特許第5836993号(P5836993)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5836993
(24)【登録日】2015年11月13日
(45)【発行日】2015年12月24日
(54)【発明の名称】インバータ装置
(51)【国際特許分類】
   H02M 7/48 20070101AFI20151203BHJP
   H01L 25/07 20060101ALI20151203BHJP
   H01L 25/18 20060101ALI20151203BHJP
【FI】
   H02M7/48 Z
   H01L25/04 C
【請求項の数】7
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2013-60493(P2013-60493)
(22)【出願日】2013年3月22日
(65)【公開番号】特開2014-187790(P2014-187790A)
(43)【公開日】2014年10月2日
【審査請求日】2015年3月18日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005108
【氏名又は名称】株式会社日立製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100084412
【弁理士】
【氏名又は名称】永井 冬紀
(72)【発明者】
【氏名】大西 正己
(72)【発明者】
【氏名】徳山 健
【審査官】 槻木澤 昌司
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−129746(JP,A)
【文献】 特開2002−368192(JP,A)
【文献】 特開2003−309995(JP,A)
【文献】 特開平08−191130(JP,A)
【文献】 特開平05−206449(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2004/0188706(US,A1)
【文献】 特開平10−093085(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02M 7/48
H01L 25/07
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
スイッチング素子と、
前記スイッチング素子とそれぞれ並列に接続された複数の還流ダイオードと、
前記還流ダイオードのアノード端子および前記スイッチング素子の一端側に接続された第1の導体板と、
前記還流ダイオードのカソード端子および前記スイッチング素子の他端側に接続された第2の導体板と、を備え、
前記還流ダイオードは、多角形形状をそれぞれ有しており、
互いに隣接する位置に配置された前記還流ダイオード同士は、いずれか1つの頂点同士が互いに対向するように配置されており、
前記還流ダイオードは、前記第1の導体板における電流経路の長さと前記第2の導体板における電流経路の長さとの合計が、少なくとも2つ以上の前記還流ダイオードについて略同一となるように配置されていることを特徴とするインバータ装置。
【請求項2】
請求項に記載のインバータ装置において、
前記第1の導体板は、負荷側または電源の負極側に接続された第1の端部を有しており、
前記第2の導体板は、前記電源の正極側または前記負荷側に接続された第2の端部を有しており、
前記還流ダイオードは、前記第1の端部から各還流ダイオードのアノード端子までの前記第1の導体板上の長さと、各還流ダイオードのカソード端子から前記第2の端部までの前記第2の導体板上の長さとの合計が、少なくとも2つ以上の前記還流ダイオードについて略同一となるように配置されていることを特徴とするインバータ装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載のインバータ装置において、
前記還流ダイオードは、互いに対向する頂点の組の合計数が、前記還流ダイオードの合計数よりも1少なくなるように配置されていることを特徴とするインバータ装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか一項に記載のインバータ装置において、
多角形形状をそれぞれ有する複数の前記スイッチング素子が配置されており、
互いに隣接する位置に配置された前記スイッチング素子同士は、いずれか1つの頂点同士が互いに対向するように配置されていることを特徴とするインバータ装置。
【請求項5】
請求項に記載のインバータ装置において、
前記スイッチング素子は、前記第1の導体板における電流経路の長さと前記第2の導体板における電流経路の長さとの合計が、少なくとも2つ以上の前記スイッチング素子について略同一となるように配置されていることを特徴とするインバータ装置。
【請求項6】
請求項に記載のインバータ装置において、
前記第1の導体板は、負荷側または電源の負極側に接続された第1の端部を有しており、
前記第2の導体板は、前記電源の正極側または前記負荷側に接続された第2の端部を有しており、
前記スイッチング素子は、前記第2の端部から各スイッチング素子までの前記第2の導体板上の長さと、各スイッチング素子から前記第1の端部までの前記第1の導体板上の長さとの合計が、少なくとも2つ以上の前記スイッチング素子について略同一となるように配置されていることを特徴とするインバータ装置。
【請求項7】
請求項4乃至6のいずれか一項に記載のインバータ装置において、
前記スイッチング素子は、互いに対向する頂点の組の合計数が、前記スイッチング素子の合計数よりも1少なくなるように配置されていることを特徴とするインバータ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、直流電力を交流電力に変換するインバータ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、IGBTやMOSFETをスイッチング素子に用いて直流電力を交流電力に変換するインバータ装置が広く利用されている。こうしたインバータ装置では、スイッチング時に発生する逆起電力から回路を保護するために、スイッチング素子と逆並列に還流ダイオードが接続されている。
【0003】
特許文献1には、複数のIGBTチップと還流ダイオードチップを並列に接続して構成されたIGBTパッケージにおいて、これらを分散して配置することで、電流や熱が部分的に集中するのを防止する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平10−93085号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1に記載されたような還流ダイオードの配置方法では、互いに隣接し合うチップ同士の間隔が狭いため、各還流ダイオードの放熱を十分に行うことができない可能性がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によるインバータ装置は、スイッチング素子と、スイッチング素子とそれぞれ並列に接続された複数の還流ダイオードと、還流ダイオードのアノード端子およびスイッチング素子の一端側に接続された第1の導体板と、還流ダイオードのカソード端子およびスイッチング素子の他端側に接続された第2の導体板と、を備える。還流ダイオードは、多角形形状をそれぞれ有しており、互いに隣接する位置に配置された還流ダイオード同士は、いずれか1つの頂点同士が互いに対向するように配置されており、還流ダイオードは、第1の導体板における電流経路の長さと第2の導体板における電流経路の長さとの合計が、少なくとも2つ以上の還流ダイオードについて略同一となるように配置されている
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、複数の還流ダイオードを並列接続した場合に、各還流ダイオードの放熱を十分に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明に係るインバータ装置の回路構成を示す図である。
図2】温度によるダイオードの電気的特性の変化を説明するための図である。
図3】本発明の第1の実施形態によるインバータ装置の実装配置を示した三面図である。
図4】本発明の第1の実施形態における上アーム部の還流電流経路の一例を示す図である。
図5】本発明の第2の実施形態によるインバータ装置の実装配置を示した三面図である。
図6】本発明の第2の実施形態における上アーム部の還流電流経路の一例を示す図である。
図7】本発明の第3の実施形態によるインバータ装置の実装配置を示した三面図である。
図8】本発明の第3の実施形態における上アーム部および下アーム部の駆動電流経路の一例を示す図である。
図9】本発明の第4の実施形態によるインバータ装置の実装配置を示した三面図である。
図10】本発明の第4の実施形態における上アーム部の還流電流経路の一例を示す図である。
図11】本発明の第5の実施形態によるインバータ装置の実装配置を示した三面図である。
図12】本発明の第6の実施形態によるインバータ装置の実装配置を示した三面図である。
図13】本発明の第7の実施形態によるインバータ装置の実装配置を示した立体分解図である。
図14】本発明の第7の実施形態によるインバータ装置の実装配置を示した図である。
図15】本発明の第7の実施形態における下アーム部の還流電流経路の一例を示す図である。
図16】本発明の第8の実施形態によるインバータ装置の実装配置を示した図である。
図17】本発明の第9の実施形態によるインバータ装置の実装配置を示した図である。
図18】本発明の第10の実施形態によるインバータ装置100の実装配置を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して、本発明に係るインバータ装置について説明する。図1は、本発明に係るインバータ装置100の回路構成を示す図である。インバータ装置100は、ゲート駆動回路200、負荷300、直流電源400およびキャパシタ500と接続されており、スイッチング素子101および還流ダイオード103a〜103dにより構成される上アーム部と、スイッチング素子102および還流ダイオード104a〜104dにより構成される下アーム部とを備える。
【0010】
スイッチング素子101、102は、半導体素子であるIGBTを用いて構成されている。スイッチング素子101のコレクタ端子は、直流電源400へとつながるP端子に接続されており、スイッチング素子101のエミッタ端子は、負荷300へとつながるAC端子に接続されている。スイッチング素子102のコレクタ端子は、スイッチング素子101のエミッタ端子と同様に、負荷300へとつながるAC端子に接続されており、スイッチング素子102のエミッタ端子は、グランドへとつながるN端子に接続されている。また、スイッチング素子101、102のゲート端子は、ゲート駆動回路200に接続されている。
【0011】
スイッチング素子101、102のスイッチング状態は、ゲート駆動回路200から出力される駆動信号に応じてそれぞれ制御される。インバータ装置100は、ゲート駆動回路200からの駆動信号に応じて、スイッチング素子101、102を所定のタイミングでそれぞれオンまたはオフさせる。これにより、直流電源400から供給される直流電力を交流電力に変換し、負荷300に供給する。なお、IGBTの代わりに他の素子、たとえばMOSFETなどをスイッチング素子101、102として用いてもよい。
【0012】
還流ダイオード103a〜103dは、スイッチング素子101とそれぞれ並列に接続されており、還流ダイオード104a〜104dは、スイッチング素子102とそれぞれ並列に接続されている。還流ダイオード103a〜103dの各アノード端子は、スイッチング素子101のエミッタ端子と同様に、AC端子に接続されており、還流ダイオード103a〜103dの各カソード端子は、スイッチング素子101のコレクタ端子と同様に、P端子に接続されている。還流ダイオード104a〜104dの各アノード端子は、スイッチング素子102のエミッタ端子と同様に、N端子に接続されており、還流ダイオード104a〜104dの各カソード端子は、スイッチング素子102のコレクタ端子と同様に、AC端子に接続されている。
【0013】
なお、還流ダイオード103a〜103dには、インダクタンス成分L1a〜L1dがそれぞれ直列に接続されている。同様に、還流ダイオード104a〜104dには、インダクタンス成分L2a〜L2dがそれぞれ直列に接続されている。これらのインダクタンス成分の値は、還流ダイオード103a〜103dおよび104a〜104dの実装配置や、還流ダイオード103a〜103dおよび104a〜104dを経由して流れる電流の経路によってそれぞれ異なる。これにより、還流ダイオード103a〜103dおよび104a〜104dの各々において、スイッチング時の電流変化にばらつきが生じる。その結果、還流ダイオード103a〜103dおよび104a〜104dの発熱量において偏差が生じ、経年劣化状態や電気的特性の差につながる。
【0014】
図2は、温度によるダイオードの電気的特性の変化を説明するための図である。たとえば、SiC(炭化ケイ素)を用いたショットキバリアダイオード(SiC−SBD)の場合、アノード−カソード間の電圧をVfとし、電流をIfとすると、電圧Vfに対する電流Ifの大きさは、温度に応じて図2に示すように変化する。したがって、これを図1の還流ダイオード103a〜103d、104a〜104dとして用いた場合、上記のように、発熱量の偏差が電気的特性の差につながることが分かる。
【0015】
そこで本発明では、還流ダイオード103a〜103dおよび104a〜104dを含む各半導体素子の配置をインバータ装置100において工夫することで、インダクタンス成分L1a〜L1dおよびL2a〜L2dをそれぞれ均一化し、発熱量の偏差を低減するようにした。以下に説明する各実施形態では、インバータ装置100の様々な実装配置例についてそれぞれ説明する。
【0016】
(第1の実施形態)
図3は、本発明の第1の実施形態によるインバータ装置100の実装配置を示した三面図である。図3に示すように、本実施形態では、上アーム部のスイッチング素子101および還流ダイオード103a〜103dは、高圧側リードフレーム105と接続用リードフレーム106の間に挟まれて配置されている。また、下アーム部のスイッチング素子102および還流ダイオード104a〜104dは、低圧側リードフレーム108と交流リードフレーム107の間に挟まれて配置されている。スイッチング素子101、102は、表面側にエミッタ端子、裏面側にコレクタ端子がそれぞれ設けられており、還流ダイオード103a〜103d、104a〜104dは、表面側にアノード端子、裏面側にカソード端子がそれぞれ設けられている。
【0017】
上アーム部において、スイッチング素子101のコレクタ端子および還流ダイオード103a〜103dの各カソード端子は、高圧側リードフレーム105に接続されている。高圧側リードフレーム105の上端部には、前述のP端子が形成されている。すなわち、スイッチング素子101のコレクタ端子と還流ダイオード103a〜103dの各カソード端子は、高圧側リードフレーム105を介して、図1の直流電源400に接続されている。
【0018】
また、スイッチング素子101のエミッタ端子および還流ダイオード103a〜103dの各アノード端子は、金属スペーサ109を介して接続用リードフレーム106に接続されている。接続用リードフレーム106の右下端部は、交流リードフレーム107と接合されており、交流リードフレーム107の上端部には、前述のAC端子が形成されている。すなわち、スイッチング素子101のエミッタ端子と還流ダイオード103a〜103dの各アノード端子は、接続用リードフレーム106および交流リードフレーム107を介して、図1の負荷300に接続されている。
【0019】
一方、下アーム部において、スイッチング素子102のコレクタ端子および還流ダイオード104a〜104dの各カソード端子は、交流リードフレーム107に接続されている。交流リードフレーム107の上端部には、上記のようにAC端子が形成されている。すなわち、スイッチング素子102のコレクタ端子と還流ダイオード104a〜104dの各カソード端子は、交流リードフレーム107を介して、図1の負荷300に接続されている。
【0020】
また、スイッチング素子102のエミッタ端子および還流ダイオード104a〜104dの各アノード端子は、金属スペーサ109を介して低圧側リードフレーム108に接続されている。低圧側リードフレーム108の上端部には、前述のN端子が形成されている。すなわち、スイッチング素子102のエミッタ端子と還流ダイオード104a〜104dの各アノード端子は、低圧側リードフレーム108を介して、図1の回路図に示したグランドに接続されている。
【0021】
還流ダイオード103a〜103dおよび104a〜104dは、正方形形状をそれぞれ有している。上アーム部の還流ダイオード103a〜103dは、各辺の方向に対して斜め45°の方向に延びる直線上に並べて実装配置されている。一方、下アーム部の還流ダイオード104a〜104dは、図の左右方向に対して各辺の方向が斜め45°となるような向きに、直線上に並べて実装配置されている。このような配置により、還流ダイオード103a〜103dおよび104a〜104dでは、対向する位置にある頂点同士を近接させて、辺同士を近接させないようにすることができる。すなわち、還流ダイオード103a〜103dおよび104a〜104dのうち、互いに隣接する位置に配置されたもの同士は、いずれか1つの頂点同士が互いに対向するように配置されている。
【0022】
上記のような配置とすることで、還流ダイオード103a〜103dおよび104a〜104dにおいて、互いの熱的な干渉を軽減することができる。そのため、還流ダイオード103a〜103dおよび104a〜104dの放熱を十分に行うことができる。
【0023】
なお、還流ダイオード103a〜103dでは、還流ダイオード103aと103b、還流ダイオード103bと103c、還流ダイオード103cと103dがそれぞれ互いに隣接している。すなわち、4個の還流ダイオード103a〜103dに対して、対向する頂点の組の合計数は3つである。同様に、4個の還流ダイオード104a〜104dに対しても、対向する頂点の組の合計数は3つである。このように、還流ダイオード103a〜103d、104a〜104dは、互いに対向する頂点の組の合計数が、還流ダイオード103a〜103d、104a〜104dの各合計数よりも1少なくなるようにそれぞれ配置されている。こうした配置とすることで、これらを環状に配置した場合と比べて、互いの熱的な干渉をさらに低減し、放熱性能を向上させることができる。
【0024】
図4は、本発明の第1の実施形態における上アーム部の還流電流経路の一例を示す図である。なお図4では、還流電流経路を分かりやすく示すために、スイッチング素子101、102の図示を省略している。
【0025】
本実施形態において、上アーム部の還流ダイオード103a〜103dを経由して流れる還流電流は、接続用リードフレーム106および高圧側リードフレーム105において、図4に示すような電流経路110をそれぞれ通る。具体的には、AC端子から入力された還流電流は、最初に交流リードフレーム107を通過した後、接続用リードフレーム106に到達する。接続用リードフレーム106では、交流リードフレーム107との接合部から、還流ダイオード103a〜103dの各アノード端子まで、実線で示した電流経路110を通って還流電流が流れる。還流ダイオード103a〜103dを通過すると、還流電流は、高圧側リードフレーム105において、還流ダイオード103a〜103dの各カソード端子からP端子まで、破線で示した電流経路110を通って流れる。
【0026】
ここで、実線で示した接続用リードフレーム106における電流経路110の長さは、交流リードフレーム107を介して負荷300側に接続された右下端部から、還流ダイオード103a〜103dの各アノード端子までの接続用リードフレーム106上の長さとほぼ等しい。また、破線で示した高圧側リードフレーム105における電流経路110の長さは、還流ダイオード103a〜103dの各カソード端子から、直流電源400の正極側に接続されたP端子、すなわち上端部までの高圧側リードフレーム105上の長さとほぼ等しい。これらの長さの合計は、全ての還流ダイオード103a〜103dについて、大体同じ程度である。このように、本実施形態では、接続用リードフレーム106における電流経路110の長さと、高圧側リードフレーム105における電流経路110の長さとの合計が、全ての還流ダイオード103a〜103dについて略同一となるように、還流ダイオード103a〜103dが配置されている。これにより、図1に示したインダクタンス成分L1a〜L1dを均一化することができる。したがって、還流ダイオード103a〜103dにおける発熱量の偏差を低減し、これらの電気的特性を揃えることができる。
【0027】
なお、図4では上アーム部における還流電流経路の一例を示したが、下アーム部における還流電流経路についても同様である。すなわち、低圧側リードフレーム108における電流経路の長さと、交流リードフレーム107における電流経路の長さとの合計が、全ての還流ダイオード104a〜104dについて略同一となるように、還流ダイオード104a〜104dが配置されている。これにより、図1に示したインダクタンス成分L2a〜L2dを均一化することができる。したがって、還流ダイオード104a〜104dにおける発熱量の偏差を低減し、これらの電気的特性を揃えることができる。
【0028】
以上説明した本発明の第1の実施形態によれば、以下の作用効果を奏する。
【0029】
(1)インバータ装置100において、スイッチング素子101、102と、正方形形状を有する還流ダイオード103a〜103d、104a〜104dとは、それぞれ並列に接続されている。互いに隣接する位置に配置された還流ダイオード103a〜103d、104a〜104d同士は、いずれか1つの頂点同士が互いに対向するように配置されている。このようにしたので、還流ダイオード103a〜103d、104a〜104dをそれぞれ並列接続した場合に、これらの放熱を十分に行うことができる。
【0030】
(2)上アーム部において、還流ダイオード103a〜103dのアノード端子およびスイッチング素子101の一端側(エミッタ端子側)には、接続用リードフレーム106が接続されており、還流ダイオード103a〜103dのカソード端子およびスイッチング素子101の他端側(コレクタ端子側)には、高圧側リードフレーム105が接続されている。還流ダイオード103a〜103dは、接続用リードフレーム106における電流経路110の長さと、高圧側リードフレーム105における電流経路110の長さとの合計が、全ての還流ダイオード103a〜103dについて略同一となるように配置されている。具体的には、交流リードフレーム107を介して負荷300側に接続された接続用リードフレーム106の右下端部から、各還流ダイオード103a〜103dのアノード端子までの接続用リードフレーム106上の長さと、各還流ダイオード103a〜103dのカソード端子から、直流電源400の正極側に接続された高圧側リードフレーム105の上端部までの高圧側リードフレーム105上の長さとの合計が、全ての還流ダイオード103a〜103dについて略同一となるように、還流ダイオード103a〜103dは配置されている。このようにしたので、インダクタンス成分L1a〜L1dを均一化し、還流ダイオード103a〜103dの電気的特性を揃えることができる。
【0031】
(3)また、下アーム部において、還流ダイオード104a〜104dのアノード端子およびスイッチング素子102の一端側(エミッタ端子側)には、低圧側リードフレーム108が接続されており、還流ダイオード104a〜104dのカソード端子およびスイッチング素子102の他端側(コレクタ端子側)には、交流リードフレーム107が接続されている。還流ダイオード104a〜104dは、低圧側リードフレーム108における電流経路110の長さと、交流リードフレーム107における電流経路110の長さとの合計が、全ての還流ダイオード104a〜104dについて略同一となるように配置されている。具体的には、直流電源400の負極側に接続された低圧側リードフレーム108の上端部から、各還流ダイオード104a〜104dのアノード端子までの低圧側リードフレーム108上の長さと、各還流ダイオード104a〜104dのカソード端子から、負荷300側に接続された交流リードフレーム107の上端部までの交流リードフレーム107上の長さとの合計が、全ての還流ダイオード104a〜104dについて略同一となるように、還流ダイオード104a〜104dは配置されている。このようにしたので、インダクタンス成分L2a〜L2dを均一化し、還流ダイオード104a〜104dの電気的特性を揃えることができる。
【0032】
(4)還流ダイオード103a〜103d、104a〜104dは、互いに対向する頂点の組の合計数が、還流ダイオード103a〜103d、104a〜104dの各合計数よりも1少なくなるようにそれぞれ配置されている。このようにしたので、放熱性能をさらに向上させることができる。
【0033】
(第2の実施形態)
図5は、本発明の第2の実施形態によるインバータ装置100の実装配置を示した三面図である。本実施形態では、上アーム部の還流ダイオード103a〜103dと、下アーム部の還流ダイオード104a〜104dとが、図5に示すような位置関係でそれぞれ並べて配置されている。この配置では、前述の第1の実施形態と同様に、還流ダイオード103a〜103dおよび104a〜104dのうち、互いに隣接する位置に配置されたもの同士が、いずれか1つの頂点同士が互いに対向するように配置されている。そのため、互いの熱的な干渉を軽減し、還流ダイオード103a〜103dおよび104a〜104dの放熱を十分に行うことができる。
【0034】
図6は、本発明の第2の実施形態における上アーム部の還流電流経路の一例を示す図である。なお図6では、還流電流経路を分かりやすく示すために、スイッチング素子101、102の図示を省略している。
【0035】
本実施形態では、還流ダイオード103aおよび103bについては、接続用リードフレーム106における電流経路110の長さと、高圧側リードフレーム105における電流経路110の長さとの合計が略同一である。また、これとは別に、残りの還流ダイオード103cおよび103dについても、接続用リードフレーム106における電流経路110の長さと、高圧側リードフレーム105における電流経路110の長さとの合計が略同一である。したがって、インダクタンス成分L1a、L1bを均一化すると共に、インダクタンス成分L1c、L1dを均一化することができる。したがって、還流ダイオード103aおよび103bの組み合わせと、還流ダイオード103cおよび103dの組み合わせとについて、それぞれの組み合わせにおける発熱量の偏差を低減し、電気的特性を揃えることができる。
【0036】
なお、図6では上アーム部における還流電流経路の一例を示したが、下アーム部における還流電流経路の長さは、還流ダイオード104aと104dの組み合わせについて略同一である。それ以外の還流ダイオード104b、104cについては、還流電流経路の長さは必ずしも同一ではない。
【0037】
以上説明した本発明の第2の実施形態によれば、第1の実施形態には若干劣るものの、第1の実施形態と同様に、還流ダイオード103a〜103d、104a〜104dをそれぞれ並列接続した場合に、これらの放熱を十分に行うことができる。また、インダクタンス成分L1a〜L1d、L2a〜L2dをそれぞれ均一化し、還流ダイオード103a〜103d、104a〜104dの電気的特性をそれぞれ揃えることができる。
【0038】
(第3の実施形態)
図7は、本発明の第3の実施形態によるインバータ装置100の実装配置を示した三面図である。本実施形態では、上アーム部にはスイッチング素子101a〜101dが、下アーム部にはスイッチング素子102a〜102dが、それぞれ図7に示すような位置関係でそれぞれ並べて配置されている。このような配置により、スイッチング素子101a〜101dおよび102a〜102dでは、対向する位置にある頂点同士を近接させて、辺同士を近接させないようにすることができる。すなわち、スイッチング素子101a〜101dおよび102a〜102dのうち、互いに隣接する位置に配置されたもの同士は、いずれか1つの頂点同士が互いに対向するように配置されている。これにより、スイッチング素子101a〜101dおよび102a〜102dにおいて、互いの熱的な干渉を軽減することができる。そのため、スイッチング素子101a〜101dおよび102a〜102dの放熱を十分に行うことができる。なお、スイッチング素子101a〜101d、102a〜102dは、それぞれ電気的に並列に接続されている。
【0039】
なお、スイッチング素子101a〜101dでは、スイッチング素子101aと101b、スイッチング素子101bと101c、スイッチング素子101cと101dがそれぞれ互いに隣接している。すなわち、4個のスイッチング素子101a〜101dに対して、対向する頂点の組の合計数は3つである。同様に、4個のスイッチング素子102a〜102dに対しても、対向する頂点の組の合計数は3つである。このように、スイッチング素子101a〜101d、102a〜102dは、互いに対向する頂点の組の合計数が、スイッチング素子101a〜101d、102a〜102dの各合計数よりも1少なくなるようにそれぞれ配置されている。こうした配置とすることで、これらを環状に配置した場合と比べて、互いの熱的な干渉をさらに低減し、放熱性能を向上させることができる。
【0040】
図8は、本発明の第3の実施形態における上アーム部および下アーム部の駆動電流経路の一例を示す図である。なお図8では、駆動電流経路を分かりやすく示すために、スイッチング素子101、102の図示を省略している。
【0041】
上アーム部のスイッチング素子101a〜101dを経由して流れる駆動電流は、高圧側リードフレーム105および接続用リードフレーム106において、図8に示すような電流経路111をそれぞれ通る。具体的には、高圧側リードフレーム105では、P端子からスイッチング素子101a〜101dの各コレクタ端子まで、実線で示した電流経路111を通って駆動電流が流れる。スイッチング素子101a〜101dを通過すると、駆動電流は、接続用リードフレーム106において、スイッチング素子101a〜101dの各エミッタ端子から交流リードフレーム107との接合部まで、破線で示した電流経路111を通って流れる。
【0042】
ここで、実線で示した高圧側リードフレーム105における電流経路111の長さは、直流電源400の正極側に接続されたP端子、すなわち上端部から、スイッチング素子101a〜101dの各コレクタ端子までの高圧側リードフレーム105上の長さとほぼ等しい。また、破線で示した接続用リードフレーム106における電流経路111の長さは、スイッチング素子101a〜101dの各エミッタ端子から、交流リードフレーム107を介して負荷300側に接続された右下端部までの接続用リードフレーム106上の長さとほぼ等しい。これらの長さの合計は、全てのスイッチング素子101a〜101dについて、大体同じ程度である。このように、本実施形態では、接続用リードフレーム106における電流経路111の長さと、高圧側リードフレーム105における電流経路110の長さとの合計が、全てのスイッチング素子101a〜101dについて略同一となるように、スイッチング素子101a〜101dが配置されている。これにより、スイッチング素子101a〜101dに対してそれぞれ直列に存在する各インダクタンス成分についても、前述のインダクタンス成分L1a〜L1dと同様に、均一化することができる。したがって、スイッチング素子101a〜101dにおける発熱量の偏差を低減し、これらの電気的特性を揃えることができる。
【0043】
一方、下アーム部のスイッチング素子102a〜102dを経由して流れる駆動電流は、交流リードフレーム107および低圧側リードフレーム108において、図8に示すような電流経路111をそれぞれ通る。具体的には、交流リードフレーム107では、AC端子からスイッチング素子102a〜102dの各コレクタ端子まで、実線で示した電流経路111を通って駆動電流が流れる。スイッチング素子102a〜102dを通過すると、駆動電流は、低圧側リードフレーム108において、スイッチング素子102a〜102dの各エミッタ端子からN端子まで、破線で示した電流経路111を通って流れる。
【0044】
ここで、実線で示した交流リードフレーム107における電流経路111の長さは、負荷300側に接続されたAC端子、すなわち上端部から、スイッチング素子102a〜102dの各コレクタ端子までの交流リードフレーム107上の長さとほぼ等しい。また、破線で示した低圧側リードフレーム108における電流経路111の長さは、スイッチング素子102a〜102dの各エミッタ端子から、直流電源400の負極側に接続されたN端子、すなわち上端部までの低圧側リードフレーム108上の長さとほぼ等しい。これらの長さの合計は、全てのスイッチング素子102a〜102dについて、大体同じ程度である。このように、本実施形態では、交流リードフレーム107における電流経路111の長さと、低圧側リードフレーム108における電流経路111の長さとの合計が、全てのスイッチング素子102a〜102dについて略同一となるように、スイッチング素子102a〜102dが配置されている。これにより、スイッチング素子102a〜102dに対してそれぞれ直列に存在する各インダクタンス成分についても、前述のインダクタンス成分L2a〜L2dと同様に、均一化することができる。したがって、スイッチング素子102a〜102dにおける発熱量の偏差を低減し、これらの電気的特性を揃えることができる。
【0045】
以上説明した本発明の第3の実施形態によれば、以下の作用効果を奏する。
【0046】
(5)インバータ装置100において、正方形形状を有するスイッチング素子101a〜101d、102a〜102dは、それぞれ並列に接続されている。互いに隣接する位置に配置されたスイッチング素子101a〜101d、102a〜102d同士は、いずれか1つの頂点同士が互いに対向するように配置されている。このようにしたので、スイッチング素子101a〜101d、102a〜102dをそれぞれ並列接続した場合に、これらの放熱を十分に行うことができる。
【0047】
(6)上アーム部において、スイッチング素子101a〜101dは、接続用リードフレーム106における電流経路111の長さと、高圧側リードフレーム105における電流経路111の長さとの合計が、全てのスイッチング素子101a〜101dについて略同一となるように配置されている。また、下アーム部において、スイッチング素子102a〜102dは、低圧側リードフレーム108における電流経路111の長さと、交流リードフレーム107における電流経路111の長さとの合計が、全てのスイッチング素子102a〜102dについて略同一となるように配置されている。このようにしたので、スイッチング素子101a〜101d、102a〜102dに対して直列に存在するインダクタンス成分をそれぞれ均一化し、スイッチング素子101a〜101d、102a〜102dの電気的特性をそれぞれ揃えることができる。
【0048】
(7)スイッチング素子101a〜101d、102a〜102dは、互いに対向する頂点の組の合計数が、スイッチング素子101a〜101d、102a〜102dの各合計数よりも1少なくなるようにそれぞれ配置されている。このようにしたので、放熱性能をさらに向上させることができる。
【0049】
(第4の実施形態)
図9は、本発明の第4の実施形態によるインバータ装置100の実装配置を示した三面図である。本実施形態では、上アーム部の還流ダイオード103a〜103dと、下アーム部の還流ダイオード104a〜104dとが、図9に示すような位置関係でそれぞれ並べて配置されている。また、交流リードフレーム107は図9に示すような形状を有しており、その下端部にAC端子が形成されている。接続用リードフレーム106は、下端部において交流リードフレーム107と接合されている。
【0050】
図10は、本発明の第4の実施形態における上アーム部の還流電流経路の一例を示す図である。なお図10では、還流電流経路を分かりやすく示すために、スイッチング素子101、102の図示を省略している。
【0051】
本実施形態において、上アーム部の還流ダイオード103a〜103dを経由して流れる還流電流は、接続用リードフレーム106および高圧側リードフレーム105において、図10に示すような電流経路110をそれぞれ通る。実線で示した接続用リードフレーム106における電流経路110の長さは、交流リードフレーム107を介して負荷300側に接続された下端部から、還流ダイオード103a〜103dの各アノード端子までの接続用リードフレーム106上の長さとほぼ等しい。また、破線で示した高圧側リードフレーム105における電流経路110の長さは、還流ダイオード103a〜103dの各カソード端子から、直流電源400の正極側に接続されたP端子、すなわち上端部までの高圧側リードフレーム105上の長さとほぼ等しい。これらの長さの合計は、全ての還流ダイオード103a〜103dについて、大体同じ程度である。このように、本実施形態においても、接続用リードフレーム106における電流経路110の長さと、高圧側リードフレーム105における電流経路110の長さとの合計が、全ての還流ダイオード103a〜103dについて略同一となるように、還流ダイオード103a〜103dが配置されている。これにより、図1に示したインダクタンス成分L1a〜L1dを均一化することができる。したがって、還流ダイオード103a〜103dにおける発熱量の偏差を低減し、これらの電気的特性を揃えることができる。
【0052】
なお、図10では上アーム部における還流電流経路の一例を示したが、下アーム部における還流電流経路についても上記と同様の関係が成り立つ。すなわち、低圧側リードフレーム108における電流経路の長さは、直流電源400の負極側に接続されたN端子、すなわち上端部から、還流ダイオード104a〜104dの各アノード端子までの低圧側リードフレーム108上の長さとほぼ等しい。また、交流リードフレーム107における電流経路の長さは、還流ダイオード104a〜104dの各カソード端子から、負荷300側に接続されたAC端子、すなわち下端部までの交流リードフレーム107上の長さとほぼ等しい。これらの長さの合計は、全ての還流ダイオード104a〜104dについて、大体同じ程度である。このように、本実施形態においても、低圧側リードフレーム108における電流経路の長さと、交流リードフレーム107における電流経路の長さとの合計が、全ての還流ダイオード104a〜104dについて略同一となるように、還流ダイオード104a〜104dが配置されている。これにより、図1に示したインダクタンス成分L2a〜L2dを均一化することができる。したがって、還流ダイオード104a〜104dにおける発熱量の偏差を低減し、これらの電気的特性を揃えることができる。
【0053】
以上説明した本発明の第4の実施形態によれば、第1の実施形態と同様に、還流ダイオード103a〜103d、104a〜104dをそれぞれ並列接続した場合に、インダクタンス成分L1a〜L1d、L2a〜L2dをそれぞれ均一化し、還流ダイオード103a〜103d、104a〜104dの電気的特性をそれぞれ揃えることができる。
【0054】
(第5の実施形態)
図11は、本発明の第5の実施形態によるインバータ装置100の実装配置を示した三面図である。本実施形態では、上アーム部の還流ダイオード103a〜103dと、下アーム部の還流ダイオード104a〜104dとが、図11に示すような位置関係でそれぞれ並べて配置されている。なお、接続用リードフレーム106および交流リードフレーム107の形状は、図9に示した第4の実施形態のものとそれぞれ同じである。
【0055】
本実施形態では、前述の第1の実施形態と同様に、図11に示すように、還流ダイオード103a〜103dおよび104a〜104dのうち、互いに隣接する位置に配置されたもの同士が、いずれか1つの頂点同士が互いに対向するように配置されている。さらに、還流ダイオード103a〜103dでは、還流ダイオード103aと103b、還流ダイオード103bと103c、還流ダイオード103cと103dがそれぞれ互いに隣接している。すなわち、4個の還流ダイオード103a〜103dに対して、対向する頂点の組の合計数は3つである。同様に、4個の還流ダイオード104a〜104dに対しても、対向する頂点の組の合計数は3つである。このように、還流ダイオード103a〜103d、104a〜104dは、互いに対向する頂点の組の合計数が、還流ダイオード103a〜103d、104a〜104dの各合計数よりも1少なくなるようにそれぞれ配置されている。そのため、互いの熱的な干渉を軽減し、還流ダイオード103a〜103dおよび104a〜104dの放熱を十分に行うことができる。
【0056】
また、前述の第4の実施形態と同様に、還流ダイオード103a〜103d、104a〜104dでは、還流電流経路の長さがそれぞれ略同一である。したがって、還流ダイオード103a〜103d、104a〜104dをそれぞれ並列接続した場合に、インダクタンス成分L1a〜L1d、L2a〜L2dをそれぞれ均一化し、還流ダイオード103a〜103d、104a〜104dの電気的特性をそれぞれ揃えることができる。
【0057】
(第6の実施形態)
図12は、本発明の第6の実施形態によるインバータ装置100の実装配置を示した三面図である。本実施形態では、上アーム部の還流ダイオード103a〜103dと、下アーム部の還流ダイオード104a〜104dとが、図12に示すような位置関係でそれぞれ並べて配置されている。なお、接続用リードフレーム106および交流リードフレーム107の形状は、図9、11にそれぞれ示した第4、第5の実施形態のものとそれぞれ同じである。
【0058】
本実施形態でも、前述の第5の実施形態と同様に、還流ダイオード103a〜103dおよび104a〜104dのうち、互いに隣接する位置に配置されたもの同士が、いずれか1つの頂点同士が互いに対向するように配置されている。そのため、互いの熱的な干渉を軽減し、還流ダイオード103a〜103dおよび104a〜104dの放熱を十分に行うことができる。
【0059】
また、第4および第5の実施形態と同様に、還流ダイオード103a〜103d、104a〜104dでは、還流電流経路の長さがそれぞれ略同一である。したがって、還流ダイオード103a〜103d、104a〜104dをそれぞれ並列接続した場合に、インダクタンス成分L1a〜L1d、L2a〜L2dをそれぞれ均一化し、還流ダイオード103a〜103d、104a〜104dの電気的特性をそれぞれ揃えることができる。
【0060】
(第7の実施形態)
図13は、本発明の第7の実施形態によるインバータ装置100の実装配置を示した立体分解図である。本実施形態では、図12に示すように、交流リードフレーム107を間に挟んで、上アーム部のスイッチング素子101および還流ダイオード103a〜103dの上に、下アーム部のスイッチング素子102および還流ダイオード104a〜104dが重ねて配置されている。上アーム部のスイッチング素子101および還流ダイオード103a〜103dの下には、高圧側リードフレーム105が配置されており、下アーム部のスイッチング素子102および還流ダイオード104a〜104dの上には、低圧側リードフレーム108が配置されている。
【0061】
図14は、本発明の第7の実施形態によるインバータ装置100の実装配置を示した図である。図14(a)は、交流リードフレーム107と低圧側リードフレーム108の間に、下アーム部のスイッチング素子102および還流ダイオード104a〜104dが配置された下アームアセンブリの平面図を示している。図14(b)は、高圧側リードフレーム105の上に、上アーム部のスイッチング素子101および還流ダイオード103a〜103dが配置された上アームアセンブリの平面図を示している。図14(c)は、これらを組み合わせたものの側面図である。
【0062】
図14(b)の上アームアセンブリの上に重ねて、図14(a)の下アームアセンブリを配置することにより、これらが図14(c)のように組み合わされる。これにより、図13に示したような構造のインバータ装置100を組み立てることができる。
【0063】
図15は、本発明の第7の実施形態における下アーム部の還流電流経路の一例を示す図である。なお図15では、還流電流経路を分かりやすく示すために、スイッチング素子102の図示を省略している。
【0064】
本実施形態において、下アーム部の還流ダイオード104a〜104dを経由して流れる還流電流は、低圧側リードフレーム108および交流リードフレーム107において、図15に示すような電流経路110をそれぞれ通る。実線で示した低圧側リードフレーム108における電流経路110の長さは、直流電源400の負極側に接続されたN端子、すなわち上端部から、還流ダイオード104a〜104dの各アノード端子までの低圧側リードフレーム108上の長さとほぼ等しい。また、交流リードフレーム107における電流経路の長さは、還流ダイオード104a〜104dの各カソード端子から、負荷300側に接続されたAC端子、すなわち下端部までの交流リードフレーム107上の長さとほぼ等しい。これらの長さの合計は、全ての還流ダイオード104a〜104dについて、大体同じ程度である。このように、本実施形態においても、低圧側リードフレーム108における電流経路の長さと、交流リードフレーム107における電流経路の長さとの合計が、全ての還流ダイオード104a〜104dについて略同一となるように、還流ダイオード104a〜104dが配置されている。これにより、図1に示したインダクタンス成分L2a〜L2dを均一化することができる。したがって、還流ダイオード104a〜104dにおける発熱量の偏差を低減し、これらの電気的特性を揃えることができる。
【0065】
なお、図15では下アーム部における還流電流経路の一例を示したが、上アーム部における還流電流経路についても同様である。すなわち、接続用リードフレーム106における電流経路の長さと、高圧側リードフレーム105における電流経路の長さとの合計が、全ての還流ダイオード103a〜103dについて略同一となるように、還流ダイオード103a〜103dが配置されている。これにより、図1に示したインダクタンス成分L1a〜L1dを均一化することができる。したがって、還流ダイオード103a〜103dにおける発熱量の偏差を低減し、これらの電気的特性を揃えることができる。
【0066】
(第8の実施形態)
図16は、本発明の第8の実施形態によるインバータ装置100の実装配置を示した図である。本実施形態では、上アーム部の還流ダイオード103a〜103dと、下アーム部の還流ダイオード104a〜104dとが、図16に示すような位置関係でそれぞれ並べて配置されている。なお、図16(a)は、交流リードフレーム107と低圧側リードフレーム108の間に、下アーム部のスイッチング素子102および還流ダイオード104a〜104dが配置された下アームアセンブリの平面図を示している。図16(b)は、高圧側リードフレーム105の上に、上アーム部のスイッチング素子101および還流ダイオード103a〜103dが配置された上アームアセンブリの平面図を示している。図16(c)は、これらを組み合わせたものの側面図である。
【0067】
本実施形態では、前述の第1の実施形態等と同様に、還流ダイオード103a〜103dおよび104a〜104dのうち、互いに隣接する位置に配置されたもの同士が、いずれか1つの頂点同士が互いに対向するように配置されている。そのため、互いの熱的な干渉を軽減し、還流ダイオード103a〜103dおよび104a〜104dの放熱を十分に行うことができる。
【0068】
また、第7の実施形態と同様に、還流ダイオード103a〜103d、104a〜104dでは、還流電流経路の長さがそれぞれ略同一である。したがって、還流ダイオード103a〜103d、104a〜104dをそれぞれ並列接続した場合に、インダクタンス成分L1a〜L1d、L2a〜L2dをそれぞれ均一化し、還流ダイオード103a〜103d、104a〜104dの電気的特性をそれぞれ揃えることができる。
【0069】
(第9の実施形態)
図17は、本発明の第9の実施形態によるインバータ装置100の実装配置を示した図である。本実施形態では、上アーム部の還流ダイオード103a〜103dと、下アーム部の還流ダイオード104a〜104dとが、図17に示すような位置関係でそれぞれ並べて配置されている。なお、図17(a)は、交流リードフレーム107と低圧側リードフレーム108の間に、下アーム部のスイッチング素子102および還流ダイオード104a〜104dが配置された下アームアセンブリの平面図を示している。図17(b)は、高圧側リードフレーム105の上に、上アーム部のスイッチング素子101および還流ダイオード103a〜103dが配置された上アームアセンブリの平面図を示している。図17(c)は、これらを組み合わせたものの側面図である。
【0070】
本実施形態においても、前述の第1の実施形態等と同様に、還流ダイオード103a〜103dおよび104a〜104dのうち、互いに隣接する位置に配置されたもの同士が、いずれか1つの頂点同士が互いに対向するように配置されている。そのため、互いの熱的な干渉を軽減し、還流ダイオード103a〜103dおよび104a〜104dの放熱を十分に行うことができる。
【0071】
また、第7の実施形態と同様に、還流ダイオード103a〜103d、104a〜104dでは、還流電流経路の長さがそれぞれ略同一である。したがって、還流ダイオード103a〜103d、104a〜104dをそれぞれ並列接続した場合に、インダクタンス成分L1a〜L1d、L2a〜L2dをそれぞれ均一化し、還流ダイオード103a〜103d、104a〜104dの電気的特性をそれぞれ揃えることができる。
【0072】
(第10の実施形態)
図18は、本発明の第10の実施形態によるインバータ装置100の実装配置を示した図である。本実施形態では、上アーム部の還流ダイオード103a〜103dと、下アーム部の還流ダイオード104a〜104dとが、図18に示すような位置関係でそれぞれ並べて配置されている。なお、図18(a)は、交流リードフレーム107と低圧側リードフレーム108の間に、下アーム部のスイッチング素子102および還流ダイオード104a〜104dが配置された下アームアセンブリの平面図を示している。図18(b)は、高圧側リードフレーム105の上に、上アーム部のスイッチング素子101および還流ダイオード103a〜103dが配置された上アームアセンブリの平面図を示している。図18(c)は、これらを組み合わせたものの側面図である。
【0073】
本実施形態においても、前述の第1の実施形態等と同様に、還流ダイオード103a〜103dおよび104a〜104dのうち、互いに隣接する位置に配置されたもの同士が、いずれか1つの頂点同士が互いに対向するように配置されている。そのため、互いの熱的な干渉を軽減し、還流ダイオード103a〜103dおよび104a〜104dの放熱を十分に行うことができる。
【0074】
また、第7の実施形態と同様に、還流ダイオード103a〜103d、104a〜104dでは、還流電流経路の長さがそれぞれ略同一である。したがって、還流ダイオード103a〜103d、104a〜104dをそれぞれ並列接続した場合に、インダクタンス成分L1a〜L1d、L2a〜L2dをそれぞれ均一化し、還流ダイオード103a〜103d、104a〜104dの電気的特性をそれぞれ揃えることができる。
【0075】
なお、以上説明した第1〜第10の各実施形態では、スイッチング素子101、102(または101a〜101d、102a〜102d)および還流ダイオード103a〜103d、104a〜104dが、四角形形状をそれぞれ有するものとして説明した。しかし、これ以外の形状としてもよい。多角形形状である限り、スイッチング素子101、102(または101a〜101d、102a〜102d)および還流ダイオード103a〜103d、104a〜104dをどのような形状としてもよい。
【0076】
以上説明した各実施形態や変形例はあくまで一例であり、発明の特徴が損なわれない限り、本発明はこれらの内容に限定されるものではない。
【符号の説明】
【0077】
100 インバータ装置
101、101a、101b、101c、101d 上アーム部のスイッチング素子
102、102a、102b、102c、102d 下アーム部のスイッチング素子
103a、103b、103c、103d 上アーム部の還流ダイオード
104a、104b、104c、104d 下アーム部の還流ダイオード
105 高圧側リードフレーム
106 接続用リードフレーム
107 交流リードフレーム
108 低圧側リードフレーム
109 金属スペーサ
110 還流電流経路
111 駆動電流経路
200 ゲート駆動回路
300 負荷
400 直流電源
500 キャパシタ
図1
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