特許第5836570号(P5836570)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5836570ディスペンシング装置及びディスペンシング方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5836570
(24)【登録日】2015年11月13日
(45)【発行日】2015年12月24日
(54)【発明の名称】ディスペンシング装置及びディスペンシング方法
(51)【国際特許分類】
   B05C 5/00 20060101AFI20151203BHJP
   H05B 33/10 20060101ALI20151203BHJP
   H01L 51/50 20060101ALI20151203BHJP
   B05D 1/26 20060101ALI20151203BHJP
【FI】
   B05C5/00 101
   H05B33/10
   H05B33/14 A
   B05D1/26 Z
【請求項の数】9
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2010-170827(P2010-170827)
(22)【出願日】2010年7月29日
(65)【公開番号】特開2011-101874(P2011-101874A)
(43)【公開日】2011年5月26日
【審査請求日】2013年7月23日
(31)【優先権主張番号】10-2009-0108270
(32)【優先日】2009年11月10日
(33)【優先権主張国】KR
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】512187343
【氏名又は名称】三星ディスプレイ株式會社
【氏名又は名称原語表記】Samsung Display Co.,Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】110000671
【氏名又は名称】八田国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】朴 宰 ▲せき▼
(72)【発明者】
【氏名】李 潤 美
【審査官】 大野 明良
(56)【参考文献】
【文献】 特開2006−247841(JP,A)
【文献】 特開2008−173528(JP,A)
【文献】 特開2003−311944(JP,A)
【文献】 特開2008−027836(JP,A)
【文献】 国際公開第2006/085561(WO,A1)
【文献】 特開2002−200746(JP,A)
【文献】 特開2007−078973(JP,A)
【文献】 特開2006−130436(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B05C 5/00− 5/04
B05D 1/00− 7/26
H05B 33/00−33/28
H01L 51/50
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体が流れるチャンネルを含む本体部、及び前記本体部と連結され、前記チャンネルと連通して前記流体を複数のピクセル構造物が形成された基板上にディスペンシングする複数のノズル部を含むディスペンシング部と、
前記複数のノズル部のうちの隣接するノズル部の間隔をセンシングし、また前記複数のピクセル構造物のうちの隣接するピクセル構造物の間隔をセンシングする間隔センサ部と、
前記間隔センサ部がセンシングした前記隣接するノズル部の間隔に基づいて、前記隣接するノズル部の間隔が前記隣接するピクセル構造物の間隔と対応するように前記本体部を熱膨張させる熱膨張調節部と、
を含むことを特徴とするディスペンシング装置。
【請求項2】
前記熱膨張調節部は、
前記本体部の温度を上昇させるヒーター部と、
前記本体部の温度をセンシングする温度センサ部と、
前記温度センサ部がセンシングした前記本体部の温度が設定された温度に到達するように前記ヒーター部を制御する温度制御部と、
を含むことを特徴とする請求項1に記載のディスペンシング装置。
【請求項3】
前記熱膨張調節部は、
前記本体部の温度を下降させる冷却部をさらに含み、
前記温度制御部は、前記温度センサ部がセンシングした前記本体部の温度が設定された温度に到達するように前記冷却部をさらに制御することを特徴とする請求項2に記載のディスペンシング装置。
【請求項4】
前記間隔センサ部はカメラであることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のディスペンシング装置。
【請求項5】
前記流体がディスペンシングされる基板が安着される安着部と、
前記安着部及び前記本体部のうちの一つ以上を移動させて、前記基板上に前記本体部を整列させる整列部と、
をさらに含むことを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のディスペンシング装置。
【請求項6】
前記ディスペンシング部は、インバーまたはステンレス鋼で構成されることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載のディスペンシング装置。
【請求項7】
流体がディスペンシングされる複数のピクセル構造物が形成された基板を用意する段階と、
前記流体が流れるチャンネルを含む本体部、及び前記本体部と連結され、前記チャンネルと連通して前記流体を前記基板上にディスペンシングする複数のノズル部を含むディスペンシング部を整列させる段階と、
間隔センサ部により前記複数のノズル部のうちの隣接するノズル部の間隔をセンシングし、また前記複数のピクセル構造物のうちの隣接するピクセル構造物の間隔をセンシングする段階と、
センシングした前記隣接するノズル部の間隔に基づいて、前記隣接するノズル部の間隔が前記複数のピクセル構造物のうちの隣接するピクセル構造物の間隔に対応するように熱膨張調節部により前記本体部を熱膨張させて、前記複数のノズル部それぞれを前記複数のピクセル構造物それぞれに対応させる段階と、
前記複数のノズル部から前記複数のピクセル構造物に前記流体をディスペンシングする段階と、
を含むことを特徴とするディスペンシング方法。
【請求項8】
前記本体部を熱膨張させて、前記複数のノズル部それぞれを前記複数のピクセル構造物それぞれに対応させる段階は、
前記本体部の温度をセンシングする段階と、
前記センシングした前記本体部の温度が設定された温度に到達するように前記本体部の温度を上昇または下降させる段階と、
を含むことを特徴とする請求項7に記載のディスペンシング方法。
【請求項9】
前記基板上に前記ディスペンシング部を整列させる段階は、
安着部上に前記基板を安着させる段階と、
前記安着部及び前記ディスペンシング部のうちの一つ以上を移動させて、前記基板上に前記本体部を整列させる段階と、
を含むことを特徴とする請求項7または8に記載のディスペンシング方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ディスペンシング装置に関するものであって、より詳しくは、基板に流体をディスペンシングするディスペンシング装置及びディスペンシング方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、ディスペンシング(dispensing)装置は、流体を塗布する装置であって、多様な流体を被塗布体に塗布する時に使用される装置である。
【0003】
このようなディスペンシング装置は、有機発光表示装置(organic lightemitting diode display)を製造する時に、有機発光表示装置のピクセル(pixel)を構成する有機発光物質を基板に塗布するのに使用される。
【0004】
一方、有機発光表示装置は複数のピクセルを含むが、この複数のピクセルに有機発光物質を塗布するためには、複数のピクセルに対応する複数のノズルを有するディスペンシング装置を利用して、複数のピクセルそれぞれに流体状の有機発光物質を一度に塗布している。
【0005】
最近では、メムス(microelectromechanical systems、MEMS)技術の発展により、有機発光表示装置に含まれている複数のピクセルおのおのの間隔が次第に狭くなっている。有機発光表示装置の製造過程において、有機発光表示装置の複数のピクセルのうち、隣接するピクセル同士の間隔が最初の設計値から誤差が生じた場合に、最初の設計値で形成された複数のピクセルに対応する複数のノズルを有する既存のディスペンシング装置では、誤差が生じている有機発光表示装置の複数のピクセルに正確に有機発光物質を塗布するのが難しいという問題があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、前述した背景技術の問題を解決するためのものであって、本発明の目的は、誤差が生じた有機発光表示装置の複数のピクセルであっても、正確に有機発光物質を塗布することができるディスペンシング装置及びディスペンシング方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1側面は、流体が流れるチャンネルを含む本体部、及び前記本体部と連結され、前記チャンネルと連通して前記流体を複数のピクセル構造物が形成された基板上にディスペンシングする複数のノズル部を含むディスペンシング部、前記複数のノズル部のうちの隣接するノズル部の間隔をセンシングし、また前記複数のピクセル構造物のうちの隣接するピクセル構造物の間隔をセンシングする間隔センサ部、前記間隔センサ部がセンシングした前記隣接するノズル部の間隔に基づいて、前記隣接するノズル部の間隔が前記隣接するピクセル構造物の間隔と対応するように前記本体部を熱膨張させる熱膨張調節部、を含むディスペンシング装置を提供する。
【0008】
前記熱膨張調節部は、前記本体部の温度を上昇させるヒーター部、前記本体部の温度をセンシングする温度センサ部、及び前記温度センサ部がセンシングした前記本体部の温度が設定された温度に到達するように前記ヒーター部を制御する温度制御部を含むことができる。
【0009】
前記熱膨張調節部は、前記本体部の温度を下降させる冷却部をさらに含み、前記温度制御部は、前記温度センサ部がセンシングした前記本体部の温度が設定された温度に到達するように前記冷却部をさらに制御することができる。
【0010】
前記間隔センサ部はカメラであってもよい。
【0011】
前記流体がディスペンシングされる基板が安着される安着部、及び前記安着部及び前記本体部のうちの一つ以上を移動させて、前記基板上に前記本体部を整列させる整列部をさらに含むことができる。
【0012】
前記ディスペンシング部は、インバー(invar)またはステンレス鋼(stainlesssteel)で形成される。
【0013】
また、本発明の第2側面は、流体がディスペンシングされる複数のピクセル構造物が形成された基板を用意する段階、前記流体が流れるチャンネルを含む本体部、及び前記本体部と連結されて、前記チャンネルと連通して前記流体を前記基板上にディスペンシングする複数のノズル部を含むディスペンシング部を整列させる段階、間隔センサ部により前記複数のノズル部のうちの隣接するノズル部の間隔をセンシングし、また前記複数のピクセル構造物のうちの隣接するピクセル構造物の間隔をセンシングする段階、センシングした前記隣接するノズル部の間隔に基づいて、前記隣接するノズル部の間隔が前記複数のピクセル構造物のうちの隣接するピクセル構造物の間隔に対応するように熱膨張調節部により前記本体部を熱膨張させて、前記複数のノズル部それぞれを前記複数のピクセル構造物のそれぞれに対応させる段階、及び前記複数のノズル部から前記複数のピクセル構造物に前記流体をディスペンシングする段階を含むディスペンシング方法を提供する。
【0014】
前記本体部を熱膨張させて、前記複数のノズル部それぞれを前記複数のピクセル構造物のそれぞれに対応させる段階は、前記本体部の温度をセンシングする段階、及び前記センシングした前記本体部の温度が設定された温度に到達するように前記本体部の温度を上昇または下降させる段階を含むことができる。
【0015】
前記基板上に前記ディスペンシング部を整列させる段階は、安着部上に前記基板を安着させる段階、及び前記安着部及び前記ディスペンシング部のうちの一つ以上を移動させて、前記基板上に前記本体部を整列させる段階を含むことができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明により、誤差が生じた有機発光表示装置の複数のピクセルに、正確に有機発光物質を塗布することができるディスペンシング装置及びディスペンシング方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の第1実施形態によるディスペンシング装置を示した図である。
図2】本発明の第1実施形態によるディスペンシング装置におけるディスペンシング部及び熱膨張調節部を詳しく示した図である。
図3】本発明の第2実施形態によるディスペンシング方法を示したフローチャートである。
図4】本発明の第2実施形態によるディスペンシング方法を示した図である。
図5】本発明の第2実施形態によるディスペンシング方法を示した図である。
図6】本発明の第2実施形態によるディスペンシング方法を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、添付した図面を参照して、本発明の多様な実施形態について、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者が容易に実施することができるように詳しく説明する。しかし、本発明は多様な形態に具現され、ここで説明する実施形態には限られない。
【0019】
本発明を明確に説明するために、説明に不要な部分は省略し、明細書全体にわたって同一または類似した構成要素については、同一な参照符号を付けた。
【0020】
また、図面に示した各構成の大きさ及び厚さは、説明の便宜のために任意に示したものであるため、本発明が必ずしも示されたものには限られない。
【0021】
一部分がある部分の「上」または「下」にあるという時、これはそれぞれ一部分がある部分の「下部」または「上部」にある場合も含み、一部分とある部分との間にさらに他の部分がある場合も含む。
【0022】
以下、図1及び図2を参照して、本発明の第1実施形態によるディスペンシング装置100について説明する。
【0023】
本発明の第1実施形態によるディスペンシング装置100は、有機発光表示装置に含まれている有機発光物質を流体状でディスペンシングする装置であるが、これに限定されず、本発明によるディスペンシング装置は、蛍光体などの他の物質を流体状でディスペンシングすることができる。
【0024】
図1は本発明の第1実施形態によるディスペンシング装置を示した図である。
【0025】
図1に示したように、本発明の第1実施形態によるディスペンシング装置100は、有機発光物質を流体状でディスペンシングする装置であり、安着部110、整列部120、ディスペンシング部130、間隔センサ部140、熱膨張調節部150を含む。
【0026】
安着部110は、流体状の有機発光物質がディスペンシングされる基板10が安着する部分である。安着部110は、整列部120によってその位置が移動する。
【0027】
整列部120は、安着部110を移動させて、安着部110上に安着している基板10に対してディスペンシング部130を整列させる部分である。整列部120は、基板10に対してディスペンシング部130が整列されるように設定された位置に安着部110を移動させる。整列部120は、ディスペンシング部130が基板10のある一部分から他の部分まで第1方向に移動して、基板10に対応するように安着部110を移動させる。
【0028】
第2実施形態において、整列部120は、ディスペンシング部130を移動させて、安着部110上に安着している基板10に対してディスペンシング部130を整列させたり、または安着部110及びディスペンシング部130を移動させたりして、安着部110上に安着している基板10に対してディスペンシング部130を整列させることができる。
【0029】
図2は本発明の第1実施形態によるディスペンシング装置におけるディスペンシング部及び熱膨張調節部を詳しく示した図である。
【0030】
図2に示したように、ディスペンシング部130は、流体状の有機発光物質を直接ディスペンシングする部分であり、本体部131及び複数のノズル部132を含む。
【0031】
本体部131は、基板10に対応して一方向に延長されており、流体状の有機発光物質が流れるチャンネル131aを含む。本体部131は、チューブなどの連結部材(図示せず)と連結されており、本体部131のチャンネル131aは、連結部材と連通して、連結部材から流体状の有機発光物質が供給される。
【0032】
ノズル部132は、複数が本体部131と連結されており、本体部131のチャンネル131aと連通して、チャンネル131a内に流れる流体状の有機発光物質を外部にディスペンシングする。ノズル部132は、開閉部を含むことができ、この開閉部は、ノズル部132を開放したり閉鎖したりすることによって、本体部131のチャンネル131aからノズル部132によって流体状の有機発光物質が基板10にディスペンシングされるのを制御する。
【0033】
ディスペンシング部130は、鉄とニッケルの合金であるインバー(invar)、不変鋼とも言う、またはステンレス鋼(stainlesssteel)で形成されており、ディスペンシング部130の温度が上昇することによって全体が均一に熱膨張する。例えば、ディスペンシング部130の本体部131の温度が1℃上昇すると、ディスペンシング部130の複数のノズル部132のうちの隣接するノズル部132の間隔(W1)は1um広くなる。
【0034】
間隔センサ部140は、ディスペンシング部130の複数のノズル部132のうちの隣接するノズル部132の間隔(W1)であるノズル部132間のピッチ(pitch)をセンシングする。すなわち、ノズル部132の間隔を検出する。間隔センサ部140は、ノズル部132間のピッチをセンシングして、その値を熱膨張調節部150に伝送する。間隔センサ部140は、基板10に形成されて、流体状の有機発光物質がディスペンシングされる複数のピクセル構造物のうちの隣接するピクセル構造物の間隔であるピクセル構造物間のピッチをセンシングする。前記複数のピクセル構造物は、基板10に形成され、有機発光表示装置に含まれている複数のピクセル(pixel)を構成する部分である。間隔センサ部140は、基板10のピクセル構造物間のピッチをセンシングして、その値を熱膨張調節部150に伝送する。間隔センサ部140は、カメラの形態を有し、ディスペンシング部130のノズル部132間のピッチ及び基板10のピクセル構造物間のピッチをイメージとして撮像した後、撮像されたイメージからノズル部132間のピッチの値及び基板10のピクセル構造物間のピッチの値を算出して、その値を熱膨張調節部150に伝送する。
【0035】
熱膨張調節部150は、間隔センサ部140がセンシングしたディスペンシング部130のノズル部132間のピッチ及び基板10のピクセル構造物間のピッチに基づいて、ディスペンシング部130の複数のノズル部132が基板10の複数のピクセル構造物に対応するようにディスペンシング部130の本体部131を熱膨張させる役割を果たす。熱膨張調節部150は、ヒーター部151、冷却部152、温度センサ部153、温度制御部154を含む。
【0036】
ヒーター部151は、本体部131の内部に位置させたり本体部131の外部に位置させたりし、本体部131と接触して、本体部131の温度を上昇させる役割を果たす。ヒーター部151は、本体部131の全体に対応して位置し、本体部131の全体の温度を同時に上昇させる役割を果たす。
【0037】
冷却部152は、本体部131の内部に位置させたり本体部131の外部に位置させたりして本体部131と接触し、本体部131の温度を下降させる役割を果たす。冷却部152は、本体部131の全体に対応して位置し、本体部131の全体の温度を同時に下降させる役割を果たす。
【0038】
温度センサ部153は、本体部131の温度をセンシングする。温度センサ部153は、ヒーター部151または冷却部152によって上昇または下降した本体部131の温度をセンシングして、温度制御部154にその値を伝送する。
【0039】
温度制御部154は、温度センサ部153がセンシングした本体部131の温度が設定された温度に到達するようにヒーター部151または冷却部152を制御する。ここで設定された温度とは、ディスペンシング部130の本体部131に連結されている複数のノズル部132が基板10の複数のピクセル構造物に対応するようにディスペンシング部130の本体部131が熱膨張される温度をいう。
【0040】
温度制御部154は、間隔センサ部140がセンシングしたノズル部132間のピッチ及び基板10のピクセル構造物間のピッチに基づいて、複数のノズル部132が基板10の複数のピクセル構造物に正確に対応するようにヒーター部151または冷却部152を制御する。
【0041】
温度制御部154がヒーター部151または冷却部152を制御して、本体部131の温度が設定された温度に到達すると、本体部131が熱膨張して、本体部131と連結された複数のノズル部132が基板10の複数のピクセル構造物に対応するようになり、この時、本体部131のチャンネル131aに流れる流体状の有機発光物質をノズル部132から基板10の複数のピクセル構造物にディスペンシングする。
【0042】
以下、図3乃至図6を参照して、本発明の第2実施形態によるディスペンシング方法を説明する。
【0043】
図3は本発明の第2実施形態によるディスペンシング方法を示したフローチャートである。図4乃至図6は本発明の第2実施形態によるディスペンシング方法を示した図である。
【0044】
まず、図3及び図4に示したように、基板10を用意する(S110)。
【0045】
具体的には、流体状の有機発光物質がディスペンシングされる複数のピクセル構造物11が形成された基板10を用意する。この複数のピクセル構造物11は、有機発光表示装置の複数のピクセルを構成する。
【0046】
次に、図5に示したように、基板10上にディスペンシング部130を整列させる(S120)。
【0047】
具体的には、安着部110上に基板10を安着させた後、整列部120を利用して安着部110及びディスペンシング部130のうちの一つ以上を移動させて、基板10上にディスペンシング部130を整列させる。
【0048】
次に、隣接するノズル部132の間隔をセンシングする(S130)。
【0049】
具体的には、間隔センサ部140を利用して複数のノズル部132のうちの隣接するノズル部132の間隔(W1)であるノズル部132間のピッチをセンシングする。この時、間隔センサ部140を利用して基板10の複数のピクセル構造物11のうちの隣接するピクセル構造物11の間隔(W2)であるピクセル構造物11間のピッチをセンシングする。このようにセンシングされたノズル部132間のピッチ及びピクセル構造物11間のピッチは、熱膨張調節部150に伝送される。
【0050】
次に、本体部131を熱膨張させて、複数のノズル部132を複数のピクセル構造物11に対応させる(S140)。
【0051】
具体的には、間隔センサ部140によってセンシングされたノズル部132間のピッチ及びピクセル構造物11間のピッチに基づいて、基板10の複数のピクセル構造物11に対して複数のノズル部132が正確に対応するようにディスペンシング部130の本体部131を設定された温度に到達させて、本体部131を熱膨張させる。本体部131の熱膨張は、本体部131の温度をセンシングした後で、本体部131の温度が設定された温度に到達するように本体部131の温度を上昇させたり下降させたりして行われる。また、本体部131が熱膨張されることによって、本体部131と連結された複数のノズル部132のうちの隣接するノズル部132の間隔(W1)が複数のピクセル構造物11のうちの隣接するピクセル構造物11の間隔(W2)に対応して、複数のノズル部132それぞれが複数のピクセル構造物11それぞれに正確に対応する。
【0052】
次に、図6に示したように、ピクセル構造物11に流体をディスペンシングする(S150)。
【0053】
具体的には、本体部131のチャンネル131aに流れている流体状の有機発光物質を複数のノズル部132から基板10の複数のピクセル構造物11にディスペンシングする。
【0054】
以上のように、本発明の第1実施形態によるディスペンシング装置100及び第2実施形態によるディスペンシング方法は、ディスペンシング部130の本体部131を熱膨張させて、本体部131と連結された複数のノズル部132を流体状の有機発光物質がディスペンシングされる基板10の複数のピクセル構造物11に正確に対応させることができるため、基板10の隣接するピクセル構造物11間の間隔に誤差が生じた場合であっても、有機発光表示装置の複数のピクセルで構成される基板10のピクセル構造物11に正確に流体状の有機発光物質を塗布することができる。つまり、本発明の第1実施形態によるディスペンシング装置100及び第2実施形態によるディスペンシング方法は、ノズル部132間のピッチを調節することができるため、基板10の製造状態に弾力的に対応することができる。
【0055】
また、本発明の第1実施形態によるディスペンシング装置100及び第2実施形態によるディスペンシング方法は、一つのディスペンシング装置100でもノズル部132間のピッチのサイズを調節することができるため、多様なピクセル構造物11間のピッチのサイズを有する多様な基板10に使用することができる。つまり、本発明の第1実施形態によるディスペンシング装置100及び第2実施形態によるディスペンシング方法は、汎用性を有して、多様な基板に多様な流体をディスペンシングすることができる。
【0056】
以上で、本発明を望ましい実施形態を参照して説明したが、本発明はこれに限定されず、特許請求の範囲の概念及び範囲を逸脱しない限り、多様な修正及び変形が可能であることを、本発明が属する技術分野に従事する者であれば容易に理解することができる。
【符号の説明】
【0057】
10 基板、
11 ピクセル構造物、
100 ディスペンシング装置、
110 安着部、
120 整列部、
130 ディスペンシング部、
131 本体部、
131a チャンネル、
132 ノズル部、
140 間隔センサ部、
150 熱膨張調節部、
151 ヒーター部、
152 冷却部、
153 温度センサ部、
154 温度制御部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6