(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記複合部材は、樹脂マトリックス及び複数の炭素ファイバを含み、前記金属膜は、前記複合部材より前記基板にさらに近く配されることを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
前記複数の層のうち少なくとも1層に配された炭素ファイバは、第1方向に配列され、前記複数の層のうち少なくとも他の1層に配された炭素ファイバは、第2方向に配列され、前記第1方向と前記第2方向は、交差することを特徴とする請求項13に記載の表示装置。
前記複数の層のうち少なくとも1層に配された炭素ファイバは、第1方向に配列され、前記複数の層のうち少なくとも他の1層に配された炭素ファイバは、第2方向に配列され、前記第1方向と前記第2方向は、交差することを特徴とする請求項22に記載の表示装置。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の望ましい実施形態が添付された図面を参照しつつ説明する。図面上の同じ符号は、同じ要素を指す。下記で本発明について説明するにあたり、関連した公知の機能または構成に係わる具体的な説明が、本発明の要旨を必要以上に不明瞭にすると判断される場合には、その詳細な説明を省略する。また、本発明の実施形態について説明する図面において、ある層や領域は、明細書の明確性のために厚さを拡大して示されている。
【0024】
図1は、本発明の一実施形態による表示装置の概略的な断面図である。
図2及び
図3は、
図1の複合部材の構造を概略的に図示した図面である。
【0025】
図1を参照すれば、表示装置100Aは、基板110、表示部130、密封部190A及びシーリング部150を含む。
【0026】
基板110は、SiO
2を主成分とする透明なガラス材からなりうる。基板110は、必ずしもこれに限定されるものではなく、透明なプラスチック材によって形成することもできる。このとき、基板110を形成するプラスチック材は、絶縁性有機物であるポリエーテルスルホン(PES)、ポリアクリレート(PAR)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリアリレート(polyallylate)、ポリイミド(polyimide)、ポリカーボネート(PC)、セルローストリアセテート(TAC)、セルロースアセテートプロピオネート(CAP)からなるグループから選択される有機物でありうる。
【0027】
基板110上に、表示部130を形成するための多数の工程が進められ、かような工程の間、熱が加えられるので、基板110は、熱によって膨脹する。基板110の膨脹は、表示装置100Aの耐久性及び表示部130の精度を低下させる。従って、基板110は、熱膨張率が低い値を有することが望ましく、具体的に、3×10
−6/Kないし4×10
−6/Kの熱膨張率を有するようにする。
【0028】
表示部130は、有機発光素子、液晶素子などを具備し、基板110上に配される。
【0029】
密封部190Aは、表示部130に対向するように配される。密封部190Aは、外部の水分や酸素などから表示部130を保護する。密封部190Aは、金属膜170及び複合部材180Aを具備する。複合部材180Aは、金属膜170上に形成される。すなわち、複合部材180Aは、金属膜170より表示部130から遠く配される。
【0030】
シーリング部150は、熱によって硬化され、基板110と密封部190Aとを接合する。シーリング部150に熱を加える工程中に、密封部190Aは膨脹しうる。密封部190Aが熱によって膨脹する程度が大きくなれば、基板110との接合力が弱まり、結果的に、表示装置100Aの耐久性を低下させうる。
【0031】
しかし、本実施形態で、密封部190Aは、熱膨張率が低い複合部材180Aを含み、熱を加える工程中に膨脹する程度が大きくない。複合部材180Aは、基板110より低いか、あるいは類似した熱膨張率を有する。複合部材180Aは、
図2及び
図3に図示されているように、樹脂マトリックス及び複数の炭素ファイバを具備できる。
【0032】
図2を参照すれば、複合部材180Aは、樹脂マトリックス181及び複数の炭素ファイバ182を具備できる。
【0033】
複合部材180Aは、樹脂マトリックス181に炭素ファイバ182が含浸されて形成される。このとき、複数の炭素ファイバ182は、横列(row)と縦列(column)とに互いに交差するように配される。すなわち、炭素ファイバ182は、
図2のX方向に配された炭素ファイバ182と、
図2のY方向に配された炭素ファイバ182とを含むことができる。これを介して、全体領域にわたり均一であって低い熱膨張率を有する複合部材180Aを形成できる。
図2には、炭素ファイバ182が互いに直交するように配されたところが図示されているが、本発明は、これに限定されるものではない。すなわち、複合部材180Aが所望の熱膨張率を有するように、炭素ファイバ182の交差角度を定めることができる。
【0034】
また、複数の炭素ファイバ182は、各炭素ファイバ182を、横糸と縦糸とで互いに編んで織り上げられた(woven)形態を有することができる。
図2のX方向に配された炭素ファイバ182と、
図2のY方向に配された炭素ファイバ182とを、布のような形態に織り上げることもできる。これを介して、複合部材180Aの耐久性を向上する。
【0035】
炭素ファイバ182は、基板110より低い熱膨張率を有する。特に、炭素ファイバ182の長手方向への熱膨張率は、マイナス(−)値を有する。また、炭素ファイバ182は水分を吸収せず、密封部190Aの水分浸透防止能を向上させる。
【0036】
樹脂マトリックス181は、15×10
−6/Kないし120×10
−6/Kの熱膨張率を有する。炭素ファイバ182と樹脂マトリックス181とを混ぜ、所望の熱膨張率を有する複合部材180Aを形成できる。すなわち、基板110より低い熱膨張率を有したり、基板110と類似した熱膨張率を有する複合部材180Aを形成する。このとき、炭素ファイバ182の量と樹脂マトリックス181の量とを調節し、複合部材180Aの熱膨張率を所望の値に制御できる。
【0037】
他の実施形態として、
図3を参照すれば、複合部材180Aは、複数の層を具備し、各層は、樹脂マトリックス及び複数の炭素ファイバを含む。また各層は、樹脂マトリックスに炭素ファイバが含浸されて形成される。複合部材180Aの各層は、一方向に配列された炭素ファイバを有するように形成され、各層を積層する。結果として、交差するように配列された複数の炭素ファイバを有する複合部材180Aを容易に形成できる。
【0038】
複合部材180Aは、第1層180a、第2層180b、第3層180c及び第4層180dを具備する。各層180a,180b,180c,180dは、樹脂マトリックス181A,181B,181C,181D及び炭素ファイバ182A,182B,182C,182Dを含む。
【0039】
第1層180a及び第4層180dの炭素ファイバ182A,182Dの配列方向と、第2層180b及び第3層180cの炭素ファイバ182B,182Cの配列方向は、互いに交差する。具体的に、第1層180a及び第4層180dの炭素ファイバ182A,182Dの配列方向は、第1方向(
図3のY方向)であり、第2層180b及び第3層180cの炭素ファイバ182B,182Cの配列方向は、第2方向(
図3のX方向)である。第1方向と第2方向は、互いに直交することが望ましい。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。すなわち、複合部材180Aの熱膨張率を所望の値に調節するために、第1層180a及び第4層180dの炭素ファイバ182A,182Dの配列方向と、第2層180b及び第3層180cの炭素ファイバ182B,182Cの配列方向とがなす角を多様にすることができる。
【0040】
再び
図1を参照すれば、密封部190Aの形状は、複合部材180Aの形状によって決定され、複合部材180Aは、加熱したプレートに金型を利用して成形することができる。複合部材180Aは、表示部130から遠ざかる方向に突出した凸部を、複合部材180Aと一体に形成して、全体的に高さ及び面積を増大させる。これによって、密封部190Aの厚さや重さを増加させずに、密封部190Aの全体高さ及び面積を増加させることにより、面積慣性モーメントを増大させ、曲げ剛性を向上させることができる。密封部190Aの高さが、平らな(flat)密封部厚の3倍になれば、面積慣性モーメントは、ほぼ27倍(3
3)増大するために、剛性が大きく向上する。前記凸部によって、密封部190Aの内側には、凹部189が形成される。従って、凹部189にゲッタを挿入しても、密封部190Aと表示部130との接触を防止できる。複合部材180Aの形状は、
図4ないし
図8を参照して、詳細に後述する。
【0041】
金属膜170は、複合部材180Aよりさらに緻密な構造を有する。金属膜170と複合部材180Aとが共に使われ、密封部190Aは、表示部130に浸透する水分及び異物を効果的に遮断できる。
【0042】
金属膜170は、複合部材180Aに比べて、熱膨張率が大きい。また金属膜170は、基板110より熱膨張率が大きくありうる。しかし、密封部190Aは、複合部材180Aを具備するので、密封部190A全体の熱膨張率は、低く維持される。特に、複合部材180Aの厚さを金属膜170より厚くし、密封部190Aの熱膨張率を効果的に低く維持できる。
【0043】
基板110と密封部190Aとの間には、シーリング部150が配される。シーリング部150は、表示部130の周囲に形成される。シーリング部150は、基板110と密封部190Aとを接合し、熱硬化性樹脂を含む。具体的に、シーリング部150は、エポキシ樹脂を含むことができる。
【0044】
図4ないし
図8は、
図1の複合部材の多様な形状を概略的に図示した斜視図である。
図4ないし
図8は、上側に複合部材の斜視図と、下側に前記斜視図のA−A’及びB−B’の断面図を図示する。
【0045】
図4を参照すれば、複合部材280Aは、基底部281、前記基底部281から所定高さ突出した凸部285、及び前記基底部281と前記凸部285とを連結する傾斜部283から構成される。
【0046】
前記複合部材280Aは、基板110と対向する第1面と、前記第1面と反対側の第2面とを有する。
【0047】
前記基底部281の第1面は、シーリング部150と接する。
【0048】
前記凸部285は、方形プレート状である。前記凸部285は、前記基板110から遠ざかる方向に、前記基底部281と段差を有するために、複合部材280Aの全体高さ及び面積が増大する。前記凸部285によって、複合部材280Aの内側に凹部289が形成される。前記複合部材280Aの下部に、金属膜170が配され、凹部289には、ゲッタ(getter)がさらに配されうる。
【0049】
図5を参照すれば、複合部材380Aは、基底部381、前記基底部381から所定高さ突出した凸部385、前記基底部381と前記凸部385とを連結する傾斜部383から構成される。
【0050】
前記複合部材380Aは、基板110と対向する第1面と、前記第1面と反対側の第2面とを有する。
【0051】
前記基底部381は、前記凸部385を境界として、第1面がシーリング部150と接する第1領域381aと、4つのコーナーが緩慢に曲線を有する方形プレート状の第2領域381bとから構成される。
【0052】
前記凸部385は、方形リング状である。前記凸部385は、前記基板110から遠ざかる方向に、前記基底部381と段差を有するために、複合部材380Aの全体高が増大する。前記凸部385によって、複合部材380Aの内側に、方形リング状の凹部389が形成される。前記複合部材380Aの下部に金属膜が配され、凹部389には、ゲッタがさらに配されうる。
【0053】
図6を参照すれば、複合部材480Aは、基底部481、前記基底部481から所定高さ突出した第1凸部485、前記基底部481と前記第1凸部485とを連結する傾斜部483、及び前記第1凸部485から所定高さ突出した第2凸部487から構成される。
【0054】
前記複合部材480Aは、基板110と対向する第1面と、前記第1面と反対側の第2面とを有する。
【0055】
前記基底部481の第1面は、シーリング部150と接する。
【0056】
前記第1凸部485は、方形プレート状である。前記第1凸部485は、前記第2凸部487を境界に、第1領域485aと、楕円形状の第2領域485bとから構成される。
【0057】
前記第2凸部487は、楕円リング状で、前記第1凸部485と段差を有する。
【0058】
前記第1凸部485及び第2凸部487は、前記基板110から遠ざかる方向に、前記基底部481と順に段差を有するために、複合部材480Aの全体高及び面積が増大する。前記第1凸部485によって、複合部材480Aの内側に、四角形状の凹部489aが形成され、前記第2凸部487によって、四角形状の凹部489aに、楕円形状の凹部489bがさらに形成される。前記複合部材480Aの下部に、金属膜170が配され、凹部489a,489bには、ゲッタがさらに配されうる。
【0059】
図7を参照すれば、複合部材580Aは、基底部581、前記基底部581から所定高さ突出した第1凸部585、前記基底部581と前記第1凸部585とを連結する傾斜部583、及び前記第1凸部585から所定高さ突出した第2凸部587から構成される。
【0060】
前記複合部材580Aは、基板110と対向する第1面と、前記第1面と反対側の第2面とを有する。
【0061】
前記基底部581の第1面は、シーリング部150と接する。
【0062】
前記第1凸部585は、方形プレート状である。
【0063】
前記第2凸部587は、前記第1凸部485と段差を有する。前記第2凸部587は、前記複合部材580Aの対角線方向に、X字状を有する。前記第2凸部587は、中心部587eと、前記中心部587eで分岐されたストリップ状の少なくとも1つのリブ587a,587b,587c,587dとから構成される。
【0064】
前記第1凸部585及び第2凸部587は、前記基板110から遠ざかる方向に、前記基底部581と順に段差を有するために、複合部材580Aの全体高及び面積が増大する。前記第1凸部585によって、複合部材580Aの内側に、四角形状の凹部589aが形成され、前記第2凸部587によって、四角形状の凹部589aに、X字状の凹部589bがさらに形成される。前記複合部材580Aの下部に、金属膜170が配され、前記凹部589a,589bには、ゲッタがさらに配されうる。
【0065】
図8を参照すれば、複合部材680Aは、基底部681、前記基底部681から所定高さ突出した第1凸部685、前記基底部681と前記第1凸部685とを連結する傾斜部683、及び前記第1凸部685から所定高さ突出した第2凸部687から構成される。
【0066】
前記複合部材680Aは、基板110と対向する第1面と、前記第1面と反対側の第2面とを有する。
【0067】
前記基底部681の第1面は、シーリング部150と接する。
【0068】
前記第1凸部685は、方形プレート状である。
【0069】
前記第2凸部687は、ストリップ状で平行するように形成された一つ以上のリブ687a,687b,687c,687d,687eから構成される。本実施形態では、5個のリブを図示しているが、本発明は、これに限定されるものではない。
【0070】
前記第1凸部685及び第2凸部687は、前記基板110から遠ざかる方向に、前記基底部681と順に段差を有するために、複合部材680Aの全体高が増大する。前記第1凸部685によって、複合部材680Aの内側に四角形状の凹部689aが形成され、前記第2凸部687によって、四角形状の凹部689aに、ストリップ状の少なくとも1つの凹部689bがさらに形成される。前記複合部材680Aの下部に金属膜170が配され、凹部689a,689bには、ゲッタがさらに配されうる。
【0071】
図9は、本発明の他の実施形態による表示装置の概略的な断面図である。
【0072】
図9を参照すれば、表示装置100Bは、基板110、表示部130、密封部190B及びシーリング部150を含む。
【0073】
図9の表示装置100Bは、複合部材180Bの形状が、
図1の表示装置100Aの複合部材180Aの形状と異なるという点を除き、
図1の表示装置100Aと同一であるので、重複される詳細な説明は省略する。
【0074】
密封部190Bは、表示部130に対向するように配される。密封部190Bは、外部の水分や酸素などから表示部130を保護する。密封部190Bは、金属膜170及び複合部材180Bを具備する。複合部材180Bは、金属膜170上に形成される。すなわち、複合部材180Bは、金属膜170より表示部130から遠く配される。複合部材180Bは、
図2及び
図3に図示されているように、樹脂マトリックス及び複数の炭素ファイバを具備できる。
【0075】
密封部190Bの形状は、複合部材180Bの形状によって決定され、複合部材180Bは、加熱したプレートに金型を利用して成形することができる。密封部190Bは、表示部130から遠ざかる方向に凸部185を具備し、全体的に高さ及び面積を増大させる。これによって、密封部190Bの厚さや重さを増加させずに、密封部190Bの全体高を増大させることにより、面積慣性モーメントを増大させ、曲げ剛性を向上させることができる。密封部190Bの高さが、平らな(flat)密封部厚さの3倍になれば、面積慣性モーメントは、ほぼ27倍(3
3)増大するために、剛性が非常に大きく増大する。前記凸部によって、密封部190Bの内側には、凹部189が形成される。従って、凹部189にゲッタが形成されても、密封部190Bと表示部130との接触を防止することができる。複合部材180Bの形状は、
図10ないし
図15を参照して、詳細に後述する。
【0076】
密封部190Bは、上部面の一領域に、突出部160をさらに具備できる。
【0077】
突出部160は、プリント基板(printed circuit board:PCB)などの外部装置を、表示装置100Bに連結させる連結部材である。一例として、前記突出部160は、外側面がネジ線状を有するボルト状に形成されうる。突出部160は、密封部190Bの複合部材180Bと一体に形成されうる。このとき、突出部160は、複合部材180Bの最上層と一体に形成されうる。突出部160は、連結しようとする外部装置によって、その位置及び個数が決定されうる。突出部160の高さは、連結される外部装置によって、適切に決定されうる。
【0078】
図10ないし
図15は、
図9の複合部材の多様な形状を概略的に図示した斜視図である。
図10ないし
図15は、上側に、複合部材の斜視図と、下側に、前記斜視図のA−A’及びB−B’の断面図とを図示する。
【0079】
図10を参照すれば、複合部材280Bは、基底部281、前記基底部281から所定高さ突出した凸部285、及び前記基底部281と前記凸部285とを連結する傾斜部283から構成される。
【0080】
前記複合部材280Bは、基板110と対向する第1面と、前記第1面と反対側の第2面とを有する。
【0081】
前記基底部281の第1面は、シーリング部150と接する。
【0082】
前記凸部285の上部面には、外部装置との連結のための突出部260が、一つ以上備わる。前記凸部285は、前記基板110から遠ざかる方向に、前記基底部281と段差を有するために、複合部材280Bの全体高及び面積が増大する。前記凸部285によって、複合部材280Bの内側に、凹部289が形成される。前記複合部材280Bの下部に、金属膜170が配され、凹部289には、ゲッタがさらに配されうる。
【0083】
図11を参照すれば、複合部材380Bは、基底部381、前記基底部381から所定高さ突出した凸部385、前記基底部381と前記凸部385とを連結する傾斜部383から構成される。
【0084】
前記複合部材380Bは、基板110と対向する第1面と、前記第1面と反対側の第2面とを有する。
【0085】
前記基底部381は、前記凸部385を境界として、第1面がシーリング部150と接する第1領域381aと、4つのコーナーが緩慢に曲線を有する方形プレート状の第2領域381bとから構成される。
【0086】
前記基底部381の第2領域381bには、外部装置との連結のための突出部360が一つ以上備わる。前記凸部385は、方形リング状を有する。前記凸部385は、前記基板110から遠ざかる方向に、前記基底部381と段差を有するために、複合部材380Bの全体高が増大する。前記凸部385によって、複合部材380Bの内側に、方形リング状の凹部389が形成される。前記複合部材380Bの下部に、金属膜が配され、凹部389には、ゲッタがさらに配されうる。
【0087】
図12を参照すれば、複合部材480Bは、基底部481、前記基底部481から所定高さ突出した第1凸部485、前記基底部481と前記第1凸部485とを連結する傾斜部483、及び前記第1凸部485から所定高さ突出した第2凸部487から構成される。
【0088】
前記複合部材480Bは、基板110と対向する第1面と、前記第1面と反対側の第2面とを有する。
【0089】
前記基底部481の第1面は、シーリング部150と接する。
【0090】
前記第1凸部485は、方形プレート状である。前記第1凸部485は、前記第2凸部487を境界に、第1領域485aと楕、円形状の第2領域485bとから構成される。前記第1凸部485の第2領域485bには、外部装置との連結のための突出部460が一つ以上備わる。
【0091】
前記第2凸部487は楕円リング状であり、前記第1凸部485と段差を有する。
【0092】
前記第1凸部485及び第2凸部487は、前記基板110から遠ざかる方向に、前記基底部481と順に段差を有するために、複合部材480Bの全体高及び面積が増大する。前記第1凸部485によって、複合部材480Bの内側に、四角形状の凹部489aが形成され、前記第2凸部487によって、四角形状の凹部489aに、楕円形状の凹部489bがさらに形成される。前記複合部材480Bの下部に、金属膜170が配され、凹部489a,489bには、ゲッタがさらに配されうる。
【0093】
図13を参照すれば、複合部材580Bは、基底部581、前記基底部581から所定高さ突出した第1凸部585、前記基底部581と前記第1凸部585とを連結する傾斜部583、及び前記第1凸部585から所定高さ突出した第2凸部587から構成される。
【0094】
前記複合部材580Bは、基板110と対向する第1面と、前記第1面と反対側の第2面とを有する。
【0095】
前記基底部581の第1面は、シーリング部150と接する。
【0096】
前記第1凸部585は、方形プレート状である。
【0097】
前記第2凸部587は、前記第1凸部585と段差を有する。前記第2凸部587は、前記複合部材580Bの対角線方向にX字状を有する。前記第2凸部587は、中心部587eと、前記中心部587eで分岐されたストリップ状の少なくとも1つのリブ587a,587b,587c,587dとから構成される。
【0098】
前記リブ587a,587b,587c,587dのうち隣接した2つのリブ間には外部装置との連結のための突出部560が一つ以上備わる。前記突出部560は、少なくとも1つのリブ587a,587b,587c,587d間に一つ以上備わりうる。
【0099】
前記第1凸部585及び第2凸部587は、前記基板110から遠ざかる方向に、前記基底部581と順に段差を有するために、複合部材580Bの全体高及び面積が増大する。前記第1凸部585によって、複合部材580Bの内側に、四角形状の凹部589aが形成され、前記第2凸部587によって、四角形状の凹部589aに、X字状の凹部589bがさらに形成される。前記複合部材580Bの下部に、金属膜170が配され、前記凹部589a,589bには、ゲッタがさらに配されうる。
【0100】
図14及び
図15を参照すれば、複合部材680B,680B’は、基底部681、前記基底部681から所定高さ突出した第1凸部685、前記基底部681と前記第1凸部685ろを連結する傾斜部683、及び前記第1凸部685から所定高さ突出した第2凸部687から構成される。
【0101】
前記複合部材680B,680B’は、基板110と対向する第1面と、前記第1面と反対側の第2面とを有する。
【0102】
前記基底部681の第1面は、シーリング部150と接する。
【0103】
前記第1凸部685は、方形プレート状である。
【0104】
前記第2凸部687は、ストリップ状で平行するように形成された一つ以上のリブ687a,687b,687c,687d,687eから構成される。本実施形態では、5個のリブを図示しているが、本発明は、これに限定されるものではない。
【0105】
図14に図示されているように、前記一つ以上のリブ687a,687b,687c,687d,687eのうち一部に、外部装置との連結のための突出部660aが一つ以上備わりうる。または、
図15に図示されているように、前記第1凸部685上の一つ以上のリブ687a,687b,687c,687d,687e間に、外部装置との連結のための突出部660bが一つ以上備わりうる。
【0106】
前記第1凸部685及び第2凸部687は、前記基板110から遠ざかる方向に、前記基底部681と順に段差を有するために、複合部材680B,680B’の全体高が増大する。前記第1凸部685によって、複合部材680B,680B’の内側に、四角形状の凹部689aが形成され、前記第2凸部687によって、四角形状の凹部689aに、ストリップ状の少なくとも1つの凹部689bがさらに形成される。前記複合部材680B,680B’の下部に、金属膜170が配され、凹部689a,689bには、ゲッタがさらに配されうる。
【0107】
図16は、本発明のさらに他の実施形態による表示装置の概略的な断面図である。
図17ないし
図21は、
図16の複合部材の多様な形状を概略的に図示した斜視図である。
【0108】
図16を参照すれば、表示装置100Cは、基板110、表示部130、密封部190C及びシーリング部150を含む。
【0109】
図16の表示装置100Cは、複合部材180Cの形状が、
図1の表示装置100Aの複合部材180Aの形状と異なるという点を除き、
図1の表示装置100Aと同一であるので、重複される詳細な説明は省略する。
【0110】
密封部190Cは、表示部130に対向するように配される。密封部190Cは、金属膜170及び複合部材180Cを具備する。複合部材180Cは、金属膜170上に形成される。すなわち、複合部材180Cは、金属膜170より表示部130から遠く配される。複合部材180Cは、
図2及び
図3に図示されているように、樹脂マトリックス及び複数の炭素ファイバを具備できる。
【0111】
密封部190Cの形状は、複合部材180Cの形状によって決定され、複合部材180Cは、加熱したプレートに金型を利用して成形することができる。密封部190Cは、表示部130から遠ざかる方向に凸部185を具備し、全体的に高さ及び面積を増大させる。これによって、密封部190Cの厚さや重さを増大させずに、密封部190Cの全体高を増大させることにより、面積慣性モーメントを増大させ、曲げ剛性を向上させることができる。前記凸部によって、密封部190Cの内側には、凹部189が形成される。従って、凹部189にゲッタが形成されても、密封部190Cと表示部130との接触を防止することができる。
【0112】
密封部190Cの複合部材180Cは、
図4ないし
図8に図示されているように、多様な形状に形成されうる。また、前記複合部材180Cは、
図10ないし
図15に図示されているように、その上部面の一領域に、外部装置との連結のための突出部(図示せず)を一体に追加具備できる。
【0113】
また、前記複合部材180Cは、基板110を保護するために、複合部材180Cのエッジで基板110側(垂直方向)に延長された延長部140を含むことができる。前記延長部140は、前記複合部材180Cと一体に形成される。前記延長部140は、前記基板110のエッジを取り囲むように形成されることによって、前記基板110のエッジが他物体と衝突することを防止することができる。これにより、密封部190Cは、静的な(安定的な)強度向上だけではなく、ハンドリングまたは動的な衝撃に強い構造を有することができる。
【0114】
前記複合部材180Cは、
図17ないし
図21に図示された多様な複合部材280C,380C,480C,580C,680Cの形状を有することができる。前記複合部材280C,380C,480C,580C,680Cは、エッジから基板110側(垂直方向)に延長された延長部240,340,440,540,640を含むことができる。
【0115】
前記延長部140,240,340,440,540,640は、基板110のエッジをいずれも取り囲むように形成されることもでき、
図17ないし
図21に図示されているように、延長部140,240,340,440,540,640の一部が開放されるように形成されもする。前記延長部140,240,340,440,540,640は、基板110の外部に延びた回路配線をカバーするように形成されもするが、組立て工程の便宜によって、回路配線の部分が開放されるように形成されもする。
【0117】
図22は、本発明のさらに他の実施形態による表示装置の概略的な断面図である。
図23及び
図24は、
図22の複合部材の斜視図である。
【0118】
図22を参照すれば、表示装置100Dは、基板110、表示部130、密封部190D及びシーリング部150を含む。
【0119】
図22の表示装置100Dは、密封部190Dの形状が、
図1の表示装置100Aの密封部190Aの形状と異なるという点を除き、
図1の表示装置100Aと同一であるので、重複される詳細な説明は省略する。
【0120】
密封部190Dは、表示部130に対向するように配される。密封部190Dは、金属膜170及び複合部材180Dを具備する。複合部材180Dは、金属膜170上に形成される。すなわち、複合部材180Dは、金属膜170より表示部130から遠く配される。複合部材180Dは、
図2及び
図3に図示されているように、樹脂マトリックス及び複数の炭素ファイバを具備できる。
【0121】
複合部材180Dは平らであり、前記複合部材180Dの上部面は、長辺方向に沿って、壁板状に突出した少なくとも1つのリブ120を具備する。前記リブ120は、長辺側の2つのエッジ側のリブ120a,120dと、前記リブ120a,120dと平行するように内側に形成されたリブ120b,120cとを含む。前記リブ120は、前記複合部材180Dと一体に延設され、前記複合部材180Dの断面の面積慣性モーメントを増大させ、反り変形及び捻れ変形を起こりにくくする。
【0122】
かような複合部材180Dは、引き抜き成型(pultrusion)方式で製作が可能であり、前述の金型を利用した製作方式に比べて、製作コストを節減することができる。
【0123】
前記複合部材180Dは、
図24に図示されているように、上部面の一部に突出部125をさらに具備することができる。前記突出部125は、プリント基板のような外部装置を表示装置100Dに連結させる連結部材である。一例として、前記突出部125は、外側面がネジ線状を有するボルト状に形成されうる。突出部125は、密封部190Dの複合部材180Dと一体に形成されうる。このとき、突出部125は、複合部材180Bの最上層と一体に形成されうる。前記突出部125は、連結しようとする外部装置によって、その位置及び個数が決定されうる。他の例として、前記突出部125は、別途の突出部125、例えば、ボルト状の連結部材を準備し、前記複合部材180Dが結晶化される前に、前記突出部125を、前記複合部材180Dの所定位置に挿入し、前記複合部材180Dを硬化させることにより、前記突出部125を固定させることができる。
【0124】
図面に図示されていないが、前記複合部材180Dは、基板110を保護するために、
図17ないし
図21に図示されているように、前記複合部材180Dのエッジから基板110側(垂直方向)に延長された延長部を含むことができる。前記延長部は、前記複合部材180Dと一体に形成される。前記延長部は、前記基板110のエッジを取り囲むように形成されることによって、前記基板110のエッジが他物体と衝突することを防止することができる。これにより、密封部190Dは、静的な(安定的な)強度向上だけではなく、ハンドリングまたは動的な衝撃に強い構造を有することができる。
【0125】
スリム型大型TVの場合、サイズ対比の厚さが非常に薄いために、反りが大きいという問題になっている。本発明の表示装置は、薄くて軽い複合部材と金属膜との一体型密封部を具備し、前記複合部材の上部面に、複合部材の面積慣性モーメントを増大させることができる補強部材を形成することによって、密封部の剛性を向上させることができる。前記補強部材は、前記複合部材のベース部に、前記複合部材と一体に形成された凸部、または前記複合部材の上部面に形成された少なくとも1つのリブである。
【0126】
本発明は、複合部材が三次元状を有するようにし、機構的な剛性(反り問題除去、曲げ剛性の向上、落下信頼性の向上など)を一層高めることができる。機構的な剛性が高まれば、表示装置は、別途の剛性維持のためのベゼル(bezel)や、密封部にベゼルを接合するための接着テープのような部品を除去できる。また、本発明は、複合部材に凸部を形成して三次元形状を有させることによって、複合部材内側に凹部を形成する。従って、密封部と下部基板との間に、ゲッタのような物質を容易に挿入することができる。
【0127】
また本発明は、複合部材のエッジを下部基板方向に突出させ、静的な(安定的な)強度向上とともに、下部基板のエッジを保護する。
【0128】
また本発明は、複合部材に突出部を一体に形成することによって、プリント基板のような外部装置との連結のためのさらなる部品または連結部品構成を除去することができる。
【0129】
本発明は、図面に図示された実施形態を参考にして説明したが、それらは、例示的なものに過ぎず、当技術分野で当業者であるならば、それらから多様な変形及び均等な他の実施形態が可能であるという点を理解することができるであろう。従って、本発明の真の技術的保護範囲は、特許請求の範囲の技術的思想によって決まるものである。
【符号の説明】
【0130】
100A,100B,100C,100D 表示装置
110 基板
120, 120a, 120b, 120c, 120d, 125, 587a, 587b, 587c, 587d, 687a, 687b, 687c, 687d, 687e リブ
125,160,260,360,460,560,660a,660b 突出部
130 表示部
140,240,340,440,540,640 延長部
150 シーリング部
170 金属膜
180A, 180B, 180C, 180D, 280A, 280B, 280C, 380A, 380B, 380C, 480A, 480B, 480C, 580A, 580B, 580C, 680A, 680B, 680B’, 680C 複合部材
180a 第1層
180b 第2層
180c 第3層
180d 第4層
181,181A,181B,181C,181D 樹脂マトリックス
182,182A,182B,182C,182D 炭素ファイバ
185,285,385 凸部
190A,190B,190C,190D 密封部
189, 289, 389, 489a, 489b, 589a, 589b, 689a, 689b 凹部
281,381,481,581,681 基底部
283,383,483,583,683 傾斜部
381a,485a 第1領域
381b,485b 第2領域
485,585,685 第1凸部
487,587,687 第2凸部
587e 中心部