特許第5838064号(P5838064)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5838064
(24)【登録日】2015年11月13日
(45)【発行日】2015年12月24日
(54)【発明の名称】ペット用トイレ
(51)【国際特許分類】
   A01K 23/00 20060101AFI20151203BHJP
【FI】
   A01K23/00 C
【請求項の数】3
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2011-212570(P2011-212570)
(22)【出願日】2011年9月28日
(65)【公開番号】特開2013-70673(P2013-70673A)
(43)【公開日】2013年4月22日
【審査請求日】2014年9月24日
(73)【特許権者】
【識別番号】390029148
【氏名又は名称】大王製紙株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100090033
【弁理士】
【氏名又は名称】荒船 博司
(74)【代理人】
【識別番号】100093045
【弁理士】
【氏名又は名称】荒船 良男
(72)【発明者】
【氏名】湯澤 倫好
(72)【発明者】
【氏名】藤田 雅也
【審査官】 柴田 和雄
(56)【参考文献】
【文献】 特開2004−180571(JP,A)
【文献】 特開2009−136273(JP,A)
【文献】 米国特許第05220886(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01K 1/01 − 1/015
A01K 23/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上面に開口を有し、底面に吸収シートが敷設される容器型のトイレ本体と、
敷設された前記吸収シートよりも上方に設けられ、前記トイレ本体を上下に区画する仕切り蓋と、
を備え、
前記仕切り蓋は、板状部材がアーチ状に形成されるとともに、厚み方向に貫通する複数の貫通孔を有することを特徴とするペット用トイレ。
【請求項2】
上面に開口を有し、底面に吸収シートが敷設される容器型のトイレ本体と、
敷設された前記吸収シートよりも上方に設けられ、前記トイレ本体を上下に区画する仕切り蓋と、
を備え、
前記仕切り蓋は、
厚み方向に貫通する複数の貫通孔を有する板状部材で形成される蓋部と、
上面が前記蓋部の下面に当接するとともに、下面がアーチ状に形成された脚部と、
を備えることを特徴とするペット用トイレ。
【請求項3】
前記仕切り蓋は、前記トイレ本体と一体となって形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のペット用トイレ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ペット用トイレに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、室内で飼われている犬や猫などのペット用トイレとして、プラスチック製の容器にシート型の吸収材(以下、吸収シート)が敷設されたトイレが一般に使用されている。犬などのペットは、吸収シートの上から尿や便などを排泄する。飼い主は、尿や便で汚れた吸収シートを容器内から取り除いた後、新しい吸収シートを敷設する。
【0003】
上記の吸収シートを利用したペット用トイレとして、複数の貫通孔を有する板状の仕切り蓋によりトイレ本体を上下に区画して、下層部分に吸収シートを敷設してなるペット用トイレが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−14321号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、近年、日中留守にする飼い主が増加する傾向にあり、複数回の排尿に対応可能な厚型の吸収シートが利用されることも多く、上記特許文献1のように吸収シートの上方に仕切り蓋が設けられたペット用トイレの場合、吸収シートが尿を吸収して上方に膨張した際に、仕切り蓋と接触してしまう虞がある。吸収シートと仕切り蓋が接触した場合、吸収シートの膨張が妨げられてしまうため、吸収力を低下させてしまうという問題がある。また、吸収シートと仕切り蓋が接触した場合、接触箇所に液溜まりができてしまうため、ペットの足濡れを防止することができず、不衛生であるという問題がある。
【0006】
また、吸収シートと仕切り蓋との接触を防止するために、仕切り蓋の下面側に支柱を設けることで仕切り蓋の下方への撓みを防止し、吸収シートと仕切り蓋との間に隙間を設けて保持させるペット用トイレが知られているが、支柱は吸収シート上に載置されるため、支柱が吸収シートの膨張を阻害してしまい、吸収力の低下という課題を解決することはできなかった。
また、支柱を設ける代わりに仕切り蓋の強度を高めることで、仕切り蓋の下方への撓みを防止する構成も考えられるが、仕切り蓋の強度を高めるにはコストがかさむため、経済的な面で不都合であった。
【0007】
本発明は、吸収シートと仕切り蓋との接触を防止して吸収シートの吸収力を確保することができるペット用トイレを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に記載の発明は、上記目的を達成するためになされたものであり、
ペット用トイレにおいて、
上面に開口を有し、底面に吸収シートが敷設される容器型のトイレ本体と、
敷設された前記吸収シートよりも上方に設けられ、前記トイレ本体を上下に区画する仕切り蓋と、
を備え、
前記仕切り蓋は、板状部材がアーチ状に形成されるとともに、厚み方向に貫通する複数の貫通孔を有することを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、ペット用トイレにおいて、
上面に開口を有し、底面に吸収シートが敷設される容器型のトイレ本体と、
敷設された前記吸収シートよりも上方に設けられ、前記トイレ本体を上下に区画する仕切り蓋と、
を備え、
前記仕切り蓋は、
厚み方向に貫通する複数の貫通孔を有する板状部材で形成される蓋部と、
上面が前記蓋部の下面に当接するとともに、下面がアーチ状に形成された脚部と、
を備えることを特徴とする。
【0011】
請求項に記載の発明は、請求項1又は2に記載のペット用トイレにおいて、
前記仕切り蓋は、前記トイレ本体と一体となって形成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、ペットが仕切り蓋の上面に乗っても下方に撓みにくく、吸収シートと仕切り蓋との接触を防止することができ、吸収シートの吸収力を確保することができるとともに、ペットの足濡れを防止することができる。また、吸収シートと仕切り蓋との接触を防止するために、仕切り蓋の下面側に支柱を設ける必要がないので、支柱により吸収シートの膨張が阻害されることはなく、吸収シートの吸収力を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本実施形態のペット用トイレの全体構成を示す外観斜視図である。
図2図1のII−II部の一例を示す断面図である。
図3】変形例1のペット用トイレの内部構成を示す断面図である。
図4】変形例2のペット用トイレの全体構成を示す平面図である。
図5図4のV−V部の一例を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、本発明において、「ペット」とは、犬、猫、ウサギ、ハムスター等の小動物を意味するものとする。
【0015】
本実施形態に係るペット用トイレ1は、図1及び図2に示すように、上面に開口を有し、底面に吸収シート20が敷設される容器型のトイレ本体10と、敷設された吸収シート20よりも上方に設けられ、トイレ本体10を上下に区画する仕切り蓋30と、を備えて構成されている。
【0016】
トイレ本体10は、上面に開口を有する平面視略矩形状の箱形容器であり、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS)等の合成樹脂やステンレス等の金属等で形成されている。
【0017】
吸収シート20は、ペット用トイレ1の使用時に体液としての尿等の水様成分を吸収する役割を果たすものであり、例えば、綿やパルプなどの吸収性素材、高吸水性樹脂(SAP;Super Absorbent Polymer)、繊維やフィルムなどのシート状基材等を組み合わせて形成されている。高吸水性樹脂としては、カルボキシメチルセルロース、ポリアクリル酸およびその塩類、アクリル酸塩重合体架橋物、澱粉−アクリル酸グラフト共重合体、澱粉−アクリロニトリルグラフト共重合体の加水分解物、ポリオキシエチレン架橋物、カルボキシメチルセルロース架橋物、ポリエチレンオキサイド、ポリアクリルアミド等の水膨欄性ポリマーを部分架橋したもの、あるいはイソブチレンとマレイン酸との共重合体等が好適に用いられる。
【0018】
仕切り蓋30は、略矩形状の板状部材がアーチ状に形成され、吸収シート20の上方に着脱自在に設けられている。即ち、仕切り蓋30の形状として、縦方向の力に対する変形応力の高いアーチ形状を採用することにより、ペットが仕切り蓋30の上面に乗っても下方に撓みにくく、吸収シート20と仕切り蓋30との接触を防止することができるようになっている。また、仕切り蓋30は、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS)等の合成樹脂やステンレス等の金属等で形成されている。なお、強度や重量、或いは成型のし易さ等から、合成樹脂性のものを使用することがより好ましい。また、仕切り蓋30は、撥水加工が施されていることがより好ましい。
更に、仕切り蓋30は、吸収シート20の表面から3mm以上、より好ましくは5mm以上離れた位置に配設されることが好ましい。これは、ペットが排尿した際に、市販されている一般的な吸収シート20の場合、上記高吸水性樹脂により尿を吸収した部分が上方向に3mm程度膨張するため、吸収シート20の表面からの距離が3mm以上ないと尿を吸収した部分が仕切り蓋30の下面と接触して上方向に膨張できなくなり、尿の吸収力が低下してトイレ本体10の底面に尿が付着してしまうからである。
なお、本実施形態では、仕切り蓋30が下方に抜け落ちないように、トイレ本体10の内側側面部にストッパーとしての突起部T、Tを設けるようにしている。
【0019】
また、仕切り蓋30は、厚み方向に貫通する貫通孔31、…を網目状に多数有している。即ち、貫通孔31、…は、長手方向及び幅方向それぞれに所定間隔を置いて配置されている。貫通孔31、…は、仕切り蓋30上でペットが排泄した尿などの液体を通過させるための通液孔として機能する。なお、貫通孔31、…の大きさは、最大部が3〜10mm程度であることが好ましい。
【0020】
次に、本実施形態に係るペット用トイレ1の使用方法について説明する。
まず、ペットの飼い主は、トイレ本体10の底面に吸収シート20を敷設する。
次に、飼い主は、トイレ本体10に仕切り蓋30を装着する。これにより、本実施形態に係るペット用トイレ1が完成する。
そして、仕切り蓋30上でペットによる排泄が終了すると、飼い主は、仕切り蓋30を取り外し、ペットが排泄した尿を吸収した吸収シート20を取り出して、トイレ本体10内から取り除く。
最後に、飼い主は、新しい吸収シート20をトイレ本体10の底面に敷設して、取り外した仕切り蓋30を再度装着する。
【0021】
以上のように、本実施形態に係るペット用トイレ1によれば、上面に開口を有し、底面に吸収シート20が敷設される容器型のトイレ本体10と、敷設された吸収シート20よりも上方に設けられ、トイレ本体10を上下に区画する仕切り蓋30と、を備え、仕切り蓋30は、少なくとも下面の一部がアーチ状に形成されるとともに、厚み方向に貫通する複数の貫通孔31、…を有するので、ペットが仕切り蓋50の上面に乗っても下方に撓みにくく、吸収シート20と仕切り蓋30との接触を防止することができ、吸収シート20の吸収力を確保することができるとともに、ペットの足濡れを防止することができる。また、吸収シート20と仕切り蓋30との接触を防止するために、仕切り蓋30の下面側に支柱を設ける必要がないので、支柱により吸収シート20の膨張が阻害されることはなく、吸収シート20の吸収力を確保することができる。
【0022】
以上、本発明に係る実施形態に基づいて具体的に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で変更可能である。
【0023】
<変形例1>
例えば、図3に示す例では、実施形態と比べ、複数の貫通孔41、…を有する仕切り蓋40がトイレ本体10と一体となって形成されている点で異なっている。
この場合、特に図示はしないが、トイレ本体10の側面の仕切り蓋40より下方に開口部を形成し、この開口部から引き出し式に取り出し可能であるトレーを備え、トレー底面に吸収シート20を敷設することで、吸収シート20の交換作業を容易にすることができる。なお、このトレーは、実施形態に係るペット用トイレ1及び後述する変形例2に係るペット用トイレ1に備えることも、当然に可能である。
【0024】
以上のように、変形例1に係るペット用トイレ1によれば、仕切り蓋40は、トイレ本体10と一体となって形成されているので、仕切り蓋30が下方に抜け落ちることがなく、より確実に仕切り蓋30を支持できることとなって、吸収シート20との接触を防止することができ、吸収シート20の吸収力を確保することができるとともに、ペットの足濡れを防止することができる。
【0025】
<変形例2>
例えば、図4及び図5に示す例では、実施形態と比べ、仕切り蓋50が、蓋部52と、脚部53と、を備えて構成されている点で異なっている。
【0026】
蓋部52は、複数の貫通孔51、…を有する板状部材で形成され、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS)等の合成樹脂やステンレス等の金属等で形成されている。なお、強度や重量、或いは成型のし易さ等から、合成樹脂性のものを使用することがより好ましい。また、蓋部52は、撥水加工が施されていることがより好ましい。
【0027】
脚部53は、上面が蓋部52の下面に当接するとともに、下面がアーチ状に形成され、蓋部52と同様、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS)等の合成樹脂やステンレス等の金属等で形成されている。即ち、脚部53の形状として、縦方向の力に対する変形応力の高いアーチ形状を採用することにより、ペットが仕切り蓋50の上面に乗っても下方に撓みにくく、吸収シート20と仕切り蓋50との接触を防止することができるようになっている。
また、仕切り蓋50は、吸収シート20の表面から3mm以上、より好ましくは5mm以上離れた位置に配設されることが好ましい。これは、ペットが排尿した際に、市販されている一般的な吸収シート20の場合、上記高吸水性樹脂により尿を吸収した部分が上方向に3mm程度膨張するため、吸収シート20の表面からの距離が3mm以上ないと尿を吸収した部分が仕切り蓋50の下面と接触して上方向に膨張できなくなり、尿の吸収力が低下してトイレ本体10の底面に尿が付着してしまうからである。
【0028】
以上のように、変形例2に係るペット用トイレ1によれば、仕切り蓋50は、複数の貫通孔51、…を有する板状部材で形成される蓋部52と、上面が蓋部52の下面に当接するとともに、下面がアーチ状に形成された脚部53と、を備えるので、ペットの排尿場所が平面状となり、ペットにとって排尿行為を行い易くすることができる。また、脚部53の下面がアーチ状に形成されているので、ペットが仕切り蓋50の上面に乗っても下方に撓みにくく、吸収シート20と仕切り蓋50との接触を防止することができ、吸収シート20の吸収力を確保することができるとともに、ペットの足濡れを防止することができる。
なお、変形例1と同様、仕切り蓋50(蓋部52及び脚部53)をトイレ本体10と一体となって形成することも、当然に可能である。
【0029】
<その他の変形例>
例えば、上記実施形態では、トイレ本体10の形状として、平面視略矩形状の箱形容器を例示して説明しているが、これに限定されるものではなく、例えば、平面視が正方形状の容器であってもよいし、円形状の容器であってもよい。
【0030】
また、上記実施形態では、貫通孔31、…の配列として、網目状のものを例示して説明しているが、これに限定されるものではなく、例えば、格子状に配列してもよいし、不規則な形に配列してもよい。また、貫通孔31、…の形状は、円形、楕円形、四角形等の多角形他いずれかの形状に限定されるものでなく、任意の形状のものを使用することができる。
【0031】
また、トイレ本体10の側面の外面側に、ペットを仕切り蓋30の上面に案内するスロープを設けるようにしてもよい。上記スロープを設けることにより、高さ方向の移動が苦手なペットであってもスムーズに仕切り蓋30の上面に移動することができる。
【0032】
その他、ペット用トイレの細部構成及び細部動作に関しても、本発明の趣旨を逸脱することのない範囲で適宜変更可能である。
【符号の説明】
【0033】
1 ペット用トイレ
10 トイレ本体
20 吸収シート
30、40、50 仕切り蓋
31、41、51 貫通孔
52 蓋部
53 脚部
図1
図2
図3
図4
図5