(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0024】
1.実施の形態の概要
まず、本願において開示される代表的な実施の形態についてその概要を説明する。代表的な実施の形態の概要説明で括弧を付して参照する図面の参照符号は、それが付された構成要素の概念に含まれるものを例示するに過ぎない。
【0025】
〔1〕代表的な実施の形態による通信装置(1)は、通信コイル(11)と受電部(12)と充電制御部(13)と第1スイッチ部(18)と第2スイッチ部(15)と通信回路(16)とプロセッサ(17)とを具備する。
【0026】
前記通信コイル(11)は、他の通信装置(2)から送信される送信信号を受信する。
【0027】
前記受電部(12)は、前記通信コイル(11)により受信される前記送信信号から電源電圧(V
DD)を生成する。
【0028】
前記充電制御部(13)は、二次電池(14)と接続可能とされる。
【0029】
前記充電制御部(13)は、前記電源電圧(V
DD)を使用して、前記二次電池(14)を充電可能とされる。
【0030】
前記通信コイル(11)は、前記第2スイッチ部(15)を介して、前記通信回路(16)の送受信端子と接続される。
【0031】
前記プロセッサ(17)は、前記通信回路(16)と接続される。
【0032】
前記第1スイッチ部(18)の第1端子(T1)に前記電源電圧(V
DD)が供給され、前記第1スイッチ部(18)の第2端子(T2)に前記二次電池(14)のバッテリ電圧(V
BAT)が供給可能とされ、前記第1スイッチ部(18)の第3端子(T3)は前記通信回路(16)に接続される。
【0033】
前記受電部(12)は、前記通信コイル(11)の端子電圧に応答する電圧検出回路(121)を含む。
【0034】
前記電圧検出回路(121)は、前記通信コイル(11)の前記端子電圧が所定の給電しきい値電圧(Vth0)を超過することに応答して、第1状態(“H”)の第1制御信号(Cnt1)を生成する。
【0035】
前記第1スイッチ部(18)は、前記第1状態(“H”)の前記第1制御信号(Cnt1)に応答して、前記第1端子(T1)と前記第3端子(T3)との間がオン状態に制御される。
【0036】
前記電圧検出回路(121)は、前記通信コイル(11)の前記端子電圧が前記所定の給電しきい値電圧を超過しないことに応答して、前記第1状態(“H”)と異なった第2状態(“L”)の前記第1制御信号(Cnt1)を生成する。
【0037】
前記第1スイッチ部(18)は、前記第2状態(“L”)の前記第1制御信号(Cnt1)に応答して、前記第2端子(T2)と前記第3端子(T3)との間がオン状態に制御される。
【0038】
前記電圧検出回路(121)は、前記二次電池(14)の充電期間中に、前記通信コイル(11)の前記端子電圧が前記所定の給電しきい値電圧(Vth0)より高い充電しきい値電圧(VthH、VthL)を超過することに応答して、第3状態(“L”)の第2制御信号(Cnt2)を生成する。
【0039】
前記第2スイッチ部(15)は、前記第3状態(“L”)の前記第2制御信号(Cnt2)に応答して、オフ状態に制御される。
【0040】
前記電圧検出回路(121)は、前記通信コイル(11)の前記端子電圧が前記所定の給電しきい値電圧よりも高い前記充電しきい値電圧を超過しないことに応答して、前記第3状態(“H”)と異なった第4状態(“L”)の前記第2制御信号(Cnt2)を生成する。
【0041】
前記第2スイッチ部(15)は、前記第4状態(“H”)の前記第2制御信号(Cnt2)に応答して、オン状態に制御される。
【0042】
前記第2スイッチ部(15)が前記オン状態に制御される期間に、前記通信回路(16)は前記他の通信装置(2)と通信可能とされることを特徴とするものである(
図1参照)。
【0043】
前記実施の形態によれば、通信装置に搭載される電池のワイヤレス給電による充電の期間中に通信回路の動作を可能として更に二次電池の充電の期間中の通信回路の破壊を防止することができる。
【0044】
好適な実施の形態では、前記充電しきい値電圧(VthH、VthL)は、前記所定の給電しきい値電圧(Vth0)より高い第1充電しきい値電圧(VthL)と当該第1充電しきい値電圧(VthL)より高い第2充電しきい値電圧(VthH)とを含む。
【0045】
前記電圧検出回路(121)は、前記二次電池(14)の前記充電期間中に、前記通信コイル(11)の前記端子電圧が前記第2充電しきい値電圧(VthH)を超過することに応答して、前記第3状態(“L”)の前記第2制御信号(Cnt2)を生成する。
【0046】
前記電圧検出回路(121)は、前記通信コイル(11)の前記端子電圧が前記第1充電しきい値電圧(VthL)よりも低下することに応答して、前記第3状態(“H”)と異なった前記第4状態(“L”)の前記第2制御信号(Cnt2)を生成することを特徴とするものである(
図3参照)。
【0047】
他の好適な実施の形態では、前記第2スイッチ部(15)が前記第4状態(“H”)の前記第2制御信号(Cnt2)に応答して前記オン状態に制御される通信期間(T1、T3、T5)に、前記通信回路(16)は前記通信コイル(11)を使用して前記他の通信装置(2)と通信可能とされることを特徴とするものである(
図3参照)。
【0048】
更に他の好適な実施の形態では、前記受電部(12)と前記充電制御部(13)および前記通信回路(16)とは、前記二次電池(14)の充電に関する情報を転送する配線によって接続される。
【0049】
前記通信期間(T1、T3、T5)に、前記通信回路(16)は前記二次電池(14)の充電に関する前記情報を前記他の通信装置(2)と通信可能とされることを特徴とするものである(
図3参照)。
【0050】
より好適な実施の形態では、前記二次電池(14)の前記充電期間中(T2、T4)に、前記充電制御部(13)は前記電源電圧(V
OUT)を使用して前記二次電池(14)を充電可能とされて前記第2スイッチ部(15)が前記第3状態(“L”)の前記第2制御信号(Cnt2)に応答して前記オフ状態に制御されることを特徴とするものである(
図3参照)。
【0051】
他のより好適な実施の形態では、前記充電期間中(T2、T4)に、前記通信回路(16)は前記第1スイッチ部(18)の第3端子(T3)に供給される前記電源電圧(V
DD)によって動作可能とされることを特徴とするものである(
図3参照)。
【0052】
更に他のより好適な実施の形態では、前記プロセッサ(17)は、前記第1スイッチ部(18)の第3端子(T3)に接続される。
【0053】
前記充電期間中(T2、T4)に、前記プロセッサ(17)は、前記第1スイッチ部(18)の第3端子(T3)に供給される前記電源電圧(V
DD)によって動作可能とされることを特徴とするものである(
図3参照)。
【0054】
別のより好適な実施の形態では、前記通信期間(T1、T3、T5)に、前記通信回路(16)は前記他の通信装置(2)とNFC通信によって通信可能とされることを特徴とするものである(
図1参照)。
【0055】
更に別のより好適な実施の形態では、前記第2スイッチ部(15)は、前記通信コイル(11)に接続された第1ポート(P1)と前記通信回路(16)に接続された第2ポート(P2)との間に電流経路が直列接続された複数のエンハンスメント型電界効果トランジスタ(Q1、Q2、Q3…Q9)を含む。
【0056】
前記複数のエンハンスメント型電界効果トランジスタ(Q1、Q2、Q3…Q9)の複数のゲートに、前記電圧検出回路(121)から生成される前記第2制御信号(Cnt2)が供給されることを特徴とする(
図4参照)。
【0057】
具体的な実施の形態では、前記第2スイッチ部(15)は、前記通信コイルに接続された第1ポート(P1)と前記通信回路に接続された第2ポート(P2)との間に直列接続された複数のPINダイオード(D1、D2、D3…D8)を含むことを特徴とするものである(
図5参照)。
【0058】
他の具体的な実施の形態では、前記第2スイッチ部(15)は、前記通信コイルに接続された第1ポート(P1)と前記通信回路に接続された第2ポート(P2)との間に直列接続された複数のMEMSスイッチ(SW1、SW2、SW3…SW6)を含むことを特徴とするものである(
図6参照)。
【0059】
〔2〕別の観点の代表的な実施の形態は、通信コイル(11)と受電部(12)と充電制御部(13)と第1スイッチ部(18)と第2スイッチ部(15)と通信回路(16)とプロセッサ(17)とを具備する通信装置(1)の動作方法である。
【0060】
前記通信コイル(11)は、他の通信装置(2)から送信される送信信号を受信する。
【0061】
前記受電部(12)は、前記通信コイル(11)により受信される前記送信信号から電源電圧(V
DD)を生成する。
【0062】
前記充電制御部(13)は、二次電池(14)と接続可能とされる。
【0063】
前記充電制御部(13)は、前記電源電圧(V
DD)を使用して、前記二次電池(14)を充電可能とされる。
【0064】
前記通信コイル(11)は、前記第2スイッチ部(15)を介して、前記通信回路(16)の送受信端子と接続される。
【0065】
前記プロセッサ(17)は、前記通信回路(16)と接続される。
【0066】
前記第1スイッチ部(18)の第1端子(T1)に前記電源電圧(V
DD)が供給され、前記第1スイッチ部(18)の第2端子(T2)に前記二次電池(14)のバッテリ電圧(V
BAT)が供給可能とされ、前記第1スイッチ部(18)の第3端子(T3)は前記通信回路(16)に接続される。
【0067】
前記受電部(12)は、前記通信コイル(11)の端子電圧に応答する電圧検出回路(121)を含む。
【0068】
前記電圧検出回路(121)は、前記通信コイル(11)の前記端子電圧が所定の給電しきい値電圧(Vth0)を超過することに応答して、第1状態(“H”)の第1制御信号(Cnt1)を生成する。
【0069】
前記第1スイッチ部(18)は、前記第1状態(“H”)の前記第1制御信号(Cnt1)に応答して、前記第1端子(T1)と前記第3端子(T3)との間がオン状態に制御される。
【0070】
前記電圧検出回路(121)は、前記通信コイル(11)の前記端子電圧が前記所定の給電しきい値電圧を超過しないことに応答して、前記第1状態(“H”)と異なった第2状態(“L”)の前記第1制御信号(Cnt1)を生成する。
【0071】
前記第1スイッチ部(18)は、前記第2状態(“L”)の前記第1制御信号(Cnt1)に応答して、前記第2端子(T2)と前記第3端子(T3)との間がオン状態に制御される。
【0072】
前記電圧検出回路(121)は、前記二次電池(14)の充電期間中に、前記通信コイル(11)の前記端子電圧が前記所定の給電しきい値電圧(Vth0)より高い充電しきい値電圧(VthH、VthL)を超過することに応答して、第3状態(“L”)の第2制御信号(Cnt2)を生成する。
【0073】
前記第2スイッチ部(15)は、前記第3状態(“L”)の前記第2制御信号(Cnt2)に応答して、オフ状態に制御される。
【0074】
前記電圧検出回路(121)は、前記通信コイル(11)の前記端子電圧が前記所定の給電しきい値電圧よりも高い前記充電しきい値電圧を超過しないことに応答して、前記第3状態(“H”)と異なった第4状態(“L”)の前記第2制御信号(Cnt2)を生成する。
【0075】
前記第2スイッチ部(15)は、前記第4状態(“H”)の前記第2制御信号(Cnt2)に応答して、オン状態に制御される。
【0076】
前記第2スイッチ部(15)が前記オン状態に制御される期間に、前記通信回路(16)は前記他の通信装置(2)と通信可能とされることを特徴とするものである(
図1参照)。
【0077】
2.実施の形態の詳細
次に、実施の形態について更に詳述する。尚、発明を実施するための最良の形態を説明するための全図において、前記の図と同一の機能を有する部品には同一の符号を付して、その繰り返しの説明は省略する。
【0078】
[実施の形態1]
《非接触通信および非接触充電》
図1は、実施の形態1による受電側通信装置1が送電側通信装置2との間で非接触通信と非接触充電とを実行する様子を示す図である。
【0079】
図1に示した受電側通信装置1は、スマートフォン等の携帯電話に搭載されたものであり、自動改札システムや電子マネー等の電子決済を可能とするための所定の非接触通信方式であるNFC通信を実行するものであり、更に同一の所定の非接触通信方式であるNFC通信のアンテナを利用して二次電池(バッテリ)の非接触充電を実行するものである。
【0080】
《受電側通信装置の構成》
図1に示したように、実施の形態1による受電側通信装置1は、NFC通信用コイル11と受電部12と充電制御部13と二次電池14と第1スイッチ部18と第2スイッチ部15とNFCチップ16とプロセッサ17とを含む。尚、プロセッサ17は、その他の構成としてプロセッサ17を含む大規模半導体集積回路装置とすることも可能である。
【0081】
NFC通信用コイル11は携帯電話内部の配線基板の配線により受電部12の入力端子に直接接続される一方、第2スイッチ部15を介してNFCチップ16の送受信端子に接続されている。NFC通信用コイル11によって受信される送電側通信装置2からの二次電池の非接触充電のための誘導電力は、受電部12の内部で整流・平滑により電源電圧V
DD1、V
DD2に変換される。受電部12で生成される電源電圧V
DD1は充電制御部13を介して二次電池14に供給される一方、受電部12で生成される電源電圧V
DD2は第1スイッチ部18の第1端子T1と第3端子T3とを介してNFCチップ16とプロセッサ17とに供給可能とされる。充電制御部13によって十分に充電された二次電池14のバッテリ電圧V
BATは、プロセッサ17に直接供給される一方、第1スイッチ部18の第2端子T2と第3端子T3とを介してNFCチップ16に供給可能とされる。
【0082】
受電部12はNFC通信用コイル11の端子電圧を検出する電圧検出回路121を内蔵して、端子電圧が給電しきい値Vth0を超過することに応答して電圧検出回路121はハイレベルの第1制御電圧Cnt1を生成する。ハイレベルの第1制御電圧Cnt1に応答して第1スイッチ部18は第1端子T1と第3端子T3との間がオン状態に制御され、電圧検出回路121がローレベルの第1制御電圧Cnt1を生成している期間には第1スイッチ部18は第2端子T2と第3端子T3との間がオン状態に制御される。
【0083】
更に受電部12は充電制御部13およびNFCチップ16と携帯電話内部の配線基板の配線により接続されているので、二次電池14の充電に関するデータDataが受電部12と充電制御部13およびNFCチップ16の間で伝送可能とされる。このデータDataは、二次電池14の充電の充電電力が不足あるは過大であることを示すデータや充電のための相互認証のためのデータ等を含むものである。
【0084】
二次電池14の充電の期間中にはNFC通信用コイル11の端子電圧は100ボルトから200ボルトの高電圧となるので、電圧検出回路121は端子電圧が充電高しきい値VthHを超過すること検出して、電圧検出回路121はローレベルの第2制御電圧Cnt2を生成する。第2スイッチ部15はローレベルの第2制御電圧Cnt2に応答してオフ状態に制御されるので、二次電池14の充電の期間中のNFC通信用コイル11の端子電圧の100ボルトから200ボルトの高電圧によってNFCチップ16が破壊されることが防止されることが可能となる。
【0085】
二次電池14の充電期間以外の期間では、NFC通信用コイル11の端子電圧は100ボルトから200ボルトの高電圧よりも低下するので、電圧検出回路121は端子電圧が充電低しきい値VthL以下に低下すること検出して、電圧検出回路121はハイレベルの第2制御電圧Cnt2を生成する。第2スイッチ部15はハイレベルの第2制御電圧Cnt2に応答してオン状態に制御されるので、NFCチップ16はNFC通信用コイル11を使用して送電側通信装置2とNFC通信による送信動作と受信動作とを実行することが可能となる。プロセッサ17はスマートフォン等の携帯電話に搭載されるアプリケーションプロセッサ等であり、送電側通信装置2とのNFC通信を実行するためにプロセッサ17はフラッシュ不揮発性メモリとLCD等の表示デバイスとテンキー等の入出力デバイスに接続される。NFC通信による電子決済情報はフラッシュ不揮発性メモリに格納され、NFC通信による電子決済のために表示デバイスと入出力デバイスが使用可能とされる。尚、受電部12の給電しきい値Vth0と充電低しきい値VthLと充電高しきい値VthHとの間には、Vth0<VthL<VthHの関係が設定されている。
【0086】
《送電側通信装置の構成》
図1に示すように、送電側通信装置2は、NFC通信用コイル21と送電部22と電源制御部23と電源部24と第3スイッチ部25とNFCチップ26とプロセッサ27とを含む。
【0087】
図1に示した送電側通信装置2は従来のICカードのためのカードリーダー・カードライターと呼ばれる読み出し・書き込み装置のNFC通信機能に、受電側通信装置1の二次電池14のNFC通信による非接触充電機能が追加されたものである。
【0088】
NFC通信用コイル21は配線により送電部22の出力端子に直接接続される一方、第3スイッチ部25を介してNFCチップ26の送受信端子に接続される。NFC通信用コイル21によって送信される受電側通信装置1の二次電池14の非接触充電のための誘導電力を生成するために電源部24に商用電源電圧が供給されることで、電源部24から生成された電源電圧Vcc1は電源制御部23を介して送電部22に電源電圧Vcc2として供給される。更に、電源制御部23から生成された電源電圧Vcc3、Vcc4は、NFCチップ26とプロセッサ27とにそれぞれ供給される。
【0089】
更に送電部22は電源制御部23およびNFCチップ26と配線により接続されているので、受電側通信装置1の二次電池14の充電に関するデータDataが送電部22と電源制御部23およびNFCチップ26との間で伝送可能とされる。このデータDataは、二次電池14の充電の充電電力が不足あるは過大であることを示すデータや充電のための相互認証のためのデータ等を含むものである。
【0090】
受電側通信装置1の二次電池14の充電の期間中には送電側通信装置2のNFC通信用コイル21の端子電圧は100ボルトから200ボルトの高電圧となるので、プロセッサ27はローレベルの動作モード信号Modeによって第3スイッチ部25をオフ状態に制御する。その結果、第3スイッチ部25のオフ状態により、受電側通信装置1の二次電池14の充電期間中のNFC通信用コイル11の端子電圧の100ボルト〜200ボルトの高電圧によりNFCチップ26が破壊されることが防止されることが可能となる。
【0091】
受電側通信装置1の二次電池14の充電期間以外の期間でプロセッサ27はハイレベルの動作モード信号Modeによって第3スイッチ部25をオン状態に制御するので、NFCチップ26はNFC通信用コイル21を使用して受電側通信装置1とNFC通信による送信動作と受信動作とを実行することが可能となる。
【0092】
プロセッサ27は、受電側通信装置1からの電子決済の情報を処理して、処理結果をインターネット等の通信経路を介して種々の金融機関に転送するものである。
【0093】
《受電側通信装置の詳細な構成》
図2は、
図1に示した実施の形態1による受電側通信装置1の詳細な構成を示す図である。
【0094】
図2に示すように、実施の形態1による受電側通信装置1の受電部12は、電圧検出回路121と整合回路122と整流回路123と降圧レギュレータ124とNFC通信用電源部125とを含んでいる。
【0095】
整合回路122の入力端子はNFC通信用コイル11の両端に接続され、整合回路122はNFC通信用コイル11と整流回路123との間のインピーダンス整合を行う。整合回路122から生成されるRF信号は整流回路123によって全波整流され、整流回路123により整流された整流出力信号は電圧検出回路121と降圧レギュレータ124に供給される。降圧レギュレータ124は、整流回路123から生成される比較的高い電圧レベルの直流電圧から比較的低い電圧レベルの電源電圧V
DD1、V
DD2を生成して充電制御部13とNFC通信用電源部125にそれぞれ供給する。
【0096】
電圧検出回路121は整流回路123から生成された整流出力信号を監視することによって、NFC通信用コイル11の端子電圧を検出する。従って、電圧検出回路121は整流回路123の整流出力信号が給電しきい値Vth0を超過することに応答して、ハイレベルの第1制御電圧Cnt1を生成する。従って、第1スイッチ部18は、ハイレベルの第1制御電圧Cnt1に応答して、第1端子T1と第3端子T3との間がオン状態に制御される。
【0097】
尚、受電部12にRF電力が供給されておらず受電部12が動作していない状態において、第1スイッチ部18により、デフォルトによる事前設定によって、第2端子T2と第3端子T3との間がオン状態に接続される構成とすることも可能である。
【0098】
図2に示すように、電圧検出回路121は、ピーク検出回路1211とヒステリシス電圧比較器1212とを含んでいる。ピーク検出回路1211は、整流回路123から生成された平滑出力信号のピークレベルを検出する。ヒステリシス電圧比較器1212は、上述した充電低しきい値VthLと充電高しきい値VthHとに関してピーク検出回路1211によって検出されるピークレベルと電圧比較を実行する。
【0099】
すなわち、ヒステリシス電圧比較器1212はピーク検出回路1211によって検出されるピークレベルが充電高しきい値VthHを超過すること検出して、電圧検出回路121はローレベルの第2制御電圧Cnt2を生成する。従って、第2スイッチ部15はローレベルの第2制御電圧Cnt2に応答してオフ状態に制御されるので、二次電池14の充電の期間中のNFC通信用コイル11の端子電圧の100ボルトから200ボルトの高電圧によってNFCチップ16が破壊されることが防止されることが可能となる。
【0100】
二次電池14の充電期間以外の期間では、NFC通信用コイル11の端子電圧は100ボルトから200ボルトの高電圧より低下するので、電圧検出回路121はピーク検出回路1211により検出されるピークレベルが充電低しきい値VthL以下に低下すること検出して、電圧検出回路121はハイレベルの第2制御電圧Cnt2を生成する。従って、第2スイッチ部15はハイレベルの第2制御電圧Cnt2に応答してオン状態に制御されるので、NFCチップ16はNFC通信用コイル11を使用して送電側通信装置2とNFC通信による送信動作と受信動作とを実行することが可能となる。
【0101】
尚、上述した説明では、ワイヤレス給電時のキャリア周波数は、NFC通信のキャリア周波数と同じ13.56MHzが利用される。しかしながら、本発明はそれに限定されるものではく、整合回路122の調整等によって受信可能なその他の周波数、例えば6.78MHz等のキャリア周波数を利用することも可能であり、13.56MHzに限定されるものではない。
【0102】
《受電側通信装置の動作》
図3は、
図1と
図2に示した実施の形態1による受電側通信装置1の動作を説明する波形を示す図である。
【0103】
図3の第1番目には、受電側通信装置1のNFC通信用コイル11によって受信される送電側通信装置2からの誘導電力であるRF入力信号の波形と電圧検出回路121で検出される給電しきい値Vth0と充電低しきい値VthLと充電高しきい値VthHとが示されている。
【0104】
図3の第2番目には、電圧検出回路121から第1スイッチ部18に供給される第1制御電圧Cnt1の波形が示されている。
図3の第1番目のRF入力信号のピークレベルが給電しきい値Vth0を超過すると、第1制御電圧Cnt1がローレベルからハイレベルに変化して、第1スイッチ部18は第1端子T1と第3端子T3との間がオン状態に制御される。従って、受電側通信装置1のNFCチップ16とプロセッサ17とは、受電部12で生成される電源電圧V
DD2によって動作可能とされるものである。
【0105】
すなわち、
図3の第3番目には、第1スイッチ部18の第3端子T3に受電部12から供給される電源電圧V
DD2の波形が示されている。
図3の第1番目のRF入力信号のピークレベルが給電しきい値Vth0を超過すると、電源電圧V
DD2のレベルは接地電圧レベルのローレベルからハイレベルに変化する。
【0106】
図3の第4番目には、第2スイッチ部15に電圧検出回路121から供給される第2制御電圧Cnt2の波形が示されている。
【0107】
初期期間T0では、
図3の第1番目のRF入力信号と
図3の第3番目の電源電圧V
DD2がゼロレベルであるので、電圧検出回路121から生成される第2制御電圧Cnt2もゼロレベルのローレベルとなる。従って、
図3の第5番目に示すように、ローレベルの第2制御電圧Cnt2により制御される第2スイッチ部15はオフ状態に制御される。その結果、
図3の第6番目に示すように、初期期間T0では、電源オフ状態となる。
【0108】
初期期間T0の後の第1期間T1では、
図3の第1番目のRF入力信号は充電低しきい値VthLよりも低レベルであるので、電圧検出回路121はハイレベルの第2制御電圧Cnt2を生成して、第2スイッチ部15はハイレベルの第2制御電圧Cnt2に応答して
図3の第5番目に示すようにオン状態に制御される。その結果、
図3の第6番目に示すように、第1期間T1では、オン状態に制御された第2スイッチ部15とNFC通信用コイル11とを使用して、受電側通信装置1と送電側通信装置2との間のNFC通信が可能となる。
【0109】
第1期間T1の後の第2期間T2では、
図3の第1番目のRF入力信号は充電高しきい値VthHよりも高レベルであるので、電圧検出回路121はローレベルの第2制御電圧Cnt2を生成して、第2スイッチ部15はローレベルの第2制御電圧Cnt2に応答して
図3の第5番目に示すようにオフ状態に制御される。一方、第2期間T2では、第3端子T3に受電部12から供給される電源電圧V
DD2は高レベルとされているので、
図3の第6番目に示すように、受電側通信装置1のNFCチップ16とプロセッサ17とは、電源電圧V
DD2により動作可能とされデータ処理を実行するものである。
【0110】
第3期間T3と第5期間T5とでは、
図3の第1番目に示したRF入力信号は充電低しきい値VthLより低レベルであるので、電圧検出回路121はハイレベルの第2制御電圧Cnt2を生成して、第2スイッチ部15はハイレベルの第2制御電圧Cnt2に応答して
図3の第5番目に示すようにオン状態に制御される。その結果、
図3の第6番目に示したように、第3期間T3と第5期間T5では、オン状態に制御された第2スイッチ部15とNFC通信用コイル11とを使用して、受電側通信装置1と送電側通信装置2との間でのNFC通信が可能となる。
【0111】
第4期間T4では、上述した第2期間T2と同様に、
図3の第1番目に示すRF入力信号は充電高しきい値VthHよりも高レベルであるので、電圧検出回路121はローレベルの第2制御電圧Cnt2を生成して、第2スイッチ部15はローレベルの第2制御電圧Cnt2に応答して
図3の第5番目に示すようにオフ状態に制御される。一方、第4期間T4では、第3端子T3に受電部12から供給される電源電圧V
DD2は高レベルとされているので、
図3の第6番目に示すように、受電側通信装置1のNFCチップ16とプロセッサ17とは、電源電圧V
DD2により動作可能とされデータ処理を実行するものである。
【0112】
従って、
図3からNFC通信・二次電池非充電期間T1・T3・T5とNFC非通信・二次電池充電期間T2・T4とが、時分割で交互に出現していることが理解できる。
【0113】
すなわち、第1期間T1と第3期間T3と第5期間T5では、オン状態に制御された第2スイッチ部15とNFC通信用コイル11とを使用して受電側通信装置1と送電側通信装置2との間でのNFC通信が可能となる。その結果、二次電池14の充電に関する情報や充電のための相互認証のデータや電子決済の情報等を、NFC通信によって受電側通信装置1と送電側通信装置2との間で転送することが可能となる。また更に、このNFC通信・二次電池非充電期間では、受電側通信装置1は、送電側通信装置2のインターネット環境を利用して種々のデータ・情報をアクセスすることが可能となる。更に送電側通信装置2のWi−Fi(Wireless Fidelity)等の無線LANによるインターネット環境を利用するために、送電側通信装置2と受電側通信装置1との間の無線LAN接続の認証をこのNFC通信を利用して行うことも可能である。
【0114】
また第2期間T2と第4期間T4では、第2スイッチ部15はローレベルの第2制御電圧Cnt2に応答してオフ状態に制御されるので、受電側通信装置1と送電側通信装置2との間でのNFC通信が不可能となる。しかし、このNFC非通信・二次電池充電期間では、受電側通信装置1のNFCチップ16とプロセッサ17とは、受電部12から供給される電源電圧V
DD2によって動作可能とされ、受電部12や充電制御部13の状態監視等の種々のデータ処理を実行するものである。すなわち、NFCチップ16とプロセッサ17は、次のNFC通信・二次電池非充電期間T1・T3・T5に送信されるデータを処理可能であり、フラッシュ不揮発性メモリに格納された種々のアプリケーションプログラムを実行することも可能である。
【0115】
《MOSトランジスタによる第1スイッチ部の構成》
図4は、
図1と
図2とに示した実施の形態1による受電側通信装置1のNFC通信用コイル11とNFCチップ16との間に接続される第2スイッチ部15がMOSトランジスタによって構成を示す図である。
【0116】
図4に示すように、第2スイッチ部15の第1ポートP1と第2ポートP2は、NFC通信用コイル11とNFCチップ16とにそれぞれ接続され、第2スイッチ部15の制御端子CNTには電圧検出回路121から生成される第2制御電圧Cnt2が供給される。厳密に言うと、第2スイッチ部15の第1ポートP1は、結合容量を介してNFC通信用コイル11に接続される。
【0117】
第2スイッチ部15の第1ポートP1と第2ポートP2との間にNFC通信用コイル11の100ボルト〜200ボルトの端子間高電圧が供給されることを考慮して、第2スイッチ部15は第1ポートP1と第2ポートP2との間に直列接続された9個のNチャネル型MOSトランジスタQ1、Q2、Q3…Q9を含む。Nチャネル型MOSトランジスタQ1、Q2、Q3…Q9の各トランジスタのソース・ドレイン間には、略100KΩの高抵抗値の抵抗Rds12、Rds23、Rds34…Rds9nが接続される。その結果、Nチャネル型MOSトランジスタQ1、Q2、Q3…Q9の各トランジスタのソース直流電位とドレイン直流電位とが等しく設定可能となる。
【0118】
Nチャネル型MOSトランジスタQ1、Q2の両ゲート間に数KΩの抵抗値を有するゲート抵抗Rg12が接続されて、更にNチャネル型MOSトランジスタQ2、Q3の両ゲート間には数KΩの抵抗値を有するゲート抵抗Rg23が接続されている。以下同様にして、Nチャネル型MOSトランジスタQ3…Q9に関しても、ゲート抵抗Rg34…Rg89が接続されている。更に、2個のゲート抵抗Rg45、R56の共通接続ノードは、第2スイッチ部15の制御端子CNTに接続される。
【0119】
8個のゲート抵抗Rg12、Rg23、Rg34…Rg89は、Nチャネル型MOSトランジスタQ1、Q2…Q9の各トランジスタのゲート絶縁膜の絶縁破壊を防止する機能を有するものである。すなわち、第2スイッチ部15の第1ポートP1と第2ポートP2の間にNFC通信用コイル11の100ボルト〜200ボルトの端子間高電圧が供給されたとしても、Nチャネル型MOSトランジスタQ1、Q2…Q9の各トランジスタのゲート絶縁膜に印加される電圧がゲート破壊電圧以下に抑圧されるものである。
【0120】
更に、第2スイッチ部15を構成する9個のNチャネル型MOSトランジスタQ1、Q2、Q3…Q9の各トランジスタは、エンハンスメント型のMOS電界効果トランジスタが使用される。その結果、9個のNチャネル型MOSトランジスタQ1、Q2、Q3…Q9がエンハンスメント型MOS電界効果トランジスタであるので、
図3の初期期間T0と第2期間T2と第4期間T4とで、電圧検出回路121から生成されるローレベルの第2制御電圧Cnt2によって第2スイッチ部15は確実にオフ状態に制御されることが可能となる。すなわち、9個のNチャネル型MOSトランジスタQ1、Q2、Q3…Q9のエンハンスメント型MOS電界効果トランジスタの正のしきい値電圧よりも高いハイレベルの第2制御電圧Cnt2によって、第2スイッチ部15はオン状態に制御されるものである。
【0121】
《PINダイオードによる第1スイッチ部の構成》
図5は、
図1と
図2とに示した実施の形態1による受電側通信装置1のNFC通信用コイル11とNFCチップ16との間に接続される第2スイッチ部15がPINダイオードによって構成を示す図である。
【0122】
図5に示すように、第2スイッチ部15の第1ポートP1と第2ポートP2は、NFC通信用コイル11とNFCチップ16とにそれぞれ接続され、第2スイッチ部15の制御端子CNTには電圧検出回路121から生成される第2制御電圧Cnt2が供給される。
【0123】
第1ポートP1には第1結合容量C1の一端が接続され、制御端子CNTと第1結合容量C1の他端との間には第1インダクタL1が接続される。第1結合容量C1の他端に第1PINダイオードD1のアノードAが接続され、第1PINダイオードD1のカソードKに第2PINダイオードD2のアノードAが接続され、第2PINダイオードD2のカソードKに第3PINダイオードD3のアノードAが接続され、第3PINダイオードD3のカソードKに第4PINダイオードD4のアノードAが接続される。第4PINダイオードD4のカソードKに第5PINダイオードD5のアノードAが接続され、第5PINダイオードD5のカソードKに第6PINダイオードD6のアノードAが接続され、第6PINダイオードD6のカソードKに第7PINダイオードD7のアノードAが接続され、第7PINダイオードD7のカソードKに第8PINダイオードD8のアノードAが接続される。第8PINダイオードD8のカソードKは第2インダクタL2を介して接地電位GNDに接続されるとともに第2結合容量C2の一端に接続され、第2結合容量C2の他端は第2ポートP2に接続されている。
【0124】
8個のPINダイオードD1〜D8は、
図5に示したようにP型半導体領域Pで構成されたアノードAとN型半導体領域Nで構成されたカソードKとアノードAとカソードKとの間に形成された真性(Intrinsic)型半導体領域Iにより形成されている。
【0125】
このPINダイオードD1〜D8は、良く知られているように両端子間にゼロバイアスが供給されている場合には真性型半導体領域Iの空乏層により両端子間はオフ状態となって、両端子間に逆方向バイアス電圧が供給されている場合にも両端子間はオフ状態となる。しかし、PINダイオードD1〜D8は両端子間に大きな順方向バイアス電圧が供給されている場合には、ダイオード順方向動作抵抗が極めて小さくなることによって両端子間はオン状態となる。従って、
図5に示したようにPINダイオードD1〜D8により構成された第2スイッチ部15の制御端子CNTに大きな正の制御電圧を供給することによって、第2スイッチ部15の第1ポートP1と第2ポートP2との間はオン状態となる。一方、第2スイッチ部15の制御端子CNTに接地電位GNDを供給することによって、第2スイッチ部15の第1ポートP1と第2ポートP2との間はオフ状態となる。
【0126】
《MEMSスイッチによる第1スイッチ部の構成》
図6は、
図1と
図2とに示した実施の形態1による受電側通信装置1のNFC通信用コイル11とNFCチップ16との間に接続される第2スイッチ部15がMEMSスイッチによって構成を示す図である。尚、MEMSは、Micro Electro Mechanical Systemsの略称である。
【0127】
図6に示すように、第2スイッチ部15の第1ポートP1と第2ポートP2は、NFC通信用コイル11とNFCチップ16とにそれぞれ接続され、第2スイッチ部15の制御端子CNTには電圧検出回路121から生成される第2制御電圧Cnt2が供給される。
【0128】
第1ポートP1に第1MEMSスイッチSW1の第1端子T1が接続され、第1MEMSスイッチSW1の第2端子T2に第2MEMSスイッチSW2の第1端子T1が接続され、第2MEMSスイッチSW2の第2端子T2に第3MEMSスイッチSW3の第1端子T1が接続され、第3MEMSスイッチSW3の第2端子T2に第4MEMSスイッチSW4の第1端子T1が接続される。第4MEMSスイッチSW4の第2端子T2に第5MEMSスイッチSW5の第1端子T1が接続され、第5MEMSスイッチSW5の第2端子T2に第6MEMSスイッチSW6の第1端子T1が接続され、第6MEMSスイッチSW6の第2端子T2に第2ポートP2が接続される。6個のMEMSスイッチSW1、SW2、SW3…SW6の制御端子は、第2スイッチ部15の制御端子CNTに接続される。
【0129】
MEMSスイッチSW1〜SW6の各スイッチは、
図6の平面図に示したように第1端子T1および第2端子T2と接触可能とされたスイッチコンタクトSW_CNTと、絶縁体薄膜Insを静電誘導によりプルダウン可能なプルダウン電極PD_EL1、PD_EL2と、アンカーAnchor1、Anchor2とにより構成されている。
図6の断面図に示すように、基板Subの主表面上には、第1端子T1および第2端子T2と、第1接地電極GND1と、第2接地電極GND2とが形成される。更に、第1端子T1および第2端子T2と第1接地電極GND1と第2接地電極GND2の上部には、絶縁体薄膜Insが形成される。
【0130】
第1端子T1および第2端子T2の上部で絶縁体薄膜Insの下面に、スイッチコンタクトSW_CNTが形成される。第1接地電極GND1の上部で絶縁体薄膜Insの上面に第1プルダウン電極PD_EL1が形成され、第2接地電極GND2の上部で絶縁体薄膜Insの上面に第2プルダウン電極PD_EL2が形成される。絶縁体薄膜Insの一端と他端とは、それぞれ第1アンカーAnchor1と第2アンカーAnchor2とによって基板Subの主表面上に固定される。
【0131】
第2スイッチ部15の制御端子CNTに例えば、正電圧を供給することによって、第1接地電極GND1および第2接地電極GND2の接地電位に対して、第1プルダウン電極PD_EL1と第2プルダウン電極PD_EL2は正電圧に帯電される。その結果、静電誘導によりプルダウン可能な第1プルダウン電極PD_EL1と第2プルダウン電極PD_EL2は基板Subの主表面上にプルダウンされるので、絶縁体薄膜Insの下面に形成されたスイッチコンタクトSW_CNTは基板Subの主表面上に形成された第1端子T1および第2端子T2と電気的に接触された状態となる。一方、第2スイッチ部15の制御端子CNTに接地電位を供給した場合には、静電誘導が発生しないので、絶縁体薄膜Insの下面に形成されたスイッチコンタクトSW_CNTは基板Subの主表面上に形成された第1端子T1および第2端子T2と電気的に非接触の状態となる。
【0132】
以上、本発明者によってなされた発明を種々の実施の形態に基づいて具体的に説明したが、本発明はそれに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能であることは言うまでもない。
【0133】
例えば、送電側通信装置2の第3スイッチ部25は、
図4と
図5と
図6に示した構造のいずれかによって構成されることが可能である。
【0134】
更に、
図4に示した第2スイッチ部15は複数の直列接続されたNチャネルのエンハンスメント型MOSトランジスタ以外にもゲート電極がショットキー障壁によって形成されたNチャネルのエンハンスメント型MES電界効果トランジスタを使用することも可能である。尚、MESは、MetalのMEとSemiconductorのSとの頭文字の組み合わせである。