、網目状の導体11として、互いにX方向に所定の間隔を空けて配置されかつZ方向に延在する複数の導線と、互いにZ方向に所定の間隔を空けて配置されかつX方向に延在する複数の導線とが一体となって形成された導体を例示している。しかしながら、これら導線の延在方向は、XZ平面(X方向およびZ方向を含む平面)に平行な方向であればよく、X方向およびZ方向に限定されない。また、ここでは、X方向に沿って配置された複数の導線の間隔を一定とし、また、Z方向に沿って配置された複数の導線の間隔を一定としたが、それぞれ一定とする場合に限定されない。また、X方向に沿って配置された複数の導線と、Z方向に沿って配置された複数の導線とは直交(両者がなす角度が90度)しているが、これに限定されるものではなく、両者がなす角度が90度以外の角度であってもよい。
【0045】
図5は、幅Wを有する電磁波伝搬媒体1内に電磁波を伝搬させたときの伝搬特性(周波数特性)を示すグラフである。図5のグラフの横軸は、電磁波伝搬媒体1内を伝搬(伝送)させる電磁波の周波数に対応し、図5のグラフの縦軸は、電磁波伝搬媒体1に電磁波を伝搬(伝送)させたときの伝搬利得(propagation gain)に対応している。図5のグラフの縦軸(伝搬利得)が小さくなることは、伝搬損失が大きくなることに対応している。また、図5のグラフは、電磁波伝搬媒体1が幅Wを有する場合を前提としている。
【0046】
図5のグラフに示されるように、電磁波伝搬媒体1内を伝搬する電磁波の周波数(以下これを周波数fと称する)が、ある周波数f以上(すなわちf≧f)の場合、伝搬に伴う電磁波の損失(電力の損失)は小さく、電磁波の減衰は小さいので、ほとんど強度(信号強度)を低下させずに電磁波を伝搬(伝送)させることができる。しかしながら、電磁波伝搬媒体1内を伝搬する電磁波の周波数fが、周波数fよりも小さく(すなわちf<f)なると、伝搬に伴う電磁波の損失(電力の損失)が大きくなって、伝搬する電磁波が大きく減衰して強度(信号強度)が大きく低下してしまうようになる。つまり、図5のグラフは、周波数fが周波数f以上の場合は、伝搬に伴う電磁波の減衰の程度は、非常に小さく、ほぼ一定であるが、周波数fが周波数fよりも小さくなると、伝搬に伴う電磁波の減衰が急に大きくなり始め、電磁波の減衰の程度は、周波数fを小さくするほど大きくなるという傾向を示している。
【0047】
この周波数fの波長をλとすると、W=λ/2の関係にあり、その理由は、以下のようなものである。
【0048】
電磁波伝搬空間15内において、電磁波をその伝搬方向(X方向)に損失を抑えながら伝搬させるためには、導体11と導体12とに垂直な方向(厚み方向、縦方向、上下方向、Y方向)、または導体13と導体14とに垂直な方向(幅方向、横方向、左右方向、Z方向)のいずれかの方向に電界を存在させなければならない。導体が存在する端面では電界は振幅を持たないため、導体13と導体14とに垂直な方向(Z方向)に電界が存在できる電磁波の電磁波伝搬媒体1(電磁波伝搬空間15)内での波長は、幅Wに対しておよそ2倍以下(すなわちλ≦W×2)でなければならない。換言すれば、導体13と導体14とに垂直な方向(Z方向)に電界を存在させるためには、導体13と導体14との距離(すなわち幅W)は、伝搬させる電磁波の電磁波伝搬空間15内における波長に対しておよそ2分の1以上(すなわちW≧λ/2)でなければならない。
【0049】
つまり、電磁波伝搬媒体1(電磁波伝搬空間15)内を波長λの電磁波が伝搬する場合、導体13と導体14との距離(すなわち幅W)が波長λの2分の1以上(すなわちW≧λ/2)であれば、損失を小さく抑えながら電磁波を伝搬させることができるのに対して、導体13と導体14との距離(すなわち幅W)が波長λの2分の1未満(すなわちW<λ/2)であれば、損失が大きくなってしまう。換言すれば、電磁波伝搬媒体1(電磁波伝搬空間15)内を波長λの電磁波を伝搬させる場合、その電磁波の波長λが導体13と導体14との距離(すなわち幅W)の2倍以下(すなわちW×2≧λ)であれば、損失を小さく抑えながら電磁波を伝搬させることができるのに対して、電磁波の波長λが導体13と導体14との距離(すなわち幅W)の2倍よりも大きければ(すなわちW×2<λであれば)、損失が大きくなってしまう。
【0050】
例えば、電磁波伝搬媒体1(電磁波伝搬空間15)内の誘電率を1として通信用に損失を小さくしながら伝搬させる電磁波の周波数をおよそ2.5GHzとした場合には、損失を小さく抑えることができる幅Wの下限は6cm程度となり、幅Wが6cmよりも小さくなると、2.5GHzの電磁波の損失は大きくなってしまう。逆に言えば、電磁波伝搬媒体1(電磁波伝搬空間15)内の誘電率を1として幅Wが6cm程度であれば、およそ2.5GHzかそれ以上の周波数の電磁波は損失を小さくして電磁波伝搬媒体1(電磁波伝搬空間15)内を伝搬させることができるが、2.5GHzよりも低周波数(すなわち高波長)の電磁波を伝搬させると、損失が大きくなってしまう。
【0051】
ここで、電磁波伝搬媒体1(電磁波伝搬空間15)内を伝搬する電磁波の波長をλと表すこととし、この波長λは、伝搬する電磁波の電磁波伝搬媒体1(電磁波伝搬空間15)内における波長である。なお、以下で、「電磁波伝搬媒体(1)内を伝搬する電磁波の電磁波伝搬媒体(1)内における波長」などと言うときは、実際には、電磁波伝搬媒体(1)の電磁波伝搬空間15内を伝搬する電磁波の電磁波伝搬空間(15)内における波長を意味する。また、幅Wは、Z方向に沿った導体13と導体14との距離(間隔)であり、電磁波伝搬空間15のZ方向の寸法(幅)に対応しており、電磁波伝搬媒体1のZ方向の寸法(幅)に概ね一致している。厚みTは、Y方向に沿った導体11と導体12との距離(間隔)であり、電磁波伝搬空間15のY方向の寸法(厚み)に対応しており、電磁波伝搬媒体1のY方向の寸法(厚み)に概ね一致している。なお、幅Wの方向(ここではZ方向)と厚みTの方向(ここではY方向)とは、互いに直交しており、また、厚みTは幅W以下である(すなわちW≧T)。従って、電磁波伝搬媒体1は、電磁波の伝搬(進行)方向に垂直な方向の寸法として、幅(Z方向の寸法)Wと厚み(Y方向の寸法)Tとを有することになる。
【0052】
また、厚みTは幅W以下であるため、厚みTの大きさにかかわらず、幅Wが波長λの2分の1以上(すなわちW≧λ/2)であれば、損失を小さく抑えながら波長λの電磁波を伝搬させることができ、一方、厚みTの大きさにかかわらず、幅Wが波長λの2分の1未満(すなわちW<λ/2)であれば、波長λの電磁波を伝搬させたときの損失が大きくなってしまう。つまり、波長λの電磁波が電磁波伝搬媒体1内を伝搬したときの伝搬損失は、電磁波の伝搬方向に垂直な方向の寸法である幅Wと厚みTのうち、大きい方の寸法(ここでは幅W)と波長λとの関係に依存することになる。
【0053】
このため、幅Wの2倍に一致する波長(すなわちW×2=λの関係にある波長λ)を有する電磁波の周波数をfとすると、図5のグラフに示されるように、電磁波伝搬媒体1内を伝搬させる電磁波の周波数fが、周波数f以上(すなわちf≧f)であれば、伝搬に伴う電磁波の損失は小さく抑えられ、ほとんど強度(信号強度)を低下させずに電磁波を伝送させることができる。しかしながら、電磁波伝搬媒体1内を伝搬(伝送)させる電磁波の周波数fが、周波数fよりも小さく(すなわちf<f)なると、伝搬に伴う電磁波の損失が急に大きくなり、伝搬する電磁波が減衰して強度(信号強度)が大きく低下してしまうようになる。つまり、図5のグラフに示されるように、周波数f以上の周波数では、電磁波伝搬媒体1内を伝搬させたときの電磁波の損失は小さく、ほぼ一定であるのに対して、周波数fよりも低い周波数になると電磁波の損失が急に大きくなり始め、周波数が低くなるほど損失が大きくなる傾向になる。
【0054】
換言すれば、電磁波伝搬媒体1内(すなわち電磁波伝搬空間15内)での波長λが幅Wの2倍以下となる周波数(これが周波数f以上の周波数に対応する)の電磁波については、電磁波伝搬媒体1内を伝搬(伝送)させたときの電磁波の損失は小さく、λ≦W×2を満たす範囲の周波数について損失はほぼ一定である。それに対して、電磁波伝搬媒体1内(すなわち電磁波伝搬空間15内)での波長λが幅Wの2倍よりも大きくなる周波数(これが周波数f未満の周波数に対応する)の電磁波については、波長λが大きく(長く)なればなるほど(すなわち周波数が小さくなれば小さくなるほど)電磁波伝搬媒体1内での通過損失が増大する。
【0055】
本実施の形態では、このような電磁波伝搬媒体1の周波数特性を利用して、通常の通信と、端末3の位置検出とを使い分けて行う。具体的には、親機2と端末3との間、あるいは端末3同士の間で通信を行う際には、通信用信号として、周波数f1を有する電磁波(通信用信号)を用い、端末3の位置の検出を行う際には、位置検出用信号として、周波数f1とは異なる周波数f2を有する電磁波(位置検出用信号)を用いる。そして、通信用信号(周波数f1の電磁波)が電磁波伝搬媒体1内(すなわち電磁波伝搬空間15内)を伝搬したときの電磁波の減衰(損失)よりも、位置検出用信号(周波数f2の電磁波)が電磁波伝搬媒体1内(すなわち電磁波伝搬空間15内)を伝搬したときの電磁波の減衰(損失)が大きくなるように、通信用信号の周波数f1と位置検出用信号の周波数f2とを選択する。周波数f2は周波数f1よりも低く(f2<f1)、周波数f1は、上記周波数f以上の周波数(すなわちf1≧f)とすることが好ましく、周波数f2は、上記周波数f未満の周波数(すなわちf2<f)とすることが好ましい。
【0056】
なお、親機2と端末3との間、あるいは端末3同士の間で通常の通信(位置検出用信号の送受信以外の通信)を行う際に使用する電磁波(通信用の電磁波)を、通信用信号と称し、端末3の位置の検出を行う際に使用する電磁波(位置検出用の電磁波)を、位置検出用信号と称することとする。
【0057】
本実施の形態における位置検出の手法について、図6を参照して説明する。図6は、位置検出システム(位置検出装置)における位置検出法を説明するための説明図であり、上記図1にグラフを追加したものである。図6に示されるグラフは、電磁波伝搬媒体1に信号(電磁波)を伝送させたときの信号強度を示すグラフであり、図6に示されるグラフの横軸は、電磁波伝搬媒体1における位置に対応しているが、親機2からの距離でもある。図6に示されるグラフの縦軸は、電磁波伝搬媒体1内(すなわち電磁波伝搬空間15内)を伝送される信号(電磁波)の強度(信号強度)に対応している。図6に示されるグラフの横軸に示される位置P2,P3a〜P3fについて、位置P2は電磁波伝搬媒体1において親機2が配置されている位置に対応し、位置P3aは電磁波伝搬媒体1において端末3aが配置されている位置に対応し、位置P3bは電磁波伝搬媒体1において端末3bが配置されている位置に対応し、位置P3cは電磁波伝搬媒体1において端末3cが配置されている位置に対応している。また、位置P3dは電磁波伝搬媒体1において端末3dが配置されている位置に対応し、位置P3eは電磁波伝搬媒体1において端末3eが配置されている位置に対応し、位置P3fは電磁波伝搬媒体1において端末3fが配置されている位置に対応している。
【0058】
図6のグラフには、親機2から電磁波伝搬媒体1内に周波数f1の通信用信号を入力して電磁波伝搬媒体1内を伝送させたときの信号強度の変化と、親機2から電磁波伝搬媒体1内に周波数f2の位置検出用信号を入力して電磁波伝搬媒体1内を伝送させたときの信号強度の変化とが示されている。図6のグラフの縦軸が小さくなると、信号強度が小さくなることに対応している。図6のグラフの横軸は、親機2の位置P2を基準とし、この位置P2(親機2の位置)からの距離に対応しており、図6のグラフの横軸が大きくなると、位置P2(親機2の位置)からの距離が大きくなる(すなわち親機2の位置P2から離れる)ことに対応している。
【0059】
電磁波伝搬媒体1内に信号(電磁波)を伝送(伝搬)させた場合、伝送に伴う信号(電磁波)の減衰があると、伝送距離が長くなるほど信号強度(電磁波の強度)が減衰して低下してしまう。上述のように、周波数f1の通信用信号が電磁波伝搬媒体1内を伝送したときの信号(電磁波)の減衰(損失)よりも、周波数f2の位置検出用信号が電磁波伝搬媒体1内を伝送したときの信号(電磁波)の減衰(損失)の方が大きくなるように、周波数f1,f2を選択している。このため、図6のグラフからも分かるように、周波数f1の通信用信号を親機2から電磁波伝搬媒体1内に入力して電磁波伝搬媒体1内を伝送させた場合、伝送距離が長くなるほど(親機2の位置P2から離れるほど)、信号が減衰して信号強度が低下したとしても、その低下の程度は小さい。それに対して、周波数f2の位置検出用信号を親機2から電磁波伝搬媒体1内に入力して電磁波伝搬媒体1内を伝送させた場合、図6のグラフからも分かるように、伝送距離が長くなるほど(親機2の位置P2から離れるほど)、信号が減衰して信号強度が低下し、その低下の程度は大きい。
【0060】
すなわち、親機2から電磁波伝搬媒体1に周波数f1の通信用信号を入力した場合と周波数f2の位置検出用信号を入力した場合とを比べると(入力信号強度は両者で同じと仮定)、親機2の位置P2では周波数f1の通信用信号と周波数f2の位置検出用信号とで信号強度の差はほとんど無いが、親機2の位置P2から所定の同じ距離だけ離れた場所での信号強度は、周波数f2の位置検出用信号が周波数f1の通信用信号よりも低くなる。つまり、周波数f1の通信用信号と周波数f2の位置検出用信号とが電磁波伝搬媒体1内を同じ距離だけ伝送されたときの信号強度の低下(減衰)の程度(減衰量)は、周波数f1の信号よりも周波数f2の信号の方が大きくなり、図6に示されるグラフにおいて、周波数f2の位置検出用信号の信号強度曲線の傾きは、周波数f1の通信用信号の信号強度曲線の傾きよりも大きくなる。
【0061】
電磁波伝搬媒体1上に配置(設置)された親機2と複数の端末3のうち、親機2の位置が既知である(すなわち親機2が位置P2に設置されていることが分かっている)状態で、この設置位置が既知の親機2を基準にし、位置検出用信号を用いて端末3の位置を検出する。すなわち、親機2の位置が分かっており、端末3の位置が分かっていない状態で、端末3の位置を特定する必要性または要求が生じたときに、位置検出用信号により端末3の位置検出を行う。この際、親機2が電磁波伝搬媒体1を介して端末3に位置検出用信号を送信し、各端末3での位置検出用信号の受信信号強度に基づいて、端末3の位置を検出する。
【0062】
端末3の位置は、周波数f2の位置検出用信号を用いて検出する。これは、親機2から電磁波伝搬媒体1に入力(送信)され電磁波伝搬媒体1内を伝送された周波数f2の位置検出用信号を端末3で受け取り(受信し)、端末3で受け取った(受信した)位置検出用信号の信号強度により、その端末3の位置情報を得ることができるからである。位置検出用信号は、通信用信号に比べて、電磁波伝搬媒体1内の伝搬による減衰が大きく、送信元(親機2)からの距離が離れるほど信号強度が低下するため、各端末3が受信した位置検出用信号の信号強度に基づいて、各端末3の位置情報を検出することができる。
【0063】
ここで、位置情報とは、例えば、親機2から各端末3までの距離、電磁波伝搬媒体1における各端末3の配置位置、あるいは、電磁波伝搬媒体1における各端末3の並び順(配置順序、配列順序)などである。
【0064】
なお、「親機2から端末3までの距離」または「親機2と端末3との間の距離」と言うときは、「電磁波伝搬媒体1における電磁波伝搬経路に沿った親機2から端末3までの距離」または「電磁波伝搬媒体1における電磁波伝搬経路に沿った親機2と端末3との間の距離」のことであり、また、「端末3間の距離」と言うときは、「電磁波伝搬媒体1における電磁波伝搬経路に沿った端末3と端末3との間の距離」のことである。
【0065】
例えば、親機2から電磁波伝搬媒体1に周波数f2の信号を入力したときの、信号強度と電磁波伝搬媒体1の伝送距離(電磁波伝搬媒体1内を信号が進行した距離)との相関(以下、これを「周波数f2の信号強度と伝送距離の相関」と称し、図6のグラフのようなデータに相当するものである)を予め取得しておく。そして、端末3で受信した周波数f2の位置検出用信号の信号強度(すなわち受信信号強度)を、前記相関(周波数f2の信号強度と伝送距離との相関)に当てはめることで、周波数f2の位置検出用信号を送信した親機2の位置から、その位置検出用信号を受信した端末3の位置までの距離を、知る(検出する)ことができる。
【0066】
図6に示されるように、親機2から電磁波伝搬媒体1に信号強度がS0で周波数f2の位置検出用信号を入力し、この位置検出用信号が電磁波伝搬媒体1内を伝送するが、この位置検出用信号を端末3eで受け取った(受信した)場合には受信された位置検出用信号の信号強度はS3となり、位置検出用信号を端末3fで受け取った(受信した)場合には受信された位置検出用信号の信号強度はS4となる。この信号強度S4は信号強度S3よりも低くなる(すなわちS3>S4)。このため、周波数f2の信号強度と伝送距離の相関(図6のグラフのようなデータに相当するもの)を予め取得しておけば、ある端末3が受信した位置検出用信号の信号強度が強度S3であれば、その端末3の位置は位置P3eであると判別することができ、また、他の端末3が受信した位置検出用信号の信号強度が強度S4であれば、その端末3の位置は位置P3fであると判別することができる。
【0067】
また、例えば、予め取得していた周波数f2の信号強度と伝送距離の相関(図6のグラフのようなデータに相当するもの)において、電磁波伝搬媒体1内をある距離Lだけ伝送したときに、信号強度が伝送前の強度(強度S0に対応)の30%に低下することが分かっていたとする。この場合、親機2から電磁波伝搬媒体1に信号強度がS0で周波数f2の位置検出用信号を入力したときに、ある端末3で受信した位置検出用信号の受信信号強度が、信号強度S0の30%であれば、その端末3から親機2までの距離(電磁波伝搬媒体1に沿った距離)は前記距離Lである(すなわち、その端末3は親機2から距離Lだけ離れた位置にある)と判別することができる。
【0068】
また、信号強度S3の位置検出用信号を受信した端末3eよりも、信号強度S3よりも低い信号強度S4の位置検出用信号を受信した端末3fが、親機2から遠い位置(電磁波伝搬媒体1を通った伝送距離が遠い位置)にあると判別することができる。このため、各端末3で受信した位置検出用信号の信号強度が、端末3a、端末3b、端末3c、端末3d、端末3e、端末3fの順に小さければ、電磁波伝搬媒体1における電磁波の伝送経路に沿って、親機2から遠ざかる方向(電磁波の伝送距離が遠くなる方向)に、端末3a、端末3b、端末3c、端末3d、端末3e、端末3fの順に配置されていると判別することができる。
【0069】
このように、電磁波伝搬媒体1内を伝送すると、伝送距離が長くなるほど信号強度が低くなるような周波数f2を有する位置検出用信号を用いることで、各端末3の位置情報(親機2から各端末3までの距離、電磁波伝搬媒体1における各端末3の配置位置、あるいは、電磁波伝搬媒体1における各端末3の並び順など)を検出することができる。
【0070】
親機2から電磁波伝搬媒体1に、信号強度がS0で周波数f2の位置検出用信号を入力し、電磁波伝搬媒体1内を伝送された位置検出用信号を各端末3(3a,3b,3c,3d,3e,3f)で受信する。このときの各端末3(3a,3b,3c,3d,3e,3f)における位置検出用信号の受信信号強度は、親機2から各端末3(3a,3b,3c,3d,3e,3f)までの距離に応じて相違した(減衰された)強度となる。各端末3(3a,3b,3c,3d,3e,3f)は、位置検出用信号の受信信号強度の情報を、電磁波伝搬媒体1を介して親機2に送信し(このときは周波数f1の通信用信号として送信することが好ましい)、親機2は、この各端末3における位置検出用信号の受信信号強度の情報を受け取る。親機2は、各端末3の位置検出用信号の受信信号強度の情報を基に、各端末3の位置情報(親機2から各端末3までの距離、電磁波伝搬媒体1における各端末3の配置位置、あるいは、電磁波伝搬媒体1における各端末3の並び順など)を検出(判別)することができる。予め取得した周波数f2の信号強度と伝送距離の相関(図6のグラフのようなデータに相当するもの)のデータは、親機2が保持しているが、端末3が保持することもできる。あるいは、親機2と端末3とは別に設けられている機器に、周波数f2の信号強度と伝送距離の相関(図6のグラフのようなデータに相当するもの)のデータを保持させておき、この機器と親機2が通信することにより、親機2が周波数f2の信号強度と伝送距離の相関(図6のグラフのようなデータに相当するもの)のデータを適宜取得できるようにすることもできる。親機2は、各端末3から送られた位置検出用信号の受信信号強度の情報と、周波数f2の信号強度と伝送距離の相関(図6のグラフのようなデータに相当するもの)のデータとを基にして、各端末3の位置情報を検出することができる。このようにして、各端末3の位置が検出される。
【0071】
次に、位置検出用信号に周波数f2を用いる理由について、更に説明する。
【0072】
位置検出用信号は、電磁波伝搬媒体1内を伝送すると、伝送距離が長くなるほど信号強度が低くなるが、この低下の程度(図6に示されるグラフの傾きに相当)が大きい方が、端末3の位置検出精度を高めることができる。例えば、図6に示されるグラフにおいて、信号強度S3と信号強度S4との差(差分)をΔS3−4とすると(すなわちΔS3−4=S3−S4)、この差分ΔS3−4は、ある程度大きいことが望ましい。もしも、端末3eで受信した受信信号強度が何らかの誤差要因に起因して信号強度S3よりも若干小さかったときに、その端末3eの位置を位置P3eではなく位置P3fと判別してしまう危険性は、差分ΔS3−4が小さいほど大きくなってしまう。ここで、端末3で受信した位置検出用信号の信号強度の誤差要因としては、例えば、端末3毎の製造ばらつきや、電磁波伝搬媒体1における端末3の設置状況のばらつきなどが考えられる。しかしながら、差分ΔS3−4が大きければ、端末3eでの受信信号強度が何らかの誤差要因に起因して信号強度S3から多少変動したとしても、端末3eの位置を、位置P3fではなく位置P3eであると正確に検出することができる。このことは、端末3e以外の端末についてもあてはまる。このため、位置検出用信号には、電磁波伝搬媒体1内を伝送した際に減衰しやすい周波数(ここでは周波数f2)を選択することで、端末3で受信した位置検出用信号の信号強度が何らかの誤差要因に起因して多少変動したとしても、端末3の位置を正確に検出することができるようになる。つまり、親機2が電磁波伝搬媒体1を介して位置検出用信号を送信し、この位置検出用信号を各端末3a,3b,3c,3d,3e,3fで受信した場合、各端末3a,3b,3c,3d,3e,3fの受信信号強度は、親機2の送信時の強度S0よりもある程度低下(減衰)していた方が好ましく、各端末3a,3b,3c,3d,3e,3fの受信信号強度の差は大きい方が好ましい。
【0073】
一方、通信用信号は、電磁波伝搬媒体1内を伝送したときの減衰(強度の低下)が少ない方が好ましい。これは、親機2と端末3との間、あるいは端末3間で通信する際には、通信用信号があまり減衰せずに受信信号強度が高い方が、的確に通信用信号を送受信することができ、電磁波伝搬媒体1を介した伝送距離が長くなっても、上手く通信を行えるようになるためである。
【0074】
図6に示されるように、親機2から電磁波伝搬媒体1に信号強度がS0で周波数f1の通信用信号を入力し、入力された通信用信号が電磁波伝搬媒体1内を伝送するが、この通信用信号を端末3eで受け取った(受信した)場合には受信された通信用信号の信号強度はS1となり、通信用信号を端末3fで受け取った(受信した)場合には受信された通信用信号の信号強度はS2となる。この信号強度S1は上記信号強度S3よりも高く(すなわちS1>S3)、かつ信号強度S2は上記信号強度S4よりも高く(すなわちS2>S4)なる。このため、端末3e,3fでの通信用信号の受信信号強度を十分に確保することができる。このことは、端末3e,3f以外の端末についてもあてはまる。従って、各端末3において、通信用信号の受信信号強度を十分に確保することができ、的確に通信用信号を送受信することが可能になる。つまり、親機2が電磁波伝搬媒体1を介して通信用信号を送信し、この通信用信号を各端末3a,3b,3c,3d,3e,3fで受信した場合、各端末3a,3b,3c,3d,3e,3fの受信信号強度は、親機2の送信時の強度S0に近い方が好ましく、各端末3a,3b,3c,3d,3e,3fの受信信号強度の差は小さい方が好ましい。例えば、図6に示されるグラフにおいて、強度S1と強度S2との差(差分)をΔS1−2とすると(すなわちΔS1−2=S1−S2)、この差分ΔS1−2は小さいことが望ましく、上記ΔS3−4よりも小さい(ΔS1−2<ΔS3−4)ことが好ましい。
【0075】
本実施の形態とは異なり、通信用信号と位置検出用信号とのに両者に周波数f1を用いた場合には、端末の位置検出の精度が悪くなる。また、本実施の形態とは異なり、通信用信号と位置検出用信号とのに両者に周波数f2を用いた場合には、端末3での通信用信号の受信信号強度が低下してしまうため、電磁波伝搬媒体1を通る伝送距離が長くなると通信を上手く行えなくなってしまう。
【0076】
それに対して、本実施の形態では、通信用信号よりも位置検出用信号の方が、電磁波伝搬媒体1内を伝搬(伝送)した際の減衰が大きくなるように、通信用信号の周波数f1と位置検出用信号の周波数f2とを選択している。すなわち、通信用信号と位置検出用信号とが電磁波伝搬媒体1内を同じ距離だけ伝送したときの信号強度の低下率は、通信用信号よりも位置検出用信号の方が大きくなるように、通信用信号の周波数f1と位置検出用信号の周波数f2とを選択している。ここで、信号強度の低下率は、(伝送前の信号強度−伝送後の信号強度)/伝送前の信号強度に対応している。これにより、通信用信号の減衰を抑制して、的確に通信用信号を送受信できるようにし、電磁波伝搬媒体1を介した伝送距離が長くなっても上手く通信を行えるようにするとともに、通信用信号よりも減衰が大きな位置検出用信号を用いることで、端末3の位置検出精度を高めることができる。
【0077】
つまり、親機2が電磁波伝搬媒体1を介して位置検出用信号を送信してこれを各端末3a,3b,3c,3d,3e,3fが受信した場合の端末3a,3b,3c,3d,3e,3f同士の受信信号強度の差は、親機2が電磁波伝搬媒体1を介して通信用信号を送信してこれを各端末3a,3b,3c,3d,3e,3fで受信した場合の端末3a,3b,3c,3d,3e,3f同士の受信信号強度の差よりも大きくなっている。これにより、通信用信号を的確に送受信できるとともに、端末3の位置検出精度を高めることができる。
【0078】
位置検出用信号の周波数f2は、通信用信号の周波数f1よりも低い(f2<f1)が、通信用信号の周波数f1は、上記周波数f以上の周波数(すなわちf1≧f)とすることが好ましく、位置検出用信号の周波数f2は、上記周波数f未満の周波数(すなわちf2<f)とすることが好ましい。通信用信号の周波数f1を、上記周波数f以上の周波数(すなわちf1≧f)とすることにより、通信用信号が電磁波伝搬媒体1内を伝送したときの減衰を的確に抑制できるため、より的確に通信用信号を送受信できるようになる。これにより、電磁波伝搬媒体1を介した伝送距離が長くなっても、更に的確に通信を行えるようになる。また、位置検出用信号の周波数f2を、上記周波数f未満の周波数(すなわちf2<f)とすることにより、位置検出用信号が電磁波伝搬媒体1内を伝送したときの減衰を大きくすることができるため、端末3の位置検出精度を、より的確に向上させることができるようになる。
【0079】
本実施の形態では、電磁波伝搬媒体(1)の近傍に配置(設置)された複数の通信装置(親機2および端末3)のうち、第1通信装置(ここでは親機2)の位置は既知であり、この設置位置が既知の第1通信装置(親機2)を基準にして、それ以外の通信装置(ここでは端末3)の位置を検出する。すなわち、第1通信装置(親機2)が電磁波伝搬媒体(1)を介してそれ以外の通信装置(端末3)に位置検出用信号を送信し、この位置検出用信号の受信信号強度(各端末3での受信信号強度)に基づいて、第1通信装置(親機2)以外の通信装置(端末3)の位置を検出する。このときに使用する位置検出用信号は、通信装置(親機2および複数の端末3)間で電磁波伝搬媒体(1)を介して通信する際に用いる通信用信号とは周波数が異なり、かつ、その通信信号よりも、電磁波伝搬媒体(1)内の伝搬による減衰が大きいものである。通信信号よりも減衰が大きな位置検出用信号を用いることにより、第1通信装置(親機2)からの距離に応じて位置検出用信号の受信信号強度が大きく変化するため、第1通信装置(親機2)以外の通信装置(端末3)の位置を的確に検出することができ、また、位置検出用信号よりも減衰が小さな通信信号を用いることにより、受信信号強度の低下を抑えて的確な通信を行うことができるようになる。これにより、通信性能の向上と、位置検出精度の向上とを両立させることができる。
【0080】
なお、周波数f1,f2は、例えば、ISM(Industry Science Medical)帯である2.4GHz帯においては、通信用信号の周波数f1としておよそ2.48GHzを用い、位置検出用信号の周波数f1としておよそ2.40GHzを用いるなどすればよい。また、ISM帯である2.4GHz帯を位置検出用信号の周波数f2として用い、同じくISM帯である5.8GHz帯を通信用信号の周波数f1として用いるなど、異なる周波数帯を通信用信号の周波数f1と位置検出用信号の周波数f2とに用いても良い。もちろん、ISM帯に限らず、RFID(Radio Frequency IDentification)用や携帯電話用など、どの周波数帯についても同様のことが言える。
【0081】
また、電磁波伝搬媒体1の端面(電磁波の進行方向の端面、図1の電磁波伝搬媒体1の場合はZ方向の端面)は、電磁波を反射しない方が好ましいが、たとえ電磁波を反射するとしても、位置検出用信号は電磁波伝搬媒体1内の伝送に伴い減衰する(電磁波伝搬媒体1の端面に到達するまでに大きく減衰している)ため、位置検出用信号に対する悪影響は少ない。このため、位置検出用信号は電磁波伝搬媒体1内での減衰量が大きいので、電磁波伝搬媒体1の端面(電磁波の進行方向の端面、図1の電磁波伝搬媒体1の場合はZ方向の端面)は、所定のインピーダンスで終端したり、電磁波吸収体を備えたりせず、電磁波を反射する特性を持っていてもかまわない。
【0082】
本実施の形態における位置検出の他の手法について、図7および図8を参照して説明する。
【0083】
図7は、位置検出システム(位置検出装置)における位置検出法を説明するための説明図であり、上記図6に対応するものである。図7は、グラフ部分が、上記図6と相違しているが、他の構成(電磁波伝搬媒体1とそこに配置された親機2および端末3)については、上記図6と同様である。なお、図7のグラフの縦軸と横軸は、上記図6のグラフの縦軸および横軸と同様である。図8は、幅Wを有する電磁波伝搬媒体1で電磁波を伝送したときの伝搬特性(周波数特性)を示すグラフであり、上記図5に対応するものである。図8に示されるグラフは、上記図5のグラフと基本的に同じグラフであるが、上記図5のグラフで示した周波数f2の代わりに、図8のグラフでは周波数f2aとf2bとが示されている点が相違している。
【0084】
上記図5および図6を参照して説明した位置検出の手法では、端末3の位置検出に周波数f2の位置検出用信号を用いているが、図7および図8を参照して説明する位置検出の手法では、端末3の位置検出には、周波数f2aの位置検出用信号と周波数f2bの位置検出用信号とを用いる。
【0085】
周波数f2a,f2bは、上記周波数f2と同様に選択する。すなわち、親機2と端末3との間、あるいは端末3同士の間で通常の通信(位置検出用信号の送受信以外の通信)を行う際には、上述の通り上記周波数f1を有する通信用信号を用い、端末3の位置の検出を行う際には、周波数f2aを有する位置検出用信号と周波数f2bを有する位置検出用信号とを用いる。周波数f2a,f2bは、以下のように選択する。
【0086】
すなわち、周波数f1の通信用信号が電磁波伝搬媒体1内を伝搬したときの減衰(信号強度の低下)よりも、周波数f2aの位置検出用信号が電磁波伝搬媒体1内を伝搬したときの減衰(信号強度の低下)が大きくなるようにする。そして、周波数f2aの位置検出用信号が電磁波伝搬媒体1内を伝搬したときの減衰(信号強度の低下)よりも、周波数f2bの位置検出用信号が電磁波伝搬媒体1内を伝搬したときの減衰(信号強度の低下)が大きくなるようにする。つまり、周波数f1の通信用信号と周波数f2aの位置検出用信号と周波数f2bの位置検出用信号とを同じ信号強度で電磁波伝搬媒体1内に入力したと仮定した場合に、伝送距離が同じ箇所で比較すると、周波数f1の通信用信号の信号強度よりも周波数f2aの位置検出用信号の信号強度が低くなり、かつ、周波数f2aの位置検出用信号の信号強度よりも周波数f2bの位置検出用信号の信号強度が低くなるようにする。また、周波数f2aは周波数f1よりも低くかつ周波数f2bは周波数f2aよりも低く(f2b<f2a<f1)、周波数f1は、上述のように上記周波数f以上の周波数(すなわちf1≧f)とすることが好ましく、一方、周波数f2a,f2bは、上記周波数f未満の周波数(すなわちf2a<fかつf2b<f)とすることが好ましい。また、周波数f2aの位置検出用信号は、電磁波伝搬媒体1内を伝送すると減衰するが、親機2から電磁波伝搬媒体1に入力して電磁波伝搬媒体1内を伝送させたときに、親機2から最も遠い位置の端末3(図7の場合は端末3f)まで周波数f2aの位置検出用信号が届くように、周波数f2aを選択しておく。
【0087】
位置検出用信号に周波数f2aの信号を用いると、電磁波伝搬媒体1上に設置した全ての端末3に信号が届き、位置検出用信号を検知(受信)することができる。しかしながら、周波数f2aの位置検出用信号は、電磁波伝搬媒体1上に設置した全ての端末3に信号が届くように周波数f2aを選択しているため、隣接する端末3において受信した周波数f2aの位置検出用信号の信号強度の差は、比較的小さい。例えば、親機2から電磁波伝搬媒体1に信号強度がS0で周波数f2aの位置検出用信号を入力して電磁波伝搬媒体1内を伝送させ、この周波数f2aの位置検出用信号を端末3eで受信した場合の受信された位置検出用信号の強度をS5とし、この周波数f2aの位置検出用信号を端末3fで受信した場合の受信された位置検出用信号の強度をS6とする。この強度S5と強度S6との差(差分)ΔS5−6(すなわちΔS5−6=S5−S6)は、比較的小さくなる。そのため、周波数f2aの位置検出用信号を用いた場合、端末3毎の製造ばらつきや各端末3の設置状況のばらつきなどに起因した信号強度検出誤差(各端末3での位置検出用信号の受信信号強度の検出誤差)が、位置検出誤差(各端末3で受信した位置検出用信号の信号強度に基づく端末3の位置の検出の誤差)に与える影響は比較的大きい。
【0088】
一方、位置検出用信号に周波数f2bの信号を用いると、端末3a,3b,3cには周波数f2bの位置検出用信号が届くが、端末3d,3e,3fには周波数f2bの位置検出用信号は届かない(つまり受信信号強度が極めて小さくなるか信号を検知できなくなる)。すなわち、親機2から近い順に、端末3a,3b,3c,3d,3e,3fの順番で並んでいたとすると、親機2から近い端末3a,3b,3cには周波数f2bの位置検出用信号が届くが、それよりも遠い端末3d,3e,3fには、周波数f2bの位置検出用信号は届かない。つまり、周波数f2bの位置検出用信号では、位置検出できない端末3(ここでは端末3d,3e,3f)が発生する。しかしながら、周波数f2bの位置検出用信号が届いた端末3(ここでは端末3a,3b,3c)については、隣接する端末3において受信した周波数f2bの位置検出用信号の信号強度の差は、比較的大きい。例えば、親機2から電磁波伝搬媒体1に信号強度がS0で周波数f2bの位置検出用信号を入力して電磁波伝搬媒体1内を伝送させ、この周波数f2bの位置検出用信号を端末3bで受信した場合の受信信号強度をS7とし、この周波数f2bの位置検出用信号を端末3cで受信した場合の受信信号強度をS8とする。この信号強度S7と信号強度S8との差(差分)ΔS7−8(すなわちΔS7−8=S7−S8)は、比較的大きくなる。そのため、周波数f2baの位置検出用信号を用いた場合、端末3毎の製造ばらつきや各端末3の設置状況のばらつきなどに起因した信号強度検出誤差(各端末3での位置検出用信号の受信信号強度の検出誤差)が、位置検出誤差(各端末3で受信した位置検出用信号の信号強度に基づく端末3の位置の検出の誤差)に与える影響は比較的小さい。
【0089】
このため、周波数f2bの位置検出用信号を用いることで、周波数f2bの位置検出用信号が届く範囲にある端末3(ここでは端末3a,3b,3c)についての位置情報(親機2から各端末3までの距離、電磁波伝搬媒体1における各端末3の配置位置、あるいは、電磁波伝搬媒体1における各端末3の並び順など)を高精度に検出することができる。そして、周波数f2aの位置検出用信号を用いることで、周波数f2bの位置検出用信号が届かない範囲にある端末3(ここでは端末3d,3e,3f)についての位置情報を検出することができる。また、ここでは、2つの周波数(周波数f2aと周波数f2b)を位置検出用信号に用いる場合について説明したが、3つ以上の周波数を位置検出用信号に用いることも可能である。
【0090】
このように、位置検出範囲(端末3に位置検出用信号が届く範囲)と位置検出精度(各端末3の位置を正確に検出する精度)とは、トレードオフの関係にある。このため、位置検出用信号の周波数は、電磁波伝搬媒体1のサイズや必要な位置検出精度に応じて適切に選択することが好ましい。あるいは、位置検出用信号の周波数を変更しながら各端末3の受信信号強度(各端末3で受信した位置検出用信号の信号強度)を検出し、それらの情報の中から、適切な情報を基に各端末3の位置を検出することもできる。
【0091】
本実施の形態における位置検出の更に他の手法について、図9および図10を参照して説明する。
【0092】
図9および図10は、位置検出システム(位置検出装置)における位置検出法を説明するための説明図であり、上記図6図7に対応するものである。図9および図10は、グラフ部分が、上記図6図7と相違しているが、他の構成(電磁波伝搬媒体1とそこに配置された親機2および端末3)については、上記図6図7と同様である。なお、図9および図10のグラフの縦軸と横軸は、上記図6のグラフの縦軸および横軸と同様である。
【0093】
図9の手法と図10の手法とは、両方とも、親機2から遠く離れた位置にある端末3の位置検出を行いやすくするための、位置検出の手法である。まず、図9の手法について説明する。
【0094】
上記図5および図6を参照して説明した位置検出の手法では、端末3の位置検出に周波数f2の位置検出用信号を用いているが、図9を参照して説明する位置検出の手法では、端末3の位置検出には、周波数f2cの位置検出用信号を用いる。
【0095】
周波数f2cは、上記周波数f2と同様に選択する。すなわち、親機2と端末3との間、あるいは端末3同士の間で通常の通信(位置検出用信号の送受信以外の通信)を行う際には、上述の通り上記周波数f1を有する通信用信号を用い、端末3の位置の検出を行う際には、周波数f2cを有する位置検出用信号を用いる。周波数f2cは、以下のように選択する。
【0096】
すなわち、周波数f1の通信用信号が電磁波伝搬媒体1内を伝搬したときの減衰(信号強度の低下)よりも、周波数f2cの位置検出用信号が電磁波伝搬媒体1内を伝搬したときの減衰(信号強度の低下)が大きくなるように、周波数f2cを選択する。つまり、周波数f1の通信用信号と周波数f2cの位置検出用信号とを同じ信号強度で電磁波伝搬媒体1に入力したと仮定した場合に、伝送距離が同じ箇所で比較すると、周波数f1の通信用信号の信号強度よりも周波数f2cの位置検出用信号の信号強度が低くなるように、周波数f2cを選択する。また、周波数f2cは周波数f1よりも低く(f2c<f1)、周波数f1は、上述のように上記周波数f以上の周波数(すなわちf1≧f)とすることが好ましく、一方、周波数f2cは、上記周波数f未満の周波数(すなわちf2c<f)とすることが好ましい。
【0097】
親機2から電磁波伝搬媒体1に入力した周波数f1の通信用信号は、電磁波伝搬媒体1内での減衰が小さいため、電磁波伝搬媒体1上に配置された複数の端末3のうち、親機2から最も離れた位置にある端末3(図9の場合は端末3f)にも確実に伝送することができ、親機2から最も離れた位置にある端末3(図9の場合は端末3f)で受信した通信用信号の強度S2を比較的大きくすることができる。すなわち、周波数f1の通信用信号は、電磁波伝搬媒体1内を伝送するときの減衰が小さく、親機2から電磁波伝搬媒体1に入力して電磁波伝搬媒体1内を伝送させたときに、親機2から最も遠い位置の端末3(図9の場合は端末3f)まで周波数f1の通信用信号が届くように、周波数f1が選択されている。しかしながら、周波数f2cの位置検出用信号は、電磁波伝搬媒体1内での減衰が大きいため、通信用信号と同じ送信電力とした場合(電磁波伝搬媒体1への入力時の信号強度を通信用信号と位置検出用信号とで同じにした場合に対応)には、親機2から電磁波伝搬媒体1を介して送信した周波数f2cの位置検出用信号は、親機2から最も離れた位置にある端末3(図9の場合は端末3f)には届かない。すなわち、周波数f2cの位置検出用信号は、電磁波伝搬媒体1内を伝送すると減衰するが、親機2から電磁波伝搬媒体1に入力して電磁波伝搬媒体1内を伝送させたときに、親機2から最も遠い位置の端末3(図9の場合は端末3f)まで周波数f2cの位置検出用信号が届かないように、周波数f2cが選択されている。
【0098】
図9の手法では、まず、親機2から電磁波伝搬媒体1を介して送信した周波数f2cの位置検出用信号を用いて、端末3a,3b,3cの位置検出を行う。すなわち、親機2から電磁波伝搬媒体1に信号強度がS0で周波数f2cの位置検出用信号を入力して電磁波伝搬媒体1内を伝送させると、この位置検出用信号は、端末3a,3b,3cまで届き、端末3a,3b,3cで受信することができる。このため、親機2から送信された位置検出用信号の各端末3a,3b,3cでの受信信号強度(受信した位置検出用信号の信号強度)に基づき、各端末3a,3b,3cの位置情報(親機2から各端末3a,3b,3cまでの距離、電磁波伝搬媒体1における各端末3a,3b,3cの配置位置、あるいは、電磁波伝搬媒体1における各端末3a,3b,3cの並び順など)を得ることができる。各端末3a,3b,3cは、親機2からの位置検出用信号の受信信号強度の情報を、電磁波伝搬媒体1を介して親機2に送信し(このときは周波数f1の通信用信号として送信することが好ましい)、親機2は、この各端末3a,3b,3cにおける位置検出用信号の受信信号強度の情報を受け取り、この情報を基に、各端末3a,3b,3cの位置情報を検出(判別)することができる。
【0099】
次に、位置検出が完了した端末3a,3b,3cのうち、親機2から最も遠い端末3cが位置検出用信号を電磁波伝搬媒体1を介して送信し、この位置検出用信号を端末3d,3e,3fで受信することで、端末3d,3e,3fの位置検出を行う。すなわち、親機2からの指令(この指令は周波数f1の通信用信号を用いて親機2から電磁波伝搬媒体1を介して端末3cに送られる)に基づいて、端末3cから電磁波伝搬媒体1に信号強度がS0で周波数f2cの位置検出用信号を入力して電磁波伝搬媒体1内を伝送させる。この端末3cからの位置検出用信号は、端末3d,3e,3fまで届き、端末3d,3e,3fで受信することができる。親機2が送信する位置検出用信号と同様に、端末3cが送信する位置検出用信号は、通信用信号よりも、電磁波伝搬媒体1内の伝搬による減衰が大きい。このため、端末3cから送信された位置検出用信号の各端末3d,3e,3fでの受信信号強度に基づき、各端末3d,3e,3fの位置情報(端末3cから各端末3d,3e,3fまでの距離、電磁波伝搬媒体1における各端末3d,3e,3fの配置位置、あるいは、電磁波伝搬媒体1における各端末3d,3e,3fの並び順など)を得ることができる。各端末3d,3e,3fは、端末3cからの位置検出用信号の受信信号強度の情報を、電磁波伝搬媒体1を介して親機2に送信し(このときは周波数f1の通信用信号として送信することが好ましい)、親機2は、この各端末3d,3e,3fにおける位置検出用信号の受信信号強度の情報を受け取る。親機2は、各端末3d,3e,3fから受け取った各端末3d,3e,3fにおける端末3cからの位置検出用信号の受信信号強度の情報と、その前に各端末3a,3b,3cから受け取っている、各端末3a,3b,3cにおける親機2からの位置検出用信号の受信信号強度の情報とを組み合わせることができる。これにより、各端末3a,3b,3c,3d,3e,3fの位置情報(親機2から各端末3a,3b,3c,3d,3e,3fまでの距離、電磁波伝搬媒体1における各端末3a,3b,3c,3d,3e,3fの配置位置、あるいは、電磁波伝搬媒体1における各端末3a,3b,3c,3d,3e,3fの並び順など)を検出(判別)することができる。
【0100】
このようにして、親機2が送信する位置検出用信号が届かない端末3(ここでは端末3d,3e,3f)においても位置検出が可能となる。すなわち、親機2から遠く離れた位置の端末3の位置検出を的確に行うことができる。また、親機2からの位置検出用信号が全ての端末3に届く必要は無く、一部の端末3に届けばよいため、位置検出用信号が電磁波伝搬媒体1内を伝送するときの減衰の程度(図9に示されるグラフの傾きに相当)を大きくすることができ、端末3の位置検出精度を高めることができる。このため、親機2と端末3を配置する電磁波伝搬媒体1が長い場合(すなわち電磁波伝搬媒体1を介した信号の伝送距離が長い場合)に適用すれば、効果が大きい。
【0101】
なお、位置検出用信号を送信する端末3は、位置検出が完了した端末3のうち最も遠い端末3に限らない。例えば、図9の場合に、親機2からの位置検出用信号によって端末3a,3b,3cの位置を検出した後、端末3cではなく、端末3bが位置検出用信号を電磁波伝搬媒体1を介して送信することもできる。但し、位置検出が完了した端末3のうち最も遠い端末3(図9の場合は端末3c)から位置検出用信号を電磁波伝搬媒体1を介して送信するようにすれば、位置検出用信号の送信回数を抑制しながら、端末3の位置検出可能範囲を広げることができるようになる。
【0102】
また、位置検出が完了した端末3のうちの一部の端末3(図9の場合は端末3c)が位置検出用信号を送信し、位置検出が完了した他の端末3(図9の場合は端末3a,3b)がその位置検出用信号を受信することにより、親機2による位置検出結果を再確認し、位置検出精度を高めることもできる。
【0103】
次に、図10に示される手法について説明する。
【0104】
図10の手法は、周波数f1を通信用信号に用い、周波数f2cを位置検出用信号に用いることは、上記図9の手法と同様である。このため、周波数f1と周波数f2cについての説明は、ここでは省略する。
【0105】
親機2から電磁波伝搬媒体1に入力した強度S0で周波数f1の通信用信号は、電磁波伝搬媒体1内での減衰が小さいため、電磁波伝搬媒体1上に配置された複数の端末3のうち、親機2から最も離れた位置にある端末3(図9の場合は端末3f)にも確実に伝送することができ、親機2から最も離れた位置にある端末3(図9の場合は端末3f)で受信した通信用信号の信号強度を比較的大きくすることができる。しかしながら、周波数f2cの位置検出用信号は、電磁波伝搬媒体1内での減衰が大きいため、親機2が通信用信号と同じ送信電力で位置検出用信号を送信した場合には、親機2から電磁波伝搬媒体1を介して送信した周波数f2cの位置検出用信号は、親機2から最も離れた位置にある端末3(図9の場合は端末3f)には届かない。すなわち、図10のグラフにおいて破線で示されるように、親機2から電磁波伝搬媒体1に入力する位置検出用信号の信号強度(入力強度)を、親機2から電磁波伝搬媒体1に入力する通信用信号の信号強度(入力強度)と同じ強度S0にした場合には、親機2からの位置検出用信号は、端末3a,3b,3cまでは届くが、電磁波伝搬媒体1内を伝送するに伴い減衰することで、端末3d,3e,3fまでは届かない。このため、親機2からの位置検出用信号を端末3a,3b,3cで受信することはできるが、端末3d,3e,3fでは受信できなくなってしまう。
【0106】
そこで、図10の手法の場合、図10のグラフに実線で示されるように、親機2が位置検出用信号を送信する際の送信電力を増大し、端末3d,3e,3fにまで位置検出用信号が届くようにする。すなわち、親機2は、通信用信号の送信電力よりも高い電力で、位置検出用信号を送信する。つまり、親機2から電磁波伝搬媒体1に入力する通信用信号の信号強度(入力強度)S0よりも、親機2から電磁波伝搬媒体1に入力する位置検出用信号の信号強度(入力強度)S0aを大きくする(すなわちS0a>S0)。これにより、位置検出用信号が電磁波伝搬媒体1内で減衰したとしても、親機2から電磁波伝搬媒体1への位置検出用信号の入力強度(S0a)を高くすることで、端末3d,3e,3fを含む電磁波伝搬媒体1上に配置された全ての端末3まで位置検出用信号が届くようにすることができ、端末3d,3e,3fを含む全ての端末3で位置検出用信号を受信することができる。こうすることで、通信用信号と同じ送信電力では位置検出用信号が届かない端末3(図10の場合は端末3d,3e,3f)においても、位置検出用信号を届かせることができ、位置検出用信号の受信信号強度に基づいて端末3の位置検出が可能となる。このため、電磁波伝搬媒体上に配置された全ての端末3の位置検出を行うことができるようになる。また、位置検出用信号が電磁波伝搬媒体1内を伝送するときの減衰の程度(図10に示されるグラフの傾きに相当)を大きくすることができるため、端末3の位置検出精度を高めることができる。
【0107】
なお、図10の手法において、端末3a,3b,3cの位置は、通信用信号と同じ送信電力の位置検出用信号(入力強度がS0の位置検出用信号に対応)を用いた場合の受信信号強度S9,S10,S11を基に検出しても良いし、通信用信号よりも送信電力を増大した位置検出用信号(入力強度がS0aの位置検出用信号に対応)を用いた場合の受信信号強度S9a,S10a,S11aを基に検出しても良い。ここで、通信用信号と同じ送信電力の位置検出用信号(入力強度がS0の位置検出用信号に対応、周波数はf2c)を親機2から電磁波伝搬媒体1を介して送信したときに、端末3aで受信される位置検出用信号の信号強度をS9とし、端末3bで受信される位置検出用信号の信号強度をS10とし、端末3cで受信される位置検出用信号の信号強度をS11とする。また、送信電力を増大した位置検出用信号(入力強度がS0aの位置検出用信号に対応、周波数はf2c)を親機2から電磁波伝搬媒体1を介して送信したときに、端末3aで受信される位置検出用信号の信号強度をS9aとし、端末3bで受信される位置検出用信号の信号強度をS10aとし、端末3cで受信される位置検出用信号の信号強度をS11aとする。
【0108】
すなわち、端末3d,3e,3fについては、通信用信号よりも送信電力を増大した位置検出用信号(入力強度がS0aの位置検出用信号に対応)を親機2から電磁波伝搬媒体1を介して送信してこの位置検出用信号の端末3d,3e,3fでの受信信号強度により、端末3d,3e,3fの位置を検出する。一方、端末3a,3b,3cについては、送信電力を増大しなくとも親機2からの位置検出用信号が届く。このため、通信用信号よりも送信電力を増大した位置検出用信号を親機2から電磁波伝搬媒体1を介して送信し、これを端末3a,3b,3cで受信した受信信号強度(S9a,S10a,S11a)により端末3a,3b,3cの位置を検出することができる。あるいは、通信用信号と同じ送信電力の位置検出用信号を親機2から電磁波伝搬媒体1を介して送信して、これを端末3a,3b,3cで受信した受信信号強度(S9,S10,S11)により端末3a,3b,3cの位置を検出することもできる。
【0109】
しかしながら、通信用信号よりも送信電力を増大した(入力強度がS0aの)位置検出用信号を親機2から電磁波伝搬媒体1を介して送信して端末3a,3b,3cで受信するようにした場合、端末3a,3b,3cでの受信信号強度S9a,S10a,S11aは通信用信号の受信信号強度(端末3で受信する通信用信号の強度)よりも大きくなる。このため、各端末3の受信可能な信号強度範囲を、受信信号強度S9a,S10a,S11aまで高める必要がある。
【0110】
また、図9の手法と図10の手法とを組み合わせて実施することで、必ずしも、親機2の位置検出用信号の送信電力(位置検出用信号の入力強度S0a)は、通信によって存在を確認している全端末3に位置検出用信号が届くように増大しなくても良い。こうすることで、親機2の送信電力調整範囲の拡大を抑制することができる。
【0111】
また、親機2の位置検出用信号の送信電力を減少させて(通信信号の送信電力よりも減少させて)、位置検出用信号を送信する端末3の数を増やしても良い。例えば、親機2から送信する位置検出用信号の送信電力を、端末3bまでしか位置検出用信号が届かないような送信電力に減少させ、その位置検出用信号を用いて端末3a,3bの位置を検出してから、端末3bが位置検出用信号を送信する。端末3bからの位置検出用信号は端末3dまでしか届かず、その位置検出用信号を用いて端末3c,3dの位置を検出してから、端末3dが位置検出用信号を送信し、その位置検出用信号を用いて端末3e,3fの位置を検出する。これにより、1送信当たりの位置検出用信号の送信電力を削減でき、全ての端末3の位置検出に要する電力を削減できる場合がある。
【0112】
本実施の形態における位置検出の更に他の手法について、図11および図12を参照して説明する。
【0113】
図11は、位置検出システム(位置検出装置)における位置検出法を説明するための説明図であり、上記図6に対応するものである。図11のグラフ部分の縦軸と横軸は、上記図6のグラフ部分の縦軸および横軸と同様である。また、図12は、図11に示される位置検出システム(電磁波伝搬媒体1上に親機2および端末3が配置された構成)から、端末3を除いた図であり、電磁波伝搬媒体1上に親機2が配置された状態(電磁波伝搬媒体1上に端末3を配置する前の状態)の斜視図(説明図)が示されている。
【0114】
図11に示される位置検出システム(電磁波伝搬媒体1上に親機2および端末3が配置された構成)は、上記図6に示される位置検出システム(電磁波伝搬媒体1上に親機2および端末3が配置された構成)と以下の点が相違している。
【0115】
上記図1および図6に示される位置検出システムは、電磁波伝搬媒体1の上面の端部(X方向の端部)に親機2が配置され、その親機2からX方向に沿って離れる1方向に全ての端末3が配置されていた。すなわち、電磁波伝搬媒体1上に、親機2、端末3a、端末3b、端末3c、端末3d、端末3e、端末3fがこの順で一列に配列していた。
【0116】
それに対して、図11に示される位置検出システムは、電磁波伝搬媒体1の上面のX方向の中央付近に親機2が配置され、その親機2からX方向に沿って離れる2方向にそれぞれ端末3が配置されている。つまり、親機2から見て、X1方向に離れる方向と、X2方向に離れる方向に、それぞれ端末3が配置されている(図11の場合は、X1方向に端末3d,3e,3fが配置され、X2方向に端末3a,3b,3cが配置されている。ここで、X1方向およびX2方向は、X方向に沿った方向であるが、X1方向とX2方向とは互いに反対側の方向である。すなわち、電磁波伝搬媒体1上に、端末3a、端末3b、端末3c、親機2、端末3d、端末3e、端末3fがこの順に一列に配列している。
【0117】
図11の位置検出システムでは、親機2が電磁波伝搬媒体1の端(X方向の端)に存在しておらず、親機2から見て2方向(X1方向およびX2方向)に端末3が配置されているため、各端末3と親機2との間の距離を検出しただけでは、各端末3の位置を特定することができない。このような場合でも、各端末3の位置を特定する方法として、親機2は「電磁波伝搬媒体1の形状に関する情報」を予め持ち(取得しておき)、電磁波伝搬媒体1において各端末3が設置される候補位置と、親機2から各端末3までの距離(この距離は各端末3での位置検出用信号の受信信号強度に基づいて検出できる)とを合わせて、各端末3の位置を検出(特定)する方法がある。
【0118】
ここで、「電磁波伝搬媒体1の形状に関する情報」とは、電磁波伝搬媒体1におけるスロットSLの位置など、電磁波伝搬媒体1において端末3を設置(配置)可能な位置(端末3が設置される候補位置)の情報などに対応しており、「電磁波伝搬媒体1における端末3の設置可能位置(設置候補位置)に関する情報」と言い換えることもできる。以下、具体的に説明する。
【0119】
例えば、電磁波伝搬媒体1の構成が、上記図2のようにスロットSLを設けた構成である場合、電磁波伝搬媒体1における端末3の設置位置(設置可能位置)は、スロットSL上に限定される。電磁波伝搬媒体1における各スロットSLと親機2との間の距離が、スロットSLごとに全て異なる距離である場合、各端末3での位置検出用信号の受信信号強度に基づいて各端末3と親機2との間の距離を検出することで、各端末3と各スロットSLとの対応を取ることができる。すなわち、どのスロットSLにどの端末3が配置されたかを検出することができる。つまり、各端末3の位置を検出することができる。
【0120】
一例を示せば、図12に示されるように、電磁波伝搬媒体1において、親機2(具体的には親機2が配置されたスロットSL)からX2方向に距離d1ずつ離れるごとにスロットSLが配置され、親機2(具体的には親機2が配置されたスロットSL)からX1方向に距離d2離れた位置と、その位置(親機2からX1方向に距離d2離れた位置)から距離d1ずつ離れるごとにスロットSLが配置されるようにする。
【0121】
すなわち図12の場合は、電磁波伝搬媒体1にスロットSLとしてスロットSL1a,SL1b,SL1c,SL1d,SL1e,SL1fが設けられており、スロットSL1a、スロットSL1b、スロットSL1c、親機2(具体的には親機2が配置されたスロットSL)、スロットSL1d、スロットSL1e、スロットSL1fがこの順に配列している。そして、スロットSL1a,SL1b間の距離と、スロットSL1b,SL1c間の距離と、スロットSL1d,SL1e間の距離と、スロットSL1e,SL1f間の距離と、親機2(具体的には親機2が配置されたスロットSL)とスロットSL1cとの間の距離とが、距離d1に等しくなっている。そして、親機2(具体的には親機2が配置されたスロットSL)とスロットSL1dとの間の距離は、距離d2に等しくなっている。このとき、距離d2は、距離d1の整数倍ではない距離に設定する(例えば距離d2を距離d1の1.5倍に設定する)。これにより、電磁波伝搬媒体1における各スロットSLと親機2との間の距離は、スロットSLごとに全て異なる距離とすることができる。
【0122】
具体的には、スロットSL1aと親機2との間の距離はd1×3で、スロットSL1bと親機2との間の距離はd1×2で、スロットSL1cと親機2との間の距離はd1で、スロットSL1dと親機2との間の距離はd1+d2で、スロットSL1eと親機2との間の距離はd1×2+d2で、スロットSL1fと親機2との間の距離はd1×3+d2となる。このとき、d2がd1の整数倍でなければ(例えばd2がd1の1.5倍であれば)、スロットSL1aと親機2との間の距離と、スロットSL1bと親機2との間の距離と、スロットSL1cと親機2との間の距離と、スロットSL1dと親機2との間の距離と、スロットSL1eと親機2との間の距離と、スロットSL1fと親機2との間の距離とは、互いに相違した値となる。
【0123】
このようにして、各スロットSLと親機2との間の距離が、全てのスロットSLにおいて互いに相違する(一致することがない)ようにすることができる。このため、スロットSLに端末3を配置させたときに、各端末3と親機2との間の距離が、全ての端末3において互いに相違する(一致することがない)ようにすることができる。
【0124】
親機2から各端末3までの距離は、上記図6を参照して説明したように、親機2から電磁波伝搬媒体1を介して位置検出用信号(周波数f2)を送信し、この位置検出用信号の各端末3での受信信号強度から、親機2から各端末3までの距離を検知することができる。図11の場合は、親機2から電磁波伝搬媒体1に位置検出用信号(周波数f2)を入力し、電磁波伝搬媒体1内をX1方向に伝送させて端末3a,3b,3cでこの位置検出用信号を受信し、また、親機2から電磁波伝搬媒体1に位置検出用信号(周波数f2)を入力し、電磁波伝搬媒体1内をX2方向に伝送させて端末3d,3e,3fでこの位置検出用信号を受信する。このときの、各端末3a,3b,3c,3d,3e,3fでの受信信号強度S12,S13,S14,S15,S16,S17に基づいて、親機2から各端末3a,3b,3c,3d,3e,3fまでの距離を検知することができる。各端末3a,3b,3c,3d,3e,3fと親機2との間の距離は互いに相違しているため、端末3aでの受信信号強度S12と、端末3bでの受信信号強度S13と、端末3cでの受信信号強度S14と、端末3dでの受信信号強度S15と、端末3eでの受信信号強度S16と、端末3fでの受信信号強度S17とは、互いに相違した値となる。そして、親機2から各端末3a,3b,3c,3d,3e,3fまでの距離が分かると、電磁波伝搬媒体1のどのスロットSL1a,SL1b,SL1c,SL1d,SL1e,SL1fにどの端末3a,3b,3c,3d,3e,3fが配置されているかを特定することができる。これは、上述のように、各スロットSLと親機2との間の距離が、全てのスロットSLにおいて互いに相違する(一致することがない)ようにし、かつ、電磁波伝搬媒体1におけるスロットSLの位置に関する情報を予め取得しておくことで、位置検出用信号の強度に基づいて親機2から端末3までの距離が分かれば、そのスロットSLにどの端末3が設置されているかを、検出することができるためである。
【0125】
つまり、親機2から電磁波伝搬媒体1を介して送信された位置検出用信号を各端末3(3a,3b,3c,3d,3e,3f)で受信し、位置検出用信号の各端末3での受信信号強度(S12,S13,S14,S15,S16,S17)に関する情報を各端末3から電磁波伝搬媒体1を介して親機2に送信し(このときは通信信号として周波数f1を用いることが好ましい)、これを親機2で受信する。親機2は、受信した各端末3での受信信号強度(S12,S13,S14,S15,S16,S17)に関する情報に基づいて、各端末3の設置位置を特定(検出)することができる。電磁波伝搬媒体1の形状に関する情報(電磁波伝搬媒体1における端末3の設置可能位置に関する情報など)や、上述した周波数f2の信号強度と伝送距離の相関(図6のグラフのようなデータに相当するもの)のデータは、予め親機2が保持しているが、端末3が保持することもできる。あるいは、これらは、親機2と端末3とは別に設けられている機器に保持させておき、この機器と親機2が通信することにより、親機2がその機器から適宜取得できるようにすることもできる。親機2は、各端末3から送られた位置検出用信号の受信信号強度(S12,S13,S14,S15,S16,S17)に関する情報と、電磁波伝搬媒体1の形状に関する情報(電磁波伝搬媒体1における端末3の設置可能位置に関する情報など)と、上述した周波数f2の信号強度と伝送距離の相関(図6のグラフのようなデータに相当するもの)のデータなどに基づいて、各端末3の設置位置を特定(検出)することができる。このようにして、各端末3の位置が検出される。
【0126】
なお、電磁波伝搬媒体1の構成が、上記図3のようにどこにでも端末3を設置できる場合においても、端末3の設置位置が決められている用途(例えばラックやケースに収納されたサーバ、ストレージ、無停電電源装置、リチウムイオン電池などの2次電池、電力変換器、太陽光発電などのシステム)では、親機2との間の距離が等しい端末3が存在しないように、各端末3を配置することが可能である。端末3の設置位置が決まっている用途においても、同一機能を有する複数の端末3を設置することから、各端末3のIDと設置位置との関係は、位置検出をして初めて判明する情報である。
【0127】
また、上記図9で説明したように、親機2だけでなく端末3(例えば端末3cや端末3dなど)が位置検出用信号を送信することで、端末3同士の距離を検出することができる。親機2からの位置検出用信号を各端末3で受信したときの受信信号強度に基づく親機2と各端末3との間の距離の情報に加え、端末3(例えば端末3cや端末3dなど)からの位置検出用信号を他の端末3(例えば端末3a,3bcや端末3e,3fなど)で受信したときの受信信号強度に基づく端末3間の距離の情報をも用いることにより、たとえ親機2との間の距離が一致する端末3が存在していても、各端末3の位置検出が可能になる。
【0128】
例えば、端末3dと親機2との間の距離d2が、他の端末3(端末3d以外の端末3)と親機2との間の距離と異なっていれば、親機2からの位置検出用信号により端末3dの位置は検出可能である(すなわち親機2から送信された位置検出用信号の各端末3での受信信号強度に基づいて親機2からの距離がd2であると判定された端末3が、端末3dと判別できる)。このとき、仮に端末3aと端末3bとの間の距離がd1ではなくd2であるとすると、端末3aと端末3fは親機2から等距離(d1×2+d2)に位置することになり、親機2との間の距離の情報(この情報は親機2からの位置検出用信号の受信信号強度に基づいて得られる)だけでは、端末3aと端末3fとを区別できない。しかしながら、端末3dからの距離の情報(この情報は端末3dから送信された位置検出用信号の受信信号強度に基づいて得られる)を追加すると、端末3aと端末3fとを区別できるようになる。
【0129】
つまり、親機2から電磁波伝搬媒体1を介して送信された位置検出用信号の各端末3での受信信号強度に基づいて、親機2から各端末3までの距離が検知され、親機2からの距離がd2である端末3dがまず特定される(親機2からの距離がd2である端末3は1つしかあり得ないため特定可能)。それから、この端末3dから電磁波伝搬媒体1を介して送信された位置検出用信号の各端末3(端末3d以外の各端末3)での受信信号強度に基づいて、端末3dから各端末3(端末3d以外の各端末3)までの距離が検知される。これにより、親機2から送信された位置検出用信号の受信信号強度の情報(すなわち、親機2からの距離の情報)と、端末3dから送信された位置検出用信号の受信信号強度の情報(すなわち、端末3dからの距離の情報)との両方に基づいて、端末3d以外の端末3(3a,3b,3c,3e,3f)の位置を特定することができる。これにより、全ての端末3の位置を特定することができる。
【0130】
従って、親機2を基準にして2方向(例えばX1方向およびX2方向)に端末3が配置(配列)される場合は、少なくとも1つの端末3と親機2との間の距離が、他の端末3と親機2との間の距離と一致しなければ、電磁波伝搬媒体1の形状に関する情報(電磁波伝搬媒体1における端末3の設置可能位置に関する情報など)と合わせることにより、全端末3の位置を検出することができる。
【0131】
電磁波伝搬媒体1の形状が図13に示すように複雑になったとしても、同様である。ここで、図13は、図11の位置検出システム(位置検出装置)の変形例を示す説明図(斜視図)である。
【0132】
図13には、図11に示される電磁波伝搬媒体1が、親機2と端末3dとの間の領域において分岐し、分岐した部分の電磁波伝搬媒体1上にも端末3(ここでは端末3g,3h,3i)が配置されている例が示されている。このため、図13の場合は、親機2を基準にして3方向に端末3が配置(配列)されていることになる。すなわち、電磁波伝搬媒体1に沿って親機2から離れる方向でかつ端末3が配列する方向が3方向有り、この3方向は、親機2から遠ざかるように端末3c,3b,3aが順に配列したX2方向と、親機2から遠ざかるように端末3d,3e,3fが順に配列したX1方向と、親機2から遠ざかるように端末3g,3h,3iが順に配列したX3方向とである。
【0133】
図13の場合でも、各端末3と親機2との間の距離が端末3ごとに全て異なっている場合には、親機2から電磁波伝搬媒体1を介して送信された位置検出用信号の各端末3での受信信号強度に基づいて、親機2から各端末3までの距離を検知し、その距離情報を、電磁波伝搬媒体1の形状に関する情報(電磁波伝搬媒体1における端末3の設置可能位置に関する情報など)に当てはめることにより、各端末3の位置を特定することができる。
【0134】
また、図13の場合では、例えば、端末3cおよび端末3dと親機2との間の距離が、他の端末3と親機2との間の距離と一致せず、端末3c,3dの位置検出が可能であれば、他の端末3の位置についても、端末3c,3dとの位置関係を基に検出することができる。例えば、端末3cと親機2との間の距離が、他の端末3(端末3c以外の端末3)と親機2との間の距離と相違し、また、端末3dと親機2との間の距離が、他の端末3(端末3d以外の端末)と親機2との間の距離と相違していれば、親機2から電磁波伝搬媒体1を介して送信された位置検出用信号の各端末3での受信信号強度に基づいて、親機2から各端末3までの距離が検知され、端末3c,3dの位置を特定することができる。それから、この端末3cから電磁波伝搬媒体1を介して送信された位置検出用信号の各端末3(端末3c以外の各端末3)での受信信号強度に基づいて、端末3cから各端末3(端末3c以外の各端末3)までの距離が検知される。また、端末3dから電磁波伝搬媒体1を介して送信された位置検出用信号の各端末3(端末3d以外の各端末3)での受信信号強度に基づいて、端末3dから各端末3(端末3d以外の各端末3)までの距離が検知される。これにより、親機2から送信された位置検出用信号の受信信号強度の情報(すなわち親機2からの距離の情報)と、端末3cから送信された位置検出用信号の受信信号強度の情報(すなわち端末3cからの距離の情報)と、端末3dから送信された位置検出用信号の受信信号強度の情報(すなわち端末3dからの距離の情報)とに基づいて、端末3c,3d以外の端末3(3a,3b,3e,3f,3g,3h,3i)の位置を特定できる。これにより、全ての端末3の位置を特定することができる。
【0135】
このような手法を拡張することで、2次元または3次元に配置された端末3についても、位置検出が可能である。
【0136】
なお、全ての端末3と親機2との間の距離が、他の端末3と親機2との間の距離と少なくとも1つ以上一致してしまい、端末3の位置を特定できない場合においては、親機2の他に、追加で親機(図13に点線で示される親機2bなど)を設置することにより、全ての端末3の位置検出が可能となる。すなわち、ある端末3と親機2との間の距離が、前記ある端末3以外のいずれかの端末3と親機2との間の距離と一致し、これが全ての端末3におけるどの端末3に対しても成り立つ場合には、1つの親機2から送信された位置検出用信号の各端末3での受信信号強度に基づいて親機2から各端末3までの距離を検知するだけでは、端末3の位置を特定できない。このため、親機2に加えて追加の親機を電磁波伝搬媒体1に設置する。この親機2と追加の親機とは、その設置位置は既知とされている。そして、親機2から送信された位置検出用信号の各端末3での受信信号強度に基づいて親機2から各端末3までの距離を検知し、かつ、追加の親機から送信された位置検出用信号の各端末3での受信信号強度に基づいて追加の親機から各端末3までの距離を検知する。親機2からの距離の情報と、追加の親機からの距離の情報とを合わせることにより、各端末3の位置を特定することができる。
【0137】
これは、例えば、図13において、端末3iの右(X3方向の端部の位置)に追加の親機2b(親機2bは設置しない場合と設置する場合とがあるため点線で示してある)を設置することなどに対応している。この追加の親機2bは、端末3の位置検出時にのみ設置し、端末3の位置検出後には取り外して、通信システムを運用しても良い。運用開始時に各端末3の位置を検出すれば、運用中は端末3を移動しない用途においては、追加の親機を用いる方法も有効である。
【0138】
図14は、親機2および端末3を筐体に収容した構成例(位置検出システム、通信システム)を示す説明図(斜視図)である。
【0139】
図14に示される位置検出システム(通信システム)では、親機2と複数の端末3(図14の場合は20個の端末3a〜3t)が、筐体4内の棚板5(図14の場合は3つの棚板5a,5b,5c)上に配置されている。筐体4は、例えば、サーバ、ストレージ、リチウムイオン電池などの2次電池、電力変換器のラック、電池モジュールの収納ケース、あるいは、太陽光発電の外枠などである。以降の図15図17および図32では、説明を分かりやすくするため、筐体4を省略し棚板5のみの記載とし、電磁波伝搬媒体1を用いた位置検出システム(位置検出装置)の例を示す。
【0140】
図15は、筐体に収容した親機2および端末3と、それらの下(親機2および端末3の下)に電磁波伝搬媒体1を設置(配置)した位置検出システム(位置検出装置)の構成例を示す説明図(斜視図)である。
【0141】
図15において、電磁波伝搬媒体1は、棚板5a,5b,5c上に設置され、上下の段を蛇行して連続的に延在している。
【0142】
すなわち、図15の場合、電磁波伝搬媒体1は、棚板5a上に設置された電磁波伝搬媒体部分21aと、棚板5b上に設置された電磁波伝搬媒体部分21bと、棚板5c上に設置された電磁波伝搬媒体部分21cとを有している。電磁波伝搬媒体1は、更に、電磁波伝搬媒体部分21aと電磁波伝搬媒体部分21bとを連続的かつ一体的に接続する電磁波伝搬媒体部分21dと、電磁波伝搬媒体部分21bと電磁波伝搬媒体部分21cとを連続的かつ一体的に接続する電磁波伝搬媒体部分21eとを有している。
【0143】
棚板5a,5b,5cは、上下に間隔を空けて互いに略平行に配置され、棚板5cの上方に棚板5bが配置され、棚板5bの上方に棚板5aが配置されているため、棚板5c上に設置された電磁波伝搬媒体部分21cの上方に、棚板5b上に設置された電磁波伝搬媒体部分21bが配置され、更にその上方に、棚板5a上に設置された電磁波伝搬媒体部分21aが配置された状態となっている。つまり、電磁波伝搬媒体部分21a,21b,21cは、上下に間隔を空けて互いに略平行に配置され、電磁波伝搬媒体部分21cの上方に電磁波伝搬媒体部分21bが配置され、電磁波伝搬媒体部分21bの上方に電磁波伝搬媒体部分21aが配置された状態となっている。
【0144】
例えば、各棚板5a,5b,5cは、水平方向の平板状であるため、電磁波伝搬媒体1のうち、板5a上に設置された電磁波伝搬媒体部分21aと、棚板5b上に設置された電磁波伝搬媒体部分21bと、棚板5c上に設置された電磁波伝搬媒体部分21cも、水平方向の平板状の外形とすることができる。また、電磁波伝搬媒体1のうち、棚板5a上に設置された電磁波伝搬媒体部分21aと棚板5b上に設置された電磁波伝搬媒体部分21bとを連続的につなぐ電磁波伝搬媒体部分21dと、棚板5b上に設置された電磁波伝搬媒体部分21bと棚板5c上に設置された電磁波伝搬媒体部分21cとを連続的につなぐ電磁波伝搬媒体部分21eとは、上下方向(水平方向に略垂直な方向)に延在する平板状の外形とすることができる。棚板5b上に設置された電磁波伝搬媒体部分21bにおいて、電磁波伝搬媒体部分21dに繋がっている側と、電磁波伝搬媒体部分21eに繋がっている側とは、互いに反対側に位置している。
【0145】
すなわち、電磁波伝搬媒体部分21aが電磁波伝搬媒体部分21dに繋がり、電磁波伝搬媒体部分21aに繋がっている側とは逆側の電磁波伝搬媒体部分21dの端が電磁波伝搬媒体部分21bと繋がっている。そして、電磁波伝搬媒体部分21dに繋がっている側とは逆側の電磁波伝搬媒体部分21bの端が電磁波伝搬媒体部分21eと繋がり、電磁波伝搬媒体部分21bに繋がっている側とは逆側の電磁波伝搬媒体部分21eの端が電磁波伝搬媒体部分21cと繋がっている。電磁波伝搬媒体部分21aと電磁波伝搬媒体部分21dと電磁波伝搬媒体部分21bと電磁波伝搬媒体部分21eと電磁波伝搬媒体部分21cとが、この順序で(電磁波伝搬方向として)連続的に延在することで、電磁波伝搬媒体1全体が形成されている。このため、電磁波伝搬媒体部分21aと電磁波伝搬媒体部分21bと電磁波伝搬媒体部分21cとは上下に配置されているが、電磁波伝搬媒体1全体で見ると、電磁波伝搬方向は1方向(電磁波伝搬媒体21a,21d,21b,21e,21cをこの順で通過する方向)であり、電磁波伝搬媒体1は、電磁波伝搬方向(1方向)に沿って連続的に延在していることになる。
【0146】
親機2および複数の端末3は、電磁波伝搬媒体1における水平方向の各電磁波伝搬媒体部分21a,21b,21c上に配置(設置)されており、図15の場合は、電磁波伝搬媒体部分21a上に親機2および端末3a〜3fが配置(設置)され、電磁波伝搬媒体部分21b上に端末3g〜3mが配置(設置)され、電磁波伝搬媒体部分21c上に端末3n〜3tが配置(設置)されている。
【0147】
このような構成では、親機2から電磁波伝搬媒体1(電磁波伝搬媒体部分21a)に入力された通信用信号または位置検出用信号は、電磁波伝搬媒体部分21aと電磁波伝搬媒体部分21dと電磁波伝搬媒体部分21bと電磁波伝搬媒体部分21eと電磁波伝搬媒体部分21cとをこの順で通過することで、電磁波伝搬媒体1内を伝送され、各端末3で受信することができる。これにより、親機2と端末3との間の通信や、各端末3の位置検出を行うことができる。
【0148】
すなわち、親機2が電磁波伝搬媒体1に入力して送信した位置検出用信号は、電磁波伝搬媒体1における端末3aの設置位置、端末3bの設置位置、・・・、端末3fの設置位置の順に伝搬し、その次に、端末3mの設置位置端に伝搬し、更に、端末3lの設置位置、・・・、端末3gの設置位置の順に伝搬し、その次に、端末3nの設置位置端に伝搬し、更に、端末3oの設置位置、・・・、端末3tの設置位置の順に伝搬する。
【0149】
このように電磁波伝搬媒体1を連続的に敷設することにより、端末3が複数段(図15の場合は3段)に分かれて設置されていても、複数段(図15の場合は3段)に分かれて設置された端末3全てを1枚の電磁波伝搬媒体1上に設置することができ、全ての端末3(端末3aから端末3tまで)を電磁波伝搬媒体1上に1次元(一列)に並べることができる。従って、これまでの図で説明してきた端末3の位置検出法を図15の構成にも適用することで、各端末3における位置検出用信号の受信信号強度に基づいて親機2から各端末3までの距離を検知することができる。そして、親機2から各端末3までの距離を知ることで、各端末3がどの段(電磁波伝搬媒体部分21a,21b,21cのどれ、すなわち棚板5a,5,b,5cのうちのどれ)のどの位置に設置されているかを、検出(特定)することができる。
【0150】
なお、図15では、電磁波伝搬媒体1は親機2および端末3の下に敷かれている(すなわち親機2および端末3は電磁波伝搬媒体1の上面側に設置されている)が、親機2および端末3の上にかぶさるように電磁波伝搬媒体1を設置する(すなわち親機2および端末3が電磁波伝搬媒体1の下面側に設置されるようにする)こともできる。
【0151】
図16は、上記図15の構成の変形例であり、筐体に収容した親機2および端末3と、それらの背面(親機2および端末3の背面)に電磁波伝搬媒体1を設置(配置)した位置検出システム(位置検出装置)の構成例を示す説明図(斜視図)である。
【0152】
図16において、電磁波伝搬媒体1は、棚板5a,5b,5cの背面に設置され、上下の段を蛇行して連続的に延在している。
【0153】
すなわち、図16の場合、電磁波伝搬媒体1は、棚板5aの背面に設置された電磁波伝搬媒体部分21fと、棚板5bの背面に設置された電磁波伝搬媒体部分21gと、棚板5cの背面に設置された電磁波伝搬媒体部分21hとを有している。電磁波伝搬媒体1は、更に、電磁波伝搬媒体部分21fと電磁波伝搬媒体部分21gとを連続的かつ一体的に接続する電磁波伝搬媒体部分21iと、電磁波伝搬媒体部分21gと電磁波伝搬媒体部分21hとを連続的かつ一体的に接続する電磁波伝搬媒体部分21jとを有している。
【0154】
棚板5a,5b,5cは、上下に間隔を空けて互いに略平行に配置され、棚板5cの上方に棚板5bが配置され、棚板5bの上方に棚板5aが配置されており、それぞれ水平方向の平板状であるが、棚板5a,5b,5cの背面に電磁波伝搬媒体部分21f,21g,21hが配置されているため、各電磁波伝搬媒体部分21f,21g,21hは、棚板5a,5b,5cと略垂直な平板状の外形とすることができる。
【0155】
電磁波伝搬媒体部分21fと電磁波伝搬媒体部分21iと電磁波伝搬媒体部分21gと電磁波伝搬媒体部分21jと電磁波伝搬媒体部分21hとが、この順序で(電磁波伝搬方向として)連続的に延在することで、電磁波伝搬媒体1全体が形成されている。このため、電磁波伝搬媒体1全体で見ると、電磁波伝搬方向は1方向(電磁波伝搬媒体部分21f,21i,21g,21j,21hをこの順で通過する方向)であり、電磁波伝搬媒体1は、電磁波伝搬方向(1方向)に沿って連続的に延在していることになる。親機2および複数の端末3は、棚板5上に配置されるとともに、電磁波伝搬媒体1における電磁波伝搬媒体部分21f,21g,21hに電磁波(通信用信号や位置検出用信号)の入出力が可能なように取り付けられている。図16の場合は、親機2および端末3a〜3fが、棚板5a上に配置されるとともに電磁波伝搬媒体1の電磁波伝搬媒体部分21fに(電磁波の入出力可能に)取り付けられている。また、端末3g〜3mが、棚板5b上に配置されるとともに電磁波伝搬媒体1の電磁波伝搬媒体部分21gに(電磁波の入出力可能に)取り付けられている。また、端末3n〜3tが、棚板5c上に配置されるとともに電磁波伝搬媒体1の電磁波伝搬媒体部分21hに(電磁波の入出力可能に)取り付けられている。
【0156】
このような構成では、親機2から電磁波伝搬媒体1(電磁波伝搬媒体部分21f)に入力された通信用信号または位置検出用信号は、電磁波伝搬媒体部分21fと電磁波伝搬媒体部分21iと電磁波伝搬媒体部分21gと電磁波伝搬媒体部分21jと電磁波伝搬媒体部分21hとをこの順で通過することで、電磁波伝搬媒体1内を伝送され、各端末3で受信することができる。これにより、親機2と端末3との間の通信や、各端末3の位置検出を行うことができる。
【0157】
このような図16の構成でも、上記図15の構成と同様に、電磁波伝搬媒体1を連続的に敷設することにより、端末3が複数段(図16の場合は3段)に分かれて設置されていても、複数段(図16の場合は3段)に分かれて設置された端末3全てを1枚の電磁波伝搬媒体1上に設置することができ、全ての端末3(端末3aから端末3tまで)を1枚の電磁波伝搬媒体1上に1次元(一列)に並べることができる。従って、これまでの図で説明してきた端末3の位置検出法を図16の構成にも適用することで、各端末3における位置検出用信号の受信信号強度に基づいて親機2から各端末3までの距離を検知することができる。そして、親機2から各端末3までの距離を知ることで、各端末3がどの段(電磁波伝搬媒体部分21f,21g,21hのどれ、すなわち棚板5a,5,b,5cのうちのどれ)のどの位置に設置されているかを、検出(特定)することができる。
【0158】
なお、図16では電磁波伝搬媒体1は親機2および端末3の背面に敷かれて(配置されて)いるが、親機2および端末3の前面に設置されていてもよい。例えば、筐体の扉に電磁波伝搬媒体1を設置し、扉を閉めると親機2と端末3とが通信可能になり、各端末3の位置の検出が可能となるようにしてもよい。この場合、扉を閉めると扉に設置された電磁波伝搬媒体1に親機2および端末3が電磁波の入出力が可能なように接続されることで、親機2と端末3とが電磁波伝搬媒体1を介して通信可能になり、端末3の位置の検出が可能になる。
【0159】
また、図15図16の構成を組み合わせることもでき、棚板5aでは電磁波伝搬媒体1を端末3の下に敷き(配置し)、棚板5bでは電磁波伝搬媒体1を端末3の上に敷く(配置する)などしてもよい。また、上記図13の構成と組み合わせることで、棚板上に2列以上で端末3が並んでいる場合にも、1枚の電磁波伝搬媒体1で位置検出装置を構成することができる。つまり、2次元や3次元に配置された端末3についても1枚の電磁波伝搬媒体1で位置検出システム(位置検出装置)を構成することができる。
【0160】
図17は、上記図15の構成の他の変形例であり、筐体に収容した親機2および端末3と、それら(親機2および端末3)の下に分岐を持つ電磁波伝搬媒体1を設置(配置)した位置検出システム(位置検出装置)の構成例を示す説明図(斜視図)である。
【0161】
図17において、電磁波伝搬媒体1fは、棚板5a、5b、5c上に設置され、上下の段が一方の端部側(端末3f,3m,3tの近傍)で接続されている。
【0162】
すなわち、図17の場合、電磁波伝搬媒体1は、棚板5a上に設置された電磁波伝搬媒体部分21aと、棚板5b上に設置された電磁波伝搬媒体部分21bと、棚板5c上に設置された電磁波伝搬媒体部分21cとうを有している。電磁波伝搬媒体1は、更に、電磁波伝搬媒体部分21aと電磁波伝搬媒体部分21bとを連続的かつ一体的に接続する電磁波伝搬媒体部分21kと、電磁波伝搬媒体部分21bと電磁波伝搬媒体部分21cとを連続的かつ一体的に接続する電磁波伝搬媒体部分21mとを有している。図17において、棚板5a,5b,5cおよび電磁波伝搬媒体部分21a,21b,21cについては、上記図15の場合と同様であるので、ここではその繰り返しの説明は省略する。
【0163】
例えば、各棚板5a,5b,5cは、水平方向の平板状であるため、電磁波伝搬媒体1のうち、板5a上に設置された電磁波伝搬媒体部分21aと、棚板5b上に設置された電磁波伝搬媒体部分21bと、棚板5c上に設置された電磁波伝搬媒体部分21cも、水平方向の平板状の外形とすることができる。また、電磁波伝搬媒体1のうち、棚板5a上に設置された電磁波伝搬媒体部分21aと棚板5b上に設置された電磁波伝搬媒体部分21bとを連続的につなぐ電磁波伝搬媒体部分21dと、棚板5b上に設置された電磁波伝搬媒体部分21bと棚板5c上に設置された電磁波伝搬媒体部分21cとを連続的につなぐ電磁波伝搬媒体部分21kとは、上下方向(水平方向に略垂直な方向)に延在する平板状の外形とすることができる。親機2および複数の端末3は、電磁波伝搬媒体1における水平方向の各電磁波伝搬媒体部分21a,21b,21c上に配置(設置)されており、図17の場合は、電磁波伝搬媒体部分21a上に親機2および端末3a〜3fが配置(設置)され、電磁波伝搬媒体部分21b上に端末3g〜3mが配置(設置)され、電磁波伝搬媒体部分21c上に端末3n〜3tが配置(設置)されている。
【0164】
但し、上記図15の場合は、棚板5b上に設置された電磁波伝搬媒体部分21bにおいて、電磁波伝搬媒体部分21dに繋がっている側と、電磁波伝搬媒体部分21eに繋がっている側とは、互いに反対側に位置していたが、図17の場合は、棚板5b上に設置された電磁波伝搬媒体部分21bにおいて、電磁波伝搬媒体部分21dに繋がっている側と、電磁波伝搬媒体部分21eに繋がっている側とは、同じ側に位置している。このため、上記図15の場合は、電磁波伝搬媒体部分21aと電磁波伝搬媒体部分21dと電磁波伝搬媒体部分21bと電磁波伝搬媒体部分21eと電磁波伝搬媒体部分21cとがこの順に連続的に繋がることで、電磁波伝搬媒体1は、電磁波伝搬方向(1方向)に沿って連続的に延在していた。それに対して、図17の場合は、電磁波伝搬媒体部分21aが電磁波伝搬媒体部分21dに繋がり、電磁波伝搬媒体部分21aに繋がっている側とは逆側の電磁波伝搬媒体部分21dの端が電磁波伝搬媒体部分21bと電磁波伝搬媒体部分21kとの両方に繋がり、電磁波伝搬媒体部分21b,21dに繋がっている側とは逆側の電磁波伝搬媒体部分21kの端が電磁波伝搬媒体部分21cに繋がっている。
【0165】
電磁波伝搬媒体1は、電磁波伝搬媒体部分21a,21d,21k,21cで構成された電磁波伝搬媒体の途中(電磁波伝搬媒体部分21d,21b,21kが繋がっている箇所)で電磁波伝搬媒体部分21bからなる電磁波伝搬媒体が分岐した構造を有している。このため、2方向(電磁波伝搬媒体部分21a,21d,21k,21cをこの順で通過する方向と電磁波伝搬媒体部分21a,21d,21bをこの順で通過する方向)に電磁波が伝送されることになる。
【0166】
このような構成では、親機2から電磁波伝搬媒体1(電磁波伝搬媒体部分21a)に入力された通信用信号または位置検出用信号は、電磁波伝搬媒体部分21aを伝送されることで端末3a〜3fで受信することができる。この通信用信号または位置検出用信号は、更に電磁波伝搬媒体部分21dを通り電磁波伝搬媒体部分21b側と電磁波伝搬媒体部分21k側とに分岐され、電磁波伝搬媒体部分21bを伝送されることで端末3g〜3mで受信することができ、電磁波伝搬媒体部分21kを通って更に電磁波伝搬媒体部分21cを伝送されることで端末3n〜3tで受信することができる。これにより、親機2と端末3との間の通信や、各端末3の位置検出を行うことができる。
【0167】
図17の構成でも、各端末3と親機2との間の距離が、端末3ごとに全て異なっている場合には、親機2から電磁波伝搬媒体1を介して送信した位置検出用信号の各端末3での受信信号強度に基づいて、親機2から各端末3までの距離を検知できる。そして、その距離の情報を、電磁波伝搬媒体1の形状に関する情報(電磁波伝搬媒体1における端末3の設置可能位置に関する情報など)に当てはめることにより、各端末3の位置を特定することができる。
【0168】
しかしながら、図17の構成では、親機2が送信した位置検出用信号は、端末3fの設置位置を通過後、端末3m側(電磁波伝搬媒体部分21b側)と端末3t(電磁波伝搬媒体部分21k,21c側)に分岐する。従って、親機2から送信された位置検出用信号の各端末3での受信信号強度に基づいて検知される親機2から各端末3までの距離の情報だけでは、全ての端末3の位置を特定できるとは限らない。これは、例えば、端末3fと端末3lとの間の距離と、端末3fと端末3tとの間の距離が等しい場合などであり、この場合、親機2から端末3lまでの距離と親機2から端末3tまでの距離とが等しくなるため、親機2から送信された位置検出用信号の各端末3での受信信号強度の情報だけでは、端末3lと端末3tとを区別することができない。このような場合でも、上記図11図13で説明したように、電磁波伝搬媒体1の形状に関する情報(電磁波伝搬媒体1における端末3の設置可能位置に関する情報など)や、端末3から送信された位置検出用信号の他の各端末3での受信信号強度に基づく端末3間の距離の情報を更に用いる(加える)ことにより、全ての端末3の位置を特定することができる。図18は、その一例を説明するための説明図(表)である。ここで、図18には、図17の構成における、端末3m,3l,3tから端末3f,3l,3tまでの距離の例が表にまとめてある。
【0169】
図17の構成において、図18の表に示されるように、端末3fと端末3mとの間の距離をd1×2(距離d1の2倍)とし、端末3fと端末3tとの間の距離をd1×3(距離d1の3倍)とし、端末3mと端末3lとの間の距離をd1(距離d1の1倍)とすると、端末3fと端末3tとの間の距離と、端末3fと端末3lとの間の距離は、等しくd1×3(距離d1の3倍)となる。すなわち、親機2から端末3tまでの距離と、親機2から端末3lまでの距離とは、同じになる。しかしながら、親機2から送信された位置検出用信号の各端末3での受信信号強度に基づき、親機2から各端末3までの距離を検知し、それによって端末3mを特定した後、今度はその端末3mが位置検出用信号を送信し、その位置検出用信号の他の端末3(端末3m以外の端末3)での受信信号強度に基づいて、端末3mから他の端末3(端末3m以外の端末3)までの距離を検知する。これにより、端末3mと端末3lとの間の距離および端末3と端末3tとの間の距離が分かる。このとき、端末3mと端末3lとの間の距離はd1(距離d1の1倍)となり、端末3mと端末3tとの間の距離はd1×2(距離d1の2倍)となるため、端末3lは端末3mと同じ棚板5b(すなわち電磁波伝搬媒体部分21b)に存在し、端末3tは端末3mが配置された棚板5bとは異なる棚板5c(すなわち電磁波伝搬媒体部分21c)に存在することが特定できる。このように電磁波伝搬媒体1が分岐構造であっても、各端末3の位置検出が可能である。
【0170】
また、この構造を拡張していくと、棚板上に2列以上で端末3が並んでいる場合にも、1枚の電磁波伝搬媒体1で位置検出システム(位置検出装置)を構成することができ、更に、2次元や3次元に配置された端末3についても1枚の電磁波伝搬媒体1で位置検出システム(位置検出装置)を構成することができる。
【0171】
以上、本実施の形態1に係る位置検出システム(位置検出装置)の構成を適用すれば、電磁波伝搬媒体の近傍に設置された端末の位置を検出することができる。特に、通信用信号の周波数と位置検出用信号の周波数とを変える(異ならせる)ことで、電磁波伝搬媒体内での減衰が小さい周波数(の通信用信号)を用いた高信頼通信と、電磁波伝搬媒体内での減衰が大きい周波数(の位置検出用信号)を用いた高精度位置検出とを、両立することができる。
【0172】
また、位置検出用信号の周波数は、電磁波伝搬媒体のサイズや電磁波伝搬媒体内での信号の減衰量を基に適切に選択することで、端末の位置検出範囲と位置検出精度を調整することができる。
【0173】
また、位置検出用信号は電磁波伝搬媒体内での減衰量が大きいため、電磁波伝搬媒体の端面を所定のインピーダンスで終端したり、電磁波伝搬媒体の端面に電磁波吸収体を備えたりしなくてもよく、これにより、電磁波伝搬媒体を低コストに実現できる。
【0174】
また、一部の端末も位置検出用信号を送信し、その端末と他の端末との位置関係を検出することで、親機から遠い位置に設置された端末の位置検出を行うことができる。更に、親機と端末との間の距離だけではなく、端末同士の距離も分かることから、位置検出の精度を向上することができる。
【0175】
また、親機が送信する位置検出用信号の送信電力を調整することで、親機から遠い位置に設置された端末の位置検出を行うことができる。
【0176】
また、電磁波伝搬媒体の形状に関する情報(電磁波伝搬媒体における端末の設置可能位置に関する情報など)を端末の位置検出に用いることで、高精度な位置検出を行うことができ、2次元または3次元に配置された端末の位置検出を行うことができる。
【0177】
また、位置検出に用いる情報を端末が持てば、親機ではなく端末にも位置検出ができることは明らかである。
【0178】
また、端末を設置する際に、位置検出のための親機を一時的に設置し、端末の位置検出完了後、位置検出のための親機を取り外してから、端末を含むシステムを運用することもできる。
【0179】
また、端末が筐体に収納されたシステムにおいて、電磁波伝搬媒体を筐体内部に敷設することにより、各端末の位置を検出することができる。
【0180】
(実施の形態2)
本実施の形態2でも、電磁波伝搬媒体の近傍に設置(配置)された通信装置の位置検出システム(位置検出装置)または位置検出方法の例を、図面を参照しながら説明する。
【0181】
本実施の形態2では、電磁波伝搬媒体に近接して設置された通信装置の位置検出システムにおいて、電磁波伝搬媒体の幅が電磁波伝搬媒体の位置によって変化している位置検出システムの例を図19図22を参照しながら説明する。
【0182】
図19は、本実施の形態2の位置検出システム(位置検出装置)の構成例を示す説明図(斜視図およびグラフ)であり、図20は、その平面図(上面図)である。図19は、上記実施の形態1の上記図6などに対応するものであり、図19のグラフの縦軸および横軸は、上記図6のグラフの縦軸および横軸と同様である。
【0183】
図19および図20の位置検出システム(位置検出装置)では、電磁波伝搬媒体1の代わりに電磁波伝搬媒体1aが用いられている。電磁波伝搬媒体1aは、以下の点が相違していること以外は上記図1に示される電磁波伝搬媒体1と基本的には同様の構成を有しているため、ここでは、上記図1に示される電磁波伝搬媒体1との相違点について説明する。
【0184】
図19および図20に示される電磁波伝搬媒体1aは、電磁波伝搬媒体1aにおける親機2の設置位置(設置場所)から離れれば離れるほど電磁波伝搬媒体1aの幅が縮小している。すなわち、電磁波伝搬媒体1a上に親機2と複数の端末3とが設置(配置)されているが、電磁波伝搬媒体1aの幅は、端面(側面、端部)16aから端面(側面、端部)16bに向かって幅W(端面16aにおける幅W)から幅W(端面16bにおける幅W)までなだらかに変化しており、幅Wが幅Wよりも大きく(広く)なっている(すなわちW>W)。換言すれば、幅Wが幅Wよりも小さく(狭く)なっている。また、幅Wは、電磁波伝搬媒体1aにおける端面16aと端面16bとの間の位置P4での幅であり、幅Wよりも小さくかつ幅Wよりも大きくなっている(すなわちW>W>W)。
【0185】
ここで、電磁波伝搬媒体1aの端面16a,16bは、電磁波伝搬空間(15)を介して電磁波伝搬方向(ここではX方向)に対向する端面(側面、端部)であり、端面16aと端面16bとは、電磁波伝搬空間(15)を介して互いに反対側に位置している。また、幅W,W,Wは、上記幅Wに相当し、電磁波の伝搬(進行)方向に垂直な方向の寸法であり、Z方向に沿った上記導体13と上記導体14との距離(間隔)であり、上記電磁波伝搬空間15のZ方向の寸法(幅)に対応しており、電磁波伝搬媒体1のZ方向の寸法(幅)に概ね一致している。幅Wは、端面16aでの上記幅Wであり、幅Wは、端面16bでの上記幅Wであり、幅Wは、端面16aと端面16bとの間の位置P4での上記幅Wであるとみなすこともできる。なお、電磁波伝搬媒体1aにおいて、幅W,Wは、厚み(上記厚みTに相当するもの)よりも大きくなっている。
【0186】
電磁波伝搬媒体1a上に親機2と複数の端末3とが設置(配置)されているが、電磁波伝搬媒体1aにおいて、親機2は端面16aに近い位置に設置(配置)され、そこ(親機2が設置された位置)から端面16b側に向かう方向に複数の端末3が並んで設置(配置)れている。
【0187】
上記図1に示される電磁波伝搬媒体1は、幅Wが均一であり、電磁波の伝搬(進行)方向に進んでも、幅Wは変わらないため、上記導体13と上記導体14とは電磁波伝搬空間(15)を介して対向しかつ略平行であった。それに対して、電磁波伝搬媒体1aの場合は、幅が均一ではなく、電磁波の伝搬(進行)方向に進むに従って幅が徐々に減少している(端面16aでの幅Wから端面16bでの幅Wまで徐々に減少している)ため、上記導体13と上記導体14とは電磁波伝搬空間(15)を介して対向するが、互いに平行ではなく、電磁波の伝搬(進行)方向に進むに従って上記導体13と上記導体14とが互いに近づいていく。
【0188】
電磁波伝搬媒体1aの他の構成は、上記図1に示される電磁波伝搬媒体1と基本的には同様であるため、ここでは、繰り返しの説明は省略する。
【0189】
電磁波伝搬媒体1aも、電磁波伝搬媒体1と同様に、上記図5に示したように、幅によって電磁波の伝搬特性が決まる。すなわち、電磁波伝搬媒体1a内を伝搬する電磁波の波長が電磁波伝搬媒体1aの幅の2倍以下であれば、電磁波の減衰を抑制しながら電磁波を伝搬させることができるが、波長が電磁波伝搬媒体1aの幅の2倍よりも大きくなると、伝搬に伴い電磁波が大きく減衰するようになる。
【0190】
そこで、上記実施の形態1と同様に、本実施の形態でも、通信用信号には、電磁波伝搬媒体1a内を伝搬したときの電磁波の減衰(損失)が小さくなるような周波数f1aを用い、この周波数f1aは、上記周波数f1に相当する周波数である。上記周波数f1と同様に、周波数f1aも、電磁波伝搬媒体1aのどの領域を伝搬するときにも電磁波の減衰が小さくなるように設定する。但し、上記周波数f1は、上記幅Wの2倍以下の波長を有する(すなわちλ≦W×2となる)ような周波数であったのに対して、電磁波伝搬媒体1aは幅が一定ではないため、周波数f1aは次のように設定することが好ましい。
【0191】
すなわち、電磁波伝搬媒体1aの幅の最小値(ここでは幅W)の2倍に一致する波長(すなわちW×2=λaの関係にある波長λa)を有する電磁波の周波数をfaとすると、通信用信号の周波数f1aは、周波数fa以上の周波数(すなわちf1a≧fa)とすることが好ましい。つまり、周波数f1aの通信用信号の電磁波伝搬媒体1a内での波長が、電磁波伝搬媒体1aの幅の最小値(ここでは幅W)の2倍以下となる(すなわちλ≦W×2となる)ように、通信用信号の周波数f1aを選択することが好ましい。換言すれば、周波数f1aは、幅Wの2倍以下の波長を有する(すなわちλ≦W×2となる)ような周波数とすることが好ましい。これにより、周波数f1aの通信用信号は、電磁波伝搬媒体1a内を進行する際に、電磁波伝搬媒体1aのどの位置においても、通信用信号の波長が電磁波伝搬媒体1aの幅(上記幅Wに相当する値)の2倍以下となるため、電磁波伝搬媒体1a内を進行する通信用信号の減衰を抑制することができる。これにより、親機2と端末3との間、あるいは端末3間で、通信用信号を用いて的確に通信を行うことができる。すなわち、電磁波伝搬媒体1aの幅の最小値である幅Wの2倍以下の波長を有する電磁波を通信用信号をとして用いることにより、電磁波伝搬媒体1a内を減衰を小さく抑えながら伝搬させることができるため、高信頼性の通信を実現することができる。
【0192】
一方、位置検出用信号には、周波数f2dの位置検出用信号と周波数f2eの位置検出用信号とを用い、この周波数f2d,f2eは、上記周波数f2に相当するものである。周波数f2dは、周波数f2eよりも低く、周波数f2eは周波数f1aよりも低い(すなわちf2d<f2e<f1a)。但し、上記周波数f2は、上記幅Wの2倍よりも大きな波長を有する(すなわちλ>W×2となる)ような周波数であったのに対して、電磁波伝搬媒体1aは幅が一定ではないため、周波数f2d,f2eは次のように設定することが好ましい。
【0193】
すなわち、周波数f2dは、電磁波伝搬媒体1aの幅の最大値(ここでは幅W)の2倍に一致する波長(すなわちW×2=λbの関係にある波長λb)を有する電磁波の周波数をfbとすると、位置検出用信号の周波数f2dは、周波数fb以下の周波数(すなわちf2d≦fb)とすることが好ましい。つまり、周波数f2dの位置検出用信号の電磁波伝搬媒体1a内での波長が、電磁波伝搬媒体1aの幅の最大値(ここでは幅W)の2倍以上になる(すなわちλ≧W×2となる)ように、位置検出用信号の周波数f2dを選択することが好ましい。換言すれば、周波数f2dは、幅Wの2倍以上の波長を有する(すなわちλ≧W×2となる)ような周波数とすることが好ましい。これにより、周波数f2dの位置検出用信号は、電磁波伝搬媒体1a内に入力された後は、電磁波伝搬媒体1a内を進行する際に、電磁波伝搬媒体1aのどの位置においても、位置検出用信号の波長が電磁波伝搬媒体1aの幅(上記幅Wに相当する値)の2倍よりも大きくなるため、電磁波伝搬媒体1a内を進行するに従って位置検出用信号が大きく減衰することになる。
【0194】
また、周波数f2eは、電磁波伝搬媒体1aの最小値(ここでは幅W)の2倍よりも大きく、かつ、電磁波伝搬媒体1aの幅の最大値(ここでは幅W)の2倍よりも小さな波長(すなわちW×2>λ>W×2)を有するように選択する。この際、周波数f2eは、電磁波伝搬媒体1aの幅Wの2倍に一致する波長を有する周波数とすることが好ましい。つまり、周波数f2eの位置検出用信号の電磁波伝搬媒体1a内での波長が、電磁波伝搬媒体1aの幅Wの2倍に一致する(すなわちλ=W×2となる)ように、位置検出用信号の周波数f2eを選択することが好ましい。換言すれば、周波数f2eは、幅Wの2倍の波長を有する(すなわちλ=W×2となる)ような周波数とすることが好ましい。これにより、周波数f2eの位置検出用信号が電磁波伝搬媒体1a内を進行する際に、電磁波伝搬媒体1aの幅が幅W以上となっている領域(すなわち端面16aから位置P4までの領域)では、位置検出用信号の波長が電磁波伝搬媒体1aの幅(上記幅Wに相当する値)の2倍以下となるため、位置検出用信号の減衰は小さく抑えられる。しかしながら、周波数f2eの位置検出用信号が電磁波伝搬媒体1a内を進行する際に、位置P4を過ぎて電磁波伝搬媒体1aの幅が幅W未満となっている領域(すなわち位置P4から端面16bまでの領域)では、位置検出用信号の波長が電磁波伝搬媒体1aの幅(上記幅Wに相当する値)の2倍よりも大きくなるため、電磁波伝搬媒体1a内を進行するに従って位置検出用信号が大きく減衰することになる。
【0195】
なお、幅W,Wは、電磁波伝搬媒体1aの幅の最小値(ここでは幅W)よりも大きいため、周波数f2dの位置検出用信号の波長と、周波数f2eの位置検出用信号の波長とは、必然的に、電磁波伝搬媒体1aの幅の最小値(ここでは幅W)の2倍よりも大きく(すなわちλ>W×2)なる。
【0196】
電磁波伝搬媒体1a上には、親機2と複数の端末3とが設置されているが、電磁波伝搬媒体1aにおいて、幅が幅W以下で幅W以上となっている領域(すなわち端面16aから位置P4までの領域)に親機2と少なくとも1つの端末3(図20の場合は端末3a,3b,3c)が設置されている。そして、電磁波伝搬媒体1aにおいて、幅が幅W未満で幅W以上となっている領域(すなわち位置P4から端面16bまでの領域)に少なくとも1つの端末3(図20の場合は端末3d,3e,3f)が設置されている。
【0197】
電磁波伝搬媒体1aの幅は変化しているため、親機2から周波数f2eの位置検出用信号を電磁波伝搬媒体1a内に入力して伝送させると、電磁波伝搬媒体1aにおいて、幅が幅W以下で幅W以上となっている領域(すなわち端面16aから位置P4までの領域)では、周波数f2eの位置検出用信号の減衰量は小さい。このため、親機2から送信された周波数f2eの位置検出用信号を端末3a,3b,3cで受信しても、受信信号強度は、親機2からの入力強度とそれほど変わらないものとなる。しかしながら、親機2から送信された周波数f2eの位置検出用信号は、位置P4を過ぎて電磁波伝搬媒体1aにおける幅が幅W未満となっている領域(すなわち位置P4から端面16bまでの領域)になると、波長が電磁波伝搬媒体1aの幅の2倍よりも大きくなるため、位置検出用信号の減衰量が大きくなる。このため、親機2から送信された周波数f2eの位置検出用信号を端末3d,3e,3fで受信すると、受信信号強度は、親機2からの入力強度から大きく減衰(低下)したものとなり、端末3dにおける受信信号強度S24と端末3eにおける受信信号強度S25と端末3fにおける受信信号強度S26との差が大きくなる。従って、親機2から送信された周波数f2eの位置検出用信号を受信したときの受信信号強度S24,S25,S26(受信信号強度S24,S25,S26の差)に基づいて、端末3d,3e,3fの高精度な位置検出が可能となる。
【0198】
一方、親機2から周波数f2dの位置検出用信号を電磁波伝搬媒体1a内に入力して伝送させると、入力位置から位置検出用信号が減衰し始め、端末3a,3b,3cでは、減衰した周波数f2dの位置検出用信号を受信することができる。このときの端末3a,3b,3cでの受信信号強度は、親機2からの入力強度から大きく減衰(低下)したものとなり、端末3aにおける受信信号強度S21と端末3bにおける受信信号強度S22と端末3cにおける受信信号強度S23との差が大きくなる。従って、親機2から送信された周波数f2dの位置検出用信号を受信したときの受信信号強度S21,S22,S23(受信信号強度S21,S22,S23の差)に基づいて、端末3a,3b,3cの高精度な位置検出が可能となる。
【0199】
このため、電磁波伝搬媒体1aにおいて、幅が幅W以下で幅W以上となっている領域(すなわち端面16aから位置P4までの領域)に設置されている端末3(図20の場合は端末3a,3b,3c)については、親機2から送信した周波数f2dの位置検出用信号の受信信号強度に基づいて、各端末3(図20の場合は端末3a,3b,3c)の位置検出を行うことができる。また、電磁波伝搬媒体1aにおいて、幅が幅W未満で幅W以上となっている領域(すなわち位置P4から端面16bまでの領域)に設置されている端末3(図20の場合は端末3d,3e,3f)については、親機2から送信した周波数f2eの位置検出用信号の受信信号強度に基づいて、各端末3(図20の場合は端末3d,3e,3f)の位置検出を行うことができる。
【0200】
つまり、本実施の形態では、周波数f2dの位置検出用信号と周波数f2eの位置検出用信号とを用いて端末3の位置検出を行うが、周波数f2dの位置検出用信号は、親機2から近い位置の端末3(図20の場合は端末3a,3b,3c)の位置検出に用い、周波数f2eの位置検出用信号は、親機2から遠い位置の端末3(図20の場合は端末3d,3e,3f)の位置検出に用いる。それ以外は、通信および位置検出の手法については、上記実施の形態1と同様に行うことができる。また、ここでは、2つの周波数(周波数f2dと周波数f2e)を位置検出用信号に用いる場合について説明したが、3つ以上の周波数を位置検出用信号に用いることも可能である。
【0201】
本実施の形態では、周波数f2dの位置検出用信号を用いることで、親機2から近い位置にある端末3(ここでは端末3a,3b,3c)についての位置情報(親機2から各端末3までの距離、電磁波伝搬媒体1における各端末3の配置位置、あるいは、電磁波伝搬媒体1における各端末3の並び順など)を高精度に検出することができる。そして、周波数f2eの位置検出用信号を用いることで、親機2から遠い位置にある端末3(ここでは端末3d,3e,3f)についての位置情報(親機2から各端末3までの距離、電磁波伝搬媒体1における各端末3の配置位置、あるいは、電磁波伝搬媒体1における各端末3の並び順など)を高精度に検出することができる。また、周波数f2eの位置検出用信号は、位置P4までは減衰を抑えながら伝送させることができるため、位置P4よりも遠い位置にある端末3(ここでは端末3d,3e,3f)についても、位置検出用信号を的確に届けて、高精度の位置検出を行うことができる。このため、周波数f2dの位置検出用信号が届かない範囲にある端末3についても、位置情報を高精度に検出することができる。従って、位置検出精度の向上と、位置検出の可能範囲の拡大とを両立することができる。
【0202】
このように、電磁波伝搬媒体1aの幅を変化させることにより、位置検出用信号の周波数によって位置検出が可能となる端末3を限定することができる。また、親機2から遠い端末3に対しても、親機2の信号送信電力を増大することなく、位置検出用信号を伝達することができる。各端末で受信した位置検出用信号の信号強度(受信信号強度)の情報と位置検出用信号の周波数の情報とを合わせて用いることにより、より高精度の位置検出が可能となる。
【0203】
なお、各信号の周波数は、例えば、ISM帯である2.4GHz帯においては、通信用信号としておよそ2.48GHzを用い、位置検出用信号としておよそ2.40GHzを用いるなどすればよい。また、ISM帯である2.4GHz帯を位置検出用信号とし、同じくISM帯である5.8GHz帯を通信用信号とするなど、異なる周波数帯を用いても良い。もちろんISM帯に限らず、RFID用や携帯電話用など、どの周波数帯についても同様のことが言える。
【0204】
また、本実施の形態においても、上記実施の形態1(上記図9の場合など)と同様に、一部の端末3が位置検出用信号を送信し、端末3間の位置関係を検出しても良い。端末3間の位置関係(端末3間の距離の情報など)と、親機2と前記一部の端末3との間の距離の情報とを用いることで、全端末3の位置を検出することができる。
【0205】
また、電磁波伝搬媒体1の端面16a,16bは、電磁波を反射しない方が好ましいが、たとえ電磁波を反射するとしても、位置検出用信号は電磁波伝搬媒体1内の伝送に伴い減衰する(端面16bに到達するまでに大きく減衰している)ため、位置検出用信号に対する悪影響は少ない。このため、位置検出用信号は電磁波伝搬媒体1内での減衰量が大きいので、電磁波伝搬媒体1の端面16a,16bは、所定のインピーダンスで終端したり、電磁波吸収体を備えたりしなくともよく、電磁波を反射する特性を持つようにすることも可能である。これにより、電磁波伝搬媒体を低コストに実現できる。
【0206】
また、本実施の形態においても、上記実施の形態1に記載の構成例と同様に、電磁波伝搬媒体の形状に関する情報(電磁波伝搬媒体1における端末3の設置可能位置に関する情報ど)を端末3の位置検出に用いることで、より高精度の位置検出を行うことができ、より複雑な形状の電磁波伝搬媒体や、あるいは3次元に配置された端末3の位置検出などにも対応できる。
【0207】
図21は、本実施の形態2の位置検出システム(位置検出装置)の他の構成例を示す斜視図であり、図22は、その平面図(上面図)である。図21および図22の位置検出システム(位置検出装置)では、電磁波伝搬媒体1aの代わりに電磁波伝搬媒体1bが用いられている。
【0208】
電磁波伝搬媒体1bは、以下の点が相違していること以外は上記図19および図20に示される電磁波伝搬媒体1aと基本的には同様の構成を有しているため、ここでは、上記図19および図20に示される電磁波伝搬媒体1aとの相違点について説明する。
【0209】
上記図19および図20に示される電磁波伝搬媒体1aは、端面16aから端面16bに向かって電磁波伝搬媒体1aの幅が徐々に(なだらかに)減少していた。それに対して、上記図21および図22に示される電磁波伝搬媒体1bは、端面16aから位置P5までは、電磁波伝搬媒体1bの幅は幅Wのまま一定とし、端面16bから位置P5までは、電磁波伝搬媒体1bの幅は幅Wのまま一定とし、位置P5で電磁波伝搬媒体1bの幅を変化させて、幅Wよりも幅Wを小さく(すなわちW>W)している。すなわち、電磁波伝搬媒体1bにおいては、端面16aから位置P5までは、電磁波伝搬媒体1bの幅Wは変わらず、位置P5で電磁波伝搬媒体1bの幅Wが幅Wよりも小さな幅Wに減少し、その位置P5から端面16bまでは、電磁波伝搬媒体1bの幅Wは変わらない。換言すれば、電磁波伝搬媒体1bは、端面16aから位置P5までの一定の幅Wが、位置P5から端面16bまでの一定の幅Wよりも大きく(広く)なっている。なお、位置P5は、電磁波伝搬媒体1bにおける端面16aと端面16bとの間の位置である。
【0210】
また、端面16aから位置P5までは、上記導体13と上記導体14とは電磁波伝搬空間(15)を介して対向しかつ略平行であり、端面16bから位置P5までは、上記導体13と上記導体14とは電磁波伝搬空間(15)を介して対向しかつ略平行であるが、位置P5で、上記導体14,15と電磁波伝搬空間(15)には段差が形成されている。
【0211】
電磁波伝搬媒体1a上に親機2と複数の端末3とが設置(配置)されているが、電磁波伝搬媒体1aにおいて、親機2は端面16aに近い位置に設置(配置)され、そこ(親機2が設置された位置)から端面16b側に向かう方向に複数の端末3が並んで設置(配置)れている。電磁波伝搬媒体1aにおいて、幅が一定の幅Wとなっている領域(すなわち端面16aから位置P5までの領域)に親機2と少なくとも1つの端末3(図22の場合は端末3a,3b,3c)が設置されている。そして、電磁波伝搬媒体1aにおいて、幅が一定の幅Wとなっている領域(すなわち位置P5から端面16bまでの領域)に少なくとも1つの端末3(図22の場合は端末3d,3e,3f)が設置されている。
【0212】
上記図19および図20の場合と同様に、図21および図22の場合も、通信用信号には、電磁波伝搬媒体1a内を伝搬したときの電磁波の減衰(損失)が小さくなるような周波数f1aを用いる。この通信用信号の周波数f1aは、上述のように、電磁波伝搬媒体1a内での波長が、電磁波伝搬媒体1aの幅の最小値(ここでは幅W)の2倍以下となる(すなわちλ≦W×2となる)ように選択することが好ましい。これにより、周波数f1aの通信用信号は、電磁波伝搬媒体1b内を進行する際に、電磁波伝搬媒体1bのどの位置においても、通信用信号の波長が電磁波伝搬媒体1bの幅(上記幅Wに相当する値)の2倍以下となるため、電磁波伝搬媒体1b内を進行する通信用信号の減衰を抑制することができる。これにより、親機2と端末3との間、あるいは端末3間で、通信用信号を用いて的確に通信を行うことができる。
【0213】
一方、位置検出用信号には、周波数f2dの位置検出用信号と周波数f2gの位置検出用信号とを用いる。周波数f2dは、周波数f2gよりも低く、周波数f2gは周波数f1aよりも低い(すなわちf2d<f2g<f1a)。すなわち、上記図19および図20の場合に用いた周波数f2eの位置検出用信号の代わりに、図21および図20の場合は周波数f2gを用いる。
【0214】
図20および図21の場合は、周波数f2dについては、周波数f2dの位置検出用信号の電磁波伝搬媒体1b内での波長が、電磁波伝搬媒体1bの幅の最大値(ここでは幅W)の2倍よりも大きくなる(すなわちλ>W×2となる)ように、周波数f2dを選択することが好ましい。これにより、周波数f2dの位置検出用信号は、電磁波伝搬媒体1a内を進行する際に、電磁波伝搬媒体1aのどの位置においても、位置検出用信号の波長が電磁波伝搬媒体1aの幅(上記幅Wに相当する値)の2倍よりも大きくなるため、電磁波伝搬媒体1a内を進行するに従って位置検出用信号が大きく減衰することになる。
【0215】
また、周波数f2gは、上記周波数f2eに相当するものであるが、上記周波数f2eとは周波数の決め方が若干異なっている。
【0216】
すなわち、周波数f2gについては、周波数f2gの位置検出用信号の電磁波伝搬媒体1b内での波長が、電磁波伝搬媒体1bの幅Wの2倍以下でかつ電磁波伝搬媒体1bの幅Wの2倍よりも大きくなる(すなわちW×2≧λ>W×2となる)ように、周波数f2gを選択することが好ましい。つまり、周波数f2gは、幅Wの2倍以下でかつ幅Wの2倍よりも大きな波長を有する(すなわちW×2≧λ>W×2となる)ような周波数とすることが好ましい。これにより、周波数f2gの位置検出用信号が電磁波伝搬媒体1b内を進行する際に、電磁波伝搬媒体1bの幅が幅Wとなっている領域(すなわち端面16aから位置P5までの領域)では、位置検出用信号の波長が電磁波伝搬媒体1bの幅(上記幅Wに相当する値)の2倍以下となるため、位置検出用信号の減衰は小さく抑えられる。しかしながら、周波数f2gの位置検出用信号が電磁波伝搬媒体1b内を進行する際に、位置P5を過ぎて電磁波伝搬媒体1bの幅が幅Wとなっている領域(すなわち位置P5から端面16bまでの領域)では、位置検出用信号の波長が電磁波伝搬媒体1bの幅(上記幅Wに相当する値)の2倍よりも大きくなるため、電磁波伝搬媒体1b内を進行するに従って位置検出用信号が大きく減衰することになる。
【0217】
図19および図20の場合と同様に図21および図22の場合でも、親機2から周波数f2gの位置検出用信号を電磁波伝搬媒体1b内に入力して伝送させると、電磁波伝搬媒体1bにおいて、幅が幅Wとなっている領域(すなわち端面16aから位置P5までの領域)では、周波数f2gの位置検出用信号の減衰量は小さい。しかしながら、親機2から送信された周波数f2gの位置検出用信号は、位置P5を過ぎて電磁波伝搬媒体1bにおける幅が幅Wとなっている領域(すなわち位置P5から端面16bまでの領域)になると、波長が電磁波伝搬媒体1bの幅Wの2倍よりも大きくなるため、位置検出用信号の減衰量が大きくなる。このため、親機2から送信された周波数f2gの位置検出用信号を端末3d,3e,3fで受信すると、受信信号強度は、親機2からの入力強度から大きく減衰(低下)したものとなり、端末3dにおける受信信号強度S24aと端末3eにおける受信信号強度S25aと端末3fにおける受信信号強度S26aとの差が大きくなる。従って、親機2から送信された周波数f2geの位置検出用信号を受信したときの受信信号強度S24a,S25a,S26a(受信信号強度S24a,S25a,S26aの差)に基づいて、端末3d,3e,3fの高精度な位置検出が可能となる。
【0218】
一方、親機2から周波数f2dの位置検出用信号を電磁波伝搬媒体1b内に入力して伝送させると、入力位置から位置検出用信号が減衰し始め、端末3a,3b,3cでは、減衰した周波数f2dの位置検出用信号を受信することができる。このときの端末3a,3b,3cでの受信信号強度は、親機2からの入力強度から大きく減衰(低下)したものとなり、端末3aにおける受信信号強度S21aと端末3bにおける受信信号強度S22aと端末3cにおける受信信号強度S23aとの差が大きくなる。従って、親機2から送信された周波数f2dの位置検出用信号を受信したときの受信信号強度S21a,S22a,S23a(受信信号強度S21a,S22a,S23aの差)に基づいて、端末3a,3b,3cの高精度な位置検出が可能となる。
【0219】
このため、電磁波伝搬媒体1bにおいて、幅が幅Wとなっている領域(すなわち端面16aから位置P5までの領域)に設置されている端末3(図22の場合は端末3a,3b,3c)については、親機2から送信した周波数f2dの位置検出用信号の受信信号強度に基づいて、各端末3(3a,3b,3c)の位置検出を行うことができる。また、電磁波伝搬媒体1bにおいて、幅が幅Wとなっている領域(すなわち位置P5から端面16bまでの領域)に設置されている端末3(図22の場合は端末3d,3e,3f)については、親機2から送信した周波数f2gの位置検出用信号の受信信号強度に基づいて、各端末3(3d,3e,3f)の位置検出を行うことができる。
【0220】
つまり、周波数f2dの位置検出用信号と周波数f2gの位置検出用信号とを用いて端末3の位置検出(位置情報の検出)を行うが、周波数f2dの位置検出用信号は、親機2から近い位置の端末3(図22の場合は端末3a,3b,3c)の位置検出に用い、周波数f2gの位置検出用信号は、親機2から遠い位置の端末3(図22の場合は端末3d,3e,3f)の位置検出に用いる。それ以外は、通信および位置検出の手法については、上記実施の形態1や本実施の形態の上記図19および図20の場合と同様に行うことができる。また、ここでは、2つの周波数(周波数f2dと周波数f2g)を位置検出用信号に用いる場合について説明したが、3つ以上の周波数を位置検出用信号に用いることも可能である。また、図21および図22の場合、電磁波伝搬媒体1bに、幅Wを有する一定幅の領域と、幅Wよりも狭い幅Wを有する一定幅の領域との2領域を設けているが、他の形態として、一定幅の領域を3領域以上とすることもでき、この場合、親機2から遠ざかるに従って、各一定幅の領域の幅を狭くする。この場合、電磁波伝搬媒体1bの幅は、親機2から遠ざかる方向(端面16aから端面16bに向かう方向)に向かって、階段状に減少していくことになる。一方、上記図19および図20の場合は、電磁波伝搬媒体1aの幅は、親機2から遠ざかる方向(端面16aから端面16bに向かう方向)に向かって、なだらかに(直線的に)減少していくことになる。
【0221】
このように、電磁波伝搬媒体1bの幅を変化させることにより、図21および図22の場合も、上記図19および図20の場合とほぼ同様の効果を得ることができる。位置検出用信号の周波数によって位置検出が可能となる端末3を限定することができる。また、親機2から遠い端末3に対しても、親機2の信号送信電力を増大することなく、位置検出用信号を伝達することができる。各端末で受信した位置検出用信号の信号強度(受信信号強度)の情報と位置検出用信号の周波数の情報とを合わせて用いることにより、より高精度の位置検出が可能となる。
【0222】
以上、本実施の形態2に係る位置検出システム(位置検出装置)の構成を適用すれば、電磁波伝搬媒体の近傍に設置された端末の位置を検出することができる。特に、位置検出用信号に複数の周波数を用いることで、電磁波伝搬媒体内での減衰が大きい周波数を用いた高精度位置検出を実現することができ、親機が送信する位置検出用信号の周波数を調整することで、親機から遠い位置に設置された端末の位置検出ができる。
【0223】
また、位置検出用信号の周波数は、電磁波伝搬媒体のサイズや電磁波伝搬媒体内での信号の減衰量を基に適切に選択することで、位置検出範囲と位置検出精度を調整できる。
【0224】
また、一部の端末も位置検出用信号を送信し、その端末と他の端末との位置関係を検出することで、親機から遠い位置に設置された端末の位置検出ができる。さらに、親機と端末との間の距離だけではなく、端末同士の距離も分かることから、位置検出の精度が向上する。
【0225】
また、本実施の形態においても、位置検出に用いる情報を端末が持てば、親機ではなく端末にも位置検出ができることは明らかである。
【0226】
また、電磁波伝搬媒体の形状に関する情報(電磁波伝搬媒体における端末の設置可能位置に関する情報など)を位置検出に用いることで、高精度な位置検出ができ、2次元または3次元に配置された端末の位置検出を行うことができる。
【0227】
また、端末を設置する際に、位置検出のための親機を一時的に設置し、端末の位置検出完了後、位置検出のための親機を取り外してから、端末を含むシステムを運用することもできる。
【0228】
また、端末が筐体に収納されたシステムにおいて、電磁波伝搬媒体を筐体内部に敷設することにより、各端末の位置を検出することができる。
【0229】
また、本実施の形態2と上記実施の形態1とを組み合わせて実施することで、より高精度に位置を検出することができる。
【0230】
(実施の形態3)
本実施の形態3でも、電磁波伝搬媒体の近傍に設置(配置)された通信装置の位置検出システム(位置検出装置)または位置検出方法の例を、図面を参照しながら説明する。
【0231】
本実施の形態3では、電磁波伝搬媒体に近接して設置された通信装置の位置検出システムにおいて、通信装置の受信状態を切り替えながら位置検出するシステムの例を図23図26を参照しながら説明する。
【0232】
図23は、本実施の形態3の位置検出システム(位置検出装置)の構成例を示す説明図であり、各端末の受信状態を切り替えながら位置検出する装置の構成例が示され、上記図6などに対応する図である。
【0233】
図23に示される電磁波伝搬媒体1および電磁波伝搬媒体1上に設置(配置)された親機2および複数の端末3については、上記図1図6の場合と同様であるため、ここではその繰り返しの説明は省略する。本実施の形態3における位置検出の手法について、図23を参照して説明する。
【0234】
端末3の位置検出を行うに際して、親機2は各端末3に、位置検出用信号を受信するか否かの指示を電磁波伝搬媒体1を介して与えてから、位置検出用信号を電磁波伝搬媒体1を介して送信する。
【0235】
すなわち、まず、位置が既知である親機2から各端末3に、その後に送られてくる位置検出用信号を受信するか否かの指示の信号(通信用信号)を電磁波伝搬媒体1を介して送信し、これを各端末3が受信することで、各端末3はその後に送られてくる位置検出用信号を受信するか否かを認識する。各端末3は、親機2から受けた指示に基づき、通信器の状態を切り替え、各端末3の受信状態が「位置検出用信号を受信する」設定または「位置検出用信号を受信しない」設定のどちらかになる。それから、親機2が電磁波伝搬媒体1内に位置検出用信号を入力して電磁波伝搬媒体1内を伝送させる。
【0236】
各端末3は、親機2からの指示に基づき「位置検出用信号を受信する」設定となっている場合には、電磁波伝搬媒体1内を伝搬する位置検出用信号を受信し、その電力(位置検出用信号の電力)の一部を吸収する。また、各端末3は、親機2からの指示に基づき「位置検出用信号を受信しない」設定となっている場合には、電磁波伝搬媒体1内を伝搬する位置検出用信号を受信せず、その電力(位置検出用信号の電力)を吸収しない。
【0237】
各端末3は、親機2から送信された位置検出用信号を受信した場合の受信信号強度を電磁波伝搬媒体1に送信し(通信信号として送信し)、親機2は各端末3の受信信号強度の情報を受け取る。
【0238】
これを、各端末3の受信状態(どの端末3を「位置検出用信号を受信する」設定としどの端末3を「位置検出用信号を受信しない」設定とするか)を切り替えながら、繰り返し行う。
【0239】
親機2は、各端末3の受信状態(どの端末3が「位置検出用信号を受信する」設定となりどの端末3が「位置検出用信号を受信しない」設定となっているか)の条件と、各端末3における位置検出用信号の信号強度(受信信号強度)とを基に、各端末3の位置関係を検出することができる。以下、具体的に説明する。
【0240】
図24は、図23の構成において、端末3dで受信される位置検出用信号の信号強度を示す表である。図24の表には、親機2から電磁波伝搬媒体1内に入力して伝搬させた位置検出用信号を端末3dで受信したときの受信信号強度(端末3dで受信した位置検出用信号の信号強度)の相対値が示されている。但し、全端末3a,3b,3c,3d,3e,3fのうち端末3dのみが「位置検出用信号を受信する」設定となりかつ他の端末3a,3b,3c,3e,3fが「位置検出用信号を受信しない」設定となっている場合(図24の表の「ALL OFF」の場合)に、親機2から送信された位置検出用信号を端末3dで受信したときの受信信号強度を基準強度とし、この基準強度に対する相対値が図24の表にデシベル単位で示されている。
【0241】
図24の表に示される「All OFF」は、全端末3a,3b,3c,3d,3e,3fのうち、端末3dのみが「位置検出用信号を受信する」設定となりかつ他の端末3a,3b,3c,3e,3fが「位置検出用信号を受信しない」設定となっている場合に対応している。また、図24の表に示される「3a ON」は、端末3a,3dが「位置検出用信号を受信する」設定となりかつ他の端末3b,3c,3e,3fが「位置検出用信号を受信しない」設定となっている場合に対応し、図24の表に示される「3b ON」は、端末3b,3dが「位置検出用信号を受信する」設定となりかつ他の端末3a,3c,3e,3fが「位置検出用信号を受信しない」設定となっている場合に対応している。また、図24の表に示される「3c ON」は、端末3c,3dが「位置検出用信号を受信する」設定となりかつ他の端末3a,3b,3e,3fが「位置検出用信号を受信しない」設定となっている場合に対応し、図24の表に示される「3e ON」は、端末3d,3eが「位置検出用信号を受信する」設定となりかつ他の端末3a,3b,3c,3fが「位置検出用信号を受信しない」設定となっている場合に対応している。また、図24の表に示される「3f ON」は、端末3d,3fが「位置検出用信号を受信する」設定となりかつ他の端末3a,3b,3c,3eが「位置検出用信号を受信しない」設定となっている場合に対応している。
【0242】
図24の表からも分かるように、「3a ON」の場合と「3b ON」の場合と「3c ON」の場合とでは、親機2から送信された位置検出用信号の端末3dでの受信信号強度は、「All OFF」の場合に比べて小さくなる。図24の表の場合、−3dBであるため、「3a ON」の場合と「3b ON」の場合と「3c ON」の場合における端末3dでの位置検出用信号の受信信号強度は、「All OFF」の場合における端末3dでの位置検出用信号の受信信号強度の約半分になる。すなわち、端末3dに加えて端末3a,3b,3cのいずれか1つが「位置検出用信号を受信する」設定である場合は、端末3dだけが「位置検出用信号を受信する」設定でかつ端末3d以外は「位置検出用信号を受信しない」設定である場合に比べて、親機2から送信された位置検出用信号の端末3dでの受信信号強度が小さくなる(例えば−3dBすなわち約半分になる)。これは、親機2と端末3dとの間に位置する端末3a,3b,3cのいずれかが、位置検出用信号を受信したときに位置検出用信号の電力を吸収したためである。すなわち、端末3は、受信状態の切り替え(「受信する」設定と「受信しない」設定との切り替え)により、電磁波伝搬媒体1内を伝搬する位置検出用信号の電力を吸収する割合が変化する。
【0243】
一方、図24の表からも分かるように、「3e ON」の場合と「3f ON」の場合とでは、親機2から送信された位置検出用信号の端末3dでの受信信号強度は、「All OFF」の場合とほとんど同じである。すなわち、端末3dに加えて端末3e,3fのいずれかが「位置検出用信号を受信する」設定である場合は、端末3dだけが「位置検出用信号を受信する」設定でかつ端末3d以外は「位置検出用信号を受信しない」設定である場合と比べて、親機2から送信された位置検出用信号の端末3dでの受信信号強度はほとんど同じである(ほとんど変わらない)。これは、親機2と端末3dとの間ではなく、端末3dよりも先(親機2を基準にして端末3dよりも遠い位置)に位置する端末3e,3fのいずれかが、位置検出用信号を受信したときに位置検出用信号の電力を吸収したとしても、そのことは、端末3dにおける位置検出用信号の受信信号強度には影響を与えないためである。
【0244】
図23のグラフに示される「ON:3d,3e」は、図24の「3e ON」の場合に対応しており、端末3d,3eが「位置検出用信号を受信する」設定で、それ以外の端末3a,3b,3c,3fが「位置検出用信号を受信しない」設定である。この場合、図23のグラフの「ON:3d,3e」の場合に示されるように、親機2から送信された位置検出用信号は、端末3dに到達するまでは減衰は小さく、端末3dでの受信信号強度は高いが、端末3dで受信される際に電力が吸収されて信号強度が大きく低下し、更に、端末3eで受信される際に電力が吸収されて信号強度が更に低下する。一方、図23のグラフに示される「ON:3c,3d」は、図24の「3c ON」の場合に対応しており、端末3c,3dが「位置検出用信号を受信する」設定で、それ以外の端末3a,3b,3e,3fが「位置検出用信号を受信しない」設定である。この場合、図23のグラフの「ON:3c,3d」の場合に示されるように、親機2から送信された位置検出用信号は、端末3eで受信される際に電力が吸収されて信号強度が大きく低下するため、端末3dに到達したときには、信号強度がかなり低下しているため、その分、端末3dでの受信信号強度は低くなり、端末3dで受信される際に電力が吸収されて信号強度が更に低下してから、端末3e,3f方向に伝送される。
【0245】
このため、「All OFF」のときに親機2から送信された位置検出用信号の端末3dでの受信信号強度よりも、「3a ON」のときに親機2から送信された位置検出用信号の端末3dでの受信信号強度が低ければ(受信信号強度の低下の程度が所定量以上であれば)、端末3aは、端末3dと親機2との間に位置していると判定することができる。また、「All OFF」のときに親機2から送信された位置検出用信号の端末3dでの受信信号強度よりも、「3b ON」のときに親機2から送信された位置検出用信号の端末3dでの受信信号強度が低ければ(受信信号強度の低下の程度が所定量以上であれば)、端末3bは、端末3dと親機2との間に位置していると判定することができる。また、「All OFF」のときに親機2から送信された位置検出用信号の端末3dでの受信信号強度よりも、「3c ON」のときに親機2から送信された位置検出用信号の端末3dでの受信信号強度が低ければ(受信信号強度の低下の程度が所定量以上であれば)、端末3cは、端末3dと親機2との間に位置していると判定することができる。また、「All OFF」のときに親機2から送信された位置検出用信号の端末3dでの受信信号強度と、「3e ON」のときに親機2から送信された位置検出用信号の端末3dでの受信信号強度とが、ほとんど変わらない場合(受信信号強度の低下の程度が所定量未満の場合)には、端末3eは、端末3dと親機2との間に位置していないと判定することができる。また、「All OFF」のときに親機2から送信された位置検出用信号の端末3dでの受信信号強度と、「3f ON」のときに親機2から送信された位置検出用信号の端末3dでの受信信号強度とが、ほとんど変わらない場合(受信信号強度の低下の程度が所定量未満の場合)には、端末3fは、端末3dと親機2との間に位置していないと判定することができる。ここで、「端末3dと親機2との間」とは、電磁波伝搬媒体1を通る位置検出用信号の伝搬経路で見たときの端末3dと親機2との間に対応している。
【0246】
このように端末3dとその他の端末3(3a,3b,3c,3e,3f)との位置関係について、端末3d以外の端末3(3a,3b,3c,3e,3f)が親機2と端末3dとの間に位置するか否かを判定することができる。これを複数の端末3に対して行い(すなわち端末3dだけでなくそれ以外の端末3a,3b,3c,3e,3fに対しても行い)、それらの情報を統合すると、全端末3の位置関係(並び順)を特定することができる。
【0247】
このように、本実施の形態では、端末3の位置検出を行なう場合、全端末3a,3b,3c,3d,3e,3fのうちのある端末3dの位置を検出する際に、次のような操作を行う。すなわち、端末3d以外の端末3a,3b,3c,3e,3fの受信状態(「位置検出用信号を受信する」設定か「位置検出用信号を受信しない」設定か)を切り替えながら(例えば図24に示される6つの状態に切り替えながら)、親機2が電磁波伝搬媒体1を介して端末3dに位置検出用信号を複数回送信する(図24の場合は6つの状態のそれぞれで位置検出信号を送信する)。そして、これら複数回送信された位置検出用信号を端末3dで受信したときの信号強度(受信信号強度)に基づいて、端末3dの位置を検出する。すなわち、親機2を基準として、端末3dと他の端末3a,3b,3c,3e,3fとの位置関係を判別することができる。更に、この端末3dの位置を検出する操作と同様の操作を、他の端末3a,3b,3c,3e,3fに対しても順次行うことで、全ての端末3の位置を検出し、全ての端末3の並び順を特定することができる。
【0248】
「位置検出用信号を受信する」設定の端末3は、電磁波伝搬媒体1内を伝送される位置検出用信号を受信するとともに、位置検出用信号の電力をある程度吸収するように設定される。例えば、図24の表のように受信信号強度が「−3dB」となる場合は、「位置検出用信号を受信する」設定の端末3は、電磁波伝搬媒体1内を伝送される位置検出用信号を受信するとともに、位置検出用信号の電力を半分程度吸収することに対応している。一方、「位置検出用信号を受信しない」設定の端末3は、電磁波伝搬媒体1内を伝送される位置検出用信号を受信せず、位置検出用信号の電力をできるだけ吸収しないように設定される。これにより、ある端末3を「位置検出用信号を受信しない」設定と「位置検出用信号を受信する」設定と切り替えたときに、端末3dの位置検出用信号の受信信号強度が低下するか否かにより、そのある端末3が端末3dと親機2の間に位置するか否かを判定することができる。
【0249】
また、端末3の受信器(端末3が備える受信器)は、電磁波伝搬媒体1と強く電気的に結合し、信号電力(位置検出用信号の電力)を吸収することが好ましい。信号電力(位置検出用信号の電力)の吸収率が大きければ大きいほど、端末3の受信状態の条件による信号強度(位置検出用信号の信号強度)の差が大きくなり、位置検出精度が向上する。すなわち、位置検出用信号を受信する際の位置検出用信号の電力の吸収率が大きいほど、ある端末3の受信信号強度が、他の端末3の受信状態を変えたときに変化するその変化量が大きくなり、位置検出精度を向上させることができる。
【0250】
また、本実施の形態では、位置検出用信号と通信用信号とは、同じ周波数を用いても良い。つまり、本実施の形態では、位置検出用信号は、電磁波伝搬媒体1内で大きく減衰する周波数でなくても良い。
【0251】
また、本実施の形態においては、電磁波伝搬媒体1の端面16a,16bは、電磁波が反射しないように、所定のインピーダンスで終端されていたり、電磁波吸収体を備えていたりすると良い。端面16a,16bで大きな反射波が生じる場合には、例えば、端末3dの信号強度は端末3eの受信状態によっても変化してしまい、端末3eが端末3dと親機2との間に位置するかどうかの判断が難しくなる可能性がある。
【0252】
また、本実施の形態においても、上記実施の形態1(上記図9の場合など)と同様に、一部の端末3が位置検出用信号を送信し、端末3間の位置関係を検出しても良い。端末3間の位置関係と、親機2と一部の端末3との位置関係の情報とを用いることで、全端末3の位置を検出することができる。
【0253】
また、上記実施の形態1に記載の構成例と同様に、電磁波伝搬媒体の形状に関する情報(電磁波伝搬媒体1における端末3の設置可能位置に関する情報など)を位置検出に用いることで、より高精度の位置検出ができ、より複雑な形状の電磁波伝搬媒体や、3次元に配置された端末の位置検出にも対応できる。
【0254】
図25は、本実施の形態3で用いられる端末3が備える通信器の構成例を示す説明図であり、図26は、本実施の形態3で用いられる端末3が備える通信器の他の構成例を示す説明図である。
【0255】
本実施の形態では、上述のように、各端末3は、受信状態を切り替える(「位置検出用信号を受信する」設定と「位置検出用信号を受信しない」設定とに切り替える)ことができるように構成されている。この受信状態の切り替えは、各端末3の通信器(端末3が備える通信器、例えば後述の通信器31または通信器31b)により行うことができ、この受信状態の切り替えを可能とする通信器の構成例が、図25および図26に示されている。
【0256】
図25には、カプラ(アンテナ)32、スイッチ33a、受信器34、送信器35を備える通信器31aが示されている。カプラ32は、電磁波伝搬媒体1と結合して電磁波伝搬媒体1への電磁波の入出力を可能とするアンテナとして機能することができる。スイッチ33aは、カプラ32を送信器35に接続するか、カプラ32を受信器34に接続するか、あるいは、カプラ32を高インピーダンスに接続するかを、切換できるように構成されている。カプラ32は、例えば上記スロットSLなどに対向する位置に配置されることで、カプラ32から上記スロットSLなどを介して電磁波伝搬媒体1内へ電磁波を伝送(送信)したり、あるいは、電磁波伝搬媒体1内から上記スロットSLを介してカプラ32へ電磁波を伝送(受信)できるようになっている。
【0257】
図25の通信器31aでは、位置検出用信号を受信する場合(「位置検出用信号を受信する」設定の場合)は、スイッチ33aを用いて、カプラ32と受信器34とを接続する。これにより、電磁波伝搬媒体1内を進行する位置検出用信号は、カプラ32を介して受信器34で受信される(すなわち、端末3で位置検出用信号が受信される)。
【0258】
一方、位置検出用信号を受信しない場合(「位置検出用信号を受信しない」設定の場合)は、スイッチ33aを用いて、カプラ32と高インピーダンス(図25に「High Z」として模式的に示されている高インピーダンス)とを接続する。つまり、カプラ32と受信器34とを切り離し(遮断し)、カプラ32を開放することで、位置検出用信号を反射する。これにより、電磁波伝搬媒体1内を進行する位置検出用信号は、信号電力を低下させること無く、カプラ32の配置位置を通過し、端末3は位置検出用信号を受信しない。このように、受信状態の切り替えは、受信器34とカプラ(アンテナ)32とを導通(「位置検出用信号を受信する」設定の場合)または遮断(「位置検出用信号を受信しない」設定の場合)することにより行うことができる。
【0259】
なお、カプラ32と高インピーダンスとを接続するとは、カプラ32の接続先が電気的に高インピーダンスになっていることであり、例えば、カプラ32を電気的にオープン(開放)にしたり、あるいはスイッチ33aを介してカプラ32を高抵抗につなぐことなどにより、行うことができる。
【0260】
このようにして、受信状態を切り替えることができる。このような通信器31aを端末3が備えることで、端末3は、受信状態を切り替える(「位置検出用信号を受信する」設定と「位置検出用信号を受信しない」設定とに切り替える)ことができる。なお、端末3が信号を送信する場合は、スイッチ33aを用いて、カプラ32と送信器35とを接続すればよい。送信器35から送信された信号(通信用信号)は、カプラ32を介して電磁波伝搬媒体1内に入力され、電磁波伝搬媒体1内を進行する。
【0261】
図26には、カプラ(アンテナ)32、スイッチ33b、受信器34、送信器35、インピーダンス調整器36を備える通信器31bが示されている。スイッチ33bは、カプラ32を送信器35に接続するか、あるいは、カプラ32をインピーダンス調整器32を介して受信器34に接続するかを、切換できるように構成されている。インピーダンス調整器32は、容量などによりインピーダンスを変える。
【0262】
図26の通信器31bでは、位置検出用信号を受信する場合(「位置検出用信号を受信する」設定の場合)は、スイッチ33bを用いて、カプラ32とインピーダンス調整器32とを接続し、インピーダンス調整器32を用いて、信号の受信に適したインピーダンスに設定する。すなわち、カプラ32から受信器34への位置検出用信号の受信が可能となるように、インピーダンス調整器32によりインピーダンスの整合が行われる。これにより、電磁波伝搬媒体1内を進行する位置検出用信号は、カプラ32(およびインピーダンス調整器32)を介して受信器34で受信される(すなわち、端末3で位置検出用信号が受信される)。
【0263】
一方、位置検出用信号を受信しない場合(「位置検出用信号を受信しない」設定の場合)は、スイッチ33bを用いて、カプラ32とインピーダンス調整器36とを接続し、インピーダンス調整器36を用いて、位置検出用信号を反射するインピーダンスに設定する。例えば、インピーダンス調整器36は高インピーダンスに調整される。つまり、カプラ32と受信器34とを位置検出用信号の周波数において切り離し、カプラ32を開放することで、位置検出用信号を反射する。これにより、電磁波伝搬媒体1内を進行する位置検出用信号は、信号電力を低下させること無く、カプラ32の配置位置を通過し、端末3は位置検出用信号を受信しない。このように、受信状態の切り替えは、受信器34とカプラ(アンテナ)32とのインピーダンス整合を調整することにより行うことができる。
【0264】
このようにして、受信状態を切り替えることができる。このような通信器31bを端末3が備えることで、端末3は、受信状態を切り替える(「位置検出用信号を受信する」設定と「位置検出用信号を受信しない」設定とに切り替える)ことができる。なお、端末3が信号を送信する場合は、スイッチ33bを用いて、カプラ32と送信器35とを接続すればよい。送信器35から送信された信号(通信用信号)は、カプラ32を介して電磁波伝搬媒体1内に入力され、電磁波伝搬媒体1内を進行する。
【0265】
また、通信器31a,31bは、受信器34で受信する信号の強度を検出(測定)するための回路も備えている。
【0266】
本実施の形態3において、端末3に用いられるアンテナ(カプラ32)は、位置検出用信号の受信の際に、アンテナと電磁波伝搬媒体との結合が強く、できるだけ電磁波(位置検出用信号)を吸収するようなアンテナとすることが好ましい。一方、上記実施の形態1,2および後述の実施の形態4で端末3に用いられるアンテナ(カプラ32)は、位置検出用信号の受信の際に、アンテナと電磁波伝搬媒体との結合が弱く、あまり電磁波(位置検出用信号)を吸収せずにある程度反射するようなアンテナとすることが好ましい。このような違いは、アンテナ(カプラ32)の特性により調整することができる。
【0267】
また、上記実施の形態1,2および後述の実施の形態4で用いられる端末3が備える通信器を、通信器31aまたは通信器31bと同様の構成とすることもできるが、この場合、上述のようにアンテナ(カプラ32)には、電磁波伝搬媒体との結合が弱いアンテナ(カプラ)を用い、また、インピーダンス調整器36は省略することが可能である。
【0268】
以上、本実施の形態3に係る位置検出システム(位置検出装置)の構成を適用すれば、電磁波伝搬媒体の近傍に設置された端末(通信装置)の位置を検出することができる。特に、端末の受信状態を切り替えながら位置検出用信号の各端末における信号強度(受信信号強度)を検出することで、親機と端末の位置関係を検出することができる。
【0269】
また、端末3の受信器は電磁波伝搬媒体1と強く電気的に結合することができ、信号電力を吸収することができることで、端末3の受信状態の条件による信号強度の差を大きくすることができ、位置検出精度を向上できる。
【0270】
また、通信用信号と位置検出用信号に同じ周波数を用いることができ、電磁波伝搬媒体内での減衰が小さい周波数を用いた高信頼通信と高精度位置検出とを両立することができる。
【0271】
また、電磁波伝搬媒体1の端面は、電磁波が反射しないように、所定のインピーダンスで終端したり、電磁波吸収体を備えたりして反射波の影響を軽減することで、親機と端末の位置関係をより高精度に検出することができる。
【0272】
また、位置検出用信号の周波数は、電磁波伝搬媒体のサイズや電磁波伝搬媒体内での信号の減衰量を基に適切に選択することで、位置検出範囲と位置検出精度を調整できる。
【0273】
また、一部の端末も位置検出用信号を送信し、前記一部の端末と他の端末との位置関係を検出することで、親機から遠い位置に設置された端末の位置検出を行うこともできる。更に、親機と端末との位置関係だけではなく、端末同士の位置関係も分かることから、位置検出の精度が向上する。
【0274】
また、親機の位置検出用信号の送信電力を調整することで、親機から遠い位置に設置された端末の位置検出を行うこともできる。
【0275】
また、位置検出に用いる情報を端末が持てば、親機ではなく端末にも位置検出ができることは明らかである。
【0276】
また、電磁波伝搬媒体の形状に関する情報(電磁波伝搬媒体における端末の設置可能位置に関する情報など)を位置検出に用いることで、高精度な位置検出ができ、2次元または3次元に配置された端末の位置検出を行うことができる。
【0277】
また、端末を設置する際に、位置検出のための親機を一時的に設置し、端末の位置検出完了後、位置検出のための親機を取り外してから、端末を含むシステムを運用することもできる。
【0278】
また、端末が筐体に収納されたシステムにおいて、電磁波伝搬媒体を筐体内部に敷設することにより、各端末の位置を検出することができる。
【0279】
また、上記実施の形態1または上記実施の形態2による位置検出を行った後、本実施の形態3の位置検出を行うことで、位置検出結果が補正でき、より高精度で正確な位置検出が可能となる。例えば、上記実施の形態1または2による位置検出を行い、その結果、隣同士と判断された端末3について、本実施の形態の位置検出を行い、上記実施の形態1または2による位置検出の結果を、本実施の形態の位置検出の結果で補正する。
【0280】
一例を挙げて説明すると、上記実施の形態1による位置検出を行い、例えば端末3dと端末3eとが隣同士で端末3eよりも端末3dの方が親機2に近い側に位置すると正しく判断されたとする。それを受けて、本実施の形態の位置検出を行い、上記図24の「All OFF」の場合の端末3dの受信信号強度と「3e ON」の場合の端末3dの受信信号強度とを比べ、両者がほとんど変わらなければ(受信信号強度の低下の程度が所定量未満であれば)、端末3eよりも端末3dの方が親機2に近い側に位置するという判断は正しいと確認される。
【0281】
あるいは、上記実施の形態1による位置検出を行い、例えば端末3cと端末3dとが隣同士で端末3cよりも端末3dの方が親機2に近い側に位置すると誤って判断されたとする。それを受けて、本実施の形態の位置検出を行い、上記図24の「All OFF」の場合の端末3dの受信信号強度と「3c ON」の場合の端末3dの受信信号強度とを比べ、受信信号強度が低下していれば(受信信号強度の低下の程度が所定量以上であれば)、端末3dと親機2との間に端末3cが存在すると判定される。これにより、上記実施の形態1による位置検出による、端末3cよりも端末3dの方が親機2に近い側に位置するという判断は、誤っていると判定され、上記実施の形態1による位置検出の結果を補正する。この補正は、例えば、本実施の形態の位置検出の結果に従って端末3cと端末3dの検出位置を入れ換える(端末3dよりも端末3cの方が親機2に近い側に位置すると判断しなおす)などである。また、上記実施の形態1による位置検出の結果と、それを受けて行う本実施の形態1による位置検出の結果とが食い違えば、再度位置検出を行うようにしてもよい。
【0282】
(実施の形態4)
本実施の形態4でも、電磁波伝搬媒体の近傍に設置(配置)された通信装置の位置検出システム(位置検出装置)または位置検出方法の例を、図面を参照しながら説明する。
【0283】
本実施の形態4では、電磁波伝搬媒体に近接して設置された通信装置の位置検出システムにおいて、2つ以上の電磁波により電磁波伝搬媒体内に干渉波として定在波を発生させて位置検出するシステムの例を図27図32を参照しながら説明する。
【0284】
図27は、本実施の形態4の位置検出システム(位置検出装置)の構成例を示す説明図(斜視図およびグラフ)であり、上記図6などに対応する図である。
【0285】
図27で用いられている電磁波伝搬媒体1cは、端面16a,16b以外は、上記図1に示される電磁波伝搬媒体1と基本的には同様の構成を有しているため、ここでは、その繰り返しの説明は省略する。
【0286】
図27で用いられている電磁波伝搬媒体1cは、電磁波伝搬媒体1c内の電磁波が端面16bで反射するように構成されている。すなわち、電磁波伝搬媒体1cの端面16bは、電磁波を反射するように構成されている。
【0287】
図27に示されるように、電磁波伝搬媒体1c上に親機2と複数の端末3とが設置(配置)されているが、電磁波伝搬媒体1cにおいて、親機2は端面16aに近い位置に設置(配置)され、そこ(親機2が設置された位置)から端面16b側に向かう方向に複数の端末3が並んで設置(配置)れている。
【0288】
親機2が送信した位置検出用信号は、電磁波伝搬媒体1c内を伝搬し、端面16bに到達する。端面16bは、所定のインピーダンス、例えば50Ω(オーム)で終端されておらず、また、電磁波吸収体を備えていないため、位置検出用信号を反射する。端面16bで反射した位置検出用信号(すなわち反射波)は、親機2側(端面16a側)に向かって進行する。そして、親機2から端面16bに向かう信号(位置検出用信号)と、端面16bから親機2に向かう信号(反射波)とにより、定在波が生じる。
【0289】
すなわち、位置検出用電磁波である位置検出用信号が親機2から電磁波伝搬媒体1c内に入力されて電磁波伝搬媒体1c内を伝送し端面16bに到達してこの端面16bで反射されることで、電磁波伝搬媒体1c内には、親機2から端面16bに向かう位置検出用信号と、端面16bから親機2(端面16a)に向かう反射波(位置検出用信号の反射波)とが存在することになる。この2つの電磁波が重畳する(合成される、干渉する)ことで、干渉波として定在波が電磁波伝搬媒体1c内に発生する。
【0290】
なお、反射波(端面16bで反射した位置検出用信号)は、電磁波伝搬媒体1c内を親機2の方向に伝搬していき、所定のインピーダンスを持つ親機2で吸収される。もしも親機2と電磁波伝搬媒体1cとの結合が弱い場合は、反射波は親機2に十分に吸収されず、端面16aに到達するが、端面16aで再び反射すると、電磁波伝搬媒体1c内の定在波の波形を弱めてしまう可能性がある。このため、端面16aは、電磁波を反射しないように、所定のインピーダンスで終端させたり、あるいは電磁波吸収体を備えても良く、そうすることで、端面16aでの再反射を防止でき、電磁波伝搬媒体1c内の定在波の波形が弱まるのを防止することができる。
【0291】
このように、親機2から送信された位置検出用信号と、その位置検出用信号の端面16bでの反射波とにより、電磁波伝搬媒体1c内に干渉波として定在波が発生するが、発生した定在波の強めあう箇所(腹)と弱めあう箇所(節)は、端面16bからの距離と、信号(位置検出用信号およびその反射波)の波長で決まる。ここで、定在波の強めあう箇所(腹)は、定在波の振幅(電界の振幅)が最大となる箇所に対応し、定在波の弱めあう箇所(節)とは、定在波の振幅(電界の振幅)が最小となる箇所に対応している。
【0292】
従って、位置検出用信号の周波数を変更しながら、各端末3における信号強度を検出することによって、各端末3と端面16bとの間の距離を特定することができる。各端末3と端面16bとの間の距離に関する情報と、電磁波伝搬媒体1cの形状に関する情報(電磁波伝搬媒体1cにおける端末3の設置可能位置に関する情報など)とを合わせることにより、各端末3の位置を検出することができる。
【0293】
一例を説明すると、図27には、親機2から送信して電磁波伝搬媒体1c内を伝搬させた位置検出用信号の周波数がf3の場合に、その周波数f3の位置検出用信号とその位置検出用信号の端面16bでの反射波とにより発生した定在波が、「定在波(周波数f3)」として示されている。また、図27には、親機2から送信して電磁波伝搬媒体1c内を伝搬させた位置検出用信号の周波数がf4の場合に、その周波数f4の位置検出用信号とその位置検出用信号の端面16bでの反射波とにより発生した定在波が、「定在波(周波数f4)」として示されている。波長λを有する周波数の位置検出用信号とその端面16bでの反射波により形成された定在波は、位置検出用信号の伝搬方向に沿って波長λの4分の1の距離だけ進むごとに、定在波の振幅(電界の振幅)が最大となる箇所と最小となる箇所とを交互に繰り返すものになる。
【0294】
このため、周波数f3の送信信号の電磁波伝搬媒体1c内での波長λをλとすると、周波数f3の送信信号とその反射波で形成された定在波は、位置検出用信号の伝搬方向に沿ってλ/4進むごとに定在波の振幅が最大となる箇所(腹)と最小となる箇所(節)とを交互に繰り返すものになる。また、周波数f4の送信信号の電磁波伝搬媒体1c内での波長λをλとすると、周波数f4の送信信号とその反射波で形成された定在波は、位置検出用信号の伝搬方向に沿ってλ/4進むごとに定在波の振幅が最大となる箇所(腹)と最小となる箇所(節)とを交互に繰り返すものになる。
【0295】
図27のグラフには、親機2から送信された周波数f3の位置検出用信号とその位置検出用信号の端面16bでの反射波とにより定在波が発生した状態で、各端末3で検知した信号強度が、「周波数f3の場合」のグラフの黒丸として示されている。また、親機2から送信された周波数f4の位置検出用信号とその位置検出用信号の端面16bでの反射波とにより定在波が発生した状態で、各端末3で検知した信号強度が、「周波数f4の場合」のグラフの黒丸として示されている。
【0296】
親機2から送信する位置検出用信号の周波数をf3とした場合には、各端末3で検知する信号強度は、端面16bから端末3までの距離がn×λ/2(nは0以上の整数)のときに最小(ほぼゼロ)となり、n×λ/2+λ/4(nは0以上の整数)のときに最大となり、n×λ/2とn×λ/2+λ/4との間の距離のときには、その最小値と最大値との間の値となる。また、親機2から送信する位置検出用信号の周波数をf4とした場合には、各端末3での受信信号強度は、端面16bから端末3までの距離がn×λ/2(nは0以上の整数)のときに最小(ほぼゼロ)となり、n×λ/2+λ/4(nは0以上の整数)のときに最大となり、n×λ/2とn×λ/2+λ/4との間の距離のときには、その最小値と最大値との間の値となる。
【0297】
このため、周波数f3の位置検出用信号で定在波が発生した状態で、ある端末3(この端末3を端末3eと仮定して以下説明する)で信号強度(定在波の信号強度、定在波の振幅)を検知した場合、端面16bからその端末3eまでの距離d3を、d3=λ/2×n+α(ここでnは0以上の整数、−λ/4≦α<λ/4)と表すと、このαの値によってその端末3eの位置での信号強度S31が決まることになる。つまり、信号強度S31によってαの値を判断することができる。同様に、周波数f4の位置検出用信号で定在波が発生した状態で、ある端末3eで信号強度(定在波の信号強度、定在波の振幅)を検知した場合、端面16bからその端末3eまでの距離d3を、d3=λ/2×n+α(ここでnは0以上の整数、−λ/4≦α<λ/4)と表すと、このαの値によってその端末3eの信号強度S32が決まることになる。つまり、信号強度S32によってαの値を判断することができる。信号強度S31,S32に基づいてα,αが分かると、d3=λ/2×n+α=λ/2×n+αの関係にあることから、n,nが分かり、その結果として、端面16bから端末3eまでの距離d3が分かることになる。周波数f3,f4の選択の仕方によっては、周波数f3の位置検出用信号と、周波数f4の位置検出用信号とだけでは、端面16bから端末3eまでの距離d3が分からない場合もあり得るが、その場合は、周波数f3の位置検出用信号と周波数f4の位置検出用信号とだけではなく、更に他の周波数の位置検出用信号を用いて同様の測定を行い、その結果を加えることで、端面16bから端末3eまでの距離d3を特定することができる。端末3e以外の端末3についても同様に適用され、端面16bから各端末3までの距離を特定することができる。
【0298】
すなわち、親機2が位置検出用を送信すると、この位置検出用信号とその反射波とによって定在波が電磁波伝搬媒体1c内に発生し、定在波が発生した状態で各端末3は信号強度(定在波の信号強度、定在波の振幅)を検知する。親機2からの位置検出用信号の送信が終わって定在波が消えてから、各端末3は信号強度の情報を親機2に送信し、これを親機2が受信する。これを、位置検出信号の周波数を変えながら、必要に応じて繰り返す。これにより、各端末3で検知した信号強度の情報に基づいて、親機2は、端面16bから各端末3までの距離を特定することができる。
【0299】
このようにして得られた端末3と端面16bとの間の距離に関する情報と、予め得ていた電磁波伝搬媒体1cの形状に関する情報(電磁波伝搬媒体1cにおける端末3の設置可能位置に関する情報など)とを合わせることにより、各端末3の位置を検出することができる。
【0300】
また、予め電磁波伝搬媒体1cの形状に関する情報(電磁波伝搬媒体1cにおける端末3の設置可能位置に関する情報など)を得ていれば、周波数f3の位置検出用信号によって電磁波伝搬媒体1c内に定在波を発生させた場合に、電磁波伝搬媒体1cに複数存在する端末設置可能位置のそれぞれでどのような信号強度になるかは、周波数f3の値に基づいて予想することができる。このため、電磁波伝搬媒体1cにおける端末設置可能位置の予想信号強度と、各端末3で検知した信号強度とを照らし合わせることにより、どの端末3が、電磁波伝搬媒体1cに複数存在する端末設置可能位置のうちのどれに設置されているかを特定することもでき、それによって各端末3の位置を検出することもできる。この特定が周波数f3の位置検出用信号による結果だけでは難しければ、更に周波数f4でも行えば、端末3の位置の検出精度を高めることができる。更に精度を高めるため、測定に用いる周波数の数を更に増やすこともできる。
【0301】
なお、位置検出用信号は親機2の他に一部の端末3が送信しても良い。電磁波伝搬媒体1c内の定在波の形状は、送信元の位置に依らないため、端末3同士の位置関係を特定できる。
【0302】
また、端末3の受信器は電磁波伝搬媒体1cと弱く電気的に結合し、端末3が受信する際の信号電力の吸収量は小さいことが好ましい。端末3が受信する際の信号電力の吸収量が大きい場合、反射波の強度が小さくなり、定在波の腹と節の電力差が小さくなってしまう。
【0303】
また、各端末3の間隔は、通信用信号の半波長(λ/2)の整数倍であることが好ましい。通信用信号においても電磁波伝搬媒体1c内に定在波が生じる(通信用信号とその通信用信号の端面16bでの反射波とにより定在波が発生する)ため、定在波の腹の位置(定在波の振幅が最大となる位置)に各端末3が存在すると(これは各端末3の間隔を通信用信号の半波長の整数倍にすることで実現可能になる)、強い信号電力を受信することができ、高信頼通信が可能となる。
【0304】
図28および図29は、電磁波伝搬媒体1c内に生じる定在波の説明図である。
【0305】
図28は、電磁波伝搬媒体1cの端面16bにおいて、誘電体(上記電磁波伝搬空間15を構成する誘電体)を挟む上下の導体(上記導体11と上記導体12)を短絡するような導体が形成されている場合の例である。図28の場合、端面16bに導体があることから、定在波の電界の振幅は、端面16bにおいて最小となり、かつ、端面16bから信号波長(位置検出用信号の電磁波伝搬媒体1c内での波長λ)の4分の1の距離の位置で最大となる。
【0306】
一方、図29は、電磁波伝搬媒体1cの端面16bにおいて、誘電体(上記電磁波伝搬空間15を構成する誘電体)を挟む上下の導体(上記導体11と上記導体12)が開放されている(端面16bに導体を設けず開放させている)場合の例である。図29の場合、端面16bに導体が無いことから、定在波の電界の振幅は、端面16bにおいて最大となり、かつ、端面16bから信号波長(位置検出用信号の電磁波伝搬媒体1c内での波長λ)の4分の1の距離の位置で最小となる。図27には、図28の場合の定在波が示されているが、端面16bの構成により、図29の場合の定在波もあり得る。
【0307】
図30は、電磁波伝搬媒体1dに複数箇所から信号を入力する場合の位置検出システム(位置検出装置)の構成例を示す説明図(斜視図およびグラフ)であり、上記図27に対応する図である。
【0308】
図30の場合は、電磁波伝搬媒体1d上に端末3が設置(配置)されているが、親機2aは、電磁波伝搬媒体1d上に設置(配置)されていなくともよい。親機2aは上記親機2に相当するものであるが、親機2aは、同じ周波数で位相の異なる2つの信号(信号SG1,SG2)を送信できる送信部を有し、電磁波伝搬媒体1dの信号入出力部41a,41bから電磁波伝搬媒体1d内に信号SG1,SG2を送信できるようになっている。ここで、信号SG1の周波数と信号SG2の周波数とは同じであるが、信号SG1と信号SG2とは位相が異なっている。
【0309】
図30の場合は、電磁波伝搬媒体1dの互いに異なる位置(ここでは信号入出力部41aおよび信号入出力部41b)から電磁波伝搬媒体1d内に信号SG1および信号SG2が入力できるようになっており、この信号SG1,SG2が電磁波伝搬媒体1d内を互いに反対方向に伝搬して、干渉波として定在波が発生する。以下、具体的に説明する。
【0310】
すなわち、図30の場合は、電磁波伝搬媒体1dにおいて、電磁波伝搬媒体1dの端面16a側に信号入出力部41aが設けられ、電磁波伝搬媒体1dの端面16b側に信号入出力部41bが設けられており、端面16a(信号入出力部41a)から端面16b(信号入出力部41b)側に向かう方向に複数の端末3が並んで設置(配置)れている。これ以外については、電磁波伝搬媒体1dは、上記図1に示される電磁波伝搬媒体1と基本的には同様の構成を有しているため、ここでは、その繰り返しの説明は省略する。
【0311】
位置検出用信号(位置検出用電磁波)として、信号(第1位置検出用電磁波)SG1が親機2aから信号入出力部41aを介して電磁波伝搬媒体1d内に送信(入力)され、信号(第2位置検出用電磁波)SG2が親機2aから信号入出力部41bを介して電磁波伝搬媒体1d内に送信(入力)される。信号入出力部41aから電磁波伝搬媒体1d内に送信(入力)された信号SG1は、電磁波伝搬媒体1d内を信号入出力部41b(端面16b)側に向かう方向に伝搬し、信号入出力部41bから電磁波伝搬媒体1d内に送信(入力)された信号SG2は、電磁波伝搬媒体1d内を信号入出力部41a(端面16a)側に向かう方向に伝搬する。そして、電磁波伝搬媒体1d内において、信号入出力部41a(端面16a)から信号入出力部41b(端面16b)に向かう信号SG1と、信号入出力部41b(端面16b)から信号入出力部41a(端面16a)に向かう信号SG2とにより、干渉波として定在波が生じる。すなわち、電磁波伝搬媒体1d内を互いに反対方向に進行しかつ同じ周波数の信号SG1と信号SG2とが重畳する(合成される、干渉する)ことで、干渉波として定在波が電磁波伝搬媒体1d内に発生する。
【0312】
このように、親機2aから送信された信号SG1と信号SG2とにより、電磁波伝搬媒体1d内に定在波が発生するが、発生した定在波の強めあう箇所(腹)と弱めあう箇所(節)は、信号SG1と信号SG2との位相差によって決まる。すなわち、発生した定在波の振幅(電界の振幅)が最大となる箇所(腹)と最小となる箇所(節)の位置は、信号SG1と信号SG2との位相差によって決まる。このため、親機2aが送信する信号SG1,SG2の各位相を調節することで、信号SG1と信号SG2との位相差を調整することができ、それによって、電磁波伝搬媒体1d内に発生する定在波の振幅(電界の振幅)が最大となる箇所(腹)と最小となる箇所(節)の位置を制御することができる。
【0313】
すなわち、親機2が信号SG1,SG2を送信すると、信号SG1,SG2によって定在波が電磁波伝搬媒体1d発生し、定在波が発生した状態で各端末3は信号強度(定在波の信号強度、定在波の振幅)を検知する。親機2からの信号SG1,SG2の送信が終わって定在波が消えてから、各端末3は信号強度の情報を親機2に送信し、これを親機2が受信する。これを、信号SG1,SG2の周波数または位相差の一方または両方を変えながら(すなわち定在波の腹と節の位置を調整しながら)、必要に応じて繰り返す。これにより、各端末3で検知した信号強度の情報に基づいて、親機2は、信号入出力部41a,41b(端面16a,16b)から各端末3までの距離を特定することができる。
【0314】
このようにして得られた信号入出力部41a,41b(端面16a,16b)から各端末3までの距離に関する情報と、予め得ていた電磁波伝搬媒体1dの形状に関する情報(電磁波伝搬媒体1dにおける端末3の設置可能位置に関する情報など)とを合わせることにより、各端末3の位置を検出することができる。
【0315】
一例を説明すると、図30には、信号SG1と信号SG2との位相差がφ1の場合に信号SG1,SG2により発生した定在波が、「定在波(位相差φ1)」として示され、また、信号SG1と信号SG2との位相差がφ2の場合に信号SG1,SG2により発生した定在波が、「定在波(位相差φ2)」として示されている。信号SG1と信号SG2とは、周波数が同じであるため、電磁波伝搬媒体1d内での波長λも同じになるが、信号SG1,SG2により形成された定在波は、信号SG1または信号SG2の伝搬方向に沿って波長λの4分の1の距離だけ進むごとに、定在波の腹と節とを交互に繰り返すものになる。そして、信号SG1と信号SG2との位相差を変えると、定在波の腹と節の位置が、電磁波伝搬方向に沿って移動する(但し、周波数は変えずに位相差を変えると、定在波の腹と節との間隔はλ/4のまま変わらない)。
【0316】
従って、信号SG1と信号SG2との位相差を調整しながら(すなわち定在波の腹と節の位置を調整しながら)各端末3における信号強度(受信信号強度)を検出し、その検出結果の情報を電磁波伝搬媒体1dの形状に関する情報(電磁波伝搬媒体1dにおける端末3の設置可能位置に関する情報など)と合わせることにより、各端末3の位置を検出することができる。なお、位置検出用信号(信号SG1,SG2)の周波数も変更しながら、各端末3における信号強度を検出すると、より精度よく位置検出が可能である。
【0317】
また、例えば、予め電磁波伝搬媒体1dの形状に関する情報(電磁波伝搬媒体1dにおける端末3の設置可能位置に関する情報など)を得ていれば、周波数f3で位相差φ1の信号SG1,SG2によって電磁波伝搬媒体1d内に定在波を発生させた場合に、電磁波伝搬媒体1dに複数存在する端末設置可能位置のそれぞれでどのような信号強度になるかは、周波数f3と位相差φ1の値に基づいて予想することができる。このため、電磁波伝搬媒体1dにおける端末設置可能位置の予想信号強度と、各端末3で受信された信号強度(受信信号強度)とを照らし合わせることにより、どの端末3が、電磁波伝搬媒体1dに複数存在する端末設置可能位置のうちのどれに設置されているかを特定することができ、それによって各端末3の位置を検出することができる。この特定が信号SG1,SG2の位相差がφ1の場合の測定結果だけでは難しければ、更に信号SG1,SG2の位相差がφ2の場合の側的結果も加えることで、端末3の位置の検出精度を高めることができる。また、信号SG1,SG2の位相差を更に変えた場合の測定結果、あるいは、信号SG1,SG2の周波数をf4とした場合の測定結果を加えることで、端末3の位置の検出精度を更に高めることもできる。
【0318】
また、上記図27を参照して説明した手法(信号強度からα,αを判断して距離d3を特定する手法)を図30の構成に適用することもでき、この場合、図27の場合の距離d3(端面16bから端末3までの距離)に相当するものは、図30の場合は、信号入出力部41aまたは信号入出力部41bから端末3までの距離になる。上記図27を参照して説明した手法(信号強度からα,αを判断して距離d3を特定する手法)を図30の構成に適用すれば、信号SG1,SG2の位相差によって定在波をシフトさせる(定在波の腹と節をシフトさせる)ことも可能になることから、距離d3の特定が行いやすくなり、端末3の位置検出精度を向上させることができるようになる。
【0319】
また、位置検出用信号(信号SG1,SG2)の周波数を変更しない場合は、各端末3間の距離(配置距離)を位置検出用信号(信号SG1,SG2)の半波長(λ/2)の整数倍ではない距離に設定することにより、各端末3の位置検出が可能となる。これは、位置検出用信号(信号SG1,SG2)の半波長(λ/2)の整数倍の間隔で定在波の同位相が出現し、同位相となる位置に複数の端末3が配置されると、これだけではそれらの端末3を区別がつかないためである。しかし、他の実施の形態と組み合わせることで、区別をつけることもできるため、他の実施の形態と組み合わせることで、位置検出精度の向上を図ることができる。
【0320】
また、信号SG1と信号SG2の電磁波伝搬媒体1d内での減衰や、各端末3に電力を吸収されることによって、定在波の腹と節の電力差が小さくなってしまう。その場合、各端末3における信号強度の差が小さくなり、位置を誤判定してしまう可能性がある。そのため、このような場合には、信号入出力部41aに近い場所の位置検出では、信号SG2の入力時の振幅を信号SG1の入力時の振幅よりも大きくし、信号入出力部41aに近い場所で信号SG1と信号SG2の振幅の差が小さくなるようにする。反対に信号入出力部41bに近い場所の位置検出では、信号SG1の入力時の振幅を信号SG2の入力時の振幅よりも大きくし、信号入出力部41bに近い場所で信号SG1と信号SG2の振幅の差が小さくなるようにする。こうすることで、電磁波伝搬媒体1d全体にわたって、定在波の腹と節の電力差を十分に得ることができる。
【0321】
また、信号SG1と信号SG2の振幅差と位相差を調整しながら各端末3における信号強度を検出し、信号SG1と信号SG2の振幅差と定在波の腹と節の電力差を基に、各端末3と信号入出力部41a,41bとの間の距離を特定することができる。
【0322】
図31は、電磁波伝搬媒体1eに複数箇所から信号を入力する場合の位置検出システム(位置検出装置)の別の構成例を示す説明図(斜視図)であり、上記図30の変形例に対応している。
【0323】
上記図30の場合と同様に、図31の場合も、親機2aは2箇所から位置検出用信号(信号SG1および信号SG2)を電磁波伝搬媒体1e内に送信(入力)する。電磁波伝搬媒体1eは、上記図1の電磁波伝搬媒体1があたかも折り曲がったような外形形状を有しているため、親機2aの信号送信部を電磁波伝搬媒体1eに近接させることができる。
【0324】
具体的に説明すると、図31の場合、電磁波伝搬媒体1eは、電磁波伝搬媒体部分42a,42b,42を有しており、電磁波伝搬媒体部分42aと電磁波伝搬媒体部分42bと電磁波伝搬媒体部分42cとが(電磁波伝搬方向に沿って)連続的につながって電磁波伝搬媒体1e全体が構成されている。電磁波伝搬媒体部分42aと電磁波伝搬媒体部分42bとは、互いに略平行に延在しており、電磁波伝搬媒体部分42aと電磁波伝搬媒体部分42bとが電磁波伝搬媒体部分42a,42bに略垂直に延在する電磁波伝搬媒体部分42cによってつながっている。このため、端面16a(図31では親機2aで隠れて見えていない)から一方向に延在する電磁波伝搬媒体部分42aが電磁波伝搬媒体部分42bとつながり、この電磁波伝搬媒体部分42bが電磁波伝搬媒体部分42aと略垂直に延在して電磁波伝搬媒体部分42cとつながり、この電磁波伝搬媒体部分42cが電磁波伝搬媒体部分42aと略平行に端面16bに向かって一方向に延在している。このため、端面16aと端面16bとは、電磁波伝搬媒体部分42aと電磁波伝搬媒体部分42bとの間隔と同じ間隔で、隣り合っている。電磁波伝搬媒体1eの他の構成は、上記図1の電磁波伝搬媒体1と基本的には同様である。
【0325】
このような電磁波伝搬媒体1eにおいて、親機2aは、電磁波伝搬媒体部分42aと電磁波伝搬媒体部分42bとに跨って配置されている。すなわち、電磁波伝搬媒体部分42aの端面(端面16a)近傍と電磁波伝搬媒体部分42bの端面(端面16b)近傍とにまたがるように、親機2aが配置されている。これにより、親機2aは、電磁波伝搬媒体部分42aに信号SG1を、電磁波伝搬媒体部分42bに信号SG2を、それぞれ入力(送信)することができる。親機2aから送信(入力)された信号SG1は、電磁波伝搬媒体部分42a内に入力されてから、電磁波伝搬媒体部分42aと電磁波伝搬媒体部分42cと電磁波伝搬媒体部分42bとを順に伝搬し、電磁波伝搬媒体部分42bにおける親機2aの設置位置に到達する。親機2aから送信(入力)された信号SG2は、電磁波伝搬媒体部分42b内に入力されてから、電磁波伝搬媒体部分42bと電磁波伝搬媒体部分42cと電磁波伝搬媒体部分42aとを順に伝搬し、電磁波伝搬媒体部分42aにおける親機2aの設置位置に到達する。電磁波伝搬媒体1e内を互いに逆方向に伝搬する信号SG1と信号SG2とにより、電磁波伝搬媒体1e内に干渉波として定在波が発生する。
【0326】
このように電磁波伝搬媒体1eの形状を変更しても、上記図30の場合と同様に本実施の形態を適用することができる。また、本実施の形態においても、電磁波伝搬媒体の形状は、実施の形態1で説明したとおり、様々に変更することができる。
【0327】
図32は、筐体に収容した親機2aおよび端末3と、それらの下(親機2aおよび端末3の下)に電磁波伝搬媒体1fを設置(配置)し、親機2aが電磁波伝搬媒体1fに複数箇所から信号を入力する位置検出システム(位置検出装置)の構成例を示す説明図(斜視図)である。
【0328】
図32の場合、電磁波伝搬媒体1f上には、棚板5上に配置された親機2aおよび複数の端末3が設置されている。親機2aは、電磁波伝搬媒体1f内に、位置検出用信号として信号SG1と信号SG2とを送信(入力)する。
【0329】
具体的に説明すると、図32の場合、電磁波伝搬媒体1fは、棚板5a上に設置された電磁波伝搬媒体部分43a,43fと、棚板5b上に設置された電磁波伝搬媒体部分43bと、棚板5c上に設置された電磁波伝搬媒体部分43cとを有している。電磁波伝搬媒体1fは、更に、棚板5a,5b,5cの一方の側面側で電磁波伝搬媒体部分43a,43b,43cを連続的かつ一体的に接続する電磁波伝搬媒体部分43dと、棚板5a,5b,5cの他方の側面側で電磁波伝搬媒体部分43f,43b,43cを連続的かつ一体的に接続する電磁波伝搬媒体部分43eとを有している。
【0330】
このため、電磁波伝搬媒体部分43a,43fと、電磁波伝搬媒体部分43bと、電磁波伝搬媒体部分43cとは、上下に間隔を空けて互いに略平行に配置されている。そして、棚板5a,5b,5cの一方の側面側で、電磁波伝搬媒体部分43a,43b,43c同士が電磁波伝搬媒体部分43a,43b,43cと略垂直に延在する電磁波伝搬媒体部分43dによってつながっている。また、棚板5a,5b,5cの他方の側面側で、電磁波伝搬媒体部分43f,43b,43c同士が電磁波伝搬媒体部分43f,43b,43cと略垂直に延在する電磁波伝搬媒体部分43eによってつながっている。電磁波伝搬媒体部分43aと電磁波伝搬媒体部分43fとは、ともに棚板5a上に配置されているが、電磁波伝搬媒体部分43aと電磁波伝搬媒体部分43fとの間には隙間があり、互いに接さずに離間している。また、棚板5aに占める電磁波伝搬媒体部分43aの面積は、棚板5aに占める電磁波伝搬媒体部分43fの面積よりも大きくなっている。
【0331】
端末3のうち、端末3a〜3fは電磁波伝搬媒体部分43a上に設置(配置)され、端末3g〜3mは電磁波伝搬媒体部分43b上に設置(配置)され、端末3n〜3tは、電磁波伝搬媒体部分43c上に設置(配置)されている。親機2aは、電磁波伝搬媒体部分43aと電磁波伝搬媒体部分43fとの互いに対向する端部近傍において、電磁波伝搬媒体部分43aと電磁波伝搬媒体部分43fとにまたがるように設置(配置)されている。このため、親機2aから電磁波伝搬媒体部分43aに信号SG1を入力し、かつ、親機2aから電磁波伝搬媒体部分43fに信号SG2を入力することができる。
【0332】
親機2aから電磁波伝搬媒体部分43aに入力された信号SG1は、2つの伝搬経路を有している。1つ目は、電磁波伝搬媒体部分43aにおける親機2aの設置位置から、電磁波伝搬媒体部分43aと電磁波伝搬媒体部分43dと電磁波伝搬媒体部分43cと電磁波伝搬媒体部分43eと電磁波伝搬媒体部分43fとをこの順に伝搬して、電磁波伝搬媒体部分43fにおける親機2aの設置位置に到達する伝搬経路である。2つ目は、電磁波伝搬媒体部分43aにおける親機2aの設置位置から、電磁波伝搬媒体部分43aと電磁波伝搬媒体部分43dの約半分と電磁波伝搬媒体部分43bと電磁波伝搬媒体部分43eの約半分と電磁波伝搬媒体部分43fとをこの順に伝搬して、電磁波伝搬媒体部分43fにおける親機2aの設置位置に到達する伝搬経路である。
【0333】
親機2aから電磁波伝搬媒体部分43fに入力された信号SG2は、2つの伝搬経路を有している。1つ目は、電磁波伝搬媒体部分43fにおける親機2aの設置位置から、電磁波伝搬媒体部分43fと電磁波伝搬媒体部分43eと電磁波伝搬媒体部分43cと電磁波伝搬媒体部分43dと電磁波伝搬媒体部分43aとをこの順に伝搬して、電磁波伝搬媒体部分43aにおける親機2aの設置位置に到達する伝搬経路である。2つ目は、電磁波伝搬媒体部分43fにおける親機2aの設置位置から、電磁波伝搬媒体部分43fと電磁波伝搬媒体部分43eの約半分と電磁波伝搬媒体部分43bと電磁波伝搬媒体部分43dの約半分と電磁波伝搬媒体部分43aとをこの順に伝搬して、電磁波伝搬媒体部分43aにおける親機2aの設置位置に到達する伝搬経路である。
【0334】
信号SG1の上記1つ目の伝搬経路と、信号SG2の上記1つ目の伝搬経路とは、同じ経路で互いに反対向きであり、また、信号SG1の上記1つ目の伝搬経路と、信号SG2の上記2つ目の伝搬経路とは、同じ経路で互いに反対向きである。このため、電磁波伝搬媒体1fには、電磁波の伝搬経路が2つあり、その2つの伝搬経路のそれぞれに、信号SG1と信号SG2とが互いに反対方向に伝搬することになる。
【0335】
このため、電磁波伝搬媒体1f内で信号SG1と信号SG2とが反対方向に伝搬することになるため、親機2aから送信(入力)された信号SG1,SG2により電磁波伝搬媒体1f内に干渉波として定在波が発生する。定在波は、電磁波伝搬媒体部分43a,43b,43c,43d,43e,43f全体にわたって形成することもできる。
【0336】
このような電磁波伝搬媒体1fを用いた場合でも、電磁波伝搬媒体1f内に定在波を発生できるため、本実施の形態(上記図27図30で説明したような位置検出法)を適用することで、端末3の位置検出が可能である。
【0337】
ここで、電磁波伝搬媒体部分43bと電磁波伝搬媒体部分43dとの接続位置を位置44とし、電磁波伝搬媒体部分43bと電磁波伝搬媒体部分43eとの接続位置を位置45とする。信号SG1は、親機2aから送信されて電磁波伝搬媒体部分43aを通り、電磁波伝搬媒体部分43dの約半分を通過して位置44に至った段階で、そのまま電磁波伝搬媒体部分43dを通って電磁波伝搬媒体部分43cを伝搬する信号と、電磁波伝搬媒体部分43bを伝搬する信号とに分岐する。また、信号SG2は、親機2aから送信されて電磁波伝搬媒体部分43fを通り、電磁波伝搬媒体部分43eの約半分を通過して位置45に至った段階で、そのまま電磁波伝搬媒体部分43eを通って電磁波伝搬媒体部分43cを伝搬する信号と、電磁波伝搬媒体部分43bを伝搬する信号とに分岐する。このため、位置44は、信号SG1の分岐位置であり、位置45は、信号SG2の分岐位置である。電磁波伝搬媒体部分43d,43c,43eを経由する位置44と位置45との間の距離d5と、電磁波伝搬媒体部分43bを経由する位置44と位置45との間の距離d4との差(すなわちd5−d4)は、位置検出用信号(信号SG1,SG2)の波長の整数倍であることが好ましい(すなわちd5−d4=λ×n、ここでnは整数)。そうすることで、棚板5b上の電磁波伝搬媒体部分43bを伝搬した電磁波と、棚板5c上の電磁波伝搬媒体部分43cを伝搬した電磁波とが同位相で合成されることなるため、信号SG1と信号SG2とによって生じた定在波は崩れず、定在波の腹(定在波の振幅が最大となる箇所)と節(定在波の振幅が最小となる箇所)の電力差を大きく保つことができる。これにより、位置検出の精度を向上することができる。すなわち、電磁波伝搬媒体(1f)に電磁波(信号SG1,SG2)の伝搬経路が複数存在する場合には、この複数の伝搬経路の長さの差は、電磁波(信号SG1,SG2)の電磁波伝搬媒体1f内における波長の整数倍であることが好ましい。
【0338】
以上、本実施の形態4の設計思想は、電磁波伝搬媒体(1c,1d,1e,1f)の近傍に配置された複数の通信装置(端末3)の位置検出を行う際に、2つ以上の電磁波(図27の場合は親機2から送信した位置検出信号とその反射波、図30図31の場合は信号SG1,SG2)により電磁波伝搬媒体(1c,1d,1e,1f)内に発生する干渉波(定在波)を用いることである。この場合、その電磁波の周波数および位相の一方または両方を変えることにより、電磁波伝搬媒体(1c,1d,1e,1f)内における干渉波(定在波)の振幅が最大の箇所(腹)と最小の箇所(節)の位置を調整しながら、複数の通信装置(端末3)で干渉波(定在波)の信号強度を検知し、複数の通信装置(端末3)が検知した信号強度に基づいて複数の通信装置(端末3)の位置を検出することができる。
【0339】
以上、本実施の形態4に係る位置検出システム(位置検出装置)の構成を適用すれば、電磁波伝搬媒体の近傍に設置された端末の位置を検出することができる。特に、電磁波伝搬媒体内に定在波を生じさせ、定在波の腹(定在波の振幅が最大となる箇所)と節(定在波の振幅が最小となる箇所)の位置を変更することで、端末の位置検出を行うことができる。
【0340】
また、電磁波伝搬媒体の端面で位置検出用信号を反射させ、位置検出用信号の周波数を変更することで端末の位置検出を行うことで、電磁波伝搬媒体の端面を所定のインピーダンスで終端したり、電磁波吸収体を備えたりする必要が無くなり、電磁波伝搬媒体を低コストに実現できる。
【0341】
また、親機が複数箇所から位置検出用信号を電磁波伝搬媒体内に送信し、電磁波伝搬媒体内の定在波の腹(定在波の振幅が最大となる箇所)と節(定在波の振幅が最小となる箇所)の位置を位置検出用信号の位相や周波数によって調整することで、腹(定在波の振幅が最大となる箇所)と節(定在波の振幅が最小となる箇所)の位置の調整自由度が増し、位置検出精度を向上できる。
【0342】
また、複数箇所から電磁波伝搬媒体内に送信する位置検出用信号の送信電力を調整することで、電磁波伝搬媒体の所定の領域において定在波の腹(定在波の振幅が最大となる箇所)と節(定在波の振幅が最小となる箇所)の電力差を大きくすることができるため、端末が所定の領域に存在することが特定でき、位置検出精度を向上できる。
【0343】
また、電磁波伝搬媒体が分岐した後に合流するなど、複数の伝搬経路が存在する場合は、それらの経路長(伝搬経路の長さ)の差を、位置検出用信号の波長の整数倍とすることで、位置検出精度を向上できる。
【0344】
また、位置検出に用いる情報を端末が持てば、親機ではなく端末にも位置検出ができることは明らかである。
【0345】
また、電磁波伝搬媒体の形状に関する情報(電磁波伝搬媒体における端末の設置可能位置に関する情報など)を位置検出に用いることで、高精度な位置検出ができ、2次元または3次元に配置された端末の位置検出を行うこともできる。
【0346】
また、定在波の腹(定在波の振幅が最大となる箇所)と節(定在波の振幅が最小となる箇所)の電力差を大きくするために、各端末は電磁波伝搬媒体と弱く電気的に結合すればいいことから、カプラ(アンテナ)の設計が容易になる。
【0347】
また、端末3の配置間隔を、通信用信号の波長の半分の整数倍(すなわちn×λ/2、ここでnは整数)にすることで、高信頼通信を同時に実現できる。
【0348】
また、通信用信号と位置検出用信号とに同じ周波数を用いることができ、電磁波伝搬媒体内での減衰が小さい周波数を用いた高信頼通信と高精度位置検出とを両立することができる。
【0349】
また、端末を設置する際に、位置検出のための親機を一時的に設置し、端末の位置検出完了後、位置検出のための親機を取り外してから、端末を含むシステムを運用することもできる。
【0350】
また、端末が筐体に収納されたシステムにおいて、電磁波伝搬媒体を筐体内部に敷設することにより、各端末の位置を検出することができる。
【0351】
また、本実施の形態4を、上記実施の形態1〜3のうちの1つまたは複数と組み合わせて実施することで、より高精度に位置を検出することもできる。
【0352】
以上、本発明者によってなされた発明をその実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることは言うまでもない。
【0353】
なお、本発明は上記した実施の形態に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施の形態は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施の形態の構成例の一部を、同じ実施の形態の他の構成例または他の実施の形態の構成例に置き換えることが可能であり、また、ある実施の形態の構成例に、同じ実施の形態の他の構成例または他の実施の形態の構成例の構成を加えることも可能である。また、各実施の形態の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0354】
本発明は、電磁波伝搬媒体を用いた位置検出システムに適用することができる。
【符号の説明】
【0355】
1,1a,1b,1c,1d,1e,1f 電磁波伝搬媒体
2,2a,2b 親機
3,3a〜3t 端末
4 筐体
5,5a,5b,5c 棚板
11,12,13,14 導体
15 電磁波伝搬空間
16a,16b 端面
21a,21b,21c,21d,21e,21f,21g 電磁波伝搬媒体
21h,21i,21j,21k,21m 電磁波伝搬媒体部分
31a,31b 通信器
32 インピーダンス調整器
32 カプラ
33a,33b スイッチ
34 受信器
35 送信器
36 インピーダンス調整器
41a,41b 信号入出力部
42a,42b,42c,42d,42e,42f 電磁波伝搬媒体部分
44,45 位置
P2,P3a,P3b,P3cP3d,P3e,P3f,P4,P5 位置
SG1SG2, 信号
SL,SL1a,SL1bSL1c,SL1d,SL1e,SL1f スロット
,W,W,W
d1,d2,d3,d4,d5 距離
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
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図29
図30
図31
図32