特許第5836541号(P5836541)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5836541体液採取用デバイスおよび内視鏡システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5836541
(24)【登録日】2015年11月13日
(45)【発行日】2015年12月24日
(54)【発明の名称】体液採取用デバイスおよび内視鏡システム
(51)【国際特許分類】
   A61B 10/04 20060101AFI20151203BHJP
   A61B 1/00 20060101ALI20151203BHJP
【FI】
   A61B10/04
   A61B1/00 334A
【請求項の数】10
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2015-522310(P2015-522310)
(86)(22)【出願日】2014年11月11日
(86)【国際出願番号】JP2014079833
(87)【国際公開番号】WO2015072449
(87)【国際公開日】20150521
【審査請求日】2015年4月28日
(31)【優先権主張番号】特願2013-237903(P2013-237903)
(32)【優先日】2013年11月18日
(33)【優先権主張国】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000000376
【氏名又は名称】オリンパス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106909
【弁理士】
【氏名又は名称】棚井 澄雄
(74)【代理人】
【識別番号】100064908
【弁理士】
【氏名又は名称】志賀 正武
(74)【代理人】
【識別番号】100094400
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 三義
(74)【代理人】
【識別番号】100086379
【弁理士】
【氏名又は名称】高柴 忠夫
(74)【代理人】
【識別番号】100139686
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 史朗
(74)【代理人】
【識別番号】100161702
【弁理士】
【氏名又は名称】橋本 宏之
(72)【発明者】
【氏名】三日市 高康
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 聡子
【審査官】 福田 裕司
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−219858(JP,A)
【文献】 特開2009−011419(JP,A)
【文献】 特開昭56−003045(JP,A)
【文献】 特表2009−527337(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0202015(US,A1)
【文献】 国際公開第2006/030596(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 10/04
A61B 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
チャンネルが形成され、前記チャンネルに連通する吸引口から前記チャンネル内を吸引可能な吸引部を有する内視鏡と組み合わせて使用される体液採取用デバイスであって、
長手軸に沿ってルーメンが形成されて前記チャンネル内に挿通可能な長軸部材と、
前記内視鏡の前記吸引部によって吸引が作用され、前記長軸部材の前記ルーメンと前記チャンネルとを連通して形成される流路と、
前記流路に形成され、前記内視鏡の前記吸引部によって前記ルーメン内に吸引された体液を蓄積する収容部と、
前記長軸部材の先端側から基端側に向かって流体が流れないように、前記吸引口よりも前記先端側の前記長軸部材と前記チャンネルとの間を封止する封止部材と、
を備える
体液採取用デバイス。
【請求項2】
前記流路に設けられ、基体は通過させ、液体は通過させないフィルタをさらに備える
請求項1に記載の体液採取用デバイス。
【請求項3】
前記流路は、前記ルーメンの基端部の開口と前記チャンネルの基端部の開口とを連通
させる請求項1に記載の体液採取用デバイス。
【請求項4】
気体を通過させ、液体を通過させないフィルタが前記流路内に形成された孔に隙間なく設けられている
請求項に記載の体液採取用デバイス。
【請求項5】
前記収容部は、前記ルーメンの前記基端部の前記開口に対して前記長軸部材の基端部における前記長手軸に交差する方向に並べて配置され、壁部により仕切られた第一収容部および第二収容部を有し、
前記第一収容部及び前記第二収容部の前記壁部側が開口し、前記第一収容部と前記第二収容部とが連通している
請求項に記載の体液採取用デバイス。
【請求項6】
前記第一収容部に排出孔が設けられ、
前記排出孔に着脱可能に取付けられ、前記排出孔を封止可能な栓部材が設けられている
請求項に記載の体液採取用デバイス。
【請求項7】
前記流路には、仕切り板が設けられ、
前記収容部が、前記仕切り板と前記流路の内面との間に形成され、
前記仕切り板には、板厚方向に貫通する第一連通孔および第二連通孔が形成され、
前記長軸部材は前記第二連通孔に挿通され、
前記ルーメンの基端部の開口が前記仕切り板の前記収容部側の面と同一面に配置されている、あるいは、前記収容部内に配置されている
請求項に記載の体液採取用デバイス。
【請求項8】
チャンネルが形成され、前記チャンネルに連通する吸引口から前記チャンネル内を吸引可能な吸引部を有する内視鏡と、
請求項1に記載の体液採取用デバイスと、
を備える内視鏡システム。
【請求項9】
チャンネルが形成され、前記チャンネルに連通する吸引口から前記チャンネル内を吸引可能な吸引部を有する内視鏡と、
請求項2に記載の体液採取用デバイスと、
を備える内視鏡システム。
【請求項10】
チャンネルが形成され、前記チャンネルに連通する吸引口から前記チャンネル内を吸引可能な吸引部を有する内視鏡と、
請求項3に記載の体液採取用デバイスと、
を備える内視鏡システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、チャンネル内を吸引可能な吸引部を有する内視鏡と組み合わせて使用される体液採取用デバイス、および、この体液採取用デバイスと内視鏡とを備える内視鏡システムに関する。
本願は、2013年11月18日に、日本に出願された特願2013−237903号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
【背景技術】
【0002】
従来、生体内に体液採取用デバイスを導入して体液を採取し、この体液を用いて生体を検査することが行われている。この体液の採取に、公知のカテーテルが用いられることがある。カテーテルを用いて十二指腸液などの体液を採取するときには、カテーテルの基端部にシリンジを取付ける。カテーテルの先端部を経内視鏡的に十二指腸に導入し、十二指腸内の十二指腸液にカテーテルの先端部を接触させた状態でシリンジによりカテーテル内を吸引することで、十二指腸液をカテーテル内に吸い込ませる。
このように十二指腸液を採取するときには、術者などの使用者は、十二指腸液を採取するのに適した場所を内視鏡で探しながらカテーテルの先端部を移動させ、採取するのに適した場所を見つけたときに十二指腸液を吸引するのが一般的な手順である。このため、シリンジを操作すると、採取するのに適した場所を内視鏡で探し出すことに集中できないという問題がある。
【0003】
一方で、所定量の血液や十二指腸液などを容易かつ正確に採取するために、特許文献1に記載されたピペットが検討されている。このピペットは、第1ホルダーと、第1ホルダーの吸引口部品用取付け・案内部内に配された吸引口部品と、第1ホルダーに係合する第2ホルダーと、第2ホルダーに取付けられたキャップとを備えている。
吸引口部品と第1ホルダーとの間には、第1ホルダーから吸引口部品へ向かう液体の流れを阻止する逆止弁が設けられている。第1ホルダーの一時吸液体取付け部の中には、一時吸液体が取付けてある。
キャップは、可撓弾性のゴムなどで作られている。キャップの底部にはフィルター圧縮ピンが挿通され、通常状態において、フィルター圧縮ピンの周囲にわずかな隙間が生じる貫通孔が形成されている。
【0004】
このように構成されたピペットの使い方は、以下のようになる。
吸引口部品の先端を、血液に浸漬または接触させた状態に保つ。片手で第1ホルダーを挟むとともに、他方の手でキャップを押圧する。キャップの内部の空気がキャップの隙間を通って外へ排出され、キャップがへこむ。他方の手を放すと、キャップはもとの形状に戻ろうとしてキャップの内部の気圧が低くなり、吸引口部品の先端から血液が吸引される。血液は逆止弁を通り、一時吸液体へ至る。血液が一時吸液体に吸液され、一時吸液体の色が変化する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】日本国特開2005−17280号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1のピペットであっても、例えば十二指腸液を採取する場合に十二指腸内に存在する十二指腸が少ないときなどには、何度かキャップを押すことになり、採取するのに適した場所を内視鏡で探し出すことに集中できない。
【0007】
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであって、体液を採取するのに適した場所を内視鏡で探し出すことに使用者が集中することができる体液採取用デバイスを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、この発明は以下の手段を提案している。
本発明の体液採取用デバイスは、チャンネルが形成され、前記チャンネルに連通する吸引口から前記チャンネル内を吸引可能な吸引部を有する内視鏡と組み合わせて使用される体液採取用デバイスであって、長手軸に沿ってルーメンが形成されて前記チャンネル内に挿通可能な長軸部材と、前記内視鏡の前記吸引部によって吸引が作用され、前記長軸部材の前記ルーメンと前記チャンネルとを連通して形成される流路と、前記流路に形成され、前記内視鏡の前記吸引部によって前記ルーメン内に吸引された体液を蓄積する収容部と、前記長軸部材の先端側から基端側に向かって流体が流れないように、前記吸引口よりも前記先端側の前記長軸部材と前記チャンネルとの間を封止する封止部材と、を備えている。
【0009】
本発明の第2態様の体液採取用デバイスによれば、上述した第1の態様において、前記流路に設けられ、基体は通過させ、液体は通過させないフィルタをさらに備えてもよい。
【0010】
本発明の第の態様の体液採取用デバイスによれば、上記第の態様において、気体を通過させ、液体を通過させないフィルタが前記流路内に形成された孔に隙間なく設けられていてもよい。
本発明の第の態様の体液採取用デバイスによれば、上記第の態様において、前記収容部は、前記ルーメンの前記基端部の前記開口に対して前記長軸部材の基端部における前記長手軸に交差する方向に並べて配置され、壁部により仕切られた第一収容部および第二収容部を有し、前記第一収容部及び前記第二収容部の前記壁部側が開口し、前記第一収容部と前記第二収容部とが連通していてもよい。
本発明の第の態様の体液採取用デバイスによれば、上記第の態様において、前記第一収容部に排出孔が設けられ、前記排出孔に着脱可能に取付けられ、前記排出孔を封止可能な栓部材が設けられていてもよい。
【0011】
本発明の第の態様の体液採取用デバイスによれば、上記第の態様において、前記流路には、仕切り板が設けられ、前記収容部が、前記仕切り板と前記流路の内面との間に形成され、前記仕切り板には、板厚方向に貫通する第一連通孔および第二連通孔が形成され、前記長軸部材は前記第二連通孔に挿通され、前記ルーメンの基端部の開口が前記仕切り板の前記収容部側の面と同一面に配置されている、あるいは、前記収容部内に配置されていてもよい。
本発明の第の態様の内視鏡システムは、上記第1の態様から上記3の態様のいずれか一態様において、チャンネルが形成され、前記チャンネルに連通する吸引口から前記チャンネル内を吸引可能な吸引部を有する内視鏡と、上記各態様の体液採取用デバイスと、を備える。
【発明の効果】
【0012】
上記各態様の体液採取用デバイスおよび内視鏡システムによれば、体液を採取するのに適した場所を内視鏡で探し出すことに使用者が集中することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の第1実施形態の内視鏡システムの一部を破断した全体図である。
図2】同内視鏡システムを用いて十二指腸液を採取する手順を説明する断面図である。
図3】同内視鏡システムを用いて十二指腸液を採取する手順を説明する断面図である。
図4】本発明の第2実施形態の内視鏡システムの一部を破断した要部の図である。
図5】本発明の第3実施形態の体液採取用デバイスの要部の断面図である。
図6】同体液採取用デバイスのシースおよび仕切り板の斜視図である。
図7】同体液採取用デバイスを用いて十二指腸液を採取する手順を説明する断面図である。
図8】本発明の第4実施形態の体液採取用デバイスの一部を破断した要部の図である。
図9】本発明の第5実施形態の内視鏡システムの要部の断面図である。
図10】同内視鏡システムを用いて十二指腸液を採取する手順を説明する要部の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
(第1実施形態)
以下、本発明に係る内視鏡システムの第1実施形態を、図1から図3を参照しながら説明する。
図1に示すように、本実施形態の内視鏡システム1は、チャンネル19が形成された内視鏡2と、このチャンネル19内に挿通可能とされたシース(長軸部材)60を有する体液採取用デバイス(以下、「デバイス」とも略称する。)3とを備えている。すなわち、デバイス3は内視鏡2と組み合わせて使用される。
【0015】
内視鏡2は、いわゆる直視型であり、細長の挿入部10と、この挿入部10の基端部に設けられた操作部30と、操作部30の側面に一端部が取付けられたユニバーサルケーブル40とを有している。
挿入部10は、先端に設けられた先端硬質部11、先端硬質部11の基端部に取付けられ湾曲操作可能な湾曲部12、および、湾曲部12の基端部に取付けられ可撓性を有する可撓管部13を有している。
【0016】
先端硬質部11の先端面11aには、光ファイバの束からなるライトガイド16、および、対物レンズとCCD(電荷結合素子)とを有する観察ユニット17が外部に露出した状態で設けられている。
ライトガイド16は、挿入部10および操作部30内を挿通し、ユニバーサルケーブル40まで延びている。対物レンズは、先端硬質部11の前方の観察対象の像をCCDの受光面上に結像させる。CCDは、観察対象の像を画像を表す信号に変換し、変換した信号を信号配線18に送信する。信号配線18は、挿入部10および操作部30内を挿通し、ユニバーサルケーブル40まで延びている。
先端硬質部11の先端面11aには、前述のチャンネル19に連通する開口が形成されている。チャンネル19の基端側は、可撓管部13を通して操作部30まで延びている。
【0017】
湾曲部12では、図示はしないが複数の湾曲駒が挿入部10の長手方向に複数連結されている。最も先端側の湾曲駒には操作ワイヤの先端部が取付けられている。操作ワイヤの基端側は、可撓管部13を通して操作部30まで延びている。
【0018】
操作部30には、操作ワイヤを引戻したり押込んだりするためのノブ31や、操作部30内に設けられた不図示の開閉弁などを操作するためのスイッチ32が設けられている。ノブ31を操作することで、操作ワイヤを操作して湾曲部12を所望の方向に湾曲させることができる。
操作部30の先端側には、チャンネル19の基端側が連通する鉗子栓34が設けられている。鉗子栓34の外周面には、雄ネジ部34aが形成されている。
操作部30内において、チャンネル19の長手方向の中間部には吸引管路36の先端部に設けられた吸引口37が連通している。吸引管路36の基端側は、ユニバーサルケーブル40内に延びている。
【0019】
ユニバーサルケーブル40の基端側には、統合コネクタ41が設けられている。統合コネクタ41には、光源装置44およびモニタ45が取付けられている。
光源装置44は、内蔵する不図示のランプから発する照明光をライトガイド16の基端面に供給する。
モニタ45には、不図示の信号処理回路が内蔵されている。信号配線18を通して送信された信号は信号処理回路で変換され、CCDが取得した観察対象の画像がモニタ45の表示パネル45aに表示される。
【0020】
統合コネクタ41に設けられたコネクタ41aには、吸引装置46が接続されている。吸引装置46には、吸引の動作を行うポンプ46aが内蔵されている。吸引装置46および前述の吸引管路36で、吸引部47を構成する。
コネクタ41aに接続された吸引装置46は、前述の開閉弁が開状態にあるときには、ポンプ46aを動作させることで吸引管路36および吸引口37を通してチャンネル19内を吸引することができる。
【0021】
デバイス3は、長手軸C1に沿ってルーメン61が形成された前述のシース60と、シース60の外周面に固定されたOリング(封止部材)65と、ルーメン61の基端部の開口61aとチャンネル19の基端部の開口19aとを連通させる流路71を有するリザーバ(連通部)70とを有している。
シース60は、先端部に先端側に向かうにしたがって縮径するテーパー部62を有している。シース60の長さはチャンネル19の長さよりも長い。シース60は、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)などの樹脂材料で、内部が吸引されても潰れない一定の強度を有するとともに可撓性を有するように形成されている。
シース60の外径は、チャンネル19の内径よりも小さい。チャンネル19内にシース60を挿通させたときに、チャンネル19の内周面とシース60との間には隙間S1が形成される。
【0022】
Oリング65は、ゴムなどの弾性を有する材料で形成されている。Oリング65の外径は、チャンネル19の内径よりもわずかに大きい。Oリング65は、シース60の外周面に接着剤などにより固定されている。
内視鏡2のチャンネル19内にシース60を挿通させ、チャンネル19から先端側にシース60を突出させたときに、吸引口37よりも先端側にOリング65が位置ように構成されている。すなわち、チャンネル19から先端側にシース60を突出させたときに、Oリング65は、シース60とチャンネル19との間における吸引口37よりも先端側の部分を気密に封止する。なお、ここで言う気密とは、水密も含む意味である。
【0023】
リザーバ70は、筒状に形成され、鉗子栓34の雄ネジ部34aに螺合する雌ネジ部73aが内周面に形成された接続部材73と、接続部材73の基端側に固定された外筒74と、外筒74内にスライド可能に設けられた内筒75と、内筒75の基端側に固定されたリザーバ本体76とを有している。
リザーバ本体76に設けられた凹部78は、仕切り板79が設けられることで、仕切り板79と凹部78の内面との間の閉空間である収容部80と、仕切り板79よりも凹部78の開口側となる接続流路81とが形成されている。すなわち、凹部78は仕切り板79により収容部80と接続流路81とに仕切られている。
仕切り板79には、板厚方向に貫通する第一連通孔79aおよび第二連通孔79bが形成されている。
収容部80には、収容部80内に後述するように収容された十二指腸液P3の量を測定するための目盛り(指標)が設けられていることが好ましい。
【0024】
第一連通孔79aには、気体は通過させるが液体は通過させないフィルタ82が配されている。フィルタ82は、第一連通孔79aの内周面と隙間なく設けられている。
フィルタ82としては、例えばゴアテックス(登録商標、WLゴア&アソシエイツ社製)などを好適に用いることができる。
【0025】
接続部材73、外筒74、内筒75、およびリザーバ本体76は、公知の樹脂材料で形成することができる。これら接続部材73などは、内部が容易に確認できるように、透明の樹脂材料で形成することが好ましい。
接続部材73と外筒74とが気密に接続された状態で固定されている。また、内筒75とリザーバ本体76とが気密に接続された状態で固定されている。外筒74と内筒75との間には、不図示のOリングなどの封止部が設けられていて、外筒74と内筒75とを気密に接続するとともに、外筒74に対して内筒75を気密状態を保ったままでスライドさせることができる。
【0026】
接続部材73の筒孔、外筒74および内筒75の筒孔、およびリザーバ本体76の凹部78で、前述の流路71が構成される。前述のフィルタ82は、ルーメン61の基端部の開口61aとチャンネル19の基端部の開口19aとを連通させる流路71の内周面との間に隙間なく設けられている。すなわち、流路71を流れる流体はフィルタ82を必ず通る。
接続部材73の筒孔の内径、および内筒75の筒孔の内径は、シース60の外径よりも大きく、接続部材73の筒孔の内周面および内筒75の筒孔の内周面とシース60との間には、隙間S2が形成されている。
シース60の基端部は、接続流路81側から第二連通孔79bに挿通されている。ルーメン61の基端部の開口61aは、収容部80の内壁面に接触することなく、収容部80内に配置されている。第二連通孔79bの内周面とシース60とは、気密に封止されている。
【0027】
内視鏡2のチャンネル19にデバイス3のシース60を挿通させ、鉗子栓34の雄ネジ部34aに接続部材73の雌ネジ部73aを螺合させる。鉗子栓34と接続部材73とが気密に接続され、リザーバ70により、ルーメン61におけるOリング65よりも基端側の部分とチャンネル19におけるOリング65よりも基端側の部分とがフィルタ82を介して連通する。
【0028】
次に、以上のように構成された内視鏡システム1を使用するときの作用について、体液として十二指腸液を採取する場合で説明する。なお、ここで言う十二指腸液とは、十二指腸から分泌される狭義の十二指腸液だけでなく、膵液および胆汁を含むものを意味する。
まず、術者などの使用者は、患者の体外において、図2に示すように外筒74に対して内筒75を基端側に移動させる(引戻す)ことでリザーバ本体76およびシース60を引戻し、チャンネル19内にシース60の先端部を収容する。
【0029】
光源装置44から発せられた照明光をライトガイド16を介して挿入部10の前方に照射する。口などの自然開口から内視鏡2の挿入部10を患者の体内に挿入し、図3に示すように、挿入部10を十二指腸乳頭P1付近の十二指腸P2まで進める。
挿入部10を挿入する際に、モニタ45の表示パネル45aに表示される画像を観察しながら、必要に応じてノブ31を操作して湾曲部12を適宜湾曲させる。
外筒74に対して内筒75を先端側に移動させ(押込み)、チャンネル19からシース60の先端部を突出させる。ルーメン61の開口61aに対して収容部80が下方となるようにリザーバ70を保持する(図1参照。)。
十二指腸P2内にシース60を挿入し、ノブ31を操作して湾曲部12を適宜湾曲させたり、シース60の基端側を操作することでシース60を進退、回転させたりしながら、十二指腸液P3を採取するのに適した場所を探す。
【0030】
適した場所を探し出したら、スイッチ32を操作して吸引装置46を動作させ、チャンネル19内を吸引する。シース60とチャンネル19との間にOリング65が設けられていることで、十二指腸P2内の十二指腸液P3や不図示のガスは、図1に示すようにルーメン61の先端部から矢印F1のように吸われ、ルーメン61の基端部の開口61aから矢印F2のように収容部80内に入る。フィルタ82は気体を通過させるため、ガスはフィルタ82を通して接続流路81内であってシース60の外部を矢印F3のように流れる。Oリング65によりシース60とチャンネル19との間における吸引口37よりも先端側の部分が封止されているため、ガスは吸引口37から矢印F4のように吸引管路36内を流れて外部に排気される。
【0031】
一方で、フィルタ82は液体を通過させないため、十二指腸液P3はフィルタ82を通過できず収容部80内に留まる。使用者は収容部80内を確認しながら、収容部80の目盛りを参考にして収容部80内に一定量の十二指腸液P3が採取できたらスイッチ32を操作して吸引装置46を停止させる。ここで言う一定量とは、例えば50μL(マイクロリットル)である。
内筒75を引戻して、チャンネル19内にシース60の先端部を収容する。患者の口から、内視鏡2の挿入部10とともにデバイス3のシース60を引抜く。
【0032】
ネジ嵌合を取外すことで、鉗子栓34から接続部材73を取外し、チャンネル19からシース60を抜き取る。
リザーバ本体76の収容部80を割るなどした後で、収容部80内の十二指腸液P3を希釈液に入れる。希釈液中の膵液内の特定腫瘍マーカーの濃度を測定し、膵癌の検査などを行う。
【0033】
以上説明したように、本実施形態のデバイス3および内視鏡システム1によれば、吸引部47を動作させて吸引口37から吸引すると、Oリング65によりシース60とチャンネル19との間が封止され、かつ、リザーバ70によりルーメン61とチャンネル19とが連通しているため、ルーメン61内の流体が吸引される。シース60の先端から吸引された十二指腸液P3は、リザーバ70の収容部80内に留まる。これにより、公知の内視鏡2に備えられている吸引部47を用いて、ルーメン61の先端部からルーメン61を通して収容部80内に十二指腸液P3を自動的かつ連続的に吸引することができる。
【0034】
十二指腸液P3の吸引を自動で行うことができるため、使用者は内視鏡2を用いて十二指腸液P3の採取に適した場所を探し出すことに集中することができる。
操作部30内に設けられたスイッチ32を操作することで吸引することができるため、十二指腸液P3が散在している場合であっても効率良く吸引することができる。
また、流路71にフィルタ82が設けられていることで、ガスと十二指腸液P3との分離を容易かつ確実に行うことができる。
【0035】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について図4を参照しながら説明するが、前記実施形態と同一の部位には同一の符号を付してその説明は省略し、異なる点についてのみ説明する。
図4に示すように、本実施形態の内視鏡システム4のデバイス5は、第1実施形態のデバイス3のリザーバ70に代えて、リザーバ90を備えている。リザーバ90のリザーバ本体91は、リザーバ本体76に対してフィルタ82を備えず、収容部80に代えて第一収容部92および第二収容部93を備えた構成である。
【0036】
第一収容部92及び第2収容部93は、リザーバ90の流路94内に形成されている。第一収容部92及び第2収容部93は、ルーメン61の基端部の開口61aに対してルーメン61の基端部における長手軸C1に交差する方向に並べて配置されている。第一収容部92及び第2収容部93は、壁部95により仕切られていて、壁部95側がそれぞれ開口している。これにより、壁部95には、第一収容部92と第二収容部93とを連通させる連通空間Tが形成されている。これにより、第一収容部92及び第2収容部93は、連結空間Tを挟んで配置されている。
第一収容部92は、ルーメン61の開口61aに対向するように配置されている。この例では、ルーメン61の基端は、仕切り板79の連結空間T側の面と面一になっている。
第一収容部92における連結空間Tに対向する底面には、リザーバ本体91の外面に達する排出孔92aが形成されている。排出孔92aには、栓部材96が着脱可能に取付けられる。栓部材96は、ゴムなどの弾性を有する材料で形成されている。栓部材96は、排出孔92aに取付けられたときに排出孔92aを封止することができる。
リザーバ本体91は、リザーバ本体76のように透明の樹脂材料で形成することが好ましい。
【0037】
このように構成された内視鏡システム4を使用するときには、ルーメン61の開口61aに対して第一収容部92が下方となるようにリザーバ90を保持する。
十二指腸液P3を採取するのに適した場所を探し出したときに、吸引装置46を動作させる。十二指腸液P3やガスはルーメン61から矢印F6のように吸引され、十二指腸液P3は自身に作用する重力により第一収容部92内に留まっていく。一方で、ガスはルーメン61から連結空間Tおよび第一連通孔79aを通して矢印F7のように流れて外部に排気される。
吸引装置46を動作させると、次第に第一収容部92内に留まった十二指腸液P3の量が増え、第一収容部92内に一定量の十二指腸液P3が採取されたときに、ルーメン61から供給される十二指腸液P3は、第一収容部92から壁部95の上方の連結空間Tを通して第二収容部93内に流れ込む。
【0038】
使用者は、収容部92、93内を確認し、十二指腸液P3が第二収容部93内に流れ込むのを確認したときに、スイッチ32を操作して吸引装置46を停止させる。
排出孔92aの下方に不図示の容器を配置した後で、排出孔92aから栓部材96を取外す。第一収容部92内に留まっていた十二指腸液P3は、排出孔92aを通して排出孔92aの下方に流れ出し、容器内に留まっていく。
こうして、容器内に一定量の十二指腸液P3が採取される。
十二指腸液P3を何度か採取するときには、鉛直方向に対する第一収容部92の傾きが一定になるよう第一収容部92を保持する。
【0039】
以上説明したように、本実施形態のデバイス5および内視鏡システム4によれば、十二指腸液P3が自動的かつ連続的に吸引されるため、十二指腸液P3を採取するのに適した場所を内視鏡2で探し出すことに使用者が集中することができる。
リザーバ90には収容部92、93が形成されているため、ルーメン61の開口61aに対して第一収容部92が下方となるようにリザーバ90を保持した状態で吸引部47を動作させることで、第一収容部92内に十二指腸液P3を留めることができる。十二指腸液P3が、第一収容部92から壁部95の上方の連結空間Tを通して第二収容部93内に流れ込んだときに吸引部47を停止させることで、第一収容部92内に一定量の十二指腸液P3を採取することができる。
排出孔92aから栓部材96を取外すことで、第一収容部92内に留まっていた十二指腸液P3をリザーバ90の外部に容易に取出し、回収することができる。
【0040】
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態について図5から図7を参照しながら説明するが、前記実施形態と同一の部位には同一の符号を付してその説明は省略し、異なる点についてのみ説明する。
図5に示すように、本実施形態のデバイス6は、第1実施形態のデバイス3のリザーバ70に代えて、リザーバ100を備えている。リザーバ100のリザーバ本体101は、リザーバ本体76に対してフィルタ82を備えず、図5および図6に示すように、仕切り板79に1つの第二連通孔79b、および複数の第一連通孔79aが形成されている。
この例では、複数の第一連通孔79aは仕切り板79に格子状に形成されていて、仕切り板79の中央部に第二連通孔79bが形成されている。複数の第一連通孔79aの内径は、ガスが通過可能な範囲で小さいことが好ましい。
ルーメン61の基端部の開口61aは、収容部80に対向するように配置されている。収容部80の内容積は、十二指腸液P3を採取したい一定量の容積とされている。
吸引装置46のポンプ46aによる吸引力は、第1実施形態に比べて弱めに設定されている。
【0041】
このように構成されたデバイス6を内視鏡2とともに使用するときには、ルーメン61の開口61aに対して収容部80が下方となるようにリザーバ90を保持する。
十二指腸液P3を採取するのに適した場所を探し出したときに、吸引装置46を動作させる。十二指腸液P3やガスはルーメン61から図5に示す矢印F9のように吸引され、十二指腸液P3は自身に作用する重力により収容部80内に留まっていく。一方で、ガスはルーメン61から収容部80内に収容された十二指腸液P3の上方、および第一連通孔79aを通して矢印F10のように流れて外部に排気される。
【0042】
図7に示すように収容部80内が十二指腸液P3で満たされると、ガスが十二指腸液P3の上方を流れることができなくなるため、十二指腸液P3やガスを吸引できなくなる。
こうして、収容部80内に一定量の十二指腸液P3が採取される。
【0043】
以上説明したように、本実施形態のデバイス6によれば、十二指腸液P3が自動的かつ連続的に吸引されるため、十二指腸液P3を採取するのに適した場所を内視鏡2で探し出すことに使用者が集中することができる。
なお、本実施形態では、仕切り板79に複数の第二連通孔79bが形成されているとしたが、仕切り板79に形成される第二連通孔79bの数は1つでもよい。
【0044】
(第4実施形態)
次に、本発明の第4実施形態について図8を参照しながら説明するが、前記実施形態と同一の部位には同一の符号を付してその説明は省略し、異なる点についてのみ説明する。
図8に示すように、本実施形態のデバイス7は、第3実施形態のデバイス6の各構成に加えて、収容部80内の液面を検出する液量測定器110を備えている。
液量測定器110は、公知の構成のものを用いることができ、液量測定器110のセンサ部111は収容部80内に配置されている。センサ部111が十二指腸液P3に接触したことを液量測定器110の測定器本体112が検出し、この検出結果に基づいて測定器本体112は、例えばモニタ113に警告マーク113aを表示させる。
表示された警告マーク113aを認識した使用者は、スイッチ32を操作して吸引装置46を停止させる。
このように構成された本実施形態のデバイス7によれば、一定量の十二指腸液P3を確実に採取することができる。
【0045】
(第5実施形態)
次に、本発明の第5実施形態について図9および図10を参照しながら説明するが、前記実施形態と同一の部位には同一の符号を付してその説明は省略し、異なる点についてのみ説明する。
図9に示すように、本実施形態の内視鏡システム8は、前述の内視鏡2と、この内視鏡2のチャンネル19内に挿通可能とされたシース120を有するデバイス9とを備えている。
この内視鏡2の鉗子栓86は、貫通孔86aにシース120が挿通されていないとき、および、シース120が挿通されているときのいずれにおいても、チャンネル19の基端部を気密に封止することができる。
【0046】
シース120は、前述のシース60と同様に形成することができる。シース120の外周面には、前述のOリング65が固定されている。内視鏡2のチャンネル19内にシース120を挿通させ、チャンネル19から先端側にシース120を突出させたときに、吸引口37よりも先端側にOリング65が位置ように構成されている。すなわち、チャンネル19から先端側にシース120を突出させたときに、Oリング65は、シース120とチャンネル19との間における吸引口37よりも先端側の部分を気密に封止する。
シース120には、シース120におけるOリング65よりも基端側の部分の外周面からシース120のルーメン121に達するように形成された側孔(連通部)122が形成されている。すなわち、Oリング65よりも基端側のチャンネル19と、フィルタ82よりも基端側の121ルーメンとを連通する孔がシース120に形成されている。孔122は、ルーメン121におけるOリング65よりも基端側の部分とチャンネル19におけるOリング65よりも基端側の部分とを連通させる孔である。
【0047】
ルーメン121における側孔122よりも先端側の部分には、前述のフィルタ82が設けられている。ルーメン121におけるフィルタ82よりも先端側の部分に、採取容積Vが規定される。採取容積Vの容積は、採取したい一定量の十二指腸液P3の体積に等しい。
この例では、シース120のルーメン121内には、ルーメン121の基端側から公知のスタイレットWが挿通されている。スタイレットWの先端側に設けられた棒状の本体W1の外径は、ルーメン121の内径よりもわずかに小さい。本体W1の先端は、側孔122よりも基端側に配置させる。
【0048】
このように構成された内視鏡システム8を使用するときの作用について、体液として十二指腸液P3を採取する場合で説明する。
まず、使用者は、内視鏡2の挿入部10を口を通して十二指腸乳頭P1付近の十二指腸P2まで進め、この位置で挿入部10を保持する。内視鏡2の鉗子栓86を通してチャンネル19内にシース120を挿入し、チャンネル19からシース120の先端部を突出させる。
十二指腸P2内にシース120を挿入し、ノブ31を操作しつつ十二指腸液P3を採取するのに適した場所を探す。
【0049】
適した場所を探し出したら、スイッチ32を操作して吸引装置46を動作させ、チャンネル19内を吸引する。詳細には図示しないが、十二指腸P2内の十二指腸液P3やガスは、図9に示すようにルーメン121の先端部から矢印F12のように吸われる。フィルタ82が気体を通過させ、かつルーメン121における側孔122よりも基端側の部分はスタイレットWの本体W1で封止されているため、ガスはフィルタ82および側孔122を通して、チャンネル19の内周面とシース120との間の隙間S4を矢印F13のように流れ、吸引管路36内を流れて外部に排気される。
一方で、フィルタ82は液体を通過させないため、十二指腸液P3はフィルタ82を通過できず採取容積V内に留まる。採取容積V内が十二指腸液P3で満たされると、十二指腸液P3を吸引できなくなる。
【0050】
使用者は、図10に示すようにシース120に対してスタイレットWを押込み、シース120の側孔122を本体W1の先端側で封止する。スイッチ32を操作して吸引装置46を停止させるが、側孔122およびフィルタ82を通して空気などが採取容積V内に流れ込まないので、採取容積V内の十二指腸液P3がルーメン121の先端から外部に流れ出すことはない。
スタイレットWとともにシース120を鉗子栓86から引き抜く。
シース120の先端の下方に不図示の容器を配置した後で、シース120に対してスタイレットWを引戻し、側孔122の封止を解除する。側孔122およびフィルタ82を通して空気が採取容積V内に流れ込み、ルーメン121の先端から流れ出した十二指腸液P3が容器内に留まっていく。
こうして、容器内に一定量の十二指腸液P3が採取される。
【0051】
以上説明したように、本実施形態のデバイス9および内視鏡システム8によれば、十二指腸液P3が自動的かつ連続的に吸引されるため、十二指腸液P3を採取するのに適した場所を内視鏡2で探し出すことに使用者が集中することができる。
連通部がシース120の側孔122であるため、デバイス9を簡単に構成することができる。
ルーメン121にフィルタ82が設けられているため、採取容積Vに対応する一定量の十二指腸液P3を容易に採取することができる。
【0052】
なお、本実施形態では、スタイレットWの本体W1の先端にゴムなどの弾性を有する材料で形成された封止栓を設け、この封止栓により側孔122を封止してもよい。この場合、本体W1の外径をルーメン121の内径よりも十分に小さくすることができる。
【0053】
以上、本発明の第1実施形態から第5実施形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の構成の変更、組合わせなども含まれる。さらに、各実施形態で示した構成のそれぞれを適宜組合わせて利用できることは、言うまでもない。
例えば、前記第1実施形態から第5実施形態では、封止部材がOリング65であるとした。しかし、封止部材はこれに限られず、シースと内視鏡2のチャンネル19との間を先端側から基端側に向かって空気などの流体が流れないように封止する逆止弁でもよい。
【0054】
実施形態では、体液として十二指腸液P3を採取するとしたが、体液はこれに限られず、例えば胆汁や膵液などを採取するとしてもよい。
鉗子栓と接続部材73とをネジ嵌合により気密に接続した。しかし、鉗子栓と接続部材73との接続は、気密に接続できるものであればこれに限られず、例えば公知のルアーロック構造などを好適に用いることができる。
デバイスが直視型の内視鏡2と組み合わせて使用される場合について説明したが、これらのデバイスが、いわゆる側視型の内視鏡と組み合わせて使用されてもよい。
【0055】
上記の各実施形態に説明したすべての構成要素は、本発明の技術的思想の範囲で適宜組み合わせを代えたり、削除したりして実施することができる。
さらに、本発明の好ましい実施形態を説明したが、本発明はこれら実施形態に限定されることはない。本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、構成の付加、省略、置換、およびその他の変更が可能である。本発明は前述した説明によって限定されることはなく、添付のクレームの範囲によってのみ限定される。
【産業上の利用可能性】
【0056】
上記各実施形態の体液採取用デバイスおよび内視鏡システムによれば、体液を採取するのに適した場所を内視鏡で探し出すことに使用者が集中することができる。
【符号の説明】
【0057】
1、4、8 内視鏡システム
2 内視鏡
3、5、6、7、9 デバイス(体液採取用デバイス)
19 チャンネル
19a 開口
37 吸引口
47 吸引部
60、120 シース(長軸部材)
61、121 ルーメン
61a 開口
65 Oリング(封止部材)
70、90、100 リザーバ(連通部)
71、94 流路
79 仕切り板
79a 第一連通孔
79b 第二連通孔
80 収容部
82 フィルタ
92 第一収容部
92a 排出孔
93 第二収容部
96 栓部材
122 側孔(連通部)
C1 長手軸
T 連結空間
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10