【実施例】
【0019】
図5には、本発明に係る熱源装置の動作システムに適用される熱源装置とリモコン装置との配置例が示されている。リモコン装置は、風呂リモコン装置1および台所リモコン装置2であり、熱源装置は給湯器27である。給湯器27は、建物の外に配置されており、給湯機能と、浴槽26への自動湯張り機能と、追い焚き機能と、足し湯機能と、ぬる湯機能とを具備する。これらの機能による動作を行うために、給湯器27には、給湯バーナ装置10と追い焚きバーナ(風呂バーナ)装置16とを備えた加熱部が設けられており、加熱部は、これらのバーナ装置10,16に供給される燃料に着火して燃焼させ、加熱部に導かれる液体である水を加熱する機能を有する。風呂リモコン装置1と台所リモコン装置2は、例えば2芯の信号線を用いて、給湯器27の燃焼制御回路を有する制御装置3に接続されている。
【0020】
浴槽26は室内に設置され(
図1、参照)、給湯器27と浴槽26とは、追い焚き循環路25の戻り管23と往管24によって配管接続されている。風呂リモコン装置1は浴槽26の近くの浴室側壁に設置され、その設置位置は、浴槽26内から風呂リモコン装置1から発信される音声が聞きやすい位置となっている。また、台所リモコン装置2も、台所リモコン装置2から発信される音声が聞きやすい位置に配置される。
【0021】
図3は、風呂リモコン装置1の外観構成例を示すもので、風呂リモコン装置1の筐体ケースの表面側には表示画面32が設けられている。
図3においては、表示画面32に、給湯設定温度(41℃)と、湯張り設定温度(41℃)と、現在の時刻(
図3ではAM10:00)が示されている。表示画面32の側部には、リモコンの運転をオン、オフする運転スイッチ35と、給湯器27の追い焚き運転を指示する追い焚きスイッチ33と、給湯器27の自動運転を指示する自動スイッチ36と、通話スイッチ38と、スピーカ34とが設けられている。スイッチ35、33、36、38には、例えばLED(発光ダイオード)等により形成されたランプ39が設けられている。
【0022】
表示画面32の下側には、給湯や湯張りの温度と浴槽水位を設定する設定スイッチ28a、28bと、給湯温度、湯張り温度、浴槽水位等の各設定モードとを切り替える選択スイッチ29と、足し湯スイッチ30と、ぬる湯スイッチ31とが設けられている。設定スイッチ28a、28bと選択スイッチ29とを適宜操作することにより、給湯設定温度の設定や湯張り温度の設定が行われる。
【0023】
図4には、台所リモコン装置2の外観構成が示されている。この台所リモコン装置2において、風呂リモコン装置1と共通の構成部分には同一符号を付してある。台所リモコン装置2は、前記した風呂リモコン装置1から、足し湯スイッチ30、ぬる湯スイッチ31、追い焚きスイッチ33を除いた以外は風呂リモコン装置1と同様であるので、その重複説明は省略する。
【0024】
前記風呂リモコン装置1または台所リモコン装置2を用いて、
図5に示したような給湯器27の各運転機能の遠隔操作を行うことができる。例えば、いずれかのリモコン装置1,2の運転スイッチ35をオンし、この状態で給湯管路11の給湯先に設けられている給湯栓(図示せず)を開くことにより、給湯機能の動作が開始される。この動作は、加熱部に設けられている給湯バーナ装置10に燃料ガスを供給してその燃料ガスに着火し、入水温度センサ6による入水温と、流量センサ4による給湯量に基づき、給湯温度センサ8による給湯温(出湯温)が給湯設定温度となるように、給湯バーナ装置10の燃焼動作を行い(給湯バーナ装置10に供給される燃料ガスの燃焼を行い)、給湯熱交換器7を通る水を加熱して湯を作成し、給湯管路11を通して台所や浴室等の給湯先へ湯を供給する。
【0025】
給湯器27の自動運転は、自動湯張り機能の動作を行うものであり、具体的には、湯張り機能の動作、追い焚き機能の動作、保温機能の動作を連続的に行うものである。この自動運転は、運転スイッチ35がオンされている状態で、前記自動スイッチ36をオンすることにより開始するものであり、注湯電磁弁13が開かれ、前記給湯機能の動作と同様に給湯熱交換器7を通って加熱された湯が、給湯管路11から注湯路14に入り、戻り管23と往管24を有して構成される追い焚き循環路25を通して浴槽26へ落とし込まれる。なお、このような経路で湯が落とし込まれて湯張りが行われる本実施例において、浴槽26に接続された追い焚き循環路25と、該追い焚き循環路25を介して浴槽26に接続された注湯路14とが湯張り通路と成している。
【0026】
湯張りが完了したときに注湯電磁弁13が閉じられ、風呂温度センサ18によって検出される検出温度が湯張り設定温度(風呂設定温度)よりも低いときには追い焚き機能の動作が行われる。なお、追い焚きスイッチ33が押されたときにも追い焚き機能の動作は行われるものである。この追い焚き機能の動作は、循環ポンプ21が駆動されて浴槽26の湯水が追い焚き循環路25を通して循環されるものである。自動運転の動作においては、引き続き、予め設定された設定時間だけ、浴槽湯水の温度が風呂の設定温度よりも許容範囲を越えて低くならないように、追い焚きバーナ装置16の燃焼動作を行う(追い焚きバーナ装置16に供給される燃料ガスの燃焼を行う)ことによる保温機能の動作が行なわれる。
【0027】
なお、
図5において、12は流量センサ、22は流水スイッチ、19は循環ポンプ21の吐出口と追い焚き熱交換器15の入水口を連通接続する管路、17は追い焚きバーナ装置16へのガス通路、49は水量制御弁をそれぞれ示している。
【0028】
また、本実施例の熱源装置の動作システムは、
図2に示すように、給湯器27の制御装置3に設けられた燃焼制御手段41と動作音情報発信手段42、リモコン装置1,2に設けられた動作音情報受信手段43、動作音発信手段40を備えた制御構成を有している。
【0029】
燃焼制御手段41は、前記のような給湯機能と、浴槽26への自動湯張り機能と、追い焚き機能の動作を制御する手段である(足し湯機能やぬる湯機能については詳述しないが、これらの動作も制御する)。燃焼制御手段41は、その動作制御を行いながら、給湯器27の各機能の動作時に、その動作タイミングで、動作情報を動作音情報発信手段42に加える。燃焼制御手段41は、例えば、給湯バーナ装置10の着火情報や燃焼情報、追い焚きバーナ装置16の着火情報や燃焼情報、循環ポンプ21の駆動情報、注湯電磁弁13の開閉情報等を、動作音情報発信手段42に加える。
【0030】
動作音情報発信手段42は、燃焼制御手段41からの動作情報を受けて、その動作時に発生する動作音の情報を、動作音情報受信手段43に加える。つまり、給湯バーナ装置10や追い焚きバーナ装置16の着火時には、例えば「ボッ」というような着火音がするので、その着火音の情報を動作音情報受信手段43に加え、給湯バーナ装置10や追い焚きバーナ装置16の燃焼時には、例えば「ゴーッ」というような燃焼音がし、その音量は、燃焼量が大きいほど大きいので、その燃焼音の情報を動作音情報受信手段43に加える。なお、動作音情報受信手段43に加える動作音の情報は、事前に疑似化して情報化した情報として、機器本体(給湯器27等の熱源装置)とリモコン装置の少なくとも一方に保存するようにしてもよいし、リアルタイムで、機器本体や浴室リモコン装置内にある集音マイクで集めた音を使用してもよい。動作音情報受信手段43は、動作音情報発信手段42から加えられる動作音の情報を受信し、動作音発信手段40に加える。
【0031】
動作音発信手段40は、動作音情報受信手段43から加えられた動作音の情報に基づき、例えば
図1の模式図に示すように、スピーカ34を通し、給湯バーナ装置10や追い焚きバーナ装置16の着火時の「ボッ」というような着火音の疑似音や、給湯バーナ装置10や追い焚きバーナ装置16の燃焼時の「ゴーッ」というような燃焼音の疑似音を発信するものであり、本実施例は、このように、リモコン装置1,2に動作音発信手段40を設けて、給湯器27の動作に応じて生じる動作音の疑似音を前記動作の行われるタイミングで発することを特徴としている。
【0032】
つまり、本実施例では、例えば前記給湯機能の動作が行われ、給湯栓が開かれて、給湯バーナ装置10の燃焼開始する流量の水が給湯熱交換器7に通され、給湯バーナ装置10に着火が行われたときには、その着火音の疑似音として、前記の如く、「ボッ」という音が、リモコン装置1,2から発信される。そして、この着火によって給湯バーナ装置10の燃焼が行われると、その燃焼音の疑似音として、「ゴーッ」という音が、その燃焼量に応じた音量で、リモコン装置1,2から発信される。
【0033】
また、風呂リモコン装置1の追い焚きスイッチ33のオン操作に基づく追い焚き指令に応じ、給湯器27の追い焚きバーナ装置16が燃焼するときには、追い焚きバーナ装置16に着火が行われたときに、その着火音の疑似音として、前記の如く、「ボッ」という音が、リモコン装置1,2から発信され、この着火によって追い焚きバーナ装置16の燃焼が行われると、その燃焼音の疑似音として、「ゴーッ」という音が、リモコン装置1,2から発信される。なお、この際、循環ポンプ21の回転音の疑似音「ウーン」や「ウィーン」も発信するようにしてもよい。
【0034】
さらに、給湯器27は、リモコン装置1,2の自動スイッチ36のオン操作に基づく自動湯張り開始指令に応じて、前記自動湯張り機能によって浴槽26に湯張りを行うが、この湯張り動作時に、リモコン装置1,2の動作音発信手段40からは、前記湯張り通路(注湯路14と追い焚き循環路25)を通して浴槽26内に湯が落とし込まれる音の疑似音として、例えば「ジョボジョボ」や「ジョー」といった音がスピーカ34を通し、例えば連続して発信される。なお、このような自動スイッチは、電気温水器に取り付けられるリモコン装置にもあるので、電気温水器のリモコン装置から疑似音を出すようにしてもよい。
【0035】
なお、本発明は、前記実施例に限定されるものでなく、適宜設定されるものである。例えば、前記実施例では、熱源装置に風呂リモコン装置1と台所リモコン装置2とを信号接続するようにしたが、風呂リモコン装置1と台所リモコン装置1のいずれか一方のみを設けてもよいし、それ以外の、例えば、居間に配置するリモコン装置や洗面所に配置するリモコン装置を接続してもよく、リモコン装置の配設数や配置態様は適宜設定されるものである。また、リモコン装置は、
図2に示したような制御構成を有していれば、その他の制御構成の詳細や外観構成も特に限定されるものではなく、適宜設定されるものである。
【0036】
さらに、本発明の熱源装置の動作システムに適用する熱源装置のシステム構成の詳細は、特に限定されるものでなく、例えば、保温機能や保水機能、ぬる湯機能、追い焚き機能は備えていない装置としてもよいし、暖房機能や、太陽熱の集熱機能等の他の機能を備えていてもよい。なお、これらの機能を設けた場合に、暖房の回路や太陽熱の集熱回路において液体を循環させることに対応させて、循環ポンプが断続的に駆動する音の疑似音(例えば「ウーン」や「ウィーン」といった音)を、動作音発信手段40から発信するようにしてもよい。
【0037】
さらに、熱源装置は、例えば前記実施例で設けたガス燃焼を行うバーナ装置の代わりに、石油燃焼用のバーナ装置を設けてもよい。また、熱源装置は、バーナ装置を用いない電気温水器でもよい。