特許第5836844号(P5836844)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 三菱電機株式会社の特許一覧
<>
  • 特許5836844-冷凍装置 図000002
  • 特許5836844-冷凍装置 図000003
  • 特許5836844-冷凍装置 図000004
  • 特許5836844-冷凍装置 図000005
  • 特許5836844-冷凍装置 図000006
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5836844
(24)【登録日】2015年11月13日
(45)【発行日】2015年12月24日
(54)【発明の名称】冷凍装置
(51)【国際特許分類】
   F25B 7/00 20060101AFI20151203BHJP
   F25B 1/00 20060101ALI20151203BHJP
【FI】
   F25B7/00 E
   F25B1/00 396D
【請求項の数】7
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2012-46497(P2012-46497)
(22)【出願日】2012年3月2日
(65)【公開番号】特開2013-181711(P2013-181711A)
(43)【公開日】2013年9月12日
【審査請求日】2014年7月16日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100085198
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 久夫
(74)【代理人】
【識別番号】100098604
【弁理士】
【氏名又は名称】安島 清
(74)【代理人】
【識別番号】100087620
【弁理士】
【氏名又は名称】高梨 範夫
(74)【代理人】
【識別番号】100125494
【弁理士】
【氏名又は名称】山東 元希
(74)【代理人】
【識別番号】100141324
【弁理士】
【氏名又は名称】小河 卓
(74)【代理人】
【識別番号】100153936
【弁理士】
【氏名又は名称】村田 健誠
(74)【代理人】
【識別番号】100160831
【弁理士】
【氏名又は名称】大谷 元
(72)【発明者】
【氏名】杉本 猛
(72)【発明者】
【氏名】山下 哲也
(72)【発明者】
【氏名】池田 隆
【審査官】 藤崎 詔夫
(56)【参考文献】
【文献】 特開2004−190917(JP,A)
【文献】 特開2008−190757(JP,A)
【文献】 特開2011−075222(JP,A)
【文献】 特開平04−020752(JP,A)
【文献】 特開2008−215678(JP,A)
【文献】 特開2000−274848(JP,A)
【文献】 特開2008−002759(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F25B 7/00
F25B 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
高温側圧縮機、高温側凝縮器、高温側絞り装置、及びカスケードコンデンサの蒸発側を冷媒配管で接続して構成した高温側冷凍サイクルと、
低温側圧縮機、前記カスケードコンデンサの凝縮側、低温側絞り装置、及び低温側蒸発器を冷媒配管で接続して構成した低温側冷凍サイクルとを有する冷凍装置において、
外気温度を検出する外気温度検出手段と、
前記高温側冷凍サイクル側の前記カスケードコンデンサにおける高温側冷媒の目標蒸発温度に基づいて、前記高温側圧縮機の周波数を制御するコントローラと、
を有し、
前記コントローラは、
前記外気温度検出手段の検出結果に基づいて、前記高温側圧縮機の起動時における前記目標蒸発温度である第1目標蒸発温度を決定し、
前記外気温度検出手段の検出結果が所定値を下回ると、前記第1目標蒸発温度を前記外気温度検出手段の検出結果の値に追従するように設定する
ことを特徴とする冷凍装置。
【請求項2】
高温側圧縮機、高温側凝縮器、高温側絞り装置、及びカスケードコンデンサの蒸発側を冷媒配管で接続して構成した高温側冷凍サイクルと、
低温側圧縮機、前記カスケードコンデンサの凝縮側、低温側絞り装置、及び低温側蒸発器を冷媒配管で接続して構成した低温側冷凍サイクルとを有する冷凍装置において、
外気温度を検出する外気温度検出手段と、
前記高温側冷凍サイクル側の前記カスケードコンデンサにおける高温側冷媒の目標蒸発温度に基づいて、前記高温側圧縮機の周波数を制御するコントローラと、
を有し、
前記コントローラは、
前記外気温度検出手段の検出結果に基づいて、前記高温側圧縮機の起動時における前記目標蒸発温度である第1目標蒸発温度を決定し、
前記外気温度検出手段の検出結果が所定値を下回ると、前記第1目標蒸発温度を前記外気温度検出手段の検出結果の値に設定する
ことを特徴とする冷凍装置。
【請求項3】
前記高温側冷凍サイクル側の前記カスケードコンデンサから流出する前記高温側冷媒の蒸発温度を検出する蒸発温度検出手段を有し、
前記コントローラは、
前記蒸発温度検出手段の検出結果と、前記高温側冷媒の前記第1目標蒸発温度との差が、予め設定される前記高温側冷媒の過熱度よりも大きくなるように、前記第1目標蒸発温度を決定する
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の冷凍装置。
【請求項4】
前記コントローラは、
前記高温側圧縮機を起動してから第1所定時間経過するまでは前記目標蒸発温度テーブルに基づいて前記第1目標蒸発温度を決定し、
前記高温側圧縮機の運転が安定した後は、
前記第1目標蒸発温度とは異なる第2目標蒸発温度に基づいて、前記高温側圧縮機の周波数を制御する
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の冷凍装置。
【請求項5】
前記低温側圧縮機と前記カスケードコンデンサとの間に設けられ、前記低温側冷媒を凝縮液化させる補助コンデンサと、
前記補助コンデンサに空気を供給する補助コンデンサ用送風機と、
を有し、
前記コントローラは、
前記低温側圧縮機の起動時に前記補助コンデンサ用送風機の回転数を上昇させる
ことを特徴とする請求項1〜4に記載の冷凍装置。
【請求項6】
前記コントローラは、
前記低温側圧縮機の運転が安定した後は、
前記外気温度検出手段の検出結果、又は前記凝縮温度検出手段の検出結果に基づいて、前記補助コンデンサ用送風機の回転数を減少させる
ことを特徴とする請求項5に記載の冷凍装置。
【請求項7】
前記低温側冷媒は、
二酸化炭素冷媒である
ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の冷凍装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも二元冷凍サイクル運転を行う冷凍装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の冷凍装置には、室外機に設けられる高温側冷凍サイクルと、たとえば冷蔵庫や冷凍庫などの冷凍装置に設けられる利用側冷凍サイクルを有し、高温側の冷凍サイクルと利用側の冷凍サイクルとをカスケードコンデンサ(熱交換器)を介して熱交換可能に接続したものが提案されている(たとえば、特許文献1参照)。
特許文献1に記載の技術は、高温側冷凍サイクルの冷媒を循環させる高温側圧縮機を起動してから所定時間後に、低温側冷凍サイクルの冷媒を循環させる低温側圧縮機を起動している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−190917号公報(第14頁、第1図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の技術では、カスケードコンデンサが室外機に設置されるため、低外気温度時においてはカスケードコンデンサが外気にさらされる分だけ冷却され、カスケードコンデンサのうち高温側冷媒の流出口付近も冷却されることになる。このように、特許文献1に記載の技術は、カスケードコンデンサの高温側冷媒の流出口付近が外気によって冷却されるため、カスケードコンデンサより流出する高温側冷媒の温度が低下する。
すなわち、特許文献1に記載の技術においては、カスケードコンデンサより流出する高温側冷媒の温度が外気によって低減する分だけ、カスケードコンデンサの蒸発温度と、カスケードコンデンサより流出する高温側冷媒温度との差である過熱度がつかなくなってしまう可能性があった。
【0005】
特許文献1に記載の技術のように、圧縮機の周波数や絞り装置の開度の制御を実施する制御装置は、過熱度に基づいて絞り装置の開度を調整しており、過熱度がつかないと判定すると絞り装置の開度を小さくする。このように、絞り装置の開度が小さくなると、高温側冷媒の循環量が低減することとなる。
【0006】
ここで、高温側圧縮機を起動してから所定時間後に低温側圧縮機が起動するが、高温側冷媒の循環量が低減しているため、カスケードコンデンサにおける高温側冷媒と低温側冷媒との熱交換量が低減してしまう。すなわち、低温側冷凍サイクルにおいて凝縮器として機能するカスケードコンデンサに流入する低温側冷媒の熱交換量が低減してしまう。そして、低温側冷媒の熱交換量が低減してしまうと、その分カスケードコンデンサにおける低温側冷媒の凝縮温度が上昇してしまう。
【0007】
この凝縮温度の上昇に対応するため、低温側圧縮機の周波数を上昇させて吐出冷媒の圧力を上昇させると、冷媒配管などが破損することを防止するために閾値圧力が設定されている保護装置(高圧カット)が作動してしまい冷凍装置の運転が停止してしまう可能性があった。
すなわち、特許文献1に記載の技術は、冷凍装置が低温の外気にさらされることでカスケードコンデンサの高温側冷媒の流出口付近が冷却されて過熱度がつかなくなってしまい、冷凍装置の起動時に当該冷凍装置を安定的に運転させることができなくなる可能性があった。
【0008】
本発明は、以上のような課題を解決するためになされたもので、外気温が低くとも、起動時の運転を安定化させる冷凍装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る冷凍装置は、高温側圧縮機、高温側凝縮器、高温側絞り装置、及びカスケードコンデンサの蒸発側を冷媒配管で接続して構成した高温側冷凍サイクルと、低温側圧縮機、カスケードコンデンサの凝縮側、低温側絞り装置、及び低温側蒸発器を冷媒配管で接続して構成した低温側冷凍サイクルとを有する冷凍装置において、外気温度を検出する外気温度検出手段と、高温側冷凍サイクル側のカスケードコンデンサにおける高温側冷媒の目標蒸発温度に基づいて、高温側圧縮機の周波数を制御するコントローラと、を有し、コントローラは、外気温度検出手段の検出結果に基づいて、高温側圧縮機の起動時における目標蒸発温度である第1目標蒸発温度を決定し、外気温度検出手段の検出結果が所定値を下回ると、第1目標蒸発温度を外気温度検出手段の検出結果の値に追従するように設定するものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係る冷凍装置によれば、コントローラは、外気温度検出手段の検出結果に基づいて、高温側圧縮機の起動時における目標蒸発温度である第1目標蒸発温度を決定するので、外気温が低くとも、冷凍装置の起動時における運転を安定化させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の実施の形態1に係る冷凍装置の概要構成例図である。
図2】本発明の実施の形態1に係る冷凍装置の高温側冷凍サイクル及び低温側冷凍サイクルのp−h線図である。
図3】従来の冷凍装置の高温側冷凍サイクルを流れる冷媒の蒸発温度と、低温側冷凍サイクルを流れる冷媒の凝縮温度の説明図である。
図4】本発明の実施の形態1に係る冷凍装置の高温側冷凍サイクルを流れる冷媒の蒸発温度と、低温側冷凍サイクルを流れる冷媒の凝縮温度の説明図である。
図5】本発明の実施の形態2に係る冷凍装置の概要構成例図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係る冷凍装置100の概要構成例図である。
冷凍装置100は、冷凍装置100の起動時において、低温側の冷凍サイクルを循環する冷媒の圧力が上昇して保護装置が作動して冷凍装置100の運転が停止し、冷凍装置100が安定的に運転ができなくなることを抑制する改良が加えられたものである。
本実施の形態1では、冷凍装置100が熱源機100Aと利用側機100Bとから構成されている。たとえば、冷凍装置100は、冷蔵庫、冷凍庫、ショーケース、及びユニットクーラなどとして利用される。
【0013】
[構成説明]
冷凍装置100は、高温側冷媒を循環させる高温側圧縮機1及び低温側冷媒を循環させる低温側圧縮機5などが設けられる熱源機100Aと、冷却対象空間である庫内を冷却するための低温側蒸発器8などが設けられる利用側機100Bとを有している。
【0014】
(熱源機100A及び利用側機100B)
熱源機100Aは、高温側冷媒を循環させる高温側圧縮機1と、高温側冷媒を凝縮液化させる高温側凝縮器2と、高温側冷媒を膨張させる高温側絞り装置3と、高温側冷媒を蒸発させる高温側蒸発器4(カスケードコンデンサ10)とを有している。そして、高温側圧縮機1、高温側凝縮器2、高温側絞り装置3及び高温側蒸発器4が冷媒配管で接続されて高温側冷凍サイクルAを構成している。
また、熱源機100Aは、低温側冷媒を循環させる低温側圧縮機5と、低温側冷媒を凝縮液化させる補助コンデンサ9と、補助コンデンサ9で凝縮されなかった低温側冷媒を凝縮液化させる低温側凝縮器6(カスケードコンデンサ10)とを有している。
さらに、熱源機100Aは、高温側冷媒の温度を検出する低圧センサ12と、外気温度を検出する外気温度センサ15と、高温側冷媒の圧力が上昇するとその圧力を開放する高圧圧力開閉器11と、低温側冷媒の圧力が上昇するとその圧力を開放する高圧圧力開閉器13と、低圧センサ12及び外気温度センサ15の検出結果に基づいて各種機器を制御するコントローラ14とを有している。
【0015】
利用側機100Bは、低温側冷媒を膨張させる低温側絞り装置7と、低温側冷媒を蒸発させる低温側蒸発器8とを有している。そして、利用側機100Bの低温側絞り装置7及び低温側蒸発器8と、熱源機100Aの低温側圧縮機5、補助コンデンサ9及び低温側凝縮器6とが冷媒配管で接続されて低温側冷凍サイクルBを構成している。
【0016】
(高温側圧縮機1)
高温側圧縮機1は、高温側冷媒を吸入し、その高温側冷媒を圧縮して高温・高圧の状態にして吐出するものである。高温側圧縮機1は、高温側冷媒の吐出側が高温側凝縮器2に接続され、吸入側が高温側蒸発器4(カスケードコンデンサ10)に接続されている。
高温側圧縮機1は、周波数が可変のものであれば特に限定されるものではなく、たとえばインバータ圧縮機などで構成するとよい。
【0017】
(高温側凝縮器2)
高温側凝縮器2は、空気と高温側冷媒との間で熱交換を行わせ、高温側冷媒を凝縮液化させるものである。高温側凝縮器2は、一方が高温側圧縮機1に接続され、他方が高温側絞り装置3に接続されている。
なお、高温側凝縮器2は、たとえば、フィンを通過する空気と、高温側冷媒との間で熱交換ができるようなプレートフィンチューブ熱交換器で構成するとよい。
【0018】
(高温側絞り装置3)
高温側絞り装置3は、高温側冷媒を膨張させるためのものである。高温側絞り装置3は、一方が高温側凝縮器2に接続され、他方が高温側蒸発器4(カスケードコンデンサ10)に接続されている。
なお、高温側絞り装置3は、たとえば開度が可変である電子膨張弁や、キャピラリーチューブなどで構成するとよい。
【0019】
(カスケードコンデンサ10)
カスケードコンデンサ10は、高温側冷媒と低温側冷媒とを熱交換させることが可能な熱交換器である。すなわち、カスケードコンデンサ10は、高温側冷媒が流れる高温側冷凍サイクルAの冷媒配管に接続されるとともに、低温側冷媒が流れる低温側冷凍サイクルBの冷媒配管に接続されている。
ここで、カスケードコンデンサ10は、高温側圧縮機1と高温側絞り装置3との間の冷媒配管に接続されているため、高温側冷媒に対しては、蒸発させる機能を有する。また、カスケードコンデンサ10は、補助コンデンサ9を介して低温側圧縮機5と低温側絞り装置7との間の冷媒配管に接続されているため、低温側冷媒に対しては、凝縮させる機能を有する。すなわち、カスケードコンデンサ10は、高温側冷媒を蒸発させる高温側蒸発器4と、低温側冷媒を凝縮させる低温側凝縮器6とを有するものである。このカスケードコンデンサ10は、理想状態では高温側蒸発器4と低温側凝縮器6との熱交換量は等しいものとする。
なお、カスケードコンデンサ10は、第1の冷媒流路を内部に形成する内側管と、当該内側配管の外側に設けられ、自身の内側面と内側配管の外側面との間に第2の冷媒流路を形成する外側配管とからなる二重管式熱交換器で構成してもよい。
【0020】
(低温側圧縮機5)
低温側圧縮機5も、高温側圧縮機1と同様の機能を有するものである。すなわち、低温側圧縮機5は、低温側冷媒を吸入し、その低温側冷媒を圧縮して高温・高圧の状態にして吐出するものである。低温側圧縮機5は、低温側冷媒の吐出側が低温側凝縮器6に接続され、吸入側が低温側蒸発器8に接続されている。
低温側圧縮機5は、周波数が可変のものであれば特に限定されるものではなく、たとえばインバータ圧縮機などで構成するとよい。
【0021】
(低温側絞り装置7)
低温側絞り装置7は、高温側絞り装置3と同様の機能を有するものである。すなわち、低温側絞り装置7は、低温側冷媒を膨張させるためのものである。低温側絞り装置7は、一方が低温側凝縮器6(カスケードコンデンサ10)に接続され、他方が低温側蒸発器8に接続されている。
なお、低温側絞り装置7は、たとえば開度が可変である電子膨張弁や、キャピラリーチューブなどで構成するとよい。
【0022】
(低温側蒸発器8)
低温側蒸発器8は、空気と低温側冷媒との間で熱交換を行わせ、低温側冷媒を蒸発させるものである。低温側蒸発器8は、一方が低温側絞り装置7に接続され、他方が低温側圧縮機5に接続されている。
なお、低温側蒸発器8は、たとえば、フィンを通過する空気と、低温側冷媒との間で熱交換ができるようなプレートフィンチューブ熱交換器で構成するとよい。
【0023】
(補助コンデンサ9)
補助コンデンサ9は、低温側凝縮器6において低温側冷媒が確実に凝縮液化されるように、低温側凝縮器6の前段で低温側冷媒を凝縮液化させる熱交換器である。補助コンデンサ9は、一方が低温側凝縮器6に接続され、他方が低温側圧縮機5の吐出側に接続されている。
なお、補助コンデンサ9は、たとえば、フィンを通過する空気と、低温側冷媒との間で熱交換ができるようなプレートフィンチューブ熱交換器で構成するとよい。
【0024】
(高圧圧力開閉器11、13)
高圧圧力開閉器11は、コントローラ14に接続されており、たとえばダイアフラム(ベローズ)で圧力を受け、その圧力によって電気接点を入り切りさせることが可能となっているものである。この高圧圧力開閉器11は、高温側冷凍サイクルAを循環する高温側冷媒の圧力が上昇すると電気接点が切り替えられる。そして、この電気接点の切り替えがコントローラ14に検出され、コントローラ14が高温側圧縮機1の運転を停止するように制御する。
高圧圧力開閉器13も、高圧圧力開閉器11と同様の機能を有するものである。すなわち、高圧圧力開閉器13は、低温側冷凍サイクルBを循環する低温側冷媒の圧力が上昇すると電気接点が切り替えられる。そして、この電気接点の切り替えがコントローラ14に検出され、コントローラ14が低温側圧縮機5の運転を停止するように制御する。
このように、高圧圧力開閉器11、13は、冷媒の圧力が所定の圧力に達し、たとえば冷媒配管などの損傷が発生してしまうことを抑制することが可能となっている。
高圧圧力開閉器11、13は、「システム費用(工事含む)の低減」、「低温側冷凍サイクルBを構成する冷媒配管などの設計圧力の低減」、及び「外気温度が30℃程度であって低温側冷凍サイクルBの低温側冷媒の循環停止時における低温側冷媒の圧力」などを考慮して、冷媒の圧力が7(Mpa)になると電気接点が切り替えられるように設定されている。
【0025】
(低圧センサ12、外気温度センサ15、凝縮温度センサ77)
低圧センサ12は、高温側冷媒の圧力を検出するものである。なお、低圧センサ12の検出結果は、コントローラ14で演算されて蒸発温度に換算される。低圧センサ12は、高温側蒸発器4と高温側圧縮機1の吸入側との間の冷媒配管に設けられている。低圧センサ12は、コントローラ14に接続されている。
外気温度センサ15は、外気温度を検出するものである。外気温度センサ15の設置位置は、外気の温度が確実に検出することができるのであれば特に限定されるものではない。外気温度センサ15は、コントローラ14に接続されている。
凝縮温度センサ77は、低温側冷凍サイクルB側のカスケードコンデンサ10に流入する低温側冷媒の凝縮温度を検出するものである。凝縮温度センサ77は、低温側凝縮器6に設けられている。凝縮温度センサ77は、コントローラ14に接続されている。
なお、外気温度センサ15及び凝縮温度センサ77は、たとえばサーミスタなどで構成するとよい。
【0026】
(コントローラ14)
コントローラ14は、低圧センサ12及び外気温度センサ15の検出結果と、高圧圧力開閉器11、13の電気接点の状態とに基づいて、高温側圧縮機1及び低温側圧縮機5の周波数(運転/停止含む)、高温側絞り装置3及び低温側絞り装置7の開度などを制御するものである。
コントローラ14は、低圧センサ12、外気温度センサ15、高温側圧縮機1、低温側圧縮機5、高温側絞り装置3、低温側絞り装置7、及び高圧圧力開閉器11、13に接続されている。
コントローラ14は、たとえばマイコンなどで構成される。
なお、コントローラ14は、外気温度に対応して、高温側蒸発器4の目標蒸発温度を設定するための第1目標蒸発温度テーブルを備えている。また、コントローラ14は、「高温側圧縮機1に吸い込まれる高温側冷媒の温度」と、「高温側蒸発器4における蒸発温度」との差である「過熱度」に基づいて、高温側絞り装置3の開度を制御するものである。第1目標蒸発温度テーブル及び過熱度に関しては、後述の図3及び図4で説明する。
【0027】
(高温側冷媒及び低温側冷媒)
高温側冷凍サイクルAは、高温側であり、低温側冷凍サイクルBと比較すると封入される冷媒量が少ない。そこで、高温側冷凍サイクルAを循環する高温側冷媒には、冷媒の温暖化係数(GWP値)が小さい冷媒(たとえば、R410A、R32、HFO冷媒、CO2 、NH3 、HC冷媒など)を採用するとよい。なお、本実施の形態1では、高温側冷媒としてR410Aが採用されている場合を例に説明する。
低温側冷凍サイクルBは、低温側(負荷側)であり、封入される冷媒量が多くなる。そこで、低温側冷凍サイクルBを循環する低温側冷媒には、温暖化係数が1であるCO2 冷媒(二酸化炭素冷媒)を採用するとよい。
このように冷凍装置100は、高温側冷媒に温暖化係数が小さい冷媒を採用し、低温側冷媒にCO2 冷媒を採用することで、温暖化防止の効果を得ることができる。
【0028】
[冷凍装置100の冷媒動作について]
図2は、実施の形態1に係る冷凍装置100の高温側冷凍サイクル及び低温側冷凍サイクルのp−h線図である。図1を参照しながら、同図で示される高温側冷凍サイクルA、低温側冷凍サイクルBを流れる高温側冷媒、低温側冷媒の動作について説明する。なお、図1の矢印は高温側冷媒の流れを説明している。また、図2の数字(1)〜数字(9)は、図1の数字(1)〜数字(9)に対応している。
【0029】
まず、低温側冷凍サイクルBの動作について説明する。
(1)低温側蒸発器8で蒸発した低温側冷媒は、低温側圧縮機5に流入する。
(2)低温側圧縮機5によって低温側冷媒が圧縮されて気体となり吐出される。
(3)低温側圧縮機5から吐出された低温側冷媒は、補助コンデンサ9に流入し、一部が凝縮液化する。
(4)補助コンデンサ9から流出した低温側冷媒は、低温側凝縮器6に流入し、さらに凝縮液化する。
(5)低温側凝縮器6から流出した低温側冷媒は、低温側絞り装置7にて膨張して減圧する。
低温側冷凍サイクルBを循環する低温側冷媒は、(1)〜(5)の過程を繰り返す。なお、(2)、(3)及び(4)の過程における低温側冷媒の温度を「低温側凝縮温度」と定義する。
【0030】
次に、高温側冷凍サイクルAの動作について説明する。
(6)高温側蒸発器4で蒸発した高温側冷媒は、高温側圧縮機1に流入する。
(7)高温側圧縮機1によって高温側冷媒が圧縮されて気体となって吐出される。
(8)高温側圧縮機1から吐出された高温側冷媒は、高温側凝縮器2に流入し凝縮液化する。
(9)高温側凝縮器2から流出した高温側冷媒は、高温側絞り装置3にて膨張して減圧する。
高温側冷凍サイクルAを循環する高温側冷媒は、(6)〜(9)の過程を繰り返す。なお、(9)から(6)の過程における高温側冷媒の温度を「高温側蒸発温度」と定義する。
【0031】
ここで、図2に示すように、「高温側蒸発温度」と「低温側凝縮温度」との差であるΔT(所定値)は、大きくなると成績係数(COP)が落ち込んでしまう。すなわち、ΔTが大きくなると、消費電力1kWに対しての冷却能力が低減してしまう。そこで、冷凍装置100は、補助コンデンサ9を低温側凝縮器6の上流側に設け、低温側冷媒を一定温度まで冷却することで、成績係数を向上させることが可能となっている。なお、この「高温側蒸発温度」と「低温側凝縮温度」との差であるΔTは、数度程度(たとえば、5℃)に設定するとよい。
【0032】
[従来の冷凍装置の制御説明]
図3(a)は、従来の冷凍装置の高温側冷凍サイクルを流れる冷媒の蒸発温度と、低温側冷凍サイクルを流れる冷媒の凝縮温度の説明図である。図3(b)は、図3(a)に示す外気温度、高温側冷凍サイクルAの目標蒸発温度、及び低温側冷凍サイクルBの凝縮温度を示したものである。
まず、図3(a)及び図3(b)を参照して、従来の冷凍装置が冷凍装置100と同様の構成を有している場合を例とし、特に、従来の冷凍装置の起動時において低温側冷媒の圧力が上昇してしまう理由を説明する。
冷凍装置の起動時における低温側冷媒の圧力上昇の原因としては、以下に説明する高温側冷媒の冷媒循環量が低減してしまうことが挙げられる。
【0033】
(高温側冷媒の循環量低減1)
図3(a)では、冷凍装置の熱源機が低外気温度時に運転しているものとする。なお、利用側機は、たとえば庫内の温度が、冷蔵用として−10(℃)となるように設定されているものとする。すなわち、低温側蒸発器8の蒸発温度が−10(℃)に設定されているものとする。
たとえば外気温度が10(℃)の場合には、コントローラは、高温側凝縮器の凝縮温度を35(℃)とし、高温側蒸発器の目標蒸発温度を15(℃)となるように、高温側圧縮機の周波数を設定する。当該設定は、以下を考慮して決定されたものである。すなわち、低温側蒸発器の蒸発温度が−10(℃)としている冷蔵用の場合において、高温側圧縮機を起動してから、ある程度の時間が経過した後には、高温側蒸発器の蒸発温度を10〜15(℃)程度とすると熱交換効率を向上させることが可能となる結果を考慮して決定されたものである。
【0034】
また、コントローラは、「高温側蒸発温度」と「低温側凝縮温度」との差であるΔTが、5(℃)となるように設定されているものとする。したがって、上述のように高温側蒸発器の目標蒸発温度を15(℃)と設定している場合には、コントローラは、低温側冷凍サイクルBの低温側凝縮器の凝縮温度が20(℃)となるように低温側圧縮機の周波数を設定することになる。
【0035】
ここで、外気温度が10℃であるため、その外気温度に対応するだけ高温側蒸発器も外気で冷却されている。すなわち、冷凍装置の起動時においては、高温側蒸発器が外気によって冷却されているため、高温側蒸発器の高温側冷媒の出口側が冷却されている。
なお、凝縮温度が20(℃)に設定された低温側冷媒から熱を受け取り、高温側冷媒は加温されて高温側蒸発器より流出する。しかし、高温側蒸発器の高温側冷媒の出口側が冷却されていること、及び、凝縮温度(20℃)と外気温度(10℃)との開き(10℃)が大きいことにより、熱源側冷媒は、たとえば17〜18(℃)程度までしか上昇しない。
また、コントローラに設定される過熱度の目標設定値は、たとえば5(℃)程度である。すなわち、この過熱度の目標設定値を満たすには、低圧センサの検出結果は、20(℃)程度の値が要求されることとなる。
【0036】
コントローラは、低圧センサの検出結果が17〜18(℃)程度であるため、要求される目標設定値を満たさず、過熱度がつかないと判定し、高温側絞り装置の開度を小さくする。これにより、高温側絞り装置の開度が小さくなる分、高温側冷凍サイクルAを循環する高温側冷媒の循環量が低減し、カスケードコンデンサにおける熱交換量が低減してしまう。
【0037】
(高温側冷媒の循環量低減2)
外気温度が10(℃)の場合には、高温側蒸発器の高温側冷媒の出口側だけでなく、高温側蒸発器自体もその外気温度程度まで冷却されている場合がある。すなわち、冷凍装置の起動時においては、低圧センサの検出結果が17〜18(℃)程度となるだけでなく、外気温度の影響を受けて高温側蒸発器における「蒸発温度」も低くなる場合がある。
コントローラは、「蒸発温度」と「目標蒸発温度」との差が大きいほど、「蒸発温度」を目標値である「目標蒸発温度」に近づけるため、高温側圧縮機の周波数を上昇させる制御をする。このため、外気温度の影響を受けて高温側蒸発器における「蒸発温度」が低くなると、「蒸発温度」と「目標蒸発温度」との差が小さくなり、高温側圧縮機の周波数を上昇させないように制御することとなる。
このように、高温側圧縮機の周波数を上昇させないように制御する分、高温側冷凍サイクルAを循環する高温側冷媒の循環量が低減し、カスケードコンデンサにおける熱交換量が低減してしまう。
【0038】
(低温側冷媒の圧力上昇)
冷凍装置の起動時において、高温側冷凍サイクルを循環する高温側冷媒量が低減すると、カスケードコンデンサにおける熱交換量が低減する。すなわち、低温側凝縮器における熱交換量が低減することとなる。これは、低温側冷媒が低温側凝縮器において凝縮液化しにくくなることに対応している。
コントローラは、低温側冷媒を凝縮液化させるため、回転数を上昇させて熱交換量を増大させるが、これにより低温側冷媒の圧力が上限値である7(Mpa)を超えてしまう場合がある。そして、低温側冷媒の圧力が上限値を超えてしまうと、高圧圧力開閉器が作動してしまい、冷凍装置が停止する。
【0039】
[本実施の形態1に係る冷凍装置100の制御説明]
図4(a)は、実施の形態1に係る冷凍装置100の高温側冷凍サイクルAを流れる冷媒の蒸発温度と、低温側冷凍サイクルBを流れる冷媒の凝縮温度の説明図である。図4(b)は、図4(a)に示す外気温度、高温側冷凍サイクルAの目標蒸発温度、及び低温側冷凍サイクルBの凝縮温度を示したものである。
図4(a)では、冷凍装置100の熱源機100Aが低外気温度時に運転しているものとする。なお、利用側機100Bは、たとえば庫内の温度が、冷蔵用として−10(℃)となるように設定されているものとする。すなわち、低温側蒸発器8の蒸発温度が−10(℃)に設定されているものとする。
【0040】
(高温側冷媒の循環量低減の抑制1)
本実施の形態1では、コントローラ14が、冷凍装置100の起動時において、高温側冷媒の循環量が低減して、低温側冷媒の圧力が上昇することを抑制するため、外気温度別に設定された第1目標蒸発温度テーブルを備えている。
この第1目標蒸発温度テーブルには、蒸発温度検出手段(低圧センサ12)の検出結果と、高温側冷媒の第1目標蒸発温度との差が、予め設定される高温側冷媒の過熱度よりも大きくなるように、第1目標蒸発温度が設定されている。詳細には、以下のように目標蒸発温度が設定されている。
【0041】
すなわち、外気温度が15(℃)以上である場合には、高温側冷凍サイクルAの目標蒸発温度は15(℃)に設定される。また、外気温度が15(℃)を下回る場合には、高温側冷凍サイクルAの目標蒸発温度を外気温度と同様の値に設定される。なお、本実施の形態1では、目標蒸発温度の設定値を変える際の外気温度の閾値を15(℃)として説明するが、それに限定されるものではない。たとえば、冷凍装置100が設置される環境などによって変更してもよい。
以下において、図4(a)及び図4(b)を参照し、外気温度が10(℃)の場合において、低温側冷凍サイクルBを循環する低温側冷媒の圧力が上昇することを抑制する方法について説明する。
【0042】
コントローラ14は、外気温度及び第1目標蒸発温度テーブル目標蒸発温度を参照して高温側蒸発器4の目標蒸発温度を変更する。外気温度が10(℃)である場合には、コントローラ14は高温側凝縮器2の凝縮温度を35(℃)とし、高温側蒸発器4の目標蒸発温度を外気温度と同じ10(℃)となるように、高温側圧縮機1の周波数を設定する。
【0043】
コントローラ14は、「高温側蒸発温度」と「低温側凝縮温度」との差であるΔTが、5(℃)に設定されているため、高温側蒸発器4の目標蒸発温度が10(℃)と設定された場合には、コントローラ14は、低温側冷凍サイクルBの低温側凝縮器6の凝縮温度が15(℃)となるように低温側圧縮機5の周波数を設定することになる。
ここで、凝縮温度が15(℃)に設定された低温側冷媒から熱を受け取り、高温側冷媒は15(℃)程度まで加温されて高温側蒸発器4より流出する。高温側蒸発器4の高温側冷媒の出口側は外気温度である10(℃)程度に冷却されているが、低温側冷凍サイクルBの低温側凝縮器6の凝縮温度が15(℃)であり、外気温度との差が5(℃)と小さい分、確実に高温側蒸発器4より流出する高温側冷媒の温度も15(℃)に到達することが可能となる。
より詳細には、図3(a)の場合には、図3(b)に示すように「外気温度(10℃)」と「低温側冷凍サイクルBの凝縮温度(20℃)」との間に10(℃)の開きがある。このため、熱源側冷媒は、「高温側冷凍サイクルAの目標蒸発温度(15℃)」から「低温側冷凍サイクルBの凝縮温度(20℃)」に到達しにくく、過熱度がつくだけの温度上昇をすることができない。
一方、図4(a)の場合には、図4(b)に示すように「外気温度(10℃)」と「高温側冷凍サイクルAの目標蒸発温度(10℃)」との間に温度の開きがない。このため、熱源側冷媒は「高温側冷凍サイクルAの目標蒸発温度(10℃)」から「低温側冷凍サイクルBの凝縮温度(15℃)」に到達しやすく、確実に過熱度がつく。
【0044】
コントローラ14は、低圧センサ12の検出結果が15(℃)程度であるため、要求される目標設定値を満すため、過熱度がつくと判定する。このため、コントローラ14は、高温側絞り装置3の開度を小さくしない。
これにより、高温側冷凍サイクルAを循環する高温側冷媒の循環量の低減が抑制され、カスケードコンデンサ10における熱交換量が低減してしまうことを抑制することができる。
【0045】
(高温側冷媒の循環量低減の抑制2)
図4(a)の場合においては、図3(a)の場合と比較すると、「目標蒸発温度」が小さく設定される。このため、仮に外気温度の影響を受けて高温側蒸発器4における「蒸発温度」が低くなったとしても、「蒸発温度」と「目標蒸発温度」との差は拡大している。
すなわち、第1目標蒸発温度テーブルには、「蒸発温度」と「目標蒸発温度」との差を拡大するように「目標蒸発温度」が設定されている。このため、コントローラ14は、この拡大した差の分だけ、高温側圧縮機1の周波数を上昇させるように制御することとなる。
このように、高温側圧縮機1の周波数を上昇させるように制御する分、高温側冷凍サイクルAを循環する高温側冷媒の循環量が低減することが抑制され、カスケードコンデンサ10における熱交換量が低減してしまうことを抑制できる。
【0046】
(低温側冷媒の圧力上昇の抑制)
本実施の形態1に係る冷凍装置100は、冷凍装置100の起動時において、高温側冷凍サイクルAを循環する高温側冷媒量の低減が抑制されるため、カスケードコンデンサ10における熱交換量が低減することも抑制される。また、低温側凝縮器6における熱交換量の低減が抑制され、低温側冷媒が低温側凝縮器6において凝縮液化しにくくなることが抑制される。
そして、コントローラ14は、低温側冷媒を凝縮液化させるため、回転数を上昇させるような制御に移行しにくくなる分、低温側冷媒の圧力が上限値を超えてしまうことが抑制される。
【0047】
なお、上述のように、高温側圧縮機1を起動してから、ある程度の時間が経過した後には、低温側蒸発器8の蒸発温度が−10(℃)としている冷蔵用の場合において、高温側蒸発器4の蒸発温度を10〜15(℃)程度とすると熱交換効率がよいことがわかっている。そこで、コントローラ14は、起動してから所定時間が経過した後には、第1目標蒸発温度テーブルによる目標蒸発温度から上昇させてもよい。
すなわち、コントローラ14は、起動時以外の外気温度別の第2目標蒸発温度テーブルを備えており、起動時においては第1目標蒸発温度テーブルに基づいて高温側蒸発器4の目標蒸発温度を設定して高温側圧縮機1の周波数を制御し、起動時から所定時間が経過した後においては第2目標蒸発温度テーブルに基づいて高温側蒸発器4の目標蒸発温度を設定して高温側圧縮機1の周波数を制御するということである。
【0048】
また、本実施の形態1では、冷凍装置100が、高温側冷凍サイクルA及び低温側冷凍サイクルBを有する二元冷凍装置を例として説明したがそれに限定されるものではなく、多元冷凍装置にも適用可能であることは言うまでもない。
さらに、本実施の形態1では、冷凍装置100のコントローラ14が、第1目標蒸発温度テーブル及び第2目標蒸発温度テーブルに基づいて制御する例を説明したがそれに限定されるものではなく、たとえばコントローラ14に、第1目標蒸発温度テーブル及び第2目標蒸発温度テーブルに対応する演算式が設定されていてもよい。この場合には、コントローラ14は、当該演算式と外気温度センサ15の検出結果とに基づいて、第1目標蒸発温度及び第2目標蒸発温度を演算する。
【0049】
[実施の形態1に係る冷凍装置100の有する効果]
本実施の形態1に係る冷凍装置100は、コントローラ14が第1目標蒸発温度テーブルを備えているので、冷凍装置100の起動時において高温側冷媒の過熱度が確実につき、高温側絞り装置3の開度を小さくしない。
これにより、本実施の形態1に係る冷凍装置100は、冷凍装置100の起動時において、高温側冷凍サイクルAを循環する高温側冷媒の循環量の低減が抑制され、カスケードコンデンサ10における熱交換量が低減してしまうことを抑制することができ、冷凍装置100を安定的に運転させることを可能としている。
【0050】
本実施の形態1に係る冷凍装置100は、コントローラ14が第1目標蒸発温度テーブルを備えているので、冷凍装置100の起動時において「蒸発温度」と「目標蒸発温度」との差を拡大し、高温側圧縮機1の周波数を上昇させることができる。
これにより、本実施の形態1に係る冷凍装置100は、冷凍装置100の起動時において、高温側冷凍サイクルAを循環する高温側冷媒の循環量の低減が抑制され、カスケードコンデンサ10における熱交換量が低減してしまうことを抑制することができ、冷凍装置100を安定的に運転させることを可能としている。
【0051】
本実施の形態1に係る冷凍装置100は、コントローラ14に第1目標蒸発温度テーブルを記憶させる改良によって、冷凍装置100を安定的に運転させることを可能としており、その他の機器を別途設ける改良をしない分、コストアップを抑制することができる。
【0052】
実施の形態2.
図5は、実施の形態2に係る冷凍装置100の概要構成例図である。なお、実施の形態2では、実施の形態1に対する相違点を中心に説明するものとする。実施の形態2では、実施の形態1の第1目標蒸発温度テーブルによる高温側圧縮機1の周波数制御に加えて、補助コンデンサ9に付設される補助コンデンサ用送風機17の風量制御をするものである。
【0053】
(補助コンデンサ用送風機17)
補助コンデンサ用送風機17は、補助コンデンサ9に外気を供給して、補助コンデンサ9における空気と低温側冷媒との熱交換を促進させるものである。
補助コンデンサ用送風機17は、たとえば、シャフトに取り付けられたプロペラファンと、永久磁石などを有するローター及び巻線などを有するステーターなどから構成される電動機とから構成される。
なお、高温側凝縮器2と補助コンデンサ9とを同一風路内に設け、補助コンデンサ用送風機17と、高温側凝縮器2に付設される送風機16とを1台にまとめてもよい。
【0054】
実施の形態1では、コントローラ14が、高温側蒸発器4の目標蒸発温度を、外気温度別の第1目標蒸発温度テーブルに基づき設定し、高温側圧縮機1の周波数を制御するものであった。しかし、外気温度によっては、実施の形態1のように高温側圧縮機1の周波数を制御しても、カスケードコンデンサ10における熱交換量を充分に確保することができない場合もある。
そこで、コントローラ14は、高温側蒸発器4の目標蒸発温度を、外気温度別の第1目標蒸発温度テーブルに基づき設定し、高温側圧縮機1の周波数を制御することに加えて、熱交換量の不足をカバーするために補助コンデンサ用送風機17を所定値以上の風量になるように増速させる。そして、コントローラ14は、たとえば所定時間が経過して高温側圧縮機1の運転が安定した後は、外気温度センサ15の検出結果、又は凝縮温度の値に基づいて、補助コンデンサ用送風機17の回転数を減少させる。
このように、補助コンデンサ用送風機17の回転数を制御することで、カスケードコンデンサ10における熱交換量の増減に確実に対応することができる。
【0055】
本実施の形態2に係る冷凍装置100も、実施の形態1に係る冷凍装置100と同様の効果を奏する。
【符号の説明】
【0056】
1 高温側圧縮機、2 高温側凝縮器、3 高温側絞り装置、4 高温側蒸発器、5 低温側圧縮機、6 低温側凝縮器、7 低温側絞り装置、8 低温側蒸発器、9 補助コンデンサ、10 カスケードコンデンサ、11 高圧圧力開閉器、12 低圧センサ、13 高圧圧力開閉器、14 コントローラ、15 外気温度センサ、16 送風機、17 補助コンデンサ用送風機、77 凝縮温度センサ、100 冷凍装置、100A 熱源機、100B 利用側機、A 高温側冷凍サイクル、B 低温側冷凍サイクル。
図1
図2
図3
図4
図5