(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記現像剤容器内の現像剤は、トナーとキャリアからなる2成分現像剤、または、トナーのみの1成分現像剤の何れかを収納していることを特徴とする請求項1または2に記載の現像剤補給装置。
前記制御手段は、前記現像剤補給装置が用いられる画像形成装置に設けられる感光体表面に静電潜像を形成する露光装置に送信する画像データに応じたドットデータをカウントする機能と、カウントされたドットデータに応じて前記現像剤補給手段に対して前記現像装置への現像剤の補給を指示する機能と、を備えることを特徴とする請求項1から3のうちの何れか一項に記載の現像剤補給装置。
表面に静電潜像が形成される感光体と、感光体表面を帯電させる帯電装置と、感光体表面に静電潜像を形成する露光装置と、感光体表面の静電潜像に現像剤を供給して画像形成を行う現像装置と、前記現像装置に現像剤を補給する現像剤補給装置とを備えて、電子写真方式により画像を形成する画像形成装置において、
前記現像剤補給装置として、請求項1から4のうちの何れか一項に記載の現像剤補給装置を用いることを特徴とする画像形成装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上述した2成分現像剤を用いる現像装置においては、現像剤が充填されているカートリッジからマシン内部の現像剤を一時的に貯めて置くホッパーへの供給が無くなると、カートリッジの交換を促すメッセージを表示し、このホッパー内部に蓄えられた現像剤のみを使用して印字動作を継続させるコンティニュアンスモードになる。
【0009】
更に、このコンティニュアンスモード中ホッパーに蓄えられていた現像剤残量が少なくなると、現像槽への現像剤補給量が低下し現像剤中のトナー濃度が徐々に減少し、画像濃度低下や感光体ドラムへのキャリア現像(キャリア付着)の発生頻度が高まっていくため、画像濃度低下やキャリア現像を未然に防ぐトナーエンプティ検知を正確に行う必要がある。
【0010】
トナーエンプティ検知とは、例えば、ホッパーに対してトナー補給を指示した後に、トナー補給検知センサ(例えば、透磁率センサ)によって検知された現像剤のトナー濃度が上がらなかった場合に、トナーエンプティであると判断(検知)するものである。
【0011】
しかしながら、この方法では環境変化や現像剤の使用履歴によって判断(検知)がバラツクのでトナーエンプティを最適なタイミングで判定ができないという問題があった。
【0012】
本発明は、上記従来の問題点に鑑みてなされたものであって、画像形成装置におけるホッパー内のトナー量を精度良く把握することでトナーエンプティのタイミングを精度良く判定することができ、現像剤のトナー濃度低下による画像濃度低下や感光体へのキャリア付着の発生を防止して、且つ新たなカートリッジに交換するまでの印字ジョブを継続できる現像剤補給装置およびこれを用いる画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上述した課題を解決するための本発明に係る現像剤補給装置およびこれを用いる画像形成装置は、次の通りである。
【0014】
本発明は、現像剤を収容する交換可能な現像剤容器と、
前記現像剤容器からホッパーに現像剤を供給する現像剤搬送手段と、前記現像剤容器から供給された現像剤を一時的に貯えるホッパーと、前記ホッパーに貯えられた現像剤を現像装置
の現像槽に補給する現像剤補給手段と、前記
現像剤搬送手段および現像剤補給手段の動作を制御する制御手段とを備えた現像剤補給装置において、
前記ホッパー内には、前記現像剤補給手段として、前記現像剤容器から供給された現像剤を一時的に貯めるとともに回転動作により前記現像剤を搬送する対向する2本のスクリュー部材と、前記ホッパー内に供給された現像剤の
水面が
当該供給された位置近傍で一定の高さ以上になるとHigh信号を出力し、一定の高さ未満になるとLow信号を出力する残量センサと、対向する2本のスクリュー部材の間に設けられ、切り欠きを有する仕切板とを備え、前記現像剤容器から供給された現像剤が前記仕切板の切り欠きを通って優先的に現像槽への現像剤落下口に搬送されるように構成されており、
前記制御手段は、
前記現像装置にて消費される現像剤量に応じて前記スクリュー部材の回転を制御する機能と、
前記スクリュー部材の回転時間をモニターして前記ホッパー内に
残っている現像剤量を
残量カウント値として算出するカウント値算出機能と、
前記残量センサの出力に基づき前記現像剤容器内の現像剤の有・無を判断する空状態判断機能と、を備え、
前記カウント値算出機能は、
前記残量カウント値について、ホッパー内の現像剤の下限閾値に対応する第1の設定値と現像剤の上限閾値に対応する第2の設定値を設定し、
印字動作を継続している際に、
前記空状態判断機能によって前記現像剤容器に現像剤の有が判断されているときは前記残量カウント値が第2の設定値に達するまで、前記スクリュー部材の回転時間に対して正の係数を掛けて前記残量カウント値をカウントアップし、
前記残量カウント値が第2の設定値に達した状態以後は、
前記空状態判断機能によって前記現像剤容器に現像剤が無いと判断される時または前記現像剤容器から前記ホッパーへの現像剤搬送が禁止される時まで前記残量カウント値を第2の設定値に維持し、
前記現像剤容器に現像剤が無いと判断された時または前記現像剤容器から前記ホッパーへの現像剤搬送が禁止された時以後は、前記スクリュー部材の回転時間に対して負の係数を掛けた値で前記第2の設定値から残留カウント値をカウントダウンし、カウントダウンされた残量カウント値が第1の設定値になったときに現像動作を停止する機能を有し、
前記正の係数を、前記スクリュー部材が回転中の前記残量センサからの出力がHighのときにHigh用正の係数とし、該出力がLowのときはLow用正の係数として計算し、前記High用正の係数>Low用正の係数としたことを特徴とするものである。
【0015】
また、本発明は、前記残量センサを、前記現像剤容器から前記ホッパー内に供給された現像剤を検出可能な位置に備えることが好ましい。
【0016】
また、本発明は、前記カウント値の算出方式として、前記ホッパー内の前記スクリュー部材の回転時間に対して、前記現像剤容器に現像剤が存在すると判断されている時は正の係数を用いて計算し、前記現像剤容器に現像剤が無いと判断されている時および前記現像剤容器から前記ホッパーへの現像剤搬送が禁止されている時は負の係数を用いて計算することが好ましい。
【0017】
また、本発明は、前記カウント値の算出方式における正の係数を、前記スクリュー部材が回転中の前記残量センサからの出力をHighまたはLowで切替え、(High用正の係数)>(Low用正の係数)として計算することが好ましい。
【0018】
また、本発明は、前記現像剤容器内の現像剤として、トナーとキャリアからなる2成分現像剤、または、トナーのみの1成分現像剤の何れかを収納していることが好ましい。
【0019】
また、本発明は、前記制御装置の構成として、該制御装置が用いられる画像形成装置に設けられる感光体(例えば、感光体ドラム)表面に静電潜像を形成する露光装置(例えば、レーザースキャナーユニット)に送信する画像データに応じたドットデータをカウントする機能(ドットカウント手段)と、(前記ドットカウント手段により)カウントされたドットデータに応じて前記現像剤補給手段に対して前記現像装置への現像剤の補給を指示機能と、を備えることが好ましい。
【0020】
例えば、前記制御装置を、カウントされたドットデータが少ない場合には、前記現像剤補給装置に対して前記現像装置へ少量の現像剤を補給するように指示し、ドットデータが多い場合には、前記現像剤補給装置に対して前記現像装置へ多量の現像剤を補給するように指示するものとしてもよい。補給される現像剤量は、ドットデータに応じて予め設定されていることが好ましい。
【0021】
また、本発明は、表面に静電潜像が形成される感光体と、感光体表面を帯電させる帯電装置と、感光体表面に静電潜像を形成する露光装置と、感光体表面の静電潜像に現像剤を供給して画像形成を行う現像装置と、前記現像装置に現像剤を補給する現像剤補給装置とを備えて、電子写真方式により画像を形成する画像形成装置において、前記現像剤補給装置の構成として、請求項1から6のうちの何れか一項に記載の現像剤補給装置を用いることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0022】
本発明の現像剤補給装置によれば、現像剤を収容する交換可能な現像剤容器と、前記現像剤容器から供給された現像剤を一時的に貯えるホッパーと、前記ホッパーに貯えられた現像剤を現像装置に補給する現像剤補給手段と、前記現像剤補給手段の動作を制御する制御手段とを備えた現像剤補給装置において、前記ホッパー内には、前記現像剤補給手段として、前記現像剤容器から供給された現像剤を一時的に貯めるとともに回転動作により前記現像剤を搬送するスクリュー部材と、前記ホッパー内に供給された現像剤の量を検知するための残量センサを備え、前記制御装置には、前記残量センサの出力に応じて前記スクリュー部材の動作を制御する機能(現像剤搬送制御手段)と、前記スクリュー部材の回転時間をモニターして前記ホッパー内に貯えられている現像剤量をカウント値として算出する機能(カウント値算出手段)と、前記現像剤容器に現像剤が無いとき、または、前記現像剤容器から前記ホッパーへの現像剤搬送が禁止されているときに、前記カウント値に基づき前記ホッパー内の現像剤量が印字動作継続可能か否かを判断する機能(印字動作判定手段)と、を備えることで、前記ホッパー内の現像剤量を残量カウンタを用いて算出することにより現像剤量を精度良く把握することができるので、トナーエンプティのタイミングを精度良く判定することができる。また、残量カウンタが予め設定された閾値に到達した時点で、印字動作継続可能から不可能に判断をすることで、ホッパーから現像槽への現像剤補給量低下を未然に防ぐことができるので、現像剤のトナー濃度低下による画像濃度低下や感光体へのキャリア付着の発生を防止することができる。
【0023】
さらに、本発明によれば、前記ホッパー内の現像剤残量を正確に把握できるので、まだ印字動作可能な状態であるにも拘わらずトナーエンプティと判断することを防ぎ、現像剤容器の交換メッセージ中の印字動作可能状態(コンティニュアンスランモード)をできるだけ長くしてマシンのダウンタイムを低減することが可能にできるので、新たなカートリッジに交換するまでの印字ジョブを停止することなく、継続して行うことができる。
【0024】
また、本発明によれば、前記残量センサを、前記現像剤容器から前記ホッパー内に供給された現像剤を検出可能な位置に備えることで、現像剤が存在する場合には確実に検知することができる。
【0025】
また、本発明によれば、前記カウント値の算出方式として、前記ホッパー内の前記スクリュー部材の回転時間に対して、前記現像剤容器に現像剤が存在すると判断されている時は正の係数を用いて計算し、前記現像剤容器に現像剤が無いと判断されている時および前記現像剤容器から前記ホッパーへの現像剤搬送が禁止されている時は負の係数を用いて計算することで、前記ホッパー内の現像剤量を精度良く把握することができる。
【0026】
また、本発明によれば、前記カウント値の算出方式における正の係数を、前記スクリュー部材が回転中の前記残量センサからの出力をHighまたはLowで切替え、(High用正の係数)>(Low用正の係数)として計算することで、より正確にホッパー内に貯えられた現像剤量を把握することができる。
【0027】
また、本発明によれば、前記現像剤容器内の現像剤として、トナーとキャリアからなる2成分現像剤、または、トナーのみの1成分現像剤の何れかを収納することで、現像剤の種類に依ることなく現像剤を検出することができる。
【0028】
また、本発明によれば、前記制御装置の構成として、該制御装置が用いられる画像形成装置に設けられる感光体(例えば、感光体ドラム)表面に静電潜像を形成する露光装置に送信する画像データに応じたドットデータをカウントする機能(ドットカウント手段)と、(前記ドットカウント手段により)カウントされたドットデータに応じて前記現像剤補給手段に対して前記現像装置への現像剤の補給を指示する機能と、を備えることで、画像形成のために消費されるトナー量を予測して現像剤の補給をすることができるにで、現像剤補給量低下を未然に防ぐことができる。
【0029】
また、本発明の画像形成装置によれば、表面に静電潜像が形成される感光体と、感光体表面を帯電させる帯電装置と、感光体表面に静電潜像を形成する露光装置と、感光体表面の静電潜像に現像剤を供給して画像形成を行う現像装置と、前記現像装置に現像剤を補給する現像剤補給装置とを備えて、電子写真方式により画像を形成する画像形成装置において、前記現像剤補給装置の構成として、請求項1から6のうちの何れか一項に記載の現像剤補給装置を用いることで、前記現像剤補給装置を構成するホッパー内の現像剤量を精度良く把握することができるので、トナーエンプティのタイミングを精度良く判定することができる。これにより、ホッパーから前記現像剤の現像槽への現像剤補給量低下を未然に防ぐことができるので、現像剤のトナー濃度低下による画像濃度低下や感光体へのキャリア付着の発生を防止することができる。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照して説明する。
図1は発明を実施する形態の一例であって、本発明の実施形態に係る画像形成装置の全体の構成を示す説明図である。
【0032】
本実施形態は、
図1に示すように、表面に静電潜像が形成される感光体ドラム3と、感光体ドラム3表面を帯電させる帯電器(帯電装置)5と、感光体ドラム3表面に静電潜像を形成する露光ユニット(露光装置)1と、感光体ドラム3表面の静電潜像にトナーを供給してトナー像を形成する現像装置2と、現像装置2にトナーを補給する現像剤補給装置101、感光体ドラム3表面のトナー像を記録媒体に転写する中間転写ベルトユニット(転写装置)8と、トナー像を記録媒体に定着させる定着ユニット(定着装置)12とを備え、電子写真方式によりトナーを用いて画像を形成する画像形成装置100において、本発明に係る特徴的な画像形成装置の構成を採用したものである。
【0033】
この画像形成装置100は、外部から伝達される画像データに応じて所定のシート(記録用紙,記録媒体)に多色または単色の画像を形成するものである。なお、画像形成装置100の上方にスキャナ等を備えてもよい。
【0034】
まず、画像形成装置100の全体構成について説明する。
画像形成装置100は、
図1に示すように、黒(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)及びイエロー(Y)の色成分毎の画像データが取り扱われ、黒画像、シアン画像、マゼンタ画像、イエロー画像が形成され、各々の色成分の画像を重畳することによってカラー画像が形成されるようになっている。
【0035】
従って、画像形成装置100においては、
図1に示すように、各色成分の画像が形成されるように、現像装置2(2a,2b,2c,2d)、感光体ドラム3(3a,3b,3c,3d)、帯電器5(5a,5b,5c,5d)、クリーナユニット4(4a,4b,4c,4d)がそれぞれ4個ずつ設けられている。言い換えると、現像装置2と感光体ドラム3と帯電器5とクリーナユニット4とを1つずつ含む画像形成ステーション(画像形成部)が4つ設けられることになる。
【0036】
なお、上記a〜dの符号は、aが黒画像形成用の部材、bがシアン画像形成用の部材、cがマゼンタ画像形成用の部材、dがイエロー画像形成用の部材であることを示したものである。また、画像形成装置100には、露光ユニット1、定着ユニット12、シート搬送路S、給紙トレイ10及び排紙トレイ15が備えられている。
【0037】
帯電器5は、感光体ドラム3の表面を所定の電位に均一に帯電させるものである。
帯電器5としては、
図1に示す接触ローラ型の帯電器の他、接触ブラシ型の帯電器、或いは非接触チャージャー型の帯電器などが使用されることもある。
【0038】
露光ユニット1は、
図1に示すように、レーザ照射部及び反射ミラーを備えたレーザスキャニングユニット(LSU)である。但し、レーザスキャニングユニット以外に、発光素子をアレイ状に並べたEL(エレクトロルミネッセンス)やLED書込みヘッドを露光ユニット1とすることもできる。露光ユニット1は、帯電された感光体ドラム3を入力された画像データに応じて露光することにより、感光体ドラム3の表面に画像データに応じた静電潜像を形成する。
【0039】
現像装置2は、感光体ドラム3に形成された静電潜像をK,C,M,Yのいずれかのトナーにより顕像化する(現像する)ものである。現像装置2(2a,2b,2c,2d)の上部には、現像剤補給装置101を構成する、補給パイプ102(102a,102b,102c,102d)、ホッパー103(103a,103b,103c,103d)、現像剤容器(以下、「カートリッジ」と称する。)22(22a,22b,22c,22d)を備えている。
【0040】
現像剤補給装置101は、現像槽111よりも上方に配され、未使用現像剤(粉体状のトナー)を貯蔵している交換可能なカートリッジ22と、マシン内部に一時的に現像剤を蓄えておくホッパー103を備えて、ホッパー103から現像槽111へ補給パイプ(現像剤補給機構)102を介して現像剤が供給されるようになっている。
【0041】
クリーナユニット4は、現像及び画像転写工程後に感光体ドラム3の表面に残留しているトナーを除去し、回収するものである。
【0042】
感光体ドラム3の上方には中間転写ベルトユニット8が配置されている。中間転写ベルトユニット8は、中間転写ローラ6(6a,6b,6c,6d)、中間転写ベルト7、中間転写ベルト駆動ローラ71、中間転写ベルト従動ローラ72、中間転写ベルトテンション機構73、及び中間転写ベルトクリーニングユニット9を備えている。
【0043】
中間転写ローラ6、中間転写ベルト駆動ローラ71、中間転写ベルト従動ローラ72、中間転写ベルトテンション機構73は、中間転写ベルト7を張架し、
図1の矢印B方向に中間転写ベルト7を回転駆動させるものである。
【0044】
中間転写ローラ6は、中間転写ベルトユニット8の中間転写ベルトテンション機構73における中間転写ローラ取付部に回転可能に支持されている。中間転写ローラ6には感光体ドラム3のトナー像を中間転写ベルト7上に転写するための転写バイアスが印加されている。
【0045】
中間転写ベルト7は、各感光体ドラム3に接触するように設けられている。中間転写ベルト7上には、感光体ドラム3に形成された各色成分のトナー像が順次重ねて転写されることにより、カラーのトナー像(多色トナー像)が形成される。中間転写ベルト7は、厚さが例えば100μm〜150μm程度のフィルムを用いて無端状に形成されている。
【0046】
感光体ドラム3から中間転写ベルト7へのトナー像の転写は、中間転写ベルト7の裏側に接触している中間転写ローラ6によって行われる。中間転写ローラ6には、トナー像を転写するために高電圧の転写バイアス(トナーの帯電極性(−)とは逆極性(+)の高電圧)が印加されている。
【0047】
中間転写ローラ6は、直径が例えば8〜10mmの金属(例えばステンレス)軸をベースとして形成され、表面が導電性の弾性材(例えばEPDM,発泡ウレタン等)により覆われている。この導電性の弾性材により、中間転写ローラ6は中間転写ベルト7に対して均一に高電圧を印加することができる。本実施の形態では、転写電極としてローラ形状のもの(中間転写ローラ6)を使用しているが、これ以外にブラシなども用いることが可能である。
【0048】
上述のように各感光体ドラム3上の静電潜像は各色成分に応じたトナーにより顕像化されてそれぞれトナー像となり、これらトナー像は中間転写ベルト7上に重ねて合わされ積層される。このように、積層されたトナー像は、中間転写ベルト7の回転によって、搬送されてきた用紙と中間転写ベルト7との接触位置(転写部)に移動し、この位置に配置されている転写ローラ11によって用紙上に転写される。この場合、中間転写ベルト7と転写ローラ11とは所定ニップで互いに圧接されるとともに、転写ローラ11にはトナー像を用紙に転写させるための電圧が印加される。この電圧は、トナーの帯電極性(−)とは逆極性(+)の高電圧である。
【0049】
上記ニップを定常的に得るために、転写ローラ11もしくは中間転写ベルト駆動ローラ71の何れか一方は金属等の硬質材料から形成され、他方は弾性ローラ等の軟質材料(弾性ゴムローラまたは発泡性樹脂ローラ等)から形成される。
【0050】
中間転写ベルト7と感光体ドラム3との接触により中間転写ベルト7に付着したトナー、及び中間転写ベルト7から用紙へのトナー像の転写の際に転写されずに中間転写ベルト7上に残存したトナーは、次工程でトナーの混色を発生させる原因となるために、中間転写ベルトクリーニングユニット9によって除去され回収される。
【0051】
中間転写ベルトクリーニングユニット9には、中間転写ベルト7に接触するクリーニングブレード(クリーニング部材)が備えられている。中間転写ベルト7におけるクリーニングブレードに接触している部分は、裏側から中間転写ベルト従動ローラ72にて支持されている。
【0052】
給紙トレイ10は、画像形成に使用するシート(例えば記録用紙)を蓄積しておくためのものであり、画像形成部及び露光ユニット1の下側に設けられている。一方、画像形成装置100の上部に設けられている排紙トレイ15は、印刷済みのシートをフェイスダウンで載置するためのものである。
【0053】
また、画像形成装置100には、給紙トレイ10のシート及び手差しトレイ20のシートを転写部や定着ユニット12を経由させて排紙トレイ15に案内するためのシート搬送路Sが設けられている。なお、転写部は中間転写ベルト駆動ローラ71と転写ローラ11との間に位置する。
【0054】
さらに、シート搬送路Sには、ピックアップローラ16(16a,16b)、レジストローラ14、転写部、定着ユニット12、搬送ローラ25(25a〜25h)等が配置されている。
【0055】
搬送ローラ25は、シートの搬送を促進・補助するための小型のローラであり、シート搬送路Sに沿って複数設けられている。ピックアップローラ16aは、給紙トレイ10の端部に備えられ、給紙トレイ10からシートを1枚ずつシート搬送路Sに供給する呼び込みローラである。ピックアップローラ16bは、手差しトレイ20の近傍に備えられ、手差しトレイ20からシートを1枚ずつシート搬送路Sに供給する呼び込みローラである。レジストローラ14は、シート搬送路Sを搬送されているシートを一旦保持し、中間転写ベルト7上のトナー像の先端とシートの先端とを合わせるタイミングでシートを転写部に搬送するものである。
【0056】
定着ユニット12は、ヒートローラ81及び加圧ローラ82等を備え、これらヒートローラ81及び加圧ローラ82はシートを挟んで回転する。ヒートローラ81は、所定の定着温度となるように制御部(図示せず)によって制御される。この制御部は温度検出器(図示せず)からの検出信号に基づいてヒートローラ81の温度を制御する。
【0057】
ヒートローラ81は、加圧ローラ82とともにシートを熱圧着することにより、シートに転写されている各色トナー像を溶融、混合、圧接させ、シートに対して熱定着させる。なお、多色トナー像(各色トナー像)が定着されたシートは、複数の搬送ローラ25によってシート搬送路Sの反転排紙経路に搬送され、反転された状態(多色トナー像を下側に向けた状態)にて、排紙トレイ15上に排出される。
【0058】
次に、シート搬送路Sによるシート搬送動作について説明する。
画像形成装置100には、
図1に示すように、上述したように予めシートを収納する給紙トレイ10、及び少数枚の印字を行う場合等に使用される手差しトレイ20が配置されている。これら両トレイには各々ピックアップローラ16(16a,16b)が配置され、これらピックアップローラ16によってシートを1枚ずつシート搬送路Sに供給するようになっている。
【0059】
片面印字の場合は、給紙トレイ10から搬送されるシートは、シート搬送路S中の搬送ローラ25aによってレジストローラ14まで搬送され、レジストローラ14によりシートの先端と中間転写ベルト7上の積層されたトナー像の先端とが整合するタイミングで転写部(転写ローラ11と中間転写ベルト7との接触位置)に搬送される。転写部ではシート上にトナー像が転写され、このトナー像は定着ユニット12にてシート上に定着される。その後、シートは、搬送ローラ25bを経て排紙ローラ25cから排紙トレイ15上に排出される。
【0060】
また、手差しトレイ20から搬送されるシートは、複数の搬送ローラ25(25f,25e,25d)によってレジストローラ14まで搬送される。それ以降のシート搬送動作は、上述した給紙トレイ10から供給されるシートと同様の経過を経て排紙トレイ15に排出される。
【0061】
一方、両面印字の場合は、上記のようにして片面印字が終了し定着ユニット12を通過したシートは、後端が排紙ローラ25cにてチャックされる。次に、シートは、排紙ローラ25cが逆回転することによって搬送ローラ25g,25hに導かれ、再びレジストローラ14を経て裏面印字が行われた後に、排紙トレイ15に排出される。
【0062】
次に、本実施形態の特徴的な現像剤補給装置101の構成について具体的に説明する。
図2は本実施形態に係る現像剤補給装置の概略構成図、
図3は本実施形態に係る現像装置及び現像剤補給装置部の構成を示す断面図、
図4(a)は前記現像剤補給装置を構成するホッパーの構成を示す平面図、前記ホッパーの構成を示す側面図である。
【0063】
現像剤補給装置101は、
図2,
図3に示すように、現像装置2の現像槽111の上側に配され、交換可能なカートリッジ(現像剤容器)22、カートリッジ22から搬送された現像剤を一時的に貯えるためのホッパー103、ホッパー103から排出された現像剤を現像槽111内へ供給するための補給パイプ102から構成される。
【0064】
画像形成装置本体には、交換可能なカートリッジ22を正規の位置に装着させるためのレール(図示省略)と、カートリッジ22内の現像剤をホッパー103に搬送させるための現像剤搬送手段であるカートリッジ駆動モータ104が備えられている。
また、ホッパー103は、現像剤を機内に一時的に貯えて置くため貯蔵部113b、現像剤を現像槽111へ補給するためのスクリュー部材で構成される第1搬送部材131、第2搬送部材132を備えて構成され、この第1搬送部材131,第2搬送部材132を回転駆動させるためのホッパー駆動モータ105が備えられている。
【0065】
カートリッジ22は、
図3に示すように、容器自体が回転する事によって現像剤がホッパー103に搬送される形態と、図示していないカートリッジ自体は固定されて、その内部に構成されているスクリュー等の現像剤搬送部材が回転動作することによって現像剤がホッパー103に搬送される形態とがある。
【0066】
ホッパー103には、カートリッジ22内の現像剤がホッパー103内に補給されるトナー補給口113aが設けられ、そのトナー補給口113aのすぐ近傍の垂直面には残量センサ106が備え付けられている。
【0067】
残量センサ106は、圧電センサであり、検出部のセンサヘッド部は共振回路によって振動板が振動し、この時の出力信号は、Low信号が出力される。また、現像剤がヘッド表面に十分存在する時は、振動板の振動が止まり、High信号が出力される。
【0068】
このような型式の圧電センサは市販されており、たとえば、粉体レベルセンサLTSシリーズ、TSPシリーズ、(いずれも商品名、TDK(株)製)などが挙げられる。
圧電センサヘッド表面は、スクリュー周上のウレタンマイラーによってスクリュー回転動作と同期してワイッピングされている。
【0069】
また、ホッパー103は、
図3,
図4(a),(b)に示すように、現像剤を一時的に貯えるための貯蔵部113bと、その貯蔵部113bの現像剤を搬送するための2本の対向するスクリュー部材である第1搬送部材131,第2搬送部材132と、第1搬送部材131,第2搬送部材132を回転させるホッパー駆動モータ105及びギア115で構成されている。
【0070】
第1搬送部材131,第2搬送部材132は、互いの周面同士が仕切板を介して対向するように且つ互いの軸同士が平行になるように並列され、互いに逆方向に回転するように設定されている。そして、第1搬送部材131は、
図4(a),(b)に示すように、矢印右方向に現像剤を搬送し、第2搬送部材132は、矢印左方向に現像剤を搬送するように設定されている。
【0071】
そして、ホッパー103には、第1搬送部材131,第2搬送部材132のスクリューの回転によって搬送された現像剤が最後に現像槽111へ補給されるトナー落下口113cが構成されている。
【0072】
次に、本実施形態の画像形成装置100の現像剤補給装置101における特徴的な現像剤補給制御について説明する。
図5は本実施形態の現像剤補給装置における現像補給制御を行う電気的構成を示すブロック図である。
【0073】
画像形成装置100は、
図5に示すように、感光体ドラム3上に形成される画像の画素数の積算値の検出を行うドットカウント装置33、現像槽111内のトナー補給口付近の現像剤の透磁率を検知する
透磁率センサ119、画像形成プロセス部36と用紙搬送部37を含むプリンタエンジン部341を備えるとともに、現像剤補給装置101において、カートリッジ22を回転させるカートリッジ駆動モータ104、現像槽111にトナーを補給するスクリュー部材(第1搬送部材131、第2搬送部材132)を駆動するホッパー駆動モータ105、ホッパー103内の現像剤量を検出する残量センサ106、残量カウンタ35と、これらを制御する制御装置32を備えている。
【0074】
本実施形態において、現像剤補給装置101における現像剤補給制御は、制御装置32が現像剤補給を制御する制御手段として機能するように構成するとともに、ドットカウント装置33、残量カウンタ35、カートリッジ駆動モータ104、ホッパー駆動モータ105、残量センサ106、透磁率センサ119を用いて実行される。
【0075】
なお、現像剤補給制御には、一般的な手段を使用でき、たとえば、トナー濃度検知センサを用いた制御、パッチ画像濃度に応じた制御、ドットカウントに応じた制御などが挙げられる。これらの中でも、ドットカウントに応じた制御が好ましい。
【0076】
ドットカウント装置33は、印刷画像に対応して感光体ドラムに形成される画像(静電潜像)の画素数の積算値を検出するものである。このドットカウント装置33により、これから印刷しようとする画像及びこれまでに印刷した画像の画素数の積算値カウント値がドットカウント値として制御装置32に入力されて、図示しない記憶部に記憶される。
【0077】
また、ドットカウント装置33にて検出される画像の画素数の積算値からは、画像形成のために消費されるトナー量を予測することができる。
【0078】
制御装置32は、該ドットカウント値を基にして、当該画像形成にて消費されるトナー量を求め、そのトナー量に応じてホッパー103内のスクリュー部材を駆動するようにホッパー駆動モータ105に対して現像槽111への現像剤補給を指示するようしている。
【0079】
制御装置32の構成として、残量センサ106の出力に応じてスクリュー部材の動作を制御するものとして機能する現像剤搬送制御手段と、スクリュー部材の回転時間をモニターしてホッパー103内に貯えられている現像剤量をカウント値として算出するものとして機能するカウント値算出手段と、カートリッジ22に現像剤が無いとき、または、カートリッジ22からホッパー103への現像剤搬送が禁止されているときに、前記カウント値に基づきホッパー103内の現像剤量が印字動作継続可能か否かを判断するものとして機能する印字動作判定手段と、を備えている。本実施形態では、カウント値算出手段として機能するものとして残量カウンタ35を採用している。
【0080】
このようにして、画像形成プロセス部36と用紙搬送部37を含むプリンタエンジン部341で画像形成が実行処理され、これによって消費されたトナー量に相当する現像剤(トナー)が、ホッパー103から現像装置2の現像槽111に補給されるようになっている。
【0081】
次に、本実施形態の現像剤補給装置101における現像装置2への現像剤を補給する場合についてフローチャートに基づき説明する。
図6は本実施形態の現像剤補給装置におけるカートリッジからホッパーへ現像剤の搬送を示すフローチャートである。
【0082】
カートリッジ22から搬送された現像剤がホッパー103へ補給されるトナー補給口113a近傍に備えられた残量センサ106は、センサヘッド部の現像剤の水面がある一定の高さ以上になるとHigh信号(4.5〜5.0V)を出力して、一定の高さ未満になるとLow信号(0〜0.5V)をあるサンプリングレート毎に出力する圧電センサである。
【0083】
現像剤補給装置101による現像剤の補給が開始されると、
図6に示すように、ホッパー103において存在する現像剤が残量センサ106による検知されて、残量センサ106による検出の結果、出力信号がLow信号か否かが判断される(ステップS1)。
【0084】
ステップS1において、残量センサ106からの出力信号がLow信号か、またはその直近の出力信号の平均がLowであると判断された場合は、残量センサ106近傍の現像剤は無いと判断して、カートリッジ22からホッパー103へ現像剤を搬送する現像剤搬送手段を駆動するカートリッジ駆動モータ104を回転駆動する(ステップS2)。
【0085】
一方、ステップS1において、残量センサ106からの出力信号が
High信号か、またはその直近の出力信号の平均がLowではないと判断された場合は、ホッパー103内に現像剤が存在すると判断して、カートリッジ駆動モータ104を停止する(ステップS3)。そして、ステップS1に戻る。
【0086】
カートリッジ駆動モータ104が回転駆動して、カートリッジ駆動モータ104の連続回転時間(運転時間)が予め設定した値(例えば、X秒)よりも大きくなったか(経過したか)否かが判断される(ステップS4)。
【0087】
ステップS4において、カートリッジ駆動モータ104の連続回転時間が予め設定した値よりも大きくないと判断された場合は、ステップS1に戻る。
【0088】
一方、ステップS4において、カートリッジ駆動モータ104の連続回転時間が予め設定した値よりも大きくなったと判断された場合は、所定時間が経過しても残量センサ106からの出力信号がHigh信号、またはその直近の出力信号の平均がHighとならないわけであるから、カートリッジ22は現像剤が無くなった(トナーエンプティ)と判断される。
【0089】
そして、カートリッジ22の現像剤が無くなったと判断された時、カートリッジエンドとして該当する色のカートリッジを交換する様にメッセージが表示される(ステップS5)。
【0090】
なお、この時、ホッパー103を有しない画像形成装置では、印字動作は継続不可能となるが、本実施形態においては、ホッパー103が備えられているので、このホッパー103内の現像剤を使用して印字動作を継続させるモード(コンティニュアンスランモード)に遷移することができる。
【0091】
ここで、本実施形態の現像剤補給装置101におけるコンティニュアンスラン制御全体概要について図面を参照して詳細に説明する。
図7は本実施形態の現像剤補給装置におけるコンティニュアンスラン制御時のホッパー内に現像剤が存在する状態を示す説明図とそれを時系列的に示すグラフ、
図8は
図7におけるコンティニュアンスラン制御途中でコンティニュアンスラン制御が解除された時の状態を示す説明図とそれを時系列的に示すグラフである。
【0092】
本実施形態では、ホッパー103は、
図7,
図8に示すように、カートリッジ22から現像剤が供給される部分であるトナー補給口113aを「入」印、ホッパー103から現像槽111へ補給する部分であるトナー落下口113cを「出」印で示し、図示されていないホッパー駆動モータ及びギアによって回転動作する対向する2本のスクリュー部材(第1搬送部材131,第2搬送部材132(図示省略))が現像剤をホッパー103内に一時的に貯え及び現像槽111に現像剤を補給するように構成されている。
【0093】
図7に示すように、マシン設置時(工場出荷時)(T1)のホッパー103内は清掃された空状態である(状態1)。そして、新しいカートリッジ22が現像装置2に装着され、新しいカートリッジ22における初めての現像装置2のウォームアップ動作でホッパー充填モード(通常モード)が実施される。
【0094】
初めは、残量センサ106がLow判定しているのでカートリッジ駆動モータ104が駆動する、その後、現像剤が供給され残量センサ106がHigh判定する(状態2)。
そして、High判定によってカートリッジ駆動モータ104は停止し、その後ホッパー駆動モータ105を駆動してスクリュー部材を回転させる。
【0095】
2本の対向するスクリュー部材の間には矩形波形状に切り欠かれた仕切板113dがあり、カートリッジ22から供給された現像剤は仕切板113dの切り欠き部を通って優先的に現像槽111へのトナー落下口113c(出印)に搬送されるように構成されている。
【0096】
スクリュー部材が回転することによって残量センサ106近傍(入印)の現像剤は搬送され、残量センサ106はLow判定する。Low判定によってホッパー駆動モータ105は停止する。また、カートリッジ駆動モータ104は駆動してHigh判定するまでホッパー103へ現像剤を供給する。
【0097】
以上の動作を何回か繰返すことによって、現像剤は現像槽111への補給口(出印)まで搬送された状態(状態3)になり、ホッパー充填モードは完了して印字動作可能な状態になる(T2:ホッパー初期充填完了、ウォームアップ完了)。
【0098】
次に、
図7に示す(状態3)以後の制御について説明する。
実際のトナー補給指示は、ドットカウント装置33によりカウントされたドットデータが少ない場合には、ホッパー駆動モータ105に対して現像槽111へ少量の現像剤を補給するように指示し、ドットデータが多い場合には、前記にホッパー駆動モータ105に対して現像槽111へ多量のトナーを補給するように指示する。
【0099】
この結果、実際にはホッパー駆動モータ105の回転動作によって対向するスクリュー部材が回転し、現像槽111への現像剤補給しながらホッパー103内に現像剤が徐々に貯えられる(状態4)。
【0100】
本実施形態では、ホッパー103内の一時的に貯えられている現像剤量を算出するために残量カウンタ35を備えている。残量カウンタ35のカウント方式は、ホッパー103内のスクリュー回転時間に対して、カートリッジ22に現像剤が存在すると判断している時は正の係数、カートリッジ22に現像剤が無いと判断している時及びカートリッジ22からホッパー103への現像剤搬送禁止時は負の係数を用いて計算する。
【0101】
ホッパー103内の現像剤量を算出するカウント方式の正のカウント補正係数は、スクリュー回転中の残量センサ106の出力がHighまたはLowで切替える方がより正確にホッパー103内に貯えられた現像剤量を示すことができる。
【0102】
スクリュー回転時に残量センサ106がLow出力をしている時は、残量センサ106付近の現像剤量が少ない状態なので、ホッパー103内に貯えられる現像剤量は少ない。一方、スクリュー回転時に残量センサ106がHigh出力をしている時は、残量センサ106付近の現像剤量が多い状態なので、ホッパー103内に貯えられる現像剤量は多くなる。従って、カウント補正係数は、High用正の補正係数>Low用正の補正係数として計算する。
【0103】
具体的なカウント補正係数としては、
図9に示すように、例えば、カートリッジ22内に、現像剤がある場合は、残量センサ106がHigh出力の時のカウント補正係数を「+2」、Low出力の時のカウント補正係数を「+1」とする。また、現像剤が無い場合は、カウント補正係数を「−4」とする。
【0104】
ホッパー駆動モータ105の回転時間に対し正のカウント補正係数を掛けた残量カウンタ35の値は、ドットカウント装置33によるトナー補給指示する度に残量カウンタとして加算され、ホッパー103内に一時的に貯えられた現像剤の量を正確に示す値としてマシン本体に記憶される。
【0105】
残量カウンタ35の値は、トナー補給動作を繰返す度に上昇し、予め定めていた現像剤上限閾値にやがて到達し(T3:ホッパー充填モード完了)、ホッパー103内に一時的に貯えられる最大の現像剤量になる(状態5)。
【0106】
具体的なカウンタの値として、ホッパー103内の現像剤量を示すカウンタの設定値は、
図10に示すように、例えば、マシン設置時(初期値)の設定値を「0」、現像剤下限閾値の設定値を「100」、現像剤上限閾値の設定値を「1000」とする。
【0107】
これ以後は、カートリッジ22内に十分現像剤が存在している状態では、残量カウンタ35は、現像剤上限閾値でカウントし続ける(状態6)。
【0108】
通常、印字動作を実施する事によって画像形成に使用された現像剤を現像槽111に補充するので、次第にカートリッジ22内の現像剤量は低下して最終的に空になる。
【0109】
このカートリッジ22内の空状態の判定方法はいろいろ考えられるが、本実施形態では、残量センサ106の出力がLow判定することによってカートリッジ駆動モータ104を駆動し、残量センサ106の出力がHigh判定するまでのカートリッジ駆動モータ104の連続回転時間を計測する。そして、この計測時間がある一定値以上になった時にカートリッジ22の現像剤が空になったと判断する。そして、カートリッジ交換要求のメッセージ表示を行う。
【0110】
また、このタイミングでカートリッジ駆動モータ104の回転動作は禁止になり、現像槽111への現像剤補給はホッパー103内に一時的に貯えられた現像剤のみを使用して印字動作を継続するモード(コンティニュアンスランモード)に遷移する(T4:コンティニュアンスランモード開始)(状態7)。
【0111】
ホッパー103内に一時的に貯えられた現像剤のみを使用して印字動作を継続するモード(コンティニュアンスランモード)中の残量カウンタの算出方法はホッパー駆動モータ105の回転動作に連動してホッパー103内の現像剤量は少なくなるので負のカウント補正係数を用いて計算する。
【0112】
図7の(状態8),(状態9)に示すように、印字動作に伴う現像剤補給動作とともに残量カウンタ35は、ホッパー駆動モータ105の回転時間に負のカウント補正係数を掛けた傾斜でカウントダウンする。
【0113】
このまま新しいカートリッジに交換せずに印字動作を継続することによって、残量カウンタ35の値は、ホッパー103から現像槽への現像剤補給量が低下する手前の段階に予め設定している現像剤下限閾値に到達する(T5:トナーエンド)。そして、マシンの印字動作はこのタイミングで停止しトナーエンプティ表示を行う(状態10)。
【0114】
本実施形態では、トナーエンプティ状態の時、コンティニュアンスモード中にホッパー103に蓄えられていた現像剤残量が少なくなると、現像槽111への現像剤補給量が低下する前に印字動作を停止するようにしたので、現像剤中のトナー濃度が徐々に減少し画像濃度低下や感光体ドラム3へのキャリア現像(キャリア付着)の発生が未然に防ぐことができる。
【0115】
カートリッジ22が新規に交換された後は、残量センサ106がLow出力判定であるためカートリッジ22からホッパー103へ現像剤搬送手段による搬送が開始され、やがて、残量センサ106がHigh出力判定になりホッパー103への現像剤の搬送は終了し、印字動作可能状態に遷移する(状態11)。そして、印字ジョブが再開される(T6:ウォームアップ完了、ジョブ再開)。
【0116】
その後の印字動作中は、ホッパー103における動作は前述した(状態4)と同様になり、残量カウンタ35は、印字動作中のホッパー103内のスクリュー回転時間とその回転時の残量センサ出力に応じてカウントアップして行く(状態12)。
【0117】
そして、残量カウンタ35の値は、トナー補給動作を繰返す度に上昇し、予め定めていた現像剤上限閾値にやがて到達し(T7:ホッパー充填モード完了)、ホッパー103内に一時的に貯えられる最大の現像剤量になる(状態13)。
【0118】
一方、コンティニュアンスモード途中にカートリッジ22が新規に交換された場合は(T8:カートリッジ交換)、
図8に示すように、コンティニュアンスランモードが解除され、その交換時点の残量カウンタ35の値から以後スクリュー回転時間に対する残量カウンタ補正係数は正の補正係数が選択され、結果として残量カウンタ35はカウントアップする(状態14)。
【0119】
その後の印字動作によって、ホッパー103内に貯えられた現像剤と残量カウンタ35の値は、(状態15)を経て、予め定めていた現像剤上限閾値にやがて到達して、ホッパー103内に一時的に貯えられる最大の現像剤量に再びなる(T9:ホッパー充填モード完了)(状態16)。
【0120】
さらに、(状態16)になる前の(状態15)に示す様なホッパー103内の現像剤量及び残量カウンタ35の値になっている時に、カートリッジ用ドアが開けられた場合は(T10:カートリッジ用ドアオープン)、カートリッジ22からの現像剤搬送は前記ドアが開けられている間は現像剤搬送禁止状態になるため(状態17)、残量カウンタ35のカウント補正係数は負の補正係数が選択され結果、残量カウンタ35は印字動作と共にカウントダウンする(状態18)。
【0121】
カートリッジ用ドアが開けられた状態が継続した場合は、やがて残量カウンタ35の値が予め設定された現像剤下限閾値に到達する(T11:トナーエンド)。そして、マシンの印字動作はこのタイミングで停止しトナーエンプティ表示を行う(状態19)。
【0122】
また、カートリッジ22が容器内の現像剤が既に空と判断された物と交換された場合は、カートリッジ用ドアが開けられた状態と同様に、残量カウンタ35のカウント計算方法は負の補正係数が選択され、残量カウンタ35は印字動作と共にカウントダウンする。
【0123】
次に、本実施形態の画像形成装置100における現像剤補給装置101の故障や異常時についての制御について具体的に説明する。
【0124】
画像形成装置100において、現像剤補給装置101の故障や異常時についての制御を行う場合は、現像剤補給装置101が正常に動作している状態では、残量カウンタ35によるトナーエンプティ判定を使用するようになっている。
【0125】
画像形成装置100において、トナーエンプティ検知手段は、
図5に示すように、主に透磁率センサ119、制御装置32とから構成されている。
【0126】
現像剤補給装置101のトナーエンプティ検知手段は、現像槽111内の予備攪拌部Rの現像剤のトナー濃度をトナー補給検知
用となる透磁率センサ119でモニターしておき、制御装置32による現像剤補給装置101に対する現像槽111への補給の指示後において、透磁率センサ119が現像剤補給を検知できない場合に、ホッパー103から現像槽111に現像剤が補給されていない(トナーエンプティ)と判断するものである。
【0127】
図5に示した透磁率センサ119には、図示しない電源が接続される。
この電源は、透磁率センサ119を駆動させるための駆動電圧及びトナー濃度の検知結果を制御装置32に出力するための制御電圧を透磁率センサ119に印加する。
電源による透磁率センサ119への電圧の印加は、制御装置32によって制御される。
【0128】
透磁率センサ119は、制御電圧の印加を受けてトナー濃度の検知結果を出力電圧値として出力する型式のセンサである。そして、透磁率センサ119は、基本的に出力電圧の中央値近傍の感度がよいため、その付近の出力電圧が得られるような制御電圧を印加して用いられる。
【0129】
本実施形態においては、現像槽111内の現像剤のトナー濃度を透磁率センサ119でモニターして、制御装置32に対する現像剤補給の指示後においても、透磁率センサ119が現像剤補給を検知できなかった時に、現像剤補給装置101が異常であると判断している。
【0130】
画像形成装置100における現像剤補給装置101の異常判定には、透磁率センサ119が用いられる。
【0131】
現像槽111内の現像剤のトナー濃度が低下して所定値よりも下回った時に、現像剤補給を制御する制御装置32から現像剤補給装置101に対して現像槽111に現像剤補給を行うように指示されて、ホッパー103から現像槽111に現像剤の補給が行われる。
現像槽111内への現像剤補給は、透磁率センサ119により検知される。
【0132】
透磁率センサ119は、例えば、トナーが現像槽111へ補給されるトナー補給口の下方の第1搬送路の底面に配置されており、トナー補給口から現像槽111にトナーが補給されると、直ぐに現像剤の透磁率の変化を検知することができる。すなわち、現像剤補給装置101によるトナー補給が行われたか否を直ぐに確認することができる。
【0133】
従って、制御装置32により現像剤補給装置101に対して現像剤補給を行うように指示された場合に、透磁率センサ119により現像剤のトナー濃度変化による出力差が検知されない時には、現像剤補給装置101から現像剤補給が行われていないと判断できる。
すなわち、エンプティー検知手段により現像剤補給装置101の故障か異常(トナーエンプティー)と直ぐに判断することができる。
【0134】
これにより、画像形成装置100において、現像装置2のトナー補給口の付近であって、そのトナー補給口の下方の第1搬送路の底面に透磁率センサ119を設けたことで、現像剤補給装置101により現像剤補給された時に現像剤の透磁率が変化したことを直ぐに検知することができる。これにより、感光体ドラム3上にトナー像を形成する時に、トナー濃度の低下による画像濃度の低下や感光体ドラム3へのキャリア付着の発生を抑制することができる。
【0135】
以上のように構成したので、本実施形態によれば、画像形成装置100に搭載される現像剤補給装置101において、ホッパー103内に現像剤を搬送するスクリュー部材として第1搬送部材131、第2搬送部材132と残量センサ106とを備え、制御装置32の機能として、残量センサ106の出力に応じてスクリュー部材の動作を制御する機能(現像剤搬送制御手段)と、スクリュー部材の回転時間をモニターしてホッパー103内に貯えられている現像剤量をカウント値として算出するもの(カウント値算出手段)として機能する残量カウンタ35と、カートリッジ22に現像剤が無いとき、または、カートリッジ22からホッパー103への現像剤搬送が禁止されているときに、カウント値に基づきホッパー103内の現像剤量が印字動作継続可能か否かを判断する機能(印字動作判定手段)とを備えることで、ホッパー103内の現像剤量を残量カウンタ35を用いて算出することにより現像剤量を精度良く把握することができるので、トナーエンプティのタイミングを精度良く判定することができる。また、残量カウンタが予め設定された閾値に到達した時点で、印字動作継続可能から不可能に判断をすることで、ホッパー103から現像槽111への現像剤補給量低下を未然に防ぐことができるので、現像剤のトナー濃度低下による画像濃度低下や感光体へのキャリア付着の発生を防止することができる。
【0136】
そして、本実施形態によれば、ホッパー103内の現像剤残量を正確に把握できるので、まだ印字動作可能な状態であるにも拘わらずトナーエンプティと判断することを防ぎ、カートリッジ22の交換メッセージ中の印字動作可能状態(コンティニュアンスランモード)をできるだけ長くしてマシンのダウンタイムを低減することが可能にできるので、新たなカートリッジに交換するまでの印字ジョブを停止することなく、継続して行うことができる。
【0137】
尚、上述した実施形態では、本発明に係る画像形成装置の構成を
図1に示すような画像形成装置100に適用した例について説明したが、現像剤補給装置によりトナーを補給することで現像装置内の現像剤のトナー濃度を制御するようにした画像形成装置であれば、上述したような構成の画像形成装置や複写機に限定されるものではなく、その他の画像形成装置等に展開が可能である。
【0138】
以上のように、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。すなわち、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。