特許第5836840号(P5836840)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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特許5836840画像処理装置、方法、及びプログラム、並びに画像表示装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5836840
(24)【登録日】2015年11月13日
(45)【発行日】2015年12月24日
(54)【発明の名称】画像処理装置、方法、及びプログラム、並びに画像表示装置
(51)【国際特許分類】
   G09G 3/36 20060101AFI20151203BHJP
   G09G 3/20 20060101ALI20151203BHJP
   G09G 3/30 20060101ALI20151203BHJP
   G02F 1/133 20060101ALI20151203BHJP
   G02F 1/13 20060101ALN20151203BHJP
   H04N 13/04 20060101ALN20151203BHJP
【FI】
   G09G3/36
   G09G3/20 641P
   G09G3/20 650M
   G09G3/20 632F
   G09G3/20 642J
   G09G3/20 621J
   G09G3/20 660X
   G09G3/20 670A
   G09G3/20 612U
   G09G3/20 670Q
   G09G3/20 670N
   G09G3/30 K
   G02F1/133 505
   G09G3/20 680F
   !G02F1/13 505
   !H04N13/04
【請求項の数】11
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2012-41159(P2012-41159)
(22)【出願日】2012年2月28日
(65)【公開番号】特開2013-178322(P2013-178322A)
(43)【公開日】2013年9月9日
【審査請求日】2015年1月13日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083840
【弁理士】
【氏名又は名称】前田 実
(74)【代理人】
【識別番号】100116964
【弁理士】
【氏名又は名称】山形 洋一
(74)【代理人】
【識別番号】100135921
【弁理士】
【氏名又は名称】篠原 昌彦
(72)【発明者】
【氏名】杉之原 英嗣
(72)【発明者】
【氏名】山中 聡
(72)【発明者】
【氏名】石口 和博
【審査官】 中村 直行
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−047965(JP,A)
【文献】 特開2003−066924(JP,A)
【文献】 特開平11−282420(JP,A)
【文献】 特開2004−070009(JP,A)
【文献】 特開2003−316330(JP,A)
【文献】 特表2010−503003(JP,A)
【文献】 特開2010−020178(JP,A)
【文献】 特表平05−506108(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09G 3/00 − 3/38
G02F 1/13
G02F 1/133
H04N 13/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに異なる複数の表示方向にそれぞれ異なる複数の画像を表示する表示部であって、2以上の色の各々に対応する2以上のサブピクセルを含む複数の画素と、前記各サブピクセルの光を前記複数の表示方向のうちサブピクセル毎に予め決められた表示方向に向ける視差光学素子とを有し、前記各表示方向に表示される各サブピクセルが混在する表示部の各サブピクセルに対応する階調値を含む画像信号を受け付ける画像入力部と、
前記各サブピクセルのうち、前記視差光学素子の欠陥により本来の表示方向以外の表示方向にも表示されるサブピクセルである欠陥サブピクセルを示す欠陥情報を記憶する欠陥情報記憶部と、
前記画像信号のうち、前記欠陥情報が示す欠陥サブピクセルの本来の表示方向とは異なる他の表示方向を本来の表示方向とするサブピクセルの階調値に基づき、前記欠陥サブピクセルに対応する、前記他の表示方向に表示される画像の階調値を補正値として求め、前記画像信号に含まれる前記欠陥サブピクセルの階調値および前記補正値のうち小さい値を前記欠陥サブピクセルの階調値として含む補正後の画像信号を出力する補正部と
を備えることを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記複数の表示方向は、3以上の表示方向であり、
前記補正部は、前記欠陥サブピクセルが前記視差光学素子の欠陥により表示される表示方向である1以上の欠陥表示方向の各々について、前記欠陥表示方向を本来の表示方向とするサブピクセルの階調値に基づき、前記欠陥サブピクセルに対応する、前記欠陥表示方向に表示される画像の階調値を補正値として求め、前記画像信号に含まれる前記欠陥サブピクセルの階調値および前記欠陥表示方向毎に求めた補正値のうち最も小さい値を前記欠陥サブピクセルの階調値として含む補正後の画像信号を出力する
ことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記複数の表示方向は、3以上の表示方向であり、
前記補正部は、前記複数の表示方向のうち前記欠陥サブピクセルの本来の表示方向とは異なる2以上の他の表示方向の各々について、前記他の表示方向を本来の表示方向とするサブピクセルの階調値に基づき、前記欠陥サブピクセルに対応する、前記他の表示方向に表示される画像の階調値を補正値として求め、前記画像信号に含まれる前記欠陥サブピクセルの階調値および前記他の表示方向毎に求めた補正値のうち最も小さい値を前記欠陥サブピクセルの階調値として含む補正後の画像信号を出力する
ことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記補正部は、前記欠陥サブピクセルが前記視差光学素子の欠陥により表示される表示方向である1以上の欠陥表示方向のいずれかが、前記互いに異なる複数の表示方向のうち予め決められた優先すべき表示方向である場合、前記優先すべき表示方向について前記補正値を求め、前記小さい値の代わりに、前記優先すべき表示方向について求めた補正値を前記欠陥サブピクセルの階調値として含む補正後の画像信号を出力する
ことを特徴とする請求項1または2に記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記補正部は、前記複数の表示方向のうち前記欠陥サブピクセルの本来の表示方向とは異なる1以上の他の表示方向のいずれかが、前記互いに異なる複数の表示方向のうち予め決められた優先すべき表示方向である場合、前記優先すべき表示方向について前記補正値を求め、前記小さい値の代わりに、前記優先すべき表示方向について求めた補正値を前記欠陥サブピクセルの階調値として含む補正後の画像信号を出力する
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記補正部は、前記欠陥サブピクセルの本来の表示方向が、前記互いに異なる複数の表示方向のうち予め決められた優先すべき表示方向である場合、前記小さい値の代わりに、前記画像信号に含まれる前記欠陥サブピクセルの階調値を含む補正後の画像信号を出力する
ことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の画像処理装置。
【請求項7】
前記補正部は、前記欠陥サブピクセルの本来の表示方向とは異なる他の表示方向を本来の表示方向とするサブピクセルの階調値のうち、前記欠陥サブピクセルの周辺に位置し、前記欠陥サブピクセルと同色のサブピクセルの階調値に基づき、前記補正値を求める
ことを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の画像処理装置。
【請求項8】
前記補正部は、前記補正値を求めて前記小さい値を前記欠陥サブピクセルの階調値として含む補正後の画像信号を出力する代わりに、黒に相当する階調値を前記欠陥サブピクセルの階調値として含む補正後の画像信号を出力する
ことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項9】
請求項1から8のいずれか1項に記載の画像処理装置と、
前記補正部が出力した補正後の画像信号に基づき、前記互いに異なる複数の表示方向にそれぞれ異なる前記複数の画像を表示する前記表示部と
を備えることを特徴とする画像表示装置。
【請求項10】
互いに異なる複数の表示方向にそれぞれ異なる複数の画像を表示する表示部であって、2以上の色の各々に対応する2以上のサブピクセルを含む複数の画素と、前記各サブピクセルの光を前記複数の表示方向のうちサブピクセル毎に予め決められた表示方向に向ける視差光学素子とを有し、前記各表示方向に表示される各サブピクセルが混在する表示部の各サブピクセルに対応する階調値を含む画像信号を受け付ける画像入力ステップと、
前記各サブピクセルのうち、前記視差光学素子の欠陥により本来の表示方向以外の表示方向にも表示されるサブピクセルである欠陥サブピクセルを示す欠陥情報を記憶する欠陥情報記憶ステップと、
前記画像信号のうち、前記欠陥情報が示す欠陥サブピクセルの本来の表示方向とは異なる他の表示方向を本来の表示方向とするサブピクセルの階調値に基づき、前記欠陥サブピクセルに対応する、前記他の表示方向に表示される画像の階調値を補正値として求め、前記画像信号に含まれる前記欠陥サブピクセルの階調値および前記補正値のうち小さい値を前記欠陥サブピクセルの階調値として含む補正後の画像信号を出力する補正ステップと
を含むことを特徴とする画像処理方法。
【請求項11】
互いに異なる複数の表示方向にそれぞれ異なる複数の画像を表示する表示部であって、2以上の色の各々に対応する2以上のサブピクセルを含む複数の画素と、前記各サブピクセルの光を前記複数の表示方向のうちサブピクセル毎に予め決められた表示方向に向ける視差光学素子とを有し、前記各表示方向に表示される各サブピクセルが混在する表示部の各サブピクセルに対応する階調値を含む画像信号を受け付ける画像入力ステップと、
前記各サブピクセルのうち、前記視差光学素子の欠陥により本来の表示方向以外の表示方向にも表示されるサブピクセルである欠陥サブピクセルを示す欠陥情報を記憶する欠陥情報記憶ステップと、
前記画像信号のうち、前記欠陥情報が示す欠陥サブピクセルの本来の表示方向とは異なる他の表示方向を本来の表示方向とするサブピクセルの階調値に基づき、前記欠陥サブピクセルに対応する、前記他の表示方向に表示される画像の階調値を補正値として求め、前記画像信号に含まれる前記欠陥サブピクセルの階調値および前記補正値のうち小さい値を前記欠陥サブピクセルの階調値として含む補正後の画像信号を出力する補正ステップと
をコンピュータに実行させることを特徴とする画像処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理装置、方法、及びプログラム、並びに画像表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶表示装置等のフラットパネルディスプレイでは、表示解像度の向上、またピクセル密度の向上が続いている。こうしたディスプレイパネルの課題として、歩留まりの向上が挙げられる。完璧なパネルを製造することは極めて困難であり、画素欠陥として、常時白表示または常時赤、緑、もしくは青表示となる輝点や、常時黒表示となる暗点(黒点)などが生じてしまう。通常、ディスプレイパネル上のいくつかの画素欠陥は許容されるものの、視聴者にとっては画素欠陥の無いディスプレイパネルが望まれる。
【0003】
こうした画素欠陥を視認されにくくする技術が開発されている。特許文献1には、カラー液晶パネルにおいて、欠陥のあるカラーフィルタの絵素を駆動する駆動素子に入力される電気信号を補正することで、カラーフィルタの欠陥による白輝点欠陥を抑制する技術が開示されている。また、特許文献2には、画素欠陥のある画素の周囲の画素上に表示される画像を変更することで、画素欠陥を目立たなくする技術が開示されている。
【0004】
一方で、液晶表示装置と、光遮蔽バリアである視差バリア、あるいはレンチキュラスクリーン等の視差光学素子とを用いることで、同一表示画面において、視方向により異なる画像を認識できるようにする技術が開発されている(特許文献3および特許文献4参照)。この技術を用いることで、運転席側にはナビゲーション画像を、助手席側にはテレビジョン画像などを同時に表示できる2画面表示ディスプレイや、視差をつけた画像を特殊な眼鏡を用いずに左右の目それぞれに表示する裸眼立体視ディスプレイなどが実用化されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平1−154196号公報
【特許文献2】特開2006−309244号公報
【特許文献3】特許第4530267号明細書
【特許文献4】特許第4367775号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記のような複数の画像を互いに異なる表示方向に表示する表示装置では、視差バリア等の光学系の欠陥により、あるサブピクセルが本来の表示方向以外の他の表示方向からも視認可能となり、視認性や表示品位が低下する場合がある。
【0007】
そこで、本発明は、複数の画像を互いに異なる表示方向に表示する表示部における光学系の欠陥を視認されにくくすることができる画像処理装置、方法、及びプログラム、並びに画像表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の画像処理装置は、
互いに異なる複数の表示方向にそれぞれ異なる複数の画像を表示する表示部であって、2以上の色の各々に対応する2以上のサブピクセルを含む複数の画素と、前記各サブピクセルの光を前記複数の表示方向のうちサブピクセル毎に予め決められた表示方向に向ける視差光学素子とを有し、前記各表示方向に表示される各サブピクセルが混在する表示部の各サブピクセルに対応する階調値を含む画像信号を受け付ける画像入力部と、
前記各サブピクセルのうち、前記視差光学素子の欠陥により本来の表示方向以外の表示方向にも表示されるサブピクセルである欠陥サブピクセルを示す欠陥情報を記憶する欠陥情報記憶部と、
前記画像信号のうち、前記欠陥情報が示す欠陥サブピクセルの本来の表示方向とは異なる他の表示方向を本来の表示方向とするサブピクセルの階調値に基づき、前記欠陥サブピクセルに対応する、前記他の表示方向に表示される画像の階調値を補正値として求め、前記画像信号に含まれる前記欠陥サブピクセルの階調値および前記補正値のうち小さい値を前記欠陥サブピクセルの階調値として含む補正後の画像信号を出力する補正部と
を備えることを特徴とする。
【0009】
本発明の画像表示装置は、
上記の画像処理装置と、
前記補正部が出力した補正後の画像信号に基づき、前記互いに異なる複数の表示方向にそれぞれ異なる前記複数の画像を表示する前記表示部
を備えることを特徴とする。
【0010】
本発明の画像処理方法は、
互いに異なる複数の表示方向にそれぞれ異なる複数の画像を表示する表示部であって、2以上の色の各々に対応する2以上のサブピクセルを含む複数の画素と、前記各サブピクセルの光を前記複数の表示方向のうちサブピクセル毎に予め決められた表示方向に向ける視差光学素子とを有し、前記各表示方向に表示される各サブピクセルが混在する表示部の各サブピクセルに対応する階調値を含む画像信号を受け付ける画像入力ステップと、
前記各サブピクセルのうち、前記視差光学素子の欠陥により本来の表示方向以外の表示方向にも表示されるサブピクセルである欠陥サブピクセルを示す欠陥情報を記憶する欠陥情報記憶ステップと、
前記画像信号のうち、前記欠陥情報が示す欠陥サブピクセルの本来の表示方向とは異なる他の表示方向を本来の表示方向とするサブピクセルの階調値に基づき、前記欠陥サブピクセルに対応する、前記他の表示方向に表示される画像の階調値を補正値として求め、前記画像信号に含まれる前記欠陥サブピクセルの階調値および前記補正値のうち小さい値を前記欠陥サブピクセルの階調値として含む補正後の画像信号を出力する補正ステップと
を含むことを特徴とする。
【0011】
本発明の画像処理プログラムは、
互いに異なる複数の表示方向にそれぞれ異なる複数の画像を表示する表示部であって、2以上の色の各々に対応する2以上のサブピクセルを含む複数の画素と、前記各サブピクセルの光を前記複数の表示方向のうちサブピクセル毎に予め決められた表示方向に向ける視差光学素子とを有し、前記各表示方向に表示される各サブピクセルが混在する表示部の各サブピクセルに対応する階調値を含む画像信号を受け付ける画像入力ステップと、
前記各サブピクセルのうち、前記視差光学素子の欠陥により本来の表示方向以外の表示方向にも表示されるサブピクセルである欠陥サブピクセルを示す欠陥情報を記憶する欠陥情報記憶ステップと、
前記画像信号のうち、前記欠陥情報が示す欠陥サブピクセルの本来の表示方向とは異なる他の表示方向を本来の表示方向とするサブピクセルの階調値に基づき、前記欠陥サブピクセルに対応する、前記他の表示方向に表示される画像の階調値を補正値として求め、前記画像信号に含まれる前記欠陥サブピクセルの階調値および前記補正値のうち小さい値を前記欠陥サブピクセルの階調値として含む補正後の画像信号を出力する補正ステップと
をコンピュータに実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、複数の画像を互いに異なる表示方向に表示する表示部における光学系の欠陥を視認されにくくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】実施の形態1の画像表示装置の構成を概略的に示すブロック図である。
図2】表示部の構成の一例を示す概略平面図である。
図3】2画面表示装置における画像信号のサブピクセル配列の一例を示す図である。
図4図2の表示部において視差バリアに欠陥がある場合の一例を示す図である。
図5】実施の形態1における補正部の構成を示すブロック図である。
図6】実施の形態1における補正部の動作を示すフローチャートである。
図7】補正部の処理の具体例を説明するための図である。
図8】実施の形態2における補正部の構成を示すブロック図である。
図9】実施の形態2における補正部の動作を示すフローチャートである。
図10】実施の形態3における補正部の構成を示すブロック図である。
図11】実施の形態3における補正部の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態を図面に従って説明する。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1の画像表示装置100の構成を概略的に示すブロック図である。この画像表示装置100は、同一の表示画面において複数(本例では2つ)の画像(または映像)をそれぞれ異なる方向に表示する装置である。例えば、画像表示装置100は、複数の方向の視聴者にそれぞれ異なる画像を表示する方向別画像表示装置や、視差をつけた画像を左右の目それぞれに表示する立体画像表示装置である。
【0015】
図1において、画像表示装置100は、画像入力部1、欠陥情報記憶部2、補正部3、タイミング信号生成部4、および表示部5を備えている。
【0016】
画像入力部1は、画像信号(または画像データ)Gの入力を受け付け、例えば入力端子である。画像信号Gは、互いに異なる第1および第2の画像が合成された画像の各サブピクセルの階調値を表す信号である。ここでは、画像信号Gは、各サブピクセルの階調値と同期信号とからなるデジタル信号である。画像信号Gは、例えばカーナビゲーション機能とDVD再生機能を含むヘッドユニット装置が、カーナビゲーション画像とDVD再生画像を合成して出力した信号である。
【0017】
欠陥情報記憶部2は、表示部5の光学系の欠陥に関する情報である欠陥情報を記憶するものであり、例えば不揮発性のメモリである。欠陥情報記憶部2は、欠陥情報を補正部3に送る。なお、欠陥情報については、後に詳しく説明する。
【0018】
補正部3は、欠陥情報記憶部2に記憶されている欠陥情報に基づき、画像入力部1に入力された画像信号Gに対し、表示部5の光学系の欠陥を視認されにくくするための補正を行う。この補正については、後に詳しく説明する。
【0019】
タイミング信号生成部4は、スタートパルスや有効期間信号、極性信号など、表示部5に画像信号を表示するための信号を生成し、該信号を補正部3から出力される補正後の画像信号とともに表示部5に供給する。
【0020】
表示部5は、タイミング信号生成部4により生成された信号に基づき、補正後の画像信号を表示する。具体的には、表示部5は、補正後の画像信号に基づき、複数の画像(本例では第1および第2の画像)をそれぞれ異なる表示方向(本例では第1および第2の表示方向)に表示する。
【0021】
以下、表示部5および画像信号Gについて詳しく説明する。
表示部5は、互いに異なる第1および第2の表示方向にそれぞれ画像を表示するものであり、それぞれ1以上のサブピクセルを含む複数の画素が配列された構造を有し、第1の表示方向に表示されるサブピクセルと第2の表示方向に表示されるサブピクセルとが交互に配列されるように構成されている。
【0022】
画像信号Gは、互いに異なる表示方向に表示される第1および第2の画像が合成された画像であって、それぞれ1以上のサブピクセルを含む複数の画素が配列され、第1の画像を構成するサブピクセルと第2の画像を構成するサブピクセルとが交互に配列された画像の各サブピクセルの階調値を表す信号である。画像信号Gは、表示部5の各サブピクセルに対応する階調値を表す信号とも言える。
【0023】
表示部5の各サブピクセルは、該サブピクセルに対応する画像信号のサブピクセルの階調値に基づき、該階調値に応じた階調レベルの光を表示する。より詳しくは、表示部5の第1の表示方向に表示されるサブピクセルは、該サブピクセルに対応する画像信号Gの第1の画像を構成するサブピクセルの階調値に基づき、該階調値に応じた階調レベルの光を第1の表示方向に表示する。表示部5の第2の表示方向に表示されるサブピクセルは、該サブピクセルに対応する画像信号Gの第2の画像を構成するサブピクセルの階調値に基づき、該階調値に応じた階調レベルの光を第2の表示方向に表示する。これにより、第1の画像が第1の表示方向に表示され、第2の画像が第2の表示方向に表示される。
【0024】
一つの態様では、表示部5および画像信号Gについて、1画素は、赤色(R:Red)、緑色(G:Green)、青色(B:Blue)の3つのサブピクセルで構成される。また、複数の画素は、互いに異なる2つの方向(例えば横方向および縦方向)に二次元に配列される。そして、第1の画像を構成するサブピクセルと第2の画像を構成するサブピクセルとは、互いに異なる2つの方向について1サブピクセル毎に交互に配列される。
【0025】
具体的には、表示部5は、複数の画像が合成された画像である合成画像を表示する表示パネルと、該表示パネルに表示された合成画像を複数の画像に分離する光学系とを有する。表示パネルは、複数のサブピクセルが配列された構造を有し、光学系は、表示パネルの各サブピクセルの光をそれぞれの表示方向に向ける構造を有する。
【0026】
図2は、表示部5の構成の一例を示す概略平面図である。図2において、表示部5は、液晶表示装置と市松状(チェッカーボード状とも言う)の視差バリアとを備える構造を有し、2画面表示可能なものである。具体的には、表示部5は、バックライト21と、上記表示パネルとしての液晶パネル22と、上記光学系としての視差バリア23とを有する。液晶パネル22では、R、G、Bの3色のサブピクセルの集まりが1画素を構成しており、複数の画素が順に配列されている。視差バリア23は、液晶パネル22に向かって左側の視聴者24に表示されるサブピクセルと、液晶パネル22に向かって右側の視聴者25に表示されるサブピクセルとが、1サブピクセル毎に交互に配列されるように、各サブピクセルの光を遮蔽する。例えばB色のサブピクセル27は右側の視聴者25からは見ることができるが、視差バリア23に含まれる遮光部26によって左側の視聴者24の方向には遮蔽される。したがって、左側の視聴者24の方向から表示部5を見ると、液晶パネル22は視差バリア23によって1サブピクセル毎に遮蔽されており、液晶パネル22の正味半分の左側画像用の領域が視認可能である。一方、右側の視聴者25の方向から表示部5を見ると、視聴者24の方向へは遮蔽されていたサブピクセルが視認可能であり、視聴者24には視認可能なサブピクセルが遮蔽されており、液晶パネル22の正味半分の右側画像用の領域が視認可能である。
【0027】
なお、図2では複数のサブピクセルが横方向に配列された様子が示されているが、複数のサブピクセルは横方向および縦方向に二次元に配列される。また、視差バリア23は、横方向および縦方向について、左側の視聴者24に表示されるサブピクセルと右側の視聴者25に表示されるサブピクセルとが1サブピクセル毎に交互に配列されるように、市松状の構造を有する。
【0028】
図3は、画像信号Gのサブピクセル配列の一例を示す図である。この画像信号Gのサブピクセル配列は、図2の表示部5に対応するものであり、2つの画像がサブピクセル単位で市松状に合成された構造を有する。図3において、各マス目はサブピクセルを表す。各サブピクセルのマス目の1行目は該サブピクセルが構成する画像(または該サブピクセルが表示される表示方向または視方向)を示し、“L”は左側の視聴者に表示されるべき左側画像(または左方向)、“R”は右側の視聴者に表示されるべき右側画像(または右方向)を意味する。また、各サブピクセルのマス目の2行目は該サブピクセルが含まれる画素の座標を示し、各座標は横方向の座標値xおよび縦方向の座標値yを含む。また、各サブピクセルのマス目の3行目は該サブピクセルの色(R,G,B)を示す。
【0029】
図3では、R、G、Bの3色のサブピクセルの集まりが1画素を構成しており、複数のサブピクセルが横方向および縦方向に二次元に配列されている。また、左側画像を構成するサブピクセルと、右側画像を構成するサブピクセルとが、横方向および縦方向について、1サブピクセル毎に交互に配列されている。
【0030】
このような画像信号Gは、例えば、図3に示されるように、左側画像の元の画像信号GLおよび右側画像の元の画像信号GRのサブピクセルの階調値をそれぞれ市松状に取捨選択して合成することにより得られる。具体的には、偶数ライン(座標値yが偶数のライン)については、左側画像のR、右側画像のG、左側画像のB、右側画像のR、・・・という並びで、奇数ライン(座標値yが奇数のライン)については、右側画像のR、左側画像のG、右側画像のB、左側画像のR、・・・という並びで、2つの画像信号GL,GRのサブピクセルの階調値を合成することにより得られる。
【0031】
図4は、図2の表示部5において視差バリア23に欠陥がある場合の一例を示す図である。以下、図4を参照して、表示部5で画像信号Gを表示するにあたり、視差バリア23の欠陥(以下、「バリア欠陥」と称す)箇所におけるサブピクセルの見え方の一例を説明する。図4において、視差バリア23のうちB色のサブピクセル32に対応する遮光部31には、右側が欠けている欠陥がある。このバリア欠陥の影響により、B色のサブピクセル32は、本来の方向である右側の視聴者25だけでなく、本来遮蔽すべき方向である左側の視聴者24からも見えてしまう。画像信号Gにおいて、B色のサブピクセル32は、右側画像のサブピクセルであるため、左側の視聴者24にとっては、自身が見る左側画像の中にバリア欠陥があるB色のサブピクセル32から右側画像が見えることとなる。一方、右側の視聴者25から見える画像には問題は生じない。
【0032】
このようにバリア欠陥が生じると、バリア欠陥に対応するサブピクセルが本来の表示方向以外の他の表示方向にも表示され、該他の表示方向から見た場合に、本来の画像に、バリア欠陥により遮蔽できなかったサブピクセルが混ざって見えるという問題が生じる。例えば、図4に示したバリア欠陥において、バリア欠陥周辺の左側画像が暗いグレーで、右側画像が明るい青だった場合、左側の視聴者24はグレーの中に青い輝点を見ることになる。
【0033】
一方で、右側画像が黒であった場合には、左側の視聴者24がバリア欠陥を認識することは無い。これは、視差バリア23の遮光部31に欠陥が無かった時にはB色のサブピクセル32は左側の視聴者24には遮蔽されており、サブピクセル32の部分が黒く見えることは正常であるためである。また、バリア欠陥周辺の左側画像と右側画像とが同じ画像であった場合も、遮蔽できなかった右側画像のサブピクセル32が本来の左側画像と違和感なく混ざり合い、左側の視聴者24はほぼバリア欠陥を認識できない。このようなことから、バリア欠陥のあるサブピクセルの階調値を、該サブピクセル自身の階調値またはバリア欠陥の影響が及ぶ方向に表示されるサブピクセルの階調値に依存した階調値に補正することで、バリア欠陥を視認させにくくすることが可能であると考えられる。
【0034】
以下、欠陥情報記憶部2および補正部3について詳しく説明する。
欠陥情報記憶部2は、表示部5の光学系の欠陥に関する情報である欠陥情報を記憶する。欠陥情報は、光学系の欠陥により本来の表示方向以外の他の表示方向にも表示されてしまうサブピクセルを示す情報や、光学系の欠陥の位置を示す情報などを含む。また、欠陥情報は、例えば、あらかじめ表示部5の光学系の欠陥を調べることにより得られる情報である。本例では、欠陥情報記憶部2は、欠陥情報として、表示部5のバリア欠陥の位置を示す情報またはバリア欠陥により他の表示方向にも表示されてしまうサブピクセルを示す情報を記憶する。
【0035】
補正部3は、表示部5の光学系の欠陥に関する情報に基づき、画像信号Gのうち、上記光学系の欠陥により本来の表示方向以外の他の表示方向にも表示されてしまうサブピクセル(または光学系の欠陥の位置に表示されるサブピクセル)の階調値を補正する。本実施の形態では、補正部3は、光学系の欠陥により本来の表示方向以外の他の表示方向にも表示されてしまうサブピクセルの階調値を、該サブピクセルと同色の、上記他の表示方向に表示されるサブピクセル(すなわち上記他の表示方向を本来の表示方向とするサブピクセル)の階調値を用いて補正する。より具体的には、補正部3は、欠陥情報記憶部2に記憶されている欠陥情報に基づき、バリア欠陥による影響が視認されにくくなるように、バリア欠陥の位置に表示されるサブピクセルの階調値を、該バリア欠陥の影響が及ぶ表示方向に表示される、該サブピクセルと同色のサブピクセルの階調値を用いて補正する。
【0036】
図5は、補正部3の構成を示すブロック図である。以下、図5を参照して、補正部3の構成について説明する。
【0037】
図5に示されるように、補正部3には、画像信号Gが送られるとともに、欠陥情報記憶部2から欠陥情報が送られる。補正部3は、表示位置情報取得部51、欠陥サブピクセル判定部52、補正値算出部53、階調比較部54、および階調補正部55を有する。
【0038】
表示位置情報取得部51は、画像信号Gの各サブピクセルの階調値を補正対象のサブピクセルの階調値として順次受け取り、該補正対象のサブピクセルが表示される表示部5上の位置を示す表示位置情報を取得する。この表示位置情報は、サブピクセルの階調値が入力される度に水平方向および垂直方向のカウンタをカウントアップすることにより生成されても良いし、サブピクセルの階調値とともに入力される同期有効信号から座標位置カウンタにより作成されても良い。
【0039】
欠陥サブピクセル判定部52は、表示位置情報取得部51により取得された表示位置情報と、欠陥情報記憶部2からの欠陥情報に含まれるバリア欠陥の位置情報とから、補正対象のサブピクセルがバリア欠陥の位置に表示されるサブピクセルであるかを判断する。そして、バリア欠陥の位置に表示されるサブピクセルでないと判断された場合には、該補正対象のサブピクセルの階調値を、そのまま該補正対象のサブピクセルの補正後の階調値(すなわち補正後の画像信号における該補正対象のサブピクセルの階調値)として出力する。一方、バリア欠陥の位置に表示されるサブピクセルであると判断された場合には、該補正対象のサブピクセルおよびその周辺のサブピクセルの階調値を補正値算出部53に送る。
【0040】
補正値算出部53は、欠陥サブピクセル判定部52から上記補正対象のサブピクセルおよびその周辺のサブピクセルの階調値を受けると、補正対象のサブピクセルの周辺にある、バリア欠陥の影響で該補正対象のサブピクセルが見えてしまう表示方向(すなわちバリア欠陥の影響が及ぶ表示方向)に表示される、該補正対象のサブピクセルと同色の1以上のサブピクセルの階調値に基づき、補正値を算出する。補正値の算出方法としては様々な方法があるが、簡単な方法として、補正対象のサブピクセルの周辺にある複数のサブピクセルの階調値の平均値を補正値として求める方法が挙げられる。また例えば、補正値算出部53は、エッジ方向検出などの処理を行い、その処理結果を用いて補正値を求めても良い。
【0041】
階調比較部54は、補正対象のサブピクセルの階調値と、補正値算出部53で得られた補正値とを比較する。そして、補正対象のサブピクセルの階調値が補正値よりも大きい場合、該補正値を階調補正部55に送る。これは、補正対象のサブピクセルの階調値が補正値よりも大きい場合、該サブピクセルの階調値を補正せずにそのままとすると、バリア欠陥の影響が及ぶ方向から見たとき、該サブピクセルが輝点として視認される場合があるからである。一方、補正対象のサブピクセルの階調値が補正値よりも小さい場合には、補正対象のサブピクセルの階調値を、該補正対象のサブピクセルの補正後の階調値(すなわち補正後の画像信号における補正対象のサブピクセルの階調値)として出力する。これは、補正対象のサブピクセルの階調値が補正値よりも小さい場合、該サブピクセルの階調値を補正値に補正すると、該サブピクセルの本来の表示方向から見たとき、該サブピクセルが輝点として視認される場合があるからである。なお、補正対象のサブピクセルの階調値と、補正値算出部53で得られた補正値とが同じである場合には、階調比較部54は、補正対象のサブピクセルの階調値を該補正対象のサブピクセルの補正後の階調値として出力するか、または、補正値を階調補正部55に送る。
【0042】
階調補正部55は、階調比較部54から補正値を受けると、該補正値を補正対象のサブピクセルの補正後の階調値(すなわち補正後の画像信号における補正対象のサブピクセルの階調値)として出力する。
【0043】
図6は、補正部3の処理を示すフローチャートである。以下、図6を参照して、補正部3の動作について説明する。なお、図6の処理は、画像信号Gの各サブピクセルの階調値に対して行われる。
【0044】
補正部3は、補正対象のサブピクセルの階調値を取得すると、該サブピクセルが表示部5上のどの位置に表示されるかを示す表示位置情報を取得する(S61)。
【0045】
次に、補正部3は、ステップS61で取得された表示位置情報と、欠陥情報に含まれるバリア欠陥の位置情報とに基づき、補正対象のサブピクセルがバリア欠陥の位置に表示されるサブピクセルであるか否かを判断する(S62)。
【0046】
補正対象のサブピクセルがバリア欠陥の位置に表示されるサブピクセルでないと判断された場合(S62:NO)、補正部3は、補正対象のサブピクセルの階調値を補正せずにそのまま出力し(S66)、処理を終了させる。
【0047】
一方、補正対象のサブピクセルがバリア欠陥の位置に表示されるサブピクセルであると判断された場合(S62:YES)、補正部3は、補正対象のサブピクセルの周辺にある、バリア欠陥により該サブピクセルが視認可能となる表示方向に表示される、該サブピクセルと同色のサブピクセルの階調値から補正値を算出し(S63)、ステップS64に進む。
【0048】
ステップS64では、補正部3は、補正対象のサブピクセルの階調値が、ステップS63で算出された補正値よりも大きいか否かを判断する。
【0049】
補正対象のサブピクセルの階調値が補正値以下であると判断された場合(S64:NO)、補正部3は、補正対象のサブピクセルの階調値を補正せずにそのまま出力し(S66)、処理を終了させる。
【0050】
一方、補正対象のサブピクセルの階調値が補正値よりも大きいと判断された場合(S64:YES)、補正部3は、補正対象のサブピクセルの階調値を補正値に置き換え、出力する(S65)。
【0051】
図7は、補正部3の処理の具体例を説明するための図である。以下、図7を参照して、補正部3の処理の具体例を示す。ここでは、座標(x,y)の画素に含まれる右側画像のG色のサブピクセルについてバリア欠陥が生じ、該G色のサブピクセルが左方向にも視認可能となっているものとする。欠陥情報記憶部2には、該G色のサブピクセルを示す欠陥情報が記憶されているものとする。図7には、画像信号Gのうち、バリア欠陥位置にあるサブピクセル70を含む座標(x,y)の画素と、その周辺の8個の画素とが示されている。なお、図7中の表記については、図3と同じであるため説明を省略する。
【0052】
欠陥サブピクセル判定部52は、欠陥情報記憶部2の欠陥情報に基づき、補正対象のサブピクセルが座標(x,y)のG色のサブピクセル70である場合、該サブピクセル70が属する画素およびその周辺画素に含まれる複数のサブピクセルの階調値(具体的には、図7に示される9個の画素中の27個のサブピクセルの階調値)を補正値算出部53に送る。
【0053】
座標(x,y)のG色のサブピクセル70は、バリア欠陥により、本来の表示方向である右方向だけでなく、左方向にも見えてしまう状況となっている。しかし、該サブピクセル70の位置に左側画像として表示すべき階調値は、画像信号Gには含まれていない。そこで、補正値算出部53は、該サブピクセル70の周辺にある、左方向(すなわちバリア欠陥の影響を受ける表示方向)に表示される、該サブピクセル70と同色のサブピクセルの階調値から、該サブピクセル70において左側画像として表示すべき階調値を補正値として求める。図7において、サブピクセル70の周辺で左側画像を表示するサブピクセル70と同色(すなわちG色)のサブピクセルとして、上方向には座標(x,y−1)の画素中のサブピクセル71があり、左方向には座標(x−1,y)の画素中のサブピクセル72があり、右方向には座標(x+1,y)の画素中のサブピクセル73があり、下方向には座標(x,y+1)の画素中のサブピクセル74がある。例えば、補正値算出部53は、これら4つのサブピクセル71〜74の平均値を補正値として求める。ただし、平均値を求める範囲は上記の範囲に限られず、平均値の算出に用いられるサブピクセルは上記4つのサブピクセルに限られない。例えば、補正値算出部53は、上記4つのサブピクセルのうち同一ライン上にある2つのサブピクセルのみを使っても良いし、さらに周辺のサブピクセルを使っても良い。
【0054】
階調比較部54は、サブピクセル70の階調値と、上記算出された補正値とを比較し、階調値が補正値以下である場合には、該階調値をそのままサブピクセル70の補正後の階調値として出力し、階調値が補正値よりも大きい場合には、該補正値を階調補正部55に送る。階調補正部55は、階調比較部54からの補正値を、サブピクセル70の補正後の階調値として出力する。
【0055】
仮に、上記階調比較部54での処理を行わず、補正対象のサブピクセルの階調値を補正値算出部53で求められた補正値にすべて置き換えてしまうと、補正対象のサブピクセルの本来の表示方向において問題が発生する場合がある。具体的には、補正対象のサブピクセルの階調値が補正値よりも小さい場合に、補正対象のサブピクセルの階調値を補正値に置き換えると、補正対象のサブピクセルの本来の表示方向において輝点が発生してしまう。例えば、階調値および補正値がいずれも8ビットで0〜255の値をとるものとした場合において、図7のサブピクセル70の階調値が0(黒)であり、求めた補正値が250であったとき、サブピクセル70の階調値を補正値である250に置き換えてしまうと、サブピクセル70の本来の表示方向である右方向においてG色の輝点が発生してしまい、右側の視聴者に輝点が視認されてしまう恐れがある。この場合、そもそもの階調値0を表示するのが、右方向および左方向の双方にとって望ましい。このようなことから、補正部3は、元々の階調値と補正値とを比較して、小さい方(暗い方)を補正対象のサブピクセルの階調値として選択する。これにより、バリア欠陥のあるサブピクセルの本来の表示方向およびバリア欠陥による影響が及ぶ表示方向の両方において、輝点の発生を防ぐことが可能となる。
【0056】
なお、上記の説明では、2つの画像をそれぞれ異なる表示方向に表示する構成を例示したが、画像表示装置100は、3つ以上の画像をそれぞれ異なる表示方向に表示するものであってもよい。この場合、バリア欠陥の影響が複数の表示方向に及ぶ場合がある。例えば、第1〜第3の表示方向にそれぞれ第1〜第3の画像を表示する構成では、第1の表示方向に表示されるべき第1の画像のサブピクセルについてバリア欠陥がある場合、該バリア欠陥の影響は、第2および第3の2つの表示方向に及ぶ場合がある。また、該バリア欠陥の影響は、第2の表示方向のみに及ぶ場合や、第3の表示方向のみに及ぶ場合もある。そこで、一つの態様では、バリア欠陥により本来の表示方向以外の他の表示方向にも表示されるサブピクセルが存在する場合、欠陥情報記憶部2は、欠陥情報として、該サブピクセルを示す情報やバリア欠陥の位置を示す情報に加えて、上記他の表示方向(すなわちバリア欠陥の影響が及ぶ表示方向)を示す情報を記憶する。欠陥情報記憶部2は、バリア欠陥毎またはバリア欠陥に対応するサブピクセル毎に、上記のような情報を記憶する。補正値算出部53は、補正対象のサブピクセルについて補正値を求める場合、欠陥情報記憶部2の欠陥情報に基づき、バリア欠陥の影響が及ぶ表示方向それぞれについて補正値を求める。そして、階調比較部54は、バリア欠陥の影響が及ぶ表示方向それぞれについて、補正対象のサブピクセルの階調値と補正値との比較を行い、階調値が補正値よりも大きい表示方向が複数あった場合、最も小さい補正値を選択し、階調値が補正値よりも大きい表示方向が1つだけあった場合、該表示方向の補正値を選択し、階調値が補正値よりも大きい表示方向がなかった場合、補正対象のサブピクセルの階調値を選択する。すなわち、補正部3は、補正対象のサブピクセルの階調値および1以上の補正値のうち、最も小さい値を該補正対象のサブピクセルの補正後の階調値として出力する。これにより、すべての表示方向において輝点の発生を防ぐことが可能になる。
【0057】
また、バリア欠陥の程度により、バリア欠陥の影響が及ぶ表示方向における、バリア欠陥の影響の程度が変わる場合がある。例えば、バリア欠陥の大きさにより、バリア欠陥の影響が及ぶ表示方向においてサブピクセルの見える程度が変わる場合がある。そこで、補正値は、バリア欠陥の程度により係数を掛けるなどして調整されても良い。一つの態様では、欠陥情報記憶部2は、欠陥情報として、バリア欠陥の影響が及ぶ表示方向それぞれについて、バリア欠陥の程度またはバリア欠陥の影響の程度(例えば、バリア欠陥位置に表示されるサブピクセルが見えてしまう程度)を示す情報を記憶する。そして、補正値算出部53は、欠陥情報に含まれる上記程度を示す情報に基づき、補正値を算出(または調整)する。例えば、補正値算出部53は、補正対象のサブピクセルの周辺のサブピクセルの階調値を用いて補正値(例えば平均値)を算出し、該補正値に対してバリア欠陥の程度に応じた係数を掛けることにより、最終的な補正値を算出する。上記の係数としては、例えば、バリア欠陥位置に表示されるサブピクセルの全体に対するバリア欠陥により見えてしまう範囲の割合の逆数がある。
【0058】
また、補正対象のサブピクセルの階調値と補正値との差が十分小さい場合には、補正を行わなくともバリア欠陥による影響がそもそも視認されにくいことから、補正が行われなくても良い。そこで、階調比較部54での比較処理には、マージンが設けられても良い。例えば、階調比較部54は、補正対象のサブピクセルの階調値と補正値との差が所定の閾値未満である場合には、該サブピクセルの階調値と補正値との大小関係に関わらず、該補正対象のサブピクセルの階調値をそのまま補正後の階調値として出力しても良い。上記所定の閾値は、例えば、補正対象のサブピクセルの階調値が大きくなるほど大きい値となるように設定される。これは、人間の視覚特性として、暗い画像の時の方が微妙な輝度の変化を捉えやすいという特性があるためである。
【0059】
また、上記の説明では、第1の画像を構成するサブピクセルと第2の画像を構成するサブピクセルとが、横方向および縦方向について1サブピクセル毎に交互に配列されるパターンを例示したが、第1の画像を構成するサブピクセルと第2の画像を構成するサブピクセルとは、他のパターンで交互に配列されてもよい。例えば、横方向および縦方向のうちの一方向について第1の画像を構成するサブピクセルと第2の画像を構成するサブピクセルとが1サブピクセル毎に交互に配列され、他方向については同一の画像を構成するサブピクセルだけが配列されてもよい。すなわち、画像信号Gのサブピクセル配列や表示部5の視差バリア構造は、市松状に限られず、ストライプ状など別のパターンであってもよい。また、1サブピクセル毎に交互に配列されるパターンに限られず、例えば、2個のサブピクセルずつ交互に配列されてもよいし、第1の画像を構成するサブピクセル3個と、第2の画像を構成するサブピクセル1個とが交互に配列されてもよい。
【0060】
また、上記の説明では、1画素がRGBの3色のサブピクセルで構成される場合を例示したが、1色、2色、または4色以上のサブピクセルで1画素が構成されてもよい。例えば、RGBに黄色(Y:Yellow)を加えた4色のサブピクセルで1画素が構成されてもよい。この場合、第1および第2の画像を構成するRGBYのサブピクセルは、例えば下記パターン1や2のように配列される。
(パターン1)
サブピクセルの色 :RGBYGRYBRGBYGRYB
サブピクセルが構成する画像:1212121212121212
(パターン2)
サブピクセルの色 :RGBYRGBYRGBYRGBY
サブピクセルが構成する画像:1212212112122121
【0061】
また、上記の説明では、表示パネルとして液晶パネルを持つ表示部を例示したが、本実施の形態の補正処理は、有機EL(エレクトロルミネッセンス)パネルやプラズマディスプレイパネルなどの他の種類の表示パネルを持つ表示部にも適用可能である。
【0062】
また、上記の説明では、光学系として視差バリア構造を持つ表示部を例示したが、本実施の形態の補正処理は、合成画像を複数の画像に分離するための他の種類の光学系を持つ表示部にも適用可能である。
【0063】
以上説明した本実施の形態1によれば、下記(1)〜(3)の効果が得られ得る。
(1)本実施の形態では、画像処理装置は、互いに異なる表示方向に表示される複数の画像が合成された画像であって、それぞれ1以上のサブピクセルを含む複数の画素が配列され、上記互いに異なる表示方向に表示されるサブピクセルが交互に配列された画像の各サブピクセルの階調値を表す画像信号を受け付け、上記複数の画像を上記互いに異なる表示方向に表示する表示部における光学系の欠陥に関する情報に基づき、上記画像信号のうち、上記光学系の欠陥により本来の表示方向以外の他の表示方向にも表示されてしまうサブピクセルの階調値を補正する。このため、本実施の形態によれば、複数の画像を互いに異なる表示方向に表示する表示部における光学系の欠陥を視認されにくくすることができる。これにより、光学系の欠陥による視認性や表示品位の低下を抑えることができる。また、表示部または画像表示装置の歩留まりを向上させることができる。
【0064】
例えば、同一表示画面において複数の画像を互いに異なる表示方向に表示する表示部を製造する場合、視差バリア等の視差光学素子は、液晶表示装置等のR、G、Bそれぞれのサブピクセル毎に配置される必要がある。液晶の画素と同様に、完璧な視差バリア等の視差光学素子を製造することは困難であり、歩留まりの向上が課題となる。視差バリア等の視差光学素子の欠陥が生じると、例えば、運転席側に表示すべきサブピクセルが助手席側に表示すべき画像に混ざって見えて視認性が低下してしまうという問題や、左目に表示すべきサブピクセルが右目に表示すべき画像に混ざって見えて立体視を阻害する要因になるという問題が発生する。本実施の形態によれば、視差バリア等の視差光学素子の欠陥を視認されにくくすることができ、これにより、上記の視認性に関する問題を抑制することができ、視差バリア構造等を持つ表示部の歩留まりを向上させることができる。
【0065】
(2)補正部は、光学系の欠陥により他の表示方向にも表示されてしまうサブピクセルの階調値を、該サブピクセルと同色の、上記他の表示方向に表示されるサブピクセルの階調値を用いて補正する。このため、上記他の表示方向(すなわち光学系の欠陥の影響が及ぶ表示方向)について、適切な階調値を得ることができ、例えば輝点の発生を防ぎ、欠陥を視認させにくくすることができる。
【0066】
(3)補正部は、光学系の欠陥により他の表示方向にも表示されてしまうサブピクセルについて、他の表示方向のそれぞれにつき、該サブピクセルと同色の、該他の表示方向に表示されるサブピクセルの階調値を用いて補正値を求め、該サブピクセルの階調値および1以上の補正値のうち、最も小さい値(最も暗い階調に対応する値)を該サブピクセルの補正後の階調値として出力する。このため、該サブピクセルの本来の表示方向に対する補正による悪影響を抑えながら、すべての表示方向について、輝点の発生を防ぎ、欠陥を視認されにくくすることができる。
【0067】
実施の形態2.
図8は、実施の形態2の画像表示装置に含まれる補正部80の構成を示すブロック図である。本実施の形態の画像表示装置は、上記実施の形態1のものと殆ど同じであるので、以下の説明では、実施の形態1と同様の部分については、同一の符号を用い、説明を省略または簡略化することとする。
【0068】
本実施の形態では、補正部80は、表示部5の光学系の欠陥により本来の表示方向以外の他の表示方向にも表示されてしまうサブピクセルの階調値を、該サブピクセルと同色の、上記他の表示方向のうち予め定められた優先すべき表示方向(以下、「優先方向」と称す)に表示されるサブピクセルの階調値を用いて補正する。具体的には、補正部80は、バリア欠陥の位置に表示されるサブピクセルの階調値を、該バリア欠陥の影響が及ぶ表示方向のうち優先方向に表示される、該サブピクセルと同色のサブピクセルの階調値を用いて補正する。
【0069】
図8に示されるように、補正部80には、画像信号Gおよび欠陥情報に加え、優先方向情報が入力される。優先方向情報は、優先方向、すなわち光学系の欠陥を優先して視認されにくくすべき表示方向を示す情報である。予め優先すべき方向が明確であるなどの場合には、優先方向情報は、固定の優先方向を示すものであっても良い。例えば、画像表示装置が運転席と助手席の方向にそれぞれ異なる画像を表示するものである場合、運転中の画面の視認性向上による安全性の向上を図る観点より、優先方向として運転席側の表示方向が設定される。ただし、優先方向情報は、可変であっても良く、例えば、レジスタに記憶され、ユーザが自由に変更できるものであっても良い。
【0070】
図8において、補正部80は、表示位置情報取得部51、欠陥サブピクセル判定部52、優先方向補正値算出部81、および階調補正部55を有する。
【0071】
表示位置情報取得部51は、実施の形態1と同様に、画像信号Gの各サブピクセルの階調値を補正対象のサブピクセルの階調値として順次受け取り、該補正対象のサブピクセルの表示位置を示す表示位置情報を取得する。
【0072】
欠陥サブピクセル判定部52は、実施の形態1と同様に、表示位置情報取得部51により取得された表示位置情報と欠陥情報とから、補正対象のサブピクセルがバリア欠陥の位置に表示されるサブピクセルであるかを判断する。そして、バリア欠陥の位置に表示されるサブピクセルでないと判断された場合には、該補正対象のサブピクセルの階調値をそのまま補正後の階調値として出力する。一方、バリア欠陥の位置に表示されるサブピクセルであると判断された場合には、該補正対象のサブピクセルおよびその周辺のサブピクセルの階調値(例えば補正対象のサブピクセルを含む画素およびその周辺画素中のサブピクセルの階調値)を優先方向補正値算出部81に送る。
【0073】
優先方向補正値算出部81には、欠陥サブピクセル判定部52からの上記補正対象のサブピクセルとその周辺のサブピクセルの階調値、および優先方向情報が入力される。優先方向補正値算出部81は、補正対象のサブピクセルの本来の表示方向が、優先方向情報により示される優先方向であるか否かを判断する。そして、補正対象のサブピクセルの本来の表示方向が優先方向であると判断された場合、優先方向から見て補正対象のサブピクセルにバリア欠陥による影響は無いことから、該補正対象のサブピクセルの階調値をそのまま補正後の階調値として出力する。一方、補正対象のサブピクセルの本来の表示方向が優先方向でないと判断された場合には、該サブピクセルの周辺にある、優先方向に表示される、該サブピクセルと同色のサブピクセルの階調値から補正値を算出し、該補正値を階調補正部55に送る。補正値は実施の形態1と同様の方法で求めることができ、例えば補正対象のサブピクセルの上下左右方向にある4つのサブピクセルの階調値の平均値を補正値として求めることができる。なお、上記の処理において、各サブピクセルの本来の表示方向は、該サブピクセルの表示位置から一意に求めることが可能である。例えば、図3のサブピクセル配列において、奇数ラインの奇数番目の画素中のR色のサブピクセルは、左側画像のサブピクセルであることから、該サブピクセルの本来の表示方向は左方向であることが分かる。
【0074】
階調補正部55は、優先方向補正値算出部81から補正値を受けると、当該補正値を補正対象のサブピクセルの補正後の階調値として出力する。
【0075】
図9は、補正部80の処理を示すフローチャートである。以下、図9を参照して、補正部80の動作について説明する。なお、図9の処理は、画像信号Gの各サブピクセルの階調値に対して行われる。
【0076】
補正部80は、補正対象のサブピクセルの階調値を取得すると、該サブピクセルの表示位置情報を取得する(S61)。
【0077】
次に、補正部80は、ステップS61で取得された表示位置情報と欠陥情報とに基づき、補正対象のサブピクセルがバリア欠陥の位置に表示されるサブピクセルであるか否かを判断する(S62)。
【0078】
補正対象のサブピクセルがバリア欠陥の位置に表示されるサブピクセルでないと判断された場合(S62:NO)、補正部80は、補正対象のサブピクセルの階調値を補正せずにそのまま出力し(S66)、処理を終了させる。
【0079】
一方、補正対象のサブピクセルがバリア欠陥の位置に表示されるサブピクセルであると判断された場合(S62:YES)、補正部80は、補正対象のサブピクセルの本来の表示方向が、予め定められた優先方向であるか否かを判断する(S91)。
【0080】
そして、優先方向であると判断された場合(S91:YES)、補正部80は、補正対象のサブピクセルの階調値を補正せずにそのまま出力し(S66)、処理を終了させる。
【0081】
一方、優先方向でないと判断された場合(S91:NO)、補正部80は、補正対象のサブピクセルの周辺にある、優先方向に表示される、該サブピクセルと同色のサブピクセルの階調値から補正値を算出し(S92)、ステップS65に進む。
【0082】
ステップS65では、補正部80は、補正対象のサブピクセルの階調値をステップS92で算出された補正値に置き換えて出力する。
【0083】
以上説明した本実施の形態2によれば、上記(1)の効果の他に、下記(4)、(5)の効果が得られ得る。
【0084】
(4)補正部は、光学系の欠陥により他の表示方向にも表示されてしまうサブピクセルの階調値を、該サブピクセルと同色の、上記他の表示方向のうち予め定められた優先すべき表示方向に表示されるサブピクセルの階調値を用いて補正する。このため、優先すべき表示方向において、バリア欠陥の影響を視認されにくくすることができ、視認性を向上させることができる。
【0085】
(5)補正部は、光学系の欠陥により他の表示方向にも表示されてしまうサブピクセルの本来の表示方向が、複数の互いに異なる表示方向のうち予め定められた優先すべき表示方向である場合、該サブピクセルの階調値に対する補正を行わない。このため、該サブピクセルの本来の表示方向が優先すべき方向である場合に、優先すべき表示方向において、補正による悪影響を回避することができ、視認性を向上させることができる。
【0086】
実施の形態3.
図10は、実施の形態3の画像表示装置に含まれる補正部101の構成を示すブロック図である。本実施の形態の画像表示装置は、上記実施の形態1のものと殆ど同じであるので、以下の説明では、実施の形態1と同様の部分については、同一の符号を用い、説明を省略または簡略化することとする。
【0087】
図10において、補正部101は、表示位置情報取得部51、欠陥サブピクセル判定部52、および黒点化処理部102を有する。
【0088】
表示位置情報取得部51は、実施の形態1と同様に、画像信号Gの各サブピクセルの階調値を補正対象のサブピクセルの階調値として順次受け取り、該補正対象のサブピクセルの表示位置を示す表示位置情報を取得する。
【0089】
欠陥サブピクセル判定部52は、実施の形態1と同様に、表示位置情報取得部51により取得された表示位置情報と欠陥情報とから、補正対象のサブピクセルがバリア欠陥の位置に表示されるサブピクセルであるかを判断する。そして、バリア欠陥の位置に表示されるサブピクセルでないと判断された場合には、該補正対象のサブピクセルの階調値をそのまま補正後の階調値として出力する。一方、バリア欠陥の位置に表示されるサブピクセルであると判断された場合には、補正対象のサブピクセルに対する黒点化処理を黒点化処理部102に指示する。
【0090】
黒点化処理部102は、欠陥サブピクセル判定部52からの上記指示に応じ、黒に相当する階調値(ここでは0)を補正対象のサブピクセルの補正後の階調値として出力する。
【0091】
図11は、補正部101の処理を示すフローチャートである。以下、図11を参照して、補正部101の動作について説明する。なお、図11の処理は、画像信号Gの各サブピクセルの階調値に対して行われる。
【0092】
補正部101は、補正対象のサブピクセルの階調値を取得すると、該サブピクセルの表示位置情報を取得する(S61)。
【0093】
次に、補正部101は、ステップS61で取得された表示位置情報と欠陥情報とに基づき、補正対象のサブピクセルがバリア欠陥の位置に表示されるサブピクセルであるか否かを判断する(S62)。
【0094】
補正対象のサブピクセルがバリア欠陥の位置に表示されるサブピクセルでないと判断された場合(S62:NO)、補正部101は、補正対象のサブピクセルの階調値を補正せずにそのまま出力し(S66)、処理を終了させる。
【0095】
一方、補正対象のサブピクセルがバリア欠陥の位置に表示されるサブピクセルであると判断された場合(S62:YES)、補正部101は、補正対象のサブピクセルの階調値を黒(ここでは0)に補正して出力する(S111)。
【0096】
以上説明した本実施の形態3によれば、上記(1)の効果の他に、下記(6)の効果が得られ得る。
【0097】
(6)補正部は、光学系の欠陥により他の表示方向にも表示されてしまうサブピクセルの階調値を、黒に相当する階調値に補正する。これにより、該サブピクセルの本来の表示方向以外の表示方向について、光学系の欠陥の影響を排除することができる。例えば、バリア欠陥の影響を受ける表示方向において、該サブピクセルが黒となることで、バリアが正常に機能している状態に等しくなり、バリア欠陥による影響を排除することができる。
【0098】
上記実施の形態1〜3では、輝点の発生を防ぐことを重視している。これは、輝点は非常に目に付きやすく、視認性の低下を招きやすいからである。また、1台のディスプレイに対して許容される輝点の数は暗点に比べて少ないことが一般的であるためである。
【0099】
以上説明した実施の形態1〜3では、本発明の画像処理装置は、画像入力部および補正部により実現されている。ただし、画像処理装置は、上記画像表示装置のうち画像入力部および補正部以外の部分(例えば欠陥情報記憶部2)を含んでもよい。画像処理装置の機能は、電子回路などのハードウェア資源のみにより実現されてもよいし、ハードウェア資源とソフトウェアとの協働により実現されてもよい。ハードウェア資源とソフトウェアとの協働により実現される場合、画像処理装置の機能は、例えば画像処理プログラムがコンピュータにより実行されることによって実現される。より具体的には、画像処理装置の機能は、ROM(Read Only Memory)等の記録媒体に記録された画像処理プログラムが主記憶装置に読み出されて中央処理装置(CPU:Central Processing Unit)により実行されることによって実現される。画像処理プログラムは、光ディスク等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されて提供されてもよいし、インターネット等の通信回線を介して提供されてもよい。
【0100】
なお、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の態様で実施することができる。
【符号の説明】
【0101】
1 画像入力部、 2 欠陥情報記憶部、 3,80,101 補正部、 4 タイミング信号生成部、 5 表示部、 21 バックライト、 22 液晶パネル、 23 視差バリア、 51 表示位置情報取得部、 52 欠陥サブピクセル判定部、 53 補正値算出部、 54 階調比較部、 55 階調補正部、 81 優先方向補正値算出部、 100 画像表示装置、 102 黒点化処理部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11