(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
光源装置は、発光素子と、該発光素子に電力を供給するための配線パターンと、上記発光素子からの光を所望の方向へ照射する、導光板などの光学部材とを備えるものである。上記光源装置の中には、複数の発光素子を備えているもの、線状のものなどが存在する。また、一般に、光源装置は均一な光を照射することが要求される。従来の光源装置は、例えば特許文献1〜3に開示されている。
【0003】
(特許文献1)
図15は、特許文献1に記載の面光源ユニットの概要を示すものであり、同図の(a)は平面図であり、同図の(b)は同図の(a)におけるC−C´線での断面図であり、同図の(c)は同図の(a)におけるD−D´線での断面図である。図示のように、面光源ユニット1000は、導光板1001と発光部1002とを有し、発光部1002は、発光素子としての複数のチップ形のLED(発光ダイオード)1003が多層配線構造のLED実装用基板1004上に実装されている。
【0004】
複数のLED1003は、2つのグループ1010・1011の各々において直列に接続されている。これにより、全てのLED1003を直列に接続する構成に比べて、駆動電圧を低くすることができる。さらに、グループの数を増やすだけで必要な光量を確保することができる。
【0005】
また、LED1003は、第1および第2のグループ1010・1011に属するLED1003同士が隣り合うように配置されている。これにより、何れかのLED1003が壊れて断線状態になったとき、当該LED1003が属するグループは消灯状態になるが、他のグループは点灯状態にあるので、光の出射を継続することができる。
【0006】
(特許文献2・3)
図16は、特許文献2・3に記載の線状光源装置の概要を示す斜視図である。図示の線状光源装置1100では、電極パターンが形成された長尺状の基板1102の長手方向に沿って、複数の発光素子1101が互いに間隔をおいて配設され、各発光素子1101を被覆するように、透光性の樹脂からなる封止部材1103が形成されている。また、基板1102の両端部には、それぞれ、発光素子1101に通電するための正極および負極の接続端子1106・1107が形成されている。図示の線状光源装置1100は、
図15に示す発光部1002と同様に、導光板の側面の近傍に設けられる。
【0007】
図16に示すように、封止部材1103は、基板1102の長手方向に沿った断面がV字状である第1および第2の凹部1104・1105が、基板1102の上面に略平行な平面部1108を介して交互に連なっている。第1の凹部1104は、隣り合う発光素子1101・1101の間に形成され、第2の凹部1105は、発光素子1101の直上に形成される。
【0008】
上記の構成によると、発光素子1101からの光は、一部が第2の凹部1105にて反射して、基板1102の長手方向に導波する。従って、発光素子1101の直上における、過度に高くなり易い輝度を抑えることができる。また、基板1102の長手方向に導波された光は、一部が第1の凹部1104にて屈折して、外部に照射される。従って、隣り合う発光素子1101・1101の中間部における、低くなり易い輝度を増やすことができる。その結果、高輝度で発光させた場合であっても、輝度ムラおよび輝線を抑えることができる。
【0009】
さらに、封止部材1103は、蛍光体を混合させた蛍光部(図示せず)が、発光素子1101の近傍に含まれている。これにより、所望の色を発光させた場合であっても、色度ムラを抑えることができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
特許文献2・3に記載の線状光源装置1100では、全ての発光素子1101が、基板1102上の電極パターンにより、直列接続されている。このため、輝度をさらに向上するために、発光素子1101の数を増加すると、正極および負極の接続端子1106・1107間に印加する電圧を増加する必要がある。
【0012】
例えば、1個の発光素子1101当たりの駆動電圧が3.2Vであり、線状光源装置1100に印加可能な電圧の最大値が24Vであるとする。この場合、22個の発光素子1101を直列接続すると、3.2V×22=70.4Vの電圧を印加する必要があり、印加する電圧が不足する。このため、特許文献2・3に記載の線状光源装置1100では、発光素子1101の数を増やして、輝度を増やすことが困難である。
【0013】
一方、特許文献1に記載の面光源ユニット1000の場合、LED1003が2つのグループに分けられるので、3.2V×22/2=35.2Vで済む。従って、LED1003を3つ以上のグループに分ければ、印加可能な電圧の最大値を超えずに済む。
【0014】
しかしながら、特許文献1に記載の面光源ユニット1000の場合、基板上にLED1003と配線パターンとが設けられているため、上記グループの数を増加するには、配線パターンの数を増加する必要があり、その結果、基板の幅を大きくする必要がある。その結果、光源装置が大型化することになる。
【0015】
本発明は、上記問題点に鑑みて為されたものであり、その目的は、発光素子の数を増加することができ、かつ、装置の規模の増大を抑えることができる線状光源装置などを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明に係る線状光源装置は、長尺状の基板上の長手方向に配列された複数の発光素子から線状の光を照射する線状光源装置であって、上記課題を解決するために、上記基板に形成され、上記複数の発光素子どうしを直列接続するための配線パターンとを備えており、上記発光素子および上記配線パターンは複数のグループに分かれており、各グループでは、上記発光素子が上記配線パターンを介して直列接続されており、各グループに電力が供給されるようになっており、上記各グループの配線パターンが、上記基板の裏面に形成されていることを特徴としている。
【0017】
上記の構成によると、発光素子および配線パターンは複数のグループに分かれており、各グループでは、上記発光素子が上記配線パターンを介して直列接続されており、各グループに電力が供給されるようになっている。これにより、全ての発光素子を直列に接続する構成に比べて、駆動電圧を低くすることができるので、発光素子の数を増加させることができ、その結果、輝度を増加させることができる。
【0018】
また、上記各グループの配線パターンが、上記基板の裏面に形成されるので、上記基板の上面に形成する従来の構成と比べて、基板の幅の増加を抑えることができる。その結果、装置の規模の増大を抑えることができる。
【0019】
本発明に係る線状光源装置では、上記各グループの発光素子が交互に配列されていることが好ましい。この場合、故障等により、何れかのグループが断線状態になったとき、当該グループに属する発光素子は発光不能となるが、他のグループは発光可能である。これにより、光の出射を継続することができる。また、発光不能となった発光素子に隣接する発光素子は、上記他のグループに属するものであり、発光可能である。従って、発光不能となった発光素子からの光が照射されないことによる輝度の低下が、上記隣接する発光素子からの光によって抑えることができ、その結果、輝度ムラを抑えることができる。
本発明に係る線状光源装置では、上記基板の表面および裏面の配線パターンを電気的に接続するためのスルーホールをさらに備え、上記スルーホールは、上記発光素子の間に設けられており、ある一つのグループの配線パターンを接続するための上記スルーホールと、他のグループの配線パターンを接続するための上記スルーホールとは、上記基板の短手方向において、互いに異なる位置に設けられていることが好ましい。この場合、従来に比べて、上記基板の短手方向のサイズを小さくすることができ、その結果、上記線状光源装置を小型化することができる。
【0020】
本発明に係る線状光源装置では、上記複数の発光素子を封止する透光性の封止部材をさらに備えており、上記封止部材は、隣り合う上記発光素子の間に設けられ、上記封止部材内に導波された光を屈曲して、該光の一部または全部を外部に導波させる第1の凹部と、上記発光素子から上記基板上面の法線方向に照射された光を屈曲して、該光の一部または全部を上記封止部材内に導波させる第2の凹部とを備えることが好ましい。
【0021】
この場合、発光素子からの光は、一部または全部が第2の凹部によって封止部材内に導波される。従って、上記発光素子から外部に直接照射される、高くなり易い輝度を抑えることができる。また、上記封止部材内に導波された光は、一部または全部が第1の凹部によって、外部に照射される。従って、隣り合う発光素子どうしの間における、低くなり易い輝度を増やすことができる。その結果、高輝度で発光させた場合であっても、輝度ムラおよび輝線を抑えることができる。また、上記各グループの発光素子が交互に配列されている場合には、上記輝度ムラをさらに抑えることができる。
【0022】
なお、上記封止部材の第1の凹部は、上記封止部材内を上記長手方向に導波された光を全反射することが好ましい。この場合、当該光が上記封止部材の長手方向端部から照射されることを防止できるので、上記線状光源装置からの輝度を増加させることができる。
【0023】
また、上記封止部材の第2の凹部は、上記発光素子から上記基板上面の法線方向に照射された光を全て反射することが好ましい。この場合、上記発光素子からの高輝度の光が外部に直接照射されることを防止できるので、上記輝度ムラをさらに抑えることができる。
【0024】
なお、上記封止部材の第1の凹部および第2の凹部の形状の例としては、上記基板の長手方向に沿った断面の形状がV字型であるものが挙げられる。
【0025】
本発明に係る線状光源装置では、上記封止部材は、蛍光体を含んでおり、上記各発光素子を被覆する蛍光部を備えていることが好ましい。この場合、所望の色を発光させた場合であっても、色度ムラを抑えることができる。
【0026】
本発明に係る線状光源装置では、上記基板の下面には、1または複数の追加基板が積層されており、上記各グループの発光素子に電力を供給する外部接続端子が、上記基板および上記追加基板に設けられており、上記外部接続端子は、上記追加基板に形成された追加配線パターンを利用して、上記基板および上記追加基板の一端部に設けられていてもよい。
【0027】
この場合、上記線状光源装置が接続する接続先の装置において、電力を供給する外部接続端子が集まっているとき、配線を引き回す必要がないので好適である。なお、上記外部接続端子は、上記基板の上面に集めてもよいし、上記追加基板の下面に集めてもよい。
【0028】
本発明に係る線状光源装置では、上記基板の上面には、上記各グループの配線パターンがさらに形成されていることが好ましい。この場合、上記配線パターンが反射材として機能するので、輝度を増加させることができる。
本発明に係る線状光源装置では、上記発光素子および上記配線パターンのグループごとに、2つの上記外部接続端子を備えており、2つの上記外部接続端子の間に、同じグループに含まれる上記発光素子が配置されていることが好ましい。
【0029】
なお、上記構成の線状光源装置と、該線状光源装置から線状に入射された光を面状の光で出射するための導光板とを備える面発光装置であれば、上述と同様の効果を奏することができる。また、上記構成の面発光装置と、該面発光装置からの光を変調する液晶パネルとを備えることにより表示出力する液晶表示装置であれば、上述と同様の効果を奏することができる。
【発明の効果】
【0030】
以上のように、本発明に係る線状光源装置は、各グループにて配線パターンを介して直列接続された発光素子ごとに電力が供給されるので、駆動電圧を低くでき、発光素子の数を増加できるという効果を奏すると共に、上記各グループの配線パターンが、基板の裏面に形成されるので、基板の幅の増加を抑えることができる。その結果、装置の規模の増大を抑えるという効果を奏する。
【発明を実施するための形態】
【0032】
〔実施の形態1〕
本発明の一実施形態について、
図1〜
図10を参照して説明する。
図1および
図2は、本実施形態である線状光源装置11の概要を示す斜視図および側面図である。
図1および
図2に示すように、本実施形態の線状光源装置11は、プリント基板12、複数の発光素子13、封止部材14、および反射シート15・16を備える構成である。なお、
図1では、線状光源装置11の構造を理解し易いように、
図2に示す反射シート15・16を省略している。
【0033】
(線状光源装置11の概要)
本実施形態の線状光源装置11は、液晶表示装置のバックライトの線光源として好適であるが、これに限定されるものではない。
【0034】
図1に示すように、長尺状のプリント基板12の上面には、複数の発光素子13が、プリント基板12の長手方向に沿って等間隔で一列に配置され、複数の発光素子13を被覆する透光性の封止部材14が形成されている。なお、発光素子13の電気的な接続形態については後述する。
【0035】
また、
図2に示すように、プリント基板12および封止部材14の前面には反射シート15が貼付され、後面には反射シート16が貼付されている。これにより、発光素子13が発した光は、封止部材14を透過し、一部は反射シート15・16にて反射して、外部に照射される。従って、線状光源装置11は、プリント基板12に垂直な方向に光を照射する線光源として機能する。
【0036】
また、
図1に示すように、封止部材14は、プリント基板12の長手方向に沿った断面がV字状となる第1および第2の凹部20・21が、プリント基板12の上面に略平行な平面部22を介して交互に連なっている。第1の凹部20は、隣り合う発光素子13・13の間に形成され、第2の凹部21は、発光素子13の直上に形成される。
【0037】
これにより、隣り合う発光素子13・13の間に形成された封止部材14は、第1の凹部20の底部を含み、かつ長手方向を法線とする平面に対し略対称な形状となっている。なお、封止部材14の端部23・23は、プリント基板12に向かうにつれて外側に広がる傾斜面を有している。
【0038】
上記の構成によると、発光素子13からの光は、第2の凹部21にて反射して、プリント基板12の長手方向に導波する。従って、発光素子13の直上における、過度に高くなり易い輝度を抑えることができる。また、プリント基板12の長手方向に導波された光は、第1の凹部20にて屈折して、外部に照射される。従って、隣り合う発光素子13・13の中間部における、低くなり易い輝度を増やすことができる。その結果、高輝度で発光させた場合であっても、輝度ムラおよび輝線を抑えることができる。
【0039】
さらに、封止部材14は、蛍光体を混合させた蛍光部24を有しており、蛍光部24は、各発光素子13の近傍に該発光素子13を被覆するように形成されている。この蛍光部24により、所望の色を発光させた場合であっても、色度ムラを抑えることができる。
【0040】
なお、発光素子13の例としては、GaN系化合物半導体を利用したLEDが挙げられる。発光素子13は、透明のサファイア基板に、n型層およびp型層を積層し、n型層およびp型層のそれぞれの上面に、n型電極またはp型電極を形成し、更に、両電極を、ワイヤによってプリント基板12の配線パターンにダイボンディングして形成されている。
【0041】
また、封止部材14は、シリコーン等の透光性の樹脂によって形成される。また、封止部材14の蛍光部24は、上記透光性の樹脂に蛍光体を分散させたものによって形成される。
【0042】
(線状光源装置11の製造方法)
次に、上記構成の線状光源装置11の製造方法について説明する。
図3は、当該製造方法におけるダイシング工程を示す斜視図である。まず、板状のプリント基板100上に、複数の発光素子13をマトリックス状に実装し、各発光素子13に対し、透光性の樹脂に蛍光体を分散させた蛍光材料を塗布する。これにより、各発光素子13を被覆する蛍光部材が形成される。
【0043】
次に、プリント基板100と、上記蛍光部材と、V字状の2種類の溝が発光素子13の列に沿って形成されている成型金型とで囲まれた領域に、透光性の樹脂を注入して硬化させる。これにより、V字状の2種類の溝部102・103を有する板状の封止部材101が形成される。第1の溝102は、隣り合う上記列どうしの間に形成され、第2の溝103は、上記列の直上に形成される。これにより、
図3に示すような板状部材110が完成する。
【0044】
次に、
図3に示すように、ダイシングブレード120を用いて、板状部材110に対し、上記列に垂直な方向にダイシングを行う。これにより、板状のプリント基板100、上記蛍光部材、および板状の封止部材101が、それぞれ、
図1に示す長尺状のプリント基板12、蛍光部24、および長尺状の封止部材14となり、図示のような長尺状部材が生成される。そして、図示の長尺状部材の前面および後面に反射シート15・16を設けることにより、線状光源装置11が完成する。
【0045】
(線状光源装置11の詳細)
次に、本実施形態の線状光源装置11における電気的な接続形態について説明する。
図4は、上記電気的な接続形態を模式的に示す正面図であり、
図5の(a)・(b)は、それぞれ、上記電的的な接続形態を具体的に示す平面図および下面図である。
【0046】
本実施形態の線状光源装置11では、複数の発光素子13が配線パターンおよびスルーホールを介して直列接続された構成の一端にアノード用の外部接続端子51が接続され、他端にカソード用の外部接続端子52が接続されている。さらに、本実施形態では、外部接続端子51・52、発光素子13、配線パターン31・32、およびスルーホール41は、2つのグループに分かれている。以下では、第1のグループに属する部材には添字aを付し、第2のグループに属する部材には添字bを付している。
【0047】
図4および
図5に示すように、プリント基板12には、第1グループの発光素子13aと第2グループの発光素子13bとが、交互に配置されている。なお、以下では、プリント基板12において、発光素子13a・13bがダイボンドされた面を「表面」とし、その反対側の面を「裏面」としている。
【0048】
第1グループでは、複数の発光素子13aは、アノード側の外部接続端子51aとカソード側の外部接続端子52aとの間に、プリント基板12の表面に設けた配線パターン31aと、プリント基板12の裏面に設けた配線パターン32aと、表面および裏面の配線パターン31a・32aを電気的に接続するためのスルーホール41aとを介して、直列接続されている。
【0049】
一方、第2グループでは、複数の発光素子13bは、アノード側の外部接続端子51bとカソード側の外部接続端子52bとの間に、プリント基板12の表面に設けた配線パターン31bと、プリント基板12の裏面に設けた配線パターン32bと、表面および裏面の配線パターン31b・32bを電気的に接続するためのスルーホール41bとを介して、直列接続されている。
【0050】
また、
図5に示すように、プリント基板12として、1層の両面基板を用いられ、その裏面には、第1グループおよび第2グループの配線パターン32a・32bの交互配線が形成されている。
【0051】
上記構成によれば、第1グループに属する5つの発光素子13aが直列接続され、第2グループに属する5つの発光素子13bが直列接続されている。これにより、全ての発光素子13が直列接続された構成に比べて、駆動電圧を低くすることができる。また、グループの数を増やすだけで必要な光量を確保することができる。
【0052】
また、発光素子13aと発光素子13bとが隣り合うように配置されている。これにより、例えば第1グループに属する発光素子13aが壊れて断線状態になった場合でも、当該グループの発光素子13aは点灯できなくなるが、第2グループに属する発光素子13bは点灯できるので、光の出射を継続することができる。
【0053】
また、プリント基板12は、多層基板ではなく、1層の両面基板であるため、安価な線状光源装置11を提供することができる。また、外部接続端子51a・b、52a・bがプリント基板12の両端部に設けられることによって、放熱回路が基板の左右に形成できるため、放熱効率も高いという利点も有する。
【0054】
実施例では、プリント基板12の幅は0.4mmである。また、
図5に示すように、第1グループのスルーホール41aの中心は、プリント基板12の短手方向(幅方向)の中心から100μm前方にシフトさせた位置に設定されている。一方、第2グループのスルーホール41bの中心は、プリント基板12の短手方向の中心から100μm後方にシフトさせた位置に設定されている。
【0055】
さらに、
図5に示すように、プリント基板12の表面において、第1グループのスルーホール41aと電気的に接続する配線パターン31aと、第2グループのスルーホール41bと電気的に接続する配線パターン31bとの間には、交互配線を形成するために、100μmの間隔が設けてある。また、プリント基板12の裏面において、第1グループのスルーホール41aの横には、幅80μmの第2グループの配線パターン32bが形成されており、第2グループの発光素子13bを直列接続する。また、第2グループのスルーホール41bの横には、幅80μmの第1グループの配線パターン32aが形成されており、第1グループの発光素子13aを直列接続する。
【0056】
このように、プリント基板12における表面の配線パターン31a・bと、下面の配線パターン32a・bとをそれぞれ接続するスルーホール41a・bの位置を、線状光源装置11の短手方向の中心から前後方向にシフトさせた位置に配置している。こうして、プリント基板12として1層の両面基板を使用した、線状光源装置11が得られる。これにより、特許文献1の構成に比べて、基板の幅方向のサイズを小さくすることができる。その結果、線状光源装置11を小型化することができる。
【0057】
図6は、本実施形態の線状光源装置11およびその変形例の回路図である。本実施形態では、同図の(a)に示すように、4つの外部接続端子51a・b、52a・bからなる4端子構造である。しかしながら、この構成を、同図の(b)に示すように、第1グループおよび第2グループのアノード側の外部接続端子51a・bを接続し、第1グループおよび第2グループのカソード側の外部接続端子52a・bを接続することにより、2つの外部接続端子51・52からなる2端子構造としてもよい。
【0058】
なお、
図4および
図5に示すように、プリント基板12の両端にそれぞれ位置する、第1グループのアノード側の外部接続端子51aと、第2グループのカソード側の外部接続端子52bとは、プリント基板12の表面および裏面の両方に形成されている。これは、線状光源装置11を別の実装基板にハンダで実装するときに、線状光源装置11の浮きを抑制するためである。
【0059】
図7は、線状光源装置11をフレキシブル基板などの実装基板60に実装した状態を示す断面図である。図示のように、線状光源装置11は、ダイシングによる切断面(前面または後面)を実装基板60の上面に接触させた状態で、外部接続端子51a・b、52a・b(または外部接続端子51・52)と実装基板60の端子(図示せず)とがハンダ61によって接続される。このとき、上述の外部接続端子51a・52bがプリント基板12の両端の表面および裏面の両方に設けられているので、線状光源装置11の表面および裏面の両方がハンダ61によって実装基板60に固着され、その結果、上記浮きを抑制することができる。
【0060】
なお、
図6の(b)に示す回路において、外部接続端子51・52がプリント基板12の表面または裏面に形成された片面構造としてもよい。上記構造によれば、端子の形成面が一面に偏るために、線状光源装置11の上記浮きが懸念されるが、実装工程の削減を図ることができるという利点を有する。また、
図6(c)に示すように、同図の(a)に示した回路から、発光素子13bの極性を反転させた構造としてもよい。
【0061】
(線状光源装置11の効果1)
線状光源装置11において、発光素子13の中間位置では、発光素子13が存在しないために、発光素子13近傍の位置と比較して光の出射強度が低くなり易い。このことは、輝度ムラおよび色ムラなどが生じる原因となる。
【0062】
(第1の凹部20の効果)
これに対し、本実施形態の線状光源装置11によれば、プリント基板12上面の基板長手方向の進行成分を有する光を、発光素子13同士の中間位置に形成された第1の凹部20から効率的に引き出すことができる。この効果について、
図8を参照して説明する。
【0063】
図8の(a)〜(c)は、封止部材14の第1の凹部20付近での光の進行を模式的に示す正面図である。同図の(a)に示すように、発光素子13(図示せず)から射出された光は、封止部材14内を、入射角および反射角α(i)で反射を繰り返しながら進行する。線状光源装置11の第1の凹部20は、上記光を、上記α(i)の大きさによっては、封止部材14と外部(空気)との界面、すなわち封止部材14の上面で全反射させる角度を有している。
【0064】
プリント基板12上面方向に対する第1の凹部20の斜面の傾斜角θ(i)、および上記α(i)によって、光の全反射量が決定される。すなわち、第1の凹部20において、封止部材14と外部(空気)との界面への光の入射角度(θ(i)+α(i)−90°)が、臨界角θc以上の光は全反射する(軌跡122)。
【0065】
また、
図8の(c)に示すように、α(i)が0°の光を含む、プリント基板12の上面と平行に近い進行成分を持つ光を反射させる角度を、第1の凹部20の傾斜角θ’(i)が有していない場合、光が第1の凹部20の一方の斜面から一旦外部に出るが、他方の斜面に再入射する。それを繰り返した光は、線状光源装置11の端部から出射され、視認性の向上に寄与しない。
【0066】
これに対し、本実施形態の線状光源装置11では、傾斜角θ(i)は、α(i)が特に0°(基板上面と平行)のとき、光を全反射させる角度に設定されている。そのため、プリント基板12の上面と平行に近い方向に進行する光は、第1の凹部20で進行方向を変化させられる。そして、その光の一部は、基板上面に垂直方向の成分を多く含む進行方向に変化して装置から出射されるため、視認性の向上に寄与する。
【0067】
また、上記入射角度(θ(i)+α(i)−90°)が、臨界角θc未満の光は屈折して、界面に対して屈折角度β(i)で外部に射出される(軌跡123)。封止部材14の屈折率が1.5程度であるとすると、外部の空気(屈折率1.0程度)よりも屈折率が大きいため、上記入射角度よりも上記屈折角度のほうが大きい。従って、
図8の(b)に示すように、第1の凹部20が設けられていない従来の光源装置では、封止部材14内を導波する光は、上記光源装置の端部から射出されるため、視認性を向上させない。
【0068】
これに対し、本実施形態の線状光源装置11では、入射角度(θ(i)+α(i)−90°)が、臨界角θc未満の光を屈折させて、外部に出射させる。このため、上記光は視認性の向上に寄与する。
【0069】
(第2の凹部21による効果)
また、本実施形態の線状光源装置11では、発光素子13が発する光、または、発光素子13からの光を受けた、蛍光部24内の蛍光体が発する光が、発光素子13の直上部から外部へと出て行くことは、第2の凹部21によって抑制できる。この効果について、
図9を参照して説明する。
【0070】
図9の(a)・(b)は、封止部材14の第2の凹部21付近での光の進行を模式的に示す正面図である。同図の(a)は、発光素子13からプリント基板12の法線方向に出た光の軌跡124と、該光が封止部材14−空気界面で全反射した後に、封止部材14内をプリント基板12の長手方向に進行する光の軌跡125とを示している。また、同図の(b)は、発光素子13から上記法線方向に出射された光の軌跡126と、該光が封止部材14−空気界面で屈折後に、空気側に出射する光の軌跡127とを示している。
【0071】
具体的には、
図9の(a)は、第2の凹部21の表面の傾斜角度θが、全反射角θcよりも大きくなっている(θ>θc)場合において、発光素子13から上記法線方向に出射されて、封止部材14−空気界面で屈折または反射する光の軌跡124・125を示している。一方、同図の(b)は、第2の凹部21が基板上面に対してなす角度θが、全反射角θcよりも小さい(θ<θc)場合において、発光素子13から上記法線方向に出射されて、封止部材14−空気界面で屈折または反射する光の軌跡126・127を示している。
【0072】
図9の(a)に示すように、線状光源装置11では、第2の凹部21の傾斜角θが、全反射の臨界角θc以上に傾けられている。そのため、第2の凹部21では、プリント基板12上面の法線方向に進行する光が全反射するので、プリント基板12長手方向の光度分布の均一性、すなわち、発光素子13の付近か否かに関係のない光度分布の均一性を、より向上させることができる。
【0073】
具体的には、第2の凹部21の傾斜角θを、封止部材14と外部との界面における全反射の臨界角θcよりも大きくする。こうすることで、発光素子13から直上方向に進行する光の進行方向、言い換えると、プリント基板12の上面の法線方向に出射される強度の高い光の進行方向を、プリント基板12の上面に平行な成分を有する方向に変化させることができる。その結果、その光は封止部材14内を導波して第1の凹部20に到り、第1の凹部20と外部との界面で屈折して外部へと射出される。
【0074】
ここで、外部(空気)と封止部材14との境界面で生じる全反射を考えると、その全反射の臨界角θcは、次の式(1)から求められる。
n×sin(θc)=1・・・・(1)
式(1)において、nは、封止部材14の樹脂の屈折率であり、一般には、光波長依存性を有している。例えば、代表的な被覆用高屈折率樹脂の場合、代表的な青色発光素子の波長455nmの光では、樹脂の屈折率nは1.5程度の値となる。ここで、nを1.5として、全反射の臨界角θcを式(1)から計算すると、概算して42°となる。
【0075】
発光素子13から法線方向に進行する光は、その他の方向に進行する光と比較して、より高い強度を有している。そのため、線状光源装置11の平面内において、発光素子13の直上部は、その他の位置と比較して光の出射強度が高くなり、装置面内での輝度ムラを生じさせやすい。
【0076】
これに対し、
図9の(b)に示すように、θ<θcの場合には、発光素子13から上記法線方向に放出された光は、第2の凹部21の斜面で屈折して、上記軸方向から逸れた方向に出射される。従って、発光素子13から法線方向に進行して出射される光の強度が低減されるため、装置面内における輝度ムラが抑制される。
【0077】
また、
図9の(a)に示すように、θ>θcである場合、発光素子13から上記法線方向に出射された光は、第2の凹部21の斜面で全反射して上記法線方向から逸れるだけでなく、プリント基板12の長手方向の進行成分を有する状態となり、封止部材14の内部を導波する。そして、最終的に、プリント基板12上面の長手方向の成分を有した状態で封止部材14内を導波された光は、第1の凹部20へと到り、当該第1の凹部20で屈折して外部に出射される。従って、発光素子13が存在しないために、その他の位置と比較して射出される光の強度が低くなりがちな、発光素子13同士の中間位置から射出される光が補われるため、装置面内における輝度ムラが抑制される。
【0078】
光源装置においては、発光素子が配置された面内に、発光素子付近のように光度が高くなりがちな位置と、発光素子同士の中間位置のように光度が低くなりがちな位置とが存在する。
【0079】
(複数グループの直列接続による効果)
また、本実施形態の線状光源装置11は、特許文献1に記載の面光源ユニット1000に比べて、輝度ムラを抑制することができる。この効果について、
図10および
図17を参照して説明する。
図10は、本実施形態の線状光源装置11における光度のプロファイルを示すグラフである。
図17は、従来の面光源ユニット1000における光度のプロファイルを示すグラフである。
【0080】
従来の面光源ユニット1000は、LEDを2つのグループに分け、グループごとにLEDを直列接続し、上記2つのグループに属するLEDどうしが交互に並ぶように配列したものである。従来の面光源ユニット1000では、装置の長手方向(LEDの配列方向)の光度プロファイルが、
図17の(a)に示すようになる。図示のように、LEDが配置されている部分に輝点を有し、LEDが配置されていない位置では光度がほぼ均一に低くなる(暗くなる)。
【0081】
また、従来の面光源ユニット1000では、何れかのLEDが壊れて断線状態となり、このLEDが属するグループのLEDが消灯状態となった場合、装置の長手方向の光度プロファイルは、
図17の(b)に示すようになる。図示のように、消灯したグループのLEDを挟む、点灯しているグループのLEDの間では、光度がほぼ均一に低くなり、輝度ムラが顕著に現れたものとなる。
【0082】
これに対し、本実施形態の線状光源装置11は、第1および第2の凹部20・21を有することにより、装置の長手方向(発光素子13の配列方向)の光度プロファイルは、
図10の(a)に示すようになる。図示のように、第1の凹部20の位置において光度が若干高くなる光度分布となる。
【0083】
また、本発明の線状光源装置11は、何れかの発光素子13aが壊れて断線状態となり、その発光素子13aの属するグループの発光素子13aが消灯状態となった場合、装置の長手方向の光度プロファイルは、
図10の(b)に示すようになる。図示のように、消灯した発光素子13aに隣接する第1の凹部20の位置においても、ある程度の光度を得ることができるので、輝度ムラを抑制し、入光近傍の品位を良好な状態に保つことが可能となることが理解できる。
【0084】
実験では、発光素子の1つのグループが消灯状態となった場合、従来の発光装置では、基板長手方向の光度分布が50%の減少となった一方で、本実施形態の線状光源装置11では、30〜40%の減少に抑制された。
【0085】
〔実施の形態2〕
次に、本発明の別の実施形態について、
図11を参照して説明する。
図11の(a)は、本実施形態である線状光源装置の構造を模式的に示す正面図であり、同図の(b)は、上記構造の一部を拡大して示す図である。また、同図の(c)・(d)は、上記構造の変形例の一部を拡大して示す図である。
【0086】
図11に示すように、本実施形態の線状光源装置211は、
図1〜
図10に示す線状光源装置11に比べて、1層の両面基板であるプリント基板12に代えて、4層の配線パターンを有する多層基板構造であるプリント基板212を利用している点と、外部接続端子および配線パターンとが異なり、その他の構成は同様である。なお、上記実施形態で説明した構成と同様の機能を有する構成には同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0087】
図11の(a)に示すように、プリント基板212は、上層基材、コア基材、下層基材を重ねることによって得られたものであり、合計で4層7種の配線パターンを有している。以下では、発光素子13a・13bが設けられている面を第1層とし、下層に移るにつれて、第2層、第3層、および第4層とする。
【0088】
図11の(a)・(b)に示すように、第1グループでは、複数の発光素子13aは、アノード側の外部接続端子251aとカソード側の外部接続端子252aとの間に、配線パターン31a・32aと、スルーホール41aと、プリント基板12の第3層に設けた配線パターン233aと、第2層および第3層の配線パターン32a・233aを電気的に接続するためのスルーホール242aと、第3層の配線パターン233aおよび第4層のカソード側の外部接続端子252aを電気的に接続するためのスルーホール243aとを介して、直列接続されている。
【0089】
一方、第2グループでは、複数の発光素子13bは、アノード側の外部接続端子251bとカソード側の外部接続端子252bとの間に、配線パターン31b・32bと、スルーホール41bと、プリント基板12の第4層に設けた配線パターン234bと、第1層および第4層の配線パターン31b・234bを電気的に接続するためのスルーホール242bとを介して、直列接続されている。
【0090】
本実施形態では、
図11の(a)・(b)に示すように、プリント基板212として多層構造の基板を用いることにより、外部接続端子251a・b、252a・bが、プリント基板212の一方の端部に集められている。これにより、携帯電話、デジタルカメラ、携帯用ゲーム器などの回路(図示せず)に導通接続させるLED実装用基板を小さくすることができる。その結果、外部接続端子を基板の両端に設ける構造よりも、安価なLED実装用基板を提供することができる。
【0091】
なお、配線パターンとスルーホールとの接続形態を変更することによって、外部接続端子251a・b、252a・bを、
図11の(c)に示すように、プリント基板212の一端部の下面に集めたり、同図の(d)に示すように、プリント基板212の一端部の上面に集めたりすることもできる。
【0092】
〔実施の形態3〕
次に、本発明のさらに別の実施形態について、
図12を参照して説明する。
図12の(a)は、本実施形態である線状光源装置の構造を模式的に示す正面図であり、同図の(b)は、上記構造の一部を拡大して示す図である。また、同図の(c)・(d)は、上記構造の変形例の一部を拡大して示す図である。
【0093】
図12に示すように、本実施形態の線状光源装置311は、
図1〜
図10に示す線状光源装置11に比べて、1層の両面基板であるプリント基板12に代えて、3層の配線パターンを有する多層基板構造であるプリント基板312を利用している点と、外部接続端子および配線パターンとが異なり、その他の構成は同様である。なお、上記実施形態で説明した構成と同様の機能を有する構成には同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0094】
図12の(a)に示すように、プリント基板312は、上層基材、コア基材、下層基材を重ねられた3層構成の配線パターンを有している。
【0095】
図12の(a)・(b)に示すように、第1グループでは、複数の発光素子13aは、アノード側の外部接続端子351aとカソード側の外部接続端子352aとの間に、配線パターン31a・32aと、スルーホール41aと、プリント基板12の第3層に設けた配線パターン333aと、第2層および第3層の配線パターン32a・333aを電気的に接続するためのスルーホール342aとを介して、直列接続されている。
【0096】
一方、第2グループでは、複数の発光素子13bは、アノード側の外部接続端子351bとカソード側の外部接続端子352bとの間に、配線パターン31b・32bと、スルーホール41bと、プリント基板12の第3層に設けた配線パターン333bと、第1層および第3層の配線パターン31b・333bを電気的に接続するスルーホール342bとを介して、直列接続されている。
【0097】
本実施形態によれば、
図12の(a)・(b)に示すように、プリント基板312として多層基板を用いることにより、外部接続端子351a・b、352a・bをプリント基板312の両面の一方の端部に集めることができる。これにより、上述のように、LED実装用基板を小さくすることができ、、安価なLED実装用基板を提供することができる。
【0098】
なお、配線パターンとスルーホールとの接続形態を変更することによって、外部接続端子351a・b、352a・bを、
図12の(c)に示すように、プリント基板312の一端部の下面に集めたり、同図の(d)に示すように、プリント基板312の一端部の上面に集めたりすることもできる。
【0099】
〔実施の形態4〕
次に、本発明のさらに別の実施形態について、
図13を参照して説明する。
図13は、本実施形態である線状光源装置の構造を模式的に示す正面図である。図示のように、本実施形態の線状光源装置411は、
図12に示す線状光源装置311に比べて、外部接続端子および配線パターンが異なり、その他の構成は同様である。なお、上記実施形態で説明した構成と同様の機能を有する構成には同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0100】
図13に示すように、第1グループでは、複数の発光素子13aは、アノード側の外部接続端子451aとカソード側の外部接続端子452aとの間に、配線パターン31a・32aと、スルーホール41aと、プリント基板12の第3層に設けた配線パターン433aと、第1層および第3層の配線パターン31a・433aを電気的に接続するためのスルーホール442aと、第2層および第3層の配線パターン32a・433aを電気的に接続するためのスルーホール443aとを介して、直列接続されている。
【0101】
一方、第2グループでは、複数の発光素子13bは、アノード側の外部接続端子451bとカソード側の外部接続端子452bとの間に、配線パターン31b・32bと、スルーホール41bと、プリント基板12の第3層に設けた配線パターン433bと、第1層および第3層の配線パターン31b・433bを電気的に接続するためのスルーホール442bとを介して、直列接続されている。
【0102】
本実施形態によれば、
図13に示すように、プリント基板412として多層基板を用いることにより、外部接続端子451a・b、452a・bは、プリント基板412の下面中央部に集めている。この場合、外部接続端子を基板の一方の端部に設ける構成よりも、外部機器の回路(図示せず)に導通接続させる実装用基板をより小さくすることができ、コスト低減が可能となる。
【0103】
なお、本実施形態では、プリント基板412として3層の多層基板を用いる構成を示したが、これを、
図11に示すような4層のプリント基板212に変更してもよいことはいうまでもない。
【0104】
〔実施の形態5〕
次に、本発明の他の実施形態について、
図14を参照して説明する。
図14の(a)は、本実施形態である線状光源装置の配線パターンを示す平面図であり、同図の(b)は、上記線状光源装置の構造を模式的に示す正面図である。
【0105】
図14の(a)・(b)に示すように、本実施形態の線状光源装置511は、
図1から
図10に示す線状光源装置11に比べて、複数の発光素子13が3つのグループに分かれている点が異なり、その他の構成は同様である。なお、上記実施形態で説明した構成と同様の機能を有する構成には同一の符号を付して、その説明を省略する。また、以下では、第1のグループに属する部材には添字aを付し、第2のグループに属する部材には添字bを付し、第3のグループに属する部材には添字cを付している。
【0106】
図14の(a)・(b)に示すように、第1グループでは、複数の発光素子13aは、アノード側の外部接続端子551aとカソード側の外部接続端子552aとの間に、プリント基板12の表面に設けた配線パターン531aと、プリント基板12の裏面に設けた配線パターン532aと、表面および裏面の配線パターン531a・532aを電気的に接続するためのスルーホール541aとを介して、直列接続されている。
【0107】
一方、第2グループでは、複数の発光素子13bは、アノード側の外部接続端子551bとカソード側の外部接続端子552bとの間に、プリント基板12の表面に設けた配線パターン531bと、プリント基板12の裏面に設けた配線パターン532bと、表面および裏面の配線パターン531b・532bを電気的に接続するためのスルーホール541bとを介して、直列接続されている。
【0108】
そして、第3グループでは、複数の発光素子13cは、アノード側の外部接続端子551cとカソード側の外部接続端子552cとの間に、プリント基板12の表面に設けた配線パターン531cと、プリント基板12の裏面に設けた配線パターン532cと、表面および裏面の配線パターン531c・532cを電気的に接続するためのスルーホール541cとを介して、直列接続されている。
【0109】
また、
図14に示すように、プリント基板12として、1層の両面基板を用いられ、その裏面には、第1グループ、第2グループ、および第3グループの配線パターン532a〜cの複数配線が形成されている。また、本実施形態の線状光源装置511では、発光素子13a〜cに電流を供給する外部接続端子551a〜c・552a〜cが、プリント基板12の両端部に集めて設けられている。
【0110】
このように、複数の発光素子13を3つ以上のグループに分けて、グループごとに発光素子13を直列接続した構成にも、本発明を適用することができる。なお、本実施形態では、プリント基板12として1層の両面基板を用いたが、それに限らず、多層基板を使用してもよい。また、外部接続端子551a〜c・552a〜cは、プリント基板12の両端に配置されていなくてもよく、例えばプリント基板12の中央部に配置されていてもよい。
【0111】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【0112】
なお、各実施形態の線状光源装置と、該線状光源装置から線状に入射された光を面状の光で出射するための導光板とを備える面発光装置では、輝度むらが少なく、入光面近傍で輝線の小さいものとすることができる。また、該面発光装置からの光を変調する液晶パネルとを備えることにより表示出力する液晶表示装置であれば、輝度むらの少ない表示品位のものとすることができる。また、各実施形態の線状光源装置では2系統の点灯回路構成としているが、1箇所の短絡、オープンが生じても面発光装置、液晶表示装置として全面不点灯とはならない。さらに、2系統の点灯回路構成では、液晶表示装置で考えた場合、表示画像を2フレーム分割駆動させることが可能で、省電力駆動が可能となる。