特許第5838071号(P5838071)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5838071
(24)【登録日】2015年11月13日
(45)【発行日】2015年12月24日
(54)【発明の名称】水まわり用手袋
(51)【国際特許分類】
   A41D 19/015 20060101AFI20151203BHJP
【FI】
   A41D19/015 610Z
【請求項の数】8
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2011-238610(P2011-238610)
(22)【出願日】2011年10月31日
(65)【公開番号】特開2013-96024(P2013-96024A)
(43)【公開日】2013年5月20日
【審査請求日】2014年10月22日
(73)【特許権者】
【識別番号】390029148
【氏名又は名称】大王製紙株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100090033
【弁理士】
【氏名又は名称】荒船 博司
(74)【代理人】
【識別番号】100093045
【弁理士】
【氏名又は名称】荒船 良男
(72)【発明者】
【氏名】氏家 広大
【審査官】 米村 耕一
(56)【参考文献】
【文献】 特開2000−064108(JP,A)
【文献】 登録実用新案第3136152(JP,U)
【文献】 実開昭56−162156(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A41D 19/00−19/04
A41D 13/00−13/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一端が開口し、内側に水が注がれる容器が設けられた水まわり部で用いられる水まわり用手袋であって、
不透液性の素材から形成され、一端に使用者の手先を挿入可能な開口を有する手袋本体部を備え、
前記手袋本体部の開口側に、前記水まわり部の容器の開口の略全体を被覆する被覆部が設けられ
前記被覆部により前記水まわり部の容器の開口が被覆された状態で、当該開口の縁部に取り付け固定される取付部を更に備え、
前記取付部が前記水まわり部の容器の開口の縁部に取り付け固定された状態で、前記手袋本体部の内側に挿入され、この内側の面の一部分に係止された前記使用者の手先が引き抜かれることで当該手袋本体部を裏返し可能に構成されていることを特徴とする水まわり用手袋。
【請求項2】
前記手袋本体部を裏返した状態で前記被覆部側の開口を封止する封止部を備えることを特徴とする請求項1に記載の水まわり用手袋。
【請求項3】
前記封止部は、前記手袋本体部の前記使用者の手先が挿入される内側の面に設けられていることを特徴とする請求項2に記載の水まわり用手袋。
【請求項4】
前記手袋本体部の前記水まわり部側となる外側の面には、前記容器の内側を清掃するための清掃用部材が設けられていることを特徴とする請求項1〜の何れか一項に記載の水まわり用手袋。
【請求項5】
一端が開口し、内側に水が注がれる容器が設けられた水まわり部で用いられる水まわり用手袋であって、
不透液性の素材から形成され、一端に使用者の手先を挿入可能な開口を有する手袋本体部を備え、
前記手袋本体部の開口側に、前記水まわり部の容器の開口の略全体を被覆する被覆部が設けられ、
前記手袋本体部の前記水まわり部側となる外側の面には、前記容器の内側を清掃するための清掃用部材が設けられていることを特徴とする水まわり用手袋。
【請求項6】
前記清掃用部材は、不織布、スポンジ及びブラシのうち、少なくとも何れか一を有することを特徴とする請求項4又は5に記載の水まわり用手袋。
【請求項7】
前記清掃用部材は、前記手袋本体部の前記外側の面における前記使用者の手先側に設けられていることを特徴とする請求項4〜6の何れか一項に記載の水まわり用手袋。
【請求項8】
前記清掃用部材は、前記手袋本体部の前記外側の面の略全域に設けられていることを特徴とする請求項4〜6の何れか一項に記載の水まわり用手袋。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トイレや流し台等の水まわり部で用いられる水まわり用手袋に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、使用者の手指を挿入可能な袋状に形成された耐水性の手袋が知られている(例えば、特許文献1参照)。この手袋は、具体的には、耐水層が外側になるように2枚積層された水解性防水フィルムを積層してなり、使用後に裏返しにすることで水洗トイレなどへ廃棄することができるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−156155号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、例えば、トイレや流し台等の水まわりで上記特許文献1のような手袋を用いて清掃作業などの各種の作業を行う際に、トイレの便器や流し台で跳ね返った水(汚水)が使用者の身体に付着してしまう虞がある。
ここで、手袋を長尺に形成することで手先だけでなく腕全体を被覆することができると考えられるが、清掃作業などで使用者が身体(特に、上半身)をトイレの便器や流し台に近付けると、腕全体を被覆しても身体の腕以外の部分(例えば、顔等)への水の付着を防止することはできない。
【0005】
そこで、本発明の課題は、水まわり部での作業中に跳ね返った水の使用者の身体に対する付着を防止することができる水まわり用手袋を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、
一端が開口し、内側に水が注がれる容器が設けられた水まわり部で用いられる水まわり用手袋であって、不透液性の素材から形成され、一端に使用者の手先を挿入可能な開口を有する手袋本体部を備え、前記手袋本体部の開口側に、前記水まわり部の容器の開口の略全体を被覆する被覆部が設けられ、前記被覆部により前記水まわり部の容器の開口が被覆された状態で、当該開口の縁部に取り付け固定される取付部を更に備え、前記取付部が前記水まわり部の容器の開口の縁部に取り付け固定された状態で、前記手袋本体部の内側に挿入され、この内側の面の一部分に係止された前記使用者の手先が引き抜かれることで当該手袋本体部を裏返し可能に構成されていることを特徴としている。
【0007】
請求項1に記載の発明によれば、不透液性の素材から形成され、一端に使用者の手先を挿入可能な開口を有する手袋本体部の開口側に、水まわり部の容器の開口の略全体を被覆する被覆部が設けられているので、水まわり部での所定の作業中に水まわり部の容器の表面で水が使用者の身体側に跳ね返っても、水が通過する虞のある水まわり部の容器の開口の略全体が被覆部により被覆されていることで、跳ね返った水が使用者の身体に付着してしまうことを防止することができる。
また、取付部が水まわり部の容器の開口の縁部に取り付け固定されているので、当該水まわり用手袋の内側に挿入された使用者の手先の動きに追随して水まわり用手袋が動いても、被覆部による開口の被覆が解放されることを防止することができ、容器の内側で跳ね返った水が通過する虞のある開口が露出してしまうことを防止することができる。
さらに、取付部が水まわり部の開口の縁部に取り付け固定された状態で、手袋本体部の内側の面の一部分に係止された使用者の手先が引き抜かれるだけで当該手袋本体部を容易に裏返すことができる。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の水まわり用手袋において、
前記手袋本体部を裏返した状態で前記被覆部側の開口を封止する封止部を備えることを特徴としている。
【0009】
請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明と同様の効果が得られるのは無論のこと、特に、手袋本体部を裏返した状態で被覆部側の開口を封止する封止部が備えられているので、水まわり部の容器の表面で跳ね返って手袋本体部の外側の面に水が付着しても、当該手袋本体部を裏返して外側の面を内側にした状態で被覆部側の開口を封止することで、手袋本体部の外側の面に付着した水がこぼれ落ちて使用者の身体に付着してしまうのを防止することができる。
【0010】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の水まわり用手袋において、
前記封止部は、前記手袋本体部の前記使用者の手先が挿入される内側の面に設けられていることを特徴としている。
【0011】
請求項3に記載の発明によれば、請求項2に記載の発明と同様の効果が得られるのは無論のこと、特に、手袋本体部の使用者の手先が挿入される内側の面に封止部が設けられているので、当該手袋本体部を裏返すだけで使用者の手先が挿入される内側の面を外側(使用者側)にして封止部を露出させた状態とすることができ、封止部を用いた被覆部側の開口の封止を簡便に行うことができる。
【0012】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3の何れか一項に記載の水まわり用手袋において、
前記手袋本体部の前記水まわり部側となる外側の面には、前記容器の内側を清掃するための清掃用部材が設けられていることを特徴としている。
【0013】
請求項4に記載の発明によれば、請求項1〜3の何れか一項に記載の発明と同様の効果が得られるのは無論のこと、特に、手袋本体部の水まわり部側となる外側の面に容器の内側を清掃するための清掃用部材が設けられているので、当該水まわり用手袋が水まわり部の容器の開口の略全体を被覆部で被覆するように配設された状態で清掃用部材を用いて容器の内側を適正に清掃することができる。
【0014】
請求項5に記載の発明は、
一端が開口し、内側に水が注がれる容器が設けられた水まわり部で用いられる水まわり用手袋であって、不透液性の素材から形成され、一端に使用者の手先を挿入可能な開口を有する手袋本体部を備え、前記手袋本体部の開口側に、前記水まわり部の容器の開口の略全体を被覆する被覆部が設けられ、前記手袋本体部の前記水まわり部側となる外側の面には、前記容器の内側を清掃するための清掃用部材が設けられていることを特徴としている。
【0015】
請求項5に記載の発明によれば、不透液性の素材から形成され、一端に使用者の手先を挿入可能な開口を有する手袋本体部の開口側に、水まわり部の容器の開口の略全体を被覆する被覆部が設けられているので、水まわり部での所定の作業中に水まわり部の容器の表面で水が使用者の身体側に跳ね返っても、水が通過する虞のある水まわり部の容器の開口の略全体が被覆部により被覆されていることで、跳ね返った水が使用者の身体に付着してしまうことを防止することができる。
また、手袋本体部の水まわり部側となる外側の面に容器の内側を清掃するための清掃用部材が設けられているので、当該水まわり用手袋が水まわり部の容器の開口の略全体を被覆部で被覆するように配設された状態で清掃用部材を用いて容器の内側を適正に清掃することができる。
【0016】
請求項6に記載の発明は、請求項4又は5に記載の水まわり用手袋において、
前記清掃用部材は、不織布、スポンジ及びブラシのうち、少なくとも何れか一を有することを特徴としている。
【0017】
請求項6に記載の発明によれば、清掃用部材は、不織布、スポンジ及びブラシのうち、少なくとも何れか一を有するので、不織布、スポンジ及びブラシのうち、少なくとも何れか一を用いて容器の内側を清掃することができ、請求項4又は5に記載の発明と同様の効果を得ることができる。
【0018】
請求項7に記載の発明は、請求項4〜6の何れか一項に記載の水まわり用手袋において、
前記清掃用部材は、前記手袋本体部の前記外側の面における前記使用者の手先側に設けられていることを特徴としている。
【0019】
請求項7に記載の発明によれば、清掃用部材は、手袋本体部の外側の面における使用者の手先側に設けられているので、請求項4〜6の何れか一項に記載の発明と同様の効果を得ることができる。
【0020】
請求項8に記載の発明は、請求項4〜6の何れか一項に記載の水まわり用手袋において、
前記清掃用部材は、前記手袋本体部の前記外側の面の略全域に設けられていることを特徴としている。
【0021】
請求項8に記載の発明によれば、清掃用部材は、手袋本体部の前記外側の面の略全域に設けられているので、請求項4〜6の何れか一項に記載の発明と同様の効果を得ることができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、水まわり部の容器の表面で水が使用者の身体側に跳ね返っても、水が通過する虞のある水まわり部の容器の開口の略全体が被覆部により被覆されていることで、跳ね返った水が使用者の身体に付着してしまうことを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本発明を適用した一実施形態の水まわり用手袋を示す斜視図である。
図2図1の水まわり用手袋が洋式便器に取り付けられた状態を模式的に示す図である。
図3】水まわり用手袋の先端部の変形例を説明するための図である。
図4図1の水まわり用手袋の使用方法を説明するための図である。
図5】変形例1の水まわり用手袋を説明するための図である。
図6】変形例2の水まわり用手袋を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下に、本発明について、図面を用いて具体的な態様を説明する。ただし、発明の範囲は、図示例に限定されない。
図1は、本発明を適用した一実施形態の水まわり用手袋100を示す斜視図であり、図2は、水まわり用手袋100が洋式便器200に取り付けられた状態を模式的に示す図である。なお、図1にあっては、当該水まわり用手袋100の使用者の肘から手先側の部分(腕部A)を模式的に破線で表している。
また、以下の説明では、水まわり用手袋100の使用者の手先が挿入される側を内側とし、水まわり部側を外側として説明する。
【0025】
水まわり用手袋100は、図1及び図2に示すように、例えば、トイレや流し台等の水まわり部で用いられるものである。
【0026】
ここで、水まわり部の一例としての洋式便器200(図2参照)について詳細に説明する。
洋式便器200は、例えば、図2に示すように、排泄物を受ける便器本体210と、この便器本体210の開口側に設けられた便座220と、便座220の開口221を開閉する蓋体230とを備えている。
【0027】
便器本体210は、例えば、上端(一端)が開口したボウル状に形成された容器211を具備し、当該容器211の内側に開口側の縁部から水が注がれることで、排泄物を送出可能となっている。
便座220は、例えば、その中央部に略「O」字状の開口221が形成され、当該便座220と便器本体210とが連通した状態となっている。また、便座220は、便器本体210の一端部(例えば、使用者から視て奥側の端部等)に軸支され、所定方向(例えば、奥側に向かう方向等)や当該所定方向と反対方向(例えば、手前側に向かう方向等)に回動自在となっている。なお、便座220の形状は、一例であってこれに限られるものではなく、例えば、平面視にて全体として略「U」字状に形成されたものであっても良い。
蓋体230は、便器本体210の一端部(例えば、使用者から視て奥側の端部等)に回動自在に軸支され、所定方向(例えば、奥側に向かう方向等)や当該所定方向と反対方向(例えば、手前側に向かう方向等)に回動させることで便座220の開口221を開閉自在となっている。
【0028】
水まわり用手袋100は、内側に使用者の腕部Aが挿入されるとともに、当該使用者の腕部Aを挿入可能な開口111側の部分で洋式便器200の開口(例えば、便座220の開口221等)の略全体を被覆した状態で使用されるものである。
具体的には、水まわり用手袋100は、図1に示すように、使用者の手先が挿入可能な開口111を有する手袋本体部110を具備し、この手袋本体部110の開口111側に、洋式便器200の開口の略全体を被覆する被覆部112が設けられている。
【0029】
手袋本体部110は、不透液性の素材から形成されている。例えば、手袋本体部110は、略同一形状の2枚の不透液性フィルムを重ね合わせ、当該2枚の不透液性フィルムの端部どうしが所定の圧着方法(例えば、ヒートシール等)により貼り合わされて形成されている。具体的には、2枚の不透液性フィルムの端部どうしのうち、使用者の手先が挿入可能な被覆部112側の開口111を有する一端を除いた部分が貼り合わされている。
つまり、手袋本体部110は、使用者の手先が挿入可能な開口111を有する一端を除き、2枚の不透液性フィルムの端部どうしが密着した状態となっており、当該手袋本体部110の内側に水などが浸み込まないように形成されている。
【0030】
不透液性フィルムは、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタラート(PET)などのポリオレフィンフィルム等であって、手袋本体部110の外側からその内側に水などの液体を浸透させないフィルム素材である。ここで、不透液性フィルムは、例えば、手袋本体部110の内側から外側に蒸気を放散可能な通気性を有するフィルム材が好ましい。
また、2枚の不透液性フィルムどうしを貼り合わせる所定の圧着方法としては、例えば、ホットメルトなどのヒートシールや超音波シールなどが挙げられる。
【0031】
なお、手袋本体部110を構成する不透液性の素材として、不透液性フィルムを例示したが、一例であってこれに限られるものではなく、例えば、天然ゴムや合成ゴム等を適用しても良い。また、例えば、透液性の素材の表面に撥水加工などを施すことで不透液性を具備させるようにしても良い。
また、手袋本体部110は、当該手袋本体部110を透かして向こう側を透視できるように透明性の高い素材(例えば、ポリビニルアルコール(PVA)等)から形成されているのが好ましい。
【0032】
また、手袋本体部110は、その内側に使用者の腕部Aを収容可能な腕収容部113を具備している(図1参照)。
腕収容部113は、当該手袋本体部110の内側に挿入される使用者の手先を少なくとも収容可能な形状に形成されている。具体的には、腕収容部113は、使用者の手先から肘上までの部分を収容可能となるように長尺な形状に形成されている。
また、腕収容部113の当該手袋本体部110の開口111と反対側となる先端部113aは、使用者の手先の形状に対応させた形状に形成されている。具体的には、腕収容部113の先端部113aは、親指が収容される部分と残りの4本の指が収容される部分が分かれたミトン型に形成されている。
【0033】
また、腕収容部113は、洋式便器200の清掃の際に、当該洋式便器200の開口(例えば、便座220の開口221や便器本体210の容器211の開口等)を介して便器本体210の容器211の内側に配置される。
【0034】
また、手袋本体部110の容器211側となる外側の面には、便器本体210の容器211の内側を清掃するための清掃用部材114が設けられている。具体的には、腕収容部113の先端部113a、即ち、手袋本体部110の外側の面における使用者の手先側に、清掃用部材114が設けられている。
ここで、清掃用部材114は、手袋本体部110の外側の面における使用者の手先側の略全域に設けられていても良いし、一部の領域(例えば、手の平側や手の甲側等)に設けられていても良い。
【0035】
清掃用部材114は、例えば、不織布、スポンジ及びブラシのうち、少なくとも何れか一を有して形成されている。
不織布は、例えば、疎水性や親水性を有する所定の繊維を用いて周知の技術により製造されたものである。疎水性を有する繊維としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン及びポリビニルアルコール等のポリオレフィン系繊維、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル繊維や、ナイロン等のポリアミド系繊維が挙げられる。また、親水性を有する繊維としては、例えば、レーヨン、リヨセル、テンセル、コットン等のセルロース系繊維、アクリル繊維等の親水性の合成繊維などが挙げられる。これらの繊維素材は、単独で、或いは、2種以上を組み合わせて用いることができる。
スポンジは、内部に細かな孔が無数に空いた多孔質状をなすものであり、例えば、天然の海綿を加工したものであっても良いし、ポリウレタン等の合成樹脂を加工したものであっても良い。
ブラシは、例えば、樹脂等からなる無数の繊毛から構成され、当該繊毛が手袋本体部110の外側の面に放射状に植毛されることで構成される。
【0036】
なお、清掃用部材114は、清掃の際に、例えば、液体洗剤や研磨剤等を染みこませたり付着させるようになっているが、予め液体洗剤や研磨剤等を清掃用部材114の表面に塗布したり内側に付着させていても良い。
【0037】
また、腕収容部113の先端部113aの形状は、一例であってこれに限られるものではなく、適宜任意に変更可能である。例えば、図3(a)に示すように、5本の指が個別に収容されるように手型状に形成されても良いし、図3(b)に示すように、5本全ての指が一箇所に収容されるように先端部が丸められた有底の筒状に形成されても良い。
ここで、図3(a)及び図3(b)にあっては、清掃用部材114の図示を省略している。
【0038】
手袋本体部110の使用者の手先が挿入可能な開口111側は、例えば、ラッパ状に拡径されてなり、当該拡径された部分によって被覆部112が構成されている。
即ち、手袋本体部110の開口111側は、当該手袋本体部110の先端側よりも挿入方向に直交する断面の面積が大きくされている。具体的には、手袋本体部110の挿入方向に直交する断面の面積は、使用者の手先側から開口111側になるにつれて次第に大きくなっている。また、手袋本体部110の開口111の大きさは、洋式便器200の開口、即ち、便座220の開口221や便器本体210の容器211の開口の大きさと略等しいか、或いは、それよりも大きくなっている。
そして、被覆部112は、洋式便器200の清掃の際に、蓋体230を所定方向(例えば、奥側に向かう方向等)に回動させることで露出された当該洋式便器200の開口、即ち、便座220の開口221や便器本体210の容器211の開口の略全体を被覆するように配置される。
【0039】
なお、被覆部112は、手袋本体部110の開口111側を当該手袋本体部110の先端側よりも挿入方向に直交する断面の面積を大きくすることで構成されるようにしたが、例えば、手袋本体部110の開口111側をラッパ状に拡径可能となるように伸縮性を有する素材から構成されても良い。
【0040】
また、手袋本体部110の開口111側の縁部には、洋式便器200の開口(例えば、便座220の開口221等)の縁部に取り付け固定される取付部115が設けられている。
取付部115は、例えば、複数設けられ、これら複数の取付部115、…は、手袋本体部110の外側の面における開口111側の縁部に沿って所定間隔を空けて配設され、全体として環状をなしている(図1参照)。また、各取付部115は、例えば、薄い層状の粘着部115a(図4(a)等参照)と、この粘着部115aの表面を被覆する剥離シート115b(図1等参照)とを有している。
【0041】
粘着部115aは、例えば、所定の粘着剤が塗布されることで形成されている。所定の粘着剤としては、例えば、一般的に耐久性において優れた性質をもっているポリアクリル酸エステルを主体としたアクリル系接着剤や、天然ゴム、合成ゴムの弾力性成分と粘着付与剤が主成分で、これに可塑剤、老化防止剤などが配合されているゴム系接着剤などが適用可能である。また、ホットメルト接着剤などの既知の接着剤を適用しても良い。
剥離シート115bは、例えば、剥離紙や剥離フィルムといった防水性、撥水性を有する素材で形成され、粘着部115aに対して着脱自在に貼着されている。
【0042】
各取付部115は、例えば、当該水まわり用手袋100の非使用状態では、粘着部115aの表面、即ち、粘着部115aが貼着された手袋本体部110の外側の面と反対側となる面に、剥離シート115bが貼着された状態となっている(図1等参照)。
一方、水まわり用手袋100を使用する際に剥離シート115bが剥がされることにより、粘着部115aの表面が露出される。そして、例えば、被覆部112により洋式便器200の便座220の開口221が被覆された状態で、粘着部115aが便座220の下面側における開口221の縁部(図4(a)等参照)に貼着されることで当該開口221の縁部に取り付け固定されるようになっている。
【0043】
なお、例えば、洋式便器200の便器本体210の容器211の開口、即ち、便座220を所定方向(例えば、奥側に向かう方向等)に回動させることで露出された便器本体210の容器211の開口が、被覆部112により被覆された状態では、粘着部115aが容器211の開口の縁部(図示略)や便器本体210の外側面部等に貼着されるようにしても良い。
【0044】
また、手袋本体部110の取付部115よりもわずかに手先側には、被覆部112側の開口を封止する封止部116が設けられている。
封止部116は、例えば、紐やテープや面ファスナー等を適用することができ、手袋本体部110の使用者の手先が挿入される内側の面に設けられている。そして、手袋本体部110が裏返されることで封止部116が露出されて、当該封止部116を用いて被覆部112側の開口を封止可能となる(図4(c)参照)。具体的には、封止部116は、裏返した状態の手袋本体部110の当該封止部116が設けられた部分、或いは、当該封止部116よりも手先側の部分の開口を縮径させる(絞る)ようにして当該開口を封止する。
【0045】
次に、水まわり用手袋100の使用方法について図4(a)〜図4(c)を参照して説明する。
ここで、図4(a)〜図4(c)は、水まわり用手袋100の使用方法を説明するための図であり、図4(a)は、水まわり用手袋100が便座220に取り付けられた状態を模式的に表し、図4(b)は、水まわり用手袋100が裏返された状態を模式的に表し、図4(c)は、裏返した状態の手袋本体部110の被覆部112側の開口が封止部116により封止された状態を模式的に表している。
なお、図4(a)〜図4(c)にあっては、洋式便器200の便座220以外の構成については図示を省略している。
【0046】
先ず、水まわり用手袋100を用いた洋式便器200の清掃方法について、図4(a)を参照して説明する。
図4(a)に示すように、水まわり用手袋100を使用する際には、便座220の開口221を介して便器本体210の容器211の内側に腕収容部113を配置するとともに被覆部112で洋式便器200の便座220の開口221の略全体を被覆し、さらに、取付部115の粘着部115aを便座220の下面側における開口221の縁部に貼着して取り付け固定する。
【0047】
そして、水まわり用手袋100の腕収容部113の内側に使用者の腕部Aが挿入されて、清掃用部材114で便器本体210の容器211の内側を摺擦するようにして当該容器211を清掃する。なお、被覆部112で洋式便器200の便座220の開口221を被覆する前に、容器211の内側にブラシなどの清掃道具(図示略)を入れておき、当該清掃道具を用いて容器211の清掃を行うようにしても良い。
ここで、便座220の開口221の略全体が被覆部112により被覆されているので、便器本体210の容器211の内側で跳ね返った水(特に、汚水)が使用者の身体に付着してしまうことを防止することができる。また、水まわり用手袋100は、取付部115の粘着部115aにより便座220の開口221の縁部に取り付け固定されているので、便器本体210の容器211の内側を清掃する際に使用者の腕部Aの動きに追随して水まわり用手袋100の腕収容部113が動いても、被覆部112による便座220の開口221の被覆が解放されることを防止することができる。つまり、容器211の内側で跳ね返った水が通過する虞のある便座220の開口221が露出してしまうことを防止することができる。
【0048】
次に、水まわり用手袋100を洋式便器200から取り外す方法について、図4(b)及び図4(c)を参照して説明する。
手袋本体部110の腕収容部113の内側に使用者の腕部Aを挿入した状態(図4(a)参照)での洋式便器200の便器本体210の容器211の清掃が終了すると、図4(b)に示すように、腕収容部113の内側に挿入された使用者の指により当該内側の面の一部分(特に、先端部)が摘まれた状態のまま当該使用者の手先が引き抜かれる。具体的には、手袋本体部110の内側の面の一部分を摘んだ使用者の手先を、便座220の開口221を通過させるように図4(b)における上方に移動させる。このとき、取付部115が便座220の開口221の縁部に取り付け固定されているので、手袋本体部110の内側の面の一部分に係止された使用者の手先が引き抜かれても、当該使用者の手先の移動に追随して手袋本体部110全体が移動するのではなく、取付部115よりも先端部側(使用者の手先に対応する側)が移動する。これにより、手袋本体部110における便器本体210の容器211の内側に配置されている部分が裏返されていく。
なお、使用者の指により手袋本体部110の内側の面の一部分を掴むようにしたが、内側の面の一部分に使用者の手先を係止する方法はこれに限られるものではなく、例えば、当該内側の面の一部分に使用者の指が引っ掛けられる引っ掛け部(図示略)を設けるようにしても良い。
このように、取付部115が洋式便器200の開口の縁部に取り付け固定された状態で、手袋本体部110の内側の面の一部分に係止された使用者の手先が引き抜かれることで当該手袋本体部110を裏返し可能になっている。
【0049】
そして、手袋本体部110のうち、便器本体210の容器211の内側に配置されている全ての部分が便座220の開口221を通過させるように移動すると、手袋本体部110が全て裏返された状態となる。この状態では、手袋本体部110の内側の面に設けられた封止部116が露出された状態となっているので、当該封止部116を用いて、裏返した状態の手袋本体部110の封止部116が設けられた部分、或いは、封止部116よりも手先側の部分の開口を縮径させるようにして当該開口を封止する(図4(c)参照)。
これにより、当該水まわり用手袋100を用いた洋式便器200の清掃の際に、便器本体210の容器211の内側で跳ね返って手袋本体部110(特に、腕収容部113近傍)の外側の面に付着した水がこぼれ落ちて使用者の身体に付着することが防止される。
【0050】
その後、取付部115の粘着部115aを便座220の開口221の縁部から剥がし、当該水まわり用手袋100を便座220から取り外す。
便座220から取り外された水まわり用手袋100は、そのままゴミとして廃棄しても良いが、例えば、粘着部115aを用いて当該水まわり用手袋100の開口111側を封止することで使用者側に露出される面が全て内側となるように裏返した状態とした後、廃棄しても良い。また、水まわり用手袋100の封止部116により封止されていない部分を先端側(図4(c)等における上側)に折り返して、封止部116により封止されている部分を包むようにコンパクトに折り畳んだ状態で粘着部115aを用いて止着した後、廃棄しても良い。
【0051】
以上のように、本実施形態の水まわり用手袋100によれば、不透液性の素材からなる手袋本体部110の一端に形成された使用者の手先を挿入可能な開口111側に、洋式便器200の開口(例えば、便座220の開口221等)の略全体を被覆する被覆部112が設けられているので、洋式便器200での所定の作業(例えば、清掃作業)中に便器本体210の容器211の表面で水(特に、汚水)が使用者の身体側に跳ね返っても、水が通過する虞のある洋式便器200の開口の略全体が被覆部112により被覆されていることで、跳ね返った水が使用者の身体に付着してしまうことを防止することができる。
具体的には、手袋本体部110の洋式便器200側となる外側の面に便器本体210の容器211の内側を清掃するための清掃用部材114が設けられているので、当該水まわり用手袋100が洋式便器200の便座220の開口221の略全体を被覆部112で被覆するように配設された状態で清掃用部材114を用いて容器211の内側を適正に清掃することができる。特に、清掃用部材114は、不織布、スポンジ及びブラシのうち、少なくとも何れか一を有するので、不織布、スポンジ及びブラシのうち、少なくとも何れか一を用いて容器211の内側を清掃することができる。
この清掃作業の際に、容器211の表面で水が使用者の身体側に跳ね返っても、便座220の開口221の略全体が被覆部112により被覆されていることで、跳ね返った水が使用者の身体に付着してしまうことを防止することができる。
【0052】
また、手袋本体部110を裏返した状態で被覆部112側の開口を封止する封止部116が備えられているので、便器本体210の容器211の表面で跳ね返って手袋本体部110の外側の面に水が付着しても、当該手袋本体部110を裏返して外側の面を内側にした状態で被覆部112側の開口を封止することで、手袋本体部110の外側の面に付着した水がこぼれ落ちて使用者の身体に付着してしまうのを防止することができる。
さらに、手袋本体部110の使用者の手先が挿入される内側の面に封止部116が設けられているので、当該手袋本体部110を裏返すだけで使用者の手先が挿入される内側の面を外側(使用者側)にして封止部116を露出させた状態とすることができ、封止部116を用いた被覆部112側の開口の封止を簡便に行うことができる。
【0053】
また、当該水まわり用手袋100を裏返す際に、取付部115が洋式便器200の開口の縁部に取り付け固定された状態で、手袋本体部110の内側の面の一部分に係止された使用者の手先が引き抜かれるだけで当該手袋本体部110を容易に裏返すことができる。
【0054】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の改良並びに設計の変更を行っても良い。
以下に、本発明に係る水まわり用手袋の各構成の変形例について説明する。なお、下記に説明する以外の点は、上記実施形態と略同様であり、その詳細な説明は省略する。
【0055】
<変形例1>
図5は、変形例1の水まわり用手袋300を説明するための図である。
図5に示すように、水まわり用手袋300の外側の面の略全域に清掃用部材114Aが設けられている。
具体的には、清掃用部材114Aは、水まわり用手袋300の外側の面における腕収容部113に対応する部分に設けられている。なお、清掃用部材114Aは、上記実施形態と同様に、例えば、不織布、スポンジ及びブラシのうち、少なくとも何れか一を有して形成されている。
【0056】
従って、変形例1の水まわり用手袋300によれば、当該水まわり用手袋300が洋式便器200の開口(例えば、便座220の開口221等)の略全体を被覆部112で被覆するように配設された状態で、水まわり用手袋300の外側の面の略全域に設けられた清掃用部材114Aを用いて洋式便器200の容器211の内側を適正に清掃することができる。
【0057】
<変形例2>
図6は、変形例2の水まわり用手袋400を説明するための図である。
図6に示すように、手袋本体部110の外側の面に、複数種類の清掃用部材114Bが設けられている。
具体的には、例えば、清掃用部材114Bとしてのブラシが、手型状に形成された腕収容部113の使用者の手先側の外面における指先に対応する部分に配設され、清掃用部材114Bとしての不織布やスポンジが、腕収容部113の使用者の手先側の外面における手の平や甲に対応する部分に配設されている。
【0058】
従って、変形例2の水まわり用手袋400によれば、当該水まわり用手袋400が洋式便器200の(例えば、便座220の開口221等)の略全体を被覆部112で被覆するように配設された状態で、複数種類の清掃用部材114Bを用いて洋式便器200の容器211の内側を効率良く清掃することができる。特に、使用者が力を相対的に入れ難い腕収容部113の使用者の手先側の指先に対応する部分に配設されたブラシを用いて容器211の内側の汚れを掻き落とすことができ、一方、使用者が力を相対的に入れ易い腕収容部113の使用者の手先側の手の平や甲に対応する部分に配設された不織布やスポンジを用いて容器211の内側の汚れを満遍なく清掃することができる。
【0059】
なお、複数種類の清掃用部材114Bを配設する位置は適宜任意に変更可能であり、例えば、水まわり用手袋400の外側の面の略全域、或いは、一部の領域を手の平側と手の甲側とに分割して、何れか一方の側(例えば、手の平側等)の面に一の種類の清掃用部材114B(例えば、不織布等)を配設し、他方の側(例えば、手の甲側等)の面に一の種類とは異なる他の種類の清掃用部材114B(例えば、ブラシ等)を配設するようにしても良い。
【0060】
さらに、上記実施形態並びに各変形例で例示した清掃用部材114(114A、114B)の配設位置は一例であってこれに限られるものではなく、洋式便器200の容器211の内側を清掃可能であれば清掃用部材114の配設位置は適宜任意に変更可能である。
さらに、上記実施形態並びに各変形例にあっては、必ずしも清掃用部材114を具備する必要はなく、当該清掃用部材114を具備するか否かは適宜任意に変更可能である。
【0061】
また、上記実施形態並びに各変形例で例示した封止部116の配設位置は一例であってこれに限られるものではなく、手袋本体部110を裏返した状態で被覆部112側の開口を封止可能であれば封止部116の配設位置は適宜任意に変更可能である。
さらに、上記実施形態並びに各変形例にあっては、必ずしも封止部116を具備する必要はなく、当該封止部116を具備するか否かは適宜任意に変更可能である。
【0062】
また、上記実施形態並びに各変形例で例示した取付部115の配設位置は一例であってこれに限られるものではなく、被覆部112により洋式便器200の開口が被覆された状態で、当該開口の縁部に取り付け固定可能であれば取付部115の配設位置は適宜任意に変更可能である。
さらに、上記実施形態並びに各変形例にあっては、必ずしも取付部115を具備する必要はなく、当該取付部115を具備するか否かは適宜任意に変更可能である。
【0063】
また、上記実施形態並びに各変形例の水まわり用手袋100(300、400)にあっては、少なくとも手袋本体部110の開口111側に、洋式便器200の開口の略全体を被覆する被覆部112が設けられている構成であれば適宜任意に変更可能である。
【0064】
さらに、上記実施形態並びに各変形例にあっては、水まわり部として洋式便器200を例示して説明したが、一例であってこれに限られるものではなく、例えば、図示は省略するが、流し台など、一端が開口し、内側に水が注がれる容器が設けられた構成であれば適宜任意に変更可能である。
【0065】
加えて、今回開示された実施形態は、全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0066】
100、300、400 水まわり用手袋
110 手袋本体部
111 開口
112 被覆部
114、114A、114B 清掃用部材
115 取付部
200 洋式便器
210 便器本体
211 容器
220 便座
221 開口
図1
図2
図3
図4
図5
図6