特許第5838033号(P5838033)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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  • 特許5838033-燃焼圧力センサ付きグロープラグ 図000002
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5838033
(24)【登録日】2015年11月13日
(45)【発行日】2015年12月24日
(54)【発明の名称】燃焼圧力センサ付きグロープラグ
(51)【国際特許分類】
   F23Q 7/00 20060101AFI20151203BHJP
   F02P 19/00 20060101ALI20151203BHJP
【FI】
   F23Q7/00 P
   F23Q7/00 605Z
   F02P19/00 B
【請求項の数】5
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2011-39112(P2011-39112)
(22)【出願日】2011年2月25日
(65)【公開番号】特開2012-177483(P2012-177483A)
(43)【公開日】2012年9月13日
【審査請求日】2014年2月12日
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000004547
【氏名又は名称】日本特殊陶業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000028
【氏名又は名称】特許業務法人明成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中村 佳浩
(72)【発明者】
【氏名】前田 俊介
(72)【発明者】
【氏名】渡邊 忠
(72)【発明者】
【氏名】松井 正好
【審査官】 横溝 顕範
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭53−048136(JP,A)
【文献】 特表2009−520941(JP,A)
【文献】 特開2006−010306(JP,A)
【文献】 特開2010−139148(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F23Q 7/00
F02P 19/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸線方向に延びる略筒状のハウジングと、
前記ハウジング内に後端部が配置され、先端部が前記ハウジングの先端から突出し、前記軸線方向に沿って移動可能な棒状のヒータ部と、
前記軸線方向に沿った前記ヒータ部の移動を可能としつつ、前記ハウジング内において前記ヒータ部と前記ハウジングとを繋ぐ連結部材と、
前記ハウジング内に設けられ、前記軸線方向に沿った前記ヒータ部の移動量に応じて、燃焼圧の検出を行う圧力センサと、を備える燃焼圧力センサ付きグロープラグであって、
前記ヒータ部は、後端側に太径部が形成され、該太径部よりも先端側に前記太径部よりも径の小さい細径部が形成されており、
前記連結部材は、前記ハウジング内において前記ヒータ部の前記細径部と前記ハウジングとを連結し、
前記細径部の後端の前記軸線方向における位置は、前記連結部材が前記軸線方向において占める範囲の中に位置しており、
前記連結部材は、先端側に設けられた径方向に延びる平面部と、前記平面部に接続すると共に、前記平面部の後端側に設けられた円筒部とを有し、前記平面部が前記ヒータ部の前記細径部に連結されてなる、ことを特徴とする燃焼圧力センサ付きグロープラグ。
【請求項2】
請求項1に記載の燃焼圧力センサ付きグロープラグであって、
前記圧力センサは、前記ハウジング内において前記ヒータ部よりも後端側に設けられており、
前記太径部と前記圧力センサとに固定され、前記太径部から前記圧力センサに前記ヒータ部の移動量を伝達する伝達部材を更に備え、
前記連結部材は、前記細径部のうち、前記太径部寄りの部位に接続されていることを特徴とする燃焼圧力センサ付きグロープラグ。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の燃焼圧力センサ付きグロープラグであって、
更に、前記ハウジング内に、前記ヒータ部を発熱させる電力を供給する棒状の中軸を備えており、
前記太径部内の前記軸線方向における全域に亘って、前記中軸が配置されていることを特徴とする燃焼圧力センサ付きグロープラグ。
【請求項4】
請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載の燃焼圧力センサ付きグロープラグであって、
前記ヒータ部は、前記ハウジングよりも先端側の前記細径部に発熱の主部が存在することを特徴とする燃焼圧力センサ付きグロープラグ。
【請求項5】
請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載の燃焼圧力センサ付きグロープラグであって、
前記ハウジングの外周にはネジ部が設けられており、
前記ネジ部の直径が9mm以下であることを特徴とする燃焼圧力センサ付きグロープラグ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、グロープラグに関し、特に、燃焼圧力センサ付きのグロープラグに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ディーゼルエンジン等の内燃機関に使用されるグロープラグとして、内燃機関内の燃焼圧力を検出するための圧力センサを備えるグロープラグが広く知られている。このようなグロープラグは、多くの場合、ハウジングと、ハウジングから突出したヒータ部とを備えている。例えば、特許文献1には、先端側が細径に形成され、後端側が太径に形成された多段のヒータ部(フィンガ)を備えるグロープラグが開示されている。この特許文献1に記載されたグロープラグのヒータ部は、ヒータ部を軸方向に移動可能とする膜状の連結部材を介して、ハウジング(ボディ)に連結されている。グロープラグ内に配置されたセンサは、このヒータ部の軸方向の変位を検出することで、燃焼圧力を検出する。
【0003】
しかし、特許文献1に記載のグロープラグは、ヒータ部の太径部の位置に連結部材が接続されているため、連結部材の面積が制限されている。そのため、ヒータ部の軸方向への変位量が十分に確保できず、燃焼圧力の検出精度が低下する可能性がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特表2008−536085号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前述の問題を考慮し、本発明が解決しようとする課題は、多段の径を有するヒータ部を備えた燃焼圧力センサ付きグロープラグにおいて、ヒータ部とハウジングとを連結する部材の面積を確保することで圧力センサの検知精度を向上させるとともに、圧力センサの検知精度を更に向上可能なグロープラグの構造を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態又は適用例として実現することが可能である。
本発明の第1の形態は、
軸線方向に延びる略筒状のハウジングと、
前記ハウジング内に後端部が配置され、先端部が前記ハウジングの先端から突出し、前記軸線方向に沿って移動可能な棒状のヒータ部と、
前記軸線方向に沿った前記ヒータ部の移動を可能としつつ、前記ハウジング内において前記ヒータ部と前記ハウジングとを繋ぐ連結部材と、
前記ハウジング内に設けられ、前記軸線方向に沿った前記ヒータ部の移動量に応じて、燃焼圧の検出を行う圧力センサと、を備える燃焼圧力センサ付きグロープラグであって、
前記ヒータ部は、後端側に太径部が形成され、該太径部よりも先端側に前記太径部よりも径の小さい細径部が形成されており、
前記連結部材は、前記ハウジング内において前記ヒータ部の前記細径部と前記ハウジングとを連結し、
前記細径部の後端の前記軸線方向における位置は、前記連結部材が前記軸線方向において占める範囲の中に位置しており、
前記連結部材は、先端側に設けられた径方向に延びる平面部と、前記平面部に接続すると共に、前記平面部の後端側に設けられた円筒部とを有し、前記平面部が前記ヒータ部の前記細径部に連結されてなる、ことを特徴とする燃焼圧力センサ付きグロープラグである。
【0007】
[適用例1]軸線方向に延びる略筒状のハウジングと、前記ハウジング内に後端部が配置され、先端部が前記ハウジングの先端から突出し、前記軸線方向に沿って移動可能な棒状のヒータ部と、前記軸線方向に沿った前記ヒータ部の移動を可能としつつ、前記ハウジング内において前記ヒータ部と前記ハウジングとを繋ぐ連結部材と、前記ハウジング内に設けられ、前記軸線方向に沿った前記ヒータ部の移動量に応じて、燃焼圧の検出を行う圧力センサと、を備える燃焼圧力センサ付きグロープラグであって、前記ヒータ部は、後端側に太径部が形成され、該太径部よりも先端側に前記太径部よりも径の小さい細径部が形成されており、前記連結部材は、前記ハウジング内において前記ヒータ部の前記細径部と前記ハウジングとを連結することを特徴とする燃焼圧力センサ付きグロープラグ。
【0008】
このような構成であれば、ハウジングとヒータ部とを繋ぐ連結部材がハウジングの内部に配置されるとともに、この連結部材がヒータ部の細径部に接続される。そのため、軸線と垂直な方向において、ヒータ部の細径部とハウジングの内周面との間の距離を、ヒータ部の太径部とハウジングの内周面との間の距離よりも広くすることができ、連結部材の面積を大きくすることができる。よって、ヒータ部の軸線方向に沿った移動量を大きくすることができるため、圧力センサのS/N比が向上し、圧力の検出精度を向上させることが可能になる。また、連結部材の面積が広くなれば、連結部材のバネ定数を低減させることが可能になるので、連結部材の耐久性を向上させることが可能になる。更に、上記構成では、太径部をハウジング内に備えつつも、ハウジング内で連結部材が接続される部位は細径部となっている。そのため、連結部材によって許容されたヒータ部の変位を圧力センサに伝達する際に、剛性の高い太径部に荷重が掛かることになり、偏荷重が生じにくくなる。そのため、ヒータ部の変位を的確に圧力センサに伝達することが可能な構造とすることができ、燃焼圧の検知精度を向上させることができる。
【0009】
[適用例2]適用例1に記載の燃焼圧力センサ付きグロープラグであって、前記圧力センサは、前記ハウジング内において前記ヒータ部よりも後端側に設けられており、前記太径部と前記圧力センサとに固定され、前記太径部から前記圧力センサに前記ヒータ部の移動量を伝達する伝達部材を更に備え、前記連結部材は、前記細径部のうち、前記太径部寄りの部位に接続されていることを特徴とする燃焼圧力センサ付きグロープラグ。
【0010】
このような構成であれば、連結部材が、ヒータ部の細径部の太径部寄りの部位に接続されているので、ヒータ部の変位が、ヒータ部の太径部と伝達部材とに効率よく伝達されることになる。この結果、圧力センサの応答性や圧力の検出精度を向上させることができる。
【0011】
[適用例3]適用例1または適用例2に記載の燃焼圧力センサ付きグロープラグであって、更に、前記ハウジング内に、前記ヒータ部を発熱させる電力を供給する棒状の中軸を備えており、前記太径部内の前記軸線方向における全域に亘って、前記中軸が配置されていることを特徴とする燃焼圧力センサ付きグロープラグ。
【0012】
このような構成であれば、ヒータ部の太径部は、自身の内部にヒータ部を発熱させる電力を供給するための棒状の中軸を収容することになる。中軸は電力を供給するので金属製であり且つ棒状であることから高い剛性を有する。このため、前述の適用例1の太径部における剛性の向上をより一層高めることができ、更に、圧力センサの検知精度を向上させることも可能となる。
【0013】
[適用例4]適用例1から適用例3までのいずれか一に記載の燃焼圧力センサ付きグロープラグであって、前記ヒータ部は、前記ハウジングよりも先端側の前記細径部に発熱の主部が存在することを特徴とする燃焼圧力センサ付きグロープラグ。
【0014】
このような構成であれば、ハウジングよりも先端側の細径部が主に発熱するため、効率的に燃焼室を加熱することができる。
【0015】
[適用例5]適用例1から適用例4までのいずれか一項に記載の燃焼圧力センサ付きグロープラグであって、前記ハウジングの外周にはネジ部が設けられており、前記ネジ部の直径が9mm以下であることを特徴とする燃焼圧力センサ付きグロープラグ。
【0016】
このように、ネジ部の直径が9mm以下となるような小径のグロープラグであれば、連結部材の面積を確保することが困難になるため、上述した各適用例における種々の効果がより顕著に表れることになる。
【0017】
本発明は、上述した燃焼圧力センサ付きグロープラグとしての構成のほか、燃焼圧力センサ付きグロープラグの製造方法や、燃焼圧力センサ付きグロープラグを備える内燃機関などとしても構成することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の一実施形態としてのグロープラグの構成を示す説明図である。
図2】連結部材近傍の拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図1は、本発明の一実施形態としてのグロープラグ100の構成を示す説明図である。図1(a)は、グロープラグ100の全体構成を示し、図1(b)は、部分的な断面構成を示している。また、図2は、後述する連結部材180近傍の拡大断面図である。以下では、図1,2におけるグロープラグ100の軸線Oの下方をグロープラグ100の先端側とし、上方を後端側として説明する。また、グロープラグ100の軸線Oに沿った下向きの方向を軸線方向ODとする。図1(a)および図1(b)に示すように、グロープラグ100は、主体金具110とキャップ部材120とを有するハウジング130と、ヒータ部150と、を備えている。
【0020】
主体金具110は、炭素鋼やステンレス鋼によって形成された略円筒状の金属部材である。主体金具110の後端部には、グロープラグ100を内燃機関に取り付けるための工具が係合する工具係合部112が形成されている。また、工具係合部112よりも先端側には、グロープラグ100をシリンダヘッドに固定するためのネジ溝(図示せず)が形成されたネジ部114が備えられている。本実施形態では、ネジ部114の直径SDは、呼び径で、M9(直径9mm)以下であり、好ましくは、M8またはM9である。工具係合部112に工具を係合させ、ネジ部114を内燃機関のプラグ取り付け孔に螺合させることで、グロープラグ100を内燃機関に固定することができる。工具係合部112の後端部には、ハウジング130内の集積回路166(後述)や中軸170(後述)に電気的に接続される複数の配線116が挿入されている。
【0021】
主体金具110の先端側には、キャップ部材120が配置されている。キャップ部材120は、炭素鋼やステンレス鋼によって形成された環状の金属部材である。キャップ部材120の後端側には、外径が軸線Oに沿ってほぼ一定の円筒部122が形成され、先端側には、先端に向かって縮径するテーパ部124が形成されている。グロープラグ100を内燃機関に取り付けた際には、テーパ部124のテーパ面が、内燃機関のプラグ取り付け孔の所定のシート面に密接し、燃焼室内からの気密が確保される。
【0022】
ヒータ部150は、シース管152と発熱コイル154と絶縁粉末155とを備えている。シース管152は、耐熱・耐食性に優れたステンレス鋼等によって形成されており、先端部が半球状に閉塞し、後端が主体金具110内において開口している。発熱コイル154は、巻線型抵抗であり、シース管152の先端側内部に配置されている。ヒータ部150には、金属製の棒状部材である中軸170が挿入され、発熱コイル154の後端は、この中軸170の先端に固定される。発熱コイル154には、配線116および中軸170を通じて、外部から電力が供給される。シース管152内には、発熱コイル154との隙間に、耐熱性を有する酸化マグネシウム等の絶縁粉末155が充填されている。シース管152の開口された後端と中軸170との間には、絶縁粉末155をシース管152内に密封するためのシール部材156が挿入されている。シース管152には、スウェージング加工が施されており、これにより、内部に充填された絶縁粉末155の緻密性が高められ、熱伝導効率を向上させている。このような構成のヒータ部150は、後端側が主体金具110内に配置され、先端側が、キャップ部材120の開口部126から軸線方向ODに向かって突出するように配置されている。
【0023】
本実施形態では、シース管152へのスウェージング加工によって、ヒータ部150には、太径部157と段部158と細径部159とが形成されている(図2参照)。太径部157はヒータ部150の後端側に形成され、その直径D1は、例えば、4.0mm程度である。細径部159はヒータ部150の先端側に形成され、その直径D2は、例えば、3.5mm程度である。段部158は、太径部157と細径部159との間に配置され、先端に向かってテーパ状に縮径されている。ハウジング130の先端からは、これら太径部157、段部158、細径部159のうち、細径部159が突出している。換言すれば、本実施形態では、太径部157と段部158とは、ハウジング130内に配置されていることになる。また、本実施形態では、太径部157内には軸線方向ODにおける全域に亘って中軸170が配置されており、中軸170の先端はハウジング130よりも先端側の細径部159内に位置している。中軸170の先端には、発熱コイル154が接続され、この発熱コイル154は、シース管152の先端にかけて配置されていることから、ヒータ部150は、ハウジング130よりも先端側で主に発熱することになる。なお、中軸170の先端を、太径部157内に留める構成とすることも可能である。
【0024】
ハウジング130内には、ヒータ部150よりも後端側に配置された環状の圧力センサ160(図1参照)と、圧力センサ160をハウジング130内に固定するためのセンサ固定部材132と、ヒータ部150の軸線Oに沿った変位を圧力センサ160に伝達するための伝達スリーブ134と、ヒータ部150の外周をハウジング130の内部に連結するための連結部材180と、が設けられている。
【0025】
センサ固定部材132は、ステンレス鋼等によって形成された略円筒形状の部材である。センサ固定部材132は、主体金具110の内周に沿って配置されており、その先端部には、鍔状のフランジ部133が形成されている。このフランジ部133は、主体金具110の先端面に溶接されている。また、センサ固定部材132の後端には、圧力センサ160の外周部が溶接されている。本実施形態では、このセンサ固定部材132によって、圧力センサ160がハウジング130内の中央部付近に固定されている。
【0026】
伝達スリーブ134は、ステンレス鋼等によって形成された略円筒状の部材である。伝達スリーブ134は、センサ固定部材132とヒータ部150との間に配置されている。伝達スリーブ134の先端部はヒータ部150の太径部157の先端部に溶接されており、伝達スリーブ134の後端は、環状の圧力センサ160の内周部に溶接されている。ヒータ部150の軸線Oに沿った変位は、この伝達スリーブ134によって圧力センサ160の内周部に伝達される。
【0027】
連結部材180は、ステンレス鋼やニッケル合金等によって形成された弾性を有する環状の部材である。連結部材180は、後端側に設けられた鍔状のフランジ部182と、先端側に設けられた薄膜状の平面部183と、フランジ部182と平面部183とを接続する円筒部184とを有する。フランジ部182は、その上面(後端側の面)が、センサ固定部材132のフランジ部133に溶接され、その下面(先端側の面)が、キャップ部材120の後端面に溶接されている。図2に示すように、平面部183は、その内周部分に、先端側に向かって折り返された折り返し部185を有している。連結部材180は、この折り返し部185において、ヒータ部150の細径部159の後端近傍に溶接されている。本実施形態では、ヒータ部150の細径部159の後端(換言すれば、段部158の先端)の軸線O上の位置は、連結部材180(フランジ部182、円筒部184、平面部183および折り返し部185)が軸線O上に占める範囲Rの中に位置している。ヒータ部150は、この連結部材180によって、ハウジング130に連結されるとともに、この連結部材180の弾性力によって、軸線Oに沿った変位が許容されている。なお、この連結部材180は、ヒータ部150とハウジング130とを連結することで、燃焼室から主体金具110内への気密を確保する役割も果たす。
【0028】
圧力センサ160(図1参照)は、中軸170が通る開口部161が中央に設けられた環状の金属ダイアフラム162と、金属ダイアフラム162の上面(後端側の面)に接合されたピエゾ抵抗素子164と、を備えている。金属ダイアフラム162は、例えば、ステンレス鋼等によって形成される。ピエゾ抵抗素子164には、ハウジング130内の所定の部位に設けられた集積回路166が電気的に接続されている。前述のように、金属ダイアフラム162の内周には、ヒータ部150に接続された伝達スリーブ134の後端が接合されている。そのため、燃焼圧の受圧によってヒータ部150が軸線Oに沿って変位すると、伝達スリーブ134によって、その変位量が金属ダイアフラム162に伝達され、金属ダイアフラム162を撓らせる。集積回路166は、この金属ダイアフラム162の変形をピエゾ抵抗素子164を用いて検出することで、内燃機関の燃焼圧を検出する。集積回路166は、こうして検出された燃焼圧を示す電気信号を、主体金具110の後端に挿入された配線116を通じて外部のECU等に出力する。
【0029】
以上で説明した本実施形態では、ハウジング130とヒータ部150とを連結する連結部材180は、ハウジング130内において、ヒータ部150の細径部159に接続されている。そのため、連結部材180を太径部157に接続した場合よりも、薄肉状の平面部183の面積を大きくすることができる。この結果、ネジ部114の呼び径がM9以下という比較的小径なグロープラグ100であっても、ヒータ部150の軸線Oに沿った変位量を十分に確保することができるので、圧力センサ160のS/N比を高めることが可能となり、燃焼圧力の検出精度を向上させることができる。更に、平面部183の面積が大きくなれば、連結部材180のバネ定数を低くすることができるので、連結部材180の耐久性を高めることが可能になる。
【0030】
更に、本実施形態では、ヒータ部150の太径部157をハウジング130内に備えつつも、ハウジング内で連結部材180が接続される部位は細径部159となっている。そのため、連結部材180によって許容されたヒータ部150の変位を圧力センサ160に伝達する際に、剛性の高い太径部157に荷重が掛かることになり、偏荷重が生じにくくなる。そのため、ヒータ部150の変位を的確に圧力センサ160に伝達することが可能になり、燃焼圧の検知精度を向上させることができる。
【0031】
また、本実施形態では、連結部材180がヒータ部150の細径部159の後端近傍に接合されており、伝達スリーブ134の先端が、細径部159の後端に近い太径部157の先端近傍に接合されている。そのため、連結部材180がヒータ部150の細径部159に連結されていても、連結部材180付近におけるヒータ部150の変位が、細径部159よりも太径で軸線Oに沿った剛性の高い伝達スリーブ134に効率的に伝達されることになる。この結果、ヒータ部150の軸線Oに沿った変位に対する圧力センサ160の応答性が向上するとともに、伝達ロスが生じることを抑制することができる。
【0032】
また、本実施形態では、太径部157内には軸線方向ODにおける全域に亘って、中軸170が配置されている。中軸170は、金属製かつ棒状であることから高い剛性を有する。そのため、このような中軸170を収容するヒータ部150の太径部157は、より一層その剛性が向上することになり、圧力センサの検知精度向上に寄与することになる。
【0033】
また、本実施形態では、中軸170の先端がハウジング130よりも先端側の細径部159内に位置しており、この中軸170の先端には、発熱コイル154が接続されている。そのため、ヒータ部150は、ハウジング130よりも先端側で主に発熱することになる。ディーゼルエンジン等の内燃機関の燃焼により、ハウジング130の先端の開口部126には、キャップ部材120とヒータ部150との間に煤が堆積する場合がある。この煤の堆積が進行することにより、開口部126が煤によって架橋されると、ヒータ部150における発熱が内燃機関の燃焼室の加熱に用いられることなく当該架橋された煤を経由してハウジング130、ひいてはシリンダヘッドへと放熱(熱逃げ)してしまう割合が増えるおそれがある。しかし、本実施形態では、発熱の主部がハウジング130よりも先端側、すなわち、燃焼室側に位置しているため、ヒータ部150の先端から後端にかけてハウジングの先端部を跨いで発熱の主部が構成された他のグロープラグと比較して、シリンダヘッドへ放熱されてしまう熱量を低減することができる。よって、本実施形態のグロープラグ100によれば、効率的に燃焼室を加熱することが可能となり、グロープラグとしての加熱能力を高めることができる。
【0034】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明はこのような実施形態に限定されず、その趣旨を逸脱しない範囲で種々の構成を採ることができる。例えば、上記実施形態では、ネジ部114の呼び径をM9以下としたが、M10以上の呼び径であってもよい。その他、以下のような変形が可能である。
【0035】
上記実施形態では、ヒータ部150は、シース管152の中に発熱コイル154を埋設することで構成されているが、他の構成とすることも可能である。例えば、絶縁性セラミックの内部に導電性セラミックを埋設したセラミックヒータとしてヒータ部150を構成してもよい。
【0036】
上記実施形態では、ヒータ部150には、太径部と細径部との2段階の径を形成することとしたが、3段階以上の径を形成することとしてもよい。この場合、連結部材180が接続される部分が、他の部分よりも細い径であればよい。
【0037】
上記実施形態では、圧力センサ160は、環状の金属ダイアフラム162とピエゾ抵抗素子164によって構成することとした。しかし、圧力センサ160の構成はこれに限られず、燃焼圧センサ付きのグロープラグで採用されている周知の圧力センサを適宜適用することが可能である。
【0038】
上記実施形態では、薄膜状の平面部183を有する連結部材180によって、ハウジング130とヒータ部150とを連結することとした。これに対して、例えば、ベローズ(蛇腹)状の部材によって、ハウジング130とヒータ部150とを連結することとしてもよい。
【0039】
上記実施形態では、ヒータ部150と圧力センサ160とが伝達スリーブ134を介して接続されることとしたが、ヒータ部150の後端部が、直接的に、圧力センサ160に接続される構成としてもよい。
【0040】
上記実施形態では、中軸170を通じてヒータ部150に電力が供給されることとしたが、中軸170を省略し、配線116からヒータ部150に直接的に電力が供給されることとしてもよい。
【符号の説明】
【0041】
100…グロープラグ
110…主体金具
112…工具係合部
114…ネジ部
116…配線
120…キャップ部材
122…円筒部
124…テーパ部
126…開口部
130…ハウジング
132…センサ固定部材
133…フランジ部
134…伝達スリーブ
150…ヒータ部
152…シース管
154…発熱コイル
155…絶縁粉末
156…シール部材
157…太径部
158…段部
159…細径部
160…圧力センサ
161…開口部
162…金属ダイアフラム
164…ピエゾ抵抗素子
166…集積回路
170…中軸
180…連結部材
182…フランジ部
183…平面部
184…円筒部
185…折り返し部
図1
図2